JPH084891B2 - 超音波による連続鋳造鋳片の介在物検出方法 - Google Patents
超音波による連続鋳造鋳片の介在物検出方法Info
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- JPH084891B2 JPH084891B2 JP1172796A JP17279689A JPH084891B2 JP H084891 B2 JPH084891 B2 JP H084891B2 JP 1172796 A JP1172796 A JP 1172796A JP 17279689 A JP17279689 A JP 17279689A JP H084891 B2 JPH084891 B2 JP H084891B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、微小な鋼中非金属介在物の存在が問題とな
る鋼材の鋳片段階での超音波による介在物の検出方法に
関するものである。
る鋼材の鋳片段階での超音波による介在物の検出方法に
関するものである。
(従来の技術) 冷間で強度に加工される鋼材においては、微小な鋼中
非金属介在物のわずかな存在さえも加工時の割れなどの
事故につながる。これらのトラブルの原因となる微小介
在物の大きさは、鋼片中において直径1mm相当球よりも
大きいものである。この鋼片を圧延し、コイル状の線材
にした後に介在物を検出することは、線材が細く長いた
めに非常に困難である。また、棒鋼に圧延した場合で
も、介在物の入念な検査は大きなコスト増につながる。
そのため、鋼片段階において厳しく検査を行い、有害な
介在物を含む鋼片を予め除去する必要がある。そのた
め、まず、造塊または連続鋳造された鋳片を、熱片のま
まあるいは一度冷片にした後で加熱炉で均熱し、圧下比
を後述する第3図で示すように3.0以上とする圧下を加
える分塊圧延を行い、鋼片としていた。これは凝固収縮
孔からのノイズを無害化するための圧着圧下であるが、
この鋼片を直径1mm相当球の介在物を検出できる周波数2
MHz以上の超音波で検査し、介在物を含む鋼片を予め除
去した後で、線材および棒鋼などに圧延する。また鉄と
鋼:第60年第875〜884頁、第990〜999頁(1974)などに
は、直接圧延を行った連続鋳造鋳片の品質についての報
告がある。
非金属介在物のわずかな存在さえも加工時の割れなどの
事故につながる。これらのトラブルの原因となる微小介
在物の大きさは、鋼片中において直径1mm相当球よりも
大きいものである。この鋼片を圧延し、コイル状の線材
にした後に介在物を検出することは、線材が細く長いた
めに非常に困難である。また、棒鋼に圧延した場合で
も、介在物の入念な検査は大きなコスト増につながる。
そのため、鋼片段階において厳しく検査を行い、有害な
介在物を含む鋼片を予め除去する必要がある。そのた
め、まず、造塊または連続鋳造された鋳片を、熱片のま
まあるいは一度冷片にした後で加熱炉で均熱し、圧下比
を後述する第3図で示すように3.0以上とする圧下を加
える分塊圧延を行い、鋼片としていた。これは凝固収縮
孔からのノイズを無害化するための圧着圧下であるが、
この鋼片を直径1mm相当球の介在物を検出できる周波数2
MHz以上の超音波で検査し、介在物を含む鋼片を予め除
去した後で、線材および棒鋼などに圧延する。また鉄と
鋼:第60年第875〜884頁、第990〜999頁(1974)などに
は、直接圧延を行った連続鋳造鋳片の品質についての報
告がある。
(発明が解決しようとする課題) 従来の分塊圧延の存在は、加熱炉および圧延機などの
設備費、加熱および圧延のための燃料費および電力費な
どのコストの上昇をもたらす。また、工程が長いために
生産管理が複雑となり、柔軟な納期対応が困難となるな
どの問題点も発生させる。これらの問題点を解消するた
めに、分塊圧延工程を省略することが当業界の長年の課
題であった。
設備費、加熱および圧延のための燃料費および電力費な
どのコストの上昇をもたらす。また、工程が長いために
生産管理が複雑となり、柔軟な納期対応が困難となるな
どの問題点も発生させる。これらの問題点を解消するた
めに、分塊圧延工程を省略することが当業界の長年の課
題であった。
分塊圧延を省略するには鋼片と同程度の断面寸法を持
つ鋳片を製造することになるが、次の二つの理由から超
音波による微小有害介在物の検出が十分に行えないとい
う欠点があった。
つ鋳片を製造することになるが、次の二つの理由から超
音波による微小有害介在物の検出が十分に行えないとい
う欠点があった。
鋳片は結晶粒が粗大なため、結晶粒界での散乱によ
って超音波が減衰し、介在物の検出能力が低下する。
って超音波が減衰し、介在物の検出能力が低下する。
中心部に不可避的に発生する凝固収縮孔と微小介在
物の識別が困難である。
物の識別が困難である。
そのため、高級鋼に対しては、分塊圧延を省略した製
造工程を採用できなかった。組織の粗い鋼材を現行の周
波数2MHzの超音波で検査すると、結晶粒界によって音波
が散乱され、ノイズが発生するため介在物の検出能力が
低下する。このノイズは波長の長い超音波を用いること
で低減できるが、一方、検出可能な介在物の下限寸法が
大きくなり、目標とする介在物の検出が困難となる。こ
の問題を解決するためには、鋳片組織を微細化し、2MHz
でもノイズの発生を少なくすることが必要である。ま
た、中心部の収縮孔は音波の反射源となり、これよりも
小さな介在物からの反射波との分離識別が困難なため、
十分に圧着しておく必要がある。
造工程を採用できなかった。組織の粗い鋼材を現行の周
波数2MHzの超音波で検査すると、結晶粒界によって音波
が散乱され、ノイズが発生するため介在物の検出能力が
低下する。このノイズは波長の長い超音波を用いること
で低減できるが、一方、検出可能な介在物の下限寸法が
大きくなり、目標とする介在物の検出が困難となる。こ
の問題を解決するためには、鋳片組織を微細化し、2MHz
でもノイズの発生を少なくすることが必要である。ま
た、中心部の収縮孔は音波の反射源となり、これよりも
小さな介在物からの反射波との分離識別が困難なため、
十分に圧着しておく必要がある。
本発明は、分塊工程を省略した超音波による介在物の
検出方法を提供する。
検出方法を提供する。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、連続鋳造された鋼の熱鋳片を凝固完
了後直ちに合計圧下比1.4以上3.0未満で圧下した後、引
続き熱間の状態または冷却後の冷間の状態で超音波によ
る介在物の検出を行う超音波による連続鋳造鋳片の介在
物検出方法であって、鋳片の圧下はロール圧延またはプ
レス機で行い、圧下を初期圧下と終期圧下に分け、合計
圧下比中初期圧下の圧下比を1.2以上かつ終期圧下の圧
下比を1.15以上とし、初期圧下開始時の鋳片表面温度を
1050℃以上1200℃以下、終期圧下開始時の鋳片表面温度
を850℃以上1050℃以下とすることを特徴とする超音波
による連続鋳造鋳片の介在物検出方法である。この際初
期圧下前または/および終期圧下前に鋳片を保温または
加熱すること、初期圧下後に鋳片を冷却すること、なら
びに圧下前の熱間鋳片を熱間溶削することは好ましい。
了後直ちに合計圧下比1.4以上3.0未満で圧下した後、引
続き熱間の状態または冷却後の冷間の状態で超音波によ
る介在物の検出を行う超音波による連続鋳造鋳片の介在
物検出方法であって、鋳片の圧下はロール圧延またはプ
レス機で行い、圧下を初期圧下と終期圧下に分け、合計
圧下比中初期圧下の圧下比を1.2以上かつ終期圧下の圧
下比を1.15以上とし、初期圧下開始時の鋳片表面温度を
1050℃以上1200℃以下、終期圧下開始時の鋳片表面温度
を850℃以上1050℃以下とすることを特徴とする超音波
による連続鋳造鋳片の介在物検出方法である。この際初
期圧下前または/および終期圧下前に鋳片を保温または
加熱すること、初期圧下後に鋳片を冷却すること、なら
びに圧下前の熱間鋳片を熱間溶削することは好ましい。
なお、水平方向または/および垂直方向の圧下可能な
圧下装置群を鋳造ライン上に前後2箇所に前群と後群と
して設け、この前群の圧下装置群で圧下することを初期
圧下といい、後群の圧下装置群で圧下することを終期圧
下という。各圧下装置群内での圧下回数は限定されな
い。
圧下装置群を鋳造ライン上に前後2箇所に前群と後群と
して設け、この前群の圧下装置群で圧下することを初期
圧下といい、後群の圧下装置群で圧下することを終期圧
下という。各圧下装置群内での圧下回数は限定されな
い。
介在物検出用の超音波は、熱間鋳片に対しては電磁超
音波探傷機を、また冷間鋳片には超音波発信用プローブ
を用いた常用の超音波探傷機を用いることが望ましい。
音波探傷機を、また冷間鋳片には超音波発信用プローブ
を用いた常用の超音波探傷機を用いることが望ましい。
(作用) まず、これらの要件を定める前提条件として、2MHzの
超音波を用いて直径1mm相当球以上の有害な介在物を擾
乱となるノイズの発生をみることなく鮮明に検出できる
検出感度を求めるため、鋳片に直径1mm、深さ5mmな穴を
明けた人工疵で調査した。この結果、人工疵の検出力と
してS/N比で10dB以上が得られれば目標の直径1mmの介在
物を検出可能であることが判った。
超音波を用いて直径1mm相当球以上の有害な介在物を擾
乱となるノイズの発生をみることなく鮮明に検出できる
検出感度を求めるため、鋳片に直径1mm、深さ5mmな穴を
明けた人工疵で調査した。この結果、人工疵の検出力と
してS/N比で10dB以上が得られれば目標の直径1mmの介在
物を検出可能であることが判った。
次に、TISS45C鋼、鋼片サイズ200mm×200mmの連続鋳
造鋳片、鋳片直接圧延材および鋳片再加熱圧延材を用い
て、結晶粒度と超音波による有害介在物の検出能を測定
した。検出能は直径1mm、探さ5mmの穴を明けた人工疵の
検出感度で評価した。その結果、第2図に示すように結
晶粒度がJIS2番以上の細粒であればS/Nが10dB以上とな
り、目的とする有害介在物を検出できることを知見し
た。
造鋳片、鋳片直接圧延材および鋳片再加熱圧延材を用い
て、結晶粒度と超音波による有害介在物の検出能を測定
した。検出能は直径1mm、探さ5mmの穴を明けた人工疵の
検出感度で評価した。その結果、第2図に示すように結
晶粒度がJIS2番以上の細粒であればS/Nが10dB以上とな
り、目的とする有害介在物を検出できることを知見し
た。
次に、上述の鋼種で種々のサイズの連続鋳造熱鋳片を
直接圧下した場合の凝固収縮孔の圧着状態と圧下比の関
係を、冷鋳片を加熱し分塊圧延した場合のそれとともに
第3図に示す。結晶粒の影響をなくすために圧延後に熱
処理を施して結晶粒度をJIS5番の細粒にし、2MHzの超音
波で検査した。これより、鋳造直接圧延材では圧下比1.
4以上で、また分塊圧延材では圧下比3.0以上で凝固収縮
孔が有害介在物の検出に害を与えない検出感度5dB以下
に圧着されることが判った。
直接圧下した場合の凝固収縮孔の圧着状態と圧下比の関
係を、冷鋳片を加熱し分塊圧延した場合のそれとともに
第3図に示す。結晶粒の影響をなくすために圧延後に熱
処理を施して結晶粒度をJIS5番の細粒にし、2MHzの超音
波で検査した。これより、鋳造直接圧延材では圧下比1.
4以上で、また分塊圧延材では圧下比3.0以上で凝固収縮
孔が有害介在物の検出に害を与えない検出感度5dB以下
に圧着されることが判った。
凝固完了直後の連続鋳造鋳片は中心部の温度が表面部
の温度に比べて高く、中心部に圧下が集中するため、従
来の鋳片を均熱する方法に比べ小さな圧下率で凝固収縮
孔を圧着できる。凝固収縮孔が十分に圧着された鋳片
は、その後に超音波により目標とする微小介在物を容易
に検出することができる。さらに微小な介在物を検出す
るためには、十分な終期圧下量を確保することによって
結晶粒を十分に微細化し、超音波の周波数を上げて検査
を行えば良い。
の温度に比べて高く、中心部に圧下が集中するため、従
来の鋳片を均熱する方法に比べ小さな圧下率で凝固収縮
孔を圧着できる。凝固収縮孔が十分に圧着された鋳片
は、その後に超音波により目標とする微小介在物を容易
に検出することができる。さらに微小な介在物を検出す
るためには、十分な終期圧下量を確保することによって
結晶粒を十分に微細化し、超音波の周波数を上げて検査
を行えば良い。
さらに、本発明において鋳片の圧下に際し、初期圧下
比1.2以上、終期圧下比1.15以上、初期圧下開始時の鋳
片表面温度1050℃以上1200℃以下、終期圧下開始時の鋳
片表面温度850℃以上1050℃以下とするのが好ましい理
由は以下の通りである。
比1.2以上、終期圧下比1.15以上、初期圧下開始時の鋳
片表面温度1050℃以上1200℃以下、終期圧下開始時の鋳
片表面温度850℃以上1050℃以下とするのが好ましい理
由は以下の通りである。
初期圧下の目的は、鋳片表面から内部にかけて生成し
ている柱状晶の破壊である。第4図は247×300mmの鋳型
で鋳造したJISS45C鋳片を鋳造顕熱を利用して熱間ロー
ル圧延した後、表層の柱状晶が微細化されたか否かを調
べた結果である。初期圧下開始時の表面温度1050℃以
上、圧下比1.2以上で圧延すれば表層粗大粒の破壊が十
分行われることがわかる。しかし、初期圧下開始時の表
面温度は1200℃以下が望ましい。その理由は、この温度
超で圧延すると再結晶およびそれに続く成長で組織が荒
くなり、その後に行う終期圧下の圧下量が少なく低温の
場合には、微細化目標を達成できない可能性が残るから
である。終期圧下の目的は、全長および全断面にわたっ
て結晶粒を十分に微細化することである。第5図は初期
圧下を表面温度1200℃、圧下比1.2で行ったときに得ら
れる結晶粒度JIS−0.5番の鋳片を、種々の条件で終期圧
下した後の結晶粒度を示したものである。これより、初
期圧下によって微細化された結晶粒をさらに再結晶によ
って微細化し、目標とする結晶粒度JIS2番以上の細粒を
得るためには、終期圧下開始時の表面温度を1050℃以下
にするのが好ましいことが判る。また、終期圧下開始時
の鋳片表面温度を850℃未満にすると、弱い圧延では初
期圧下によって微細化された結晶粒をさらに微細化する
ことが困難なため、終期圧下開始時の鋳片表面温度の下
限を850℃、終期圧下比を1.15以上とするのが好まし
い。プレス機による圧下条件も同様である。
ている柱状晶の破壊である。第4図は247×300mmの鋳型
で鋳造したJISS45C鋳片を鋳造顕熱を利用して熱間ロー
ル圧延した後、表層の柱状晶が微細化されたか否かを調
べた結果である。初期圧下開始時の表面温度1050℃以
上、圧下比1.2以上で圧延すれば表層粗大粒の破壊が十
分行われることがわかる。しかし、初期圧下開始時の表
面温度は1200℃以下が望ましい。その理由は、この温度
超で圧延すると再結晶およびそれに続く成長で組織が荒
くなり、その後に行う終期圧下の圧下量が少なく低温の
場合には、微細化目標を達成できない可能性が残るから
である。終期圧下の目的は、全長および全断面にわたっ
て結晶粒を十分に微細化することである。第5図は初期
圧下を表面温度1200℃、圧下比1.2で行ったときに得ら
れる結晶粒度JIS−0.5番の鋳片を、種々の条件で終期圧
下した後の結晶粒度を示したものである。これより、初
期圧下によって微細化された結晶粒をさらに再結晶によ
って微細化し、目標とする結晶粒度JIS2番以上の細粒を
得るためには、終期圧下開始時の表面温度を1050℃以下
にするのが好ましいことが判る。また、終期圧下開始時
の鋳片表面温度を850℃未満にすると、弱い圧延では初
期圧下によって微細化された結晶粒をさらに微細化する
ことが困難なため、終期圧下開始時の鋳片表面温度の下
限を850℃、終期圧下比を1.15以上とするのが好まし
い。プレス機による圧下条件も同様である。
凝固収縮孔の圧着には初期圧下および終期圧下が共に
寄与する。鋳片を十分に均熱してから分塊圧延を行う工
程では、凝固収縮孔からのノイズを無害化するために全
圧下比3.0以上を必要としていた。しかし、凝固完了直
後の圧下では鋳片の表面付近の温度が低く中心部の温度
が高いため、外から加えた圧下が中心部に集中するので
合計圧下比1.4の軽圧下で凝固収縮孔からのノイズを無
害化できる。合計圧下比を3.0未満としたのは、上述し
たように従来の分塊圧延材のノイズを無害化する3.0以
上と本発明法とを明確に区別するためである。
寄与する。鋳片を十分に均熱してから分塊圧延を行う工
程では、凝固収縮孔からのノイズを無害化するために全
圧下比3.0以上を必要としていた。しかし、凝固完了直
後の圧下では鋳片の表面付近の温度が低く中心部の温度
が高いため、外から加えた圧下が中心部に集中するので
合計圧下比1.4の軽圧下で凝固収縮孔からのノイズを無
害化できる。合計圧下比を3.0未満としたのは、上述し
たように従来の分塊圧延材のノイズを無害化する3.0以
上と本発明法とを明確に区別するためである。
鋳片圧下前に鋳片を加熱または保温すると好ましいの
は、圧延温度を確保するため、および鋳片の中心部と表
面部の温度差を軽減することによって、圧下効果が過度
に中心部に集中して内部割れが発生したり、表面付近に
未再結晶粗大粒が発生するのを防止するためである。ま
た、初期圧下の後に行われる冷却は鋳片全体の温度を下
げることを目的としており、高温初期圧下による表層粗
大粒の破壊の後に行われる終期圧下の効果を高め、微細
化を容易にするためである。従って、初期圧下後に鋳片
全体の温度を所定温度に下げるための冷却を行った後に
保温または加熱を行うことにより、表層部の復熱を待ち
終期圧下を行うことは鋳片組織の微細化に有効である。
は、圧延温度を確保するため、および鋳片の中心部と表
面部の温度差を軽減することによって、圧下効果が過度
に中心部に集中して内部割れが発生したり、表面付近に
未再結晶粗大粒が発生するのを防止するためである。ま
た、初期圧下の後に行われる冷却は鋳片全体の温度を下
げることを目的としており、高温初期圧下による表層粗
大粒の破壊の後に行われる終期圧下の効果を高め、微細
化を容易にするためである。従って、初期圧下後に鋳片
全体の温度を所定温度に下げるための冷却を行った後に
保温または加熱を行うことにより、表層部の復熱を待ち
終期圧下を行うことは鋳片組織の微細化に有効である。
さらに、圧下前に熱間鋳片を熱間溶削することは、鋳
造時に発生する表面疵やピンホールなどの多い鋳片から
表面性状の良い鋳片を得ることができ、超音波による介
在物の検出能力を向上させることができる。なお、軽圧
下処理した鋳片の超音波による介在物検査を、連続鋳造
ライン上の鋳片切断前または切断後鋳片を払い出す前に
直接熱間状態で行うことは、有害な介在物を含む鋳片を
予め除去することができ効果的である。
造時に発生する表面疵やピンホールなどの多い鋳片から
表面性状の良い鋳片を得ることができ、超音波による介
在物の検出能力を向上させることができる。なお、軽圧
下処理した鋳片の超音波による介在物検査を、連続鋳造
ライン上の鋳片切断前または切断後鋳片を払い出す前に
直接熱間状態で行うことは、有害な介在物を含む鋳片を
予め除去することができ効果的である。
(実施例) 第1図は本実施例で用いた通常の円弧型連続鋳造機
(鋳造機半径:12m)と軽圧下設備と加熱・保温・冷却設
備を示す図である。
(鋳造機半径:12m)と軽圧下設備と加熱・保温・冷却設
備を示す図である。
まず、凝固が完了した熱鋳片2を初期圧下前の加熱・
保温装置6で必要に応じて加熱または/および保温した
後、熱間溶削機13で鋳片表面の状況に応じ溶削した。そ
の後、初期圧下装置7の1対の水平ロールと1対の垂直
ロールで水平方向または/および垂直方向に圧下圧延
し、冷却装置8で必要に応じて鋳片を冷却した後、また
終期圧下前の加熱・保温装置9で終期圧下前に必要に応
じ鋳片を加熱または/および保温し、終期圧下装置10の
1対の水平ロールと1対の垂直ロールで水平方向または
/および垂直方向に圧延した。さらに、その後熱鋳片2
を切断機11で所定の長さに切断し、直ちに超音波探傷機
12(ここでは電磁超音波探傷機)で熱鋳片2の介在物の
検出を行った。
保温装置6で必要に応じて加熱または/および保温した
後、熱間溶削機13で鋳片表面の状況に応じ溶削した。そ
の後、初期圧下装置7の1対の水平ロールと1対の垂直
ロールで水平方向または/および垂直方向に圧下圧延
し、冷却装置8で必要に応じて鋳片を冷却した後、また
終期圧下前の加熱・保温装置9で終期圧下前に必要に応
じ鋳片を加熱または/および保温し、終期圧下装置10の
1対の水平ロールと1対の垂直ロールで水平方向または
/および垂直方向に圧延した。さらに、その後熱鋳片2
を切断機11で所定の長さに切断し、直ちに超音波探傷機
12(ここでは電磁超音波探傷機)で熱鋳片2の介在物の
検出を行った。
加熱・保温装置としてここでは全長が4mで内側が耐火
物からなるカバーに加熱用のバーナーを取り付けたもの
を用いたが、これは所望する鋳片温度確保に応じた設備
にすればよい。また、圧下装置7と10での圧下がそれぞ
れ一方向だけの場合、鋳片2の温度低下の大きい稜部を
十分圧下するために、たとえば初期圧下で水平方向に圧
下するときは、終期圧下では垂直方向に圧下するという
ように直交させる圧下圧延が良い。
物からなるカバーに加熱用のバーナーを取り付けたもの
を用いたが、これは所望する鋳片温度確保に応じた設備
にすればよい。また、圧下装置7と10での圧下がそれぞ
れ一方向だけの場合、鋳片2の温度低下の大きい稜部を
十分圧下するために、たとえば初期圧下で水平方向に圧
下するときは、終期圧下では垂直方向に圧下するという
ように直交させる圧下圧延が良い。
以上の連続鋳造機ラインで、次のような製造条件で鋳
片の介在物検出をした。
片の介在物検出をした。
鋳造鋼種はJISS45Cとし、鋳造鋳片サイズは247mm×30
0mmのブルームとし、圧下温度、圧下比、圧下方法、加
熱・保温および冷却の有無などの組合せ条件は第1表に
示す通りとした。
0mmのブルームとし、圧下温度、圧下比、圧下方法、加
熱・保温および冷却の有無などの組合せ条件は第1表に
示す通りとした。
加熱による昇温は、鋳片表面温度で最高30℃まで上昇
させることが可能であるが、加熱せず保温のみの場合は
鋳片の表面温度降下を10〜30℃に抑えることができる。
加熱・保温をしない場合の鋳片の表面温度降下は45〜65
℃である。鋳片の冷却は、気水冷却により冷却速度65℃
/分、2分間の表面冷却とした。なお、鋼種JISS45Cが
鋳造性良好材で、表面疵の少ない鋼種の鋳片であること
から、本実施例では熱間溶削は行っていない。
させることが可能であるが、加熱せず保温のみの場合は
鋳片の表面温度降下を10〜30℃に抑えることができる。
加熱・保温をしない場合の鋳片の表面温度降下は45〜65
℃である。鋳片の冷却は、気水冷却により冷却速度65℃
/分、2分間の表面冷却とした。なお、鋼種JISS45Cが
鋳造性良好材で、表面疵の少ない鋼種の鋳片であること
から、本実施例では熱間溶削は行っていない。
超音波検査は第1図に示すように鋳片切断直後に実施
したが、介在物の検出能は、周波数2MHzの超音波による
凝固収縮孔からのノイズ検出感度と直径1mm、探さ5mmの
人工疵の検出力によって評価した。この人工疵の鋳片面
への疵付けは、連続鋳造ライン上で超音波探触子が接す
る鋳片面の反対面に穴明けした。凝固収縮孔の検出感度
としては5dB以下、人工疵の検出力としてはS/N10dB以上
が得られれば、目標の直径1mmの介在物が検出可能であ
る。
したが、介在物の検出能は、周波数2MHzの超音波による
凝固収縮孔からのノイズ検出感度と直径1mm、探さ5mmの
人工疵の検出力によって評価した。この人工疵の鋳片面
への疵付けは、連続鋳造ライン上で超音波探触子が接す
る鋳片面の反対面に穴明けした。凝固収縮孔の検出感度
としては5dB以下、人工疵の検出力としてはS/N10dB以上
が得られれば、目標の直径1mmの介在物が検出可能であ
る。
介在物検出能と表層部の粗大結晶粒発生有無について
の顕微鏡検査結果とを比較例とともに第1表に示した。
の顕微鏡検査結果とを比較例とともに第1表に示した。
実施例1〜11の収縮孔ノイズおよび人工疵による介在
物検出能は全ての鋳片に対して目標通りの検出値が得ら
れており、また表層部の粗大結晶粒の発生も無い。な
お、実施例2、4、8、9および11の収縮孔ノイズの検
出感度がバックグランド程度まで小さくなっているが、
これは圧下比が2.8と大きいことによるものである。
物検出能は全ての鋳片に対して目標通りの検出値が得ら
れており、また表層部の粗大結晶粒の発生も無い。な
お、実施例2、4、8、9および11の収縮孔ノイズの検
出感度がバックグランド程度まで小さくなっているが、
これは圧下比が2.8と大きいことによるものである。
比較例12は軽圧下処理しない鋳造ままで検査したもの
であるが、この鋳片では粗大な鋳造組織により人工疵の
検出力が周波数2MHzの超音波に対して基準の10dBに達し
ない。比較例13、14および15は合計圧下比を1.2と小さ
くしたために組織の微細化と凝固収縮孔の圧着が十分で
ない。また、比較例14は初期圧下温度を1000℃としたた
め柱状晶を十分に破壊できず、表面粗大粒が残り、十分
な介在物の検出能が得られなかった。さらにまた、比較
例15は終期の圧下温度が800℃と低いため終期圧下によ
る再結晶が十分でなく、人工疵に対する検出力が低い。
であるが、この鋳片では粗大な鋳造組織により人工疵の
検出力が周波数2MHzの超音波に対して基準の10dBに達し
ない。比較例13、14および15は合計圧下比を1.2と小さ
くしたために組織の微細化と凝固収縮孔の圧着が十分で
ない。また、比較例14は初期圧下温度を1000℃としたた
め柱状晶を十分に破壊できず、表面粗大粒が残り、十分
な介在物の検出能が得られなかった。さらにまた、比較
例15は終期の圧下温度が800℃と低いため終期圧下によ
る再結晶が十分でなく、人工疵に対する検出力が低い。
第6図に実施例3と比較例14の顕微鏡による金属組織
を示す。実施例3の鋳片断面組織は、全領域において結
晶粒度がJIS3番以上の細粒であり、介在物の検出能に優
れている。しかし、比較例14の場合、表面付近に粗大粒
が残り、十分な介在物の検出能が得られない。
を示す。実施例3の鋳片断面組織は、全領域において結
晶粒度がJIS3番以上の細粒であり、介在物の検出能に優
れている。しかし、比較例14の場合、表面付近に粗大粒
が残り、十分な介在物の検出能が得られない。
以上の比較より、十分な介在物検出能を得るには所定
の圧下比で圧下する必要があるが、さらに圧下温度の限
定を付加すれば検出精度が向上することがわかる。
の圧下比で圧下する必要があるが、さらに圧下温度の限
定を付加すれば検出精度が向上することがわかる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によって、分塊圧延工程
を経た鋼片で内在介在物の保証をせざるを得なかった線
材および棒鋼などの鋼材製品の従来の製造工程に対し
て、分塊圧延工程を鋳造顕熱の利用による軽圧下によっ
て代替することを可能とし、線材および棒鋼などの鋼材
製品の製造における省力化およびコスト低減を可能とす
る。
を経た鋼片で内在介在物の保証をせざるを得なかった線
材および棒鋼などの鋼材製品の従来の製造工程に対し
て、分塊圧延工程を鋳造顕熱の利用による軽圧下によっ
て代替することを可能とし、線材および棒鋼などの鋼材
製品の製造における省力化およびコスト低減を可能とす
る。
第1図は実施例で用いた軽圧下設備と加熱・保温および
冷却設備を設けた円弧型連続鋳造機を示す図、 第2図は鋼片の結晶粒度と周波数2MHzの超音波に対する
直径1mm相当球の人工疵の検出力S/Nとの関係を示す図、 第3図は直接圧延鋳片と冷鋳片を加熱し分塊圧延した鋼
片の圧下比と周波数2MHzの超音波の凝固収縮孔からのエ
コーを比較して示す図、 第4図は鋳造組織を完全に再結晶させるために必要な圧
下比と圧延時の表面温度との関係を示す図、 第5図は初期圧下開始表面温度1200℃、圧下比1.2で初
期圧下して得られる鋳片表面から1/4深さの位置での結
晶粒度番号−0.5の組織を終期圧下したときに得られる
結晶粒度番号を、圧下温度と圧下比を変数に選んで示す
図、 第6図は実施例3と比較例14の鋳片表層断面における顕
微鏡による金属組織を示す写真である。 1……溶鋼、2……熱鋳片、3……鋳型、4……ガイド
ロール、5……ピンチロール、6……初期圧下前の加熱
・保温装置、7……初期圧下装置、8……冷却装置、9
……終期圧下前の加熱・保温装置、10……終期圧下装
置、11……切断機、12……超音波探傷機、13……熱間溶
削機、14……未凝固部。
冷却設備を設けた円弧型連続鋳造機を示す図、 第2図は鋼片の結晶粒度と周波数2MHzの超音波に対する
直径1mm相当球の人工疵の検出力S/Nとの関係を示す図、 第3図は直接圧延鋳片と冷鋳片を加熱し分塊圧延した鋼
片の圧下比と周波数2MHzの超音波の凝固収縮孔からのエ
コーを比較して示す図、 第4図は鋳造組織を完全に再結晶させるために必要な圧
下比と圧延時の表面温度との関係を示す図、 第5図は初期圧下開始表面温度1200℃、圧下比1.2で初
期圧下して得られる鋳片表面から1/4深さの位置での結
晶粒度番号−0.5の組織を終期圧下したときに得られる
結晶粒度番号を、圧下温度と圧下比を変数に選んで示す
図、 第6図は実施例3と比較例14の鋳片表層断面における顕
微鏡による金属組織を示す写真である。 1……溶鋼、2……熱鋳片、3……鋳型、4……ガイド
ロール、5……ピンチロール、6……初期圧下前の加熱
・保温装置、7……初期圧下装置、8……冷却装置、9
……終期圧下前の加熱・保温装置、10……終期圧下装
置、11……切断機、12……超音波探傷機、13……熱間溶
削機、14……未凝固部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 三男 北海道室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社 室蘭製鐵所内 (72)発明者 柳瀬 雅人 北海道室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社 室蘭製鐵所内 (72)発明者 野口 三和人 北海道室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社 室蘭製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭62−176655(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】連続鋳造された鋼の熱鋳片を凝固完了後直
ちに合計圧下比1.4以上3.0未満で圧下した後、引続き熱
間の状態または冷却後の冷間の状態で超音波による介在
物の検出を行う超音波による連続鋳造鋳片の介在物検出
方法であって、鋳片の圧下はロール圧延またはプレス機
で行い、圧下を初期圧下と終期圧下に分け、合計圧下比
中初期圧下の圧下比を1.2以上かつ終期圧下の圧下比を
1.15以上とし、初期圧下開始時の鋳片表面温度を1050℃
以上1200℃以下、終期圧下開始時の鋳片表面温度を850
℃以上1050℃以下とすることを特徴とする超音波による
連続鋳造鋳片の介在物検出方法。 - 【請求項2】初期圧下前または/および終期圧下前に鋳
片を保温または加熱する請求項1記載の超音波による連
続鋳造鋳片の介在物検出方法。 - 【請求項3】初期圧下後に鋳片を冷却する請求項1また
は請求項2記載の超音波による連続鋳造鋳片の介在物検
出方法。 - 【請求項4】圧下前の熱間鋳片を熱間溶削する請求項1
〜3のいずれかに記載の超音波による連続鋳造鋳片の介
在物検出方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1172796A JPH084891B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 超音波による連続鋳造鋳片の介在物検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1172796A JPH084891B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 超音波による連続鋳造鋳片の介在物検出方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0335855A JPH0335855A (ja) | 1991-02-15 |
| JPH084891B2 true JPH084891B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=15948524
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1172796A Expired - Lifetime JPH084891B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 超音波による連続鋳造鋳片の介在物検出方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH084891B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003054578A (ja) * | 2001-08-09 | 2003-02-26 | Meiwa Pax Co Ltd | 易開封性の包装用袋および包装体 |
| ES2759779T3 (es) * | 2011-07-08 | 2020-05-12 | Primetals Technologies Germany Gmbh | Procedimiento y aparato para la fabricación de productos metálicos largos en una colada continua |
| KR101400036B1 (ko) * | 2012-01-31 | 2014-05-30 | 현대제철 주식회사 | 고청정강 주편의 선별 방법 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62176655A (ja) * | 1986-01-28 | 1987-08-03 | Kobe Steel Ltd | スラブの充当製品を決定する非金属介在物評価方法 |
-
1989
- 1989-07-04 JP JP1172796A patent/JPH084891B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0335855A (ja) | 1991-02-15 |
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