JPH0845702A - 電力用抵抗体、その製造方法および電力用遮断器 - Google Patents

電力用抵抗体、その製造方法および電力用遮断器

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JPH0845702A
JPH0845702A JP7121720A JP12172095A JPH0845702A JP H0845702 A JPH0845702 A JP H0845702A JP 7121720 A JP7121720 A JP 7121720A JP 12172095 A JP12172095 A JP 12172095A JP H0845702 A JPH0845702 A JP H0845702A
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直樹 首藤
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単位体積当たりの熱容量が大きく、適切かつ
安定した電気抵抗値を有し、さらにサージ吸収による抵
抗値の経時変化が小さい電力用抵抗体を提供しようとす
るものである。 【構成】 酸化アルミニウムおよびカーボンを含む焼結
体と、前記焼結体の対向する2つの面に形成された一対
の電極とを具備した電力用抵抗体であって、前記焼結体
は、カーボン量が少ないかもしくはカーボンを含まない
第1領域と、この第1領域よりカーボン量が多く、かつ
前記一対の電極に繋がるように配置された第2領域とか
らなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電圧装置、大容量コ
ンデンサの充放電装置等に用いられる固定抵抗器、可変
抵抗器、抵抗器アレーとして好適な電力用抵抗体、その
製造方法および前記電力用抵抗体を投入抵抗体して備え
た電力用遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力用抵抗体の材料には金属系
抵抗材料、金属酸化物系抵抗材料および非金属系抵抗材
料に大別される。これらの中で、金属酸化物系抵抗材料
は、他の材料に比べて耐熱性、耐電圧電流性および高電
気エネルギーを吸収するエネルギー耐量が高いという特
徴を有する。
【0003】特開昭58−139401号公報および特
開昭59−217668号公報には、代表的な金属酸化
物系抵抗体が開示されている。特開昭58−13940
1号公報には、絶縁性の酸化アルミニウム結晶中に導電
性のカーボン粉末を分散させ、粘土で焼き固めた炭素粒
子分散型セラミック抵抗体が記載されている。
【0004】特開昭59−217668号公報には、酸
化アルミニウム、ムライト、焼成粘土などの絶縁性無機
材料粉末に炭素粉末およびバインダを添加し、混合、混
練、加熱処理した材料を原料として用いた炭素系電力用
抵抗体が記載されている。また、同公報には炭素粉末が
0.1μm以下の微粉末で、1.5〜5重量%含有する
ことが記載されている。
【0005】ところで、酸化アルミニウム粉末にカーボ
ン粉末を添加した焼結体の製造においては、通常、前記
酸化アルミニウムの焼結性が阻害される。このため、前
述した炭素粒子分散型セラミック抵抗体の製造において
は酸化アルミニウム粉末にカーボン粉末を添加し、さら
に前記酸化アルミニウムの焼結性を補うために粘土を加
えて焼結している。しかしながら、前記粘土の添加は単
に前記酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末とを結合す
るに止まり、焼結性を向上させることができないため、
得られた抵抗体の気孔率は10〜30%と高く緻密性に
劣る。その結果、かかる方法により製造された炭素粒子
分散型セラミック抵抗体は次のような問題を生じる。
【0006】すなわち、前記抵抗体を開閉時に発生する
サージを吸収したり、遮断容量を増加させる目的で遮断
接点と並列に接続される遮断器の投入抵抗体として用い
た場合、前記抵抗体の緻密性の低下に起因して、体積当
たりの熱容量が2J/cm3・K程度と小さくなる。こ
のため、サージ等のエネルギー吸収に伴う抵抗体の温度
上昇が著しくなる。しかも、通電時にカーボン粉末が気
孔内で放電して、貫通放電を起こす。したがって、前述
した炭素粒子分散型セラミック抵抗体が組み込まれた遮
断器は、前記抵抗体を格納するスペースが大きくなると
共に、信頼性の確保のために遮断容量を低く抑える必要
があった。
【0007】また、カーボン粉末を均一に分散すること
が難しいため、所期目的の抵抗値を有する炭素粒子分散
型セラミック抵抗体を再現性よく製造することが困難で
あった。その上、焼結体内部で抵抗率の分布を生じるた
め、サージ等のエネルギーの吸収に伴う抵抗体の温度上
昇時に温度分布が生じ、熱膨張差により抵抗体が破壊す
る問題があった。さらに、気孔率が高いために強度の点
で十分満足するものではなかった。
【0008】以上のような問題点を解決するために以下
に説明する電力用抵抗体の製造方法が知られている。す
なわち、この電力用抵抗体の製造方法は金属酸化物粉末
にレゾール系フェノール樹脂のような有機化合物からな
る炭素前駆体および溶剤を添加、混合した後、乾燥して
混合粉末を調製する工程と、前記混合粉末を成形して粉
末圧粉体を形成する工程と、前記圧粉体を真空中また非
酸化性ガス中、1300〜1800℃の温度で加熱焼結
することにより金属酸化物を主成分とし、副成分として
平均径1μm以下のカーボンを0.005〜3重量%含
む焼結体を作製する工程とを具備するものである。
【0009】前述した方法によれば、金属酸化物粉末と
共に炭素前駆体を液相分散、混合し、成形した後、加熱
焼結することにより気相法で前記炭素前駆体を炭素に変
換させることにより、超微細な炭素が前記金属酸化物の
粒界に分散された焼結体を作製することができる。ま
た、前記成形体の焼結に際し、前記金属酸化物粉末の焼
結性を阻害するカーボン粉末が存在しないために、前記
金属酸化物粉末の焼結性が良好になり緻密性の高い焼結
体が得られ、その結果単位体積当たりの比熱の大きな電
力用抵抗体を製造することができる。
【0010】しかしながら、このような方法により10
3 Ω・cmを越える高い抵抗率を有する焼結体を製造す
る場合には、導電性を付与するカーボンの接続が僅かな
数であるため、製造条件の変動が顕著に反映され、所期
目的の抵抗率を有する焼結体を再現性よく得ることは必
ずしも容易ではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単位
体積当たりの熱容量が大きく、適切かつ安定した電気抵
抗値を有し、さらにサージ吸収による抵抗値の経時変化
が小さい電力用抵抗体を提供しようとするものである。
【0012】本発明の別の目的は、単位体積当たりの熱
容量が大きく、適切かつ安定した電気抵抗値を有し、さ
らにサージ吸収による抵抗値の経時変化が小さい電力用
抵抗体の製造方法を提供しようとするものである。
【0013】本発明のさらに別の目的は、遮断容量が大
きく、遮断性能の安定した投入抵抗ユニットを備え、小
型、高性能化を達成した電力用遮断器を提供しようとす
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係わ
る電力用抵抗体は、酸化アルミニウムおよびカーボンを
含む焼結体と、前記焼結体の対向する2つの面に形成さ
れた一対の電極とを具備し、前記焼結体は、カーボン量
が少ないかもしくはカーボンを含まない第1領域と、こ
の第1領域よりカーボン量が多く、かつ前記一対の電極
に繋がるように配置された第2領域とからなることを特
徴とするものである。
【0015】本発明に係わる電力用抵抗体の製造方法
は、カーボン前駆体である有機化合物を溶剤により溶解
した溶液を酸化アルミニウム粉末に分散させ、前記溶剤
を除去して造粒することによりカーボン量の少ないかも
しくはカーボンを含まない第1領域を形成する第1造粒
原料を調製する工程と、カーボン前駆体である有機化合
物を溶剤により溶解した溶液を酸化アルミニウム粉末に
分散させ、前記溶剤を除去して造粒することにより前記
第1領域よりカーボン量の多い第2領域を形成する第2
造粒原料を調製する工程と、前記第1造粒原料および前
記第2造粒原料とを混合した後、成形、焼結することに
より焼結体を作製する工程と、前記焼結体の対向する主
面に一対の電極を形成する工程とを具備したことを特徴
とするものである。
【0016】本発明に係わる別の電力用抵抗体の製造方
法は、カーボン粉末が少ないかもしくはカーボン粉末を
含まない酸化アルミニウム粉末を含有する第1領域を形
成する第1造粒原料を調製する工程と、カーボン粉末と
酸化アルミニウム粉末を含み、前記第1領域よりカーボ
ン粉末の量が多い第2領域を形成する第2造粒原料を調
製する工程と、前記第1造粒原料および前記第2造粒原
料とを混合した後、成形、焼結することにより焼結体を
作製する工程と、前記焼結体の対向する主面に一対の電
極を形成する工程とを具備したことを特徴とするもので
ある。
【0017】本発明に係わる電力用遮断器は、電流経路
に配置される主開閉手段と、前記電流経路に前記主開閉
手段に対して並列になるように接続され、前記主開閉手
段をONさせる前にONされる補助開閉手段と、前記補
助開閉手段に直列に接続され、焼結体およびこの焼結体
の対向する面に形成された電極を有する抵抗体が組み込
まれ、かつ前記焼結体はカーボン量が少ないかもしくは
カーボンを含まない第1領域とこの第1領域よりカーボ
ン量が多く、かつ前記一対の電極に繋がるように配置さ
れた第2領域とからなる構成を有する投入抵抗ユニット
とを具備したことを特徴とするものである。
【0018】本発明に係わる電力用抵抗体を図1〜図3
を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係わる電
力用抵抗体を示す断面図、図2は図1の焼結体の微構造
を模式的に示す図、図3は図2の第2領域を拡大して模
式的に示す図である。抵抗体1は、円板状の焼結体2
と、前記焼結体2の円形両面に形成された一対の電極3
と、前記焼結体2の外周面に被覆された絶縁層4とから
構成されている。前記焼結体2は、酸化アルミニウムお
よび有機化合物の炭素化により生成されたカーボンを含
む組成を有する。また、前記焼結体2は図2に示すよう
にカーボン量が少ないかもしくはカーボンを含まない第
1領域5と、この第1領域5よりカーボン量の多い第2
領域6とからなり、前記第1領域5は実質的に絶縁性を
示し、前記第2領域6は導電性を示す。前記焼結体2に
おいて、前記第2領域6は3次元的なネットワーク構造
で互いに接続されていると共に、前記一対の電極3に繋
がるように配置されている。このような第2領域6の接
続状態および第2領域6自体の抵抗率により前記焼結体
2の抵抗値が制御される。前記第2領域6は、図3に示
すように絶縁性の酸化アルミニウム粒子7の粒界に導電
性のカーボン8が存在する形態を有し、前記カーボン8
により複数の第2領域6を相互に電気的に接続してい
る。
【0019】前記第1領域5は、前記焼結体2中に大部
分を占め、残りが前記第2領域6で占められ、前記第2
領域6のカーボンにより前記一対の電極3間を電気的に
接続することが好ましい。特に、前記焼結体2中の前記
第1領域5および第2領域6は、それぞれ第1領域5が
50〜80重量%、第2領域6が20〜50重量%にな
るように存在されることが好ましい。
【0020】このような第1領域5、第2領域6の存在
形態を有する焼結体2において、前記焼結体2中のカー
ボンの量は、0.005〜3重量%、前記第1領域5の
カーボン含有量は0.2重量%未満(0重量%を含
む)、前記第2領域6のカーボン含有量は0.2〜5重
量%であることが好ましい。
【0021】前記焼結体2中、前記第1領域5中および
前記第2領域6中のカーボン量を限定したのは、次のよ
うな理由によるものである。前記焼結体中のカーボン量
を0.005重量%未満にすると、カーボンの導電性が
発揮されず、その結果、前記焼結体の抵抗率が105 Ω
・cm以上になり、電力用抵抗体としては抵抗率が大き
くなり過ぎる恐れがある。一方、前記焼結体中のカーボ
ン量が3重量%を越えると電気抵抗が10Ω・cm以下
と小さくなり、同様に電力用抵抗体として不向きであ
る。より好ましい前記焼結体2中のカーボンの量は、
0.1〜1.5重量%である。
【0022】前記第1領域5のカーボン含有量を0.2
重量%以上にすると、第1領域5に絶縁性を持たせるこ
とが困難になる。前記第2領域6は、そのカーボン含有
量により抵抗率が制御される。前記第2領域6のカーボ
ン含有量を0.2重量%未満にすると、抵抗率が105
Ω・cm以上になり、電力用抵抗体としては抵抗率が大
きくなり過ぎる恐れがある。一方、前記第2領域6のカ
ーボン含有量が5重量%を越えると、第1領域と第2領
域とで焼結体を構成する本発明の効果が得られ難くな
る。より好ましい前記第2領域6のカーボン含有量は、
0.5〜3重量%である。
【0023】前記第1領域5の中のカーボンが前記範囲
内(0.2重量%未満)で比較的多く含む場合には、前
記一対の電極3間の電気的導通は前記第2領域6中のカ
ーボンのみならず、前記第1領域5中のカーボンを経由
することを許容する。
【0024】前記第2領域6の酸化アルミニウム粒子
は、粒径が前記第1領域5の酸化アルミニウム粒子より
小さいことが好ましい。具体的には、前記第2領域6の
酸化アルミニウム粒子は、平均粒径が0.2〜0.5μ
mで、前記第1領域5の酸化アルミニウム粒子は前記第
2領域の酸化アルミニウム粒子の2〜8倍、より好まし
くは3〜6倍の大きさを有することが望ましい。このよ
うに互いに異なる粒径の酸化アルミニウム粒子を有する
第1領域5および第2領域6からなる焼結体2を備えた
電力抵抗体は、開閉サージの吸収性が良好になる。
【0025】前記焼結体2は、前記一対の電極を除く外
表面に前記焼結体内部の酸化アルミニウム粒子より粒径
が大きくかつ抵抗が高い高抵抗層を有することが好まし
い。前記高抵抗層は、50〜1000μmの厚さを有す
ることが好ましい。前記高抵抗層を構成する酸化アルミ
ニウム粒子は、平均粒径が前記焼結体内部の前記第1領
域5の酸化アルミニウム粒子の平均粒径の1.2〜2倍
であることが好ましい。このような外表面に高抵抗層を
有する焼結体を備えた電力用抵抗体は、絶縁性および注
入エネルギー耐量が向上され、高温、高電圧、大注入エ
ネルギーの使用が可能になる。
【0026】前記焼結体2は、熱容量に影響を与えない
程度の量の不純物、例えば酸窒化アルミニウム、酸炭化
アルミニウムを含むことを許容する。前記電極3は、例
えばアルミニウム、ニッケルのような金属、またはH
f、Nb、Ta、Tiの炭化物もしくはTiNから形成
されることが好ましい。
【0027】前記絶縁層4は、前記焼結体2の側面での
沿面放電を防止するために前記焼結体2に形成される。
前記絶縁層4は、例えば酸化アルミニウム、酸化珪素、
硼珪酸ガラスのようなセラミック、またはポリイミドの
ような絶縁性耐熱樹脂から形成されることが好ましい。
【0028】以上説明した本発明に係わる電力用抵抗体
によれば、焼結体2はカーボン量が少ないかもしくはカ
ーボンを含まない第1領域5とこの第1領域5よりカー
ボン量が多い第2領域6とからなり、前記第1領域5は
実質的に絶縁性を示し、前記第2領域6は導電性を示
し、さらに前記第2領域6は3次元的なネットワーク構
造で互いに接続されていると共に、前記一対の電極3に
繋がるように配置されている。このような焼結体は、緻
密性に優れているため、前記焼結体を備えた抵抗体は強
度が高くかつ単位体積当りの熱容量が向上される。
【0029】また、前記第2領域6は3次元的なネット
ワーク構造で互いに接続されていると共に、前記一対の
電極3に繋がるように配置されているため、適切かつ安
定した電気抵抗値を有する焼結体を備えた電力用抵抗体
を実現できる。
【0030】さらに、前記第2領域6の接続状態および
前記第2領域6自体の抵抗率により前記焼結体2の抵抗
値を制御することができる。すなわち、前記第2領域6
間の接続数を十分に確保しつつ、導電性を示す前記第2
領域6の抵抗率を適度に大きくする、つまりカーボン含
有量を少なくする、ことができるため、比較的高くかつ
安定した抵抗率を有する焼結体を得ることが可能にな
る。
【0031】さらに、前記焼結体は3次元的なネットワ
ーク構造で互いに接続され、前記一対の電極3に繋がる
ように配置された第2領域6を有するため、前記焼結体
を備えた抵抗体はサージ等のエネルギー吸収に対して抵
抗率が安定し、抵抗値の経時変化を小さくすることがで
きる特性を示す。
【0032】特に、全体のカーボン量が0.005〜3
重量%で、カーボン量が0.2重量%未満(0重量%を
含む)の第1領域と、カーボン量が0.2〜5重量%の
第2領域とからなる焼結体を備えた電力用抵抗体は、単
位体積当りの熱容量が大きく、適切かつ安定した電気抵
抗値を有し、サージ等のエネルギー吸収に対して抵抗率
が安定し、抵抗値の経時変化を小さい特性が顕著に現れ
る。
【0033】次に、前述した図1〜図3に示す構造の電
力用抵抗体の製造方法を詳細に説明する。まず、平均粒
径1μm以下、好ましくは焼結性が良好な0.5μm以
下の酸化アルミニウム粉末をボールミルで所望の溶剤と
共に粉砕する。つづいて、炭素前駆体としての有機化合
物を水または有機溶剤に溶解させた後、前記酸化アルミ
ニウムの粉砕粉末に添加し、さらにボールミル中で混合
する。前記有機化合物としては、レゾール系フェノール
樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロー
ス、ポリビニルピロリドン等の非酸化性ガス中で加熱す
ることによりカーボンを残留し易いものが好ましい。こ
れらの有機化合物は、1種または2種以上の混合物の形
態で用いることができる。この工程において、カーボン
量が少ないかもしくはカーボンを含まない第1領域を形
成する第1造粒原料を調製するために有機化合物量が少
ないかもしくは後述する焼成工程によりカーボンを残留
しない組成の混合物(第1混合物)を作る。また、第2
領域を形成する第2造粒原料を調製するために有機化合
物量が多い混合物(第2混合物)とを作る。なお、これ
ら第1、第2の混合物には必要に応じてパラフィン、ポ
リビニルアルコール等の成形用バインダを添加してもよ
い。ただし、前記バインダが焼結体の炭素源になる場合
には、バインダの添加量を考慮して前記有機化合物の量
を調節することが好ましい。
【0034】次いで、前記第1、第2の混合物をスプレ
ードライヤ等を用いて溶剤を除去し、造粒して第1、第
2の造粒原料を調製する。つづいて、前記第1、第2の
造粒原料を所定の比率で例えばVミキサにより混合した
後、成形して成形体を作る。成形手段としては、例えば
金型プレス法、押出法、射出成形法等を採用することが
できる。金型成形法を採用する場合には、焼結体の相対
密度を高めるために200kg/cm2 以上の圧力で行
うことが好ましい。前記成形圧力を200kg/cm2
未満にすると焼結体の相対密度が低下して、単位体積当
たりの熱容量が低下する恐れがある。
【0035】次いで、前記成形体を炭素容器中に入れ、
熱処理して成形体中の有機化合物を炭素化する。この炭
素化工程での温度、雰囲気、時間は、使用する有機化合
物の種類によって異なるが、400〜800℃の温度で
真空または不活性ガスの雰囲気にて行うことが好まし
い。ただし、真空雰囲気での処理は有機化合物が炭化水
素の形で揮散し易い傾向があるため、不活性ガス雰囲気
で行うことが炭素化の点で好ましい。具体的には、有機
化合物としてポリビニルピロリドンを用いた場合には、
温度600℃、窒素またはアルゴンガスの雰囲気中で1
時間程度処理することにより前記ポリビニルピロリドン
を炭素化することができる。この後、前記炭素化した成
形体を真空中または不活性ガス中、1300〜1800
℃の温度で1〜4時間保持して焼結することにより焼結
体を作製する。この焼結工程において、前記炭素化処理
後に一度室温まで降温した後、再度、昇温して焼結して
もよい。
【0036】前記焼結体の作製工程において、前記第
1、第2の混合物をそれぞれ炭素化した後、これら炭素
化した混合物を所定の比率で混合し、有機溶剤、成形用
バインダと共に粉砕、混合を行ってスラリーとし、これ
をスプレードライヤ等を用いて溶剤を除去することによ
り得られた造粒原料を使用してもよい。このような方法
で調製された造粒原料から形成された成形体は、炭素化
工程を経ずに成形用バインダの脱脂を行った後、焼結さ
れ、焼結体が作製される。
【0037】前記カーボン量が少ないかもしくはカーボ
ンを含まない第1領域を形成する第1造粒原料および第
2領域を形成する第2造粒原料の混合比率は、前記第1
造粒原料に対して前記第2造粒原料を20〜50重量%
にすることが好ましい。これは、次のような理由による
ものである。第2領域を形成する第2造粒原料の配合割
合を20重量%未満にすると、作製された焼結体中の第
2領域同士の電気的接続が困難になる恐れがある。一
方、前記第2造粒原料の配合割合が50重量%を越える
と作製された焼結体の抵抗率が実質的に第2領域の値に
近似し、目的とする抵抗体が得られなくなる恐れがあ
る。
【0038】また、前記炭素化された第1、第2の混合
物の混合比率についても前述した第1、第2の造粒原料
を用いる場合と同様な理由から第1混合物に対して第2
混合物を20〜50重量%にすることが好ましい。
【0039】次いで、得られた焼結体の両主面を研磨
し、スパッタリング、溶射、焼き付けなどの手段により
アルミニウム、ニッケルのような金属、またはHf、N
b、Ta、Tiの炭化物もしくはTiNなどからなる電
極を形成する。この後、前記焼結体の外周面に必要に応
じて酸化アルミニウム、酸化珪素、硼珪酸ガラスのよう
なセラミック、またはポリイミドのような絶縁性耐熱樹
脂を焼き付け、塗布、乾燥等により絶縁層を形成して抵
抗体を製造する。
【0040】このような本発明の製造方法によれば、カ
ーボン前駆体である有機化合物を溶剤により溶解した溶
液を酸化アルミニウム粉末に分散させ、前記溶剤を除去
して造粒することにより得られたカーボン量が少ないか
もしくはカーボンを含まない第1領域を形成する第1造
粒原料と、カーボン前駆体である有機化合物を溶剤によ
り溶解した溶液を酸化アルミニウム粉末に分散させ、前
記溶剤を除去して造粒することにより得られた前記第1
領域よりカーボン量の多い第2領域を形成する第2造粒
原料とを混合した後、成形、焼結することによって、カ
ーボン量が少ないかもしくはカーボンを含まない第1領
域とこの第1領域よりカーボン量の多い第2領域からな
り、かつ前記第2領域が3次元的なネットワーク構造で
互いに接続された焼結体を作製することができる。その
結果、焼結雰囲気、温度分布等の影響を受けることな
く、安定した抵抗率を有する焼結体を作製できる。この
ような焼結体の両主面に電極を形成することによって、
適切かつ安定した電気抵抗値を有する焼結体を備えた電
力用抵抗体を高歩留まりで製造することができる。
【0041】また、カーボン量が少ないかもしくはカー
ボンを含まない第1造粒原料とカーボン量が多い第2造
粒原料とを混合し、成形した成形体を焼結すると、焼結
性はカーボン量が少ないかもしくはカーボンを含まない
第1造粒原料に律速するため、緻密な焼結体を作製する
ことができる。その結果、単位体積当りの熱容量が向上
された電力用抵抗体を製造できる。同時に、前記第1造
粒原料が存在する成形体において酸化アルミニウム粒子
の成長が促進され、カーボン量が多い前記第2造粒原料
が存在する成形体において酸化アルミニウム粒子の成長
が抑制される。その結果、第1領域の酸化アルミニウム
粒子はその粒径が第2領域の酸化アルミニウム粒子の粒
径より大きくなる。つまり、前記焼結体中には互いに粒
径の異なる酸化アルミニウム粒子を有する第1、第2の
領域により形成されるため、開閉サージの吸収性が改善
された電力用抵抗体を製造できる。
【0042】次に、本発明に係わる別の電力用抵抗体を
説明する。この電力用抵抗体は、前述した図1に示すよ
うに円板状の焼結体と、前記焼結体の円形両面に形成さ
れた一対の電極と、前記焼結体の外周面に被覆された絶
縁層とから構成されている。前記焼結体は、酸化アルミ
ニウムおよびカーボン粉末を含む組成を有する。また、
前記焼結体はカーボン粉末量が少ないかもしくはカーボ
ン粉末を含まない第1領域と、この第1領域よりカーボ
ン粉末量の多い第2領域とからなり、前記第1領域は実
質的に絶縁性を示し、前記第2領域は導電性を示す。前
記焼結体において、前記第2領域は前述した図2と同様
に3次元的なネットワーク構造で互いに接続されている
と共に、前記一対の電極に繋がるように配置されてい
る。このような第2領域の接続状態および第2領域自体
の抵抗率により前記焼結体の抵抗値が制御される。前記
第2領域6´は、図4に示すように絶縁性の酸化アルミ
ニウム粒子7の粒界に導電性のカーボン粉末9が存在す
る形態を有し、前記カーボン粉末9により複数の第2領
域6´を相互に電気的に接続している。
【0043】前記第1領域は、前記焼結体中に大部分を
占め、残りが前記第2領域で占められ、前記第2領域の
カーボン粉末により前記一対の電極間を電気的に接続す
ることが好ましい。特に、前記焼結体中の前記第1領域
および第2領域は、それぞれ第1領域が40〜80重量
%、第2領域が20〜60重量%になるように存在され
ることが好ましい。
【0044】このような第1領域、第2領域の存在形態
を有する焼結体において、前記焼結体中のカーボン粉末
の量は、0.3〜5重量%、前記第1領域のカーボン粉
末の含有量は1.0重量%未満(0重量%を含む)、前
記第2領域のカーボン粉末の含有量は1.0〜10重量
%であることが好ましい。
【0045】前記焼結体中、前記第1領域中および前記
第2領域中のカーボン粉末の量を限定したのは、次のよ
うな理由によるものである。前記焼結体中のカーボン粉
末の量を0.3重量%未満にすると、カーボン粉末の導
電性が発揮されず、その結果、前記焼結体の抵抗率が1
5 Ω・cm以上になり、電力用抵抗体としては抵抗率
が大きくなり過ぎる恐れがある。一方、前記カーボン粉
末の量が5重量%を越えると電気抵抗が10Ω・cm以
下と小さくなり、かつ焼結体の緻密性が低下して、同様
に電力用抵抗体として不向きである。より好ましい前記
焼結体中のカーボン粉末の量は、0.5〜2重量%であ
る。
【0046】前記第1領域のカーボン粉末の含有量を
1.0重量%以上にすると、第1領域に絶縁性を持たせ
ることが困難になる。前記第2領域は、そのカーボン粉
末の含有量により抵抗率が制御される。前記第2領域の
カーボン粉末の含有量を1.0重量%未満にすると、抵
抗率が105Ω・cm以上になり、電力用抵抗体として
は抵抗率が大きくなり過ぎる恐れがある。一方、前記第
2領域のカーボン粉末の含有量が10重量%を越える
と、焼結体の緻密性が低下して本発明の効果が得られ難
くなる。より好ましい前記第2領域のカーボン粉末の含
有量は、2〜5重量%である。
【0047】前記第1領域の中のカーボン粉末が前記範
囲内(1.0重量%未満)で比較的多く含む場合には、
前記一対の電極間の電気的導通は前記第2領域中のカー
ボン粉末のみならず、前記第1領域中のカーボン粉末を
経由することを許容する。
【0048】前記第2領域の酸化アルミニウム粒子は、
粒径が前記第1領域の酸化アルミニウム粒子より小さい
ことが好ましい。具体的には、前記第2領域の酸化アル
ミニウム粒子は、平均粒径が0.2〜0.5μmで、前
記第1領域の酸化アルミニウム粒子は前記第2領域の酸
化アルミニウム粒子の2〜8倍、より好ましくは3〜6
倍の大きさを有することが好ましい。このように互いに
異なる粒径の酸化アルミニウム粒子を有する第1領域お
よび第2領域からなる焼結体を備えた電力抵抗体は、開
閉サージの吸収性が良好になる。
【0049】前記焼結体は、前記一対の電極を除く外表
面に前記焼結体内部の酸化アルミニウム粒子より粒径が
大きくかつ抵抗が高い高抵抗層を有することが好まし
い。前記高抵抗層は、50〜1000μmの厚さを有す
ることが好ましい。前記高抵抗層を構成する酸化アルミ
ニウム粒子は、平均粒径が前記焼結体内部の前記第1領
域の酸化アルミニウム粒子の平均粒径の1.2〜2倍で
あることが好ましい。このような外表面に高抵抗層を有
する焼結体を備えた電力用抵抗体は、絶縁性および注入
エネルギー耐量が向上され、高温、高電圧、大注入エネ
ルギーの使用が可能になる。
【0050】前記焼結体は、熱容量に影響を与えない程
度の量の不純物、例えば酸窒化アルミニウム、酸炭化ア
ルミニウムを含むことを許容する。前記電極は、例えば
アルミニウム、ニッケルのような金属、またはHf、N
b、Ta、Tiの炭化物もしくはTiNから形成される
ことが好ましい。
【0051】前記絶縁層は、前記焼結体の側面での沿面
放電を防止するために前記焼結体に形成される。前記絶
縁層は、例えば酸化アルミニウム、酸化珪素、硼珪酸ガ
ラスのようなセラミック、またはポリイミドのような絶
縁性耐熱樹脂から形成されることが好ましい。
【0052】以上説明した本発明に係わる電力用抵抗体
によれば、焼結体はカーボン粉末量が少ないかもしくは
カーボン粉末を含まない第1領域とこの第1領域よりカ
ーボン粉末の量が多い第2領域とからなり、前記第1領
域は実質的に絶縁性を示し、前記第2領域は導電性を示
し、さらに前記第2領域は3次元的なネットワーク構造
で互いに接続されていると共に、前記一対の電極に繋が
るように配置されている。このような焼結体は、緻密性
に優れているため、前記焼結体を備えた抵抗体は強度が
高くかつ単位体積当りの熱容量が向上される。
【0053】また、前記第2領域は3次元的なネットワ
ーク構造で互いに接続されていると共に、前記一対の電
極に繋がるように配置されているため、適切かつ安定し
た電気抵抗値を有する焼結体を備えた電力用抵抗体を実
現できる。
【0054】さらに、前記第2領域の接続状態および前
記第2領域自体の抵抗率により前記焼結体の抵抗値を制
御することができる。すなわち、前記第2領域間の接続
数を十分に確保しつつ、導電性を示す前記第2領域の抵
抗率を適度に大きくする、つまりカーボン粉末の含有量
を少なくする、ことができるため、比較的高く安定した
抵抗率を有する焼結体を得ることが可能になる。
【0055】さらに、前記焼結体は3次元的なネットワ
ーク構造で互いに接続され、前記一対の電極に繋がるよ
うに配置された第2領域を有するため、前記焼結体を備
えた抵抗体はサージ等のエネルギー吸収に対して抵抗率
が安定し、抵抗値の経時変化を小さくすることができる
特性を示す。
【0056】特に、全体のカーボン粉末が0.3〜5重
量%で、カーボン粉末の量が1.0重量%未満(0重量
%を含む)の第1領域と、カーボン粉末の量が1.0〜
10重量%の第2領域とからなる焼結体を備えた電力用
抵抗体は、単位体積当りの熱容量が大きく、適切かつ安
定した電気抵抗値を有し、サージ等のエネルギー吸収に
対して抵抗率が安定し、抵抗値の経時変化を小さい特性
が顕著に現れる。
【0057】次に、前述した別の電力用抵抗体の製造方
法を詳細に説明する。まず、平均粒径1μm以下、好ま
しくは焼結性が良好な0.5μm以下の酸化アルミニウ
ム粉末と0.1μm以下のカーボン粉末とを水または有
機溶剤の存在下にてボールミル中で混合する。この工程
において、カーボン粉末の量が少ないかもしくはカーボ
ン粉末を含まない第1混合粉末とカーボン粉末が前記第
一混合粉末より多い第2混合粉末とを調製する。
【0058】次いで、前記第1、第2の混合粉末に必要
に応じてパラフィン、ポリビニルアルコール等の成形用
バインダをそれぞれ添加し、所定の目開きのメッシュを
通過させることにより第1、第2の造粒原料を作る。た
だし、前記バインダが焼結体の炭素源になる場合には、
バインダの添加量を考慮して前記カーボン粉末の量を調
節することが好ましい。第1、第2の造粒原料は、この
ような方法の他に、前記第1、第2の混合粉末をそれぞ
れ有機溶剤、成形用バインダと共に混合してスラリーを
調製し、これらスラリーをそれぞれスプレードライヤ等
を用いて前記溶剤を除去することにより調製することが
できる。
【0059】次いで、前記第1、第2の造粒原料を所定
の比率で例えばVミキサにより混合した後、成形して成
形体を作る。成形手段としては、例えば金型プレス法、
押出法、射出成形法等を採用することができる。金型成
形法を採用する場合には、焼結体の相対密度を高めるた
めに200kg/cm2 以上の圧力で行うことが好まし
い。前記成形圧力を200kg/cm2 未満にすると焼
結体の相対密度が低下して、単位体積当たりの熱容量が
低下する恐れがある。
【0060】次いで、前記成形体を熱処理して脱脂した
後、真空中または不活性ガス中、1300〜1800℃
の温度で1〜4時間保持して焼結することにより焼結体
を作製する。この焼結工程において、前記脱脂工程後に
一度室温まで降温した後、再度、昇温して焼結してもよ
い。
【0061】前記カーボン粉末の量が少ないかもしくは
カーボン粉末を含まない第1領域を形成する第1造粒原
料および第2領域を形成する第2造粒原料の混合比率
は、前記第1造粒原料に対して前記第2造粒原料を20
〜60重量%にすることが好ましい。これは、次のよう
な理由によるものである。第2領域を形成する第2造粒
原料の配合割合を20重量%未満にすると、作製された
焼結体中の第2領域同士の電気的接続が困難になる恐れ
がある。一方、前記第2造粒原料の配合割合が60重量
%を越えると作製された焼結体の抵抗率が実質的に第2
領域の値に近似し、目的とする抵抗体が得られなくなる
恐れがある。
【0062】次いで、得られた焼結体の両主面を研磨
し、スパッタリング、溶射、焼き付けなどの手段により
アルミニウム、ニッケルのような金属、またはHf、N
b、Ta、Tiの炭化物もしくはTiNなどからなる電
極を形成する。この後、前記焼結体の外周面に必要に応
じて酸化アルミニウム、酸化珪素、硼珪酸ガラスのよう
なセラミック、またはポリイミドのような絶縁性耐熱樹
脂を焼き付け、塗布、乾燥等により絶縁層を形成して抵
抗体を製造する。
【0063】このような本発明の製造方法によれば、カ
ーボン粉末の量が少ないかもしくはカーボン粉末を含ま
ない酸化アルミニウム粉末を含有する第1領域を形成す
る第1造粒原料と、前記第1領域よりカーボン粉末の量
が多い第2領域を形成する第2造粒原料とを混合した
後、成形、焼結することによって、カーボン粉末の量が
少ないかもしくはカーボン粉末を含まない第1領域とこ
の第1領域よりカーボン粉末の量が多い第2領域からな
り、かつ前記第2領域が3次元的なネットワーク構造で
互いに接続された焼結体を作製することができる。その
結果、焼結雰囲気、温度分布等の影響を受けることな
く、安定した抵抗率を有する焼結体を作製できる。この
ような焼結体の両主面に電極を形成することによって、
適切かつ安定した電気抵抗値を有する焼結体を備えた電
力用抵抗体を高歩留まりで製造することができる。
【0064】また、カーボン粉末の量が少ないかもしく
はカーボン粉末を含まない第1造粒原料とカーボン粉末
の量が多い第2造粒原料とを混合し、成形した成形体を
焼結すると、焼結性はカーボン粉末の量が少ないかもし
くはカーボンを含まない第1造粒原料に律速するため、
緻密な焼結体を作製することができる。その結果、単位
体積当りの熱容量が向上された電力用抵抗体を製造でき
る。同時に、前記第1造粒原料が存在する成形体におい
て酸化アルミニウム粒子の成長が促進され、カーボン粉
末の量が多い前記第2造粒原料が存在する成形体におい
て酸化アルミニウム粒子の成長が抑制される。その結
果、第1領域の酸化アルミニウム粒子はその粒径が第2
領域の酸化アルミニウム粒子の粒径より大きくなる。つ
まり、前記焼結体中には互いに粒径の異なる酸化アルミ
ニウム粒子を有する第1、第2の領域により形成される
ため、開閉サージの吸収性が改善された電力用抵抗体を
製造できる。
【0065】なお、本発明に係わる電力用抵抗体は前述
した円板形状を有する構造に限定されない。例えば、図
5および図6に示すように環状の焼結体11と、前記焼
結体11の対向する環状両面に形成された電極12と、
前記焼結体11の外周面および内周面に被覆された絶縁
層13、14とから電力用抵抗体15を構成してもよ
い。
【0066】また、本発明に係わる電力用抵抗体は後述
する電力用遮断器の投入抵抗体や高電圧装置、大容量コ
ンデンサの充放電装置等に用いられる固定抵抗器、可変
抵抗器、抵抗器アレーに適用することができる。
【0067】次に、本発明に係わる電力用遮断器を図7
および図8を参照して説明する。図7は、本発明に係わ
る遮断器の構成図、図8は投入抵抗体を示す斜視図であ
る。遮断器21は、消弧室22内に配置され電流経路に
接続された主接点23を備えている。補助接点24は、
前記電流経路に前記主接点23に対して並列に接続され
ている。投入抵抗ユニット25は、前記補助接点24に
直列に接続されている。上下動する絶縁ロッド26は、
傾動するスイッチ27に連結されている。
【0068】このような構成の電力用遮断器において、
前記絶縁ロッド26が上方に駆動されると、前記スイッ
チ27が傾動して前記主接点23のONに先立って前記
補助接点24がONされる。この際、前記投入抵抗ユニ
ット25は補助接点24に直列に接続されているため、
前記補助接点24が介装された電流経路を流れる電流の
電圧を前記投入抵抗ユニット25に下げられる。その結
果、前記補助接点24のON時にアークが発生するのを
防止できる。また、前記主接点23がONされる直前に
おいては電流は投入抵抗ユニット25および前記補助接
点24が介装された電流経路を流れ、前記主接点23が
介装された電流経路に電流が流れていないため、前記主
接点23がONした時にその接点に高電圧がかからな
い。その結果、前記主接点23のON時にアークが発生
するのを防止できる。
【0069】前記投入抵抗ユニット25は、例えば図8
に示すような主に絶縁性支持棒28と、一対の絶縁性支
持板29a、29bと、複数の中空円筒状の抵抗体30
と、弾性体31とから構成されている。前記一対の絶縁
性支持板29a、29bは、前記支持棒28に嵌入され
ている。複数の中空円筒状の抵抗体30は、前記支持板
29a、29b間に位置する前記支持棒28部分に嵌入
されている。前記弾性体31は、前記一方(右端)の支
持板29aと前記複数の抵抗体30の間に配置されると
共に、前記支持棒28に嵌入されている。前記弾性体3
1は、前記複数の抵抗体30に弾性力を付与してそれら
を前記支持棒28に積層するために用いられる。ナット
32a、32bは、前記支持棒28の両端に螺合されて
いる。前記ナット32a、32bは、前記支持板29
a、29b間に配置された前記弾性体51を押圧するた
めに用いられる。前記絶縁性支持棒28は、高強度、軽
量化、易加工性などの理由から有機系の材料が用いられ
る。一般に、投入抵抗体は開閉サージ吸収時に温度上昇
を生じる。このため、耐熱性が劣る前記有機系材料から
なる支持棒は強度を維持することが困難になる。ただ
し、後述する組成の投入抵抗体は熱容量が大きいために
開閉サージ吸収時における温度上昇を一定温度以下に抑
制することが可能になる。その結果、前記有機系材料か
らなる支持棒の使用が可能になる。また、熱容量の大き
な投入抵抗体ほど容積を小さくすることが可能になる。
【0070】前記投入抵抗ユニット25に組み込まれた
抵抗体(電力用抵抗体)30は、前述した図5および図
6に示すように環状の焼結体11と、前記焼結体11の
環状両面に形成された一対の電極12と、前記焼結体1
1の外周面および内周面に被覆された絶縁層13、14
とから構成されている。前記焼結体は、酸化アルミニウ
ムおよびカーボンを含む組成を有する。また、前記焼結
体はカーボン量が少ないかもしくはカーボンを含まない
第1領域と、この第1領域よりカーボン量の多い第2領
域とからなり、前記第1領域は実質的に絶縁性を示し、
前記第2領域は導電性を示す。前記焼結体において、前
記第2領域は3次元的なネットワーク構造で互いに接続
されていると共に、前記一対の電極に繋がるように配置
されている。このような第2領域の接続状態および第2
領域自体の抵抗率により前記焼結体の抵抗値が制御され
る。前記第2領域は、絶縁性の酸化アルミニウム粒子の
粒界に導電性のカーボンが存在する形態を有し、前記カ
ーボンにより複数の第2領域を相互に電気的に接続して
いる。
【0071】以上説明した本発明に係わる電力用遮断器
は、前述した構成の焼結体を含み、単位体積当たりの熱
容量が大きく、経時的な抵抗値変動が小さく、かつ所期
目的の抵抗値を有する抵抗体が組み込まれた投入抵抗ユ
ニットを備えている。このような投入抵抗ユニットは、
遮断容量が大きく、従来のカーボン分散型セラミック抵
抗体が組み込まれた投入抵抗ユニットに比べて容積を小
さくでき、さらに安定した遮断性能を有する。したがっ
て、前記投入抵抗ユニットを備えた電力用遮断器は小型
化および高性能化を図ることができる。
【0072】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。 (実施例1〜3)まず、平均粒径0.2μmの酸化アル
ミニウム粉末に成形用バインダとしてパラフィンを固形
分として5重量%添加し、キシレンを溶剤としてスラリ
ー化した後、乾燥し、造粒することにより第1造粒原料
を調製した。
【0073】また、平均粒径0.2μmの酸化アルミニ
ウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリドンのメタノ
ール溶液を所定量添加し、アルミナ製ポットおよびアル
ミナボールを用いて混合、粉砕した。このスラリーをア
ルミナ製容器中で撹拌しながら乾燥し、さらに成形用バ
インダとしてのパラフィンを固形分として5重量%添加
し、キシレンを溶剤としてスラリー化した後、乾燥し、
造粒することにより炭素源の量が異なる3種の第2造粒
原料を調製した。
【0074】次いで、前記第1造粒原料に前記各第2造
粒原料を20重量%添加し、V型混合器により混合して
3種の混合造粒原料を調製した。つづいて、これら混合
造粒原料を鋼鉄製金型を用いてシリンダ型の円板状に成
形した後、窒素ガス雰囲気中、600℃で加熱処理して
炭素化し、さらにアルゴンガス雰囲気中、1500℃で
2時間焼成して3種の焼結体を作製した。ひきつづき、
これら焼結体の外周面に硼珪酸ガラス粉末を塗布し、焼
き付けを行って絶縁層を形成した。その後、前記各焼結
体の円形主面を研磨し、外径120mm、内径35m
m、厚さ25mmの環状に加工し、洗浄した後、両面に
アルミニウム電極を溶射により形成することにより3種
の電力用抵抗体を製造した。
【0075】(実施例4、5)平均粒径0.2μmの酸
化アルミニウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリド
ンのメタノール溶液を所定量添加し、アルミナ製ポット
およびアルミナボールを用いて混合、粉砕した。このス
ラリーをアルミナ製容器中で撹拌しながら乾燥し、さら
に成形用バインダとしてのパラフィンを固形分として5
重量%添加し、キシレンを溶剤としてスラリー化した
後、乾燥し、造粒することにより炭素源の量が異なる2
種の第2造粒原料を調製した。
【0076】次いで、実施例1と同様な第1造粒原料に
前記各第2造粒原料を30重量%添加し、V型混合器に
より混合して2種の混合造粒原料を調製した。その後、
これら混合造粒原料を実施例1と同様な処理を施して2
種の焼結体を作製し、さらに絶縁層の形成、研磨、加
工、電極の形成を行うことにより2種の電力用抵抗体を
製造した。
【0077】(実施例6、7)平均粒径0.2μmの酸
化アルミニウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリド
ンのメタノール溶液を所定量添加し、アルミナ製ポット
およびアルミナボールを用いて混合、粉砕した。このス
ラリーをアルミナ製容器中で撹拌しながら乾燥し、さら
に成形用バインダとしてのパラフィンを固形分として5
重量%添加し、キシレンを溶剤としてスラリー化した
後、乾燥し、造粒することにより炭素源の量が異なる2
種の第2造粒原料を調製した。
【0078】次いで、実施例1と同様な第1造粒原料に
前記各第2造粒原料を40重量%添加し、V型混合器に
より混合して2種の混合造粒原料を調製した。その後、
これら混合造粒原料を実施例1と同様な処理を施して2
種の焼結体を作製し、さらに絶縁層の形成、研磨、加
工、電極の形成を行うことにより2種の電力用抵抗体を
製造した。
【0079】(実施例8)平均粒径0.2μmの酸化ア
ルミニウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリドンの
メタノール溶液を所定量添加し、アルミナ製ポットおよ
びアルミナボールを用いて混合、粉砕した。このスラリ
ーをアルミナ製容器中で撹拌しながら乾燥し、さらに成
形用バインダとしてのパラフィンを固形分として5重量
%添加し、キシレンを溶剤としてスラリー化した後、乾
燥し、造粒することにより第1造粒原料を調製した。こ
の原料の一部を分取し、アルゴン雰囲気中、1500℃
で熱処理した。その結果、カーボン含有量が0.2重量
%であった。
【0080】次いで、前記第1造粒原料に実施例6と同
様な第2造粒原料を50重量%添加し、V型混合器によ
り混合して混合造粒原料を調製した。その後、この混合
造粒原料を実施例1と同様な処理を施して焼結体を作製
し、さらに絶縁層の形成、研磨、加工、電極の形成を行
うことにより電力用抵抗体を製造した。
【0081】(実施例9、10)平均粒径0.2μmの
酸化アルミニウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリ
ドンのメタノール溶液を所定量添加し、混合、乾燥した
後、窒素ガス中、600℃の熱処理を行って前記ポリビ
ニルピロリドンを炭素化して第2領域形成用混合物を調
製した。つづいて、前記混合物を平均粒径0.2μmの
酸化アルミニウム粉末(第1領域形成用粉末)にそれら
の配合量が異なるように添加、混合し、成形用バインダ
としてのパラフィンと共にキシレン中で撹拌、分散して
スラリー化した後、乾燥し、造粒することにより2種の
造粒原料を調製した。その後、これら造粒原料を実施例
1と同様な処理を施して2種の焼結体を作製し、さらに
絶縁層の形成、研磨、加工、電極の形成を行うことによ
って2種の電力用抵抗体を製造した。
【0082】(比較例1〜4)平均粒径0.2μmの酸
化アルミニウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリド
ンのメタノール溶液を所定量添加し、アルミナ製ポット
およびアルミナボールを用いて混合、粉砕した。このス
ラリーをアルミナ製容器中で撹拌しながら乾燥し、さら
に成形用バインダとしてのパラフィンを固形分として5
重量%添加し、キシレンを溶剤としてスラリー化した
後、乾燥し、造粒することにより炭素源の量が異なる4
種の造粒原料を調製した。その後、これら造粒原料を実
施例1と同様な処理を施して4種の焼結体を作製し、さ
らに絶縁層の形成、研磨、加工、電極の形成を行うこと
によって4種の電力用抵抗体を製造した。
【0083】得られた実施例1〜10および比較例1〜
4の電力用抵抗体について、各焼結体の第1領域、第2
領域のカーボン含有量、焼結体全体のカーボン量、焼結
体中に占める第2領域の割合、第1領の酸化アルミニウ
ム粒子の平均粒径、第2領の酸化アルミニウム粒子の平
均粒径、抵抗率、抵抗体内および抵抗体間の抵抗比を測
定した。その結果を下記表1および表2に示す。なお、
第1、第2の領域のカーボン含有量、焼結体全体のカー
ボン量、第1、第2の領域の酸化アルミニウム粒子の平
均粒径、抵抗体内および抵抗体間の抵抗比は次のような
方法により求めた。
【0084】(1) 第1領域のカーボン含有量 第1の造粒原料または第1領域形成用混合物の一部を分
取し、黒鉛容器に充填し、アルゴン雰囲気中、1500
℃で熱処理することにより、有機化合物であるポリビニ
ルピロリドンを炭素化し、酸化アルミニウム粉末の表面
にカーボンを被覆させた。カーボン含有量は、前記粉末
を高周波燃焼加熱赤外吸収法で分析することにより求め
た。この値を便宜上、第1領域のカーボン量とした。
【0085】(2) 第2領域のカーボン含有量 第2の造粒原料または第2領域形成用混合物の一部を分
取し、黒鉛容器に充填した。黒鉛容器に充填した試料を
用いて前述した(1) 第1領域のカーボン含有量と同様な
手順により第2領域のカーボン含有量を求めた。
【0086】(3) 焼結体全体のカーボン量 同一ロットの焼結体を粉砕し、高周波燃焼加熱赤外吸収
法で分析することにより求めた。
【0087】(4) 第1、第2の領域の酸化アルミニウム
粒子の平均粒径 焼結体を割って、第1領域および第2領域の酸化アルミ
ニウム粒子を電子顕微鏡で観察することによりそれら粒
子の平均粒径を測定した。
【0088】(5) 抵抗体内の抵抗比 抵抗体の一方の電極を除去し、露出した焼結体面に直径
3mmの20個のアルミニウム電極をそれぞれ均一に形
成した。これら電極と予め形成された他方の電極との間
の抵抗を測定し、その最大値と最小値の比を抵抗体内の
抵抗比とした。実用上、抵抗体内の抵抗比は、10以下
であることが好ましい。
【0089】(6) 抵抗体間の抵抗比 同一ロットの抵抗体20個の抵抗値を測定し、その最大
値と最小値の比を抵抗体間の抵抗比とした。実用上、抵
抗体間の抵抗比は、5以下であることが好ましい。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】前記表1および表2から明らかなように第
1領域とこの第1領域よりカーボン含有量の多い第2領
域を有する焼結体を備えた電力用抵抗体において、抵抗
率が103 Ω・cmを越える高抵抗体(実施例1〜8)
であっても、抵抗体内の抵抗比が10以下で均一に優
れ、かつ抵抗体間の抵抗比も5以下で安定的に製造でき
ることがわかる。また、実施例9、10に示すように原
料の処理工程を前後させても第1領域とこの第1領域よ
りカーボン含有量の多い第2領域を有する焼結体を備え
ることによって、実施例1〜8と同様な優れた特性を有
する抵抗体を得ることができることがわかる。
【0093】また、実施例1〜10の電力用抵抗体に2
00J/cm3 のエネルギーに相当するサージ電圧を抵
抗体の冷却を考慮して一定間隔の時間を置いて10回繰
り返し印加し後に測定した抵抗値をR、初期値をR0
した時、次式から抵抗変化率を求めた。なお、抵抗変化
率は、10%以下であることが好ましい。
【0094】 抵抗変化率(%)=[(R−R0 )/R0 ]×100 その結果、抵抗変化率はいずれも10%以下であり、サ
ージ吸収に対して良好な安定性を有していた。さらに、
実施例1〜10の抵抗体の焼結体はいずれも相対密度が
95%以上と緻密であるため、熱容量がほぼ3J/cm
3 と大きな値を有し、電力用抵抗体として好適であっ
た。
【0095】(実施例11〜13)まず、平均粒径0.
2μmの酸化アルミニウム粉末に成形用バインダとして
パラフィンを固形分として5重量%添加し、キシレンを
溶剤としてスラリー化した後、乾燥し、造粒することに
より第1造粒原料を調製した。
【0096】また、平均粒径0.2μmの酸化アルミニ
ウム粉末に平均粒径50nmのカーボン粉末をそれぞれ
所定量添加し、エタノールを溶剤とし、アルミナポット
およびアルミナボールを用いて混合、粉砕した。これら
スラリーをアルミナ製容器中でそれぞれ撹拌しながら乾
燥し、さらに成形用バインダとしてのパラフィンを固形
分としてそれぞれ5重量%添加し、キシレンを溶剤とし
てスラリー化した後、乾燥し、造粒することによりカー
ボン粉末量が9.5重量%、4.8重量%、3.1重量
%の3種の第2造粒原料を調製した。
【0097】次いで、前記第1造粒原料に前記各第2造
粒原料をそれぞれ20重量%添加し、V型混合器により
混合して3種の混合造粒原料を調製した。つづいて、こ
れら混合造粒原料を鋼鉄製金型を用いてシリンダ型の円
板状に成形した後、窒素ガス雰囲気中、600℃で加熱
処理して脱脂し、さらにアルゴンガス雰囲気中、150
0℃で2時間焼成して3種の焼結体を作製した。ひきつ
づき、これらの焼結体の外周面に硼珪酸ガラス粉末を塗
布し、焼き付けを行って絶縁層を形成した。その後、前
記各焼結体の円形主面を研磨し、外径120mm、内径
35mm、厚さ25mmの環状に加工し、洗浄した後、
両面にアルミニウム電極を溶射により形成することによ
り3種の電力用抵抗体を製造した。
【0098】(実施例14〜17)まず、平均粒径0.
2μmの酸化アルミニウム粉末に平均粒径50nmのカ
ーボン粉末をそれぞれ所定量添加し、エタノールを溶剤
とし、アルミナポットおよびアルミナボールを用いて混
合、粉砕した。これらのスラリーをアルミナ製容器中で
撹拌しながら乾燥し、さらに成形用バインダとしてのパ
ラフィンを固形分としてそれぞれ5重量%添加し、キシ
レンを溶剤としてスラリー化した後、乾燥し、造粒する
ことによりカーボン粉末量が9.6重量%、5.0重量
%、2.9重量%、1.0重量%の4種の第2造粒原料
を調製した。
【0099】次いで、実施例11と同様な第1造粒原料
に前記各第2造粒原料を40重量%それぞれ添加し、V
型混合器により混合して4種の混合造粒原料を調製し
た。その後、これら混合造粒原料を実施例11と同様な
処理を施して焼結体を作製し、さらに絶縁層の形成、研
磨、加工、電極の形成を行うことにより4種に電力用抵
抗体を製造した。
【0100】(実施例18〜20)まず、平均粒径0.
2μmの酸化アルミニウム粉末に平均粒径50nmのカ
ーボン粉末をそれぞれ所定量添加し、エタノールを溶剤
とし、アルミナポットおよびアルミナボールを用いて混
合、粉砕した。これらのスラリーをアルミナ製容器中で
撹拌しながら乾燥し、さらに成形用バインダとしてのパ
ラフィンを固形分としてそれぞれ5重量%添加し、キシ
レンを溶剤としてスラリー化した後、乾燥し、造粒する
ことによりカーボン粉末量が4.9重量%、3.0重量
%、1.1重量%の3種の第2造粒原料を調製した。
【0101】次いで、実施例11と同様な第1造粒原料
に前記各第2造粒原料を60重量%それぞれ添加し、V
型混合器により混合して3種の混合造粒原料を調製し
た。その後、これら混合造粒原料を実施例11と同様な
処理を施して焼結体を作製し、さらに絶縁層の形成、研
磨、加工、電極の形成を行うことにより3種の電力用抵
抗体を製造した。
【0102】(実施例21)まず、平均粒径0.2μm
の酸化アルミニウム粉末に平均粒径50nmのカーボン
粉末を所定量添加し、エタノールを溶剤とし、アルミナ
ポットおよびアルミナボールを用いて混合、粉砕した。
これらのスラリーをアルミナ製容器中で撹拌しながら乾
燥し、さらに成形用バインダとしてのパラフィンを固形
分としてそれぞれ5重量%添加し、キシレンを溶剤とし
てスラリー化した後、乾燥し、造粒することにより第1
造粒原料を調製した。この第1造粒原料の一部を分取
し、アルゴン中、1500℃の熱処理を行った後のカー
ボン量は、2.5重量%であった。つづいて、前記第1
造粒原料に実施例15と同様な第2造粒原料(カーボン
粉末含有量5重量%)を40重量%添加し、V型混合器
により混合して混合造粒原料を調製した。その後、この
混合造粒原料を実施例11と同様な処理を施して焼結体
を作製し、さらに絶縁層の形成、研磨、加工、電極の形
成を行うことにより電力用抵抗体を製造した。
【0103】(比較例5)まず、平均粒径0.2μmの
酸化アルミニウム粉末に平均粒径50nmのカーボン粉
末を3重量%添加し、エタノールを溶剤とし、アルミナ
ポットおよびアルミナボールを用いて混合、粉砕した。
このスラリーをアルミナ製容器中で撹拌しながら乾燥
し、さらに成形用バインダとしてのパラフィンを固形分
として5重量%添加し、キシレンを溶剤としてスラリー
化した後、乾燥し、造粒することにより造粒原料を調製
した。つづいて、前記造粒原料を実施例11と同様な処
理を施して焼結体を作製し、さらに絶縁層の形成、研
磨、加工、電極の形成を行うことにより電力用抵抗体を
製造した。
【0104】得られた実施例11〜21および比較例5
の電力用抵抗体について、各焼結体の第1領域、第2領
域のカーボン粉末含有量、焼結体全体のカーボン粉末
量、焼結体中に占める第2領域の割合、第1領の酸化ア
ルミニウム粒子の平均粒径、第2領の酸化アルミニウム
粒子の平均粒径、抵抗率、抵抗体内および抵抗体間の抵
抗比を測定した。その結果を下記表3および表4に示
す。なお、第1、第2の領域のカーボン粉末含有量、焼
結体全体のカーボン粉末量、第1、第2の領域の酸化ア
ルミニウム粒子の平均粒径、抵抗体内および抵抗体間の
抵抗比は、前述した実施例1と同様な方法により求め
た。
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】前記表3および表4から明らかなように第
1領域とこの第1領域よりカーボン粉末の含有量が多い
第2領域を有する焼結体を備えた電力用抵抗体におい
て、抵抗率が102 Ω・cmを越える高抵抗体(実施例
11〜20)であっても、抵抗体内の抵抗比が10以下
で均一に優れ、かつ抵抗体間の抵抗比も5以下で安定的
に製造できることがわかる。これに対し、カーボン粉末
が均一に分散された単一の造粒原料から得られた焼結体
を備える比較例5の電力用抵抗体は、102 Ω・cmを
越える抵抗率を有する場合、抵抗体内の抵抗比が57と
10を遥かに越え、かつ抵抗体間の抵抗比も28と5を
遥かに越えて安定性に欠けることがわかる。
【0108】また、実施例21の電力用抵抗体のように
第1領域のカーボン粉末量が第2領域に比べて実質的に
高抵抗である量であれば、本発明の効果が達成されるこ
とがわかる。
【0109】さらに、実施例11〜21の電力用抵抗体
に200J/cm3 のエネルギーに相当するサージ電圧
を抵抗体の冷却を考慮して一定間隔の時間を置いて10
回繰り返し印加し後に測定した抵抗値をR、初期値をR
0 とした時、前述した式から抵抗変化率を求めた。な
お、抵抗変化率は、10%以下であることが好ましい。
【0110】その結果、抵抗変化率はいずれも10%以
下であり、サージ吸収に対して良好な安定性を有してい
た。さらに、実施例11〜21の抵抗体の焼結体はいず
れも相対密度が95%以上と緻密であるため、熱容量が
ほぼ3J/cm3 と大きな値を有し、電力用抵抗体とし
て好適であった。
【0111】(実施例22)まず、平均粒径0.2μm
の酸化アルミニウム粉末に成形用バインダとしてパラフ
ィンを固形分として5重量%添加し、キシレンを溶剤と
してスラリー化した後、乾燥し、造粒することにより第
1造粒原料を調製した。
【0112】また、平均粒径0.2μmの酸化アルミニ
ウム粉末に炭素源であるポリビニルピロリドンのメタノ
ール溶液を所定量添加し、アルミナ製ポットおよびアル
ミナボールを用いて混合、粉砕した後、アルゴンガス雰
囲気中、600℃で2時間加熱処理して前記ポリビニル
ピロリドンを炭素化した。つづいて、前記加熱処理粉末
をアルミナボール、エタノールと共に6時間粉砕した
後、乾燥した。ひきつづき、前記乾燥分に成形用バイン
ダとしてのパラフィンを固形分として5重量%添加し、
キシレンを溶剤としてスラリー化した後、乾燥し、造粒
することにより第2造粒原料を調製した。
【0113】次いで、前記第1造粒原料に前記各第2造
粒原料を20重量%添加し、V型混合器により混合して
混合造粒原料を調製した。つづいて、これら混合造粒原
料を鋼鉄製金型を用いてシリンダ型の円板状に成形した
後、この成形体を純度99.5%の酸化アルミニウムか
らなる箱形容器に装填し、アルゴンガス雰囲気中、15
00℃で1時間焼成して焼結体を作製した。この焼結体
は、内部に平均粒径1.5μmの酸化アルミニウムを含
む第1領域と平均粒径0.3μmの酸化アルミニウムを
含む第2領域が形成され、かつ外表面に平均粒径2μm
の大粒径を持つ平均厚さ200μmの高抵抗層が形成さ
れていた。前記高抵抗層は、抵抗率が1012Ωcmであ
った。
【0114】次いで、前記焼結体の外周面に硼珪酸ガラ
ス粉末を塗布し、焼き付けを行って絶縁層を形成した。
その後、前記各焼結体の円形主面を研磨し、外径120
mm、内径35mm、厚さ25mmの環状に加工し、洗
浄した後、両面にアルミニウム電極を溶射により形成す
ることにより電力用抵抗体を製造した。
【0115】(遮断器の評価例)前述した実施例1、
3、7、11、14、17、18、21、22および比
較例1、5の電力用抵抗体を前述した図8に示すように
所定枚数積み重ね、前記各抵抗体30の中心部を貫通す
る樹脂からなる絶縁性支柱棒28と弾性体31により支
持し、円筒状容器に収めて投入抵抗ニユット25を構成
した。これら投入抵抗ユニット25を前述した図7に示
すように組み込んで11種の電力用遮断器41を組み立
てた。
【0116】得られた11種の遮断器について、それら
の投入抵抗体に脱調投入し、前記抵抗体の温度上昇が8
0℃以内になる時の前記抵抗体に注入できるエネルギー
(エネルギー耐量)を測定した。また、実施例1、3、
7、11、14、17、18、21、22および比較例
1の電力用抵抗体を組み込んだ遮断器について、比較例
5の電力用抵抗体を組み込んだ遮断器に対する体積縮小
率を測定した。これらの結果を下記表5に示す。
【0117】
【表5】
【0118】また、前記表5のNo.3〜11の遮断器
について、遮断性能の安定性を調べるために脱調投入相
当のエネルギーを20回印加し、投入抵抗体の抵抗率変
化を測定した。その結果、いずれの遮断器も10%以下
であり、十分に遮断性能の安定性が高いことが確認され
た。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば単
位体積当たりの熱容量が大きく、適切かつ安定した電気
抵抗値を有し、さらにサージ吸収による抵抗値の経時変
化が小さい電力用抵抗体を提供できる。
【0120】また、本発明によれば単位体積当たりの熱
容量が大きく、適切かつ安定した電気抵抗値を有し、さ
らにサージ吸収による抵抗値の経時変化が小さい電力用
抵抗体の製造方法を提供できる。さらに、本発明によれ
ば遮断容量が大きく、遮断性能の安定した投入抵抗ユニ
ットを備え、小型、高性能化を達成した電力用遮断器を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電力用抵抗体を示す斜視図。
【図2】図1の抵抗体における焼結体の微構造を模式的
に示す図。
【図3】図2の第2領域を拡大して模式的に示す図。
【図4】本発明に係わる別の電力用抵抗体の焼結体にお
ける第2領域を拡大して模式的に示す図。
【図5】本発明に係わる電力用抵抗体の他の形態を示す
断面図。
【図6】図5の電力用抵抗体のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】本発明に係わる電力用遮断器を示す構成図。
【図8】図7の電力用遮断器の構成要素である投入抵抗
ユニットを示す構成図。
【符号の説明】
1、15…抵抗体、2、11…焼結体、3、12…電
極、5…第1領域、6、6´…第2領域、7…酸化アル
ミニウム粒子、8…カーボン、9…カーボン粉末、21
…遮断器、23…主接点、24…補助接点、25…投入
抵抗体、26…絶縁ロッド、30…抵抗体。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化アルミニウムおよびカーボンを含む
    焼結体と、前記焼結体の対向する2つの面に形成された
    一対の電極とを具備した電力用抵抗体であって、 前記焼結体は、カーボン量が少ないかもしくはカーボン
    を含まない第1領域と、この第1領域よりカーボン量が
    多く、かつ前記一対の電極に繋がるように配置された第
    2領域とからなることを特徴とする電力用抵抗体。
  2. 【請求項2】 前記第1領域は、前記焼結体中に大部分
    を占め、残りが前記第2領域で占められ、かつ前記第2
    領域のカーボンによって前記一対の電極間が電気的に接
    続されることを特徴とする請求項1記載の電力用抵抗
    体。
  3. 【請求項3】 前記焼結体は、有機化合物の炭素化によ
    り生成されたカーボンが0.005〜3重量%含有さ
    れ、かつ前記第1領域はカーボン量が0.2重量%未満
    (0重量%を含む)、前記第2領域はカーボン量が0.
    2〜5重量%、であることを特徴とする請求項2記載の
    電力用抵抗体。
  4. 【請求項4】 前記焼結体は、酸化アルミニウム粉末と
    カーボン粉末を含む成形体を焼結することにより得られ
    た前記カーボン粉末量が0.3〜5重量%含有されるも
    ので、前記第1領域は前記カーボン粉末の量が1.0重
    量%未満(0重量%を含む)、前記第2領域はカーボン
    粉末の量が1.0〜10重量%、であることを特徴とす
    る請求項2記載の電力用抵抗体。
  5. 【請求項5】 前記第2領域の酸化アルミニウム粒子
    は、平均粒径が0.2〜0.5μmで、前記第1領域の
    酸化アルミニウム粒子は前記第2領域の酸化アルミニウ
    ム粒子の2〜8倍の大きさを有することを特徴とする請
    求項1記載の電力用抵抗体。
  6. 【請求項6】 カーボン前駆体である有機化合物を溶剤
    により溶解した溶液を酸化アルミニウム粉末に分散さ
    せ、前記溶剤を除去して造粒することによりカーボン量
    の少ないかもしくはカーボンを含まない第1領域を形成
    する第1造粒原料を調製する工程と、 カーボン前駆体である有機化合物を溶剤により溶解した
    溶液を酸化アルミニウム粉末に分散させ、前記溶剤を除
    去して造粒することにより前記第1領域よりカーボン量
    の多い第2領域を形成する第2造粒原料を調製する工程
    と、 前記第1造粒原料および前記第2造粒原料とを混合した
    後、成形、焼結することにより焼結体を作製する工程
    と、 前記焼結体の対向する主面に一対の電極を形成する工程
    とを具備したことを特徴とする電力用抵抗体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 カーボン粉末が少ないかもしくはカーボ
    ン粉末を含まない酸化アルミニウム粉末を含有する第1
    領域を形成する第1造粒原料を調製する工程と、 カーボン粉末と酸化アルミニウム粉末を含み、前記第1
    領域よりカーボン粉末の量が多い第2領域を形成する第
    2造粒原料を調製する工程と、 前記第1造粒原料および前記第2造粒原料とを混合した
    後、成形、焼結することにより焼結体を作製する工程
    と、 前記焼結体の対向する主面に一対の電極を形成する工程
    とを具備したことを特徴とする電力用抵抗体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 電流経路に配置される主開閉手段と、 前記電流経路に前記主開閉手段に対して並列になるよう
    に接続され、前記主開閉手段をONさせる前にONされ
    る補助開閉手段と、 前記補助開閉手段に直列に接続され、焼結体およびこの
    焼結体の対向する面に形成された電極を有する抵抗体が
    組み込まれ、かつ前記焼結体はカーボン量が少ないかも
    しくはカーボンを含まない第1領域とこの第1領域より
    カーボン量が多く、かつ前記一対の電極に繋がるように
    配置された第2領域とからなる構成を有する投入抵抗ユ
    ニットとを具備したことを特徴とする電力用遮断器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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