JPH0847094A - 圧電磁器トランスとその駆動方法 - Google Patents

圧電磁器トランスとその駆動方法

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JPH0847094A
JPH0847094A JP6174417A JP17441794A JPH0847094A JP H0847094 A JPH0847094 A JP H0847094A JP 6174417 A JP6174417 A JP 6174417A JP 17441794 A JP17441794 A JP 17441794A JP H0847094 A JPH0847094 A JP H0847094A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高電圧・高電力・高信頼性を同時に満たすこ
とができる小型・薄型の圧電磁器トランスを提供する。 【構成】 長板構造の圧電磁器トランスにおいて、主面
上に配置された対向する櫛形電極111,112,12
1,122を有し、それぞれの電極指間が長手方向に交
互に分極された圧電磁器からなる駆動部11と発電部1
2を有する。この圧電磁器トランスにおいては、長さ方
向縦振動2次モードで振動させるのが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の高電圧発生用電
源回路で動作可能な圧電トランス、特に小型化,高信頼
度が要求される小型・薄型でかつ高電圧を発生する圧電
トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、テレビジョンの偏向装置や複写機
の帯電装置など高電圧を必要とする装置内の電源回路で
は高電圧発生用の変圧素子として巻線型の電磁トランス
が用いられてきた。この電磁トランスは磁性体のコアに
導線を巻き付ける構造になっており、高い変性比を実現
するためには巻き付ける導線の数を多くする必要があ
る。そのため、小型・薄型の電磁トランスを実現するの
は非常に困難であった。
【0003】これに対し、圧電効果を用いた圧電トラン
スが提案されている。図4に従来の代表的な圧電トラン
スであるローゼン型圧電トランスの構造を示す。このロ
ーゼン型圧電トランスでは、表面に電極が設けられた長
方形状の圧電板において、41で示す部分は圧電トラン
スの低インピーダンスの駆動部であり、その上下面に電
極43,44が設けられており、この部分は図中矢印4
9で示すように厚み方向に分極されている。また、同様
に42で示す部分は高インピーダンスの発電部分であ
り、その端面に電極45が設けられており、発電部42
は図中矢印50で示すように圧電板の長さ方向に分極さ
れている。
【0004】この圧電トランスの動作は以下の通りであ
る。外部端子46,47から駆動電極43,44に電圧
が印加されると、駆動部41では分極方向に電界が加わ
り分極とは垂直方向に変位する圧電効果(以後、圧電横
効果31モードと略す)で長さ方向の縦振動が励振さ
れ、トランス全体が振動する。さらに発電部42では、
分極方向に機械的歪が生じ分極方向に電位差が発生する
圧電効果(以後、圧電縦効果33モードと略す)によ
り、出力電極45から外部端子48に入力電圧と同じ周
波数の電圧が取り出される。このとき、駆動周波数を圧
電トランスの共振周波数と等しくすれば非常に高い出力
電圧が得られる。
【0005】なお、高電圧を入力し、低電圧を出力させ
る場合には、縦効果の高インピーダンス部分42を入力
側とし、横効果の低インピーダンス部分41を出力側に
すれば良いことは明らかである。
【0006】この圧電トランスは共振状態で使用され、
一般の電磁トランスに比べて(1)巻線構造が不用でエ
ネルギー密度も高いため小型化・薄型化が図れること、
(2)不燃化が図れること、(3)電磁誘導によるノイ
ズがでないこと、など数多くの長所を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のローゼン型圧電
トランスでは、発電部の電極がトランスの端面すなわち
振動の腹に位置しており、リード線等の外部電気端子も
そこから取り出さざるを得ない。その場合、リード線等
の端子および半田等の接続部の質量が振動の腹に存在す
るため、機械的損失の増加や共振時の周波数特性の乱れ
を引き起こす。機械的損失の増加は効率の低下の原因と
なり、また周波数特性の乱れにより回路内での動作が不
安定となるため実用化の大きな障害となる。
【0008】また圧電トランスは、フィルタなどの信号
処理用の圧電素子とは異なり、比較的ハイパワーでの動
作が求められており、圧電材料が持つ限界性能近くまで
大振動で振動させる。このような圧電トランスにおいて
接続部が振動の腹に位置するということは接続部が大き
な振動を受けることを意味し、半田やボンディング等ど
のような接続方法であっても、寿命などの点で接続部の
信頼性を著しく下げる結果となる。
【0009】さらに、このローゼン型圧電トランスは、
図4からも明らかなように3端子構造であり、入出力間
の電気的絶縁が取れないという問題もある。
【0010】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決し、高電圧・高電力・高信頼性の特性を持ち、かつ小
型で小型・薄型である圧電磁器トランスを提供すること
にある。
【0011】本発明の他の目的は、このような圧電磁器
トランスの駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、長板構造の圧
電磁器トランスにおいて、主面上に配置された対向する
櫛形電極を有し、それぞれの電極指間が長手方向に交互
に分極された圧電磁器からなる駆動部と、駆動部と同様
に主面上に配置された対向する櫛形電極を有し、それぞ
れの電極指間が長手方向に交互に分極された圧電磁器か
らなる発電部、あるいは駆動部と反対側の端面から圧電
磁器トランス全体の長さの1/4の位置の主面上に短冊
形の電極を配置し、駆動部と短冊形電極の間を長手方向
に分極した圧電磁器からなる発電部とを有することを特
徴とする。
【0013】また本発明の圧電磁器トランスの駆動方法
は、圧電磁器トランスを、長さ方向縦振動2次モードで
駆動することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の圧電磁器トランスでは、長さ方向縦振
動共振周波数と同じ周波数で駆動すれば、発電部では高
い電圧が得られるが、2次モード(1波長モード)を利
用すれば、端面から圧電磁器トランスの全体の1/4の
位置に振動の節が存在する。本発明の構造によれば外部
電気端子はすべてこの振動の節から取り出せるので、非
常に高い信頼性を得ることが可能である。
【0015】また、本発明の圧電磁器トランスではトラ
ンス全体の長さ(駆動部、発電部の数)、幅、厚さ以外
にも駆動部と発電部の主面上の電極の数にも自由度があ
り、負荷と圧電磁器トランスの出力インピーダンスを整
合させられる範囲が広いという特徴を持つ。
【0016】また、この圧電磁器トランスは、入出力の
電気端子はそれぞれ直流的に絶縁された4端子構造であ
り、3端子型のローゼン型の圧電トランスに比べて周辺
回路の自由度を高くすることが可能である。
【0017】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0018】(第1の実施例)第1の実施例である長板
構造の圧電磁器トランスを図1に示す。この圧電磁器ト
ランスは、長方形状の圧電磁器単板10を備え、圧電磁
器トランス全体は、駆動部11と発電部12に大きく分
割され、駆動部11の主面上には対向する櫛形電極11
1と112が配置されている。櫛形電極は、圧電磁器ト
ランスの幅方向に伸びる多くの電極指とそれらを電気的
に接続している1つの連結部で構成されている。全体が
一様に分極されている表面波デバイス等と異なり、対向
する電極指間は図中矢印で示したように長手方向に交互
に分極されている。また、連結部においては駆動部11
の長手方向の中央から外部電気端子113,114が取
り出されている。
【0019】発電部12も駆動部11と同様に対向する
櫛形電極121,122が配置され、各電極指間は図中
矢印で示したように長手方向に交互に分極されている。
櫛形電極121,122の長手方向の中央から外部電気
端子123,124がそれぞれ取り出されている。
【0020】図1で示す構造の駆動部11の外部電気端
子113−114間に交流電圧を印加すると、各電極指
間では電気機械結合係数k33を介して圧電縦効果33モ
ードに長手方向の歪が発生する。このとき、分極の方向
および印加電界の方向が両方とも交互になっているた
め、駆動部11の電極指間は全て同位相で伸縮を繰り返
す。その結果、圧電磁器トランス全体に長さ方向の縦振
動が発生する。この長さ方向の縦振動が発電部12に伝
搬し、発電部でも各電極指間で電気機械結合係数k33
介して圧電縦効果33モードにより電圧が発生する。
【0021】このとき、長さ方向縦振動共振周波数と同
じ周波数で駆動すれば、発電部12では高い電圧が得ら
れるが、2次モード(1波長モード)を利用すれば、端
面から圧電磁器トランスの全体の1/4の位置に振動の
節が存在する。本発明の構造によれば外部電気端子はす
べてこの振動の節から取り出せるので、非常に高い信頼
性を得ることが可能である。
【0022】この圧電磁器トランスの共振周波数近傍の
集中定数近似等価回路は、他の圧電トランスと同様に図
3で示される。図3においてCd1 ,Cd2 はそれぞれ
入力側,出力側の制動容量、A1 ,A2 は入出力の力係
数、m,c,rm は長さ縦振動3次モードに関する等価
容量,等価コンプライアンス,等価機械抵抗である。本
発明の圧電磁器トランスの入出力の力係数A1 ,A
2 は、幅、厚さ、駆動部,発電部の電極指間の距離,電
極指の本数で変化する。図3の等価回路から明らかなよ
うに、一般に圧電トランスの出力電圧Vout は、接続さ
れる負荷の抵抗値によって変化し、負荷抵抗の値が大き
いほどVout の値も大きくなる。また、エネルギー伝送
効率も負荷抵抗に依存し、圧電磁器トランスの出力イン
ピーダンスと整合した値の負荷以外では伝送効率はさほ
ど高くない。本発明の圧電磁器トランスではトランス全
体の長さ(駆動部、発電部の数)、幅、厚さ以外にも駆
動部と発電部の主面上の電極の数にも自由度があり、負
荷と圧電磁器トランスの出力インピーダンスを整合させ
られる範囲が広いという特徴を持つ。
【0023】また、この圧電磁器トランスは、図1およ
び図3から明らかなように入出力の電気端子はそれぞれ
直流的に絶縁された4端子構造であり、図4で示した3
端子型のローゼン型の圧電トランスに比べて周辺回路の
自由度を高くすることが可能である。
【0024】第1の実施例の圧電磁器トランスの具体例
を、その製造方法とともに説明する。
【0025】圧電磁器の材料にはPZT(PbZrO3
−PbTiO3 )系圧電磁器を用いた。まず、焼成され
た圧電磁器ブロックをダイアモンドカッターで切断し、
#3000のSiC研磨粉を用いて平行平面研磨するこ
とにより長さ30mm,幅8mm,厚さ1.0mmの圧
電磁器単板10を用意する。圧電磁器単板上にAgペー
ストをスクリーン印刷・焼成することにより櫛形電極1
11,112,121,122を形成した。この際、駆
動部11の櫛形電極111,112は電極指6本、発電
部12の櫛形電極は電極指3本とし、各電極指の幅は
0.3mmとした。これらの外部電極は、塗布・焼成以
外の方法、例えば蒸着法やスパッタ法を用いてAg以外
の導電性材料の薄膜を形成しても構わない。続いて導線
をハンダを用いて接続することにより外部端子113,
114,123,124を取り出した。その後、駆動部
11、発電部12共に100℃の絶縁油中において4k
V/mmの電圧を印加する分極処理を施した。
【0026】この圧電磁器トランスの長さ縦振動2次モ
ードの共振周波数はアドミタンスの周波数特性から11
0kHzと測定された。この圧電磁器トランスに100
kΩの負荷抵抗を接続したところ、入力電圧10Vに対
して330Vの出力電圧が得られ、このときの出力電力
は1.1Wであった。
【0027】また、この実施例による圧電磁器トランス
100個を連続2000時間駆動したが、外部電極の剥
離や特性の異常が認められた試料は1個も無かった。
【0028】(第2の実施例)本発明の圧電磁器トラン
スの第2の実施例を図2に示した。駆動部11の電極は
第1の実施例と同じであるが、発電部12には、櫛形電
極ではなく、出力部の中央に幅1mmの短冊形電極12
5を配置し、外部電気端子126を取り出している。
【0029】このような構成の圧電磁器トランスの作成
手順は第1の実施例と同じである。外部端子接続後の分
極処理は、駆動部11では電極111−112間に電圧
を印加するが、発電部12では入力部の電極112と発
電部の電極125間で分極している。そのため、発電部
では半分の領域しか圧電体として活性化されないが、小
電力かつ3端子構造で構わない用途にはこれで十分であ
る。
【0030】この圧電磁器トランスの長さ縦振動2次モ
ードの共振周波数は、アドミタンスの周波数特性から1
10kHzと測定された。この圧電磁器トランスに、1
MΩの負荷抵抗を接続したところ、入力電圧10Vに対
して650Vの出力電圧が得られ、このときの出力電力
は0.42Wであった。
【0031】また、この実施例による圧電磁器トランス
100個を連続2000時間駆動したが、外部電極の剥
離や特性の異常が認められた試料は1個も無かった。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明に従った構成
の圧電磁器トランスは、高電圧・高電力・高信頼性の特
性を持ち、かつ小型で小型・薄型であるという点で従来
の圧電トランスにはない長所があり、工業的価値も多大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の圧電磁器トランスの平面図であ
る。
【図2】第2の実施例の圧電磁器トランスの平面図であ
る。
【図3】圧電磁器トランスの集中定数等価回路図であ
る。
【図4】従来のローゼン型圧電トランスの斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 圧電磁器単板 11,41 駆動部 12,42 発電部 43,44,45 外部電極 46,47,48,113,114,123,124,
126 外部電気端子 111,112,121,122 櫛形電極 125 短冊形電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長板構造の圧電磁器トランスにおいて、主
    面上に配置された対向する櫛形電極を有し、それぞれの
    電極指間が長手方向に交互に分極された圧電磁器からな
    る駆動部を有することを特徴とする圧電磁器トランス。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧電磁器トランスにおい
    て、駆動部と同様に主面上に配置された対向する櫛形電
    極を有し、それぞれの電極指間が長手方向に交互に分極
    された圧電磁器からなる発電部を有することを特徴とす
    る圧電磁器トランス。
  3. 【請求項3】請求項1記載の圧電磁器トランスにおい
    て、駆動部と反対側の端面から圧電磁器トランス全体の
    長さの1/4の位置の主面上に短冊形の電極を配置し、
    駆動部とこの短冊形電極の間を長手方向に分極した圧電
    磁器からなる発電部を有することを特徴とする圧電磁器
    トランス。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の圧電磁器
    トランスにおいて、長さ方向縦振動2次モードで駆動す
    ることを特徴とする圧電磁器トランスの駆動方法。
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