JPH08501151A - 敗血症の早期検出、重篤度測定、および治療に伴なう敗血症経過の評価のための方法、ならびにその方法の実施手段 - Google Patents

敗血症の早期検出、重篤度測定、および治療に伴なう敗血症経過の評価のための方法、ならびにその方法の実施手段

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Abstract

(57)【要約】 敗血症の早期検出方法、治療に伴なう敗血症経過の評価のための重篤度測定法、ならびにこれらの方法の実施手段。敗血症の早期検出、重篤度の測定、および治療に伴なう敗血症経過の評価のための方法、ならびにこの方法の実施手段が開示される。本発明によれば、患者の体液サンプル中の、ペプチドプロカルシトニンおよび/または成熟カルシトニンではないそれから形成される部分ペプチドの含量が測定される。特定ペプチドの測定された存在および量から、敗血症の存在、その重篤度および/または治療処置の成功についての結論が出される。

Description

【発明の詳細な説明】敗血症の早期検出、重篤度測定、および治療に伴なう敗血症経過の評価のための 方法、ならびにその方法の実施手段 本発明は、敗血症の診断方法、特にその早期検出と重篤度の測定、ならびに治 療に伴なう敗血症治療の成功調査方法に関する。 これらの方法は、それ自体公知のあるペプチドおよびおそらくその断片のあるも のがこの種の病気の信頼できる生物学的マーカーであって高濃度で出現し、それ らは古典的検出手段によって比較的簡単に検出され得る、という新知識に基づく ものである。 この病気のより現代的な理解にしたがえば、本出願中で用いる「敗血症」とい う用語は、主として通常無菌の組織に微生物が侵入した結果である熱、白血球増 加、意識変化、筋力過多循環[「ウォームショック」(warm shock)]、代謝亢 進状態が観察される臨床像を要約する。他方、以前は敗血症の特徴であると理解 されていた血中微生物の陽性検出は、敗血症の診断にとって重要性が減ってきた 。なぜなら、臨床研究において、敗血症患者の予後は感染、特に細菌感染の重篤 度に依存するのではなく、生物体の敗血症性反応の重篤度によることが示された からである(G.Pilz,S.Fateh-MoghadamおよびK.Werdan,Krankenpflege-Jour nal 29 (1991)、pp.483-492およびそこに引用された刊行物参照)。したがっ て、敗血症評価のための陽性血液培養に加え、またはそれに替えて、現在種々の ラボラトリーパラメーターおよび血行力学的パラメーターが測定され、敗血症の 経過を診断し評価するのに考慮されている。これらの診断、評価には、必要であ れ ばコンピュータによるいわゆるスコアシステム、例えば上記の刊行物に記述され ているAPACHE [急性生理学および慢性健康評価(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)]II Scoreを使用する。しかし、これまでのところ、単独 のパラメーターで信頼性のある生物学的マーカーとして適切で、その測定が敗血 症の診断に非常に有効であるというものは知られていない。これまで使用されて きたすべてのパラメーターは特異性の面で不十分であるか、または敗血症の重篤 度の信頼できる評価および治療調査を可能としない。また、そのうえ腫瘍壊死因 子(TNF)、インターロイキン6(IL−6)等のインターロイキン類などの 物質の測定が、臨床測定としては余りにも複雑で、費用がかかり、および/また は時間がかかる。 それゆえ、比較的容易に測定できて、その質的および特に量的決定が敗血症の 診断と経過の評価に関して高度に指示的である、信頼できる生物学的マーカーが いまなお緊急に必要とされている。 本発明の目的は、新しい生物学的マーカーが臨床条件下でも実施可能な方法で 測定され、その測定が敗血症の診断およびその経過の評価をくだすうえで非常に 適切な結果を与える、敗血症の早期検出方法および重篤度の測定方法を提供する ことにある。 この目的は、請求の範囲に記載された方法および手段にしたがって達成された 。本発明は、それ自体は公知のペプチドであるプロカルシトニン(procalcitoni n)および、必要であれば、その高分子開裂産物のあるものが敗血症の非常に適 切な生物学的マーカーであり、患者の体液サンプル中のそれらの濃度が敗血症の 重篤度について高度に適切な結論を可能とし、したがってこれらは敗 血症の経過の評価および治療調査の有益なパラメーターである、という驚くべき 発見に基づいている。 したがって、ペプチドプロカルシトニンの測定による敗血症診断の可能性は、 実際的興味が非常に大きいものである。なぜなら、敗血症の症例に出現する他の 公知の可能性のある生物学的マーカー、例えばサイトカイン類(インターロイキ ン類、TNF)は、普通極めて低い濃度でのみ存在する不安定な分子で、そのた めそれらの測定は日常的臨床診断としてはあまりにも複雑すぎ、時間が掛かり、 したがって費用もかかる。本発明にしたがって測定すれば、これまでの医学的知 識からすれば全く驚くべきことであるが、敗血症の場合プロカルシトニン含量は 著しく上昇しており、ng範囲(約1ng、特に血清または血漿サンプルmlあ たり10ng以上500ngまで、またはそれ以上)の濃度が得られる。他方、 健康人では、公知の最良のプロカルシトニン測定法によってもプロカルシトニン は検出されない(サンプル中の濃度0.1ng/ml未満)。同時に、敗血症の 場合、本発明によればカルシトニン濃度の増加は全く観察されない。これは、注 目すべきことである。なぜなら、現在に至るまで一般にプロカルシトニンはカル シトニン前駆体と見なされており、その存在はカルシトニン形成をもたらすもの だからである。 本発明の方法によって測定さるべきペプチドプロカルシトニン、およびおそら くそのタンパク質分解開裂産物とおもわれるものは公知であり、その定量および 定性免疫診断決定に適切な測定方法も公知である。 プロカルシトニンは116アミノ酸からなるペプチドで、現在 までこれについては、ある遺伝子(CALC−1)の翻訳/発現の中間体として 出現し、複数の組織、特に甲状腺C細胞および腫瘍細胞においてカルシトニンの 前駆体としてペプチドホルモンカルシトニンの形成をもたらし、この初めの遺伝 子(CALC−1)はプロカルシトニンの形成とは別にプロカルシトニンとは長 さおよび第51から116番目のアミノ酸配列が異なるプロカルシトニン遺伝子 関連ペプチドの形成を制御していることが知られている[J.Biol.Chem.,261 ,31(1986),pp.14386-14391参照]。 一般的な知識によれば、プロカルシトニンは遺伝子CALC−1のあるタイプ の遺伝子発現によって形成される、一次タンパク質プレプロカルシトニン(prep rocalcitonin)のタンパク質分解産物で、その出現の公知の場合においては、3 2アミノ酸配列(プロカルシトニンの第60から81アミノ酸)に対応する成熟 カルシトニン放出のもとで一般にさらに段階的分解を受ける。中でも、この過程 においてまずN−プロカルシトニン−(1−57)−ペプチドおよびC−プロカ ルシトニン−(60−116)−ペプチドと称される、より大きい2つのペプチ ドが形成される。後者のペプチドは、さらにホルモンカルシトニンおよびカタカ ルシン(katacalcine)として知られるペプチドに分割される[Biochem.J.256 (1988) 245-250;およびCancer Research 49 (1989),6845-6851参照]。J. Biol.Chem., 226、36、pp.24627-24631より、上記の刊行物に記述されたプロ カルシトニンとは別に、プロカルシトニンの変異体がヒト甲状腺C細胞で形成さ れ、これは最初のプロカルシトニンとC末端の最後の8アミノ酸が異なっ ていることが最近判明した。このペプチドもまた本発明の意味における「プロカ ルシトニン」とみなされるべきである。なぜなら、現在、本発明の開発に用いた 免疫診断的測定方法はこれら2つのプロカルシトニン、およびあり得るその他の 密接に関連したペプチドを区別することができないからである。それゆえ、本発 明の意味における「プロカルシトニン」は、公知の分子プロカルシトニン、C末 端にそれから逸脱するアミノ酸組成を有する上記したその変異体、およびさらに 存在する可能性のある変異体でその測定に用いられる選択的免疫学的診断測定法 、特に刊行物Cancer Res.49,(1989),6845-6851に言及しながら以下に述べる モノクローナル免疫放射能測定アッセイにおいて、同等の反応性を示すものを含 む1つまたは複数のペプチドをいう。 これらのペプチドはすべて57個またはそれ以上のアミノ酸、特に完全なプロ カルシトニンのように116アミノ酸よりなるペプチド配列を含有し、その公知 の配列に対応するかまたはその部分配列を表わす。ここでプロカルシトニンの第 108から116アミノ酸に対応するアミノ酸領域での逸脱があり得る。 診断上の目的にカルシトニンおよび関連ペプチドの検出を用いた以前の試みに 関して、カルシトニンは多くの悪性疾病について有益な生物学的マーカー(腫瘍 マーカー)であることが知られており、カルシトニンの特異的測定のために複数 の免疫診断測定方法がすでに開発されていて、これらの方法は特異的モノクロー ナル抗体を用いて実施される[例えば、Clinica Chimica Acta (1988),174, pp .35-54; Immunol.,Vol. 141,pp.3156-3163; J.Endocr.(1988) 119,pp.3 51-357参照]。 また、カルシトニン前駆体、例えばプロカルシトニンおよびC−プロカルシト ニン−(60−119)−ペプチドなどを測定するため、免疫診断測定法がすで に開発されており、この方法は免疫放射能測定アッセイ(IRMA)の原理にし たがって実施するもので、これは1対のモノクローナル抗体を用いてカルシトニ ンとは別にプロカルシトニンを選択的に測定することが可能である。モノクロー ナル抗体の1つはカルシトニン配列の外部領域(カタカルシンのアミノ酸第1か ら11番目、またはプロカルシトニンのアミノ酸第96から107番目)に特異 的で、この抗体は例えば固定された形でこの配列を含む分析サンプルからペプチ ドを抽出するのに使用され、他方IRMAサンドイッチを形成するのに使用され る第2のマークされたモノクローナル抗体は、カルシトニンの第11から17ア ミノ酸(プロカルシトニンの第70から76アミノ酸)に対応する領域に特異的 である。このように、このイムノアッセイでは、カルシトニン領域及びカタカル シンの第1から11アミノ酸を有し、したがって完全なプロカルシトニンまたは そこから得られる指示された領域をもつペプチド、例えばC−プロカルシトニン −(60−116)−ペプチドなどに相当するペプチドのみが検出される[Canc er Res.49 (1989),pp.6845-6851参照]。利用可能な複数のモノクローナル抗 体から、公知の方法ではmAbKC01およびmAbCT08と称する抗体が選 択され、これらはKasn=0.9−3.0x1010-1の範囲の会合定数を有 した。この公知の方法は、本発明による測定方法に直接、またはJ.Immunol.,V ol.141, No.9,(1988),pp.3156-3163の開示に基づいて得ることができる同様 のモノクロ− ナル抗体を用いて、使用することができる。この方法においては、プロカルシト ニン増加を臨床目的のため特に明快で容易に評価できる方法で規定する測定のた めに、上記のものと同様の高親和性を有する1対の抗体を使用しなければならな い。 例えば、本発明の方法に有用な1対のモノクローナル抗体は、免疫原としてC T−TT[カルシトニン−テタヌストクソイド(Calcitonin-Tetanustoxoid)]を 用いて、CT21と同様の結合特性を有する抗体の作成のための以前に記載され た免疫感作方法(Motteら、J. Immunol. 138 (1987), 3332)にしたがって作成 することができる。KC01と同様の結合特性を有する抗体は、Biozzi高応答者 (responder)マウス[Biozziら、J. Exp. Med. 132 (1970), 152]をKC−TT [カタカルシン−テタヌストクソイド(katacalcin-tetanustoxoid)]で免疫感 作して得ることができる。ここでは、記述された方法にしたがって、15μgの ペプチドからなる4回の注入をそれぞれ別の経路から行なった。すなわち、フロ イント完全アジュバント(FCA)を用いる皮下注射、フロイント不完全アジュ バント(FIA)を用いる皮下注射、FIAを用いる腹腔内注入、および0.1 5mol/L塩化ナトリウムを用いる静脈注射である。免疫感作スケジュールは 13から30週間に及ぶ。結合体(conjugate)の最後の静脈注射の3日後に、 マウスを屠殺し、脾臓を除去し、脾臓細胞を40%ポリエチレングリコールを用 いてNSIマウス骨髄腫細胞系と融合する[Belletら、J. Clin. Endocrinol. M etab. 56 (1983), 530参照]。ハイブリドーマ上清液は、ELISAアッセイを 用いて、特異的抗体産生に関してスクリーニングすることができる。限界 希釈法によりクローン化した後、ハイブリッド細胞をBALB/cヌード(nu/n u)マウスの腹腔内に移植し、10〜14日後に腹水を回収する。この腹水より 、Manilらの記述にしたがって、4℃での50%硫酸アンモニウム沈降およ びタンパク質Aクロマトグラフィーを用いてモノクローナル抗体を精製すること が可能である[J. Immunol. Methods 90 (1986), 25参照]。ハプテン−キャリ アー結合体CT−TTまたはKC−TTは、グルタールアルデヒドをカップリン グ剤として用いて、CTまたはKCを別々にTTに結合することにより調製する ことができる[Audibertら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 79 (1982)、5042 参照]。 以下の実施例に記述する測定では、1対のモノクローナル抗体が使用され,そ こには上記の抗体mAbKC01、および抗体mAbCT21が含まれた。この 抗体mAbCT21は、プロカルシトニン分子への結合の点および親和性の点で 、上記の刊行物に記述された抗体mAbCT08に非常に似ている(会合定数Kasn =3.0x1010-1)。モノクローナル抗体KC01およびCT21を 産生するハイブリドーマは"DSM‐Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH",Mascheroderweg 1B, 38124 Braunschweig, Germany に、 ブダペスト条約の規定に従って、それぞれDSM ACC2124およびDSM ACC2125という受託番号のもとに1993年4月20に寄託された。 Cancer Res. 49 (1989), pp. 6845-6851に記載された方法は、プロカルシトニ ンまたはC−プロカルシトニン−(60−119)−ペプチドまたはその両方の サンプル中の含量を濃度数値で 提供する。または、両方のペプチドの安定性が同等のときは、サンプル中のプロ カルシトニンの初期総濃度の数値を提供する。本発明にしたがってプロカルシト ニンを測定する際に使用し得る方法については、我々は明確に上記の刊行物およ びそこで引用されている刊行物を参照する。それらの内容は、本出願の開示を補 うため参照として本出願に含められる。 上記の刊行物において、腫瘍マーカーとしての適切性をチェックするために、 プロカルシトニンの測定を行なうという試みがなされた。腫瘍患者におけるプロ カルシトニンとカルシトニンのレベルは平行的であることが立証されており、そ こからプロカルシトニンとカルシトニンは両方とも甲状腺の腫瘍性C細胞から誘 導されるという結論が導かれた。上記の刊行物ではさらに、悪性疾患は患ってい ないがある種の深刻なウイルス感染にかかっている患者でも、プロカルシトニン レベルが上昇することが立証された。これらの場合、カルシトニンレベルは同時 に上昇しなかった。これらの患者は敗血症患者ではなく、彼らの病気は敗血症に 何ら関係がなかった。 本発明によって、驚くべきことにプロカルシトニンレベルと敗血症の存在およ びその重篤度との間に密接な相関関係があることが立証された後、敗血症および (大抵の場合明らかにより低い程度で直接これらの症例を敗血症から区別できる )ある種の深刻なウィルス感染にかかっている患者における、カルシトニンレベ ルの同時的上昇を伴なわないプロカルシトニンレベル上昇の原因について付加的 考察がなされた。甲状腺全摘出を受けた1人の敗血症患者において、それでもな お敗血症として有意なレベルのプロ カルシトニンの増加を検出できたので、敗血症の場合、プロカルシトニンは甲状 腺で形成されないことが明らかで、別の器官がそれを行なっている。ウイルス性 肝炎におけるプロカルシトニンの上昇したレベルについて、作業仮説として上記 の別の器官が肝臓であると仮定すると、プロカルシトニンレベルの上昇はまず第 一に肝細胞に対するウイルス性疾患の直接的影響として説明することができ、他 に同一の肝細胞に対する、敗血症に責任のあるバクテリアによって産生された内 毒素の間接的であるがより効果的な影響として説明できよう。しかし、この事後 説明は作業仮説であり、実験によって実証された学説ではないことを強調しなけ ればならない。 深刻なウイルス性疾患における上昇したプロカルシトニンレベルの出現は、本 発明による敗血症の診断方法にたいして次のような影響をもつ。すなわち、もし プロカルシトニンレベルが深刻なウイルス性疾患においても見出だされるほどの 比較的低い程度までしか上昇しないならば、このようなウイルス性疾患の存在は 敗血症の診断を行なう前に排除されなければならない。 さらに、慢性腎不全とその結果ペプチド排泄障害をわずらっている患者におい ては、おそらくプロカルシトニンのようなペプチドのレベルが上昇していること が予想されるが、しかしそのレベルは、その点に関しては健康な患者がもつのと 同一な臨床的関連性をもたない。しかし、臨床診断を確立しようとする医師は、 容易にこれらの状況を考慮することができる。 本発明は、上に記述した公知の、プロカルシトニン測定のための特定の測定方 法の使用に限定されるものではなく、それ自体公 知の他の測定方法をも包含する。そこには、他のモノクロ−ナルまたはポリクロ ーナル抗体を用いる、例えばN−プロカルシトニン−(1− 57)−ペプチド および特にそのアミノ酸第51から57に対する特異性を利用する方法が含まれ る。このように、上に記述した方法に用いられたプロカルシトニンのカルシトニ ン領域に結合するマークされたモノクローナル抗体とmAbKC01の代わりに 、N−プロカルシトニン−(1−57)−ペプチドの領域に対するポリクローナ ル抗体を一般に用いても、両方の場合においてプロカルシトニン含量について類 似の濃度が得られることが示された。このことは、もし指示されたポリクローナ ル抗体が使用されると、無傷のプロカルシトニンペプチドの場合、検出される領 域は1つの分子内だけに存在するという事実に基づき、以下の結論を示唆する。 すなわち、敗血症の場合、無傷のプロカルシトニンのレベルは実際に上昇し、そ れから形成される部分ペプチドはせいぜい2次的重要性しかもたない。 原則として、本発明による方法は、もし十分な感受性と特異性を提供するその ような方法が存在するか、または開発され得るならば、免疫診断的方法以外の方 法、例えばHPLCを手段としてプロカルシトニンを測定して実施することもで きる。 さらに、本発明によるプロカルシトニンの測定は現在のところ主に血清または 血漿サンプルで実施されているが、本発明による方法は原則として他の体液、例 えば全血および尿などにおけるプロカルシトニンの測定をも、もしこれらの体液 においてもプロカルシトニンレベルが再現性のある方法で測定し得ることが判明 したならば、包含する。 この技術の現状について、Surgery, Vol. 108, 6 (1990), pp.1097-1101に、 敗血症患者においてカルシトニンと関連しているペプチドCGRPの血漿レベル がpg範囲で僅かに上昇した(対照のヒトにおける2.0+0.3pg/mlと 比較し、14.9+3.2pg/ml)ことが報告されていることを付け加えて おく。これらの発見は、その他の関連ペプチドのレベルについて、いかなる結論 を引き出すことも許さない。また、本発明による方法における上昇と比較した正 常な濃度と比べての有意に低い絶対濃度および敗血症の場合における有意に低い 相対的上昇は、敗血症マーカーとしてのCGRPの測定は適切でないことを示唆 している。 さらに、Lancet 1,(1983)、p. 294に、子供における深刻な髄膜炎菌血症の症 例において、観察されたカルシトニンレベルが2倍から3倍に上昇したと報告さ れているが、以下の刊行物Pediatr. Res. 18,(1984),p. 811には、測定された 物質はおそらく無傷のカルシトニンではなかったと訂正された。しかし、実際に 測定された物質がなんであったかについてはなにも指示されていない。記述され た症例における、正常値の約3倍に至った観察された上昇は、本発明の方法によ る1000倍の範囲でのプロカルシトニンの上昇と比較するべきである。この比 較は、指示された刊行物が本発明にとって関連のある開示ではないことを示す。 以下に、提供した情報の適切性を立証する臨床データを参照しながら、本発明 の方法をより詳細に記述する。 すべてのプロカルシトニン測定は、Cancer Res. 49 (1989), pp. 6845-6851に 記述されたプロカルシトニン測定方法にしたがっ て、モノクローナル抗体KC01(DMS ACC2124)およびCT21( DSM ACC2124)(上記参照)を使用して実施した。 実施例は本発明を例証するものであり、本発明をなんら制限するものではない 。 実施例1種々の疾患によって入院している子供におけるプロカルシトニンレベルの測定 種々の疾患によって入院している子供の異なるグループのプロカルシトニンレ ベル(pCT)を測定した。 結果は表1に要約されている。 以下のことが分かるであろう。すなわち、敗血症患者においては180ng/ mlまでのpCT(プロカルシトニンレベル)が得られ、それに対し「普通の」 ウイルス性疾患ではpCT値は最大で2ng/mlまで上昇した。極めて深刻な 腸および肝臓のウイルス性疾患の場合のみ、pCT値は16ng/mlまで上昇 し、1つの症例では35ng/mlを示した。 実施例2病気の経過をAPACHE II スコアによって同時に観察してきた敗血症患者における pCTレベルと病気の重篤度との相関性 心臓手術の後、静脈内シュードモナス−IgG敗血症療法によって治療された 20人の敗血症患者におけるpCTレベルを5日間観察し、同時に彼らの病状を APACHE II スコアにしたがって評価した。結果は、次の表2に要約してある。 表2より以下のことが明らかに見て取れるであろう。すなわち、成功した敗血 症治療に応答した場合(応答者)は、pCTレベルが臨床状態の改善に伴ない低 下したが、これに対し治療に非応答の場合(非応答者)は、pCTレベルがほぼ 変わらず高いままであった。非応答者の場合、最初のpCTレベルが応答者のも のより有意に高く、したがって前者の病気重篤度がより大きいことも分かるであ ろう。APACHE II スコアの数値と比較すると、pCTは敗血症の異なる重篤性の グレードを有意に明確に表わしている。このことは死亡率の数字によっても確認 される。 これらの結果はさらに、敗血症の治療中、初期段階でのpCTレベルの測定は 、治療の成功に関する信頼できる情報を与えることを示しており、このためもし 必要であれば選択された治療法の変更に関する早期の決定、例えば別の抗生物質 調製物の選択などが可能となる。 皮膚移植に関連して敗血症が発症し、種々の抗生物質調製物で治療されていた 火傷患者からも、同様の結果を得ることができた。治療の成功は常にpCT濃度 の有意な低下を伴なった。そして1つの症例では、第1の抗生物質調製物を用い た最初の治療への非応答(これはpCT濃度が一定のままだったので分かった) を、抗生物質調製物を変えることによって早期に正し、第2の抗生物質調製物に たいして応答させることができた。これはpCTレベルがただちに低下したので 認識できた。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年8月24日 【補正内容】請求の範囲 1.敗血症の早期検出、その重篤度の測定、および治療に伴なう敗血症経過の評 価のための方法であり、患者の体液サンプルにおけるペプチドプロカルシトニン および/または成熟カルシトニンではないそれから形成される部分ペプチドの含 量を測定し、測定されたその特定ペプチドの存在および量が敗血症の存在、その 重篤度および/または治療処置の成功を指示することを特徴とする方法。 2.プロカルシトニンおよび/またはN−プロカルシトニン−(1−57)−ペ プチドおよび/またはC−プロカルシトニン−(60−116)−ペプチドを測 定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 3.免疫診断法によって対応する1個または複数のペプチドを測定する方法であ って、モノクローナル抗体または第1のモノクローナルもしくはポリクローナル 抗体と第2のモノクローナル抗体との組合わせを使用し、抗体はそのままでまた は相互に結合してプロカルシトニンまたはそれから形成されるペプチドに特異的 であり、それがこれらのペプチドおよび成熟カルシトニンおよびCGRPペプチ ドの弁別を可能にする、請求項1または2に記載の方法。 4.免疫測定アッセイを手段としてプロカルシトニンを測定する方法であって、 プロカルシトニンとカルシトニンを含むそのタンパク質分解産物の弁別が可能と なるように、サンプル由来のプロカルシトニンと結合させるために、マーキング に用いる第2のモノクローナル抗体とは別の領域でプロカルシトニンと結 合する第1のモノクローナル抗体を用いる、請求項3に記載の方法。 5.第1のモノクローナル抗体とは別に、プロカルシトニンと結合させるため、 プロカルシトニン分子ともう1つの別な領域で結合する少なくとももう1つのモ ノクローナル抗体を使用する、請求項4に記載の方法。 6.完全なプロカルシトニンおよび/またはC−プロカルシトニン−(60−1 16)−ペプチドを選択的に検出する免疫測定アッセイを手段としてプロカルシ トニンを測定する、請求項3から5のいずれか一つに記載の方法。 7.完全なプロカルシトニンおよび/またはN−プロカルシトニン−(1−57 )−ペプチドを選択的に検出する免疫測定アッセイを手段としてプロカルシトニ ンを測定する、請求項3から5のいずれか一つに記載の方法。 8.プロカルシトニン含量が1ng/ml以上のサンプルであれば敗血症の存在 の可能性を指示し、プロカルシトニン含量が10ng/mlから500ng/m lの範囲かまたはそれより高ければ敗血症の重篤度進行および悪化した予後と相 関している、請求項7に記載の方法。 9.同時に並行測定でカルシトニンレベルを測定し、カルシトニンレベル上昇の 証拠がないことが行なわれるべき敗血症の診断を可能とする、請求項8に記載の 方法。 10.上昇したプロカルシトニンレベルの理由としての深刻なウイルス性疾患の 存在が排除され得るならば、約20ng/mlまでの範囲のプロカルシトニンレ ベルが行なわれるべき敗血症 の診断を可能とする、請求項8または9に記載の方法。 11.体液サンプルとして血清または血漿サンプルを使用する、請求項1から1 0のいずれか一つに記載の方法。 12.モノクローナル抗体がモノクローナル抗体KC01(DSM ACC21 24)または抗体CT21(DSM ACC2125)である、請求項1から1 1のいずれか一つに記載の方法。 13.請求項1から12のいずれか一つに記載の方法を実施するためのキットで あって、血清または血漿サンプル中の0.1から500ng/mlの量のプロカ ルシトニンを測定するためのものであり、以下のものを含有する手段であるキッ ト: サンプル由来のプロカルシトニンと結合するための、1個または複数の、キャリ アーに固定された第1のモノクローナルまたはポリクローナル抗体; マーカーを有し、第1の抗体の結合領域とは別の領域でプロカルシトニンと結合 するもう1個のモノクローナル抗体;および通常使用される補助的物質。 14.第1の、またはもう1個のモノクローナル抗体が、それぞれ抗体KC01 (DSM ACC2124)または抗体CT21(DSM ACC2125)で ある請求項13に記載のキット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,M G,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD ,SK,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.敗血症の早期検出、その重篤度の測定、および治療に伴なう敗血症経過の評 価のための方法であり、患者の体液サンプルにおけるペプチドプロカルシトニン および/または成熟カルシトニンではないそれから形成される部分ペプチドの含 量を測定し、測定されたその特定ペプチドの存在および量が敗血症の存在、その 重篤度および/または治療処置の成功を指示することを特徴とする方法。 2.プロカルシトニンおよび/またはN−プロカルシトニン−(1−57)−ペ プチドおよび/またはC−プロカルシトニン−(60−116)−ペプチドを測 定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 3.免疫診断法によって対応する1個または複数のペプチドを測定する方法であ って、モノクローナル抗体または第1のモノクローナルもしくはポリクローナル 抗体と第2のモノクローナル抗体との組合わせを使用し、抗体はそのままでまた は相互に結合してプロカルシトニンまたはそれから形成されるペプチドに特異的 であり、それがこれらのペプチドおよび成熟カルシトニンおよびCGRPペプチ ドの弁別を可能にする、請求項1または2に記載の方法。 4.免疫測定アッセイを手段としてプロカルシトニンを測定する方法であって、 プロカルシトニンとカルシトニンを含むそのタンパク質分解産物の弁別が可能と なるように、サンプル由来のプロカルシトニンと結合させるために、マーキング に用いる第2のモノクローナル抗体とは別の領域でプロカルシトニンと結 合する第1のモノクローナル抗体を用いる、請求項3に記載の方法。 5.第1のモノクローナル抗体とは別に、プロカルシトニンと結合させるため、 プロカルシトニン分子ともう1つの別な領域で結合する少なくとももう1つのモ ノクローナル抗体を使用する、請求項4に記載の方法。 6.完全なプロカルシトニンおよび/またはC−プロカルシトニン−(60−1 16)−ペプチドを選択的に検出する免疫測定アッセイを手段としてプロカルシ トニンを測定する、請求項3から5のいずれか一つに記載の方法。 7.完全なプロカルシトニンおよび/またはN−プロカルシトニン−(1−57 )−ペプチドを選択的に検出する免疫測定アッセイを手段としてプロカルシトニ ンを測定する、請求項3から5のいずれか一つに記載の方法。 8.プロカルシトニン含量が1ng/ml以上のサンプルであれば敗血症の存在 の可能性を指示し、プロカルシトニン含量が10ng/mlから500ng/m lの範囲かまたはそれより高ければ敗血症の重篤度進行および悪化した予後と相 関している、請求項7に記載の方法。 9.同時に並行測定でカルシトニンレベルを測定し、カルシトニンレベル上昇の 証拠がないことが行なわれるべき敗血症の診断を可能とする、請求項8に記載の 方法。 10.上昇したプロカルシトニンレベルの理由としての深刻なウイルス性疾患の 存在が排除され得るならば、約20ng/mlまでの範囲のプロカルシトニンレ ベルが行なわれるべき敗血症 の診断を可能とする、請求項8または9に記載の方法。 11.体液サンプルとして血清または血漿サンプルを使用する、請求項1から1 0のいずれか一つに記載の方法。 12.モノクローナル抗体がモノクローナル抗体KC01(DSM ACC21 24)または抗体CT21(DSM ACC2125)である、請求項1から1 1のいずれか一つに記載の方法。 13.請求項1から12のいずれか一つに記載の方法を実施するためのキットで あって、血清または血漿サンプル中の0.1から500ng/mlの量のプロカ ルシトニンを測定するためのものであり、以下のものを含有する手段であるキッ ト: サンプル由来のプロカルシトニンと結合するための、1個または複数の、キャリ アーに固定された第1のモノクローナルまたはポリクローナル抗体; マーカーを有し、第1の抗体の結合領域とは別の領域でプロカルシトニンと結合 するもう1個のモノクローナル抗体;および通常使用される補助的物質。 14.第1の、またはもう1個のモノクローナル抗体が、それぞれ抗体KC01 (DSM ACC2124)または抗体CT21(DSM ACC2125)で ある請求項13に記載のキット。 15.ハイブリドーマKC01(DSM ACC2124)によって産生される モノクローナル抗体。 16.ハイブリドーマCT21(DSM ACC2125)によって産生される モノクローナル抗体。 17.ハイブリドーマKC01(DSM ACC2124)。 18.ハイブリドーマCT21(DSM ACC2125)。
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