【発明の詳細な説明】高衝撃強度ポリエチレンテレフタレート/アイオノマーブレンドの製造方法 発明の分野
本発明は、高衝撃強度を示すポリエチレンテレフタレート/アイオノマー組成
物の製造方法及びこれから作られた物品に関する。この方法には、ポリエチレン
テレフタレートをエチレン、カルボン酸基が亜鉛イオンで中和されているアクリ
ル酸及びメタクリル酸からなる群から選択される不飽和カルボン酸並びにアクリ
ル酸アルキルのアイオノマーと、3500〜7000秒-1の剪断速度で溶融混合し、この
ブレンドを物品に熱成形することが含まれる。発明の背景
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、家庭電化製品部品、容器及び自動車部
品を含む家庭用又は工業用の種々の物品の二次加工用の押出及び射出成形樹脂と
して広く使用されている。多くのこのような物品は著しい温度変化及び/又は物
理的誤用に対抗しなくてはならないので、ノッチ付きアイゾット衝撃値により示
されるようなその耐衝撃性を改良するためにポリエチレンテレフタレートを他の
ポリマーとブレンドすることが通例である。しかしながら、PET/ポリマーブレ
ンド中でマトリックス材料としてPETを保持する際に利点があり、これらは引張
り強度、曲げ弾性率、伸びパーセント、耐候性及び熱変形温度を維持することで
ある。
米国特許第3,435,093号には、ポリエチレンテレフタレートとカルボン酸基が
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、
亜鉛及び鉛のような金属カチオンにより0〜100%中和されているα−オレフィ
ン/α−β不飽和カルボン酸コポリマーとのプレンドが開示されている。更に、
ポリエチレンテレフタレートはブレンドの55〜95重量%の量で存在している。米
国特許第3,435,093号の例に示されているブレンドのアイゾット衝撃値は、23℃
で27.8J/m〜59.8J/mの範囲である。
米国特許第4,680,344号には、線状ポリエステルと少なくとも60重量%の、α
−オレフィン/亜鉛、カルシウム又はマグネシウムで中和されたα−β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸アイオノマーとを含有するブレンドが開示されている。第
三のコモノマーは存在していない。米国特許第4,680,344号の例に示されたブレ
ンドのアイゾット衝撃値は23℃で26.7J/m〜1308J/mの範囲である。
米国特許第4,172,859号には、60〜99重量%のポリエステルマトリックス樹脂
及び1〜40重量%の、0.1〜3.0ミクロンの範囲内の粒子サイズを有するアイオノ
マーを含有する多相熱可塑性成形組成物が開示されている。この組成物は高剪断
を生じる多軸スクリュー押出機を用いて製造される。しかしながら、米国特許第
4,172,859号には、剪断パラメーターが臨界的であるとの指標及び多くの剪断プ
ロックデザインのものが、本発明者が臨界的であると決定した少なくとも3500秒-1
の剪断速度を得るために成功するのに適している方向は与えられていない。
PCT出願第WO 92/03505号には、60〜90重量%のポリエステル樹脂と10〜40重量
%のエチレン、アクリル酸アルキル及び不飽和カルボン酸からなるアイオノマー
とを含有する半結晶性熱可塑性成形組成物が開示されている。このアイオノマー
は20〜80%の亜鉛、コバルト、ニッケル、アルミニウム又は銅(II)で中和され
たカルボン酸基を有している。
米国特許第4,753,980号には、60〜97重量%のポリエステルと3〜40重量%の
、エチレン/メタクリレート/メタクリル酸グリシジルのようなエチレンコポリ
マーとを含有する強靭化熱可塑性ポリエステル組成物が開示されている。
米国特許第4,303,573号には、ポリエチレンテレフタレート、2〜20重量%の
、エチレン、メタクリル酸及びアクリル酸イソブチルのターポリマーの亜鉛塩で
あるアイオノマー性ターポリマー並びに2〜20重量%の、コポリマー主鎖からの
スクシネート基側鎖を有するエチレン、プロピレン及び1,4−ヘキサジエンの
第二のターポリマーを含有する高速度衝撃熱可塑性ポリエステル組成物が開示さ
れている。
対照的に、本発明者等は、前記の特許に記載された衝撃値を2倍にするノッチ
付きアイゾット衝撃値により決定されるような優れた耐衝撃性の熱可塑性ポリエ
ステル成形組成物の製造方法を予想外に見出した。この方法には、ポリエチレン
テレフタレートをエチレン、カルボン酸基が亜鉛イオンで中和されているアクリ
ル酸及びメタクリル酸からなる群から選択される不飽和カルボン酸並びにアクリ
ル酸アルキルのアイオノマーと、3500〜7000秒-1の臨界的剪断速度で溶融ブレン
ドし、このブレンドを物品に成形することが含まれる。高剪断作用のためにポリ
エチレンテレフタレートポリエステル成分のインヘレント粘度が著しく低下する
が、高い衝撃強度が得られる。
ポリエステル熱可塑性組成物の衝撃強度を改良するために使用される本発明の
高剪断方法は、米国特許第4,780,506号の教示とは対照的である。この特許では
、第2欄第6〜13行に、衝撃変性剤を含有するPET/ポリカーボネートブレンド
の高剪断ブレンドは予想できない結果及び抑制剤の使用及び/又は剪断レベルの
低下によって最小にすることができるエステル交換反応になることが教示されて
いる。発明の要約
従って、ポリエチレンテレフタレート/アイオノマーブレンドの衝撃性を改良
するのが本発明の目的である。
本発明の他の目的は、高剪断の条件下でポリエチレンテレフタレート/アイオ
ノマーブレンドの製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、耐衝撃性、耐応力亀裂及び耐熱性のような優れた機械的
性質を示し、そしてその成形時に優れた溶融流動性を示すポリエチレンテレフタ
レート/アイオノマーブレンドを提供することである。
これらの及びその他の目的はここに、
(I)(A)100モル%のジカルボン酸及び100モル%のジオール基準で、
(1)少なくとも95モル%のテレフタル酸からの繰り返し単位を含むジ
カルボン酸成分、及び
(2)少なくとも95モル%のエチレングリコールからの繰り返し単位を
含むジオール成分
からなる0.4〜1.2dl/gのインヘレント粘度を有するポリエステル70.0〜90.0重
量%、並びに
(B)80〜95重量%のエチレンと5〜20重量%のアクリル酸及びメタクリル酸
からなる群から選ばれた不飽和カルボン酸とからの繰り返し単位を含み、カルボ
ン酸基が亜鉛イオンで40〜95%の範囲に中和されているアイオノマー30.0〜10.0
重量%(但し(A)と(B)との合計重量100%)を
3500〜7000秒-1の剪断速度を与え得る押出機内で溶融混合し、そして
(II)このブレンドを物品に成形する
ことを含んでなる、高衝撃強度を示すポリエチレンテレフタレート/アイオノマ
ーブレンドの製造方法により達成される。発明の説明
本発明の成分(A)のポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂
である。このポリエチレンテレフタレート樹脂には、100モル%のジカルボン酸
及び100モル%のジオール基準で、少なくとも95モル%のテレフタル酸及び少な
くとも95モル%のエチレングリコールからの繰り返し単位が含まれている。
ポリエステルのジカルボン酸成分は任意に、5モル%以下の1種又はそれ以上
のテレフタル酸以外の異なったジカルボン酸又はテレフタル酸ジメチルのような
適当な合成等価物で変性されていてもよい。このような追加のジカルボン酸には
、好ましくは炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜12の脂
肪族ジカルボン酸又は好ましくは炭素数8〜12の脂環式ジカルボン酸が含まれる
。テレフタル酸と共に含まれるジカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキ
サン二酢酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等である。ポリエステルは上記ジカルボン
酸の2種又はそれ以上から製造することができる。
これらの酸の対応する酸無水物、エステル及び酸クロリドを使用することは、
本明細書で用いる用語「ジカルボン酸」に含まれるものとする。
更に、成分(A)のポリエステルは任意に、5モル%以下の1種又はそれ以上
のエチレングリコール以外の異なったジオールで変性
されていてもよい。このような追加のジオールには、好ましくは炭素数6〜20の
脂環式グリコール又は好ましくは炭素数3〜20の脂肪族ジオールが含まれる。エ
チレングリコールと共に含まれるこのようなジオールの例は、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロパ
ン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオー
ル、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタンジオール−(2,4)、
2−メチルペンタンジオール−(1,4)、2,2,4−トリメチルペンタンジ
オール−(1,3)、2−エチルヘキサンジオール−(1,3)、2,2−ジエ
チルプロパンジオール−(1,3)、ヘキサンジオール−(1,3)、1,4−
ジ(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロ
ブタン、2,2−ビス(3−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン及び2,2
−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンである。ポリエステルは
上記ジオールの2種又はそれ以上から製造することができる。
このポリエチレンテレフタレート樹脂にはまた、少量のトリメリト酸無水物、
トリメチロールプロパン、ピロメリト酸二無水物、ペンタエリトリトール及び当
該技術分野で一般的に公知である他のポリエステル形成ポリ酸又はポリオールの
ような、三官能性又は四官能性コモノマーが含まれていてもよい。
実質的にテレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールのみからなるポリエス
テルが、本発明のブレンドを熱成形結晶化PET物品を作る際に使用する場合に
好ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレートベースのポリエステルは、当該技術分野
で公知の従来の重縮合方法により製造することができ
る。このような方法には、ジカルボン酸(類)とジオール(類)との直接縮合又
はジカルボン酸ジアルキルを用いるエステル交換反応によるものが含まれる。例
えば、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸ジアルキルは、高温で触媒の
存在下にジオール(類)と共にエステル交換反応される。このポリエステルはま
た固相重合方法に付すことができる。
本発明の実施に有用なポリエステル、成分(A)は、普通ジメチルエステルと
して使用されるテレフタル酸とエチレングリコールとの縮合生成物であり、以下
ポリエチレンテレフタレート又はPETと言う。PETは255℃±5℃の融点(Tm)及
び80℃±5℃のガラス転移温度(Tg)を有する。PETは0.4〜1.2のインヘレント
粘度により決定されるような比較的広い分子量範囲を示すことができる。しかし
ながら、0.5〜0.9のインヘレント粘度が好ましい。
本発明で使用するのに好ましいポリエステルは、イーストマンコダック社から
KODAPAK PET 7352(商標)として市販されている0.70のインヘレント粘度を有す
る結晶化ポリエチレンテレフタレートである。
本発明の成分(B)はアイオノマーである。本発明で使用するのに適したアイ
オノマーは、エチレン、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選択される
不飽和カルボン酸並びに任意に炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸ア
ルキルのコポリマー及びターポリマーからなる。このカルボキシル基含有コポリ
マー及びターポリマーは普通、少なくとも部分的に塩の形に変えられ、ある程度
まで中和されている。このような中和は、カルボキシル基含有ポリマー材料に計
算量の亜鉛塩、例えば、酢酸亜鉛を添加し、そして混合物を140℃より低い温度
まで材料を一緒に十分に混合しながら加熱することによって得られる。得られる
部分的に又は完全に中和さ
れたカルボキシル基含有ポリマー材料は一般的にアイオノマーとして知られてい
る。
本発明者等は、アルミニウム、カリウム、ナトリウム及びマグネシウムのよう
な亜鉛以外のカチオンは、このようなカルボキシル基含有コポリマー及びターポ
リマーを含有する物品について改良された衝撃強度にならないことを実験によっ
て確定した。このアイオノマーは亜鉛によって中和された40〜80%のカルボン酸
基を有する。好ましくは、このアイオノマーは亜鉛によって中和された50〜75%
のカルボン酸基を有し、最も好ましくは亜鉛によって中和された70%のカルボン
酸基を有する。このようなアイオノマー材料のあるものは市販されており、例え
ば、デュポン社(E.I.DuPont de Nemoursand Company)の「サーリン(SURLYN)」(
商標)アイオノマー樹脂がある。特に好ましいアイオノマーは、亜鉛で70%中和
されたエチレン/メタクリル酸/アクリル酸イソブチルのランダムターポリマー
であるサーリン9020及び亜鉛で70%中和されたエチレン/メタクリル酸コポリマ
ーであるサーリン9721である。
このコポリマー又はターポリマーのエチレン含有量は、エチレン/酸コポリマ
ー又はターポリマー基準で少なくとも50重量%である。
アイオノマーの不飽和カルボン酸含有量は、低温耐衝撃性及び高温耐衝撃性の最
良の組合せを与えるために、アイオノマー基準で、2〜20重量%の範囲内に入る
べきであり、好ましい範囲は5〜15重量%であり、最も好ましい範囲は8〜12重
量%である。ターポリマーのアクリル酸アルキル含有量は2〜15重量%である。
好ましくはアクリル酸アルキルはアクリル酸n−ブチル又はアクリル酸イソブチ
ルである。最も好ましくは、アクリル酸アルキルはアクリル酸イソブチルである
。
本発明のアイオノマーコポリマーには好ましくは、80〜95重量%
のエチレン及び5〜20重量%のアクリル酸又はメタクリル酸からの繰り返し単位
が含まれている。本発明のアイオノマーターポリマーには好ましくは、70〜90重
量%のエチレン、5〜15重量%のアクリル酸又はメタクリル酸及び5〜15重量%
のアルキル基に1〜8個の炭素原子を有するアクリル酸アルキル又はメタクリル
酸アルキルからの繰り返し単位が含まれている。
亜鉛で部分的に中和されているが、アクリル酸アルキル、例えばアクリル酸イ
ソブチルを含有しないエチレン/メタクリル酸コポリマーは、アクリル酸イソブ
チルを含有する亜鉛で部分的に中和されたエチレン/メタクリル酸コポリマーの
ように有効ではない。本発明者等は、アクリル酸アルキルの存在がアイオノマー
の弾性率(モジュラス)を低下させる傾向にあることを確定した。例えば、アク
リル酸イソブチルはアイオノマーの弾性率を低下させ、次いでPET弾性率のアイ
オノマー弾性率に対するより有利な比率を与える。PET弾性率のアイオノマー弾
性率に対する比率は10:1より大きく、好ましくは20:1より大きくすべきであ
る。即ち、高い衝撃強度を得るために、アクリル酸アルキルを存在させないこと
はポリエステル/アイオノマーブレンド中のアイオノマーのより高い濃度を必ず
しも必要としない。
アイオノマーは一般的に10〜30重量%の量で本発明のブレンド中に存在してい
る。従って、ブレンドの少なくとも70重量%はPETである。このような臨界的量
はマトリックス材料としてPETを保持する際に存在する利点を考慮に入れる。こ
の利点には、引張り強度、曲げ弾性率、伸びパーセント及び熱変形温度の保留が
含まれる。好ましくは、アイオノマーの濃度は15〜25重量%に、最も好ましくは
18〜22重量%にすべきである。
本発明の組成物は単一のポリエステル及び単一のアイオノマーか
ら又はポリエステルとアイオノマーの混合物とから作ることができる。
本発明のポリエステル/アイオノマーブレンドの製造方法には、ポリエステル
と亜鉛アイオノマーとをそれぞれ前記のような方法により製造することが含まれ
る。ポリエステル及び亜鉛アイオノマーを乾燥空気若しくは乾燥窒素の雰囲気中
で又は減圧下で乾燥する。ポリエステル及びアイオノマーをブレンドし、続いて
溶融相内で3500〜7000秒-1の剪断速度を与える方式で運転される押出機内で溶融
混合又は配合する。このような剪断速度は高い衝撃強度を有する本発明のブレン
ドを得るために必須である。好ましい押出機は3500〜7000秒-1の剪断速度を与え
るように設定された二軸スクリュー押出機である。アイオノマー(類)は別々に
なったバラバラの粒子としてポリエステル中に分散されており、この粒子は1ミ
クロンよりも小さいか又は1ミクロンに等しい数平均粒子サイズを有している。
この形式のブレンドによって得られたPET中の亜鉛アイオノマー分散相は0.1〜0.
3ミクロンの粒子直径を有している。
ブレンドに適用される剪断の量の測定としてトルクを用いることができる。最
高の衝撃性は到達し得る最大トルクで本発明のブレンドにより達成される。本発
明者等により到達し得る最大トルクは102J/mであり、これは6000秒-1に換算
される。しかしながら、本発明は102J/mのトルク値に限定されない。実際、
より高いトルク値はより大きいノッチ付き及びノッチなし衝撃強度になると期待
される。
必要な剪断力は、Werner and Pfleiderer ZSK-28mm又はZSK-30mm同時回転かみ
合い型二軸スクリュー押出機のような押出機内で260℃の溶融温度で得ることが
できる。Werner and Pfleiderer ZSK-28mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押
出機は少なくとも2種の異
なったスクリューデザイン、即ち「硬(hard)」スクリューデザイン及び「中(med
ium)」スクリューデザインを有している。「硬」スクリューデザインは、材料を
混合及び均質化するために215mmのニーディングブロック長さ、中心近傍でスラ
イドする8個のエレメント及びスクリューの末端を有するスクリュー配置である
。2個のエレメントはより高い剪断部を提供し得る左捻れエレメントである。左
捻れスクリューブッシング(bushing)エレメントは機械内の流れを支えてより
高い剪断を作るために入っている。「硬」スクリューの全長は800mmである。「
硬」スクリューデザインの中には、必要な剪断を与える不特定の設定点(infini
te settings)がある。Wernerand Pfleiderer ZSK-28mm押出機の「硬」スクリュ
ーデザインで得ることができる最大剪断速度は5500秒-1である。かくして、「硬
」スクリューはこれがポリマーに関して「硬い」ので適切に命名されている。
「中」スクリューデザインは「硬」スクリューと同じ長さである混合スクリュ
ーを有している。「中」スクリューデザインは、材料を混合及び均質化するため
に45mmのニーディングブロック長さ、中心近傍でスライドする4個のエレメント
及びスクリューの末端を有している。「中」スクリューデザインで得ることがで
きる最大剪断速度は3500秒-1より小さい。本発明者等は、Werner and Pfleidere
rZSK-28mm押出機の「中」スクリューデザインで製造したブレンドの衝撃強度が
、「硬」スクリューデザインで製造したブレンドよりも著しく低いアイゾット衝
撃値を有することを確定した。更に、本発明者等は、単軸スクリュー押出機で製
造したブレンドが、「中」スクリューデザインを有するWerner and Pfleiderer
ZSK-28mm押出機で製造したブレンドよりも低いアイゾット衝撃値を有することを
確定した。
本発明の高衝撃性組成物を得るために必要な二軸スクリュー配置は、スクリュ
ー長さの25%が混練ブロックを含むことを必要とする。これらの混練ブロックは
2〜4個のグループに分かれており、例えば、混練ブロックがその混合能力を最
大にするために全能力に維持されていることを確実にするために、各グループは
一般的に左捻れ混練ブロックで終わっている。しかしながら、少なくとも最小長
さの混練ブロック及び左捻れ混練ブロックを有するその他の配置が所望の結果を
与えるであろう。このような配置は最大剪断速度、良好な伸張流れ及び逆混合を
与える。
溶融温度は少なくともポリエステル成分の融点のように高いか又は無定形ポリ
エチレンテレフタレートポリエステルについて典型的に260〜310℃の範囲内であ
るガラス転移温度よりも十分高くなくてはならない。好ましくは、溶融混合温度
又は配合温度は上記範囲内でできるだけ低く維持される。この組成物は好ましく
は260〜280℃で23℃のような低温金型条件で成形され、無定形成形試験片を与え
る。ポリエチレンテレフタレートポリエステルのI.V.が高剪断作用のために著し
く低下したときでも高い衝撃強度が得られる。溶融配合が完結した後、押出物を
ストランド状に引き取り、切断のような普通の方法によって回収する。
溶融加工条件下でPETは水のような汚染物質の存在下で分子量低下を受け、そ
れでポリエステルは本発明のブレンド中に無水状態で含有させることが好ましい
。ブレンドはまた溶融加工の前に湿分から保護しなくてはならない。
ブレンドの性能特性を向上させるために多くのその他の成分を本発明の組成物
に添加することができる。例えば、表面滑剤、嵌め外し剤(denesting agent)
、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、金属失活剤、二酸化チタン及び
カーボンブラックのような着
色剤、ポリエチレン及びポリプロピレンのような核生成剤、燐酸塩安定剤、充填
剤等をこれに含めることができる。全てのこれらの添加剤及びその使用は当該技
術分野で公知であり、更に記述する必要はない。それで、限定された数のみが参
照され、本発明をその目的を達成することから妨げない限りこれらの化合物のど
のようなものも使用することができることが理解される。
本発明のブレンドは全ての種類の成形物の製造用の優れた出発物質として機能
する。特別の応用には、医学用部品、家庭電化製品部品、自動車部品、道具ケー
ス、レクリエーション及びユーティリティー部品が含まれる。本発明の成形組成
物は特に射出成形部品を充填し難い強靭性を必要とする応用で有用である。更に
、このブレンドは熱成形応用のための押出シートを製造するために使用すること
ができる。
本明細書に示した結果のために使用した材料及び試験方法は下記の通りである
。
破断伸び:ASTM−D638
密度(勾配管法):ASTM−D1505
曲げ弾性率及び曲げ強度:ASTM−790
熱変形温度:ASTM−D648
メルトフローインデックス:ASTM−D1238
引張り強度及び降伏点強度:ASTM−T638
アイゾット衝撃強度:ASTM−D256。アイゾット衝撃強度試験は各材料について
3〜5回繰り返した。衝撃強度に記載した文字CB、PB及びNBは下記の意味を有す
る。
CB − 完全破断、脆性破損(failure)
PB − 部分的破断
NB − 破断せず、延性破損
インヘレント粘度(I.V.)は23℃で60重量%のフェノール及び40重量%のテト
ラクロロエタンからなる溶媒100mL当たり0.50gのポリマーを用いて測定した。
アイオノマーAは、2.63重量%の亜鉛を含む、それぞれエチレン、アクリル酸
イソブチル及びメタクリル酸からなる80/10/10重量%ターポリマーである。酸
の中和度は69%である。23℃での曲げ弾性率は14,000psi(100MPa)である。190
℃でのメルトインデックス(g/10分)は1.0である。ポリエステル/アイオノ
マー比は10:1である。アイオノマーAは、デュポン社(E.I.DuPont de Nemour
sand Company)から商標サーリン9020で市販されている。
アイオノマーBは、70%のカルボキシル基がナトリウムで中和されている、そ
れぞれエチレン、アクリル酸イソブチル及びメタクリル酸からなる80/10/10重
量%ターポリマーである。190℃でのメルトインデックス(g/10分)は1.0であ
る。ポリエステル/アイオノマー比は10:1である。アイオノマーBは、デュポ
ン社(E.I.DuPont de Nemours and Company)から商品名サーリン8020で市販さ
れている。
アイオノマーCは、70%のカルボキシル基が亜鉛で中和されている、それぞれ
エチレン及びメタクリル酸からなる90/10重量%コポリマーである。190℃での
メルトインデックス(g/10分)は1.0である。ポリエステル/アイオノマー比
は10:1である。アイオノマーCは、デュポン社(E.I.DuPont de Nemours and
Company)から商品名サーリン9721で市販されている。
アイオノマーDは、0.93重量%のナトリウムを含む、それぞれエチレン及びメ
タクリル酸からなる90/10重量%コポリマーである。
酸の中和度は70%であり、23℃での曲げ弾性率は14,000psi(100MPa)であり
、そしてメルトインデックスは190℃で1.0g/10分である。
190℃でのメルトインデックス(g/10分)は1.0である。ポリエステル/アイ
オノマー比は10:1である。アイオノマーDは、デュポン社(E.I.DuPont de Ne
mours and Company)から商品名サーリン8527で市販されている。
下記の例に於いて、中和した酸コポリマー及びターポリマーとポリエチレンテ
レフタレートとのブレンドの全ては、下記の条件を用いた「硬」スクリューデザ
インを有するWerner and Pfleiderer ZSK-28mm二軸スクリュー押出機で製造した
。
得られたペレット化された材料を下記の条件を用いて、BOY-22S射出成形機で又
はToyo T90G射出成形機で射出成形した。
開放サイクル時間 4秒
射出及び保圧時間 14秒
冷却時間 12秒
射出時間 4秒
全サイクル時間 34秒
ゾーン1 240℃
ゾーン2 260℃
金型温度 23℃
ノズル温度 260℃
スクリュー速度 125rpm
射出圧 600psig(4238KPa)
保持圧力 600psig(4238KPa)
本発明を、本発明の例示であることが意図される下記の例を考慮して更に示す
。例中の全ての「部」及び「%」は他に記載しない限り重量基準である。例1
0.70のI.V.を有する結晶化ポリエチレンテレフタレートのホモポリマーを、−
29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。このPETを乾燥N2
下で「硬」スクリューデザインを有するWerner and Pfleiderer ZSK-28mm同時
回転かみ合い型二軸スクリュー押出機のホッパーに入れた。このPETを260℃で高
剪断条件下で溶融加工し、ストランドにし、そしてペレット化した。このPETのI
.V.は0.61であった。
ペレット化したPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8時間乾
燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で射出成
形して、無定形の試験片を得た。成形した後のPETのI.V.は0.55であった。このP
ETの衝撃特性を表Iに要約する。例2
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16
時間乾燥した。アイオノマーAを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で
16時間乾燥した。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が10重
量%になるようにポリエチレンバッグ中でぺレットブレンドした。このPET/ア
イオノマーAブレンドを、乾燥N2下で「硬」スクリューデザインを有するWerne
r andPfleiderer ZSK-28mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押出機のホッパー
に入れた。このブレンドを260℃で高剪断条件下で溶融加工し、ストランドにし
、そしてペレット化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で
射出成形して、無定形の試験片を得た。このブレンドの衝撃特性を表Iに要約す
る。例3〜5
PETブレンド中のアイオノマーAの濃度を変えて、それぞれ15、20及び30重量
%のアイオノマーA濃度を得た以外は、例2の方法に従った。PET中の亜鉛アイ
オノマー濃度の影響を表Iに要約する。例6〜9
アイオノマーAをアイオノマーBで置き換えた以外は例2の方法に従った。PE
Tブレンド中のアイオノマーBの濃度は、それぞれ10、15、20及び30重量%であ
った。その結果を表Iに要約する。例10
Werner and Pfleiderer ZSK-30mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押出機を
用いた以外は例2に於けるようにして、80重量%の例1のPET及び20重量%のア
イオノマーAを含有するブレンドを製造した。押出機は1061mmのスクリュー長さ
を有し、この長さの266mmは高剪断を与えるためのニーディングブロック及び左
捻れブロックからなっている。ペレット化したブレンドを265℃でToyo T90G成
形機で射出成形した。この試験結果を表Iに要約する。
表Iの結果は、Werner and Pfleiderer ZSK-28mm押出機で製造し、そしてBoy
22S射出成形機で成形した例2に於ける同じブレンドにより得られたものと本質
的に同一の高い衝撃強度がこのブレンドで得られたことを示している。
表Iのデータは、このようなブレンドのPET部分により受けたインヘレント粘
度の急激な低下にも拘わらず、ノッチ付き衝撃強度の
著しい増加がPET/アイオノマーAブレンドで得られることを示している。イン
ヘレント粘度の低下は、増加よりもむしろ衝撃強度の著しい損失になると予期さ
れていた。例えば、例4のPET/アイオノマーAブレンドの23℃に於けるノッチ
付きアイゾット衝撃強度は、例1のPET対照についての32J/m及び完全破断破
損様相に比較して、1145J/m及び破断破損無し様相である。例4のPETブレン
ドの−40℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度は、PET対照についての30J/m
に比較して75J/mである。
このデータはまた、酸成分が亜鉛で中和されているPET/アイオノマーAブレ
ンドが、酸成分がナトリウムのようなある種の他のイオンで中和されているPET
/アイオノマーBブレンドに比較したとき、23℃及び−40℃でのノッチ付き衝撃
強度の顕著な増加を示すことを示している。更に、亜鉛を用いたブレンドについ
ての衝撃破損の様相は、ナトリウムを用いたブレンドについて脆性であったのと
は反対に延性であった。表Iのデータは更に、PET/アイオノマーAブレンドに
5〜15重量%のアイオノマーが含有されている場合に、低温耐衝撃性及び高温耐
衝撃性の好ましい組合せが得られたことを示している。対照的に、ナトリウム中
和アイオノマーであるアイオノマーBは、30重量%レベルでもPET対照からノッ
チ付きアイゾット衝撃強度をわずかに増加させたのみであった。例えば、PET対
照について23℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度は完全破断破損様相で28J/
mであり、30重量%アイオノマーレベルでのPET/アイオノマーBプレンドにつ
いてのそれは完全破断破損様相で101J/mである。例11
「硬」スクリューデザインを有するWerner and Pfleiderer ZSK-28mm同時回転
かみ合い型二軸スクリュー押出機に入れたペレットブ
レンド組成物が、40重量%のPET及び60重量%のアイオノマーAからなっていた
以外は、例2に記載した方法に従った。ペレット状の40/60PET/アイオノマー
A濃縮ブレンドを、十分量のPETペレットとブレンドして、PET中の20重量%アイ
オノマーAの最終濃度を得た。この試験結果を表IIに要約する。例1及び例4か
らの試験結果を比較する目的で含める。
表IIの結果は、衝撃強度に於ける本質的に同一の改良が、PET中の亜鉛アイオ
ノマーの濃縮物を製造し、次いで必要な追加のPETを添加して、成形する前に所
望のアイオノマー濃度を得ることによって得られることを明白に示している。例12
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。
アイオノマーAを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥した
。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が15重量%になるよう
にポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。このPET/アイオノマーAブ
レンドを、乾燥N2下で混合スクリューを取り付けたMPM単軸スクリュー押出機の
ホッパーに入れた。このブレンドを260℃で溶融加工し、スト
ランドにし、そしてペレット化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で
射出成形して、無定形の試験片を得た。このブレンドの衝撃特性を表IIIに要約
する。例13
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥し
た。アイオノマーAを≦−29℃の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥し
た。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が15重量%になるよ
うにポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。このPET/アイオノマーA
ブレンドを、乾燥N2下で混合スクリューを取り付けたブラベンダー(Brabender
)単軸スクリュー押出機のホッパーに入れた。このブレンドを260℃で溶融加工
し、ストランドにし、そしてペレット化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で
射出成形して、無定形の試験片を得た。このブレンドの衝撃特性を表IIIに要約
する。例14
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。
アイオノマーAを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥した
。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が15重量%になるよう
にポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。このPET/アイオノマーAブ
レンドを、乾燥N2下で混合スクリューを取り付けたスターリン(Sterling)単
軸スクリュー押出機のホッパーに入れた。このブレンドを260℃で溶融加工し、
ストランドにし、そしてペレット化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で
射出成形して、無定形の試験片を得た。このブレンドの衝撃特性を表IIIに要約
する。例15
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。
アイオノマーAを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥した
。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が15重量%になるよう
にポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。このPET/アイオノマーAブ
レンドを、乾燥N2下で「中」スクリューデザインを有するWerner andPfleidere
r ZSK-28mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押出機のホッパーに入れた。この
ブレンドを260℃で溶融加工し、ストランドにし、そしてペレット化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で
射出成形して、無定形の試験片を得た。このブレンドの衝撃特性を表IIIに要約
する。
表IIIの結果は、単軸スクリュー押出機が必要な剪断を与えず、二軸スクリュ
ー押出機と比較したとき高いノッチ付き衝撃強度を有するブレンドを製造しない
ことを明白に示している(例3からのデータを比較する目的で含める)。「中」
スクリューデザインは「硬」スクリューデザインよりも少ない剪断作用を与え、
「中」スクリューデザインは単軸スクリュー押出機よりも多い剪断作用を与える
ことに注目することが重要である。しかしながら、この結果はまた、
「硬」スクリューデザインを使用しないと二軸スクリュー押出機は必ずしも適当
な量の剪断を与えないことを示している。例16〜20
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。
アイオノマーAを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥した
。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が20重量%になるよう
にポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。PETのみを含有する試料を対
照試料として使用した。このブレンド及び対照試料を同じ押出機に流し、Boy 22
-S射出成形機で射出成形した。このブレンド及び対照試料をアニーリングし、強
制空気オーブン中で150℃で、それぞれ0、2、4、6及び8分間結晶化させた
。試験結果を表IVに要約する。PET対照及びブレンドのアニーリングしなかった
試験片を比較する目的で表IVに含める。
表IVの結果は、本発明のブレンドが高度の結晶形であっても結晶性PETよりも
良好な衝撃強度を有することを明白に示している。150℃でのアニーリング時間
が2分間から8分間に増加するとき、ポリマーの結晶化度は密度勾配管測定によ
り決定したとき増加する。8分間の最大結晶化時間が得られた後、PET/アイオ
ノマーブレンドは尚、同様に処理したPET対照についての23J/mに比較して91
J/mの23℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度を保留している。これは衝撃強
度に於いて300%増加である。−40℃で測定した低温ノ
ッチ付きアイゾット衝撃強度も、アニールした対照を超える改良を示している。
例えば、PET/アイオノマーブレンドは尚、同様に処理したPET対照についての33
J/mに比較して82J/mの23℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度を保留して
いる。8分間のアニーリングの後でも、ノッチ付きアイゾット衝撃強度は、−40
℃で30J/mである非結晶化PET対照よりも高いことに注目することが重要であ
る。
更に、8分間アニーリングした後の−40℃でのブレンドのノッチなしアイゾッ
ト衝撃強度も、主として脆性破損を示す4CB、1NBの値を有するPET対照に比較
したとき著しく改良された延性強度、5NBを示している。例21
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。
アイオノマーAを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥した
。このPET及びアイオノマーAを、アイオノマーAの濃度が20重量%になるよう
にポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。このPET/アイオノマーAブ
レンドを、乾燥N2下で、1061mmのスクリュー長さ(但し、スクリュー長さの266
mmには高剪断を与えるための混練ブロック及び左捻れブロックが含まれる)を有
するWerner and Pfleiderer ZSK-30mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押出機
のホッパーに入れた。このブレンドを高剪断条件下で260℃で溶融加工し、スト
ランドにし、そしてペレット化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、265℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてToyo T90G射出成形機
で射出成形して、無定形の試験片を得た。
Werner and Pfleiderer ZSK-28mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押出機で
作り、Boy 22S射出成形機で成形した例4の同一のブレンドから得られたものと
同じ高い衝撃強度が、このブレンドで得られた。例22〜30
Werner and Pfleiderer ZSK-28mm二軸スクリュー押出機はトルク計を有してい
る。67.8ジュール〜101.7ジュール(600in−1b〜900in−1b)の範囲に亘る
トルクの影響を評価した。トルクはポリマーの押出量速度を変化させることによ
って調節した。より高いポリマーの押出量速度はより高いトルクになった。トル
クはまた押出機RPMを変化させることによっても調節した。
例22には例1のPETが含まれていた。例22は押出機を通さずに射出成形し、そ
れでトルクをかけなかった。例23〜30は押出機を通し、射出成形した。例23には
例1のPETが含まれ、101.7ジュールのトルクをかけた。例24はアイオノマーAの
濃度が15重量%であるPET/アイオノマーAブレンドであり、101.7ジュールのト
ルクをかけた。例25には例1のPETが含まれ、90.4ジュールのトルクをかけた。
例26はアイオノマーAの濃度が15重量%であるPET/アイオノマーAブレンドで
あり、90.4ジュールのトルクをかけた。例27には例1のPETが含まれ、79.1ジュ
ールのトルクをかけた。例28はアイオノマーAの濃度が15重量%であるPET/ア
イオノマーAブレンドであり、79.1ジュールのトルクをかけた。例29には例1の
PETが含まれ、67.8ジュールのトルクをかけた。例30はアイオノマーAの濃度が1
5重量%であるPET/アイオノマーAブレンドであり、67.8ジュールのトルクをか
けた。
表Vの結果は、より高いトルクが試料により多くの剪断がかけられる結果にな
ることを示している。このデータはまた、PET/アイ
オノマーAがPETの対照試料よりも著しく大きい耐衝撃性を示すことを示してい
る。更に、最高の衝撃特性は最大トルクでのブレンドで達成される。ノッチ付き
及びノッチなし衝撃強度は、トルクが67.8ジュールから101.7ジュールに増加し
たときブレンドについて増加し続けた。例31
例1のPETを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で150℃で16時間乾燥した。
アイオノマーCを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で60℃で16時間乾燥した
。このPET及びアイオノマーCを、アイオノマーCの濃度が5重量%になるよう
にポリエチレンバッグ中でペレットブレンドした。このPET/アイオノマーCブ
レンドを、乾燥N2下で「硬」スクリューデザインを有するWerner andPfleidere
r ZSK-28mm同時回転かみ合い型二軸スクリュー押出機のホッパーに入れた。この
ブレンドを260℃で高剪断条件下で溶融加工し、ストランドにし、そしてペレッ
ト化した。
ペレット化したブレンドを−29℃以下の露点を有する乾燥空気中で100℃で8
時間乾燥し、260℃の溶融温度及び23℃の金型温度を用いてBoy 22S射出成形機で
射出成形して、無定形の試験片を得た。
このブレンドの衝撃特性を表VIに要約する。PET対照である例1の衝撃特性を比
較する目的で示す。例32〜34
PETブレンド中のアイオノマーCの濃度を変えて、それぞれ10、15及び20重量
%のアイオノマーC濃度を得た以外は、例31の方法に従った。PET中の亜鉛アイ
オノマー濃度の影響を表VIに要約する。例35〜38
アイオノマーCをアイオノマーDで置き換えた以外は例2の方法に従った。PE
Tブレンド中のアイオノマーDの濃度は、それぞれ5、
10、15及び20重量%であった。その結果を表VIに要約する。
表VIのデータは、PET/アイオノマーDブレンド(酸成分はナトリウムのよう
なある種の他のイオンで中和されている)に比較して、23℃及び−40℃での衝撃
強度に於ける著しい増加がPET/アイオノマーCブレンド(酸成分は亜鉛で中和
されている)で得られることを示している。更に、亜鉛を用いるブレンドについ
ての衝撃破損の様相はナトリウムを用いるブレンドについて脆性であったのとは
反対に延性であった。
上記詳細な記述に照らして多数の変形が当業者に示唆されるであ
ろう。全てのこのような自明の変形は付属する請求の範囲の意図される全範囲内
に入る。
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フロントページの続き
(72)発明者 タント,マーティン レイ
アメリカ合衆国,テネシー 37664,キン
グスポート,モンテズマ ロード 628
(72)発明者 ブリーディング,ケネス エズラ
アメリカ合衆国,テネシー 37660,キン
グスポート,トンプソン ストリート
116