JPH08500123A - Igf−i感受性細胞のバリヤー特性の修飾方法,診断方法及びスクリーニング方法 - Google Patents
Igf−i感受性細胞のバリヤー特性の修飾方法,診断方法及びスクリーニング方法Info
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Abstract
(57)【要約】
約50μg/kgと約500μg/kg以下との間である、IGF−Iの修飾有効量に、細胞を少なくとも約7日間接触させて、該細胞のバリヤー特性を長期間にわたって修飾する修飾方法が開示されている。更に、インスリン抵抗性を長期間にわたって改善させる又は好転させる方法と共に、rhIGF−Iに感受性を有する細胞のバリヤー特性の診断法とスクリーニング法が開示されている。
Description
【発明の詳細な説明】
IGF−I感受性細胞のバリヤー特性の修飾方法、診断方法及びスクリーニング
方法
背景
多くの病気は、細胞バリヤーの特性に二次的な影響を及ぼす。例えば、糖尿病
は、インスリンに対する抵抗性が存在し、あるいは発生し、正常細胞のバリヤー
機能の低下状態を創出する可能性を有している。このような症例の多くで、適量
のインスリンが有効であるが、インスリンの通常機能を果たすことはできない。
このメカニズムの説明は多様になされており、同様に、このような病状の治療方
法も多様に存在する。インスリン抵抗性がある(resistance)場台に
は、現在幾種類かの治療法が知られているが、それらのどの方法も一般的に認容
されるには至っていない。いくつかの治療法には、食事療法及び運動療法が含ま
れ、並びに、経口抗糖尿病薬、アルファグルコシダーゼ阻害剤、フェンフルラミ
ン(fenfluramine)、脂肪酸酸化阻害剤、非定型の選択的 ベータ
アドレナリンリセプターアゴニスト、フェニトイン ナトリウム塩、キャプトプ
リル(captppril)、微量元素バナジウムの酸化型(例:バナジン酸塩
)あるいはグルキュレティック剤(glucuretic agent、例:フ
ロリジン)、並びにインスリン様成長因子(insulin−like gro
wth factor)I及びIIの投与が試みられている。以下において解説
する、治療薬の投与形態、及び、これらの多様な治療形態の要約は、これらの病
気、特にインスリン抵抗性を示す病気、さらに特定すれば、軽度から重度に至る
多様なインスリン抵抗性及び医師に原因する(イアトロジェニック:iatro
genic)インスリン抵抗性を示す病気の複雑で未だその理解が進展していな
い病因(etiology)の解釈を助けるであろう。
インスリン抵抗性を示す患者は、明かな糖尿病の発症によってしばしば苦しめ
られるが、グルコースの正常な耐容性(tolerance)を有していること
がある。事実、膨大で多彩な臨床表現型(clinical phenotyp
es)には、インスリンに対する抵抗性があるという1つの共通要素を含んでい
る。しかし、これら患者達の大多数におけるインスリン抵抗性の病因について、
一般的に認知された分子レベルでのメカニズムは解明されていない。これらの多
様な臨床的症候群の中で、インスリン抵抗性の程度は、軽度から重度にわたって
いる。本態性性高血圧(essential hypertension)はイ
ンスリン抵抗性スペクトルの「軽度(mild)」側にあり、インスリンに対す
る抵抗性は、多嚢胞卵巣症候群(polycystic ovarian)A型
から妖精症症候群(ドナヒュー症候群)に至り、その重症度が増す。軽度から重
度のインスリン抵抗性は、過去あまり深くは研究されてこなかったという歴史が
ある。インスリン分泌過剰症(hyperinsulinemia)自体の治療
のための提案は憶測の域をでていない。さらに、発症した高血糖症患者において
さえも、重度のインスリン抵抗性に対して、画一的な効果がある治療法はない。
事実、この10年間で、研究者達は効果的な治療法についてよりも、これらの症
状の病因について多くを学んできた。ハイパーアンドロケニズム(hypera
ndrogenism)及び希発月経(oligomenorrhea)から、
高脂血症(hyperlipidemia)に至るインスリン抵抗性の特定の「
台併症」は、通常はこれらの問題を指向した特定の治療形態に対応するものであ
る。このような治療形態は、本願の範囲には含まれない。インスリン抵抗性を軽
減させる治療法が、関連する異常性を改善するかどうかは未だ定かではない。
重度のインスリン抵抗性を示す患者に対して、いくつかの治療法が利用されて
きた。重症患者の治療に関するいくつかの試みは、全インスリン抵抗性患者の治
療法に対しての実例となるかもしれない。過去において、重度のインスリン抵抗
性患者の多様性と数の希少性は、個々の薬剤の系統的な投与の試み(contr
olled trial)を非常に困難にしてきた。どの薬剤であろうと、大規
模に治験した臨床試験は報告されていない。ほとんどの研究は、一患者に個々の
薬剤を短期間投与した試験に関するものである。全ての治療形態の有効性も、そ
のインスリン抵抗性の病因と重症度の範囲内で評価されている。一般的に、重度
のインスリン抵抗性を示す患者のうち先天性の患者は、大量に投薬されないかぎ
り、外因性インスリンに対して応答を示さないことは明らかである。これに反し
て、抗インスリン抗体が介在する後天性インスリン抵抗性患者の場台は、硫酸化
インスリンとU−500 豚インスリンに反応することが報告されている。重度
のインスリン抵抗性糖尿患者に外因性インスリンを使用するという戦略が採用さ
れ、成功してきた。
さらに近年になって、遺伝子組換えヒトインスリン様成長因子I(IGF−I
)が利用可能になった。インスリン抵抗性を示す対象者でその有効性を評価する
ために、いくつかの臨床試験が行われてきた。
インスリン様成長因子
インスリン様成長因子I及びIIは、プロインスリン ファミリー(proi
nsulin ”superfamily”)のメンバーである。それらの名前
が示すように、それらはDNA及びアミノ酸レベルにおいてプロインスリンと顕
著な構造上の相同性を有している。プロインスリンとは類似であって、且つイン
スリンとは非類似なIGF−IとIGF−IIは、分子量約7400の単鎖ポリ
ペプチドである。両IGFとインスリンとの間の相同性は、それらの構造ばかり
ではない。IGF−IとIGF−IIは、インスリンレセプターに結合し、それ
を活性化させるが、その効力はインスリン自体のたった1−5%である。従って
、IGF−IとIGF−IIとの両方は、インスリンレセプターが充分に高濃度
で存在する場台には、インスリンレセプターを介してインスリン様の生物学的作
用を促進させることができる。
IGF−IとIGF−IIはどちらも、互いに相違する特定の高親和性レセプ
ターと結合する。相当に低い親和性ではあるが、一方のリガンド(ligand
)は、他のリガンドレセプターとも結合する。インスリンとIGF−Iとの間の
構造的相同性は、それらのレセプターにまで及ぶ。IGF−I(I型)レセプタ
ーは、インスリンレセプターとも高度に相同的である。両方とも、2本のアルフ
ァサブユニットと2本のベータサブユニットとからなるへテロ四量体である。ア
ル
ファサブユニットはリガンド結合ドメインを有している。IGF−Iレセプター
のアルファサブユニットは、IGF−Iとの高親和性な結合を決定する一方、イ
ンスリンレセプターのアルファサブユニットはインスリンとの高親相性な結合を
決定する。両方のリガンドに対して高親和性な結合を維持させた状態で、インス
リンとIGF−Iレセプターのアルファサブユニットの個々のドメインを含む人
工レセプターを構築することは可能である。インスリンレセプターの場合と同様
に、IGF−Iレセプターのベータサブユニットは、そのレセプターの細胞外ド
メインにリガンドが結合することによって活性化される固有のチロシンキナーゼ
活性を有している。インスリンとIGF−Iレセプターの両方とも、少なくとも
1つの共通な細胞内在性ホスフォチロシン結合タンパクであるIRS−1を利用
する。インビトロ(in vitro)の研究で得られたデータは、I型IGF
レセプターがIGF−Iの刺激によるクルコース搬送の増加を媒介することがで
きることを示している。
IGF−IIレセプターは、IGF−Iレセプター及びインスリンレセプター
とは大幅に異なるものである。トランスメンブレン活動(transmembr
ane events)の信号をだす際のIGF−IIレセプターの役割は明ら
かではない。II型IGF−Iレセプターは、細胞内搬送活動において関与する
プロテインである、カチオン非依存型(cation−independent
)マンノース−6−リン酸エステルレセプターと同一のレセプターである。II
型IGFレセプターは、膜貫通型タンパクであり、遊離(free)の細胞外ド
メインはその循環(circulation)において発見される。IGF−I
のII型IGFレセプターに対する親和性は、IGF−II自体の親和性の約5
−10%である、インスリンはIGF−IIレセプターに対して有効な親和性を
全く有していないが、IGF−IIはIGF−Iよりもより高い親和性でインス
リンレセプターと結合する。
両IGFは、インスリンと構造的に1つの大きな点で異なる。両IGFは、多
様な親和性で、分子量23,000から180,000の少なくとも6種のそれ
ぞれ異なる結合タンパクと結合する。インスリンはこれらのどの結合タンパクと
も作用しない。IGF結合タンパクの転写率と血液レベルは、成長ホルモンとイ
ンスリンを含む複雑な一連のホルモンと栄養素とによって規制される。IGF結
合タンパクは、IGF自体のプラズマ半減期を延長させ、遊離のIGFレベルを
「制御」する。遊離IGFレベルは、その代謝系への影響を決定すると考えられ
るので、IGF結合タンパク(BP)は、循環するIGFの貯蔵庫として、及び
末梢組織に対するIGFの供給を制限するという両方の役割を果たしている。特
に、IGF BPは、IGF−Iで促進されたグルコースの取込み、及びIGF
の他の生物学的影響を減少させることが発見されている。内因性のIGF結合タ
ンパクは、外因性IGFが生体内の代謝系に及ぼす影響に対する重要なモジュレ
ータである可能性がある。
IGFの特徴は、インスリン抵抗性を示す患者に対するその使用に関して論理
的根拠を提供することにある。IGF−Iは、タンパク代謝とDNA合成に及ぼ
す影響に加えて、グルコースのIGF−Iレセプターを介した直接的な取込みに
及ぼす影響を有したインスリン類似体である。多数の正常人の研究は、静脈注射
あるいは皮下注射によるIGF−Iのボーラス(bolus)投与が、低力価で
はあるが、インスリンと同様な薬力学的パターンで、血糖値を低下させることを
示した。ラット及び犬を使用した研究は、IGF−Iは、末梢組織へのグルコー
スの取込み促進能に較べ、肝臓グルコースの遊出(out put)阻害能がイ
ンスリンよりも低力価であることを示している。ヒトに関するデータは同一程度
の相違した影響を示さない。IGF−Iの静脈内への注入は、正常なボランティ
ア被験者のインスリンとC−ぺプチドレベルを低下させるが、OGTTあるいは
混合食のいずれかが与えられているときには、正常な耐糖性が維持されている。
インスリンリリース(放出)を阻害するIGF−Iの効果の一部は、ベータ細胞
に対する直接的な影響であり、血糖値とは無関係である。従って、IGF−Iは
、血糖値(及び、内因性インスリンの”必要性”)を直接的に低下させる能力と
、べータ細胞のインスリン分秘に対するその直接的な影響との両方を介した「イ
ンスリン 節約体(sparing)」である。
正常ボランティア被験者によるユーグリセミック クランプ 実験(eugl
ycemic clamp studies)によれば、IGF−Iか、インス
リンの約7%相当のグルコース排出(disposal)を刺激する力価を有し
ていることを示した。IGF−Iレセプターはインスリンレセプターと同一スぺ
クトルの生物学的作用を媒介するので、インスリンレセプターレベルでの、ある
いはそれをほんの少々越えるレベルでの欠陥を有したインスリン抵抗性患者のい
くらかにおいて、IGF−Iは、代用ではあるが機能的に類似したレセプターを
使用することでそのような欠陥を「迂回」できるであろう。この可能性は、IG
F−Iレセプターが、インスリンレセプターに影響を及ぼしている遺伝的あるい
は代謝的プロセスによっては影響を受けないことを推測させる。グルコースの恒
常性を仲介(mediate)することに関して、インスリンとIGF−Iレセ
プターとの相互依存性は未だ充分に解明されていないので、インスリン抵抗性患
者でのIGF−Iに対する応答スペクトルを期待することができるかもしれない
。実際に、糖尿病のネズミモデルにおいて2つの相反する報告が既になされてい
る。1つのモデルは、インスリン抵抗の存在下がIGF−I感受性が保持されて
いることを示し、他のモデルは、インスリンとIGF−Iの両方に対する抵抗性
を示していた。
さらに、IGF−Iは、血漿中性脂肪とLDL−コレステロールを低下させ、
HDL−コレステロールを上昇させる。従って、IGF−Iは血糖値を低下させ
、血漿インスリンレベルを低下させるばかりでなく、少なくともいくらかのイン
スリン抵抗性患者の脂質特性をも改善させると考えられる。IGF−Iが重度の
インスリン抵抗性に関与するいくつかの表現型の異常にどのような影響を及ぼす
かは知られていない。高レベルのインスリンによるI型IGFレセプターの活性
化は、重度のインスリン抵抗性患者の黒色表皮腫と卵巣ハイパーアンドロゲニズ
ム(ovarian hyperandrogenism)の両方に本質的に関
与しているとの仮説がたてられてきた。従って、IGF−Iによる治療法は、重
度のインスリン抵抗性患者において、これらの異常症状を改善するかも知れない
し、あるいは悪化させるかも知れない。
今日に至るまで、インスリン抵抗性患者を治療する治療学的基礎を決定するた
めの研究は様々な結果をもたらしてきた。
有用な背景情報は以下の文献に見られる。
エラヒ D他、「人体のヒトインスリン様成長因子I(IGF−I)に対する
血液力学的及び代謝的反応」、「インスリン様成長因子の新しい概念」書内記事
、、(スペンサー、EM編集)、エルセビア刊、ニューヨーク州、219−22
4ぺージ、1991年。
クイン J.D.他、「メンデンホール症候群患者における組換え遺伝子イン
スリン様成長因子1に対する急性反応」、「エヌ イング. ジェイ.メディ.
」誌内記事、323(20)巻、1425−1426ページ、1990年。
シャルチ、D.S.他、「II型糖尿病における組換え遺伝子ヒトインスリン
様成長因子I(rhIGF−I)の短期代謝的影響」、「インスリン様成長因子
の新しい概念」誌内記事、(スペンサー、EM編集)、エルセビア刊、ニューヨ
ーク州、705−714ページ、1991年。
シヨエンル、E.J.他、「組換え遺伝子ヒトインスリン様成長因子I(rh
IGF−I)は、顕著なインスリン抵抗性患者の多糖症を改善する」、「糖尿病
学」誌内記事、34(9):675−679ページ、1991年。
ウサーラ、A.L.他、「短報:インスリン依存糖尿病の少年におけるインス
リン様成長因子Iでのインスリン抵抗性糖尿病ケトアシドシスの治療」、「エヌ
イング. ジェイ.メディ.、誌内記事、327巻:853−857ページ、
1992年。
ゼノピ、P.D.他、「非インスリン依存糖尿病メリタスにおける組換え遺伝
子ヒトインスリン様成長因子I(rhIGF−I)の代謝的影響」、「第73回
内分秘学会年次総会のプログラム及び要約」内記事、ワシントンD.C.、19
91年、要約784、226ページ。後に、「インスリン様成長因子Iは、2型
糖尿病におけるグルコースと脂質代謝を改善する」で開示、「ジェイ.クリニ.
インベスト.」誌内記事。第90巻、2234−2241ページ、1992年1
2月。
ゼノピ P.D.他、「グルコース負荷、インスリンレベル及びインスリン分
秘に対するインスリン様成長因子Iの影響」、「ジェイ.クリニ.インベスト.
」誌内記事、89巻:1908−1913ページ、1992年。
アメリカ合衆国特許第4,988,675号、1991年1月29日発行、フ
ロエシュ他、「二次的影響を防止する方法」
これらの参照文献は、インスリン抵抗性患者に関するいくらかの臨床的表現型
の病因と、選択した代表的被験者へのIGF−I投与による効果の可能性に関す
る一般的なスキームを暗示している。その内容を本明細書に援用しているこれら
の研究の中で、いくつかの予備的研究は、IGF−Iが、軽度のインスリン抵抗
性を持つNIDDM被験者の血糖値を低下させることを示している(シャルチ他
及びゼノビ他の文献)。研究手法は異なるが、その中の2つの研究は、IGF−
Iが空腹時と食後の両方で血糖値を低下させることを示している。さらに、IG
F−I治療は血漿LDL−コレステロールレベルを低下させることが発見された
。IGF−Iはまた、いくらかの重度のインスリン抵抗性患者において血糖と血
漿インスリンレベルとを低下させた。シヨエンル他の文献において、著者達は、
インスリン抵抗性A型症候群の3被験者において、静注IGF−I(ボーラス注
入として100μg/kgが投与された)の急性効果を示した。これら全3ケー
スにおいて、最初のIGF−Iの注入は血糖を多少低下させただけであるが、2
時間後の第2回目の注入はその効果を増幅した。血糖の減少と共に、血漿インス
リンとCペぺプチド濃度の大幅な減少があった。研究対象のこの3被験者内の進
行するインスリン抵抗性に関する正確な生物学的メカニズムは未知である。さら
に、この3被験者は全員がボーラス静脈インスリンに対して非正常な反応を示し
たが、インスリン抵抗性の定量化は行われなかった。ラブソン・メンデンホール
症候群は、重度のインスリン抵抗と関連する異常な表現型である。ラブソン・メ
ンデンホール症候群の1被験者において、IGF−Iの急性静脈ボーラスは、血
糖と血漿インスリン濃度を大幅に低下させた。
ウサラ他は最近、インスリン依存型(I型)糖尿病と、糖尿病ケトアシドシス
(daiabetic ketoacidosisi)の結果をもたらした重度
の断続的インスリン抵抗を有する稀なタイプの患者を報告した。ウスラ他の文献
の中で、500μg/kgのIGF−Iの静脈ボーラス投与は高血糖症を好転(
反転)させ、ケトアシドシスを好転(反転)させ、その後の数週間にわたり、
投与するインスリン必要量を低下させた。事実、その患者はIGF−I治療のい
くつかに反応を示した。この患者のインスリン抵抗性の病因は知られていない。
これらの静脈IGF−I投与量は他の研究には使用されていない。
従って、効果の観点から、IGF−Iは、耐糖性とインスリン分泌過剰症の両
方を改善する薬剤である可能性を示している。現在のところ、IGF−Iに反応
する特定な臨床上の症候群は明確には定義されていない。IGF−I投与に対す
る有反応あるいは無反応の研究は、インスリン抵抗性の生化学的病因を明確にす
る役割を果たすかも知れない。さらに、もしIGF−Iによる治療で血漿インス
リンレベルを相当程度低下させることができるならば、重度のインスリン抵抗性
患者に使用することにより、インスリン分泌過剰症と、黒色表皮腫とハイパーア
ンドロゲニズム(hyperandrogenism)を含む重度のインスリン
抵抗性患者に関するいくらかの臨床的及び生化学的な異常との間の関係が明確と
なるかもしれない。明確な例は存在しないが、インスリンによるI型IGFレセ
プターの活性化は、重度のインスリン抵抗性を有する患者に表皮腫と卵巣ハイパ
ーアンドロゲニズムを発症させる可能性があるため、IGF−Iの使用にはそれ
なりの注意が必要である。従って、IGF−Iはこれらの症状を悪化させるかも
しれず、禁忌であるかもしれない。
インスリンレセプター遺伝子内での構造的な突然変異が、重度のインスリン抵
抗性患者のいくらかに存在する異常性を表現していることが知られている。その
他の患者内の重度のインスリン抵抗性の基礎的病因は未だ定義されないでいるが
、インスリンレセプター又はインスリン依存性グルコーストランスポータ(GL
UT 4)のどちらの構造的欠陥にも関与していないと考えられる。重度のイン
スリン抵抗性患者の際だった表現型の多様性と、「先端肥大症(acromeg
aloid)」の特性を有する重度のインスリン抵抗性患者のサブグループが存
在することは、インスリンによって、及び/または、インスリン様成長因子Iに
よって媒介されるこれらの患者の生物学的な作用スペクトルを示唆している。
本発明者は、レセプターの欠陥と表現型との間の関係をさらに理解するために
、重度のインスリン抵抗性患者に関する研究を行ってきた。
インスリン抵抗性を含む研究を設定する問題は、IGF−Iと結合する、及び
、
IGF−Iで活性化されるインスリンレセプターの能力が、知られた又は予測さ
れるインスリンレセプターの突然変異した患者において、増強され、減少され、
あるいは、影響を受けないかも知れないということである。あるいは、インスリ
ンレセプターに欠陥がある患者では、I型IGFレセプターを介して作用するI
GF−Iの代謝上の影響は「正常者」よりも多大な生理学的な意味を持っている
かも知れないということである。
IGF−Iの効果を、重度のインスリン抵抗性患者におけるインスリンの効果
と比較することと、インスリンレセプターに突然変異が知られている患者におけ
るIGF−Iの効果を、レセプター突然変異が確定されていない対象者における
その効果と比較することにより、(1)インスリンレセプターに構造的な突然変
異が知られている、及び構造的な突然変異のない対象者を含む、重度のインスリ
ン抵抗患者と関与させて、異なる臨床的な表現型を有する対象者の特定の欠陥の
生理学的作用についてさらに詳細な情報が得られ、(2)正常なボランティアー
及び重度のインスリン抵抗性患者の双方における、グルコース代謝、脂質代謝、
卵巣アンドロケン産生、及び他のプロセス、及び、そのメカニズムと作用部位(
すなわち、インスリンレセプターあるいはIGF−Iレセプター)に及ぼすIG
F−Iの影響の理解を助け、(3)重度のインスリン抵抗性患者において、グル
コース代謝、体組成、アンドロケン代謝、及び他の代謝パラメータを指標として
、IGF−Iの治療効果を評価することができる。
いくらかの重度のインスリン抵抗性患者は、非常に高い血中インスリンレベル
と関係した徴候あるいは症状を有している。これらの徴候及び/または症状は、
皮膚の黒色表皮腫、卵巣ハイパーアンドロゲニズム、筋肉肥大、有痛性の筋肉け
いれん、多毛症、生理不順、及びリポジストロフィー(脂質異栄養症)を含む。
これらの患者のいくらかは、軽度の高血糖症(血糖値の上昇)がある。これらの
患者に存在する重度のインスリン抵抗性とは、インスリンが高血糖症の治療に効
果的ではなく、インスリンが関連する病態を好転(反転)させずに悪化させるか
も知れないことを意味している。rhIGF−Iでの治療は、仮に血糖値が上昇
しておれば、上昇した血糖値を改善あるいは低下させ、あるいは、黒色表皮腫、
筋肉けいれん、あるいはハイパーアンドロゲニズムを改善させるかも知れない。
組換え遺伝子ヒトインスリン様成長因子での治験は比較的限定されている。研
究によれば、rhIGF−Iは、重度のインスリン抵抗性と糖尿病のケトアシド
シスとを有する稀な患者群、ラブソン・メンデンホール症候群には至らない重度
インスリン抵抗性患者群、妖精症症候群(ドナヒュー症候群)の稀な遺伝子症候
群の1患者、及び成長ホルモン抵抗性症候群(ラロン小人症)のいく人かの患者
に使用できるであろうことを示唆している。rhIGF−Iは血糖値を低下させ
るので、患者が低血糖症に至る危険性を伴っている。rhIGF−Iは顎の痛み
を伴い、患者は薬剤投与を時には停止する必要があった。IGF−Iを投与され
ている患者には、稀に体位性低血圧が報告されている。rhIGF−Iはまた、
いくらかのII型糖尿病の肥満患者の浮腫にも関連性を有している。
少なくとも約7連続日、さらに特定すれば、約14日から約31日までの連続
日にわたる接触時間、修飾有効量(modification effecti
ve amount)のIGF−Iに細胞を接触させて、細胞バリヤー特性の長
期的修飾による病気の安全な治療を示唆する先行技術はない。さらに、患者に修
飾有効量のrhIGF−Iを投与することで、あるいはrhIGF−I応答細胞
バリヤー特性を診断またはスクリーニングすることで、患者のインスリン抵抗性
の長期的な改善法を示唆する先行技術は存在しない。
発明の概要
本願は、細胞を少なくとも約7日間連続的に、修飾有効量(modifica
tion−effective)のIGF−Iと接触させるという細胞バリヤー
特性の長期的修飾法が開示されている。さらに特定すれば、その修飾有効量は約
50μg/kgと、約500μg/kgとの間であり、さらに特定すれば、約2
4μg/kg/時以下、あるいは12時間当り約288μg/kg以下、さらに
特定すれば、1日2回、約100μg/kg体重の投薬である。動物実験ではど
のような投与法でも使用可能であり、例えば、静脈注射、筋肉注射、経口的内服
、非経口的あるいはその他の外用もあるが、中でも皮下注射が好ましい。本発明
の方法は、そのような治療を必要とするヒトの生体内治療を介して行うことが可
能である。他の実施例では、特に生体外の実施例では、細胞を含有する媒体での
可
能な投与量は、約0.5ng/mlから1mg/mlの濃度であり、該媒体の例
には、例えば、血液、血清、リンゲル乳酸塩、血液寒天、及び他の類似した媒体
があるが、これらに限定されるものではない。さらには、本発明は、少なくとも
約7連続日、患者に修飾有効量のrhIGF−Iを投与することにより、患者の
インスリン抵抗性を長期的に改善する方法を開示している。また本発明は、自然
状態の細胞バリヤー特性を定量化し、細胞を修飾有効範囲のrhIGF−と接触
させ、接触細胞に細胞バリヤー特性内での変化を決定させることを含む、rhI
GF−I感受性細胞バリヤー特性の診断方法も開示されている。本発明はさらに
、1日2回、約21日間から28日間連続的に、特定すれば、約22日から約2
4日間連続的に、体重に対して100μg/kgのrhIGF−Iを皮下注射投
与することで、重度のインスリン抵抗性患者のインスリン抵抗を長期的に好転(
反転)する修飾法を開示している。投与期間が終了すれば、治療対象者は、IG
F−I治療の再開を必要とさせる治療前のレベルに患者を戻すまで、約28日間
その好転(反転)された修飾状態を維持する。
詳細な説明
グルコース代謝とインスリン感受性に及ぼす組換え遺伝子ヒトインスリン様成
長因子I(IGF−I)の影響を評価する、本発明者の臨床試験の過程で、IG
F−Iをヒトの病気に使用することができ、従来は効果が無いとされていた投与
量で実際には驚くべき結果をもたらすことが発見された。本発明は、他の開示内
容に加えて、重度のインスリン抵抗性が所定の期間内、好転(反転)させるよう
な細胞バリヤーの一般的修飾法を開示している。
本発明の利点は多数存在するが、特には、例えばシヨエンル他による試験では
ほとんど僅かの効果しか認められなかった100μg/kgのごとき少量投与に
よる安全性を提供することである。本発明の方法では、断続的な治療が可能であ
り、従って、薬の副作用の危険性が減少し、治療費も安価となる。さらに、一旦
細胞変異が生じれば、治療を再開するまでのある期間その効果が維持されること
である。
定義
本明細書においては以下の定義を採用している。
動物とは人間を含む哺乳類を意味する。
細胞バリヤー特性とは、能動輸送に関与する構成成分、及び/または結合タン
パク類を含む仮想ポンプ類(postulated pumps)で、表面/外
部、表面/内部、及び膜貫通型の相互作用を規制するシステムを意味しており、
該ポスチュレートされたポンプ類は、例えばナトリウムポンプ、ゲート類、レセ
プター類、エネルギー運搬体(transducers)あるいは酵素/補体型
の様な動的関連体がある。そして、前記動的関連体は、エネルギーの産生と調節
、及びこれらに制限されるものではないが、例えば、グルコース、内因性インス
リン、外因性インスリン、Cペプチド、プロインスリン、グルカゴン、中性脂質
類、インスリン様成長因子I及びII、組換え遺伝子ヒトインスリン様成長因子
I及びII、並びに成長ホルモン等の様な化合物の取り込みと付着(結合)を実
行するものである。
長期的とは、約7日から約60日、特には、14日から22日、さらに特定す
れば、約21日から31日を意味する。
IGFとは、インスリン様成長因子、類似体、及び誘導体を意味しており、特
には、インスリン様成長因子I(IGF−I)及びII(IGF−II)であり
、さらに特定すれば、組換え遺伝子ヒトインスリン様成長因子−I(rhIGF
−I)を意味し、「類似体」とは、IGFの構造と類似した構造を持つ化合物を
意味し、「誘導体」とは、単純な化学的プロセスにより形成された物質及び化合
物であって、その内部にIGFの「骨格」が依然残存しているものを意味する。
イアトロゲンインスリン抵抗とは、他の病気の治療の結果に生じるインスリン
抵抗を意味しており、これらにのみ制限されるものではないが、ステロイドグル
ココルチコイド(クッシング症候群)、先端肥大症、及び肥満症がこれに含まれ
る。
インスリン抵抗とは、高血糖レベル、顕著に上昇した血清インスリン濃度、静
脈注射(注入)インスリンに対して非感受性であることを意味する。
修飾有効量とは、最大可能投与量(MTD)以下の投与量範囲を意味しており
、薬理学的に認容される投与量は、例えば、体重に対して、約50μg/kgと
約500μg/kg以下の間であり、他の例では、約24μg/kg/時以下、
あるいは12時間で288μg/kg以下であり、さらに別の例では、約100
μg/kgを1日2回の投与であり、投与法は皮下注射であり、仮に、静脈注射
(注入)、筋肉注射、経口投与、局部または他の投与法で投与するのであればそ
の等価量であり、さらに他の実施例では、特に生体外での実施例では、投与量は
濃度が約0.5ng/mlから約1mg/mlの細胞含有媒体であり、その媒体
には、例えば、血液、血清、リンゲル乳酸塩、血液寒天培地、及び他のこれに類
似した媒体、その他、が含まれている。
自然状態とは、自然の状態、及び/または治療前に見られる状態を意味する。
重度のインスリン抵抗とは、空腹時血漿インスリンが40uU/ml(15u
U/ml以下のnl)より高く、グルコース投与後60−180分でのグルコー
ス負荷血漿インスリンが300uU/ml以上であり、インスリンを体重に対し
て0.6U/kg静脈投与後血糖値の減少が50%以下、あるいは、内因性イン
スリンが存在しない場合、インスリンを体重に対して0.6U/kg静脈投与後
の血糖値の減少が50%、若しくは50%以上であることを意味する。
図面の簡単な説明
図1は、重度のインスリン抵抗性患者に、3度の混合食と2度の軽食を節食さ
せた後の血中血糖値の変動に及ぼすrhIGF−1の影響を示している。
図2は、重度のインスリン抵抗性患者に、3度の混合食と2度の軽食を節食さ
せた後の血清インスリンレベルに及ぼすrhIGF−1の影響を示している。
図3は、重度のインスリン抵抗性患者に、3回にわたる経口流動混合食を節食
させた後の血糖値と血清インスリンレベルとを示している。
図4は、重度のインスリン抵抗性患者のインスリン負荷試験の結果を示してい
る。
図5は、被験者のrhIGF−1による治療前後の定常状態での血漿グルコー
スレベルを示している。
図6は、重度のインスリン抵抗性と糖尿病とを有する患者に、経口流動混合食
を節食させた時の血糖応答反応を示している。
図7は、rhIGF−I治療前、経口流動混合食を摂食させた後の患者血糖レ
ベルと、IGF−I治療期間の最後の週(治療28日以降)に経口流動混合食を
摂食させた後の患者血糖レベルとを示している。図7はさらに、rhIGF−I
治療中止後1週間及び3週間目の患者に、経口流動混合食を摂食させた後の血糖
レベルを示している。
図8は、rhIGF−I治療前、患者に経口流動混合食を摂食させた後の血糖
レベルと、IGF−I治療中断後4週間及び7週間目に、経口流動混合食を摂食
させた後の血糖レベルを示している。
図9は、本プロトコールを実施するためのフローシートを示している。
図10は、ある特定の日に行われた特定のモニター試験を示す略図であり、さ
らに、入院日と、rhIGF−Iを投与した日とが示されている。
第1日(day 1)とは、IGF−Iを患者に最初に投与した日を表わす。
本発明の一実施例で治験した治験者は、重度のインスリン抵抗性を示す患者か
ら選択した。各患者は各自でコントロールしていた。患者の大多数は女性であっ
たが、これは、重度のインスリン抵抗性患者が男性よりも多発する結果である。
特定の人種、性別、あるいは経済層の選択努力は一切なされていない。重度のイ
ンスリン抵抗性を有する患者は稀であり、従って、研究対象者は不均一(平均し
て分布していない)であった。インスリンに対する個々の患者の急性反応は、4
週間にわたっる1日2回の皮下注射前後で比較した。正常ボランティア(インス
リン非抵抗性で糖尿病でない者)が、初期段階を評価するために参加した。
重度のインスリン抵抗性を有する患者のうちいく人かは、インスリンレセプタ
ーの特定の突然変異があり、他の患者は原因が解明されていない重度のインスリ
ン抵抗性であることが発見された。これらの患者は、インスリン抵抗性の臨床的
な発症程度が相違しており、リポジストロフィー(lipodystrophy
)に対するインスリン抵抗のA型症候群から、「偽先端肥大症(pseudoa
cromegaly)」と呼んでよい状態にまで及んでいる。
一般的に、本発明の方法が使用された患者は、インスリン抵抗性の程度を評価
するために様々な試験でスクリーニングにかけられ、検討された。その後に、患
者にはIGF−Iの皮下注射での投与が1か月間実施された。定期的に安全確認
がなされ、さらに、インスリン抵抗性の程度と、他の代謝パラメータの反復測定
が行われた。IGF−I投与量は、1日2回(BID)、100μg/kgの皮
下注射(SC)で始められ、耐性と有効性が試験された。本開示内容と合致した
他の投与量と手法も可能ではある。この初期投与量が耐えられても、治療開始後
2−4日目に有効な応答(血糖値あるいは血漿インスリン値の減少)が認められ
なければ、投与量を150μg/kg BID SCに増量可能である。増量さ
れた投与量は、空腹時血糖値が120mg/dl以上であるかぎり継続可能であ
る。例1に示した実施例のごとき一実施例において、使用される最大IGF−I
投与量は、10mg SC BID、あるいは100μg/kg BIDであっ
た。
本発明の一実施例の略図は図9と図10に示されており、図9と図10には他
のものに加えて、多様な好適試験と処置をした大体の時間が示されている。これ
らの図において、ベースラインのスクリーニングは−14日から−28日目に実
施された(ここで、1日とは最初の投与日をいう)。このスクリーニングは、本
発明の方法が実施される対象者の担当医との電話及び話合いによって可能である
と考えられる。多くの場合に、患者は、血糖の連続的モニターを行うことで臨床
的に中断されなければならない表示が出たならば、インスリンあるいは経口血糖
低下剤を投与されると予期される。対象者の大多数は空腹時血糖値が正常である
と考えられ、従って糖尿病の治療は必要がないと予期された。
1実施例は例1において解説されている。完全な病歴と健康診断が必要であっ
た。本プロトコールを実施するにあたり、女性の被験者は、その月経状態が記録
される。もし月経が順調なら、本プロトコールを使用した研究は、月経周期のう
ち卵胞相の初期段階において実施されることが望ましい。当初の実験室的検査は
、完全な血球数のカウント、空腹時グルコース、電解液、尿素窒素(BUN)、
クレアチニン、可溶性ジーオーティー(SGOT)、可溶性ジーピーティー(S
GPT)、アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、尿検査、心電図(EKG)
、
及び女性においては、ベータ−絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)(妊婦を除外
するため)を含まれなければならない。40gm/M2グルコースを経口投与後
、、0、30、60、90、120及び180分目にグルコース、インスリン及
びCペプチドを測定する3時間グルコース負荷試験が、グルコース不耐糖性(存
在するなら)及び、最大血清インスリンレベルと、タイムカーブにおける血漿イ
ンスリンレベルの下方面積とによって測定されるインスリン抵抗性を定義するた
めに実施された。現在のところ、本発明の方法で観察された投与量は、どの特定
集団に対しても公知の禁忌を示さない。従って、本文にて開示された研究の目的
で、対象者の中には除外されるものが存在するが、本発明の方法に基づいたイン
スリン抵抗性の治療は、どのインスリン抵抗性患者に対しても有効である。前述
の先行技術のごとき他の方法によって現在治療されている人々は、本発明の方法
を利用するための理想的な対象者であろう。
本プロトコールに従って行われる研究(以下「(本)研究」とのみ呼称)目的
のためには、女性被験者のうち妊婦を研究対象から外されなければならない。本
研究において、女性被験者には避妊具(コンドーム)の使用が勧められる。さら
に、経口避妊薬を使用する女性被験者は、これらの薬剤がインスリン抵抗性を増
強する可能性があるため、研究の2か月前からその使用を差し控えなければなら
ない。顕著な高血糖症(120mg/dl<FBS<160mg/dl)を有す
る稀な被験者においては、研究開始の少なくとも2週間前に経口血糖減少剤及び
/またはインスリンの使用は停止されなければならず、血糖コントロールが家庭
での血糖値モニターと往診とで実施されなければならない。高血糖症であり、イ
ンスリンあるいは経口血糖減少剤で殆どコントロールできない患者は、研究開始
の少なくとも3日前にはこれらの投薬が停止されなければならない。
患者にrhIGF−Iの投薬が開始されたときには、血糖値を注意深くモニタ
ーしなければならず、投薬量を低血糖症を招かないように調整しなければならな
い。低血糖の傾向がある成長ホルモン(GH)抵抗症候群の患者は、100μg
/kgを1日2回投与(SC)することでは低血糖症にならないことは特記する
ことは重要なことである。
同様に、重度のインスリン抵抗の患者のように、治療を必要とする患者に対し
て、本発明の方法が実施されるとき、IGF−Iによる治療は単独で行われるも
のと思われる。しかし、IGF−Iによる治療は、その反応性を高揚させるイン
スリンのごとき補助剤の投与と併用して投与することも可能である。先行技術の
紹介で前述したもののごとき薬剤は、いずれも有効な補助剤として併用すること
ができるであろう。本発明の方法で治療を受ける患者は、この治療に対する耐性
(tolerance)を最初に評価され、そしてモニターされなければならな
い。
本研究において並びに一般的に、代謝状態、インスリン活性、末梢でのインス
リン抵抗性、ベースラインにおけるインスリンに対するグルコース反応に関する
初期評価がなされるものと思われる。IFG−Iの投薬を開始した後、通常は約
6日から10日間、より特定すれば1週間、他の評価(短期評価)が実施される
。
プロトコール
前述のベースラインのスクリーニングと代謝評価が行われた後に、適格とされ
た患者は、さらに完全な代謝特性を検査するために入院する。図9と図10に示
されているスケジュールは、できるかぎり忠実に守られなければならない。入院
中に全患者は、体重の維持のために計算されたカロリーを含む4グラムナトリウ
ム食を摂食した。特定の代謝試験に参加していないとき、患者は入院を続けたが
、病院内での自由活動が許された。
人体測定の評価
もしインスリン感受性がIGF−1の投与によって劇的に改善されるならば、
体脂肪含有量又は体脂肪分布の変化が起きるかも知れない。そこで、身長、体重
、ウエスト及びヒップ、生物電気インピーダンスによる体構成、及び皮下脂肪測
定が、−3日目、8日目及び27日目(図9参照)に評価された。体位性低血圧
は、IGF−1投与による潜在的な副作用であるので、又、インスリン分泌過剰
症は高血圧と関連があるので、体位性血圧及び心拍数もまた測定されなければな
らない。
実験室的評価
−3日、1、8、16及び27日目(IGF−I投与前に2度、並びに、IG
F−I投与開始後の1週間と4週間)に1夜絶食後、安全評価と、IGF−I投
与による生物学的影響の決定との一部として、詳細な実験室的評価が実施されな
ければならない。電解液、BUN、及びクリアチニンがルーチンなスクリーニン
グとして測定され、24時間尿の尿中クレアチンとタンパク測定によって腎臓機
能がさらにモニターされ、クレアチニンクレアランスが評価された。絶食時グル
コース、フルクトサミン、インスリン、成長ホルモン、IGF−I、並びに、短
期及び長期のIGF−I投与前後のIGF−I結合タンパクの評価は、被験者に
対するIGF−Iの効果についての重要な情報を提供する。IGF−Iとインス
リンはそれぞれ多様なIGF 結合タンパク(BS)を制御するので、これらの
結合タンパクを測定することは、重度のインスリン抵抗性患者で、インスリン及
びIGF−Iが利用した特定のレセプターに関してさらに詳しい情報を提供する
。IGF−I投与に伴う血糖状態の変化(及び/またはIGF−Iの他の直接的
な影響)が、脂質代謝を変動させ、そして、性ステロイド、HDL、LDL、総
コレステロール及び中性脂質に影響を及ぼす可能性があるので、LH、FSH、
17−ヒドロキシプロケステロン、DHEA−サルフェート、性ホルモン結合グ
ロブリン(SHBG)、並びに、総テストステロン及び遊離テストステロンが測
定される。
安静時代謝率(RMR)
インスリン抵抗状態にあるインスリン分泌過剰症が、増加したRMRに関与す
ると考えられ、少なくとも患者の一部でIGF−I投与後にインスリン抵抗性の
改善が期待されるので、RMRが、IGF−I治療開始後の1週間と4週間目に
基礎的(basally)に測定された。安静時代謝率は、安静時のヒトの基礎
代謝を示す最善の測定値である。インスリンは正常人の代謝率(metabol
ic rate)の増加を誘導するが、安静時及びインスリン誘発時での代謝率
の変動は、いずれも重度のインスリン抵抗性患者については研究されていなかっ
た。IGF−Iは、正常被験者の代謝率に対してインスリンと類似した変動を誘
発させるかも知れないが、系統的には研究されていなかった。さらに、重度のイ
ンスリン抵抗性患者の代謝率に及ぼすその影響は知られておらず、これらの被験
者におけるIGF−Iの作用メカニズムに関する情報を提供すると考えられる。
12時間の夜間絶食後、患者は起こされ、排便を求められ、病院のガウンを着
たまま体重を測定された。患者は45分間のRMR計測が完了するまでベッドに
横たわる。透明通気フード付きオープンサーキット間接熱量測定システムは、理
想的にはコンピュータにインターフェースされている。
サスタカル(Sustacal)食
グルコース以外の分泌促進剤(secretogogues)に対するインス
リン反応は、必ずしもグルコースに対する反応とは相関しない。短期及び長期の
IGF−I投与前後における、標準混合食(炭水化物、脂肪、及びタンパク質)
のインスリン分秘に及ぼす影響は評価されなければならない。Cペプチドの測定
によって、グルコース及びインスリン同様、患者の血中インスリンが高レベルに
もかかわらず、インスリン分秘を評価することが可能である。
1晩絶食後で、そして、−3日、8日、及び28日目に前記RMRを測定後、
静脈内カテーテルが前腕に挿入され、前述の他の実験室的研究と同様に、空腹時
の血糖、インスリン及びCペプチドを検査するため、血液が採血された。その後
、標準朝食として、各患者にダイエット用補助サスタカル(Sastacal)
(45gのCHO、14.4gのタンパク質、13.6gの脂肪を含み、全カロ
リーが360kcal)の250ccが与えられ、グルコース、インスリン、及
びCペプチドを30分間隔で3時間測定した。
静脈グルコース負荷試験
グルコースのボーラス静脈投与(0.50gm/kg BW)は、すい臓のベ
ータ細胞の分秘能と、全組織内への末梢グルコースの取込みの両方を評価するた
め、標準的且つ制御された手段を提供する。重度のインスリン抵抗性患者のイン
スリン分秘(特に、第1相インスリン分秘)に関する系統的な研究はなされてい
なかった。このような被験者に関して、インスリン分秘の第1相と第2相に及ぼ
すIGF−I投与の影響を示すデータは存在しない。
患者は仰向けで、−3日、8日及び27日目の午後4時に安静状態で調べられ
た。静脈ライン(line)が太い前腕部の静脈内に挿入され、患者は通常の生
理食塩水を静脈に注入する状態に置かれた。別の静脈ラインは、対側の前肘窩(
contralateral antecubital fossa)内で開始
され、体重に対して0.50gm/kgのグルコース(75gまで)を提供する
ために、適量の50%グルコース溶液を3分以上かけてボーラス注入するのに利
用された。血液は、インスリンとグルコースの検査のため、−15日、−10日
、−5日、及び0日、並びに、+1日、+3日日、+5日、+10日、その後は
10分間隔で、90分後まで経時的に採血された。
定常状態血漿グルコース(SSPG)
末梢組織及び肝臓の双方でインスリンの作用(及びインスリン抵抗性)を評価
するため、数々な方法論が使用されてきた。これらの方法の中では、一般的には
ユーグルセミッククランプ(euglycemic clamp)が最も信頼性
が高いと認められているが、本プロトコールを使用して実施された研究は、リー
ベン他によって広められ、当業者に良く知られたSSGP法を利用している。こ
の方法は、他の方法に較べていくつかの利点がある。第1に、前記クランプ手法
と較べると被験者に対してより負担が軽いことであり、これは一般的には厳密な
プロトコールのセッティングにおける大きな利点である。第2に、前記クランプ
手法に必要な費用は高額であり、各被験者はインスリンとIGF−Iの両方で「
クランプ(clamped)」されなければならないことである。第3に、静脈
インスリン負荷試験でのインスリン抵抗の有無が定義可能なことである。最後に
、もし患者がインスリンに抵抗性があったり、24時間の採尿、あるいは他のデ
ータからグルコース代謝以外の過程によって被験者がIGF−Iに応答する場合
には、IGF−Iを2−4週間控えた後に、クランプ手法を実施することができ
ることである。
1晩絶食後に、静脈内カテーテルが挿入され、その30分後に、基礎血液サン
プルが採血される。その後にソマトスタチンの125μgがボーラス投与され、
ついで、350μg/時で定量注入を継続する。あるいは、現在臨床的に使用さ
れている、ソマトスタチンの合成類似体である”オクトレオチド”が、50μg
の静脈ボーラスとして投与され、ついで、2.0μg/kg/時の注入速度での
投与を継続する。同時に、グルコースが6mg/kg/分、及びインスリン(U
−100 通常ヒト)が0.77mU/kg/分の注入速度で、連続ポンプによ
って開始され、180分間注入された。定常状態血漿グルコースとインスリン検
査のための血液サンプルが、最初の150分間は30分ごとに採血され、その後
は、3時間注入の最後の30分間は10分ごとに採血される。重度のインスリン
抵抗を有する被験者の幾人かにおいては、0.77mU/kg/分の投与で応答
しないため、この試験をさらに高い注入率で繰り返す必要があるかも知れない。
静脈インスリン負荷試験(ITT)
ITTは、生体内でのインスリン感受性を評価するための、簡便であって再現
性のある方法である。顕著なインスリン抵抗性のある人々においては、本プロト
コールで使用するインスリンの標準投与量、0.1−0.22U/kgは、これ
らの被験者が食後の血漿インスリンレベルの範囲内となり、有意な血糖低下を発
生させないであろう。インスリン投与量を漸次増量して試験を繰り返すことによ
り、血漿グルコースを50%低下させるのに必要なインスリン量を決定すること
が可能となり、インスリンの「容量−応答」曲線が得られる。ITTはIGF−
I投与−1日目と、1週間後と、4週間後に再度実施され、インスリン感受性に
関する短期(1週間)と長期(1か月)のIGF−I投与効果が評価される。
1晩絶食後、静脈内カテーテルが前腕に挿入され、0.15U/kgのU−1
00の通常ヒトインスリンが急速ボーラスとして静脈に注入される。正常ボラン
ティア被験者に対しては、最初のインスリン投与量は体重に対して0.5U/k
gである。その後60分間、血漿グルコースを10分間隔で測定する。もし血漿
グルコースが開始値の50%に、あるいは50ml/dlに低下するようなら、
この試験は中止する。血漿グルコースが25%以下の範囲で低下するならば、開
始投与量を倍増して、血漿グルコースを前述のごとくに測定する。最初のインス
リン投与量を投与した後に血漿グルコースが25%以上で50%以下(絶対値は
50mg/dl以上)の割合で低下するなら、その投与量は開始投与量の1.5
倍に引き上げられ、グルコースは前述のようにサンプル採取される。この手順は
、血漿グルコースの50%減少(あるいは絶対値で50mg/dl以下)が達成
されるまで、あるいは、2.4U/kgの投与量が血糖値を50%分低下させる
ことなく投与されるまで繰り返えされる。もし、低血糖の徴候が表れるなら試験
は中止し、被験者の徴候がニューログリコペニア(neuroglycopen
ia:混乱、意識の低下)と関連したものを含むなら、経口あるいは静脈を介す
るグルコース投与で処置される。その後に、グルコースはさらに30分間、10
分間隔でモニターされ続け、あるいは、その徴候が消滅するまで、または、血糖
値が60mg/dlより増えるまでモニターを継続する。
頻繁なグルコース、インスリン、及びCペプチドサンプリング(G−I)
IGF−Iは1日から30日まで100μg/kg BIDの投与量で皮下注
射によって投薬される。この投与量は正常被験者及び低血糖症状を伴わない成長
ホルモン抵抗症候群(ラロン小人症)の患者に負荷された。IGF−I投与の1
日と27日目のグルコース、インスリン、及びCペプチドを頻繁に測定すること
にはいくつかの目的がある。(1)IGF−Iに対する反応でこれら被験者に発
生する低血糖の程度は知られていないので、皮下注射によるIGF−I投与の安
全性を確保すること。(2)IGF−I投与開始前と直後、及びIGF−I投与
の4週間後の血漿インスリンレベルを比較することで、インスリン感受性に及ぼ
すIGF−Iの影響の別なデータを提供すること。(3)IGF−I投与直後と
4週間後に発生する内因性インスリンの産生阻害の程度(Cペプチドのインスリ
ンに対する比によって示される)について評価を行うこと。
1晩絶食後に、静脈内カテーテルが前腕に挿入され、グルコース、インスリン
、及びCペプチドの検査のための空腹時サンプルを午前7時に採血した。その後
、患者は前記食事を午前8時、正午、及び午後6時に摂食し、午後4時と10時
にはおやつが与えられた。患者は病院に拘束されるが、自由活動は許される。グ
ルコース、インスリン、及びCペプチド検査用の血液サンプルは1時間ごとに採
血される。IGF−Iの皮下注射は、午後4時の血液採取直後に行われた。2日
目には午後4時まで1時間ごとのサンプル採血が行われた。27日目に病院に再
入
院した後、患者は、前述と同様のIGF−Iの皮下注射を受け、1晩絶食後、前
記の食事スケジュールに従って、摂食した。午前7時から午後4時までの1時間
ごとにサンプル採血するため、静脈内カテーテルが挿入された。
黒色表皮腫の測定
黒色表皮腫(AN)は、重度のインスリン抵抗性患者の多数に見いだされる。
患者の外観をしばしば醜悪にするこれらの損傷のメカニズムは知られていないが
、この損傷は血清インスリンレベルが低下するにつれて改善されるように思われ
る。これらの損傷を生み出す、あるいは維持するIGF−Iの役割は明確ではな
いが、いくつかの臨床例は、IGF−Iが黒色表皮腫の程度を軽減するかも知れ
ないことを示唆している。
外面的に発現しているANの患者は、黒色表皮腫で冒された部位を記録するた
めに特別な注意が払われて、研究参加時に写真撮影した。可能な限り、SC I
GF−Iの試行を開始する以前に、各患者のANを有する異なる2箇所の部位か
ら、3ミリパンチの生検皮膚組織片を採取した。27日目に、写真撮影とバイオ
プシーを再度実施した。
各患者の特殊な状況に応じた調整が必要であったが、1つの好適なスケジュー
ル例は以下の通りである。
−4日目:(入院日1)患者は入院し、過去の治療記録の審査と健康診断が行わ
れた。患者には、体重維持食が施され、病院にいる間は自由行動が許される。
−3日目:(入院日2)患者には、人体計測評価、実験室的検査、24時間尿の
尿検査、及び安静時代謝率の分析が実施された。その後、患者は午前にサスタカ
ル食を摂取する。午後には静脈グルコース負荷試験(IGTT)が実施された。
−2日目:(入院日3)患者は24時間尿の蓄尿と、定常状態血漿グルコース(
SSPG)が測定された。
−1日目:(入院日4)患者には24時間尿の蓄尿が続行され、増量した投与量
でのインスリン負荷試験(ITT)が実施された。
0日目:(入院日5)患者には24時間尿の蓄尿が続行され、増量した投与量
でのインスリン負荷試験(ITT)が実施された。
1日目:(入院日6)患者に対して100μg/kg BID SCのIGF
−I治療が実施された。患者の血液と尿はモニターされ、グルコースとインスリ
ンレベルは頻繁に検査された
2日目:(入院日7)IGF−Iが投与される。治療の継続が禁忌であること
を示唆する医学的徴候の有無を発見するための評価が行われた。分析のために2
4時間尿の蓄尿は継続された。
3日目:患者は退院し、在宅外来患者となるように指示された。4日間、IG
F−I SD BIDにて患者に継続投与した。
7日目:(入院日8)患者は病院に再入院し、さらに治療を受けた。入院に伴
い、患者の治療記録の審査と健康診断が施され、退院後の患者の健康状態が評価
された。
8日目:(入院日9)ITTがIVGTTに代わって施される以外は、−3日
目に記載のプロトコールが再施行された。
9日目:患者は退院した。
19日目:患者は外来患者として病院に戻り、簡単な治療記録の審査と、健康診
断が行われ、退院以来の健康状態が評価された。間隔を開けた実験室的検査の評
価と、24時間尿の蓄尿が実施された。
26日目:(入院日10)患者は再入院する。間隔を開けた治療記録の評価と、
健康診断が行われた。
27日目:(入院日11)身体検査が行われた。実験室的検査の評価が実施され
た。24時間尿の蓄尿と、頻繁なインスリン−グルコースの測定が行われた。
28日目:(入院日12)24時間尿の蓄尿と、安静時代謝率の測定が実施され
た。患者はサスタカル食を摂食し、引き続いて静脈グルコース負荷試験が行われ
た。
29日目:(入院日13)24時間尿の蓄尿が実施された。定常状態血漿グルコ
ース(SSPG)の検査が実施された。
30日目:24時間尿の蓄尿が実施された。静脈インスリン負荷試験が行われた
。
IGF−I治療を中断した。患者は退院した。
このプロトコールスケジュールは必ずしも決定的なものではなく、従って、ス
ケジュールの合理的(reasonable)範囲内での変更は許される。
ここで注意が必要なのは、別施設で34μg/kg/時での静脈IGF−I投
与を受けた患者1人が、投薬始後10分以内に11秒間の不全収縮(asyst
ole)を引き起こすという事件を起こしたことである。その患者は自然に回復
し、この研究からの長期な副作用は見られなかった。この理由と、この副作用が
静脈IGF−I投与の2次的なものであると考えられるとの理由により、本プロ
トコールにおいては、IGF−Iの静脈注入あるいはボーラス投与は避けたほう
が無難であろう。皮下IGF−I投与が不整脈(心拍リズムの乱れ)に関与する
という根拠は存在しない。
本プロトコールに従った研究は、人のインスリンとIGF−Iとに対する感受
性の決定を含んでいる。本プロトコールを実施する際の別な注意点は、本試験の
一部が低血糖の誘導を要求することである。このような試験は、意識喪失や発作
にはほとんど関与しないが、この試験(インスリンを使用)は、脳下垂体機能不
全の疑いのある患者、又は、成長ホルモン単独欠損症(isolated gr
owth hormone deficiency))の患者に対する脳下垂体
機能評価のルーチンに実施されている検査部分である。患者は頻繁(10分ごと
)な血糖測定をベッドサイドでモニターされなければならない。静脈用グルコー
ス溶液はベッドサイドで使用可能であり、低血糖の兆候が見られた場合、これを
急速に好転させるであろう。被験者に対して採血と静脈注入とを頻繁に行う研究
においてはどの様な場合にも生じ得ることではあるが、静脈ラインの挿入箇所の
皮膚損傷、又は傷口からの感染リスクは多かれ少なかれ存在する。これら潜在的
なリスクを避けるため、一般的な注意が最低限必要である。
本プロトコールは、ヒトにIGF−Iを投与する際のリスクに関して指示を与
えている。類似する全ての試験は、本発明の方法に従った初期コースの治療を受
ける患者に対して実施されるべきであり、それには、例えば、投与前ベースライ
ンと、投与後の最初の24時間以内に反復処置することが含まれると想定されて
いる。被験者の耐容性が確立されたならば、被験者が苦痛を訴えたり、ここにそ
の概要を解説した症状を見い出さないかぎり、負荷試験を反復する必要はない。
本発明の組成物は、薬理学的に有用な特性を有している。それらはヒト及び動
物の血糖値を正常にし、インスリン抵抗性を好転させ、インスリン分泌過剰症を
治癒する。この効果は、例えば、rhIGF−Iを体重に対して100μg/k
gの投与量で、1日2回、皮下投与する方法を約21日から約28日間、連続使
用することにより証明することができる。
従って、これらの組成物は、高血糖値、顕著な血清インスリンの上昇、静脈投
与したインスリンに反応性を示さない及び/またはインスリンレセプター抗体を
有する被験者、さらに特定すれば、インスリン抵抗性を有した患者の治療に使用
が可能である。
これらの組成物は、インスリン抵抗性、さらに特定すれば、インスリン分泌過
剰症、またさらに特定すれば、インスリン抵抗性のA型症候群、ラブソン・メン
デンホール症候群、重度のインスリン抵抗性と合併したI型糖尿病、II型糖尿
病、及び、医師に原因する(iatrogenic)インスリン抵抗性を好転さ
せるのに有用である。
さらに、これらの組成物は、rhIGF−Iに対する被験者の感受性を決定す
るため、体外診断及びスクリーニングに使用することができる。
本発明の組成物は、一般的には、ヒトを含む哺乳類動物に投与される。本発明
の薬理学的に活性である組成物は、ヒトを含む哺乳類等を治療対象として投与す
る医薬品を製薬する生薬学(Galenic pharmacy)的慣用法に従
って製造することが可能である。
本発明の組成物は、例えば、薬剤学的に使用可能でありこれらの活性組成物と
は有害な反応をしないものであって、非経口、経口、あるいは局所に適用するた
めに使用する有機、あるいは無機の担体キャリヤー物質のような、通常の賦成剤
と混合した混合物として使用可能である。薬剤学的に使用可能な好適な担体キャ
リヤー物質には、例えば、水と、塩溶液と、アルコールと、アラビアゴムと、植
物油と、ベンジルアルコールと、ポリエチレングリコールと、ゼラチンと、ラク
トース、アミロース、あるいはスターチのごとき炭水化物と、ステアリン酸マグ
ネシウムと、タルクと、ケイ酸と、粘性パラフィンと、精油と、脂肪酸エステル
と、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンが含まれるが、これら
に限定されるものではない。これらの製剤は滅菌することが可能であり、望むな
らば、これらの活性組成物と有害反応しない補助剤、例えば、潤滑剤、保存剤、
安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧調整用塩類、緩衝剤、着色剤、矯味及び/また
は矯臭剤等、との混合が可能である。また、望むならば、例えばビタミン類他の
様な他の活性物質と組み合わせることも可能である。
非経口での適用において特に好適であるのは注射可能な滅菌溶液であり、好適
な例としては、懸濁液、乳液、あるいはペレット(implants)と同様に
、油性あるいは水溶液である。アンプルは便利な投与単位である。また、経口で
の適用において特に好適であるのは、錠剤、糖衣錠、液剤、ドロップ、座薬、又
はカプセル剤である。。シロップ剤、エリキシル剤、及びこれに類する剤型には
、その中に甘味顆粒を加えて使用することが可能である。
持続型(sustained)の又は特定部位で放出される(directe
d release)組成物、例えば、リポゾーム、又は例えばマイクロカプセ
ルや多層コーティング等のように、崩壊性の異なるコーティングが施されている
活性成分を製造することも可能である。新規組成物を凍結乾燥することができ、
得られた凍結乾燥品を、例えば、注射剤として使用することができる。
注入(注射)による投与、例えば、皮下注射、筋肉注射、あるいは静脈点滴は
好適な投与手段である。さらに、経皮投与、例えば、皮膚パッチによる投与は、
投与量が比較的少なく、長時間、即ち、7日から30日にわたって投与しなけれ
ばならないときに、特に好適である。
一般的に、本発明の組成物は、薬剤学的に利用可能な担体キャリヤー物質内で
、ユニット投与量あたり約50μg/kgから約150μg/kgを含むユニッ
ト投与形態に配合されている。
局所的適用においては、局所的適用に耐えるキャリヤーを含み、できれば水よ
りも大きな力学的粘性を有した、粘稠性のものから半固体あるいは固体形態のも
のであって、非スプレー形態でないものが採用される。好適な形態には、例えば
、溶剤、懸濁剤、乳剤等が含まれ、望むならば、滅菌されており、あるいは、保
存剤、安定剤、湿潤剤、緩衝剤、または浸透圧調整用塩類のような補助剤と混合
されている。局所的な適用には、好適には、活性成分が固体あ又は液体の無活性
キャリヤー物質と組合されて、絞出ボトル、あるいは、通常は気体である加圧揮
発性噴射薬(propellant)、フレオン等、と混合されて封入されたス
プレー形態のエアゾール製剤であることもまた望ましい。
本発明による組成物の投与量は、一般的に約50μg/kgと約500μg/
kg以下との間であり、さらに特定すれば、約24μg/kg/時以下、あるい
は、12時間で約288μg/kg以下であり、好適であるのは、インスリン抵
抗性、特に重度のインスリン抵抗性患者に投与する時は、1日2回、約100μ
g/kgを少なくとも21日間の投与である。インビトロ(in vitro)
の実施例において、細胞を含有する媒体での可能な投与量は、約0.5ng/m
lから1mg/mlの濃度であり、該媒体の例には、例えば、血液、血清、リン
ゲル乳酸塩、血液寒天、及び他の類似した媒体があるが、これらに限定されるも
のではない。
特定の場合の実際の好適な活性組成物の量は、利用されるその組成物、製剤化
された特定の組成物、適用方法、及び治療される部位及び器官によって変わるも
のである。与えられたホストに対する投与量は、例えば、使用組成物と、公知薬
剤との活性の違いの一般的な比較、例えば、適当な、一般的薬理学的プロトコー
ルの手段での比較によって決定可能である。
例1
重度のインスリン抵抗性を有した第1被験者(被験者1)が、IGF−Iの効
果を試験するために本プロトコールに参加した。インスリンあるいは経口血糖減
少薬の全ての使用は、以下に記述されているプロトコールの開始以前に中止され
た。この被験者1は、22日間連続して治療を受けた。前記プロトコールに従っ
た。
図1は、3混合食と2軽食を摂食後の被験者1の血糖変動に及ぼすrhIGF
−Iの影響を表している。ベースラインデータはIGF−Iでの治療以前の血糖
値を反映している。2日は、IGF−I投与(午前8時と午後5時に投与量#2
と投与量#3をそれぞれ投与した)の2日目に採取されたデータを反映している
。グルコース3は、午前8時と午後5時に100μg/kg SC BIDでの
投与量でそれぞれIGF−Iを投与した22日目に採取されたデータを表してい
る。このデータによれば、IGF−Iは治療開始後36時間以内にグルコースの
変動を多少改善し、治療後3週間までにグルコース非耐容性を好転させたことを
示している。この時間経過に伴う効果は以前には観察されていなかった。
図2は、3混合食と2軽食を摂食後の被験者1の血糖変動に及ぼすrhIGF
−Iの影響を表している。ベースラインデータは、IGF−Iによる治療以前の
血清インスリンレベルを反映している。2日は、IGF−I投与(午前8時と午
後5時に投与量#2と投与量#3をそれぞれ投与した)2日目に採取されたデー
タを反映している。3週間は、午前8時と午後5時に100μg/kg SCB
IDでの投与量でIGF−Iを投与した22日目に採取されたデータを表して
いる。その結果は、rhIGF−Iが治療開始後36時間以内に血清インスリン
レベルを改善し、この効果はIGF−I治療が中止されるまでのその後の3週間
でさらに改善されたことを示している。
図3は、3回経口液体混合食(サスタカル食)を摂食した後での被験者1の血
糖と血清インスリンレベルとを示している。
図3Aは、コントロール期間後と、1週間のrhIGF−I治療後と、3週間
のrhIGF−I治療後の時点で、250mlのサスタカル食を経口摂取した後
、血糖値を30分ごとに3時間経時的に測定した結果を表している。このデータ
は、フッ化ナトリウムで抗凝固した静脈血液(whole blood)を使用
して、イエロースプリンググルコースオキシダーゼ分析器で各時間ポイントで二
重測定した測定値の平均値で示されている。IGF−I治療の1週間以内に、グ
ルコースの耐容性は、重度の糖尿病性(ADA基準による)から正常にまで変化
した。3週間の治療により、正常な血糖変動を維持した。
図3Bは、コントロール期間後と、1週間のrhIGF−1治療後と、3週間
のrhIGF−I治療後の時点で、250mlのサスタカル食を経口摂取した後
、血清インスリンレベルを30分ごとに3時間経時的に測定した結果を表してい
る。このデータは、1:5の割合で希釈された被験者の血清を、インスリンのD
PCラジオイムノアッセイ法で二重測定した測定値の平均値で示されている。コ
ントロール期間と、IGF−I治療の1週間との間には血清インスリン特性の相
違は存在しなかった。しかし、IGF−I投与3週間後には、末梢血中の血清イ
ンスリンは低下し、インスリンの変動はコントロール期間よりもずっと低下した
。これは、グルコースの恒常性に及ぼすIGF−Iの影響が複雑であることを示
している。rhIGF−Iは、血清インスリンレベルの顕著な低下をもたらす前
に、グルコースの耐容性を改善させると考えられる。
図4は、被験者1のインスリン負荷試験の結果を表している。血糖値は、組換
え遺伝子ヒトインスリンを0.15U/kg静脈ボーラス注入後、60分間にわ
たり10分ごとに測定した。コントロール期間(rhIGF−I治療以前)にお
いて、静脈インスリンは血糖値に対してほとんど影響を及ぼさないことが理解さ
れる。このパターンは、重度のインスリン抵抗性の場合と同じである。3週間、
100μg/kg SC BIDでIGF−Iを投与して治療することにより、
インスリン感受性は正常にまで回復された。
図5は、rhIGF−I治療前後における、定常状態の血漿グルコースレベル
を表している。図5Aは、コントロール期間に、オクトレオチド(octreo
tide)(内因性インスリンの放出を阻害するために使用する、合成ソマトス
タチン)、インスリン及びグルコース(両方とも一定速度で)を同時注入した結
果を示している。図から判断されるように、350μU/mlのインスリンレベ
ルで、血中グルコース値は340mg/dlでプラトーとなった(plateu
ed)。
図5Bは、rhIGF−Iを投与して治療した後、オクトレオチド(内因性イ
ンスリンの放出を阻害するために使用される、合成ソマトスタチン)、インスリ
ン及びグルコース(両方とも一定速度で)を同時注入した結果を示している。図
から判断されるように、150μU/mlの血漿インスリンレベルで、血中グル
コースレベルは200mg/dlでプラトーとなった(plateued)。
rhIGF−Iによる3週間の治療によって、重度のインスリン抵抗性患者の
インスリン感受性は改善された。このインスリン感受性の増大は、血中グルコー
スレベルを達成するために求められる、血中グルコースレベルが低いことと、血
清インスリンレベルが低いことの両方によって証明された。さらに、このデータ
は、rhIGF−I治療に後にインスリンクレアランスが改善されるという意見
と矛盾するものではない。
例2
重度のインスリン抵抗性と糖尿病とを有する第2の被験者(被験者2)もまた
、IGF−Iの効果を試験するために前記のプロトコールに参加した。被験者1
と同様に、本プロトコール開始以前に、全部のインスリンあるいは経口血糖減少
剤の使用が中止された。
被験者2は28日間連続して治療を受けた。治療した最初の22日間は、第1
被験者の22日間の場合と実質的に同一であって、図1から図5に示される結果
も類似していた。
被験者2は28日間IGF−I投与による治療を受け、IGF−I投与終了後
の少なくとも7週間はその経過を追跡観察した。
図6は、被験者2の液体混合サスタカル食に対する血中グルコースの応答を示
している。被験者2は4週間にわたって100μg/kg SC BIDで治療
を受け、そして、コントロール期間と、rhIGF−I治療8日間と、rhIG
F−I治療28日間に、250mlのサスタカル食を摂取した。これらのデータ
を示すポイントは、フッ化ナトリウム含有チューブに静脈血(whole bl
ood)を各時間ポイントで採血し、イエロースプリンググルコースオキシダー
ゼ分析器で二重測定した測定値の平均値で示されている。図から判断されるよう
に、糖尿過多(コントロール)から、ほぼ正常(28日)までの3週間のIGF
−I治療期間にわたって、血中グルコース値の継続的低下が見られた。この治療
効果は、この時間枠では以前に観察されたことがなかった。
図7は、サスタカル食での結果を示している。グラフのトップはコントロール
の血中グルコース値(rhIGF−I治療以前)であり、そして、IGF−I治
療の最後の週(治療の28日後)、rhIGF−I投与の停止後1週間目、及び
3週間目の血中グルコース値の結果を示している。
図8は、コントロール期間から得られた血中グルコース値のデータと、IGF
−I投与停止後4週間目と7週間目から得られたデータを示している。IGF−
I投与停止後の7週間目で血中グルコース値は再度上昇していたが、それでも治
療期間開始以前よりは低かった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12P 21/02 E 9282−4B
G01N 33/50 T 7055−2J
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,
CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,J
P,KP,KR,LK,LU,MG,MN,MW,NL
,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,
SK,UA
(72)発明者 モロー リンダ エイ.
アメリカ合衆国 マサチューセッツ州
02159 ニュートン ライス ストリート
11
(72)発明者 フライアー ジェフリー エス.
アメリカ合衆国 マサチューセッツ州
02165 ウエスト ニュートン シルバン
アベニュー 14
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.細胞をIGF−Iの修飾有効量に少なくとも約7日間接触させて、前記細胞 のバリヤー特性を長期間修飾する修飾方法。 2.前記修飾有効量が、約50μg/kgと約500μg/kg以下との間であ ることを特徴とする請求項1記載の修飾方法。 3.前記修飾有効量が、約24μg/kg/時以下、又は、12時間で約288 μg/kg以下の量であることを特徴とする請求項1記載の修飾方法。 4.前記修飾有効量が、約100μg/kg体重で1日2回投与する量であるこ とを特徴とする請求項1記載の修飾方法。 5.前記修飾有効量が、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、経口的、非経口的、経 皮的あるいは局所的な投与からなる群から選択された様式で動物に投与されるこ とを特徴とする請求項1記載の修飾方法。 6.前記修飾が、該修飾を必要とする動物の体内における処理を介して実施され ることを特徴とする請求項1記載の修飾方法。 7.前記修飾が、該修飾を必要とするヒトの体内における処理を介して実施され ることを特徴とする請求項1記載の修飾方法。 8.前記修飾有効量が、生体外(インビトロ)での処理を介して実施されること を特徴とする請求項1記載の修飾方法。 9.前記修飾有効量が、細胞を有する培地中に含まれる薬物の濃度が約0.5n g/mlと約1mg/mlとの間の濃度であることを特徴とする請求項8記載の 修飾方法。 10.前記培地が、血液、血清、リンゲル乳酸、及び血液含有寒天を含む群から 選択されたものであることを特徴とする請求項9記載の修飾方法。 11.リコンビナントヒト(rh)IGF−Iの有効量をインスリン抵抗性を有 する患者に少なくとも7日間投与することによって、前記インスリン抵抗性を長 期間にわたり改善することを特徴とする方法。 12.前記修飾有効量が、約50μg/kgと約500μg/kg以下との間で あることを特徴とする請求項11記載の方法。 13.前記有効量が、約24μg/kg/時以下、又は、12時間で約288μ g/kg以下の量であることを特徴とする請求項11記載の方法。 14.前記修飾有効量が、約100μg/kg体重で1日2回投与する量である ことを請求項11記載の方法。 15.前記修飾有効量が、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、経口的、非経口的、 経皮的あるいは局所的な投与からなる群から選択された様式で投与されることを 特徴とする請求項14記載の修飾方法。 16.前記修飾が、該修飾を必要とする哺乳動物の体内における処理を介して実 施されることを特徴とする請求項11記載の修飾方法。 17.前記修飾が、該修飾を必要とするヒトの体内における処理を介して実施さ れることを特徴とする請求項11記載の修飾方法。 18.リコンビナントヒト(rh)IGF−I感受性バリアー特性を診断する方 法であって、次の処理を含む。 (a)正常状態の細胞バリアー特性を定量すること、 (b)細胞を修飾有効なrhIGF−Iの範囲内に曝すこと、 (c)前記rhIGF−Iに曝された細胞の、前記(a)で定量した細胞バ リアー特性変化を判定すること。 19.前記修飾が、前記診断を必要とする哺乳動物の体内で実施されることを特 徴とする請求項18記載の方法。 20.前記修飾が、前記診断を必要とするヒトの体内で実施されることを特徴と する請求項18記載の方法。 21.前記修飾が、生体外(インビトロ)で実施されることを請求項18記載の 修飾方法。 22.重度のインスリン抵抗性を有する患者に、約21日から28日間連続して 、100μg/kg体重のrhIGF−I量を1日2回皮下注射で投与すること により、インスリン抵抗性を好転させることを特徴とする方法。 23.前記rhIGF−Iが、約22日間投与されることを特徴とする請求項2 2記載の方法。
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