JPH08500720A - スリップ制御方法および装置 - Google Patents
スリップ制御方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
車両駆動装置(7)の、レールまたは道路ないし道の変化するスリップ状態に対する迅速なトルク適合を、車両速度を知る必要なしに、可能にするために、トルク制御が従属している回転数制御装置が使用される。入力側が回転数制御器(6)の出力側に接続されている、粘着よく最大値の探索運動を実施するためのファジィ制御器(1)が、車両加速度に相当する加速度実際値(bistF)が供給される加算素子(3)に加速度補正値(bk)を送出する。この車両速度は、駆動装置(7)の駆動輪から取り出される回転数実際値信号(nist)から微分および低域フィルタ(8)を用いた高速の平均値形成によって形成される。加算素子(3)は、積分増幅器(4)および別の加算素子(5)を介して回転数制御器(6)に接続されている。
Description
【発明の詳細な説明】
スリップ制御方法および装置
技術分野
本発明は、請求項1および8の上位概念に記載のスリップ制御方法および装置
から出発している。
従来技術
請求項1および8の上位概念によって、本発明は、M.Buscher等著の論文“Rad
schlupfregelung fuer Drehstromlokomotiven”(Elektrische Bahnen,91(1
993年)5,第163ないし178頁)によって公知であるような従来技術に
基づいている。そこには、シミュレーション計算に基づいて、種々異なった駆動
構想および種々異なった作動条件における車輪スリップ制御が示されている。回
転数制御は、加速度目標値から積分によって得られた回転数目標値に依存して行
われる。この加速度目標値は、適応化された車両加速度と、制限器ロジックおよ
び探索ロジック並びに車輪の実際回転数に依存している加速度偏差とから形成さ
れる。発生する最大のトルク目標値は、極値メモリにファイルされかつ連続的に
その都度の実際値と比較される。
上述の探索方法は、最大値のない粘着力特性曲線に対しては使用できない。
西独国特許第4020350号明細書に、下位のトルク制御部を装備した、車
輪−レールコンタクトの粘着力最大値に基づいた、従輪車軸のない電気牽引車の
車輪組の回転数の自動適合制御方法および装置が示されており、そこでは探索ロ
ジックが最初任意の方向におけるスリップを調整しかつ、トルク上昇またはトル
ク低下が生じたかどうかを検査する。トルク低下の場合は探索方向が反転される
。連続的に上昇する差速度によって伝達すべきトルクの低下が発生しない粘着力
状態を検出するために、トルク目標値差信号が探索ロジックの入力側におけるし
きい値を上回らなかったときも、加速度低減をトリガする付加段が設けられてい
る。
この方法を、第3図の粘着力特性曲線S2に基づいて説明する。第3図には、
粘着力特性曲線の4つの基本形S1−S4が示されている。縦軸には、粘着力係
数ないし摩擦係数μがとられており、横軸には、速度差Δvがとれている。
乾いたレールでは、粘着力特性曲線S1およびS2が当てはまる。連続的に上
昇する粘着力特性曲線S1において、発生する牽引力の制限のために、比較的高
い作動点に達することはできない。粘着力特性曲線S2は、速度差Δv2におい
て摩擦係数μの最大値μmaxを有する。最大値μmaxの左側では作動は安定してお
り、その右側では不安定である。西独国特許第402
0350号明細書に記載の探索ロジックは、2つの状態によって動作し、この2
つの状態の間で往復切り換えされる。状態1−加速開始−において、スリップは
目標加速度を高めることによって増大される。回転数制御によって調整されたト
ルクが上昇する場合、トルク値は最大値メモリに記憶される。トルクが粘着力最
大値を上回った後に再び低下するとき、最大値は記憶されたままに留まる。目標
トルクが、速度差値Δv3における摩擦係数μの実際値μistに相応して、速度
差値Δv4における摩擦係数μのしきい値ないし限界値μGを下回るや否や、状
態2−加速度低減−へ切り換えることによって、探索方向が反転される。
この状態2において、スリップは目標加速度の低減によって低減される。状態
1におけるように、ここでも、目標トルクの経過が観測されかつ速度差値Δv1
における限界値μGを下回った際に、再び状態1に切り換えられる。動作点が常
に、粘着力最大値を中心に振動するこの探索ストラテジーは、粘着力特性曲線が
大きくなるスリップに対して低下するときにのみ機能する。平坦な粘着力特性曲
線S3,S4では、トルクは加速の際に低下せず、かつしきい値を下回らない。
これにより、差速度は常に増加する。このことを回避するために、周期的にリセ
ットパルスが発生され、その結果探索方向、ひいてはスリップが低減される。
この方法はさらに、著しく大きいスリップを回避す
るために、連続的に増大する粘着力特性曲線S3,S4において別の手段を必要
とする。それは負荷変化が生ずる場合あまりフレキシブルではなくかつ障害に陥
り易い。しかも比較的に多数のパラメータを必要とする。軸負荷振動および別の
障害により、探索方向の不必要な切換が生じることがある。計算された牽引質量
がずれていることがあり、これにより加速度目標値は誤ったものになる。
湿った、汚れのあるレールでは、粘着力特性曲線S3、S4が該当し、その際
最初急峻で、それから平坦に上昇する粘着力特性曲線S3は湿った状態に対して
典型的でありかつフラットに上昇する粘着力特性曲線S4は油っぽい状態に対し
て典型的である。
実際には、レール状態または曲率半径の変化による歪みが生じる。走行期間中
、例えばトンネル侵入、軌道移行部、雨の降り始めの時など、状態が急激に変化
することがある。破線で示された粘着力特性曲線S5は、同時にモータトルクが
高められる場合の、レール状態の変化の期間の動作点の、平坦な粘着力特性曲線
S4から高い粘着力特性曲線S3への経過を示している。
牽引車の出力が連続的に増大するに従って、考えられるすべての作動状況にお
ける高い牽引力の信頼できる実現がますます重要になってくる。殊に、パワーコ
ンバータ技術を使用した非同期モータの導入により、
大きなトルクの発生が可能になる。直巻モータを装備した従来の大抵の、急峻な
トルク/回転数特性曲線を有する駆動装置が比較的穏やかなスリップ特性を呈し
ている一方、トルク制御される3相交流駆動装置ではもはやこのことは生じない
。水平な特性のために、この種の駆動装置は、スリッププロセスの後、トルクを
低減する制御器を用いなければ、機械的な破壊に至るまで著しく加速することに
なる。このことを防止するために、効果的でかつ迅速なスリップ保護が必要であ
る。
粘着力に対する最も重要な影響量は、駆動輪とレルとの間の相対運動である。
この相対運動を表すために、速度差Δvまたはスリップが用いられる。
スリップ検出および最大粘着力の利用のために、速度差Δvおよび摩擦係数μ
を求めるための測定値が必要である。通例、2つの測定量を使用することができ
る:モータによって発生されるトルクおよび駆動輪速度。しかし絶対牽引速度を
求めることは難しい。牽引速度は、従輪を用いてまたはレーダを用いてまたはシ
ミュレーションによって、すなわち擬似従輪軸を用いて求めることができる。し
かしこれら付加的な措置は不都合である。
従輪軸のない牽引車では、ほんの短時間で、車両速度を求めることが可能であ
る(ヨーロッパ特許出願公告第0141157号公報参照)。そこでは、モータ
の牽引力は22sの時間間隔で3sの持続時間の間、所属の駆動輪のスリップが
消失しかつ車輪速度が車両速度に等しくなるまで、低減される。
機関車駆動装置におけるスリップ制御のためにファジィロジックを使用する可
能性は、スイス国の会社報:ABB Technik 3(1993年)、第1
3ないし20頁から公知である。その際、目標トルクを表すテスト信号とモータ
軸の角速度との間の位相シフトが、駆動装置に対する安定性尺度として使用され
る。
当該技術として付加的に、ヨーロッパ特許出願公開第0297485号公報に
車両のアンチロックシステムが記載されている。そこでは、車両速度と車輪速度
との差の、車両速度に対するスリップ比が前以て決められた限界値を上回ってい
るかどうかが検出される。その際、車両の車輪速度の目標速度がファジィロジッ
クまたはファジィ推論を用いて、制動圧力誤差に対する計算されたインデックス
に依存しておよび、測定された制動圧力から導出される、制動減速度または制動
加速度に依存して並びに車両加速度の振幅に依存して形成される。その際、車両
の実際速度を求めるための計算方法が必要である。
フアジィ関数、メンバシップ関数の形成、帰属度の計算および重心形成のため
に、C.C.Lee 著,Fuzzy Logic in Control Systems:Fuzzy Logic Controller-Pa
rtI and II in:IEEE Transaction on Systems,M
an and Cybernetics,Vo1.20,No.1990年、第404ないし418
頁、第419ないし435頁が参考になる。
発明の開示
請求項1および8も定義されているような本発明の課題は、冒頭に述べた形式
のスリップ制御方法および装置を、車両駆動装置の、レールまたは舗装道路ない
し未舗装道路の変化する粘着状態に対する迅速なトルク適合が、正確な車両速度
を知る必要なしに可能になるように、改良することである。
本発明の効果は、粘着力最大値を上回った場合にも、申し分ない制御特性が保
証される点にある。しばしば粘着力最大値において走行することができる。本発
明の方法は、付加的な手段なしに、最大値のない平坦な粘着力特性曲線に対して
も使用可能である。制御のためにほんの僅かなパラメータが必要なだけである。
牽引力ないし加速度しきい値を予め設定する必要はない。
図面の簡単な説明
次に本発明を実施例に基づいて説明する。
第1図は、ファジィロジックを用いた車輪スリップ制御の基本ブロック図であ
り、
第2図は、ファジィロジックを用いた粘着力最大値を計算するためのフローチ
ャートを示す図であり、
第3図は、典型的な粘着力特性曲線を示す線図であ
り、
第4図および第5図は、粘着力特性曲線に基づいた種々の作動例を説明する線
図であり、
第6図および第7図は、計算機シミュレートされた粘着力特性曲線を示す線図
であり、
第8図ないし第10図は、第1図のファジィ制御器の入力メンバシップ関数を
示す線図であり、
第11図は、第1図のファジィ制御器の出力メンバシップ関数を示す線図であ
る。
発明を実施するための方策
簡単にするために以下に物理量およびその信号は同じ参照符号で表す。第1図
において、軌道車両に対するスリップ制御回路が図示されており、比例積分微分
制御器として構成されている回転数制御器6は出力側において、トルク目標値Msoll
を、車輪−レールコンタクトを有する駆動装置7、例えば電気機械Ma、さ
らにはファジィ探索器ないしファジィ制御器1および微分素子2に送出する。微
分素子の出力側は、ファジィ制御器1に接続されている。回転数制御器6は、図
示されていない主速度制御器から速度目標値MLまたは機関士によって、回転数
制御器6において形成されるトルク目標値Msollを必要に応じて制限する目標ト
ルク信号MLが供給される制限器6´を含んでいる。トルク目標値制限のこの簡
単な手段は、ファジィ制御器1を用いたスリップ制御に対して、あたかも車輪−
レールコンタクトが、第3図の水平な粘着力特性曲線S3を有するかのように作
用する。この場合は、例えば加速度信号を周期的にリセットするような付加的な
手段なしに、ファジィ制御器1によって同様に処理することができる。
駆動装置7は、図示されていないトルク制御器を有しており、このトルク制御
器から、トルク目標値Msollに代わって探索方法を実施するために使用すること
ができるトルク実際値信号Mistを導出可能である。駆動装置7は出力側におい
て、駆動モータの回転数実際値信号nistを第1の加算素子5の反転入力側およ
び微分素子9に送出する。加速度実際値bistに相当する微分素子の出力信号は
、低域フィルタ8を介して、平均化またはフィルタリングされた加速度実際値bistF
として第2の加算素子3の非反転入力側に供給される。このフィルタリング
は、3sないし10sの領域にわたる平均化に相当する。ファジィ制御器1は、
出力側において、その時の加速度補正値bkを第2の加算素子3の非反転入力側
に供給する。同時にファジィ制御器1には、この加速度補正値bkが第3の入力
量として供給される。第2の加算素子3は出力側において、加速度目標値bsoll
を積分増幅器4に供給し、積分増幅器4から回転数目標値nsollを第1の加算素
子5の非反転入力側に送出する。第1の加算素子の出力側は、回転数制御器6の
入力側に接続されている。目
標速度を求める際に、駆動輪直径および変速機の変速比が考慮される。
第2図にはフローチャートにおいて、第1図のファジィ制御器1および微分素
子2において実施されるような、粘着力最大値、例えば第3図の粘着力特性曲線
S2における最大値μmaxを探索する際の最も重要な計算ステップが示されてい
る。
スタートブロック10によって示されているようにスタート後、初期化ブロッ
ク11に示されているように、時間差Δt、時間変数または測定値検出時間t、
旧加速度補正値bkaltおよびトルク目標値の変化ΔMsollが値0にセットされる
。引き続いて、計算ブロック12に示されているように、加速度補正値bkがフ
ァジィ関数fFuzzyを用いて旧加速度補正値bkalt、実トルク目標値Msollおよ
びその時間的な変化ΔMsoll/Tに依存して計算される。
その後、機能ブロック13に示されているように、実加速度補正値bkが旧加
速度補正値bkaltとして記憶される。同様に、実トルク目標値Msollが旧トルク
目標値Msollaltとして記憶される。
それから、決定ブロック14に示されているように、その値が例えば計算機の
クロック発生器によって、探索過程の間高められる時間差Δtが、探索運動ない
し評価サイクルの例えば500msの前以て決められたサイクル時間間隔Tに等
しいかどうかが調べられる。
ノーであれば、評価サイクルが完了するまで、決定ブロック14の入力側に戻さ
れ、その他の場合には、機能ブロック15に示されているように、時間差Δtが
0にセットされる。次の測定値検出時間tは、t+Tとなる。
すなわち、実測定値は、サイクル時間間隔Tのインターバルにおいて検出され
かつこのサイクル時間間隔Tの間、記憶される。次のサイクル時間間隔Tの間、
これら測定値および実加速度補正値bkは旧値として記憶される。
その後、機能ブロック16に示されているように、トルク目標値Msollの変化
が、Msollalt−Msoll(t)から計算されかつ計算ブロック12の入力側にジ
ャンプする。
トルク制御は、極めて短い時間内に粘着力最大値を上回った際に、大きなスリ
ップ値を惹き起こす。この状況により、加速および減速の際の制御措置が必要に
なる。したがって、本発明の方法は、トルク制御を基礎とした回転数制御に基づ
いている。粘着力最大値を検出することができるように、連続的な探索ストラテ
ジーが必要である。存在する2つの測定量、すなわちトルク目標値Msollおよび
駆動モータMaの回転数実際値信号nistに基づいて、スリップ特性を次の8つ
のケースI−VIIIに定性的に区別することができ、その際ケースI−IVは第4
図に示されておりかつケー
スV−VIIIは第5図に示されている。
ケースI :加速度は低減されかつ生じるトルクは増大する。
ケースII :加速度は高められかつ生じるトルクは低下する。
ケースIII :加速度は高められかつ生じるトルクは増大する。
ケースIV :加速度は低減されかつ生じるトルクは低下する。
ケースV :加速度は一定に留まるが、生じるトルクは低下する。摩擦係数μは
比較的良好な値をとる。次のステップにおいて、正の方向において探索される。
ケースVI :加速度は一定に留まるが、生じるトルクは低下する。摩擦係数μは
比較的不良な値をとる。しかしこの場合探索方向は一義的に決定することができ
ないが、加速度は、探索運動を再びトリガするために、高められる。
ケースVII :加速度が減少するが、生じるトルクは一定に留まる。摩擦係数μは
、良好な値をとらずかつ変化せずに留まる(平坦なμ曲線)。不必要な摩耗を回
避するために、加速度を低減しなければならない。
ケースVIII:加速度が上昇するが、生じるトルクは一定に留まる。摩擦係数μは
、良好な値をとらない。加速度は、ケースVIIにおけるように、低減しなければ
ならない。
回転数制御に基づいて、速度差Δvの変化を目標加速度の変化によって同じよ
うに識別することができるという認識が重要である。加速度が上昇すると、差速
度も同様に増加する、すなわち動作点は右方向に移動し、そうでない場合には左
方向に移動する。回転数制御は、トルク目標値Msollの適合化によって、目標回
転数nsollおよび実際回転数nistが同じに留まるように考慮する。その場合加
速度目標値bsollは、フィルタリングされた車輪加速度bistFおよび実加速度補
正値bkからbsoll=bistF+bkに従って形成される。加速度補正値bkは、動
作点が最大値μmaxの方向に移動するように、選択すべきである。
そこで粘着力最大値は、次の探索ストラテジーに従って検出することができる
:
探索運動を開始する、
回転数実際値信号nistの特性を、実加速度補正値bkおよび実トルク目標値Mso ll
から間接的に解釈する、軸加速度を正しい方向において変化する。
それぞれの検出されたケースに対して、加速度補正を次の表1に従って行うこ
とができる。
車輪のレールに対する粘着力特性曲線(S1−S4)は、作動中連続的に変化
する。回転数制御によって、この経緯を定性的にも検出することができる(第5
図参照)。
一般に、加速度は、摩擦係数μの高い値において僅かに低減されかつ低い値に
おいて著しく高められるべきである。相応の作動状態は、トルク実際値によって
大まかに推定することができる。この最後のストラテジーは、一般的に有効な予
防措置である。それは、規則表2において定義されている。始動の際にも、すな
わちまだ加速度およびトルク変化が生じていないとき、列車はこのストラテジー
によって十分に加速されるべきである。
連続的な加速度補正量bkを求めるために、ファジィ推論方法が使用される。
これにより、規則表2において、例えば“小さな正”、“大きな正”のような言
語変数を用いて表化することができるイメージ関数またはファジィ関数fFuzzy
を定義することが可能にな
る。ファジィ規則表2は、ファジィ関数fFuzzyに相当する。それは、決定スト
ラテジーを目でわかるように表すために用いられる。
言語変数は、次の意味を有する:
N=負、Z=0、P=正、L=低、H=高、PS=正,小、PB=正,大、NB
=負,大、NS=負,小、PVS=正,非常に小、NBS=負,非常に小。iは
、規則Riに従って、値1−11をとることができる連続変数である。xi(bk alt
),yi(dMsoll/dt),zi(Msoll)およびCi(bk)は、規則Ri
に対
するそれぞれの変数のメンバシップ関数を表す。
ファジィ関数fFuzzyを形成するために必要な推論メカニズムは、3つのステ
ップから成っている:ファジィ化、推論およびデファジィ化。推論の一層正確な
計算ステップは、冒頭に述べた、C. C. Lee 氏の論文に記載されている。3つの
入力量のデファジィ化のために、時間に依存した正規化される。すなわち、それ
らは第8図ないし第11図に示されているように、最小値−1および最大値+1
に関連したメンバシップ関数が使用される。
第8図は、メンバシップ関数N(dMsoll/dt),Z(dMsoll/dt)お
よびP(dMsoll/dt)を示し、その際横座標に入力量がとられておりかつ縦
座標に出力値または真理値がとられている。メンバシップ関数Nは、dMsoll/
dt=−1からdMsoll/dt=N1まで値1をとる。dMsoll/dt=N1か
らdMsoll/dt=0まで、メンバシップ関数Nは、1から0にリニヤに下降す
る。値N1は、−0.2から−0.4までの領域内にある。メンバシップ関数P
は、dMsoll/dt=0ないし1の値領域において、0軸に関してメンバシップ
関数Nに対して鏡像関係にある。メンバシップ関数Zは、台形型でありかつ同様
に、0軸に関して鏡像関係にある。それは、負の領域において、0から0.7な
いし0.9の領域にある頂上値までリニヤに上昇する。つまりそれは、−0.2
から−
0.4の値領域にあるdMsoll/dt値Z0から始まって、−0.1ないし−0
.2の領域にあるdMsoll/dt値ZSに至る。
第9図には、第8図のメンバシップ関数に類似している時間に依存したメンバ
シップ関数N(bkalt),Z(bkalt)およびP(bkalt)が示されている。値
N1の代わりに、−0.4から−0.6の領域にある値N1´になっている。メ
ンバシップ関数Nは、−0.1ないし−0.2の領域にある値N0´において既
に値0をとる。値Z0のところには、値N0´より小さい、−0.2から−0.
4の領域にある値Z0´がある。メンバシップ関数Zの頂上値は、0.8ないし
0.9の領域にある。それは、bkalt値N0´において達する。
第10図には、時間に依存したメンバシップ関数L(Msoll)およびH(Mso ll
)が示されている。メンバシップ関数Lは、1から0までリニヤに下降し、す
なわちMsoll値−1から始まって、−0.4ないし−0.5の領域にあるMsoll
値L0に至る。メンバシップ関数Hは、0から1までリニヤに上昇し、すなわち
−0.5ないし−0.7の領域にあるMsoll値H0から始まって、Msoll値+1
に至る。H0は、L0より小さい。
第11図は、それぞれ加速度補正値bkに依存している、0の基底値および1
の最大値を有する6つの三
角形のメンバシップ関数または出力関数NB,NS,NVS,PVS,PS,P
Bを示している。メンバシップ関数PBは、値0.7ないし0.9の領域にある
bk値PBIにおいてその最大値を有する。メンバシップ関数PSは、値0.3
ないし0.5の領域にあるbk値PSIにおいてその最大値を有する。メンバシ
ップ関数PVSは、値0.1ないし0.3の領域にあるbk値PVSIにおいて
その最大値を有する。負のメンバシップ関数NB,NS,NVSは、正のメンバ
シップ関数に対して0軸に関して鏡像関係にある。
そこで、帰属度
αi=xi(bkalt)∧yi(dMsoll/dt)∧zi(Msoll)、
(ただしαi=min(xi(bkalt))、(yi(dMsoll/dt))、(zi(
Msoll))の意味を有している)
が形成され、ここでiは、表2に示されている規則1−11に対する連続変数で
ありかつこれらの論理的な関係は、表2に存在している量に対してのみ形成され
る。
規則R1に対する帰属度αiは次の通りである:bkalt=NおよびdMsoll/
dt=Nに対しては、bk=PBである。規則R10は優性である。Msoll=L
であれば、bk=PBである。
この帰属度αiおよび出力量bkのメンバシップ関数
ciから、次の制御規則決定は次のように計算される:
βci(w)=αi∧ci(w)
なお、βci(w)=min(αi,ci(w))(Mamdaniによる最小値演算)
または
βci(w)=αi・ci(w)(Larsen によるスカラー積演算)
ただし(w)は、bkの連続変数である。全体の結論は、
βc(w)=Σβci
によって得られ、ただしiに関して1からm(m=表2に示された規則の数)ま
で加算される。
実加速度補正値bk、すなわちファジィ関数fFuzzyの計算された値は、
bk=(Σwi)/m ただしi=1からmに従ってm=11個のbk
値(wi)の平均値として計算することができ、ただしwiは、βci(wi)がそ
の最大値を有する、bkの値である。
実加速度補正値bkは、
bk=(Σβci(wi)・wi)/Σβci(wi)
に従った“重心”として計算することもでき、ただしiに関して1からmまで加
算される。
第6図および第7図には、シミュレートされた粘着力特性曲線S1−S4が示
されている。シミュレーション中、異なった粘着力特性曲線S1−S4の間を急
激に切り換えることができる。Aは、粘着力特性曲線S2,S3におけるその都
度の動作点を表す。
ファジィ推論方法は、ファジィ関数fFuzzyにおける上述の探索ストラテジー
をシミュレートするための方法である。しかしこの種の関数は、例えばニューロ
ンネットワークを用いてまたは、その推論が同じ入力量を有する関数によって定
義される多項式のような別の方法を用いて近似的に実現することもできる。
回転数制御に代わって、加速度制御を使用することができる。その際積分素子
4を省略することができる。その場合、回転数実際値信号nistの代わりに、加
速度実際値bistが加算素子5に供給される。その際回転数制御器6は加速度制
御器として使用される。加算素子5は勿論、回転数制御器6に集積することがで
きる。
表2に示されているような入力量毎に3つのメンバシップ関数H,L,K…に
代わって、冒頭に述べた、C. C. Lee 氏の論文に記載されているように、3より
多くの、例えば7つのメンバシップ関数をシミュレートすることができる。トル
ク目標値Msollの代わりに、ファジィ関数fFuzzyを計算するためにトルク実際
値Mistを使用することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.a)少なくとも1つの駆動輪を有する少なくとも1つの駆動装置(7)を備 え、前記駆動輪から、回転数実際値信号(nist)または該回転数実際値信号( nist)に比例する信号を検出し、 b)前記駆動装置(7)を、制御されるトルク目標値(Msoll)に依存して制御 し、 c)車両加速度目標値(bsoll)を、粘着力最大値に対する探索方法に依存して 形成し、 d)前記探索方法を、トルク目標値(Msoll)またはトルク実際値(Mist)に 依存して実施し、 e)前記車両加速度目標値(bsoll)を、車両加速度実際値(bistF)および該 車両加速度実際値に付加される加速度補正値(bk)に依存して形成する、車両 におけるスリップ制御方法において、 f)前記探索方法を、時間的に以前の加速度補正値(bkalt)に依存して実施す る ことを特徴とする車両におけるスリップ制御方法。 2.a)前記スリップ制御を、回転数目標値信号(nsoll)と回転数実際値信号 (nist)との差信号に依存して行い、 b)前記回転数目標値信号(nsoll)を、前記車両加速度目標値(bsoll)から 導出し、 c)前記車両加速度実際値(bistF)を、前記回転 数実際値信号(nist)から微分および後続の平均値形成によって形成する 請求項1記載の方法。 3.前記回転数目標値信号(nsoll)を、前以て決められた目標トルク信号(ML )に依存して制限する請求項1または2記載の方法。 4.前記平均値形成を、低域フィルタリングによって実施する 請求項3記載の方法。 5.前記探索方法をさらに、前記トルク目標値(Msoll)または前記トルク実際 値(Mist)の時間的な導関数に依存して実施する 請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 6.加速度補正値(bk)を探索方法においてファジィ規則決定を βci(w)=min(αi,ci(w)) またはβci(w)=αi・ci(w) の重心として計算し、ただしαi=min(xi(bkalt),yi(dMsoll/d t),zi(Msoll))であり、 その際それぞれの規則(Ri)において存在するメンバシップ関数のみを考慮し 、w=bkの連続変数,bkalt=以前の加速度補正値、dMsoll/dt=トルク 目標値Msollの時間的な導関数、xi=i番目のファジィ規則Riのbkaltのi番 目のメンバシッ プ関数、yi=i番目のファジィ規則RiのdMsoll/dtのi番目のメンバシッ プ関数、zi=i番目のファジィ規則RiのMsollのi番目のメンバシップ関数、 ci=i番目のファジィ規則Riのbkのi番目のメンバシップ関数、iは1≦i ≦11によリ決まる連続変数であり、N=負、Z=0、P=正、L=低、H=高 、PS=正,小、PB=正,大、NB=負,大、NS=負,小、PVS=正,非 常に小、NBS=負,非常に小の言語変数を有する、11のファジィ規則Riの メンバシップ関数は: 請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 7.a)入力量dMsoll/dtは、−1から−0.4≦N1≦−0.2を有する 前以て決められた値N1までの領域において値1を有しかつ引き続いてdMsoll /dt値0まで値0に低下する負のメンバシップ関数Nを有し、 b)同一の入力量はさらに、0を中心とした領域において、台形型のメンバシッ プ関数Zを有し、該メンバシップ関数は、dMsoll/dt値0に関して鏡像関係 にありかつ−0.4≦Z0≦−0.2を有する前以て決められた値から−0.2 ≦ZS≦−0.1を有する前以て決められた頂上開始点まで0から0.7−0. 9の領域にある頂上値まで上昇しかつ c)同一の入力量はさらに、正の領域において、メンバシップ関数Pを有し、該 メンバシップ関数は、dMsoll/dt値0に関してメンバシップ関数Nに対して 鏡像関係にあり、 d)入力量bkaltは、−1から−0.6≦N1´≦−0.4を有する前以て決め られた値N1´までの領域において値1を有しかつ引き続いて−0.2≦N0´ ≦−0.1を有するbkalt値N0´まで値0に低下する負のメンバシップ関数を 有し、 e)同一の入力量はさらに、0を中心とした領域において、台形型のメンバシッ プ関数Zを有し、該メンバシップ関数は、bkalt値0に関して鏡像関係に ありかつ−0.4≦Z0´≦−0.2を有する前以て決められた値Z0´から前 以て決められた頂上開始点(N0´)まで値0から0.8−0.9の領域にある 頂上値まで上昇しかつ f)同一の入力量はさらに、正の領域において、メンバシップ関数Pを有し、該 メンバシップ関数は、bkalt値0に関してメンバシップ関数Nに対して鏡像関係 にあり、 g)入力量Msollは、−1から−0.5≦L0≦−0.4を有する前以て決めら れた値L0までの領域において値1から値0まで低下する負のメンバシップ関数 Lを有し、 h)同一の入力量はさらに、−0.7≦H0≦−0.5を有する前以て決められ た値H0から終値1まで値0から終値1まで上昇するメンバシップ関数Hを有し かつ、 i)出力量bkは、負の領域3において、3角形のメンバシップ関数NB,NS ,NVSを有し、該メンバシップ関数は、bk値0に関して正のメンバシップ関 数PB,PS,PVSに対して鏡像関係にあり、 j)前記メンバシップ関数PBは、0.7ないし0.9の領域にあるbk値(P BI)においてその最大値1を有し、 k)前記メンバシップ関数PSは、0.3ないし0. 5の領域にあるbk値(PSI)においてその最大値1を有し、 1)前記メンバシップ関数PVSは、0.1ないし0.3の領域にあるbk値( PVSI)においてその最大値1を有し、その際すべての値は、正規化された量 に関連付けられている 請求項6記載の方法。 8.a)少なくとも1つの駆動輪を有する少なくとも1つの駆動装置(7)を備 え、前記駆動輪から、回転数実際値信号(nist)または該回転数実際値信号( nist)に比例する信号が取り出し可能であり、 b)出力側が前記駆動装置(7)に作用接続されておりかつ該駆動装置を、制御 されるトルク目標値(Msoll)に依存して制御する加速度または回転数制御器( 6)を備え、 c)出力側が前記加速度または回転数制御器(6)に作用接続されておりかつそ の非反転入力側に車両加速度目標値(bsoll)または回転数実際値信号(nist )が印加される第1の加算素子(5)を備え、 d)前記第1の加算素子(5)の反転入力側に、加速度実際値信号(bist)ま たは回転数実際値信号(nist)が供給され、 e)入力側が前記加速度または回転数制御器(6)の出力側または前記駆動装置 (7)のトルク実際値 信号(Mist)に対する出力側に作用接続されている、粘着力に対する探索ロジ ック(1)を備え、 f)前記探索ロジック(1)の出力側に作用接続されている第1の非反転入力側 と、前記回転数実際値信号(nist)に対する駆動装置(7)の出力側に作用接 続されている第2の非反転入力側とを有する第2の加算素子(3)が設けられて おり、 g)その際前記第2の加算素子(3)の出力側は、前記第1の加算素子(5)の 非反転入力側に作用接続されている、 車両におけるスリップ制御装置において、 h)前記探索ロジックは、トルク目標値(Msoll)、その時間導関数および以前 の加速度補正値(bkalt)に依存して出力側に実加速度補正値(bk)を前記第 2の加算素子(3)に供給するファジィ制御器(1)である ことを特徴とする車両におけるスリップ制御装置。 9.前記駆動装置(7)の、回転数実際値信号(nist)に対する出力側は、微 分素子(9)および後置接続されている低域フィルタ(8)を介して前記第2の 加算素子(3)に作用接続されている 請求項8記載の装置。 10.前記第2の加算素子(3)は、積分増幅器(4)を介して前記第1の加算 素子(5)に作用接続されている 請求項8または9記載の装置。
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