JPH08501255A - 金属物体の曲げ加工法 - Google Patents
金属物体の曲げ加工法Info
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-
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Abstract
(57)【要約】
金属板を直線に沿って曲げる方法であって、板上の選択された帯状部を広幅の衝突エネルギ−ビ−ムによって局部的に加熱することを特徴とする方法。選択された帯状部は、液体の冷却流で冷却される。この場合、冷却流は、エネルギ−の流れの背後から短い距離だけ離れて移動する。従って、広幅のエネルギ−ビ−ムによって衝突された側に膨らみが生じるように、板を曲げることができる。
Description
【発明の詳細な説明】
金属物体の曲げ加工法
本発明は、平板状および零ガウス曲率の曲面板状の金属物体を1本のあるいは
複数の直線に沿って曲げ加工および超過曲げ加工する方法にある。この方法によ
れば、平板を直線に沿って、熱放射が付与される側に膨らみが生じるように曲げ
ることができ、また、予め曲げられた板を、凹凸面側から直線に沿って熱放射を
付与することによってさらに曲げ加工することができ、いずれの場合も、曲率す
なわち曲げ角度を増すことができる。
また、この方法によれば、種々の厚みの、特に硬質で脆い金属物体を成形する
ことができる。この方法による成形は、成形工具を用いる必要がなく、また外力
を物体に作用させる必要がない点に特徴がある。
ポリッシュ特許(第155358号)において開示されている金属物体を曲げ
加工する方法は、曲げられる金属の厚みに対してビ−ム径が小さい、「狭幅ビ−
ム」を使用する点に特徴がある。この方法によれば、平板状又は零ガウス曲率の
曲面板を、熱放射が付与される側に膨らみが形成されるかあるいは膨らみを増大
するように曲げることができる。一方、零ガウス曲率の曲面板すなわち予め曲げ
られた板を凸面側から加熱すると、この膨らみが消滅する。この「狭幅ビ−ム」
法は、金属物体を成形する能力に限界がある。この方法は、小さい内径の閉鎖円
筒あるいは閉鎖円錐面を成形する場合に用いることができない。何故なら、この
方法は、物体の内側の中空空間にビ−ムを導入し、表面と直交させてビ−ムを移
動させる必要があるからである.
本発明は、成形される物体を、選択された直線に沿って、十分に広幅のエネル
ギ−ビ−ムによって深部まで加熱し、その金属物体の加熱帯状部を、ビ−ムの背
後でかつ十分離れた位置において、自然冷却するか又は外的要素によって冷却す
る、単一又は多重曲げ線に沿って局部的に処理する2段プロセスによって構成さ
れる。従って、金属物体は直線に沿って永久曲げ変形し、特に、平板が加熱され
ると、加熱側に膨らみが形成され、一方、予め曲げられた板すなわち零ガウス曲
率の曲面板が加熱されると、熱放射が凸面側又は凹面側のいずれから付与されて
も、曲げ角度(曲率)が増大する。
曲げ加工(又は超過曲げ加工)において、直線に沿って速度「V」で移動する
エネルギ−ビ−ムは、熱放射が付与される側においては幅「a」および長さ「b
」の帯状部を、反対側においては、少なくとも幅「a」の1/3および少なくと
も長さ「b」の1/3の寸法の帯状部を、金属の塑性が増大する温度「T1」以
上の温度に加熱する。
エネルギビ−ムで加熱された帯状部は、環境温度又はT1未満の温度にまで、
ビ−ムの背後でかつ距離「b」だけ離れた位置で液体蒸気によって冷却される。
なお、冷却蒸気は、加熱側および/又は非加熱側の表面に付与される。
加熱帯状部の最小長さbminは、加熱帯状部の幅の2倍よりも小さく設定する
ことができない。
平板の場合、加熱帯状部の最小幅aminは、少なくとも板厚の7倍以上である
。
予め曲げられた板すなわち曲面板において、加熱帯状部の深さ「h」が厚み「
g」の半分よりも小さい場合、式amin=〔7−6(h:g)〕gによって計算
される加熱帯状部の最小幅aminを用いて、平板の場合と同じ方法で超過曲げ加
工を行うことができる。
予め曲げられた板すなわち曲面板において、加熱帯状部の深さ「h」が厚み「
g」の半分に等しいか又は大きい場合、エネルギビ−ムを凸面および/又は凹面
に付与することによってさらに曲げることができる。
上記の曲面板をさらに曲げる場合、曲げ線に沿った接面上の突出部において測
定される、加熱帯状部の最小幅、aminは材料厚みの4倍より小さく設定するこ
とができない。
曲げ部又は超過曲げ部の表面寸法の最小値は、加熱帯状部の長さ「b」の5倍
よりも小さく設定できない。
平板又は曲面板の自由端から曲げ線又は超過曲げ線までの最小距離は、加熱帯
状部の幅「a」の2倍より小さく設定できない。
金属板を被覆する目的で使用される熱放射吸収体は、加熱および液体による冷
却の繰り返しに耐え、被覆する金属と化学反応を生じてはならない。
平板又は零ガウス曲率の曲面板を多数の直線に沿って曲げ加工又は超過曲げ加
工を行うことによって、中間可展面を有する新規の曲面板を形成することができ
る。
「広幅ビ−ム」を利用した本発明の方法は、外部の凸面側から熱放射を付与す
ることによって超過曲げ加工を行うことができる。「広幅ビ−ム」を用いる他の
利点は、「狭幅ビ−ム」を適用した場合と比較して、曲げ線に沿って一度に大き
な曲げ角度を得られる点である。また、以下に示すように、「広幅ビ−ム」、ポ
リシュ特許(第155358号)に記載される「狭幅ビ−ム」による板の成形機
構とはまったく異なる板の成形機構を(特に、内部力に関して)もたらす。「狭
幅ビ−ム」と「広幅ビ−ム」を用いた2つの曲げ加工方法を比較すると、これら
の方法は互いに相補的な関係にあり、両者を併用することによって、広範な板の
成形プロセスを実施することが可能になる。
以下、本発明を、実施例に基づき、図面を参照してさらに詳細に説明する。
図1は、金属の温度に依存する塑性に関する一般的な関係を示す略図である。
縦軸は、一軸張力が付与された場合の塑性限界σplと最大伸びεmxを表し、横軸
は金属の温度Tを表す。このモデルから明らかなように、温度T1以上で、金属
の塑性が増大し、その結果、塑性限界が低下し最大伸びが増大する。金属は、温
度T2においていかなる応力の付加がなくても塑性流動を生じる状態になり、そ
して、温度Tmで溶融する。
図2は、平板の加熱と冷却の状態を示す略図である。パワ−「E」および径「
D」のエネルギ−ビ−ムが曲げ直線i−iに沿って、相対速度Vで幅「b」の加
熱帯状部を移動し、そのビ−ムの背後でかつ距離「b」だけ離れた位置で冷却さ
れる。冷却は、物体の熱放射に晒される側およびその反対側で行われる。 図3
は、帯状部a×b×gの変形と加熱の最小値を示す。この図から、以下のことが
判明する。すなわち、直接加熱された側において、全表面a×bがT1以上の温
度に達し、一方、熱放射に晒されていない側において、少なくとも「a」の1/
3および「b」の1/3の寸法を有する帯状部がT1以上の温度に達している。
勿論、曲げプロセスは、熱放射に晒されていない側においても全表面a×bがT1
以上の温度に達した場合に最も効果的である。
図4は、予め曲げられた板すなわち零ガウス曲率の曲面板において、帯状部の
深さ「h」が板厚「g」の半分よりも大きい場合の、加熱と冷却を示す略図であ
る。パワ−「E」および径「D」のエネルギ−ビ−ムは、速度Vで予め曲げられ
た直線に沿って、(突出された)幅「a」の加熱帯状部を加熱し、その後、ビ−
ムの背後でかつ距離「b」だけ離れた位置で冷却される。加熱と冷却は、凸面側
又は凹面側から行うことができる。いずれの場合も、amin=4gおよびbmin=
2aである。
図5は、a×b×gでかつ深さh>0.5の帯状部の変形と加熱の最小値(凸
面側又は凸面側のいずれが加熱に晒されても影響されない)を示す図である。図
から以下のことが判明する。すなわち、直接加熱された側において、全表面a×
bがT1以上の温度に達し、一方、熱放射に晒されていない側において、少なく
とも「a」の1/3および「b」の1/3の寸法を有する帯状部がT1以上の温
度に達している。これらの条件を満たすことが、加熱又は冷却の方法に関わらず
、耐久製のある超過曲げ加工を得るのに必要である。
図6aおよび図6bは、加熱帯状部とそれ以外の硬質で加熱されていない材料
間に作用する力系の特性を示す図である。
図7aおよび図7bは、円筒および円錐表面の成形例を示す図である。図にお
いて、直接加熱された表面側に膨らみ部が生じ、その膨らみ部の形状は適当な複
数の直線に沿った連続的な曲げによって得られる。
図8は、広幅ビ−ムによって鋼板を曲げ加工した例を示す図である。
図9は、広幅ビ−ムによって予め曲げられた鋼板を超過曲げ加工した例を示す
図である。
広幅ビ−ムを用いた曲げ加工方法において、成形プロセスは加熱帯状部とそれ
を取り巻く材料間の相互作用に依存し、材料の剛性が重要な役割を演じる。従っ
て、曲げ線は、材料の自由端から、加熱帯状部の幅「a」よりも接近して設定さ
れてはならない。
加熱中、幅「a」、深さ「h」および長さ「b」を有する帯状部は、少なくと
も加熱側において、表面に隣接する帯状部a×bの層の全体が塑性を増大する温
度に加熱され、反対側において、表面に隣接する帯状部(幅「a」の1/3およ
び長さ「b」)の層の一部が塑性の状態に達する温度に加熱される。
加熱帯状部の幅「a」は、通常、所望の曲げ(成形)の条件と使用されるビ−
ムのパワ−E、径Dおよび速度Vによって決定される。しかし、加熱帯状部の最
小幅aminが存在し、それ以下の幅の加熱帯状部に対しては、ここに述べる曲げ
の方法が実施できない。幅aminは、成形される物体の厚み「g」と2種類の成
形プロセス(平板の曲げと、予め曲げられた平板すなわち曲面板の超過曲げ)の
いずれを選択するかによって決定される。
平板の曲げ加工の場合、加熱帯状部の最小幅は、amin=7gである。従って
、曲げプロセスを実現するために必要な条件は、a>amin=7gである。
予め曲げられた板すなわち零ガウス曲率を有する曲面板の超過曲げ加工の場合
、加熱帯状部は深さ「h」、(突出された)幅「a」および長さ「b」を有する
円筒面の円弧部であり、帯状部における厚み「g」に対する深さ「h」の比率は
ここでは非常に重要である。
加熱帯状部の深さ「h」が厚み「g」の半分より小さいとき(h<0.5g)
、予め曲げられた板すなわち零ガウス曲率の曲面板は、平材として処理される。
そして、最初の曲げを考慮して、aminは式amin=7〔7−6(h:g)〕gに
よって計算される。
加熱帯状部の深さ「h」がh>0.5gの場合、超過曲げに関する上記の原理
をこの予め曲げられた板すなわち曲面板に適用し、最小(突出)幅はamin=4
gとなる。h>0.5gおよびamin=4gの条件は超過曲げ加工を行うための
必須条件である。
冷却工程において、加熱帯状部の長さ「b」を限定し、また、加熱帯状部を包
囲する部分の温度を大気温度又は少なくとも金属の塑性に影響を与えない温度に
まで下げる必要がある。加熱帯状部の長さ「b」を限定することによって、この
帯状部を包囲する材料の剛性を増大させることができる。しかし、長さ「b」は
、曲げ加工又は超過曲げ加工の実際の条件によって最終的には決定されるべきで
ある。加熱帯状部の長さ「b」を特定の下限値bminより小さく設定することは
できない。プロセスが十分に行われるためには、bmin=2aを満足させる必要
がある、すなわち、bmin>2aを満足するように冷却しなければならない。も
し、
自然冷却がこの条件を満たさない場合には、人工的な(強制)冷却を、エネルギ
−ビ−ムの背後からかつ距離「b」だけ離れた位置で冷却流を加熱帯状部に付与
することによって、行うべきである。多くの金属に対して、圧縮空気の気流を用
いて水滴を散布すると良好な結果が得られる。冷却流は、直接加熱された側およ
びその反対側のいずれの側からでも付加することができる。しかし、直接加熱さ
れていない側からの冷却の方がより効果的である。
加熱と冷却に関する前記のすべての条件を満足するためには、冷却流のパラメ
−タと共にパワ−E、径Dおよび速度Vなどのエネルギ−ビ−ムのパラメ−タを
十分に選択する必要がある。それらは、曲げ加工又は超過曲げ加工の特定の条件
に合わせて選択するべきである。
帯状部の加熱円弧部は温度によって自由に変形できない。何故なら、その円弧
部は剛性のある包囲材料に拘束され、塑性流動し、冷却の後、変形するからであ
る。これらの変形は、以下の場合に生じる。すなわち、
(1)平板、およびh<0.5gの予め曲げられた板すなわち曲面板で、膨ら
みが直接加熱された表面で生じるような曲げの場合、および
(2)h>0.5gの予め曲げられた板すなわち曲面板で、元の曲げ線と直交
する断面における曲率が増大する(熱放射が凸面又は凹面のいずれに付加される
かに関わらず)超過曲げの場合。
重要なことは、「広幅ビ−ム」を用いる曲げ加工および超過曲げ加工の方法に
おいて、基本的な役割は、加熱/冷却される帯状部を包囲する材料の剛性が基本
的な役割を演じる、という点である。この帯状部の境界部に力とモ−メントが発
生し、これらの力とモ−メントが帯状部を変形させる塑性流動を規定する。加熱
/冷却される帯状部の円弧部と共に、これらの変形部は、速度Vで「曲げ波」の
形態で、曲げ線に沿って移動する。この移動中に、熱の吸収条件と帯状部を包囲
する材料の剛性が変化する。これらの条件は、加熱/冷却される帯状部の円弧部
が物体の自由端に達すると、特に変化する。
こうして、均一な加熱と冷却中に、円弧部は曲げ線上の各点において種々の曲
げ角度で曲げられる。曲げ線に沿った曲げの角度を一定にするためには、以下の
方法の1つを適用するとよい。
第1の方法は、曲げ線に沿ったビ−ムの移動中の加熱と冷却のパラメ−タを適
切に変化させる方法である。
第2の方法は、最初の曲げ(可変角度)の後、直線の適切な円弧部に沿って付
加的な超過曲げ加工を行う方法である。
平面板又は零ガウス曲率の曲面板に対する曲げ加工又は超過曲げ加工は、すで
に述べたように、帯状部の加熱円弧部とそれ以外の加熱されていない残部の境界
に現れる内部力とモメントによる。広幅ビ−ムを用いた曲げ加工又は超過曲げ加
工のプロセスにおいて基本的な役割を演じるのは、この帯状部に曲げを発生させ
る曲げモ−メントである。一方、中央表面部に対して接線方向に作用する力は、
材料を膨らませ、従って、その力を小さく保持すべきである。このような内部力
は、曲げの観点から、a×bの寸法を有する帯状部が厚み「g」に対して大きい
ときに生じる。
また、加熱帯状部の境界に現れる材料の内部力は、その帯状部を包囲する材料
の剛性によって規定される。厚みが「g」のとき、剛性は、曲げ加工又は超過曲
げ加工される要素(板)の寸法が大きいほど増大する。この剛性は、その要素の
寸法の最小値が少なくとも加熱帯状部の長さ「b」の5倍よりも大きければ、広
幅ビ−ムによる曲げ加工又は超過曲げ加工に関しては十分と考えられる。このよ
うな要素の曲げ加工は、加熱帯状部が中心にあるときに最も効果的である。一方
、加熱帯状部が自由端により接近したときは、剛性が減少し、従って、プロセス
の効率が低下する。最小値aminおよびbminに関する前述の条件は、加熱円弧部
が、少なくとも加熱帯状部の長さ「b」の5倍以上である寸法を有する物体の中
心に置かれた場合に対応する。
金属の熱伝導率が良好な場合、曲げプロセスと加熱/冷却プロセスは非常に急
速に行われる。従って、急冷による新たな組織が現れても、金属組織中の粒子の
過剰な成長は発生しない。高炭素鋼において、炭素の内部結晶拡散の現象が観察
される。
加熱帯状部は、金属の塑性を増大させるに十分な温度に達し、従って、硬質で
脆い金属でも内部割れを生じることなく曲げることができる。曲げられる物体が
硬質で脆いほど、プロセスは慎重に行わねばならない。加熱帯状部の最大温度は
、
その物体の融点よりも低く設定すべきである。この要求は、非常に薄い板を曲げ
る場合や、条件的に許容される場合は、守られないこともある。
また、ある高温域で所謂熱間脆性を生じる合金がある。このような場合には、
曲げプロセスは、塑性流動がそのような熱間脆性を引き起こす温度よりも高い温
度で生じるように行うべきである。
多くの金属板の曲げ加工において、熱放射に晒される表面からのエネルギビ−
ムの反射を防ぐ特殊な吸収体を必要とする場合がある。これらの吸収体は、エネ
ルギビ−ムと冷却流の繰り返し作用に対する耐性を有し、また加熱される金属と
化学反応を生じてはならない。
本発明の曲げプロセスにおいて、金属を加熱するのに種々のエネルギ−ビ−ム
を用いることができる。最も良好な結果は、パワ−とビ−ムの方向が精密に制御
されたエネルギ−ビ−ムを発生させる高パワ−レ−ザによって得られる。
一定厚みを有する平板を、図2に示す直線i−iに沿って広幅ビ−ムを用いて
、熱放射に晒される側に膨らみが現れるように、曲げ加工することができる。こ
れは、「レ−ザから離れる方向」の曲げである。
最初に、a×b×gの帯状部を少なくとも図3に示すような温度分布で加熱す
るように、ビ−ムのパラメ−タであるE、D、Vを選択する。加熱帯状部の最小
幅aminは、amin=7gである。しかし、amin=7gの条件では、加熱帯状部
を包囲する材料が最大剛性を示す場合にのみ直接加熱に晒された側に膨らみが生
じるような曲げが発生する。そして、これは、
(1)曲げられる板の寸法、すなわち長さと幅が5bより大きいとき、
(2)曲げ線が自由端から少なくとも距離「2a」だけ離れた位置にあるとき
、および
(3)加熱と冷却のプロセスが曲げ線の中心から始まり、加熱円弧部がまず1
つの自由端の方向に移動し、それから第2の自由端の方向に移動するとき、
の場合にのみ発生する。
図1を用いて、金属の種類に応じて、加熱帯状部の塑性を増大させるのに適切
な温度T1を決定する。図3は、この帯状部の円弧部の加熱の最小値を示すに過
ぎない。熱放射に晒される側および反対側の両面の温度を、矩形域a×b内で、
T1以上の温度に加熱すれば(薄板の場合には可能である)、常に効率よく曲げ
加工できる。加熱の間、熱放射に晒される側の矩形域a×bの中心部がT1<T
<Tmの関係を保つようにしなければならない。
加熱帯状部の幅「a」は勿論すでに述べた条件を満足しなければならない。し
かし、実際の大きさは所定の曲げプロセスの条件によって決定されるべきである
。ここで重要なことは、幅「a」が大きくなると、パワ−E、曲げ角度μおよび
曲げ線と直交する断面での帯状部の曲率半径が大きくなることである。
加熱帯状部の冷却は、エネルギ−ビ−ムの背後でかつ距離「b」だけ離れて行
うべきである。ここに述べた「広幅ビ−ム」法での曲げプロセスを正確に実行す
るためには、距離「b」はb>2aの関係を満足しなければならない。「b」の
値が大きくなると、加熱帯状部を包囲する材料の剛性が極端に減少しない場合の
みしか、曲げ(角度μ)の効果がない。勿論、「b」の値は、エネルギ−ビ−ム
のパワ−Eに依存する。そして、距離「b」の選択は具体的な曲げプロセスの条
件によって決定されるべきである。
すでに述べたように、一定のパラメ−タEおよびVのエネルギ−ビ−ムによっ
て板を直線に沿って曲げる場合、曲げ線に沿った種々の曲げ角度μが得られる。
一定の曲げ角度μを得るためには、ビ−ムのパラメ−タE、Vのいずれかを曲げ
加工又は超過曲げ加工のプロセス中に変化させるべきである。
図6は、加熱帯状部の境界部に現れ、その帯状部での塑性流動を規定する内部
力とモ−メントの設定を示す図である。プロセスを正確に行うという観点から、
曲げモ−メントMは最も重要である。薄板の中央部の表面に対して接線方向に作
用する力Sは小さい方が好ましい。何故なら、その力は、プロセスにとって望ま
しくない曲げの位置において薄板を膨出させるからである。この力は、「a」と
「b」を大きくすると、小さくなる。塑性流動が進行すると、加熱帯状部の境界
部の力は減少し、そして冷却の後でもその力はまだ変化する。それらの力は、内
部残留応力(通常は小さい)として材料中に残留され、枯らし処理によって除去
され、その場合、薄板はわずかに形状が変化する。
一定厚みの予め曲げられた板を超過曲げ加工するには、上記の十分に広幅のエ
ネルギ−ビ−ムを用いて行うのがよい。機械的に又はポリッシュ特許第1553
58号に記載されている狭幅ビ−ムを利用してもその超過曲げ加工は可能である
。ここに述べた方法において、重要なことは、加熱帯状部の深さが十分に大きい
という点である。すなわち、深さ「h」は超過曲げ加工された板の厚み「g」の
半分以上である。そして、帯状部の最小幅はamiはami=4gである。
上記の条件が満足されるなら、広幅のエネルギ−ビ−ムを曲げ線に沿って凸面
又は凹面のいずれの側から付与しても、予め曲げられた板すなわち零ガウス曲率
の曲面板を超過曲げ加工するこができる。しかし、加熱帯状部は、水平突出部(
図4を参照)における矩形域の幅「a」がamin=4gであり、b>bmin=2a
でなければならない。また、帯状部の最小加熱域(直接加熱の反対側)は図5に
示す通りである。薄板を超過曲げ加工する場合には、帯状部を熱放射に晒される
側およびその反対側にいずれの側においても、矩形の全域にわたってT1<T<
Tm以上の温度に加熱することができる。
a×b(平面の突出部)の加熱帯状部は、一定の剛性を有する加熱されていな
い材料によってその境界部を拘束されているので、温度上昇によって自由に変形
できない。この剛性によって、力とモ−メントが帯状部の境界部に現れ、帯状部
を超過曲げ加工し、塑性流動のプロセスによって曲げ角度が増大する。理論的お
よび実験的解析によって以下のことが判明している。すなわち、帯状部の深さ「
h」が上記の条件を満足するときのみ、曲げは、熱放射に晒される側(凸面又は
凹面)と無関係に、同じ方向に進行する。ここに述べる超過曲げ加工のプロセス
において、曲げモ−メントMが本質的な役割を演じている。この曲げモ−メント
Mによって、材料の膨らみを発生させずに超過曲げが生じる。大きな力Sが材料
の中央部の帯状部の境界部に対して接線方向に現れるが、これは超過曲げ加工以
外にも現れて材料を膨出させ、ここで考察されている超過曲げプロセスの対象で
はない。大きな「a」および「b」を有する帯状部に対して超過曲げ加工を行う
場合には、膨らみを最小化して超過曲げ角度μを増大させるという利点がある。
これは、加熱帯状部を包囲する材料の剛性による。前述したように、十分な剛性
を確保するためには、超過加工される物体の寸法の最小値を少なくとも帯状部の
長さ「b」の5倍よりも大きくしなければならない。
超過曲げ加工中に加熱された帯状部を、エネルギ−ビ−ムの背後でかつ距離
「b」だけ離れて冷却するには、冷却流を凸面又は凹面のいずれの側から付与し
てもよい。超過曲げ加工の最大効果が得られるのは、エネルギビームを凸面から
付与して、冷却流を凹面側から付与する場合である。
予め曲げられた板すなわち零ガウス曲率の曲面板の超過曲げ加工の例は図5に
示される。この図は、長さ「b」を越える「超過曲げ波」を示し、この「超過曲
げ波」は、初期曲げ角度(μ0)を増大させる。この波は、速度Vで曲げ線に沿
って移動する。
変形されて、加熱された帯状部の境界部の内部力系は、図6に示すように、平
板の曲げの場合も予め曲げられた板、すなわち零ガウス曲率の曲面板の超過曲げ
の場合にも同じように作用する。ただし、超過曲げの場合の方が内部力は大きい
。
実施例1
前記の方法を例示するための実施例として、図8に示す寸法のステンレス鋼板
を、炭酸ガスレ−ザビ−ム(E=250W、V=140mm/min、D=9m
m)を用いて対称軸i−iに沿って曲げ加工した。T1は550℃である。帯の
寸法(a=9mm、b=20mm)の帯状部の両側が平均温度Tav=700℃に
加熱された。冷却は圧縮空気の気流を用いて水を散布した。中心線から自由端ま
でおよび中心線から反対側の自由端までの曲げ線に沿ったビ−ムの単一走行によ
って得られる曲げ角度は、μ=2.5゜である。
実施例2
図9は、初期曲げ角度μ0=23.7゜の予曲げ鋼板の超過曲げ加工の効果を
示す。超過曲げ加工は、1000Wのパワ−(E)、速度V=370mm/mi
n、およびビ−ム径D=12.8mmの炭酸ガスレ−ザビ−ムを用いて行われた
。
予め曲げられた凹面を直接加熱した。T1を越える温度に加熱された帯状部の
幅は熱放射に晒された側およびその反対側共にa=12mmであり、長さ「b」
は30mmである。
曲げ線に沿ったビ−ムの走行による超過曲げ角度はΔμ0=23.7゜である
。ビ−ム径D=4mmで次になされた実験では、Δμ0=−0.2°であり、こ
れは、加熱帯状部の幅が余りにも小さく、初期曲げ角度が消滅したことを意味し
ている。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ムチャ ジグムント
ポーランド国 ワルシャワ ピー・エル―
00―392 ウル.サレゼゴ 6/65
(72)発明者 カリタ ウォジェック
ポーランド国 ワルシャワ ピー・エル―
01―698 ウル.スモレンスキエゴ 27・
エー/43
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.平面板および零ガウス曲率を有する曲面板状の金属物体を直線に沿って曲げ 加工および超過曲げ加工する方法であって、前記方法は、エネルギビ−ムで加熱 した後冷却する2段プロセスからなり、前記物体を広幅ビ−ムによってそのビ− ムに向かって膨らむように曲げ加工し、また予め曲げられた物体を凸面および/ 又は凹面にビ−ムを作用させることによって超過曲げ加工することを特徴とする 方法。 2.曲げ加工(又は超過曲げ加工)において、直線に沿って速度「V」で移動す るエネルギ−ビ−ムは、熱放射が付与される側においては幅「a」および長さ「 b」の帯状部を、反対側においては、少なくとも幅「a」の1/3および少なく とも長さ「b」の1/3の寸法の帯状部を、金属の塑性が増大する温度「T1」 以上の温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.エネルギビ−ムで加熱された帯状部は、環境温度又はT1未満の温度にまで 、ビ−ムの背後でかつ距離「b」だけ離れた位置で液体蒸気によって冷却され, 冷却蒸気は、熱放射に晒される側および/又は晒されない側に付与されることを 特徴とする請求項1に記載の方法。 4.加熱帯状部の最小長さbminは、加熱帯状部の幅の2倍よりも小さく設定す ることができないことを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.平板の場合、加熱帯状部の最小幅aminは、少なくとも板厚の7倍以上であ ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 6.予め曲げられた板すなわち曲面板において、加熱帯状部の深さ「h」が厚み 「g」の半分よりも小さい場合、式amin=〔7−6(h:g)〕gによって計 算される加熱帯状部の最小幅aminを用いて、平板の場合と同じ方法で超過曲げ 加工を行うことができることを特徴とする請求項1に記載の方法。 7.予め曲げられた板すなわち曲面板において、加熱帯状部の深さ「h」が厚み 「g」の半分に等しいか又は大きい場合、エネルギビ−ムを凸面および/又は凹 面に付与することによってさらに曲げることができることを特徴とする請求項1 に記載の方法。 8.曲げ線に沿った接面上の突出部において測定される、加熱帯状部の最小幅、 aminは材料厚みの4倍より小さく設定することができないことを特徴とする請 求項7に記載の方法。 9.曲げ部又は超過曲げ部の表面寸法の最小値は、加熱帯状部の長さ「b」の5 倍よりも小さく設定できないことを特徴とする請求項1に記載の方法。 10.平板又は曲面板の自由端から曲げ線又は超過曲げ線までの最小距離は、加 熱帯状部の幅「a」の2倍より小さく設定できないことを特徴とする請求項2に 記載の方法。 11.金属板を被覆する目的で使用される熱放射吸収体は、加熱および液体によ る冷却の繰り返しに耐え、被覆する金属と化学反応を生じてはならないことを特 徴とする請求項3に記載の方法。 12.平板又は零ガウス曲率の曲面板を多数の直線に沿って曲げ加工又は超過曲 げ加工を行うことによって、中間可展面を有する新規の曲面板を形成することが できることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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