JPH0850055A - 感震素子 - Google Patents

感震素子

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JPH0850055A
JPH0850055A JP20813694A JP20813694A JPH0850055A JP H0850055 A JPH0850055 A JP H0850055A JP 20813694 A JP20813694 A JP 20813694A JP 20813694 A JP20813694 A JP 20813694A JP H0850055 A JPH0850055 A JP H0850055A
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Shinji Kinoshita
慎司 木下
Hideki Koseki
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    • GPHYSICS
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    • G01V1/16Receiving elements for seismic signals; Arrangements or adaptations of receiving elements
    • G01V1/18Receiving elements, e.g. seismometer, geophone or torque detectors, for localised single point measurements

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Abstract

(57)【要約】 【目的】固体の導電球を用いて小形で常時オン型の感震
器を得る。 【構成】感震素子1は導電端子ピン5を気密に絶縁固定
した金属製の円板3と導電性のハウジング2とで気密容
器を構成している。ハウジング2中には中央が凹の傾斜
面6Bを有する下部絶縁体6が固定され、傾斜面6B上
には導電性の慣性球8が転動可能に収納されている。傾
斜面の中央にはハウジングと電気的に接続された下部接
触部材7が挿通されている。導電端子ピン5にはしなや
かな導電材性の上部接触部材9が固着され常に慣性球8
と接触している。静止時には慣性球8が下部接触部材7
上に位置し上部接触部材9と下部接触部材7間が電気的
に接続され、導電端子ピン5とハウジング2の間を電気
的に接続する。加速度の印加時には慣性球は傾斜面を転
動して下部接触部材との接触を開離し、導電端子ピンと
ハウジングの間を電気的に開離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば石油暖房機やガス
燃焼機器や電気機器の信号処理装置等に取付けられ、地
震等の震動を感知して前記信号処理装置に検知信号を送
る全方向性の感震素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感震器としていくつかの形式のも
のが提唱されている。例えば特開昭57−76421号
公報には鋼球によって可動接触片が常時押し下げられて
おり、振動等を受けると鋼球がすり鉢状底部に沿って転
動し可動接触片への押圧力を解除しこの可動接触片に配
設された可動接点と固定接点とを接離する感震装置が記
載されている。また特開昭59−228123号公報に
は金属容器に水銀粒を封入した感震器が記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近時、例えば石油暖房
機やガス燃焼機器等に感震器を取り付け、地震等の震動
を感知して前記石油暖房機やガス燃焼機器の信号処理装
置に検知信号を送り制御装置により自動消火等の適切な
保安処置がとられる様になっており、これらの感震器は
小型化が要求されている。特開昭57−76421号公
報の感震装置においては接点間抵抗が高くならないよう
に接触圧力をある程度以上高くする必要がある。この接
触圧力は常時オン型とする場合には可動接触片を押圧す
る鋼球の重量に依存し、より充分な接点間圧力を取るた
めには鋼球を小型化することに限度があり押圧力の拡大
機構を必要とするため装置全体も小型化が困難となる。
【0004】また特開昭59−228123号公報の感
震器のように水銀を使った常時オン型の感震器は接触抵
抗の問題がなく鋼球式に比較して小型化が可能で長期的
にも安定した性能が得られる高性能なスイッチではある
が、昨今、環境問題等から水銀を使用しない形式の感震
器の要求が高まっている。そこで水銀を使わず、且つ従
来の水銀を使用した感震器と同様の特性を有し、小形で
堅牢な且つ多量生産に好適でコストの安い感震器が求め
られている。しかし水銀粒は液体の為、そのスイッチの
構造をそのまま固体の導電性球体を使用したものに流用
することはできない。
【0005】そこで本出願人は特開平6−137928
号公報に示された如き感震素子及びこれを利用した感震
器を提案した。この感震素子について図8を参照して説
明すると、この感震素子101は金属製の円板102と
ハウジング103からなる密閉容器内に鋼球の様な導電
性の慣性球104を収納しており、またこの密閉容器の
円板102には導電端子ピン105がガラス等の充填材
106により気密に絶縁固定されている。導電端子ピン
105の容器内側端部にはしなやかな羽根状部107A
を有した導電材製の接点部材107が固着されている。
この感震素子101の動作について説明すると通常の正
規姿勢に於ける静止時には慣性球104はハウジング1
03の中央に位置しており、この時慣性球104は接点
部材107とは接触しておらずよって導電端子ピン10
5と円板102との間には電路は形成されない。この感
震素子101が所定の加速度以上の振動を受けると慣性
球104が転動し接点部材107の羽根状部107Aと
ハウジング103の底面との間に入り込みながら摺動接
触し、導電端子ピン105とハウジング103の間を電
気的に短絡する。そのため導電端子ピン105−接点部
材107−慣性球104−ハウジング103−円板10
2の経路で電路が形成される。
【0006】この特開平6−137928号公報に示さ
れた感震素子は慣性球を使用したものであるにもかかわ
らず従来の水銀を使用したものと同等の小型化が可能で
あり、またその性能においても同等の性能が得られると
言うものである。しかしながらこの感震素子は所謂常時
オフ型であるため、通常の非動作時に感震素子とその信
号処理装置等との間の配線が正常になされているかどう
かを判定する必要上、回路等に別部品を付加せねばなら
ない。そのため、従来のままの回路に容易に代替使用す
るためには慣性球を使用した常時オン型の感震素子及び
感震器が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の感震素子
に於ては、導電性の円板と有底円筒形の導電性のハウジ
ングにより気密容器を構成し、前記円板に導電端子ピン
が電気絶縁性充填材により気密に貫通固定され、ほぼ中
央から外側に向けて同心円状に緩やかに上昇する傾斜面
が形成され且つ中心部に貫通孔が設けられた電気絶縁体
がハウジングの底面に実質的に固定されており、ハウジ
ング内の底面又は底面近傍には導電性の下部接触部材の
一端がハウジングと電気的に接続されるように設けられ
下部接触部材の他端である接触部が前記絶縁体の貫通孔
に挿通され、前記絶縁体の傾斜面上には導電性の慣性球
が揺動可能にかつハウジングが正規姿勢で静止している
ときには重力により傾斜面の中心の貫通孔上に位置し前
記下部接触部材の接触部と接触し電気的に接続されるよ
うに収納され、導電端子ピンの容器内部側端部には導電
端子ピンを中心としてほぼ同心円上に接触部を配設する
複数のしなやかな弾性を有した羽根状部を持つ導電材製
の上部接触部材が固定され、前記羽根状部は常に前記慣
性球に接触して電気的接続を保ち、且つ過大な加速度を
慣性球が受けた時に前記上部接触部材への衝突により上
部接触部材が変形するのを防ぐための保護板が固着さ
れ、所定値以上の振動を受けて慣性球が前記貫通孔上を
離れて傾斜面上を揺動した時には下部接触部材との間の
電気的なオンオフ信号を発生し所定時間以上の接触を断
つ様に動作し、静止時の慣性球は自身の重量と上部接触
部材の弾性とにより下部接触部材と接触するように構成
されていることを特徴としている。
【0008】また他の特徴は下部接触部材が所定の弾性
力を有した形状とされており、その接触部は慣性球が絶
縁体の貫通孔上に位置するときには微振動の有無にかか
わりなく常に慣性球に対して電気的に接触を保持し続け
られる付勢力が与えられていることにある。
【0009】さらに他の特徴は、絶縁体が密閉容器のハ
ウジング内の底面近傍に傾斜面を有し固定された下部絶
縁体と、上部接触部材近傍のハウジング内面又は導電端
子ピンに固定されたほぼ円筒形をした上部絶縁体とから
なり、上部絶縁体及び下部絶縁体が協働することにより
慣性球が最大移動位置に移動したときにもハウジング内
面とは電気的に直接接触しないようにされていることに
ある。
【0010】さらに他の特徴は保護板及び下部絶縁体が
協働することにより慣性球が最大移動位置に移動したと
きにもハウジング内面とは電気的に直接接触しないよう
にされていることにある。
【0011】
【実施例】以下実施例に基づいて図面を参照して説明す
る。図1の感震素子1は有底円筒形の金属製ハウジング
2と円板3とを互いのフランジ2A及び3Aでリングプ
ロジェクション溶接等により気密に固定され気密容器が
形成される。この時、気密容器内部の空気を排除して水
素、ヘリウム、アルゴン、窒素などの汚損防止用ガスと
置換して封入すれば、後述の各接触部材や慣性球の表面
を腐食や汚損から保護して長期にわたり安定した特性を
得るために好ましい。円板3のほぼ中心には貫通孔3B
が穿たれガラスの如き電気絶縁性充填材4により導電端
子ピン5が気密に貫通固定されている。
【0012】密閉容器の内部にはセラミックや合成樹脂
等の絶縁物で構成された下部絶縁体6がハウジング2の
内部に圧入固定されている。下部絶縁体6は脚部6Aを
有しこの脚部6Aによって作られる隙間には後述の下部
接触部材7が載置される。下部絶縁体6の上面にはほぼ
中心部から外側に向かって同心円状に緩やかに上昇する
傾斜面6Bが形成されている。本実施例においては傾斜
面の形状は所定の傾斜角度を持った直線を回転して得ら
れる円錐面状とされているが、その形状はこれに限定さ
れるものではなく、途中で傾斜角度が変化する円錐面
や、上下に緩やかな曲率を有した曲線を回転して得られ
る凹曲面又は凸曲面も含むものである。また前述の曲線
は傾斜方向が変化しなければ、途中で若しくは徐々に曲
率が変化していてもよい。この傾斜面6Bの中央には挿
通孔6Cが設けられ、下部接触部材7の一端の接触部7
Aが下面から上面に挿通されている。記号6Dは圧入の
ためのリブである。
【0013】下部接触部材7は後述の慣性球8との接触
部7Aを銀合金等で作られた固定接点であり、例えば図
1の如くハウジング底面2Bに溶接等により固着されて
いる。この接触部7Aは挿通孔6Cに挿通されている。
接触部7Aの形状は図1の如く感震素子1に所定値以上
の振動が与えられるまで重力により後述する慣性球8を
保持するための保持孔7Bが設けられる形状の他、接触
部を凹面状にしたり、図2の如く下部絶縁体6の傾斜面
6Bと下部接触部材17の接触部17Aとの間に段差6
Cを設け所定値以下の振動では慣性球8が傾斜面上に飛
び出さないようにしたもの等がある。図1の場合におい
ては、慣性球8の転動開始加速度αは慣性球8の半径を
Rとし、保持孔7Bの半径をrとすると
【0014】
【数1】
【0015】によって決定され、実際は後述の上部接触
部材9によりこれより若干高い値に調整される。
【0016】下部絶縁体6の傾斜面6B上には例えば鉄
やその合金であるステンレス等の金属で作られた慣性球
8が収納されている。この慣性球8は鉄以外にも例えば
銅やその合金、又は硬質鉛等種々の金属で作ることがで
き、鉄や銅等空気中で酸化し易くその酸化被膜が導電性
を害するおそれのあるものに対しては好ましくは金や銀
等の貴金属やあるいはニッケル、鉛と錫からなるハンダ
メッキ等の表面処理を施したものが目的に応じて選定さ
れるが、その表面が使用目的に適する導電性を有した固
体の球であれば材質、表面処理ともにこれに限るもので
はない。
【0017】この慣性球8は通常の正規姿勢での静止時
に於ては傾斜面6Bの中心である貫通孔6C上に位置し
前記下部接触部材7の接触部7Aと接触しており所定の
加速度以上の振動を受けるまでは転動せず接触状態を保
つ。感震素子1が地震等により所定の値以上の振動を受
けると慣性球8は貫通孔6Cを離れて傾斜面6B上を転
動し、前記接触部7Aとの接触を断つようにされてい
る。
【0018】前記導電端子ピン5の密閉容器内側端部に
は上部接触部材9を挟むようにして保護板10を突き合
せ溶接等の方法で固着する。この上部接触部材9にはし
なやかな複数の羽根状部9Aが設けられている。本実施
例ではこの羽根状部9Aは導電端子ピン5を中心として
均一な角度つまり60°毎に合計六本設けられている。
慣性球の質量が0.7グラム程度の場合には、上部接触
部材9の材質として例えば厚みが0.01〜0.02mm
のリン青銅板が好ましい。この羽根状部9Aの先端近傍
は慣性球8が仮に存在しない自由状態で慣性球8の表面
位置よりやや内側に位置するように設定されており常に
慣性球8に接触している。また羽根状部9Aは好ましく
は幅が0.3mm程度とされ充分なしなやかさを有してお
り、慣性球8の転動時にも常に少なくとも2本が慣性球
8の転動に追従し接触を保つようにされている。また羽
根状部9Aの本数や一本あたりの反発力は慣性球8の転
動開始加速度に及ぼす影響や電気的接触抵抗等を考慮し
て決定される。
【0019】上部接触部材9と導電端子ピン5との固定
部下面には、慣性球8の上部接点部材9の固定部付近へ
の衝突による塑性変形を防止するために保護板10が固
着されている。例えば感震素子1が輸送時に振動等を受
け慣性球8が飛び上がり図1で点線8Aに示す位置以上
にまでくることがある。このとき保護板10が無いと慣
性球8は上部接触体9と導電端子ピン5との固着部近傍
に衝突し好ましくない変形を起こす。この様に羽根状部
9Aの根元側で塑性変形を起こすと羽根状部9Aの先端
では変形量が拡大されその位置を大きく変化させること
がある。しかし本実施例に於ては保護板10を上部接触
体9の固定部近傍での変形のないように配設する事によ
り長期に亘って安定した特性を得ることができる。
【0020】この上部接触部材9の周囲を囲むようにし
て前述の下部絶縁体6と同様にセラミックや合成樹脂等
の絶縁物で構成された概ね円筒形の上部絶縁体11がリ
ブ11Aでハウジング2内部に圧入されている。この上
部絶縁体11は下部絶縁体6と協働して点線8Bで示す
慣性球8の最大移動位置に於ても端部11B及び6Eに
よって慣性球8を受け止めるものであり、この8Bの位
置に於ても慣性球8とハウジング2の内壁とは僅かな距
離を保ち両部材が接触することはない。そのため最大振
幅時に感震素子がオン信号を出力してしまうことはな
く、また制御対象機器が傾斜又は転倒した時にも確実に
オフとすることができる。
【0021】この感震素子1の動作について説明する
と、感震素子1が正規姿勢で静止状態にあるとき、慣性
球8は傾斜面6Bの貫通孔6C上に位置し下部接触部材
7の接触部7Aに接触し慣性球8自身の重量及び上部接
触部材9により押圧力を加えている。ここで導電端子ピ
ン5−上部接触部材9−羽根状部9A−慣性球8−接触
部7A−下部接触部材7−ハウジング2−円板3の経路
で電路が構成される。
【0022】感震素子1が所定の加速度例えば周期が
0.2乃至1秒で120ガルの水平振動以上の振動を受
けると慣性球8は貫通孔6Cを離れて傾斜面6B上を転
動し下部接触部材7の接触部7Aとの接触を断ち、前述
の電路を所定時間以上遮断する。そのため感震素子1に
接続された信号処理装置に検知信号が送られ、例えば石
油暖房機やガス燃焼機器であれば制御装置により自動消
火等の適切な保安処置がとられることになる。また感震
素子1が静止状態に戻ると慣性球8は傾斜面6Bの中央
の貫通孔6C上に戻り、再び接触部7Aと接触すること
により電路を形成する。ここで羽根状部9Aは常に慣性
球8に摺動接触しているため、復帰時に慣性球8が接触
部7Aと接触することにより速やかに電路を形成するこ
とができる。また上部接触部材9は複数の羽根状部9A
を常に慣性球8と接触させ押圧力を与えているため、従
来と比較してより小型の慣性球を使用しても充分に接触
抵抗を下げることができる。
【0023】上述の実施例に於ては下部接触部材7が固
定接点であるために、感震器としての動作に至らない所
定値未満の振動による慣性球8の接触部7A上での揺動
や上下の微振動により慣性球8と下部接触部材7との接
触圧力等の状態が変化することがある。そのため慣性球
8と下部接触部材7との接触抵抗が一時的に例えば数ミ
リ秒未満の間、数キロオーム乃至はそれ以上の値を示す
等、信号処理装置の判断基準の設定によっては事実上電
路を断たれたのと同様の判断をされてしまう可能性があ
る。そこで本発明の他の実施例に於ては前述の微震動等
による所定の値未満の振動で慣性球が静止状態にある間
は、下部接触部材が慣性球に押し付けられるように付勢
力を与えた構造としている。そのため所定値未満の振動
による慣性球の揺動や上下動に対しても接触部の接触状
態は変わらず信号処理装置の誤動作をなくすことができ
る。
【0024】この実施例について図3及び図4を参照し
て説明する。図3は本実施例の縦断面図であり図4は図
3のA−A断面矢視図である。なお前述の実施例と同様
の部分には同一の符号を付し詳細な説明は省略する。感
震素子21は有底円筒形の金属製ハウジング2と円板3
により気密容器を構成している。円板3には電気絶縁性
充填材4により導電端子ピン5が気密に貫通固定されて
いる。
【0025】密閉容器の内部にはセラミックや合成樹脂
等の絶縁物で構成された下部絶縁体26がハウジング2
の内部にリブ26Dにより圧入固定されている。この下
部絶縁体26は前述の実施例の下部絶縁体6と同様の脚
部26A及び傾斜面26B、挿通孔26Cが設けられて
おり、脚部26Aによって作られるハウジング底面との
隙間には後述の下部接触部材27が載置される。また傾
斜面26Bの中央に位置する挿通孔26Cには後述の下
部接触部材27の一端の接触部27Aが下方から上方に
挿通されている。
【0026】下部接触部材27は例えば厚さ0.05〜
0.2mm程度のリン青銅板等で作られたしなやかなバネ
でありその平面形状は例えば図4の様な螺旋状にされて
いる。ハウジング2の中央に位置する一端には前述の接
触部27Aが設けられその先端部は挿通孔26Cに通さ
れており、また接触部27A近傍には接触部の上方向へ
の移動量を規制するためのストッパー27Bが挿通孔2
6Cよりも外側へ達するように幅広くされている。下部
接触部材27の少なくとも接触部27Aは慣性球8と同
様に金や銀等の貴金属やあるいはニッケル、ハンダのメ
ッキ等の表面処理を施しておくことが好ましい。
【0027】また他端には下部絶縁体26の脚部を兼ね
た固定脚26Eに嵌入固定される固定部27Cが設けら
れ、また固定部27C近傍にはハウジング2の内壁と接
触して電気的に接続される接続部27Dが設けられてい
る。この固定部27Cは固定脚26Eの外径より若干小
さめの孔の周囲に複数の切込み27C1を実施例では8
本設けたものであり、固定脚26Eに圧入される。また
接続部27Dはハウジング2の内壁と下部絶縁体26の
外壁とで挟まれるため接触圧力が高くなり接触部の抵抗
値を下げることができると共に、下部接触部材27が固
定部27Cを中心に回転することを防止する。
【0028】下部絶縁体26の傾斜面26B上には導電
性の慣性球8が収納されている。この慣性球8は通常の
正規姿勢での静止時に於ては貫通孔26C上に位置し前
記下部接触部材27の接触部27Aと接触し且つ押し下
げており所定の加速度以上の振動を受けるまでは転動せ
ず接触状態を保つ。感震素子21が地震等により所定の
値以上の振動を受けると慣性球8は貫通孔26Cを離れ
て傾斜面26B上を転動し、前記接触部27Aとの接触
を所定時間断つようにされている。このとき下部接触部
材27の接触部27Aはストッパー27Bによって貫通
孔26Cからのの突出量が制限されているために、慣性
球8が静止時の位置から外周方向に移動した時に確実に
接触を断つことができる。
【0029】導電端子ピン5の密閉容器内側端部には前
述の実施例と同様にリン青銅板等で作られたしなやかな
複数の羽根状部9Aを有した導電性の上部接触部材9が
固定されている。この羽根状部9Aの先端は常に慣性球
8に接触している。上部接触部材9と導電端子ピン5と
の固定部下面には、保護板10が固着されている。
【0030】この上部接触部材9の周囲を囲むようにし
て前述の下部絶縁体26と同様にセラミックや合成樹脂
等の絶縁物で構成された概ね円筒形の上部絶縁体31が
装着されている。この上部絶縁体31は前述の例と違い
導電端子ピン5に圧入固定されている。この圧入作業は
上部接触部材9及び保護板10が固着される前に行われ
る。この上部絶縁体31は前述の例と同様に下部絶縁体
26と協働して慣性球8の最大移動位置に於ても慣性球
8をハウジング2の内壁とは僅かな距離を保ち受け止め
るものであり、慣性球8とハウジング2が直接接触する
ことはない。
【0031】この感震素子21の動作について説明する
と、感震素子21が正規姿勢で静止状態にあるとき、慣
性球8は傾斜面26Bの貫通孔26C上に位置し下部接
触部材27の接触部27Aに接触し押圧力を加えてい
る。この時も含め上部接触部材9は常に羽根状部9Aを
慣性球8に接触させており、導電端子ピン5−上部接触
部材9−羽根状部9A−慣性球8−接触部27A−下部
接触部材27−接続部27D−ハウジング2−円板3の
経路で電路が構成される。
【0032】感震素子21が所定の加速度以上の振動を
受けると慣性球8は貫通孔26Cを離れて傾斜面26B
上を転動し下部接触部材27の接触部27Aとの接触を
断ち、前述の電路を所定時間以上遮断する。そのため感
震素子21に接続された信号処理装置に検知信号が送ら
れ、例えば石油暖房機やガス燃焼機器であれば制御装置
により自動消火等の適切な保安処置がとられることにな
る。また感震素子21が静止状態に戻ると、上部接触部
材9は常に慣性球8と接触しているため、慣性球8は傾
斜面26Bの中央の貫通孔26C上に戻り再び接触部2
7Aと接触することにより電路を形成する。この実施例
では下部接触部材27は接触部27Aを常に上方に付勢
しているために、慣性球8との接触時に接触部27Aと
慣性球8との間に押圧力を与えることができる。そのた
め第一の実施例に於て接触部を固定された接点とした場
合に所定の振動以下での慣性球8の振動や微妙な上下動
等による接触状態の変化に起因する抵抗値の変動による
信号処理装置の誤動作、誤判断を防ぐことができる。
【0033】なお上述の各実施例に於てはハウジング内
の絶縁体として上部絶縁体と下部絶縁体の二つの部品を
使用しているが、例えば図5に示す感震素子41のよう
に絶縁体46の形状を傾斜面46Aとハウジング2の内
壁面に沿った絶縁壁46Bを有した有底円筒形とするこ
とにより絶縁体を一個の部品とすることもできる。この
実施例の場合、慣性球8が最大移動位置まで移動したと
きに慣性球8とハウジング2の間に絶縁壁46Bが位置
するため両部材が直接接触することはなく絶縁が保たれ
る。なお図5に於て絶縁体46以外の部分は前述の図1
に示した実施例と同様でありその動作も同様なのでそれ
らの説明は省略する。また下部接触部材の構造を図3に
示した実施例のものに置き換える事は容易に推考でき
る。
【0034】次に図6を参照しながら感震素子の他の実
施例について説明する。なおこの実施例に於ても前述の
各実施例の等効物には同一の符号を付し説明を省略す
る。図6はこの感震素子51の縦断面図と横断面図であ
り、図6(A)は(B)のC−C断面矢視図、図6
(B)は(A)のB−B断面矢視図である。この感震素
子51は例えば図3に示した実施例の如くハウジング2
の底面近傍に下部絶縁体26が圧入固定され、その下面
の隙間には下部接触部材27が載置されている。
【0035】本実施例に於ては上部絶縁体は取り付けら
れておらず、導電端子ピン5の密閉容器内部側の端部に
は上部接触部材9と保護板60が設けられている。この
保護板60は図6(B)に示した如き複数の腕状部60
Aを有した平面形状をしており、各々の腕状部60Aは
上部接触部材9の羽根状部9Aとは接触しないように羽
根状部9Aの隙間から外周方向へ伸び出している。その
先端部は後述の理由で図6(A)の如く下側へ曲げられ
ている。保護板60は本実施例では導電端子ピン5に溶
接により固定できるように鉄等の導電性の金属を使用し
ているが、溶着やかしめ等により固定するのであれば合
成樹脂やセラミック等の電気絶縁材を使用してもよい。
【0036】次にこの感震素子51の動作について説明
する。静止時には慣性球8が下部絶縁体26上の傾斜面
26Bの中心に位置し、所定値以上の振動で慣性球8が
転動する事により下部接触部材27との接触が開離され
る、という点では前述のものと同様である。このとき上
部接触部材9の羽根状部9Aは慣性球8の動作に合せて
先端部が慣性球8との接触を保ったまま追従する。即ち
保護板60の腕状部60Aは羽根状部9Aとは接触して
おらずその動きを妨げる事がないからである。またこの
感震素子51に於ては慣性球8が点線8Cで示す最大移
動位置に移動したときに下部絶縁体26の外縁部26F
と保護板60の腕状部60A先端とが協働して慣性球8
を受け止めるものであり、この8Cの位置に於ても慣性
球8とハウジング2の内壁とは僅かな距離を保ち両部材
が接触することはない。また保護板60が前述の上部絶
縁体11や31と違い導電体であっても慣性球8と保護
板60はもともと常に同電位にあるのでハウジングとの
接触が無ければ問題はない。そのため最大振幅時に感震
素子がオン信号を出力してしまうことはなく、また制御
対象機器が傾斜又は転倒したときにも確実にオフとする
ことができる。
【0037】次に図7(A)及び(B)に示す感震器7
1は前述の感震素子1を正規姿勢に保持する部材である
樹脂製のケース72を有した実施例であり、図7(A)
は縦断面図、図7(B)は横断面図である。感震素子1
はその金属ハウジング2上に導電性の溶接ピン73が溶
接固定されている。この感震素子1をケース下面の開口
部から挿入し、その導電端子ピン5と溶接ピン73をケ
ースに穿たれた貫通孔72A,72Bに挿通し、ケース
72の内側にある面状もしくは少なくとも3ヵ所の突起
の姿勢保持部72Cに円板3を当接し感震素子の位置決
めを行う。この状態で導電端子ピン5及び溶接ピン73
のケース上部に突出した端部に、それぞれ端子74及び
75を溶接することにより、感震素子1はケース72に
対して固定される。
【0038】この感震器71を例えば石油ファンヒータ
ー等に取付けるに際して、このケース底面72Dを図示
しない石油ファンヒータの底板等の水平面に密着させ固
定用孔72Eにネジ等を通して感震器71を締めつけて
固定することによって感震素子1は正規姿勢を成すよう
に感震器71のケース底面72Dと感震素子1とは所定
の位置決めが為されているものである。尚、本実施例で
はケースを水平面に取り付ける例について説明したが、
取付面を例えば垂直面や所定の角度の傾斜面とすること
はケースの形状の設計変更により容易にできる。またこ
の他にも感震素子を正規姿勢に保持する手段は種々の形
態が考えられ、例えば導電端子ピン5に門形やL字形等
の所定の金具を溶接して、この金具が所定の取付面に取
り付けられることにより感震素子が正規の姿勢に保持さ
れるようにしたり、適当な粘度を選定したシリコンオイ
ル等を注入したケース内に感震素子を吊り下げて感震素
子自身に自動姿勢補正機能を持たせたものはさらに容易
な手段である。
【0039】
【発明の効果】本発明の実施例によれば水銀を使用しな
くても、慣性球を使用した小型で高性能な常時オン型の
全方向性感震素子を得ることができる。つまり慣性球を
上部接触部材で下部接触部材に対して押さえ付けている
ために慣性球の重量以上の力で接触させることができ、
従来のものと比較して小型の慣性球を使用しても接触状
態を安定させることができる。
【0040】また下部接触部材をその接触部が慣性球方
向に付勢される構造とすることにより、例えば接触部を
固定された接点とした場合に問題となる所定の振動以下
での慣性球の揺動や微妙な上下動等による接触状態の変
化に起因する抵抗値の変動による信号処理装置の誤動
作、誤判断を防ぐことができる。
【0041】また上部絶縁体又は保護板と下部絶縁体が
協働して慣性球のハウジング内面への直接の接触を防止
するため、最大振幅時に感震素子がオン信号を出力して
しまうことはなく、また例えば感震素子の傾斜時や転倒
時等にオン信号が出力されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感震素子の一実施例の縦断面図
【図2】本発明の感震素子の他の実施例の要部縦断面図
【図3】本発明の感震素子の他の実施例の縦断面図
【図4】図3の実施例のA−A断面矢視図
【図5】本発明の感震素子の他の実施例の縦断面図
【図6】(A)本発明の感震素子の他の実施例の縦断面
図、(B)同じく横断面図
【図7】(A)本発明の感震素子を使用した感震器の実
施例の縦断面図、(B)同じく横断面図
【図8】従来の感震素子の例の縦断面図
【符号の説明】
1,21,41,51:感震素子 2:ハウジング 3:円板 5:導電端子ピン 6,26:下部絶縁体 6B,26B:傾斜面 7:下部接触部材 7A:接触部 8:慣性球 9:上部接触部材 9A:羽根状部 10,60:保護板 11,31:上部絶縁体 27:下部接触部材 27A:接触部 27C:固定部 27D:接続部 46:絶縁体 71:感震器 72:ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 慎司 名古屋市南区宝生町4丁目30番地 株式会 社生方製作所内 (72)発明者 小関 秀樹 名古屋市南区宝生町4丁目30番地 株式会 社生方製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の円板と有底円筒形の導電性のハ
    ウジングにより気密容器を構成し、前記円板のほぼ中心
    に穿たれた孔に導電端子ピンが電気絶縁性充填材により
    気密に貫通固定され、ほぼ中央から外側に向けて同心円
    状に緩やかに上昇する傾斜面が形成され且つ中心部に貫
    通孔が設けられた電気絶縁体がハウジングの底面に実質
    的に固定されており、ハウジング内の底面又は底面近傍
    には導電性の下部接触部材の一端がハウジングと電気的
    に接続されるように設けられ下部接触部材の他端である
    接触部が前記絶縁体の貫通孔に挿通され、前記絶縁体の
    傾斜面上には導電性の慣性球が揺動可能にかつハウジン
    グが正規姿勢で静止しているときには重力により傾斜面
    の中心の貫通孔上に位置し前記下部接触部材の接触部と
    接触し電気的に接続されるように収納され、導電端子ピ
    ンの容器内部側端部には導電端子ピンを中心としてほぼ
    同心円上に接触部を配設する複数のしなやかな弾性を有
    した羽根状部を持つ導電材製の上部接触部材が羽根状部
    を常に前記慣性球に接触させ電気的に接続されるように
    固定され且つ上部接触部材の変形を防ぐための保護板が
    固着され、所定値以上の振動を受けることにより慣性球
    が前記貫通孔上を離れて傾斜面上を揺動し下部接触部材
    との接触を断つ様に構成され、静止時の慣性球は自身の
    重量と上部接触部材の弾性とにより下部接触部材の接触
    部に押し付けられていることを特徴とする感震素子。
  2. 【請求項2】 下部接触部材は弾性を有した形状とされ
    ており、その接触部は慣性球が絶縁体の貫通孔上に位置
    するときには常に慣性球に対して押し付けられる付勢力
    が与えられていることを特徴とする請求項1に記載の感
    震素子。
  3. 【請求項3】 絶縁体は傾斜面を有し密閉容器のハウジ
    ング内の底面近傍に固定された下部絶縁体と、上部接触
    部材近傍にほぼ円筒形をして設けられた上部絶縁体とか
    らなり、上部絶縁体及び下部絶縁体が協働することによ
    り慣性球が最大移動位置に移動したときにもハウジング
    内面とは電気的に直接接触しないようにされていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の感震素
    子。
  4. 【請求項4】 上部絶縁体はハウジング内面に固定され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の感震素子。
  5. 【請求項5】 上部絶縁体は導電端子ピンに固定されて
    いることを特徴とする請求項3に記載の感震素子。
  6. 【請求項6】 保護板及び下部絶縁体が協働することに
    より慣性球が最大移動位置に移動したときにもハウジン
    グ内面とは電気的に直接接触しないようにされているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感震素
    子。
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