【発明の詳細な説明】
多重付着分子に対する特異性を有する抗体
関連出願についてのクロスリファレンス
本出願は、1992年5月22日出願の係属米国出願連続番号第07/887
,695号の一部継属出願である。
発明の分野
本発明は、多重付着分子に結合する抗体および疾患の治療法に関する。本発明
のもう一つの特徴は、付着分子を検出するためのイムノアッセイに関する。
発明の背景
ヒトおよび哺乳類の循環器系における末梢血は、主として赤色血液細胞、すな
わち赤血球と、白色血液細胞、すなわち白血球とからなっている。白血球の群は
、単球、好中球、好酸球、好塩基球および各種のリンパ球からなっている。好中
球、好酸球および好塩基球は、細胞質顆粒の貧量が高いため、「顆粒細胞」とし
て知られている。
好中球、単球、好酸球および好塩基球は、ヒト免疫系におけるそれらの主要な
機能が細菌、微生物および他の種類の異物を貧食しまたは消化するので、食細胞
として知られている。これらの細胞はヒトまたは動物の骨髄中の通常の前駆細胞
から産生され、末梢血中を循環し、最後に感染を抑制するのに必要な組織に入り
、または炎症反応に関与することが知られている。しかしながら、それぞれの食
細胞は機能が異なり、関連してはいるが別個の系として機能する。
好中球は、ヒトおよび動物の末梢血における最も一般的に見られる白血球であ
る。正常なヒトの全血1マイクロリットルは、平均して5,000個の白血球を
含み、その3,075個が好中球であり、150個が好酸球であり、25個が好
塩基球であり、250個が単球であり、1,500個がリンパ球である。
感染または炎症に応答して、白血球は活性化されて、最初にある種の細菌の産
生物、補体成分、サイトカインおよび他の因子などの走化性因子に応じて適当な
場所に移動する。白血球の他に、これらのシグナルは内皮細胞を活性化すること
もできる。活性化の結果として、白血球および内皮細胞は付着性になる。
この誘引工程は「走化性」と呼ばれている。ある部位に炎症または感染が生じ
ると、ほとんどの白血球はその標的に堅く結合しなければならない。細胞付着は
、様々なリガンド−レセプター相互作用を介して行われる。例としては、補体用
の細胞レセプター、抗体のFcまたは細胞結合性部分の細胞レセプター、フィプ
ロネクチンレセプター、および他の付着分子が挙げられる。付着に関与するレセ
プターの大半は、糖タンパク質である。
好中球は、後毛細管小静脈の内皮を通って動脈−静脈系と相互作用し、この系
から出て行く(すなわち、溢出する)。急性の炎症性反応の際には、好中球はリ
ンパ球溢出の主要部位であるリンパ球節内に見られる高内皮性小静脈(HEV)
から出ることができる。二種類の好中球表面抗原が、この相互作用に関与してい
ることが示されている−LFA−1/Mac−1/p150.95(CD11a
−c/CD18)複合体およびL−セレクチン。
セレクチンは以前はLEC−CAMsと呼ばれていたものであり、新規な種類
の付着タンパク質を表しリンパ系組織および炎症部位へ白血球が入るのを制御す
る(ローゼン(Rosen)、1990年、Am.J.Respir.Cell.M
ol.Blol.,3:397−402)。この群の3個が同定されている。こ
れらのうち、2個のE−セレクチンおよびP−セレクチン(最初は、それぞれE
LAM−1およびGMP−140/PADGEMと呼ばれていた)は、内皮細胞
によって発現される。第三のL−セレクチン(LAM−1、LECAM−1、L
eu−8、TQ−1、または末梢リンパ節ホーミングレセプター)は、実質的に
総ての末梢血白血球によって発現される。P−セレクチンは、内皮細胞および血
小板中の細胞質性タンパク質であり、トロンビンで活性化して速やか(数分以内
)にトランスロケーションすることができる(ラルセン(Larsen)ら、1989
年、Cell,56:1033−1044;ジェング(Geng)ら、1990年、
Nature(London),343:757−760)。E−セレクチンも
誘導内皮細胞表面糖タンパク質であるが、発現には2〜4時間かかり、de
novoRNAおよびタンパク質合成の要件を反映している(ベビラッカ(Bevi
lacqua)ら、1989年、Science(Wash.D.C.)243:11
6−1112)。
P−セレクチンおよびE−セレクチンは両方とも好中球および単球に対する付
着タンパク質である(ラルセン(Larsen)ら、1989年、Cell,59:3
05−312;ジョンストン(Johnston)ら、1989年、Cell,56:1
033−1044:ベビラッカ(Bevilacqua)ら、1987年、Proc.Na
tl.Acad.Sci.,84:9238−9242;ベビラッカ(Bevilacq
ua)ら、1989年、Science(Wash.D.C.)243:1160
−1112)。記憶T−細胞のサブ集団も、E−セレクチンと結合することが示
されている(ピッカー(Picker)ら、1991年、Nature(London
),349:796−799);(シミズ(Shimizu)ら、1991年、Nat
ure(London),349:799)。血管系セレクチンとは対照的に、
L−セレクチンは白血球によって構造的に発現され、末梢血管アドレッシングに
結合することによって末梢リンパ節の高内皮性小静脈へのリンパ球の付着(ベル
グ(Berg)ら、1989年、Immunol.Rev.,108:5−18;ベ
ルグ(Berg)ら、1991年、J.Cell.Biol.,114:343−3
49)、およびサイトカインによって活性化された内皮細胞への好中球の付着を
媒介する(ホールマン(Hallman)ら、1991年、Biochem.Biop
hys.Res.Comm.,174:236−243;スミス(Smith)ら、
1991年、J.Clin.Invest.,87:609−618;スペルチ
ニ(Spertini)ら、1991年、J.Immunol.,147:2565−2
573)。最近になり、好中球のL−セレクチンはE−セレクチンの潜在的な逆
レセプターであることが示された(キシモト(Kishimoto)ら、1990年、B
lood.78:805−811;ピッカー(Picker)ら、1991年、Cel
l,66:921−933)。
L−セレクチンは、見かけは機能的な形態の残りの好中球上で構造的に発現す
る。新たに単離した好中球は、イン・ビトロで低温(4〜7℃)で剌激した内皮
に結合することができる(ホールマン(Hallmann)ら、1991年、
Biochem.Biophys.Res.Commun.,174,236:
スペルチニ(Spertini)ら、1991年、J.Immunol.,147:25
65)。しかしながら、好中球を低濃度の走化性因子に数分間暴露するだけで、
L−セレクチンは細胞表面から速やかにダウンレギュレーションする(キシモト
(Kishimoto)ら、1989年、Science,245:1238)。L−セ
レクチンのほぼ完全なダウンレギュレーションは、イン・ビトロでは数分以内に
検出することができる。この形態の逆レギュレーションは、細胞表面上のL−セ
レクチンのタンパク質分解性分解によって行われる。L−セレクチンの大きなフ
ラグメントは、活性化した細胞の上清から回収することができ、L−セレクチン
はトランスメンブランドメインの近傍にタンパク質分解的にクリップされること
を示唆している(キシモト(Kishimoto)ら、1989年、Science、2
45:1238)。
イン・ビボで炎症を起こしたマウスの腹膜から回収される好中球を分析し、炎
症を起こした皮膚部位における好中球を免疫組織学的に分析することにより、こ
の付着分子の逆レギュレーションがイン・ビボでも起こることが示唆されている
。リンパ球および単球も、イン・ビボでは活性化することによりL−セレクチン
を脱落することができるが、速度は著しく遅い(ジュング(Jung)ら、1988
年、J.Immunol.,141:4110;ジュチラ(Jutila)ら、199
0年、Blood,76:178;キシモト(Kishimoto)ら、1990年、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,87:2244)。
E−セレクチンは、通常は内皮細胞には存在しない。しかしながら、炎症性サ
イトカインで剌激することにより、内皮細胞は数時間以内にE−セレクチンを発
現する。E−セレクチンは、テ・ノボで合成され、タンパク質合成阻害剤によっ
てブロックされる(ベビラッカ(Bevilacqua)ら、1987年、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,84:9238)。E−セレクチンのこのア
ップ・レギュレーションは、ICAM−1およびVCAM−1などの他の内皮付
着分子で見られるものと同じである。しかしながら、24時間に亙って高度に発
現され続けるこれらの他の付着分子とは対照的に、E−セレクチンの発現はイン
・ビトロでは3〜4時間で最大になった後、8〜24時間までに低下する
(ベビラッカ(Bevilacqua)ら、1987年、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,34:9238;ポバート(Pobert)ら、1986年、J.I
mmunol.,137:1893)。E−セレクチンの発現の時間経過は、イ
ン・ビボでの急性の炎症部位への好中球の浸潤の時間経過と同様である。これら
の結果から、E−セレクチンは主として急性の炎症反応に関与していることが示
唆される。E−セレクチンの発現もイン・ビボで速やかに誘導することができ、
好中球の流入と一致する(ノリス(Norris)ら、1991年、J.Invest
.Dermatol.,96:763;コトラン(Cotran)ら、1986年、J
.Exp.Med.,164:661;ムンロ(Munro)ら、1991年、La
b Invest.,64:295:レドル(Redl)ら、1991年、Am.J
.Pathol.,139:461;ムンロ(Munro)ら、1989年、Am.
J.Pathol.,135:121;ロイング(Leung)ら、1991年、J
.Clin.Invest.,87:1805)。しかしながら、幾つかの慢性
の炎症性病変、特に幾つかの炎症を起こした皮膚および滑膜部位では、E−セレ
クチンの発現が極めて顕著である(コトラン(Cotran)ら、1986年、J.E
xp.Med.,164:661;コッホ(Koch)ら、1991年、Lab.I
nves.,64:313;ピッカー(Picker)ら、1991年、Nature
,349:746;ノリス(Norris)ら、1991年、J.Invest.De
rmatol.,96:763)。L−セレクチンとは異なり、E−セレクチン
が内皮から脱落することを示唆するイン・ビトロでの証拠はない。
分子レベルでは、これらの3種類のセレクチンは総て、N−末端のC型レクチ
ンドメイン、表皮成長因子(EGF)様ドメイン、および補体調節タンパク質中
に見られるものに対応する多重短コンセンサス反復(SCR)ドメインからなる
特異的なモザイク構造を示す(ジョンストン(Johnston)ら、1989年、Ce
ll,56:1033−1044;ベビラッカ(Bevilacqua)ら、1987年、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:9238−9242;
ラスケイ(Laskey)ら、1989年、Cell,56:1045−1055;シ
ーゲルマン(Siegelman)ら、1989年、Science(Wash.D.
C.)243:1165−1172;カメリニ(Camerini)ら、1989年、N
ature(London)342:78−80;テッダー(Tedder)ら、19
89年、J.Exp.Med.,170:123−133)。これらのタンパク
質はヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで40〜60%同じものを共有しており
、初期の祖先遺伝子の遺伝子複製によって生じることがある。それぞれのセレク
チンのレクチンドメインはタンパク質の付着機能にとって重要であると考えられ
ており、これら3種類のセレクチンの炭水化物結合特異性は部分的に画定されて
いる。P−およびE−セレクチンは、それらの結合特性には差があるが、ミエロ
イド細胞によって発現した糖タンパク質および糖脂質を修飾するシアリル化した
ルイスx(sLex)を認識する(フィリップス(Phillips)ら、1990年、
Science(Wash.D.C.),250:1130−1132;ロウエ
(Lowe)ら、1990年、Cell,63:475−484;ゲルツ(Goelz)
ら、Cell.63:1349−1356;ワルツ(Walz)ら、1990年、S
cience,250:1132;ポーレイ(Polley)ら、1990年、Nat
l.Acad.Sci.,8:6224−6228)。L−セレクチンの機能は
、マンノース−6−PO4などのある種の単純な糖、および酵母(Hansen
ula holstii、イェドノック(Yednock)ら、1987年、J.Ce
ll.Biol.,111:1225−1232、ローゼン(Rosen)、199
0年、Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.の総説)由来の
マンノース−6−PO4含量の高いホスホマンナン(ホスホマンナンモノエステ
ルコア、すなわちPPME)などのある種の複雑な多糖類によってブロックされ
る。更に、L−セレクチンの機能をブロックする多くの抗体がレクチンドメイン
によってコードされたエピトープを認識する(ボウエン(Bowen)ら、1990
年、J.Cell.Biol.,110:147−153;カンサス(Kansas)
ら、1991年、J.Cell.Biol.,114:351−358)。
セレクチンの他の空間的に離れた別の機能ドメインも存在することができる。
マウスまたはヒトL−セレクチンEGFドメインに対する抗体は、HEVに対す
るリンパ球の付着をブロックするが、炭水化物の結合に関してはほとんど効果が
ない(カンサス(Kansas)ら、1991年、J.Cell.Biol.,114
:351−358:シーゲルマン(Siegelman)ら、1989年、Cell,6
1:611−622)。キメラL−セレクチン/免疫グロブリン構造体の研究か
ら、SCRドメインもセレクチンに対して重要な機能上の役割を有することが示
されているが、レクチンおよびEGFドメインとは対照的に、機能をブロックす
る抗体がこの領域を認識することは示されていない。また、SCRの機能上の役
割は適正な分子のコンホーメーションの保持に限定されており、このコンホーメ
ーションはそれぞれのセレクチンについて異なっている(ワトソン(Watson)ら
、1991年、J.Cell.Biol.,115:235−243)。
多くの抗−セレクチンmAbsが開発されているが、2種類の異なるセレクチ
ンに対する決定基を認識する能力を有することは示されていない。ヒトE−セレ
クチンを認識するCL2はイヌL−セレクチンと反応するが、同じ動物ではいず
れとも反応しない(アバッシ(Abbassi)ら、1991年、J.Immunol
.,147:2107−2115)。スペルチニ(Spertini)ら(1991年、
J.Immunol.,147:942)は、L−セレクチンに関して少なくと
も11種類の異なるエピトープの機能上の特徴と分子での局在化を示しているが
、これらのいずれも2種類の異なるセレクチン上では発現しない。L−セレクチ
ンを認識するTQ−1およびLeu−8も極めて限定された染色パターンを示す
が、他のセレクチンを染色しない。公表された抗−E−セレクチンまたはP−セ
レクチンmAbsのいずれも、他のセレクチンと反応することが示されてはいな
い。様々なセレクチンはアミノ酸レベルではかなりの程度同一であり、多数の抗
−セレクチンmAbsが産生されているが、本発明の以前には2種類の異なるセ
レクチンによって共有されるエピトープを認識する抗体は全く報告されていなか
ったことは興味深いことである。
急性の炎症反応の主要なメディエイターとして、好中球は免疫系の本質的成分
を表している。好中球は骨髄で生成するが、この骨髄には多量の容易に移動性に
なる成熟した顆粒細胞が含まれている。好中球は、血中に放出された後は、半減
期が比較的短く(ヒトでは4〜10時間)、内皮と可逆的に相互作用する細胞の
自由に血中を運ばれるプールとマージネイティイグ(marginating)
プールとの間で動的平衡になっている。好中球は急性の炎症性剌激に応じて、血
管内皮に堅く付着し、血管壁を通って移動した後、走化性グラディエントに沿っ
て炎症性剌激へと移動して、そこで食細胞作用を行う。従って、好中球と血管内
皮細胞との相互作用は、急性の炎症性反応における本質的な初期段階である。
白血球の炎症反応は微生物の侵襲を撲滅する上で極めて重要であるが、実質的
で納得できる証拠によれば、炎症性食細胞は剌激的病因によって生じる可溶性炎
症因子によってイン・ビボでこれらの細胞が活性化されると、各種の器官および
組織に損傷を与えるのである(ハーラン(Harlan)、1985年、Blood,
65:513−525)。活性化された好中球および単核食細胞が管内皮細胞に
付着して広がった後、毒性を有する酸化性代謝物およびプロテアーゼを放出する
と、成人の呼吸困難症候群(ARDS;ショック肺症候群)、糸球体腎炎、急性
および慢性の同種移植片拒絶反応、炎症性皮膚疾患、リューマチ性関節炎、喘息
、アテローム性動脈硬化症、全身性エリテマトーデス、結合組織疾患、脈管炎、
および虚血−再潅流症候群(すなわち、四肢再移植(limbreplanta
tion)、心筋梗塞、挫傷、ショック、発作および臓器移植)などの疾患に見
られる臓器の損傷が引き起こされた(ハーラン(Harlan)の総説、同上)。
「抗−付着(anti−Adhesion)」療法は、白血球の内皮への付着
が管および組織の障害/損傷に大きく関与する炎症性および免疫疾患の治療に対
する新規な方法である。本発明は付着工程と特異的に相互作用してこれをブロッ
クするので、これらの疾患に用いられる可能性がある。
「抗−付着」療法は、炎症反応に対して極めて大きな効果を有する。皮膚障害
を減少させることができ(Arfors)ら、1987年、Blood,69:338
)、細菌性髄膜炎により引起こされる脳水腫および死を減少させることができ(
ツォマネン(Tuomanen)ら、1989年、J.Exp.Med.,170:95
9)、遅延型過敏反応に伴う組織浮腫を減少させることができ(リンドボム(Li
ndbom)ら、1990年、Clin.Immunol.Immunopath.
,57:105)、アレルギー性喘息の気管過敏症を減少させることができ(ウ
ェグナー(Wegner)ら、1990年、Science,
247:456)、吸引後の遠隔肺損傷を減少させることができ(ゴールドマン
(Goldman)ら、1991年、FASEB J.,5:A509)、抗原が作用
した後の後期気管支収縮を減少させることができ(グンデル(Gundel)ら、19
91年、J.Clin.Invest.,88:1407)、急性肺炎の透過性
水腫を減少させることができ(ムリガン(Mulligan)ら、1991年、J.Cl
in.Invest.,88:1396)、自己免疫性糖尿病の進行を抑制する
ことができる(ハッチングス(Hutchings)ら、1990年、Nature,3
46、689)。「抗−付着」療法はまた、管の同種移植片の生存期間を引き延
ばすことができ(フラビン(Flavin)ら、1991年、Transplant.
Proc.,23:533)、酸素の毒性に伴う肺の損傷および機能障害を減少
させ(ウェグナー(Wegner)ら、1991年、Am.Rev.Respir.D
is.,143:A544)、腎臓の同種移植片の拒絶反応を減少させ(コシミ
(Cosimi)ら、1990年、J.Immunol.,144:4604)、抗原
によって誘発される関節炎を改善し(ジャシン(Jasin)ら、1990年、Ar
thritis Rheum.,33:S34)、内毒素ショックでの脈管を損
傷および死から保護し、2度火傷が3度火傷になるのを防止することもできる(
バッキー(Bucky)ら、1991年、Proc.Amer.Burn Asso
c.,23:133)。
このような「抗−付着」療法は、虚血および再潅流による損傷にも有効である
。このような療法を用いて、小腸の虚血−再潅流に伴う透過性水腫を減少させ(
ヘルナンデツ(Hernandez)ら、1987年、Am.J.Physiol.,2
53:H699)、心筋梗塞に伴う心筋の損傷を減少させ(ウィンキスト(Winq
uist)ら、1990年、Circulation,82:III;マー(Ma)ら
、1990年、Cir.Res.,82:III)、出血性ショックに伴う脈管
および臓器の損傷を減少させ(ミレスキー(Mileski)ら、1990年、Sur
gery,108:206)、脊髄のI/Rに伴う中枢神経系の損傷を減少させ
(クラーク(Clark)ら、1991年、Stroke,22:877)、凍傷お
よび復温に伴う水腫および臓器の損傷を減少させ(ミレスキー(Mileski)ら、
1990年、Proc.Am.Burn Assoc.,22:164)、心筋
層のI/Rに伴う梗塞の大きさを減少させることができる(シンプソン(Simpso
n)ら、1990年、Circulation,81:226)。
L−セレクチンに対するモノクロナル抗体は、好中球が炎症を起こした皮膚へ
移出するのを防止し(レビンゾーン(Lewinsohn)ら、1987年、J.Imm
unol.,138:4313)、好中球および単球が炎症によって生じた腹水
中に移出するのを防止し(ジュティラ(Jutila)ら、1989年、J.Immu
nol.,143:3318)、好中球が炎症を起こした腹膜中へ移出するのを
抑制する。E−セレクチンに対するモノクロナル抗体は、好中球が肺へ移行する
のを抑制することにより、それらを喘息の予防または治療に使用する基礎となっ
ている(グンデル(Gundel)ら、1991年、J.Clin.Invest.;
ムリガン(Mulligan)ら、1991年、J.Clin.Invest.,88:
1396)。ジャシン(Jasin)らは、他の特異的な細胞効果の中でも炎症を起
こした滑膜に好中球が蓄積するのを抑制するのに抗体を用いることを支持してい
る(ジャシン(Jasin)ら、1990年、Arthritis Rheum.,
33:S34;コッホ(Koch)ら、1991年、Lab.Invest.,64
:313)。
様々なセレクチン分子によって共有されているエピトープまたは抗原決定基と
反応するモノクロナル抗体またはその活性フラグメントであって、これにより炎
症および免疫反応に関係した多くの疾患を効果的に診断し、予防し、治療するこ
とができるようにするものを製造することが長年にわたり必要とされている。複
数のこの群の細胞付着分子を認識することにより前記のような疾病および損傷に
更に広範に適用することができるmAbsを入手できれば有益である。発明の要約
本発明は、様々な付着分子上に存在するドメインと反応する抗体、抗体の抗原
に結合するフラグメント、およびそれらと生物学的に同等なもの、およびこれら
の抗体を産生する細胞に関する。
本発明は、様々なセレクチン上に存在するドメインと反応する抗体、抗体の抗
原に結合するフラグメント、およびそれらと生物学的に同等なもの、およびこれ
らの抗体を産生する細胞にも関する。
本発明の抗体は様々なセレクチンと反応し、様々なセレクチンを運びまたは発
現する細胞を含んでいる。
これらの抗体、抗体の抗原に結合するフラグメントおよびそれらの生物学的に
同等なものは、様々なセレクチンを運びまたは発現する細胞に結合し、様々なセ
レクチンの機能を抑制する。
本発明は、セレクチンが役割を果たす疾患を予防しまたは治療する治療薬とし
てこれらの抗体を使用することにも関する。これらの疾患には、炎症性疾患、ア
レルギー、自己免疫疾患、喘息、関節炎および虚血−再潅流による損傷が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。特に興味深いのは、これらの抗体ま
たはそれらの機能的に同等なものを有効量で使用して、肺の虚血−再潅流による
損傷を防止しまたは抑制することである。このような治療は、前記のような疾患
に罹っている哺乳類の死亡率を減少させるのにも有効である。
本発明は、様々なセレクチンを運びまたは発現する細胞を検出する方法も包含
する。このような方法は、セレクチンおよびセレクチンを運ぶ細胞が役割を果た
す疾患の診断、およびこのような疾患の進行状態を観察するのにも用いられる。
このような方法は、セレクチンおよびセレクチンを運ぶ細胞が役割を果たす疾
患の治療経過中における治療薬の有効性を観察するのにも用いられる。
本発明は、E−セレクチンおよびL−セレクチン上の共通の抗原決定基を認識
する抗体、抗原に結合するフラグメントおよびキメラ抗体を包含する。本発明の
抗体およびそれらと機能的に同等なものは、E−セレクチンおよびL−セレクチ
ンによって媒介される細胞−細胞相互作用を抑制することができる。
本発明は、好中球がE−セレクチンを発現することができる細胞に結合するの
を抑制することができしかもE−セレクチンを発現する内皮細胞層上で好中球が
ローリングするのを防止しまたは抑制することができる抗体およびそれらの機能
的に同等なものである。
本発明は、末梢リンパ球様組織にリンパ球が戻るのを防止し、抑制しまたは調
節することができる抗体またはそれらと機能的に同等なものである。
図面の簡単な説明
本発明の上記および他の目的、特徴および付随する利点は、添付の図面に就い
て考察するとき、下記の詳細な説明を読むことによって一層よく理解されるであ
ろう。
図1:ヒトE−セレクチンcDNAでトランスフェクションしたL1−2細胞
のEL−246染色を示す。矢印は棒グラフを示しており、(1)L1−2EL
AMのEL−246染色、(2)L1−2トランスフェクタントコントロール、
および(3)L1−2ELAMトランスフェクタントのバックグラウンド染色(
第二段階コントロール)である。
図2:L1−2ELAM細胞によって発現される110kD抗原のEL−24
6認識を示す。各プロットはEL−81(抗−E−セレクチン、レーン3)、E
L−246(レーン2)およびネガティプコントロール抗体(レーン1)でプロ
ープした。
図3:ヒト扁桃の凍結切片における炎症を起こした小静脈のEL−246によ
る認識を示す。
図4:ヒト末梢血白血球の表面抗原のEL−246による認識を示す。
図5:EL−246と抗−L−セレクチン抗体との同時染色を示す。
図6:EL−246がウェスターンプロットでのアフィニティークロマトグラ
フィにより精製したL−セレクチンを認識することを示す。L−セレクチンは、
DREG56抗−L−セレクチンmAbを用いて非還元条件下で8%SDSゲル
上でアフィニティークロマトグラフィによって精製し、ニトロセルロースに移し
、EL−246(レーン2)、mAb(DREG152)中のもう一つの抗−L
−セレクチン(レーン3)または第二段階の抗体コントロール(レーン1)でプ
ローブした。
図7:EL−246がL−セレクチン(A)およびE−セレクチン(B)の機
能をブロックすることを示す。
図8:EL−246エピトープの位置がL−セレクチンのSCRドメイン中に
あるかまたはこのドメインを必要とすることを示している。
図9:好中球のEL−246治療により、好中球がE−セレクチントランスフ
ェクタント(TF)に結合するのを防止する。
図10:EL−246は、結合分析の際に好中球からE−セレクチントランス
フェクタントへ移行する。図10Aは、EL−246で治療した好中球は分析前
にFITC−第二段階で明るく染色されることを示している。図10Bは、分析
後に同じ細胞のFITC−第二段階の抗体の染色が見られないことを示している
。図10cは、10Bで分析した細胞が第二の抗−L−セレクチンmAb(DR
EG56)で染色されることを示している。図10Dは、分析前にFITC−第
二段階によりE−セレクチントランスフェクタントの染色がみられないことを示
しており、図10Eは、分析後の染色を示している。図10Fは、E−セレクチ
ンに対するトランスフェクタントの通常の間接染色の結果を示している。それぞ
れの棒グラフの点線はネガティブコントロール抗体で染色した後のバックグラウ
ンド蛍光を示している。
図11:EL−246は、剪断条件下で活性化した内皮細胞上で好中球がロー
リングするのをブロックする。11Aは、好中球のローリングに対するEL−2
46の効果を示している。11Bは、好中球のローリングに対するイソタイプの
ネガティプコントロールmAbの効果を示している。
図12:EL−246は、末梢リンパ節HEVに対するE−セレクチントラン
スフェクタントの結合をブロックする。図12AはPLN HEVに対するこの
トランスフエクタントの結合を示し、図12Bは連続切片での同じ血管への結合
に対するEL−246の効果を示している。矢印は、連続切片倍率200×での
同一血管を示している。
図13:EL−246は、ウシリンパ球がマウスの末梢リンパ節へ戻る能力を
特異的にブロックする。輪郭プロットは、EL−246、DREG55または媒
質のみ(コントロール)で処理した(trtd.)後に脾臓および末梢リンパ節
(PLN)に戻ったFITCで標識したウシリンパ球の割合を分析したものを表
している。
図14:ヒツジをEL−246で処理すると、イン・ビボで虚血/再潅流によ
る損傷によって引き起こされる死亡が防止される。ヒツジは、抗−E/L−セレ
クチン(EL−246)モノクローナル抗体、抗−ヒトL−セレクチンモノクロ
ーナル抗体(DREG56)で処理したか、または全く処理を行わなかった(虚
血コントロール)。生存率を時間(時)に対してプロットした。
図15:抗−E−/L−セレクチンモノクローナル抗体(EL−246)で処
理した8尾のマウスで再潅流を開始した後、30、90および360分後に採取
した血清試料の希釈物で処理したL−セレクチンcDNAをトランスフェクショ
ンしたマウスの最大蛍光染色の割合を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、離れており且つ別種の付着分子上に見られる共通の抗原決定基また
はエピトープに結合するモノクローナル抗体(mAbs)、抗原に結合するフラ
グメントおよびそれらと機能的に同等のものを包含している。本発明は、離れて
おり且つ別種の付着分子上に存在する共通の抗原決定基を認識することができる
mAbsを産生することができる細胞も包含する。本発明は、セレクチン上に見
られる共通の決定基、好ましくはE−セレクチンおよびL−セレクチンおよび前
記抗体を発現することができる細胞上の共通の決定基に結合することができるm
Absを包含する。本発明は、新規なモノクローナル抗体であるEL−246、
および新規なmAbを産生することができる細胞も包含する。モノクローナル抗
体EL−246を産生する細胞は、ブダペスト条約により1992年5月22日
にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)、12301、
パークローン・ドライブ、ロックビル、メリーランド、20852、アメリカ合
衆国に受理番号HB11049で寄託した。
本発明は、L−セレクチンおよびE−セレクチンのショートコンセンサス反復
(SCR)ドメイン上に存在する1種類以上のエピトープおよびmAbsを産生
することができる細胞と結合するモノクローナル抗体およびそれらと機能が同等
のものを包含する。
本発明は、これらの抗体、およびFabおよびF(ab′)2フラグメントの
ような総ての生物学的活性を有するこれらの抗体のフラグメントを包含する。本
発明にとって特に興味深いのは、離れている別個の付着分子に結合することがで
きる抗体、好ましくは離れている別個のセレクチンに結合することができる抗体
、
最も好ましくはヒトで産生されまたは組換え技術または他の技術により「ヒュー
マナイズド(humanized)」(すなわち、ヒトでは免疫原性を持たない)E−お
よびL−セレクチンに結合することができる抗体である。ヒューマナイズド抗体
は、例えば抗体の免疫原性部分を、対応はするが免疫原性を持たない部分(すな
わち、キメラ抗体)で置換することによって産生させることができる。このよう
なキメラ抗体は、ある種のもの由来の抗体の反応性または抗原結合性部分および
別の品種由来の抗体(免疫原性を持たないもの)のFc部分を含むことができる
。キメラ抗体の例としては、非ヒト哺乳類−ヒトキメラ、齧歯類−ヒトキメラ、
ネズミ−ヒトおよびラット−ヒトキメラが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない(ロビンソン(Robinson)ら、国際特許出願第184,187号明細
書;タニグチ、エム)(Taniguchi M.)、欧州特許出願第1,717,496号
明細書;モリソン(Morrison)ら、欧州特許出願第173,494号明細書、ノ
イベルガー(Neuberger)ら、PCT出願WO86/01533号明細書;カビ
リー(Cabilly)ら、欧州特許出願第125,023号明細書;ベター(Better
)ら、1988年Science,240:1041;リウ(Liu)ら、198
7年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:3439;ニシ
ムラ(Nishimura)、1987年、Canc.Res.,47:999;ウッド
(Wood)ら、1985年、Nature,314:446;ショウ(Shaw)ら、
1988年、J.Natl.Cancer Inst.,80:1553、これ
らの文献は総て参考として本明細書に引用したものである)。
「ヒューマナイズド(humanized)」キメラ抗体の総説としては、モリソン・
エス(Morrison S.)、1985年、Science,229:1202および
オイ(Oi)ら、1986年、BioTechniques,4:214がある。
好適な「ヒューマナイズド」抗体は、CDRまたはCEA置換によって産生さ
せることもできる(ジョーンズ(Jones)ら、1986年、Nature,32
1:552;ベルヘヤン(Verhoeyan)ら、1989年、Science,23
9:1534;バイドラー(Beidler)ら、1989年、J.Immunol.
,141:4053、これらの文献は総て参考として本明細書に引用したもので
ある)。本発明はまた、炎症性および免疫反応、ARDS、糸球体腎炎、急性お
よび慢性同
種移植片拒絶反応、炎症性皮膚疾患、リウマチ性関節炎、喘息、アテローム性動
脈硬化症、全身性エリテマトーデス、結合組織疾患、静脈炎、虚血−再潅流によ
る損傷、および癌などに関与する疾患の診断、予防および治療にこれらの化合物
を用いる方法を提供するが、これらに限定されるものではない。本発明は、白血
球−内皮相互作用および疾患の機構における付着分子の役割を検討するための新
規な研究手段も提供する。
哺乳類のリンパ球は、イン・ビボで動物を免疫するかまたはイン・ビトロで全
細胞、付着分子を発現する細胞または単離された付着分子若しくはそのフラグメ
ントと接触させることにより免疫される。E−セレクチンおよびL−セレクチン
を両方とも認識する本発明のモノクローナル抗体は、適当な抗原性剌激または免
疫原に応答して生成する。本発明の抗体を産生させるには、セレクチンを発現す
る天然に存在する細胞の形態の免疫原、L−および/またはE−セレクチンでト
ランスフェクションしたまたは形質転換した細胞、またはセレクチンタンパク質
およびペプチド単独または包合した他のタンパク質、リポソームなど。この免疫
原はE−セレクチンおよびL−セレクチンに共通なタンパク質領域を含み、更に
好ましくはこの免疫原はSCRドメインまたはそのフラグメントを含む。
一つの態様では、ヒトE−セレクチンcDNAおよびL−セレクチンcDNA
を安定に発現する単細胞タイプをE−およびL−セレクチンと反応する抗体を生
成する免疫原として用いる。
もう一つの態様では、ヒトL−セレクチンを安定に発現する細胞を免疫原とし
て用いる。本発明のもう一つの態様では、ヒトSCRドメインまたはその部分を
安定に発現する細胞を免疫原として用いる。もう一つの態様では、ヒトE−セレ
クチンcDNAを安定に発現するマウスリンパ球細胞をE−セレクチンおよびL
−セレクチンと反応する抗体を生成する免疫原として用いる。もう一つの態様で
は、サイトカインでの剌激の後にE−セレクチンを発現する内皮細胞またはL−
セレクチンを発現する末梢血白血球を免疫原として用いる。
イン・ビボで免疫感作するには、数週間(例えば、2〜4時間)までの間隔で
必要なだけ免疫感作を繰り返して、十分な力価の抗体を得るようにする。細胞、
細胞抽出物または抗原付着タンパク質、ペプチドまたはフラグメントを、適当な
溶液またはアジュバントに運ぶのである。最後の抗原を増加した後、動物を屠殺
して、脾臓細胞を取り出す。
ハイブリドーマの形成およびモノクローナル抗体の産生は、当業界で公知の多
数の様々な手法によって行うことができる。基本的には、本発明の方法は、最初
にイン・ビボまたはイン・ビトロで抗原または免疫原で予め剌激しておいた哺乳
類の脾臓からの免疫細胞などの免疫細胞を得ることからなっている。次に、これ
らの細胞を、細胞培養において無限に複製し、したがって永久に免疫グロプリン
を分泌する細胞系を産生することができるミエローマ細胞または形質転換細胞の
ような細胞と融合させる。好ましくはネズミであるが、他の哺乳類の細胞から誘
導することもでき、ラットおよびヒトを包含するがこれらに限定されない永久細
胞またはミエローマ細胞であって、ある種の栄養を利用することが必要な酵素を
欠き、速やかに成長することができ、良好な融合能を有する細胞を選択する。多
くのこのような細胞系またはミエローマは、当業者に知られており、また他のも
のは普通に記載されている。酵素の欠失としては、例えばチミジンキナーゼ(T
K)またはヒポキサンチン−グアニンホスホリボキシルトランスフェラーゼ(H
GPRT)を挙げることができる。これらを欠いていることにより、例えばヒポ
キサンチンアミノプテリンチミジン培地(HAT)上で成長する能力により融合
細胞を選択することができる。好ましくは、用いられる永久融合パートナーは、
免疫グロプリンを分泌しない細胞系から誘導される。得られる融合細胞またはハ
イブリドーマを融合細胞は生き続けるが融合しない細胞は生き続けない条件下で
培養し、生成するコロニーをスクリーニングして所望なモノクローナル抗体を産
生させるのである。このような抗体を産生するコロニーをクローニングし、膨脹
させて、イン・ビボまたはイン・ビトロで成長させて、多量の抗体を産生させる
(これらの細胞を融合する理論的基礎および実際的方法の説明については、ケー
ラー(Koehler)およびミルシュタイン(Milstein)、1975年、Natur
e,256:495を参照されたい。この文献の開示内容は参考として本明細書
に引用したものである)。これらの方法を以下において更に詳細に説明するが、
当業者であれば、これらの手法の改質および付加は本発明の範囲から離反するこ
となく行うことができることを理解されるであろう。
個々の融合細胞は、個々の組織培養ウェルで成長させることができる。放射線
を照射した胸腺リンパ球または他の細胞のような支持細胞を用いて、細胞の生存
率を増加させることができる。個々のウェルを形成するハイブリドーマ培養上清
を分析し、酵素結合イムノアッセイ(EIA)およびイムノドットアッセイなど
の当業界で知られている好適な検出法を用いて、ヒト細胞付着分子cDNAでト
ランスフェクションした哺乳類細胞または白血球、または精製した付着分子また
はそのフラグメントに結合する抗体を得る。前者については、培養上清を、抗体
が結合する特異細胞付着分子(CAM)でコーティングした反応細胞に入れる。
インキュベーションの後、反応ウェルを洗浄し、抗原に結合した残っている抗体
を、抗−CAM抗体と反応する標識抗体によって検出する。好適な標識には、放
射性同位元素、蛍光剤のような発光基質および酵素標識の成分が挙げられる。
イムノドット法を用いて、抗−CAM抗体を発現するクローニングをスクリー
ニングすることもできる(トゥビン(Towbin)ら、1984年、Immunol
.Method,72:313、この文献の開示内容は参考として本明細書に引
用した)。精製したCAMを硝酸セルロース膜に「ドット」として適用して乾燥
させる。非特異的結合部位をゼラチン溶液でブロックした後、膜を培養液上清、
抗マウス免疫グロプリン−ペルオキシダーゼ包合溶液および4−クロロ−1−ナ
フトール溶液に順次浸漬し、浸漬の間にリン酸緩衝塩溶液(PBS)で洗浄する
。反応性免疫グロプリンを発現するクローンが、着色ドットとして現れる。当業
界で知られている他のスクリーニング法を用いることもできる。
分泌ハイブリドーマからの多量のモノクローナル抗体は、マウスの腹腔内にク
ローンを注射し、そこから腹水を回収することによって産生させることができる
。好ましくはプリスチンまたは他の腫瘍プロモーターを与えて、化学的または放
射線照射によって免疫を抑制したマウスは、様々な株のものでよく、好ましくは
ニュージーランド・ブラックまたはBalb/c株である。腹水をマウスから採
取し、モノクローナル抗体を例えばCMセファロースカラムまたは他のクロマト
グラフィ法により精製する。高力価の抗体をこのようにして回収することができ
る。あるいは、ハイブリドーマを回分または連続培養法でイン・ビトロまたは懸
濁培養物として培養し、モノクローナル抗体を培地または上清から回収すること
もで
きる。
抗体または抗原に結合するフラグメントを、遺伝子工学によって産生させるこ
ともできる。この手法では、標準的なハイブリドーマ法の場合と同様に、抗体産
生細胞を所望な抗原または免疫原に対して感作する。免疫脾臓細胞またはハイブ
リドーマから単離されたメッセンジャーRNAを鋳型として用いて、PCR増幅
を利用してcDNAを作成する。バクテリオファージのライブラリーであって、
それぞれ初期の抗原の特異性を保持している1本の重鎖遺伝子と1本の軽鎖遺伝
子とを含むものをcDNAを用いて産生させる。組合せライブラリーは、重鎖遺
伝子ライブラリーを軽鎖遺伝子ライブラリーと結合することによって構築される
。これにより重鎖と軽鎖を同時に発現するクローンのライブラリー(Fabフラ
グメントまたは抗体分子の抗原に結合するフラグメントに似ている)が得られる
。これらの遺伝子を運ぶファージを、細菌にトランスフェクションする。抗体遺
伝子合成をトランスフェクションした細胞で誘発させると、重鎖および軽鎖タン
パク質は自己集合して、抗原または免疫原でスクリーニングすることによって検
出することができる活性な抗体を産生する。
E.coliで重鎖および軽鎖を両方とも発現する技術は、PCT特許出願明細書、
公開番号WO901443、WO901443およびWO9014424、およ
びヒュース(Huse)ら、1989年、Science,246:1275〜12
81の主題であり、これらの文献は参考として本明細書に引用した。
E−セレクチンおよびL−セレクチンを認識しまたはこれらと結合することの
外に、本発明のモノクローナル抗体はこれらの分子の付着機能をブロックする。
一つの態様では、本発明は、ヒトE−およびL−セレクチンで発現する共通のエ
ピトープを認識する新規なmAB(EL−246)である。EL−246は両タ
ンパク質の機能をブロックし、様々な異なる動物由来のセレクチンを認識し、そ
のエピトープはE−およびL−セレクチンのSCRドメイン内にあるか、または
SCRドメインを必要とする。このSCRドメインと反応する本発明の新規な抗
体は、これら2種類の異なるセレクチンの付着機能を抑制する。
末梢リンパ説HEV(E−セレクチン依存性)に対するリンパ球付着(L−セ
レクチン依存性)は、EL−246で>95%までブロックされた。この抑制は
、
L−セレクチンとだけ反応して、E−セレクチンとは反応しない抗体であるDR
EG56抗−L−セレクチンプロッキングmAbの抑制(88%)よりも大きい
(キシモト(Kishimoto)ら、1990年、Proc.Natl.,Acad.
Sci.USA,87:2244−2248)。L−セレクチンの炭水化物(P
PME)結合活性はEL−246によって余り抑制されず、EL−246はSC
Rドメインに特異的であることを示していた。EL−246は付着性L−細胞で
発現されるE−セレクチンの容量は効果的にブロックし(>90%)、ヒト好中
球に結合する。
本発明は、心筋梗塞、抗原によって剌激される喘息性反応またはショックなど
の急性環境、または同種移植片の拒絶反応のような亜急性環境で、治療薬として
特に有用であることがある。このmAbは、リウマチ性関節炎のような慢性疾患
の治療に有効であることもできる。
本発明の抗体または抗原結合性フラグメントは、哺乳類における喘息の予防ま
たは治療の有用な方法である。抗−セレクチン抗体を用いる喘息の予防または治
療法は、1991年7月31日出願の米国特許出願連続番号738,633号明
細書およびグンデル(Gundel)ら、1991年、J.Clin.Invest.
,88:1407−1411に詳細に記載されており、これらの文献は参考とし
て本明細書に引用したものである。これらの抗体または抗原結合性フラグメント
は、抗原によって誘発される喘息性反応を伴うことがある後期気道障害を抑制す
る。付着分子、E−セレクチンは、この相の反応を媒介する。本発明によるこの
相のブロックは、肺気道の障害を予防するための治療法として働く。抗体または
抗原に結合するフラグメントを、抗原に暴露する前または暴露中にボーラス静脈
注射によって1pg/kg〜10mg/kg体重の治療投与量で投与する。
多くの病原体または病気を引き起こす微生物は、哺乳類細胞に付着する手段と
して細胞表面付着分子を用いる。本発明の抗体または抗原に結合するフラグメン
トおよびそれらと生物学的に同等のものは、病原体の哺乳類細胞への付着分子に
よって媒介される結合をブロックまたは抑制するのに効果的であることがある。
更に、本発明の抗体、抗原と結合するフラグメントおよびそれらと生物学的に同
等のものは、病原体の哺乳類細胞へのE−およびL−セレクチンによって媒介さ
れる結合をブロックまたは抑制するのに効果的であることがある。このような病
気を引き起こす微生物には、ウイルス、寄生中、細菌および真菌性病原体などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のモノクローナル抗体は、セレクチンの多様な機能活性の決定における
検討または研究手段として有用である。
E−およびL−セレクチンの多様な機能活性およびこれらのタンパク質の潜在
的な「ホモタイプ」の相互作用は、EL−246エピトープを更に分析すること
によって理解することができる。サイトカインで活性化された内皮細胞への好中
球の付着は、抗−E−セレクチン並びに抗−L−セレクチンによってブロックす
ることができる(ベビラッカ(Bevilacqua)ら、1987年、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,84:9239−9241;ベビラッカ(Bevi
lacqua)ら、1989年、Science,(Wash.D.C.)243:1
160−1112;ホールマン(Hallman)ら、1991年、Biochem.
Biophys.Res.Comm.,174:236−243;スミス(Smit
h)ら、1991年、J.Clin.Invest.,87:609−618;
スペルチニ(Spertini)ら、1991年、J.Immunol.,147:25
65−2573)。キシモト(Kishimoto)ら(1990年、Blood,78
:805−811)は、ある種の抗−E−およびL−セレクチンmAbsは好中
球で活性化した内皮細胞の付着に対するそれらのブロック効果において加算的で
はなく、これら2種類のタンパク質は同じ付着経路においてレセプター逆レセプ
ター対として関与していることを示唆している。この仮定は、E−セレクチンc
DNAでトランスフェクションしたL−細胞への好中球の結合は白血球の抗−L
−セレクチンmAb処理によってブロックされるという観察によって支持される
(キシモト(Kishimoto)ら、1990年、Blood,788:805−81
1)。ピッカ(Picker)ら(1991年、Cell,66:921−933)は
、好中球上のL−セレクチンがsLex炭水化物によって修飾され、E−セレク
チンに対してこれらの構造を優先的に有することを示すことによってこれらの知
見を拡張した。対照的に、スペルチニ(Spertini)ら(1991年.J.Imm
unol.,147:2565−2573)は、好中球によって活性
化された内皮細胞付着はE−およびL−セレクチンを伴うことも示したが、これ
らのタンパク質に対するmAbsは加算的ブロッキング効果を有し、別の付着経
路を示唆していることを見出した。EL−246はE−およびL−セレクチンの
効果的なブロッカーであり、前記の検討において用いたブロッキングmAbsと
は異なる分子領域(下記参照)を認識するので、これは別の報告における不一致
のいくつかについての基礎を決定するのに有用であることがある。
L−セレクチン/P−セレクチンキメラタンパク質を用いるドメインマッピン
グの検討により、L−セレクチンのSCRドメインに対するEL−246エピト
ープが局在化された。EL−246によって認識されたE−セレクチン上のエピ
トープは、このセレクチンのSCRドメイン内に存在することもできる。SCR
におけるEL−246エピトープの位置は、EL−246の炭水化物PPME結
合をブロックすることが不可能であることと一致し、且つL−およびE−セレク
チンのSCRドメインが最適付着機能に本質的であることを示している最近の報
告と一致している(ワトソン(Watson)ら、1991年、J.Cell.Bio
l.,115:235−243;ピゴット(Pigott)ら、1991年、J.Im
munol.,147:130)。背景の説明で述べたように、セレクチンのレ
クチンドメインが機能には必要であり、多くのブロッキング抗−セレクチンmA
bsはこの領域によってコードされたエピトープを認識する(ボウエン(Bowen
)ら、1990年、J.Cell.Biol.,110:147−153;カン
サス(Kansas)ら、1991年、Cell.Biol.,114:351−35
8;キシモト(Kishimoto)ら、1990年、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,87:2244−2248)。EGFドメインで局在化された
エピトープに対するMAbは、L−セレクチンによって媒介される付着を抑制す
ることを示している(ポーレイ(Polley)ら、1991年、Natl.Acad
.Sci.USA,88:6224−6228;ボウエン(Bowen)ら、199
0年、J.Cell.Biol.,110:147−153;カンサス(Kansas
)ら、1991年、Cell.Biol.,114:351−358;シーゲル
マン(Siegelman)ら、1990年、Cell.,61:611)。ここに示さ
れたデーターはこれらの観察を拡大するものであり、セレクチンのそれぞれの細
胞外ド
メイン内の適当なエピトープに対するmAbsが付着機能を抑制することができ
ることを説明している。
理論によって拘束されるものではないが、mAbsはリガンド結合による直接
的干渉の結果として付着を抑制し、またはmAbの結合、特にレクチンドメイン
の外側のエピトープを画定するmAbsはタンパク質のコンホーメーションに摂
動を与え、レクチンドメインの機能的一体性を間接的に損なうことになることが
可能である。EL−246がセレクチンの機能的コンホーメーションを変更する
ことによって付着をブロッキングすれば、これは付着におけるSCRの役割はE
−およびL−セレクチンに対するものと同じであることを示唆することになる。
これは、SCRの役割がそれぞれのセレクチンについて特異的であると予言した
ワトソン(Watson)ら(1991年、J.Cell.Biol.,115:23
4−243)と対照的なものである。EL−246はE−およびL−セレクチン
のみを認識するので、この後者の予言はP−セレクチンについては真実である可
能性がある。従って、多数のSCRドメイン(それぞれ、E−およびL−セレク
チンにおいて9対6および2)を有することに加えて、トロンビンによって活性
化される血小板の付着のようなこの分子の特異的機能に寄与するP−セレクチン
SCRには分子の差があることがある。
EL−246によって認識されたエピトープについて更に分子および機能の特
徴を決定することにより、セレクチンの機能およびこの群の付着タンパク質の進
化論的保存が理解される。処理の標的を設計して、EL−246によって認識さ
れるエピトープを制御またはブロックし、これによりイン・ビボでのセレクチン
の活性を制御することができる。重要なことは、この部位を抑制する新規な治療
薬は、白血球および内皮細胞付着タンパク質を同時に抑制することにより白血球
−内皮細胞の付着の活性をブロックするというもう一つの利点を有することであ
る。
このようにして産生されるモノクローナル抗体は、多数の診断および治療用途
を有する。これらは、イン・ビトロでは診断薬に用いて、不溶性の形態で存在し
または生物学的資料または組織または他のヒトに由来する物質を標準的なイムノ
アッセイプロトコールに付すことによって哺類の細胞と会合している付着分子、
好ましくはセレクチンの存在について試験することができる。これらの抗体また
は抗原に結合するフラグメントは、高内皮性後毛細管小静脈、肺組織または任意
の炎症部位のような組織生験材料の分析に用いて、反応性エピトープを有する細
胞の存在を検出することもできる。このようなアッセイとしては、ラジオイムノ
アッセイ、EIA、蛍光または化学発光の形式などを挙げることができる。一つ
のこのようなアッセイでは、生物学的試料を、本発明の抗体および抗体が結合し
ているセレクチンの存在を検出するのに用いられる標識した第二の抗体に接触さ
せる。更に、多くの組織化学的方法を用いることができ、当業界で公知である。
一つの特定のアッセイは、当業界で知られている標準的手法ではモノクローナ
ル抗体EL−246を用いて、参考として本明細書に引用した「免疫診断の方法
(Methods in Immunodiagnosis)」、第2版、ローズ(Rose)およびビガッツィ
(Bigazzi)監修、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)
、1980年、およびキャンベル(Cambell)ら、「免疫学の方法(Methods of
Immunology)」、ダブリュ・エイ・ベンジャミン、インコーポレーテド(W.A.Be
njamin,Inc.)、1964年に記載の酵素結合イムノアッセイを行うのである。
このようなアッセイは例えば、直接的形式(標識した第一の抗体が抗原と反応す
る)、間接的形式(標識した第二の抗体が第一の抗体と反応する)、競合形式(
標識した抗原の添加)またはサンドイッチ形式(標識した抗体および未標識の抗
体を両方とも用いる)並びに当業界に記載の他の形式であることができる。
一つの態様では、哺乳類からの生物学的試料を不溶性マトリックスまたは固形
基質に適用して、このマトリックスにセレクチンを有する細胞上のセレクチンを
結合させる。このマトリックスをリン酸緩衝塩溶液(PBS)のような生理緩衝
液を用いて洗浄して、未結合材料を除く。固形の抗原に結合したマトリックスを
、モノクローナル抗体EL−246のような本発明の抗体を含む溶液に暴露する
。この抗体を固形マトリックス上の抗原と反応させて、マトリックスを再度洗浄
して、未結合抗体を除く。次に、この複合体を第一の抗体と反応するヤギ抗−マ
ウスIgGのような標識した第二の抗体を含む溶液に暴露させる。この抗体は、
好ましくはペルオキシダーゼのような酵素反応の1成分、125Iのような放射性
同位元素、または化学発光または蛍光基質で標識する。この複合体を再度洗浄し
て、
未結合抗体を除く。反応は、シンチレーションカウンターまたは分光光度計のよ
うな選択した標識にとって適当な手段によって監視する。このような検出法に適
する生物学的試料としては、組織生験抽出物、全血、血漿、結成、脳脊髄液、滑
液、複数液、尿などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
もう一つの態様では、本発明の抗体を不溶性マトリックスまたは固形基質に適
用して、これらの抗体をマトリックスに結合させる。L−および/またはE−セ
レクチンを含むものと思われる生物学的試料またはその細胞溶解物をマトリック
スに加え、マトリックス上の抗体と反応させて、セレクチン−抗体複合体を形成
させる。複合体は、標識した第二の抗体を用いて検出される。標識した第二の抗
体はEL−246または生物学的に同等な抗体である。この方法により、L−お
よびE−セレクチン、および生物学的試料に含まれているときにはL−およびE
−セレクチンを有する細胞を検出する。このアッセイは定性的または定量的であ
る。このアッセイを修飾して、目的とする個々のセレクチンに特異的なモノクロ
ーナル抗体を用いることによってL−セレクチンおよびE−セレクチンを識別す
ることができる。このようなモノクローナル抗体は、キシモト(Kishimoto)ら
、1990年、Proc.Natl.Sci.87:2244−2248に記載
のようなDREG mAbsである。
生物学的試料中のL−および/またはE−セレクチンを有する細胞を検出し、
定量する方法は、炎症性疾患、自己免疫疾患、癌、喘息、虚血−再潅流損傷など
の疾患状態を診断する上で特に有用である。これらの方法は、これらの疾患状態
の進行状況を監視するのにも有用である。更に、この方法は、抗炎症剤、化学療
法剤、付着防止剤などの治療薬の治療経過中の効力を監視するのにも有用である
。
これらのすべての治療、予防および診断に使用するため、モノクロナル抗体お
よび他の必要な試薬および適当な装置および備品をキットの形態で提供し、容易
に入手でき、容易に使用されるようにすることができる。
本発明抗体は、哺乳類で治療、診断などの用途に用いられる医薬製剤に処方す
ることができる。本発明の抗体または高原に結合するフラグメントは、冠状動脈
疾患または高血圧、糖尿病、高コレステロールまたは喫煙に伴う心臓発作または
卒中の高度の危険性を有する種類の疾患を有する哺乳類の予防および/または治
療に特に有用である。
本発明の抗体または抗原に結合するフラグメントは、外科手術中または後、特
に冠状動脈バイパス手術後に起こる虚血−再潅流による損傷の防止または治療に
も有用である。
これらの抗体、抗原と結合するフラグメントおよびそれらと機能的に同等のも
のは、肺の虚血/再潅流による損傷の防止または抑制に特に有用である。本発明
は、肺機能の喪失を予防または抑制し且つE−セレクチンおよびL−セレクチン
に結合することができる抗体で処理した哺乳類の死亡を防止する効果的な治療薬
であることが示されている。
肺移植の場合などの肺虚血/再潅流による損傷の治療を必要とする哺乳類は、
肺機能の喪失を防止しまたは抑制し且つ死亡を防止するのに効果的な量の抗体ま
たはそれと機能が同等のものを投与される。このような哺乳類の治療により、罹
患部位での炎症反応を防止し、抑制しまたは減少させる。
本発明の抗体または抗原と結合するフラグメントは、アレルギー性鼻炎、喘息
およびアナフィラキシーの予防または治療にも有用である。本発明の抗体は、リ
ウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年型糖尿病、シェーグレン症候群
、結合組織疾患などの炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療にも有用
である。
本発明の抗体、抗原と結合するフラグメントおよびそれらと機能的に同等のも
のは、E−セレクチンおよび/またはL−セレクチンによって媒介される細胞−
細胞相互作用を防止しまたは抑制するのに有効である。これらの抗体は、活性化
した内皮細胞層を含むE−セレクチンを発現する細胞、E−セレクチンcDNA
トランスフェクタントなどと好中球のL−セレクチンとの相互作用を抑制する。
本発明の抗体は、動脈、静脈、毛細管、リンパ管などの存在する内皮細胞層状の
E−セレクチンにより媒介される好中球のローリングを防止または抑制する。こ
れらの抗体およびそれらと機能的に同等なものによって産生される抑制効果は、
炎症反応を防止し、抑制しまたは調節するのに有用である。
本発明の抗体またはそれらと機能的に同等なものは、末梢リンパ節に含まれる
高内皮性後毛細管小静脈細胞(HEV)へのE−セレクチンを発現する細胞の結
合を防止しまたは抑制することができる。
異種移植片のイン・ビボでのホーミング(homing)モデルを用いると、ヒト、
ヤギ、ヒツジおよびウシ由来のリンパ球は、静脈内注射の後には組織特異的にマ
ウスのリンパ球組織へと戻ることを見出した。これらの結果は、初期の観察から
ホーミング機構は哺乳類間で高度に保存されることが判っているので驚くべきこ
とではない(スペルチニ・オー(Spertini,O.)ら、1991年、J.Immu
nol.,147:942;ヴゥ、エヌ・ダブリュ(Wu,N.W.)ら、1988年
、J.Cell Biol.,107:1845;ウォルチェック、ビー(Walc
heck,B.)ら、1992年、Eur.J.Immunol.,22:469)。
本発明の一つの態様は、哺乳類におけるリンパ組織へのリンパ球のホーミング
を防止または抑制する方法である。本発明の抗体は、リンパ球がリンパ組織へ戻
る能力を抑制する。
白血球は、E−セレクチンを特異的に発現する部位へEL−246を運ぶこと
ができる。好中球をEL−246でプレコーティングし、洗浄し、E−セレクチ
ンcDNAトランスフェクタントまたはサイトカインで活性化したHUVECs
へ加えたアッセイでは、mAbは白血球からE−セレクチンへ移った。FITC
−抗−マウス第二段階で染色し、白血球から移行した後にフローサイトメトリー
によって測定したところ、E−セレクチントランスフェクタント上のEL−24
6の量は、飽和量のEL−246でトランスフェクタントを直接染色した後の量
より大きかった。表面L−セレクチンに結合したEL−246のシェディング(
shedding)はこれらの結果と合わなかったが、これはEL−246を喪失した好
中球が抗−L−セレクチンmAbDREG56で明瞭に染色されるためである。
DREG56はアッセイの経過中に細胞表面にトランスロケーションした新たな
L−セレクチンと反応したとは思われず、これは(1)アッセイ時間が比較的短
く(15分間)、(2)以前に形成されたL−セレクチンの有意な細胞内プール
が好中球の以前の分析では検出されなかったためである(ジュティラ(Jutila,M
.A.)ら、1989年、J.Immunol.,143:3318;キシモト、
ティーケイ(Kishimoto.TK)ら、1990年、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,87:2244;ジュティラ(Jutila,M.A.ら、1990年、
Cell.Immunol.,132:201;キシモト、ティーケイ(Kishim
oto.TK)ら、1989年、Science,245:1238)。好中球がイン
・ビトロでL−セレクチンを喪失してしまうと、それらは新たな発現がみられる
前に死滅するのが普通である。EL−246がL−セレクチンからE−セレクチ
ンへ移行し、これらの分子が緊密に会合すると、白血球はイン・ビボでmAbに
対する効果的な伝達系となることができる。
本発明の抗体および抗原と結合するフラグメントは、病原体または潜在的に病
原性を有する微生物によって引き起こされる感染症および疾患の予防および治療
に有用である。抗体、これらの抗体の抗原と結合するフラグメント、またはそれ
らと生物学的に同等なものを含んでなる医薬組成物を、付着分子を有する宿主哺
乳類細胞、好ましくはセレクチン、最も好ましくはL−またはE−セレクチンに
投与する。
患者に、受容哺乳類、好ましくはヒトに対する本発明の抗体または抗原と結合
するフラグメントを供給する場合に、投与される抗体または抗原に結合するフラ
グメントの投与量は、哺乳類の年齢、体重、身長、性別、総合的医学的条件、病
歴などによって著しく変化する。通常は、受容哺乳類には(哺乳類の体重の)約
1pg/kg〜10mg/kgの範囲の抗体または抗原に結合するフラグメント
の投与量を供給することが望ましいが、これより多量または少量を投与すること
もできる。前記の抗体または抗原と結合するフラグメントの組合せを用いること
によって、治療状有効量を低くすることができる。本明細書で用いられるように
、一方の化合物を、第二の化合物と共に更に投与し、これら2種類の化合物は、
両化合物が同時に患者血清中に検出することができるような時間内に投与するの
である。
本発明の抗体または抗原と結合するフラグメントは、これを受容する被験者に
、炎症症状の重さ、程度または期間を少なくしまたは減少させるのに十分な量で
供給されるこを意図したものである。
本発明の抗体またはそれらのフラグメントは単独で投与することができ、また
は1種類以上の追加の抗炎症薬または抗喘息薬(例えば、カテコールアミン、レ
ゾルシノール、サリンゲニンおよびエフェドリン)、糖質コルチコイド(例えば
、ヒドロコルチゾン)、染色体(例えば、クロモリンナトリウム)および抗コリ
ン作動薬(例えば、アトロピン)と組合せて投与し、炎症または喘息症状を治療
するのに要するこれらの薬剤の量を減少させることができる。
本発明の薬剤は、「予防」または「治療」の目的で投与することができる。予
防的に投与するときには、これらの薬剤は症状が起こる前に投与される。これら
の薬剤を予防的に投与することにより、引き続いて起こる炎症反応を防止しまた
は弱めることができる。治療目的で投与するときには、これらの薬剤を炎症症状
の開始時(または直後)に投与する。これらの薬剤を治療的に投与することによ
り、実際の炎症症状を弱めることができる。従って、本発明の薬剤は、予想され
る炎症症状の開始前に投与し(予想される症状の重さを軽減し、症状の期間また
は範囲を短縮する)、または症状が見られた後に投与することもできる。
これらの抗体は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、経口、経鼻などの治療条件
に適する経路によって投与することができる。抗体は、治療する哺乳類の血流中
に注射するのが好ましい。当業者であれば、好ましい経路は治療を行う条件と共
に変化することを容易に理解されるであろう。
抗体は純粋なまたは実質的に純粋な形態で投与することが可能であるが、医薬
処方または製剤として存在することが好ましい。
本発明の処方は、獣医用でもヒト用でも、前記の抗体を1種類以上の製薬上許
容可能なキャリヤーおよび場合によっては他の治療成分と共に含む。(複数の)
キャリヤーは、処方の他の成分と相溶性であり且つそれを受容するものにとって
有害ではないという意味において「許容可能」でなければならない。これらの処
方は、単位投与形態で提供されるのが好都合であり、製薬業界に公知の任意の方
法によって製造することができる。
総ての方法は、活性成分を1種類以上の補助成分から成るキャリヤーと会合さ
せる段階を含んでいる。通常は、活性成分を液体キャリヤーまたは微細に分割さ
れた固形キャリヤーまたは両方と均一且つ緊密に会合させた後、必要に応じて生
成物を所望な処方に成形することによって、処方を得ることができる。
静脈内、皮下または腹腔内投与に好適な処方は、活性成分と好ましくは受容す
るものの血液と等張の溶液との無菌水溶液から成るのが好都合である。このよう
な処方は、固形活性成分を、塩化ナトリウム(例えば、0.1〜2.0M)、グ
リシンなどの生理学的に適合する物質を含み、水溶液をを生成するのに生理条件
で適合する緩衝pHを有する水に溶解し、この溶液を殺菌することによって好都
合に調整することができる。これらは、単位または複数投与容器、例えば密封ア
ンプルまたはバイアルに入れて提供することができる。
本発明の処方は、安定剤を配合することができる。安定剤の例としては、ポリ
エチレングリコール、タンパク質、糖、アミノ酸、無機酸、および有機酸であっ
て、それら自体でもまたは混合物としても用いることができるものがある。これ
らの安定剤は、抗体1重量部当たり0.11〜10,000重量部の量で配合す
るのが好ましい。2種類以上の安定剤を用いる場合には、それらの総量が前記の
範囲内になるのが好ましい。これらの安定剤は適当な濃度およびpHで水溶液で
用いられる。このような水溶液の比浸透圧は0.1〜3.0オスモルの範囲内に
あるのが普通であり、好ましくは0.8〜1.2の範囲にある。水溶液のpHは
5.0〜9.0の範囲内に調整され、好ましくは6〜8の範囲内に調整される。
本発明の治療薬の処方では、付着防止剤を用いることができる。
もう一つの製薬法を用いて作用の期間を調節することができる。徐放性製剤は
、ポリマーを用いて、本発明の抗体、抗原に結合するフラグメントまたはそれら
の機能的誘導体を複合体形成させまたは吸収させることによって得ることができ
る。徐放は、適当な高分子(例えば、ポリエステル、ポリアミン酸、ポリビニル
、ピロリドン、エチレン−酢酸ビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースまたはプロタミン、硫酸塩)、および高分子の濃度並びに徐放を行うた
めの配合法を選択することによって行うことができる。徐放性製剤によって作用
期間を制御するためのもう一つの可能な方法は、抗体、抗原と結合するフラグメ
ントまたはそれらの機能的誘導体を、ポリエステル、ポリアミン酸、ヒドロゲル
、ポリ(乳酸)またはエチレン−酢酸ビニルコポリマーなどのポリマー材料の粒
子中に配合することである。あるいは、これらの薬剤をポリマー性粒子中に配合
する代わりに、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マ
イクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルなどのコ
アセ
ルベーション手法または界面重合によって、またはコロイド状薬剤伝達系、例え
ば、リポソーム、アルブミン微小球体、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およ
びナノカプセル、またはマクロエマルジョン中で、調整したマイクロカプセルに
これらの材料を取り込むことが可能である。このような手法は、レミントンズ・
ファーマスューティカル・サイエンシズ(Remington's Pharmaceutical Science
s)(1980年)に開示されている。
経口製剤が所望なときには、組成物を特にラクトース、スクロース、澱粉、タ
ルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶性セルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウムまたはアラビアゴ
ムなどの典型的なキャリヤーと組合せることができる。
実施例1
ハイプリドーマの産生および抗体の特性決定法
免疫感作およびモノクローナル抗体の生成
ヒトE−セレクチンcDNAを安定に発現するマウスL1−2リンパ腫細胞(
L1−2ELAM)(ピッカー(Picker)ら、1991年、Cell,66:9
21−933、参考として本明細書に引用した)を、本発明の抗体を生成するた
めの免疫原として用いた。簡単に説明すれば、L1−2ELAM細胞(2×107
)を、アジュバントの非存在下で2週間の間隔でC57BL/6マウスに腹腔
内投与した(全部で3回投与)。最後の投与は融合の4日前に行った。SP2/
0ミエローマ細胞系を融合パートナーとして用い、前記の手続きを行ってハイプ
リドーマを生成させた(キシモト(Kishimoto)ら、1990年Proc.Na
tl.Acad.Sci.・USA,87:244−2248、参考として本明
細書に引用)。SP2/0−Ag14ミエローマ細胞系をアメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクション(ATCC)、12301パークローン・ドライブ、
ロックビル、メリーランド、20852、アメリカ合衆国から寄託番号1581
のものを入手する。融合物を10日目に、E−セレクチンをトランスフェクショ
ンし、モック・トランスフェクションした(mock transfected)L1−2細胞を
用いてフローサイトメトリーによってスクリーニングした。総数で279個
のウェルをスクリーニング化、15個を選択して更に分析を行った。第二のスク
リーニングは、SDS−PAGE/ウェスターンブロット分析、免疫組織学、お
よび末梢血白血球の染色を含んでいた。以下に説明するように、マウス IgG
1であるEL−246は、E−セレクチントランスフェクタントとヒト白血球の
両方を染色することが判った。
動物
血液供給源として用いた動物は、モンタナ州立大学の大型動物施設から無作為
に選択した。Balb/CおよびC57BL/6マウスの両株を用いた。マウス
は週齢を6〜12週とし、主としてモノクローナル抗体の生成またはリンパ様組
織源として用いた。マウスを、AAALACが認定したモンタナ州立大学の小型
動物施設に収容した。MSU大型動物施設に収容された生後1か月の子牛を、幾
つかの実験での末梢血源として用いた。
利用したモノクローナル抗体
ヒトL−セレクチンを認識することが示されている(カメリニ(Camerini)ら
、1989年、Nature(London),342:78−80;キシモト
(Kishimoto)ら、1990年、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,87:2244−2248、参考として本明細書に引用)マウス IgGs
であるLeu−8(ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(Becton D
ickinson & Co.)、マウンティンビュー(Mountainview)、カリフォルニアより
購入)mAbのDREG系列(DREG56、DREG200)およびDREG
152)を、下記のフローサイトメトリーおよびウェスターンプロット分析で用
いた。Leu−8をフィコエリスリン(PE)包合体として用い、
DREGmAbは未包合mAbの後に適当な第二段階を行ったものとしてまたは
蛍光イソチオシアネート(FITC)包合体として用いた。DREGmAbsは
、硫酸アンモニウム沈殿により部分的に精製した。他のmAbsであるDREG
55(マウス抗−L−セレクチンIgG1)、SH43(マウスIgG1抗−ヒ
ツジ血小板、ジュティナ、エム・エイ(Jutina,M.A.)、未公表)およびEL−
81(マウスIgG1抗−ELAM−1)を、下記の実験の多くにおけるネガテ
ィブコントロールとして用いた。
フローサイトメトリー分析は、FACScanR上で(ベクトン・アンド・デ
ィッキンソン、マウンティンビュー、カリフォルニア)文献記載の方法で行った
(ジュティナ(Jutina)ら、1989年、Immunol.,143:3318
−3324;キシモト(Kishimoto)ら、1989年、Science(Was
h.D.C.)245:1238−1241;ジュティナ(Jutina)ら、199
0年、Cell.Immunol.,132:201−214、参考として本明
細書に引用)。フローサイトメトリー分析はE−またはL−セレクチンを発現す
る細胞の蛍光およびEL−246で処理した後E−またはL−セレクチンを発現
しない細胞のネガティブ蛍光によって示されるE−セレクチンおよびL−セレク
チンについてのEL−246モノクローナル抗体の特異性を証明するために行っ
た。2種類のカラー分析について、PE−包合したLeu−8(ベクトン・ディ
ッキンソン)またはFITC包合したDREG MabをEL−246と組合せ
て用いた。第二段階で染色した細胞を10%マウス結成で処理し、利用可能な抗
−マウスIg結合部位をブロックし、ネガティブコントロールマウスmAbsを
用いてバックグラウンド染色のレベルを評価した。データーは10,000〜5
0,000個の細胞から集め、棒グラフまたは輪郭プロットとして表した。
ウェスターンブロットSDS−PAGE分析
ウェスターンブロット分析を行った、E−セレクチンまたはL−セレクチンあ
るいは免疫アフィニティーによって精製したE−セレクチンまたはL−セレクチ
ンを発現する細胞からの細胞溶解物を用いてE−セレクチンおよびL−セレクチ
ンに対するEL−246モノクローナル抗体の特異性を証明した。E−セレクチ
ンおよびL−セレクチンについての適当な分子量に対応するタンパク質バンドの
EL−246抗体による陽性染色が見られたことから、両セレクチンに対して特
異的であることを示していた。
ヒト末梢血リンパ球の溶解物またはL1−2ELAM細胞懸濁液を、3×107
個の細胞をNP−040リーシス緩衝液(3%NP−40、150mM Na
Cl、1mM MgCl2、5mM EDTAN 0.02% NaN3、および
プロテアーゼインヒビターであるペプスタチンA、アンチパイン、ロイペプチン
、キモスタチン、ベンズアミジン、およびPMSFを10μg/ml、総て
は50mMトリス−HCl、pH7.5中)1.0ml中で氷上で30分間イン
キュベーションすることによって調整した。溶解物を10,000gで10分間
遠心分離することによって透明にし、アフィニティー精製に用いるか、または直
接SDS/PAGE−ウェスターンプロット分析に用いた。
アフィニティーにより単離するには、ポリ分離用クロマトグラフィカラム(バ
イオ−ラッド・ラボラトリーズ(Bio-Rad Laboratories)、リッチモンド、カリ
フォルニア)を用いて製造業者指示に従って(フォルマシア・ファイン・ケミカ
ルズ(Pharmacia Fine Chemicals))適当なmAb(ビーズ1ml当たりmAb
4mg)にカップリングした。
目的とする抗原を含む溶解物1mlを洗浄緩衝液(150mM NaCl、1
mM MgCl2、01%NP40、5mM NaN、20mM トリス緩衝液
、pH7.5)と混合し、ローテーター上で前記のビーズと4℃で2時間組合せ
た。インキュベーションの後、ビーズを洗浄緩衝液10mlで洗浄して、未結合
抗原を除いた。結合した抗原を溶出緩衝液(500mM NaCl、0.1%N
P40、5mM NaN3、200mM酢酸)3mlで溶解し、溶出液を0.5
mlずつ回収し、1M トリス緩衝液、pH8.0 100μlで中和した。目
的とするタンパク質を含む画分を、ドット・プロット分析によって測定した。
SDS/PAGE−ウェスターンブロット分析のため、粗製溶解物またはアフ
ィニティーによって精製した抗原を等容の非還元性SDS−可溶化緩衝液(2×
)と混合して8%SDS/PAGEゲル上で行い、製造業者の指示によりBio
Radトランスプロット装置でニトロセルロースへ移した(バイオ・ラッド・ラ
ボラトリーズ)。温和な末変性条件を用いた(沸騰は行わず、ほとんどの処置は
4℃で行った)。フィルターを、トリス・バランスド・ソルト・ツィーンTBS
T(10mM トリス−HCl、pH7.4、150mM NaClおよび0.
05%ツィーン20)中50%ウマ結成を用いて30分間インキュベーションし
た。25レーンのミニプロット装置(イムノネティックス(Immunonetics)、ケ
ンプリッジ、マサチューセッツ)を用いて、次にフィルターを50μg/mlの
濃度または培養上清液としての特異的またはネガティブコントロールマウスmA
bと共に30分間インキュベーションした。次に、ニトロ
セルロースフィルターTBSTで洗浄し、ヤギ抗−マウスIg−アルカリホスフ
ァターゼ包合体(シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)、
A−9654)と共にインキュベーションし、1:200に希釈した後、再度洗
浄した。ブロットは、基質溶液(プロメガ・バイオテク(Promega Biotech)、
マジソン、ウィスコンシン)を添加することによって展開した。
白血球細胞懸濁液
白血球を、ヒト、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、ラットおよびニワトリの
末梢血から採取した。通常の免疫蛍光染色のため、RBCs(ニワトリRBCs
を除く)を低張液で溶解した。ヒト血液を白血球源として用いて、下記の機能分
析を行った。前記の方法を用いて、単核細胞および好中球を単離した(キシモト
(Kishimoto))ら、1990年、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,87:244−2248;ジュティナ(Jutina)ら、1989年、Imm
unol.,143:3318−3324;キシモト(Kishimoto)ら、198
9年、Science(Wash.D.C.),245:1238−1241;
ジュティナ(Jutina)ら、1990年、Cell.Immunol.,132:
201−214、参考として本明細書に引用)。簡単に説明すれば、血液をクエ
ン酸塩凝固防止剤管に収集し、温和なハンクス・バランスド・ソルト・ソリュー
ション(HBSS)で1:2二希釈し、ヒストパック(Histopaque)1077を
下層に敷き、2,300rpmで30分間温室で遠心分離した。単核細胞をヒス
トパック/血漿海綿から回収した。RBCsおよび好中球を含むペレットを最初
の容積のHBSSに再懸濁し、好中球をデキストラン沈降によって単離した。単
核細胞および好中球製剤中の残部のRBCsを低張処理によって溶解した。
免疫蛍光染色
白血球の免疫蛍光染色は、文献記載の方法によって行った(ジュティラ(Juti
la)ら、1989年、Immunol.,143:3318−3324;キシモ
ト(Kishimoto)ら、1989年、Science(Wash,D.C.),2
45:1238−1241;ジュティラ(Jutila)ら、1990年、Cell.
Immunol.,132:201−214スタンパー(Stamper)ら、197
6年、J.Exp.Med.,144:828)。簡単に説明すれば、1×106
個の細胞を、最初に氷上で2%ウサギ血清中で10分間インキュベーションして
Fcレセプターをブロックした。細胞を洗浄した後、氷上で第一の抗体50μg
/ml(または末希釈培養上清)と共に20分間インキュベーションした。洗浄
した後、結合した抗体をDMEM中5%FBSで1:80に希釈したPEまたは
FITCと包合したF(ab)′2ヤギ抗−マウスIgと共にインキュベーショ
ンすることによって結合した抗体を表した(タゴ・インコーポレーテド(Tago I
nc.)、バーリンガム、カリフォルニア)。
免疫ペルオキシターゼ染色
アセトンで固定した6μmの凍結した扁桃腺の切片を、加湿した室内で室温に
て30分間リン酸緩衝塩溶液(PBS)(50μg/ml)中で抗体と共にイン
キュベーションした後、PBSで洗浄した。TAGO組織化学キット(ヒストプ
ローブ)(Histoprobe)、TAGO、バーリンガム、カリフォルニア)を用いて
、アビジン−ビオチン系を用いる3段階免疫ペルオキシダーゼ染色を製造業者の
指示によって行った。切片は、ヘマトキシリンにより薄く逆染色された。
末梢血白血球のイン・ビトロにおけるPMA処理
前記の動物から単離した末梢血の単核細胞を、ホルポールミリステートアセテ
ート(PMA)(10ng/ml、シグマ、セントルイス、ミズーリー)と共に
37℃でHBSS中で20分間インキュベーションした。インキュベーションの
後、細胞を洗浄し、次いで染色を行い、フローサイトメトリー分析を行った。
実施例2
ヒトE−セレクチンのEL−246認識
E−246を、最初にフローサイトメトリーおよびSDS−PAGE/ウェス
ターンプロットによって、ヒトE−セレクチンcDNAでトランスフェクション
したマウスL1−2細胞上でスクリーニングした。第1図に示されるように、ト
ランスフェクションしたE−セレクチンはフローサイトメトリー分析でEL−2
46で明るく染色されたが、モックトランスフェクションしたL1−2細胞は染
色されず、E−セレクチンに対して抗体が特異的であることを示していた。矢印
はヒストグラムを示し、(1)L1−2ELAMのEL−246染色(2)L1
−2トランスフェクタントネガティブコントロール、および(3)L1−2
ELAMトランスフェクタントのバックグラウンド染色(第二段階コントロール
)を表している。EL−246によって認識されたトランスフェクタントによっ
て発現される抗原の分子量は、非還元性SDS−PAGE/ウェスターンプロッ
ト下では約110kD(図2)であり、これはE−セレクチンについての適当な
分子量である。L1−2ELAM NP40溶解物は、非還元性8%SDS/P
AGE上で実験し、ニトロセルロースに移した。ブロットをEL−81(抗−E
−セレクチン、レーン3)、EL−246(レーン2)およびネガティブコント
ロール抗体(レーン1)でプローブした。分子量マーカーの移動距離は、示した
通りである。フローサイトメトリーおよびウェスターンプロットによって示され
るように、EL−246はE−セレクチンcDNAでトランスフェクションした
L−細胞を認識したが、P−セレクチンcDNAでトランスフェクションした細
胞は認識しなかった。EL−246とE−セレクチンとの反応性を示す追加的手
段として、炎症を起こした扁桃腺の切片を染色して免疫組織学的分析を行った。
図3に示されるように、EL−246は炎症を起こしたヒト扁桃腺中で小静脈(
E−セレクチン)を染色した。ヒト扁桃腺の凍結切片を実施例1に記載したのと
同様に調製して、EL−246を用いて免疫ペルオキシダーゼによって染色した
(倍率400×)。従って、許容可能な性化学的および分子基準を用いると、E
L−246はヒトE−セレクチンを明瞭に認識した。
実施例3
ヒトL−セレクチンのEL−246認識
フローサイトメトリー分析を行ったところ、EL−246はヒト末梢血白血球
も染色することを示していた。白血球表面抗原を、PMAで処理した後、ダウン
レギュレーションする。ヒト末梢血白血球を実施例1と同様の方法で単離し、E
L−246で染色してフローサイトメトリー分析を行った。明確な前方および側
方光散乱像によって同定される好中球およびリンパ球上のEL−246抗原の発
現は、代表的なヒストグラムで示される。PMA活性化の前(未処理、図4A)
、PMA活性化の20分後(PMA処理、4B図)の染色の比較を示す。イソタ
イプコントロールまたは第二段階のみのバックグラウンド蛍光は、それぞれの分
析において<10のモード蛍光値を示した。総ての循環するヒト好中球はE
L−246を発現したが、陽性のリンパ球の数は変動し、これはL−セレクチン
について記載したものと同じ分布パターンである(キシモト(Kishimoto)ら、
1990年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:244−
2248;カンサス(Kansas)ら、1985年、J.Immunol.,134
:2995)。2種類のカラーフローサイトメトリーでは、総てのEL−246
陽性細胞はDREG56(抗−L−セレクチンmAb(キシモト(Kishimoto)
ら、1990年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:24
4−2248)陽性であることが示され、2種類の抗体の染色パターンは同様で
あった(図5)。2種類のカラーフローサイトメトリー染色は、FITC標識し
たDREG56(抗−L−セレクチンmAb(29)および実施例1に記載した
のと同じEL−246を用いて行った。総てのEL−246細胞がL−セレクチ
ンにも陽性であることを示している輪郭プロットが示される。ヒト白血球EL−
246抗原はPMAで好中球およびリンパ球を活性化した後は細胞表面から失わ
れ(それぞれ、図4Bおよび4D)、これもL−セレクチンに特徴的なものであ
った。細胞はヒトL−セレクチンcDNAトランスフェクションしたがトランス
フェクタントコントロールではトランスフェクションせず、EL−246で特異
的に染色された(下記参照)。最後に、免疫アフィニティーで精製したL−セレ
クチンはウェスターンブロットでEL−246mAbによって認識されるので、
EL−246の反応性タンパク質レベルでも確認した(図6、レーン2)。従っ
て、許容可能な性化学的および分子基準により、EL−246はL−セレクチン
とも反応した。
実施例4
EL−246エピトープは多種多様な動物由来のセレクチン上で発現する
EL−246エピトープの進化論的保存のレベルを評価するため、多種多様な
動物由来の末梢血細胞をスクリーニングして、フローサイトメトリーによりEL
−246染色を行った。表1に示されるように、EL−246は、ヒト、ヤギ、
ヒツジ、ウシおよびブタから単離された白血球を染色した。ニワトリおよびラッ
ト白血球は、フローサイトメトリーではEL−246ネガティブであり、このこ
とはサイトスピン製剤が染色されないことによっても確認された。これらの他の
動物でEL−246によって認識された抗原はL−セレクチンの特徴的な分布を
有しており、リンパ球はに二相分布を示し、細胞をPMAで処理した血はその表
面発現は失われた。
実施例5
EL−246はL−セレクチンおよびE−セレクチンの機能をブロックする
EL−246のE−およびL−セレクチンの機能をブロックする機能を試験した
。L−セレクチンに普遍的に寄与する機能は、末梢リンパ節の高内皮性毛細管小
静脈(HEV)細胞へのリンパ球の付着である(ローゼン(Rosen)、1990
年、Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.,3:397−4
02;ベルグ(Berg)ら、1989年、Immunol.Rev.,108:5
−18)。スタンパー−ウッドラフ(Stamper-Woodruff)アッセイは、イン・ビ
ボではリンパ球様器官のリンパ球および内皮の間の付着相互作用の複製物である
と当業者によって認められているエックス・ビボアッセイである(ラスキー、エ
ル・エイ(Lasky,L.A.)、1992年、「付着。炎症性疾患における役割(Adhe
sion.
Its Role In Inflammatory Diseases)」の第3章、ジエイ・エム・ハールラム
(J.M.Harlam)およびディ・リゥ(DY Liu)(監修)、ダブリュ・エイチ・フリ
ーマン・アンド・カンパニー、ニューヨーク、pp.43〜63)。この分析法
では、各種のリンパ球様器官の凍結切片をリンパ球と共にインキュベーションし
、切片を洗浄し、添加したリンパ球とこれらの器官の後毛細管小静脈の特殊化し
た高壁内皮との間の特異的結合の程度を測定した。
スタンパー・アンド・ウッドラフのエッスク・ビボ凍結切片結合アッセイを用
いて(スタンパー(Sramper)ら、1976年、J.Exp.Med.,144;
828)、EL−246はリンパ球の末梢リンパ節高内皮性毛細管小静脈への付
着も、本発明者らの前記の抗−L−セレクチンmAb、DREG56と同様にま
たはより良好にブロックしたことを見出だした(それぞれ、95.6±4.8%
対88±5.1%)(図7)。ヒトリンパ球をEL−246、DREG56また
はイソタイプで合わせたネガティブコントロール(EL−81)で氷上で20分
間処理し、末梢リンパ節HEVへの結合に対する効果を測定した。EL−246
を生じる同じ融合物に生成したものを含むコントロールmAbは、リンパ球−H
EV結合については効果はなかった。(図7)。EL−246は、FITC−P
PMEのヒトリンパ球への結合を余りブロックせず、他の機能はL−セレクチン
によって媒介された(ローゼン(Rosen)、1990年、Am.J.Respi
r.Cell.Mol.Biol.,3:397−402)。これらの結果は、
L−セレクチンのEGFドメインに関するmAbのブロッキング活性と同じであ
った(カンサス(Kansas)ら、1991年、J.Cell.Biol.,114
:351−358;シーゲルマン(Siegelman)ら、1989年、Cell,6
1:611−622)。
EL−246のE−セレクチンに対する効果を検討するため、好中球のE−セ
レクチンを安定に発現するL−細胞に結合する能力を試験した。この結合分析で
は、好中球のトランスフェクタントに対する付着は、明らかにE−セレクチン依
存性である(キシモト(Kishimoto)ら、1990年、Blood,78,80
5−811)。トランスフェクタントをEL−246で30分間処理し、洗浄し
た後、精製したヒト好中球を添加した。Fcレセプターを、10%RBSで20
分
間好中球を前処理して飽和した後、分析を行った。図7Bに示されるように、E
L−246は、好中球のトランスフェクタントへの結合をほぼ完全にブロックし
たが(90%)、E−セレクチンを認識するもう一つのmAb(EL−81)(
イソタイプネガティブコントロール)は結合に関してはほとんど効果はなかった
。同様に、E−セレクチントランスフェクタントを抗−L−セレクチン特異的m
Ab(DREG56)で処理しても、結合に対しては全く効果はなかった(図7
)。値はコントロール細胞結合の百分率として記録し、コントロール細胞は分析
媒質のみでインキュベーションした。実験を3回繰り返し行い、平均値±sem
を示す。従って、EL−246はE−セレクチン機能の有効なブロッカーである
。
好中球−E−セレクチントランスフェクタント結合分析
キシモト(Kishimoto)ら、1900年、Blood,78:805−811
に記載された安定にヒトE−セレクチンcDNAを発現するL−細胞(フローサ
イトメトリーにより陽性と測定された80%ELAM−1)を、プラスチック製
の8ウェルラブ・テク・スライド(Lab Tek slides)(マイルス・サイエンティ
フィク)上で成長させた。ヒト末梢血から単離した好中球をcRPMI1ml当
たり1×106個の細胞で再懸濁させ、400μlをトランスフェクションした
L−細胞培養物のウェルに加えた。好中球を、前記の方法(キシモト(Kishimot
o)ら、1990年、Blood,78:805−811)により一定回転条件
下で15分間室温で付着させた。インキュベーションの後、それぞれのウェルの
媒質を吸引し、スライドチャンバーを除き、スライドをHBSS中に1.0%グ
ルタルアルデヒドを含むコプリン・ジャー(coplin jar)に入れた。好中球/L
−細胞の数を計数することによって、付着を測定した。L−細胞のmAb処理の
効果は、次のようにして測定した。総ての実験において、好中球を10%ウサギ
血清でプレコーティングして、利用可能なFc結合部位をブロックした。E−セ
レクチントランスフェクタントをEL−246(培養上清または50μg/ml
精製抗体)、DREG56またはイソタイプのネガティブコントロールmAbで
氷上で20分間処理し、洗浄した後、付着分析に用いた。
末梢リンパ節HEV分析
凍結切片でのHEVへ結合するリンパ球のイン・ビトロでのアッセイ(スタン
パー(Stamper)ら、1976年、J.Exp.Med.,144:828)は
広汎に記載されている(最近では、ベルグ(Berg)ら、1989年、Immun
ol.Rev.,108:5に総説が記載されている)。マウス末梢リンパ節に
おけるHEVはヒトリンパ球に良好に結合し、この結合はL−セレクチンによっ
て変化することが以前に示されている(キシモト(Kishimoto)ら、1990年
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:2244−2248
)。精製したヒトリンパ球をEL−246、ブロッキング用抗−L−セレクチン
mAb(DREG56)、または様々なイソタイプコントロールと共にインキュ
ベーションし、末梢リンパ節HEVへの付着に対する効果を測定した。細胞結合
を、最初にその特徴的な自己蛍光または特異的な群形態学(plump morphology)
によってそれぞれの分野におけるHEVを同定した後、文献記載の方法によりH
EVI結合した細胞を計数した(キシモト(Kishimoto)ら、1990年、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,87:2244−2248、参考
として本明細書に引用)。データーは、個々に記載したHEV当たりに結合した
細胞の数として計算した。それぞれのデーターについは、>3の切片での150
HEVを計数し、4回の独立な実験を表す。数値は、媒質コントロールの百分率
として表す。
実施例6
SCRドメインに対するEL−246エピトープのマッピング
EL−246エピトープのドメインマッピング
EL−246によって画定されたエピトープを、文献記載の方法により、L−
セレクチン/P−セレクチンキメラを用いて局在化した(カンサス(Kansas)ら
、1991年、J.Cell.Biol.,114:351−358、参考とし
て本明細書に引用)。天然のL−セレクチンを発現する300.19マウスpr
e−B細胞系の安定なトランスフェクタント(アルト(Alt)ら、1981年、
Cell,27−381)であるL2pであって、L−セレクチン由来のレクチ
ンドメインおよびPセレクチン由来のタンパク質の残りを含むもの、またはL2
P3Lであって、P−セレクチンのEGFドメインのみがL−セレクチンの
EGFドメインの代わりに用いられているものを、文献記載の方法によって産生
した(カンサス(Kansas)ら、作成中)。それぞれのタイプの5×106個の細
胞を、培養上清または前記mAbの希釈した腹水を含むPBS/1%FCS10
0μl中で氷上で15分間インキュベーションし、洗浄して、FITCと包合し
たヤギ抗−マウスIg(TAGO、バーリンガム、カリフォルニア)とインキュ
ベーションした。次いで、この細胞を洗浄して、EPICSプロフィール(EPIC
S Profile)(コールター・イムノロジー(Coulter Immunology)、ハイアリー
、フロリダ)上でフローサイトメトリーにより分析した。
EL−246mAbのL−セレクチン/P−セレクチンキメラに対する結合の
パターンを用いて、EL−246エピトープが存在するL−セレクチンのドメイ
ンを決定した。コントロールとして、LAM1−3(コールター)、LAM1−
1およびLAM1−14mAb、であってそれぞれレクチン、L−セレクチンの
EGFおよびSCRドメイン内のエピトープを画定するもの(カンサス(Kansas
)ら、1991年、J.Cell.Biol.,114:351−358;スペ
ルチニ(Spertini)ら、1991年、J.Immunol.,147:942)
およびAC1.2mAb(スー−リン(Hsu-Lin)ら、1984年、J.Bio
l.Chem.,259:9121)であって、P−セレクチンのSCRドメイ
ンにおけるエピトープを同定するもの(ローゼン(Rosen)、1990年、Am
.J.Respir.Cell.Mol.Biol.,3:397−402)を
用いた。EL−246は特異的に天然のL−セレクチンを認識したが、L−セレ
クチン由来のレクチンドメインのみを含むL2Pは認識しなかった(図8)。分
析は、実施例1に記載の方法により、フローサイトメトリーによって行った。従
って、EL−246エピトープはL−セレクチンのレクチンドメイン内にはなか
った。更に、EL−246は、L−セレクチンのEGFドメインのみがP−セレ
クチンのEGFドメインで置換されたL2P3Lを認識した。従って、EL−2
46は、L−セレクチンのSCRドメインを含むセレクチンのみを認識する。こ
れらのデーターは、EL−246エピトープの少なくとも一部がL−セレクチン
のSCRドメイン内部にあるかまたはこのドメインを必要とすることを示してい
る。
これらの結果を支持する追加のデーターは、EL−246はL−セレクチンの
レクチン活性をブロックせず、またはL−セレクチンドメインを認識する4種の
mAbs(DREG200、DREG55、DREG56およびLeu−8)の
結合を交差ブロックすることである。
実施例7
L−セレクチン依存性の白血球移動を抑制する方法
L−セレクチンに依存する白血球の移動を抑制するための本発明の抗体または
抗原に結合するフラグメントを使用する方法は、文献に記載されている(ジュテ
ィラ(Jutila)ら、1989年、J.Immunol.,143:3318、参
考として本明細書に引用)。
イン・ビボでの炎症性好中球のホーミングの抑制における抗体を実証するため
、2つの方法を用いることができる。第一のものは、ローゼン(Rosen)とゴー
ドン(Gordon)の方法(1987年、J.Exp.Med.,166:1685
)の改良法である。マウスに、腹腔内にチオグリコレートブロス1mlで炎症を
誘発する1時間前に各種の抗体または塩溶液のみ500μgを静脈内注射した。
3時間後にマウスの腹腔をHBSS10mlで洗浄し、各動物について新たに到
達した腹膜好中球の数を評価する。末梢血も各動物から採取し、RBCsを溶解
し、循環する好中球の抗体処理の効果を定量する。各動物の腹膜および末梢血中
の好中球の割合を、好中球抗体RB6−8C5で染色後FMF分析によりおよび
ライトの染色差(Wright's stain differentials)によって決定する。FMF分
析は、ジュティラ(Jutila)ら、1988年、Eur.J.Immunol.,
18:1819に記載の方法によりHACS StarRまたはFACScanR
(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickison)、マウンティン・ビュー、カ
リフォルニア)上で行った。抗体ブロッキングデーターを、媒質コントロールの
百分率として表している。
第二の方法は、レビゾーン(Lewisohn)らによって用いられた方法である(1
987年、J.Immunol.,138:4313)骨髄好中球を文献記載の
方法によりFITC(シグマ(Sigma))で標識し(ブッチャー(Butcher)ら、
Handbook in Exp.Immunol.,57.1−57.3)、
次に2〜5×107個の細胞を、3時間前にチオグリコレートブロス1〜2ml
を腹腔内に投与したマウスに静脈内注射する。FITC標識した骨髄好中球は、
イン・ビボで炎症の部位に効果的に局存化する(レビンゾーン(Lewinsohn)ら
、1987年、J.Immunol.,138:4313)。炎症を起こした腹
腔内に蓄積した細胞は、FMFで分析したところ、50,000個であった。デ
ーターは、FITCで標識したドナー好中球対炎症を起こした腹腔内の未標識宿
主好中球の割合として記録される。未標識宿主好中球は、所定の動物における炎
症の程度についての基準として働く。通常は、炎症を起こした腹膜に蓄積するF
ITCで標識した好中球の割合は2〜8%の範囲である。ブロッキングの検討に
は、FITCで標識した好中球に飽和濃度の本発明の抗体を氷上で20〜30分
間プレコートする。細胞を洗浄し、3時間前にチオグリコレートを投与した動物
に注射する。それぞれのマウスの腹腔から単離した50,000個の細胞を、F
MFにより分析する。抗体をコーティングした細胞のクリアランスを、各試験動
物からの末梢血濃度を検討することによって評価する。各動物の腹膜および血中
におけるFITCを標識した好中球対未標識の宿主好中球の割合を測定する。抗
体処理後のデーターは、媒質コントロールの百分率として表される。抗体ブロッ
キングの特異性は、腹膜におけるFITCで標識した好中球のパーセントを末梢
血中のFITCで標識した好中球のパーセントで破ることによって各動物につい
てSERを計算することによって測定する。(SER=FITC好中球/腹膜内
宿主好中球/(FITC好中球/宿主好中球)血液。炎症部位の好中球の局在化
が循環からの抗体をコーティングした細胞のクリアランスによってブロックされ
ると、SER値は塩溶液コントロールに近くなる。
実施例8
肺胞炎および皮膚炎の予防および治療に有用な抗体のスクリーニング法
肺胞炎および皮膚塩の予防または治療における本発明の抗体または抗原と結合
するフラグメントの有効性を示す方法は、ムリガン(Mulligan)らの文献に記載
されている(1991年、J.Clin.Invest.,88:1396−1
406、参考として本明細書に引用)。
モノクローナル抗体
L−セレクチンおよびE−セレクチンに対する抗体は、実施例1に記載の方法
によって生成させる。
コントロール(非セレクチン結合性)モノクローナル抗体は、ペプシン消化に
より誘導されるF(ab′)2フラグメントからなっている。肺および皮膚の血
管の損傷の免疫複合体の検討には、本発明の抗体またはコントロールF(ab′
)2を総量で135μgを3個の等量に分割した投与量でウシ血清アルブミン(
BSA)および抗−BSA(ウシ血清アルブミンに対する抗体の濃度が高いウサ
ギポリクローン性IgGからなる)の気管内点滴または皮内注射の2.5、3.
0および3.5時間後に静脈内投与する。ネガティブコントロール動物は、BS
Aを投与していない。
免疫複合体による肺胞炎および皮膚脈管炎の動物モデル
抗−BSA濃度が高いウサギのポリクローン性IgGを用いて、肺および皮膚
の脈管の損傷を誘発させる(ジョンソン(Johnson)およびワード(Ward)、1
981年、J.Immunol.,126:2365)。IgGはオルガノン・
テクニカ(Organon Tekniga)、ウェスト・チェスター、ペンシルバニアから購
入した。ラットに投与するのに用いるIgG抗−BSAおよびBSA(シグマ・
ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)、セントルイス、ミズーリー)製
剤は、リムルス・アメボサイト・リゼート・アッセイ(E−toxate、シグ
マ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Co.))によって測定したところ、
それぞれ内毒素活性は20pg/mlおよび12pg/mlであった。総ての検
討には、300〜350gの雄ロング−エバンス(Long-Evans)特異性無菌ラッ
ト(チャールズ・リバー・ブリーディング・ラボラトリーズ、インコーポレーテ
ド(Chrles River Breeding Laboratorles,Inc.)、ウィルミングトン、マサチ
ューセッツ)を用いた。鎮静および麻酔には、ケタミン(25〜50mg/10
0g体重)およびペントバルビタールナトリウム(5mg/100g体重)を腹
腔内に投与する。免疫複合体による肺損傷は、100mgBSA(1.0ml塩
溶液中)を静脈内投与し、抗−BSAを300μl中で気管内に点滴することに
よって誘発させる。下記の気管内投与量の抗−BSAを用いた。0.75mg、
1.50mg、2.50mg、または3.33mg。損傷を生じてから4時間後
にラットを屠殺
し、10mlの塩溶液を肺動脈に注入して肺循環を洗浄した。肺損傷の尺度とし
ての透過係数は125Iで標識したアルブミンを実質中への漏れを1.0mlの血
液中に残っている量と比較することによって測定する。
逆の受動性の皮膚アルツス反応は、0.10mlの容積中に含まれる抗−BS
Aを0.10〜0.84mgを皮内注射した後、10mgBSAを1.0ml塩
溶液に溶解したものを静脈内投与することによって誘発させる。ラットを4時間
後に屠殺し、透過係数は血液1.0ml中に含まれる放射能と比較した全厚みの
皮膚生験に含まれる放射能の比率を測定することによって計算した。ネガティブ
コントロールには、抗−BSAを注射したが、BSAK静脈内投与は省いた皮内
部位を有する動物を含む。
肺または皮膚出血を評価するため、赤色血液細胞(RBC)を正常な成熟した
ロング−エバンスラットから得たヘパリン処理した血液から採取する。9mlの
血液を1:1,000(重量/重量)のヘパリンを含む塩溶液40mlで希釈す
る。これに100μCiの51Crを加えた後、連続振盪により37℃で1時間イ
ンキュベーションする。1,000rpm(4℃)6分間遠心分離した後、細胞
をPBSで3回洗浄し、次いで使用する準備をする。動物にBSAおよび抗−B
SAを投与してから半時間後、51Crで標識したRBC(80,000CCiD
を含む45μl)を投与する。屠殺時に、皮膚部位および塩溶液を灌流させた肺
の51Cr放射能を測定し、血液1.0ml中に含まれるカウント数と比較した。
それぞれの実験の終了時には、各動物からの血液試料を遠心分離し、細胞および
血清中の放射能を測定した。免疫複合体により誘発された肺および皮膚の損傷に
ついては、上記と同じ損傷および治療プロトコールを用いる。
グリコーゲンによって誘発される腹膜浸出物
ラットの屠殺4時間前に、0.1%(重量/容量)カキグリコーゲン25ml
を腹腔内に投与すると、好中球濃度の高い浸出物が生じる。本発明のF(ab′
)2フラグメント135μgを3つの等しい投与量に分けて治療群に静脈内投与
し(2.5、3.0および3.5時間後)、腹腔内への好中球の補充についての
効果を評価する。
組織ミエロペルオキシダーゼ(MPO)含量
既知数の好中球を投与した肺および皮膚部位のMPOを測定することによって
最初に標準的なリファレンス曲線を得る。肺および皮膚部位を、既報のホモゲナ
イゼーションおよび音波処理によって抽出する(ウォーレン(Warren)ら、19
89年、J.Clin.Invest.,84:1873)。上清のMPO活性
を、o−ジアニシジンの存在下でH2O2で分解することによって生じる吸光度(
460nm)の変化によって測定する。
細胞および肺組織の免疫組織学的分析
プラスチックスライド上のラット肺動脈内皮細胞(RPAEC)の単層を、5
0ng/mlのヒト組換えTNFαで4時間刺激し、PBSで洗浄し、アセトン
で固定する。剌激された細胞および未剌激細胞の単層を含むスライドを、次に本
発明の抗体(1.0ng/ml)と共に45分間インキュベーションする。次い
で、スライドをPBSで洗浄した後、マウスIgGに対するビオチン/アビジン
−ペルオキシダーゼ系を用いて結合したmAbについて染色を行う(ベクタスタ
イン(Vectastain)、ベクトル・ラボラトリーズ、インコーポレーテド(Vector
Laboratories,Inc.)、バリンガム、カリフォルニア)。ヘマトキシリンで逆
染色した後、切片をアクア−マウント(aqua-mount)(レーナー・ラボラトリー
ズ、ピッツバーグ、ペンシルバニア)でコーティングし、ペルオキシダーゼの反
応生成物の存在について光学顕微鏡によって検討する。免疫複合体によって誘発
される肺の損傷は、前記で定義した通りと同じプロトコールを用いて得た。動物
は、0、1、2、3および4時間後に屠殺する。肺を、最適切断温度(OCT)
化合物(マイルス・ラボラトリーズ、インコーポレーテド(Miles Laboratories
.Inc.)、エルカート、インディアナ)8〜9mlで膨脹させ、凍結切片を正常
なラットの肺および免疫複合体の肺胞内付着が行われている肺から得た。ポリ−
L−リシンをコーティング化たスライド上に設置し、アセトンで固定した後、組
織切片を本発明の抗体と前記と同様な方法で反応させる。
TNFαで剌激したHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)が抗体の反応性を除
くかどうかを評価するために、同じ染色手続きを用いて、4時間の面積複合体反
応から得られた肺を用いて、追加実験を行う。使用の前に、本発明のmAb製剤
(1.0ng/ml)を、TNFα(50ng/ml)で刺激したまたは未剌激
のHUVECの単層(5×106個の細胞)の共に27℃で1時間インキュベー
ションした後、抗体を肺切片へ適用する。
肺および皮膚の形態学的評価
肺を、10%リン酸緩衡ホルマリンで固定した後、ヘマトキシリンおよびエオ
シン染色を行い、光学顕微鏡で観察する。皮膚試料も同様に処理する。
内皮細胞の好中球によって媒介される細胞毒性
好中球によって媒介されるRPAECの細胞毒性を、標準的な51Crリリース
・アッセイによって測定する(バラニ(Varani)ら、1985年、Lab.In
vest.,53:656)。RPAECを、24ウェルの培養皿のウェルに1
mlの培養基中にウェル当たり5×104個の細胞で加える。それぞれのウェル
に2μCiのNa51CrO4(ニュー・イングランド・ニュークレア(New Engla
nd Nuclear)、ボストン、マサチューセッツ)を加えた後、単層を14時間イン
キュベーションする。次いで、TNFαを50ng/mlの濃度で加え、単層を
更に4時間インキュベーションする。次に、プレートを0.02%BSAを含む
HBSS(ハンクス・バランスド・ソルト・ソリューション(Hank's balanced
salt solution))で2回洗浄して、取り込まれなかった放射能を除去する。次
いで内皮細胞の単層を、使用のために準備する。抗体を用いるときには、これら
を単層に加え、30分間インキュベーションする。ヒト血中好中球を単離して、
0.02%BSAを添加したHBSSに懸濁する。Abと共にインキュベーショ
ンした後、好中球を対のウェルに加えて、最終容積1.0ml中のエフェクター
対標的細胞の比率を30:1とする。好中球を内皮細胞の単層上に30分間沈澱
させた後、ホルボールミリステートアセテート(PMA)(50ng/ml)を
ウェル当たり1.0mlの容積で加える。更に、37℃で6時間インキュベーシ
ョンした後、0.9mlの上清を各ウェルから採取し、懸濁液中の細胞を遠心分
離によって除去する。上清液(0.5ml)を吸引し、γ−シンチレーションカ
ウンターで分析を行い、51Cr放出を測定する。
実施例9
喘息の予防および治療法
喘息の治療における本発明の抗体または抗原に結合するフラグメントの有効性
を示す方法は、米国特許出願連続番号738,633号明細書およびグンデル(
Gundel)ら、1991年,J.Clin.Invest.,88:1407−1
411に記載されている。これらの文献は参考として本明細書に引用したもので
ある。
動物
動物は、体重が約4〜8kgの野生の成熟した雄性カニクイザル(Macacafasc
icularis)である(チャールズ・リバー・ブリーティング・ラボラトリーズ、イ
ンコーポレーテド、プライメート・インポーツ(Charles River Breeding Labor
atories,Inc.,Primate Imports)、ポート・ワシントン、ニューヨーク)。
モノクローナル抗体
抗体の保存溶液を塩溶液で希釈した後(最終濃度2mg/ml)、直ちに脚部
末梢静脈に静脈内投与する。抗体又は抗原と結合するフラグメント治療薬は、抗
原の吸入試験の1時間前に投与する。ELAM−1のみに特異的な抗体を、陽性
コントロールとして用いることができる。ELAM−1に対する抗体(CL2)
は、ピッカー(Picker)ら、Nature,349:796(1991)に記載
されているによって生成させた。
Rrs測定
呼吸器系インピーダンス(Rrs)は、ウェグナー(Wegner)ら、1984年
、Respir.Physiol.,55:47に記載されている方法により、
呼吸に不連続な振動数(11個の等しい対数段階で4〜40Hz)のシヌソイド
強制振動(sinusoidal forced oscillation)を重ね合わせることによって測定
する。全振動数に亙るRrsの真のまたは同相の成分の平均を算出して、Rrs
の単一代表値を得る。
気管支肺胞洗浄(BAL)
BALは、ファイバー気管支内視鏡(オリンパス・オプティカル(Olympus Op
tical)、3C−10型、レイク・サクセス、ニューヨーク)を気管竜骨を通過
させ、第5〜第7世代の気管支に挿入する。重炭酸塩で緩衡した塩溶液(pH7
.4、23℃)15mlを注入し、気管支内視鏡の導管を通って緩やかに吸引す
る。収集した試料を2,000rpmで10分間遠心分離し、生成する細胞ペレ
ット
をCa++およびMg++を含まないハンクス・バランスド・ソルト・ソリューショ
ンに再懸濁させる。BAL処置により軽度の炎症反応を生じることが示されてい
る。従って、肺細胞組成に対するBALが引き起こすと思われる影響を回避する
ため、抗原試験の前後でBALを左右の肺を交替して行う。注入した緩衝液の回
収容積は試験を通じて極めて一定しており、この処置は動物には十分耐えられる
ものである。総白色細胞数をコールターカウンター(コールター・エレクトロニ
クス(Coulter Electronics)、10型、ハイアリー、フロリダ)を用いて測定
する。
抗原吸入試験
抗原吸入試験物を、バード(Bird)7Aレスピレーターおよびマイクロネブラ
イザー(バード・コーポレーション(Bird Corporation)、8158型)を用い
て、断続的な陽圧呼吸により投与する。それぞれの試験は、15回/分(最大吸
入圧20cmH2O)で2分間からなっていた。Ascaris summエスキ(グリーア
・ラボラトリーズ、ルノーア、ノース・カロライナ)をリン酸緩衝塩溶液(PB
S、pH7.4)でそれぞれの動物に適当な濃度まで希釈する(直後の反応の際
にRrsを200〜500%増加させるのに要する投与量)。抗原試験は、それ
ぞれの動物について14日間の間隔を置いた。各動物は試験日の前18時間絶食
させる。
組織化学
BAL細胞をDiff−Quick染色(フィッシャー・サイエンティフィッ
ク(Fisher Scientific)、セントルイス、ミズーリー)で染色した細胞遠心分
離調製物を用いて評価する。細胞数の差を200個の細胞を計数することによっ
て測定し、それぞれの細胞の種類の割合を記録する。
組織学
抗原試験の前および生験のピンセットおよび気管支内視鏡による最大後期反応
中に、肺の生験試料を採取する。肺脈管内皮および気道内皮上のE−またはL−
セレクチンを同定するため免疫組織化学的染色を、ウェグナー(Wegner)ら、1
990年、Science、247:456に記載の方法で行う。
統計分析
データーを、分散およびフリードマンの多重範囲試験の2方向分析を用いて統
計学的に分析する。
試験プロトコール
それぞれの動物を、ケタミン(4mg/kg:ケタセット(Ketaset)、ミオ
ダーム・メディカル・サプライ(Myoderm Medical Supply)、モーリスタウン、
ペンシルバニア)およびキシラジン(1mg/kg、ロンパン(Rompum)、マイ
ルス・ラボラトリーズ、インコーポレーテド(Miles Laboratories,Inc.)、ナ
パービル、イリノイ)で麻酔し、カフ付き気管内チューブを挿管し、仰臥位にす
る。ケタミン(4mg/kg、筋肉内)を、必要に応じて補助麻酔として用いる
。次に、それぞれの動物にモノクローナル抗体またはビヒクル(塩溶液)を静脈
内にポーラス投与する。次に、気道細胞組成を、小児用気管支内視鏡を用いて気
管支肺胞洗浄(BAL)を行った後、動物を特別に設計した支持椅子に直立位に
座らせる。ベースライン呼吸器系抵抗(Rrs)を約15分管監視した後、抗原
試験物を吸入した(静脈内投与から1時間後)。Rrsを連続的に1時間監視し
た後、動物を麻酔から回復させ、ケージに戻す。Rrsを、抗原の吸入から4、
6、8および10時間後に15分間に亙って監視する。回復期の後の、後期反応
をBALを行うことによって評価する(抗原試験前とは反対の肺を洗浄)。
ブラケッティング・コントロー(bracketing control)実験(ビヒクル投与)
をそれぞれの動物について行い、各動物がそれ自身のコントロールとなるように
試験を設計する。各試験は、14日間の間隔を置いた。
抗原を吸入する1時間前に本発明の抗体または抗原と結合するフラグメントを
前投与することにより、総ての動物において総白血球浸潤および浸潤好中球数が
著しく減少する。本発明の抗体または抗原と結合するフラグメントを投与すると
、後期気管支収縮が著しく減少するが、急性反応に対しては明確な効果はない。
実施例10
生物学的試料中のL−およびE−セレクチンを有する細胞の検出法
生物学
膜に結合した付着分子は、ヌクレオチド配列に基づいて当業者により遺伝子操
作を行うことができる(マーリン(Marlin)ら、1990年、Nature,3
4
4:70−72、参考として本明細書に引用)。E−セレクチンに対する完全な
ヌクレオチド配列(ベビラッカ(Bevilacqua)ら、1989年、Science
,243:1160−1165、参考として本明細書に引用)およびL−セレク
チンに対する完全なヌクレオチド配列(ボウエン(Bowen)ら、1989年、J
.Cell Biol.,109:421−427;シーゲルマン(Siegelman
)ら、1989年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:5
562−5566;テッダー(Tedder)ら、J.Exp.Med.,170:1
23−133、参考として本明細書に引用)は、文献に記載されている。コード
配列とトランスメンブランおよび細胞質ドメインとを含む配列は、ムリス(Mull
is)の米国特許第4,683,195号明細書に記載の方法によりPCRによっ
て増幅することができる。E−またはL−セレクチンに対する遺伝子を、多数の
利用可能な真核または原核発現ベクターの一つにサブクローニングし、適当な宿
主細胞系で発現させる。
ELISA、ウェスターンブロットおよびドット−ブロットなどのイムノアッ
セイで標準として使用するには、既知量のL−セレクチンおよびE−セレクチン
を有する細胞または細胞溶解物を、1%BSAを含むダルベッコのリン酸緩衝塩
溶液(DPBS)(BSA−DPBS)で連続希釈する。
モノクローナル抗体調製物
マウス抗−L/E−セレクチン抗体は、実施例1に前記した方法により調製す
る。
試験試料の調製
試験動物からのヒト末梢血をヘパリン処理したバイアル瓶に採取し、フィコー
ル−パック(Ficoll-Paque)(ファルマシア(Pharmacia)、ウプサラ、スェー
デン)を用いることによって単離する。次に、3回洗浄したPBMCを完全培地
中に際懸濁して、5%細胞懸濁液とする。細胞懸濁液2mlを24ウェルの平底
プレートの適当な数のウェルに加える。適当な時間に、各ドナーからのウェルを
回収する。細胞上清を5,600×gで5分間遠心分離し、粒状物を除去し、E
LISAによる分析用の総ての試料が採取されるまで20℃で凍結する。上清を
解凍し、10,000×gで5分間遠心分離することによって透明にした後、
セントリコン(Centricon)30装置で、製造業者の指示にしたがって(アミコ
ン(Amicon)、ベバーレイ、マサチューセッツ)8倍に濃縮する。次に、濃縮し
た試料を、ELISAによりE−またはL−セレクチンについて直ちに分析する
。
L−セレクチンおよびE−セレクチンを有する細胞についてのELISA
本発明の抗体をDPBSに溶解したものを、96ウェルの平底EIAマイクロ
タイタープレート(リンブロ(Linbro))に5μl/ウェルで室温で1時間加え
る。ウェルをDPBSで3回洗浄した後、2%BSA−DPBS200μlで3
7℃で1時間ブロックする。ウェルを空にして、L−セレクチンおよびE−セレ
クチン標準(2倍連続希釈物8〜1024ng/ml)およびL−および/また
はE−セレクチンを有する細胞を含んでいると思われる試験試料(1%BSA−
DPBSで希釈したもの)を3回、37℃で1時間加える。ウェルをDPBSで
3回洗浄する。ビオチニル化した抗−L/E−セレクチン(EL−246)mA
bを2μ/ml(50μβ/ウェル)で37℃で30分間加える。ウェルをDP
BSで3回洗浄する。西洋カラシペルオキシダーゼストレプトアビジン(1:4
000)(ジムド(Zymed)、サンフランシスコ、カリフォルニア)を、50μ
l/ウエルの量で、37℃で30分間加える。ウェルをDPBSで3回洗浄し、
ABTS基質緩衝液で1回洗浄する。ABTS基質緩衝液を加え(50μl/ウ
ェル)、ダイナテク・マイクロタイターELISAリーダー(Dynatech Microti
ter ELISA reader)(410nm)上でプレートを読み、最大ODを得る。平均
ODの読みを計算する。
実施例11
L−およびE−セレクチンを有する細胞の免疫アフィニティーによる精製
本発明は、遺伝病であるCD11/CD18欠損の治療に当業界で知られてい
る遺伝子治療技術と組合せて用いることができる。機能的なCD11およびCD
18遺伝子を欠く白血球は、細胞表面レセプター、L−セレクチンおよび/また
はE−セレクチンを有する。本発明のmAbsを、アフィニティーカラムとして
用いられる固形指示体に結合させる。アフィニティーカラムは、患者の血液など
の供給源からL−セレクチンおよび/またはE−セレクチンを有する細胞を特異
的に結合するので、これらの細胞を他の細胞から精製しまたは分離することがで
きる。これらの細胞を一旦精製したならば、CD11およびCD18遺伝子を有
するDNAベクターと共に遺伝子治療を行った後、患者に再潅流されるので、機
能的な付着経路が確立されている。
実施例12
好中球のみをEL−246で処理するとE−セレクチンcDNAトランスフェ
クタントを結合する能力がブロックされる。
E−セレクチンcDNAでトランスフェクションした線維芽細胞をEL−24
6で前処理すると、好中球と結合するトランスフェクタントの能力がブロックさ
れる。内皮細胞E−セレクチンおよび好中球L−セレクチンはレセプター−カウ
ンター−レセプター対として働く能力を有するので(キシモトティーケイ(Kish
imoto.TK)ら、1990年、Blood,78:805;ピッカー、エルジェ
イ(Picker,LJ)、1990年、Cell,66:921)、好中球のE−セレ
クチンへの結合の抑制を好中球を処理することだけで検討した。末梢血好中球を
飽和濃度のE−246と共に氷上で20分間インキュベーションし、洗浄した後
、ヒトE−セレクチンcDNAでトランスフェクションしたマウスL−細胞の培
養物に加えた。結合に対するEL−246の効果を評価し、それぞれ抗−L−セ
レクチンmAs(DREG56)および2種類のイソタイプのネガティブコント
ロールmAba、抗−T200およびEL−81であって白血球およびE−セレ
クチンを染色するものと比較した。好中球を、50マイクロモルg/mlの濃度
の所定の抗体で氷上で20分間処理し、洗浄した後、E−セレクチントランスフ
ェクタクトに加えた。結合分析は、文献記載の方法に従って行った。抗体処理の
効果を定量し、コントロール(未処理)細胞の結合の百分率として記録した。数
値は2つの別個な実験からの8つの値の平均値±標準偏差である。図9に示され
るように、EL−246は付着を64%までブロックし、DREG56は53%
まで抑制し、ネガティブコントロールmAbはほとんど効果がなかった。これら
の結果は、好中球のEL−246による処理により、E−セレクチントランスフ
ェクタントに結合する能力をブロックすることを示している。
試験を行って、FITCで標識した抗−マウスの第二段階抗体を細胞へ加える
ことによって結合分析を行い、フローサイトメトリー分析を行った後、EL−2
46がE−セレクチントランスフェクタントの表面に見られるかどうかを測定し
た。実験に用いた好中球はEL−246で前処理し、洗浄した後、FITCを標
識した抗−マウスIgの第二段階の抗体を添加した後フローサイトメトリーを行
う前後の細胞表面におけるEL−246の存在について分析を行った。E−セレ
クチントランスフェクタントも同様に分析した。分析の前後における好中球の表
面上のEL−246の濃度を比較した。好中球を分析の開始時にEL−246で
飽和したが(図10A)、E−セレクチントランスフェクタントと同時インキュ
ベーションを15分間行ったところ、その細胞表面上には抗体は全く検出されな
かった(図10B)。L−セレクチンは白血球の表面から留出することができる
ので(キシモト、ティー・ケイ(Kishimoto.T.K.)ら、1989年、Scie
nce.245:1238)、試験は、結合分析中の好中球上のEL−246抗
体の損失は分子の流出によるものであるかどうかを測定した。分析後に細胞表面
上にEL−246を持たなくなっている好中球(10B)は、EL−246によ
って結合されているものとは別のエピトーブを認識する第二の抗−L−セレクチ
ンmAb(DREG56)で明るく染色された(図10C)。このことは、EL
−246で処理した好中球上ではL−セレクチンの流出は起きなかったことを示
している。
分析後に好中球上にEL−246がなくなっていることと対照的に、高濃度の
EL−246がE−セレクチントランスフェクタントの表面上に検出された(図
10E)。EL−246で処理した好中球を受け取らないトランスフェクタント
は、第二段階では反応しなかったのである(図10D)。EL−246で処理し
た好中球に暴露した後、第二段階の抗体に暴露したトランスフェクタントの蛍光
強度のレベル(図10E)は、EL−246を用いてE−セレクチンを通常の方
法で間接的に染色することによって得られる蛍光のレベル(図10F)と同じで
あるかまたは若干高かった。これらの結果は、好中球をEL−246で前処理す
ると、mAbは明らかに好中球からL−細胞トランスフェクタント上のE−セレ
クチンへと移行する能力を有することを示している。内皮細胞E−セレクチンで
も同様な結果が得られた。例えば、ヒト臍帯内皮細胞を10単位/mlのTNF
で4時間処理したところ、E−セレクチンの発現が誘発された。EL−246で
前処理した好中球は、前記と同様にして内皮細胞に加えた。15分以内に、総て
の好中球からEL−246が見られなくなり、これは次にサイトカインで活性化
した内皮細胞の表面に見出だされた。この好中球のE−セレクチンへの結合のE
L−246によるブロッキングはL−セレクチンではなくE−セレクチンのレベ
ルで行われたものと思われる。更に、これらの結果は、好中球はEL−246を
E−セレクチン発現の部位へ効率的に運ぶことができることを示唆している。
実施例13
EL−246は活性化されたヒト臍帯内皮細胞(HUVECs)上での好中球の
「ローリング」をブッロクする
セレクチンは、炎症の部位への好中球および他の白血球を補充することに関与
している。好中球の炎症部位への補充は、3段階に分けることができる。(1)
細胞の後毛細管小静脈の活性化された内皮への最初の付着および「ローリング」
、(2)好中球の活性化および内皮への強固な付着、および(3)細胞の周囲の
組織への溢出(ポールソン、ジェイ・シー(Paulson,J.C.)、1992年、「
付着、炎症性疾患でのその役割(Adhesion Its Role In Inflammatory Disease
)、第2章、ジェイ・エム・ハーラン(J.M.Harlan)およびディー・ワイ・リ
ュー(D.Y.Liu)監修、ダブリュ・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(
W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク、ニューヨーク、pp19−42)
。セレクチンは、活性化した内皮上での好中球の最初の付着または「ローリング
」に関与している。抗−付着治療により、この損傷が予防されまたは抑制される
。
血管壁を通って管外の脈管組織への白血球の輸送は、微生物や異種抗原から宿
主を防御し、組織の損傷を修復する上で必要である。しかしながら、ある種の環
境下では、白血球−内皮相互作用により、宿主に有害な結果が生じることがある
。付着および内皮横断移行(transendothclial migration)の経過中に、白血球
が内皮を直接損傷させる生成物を放出し、内皮機能不全および組織の損傷を引き
起こすことがある。(ハーラン、ジェイ・エム(Harlan.J.M.)ら、1992年
、「付着、炎症性疾患でのその役割(Adhesion Its Role In Inflammatory Dise
ase)、第6章、同上、pp.117−150)。付着防止治療は、この損傷を
防止しまたは抑制する。
後毛細管小静脈中の血流のイン・ビボでの剪断力および好中球のローリングを
模したイン・ビトロでのフローセル系を用いて、活性化した内皮細胞層上での好
中球のローリングを抑制するEL−246の能力を測定した。
新たに単離したヒト臍帯内皮細胞であって、第VIII因子およびLDL−レ
セプター陽性であるものを、滅菌したガラス製の1.36mm毛細管(ドラモン
ド・サイエンティフィック(Drummond Scientific)、ブルーモール、ペンシル
バニア)の内部表面で成長させて合一させた。分析の4時間前に、内皮細胞を、
最大のE−セレクチンを発現する10ng/mlのPMAまたは1ugIL−1
(IL−1ベーター、イムネックス(Immunex)、シアトル、ワシントン)で処
理した。チューブを毛細管の両端に取り付け、可変蠕動ポンプを用いて流体およ
び細胞が再循環できるようにした。毛細管を、ビデオ顕微鏡用に改良した倒立顕
微鏡の採物台の上に固定した。精製したヒト好中球を、DMENに2%FBSを
加えたものの中で1×107個の細胞/mlの濃度で系の投与した。活性化され
ていない内皮細胞では起きない再現性のあるローリング相互作用が、10.1m
m/秒の流速で検出された。ローリング相互作用を5分間起こさせておきながら
ビデオテープに収録し、次にEL−246またはイソタイプのネガティブコント
ロール抗体50μg/mlを、または両者を順次系に投与した。次に、白血球内
皮細胞相互作用を10分間までビデオテープに収録した。mAbの投与前後の1
0〜30秒の間隔で活性化した内皮細胞上でローリングする好中球の数をビデオ
テープ録音のそれぞれのフレームを分析することによって測定した。データーを
視野対時間(秒)内のローリングする細胞の数として記録した。
EL−246を試験して、これが好中球のローリングを支持する活性化された
内皮細胞の能力を抑制することができるかどうかを測定した。HUVECsを滅
菌したガラス製毛細管の内部表面上で成長させ、前記と同様の方法でE−セレク
チンを発現するように誘導した(EL−246染色によって確認)。毛細管を剪
断条件下での白血球のリガンドとの相互作用を測定する系に設定した。イン・ビ
トロでのループアッセイを用いて、前記と同様に活性化された内皮細胞上でロー
リングする好中球の能力についてのEL−246の抗かを分析した。ローリング
相互作用を確認した後、EL−246を系に投与した。顕微鏡視野でのローリン
グする好中球の数を、相互作用のビデオテープ記録から個々のフレームを解析す
ることによって経時的に定量した。制御された剪断条件下では、活性化されたH
UVECsはヒトおよびマウスの好中球のローリングの支持では極めて有効であ
った(データーは示していない)。EL−246の効果を試験するため、単離し
たヒト好中球間のローリング相互作用を確認した後、EL−246(最終濃度、
50μg/ml)を閉じたループ系に投与し、好中球のローリングに対する効果
をビデオ顕微鏡で10分間記録した。好中球細胞上でローリングする好中球の数
を、ビデオテープの個々のフレームを解析することによってEL−246の投与
の前後で測定した。図11Aは、活性化された内皮細胞上でローリングする細胞
の数を時間に対してプロットしたものを示している。EL−246の投与後90
秒以内に、75%を上回るローリング相互作用がブロックされ、4分後までにブ
ロッキングは100%となった。媒質のみを投与したチューブでは、好中球のロ
ーリングに対する抑制効果は認められなかった。更に、CD44およびP−セレ
クチンに対する抗体は、このアッセイでは抑制効果を示さなかった(データーは
示していない)。
第二のタイプの実験を行い、最終的にEL−246を投与した同じチューブ内
での好中球ローリングに対するmAbの非特異的効果を制御した。前記のように
してローリング相互作用を確認した後、イソタイプのネガティブコントロールm
Ab(12.2、これは好中球または内皮を認識しない)を系に投与し(50μ
g/ml)、その効果を150秒間監視した。図11Bに示されるように、12
.2はローリング相互作用を変更しなかった。180秒後に、EL−246を系
に投与したところ、これはローリングを完全にブロックした(図11B)。幾つ
かのチューブでは、ネガティブコントロールmAbの効果の欠如が20分間に渡
って見られた(データーは示さなかった)。
これらの実験の結果は、EL−246モノクローナル抗体は活性化された内皮
上での好中球のローリングを抑制するその能力が独特のものであり、これをイン
・ビボで好中球のローリングを抑制するのに用いて、白血球の移行と炎症を防止
または抑制することを支持している。
実施例14
EL−246はE−セレクチンcDNAトランスフェクタントが末梢リンパ節
HEVに結合する能力をブロックする。
末梢リンパ節HEV結合分析
凍結切片でのHEVsおよびE−セレクチンcDNAまたはベクターcDNA
でトランスフェクションしたマウスプレーBL1/2細胞へのリンパ球の結合の
イン・ビトロでの分析は、実施例5で用いたものと同じであった。機能的なヒト
E−セレクチンを発現するマウスL1/2細胞およびトランスフェクションされ
ていないコントロール親細胞系を1×107個の細胞/mlでcRPMIに再懸
濁し、100μlをマウス末梢リンパ節の10μm切片に加え、HEV結合を評
価した。細胞結合は、実施例5に記載したのと同様な方法で、最初にその特徴的
な自己蛍光または特異的な群形態学(plump morphology)によってそれぞれの分
野におけるHEVを同定した後、HEVに結合した細胞を計数した。分析の後、
切片を結合性細胞を暗青色に優先的に標識するチオニンで染色した。データーは
、個々に記録したHEV当たりに結合した細胞の数として計算した。トランスフ
ェクタントに対する抗体処理の効果を、媒質のみと比較した。
ベルグ、イー・エル(Berg,E.L.)、ロビンソン、エム(Robinson,M.)らは、
L−およびE−セレクチンの間には結合特異性が重複していることを示した(ベ
ルグ、イー・エル(Berg,E.L.)ら、1992年、Biochem,Bioph
ys.Res.Comm.,184:1048)。これらの分子は同じ炭水化物
と結合し、また興味深いことには、E−セレクチントランスフェクタントは末梢
リンパ節HEVに強く付着する(ベルグ(Berg)ら、同上)。分子相互作用は、
最初のうちは、L−セレクチンに対して独特なものであると考えられていたもの
である(ブッチャー、イー・シー(Butcher,E.C.)、1991年、Cell.6
7:1033)。EL−246を試験して、これがE−セレクチントランスフェ
クタントとPLN HEVとの相互作用をブロックするかどうかを測定した。図
12の顕微鏡写真に示されているように、ヒトE−セレクチンcDNAでトラン
スフェクションしたマウスL1/2リンパ腫細胞系は、マウスPLN HEVへ
強く結合した。このトランスフェクタントをEL−246で処理したところ、こ
の相互作用は完全にブロックされた(図12)。この実験は4回繰り返したが、
それ
ぞれの実験でのEL−246のブロッキングは100%であった。
実施例15
EL−246はイン・ビボでの末梢リンパ節へのリンパ球のホーミング(homing
)をブロックする。
異種移植でのリンパ球のイン・ビボでのホーミングアッセイ
ウシリンパ球を末梢血から単離し、洗浄して、HB101(NEN)に1×1
07個の細胞数で懸濁し、文献に記載の方法でFITCで標識した(ジュティラ
、エム・エイ(Jutila.M.A.)ら、1989年、J.Immunol.,143
:3318;ジュティラ、エム・エイ(Jutila.M.A.)ら、1990年、Cel
l.Immunol.,132:201、参考として本明細書に引用)。これら
の処置により、総てのリンパ球は100%の効率で均質に標識され、モード蛍光
値は100〜500であった。FITC標識したリンパ球をHBSSで洗浄し、
1×108個の細胞/mlで再懸濁し、この細胞調製物を6〜12週齢の雌性B
ALB/cマウスの外側尾静脈に投与した。4時間後に、動物を屠殺し、パイア
ー班(PP)、腸間膜リンパ節(MLN)、末梢リンパ節(PLN)、脾臓、お
よび末梢血を採取した。それぞれの組織から単細胞調製物を作成した。末梢血中
のRBCsを低張リーシスによって溶解した後、フローサイトメトリー分析を行
い、前記の方法で形質転換したリンパ球がマウスのリンパ様組織に入る能力を定
量した(ジュティラ、エム・エイ(Jutila.M.A.)、1990年、Cell.I
mmunol.,132:201)。それぞれの組織について、形成転換したリ
ンパ球対宿主リンパ球の百分率を測定した。抗体のリンパ球のホーミングに対す
る効果を、媒質コントロールと比較した。このアッセイでの追加のコントロール
は、(1)抗体で処理した細胞のクリアランスが起きないことを示すため血中濃
度を測定すること、および(2)EL−246の組織に特異的な効果であった。
L−セレクチンは、優先的に末梢リンパ節を通るリンパ球のホーミングを媒介す
る。最適の結果を得るには、ドナー動物は健康であり且つ生後1か月未満(最大
比率の循環リンパ球上でL−セレクチンが最高水準に発現される年齢)でなけれ
ばならない。更に、細胞の分離および標識技術には2時間以上かけることはでき
ず、そうしなければ細胞の成長能力が低下してしまうからであった。コントロー
ル動物で異種移植でのリンパ球のホーミング(例えば、宿主の末梢リンパ節のリ
ンパ球の少なくとも0.2%)が起きなければ、アッセイは分析には含まれなか
った。
異種移植のホーミングモデルを用いて、EL−246がイン・ビボでリンパ球
が末梢リンパ節へホーミングするのをブロッキングするのに有効であるかどうか
を試験した(別のセレクチンによって媒介される機能)。短期ホーミングアッセ
イでは、異種移植でのリンパ球は適当な特異性でマウスのリンパ様組織へホーミ
ングする(バルガッツェ、アール(Bargatze,R.)および(ジュティラ、エム・
エイ(Jutila.M.A.)、未公表知見)。これは、ホーミングに要する主要な付着
経路は哺乳類では高度に保存されていることから、驚くべきことではない(ジュ
ティラ、エム・エイ(Jutila.M.A.)、1992年、J.Exp.Med.,1
75:1565:スペルチニ、オー(Spertini,O.)ら、1991年J.Imm
unol.,147:942;ウー、エヌ・ダブリュ(Wu,N.W.)、1988年
、J.Cell.Biol.,107:1845;ウォルチェック、ビー(Walc
heck,B.)ら、1992年、Eur.J.Immunol.,22:469)。
このアッセイは4時間以内に完了するので、異種移植反応に関する合併症はほと
んど見られない。この方法は、多数の細胞が必要であるため相同のホーミング実
験が困難な大型動物からのリンパ球のホーミング能力を測定するための強力な系
を提供するものである。マウスでのウシリンパ球のホーミングを検討したが、こ
れは(1)EL−246はウシL−セレクチンを認識し、(2)多数の細胞を容
易に得ることができる、(3)健康な若い動物(1か月)であって、実質的に総
ての循環リンパ球がL−セレクチン陽性である(動物が成熟すると、L−セレク
チン陽性のリンパ球の割合は減少する)動物を容易に用いることができるからで
ある。
MEL−246または媒質のみで処理したFITCを標識したウシリンパ球を
同一のマウスに投与し、4時間ホーミングさせた。インキュベーションの後、動
物を屠殺して、血液および各種のリンパ様器官を回収した。未標識の宿主細胞と
比較したTITCで標識した細胞の割合をそれぞれの組織について測定し、各種
の処理の間で比較した。表2は、7種類の異なる実験からの組合せたデーターを
示している(3回分析を行ったパイアー班を除く)。
表2
ウシリンパ球をEL−246で前処理すると、マウスの末梢リンパ節へのそれら
のホーミングの能力がブロックされる
組織 宿主細胞の割合a ブロッキング率b
コントロール EL−246
PLN 0.4 ±0.14 0.14±0.05(P,0.10) 65%(n=7)
MLN 0.48±0.22 0.24±0.08 50%(n=7)
PP 0.45±0.24 0.34±0.08 25%(n=3)
脾臓 1.54±0.63 1.80±0.50 15%(n=7)
血液 0.66±0.32 1.10±0.55 減少なし(n=7) a
数値は、各組織からの分析した50,000個の細胞中のFITCで標識した
細胞の割合を表しており、表示した実験の回数から平均±SEMである。 b
下記の様にして算出したEL−246によるブロッキング率:100(100
×EL−246処理の後の組織中の細胞の百分率/コントロールの組織中の細胞
の百分率)。コントロールは、媒質のみで処理した後、マウスに投与した細胞で
あった。
末梢リンパ節に見られるFITCで標識したコントロールリンパ球の百分率は
、0.2%〜1.6%であった。予想されたように、実験毎にホーミングの水準
には変動性(高SEMによって示される)が見られ、これは細胞調製物、動物、
および/または他の要因における変動性によるものと思われた。この変動にも拘
らず、コントロールおよびEL−246末梢リンパ節からプールされたデーター
は著しく異なっていた(65%抑制、P値0.10)。それぞれの実験内で抑制
率を計算して、平均すれば、変動はずっと小さくなった(64%±10 SEM
、P値<0.01で有意)。他の試験した組織の総てにおいてもブロッキングが
見られたが、腸間膜リンパ節で若干有意なだけであった(P値0.30)。血液
レベルは2種類の処理群では同じであったので、EL−246処理の後のホーミ
ングの減少は循環からの処理された細胞のクリアランスが増加したことによるも
のではなかった(表2)。
ネガティブコントロール抗体(DREG55)の効果を検討した。この抗体は
同じイソタイプであり、EL246と同じ方法で調製したが、ウシリンパ球を認
識しなかった。イン・ビボの異種移植でのリンパ球のホーミングアッセイは、表
2に記載したように行い、EL−246およびネガティブコントロール抗体(D
REG55:EL−246と同じイソタイプであるが、ウシリンパ球を認識しな
い)の効果をフローサイトメトリーによって評価した。図13に示された輪郭プ
ロットは、この実験の分析値を表しており、EL−246、DREG55または
媒質のみ(コントロール)で処理した後脾臓およびPLNへホーミングしたFE
TCで標識したウシリンパ球の割合を表している。それぞれの時点で50,00
0個の細胞を分析し、輪郭レベルの閾値はそれぞれのプロットで同じであった。
四分儀は、バックグラウンド蛍光の上限に基づいていた。
図13は、媒質のみ、DREG55、およびEL−246で処理しFITCで
標識した細胞を投与した動物から集めたデーターの代表的なサイトメトリーによ
る輪郭プロットを表している。また、EL−246は末梢リンパ節へのホーミン
グをブロックし、脾臓での蓄積が若干減少した。DREG55はPLNでの細胞
の蓄積には効果がなかったが、脾臓への蓄積にはEL−246と同程度まで影響
した。重要なことは、試験動物での循環するEL−246で処理した細胞対DR
EG55で処理した細胞のレベルは2倍であるにも拘らず、EL−246はDR
EG55の効果と比較してPLNへのホーミングを70%までブロックしたこと
である。これらの結果は、EL−246がこのイン・ビボモデルではL−セレク
チンの有効なインヒビターであることを示している。
実施例16
虚血/再潅流の処理
EL−246はイン・ビボでの虚血/再潅流による損傷を改善または抑制する
。
体重が約24〜30kgのヒツジを用いて実験を行った。許容される肺虚血/
再潅流モデルは、カペランスキイ、ディー・ピー(Kapelanski,D.P.)ら、19
93年、J.Heart Lung Transplant.,12:294−
306に記載の方法に従って作成し、この文献は参考として本明細書に引用する
ものである。簡単に説明すれば、ヒツジをこのペンタルナトリウムで麻酔し、フ
ェ
ンタニルシトレートを連続投与することによって維持した。完全な麻痺は、ペン
クロニウムブロミドの連続投与により維持された。
容量を調節した通気(換気容量、600ml;吸入酸素の分画、0.53;吸
気:呼気の比率、1:1;正の末端呼気圧、5.0cmH2O)(608通気装
置;ハーバード・アパラタス・シンコーポレーテド(Harvard Apparatus Inc.)
、エス・ナティック、マサチューセッツ;空気−酸素ミキサー;ゼクリスト・イ
ンダストリーズ・インコーポレーテド(Sechrist Industries Inc.)、アナハイ
ム、カリフォルニア;正の末端呼気圧弁;ベーリンガー・ラボラトリーズ、イン
コーポレーテド(Boehringer Laboratories,Inc.)、ノリスタウン、ペンシルバ
ニア)は8mmのカフ付き気管内チューブを通って送った。ドナーの通気装置速
度(10〜15/分)を調節して、動脈二酸化炭素圧(PaCO2)を約30m
mHgとした。これらの通気装置の設定条件を、実験の終わりまで維持した。
血中およびガス中の酸素および二酸化炭素圧を、較正したマイクロ−クラーク
・アンド・セベリングハウス電極(micro-Clark and Severinghaus electrodes
)(ノバ・バイオメディカル・コーポレーション(NOVA Biomedical Corporatio
n))を用いて37℃で測定した。血液pHは、較正したサンズ(Sanz)電極(
ノバ・バイオメディカル・コーポレーション(NOVA Biomedical Corporation)
)を用いて37℃で測定した。血中ガス圧およびpHは体温、圧、飽和にまでト
ーマス、エル・ジェイ(Thomas,L.J.)、1972年のアルゴリズムを用いて補
正した(J.Appl.Physiol.,33:154−8)。酸素消費(V
O2)は、動脈および混合静脈酸素含量の差および心拍出量から計算した。二酸
化炭素放出(VCO2)は、二酸化炭素が吸気には含まれていないものと仮定し
て混合呼気および呼息した微生換気における二酸化炭素圧から計算した。VO2
およびVCO2は体重によって補正し、STPDに変換した。
連続換気;潅流(VA/Q)分布は、ワグナー、ピーディー(Wagner,PD)ら
、1974年(J.Appl.Physiol.,36:588−99)および
ワグナー、ピーディー(Wagner,PD)ら、1974年(J.Appl.Phys
iol.,36:600−5)に記載の複合不活性ガス放出法を用いて計算した
。不活性ガスは、37℃で窒素で平衡にすることによって血液から抽出
した。気相における不活性ガス濃度は、メガボルク(megaborc)カラム(DB1
、ジェイ・アンド・ダブリュ・サイエンティフィック(J & W Seientific)、フ
ォルソム、カリフォルニア;ポラ・プロット・ユー(Pora Plot U)、クロムパ
ック(Chrompack)、ミドルバーグ、オランダ)および炎イオン化および電子捕
獲検出器を供えた装置(ヒューレット−パッカード・カンパニー、メディカル・
プロダクツ・グループ(Hewlett-Packard Co.,Modical Produets Group)、ア
ンドオーバー、マサチューセッツ)を用いてガスクロマトグラフィによって測定
した。
3時間の左肺虚血は、19匹の動物で左主肺動脈を閉塞することによって開始
した。ヒツジL−およびE−セレクチンを認識するEL−246およびヒトL−
セレクチンのレクチンドメインを認識するDREG56をそれぞれ8匹および3
匹の動物に左肺を再潅流する10分前に投与した。それぞれの動物に、1mg抗
体/kg体重の投与量の0.9%塩溶液を静脈内にボーラス投与した。8匹の動
物には、抗体投与を行わなかった。総ての被験動物について、生理学的パラメー
ターを、再潅流の開始後6時間まで様々な間隔で記録した。
8匹の未処理動物の内の5匹は、図14に示すように、6時間以内に死亡した
(死亡率62.5%)。未処理動物(虚血コントロール)は総て、再潅流の開始
後30分以内に肺機能の喪失を示し、肺機能は再潅流の進行と共に低下した。肺
機能の喪失は、動脈の二酸化炭素圧(PaCO2)の増加を伴う動脈酸素圧(Pa
O2)の低下によって示された。
3匹のDREG56を投与した動物の内2匹は、図14に示すように6時間以
内に死亡した(死亡率66.7%)。DREG56を投与した動物は総て、実験
において肺機能の喪失を示した。これらの結果は、未処理コントロールと統計的
には差がなかった。従って、ヒトおよびウシのL−セレクチンのレクチンドメイ
ンを認識するがヒツジのL−セレクチンを認識しないDREG56は、ヒツジを
虚血/再潅流による損傷から保護することができなかった。
EL−246を投与した動物は8匹総てが、実験の完了まで生き残った(死亡
率0)(図14)。EL−246を投与した動物は総て再潅流の開始後に直ちに
肺機能を喪失した(30分以内)。しかしながら、2時間以内に、総てのEL−
246を投与した動物の肺機能は著しく改善され、正常な動物の血中にみられる
PaO2およびPaCO2のレベルとなった。従って、EL−246は、これを投与
した動物が100%生き残り、肺機能も改善されたので、イン・ビボでの有効な
治療薬である。
実施例17
処理動物の血清中の抗体の飽和濃度の測定
処理を行った動物から得た血清(実施例15参照)を、EL−246又はDR
EG56を投与した後30分間、抗体の飽和濃度について試験した。フローサイ
トメトリーによるE−セレクチンおよびL−セレクチンcDNAでトランスフェ
クションしたマウスL1/2細胞の染色を、これらの分析に用いた。血清試料の
連続2倍希釈を用いて、トランスフェクタントを染色した後、FITC−第二段
階で染色し、蛍光を飽和濃度の精製したEL−246またはDREG56抗体に
よって生じる蛍光と比較した。トランスフェクタントの最大染色は、1:8(H
L−246およびDREG56)に希釈した総ての血清試料で検出され、抗体が
動物中で飽和濃度に達していることを示していた。
実施例18
循環しているEL−246の半減期
8匹の処理を行った動物の血清中のEL−246のタイターを6時間の実験中
測定した(実施例15)。EL−246の濃度に、有意な低下は認められなかっ
た。図15は再潅流の開始後30,90および360分後に8匹の動物から採取
した血清試料の様々な希釈物で処理したL−セレクチントランスフェクタントの
最大染色の百分率を示している。6時間後の力価の変動性は記載していないが(
図15)、EL−246を1mg/kg投与した後の飽和濃度は、6時間維持さ
れた。従って、EL−246は循環から速やかに除かれなかった。
本明細書記載の実施例および態様は単に例示のためのものであり、これを考慮
した各種の改良または変更は本出願の精神および範囲および請求の範囲内に包含
されるものであることが理解される。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 39/395 ABN
ABX
ACD
C12N 5/10
15/02
C12P 21/08 9358−4B
G01N 33/53 D 8310−2J
33/564 Z 8310−2J
33/577 B 8310−2J
//(C12P 21/08
C12R 1:91)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,
CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,J
P,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN,MW
,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,
SE,SK,UA,US