【発明の詳細な説明】
動的テンパリング条件を用いた低カロリーフレーバー菓子組成物の製造方法技術分野
本出願は、ある低カロリー代替脂肪を含有した低カロリーフレーバー菓子組成
物、特にチョコレートフレーバー菓子組成物の製造方法に関する。この出願はあ
る動的テンパリング(tempering)条件を用いたブルーム(bloom)安定性菓子組成物
の製造方法に特に関する。発明の背景
チョコレートは、典型的には25〜35重量%で存在するカカオ脂の溶融性質
から大部分、その望ましい食性質を引き出している。室温(70〜74°F、2
1.1〜23.3℃)でカカオ脂は堅い固体である。堅さは最初のひとかじりで
“パキッという音”を出すだけでなく、製造時から消費時までチョコレートの変
形及び表面傷に耐える上でも望ましい。
室温より高いと、カカオ脂(cocoa butter)はそれがほぼ93〜94゜F(33
.9〜34.4℃)で完全に溶融されるまで次第に溶融し、したがって体温(9
8.6°F、37℃)以下で完全に液体である。口内温度におけるこの急速な溶
融(“口内溶融”)は食べているときに
滑らかでクリーミーな粘稠性を示し、口へのチョコレートフレーバーの急速な放
出を保証する。体温より数度低い比較的シャープな溶融挙動は、天然脂肪の中で
もカカオ脂に独特である。
カカオ脂の溶融挙動はその独特なトリグリセリド組成の結果である。しかしな
がら、この独特なトリグリセリド組成物は、他の天然脂肪のトリグリセリド組成
物と同様に、カロリーが比較的高い。チョコレート製品中約50%のカロリーは
、専ら又は主にカカオ脂である脂肪からくる。これは、それらのカロリー摂取を
制限しなければならない人が消費するチョコレート製品の量を減らすか、又は極
端な場合には彼らの飲食物からこのような製品を完全に排除しなければならない
ことを意味する。したがって、このようなチョコレート製品中に存在するすべて
の又は一部のカカオ脂をより低いカロリーを有する代替脂肪で置き換えて、しか
もチョコレート製品でカカオ脂の望ましい物理的性質を維持することができるこ
とが望ましい。
カカオ脂に代わる低カロリー代替脂肪の選択は簡単ではない。第一に、代替脂
肪はより低いカロリー密度を示すために体内でさほど効率的に吸収及び/又は代
謝されてはならない。第二に、代替脂肪はテンパリングすると、非常にシャープ
な融点を有する固体形に結晶化して、菓子製品中に存在するカカオ脂又はカカオ
脂と乳脂肪との
組合せの場合と同一又は同様の口内感特徴を有するべきである。第三に、結晶形
の代替脂肪は、代替脂肪含有菓子製品の口内溶融特徴又は外観にいかなる大きな
変化もなしに、菓子製品配送及び取扱いの典型的条件下で安定でなければならな
い。このような望ましくない変化にはロウ状又は粒状口内感の発生と、ブルーム
の発生、即ち菓子製品の表面又は時々内部で見える白色状又は灰色状の変色があ
る。これらの変化は、過度に大きな脂肪結晶の成長、より高い融点の多形体への
脂肪結晶の変換、高レベルすぎる低融点脂肪成分の存在、あるいは菓子製品中に
存在する代替脂肪と他の脂肪、特にこのような製品にチョコレートフレーバーを
付与するために用いられるチョコレートリカー及び/又はカカオ粉中に典型的に
存在するカカオ脂との不適合により起きることがある。最後に、代替脂肪は菓子
製品を作るために用いられる現行の商業的操作で加工処理できねばならない。
カカオ脂代替物として有用であることがわかった1つの低カロリー脂肪は、か
なり高レベルの(例えば、少くとも約85%)の混合MML及びMLMトリグリ
セリドを含んでおり、ここでMは典型的にはC8及びC10飽和脂肪酸の混合であ
り、Lは主にベヘン酸である。1989年12月9日付で発行されたEhrmanらの
米国特許第4,888,196号明細書参照。他のカカオ脂代替物とは異なり、
この低カロリーカカオ脂代替脂肪は多形性を示
し、テンパリング又は前結晶化させる必要があり、その後でカカオ脂の場合のよ
うにその安定なβ - 3結晶相に結晶化される。しかしながら、この低カロリー
カカオ脂代替脂肪に基づくチョコレート製品がカカオ脂ベースチョコレート製品
に適した典型的装置及び条件を用いてテンパリングされると(即ち、約82〜8
6°F(27.8〜30.0℃)に急速冷却し、その後約88〜93゜F(31
.1〜33.9℃)に加温する)、製品はラッピング又はパッケージングするた
めに冷却されたとき十分に硬化しないばかりか、光沢のある外観のままで容易に
脱型しうるほど十分に型内で収縮せず、しかもブルームを発生する。
Ehrmanらの特許明細書では、この低カロリーカカオ脂代替脂肪を用いてフレー
バー菓子製品を得るための別のテンパリングプロセスについて開示している。こ
のテンパリングプロセスでは、フレーバー菓子製品を約57゜F(13.9℃)
以下の温度に急速冷却する。次いでこの冷却組成物は、低カロリーカカオ脂代替
詣肪の一部から有効量のβ - 3結晶を形成又は核形成させる上で十分な少くと
も約16時間にわたりこの温度で保たれる。次いで冷却された組成物は、低カロ
リーカカオ脂代替脂肪の残りの部分を安定なβ - 3結晶相に変換するため、約
4〜約120時間にわたり約57〜約72°F(約13.9〜約22.2℃)範
囲の温度に加温される。
Ehrmanらの特許明細書で開示されたテンパリングプロセスを用いると、特に熱
応力に付されたときに生じうるブルーム形成に対して安定であるチョコレートフ
レーバー製品を得るためには、溶融チョコレート塊を作ってから典型的には約1
〜約3日間要する。したがって、ブルーム安定性β - 3相を得る上でEhrmanら
の特許による長時間テンパリングプロセスを要しない、これらの低カロリーカカ
オ脂代替脂肪を含有したチョコレートフレーバー菓子組成物の製造方法を開発す
ることが望まれる。特に、商業的カカオ脂ベースチョコレート操作で用いられる
標準製造及びパッケージングプロセスにもっと容易に適用できる、これらの低カ
ロリーチョコレートフレーバー菓子組成物の製造方法を開発することが望まれる
。発明の要旨
本発明は、Ehrmanらの特許明細書で開示された低カロリーカカオ脂代替脂肪を
含有したフレーバー菓子組成物を製造する改善された方法を提供する。このよう
な低カロリーカカオ脂代替脂肪は、安定なβ - 3相でこのプロセスにより製造
された組成物中に存在する。
本発明のプロセスは:
(I)後で定義されるタイプのテンパリングしうるフレーバー菓子組成物を形成
する;
(II)この組成物を非結晶状態から約70°F(21.1℃)以下の温度に急速
冷却し、その後組成物を剪断攪拌
に付しながら組成物を約70〜約85°F(21.1〜29.4℃)に加温する
ことにより、ステップ(I)のこのフレーバー菓子組成物を動的にテンパリングす
る;
その後
(III)低カロリーカカオ脂代替脂肪が安定なβ - 3結晶相に変換するようにテ
ンパリング組成物を冷却及び/又は加温することによりテンパリング組成物を硬
化させる;
ステップからなる。
ステップ(I)で形成されたテンパリングしうる組成物は、フレーバー増強量の
フレーバー成分、約15〜約45%の脂肪成分及び約55〜約85%の他の無脂
肪菓子成分を含んでいる。脂肪成分の少くとも70重量%は低カロリーカカオ脂
代替脂肪である。脂肪成分は脂肪成分の約20重量%以内の乳脂肪、脂肪成分の
約20重量%以内のカカオ脂及び脂肪成分の約4重量%以下のジグリセリドも含
む。
脂肪成分で用いられる低カロリーカカオ脂代替脂肪は:
(a)代替脂肪の少くとも約85重量%の混合MLM及びMMLトリグリセリド
;
(b)代替脂肪の約10重量%以下の混合LLM及びLMLトリグリセリド;
(c)代替脂肪の約4重量%以下のMMMトリグリセリド;
及び
(d)代替脂肪の約10重量%以下の他のトリグリセリド
を有している。
これらのトリグリセリドにおいて、MはC6 - C10飽和脂肪酸残基であり、L
はC20 - C24飽和脂肪酸残基である。これらのトリグリセリドは:
(x)混合C8及びC10飽和脂肪酸約35〜約60%、
(y)約1:5〜約25:1のC8対C10飽和脂肪酸比、
及び
(z)ベヘン脂肪酸約35〜約60%
からなる脂肪酸組成を有することで更に特徴付けられる。
本プロセスの動的テンパリングステップ(II)において、フレーバー菓子組成物
は約0.8〜約150°F/min(0.4〜83℃/min)の速度で非結晶状態から
冷却される。このテンパリングステップ中に、フレーバー菓子組成物は約400
〜約8000sec-1範囲の剪断速度の程度まで組成物に剪断攪拌を加えるように
処理される。冷却ステップ後、組成物はコンディショニング操作に付され、それ
により組成物は撹拌下で加温される。コンディショニングステップは通常少くと
も5分間続ける。
本発明の改善されたプロセスによる動的テンパリング条件によれば、長時間テ
ンパリングの必要性なしに、Ehrmanらの特許の低カロリーカカオ脂代替脂肪を含
有したブルーム安定性フレーバー(特に、チョコレートフレーバー)菓子組成物
を得る能力を提供できる。長時間テンパリングは不要であるため、本発明の改善
されたプロ
セスはカカオ脂ベース製品で用いられる標準製造及びパッケージング装置に容易
に適用できる。発明の具体的な説明
A.定義
本明細書で言及される多形相、特に“β - 3”相とは、脂肪X線結晶学分野
の当業者に周知の結晶脂肪相である。カカオ脂の6つの結晶脂肪相について記載
するWilleら,′Polymorphism of Cocoa Butter′(カカオ脂の多形性),J.Am.
Oil Chem.Soc.,Vol.43(1966),pp.491-96参照。
本明細書で用いられる“安定なβ - 3相”という用語は、ブルーム形成に抵
抗する小さな脂肪結晶を高割合で有するβ - 3結晶相に関する。
本明細書で用いられる“テンパリング”という用語は、最終結晶化製品が安定
な結晶を含有して、製品配送及び取扱いの典型的条件下で口内溶融特性又は外観
に望ましくない変化を受けにくいような、成形、エンロービング(enrobing)又は
付着前における、多形脂肪を含有した処方物の部分的前結晶化を意味する。
本明細書で用いられる“動的テンパリング”という用語は、多形脂肪を含有し
た処方物のテンパリング中における熱エネルギーの典型的除去及び付加に加えて
、物理的力又はエネルギーの使用で実施されるテンパリングを意味する。
本明細書で用いられる“含む”という用語は、様々な
成分又はステップが本発明で併用されうることを意味する。したがって、“含む
”という用語はより制限的な用語“から本質的になる”及び“からなる”を包含
している。
本明細書で用いられるすべてのパーセンテージ、比率及び割合は、他で指摘さ
れないかぎり、重量による。
B.フレーバー菓子組成物
1.フレーバー成分
本発明の改善されたプロセスで有用なフレーバー菓子組成物はフレーバー増強
量のフレーバー成分を含んでいる。フレーバー成分は、ポジティブなフレーバー
特徴を付与するフレーバー要素と、場合によりフレーバー組成物中に通常存在す
る非フレーバー要素、例えばフレーバーキャリアを含んでいる。本明細書で用い
られる“フレーバー増強量”という用語は、ポジティブなフレーバー特徴を組成
物に付与する上で十分なフレーバー成分の量に関する。このような“フレーバー
増強”する上で十分なフレーバー成分の量は、用いられるフレーバー源、望まれ
るフレーバー効果及び類似ファクターに依存する。典型的には、フレーバー成分
(無脂肪要素)は組成物の約0.1〜約25%である。
様々なフレーバー源(例えば、フルーツ、ヨーグルト及びミントフレーバー)
がフレーバー成分を形成するために使用できる。特に好ましいフレーバー源はチ
ョコレ
ートフレーバーである。適切なチョコレートフレーバーはチョコレートリカー、
カカオ粉又はそれらのブレンドに由来する。これらのチョコレート物質(脂肪+
無脂肪成分)は典型的には組成物の約5〜約25%で含有される。本明細書で用
いられる“チョコレートリカー”とは、カカオ豆を細かくすりひくことで得られ
る固形又は半塑性食品に関する。チョコレートリカーは通常約50〜約58%の
カカオ脂脂肪を含有している。本明細書で用いられる“カカオ粉”とは、カカオ
脂脂肪の一部がすりひいたカカオ豆から除去された後に残る残留物質に関する。
カカオ粉は通常約10〜約22%のカカオ脂脂肪を含有している。他のフレーバ
ー源にはバニリン、エチルバニリン、スパイス、コーヒー、赤砂糖等とこれらフ
レーバーの混合物がある。
2.脂肪成分
フレーバー菓子組成物は更に脂肪成分を含む。本明細書で用いられる“脂肪成
分”という用語は、組成物中に存在するすべてのトリグリセリド、ジグリセリド
及びモノグリセリドに関する。例えば、チョコレートリカーがチョコレートフレ
ーバー組成物を処方するために用いられるとき、カカオ脂部分は脂肪成分の一部
として含有される。乳固形分が例えばミルクチョコレートフレーバー組成物で用
いられるときには、存在するいずれの乳脂肪も脂肪成分の一部として含有される
。
脂肪成分は組成物の約15〜約45%である。適切な脂肪成分の具体量は、フ
レーバー菓子組成物が用いられる具体的用途に依存している。成形向け(例えば
、チョコレートフレーバーバー)の場合、脂肪成分は好ましくは組成物の約28
〜約36%である。エンロービング向け(例えば、エンローブドキャンデーバー
又はクッキー)の場合、脂肪成分は好ましくは組成物の約28〜約40%である
。付着向け(例えば、チョコレートフレーバーチップ)の場合、脂肪成分は好ま
しくは組成物の約25〜約35%である。
a.低カロリーカカオ脂代替脂肪
この脂肪成分における主要要素は低カロリーカカオ脂代替脂肪である。本明細
書で用いられる“低カロリー”とは、コーン油と比較して少くとも約10%、好
ましくは少くとも約30%のカロリー減少を示す脂肪を意味する。これらの低カ
ロリー脂肪は通常約20〜約50%のカロリー減少を示す。これらの低カロリー
脂肪で示されるカロリー減少は、Peters,J.C.ら,Journal of the American Col
lege of Toxicology,Vol.10,No.3,1991,pp.357-367で記載された場合と類似した
研究により調べることができる。
脂肪成分中に存在する低カロリーカカオ脂代替脂肪の具体量は、フレーバー菓
子組成物で望まれるカロリー減少の程度と、望まれる具体的な口内溶融、堅さ及
びテン
パリング性質に依存している。これらの低カロリー脂肪は脂肪成分の少くとも約
70%である。好ましくは、これらの低カロリー脂肪は脂肪成分の少くとも約7
5%、更に好ましくは少くとも約80%、最も好ましくは脂肪成分の少くとも約
85%である。
脂肪成分で有用な低カロリーカカオ脂代替脂肪はMLM、MML、LLM、L
ML及びMMMトリグリセリドから選択されるトリグリセリドの具体的レベルで
特徴付けられるが、ここでMは中鎖C6 - C10飽和脂肪酸残基であり、Lは長鎖
C20 - C24飽和脂肪酸残基である。脂肪成分で有用な低カロリー脂肪について
開示する、1989年3月28日付で出願されたPaul Seidenの“中及び長鎖脂
肪酸を有するトリグリセリドから作られた低カロリー脂肪”と題された米国出願
第329,620号(P&Gケース3760R)(参考のため本明細書に組み込
まれる)、特にその製造方法に関する例1及び2参昭
“MML”は1又は3位(末端位置)に長鎖飽和脂肪酸残基と残り2つの位置
に2つの中鎖飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドを表し、“MLM”は2位
(中間位置)に長鎖脂肪酸残基と1及び3位に2つの中鎖脂肪酸残基を有するト
リグリセリドを表す(これらのMLM及びMMLトリグリセリドは主にC38〜C42
範囲の炭素数を有する)。同様に、“LLM”は1又は3位に中鎖
脂肪酸残基と残り2つの位置に2つの長鎖脂肪酸残基を有するトリグリセリドを
表し、“LML”は2位に中鎖脂肪酸残基と1及び3位に2つの長鎖脂肪酸残基
を有するトリグリセリドを表す(これらのLLM及びLMLトリグリセリドは主
にC52 - C54範囲の炭素数を有する)。
“MMM”は3つすべての位置に中鎖飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリド
を表す(これらのMMMトリグリセリドは主にC24 - C30範囲の炭素数を有す
る)。同様に、“LLL”は3つすべての位置に長鎖飽和脂肪酸残基を有するト
リグリセリドを表す(これらのLLLトリグリセリドは主にC66の炭素数を有す
る)。MLM、MML、LLM、 LML及びMMMトリグリセリド以外の(L
LLトリグリセリドを含めた)いずれのトリグリセリドも本明細書では“他のト
リグリセリド”と称される。
得られるテンパリングされた菓子製品に望ましい口内溶融特性を付与するため
には、モノ長鎖(MLM及びMML)トリグリセリドのレベルはこれらの低カロ
リーカカオ脂代替脂肪で最大であることが好ましい。加えて、得られるテンパリ
ングされた菓子製品で望ましくない柔らかさ(即ち、“パキッという音”の欠如
)を避けるためには、これらの低カロリー脂肪中におけるトリ中鎖(MMM)及
びジ長鎖(LLM/LML)トリグリセリドのレベルは最少であることが好まし
い。これらのガイ
ドライン内において、脂肪成分で有用な低カロリー脂肪は:(1)少くとも約85
%、好ましくは少くとも約90%、最も好ましくは少くとも約94%の混合ML
M及びMMLトリグリセリド;(2)約10%以下、好ましくは約6%以下、最も
好ましくは約2%以下の混合LLM及びLMLトリグリセリド;(3)約4%以下
、好ましくは約3%以下、最も好ましくは約2%以下のMMMトリグリセリド;
(4)約10%以下、好ましくは約7%以下、最も好ましくは約5%以下の他のト
リグリセリドを含むことができる。
脂肪成分で有用な低カロリーカカオ脂代替脂肪は、具体的な脂肪酸組成で更に
特徴付けられる。この脂肪酸組成の他の重要な面は中鎖C8及びC10飽和脂肪酸
(即ち、カプリル酸及びカプリン酸)の総量である。これらの中鎖脂肪酸は各ト
リグリセリド混合物の融点を通常コントロールする。加えて、これらの中鎖脂肪
酸は(特に、1又は3位に結合されているとき)膵臓リパーゼで容易に加水分解
され、その後吸収されて、速やかなエネルギー源を供給する。しかしながら、こ
れらの中鎖脂肪酸は代謝されると、それより長鎖の脂肪酸より少ない総カロリー
を供給する。
これら低カロリーカカオ脂代替脂肪の脂肪酸組成では約35〜約60%、好ま
しくは約40〜約60%、最も好ましくは約45〜約55%の混合C8及びC10
飽和脂
肪酸を含むことができる。しかしながら、これらの低カロリー脂肪を合成するた
めに典型的に用いられるC8/C10飽和脂肪酸源のせいで、少量のC6飽和脂肪酸
(即ち、カプロン酸)が存在することがある。好ましくは、これらの低カロリー
脂肪は約10%以下、最も好ましくは約5%以下のC6飽和脂肪酸を含有してい
る。
これら中鎖飽和脂肪酸の混合%に加えて、C8対C10飽和脂肪酸の具体的比率
がこれら低カロリーカカオ脂代替脂肪の融点とテンパリング性質をコントロール
する上で重要である。例えば、C8飽和脂肪酸の量が多くなるほど低カロリー脂
肪の融点を低下させ、このため得られるテンパリングされた菓子製品を柔らかく
する。逆に、C10飽和脂肪酸の量が多くなるほど低カロリー脂肪の融点を高めて
、得られるテンパリングされた菓子製品に大きな程度の堅さを付与する。これら
のガイドライン内において、脂肪成分で有用な低カロリーカカオ脂代替脂肪は約
1:5〜約25:1、好ましくは約1:3〜約19:1、最も好ましくは約1:
2〜約2:1のC8対C10飽和脂肪酸の比率を有することができる。
これら低カロリーカカオ脂代替脂肪の脂肪酸組成の他の重要な面はC22飽和脂
肪酸(即ち、ベヘン酸)の量である。ベヘン脂肪酸は、各トリグリセリドから加
水分解されたとき、体温、即ち98.6°F(37℃)で固体である。したがっ
て、加水分解されたベヘン脂肪酸は中鎖
飽和脂肪酸と他の長鎖飽和及び不飽和脂肪酸と比較してかなり吸収されにくい。
これらの低カロリーカカオ脂代替脂肪は約35〜約60%、好ましくは約40
〜約60%、最も好ましくは約40〜約50%のベヘン脂肪酸を含むことができ
る。これらの低カロリー脂肪を合成するために典型的に用いられるベヘン脂肪酸
源のせいで、少量の長鎖C20又はC24飽和脂肪酸が存在することがある。好まし
くは、これらの低カロリー脂肪は約10%以下のC20飽和脂肪酸及び約4%以下
のC24飽和脂肪酸、最も好ましくは約6%以下のC20飽和脂肪酸及び約2%以下
のC24飽和脂肪酸を含んでいる。
低カロリーカカオ脂代替脂肪は少量の他の脂肪酸も含有することができる。例
えば、少量のC12 - C18飽和脂肪酸(例えば、ラウリン、ミリスチン、パルミ
チン及びステアリン酸)とC18不飽和脂肪酸(例えば、オレイン、リノール及び
リノレン酸)が、典型的には合成で用いられる脂肪酸源のせいで、低カロリー脂
肪中に存在できる。これらの脂肪酸は、これら低カロリー脂肪のカロリー減少効
果と、口内溶融、堅さ及びテンパリング性質に影響を与えることがある。したが
って、これらの低カロリー脂肪は通常約9%以下、好ましくは約5%以下、最も
好ましくは約3%以下でこれら他の脂肪酸を含むことができる。
これらの低カロリーカカオ脂代替脂肪に関して好ましい及び最も好ましい炭素
数プロフィル(CNP)は下記のとおりである:CNP
好ましい(%) 最も好ましい(%)
32又はそれ以下 <3 <1
34 <2 <1
36 <5 <3
38 15-95 20-85
40 0-60 0-55
42 5-85 15-75
44 <3 <2
46 <1 <0.6
48 <0.8 <0.6
50 <0.6 <0.5
52 <0.4 <0.3
54又はそれ以上 <0.9 <0.4
これらの低カロリーカカオ脂代替脂肪は下記のような様々な技術により合成で
きる:
(a)トリベヘニンとC8/C10飽和脂肪酸を有する中鎖トリグリセリドのランダ
ム転位;
(b)対応脂肪酸のブレンドによるグリセロールのエステル化;
(c)グリセロールによるC8/C10飽和脂肪酸メチルエステル及びベヘン脂肪酸
メチルエステルのブレンドのエ
ステル交換;
(d)C8/C10飽和脂肪酸を有する中鎖トリグリセリドによるベヘン酸グリセリ
ルのエステル交換;及び
(e)C8/C10飽和脂肪酸又は各無水物によるモノベヘニンのエステル化。19
92年8月25日付で発行され、“中鎖脂肪酸による長鎖脂肪酸モノグリセリド
の選択的エステル化”と題されたBernard W.Kluesener,Gordon K.Stipp及びDavi
d K.Yangの米国特許第5,142,071号明細書、特に例1;1992年8月
25日付で発行され、“中鎖脂肪酸無水物による長鎖脂肪酸モノグリセリドの選
択的エステル化”と題されたGordon K.Stipp及びBernard W.Kluesenerの米国特
許第5,142,072号明細書、特に例7(参考のため本明細書に組み込まれ
る)参照。
トリグリセリドのランダム転位は、脂肪酸によるグリセロールのエステル化と
して、当業界で周知である。これらの事項に関する説明については、参考のため
本明細書に組み込まれるHamilionら,Fats and Oils:Chemistry and Technology
,pp.93-96,Applied Science Publishers Ltd.,London(1980)と、Swern,Bailey's
Industrial Oil and Fat Products,3d ed.,pp.941-943及び963-965,John Wiley
and Sons,New York(1964)参照。エステル交換もBailey's,pp.958-963で一般的
に記載されている。
脂肪酸自体又は天然油脂は、これらの低カロリーカカ
オ脂代替脂肪を製造するための脂肪酸源として働くことができる。例えば、水素
付加高エルカ酸菜種油は良好なベヘン酸源である。中鎖C8/C10飽和脂肪酸は
ココナツ、パーム核又はババスー油から得ることができる。それらはオハイオ州
コロンバスのキャピタル・シティ・プロダクツ(Capital City Products)により
販売されるキャプテックス(Captex)300ブランドのような市販中鎖トリグリセ
リドからも得ることができる。
本低カロリートリグリセリドを製造する上で有用なトリベヘニンは、グルセロ
ールによるベヘン酸のエステル化又はベヘン酸メチルのエステル交換により、そ
の酸又は分別化ベヘン酸メチルから製造できる。更に重要なことには、ベヘン酸
及び中鎖C8/C10飽和脂肪酸のブレンドがグルセロールでエステル化できる。
同様に、メチルエステルブレンドもグルセロールとエステル交換できる。
合成から得られる粗製トリグリセリド混合物は、これらの低カロリーカカオ脂
代替脂肪でモノ長鎖MLM及びMMLトリグリセリドのレベルを高めるために、
典型的には更に分別化で改質される。溶媒及び非溶媒結晶分別化又は分別蒸留法
(例えば、下記のような分子蒸留)が使用できる。標準分別法は、参考のため組
み込まれるApplewhite,Bailey's Industrial Oil and Fat Products,Vol.3,4th
ed.(1985),pp.1-39,John Wiley &
Sons,New Yorkで記載されている。分別蒸留はLLM/LMLトリグリセリドか
らMML/MLMを分離でき、炭素数の中心をシフトさせることができるが、そ
れは同炭素数を有するトリグリセリドを分別することはできない。非溶媒又は溶
媒結晶分別化も高融点LLM/LMLトリグリセリドからMLM/MMLトリグ
リセリドを分別することができる。粗製トリグリセリド混合物の分子蒸留又は結
晶分別化は、これら低カロリー脂肪で望ましいMLM/MMLトリグリセリドの
レベルを増加させるために、通常数回繰り返される。
粗製トリグリセリド混合物の分別蒸留は分子蒸留に限定されず、慣用的蒸留(
連続又はバッチ)も含む。粗製トリグリセリド混合物の合成後、慣用的バッチ蒸
留技術を用いて過剰中鎖トリグリセリドのほとんどを除去し、その後分子蒸留を
続けることが普通である。真空の要求は厳密というわけではなく、用いられる温
度は分子蒸留よりも慣用的蒸留の方で高くできる。慣用的蒸留温度は通常405
〜515°F(207〜268℃)である。絶対圧力は8mmHg以下、更に好まし
くは2mmHg以下である。蒸留はスチーム、窒素又は他の不活性ガス(例えば、C
O2)でスパージすることにより補助される。蒸留は過剰中鎖トリグリセリドの
一部、過剰中鎖トリグリセリドのほとんどを除去するために、又はモノ長鎖(M
LM及びMML)成分も蒸留するために行われる。
蒸留されたトリグリセリド混合物の結晶分別化は溶媒と共に及びなしで、攪拌
下で及びなしで行える。結晶分別化は数回繰り返すことができる。結晶分別化は
高融点物を除去する上で特に有効である。溶媒なしでの蒸留トリグリセリド混合
物の分別化は、LLM及びLML成分(主に炭素数C52及びC54)を除去して、
これら低カロリー脂肪の溶融プロフィルを変えるために用いることができる。
b.乳脂肪及びカカオ脂
脂肪成分はあるレベル以内の乳脂肪及びカカオ脂を許容できる。乳脂肪(時々
“バター脂肪”と称される)はミルクチョコレートフレーバー菓子組成物中にお
ける乳固形分の含有の結果として脂肪成分中に通常存在する。しかしながら、乳
脂肪はバター油の含有の結果としても存在できる。乳脂肪は約20%以内のレベ
ルで脂肪成分中で通常許容できる。場合によりカカオ脂を含有したミルクチョコ
レートフレーバー組成物とパステルコーティング(例えば、ミントフレーバー菓
子コーティング組成物)の場合、乳脂肪は約14%以内のレベルで脂肪成分中に
存在することが好ましい。
脂肪成分中に存在するカカオ脂は添加脂肪として含有できる。しかしながら、
カカオ脂は、フレーバー菓子組成物で用いられるチョコレートフレーバー源(例
えば、カカオ粉、チョコレートリカー又は更に典型的にはそれ
らのブレンド)中におけるその存在結果として、更に典型的には含有される。カ
カオ脂は約20%以内のレベルで脂肪成分中で通常許容される。チョコレートフ
レーバー菓子組成物の場合、カカオ脂は約14%以内のレベルで脂肪成分中に存
在することが好ましい。
c.ジグリセリド及び他の菓子脂肪
脂肪成分のトリグリセリド組成以外に、存在するジグリセリドの具体的レベル
もフレーバー菓子組成物の脂肪結晶化性質に重要な影響を有することができる。
低カロリーカカオ脂代替脂肪は、典型的には脂肪成分中に存在するジグリセリド
の全部でないにしてもほとんどを与えている。しかしながら、脂肪成分中に存在
する他の脂肪もある部分のジグリセリドを与える。ブルーム耐性にとり、脂肪成
分中におけるジグリセリドのレベルを最少にすることが特に重要である。約4%
以内のジグリセリドであれば、脂肪成分中で許容される。好ましくは、脂肪成分
中におけるジグリセリドのレベルは約2%以下、最も好ましくは約1%以下であ
る。
低カロリーカカオ脂代替脂肪、乳脂肪及びカカオ脂に加えて、本発明の脂肪成
分は他の適合しうる菓子脂肪を含むことができる。これらの適合性菓子脂肪には
イリッペ脂(ボルネオ獣脂)、シアバター、モウラー(Mowrah)脂及びパーム油に
由来するカカオ脂代替物がある。パーム油に由来する適切なカカオ脂代替物は、
参考のため
組み込まれる、1986年6月10日付で発行されたBakerらの米国特許第4,
594,259号明細書で開示されているPOP脂肪である。これら他のカカオ
脂代替脂肪は、脂肪成分中に存在するカカオ脂の一部又は全部代替物として含有
させることができる。しかしながら、それらの高カロリーのために、これら他の
カカオ脂代替脂肪は典型的には脂肪成分中に含有されない。
3.他の無脂肪菓子成分
a.糖、糖アルコール及び低カロリー甘味料
これらのフレーバー菓子組成物で1つの特に重要な無脂肪成分は糖である。糖
は典型的には組成物の約35〜約60%、好ましくは約40〜約55%でこのよ
うな組成物中に存在する。特にチョコレートフレーバー菓子組成物の場合、糖源
は本質的に乾燥していることが必要である。糖源にはスクロース、フルクトース
、グルコール、マルトース及びそれらの混合物がある。糖は典型的には最終チョ
コレートフレーバー品中で約0.0002〜約0.0016インチ(約5〜約4
0ミクロン)範囲の粒度を有する。
摂取理由から、糖は糖アルコールで完全に又は部分的に置き換えることができ
る。適切な糖アルコールにはソルビトール、キシリトール、マンニトール及びそ
れらの混合物がある。更にカロリー減少のため、糖又は糖アルコールは低カロリ
ー甘味料で完全に又は部分的に置き換
えることができる。これらの低カロリー甘味料には、限定されないが、アスパル
テーム、サッカリン、アリテーム、タウマチン、ジヒドロカルコン、シクラメー
ト、ステビオシド、グリチルリチン、合成アルコキシ芳香族物質、例えばダルシ
ン(Dulcon)及びP - 4000、スクロロース、スオサン、ミラクリン、モネリ
ン、タリン、シクロヘキシルスルファメート、置換イミダゾリン、合成スルファ
ミン酸類、例えばアセスルフェーム、アセスルファム - K及びn - 置換スルフ
ァミン酸、オキシム類、例えばペリラルチン、レバウジオシド - A、ペプチド
類、例えばマロン酸アスパルチル及びサッカニル酸(succanilic acid)、ジペプ
チド類、アミノ酸ベース甘味料、例えばgem-ジアミノアルカン、m - アミノ安
息香酸、L - アミノジカルボン酸アルカン、あるα - アミノジカルボン酸のア
ミド、gem-ジアミン、3 - ヒドロキシ - 4 - アルキルオキシフェニル脂肪族
カルボキシレート又はヘテロ環式芳香族カルボキシレートがある。これらの低カ
ロリー甘味料が用いられるとき、増量又は増粘剤を含有させることが望ましい。
適切な増量剤には部分的消化性及び非消化性炭水化物、例えばポリデキストロー
ス、イソマルト、イヌリン及びイヌロオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、L - 糖及
びD - タガトースがある。
b.乳固形分
特にミルクチョコレートフレーバー組成物及びパステ
ルコーティングの場合、フレーバー菓子組成物は組成物の約20%以内、通常約
9〜約20%、典型的には約12〜約18%で乳固形分(本質的に乾燥)も含有
することができる。本質的に乾燥した乳固形分の適切な供給源はクリーム、ミル
ク、濃縮ミルク、甘味コンデンスミルク、スキムミルク、甘味コンデンススキム
ミルク、濃縮バター乳等から得ることができる(前記のように、乳脂肪のような
乳固形分中に存在するいかなる脂肪も脂肪成分の一部と考えられる)。
c.乳化剤及び他の副成分
フレーバー菓子組成物は糖粒子を脂肪成分で“湿潤する”ために乳化剤を通常
含有する。適切な乳化剤にはソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステ
アレート、ポリソルベート60、ポリグリセロールエステル、スクロース部分エ
ステル、アンモニウムホスファチド、モノ及びジグリセリドのリン酸塩、特にレ
シチンがある。これらの乳化剤は通常組成物の約1.5%以内、典型的には約0
.5%以内で存在する。乳化剤の好ましいレベルは約0.05〜約0.5%であ
る。脂肪ベース菓子中に通常存在する塩のような他の副成分と、参考のため組み
込まれる1988年11月22日付で発行されたChapuraらの米国特許第4,7
86,502号明細書の第7欄1〜35行目に開示された医薬活性剤のような任
意成分も含有させることができる。
C.フレーバー菓子組成物の製造
上記成分を含有した上記フレーバー菓子組成物は、本発明の改善されたプロセ
スに従い製造される。この改善されたプロセスの下記説明は、本発明に従い製造
される高度に好ましい製品であるチョコレートフレーバー菓子製品に一般的に関
するものである。しかしながら、この改善されたプロセスは、同一又は同様のス
テップを用いて非チョコレートフレーバー菓子製品(例えば、パステルコーティ
ング)を製造するためにも使用できる。
1.成分の処方
最初にチョコレトフレーバー菓子混合物が処方される。一部の典型的チョコレ
ート処方にはミルクチョコレートフレーバー組成物及びダークチョコレートフレ
ーバー組成物がある。低カロリー脂肪に加えて、ミルクチョコレートフレーバー
組成物は典型的には糖、カカオ粉、場合によりチョコレートリカー、乳固形分、
乳化剤としてのレシチンと、バニリン及び塩のような他の菓子成分を含む。ダー
クチョコレートフレーバー組成物はミルクチョコレートフレーバー組成物と同様
であるが、典型的には乳固形分を含有しない。
これらのチョコレートフレーバー処方物中に存在する全脂肪分は、望ましい粘
度を示すように調整できる。成形又は付着向けの場合、全脂肪分の量は低い方が
好ましい。エンロービング向けの場合、全脂肪分の量は高い方
が好ましい。糖、カカオ粉、チョコレートリカー及び乳固形分の比率は、望まれ
るフレーバーに応じて変えることができる。
チョコレートフレーバー処方物は、諸成分を低カロリー脂肪で“湿潤”させて
、後の精製ステップに適した粘稠度を示すように諸成分をミックスすることによ
り製造される。このミックスステップ中、糖、乳固形分、塩、カカオ粉及び場合
により全レシチンの一部がミキサーに加えられる。次いで溶融チョコレートリカ
ー(もしあれば)及び低カロリー脂肪の一部がミキサーに加えられる。これらの
成分は乾燥成分を脂肪で“湿潤する”ために十分な時間にわたり攪拌される。具
体的な時間は重要でなく、典型的には約15分間である。このミックスステップ
中、ミキサーの内容物は、少くとも塊状物が液体になるような温度、典型的には
約100〜約125°F(約37.8〜約51.7℃)に加熱される。水分との
接触はこのステップ中に避けられる。ミックス後におけるチョコレート処方物の
粘稠度は典型的にはソフトパティの程度である。
2.精製処方
ミックス後、チョコレートフレーバー処方物は、典型的には約0.0002〜
約0.0016インチ(5〜40ミクロン)範囲内の望ましい粒度まで固形分、
特に糖を細かくするために、典型的には精製(粉砕)される。
しかも、この精製ステップでは固形分を脂肪でコートする。典型的には、3、4
又は5本の水冷ロールが、各々次第に速度を速めながら、処方物を精製するため
に用いられる。ロール間の圧力は固形分について望ましい細さにするため調整さ
れる。ドライミックスステップのように、水分との接触は精製中に避けられる。
特に、ロールは環境空気の露点以下には冷却されない。精製後におけるチョコレ
ートフレーバー処方物の粘稠度は典型的にはフレークの程度である。
3.精製処方物のコンチング
精製後、チョコレートフレーバー処方物は、精製ミックス中の固形分の表面上
に脂肪を再溶融して再分配させるために、乾燥コンチング(conching)する。ミッ
クスの含水率は約1%以下に減少させる。ある揮発性化合物も除去して、フレー
バーを改善する。この乾燥コンチングステップでは、精製ステップからのフレー
クが最初にミキサー中で粉末塊状物に粉砕され、そこで典型的には少くとも約1
25°F(51.7℃)に加熱される。この温度に達したとき、塊状物は堅いパ
ティの塊の粘稠度を有している。ミキサーの内容物は、ミルクチョコレートフレ
ーバー処方物の場合約100〜約160°F(37.8〜71.1℃)範囲の温
度及びダークチョコレートフレーバー処方物の場合約120〜約180°F(4
8.9〜82.2℃)範囲の温度に調整することができる。この
乾燥コンチングステップに要する総時間は、典型的には約1〜約10時間の範囲
内である。
乾燥コンチングの後、チョコレートフレーバー処方物は湿潤コンチングされる
。湿潤コンチング中に、残留部分の低カロリー脂肪及び場合によりレシチンが加
えられ、その後粘稠な液体塊状物にするためにミックスされる。ミキサーの内容
物は約100〜約160°F(37.8〜71.1℃)範囲の温度に調整できる
が、具体的な温度は具体的なチョコレートフレーバー処方に依存する。この湿潤
コンチングステップに要する総時間は、典型的には約2〜約20時間の範囲内で
ある。この湿潤コンチングステップ後、レシチンは所定の用途に必要な程度まで
塊状物の粘稠度を調整するために追加することができる。ミックスは典型的には
約10〜約60分間続ける。
4.コンチング処方物のテンパリング
本発明の改善されたプロセスの主要面は低カロリーフレーバー菓子組成物の動
的テンパリングである。動的テンパリングの効果は、例えばコンチングステップ
後に組成物をテンパリングすることにより得られる。テンパリング中に、最終結
晶化製品が安定な結晶を含有して、製品配送及び取扱いの典型的条件下で口内溶
融特性又は外観にとり望ましくない変化を受けにくいように、脂肪の一部は前結
晶化される。
本フレーバー菓子製品の動的テンパリングは、最初に
急速冷却して、その後このような組成物をコンディショニングし、その際剪断攪
拌を加えて組成物を処理することにより行う。このため、このような動的テンパ
リング操作の第一ステップでは、脂肪成分が非結晶状態にある前記タイプの菓子
組成物、例えば約100〜約160°F(37.8〜71.1℃)の温度にある
コンチングされたチョコレート組成物は、剪断攪拌を組成物に加えるテンパリン
グ装置で、約70°F(21.1℃)以下の温度に急速冷却される。このような
冷却は通常0.8〜約150°F/min(0.4〜83℃/min)の速度、更に好ま
しくは約1.5〜約100°F/min(0.8〜56℃/min)の速度で行う。好
ましくは、組成物はこの操作中約55〜約70°F(12.8〜21.1℃)範
囲内の温度に冷却される。冷却操作中、剪断攪拌は約400〜約8000sec-1
、更に好ましくは約500〜約6000sec-1範囲の剪断速度の程度まで組成物
に加えられる。
典型的には、動的テンパリング操作の冷却ステップは以下で更に十分に記載さ
れるような慣用的スウェプトウォール(swept wall)チョコレートテンパリングユ
ニット又は相当装置で行われる。この装置でこの冷却操作に用いられる冷却液の
温度はチョコレートフレーバー組成物の最終温度より低い。典型的には、冷却液
温度は約−10〜約65°F(−23.3〜18.3℃)の範囲内である。更に
好ましくは、冷却液温度は約20〜約45°F
(−6.7〜7.2℃)の範囲内である。しかも典型的には、スウェプトウォー
ルチョコレートテンパリングユニット中におけるチョコレートフレーバー組成物
の滞留時間は約20分間以下である。好ましくは、テンパリングユニット中にお
ける滞留時間は約4〜約25分間の範囲内である。
本発明で用いられる動的テンパリング操作の第二段階では、冷却された菓子組
成物は剪断攪拌下においてもっと高い約70〜約85°F(21.1〜29.4
℃)の温度でコンディショニングされる。更に好ましくは、組成物は約70〜約
78°F(21.1〜25.6℃)の温度でコンディショニングされる。通常、
コンディショニングステップは少くとも約5分間、更に好ましくは少くとも約3
0分間続ける。
冷却ステップのように、本動的テンパリング操作のコンディショニングステッ
プは攪拌下で維持された菓子組成物で行われる。しかしながら、通常、冷却(核
形成)ステップ中に利用された場合と比較して、コンディショニングステップ中
ではより小さな剪断攪拌が必要とされる。このため、通常コンディショニング操
作中に、剪断攪拌は約10〜約8000sec-1範囲の剪断速度の程度まで菓子組
成物に加えることができる。動的テンパリング操作のコンディショニングステッ
プを行う上で適した装置は、冷却ステップを行う上で有用な装置と一緒に、
以下で更に十分に記載されている。
様々なタイプの慣用的装置が本発明のプロセスで用いられる2段階の動的テン
パリング操作を行うために用いられる。フレーバー菓子組成物を急速冷却して低
融点結晶核を形成させる能力と、その後形成された結晶核をコンディショニング
してこれらの低融点結晶核をβ - 3形に少くとも部分的に変換させる能力を有
したあらゆる装置又は器具が使用できる。このようなテンパリング装置は、そこ
で加工処理される冷却/コンディショニング組成物に必要量の剪断攪拌を加える
ためにも働く。
フレーバー菓子組成物の初期冷却は、必要量の熱的及び機械的エネルギーを伝
えるために適したいずれかのスウェプトウォール、スクレープド(scraped)ウォ
ール又はスクリュータイプ熱交換器で行える。このような熱交換器の例にはボー
テーター(Votator)及びガードラー(Girdler)“A”ユニット、マーガリン及びシ
ョートニング製造に用いられるグローエン(Groen)モデル#DR(C)と、アー
ステッド(Aasted)チョコレートテンパリングユニットがある。これらの慣用的ユ
ニットに関する参考文献にはGreenwell,B.A.,J.Amer.Oil Chem.Soc.,March 1981
,pp.206-7 ;Haighton,A.J.,J.Amer.Oil Chem.Soc.,1976,Vol.53,pp.397-9 ;Wied
ermann,L.H.,J.Amer.Oil Chem.Soc.,Vol.5%,pp.826-7; Beckett,S.T.,editor,In
dustrial Chocolate Manufacture and Use,
Van Nostrand Reinhold,New York,1988,pp.185-9がある。これら公開文献のすべ
てが参考のため本明細書に組み込まれる。
動的テンパリング操作の冷却ステップを行うために好ましい装置は、ソリッチ
・ターボ・テンパラー(Solich Turbo Temperer)のようなスウェプトウォールチ
ョコレートテンパリング機械である。この一般的タイプの装置とその構成部品は
1977年11月22日付で発行されたSoliichの米国特許第4,059,04
7号;1979年12月11日付で発行されたSoliichの米国特許第4,178
,105号;1987年3月10日付で発行されたBlumの米国特許第4,648
,315号;1989年8月22日付で発行されたSoliichの米国特許第4,8
59,483号明細書で更に十分に記載されている。これら特許明細書のすべて
が参考のため本明細書に組み込まれる。
本動的テンパリング操作のコンディショニングステップを行う上で好ましいタ
イプの装置には、空気がそこで加工処理されるフレーバー菓子組成物中に取込ま
れないで、組成物の温度が適切にコントロールしうるように操作できる攪拌ジャ
ケット化容器がある。適切なスクレープドウォールジャケット化オープンタンク
ミキサーの例はクルーター・テンパー(Krueter temper)ケトル(Beckett,pp.183-
4)である。加えて、“ピッカーボックス”が
テンパリング操作のコンディショニングステップに使用できる。ピッカーボック
スはボーテーター又はガードラー“B”ユニットとも称され、マーガリン及びシ
ョートニング産業でも広く用いられている。Joyner,N.T.,J.Amer.Oil Chem.Soc.
,1953,Vol.30,pp.526-535 及びSchwitzer,M.K.,Margarine and Other Food Fats
,Interscience Publishers,New York,1956,p.287を含めて、このタイプの装置に
は多くの参考文献がある。これらの公開文献も参考のため本明細書に組み込まれ
る。
コンディショニング操作には、ピッカーボックスの形をした攪拌ジャケット化
容器が好ましくは用いられる。加えて、2個の別々の攪拌熱交換器装置でコンデ
ィショニングステップを行うことができる。例えば、スクレープドウォール又は
スウェプトウォールチョコレートテンパリングユニット、例えばソリッチ・ター
ボ・テンパラーのトップセクションでウォームアップを開始して、ピッカーボッ
クスでコンディショニングを完了させることができる。
1個の熱交換器装置で本動的テンパリング操作の冷却(核形成)ステップ及び
コンディショニングステップ双方を行うこともできる。例えば、ターボ・テンパ
ラー、例えばソリッチ・ターボ・テンパリングカラムの構成、条件及び流速は冷
却及びコンディショニング双方のステップがこの装置で行えるように調整できる
。
5.テンパリングされた処方物の硬化
次いで動的にテンパリングされた液体チョコレートフレーバー塊状物は成形、
押出し、付着又はエンロービング向けにすぐ使える。成形、押出し及び付着向け
にはチョコレートフレーバーバー及びチョコレートチップの形成があり、エンロ
ービング向けにはチョコレートフレーバーコーティングで覆われたキャンデーバ
ー及びクッキーがある。成形、付着又は押出し向けでは、液体チョコレートフレ
ーバー塊状物は適切な型に単純に充填され、移動ベルトのような平坦な表面上に
付着され、又は望ましい形状に押し出される。エンロービング向けには、液体チ
ョコレートフレーバー塊状物は慣用的なエンロービング装置を用いて菓子ヌガー
軸又はクッキー軸のような適切な支持体に塗布される。
テンパリングされた処方物は、低カロリーカカオ脂代替脂肪が安定なβ-3結
晶相に変換されるように“硬化”又は結晶化される。処方物が硬化される具体的
な方法は、関与する具体的な処方と、望まれる具体的な最終製品形態に依存する
。通常、処方物は約70°F(21.1℃)以下、典型的には約38〜約70°
F(3.3〜21.1℃)範囲の温度を有する環境中で少くとも約15分間、典
型的には約15〜約270分間の範囲にわたりそれを冷却することにより硬化さ
れ、脱型及びラッピング又はパッケージングされ、その後少くとも約60°F
(15.6℃)、典型的には約60〜約70°F(15.6〜21.1℃)範囲
の温度を有する環境中に保たれる。例えば、成形品の場合には、処方物は約28
〜約36%の脂肪成分を含有し、動的テンパリング及び型への充填後、約65°
F(18.3℃)の温度を有する環境中で脱型及びパッケージングする前に、約
65°F(18.3℃)の温度を有する環境中で約240分間冷却される。好ま
しくは、動的テンパリング処方物は、脱型前に、約65〜約70°F(18.3
〜21.1℃)の温度を有する環境中で約15〜100分間にわたり型中で冷却
することができる。しかしながら、この場合において、約45°F(7.2℃)
以下の温度を有する環境中で約2〜15分間にわたり更に冷却することは、ピー
スの容易な脱型及び光沢のある外観にとり必要である。次いで脱型されたピース
はピースで縮合を防止できるように制御された相対湿度下で加温され、その後ピ
ースは約65°F(18.3℃)の温度を有する環境中でパッケージングされる
。エンロービング製品の場合、処方物は約28〜約40%の脂肪成分を含有し、
動的テンパリング後に処方物は軸上にエンロービングされ、その後約65°F(
18.3℃)の温度を有する環境中でパッケージングする前に、約65°F(1
8.3℃)の温度を有する環境中で約45分間冷却される。一方、エンロービン
グされたピースは、約65°F(18.3℃)以下の温度を有
する環境中でパッケージングする前に、約60°F(15.6℃)の温度を有す
る環境中で約15分間冷却され、その後約60〜65°F(15.6〜18.3
℃)の温度を有する環境中に保たれる。
D.分析方法
1.CNP/GC法
低カロリーカカオ脂代替脂肪中に存在するトリグリセリドの炭素数プロフィル
(CNP)は、分子量による組成の分析及び特徴付けのために、メチルシリコー
ンでコートされた短い溶融シリカカラムを用いてプログラム化温度-ガスクロマ
トグラフィー(GC)により決定できる。トリグリセリドはそれらの各炭素数に
従い分離され、その場合に炭素数は混合脂肪酸残基における炭素原子の総数を表
す。グリセロール分子の炭素原子は数えない。同一炭素数のグリセリドは同一ピ
ークとして溶出する。例えば、3つのC16(パルミチン)脂肪酸残基から構成さ
れるトリグリセリドは、1つのC14(ミリスチン)、1つのC16及び1つのC18
(ステアリン)脂肪酸残基から構成されるトリグリセリド、又は2つのC14脂肪
酸残基及び1つのC20(アラキジン)脂肪酸残基から構成されるトリグリセリド
と同時溶出する。参考のため組み込まれる、1989年12月19日付で発行さ
れたEhrmanらの米国特許第4,888,196号明細書参照。
2.脂肪酸組成
低カロリーカカオ脂代替脂肪中に存在するトリグリセリドの脂肪酸組成はガス
クロマトグラフィーにより測定できる。最初に、トリグリセリドの脂肪酸エチル
エステルが標準法(例えば、ナトリウムエトキシドを用いるエステル交換)によ
り製造され、その後DB-WAX固定相でコートされたキャピラリーカラムで分
離される。脂肪酸エチルエステルは鎖長及び不飽和度により分離される。スプリ
ットインジェクションはフレームイオン化検出で行う。定量は二重内部標準法の
使用により実施する。この方法はC6〜C24の脂肪酸エチルエステルを分離でき
る。参考のため組み込まれる、1989年12月19日付で発行されたEhrmanら
の米国特許第4,888,196号明細書参照。
E.本発明による改善されたプロセスの具体例
以下は本発明による改善されたプロセスの具体的説明である:例1
低カロリーフレーバー菓子組成物は下記成分を用いて製造する:
成分
チョコレートリカー(52%カカオ脂) 0.33部
カカオ粉(11%カカオ脂) 7.64部
全脂肪乳固形分(26%バター脂肪) 3.56部
無脂肪乳固形分(0.8%バター脂肪) 8.92部
エチルバニリン 0.06部
大豆レシチン 0.44部
低カロリー菓子脂肪 33.69部
スクロース 55.56部
低カロリー菓子脂肪成分を、1989年12月19日付で出願された米国出願
第452,877号明細書で記載されたプロセスに従いカプリル及びカプリン脂
肪酸でモノベヘニンをエステル化することにより製造する。この低カロリー脂肪
は下記トリグリセリド及び脂肪酸組成を有している:
上記成分から低カロリーフレーバー菓子組成物を製造するために:
1.乾燥成分(カカオ粉、全乳固形分、無脂肪乾燥乳固形分、エチルバニリン
、スクロース)を低速でミックスする。
2.溶融チョコレートリカーを乾燥成分に加える。低
速でミックスし続ける。
3.低カロリー菓子脂肪(既に溶融)25.91部を混合物に加える。すべて
の成分がよくブレンドされるまで低速でミックスし続ける。
4.混合物をロールミルで精製する。
5.ミルから回収されたミックスの91.78部の量を秤量する。140〜1
45°F(60〜62.8℃)で2.5〜3時間にわたり中速でドライコンチン
グする。
6.溶融低カロリー菓子脂肪7.78部を乾燥コンチングミックスに加える。
大豆レシチンを加える。よくミックスする。温度を120〜125°F(48.
9〜51.7℃)に下げる。ミキサー速度を低に下げ、湿潤コンチングを一夜(
16〜20時間)続ける。
これらの成分及び操作から、下記組成の低カロリーフレーバー菓子組成物を製
造する:
組成
チョコレートリカー(52%カカオ脂) 0.30%
カカオ粉(11%カカオ脂) 6.88%
全脂肪乳固形分(26%バター脂肪) 3.20%
無脂肪乳固形分(0.8%バター脂肪) 8.03%
エチルバニリン 0.05%
大豆レシチン 0.44%
低カロリー菓子脂肪 31.10%
スクロース 50.00%
6枚のスウェプトウォール熱交換器プレートの垂直配列カラムからなるソリッ
チMSV200Bテンパリングカラムを用いて、湿潤コンチング低カロリー菓子
組成物を120°F(48.9℃)の溶融物から約60°F(15.6℃)まで
冷却する。組成物を25分間の滞留時間となるようにできるだけ最低流速でテン
パリングカラムの底から上まで流動させながら50rpm(約4000sec-1の
最大剪断速度)でミックスし、その際に2.4°F/min(1.3℃/min)の速度
で冷却する。冷却液温度は最初の2枚の熱交換器プレートで120°F(48.
9℃)、次の熱交換器プレートで−3°F(−19.4℃)、残り3枚の熱交換
器プレートで56゜F(−13.3℃)である。ソリッチテンパリングカラム内
で、低融点脂肪結晶核が低カロリーフレーバー菓子組成物で形成される。
低カロリーフレーバー菓子組成物は高粘度でソリッチを出て、長さ16インチ
(約41cm)、内径5インチ(約13cm)の攪拌Bユニットに入り、そこでそれ
が更に高い約70〜75゜F(21.1〜23.9℃)の製品温度で180rpm
(約40sec-1の平均剪断速度)にて3時間ミックスする。Bユニットジャケッ
トを51゜F(10.6℃)で循環する水で冷却して、ミックスによる摩擦熱の
一部とβ-3変換の熱を除去する。Bユニット内で、低融点結晶はβ-3に変換す
る。ミックス後、低カロリーフレーバー菓子組成物は成形又はエンロービ
ング向けに容易に取り扱える粘度で出てくる。
成形の場合は、型中のサンプルをファン(約2m/sでラン)下65゜F(18
.3℃)又は70゜F(21.1℃)で90分間冷却し、その後ファン(約2m/
sでラン)下45゜F(7.2℃)で15分間更に冷却し、手で脱型し、良好な
光沢を留めたまま65゜F(18.3℃)でパッケージングする。エンロービン
グの場合は、コートされた軸をファン(約2m/sでラン)下65゜F(18.3
℃)で45分間又は60゜F(15.6℃)で15分間冷却したところ、65゜
F(18.3℃)でパッケージングしうるほど十分に堅かった。すべての低カロ
リーフレーバー菓子組成物は動的テンパリング後にブルームがなく、90゜F(
32.2℃)で90分間の暴露後又は86゜F(30.0℃)で8時間及び70
゜F(21.1℃)で16時間の24時間サイクル5回後にもブルーム形成しな
い。例2
例1で記載されたように製造された低カロリーフレーバー菓子組成物を用いて
、ソリッチをより速い流速でランし、4分間のかなり少ない滞留時間とする。
湿潤コンチング低カロリーフレーバー菓子組成物を、ソリッチテンパリングカ
ラムにおいて50rpm(約4000-1の最大剪断速度)でミックスしながら、1
20゜F(48.9℃)の溶融物から約70゜F
(21.1℃)まで12.5゜F/min(6.9℃/min)の速度で冷却する。低カ
ロリーフレーバー菓子組成物温度を下げるために、カラム中6枚すべてのプレー
トを66゜F(18.9℃)で循環する水で冷却する。ソリッチから出てくる低
カロリーフレーバー菓子組成物は非常に低い粘度を有している。
大半の結晶形成は後のミックスステップで起きるが、そこでは低カロリーフレ
ーバー菓子組成物を攪拌Bユニット中で4時間ミックスする。Bユニットにおい
て、低カロリーフレーバー菓子組成物バルク温度は、ミキサーを60゜F(15
.6℃)で循環する水で冷却して、180rpm(約40sec-1の平均剪断速度)で
のミックス及び結晶化による発生する熱の一部を除去していても、約75゜F(
23.9℃)で比較的一定に留まる。次いで低カロリーフレーバー菓子組成物を
成形し、典型的粘度でエンロービングする。
ファン(約2m/sでラン)下65゜F(18.3℃)又は70゜F(21.1
℃)で90分間冷却後、型中のサンプルをファン(約2m/sでラン)下45゜F
(7.2℃)で15分間更に冷却し、手で脱型し、良好な光沢を留めたまま65
゜F(18.3℃)でパッケージングする。ファン(約2m/sでラン)下65゜
F(18.3℃)で45分間又は60゜F(15.6℃)で15分間冷却後、エ
ンロービングされた軸は65゜F(18.3℃)でパッケー
ジングしうるほど十分に堅かった。すべての低カロリーフレーバー菓子組成物は
動的テンパリング後にブルームがなく、例1で記載された双方の熱応力試験にパ
スする。例3
低カロリーフレーバー菓子組成物を例1で記載された処方及び操作に従い製造
する。
120゜F(48.9℃)の溶融物から、低カロリーフレーバー菓子組成物を
ソリッチテンパリングカラム中3.6゜F/min(2.0℃/min)の速度で約66
゜F(18.9℃)に冷却する。全18分間の滞留時間にわたり70rpm(約5
600sec-1の最大剪断速度)で操作して、カラムは75゜F(23.9℃)水
で冷却された最初の2枚のプレートとその後の40゜F(4.4℃)でジャケッ
ト化された3枚のプレートにより低カロリーフレーバー菓子組成物を66゜F(
18.9℃)に冷却する。最終プレートでは水ジャケット内で80゜F(26.
7℃)水を用いて低カロリーフレーバー菓子組成物を約70゜F(21.1℃)
までやや加温する。低カロリーフレーバ−菓子組成物は高粘度でソリッチから出
てくる。
66゜F(18.9℃)でジャケット化された攪拌Bユニット中180rpm(
約40sec-1の平均剪断速度)で9分間加工処理した後、低カロリーフレーバー
菓子組成物は75゜F(23.9℃)の温度を有し、粘度が減少している。ファ
ン(約2m/sでラン)下65゜F(18.3℃)
で型中90分間冷却後、低カロリーフレーバー菓子組成物ではファン(約2m/s
でラン)下45゜F(7.2゜C)で15分間の冷却後に良好な光沢のまま手で
脱型しうるほど十分その安定なβ-3相に変換している。ファン(約2m/sでラン
)下65゜F(18.3℃)で45分間又は60゜F(15.6℃)で15分間
冷却後、エンロービングされたサンプルは65゜F(18.3℃)でパッケージ
ングしうるほど十分に堅かった。すべてのサンプルはブルームがなく、例1で記
載された双方の熱応力試験にパスする。例4
テンパリングしうる低カロリーフレーバー菓子組成物を例1で記載された一般
的処方及び操作に従い製造する。
120゜F(48.9℃)の溶融物から、低カロリーフレーバー菓子組成物を
一連の6枚のスウェプトウォール熱交換器プレート(ソリッチ・ターボ・テンパ
ラー)により冷却する。18分間の滞留時間にわたり50rpm(約4000sec-1
の最大剪断速度)で操作すると、ソリッチ・ターボ・テンパリングカラムは20
゜F(−6.7℃)水で冷却された最初の2枚のプレートにおいて55゜F(1
2.8℃)まで10.8゜F/min(6.0℃/min)の速度で低カロリーフレーバ
ー菓子組成物を冷却する。次の4枚のプレートにおいて、ソリッチは低カロリー
フレーバー菓子組成物を73゜F(22.8℃)に加温する。
最後の4枚のプレートはフレーバー菓子組成物をコンディショニングするために
用いられる。
ファン(約2m/sでラン)下65゜F(18.3℃)で型中90分間冷却後、
低カロリーフレーバー菓子製品ではファン(約2m/sでラン)下45゜F(7.
2℃)で15分間の冷却後に良好な光沢のまま手で脱型しうるほど十分その安定
なβ-3相に変換している。すべてのサンプルはブルームがなく、例1で記載さ
れた双方の熱応力試験にパスする。
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(72)発明者 ジャーピクス,コーネリス ヘンドリクス
アメリカ合衆国オハイオ州、ワイオミン
グ、フラッグスタッフ、ドライブ、642
(72)発明者 スミス,クラウディア アン
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
グレン、エッジ、レーン、3561