JPH08503126A - バイオマスの前処理方法 - Google Patents
バイオマスの前処理方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、リグノセルロース含有バイオマスの予備処理方法について記載する。予備処哩は水酸化カルシウムおよび水をバイオマスへ添加して混合物を形成し、混合物をバイオマスが消化を受けることができる十分な期間比較的高温にすることからなる。予備処理したバイオマスが消化されて、たとえば飼料、燃料ならびに脂肪酸、ケトンおよびアルコールを含む化合物のような有用な産物になる。これにかわって、予備処理方法は、酸素および酸素含有ガスからなる群から選沢される酸化剤を加圧下に混合物へ添加することを含む。本発明はまた、予備処理したバイオマスからカルシウムを回収する方法をも目指すものである。
Description
【発明の詳細な説明】
バイオマスの前処理方法発明の背景
1.発明の分野
本発明はバイオマスを消化されやすくするためのリングニン含有バイオマスの
前処理の方法に関する。前処理は混合物を形成させるためのバイオマスに水酸化
カルシウムと水の添加、およびその混合物を比較的高い温度に保持することを含
む。または酸素および酸素含有ガス類からなる群から選ばれた酸化剤を加圧下に
その混合物に添加してもよい。本発明はまた有用な原料油、燃料並びに糖類、ケ
トン、脂肪酸類およびアルコール類のような化学物質を含む前処理されたバイオ
マスの消化産物に関し、さらには前処理されたバイオマスからカルシウムの回収
方法に関する。
2.背景の説明
バイオマスは糖−、デンプン−、およびセルロース−含有植物の3種の主たる
カテゴリーに分類することができる。糖−含有植物類(例えばサトウモロコシ、
サトウキビ)およびデンプン−含有植物類(例えばトウモロコシ、米、小麦、サ
ツマイモ)は主として食糧源として用いられる。セルロース含有植物類および廃
物(例えば牧草、木材、バガス、麦藁)はバイオマスの最も豊富な形態である。
それらは有用な産物に容易に変化させることはできないが、糖−やデンプン含有
バイオマスより原料コストがはるかに安価なので、セルロース含有バイオマスを
工業用原料に変化させる優れたプロセスは経済性に富む可能性が大きい。
セルロース含有物質は、それらがセルロース(40%−60%)、ヘミセルロ
ース(20%−40%)およびリグニン(10%−25%)を含むため、一般に
リグノセルロース誘導体と呼ばれる。非木質のバイオマスは一般に約15−20
%より少ないリグニンを含んでいる。グルコースのポリマーであるセルロースは
酸、酵素または微生物を用いてグルコースに加水分解することができる。グルコ
ースは燃料アルコールや単細胞蛋白質生産のための原料として用いることができ
る。微生物による加水分解においては細胞質のバイオマス(単細胞蛋白質)およ
び有機酸類のような代謝産物が生産される。酸による加水分解においては、単純
ではあるが、多くの望ましくない分解産物が生産される。酵素による加水分解は
最も清潔で好適なアプローチである。しかし、酵素、主としてセルラーゼおよび
セロビアーゼの生産は、高価な工程となりやすい。アルコール生産とは別に、リ
グノセルロースは低廉な家畜飼料として用いることもできる。未処理のリグノセ
ルロースは家畜に容易に消化されないので、反芻動物に与える前にその消化性を
改良する処理を行う必要がある。また、第一胃の微生物を用いた嫌気的発酵にお
いて、低分子量の揮発性脂肪酸が生産される。
セルロースは世界中で最も豊富な生物性物質である。木質種の乾燥重量のおよ
そ40%から45%がセルロースである。重合度は500から20,000の範
囲である。セルロース分子は完全に線状で、分枝がなく、分子内および分子間水
素結合を形成する傾向が強い。セルロース分子の束は、規則性の高い(結晶性)
領域と規則性の低い(非晶性)領域が互い違いになって集合し、ミクロフィブリ
ルを形成している。ミクロフィブリルはフィブリルを形成し、最終的に繊維を形
成する。その繊維質の構造と強い水素結合の結果として、セルロースは非常に高
度の引っ張り強さを有し、ほとんどの溶剤に溶解しない。
ヘミセルロースは世界中で二番めに豊富な炭水化物であり、木質乾燥重量の約
20%から30%を占める。ヘミセルロースは、古くはセルロースの生合成の中
間体と考えられたが、セルロースとは異なる生合成経路を通って形成される。ヘ
ミセルロースはヘテロ多糖類であり、種々のモノマーにより形成される。最も普
通のモノマーはグルコース、ガラクトースおよびマンノース(ヘキソース類)並
びにキシロースおよびアラビノース(ぺントース類)である。最も普通のヘミセ
ルロースはたったの200の重合度である。ヘミセルロースはキシラン類、マン
ナン類およびガラクタン類の3種に分類され、それらは骨格を構成するポリマー
に因んで称される。
リグニンは世界中で最も豊富な非炭水化物性生物物質である。リグニンは非常
に高分子量の三次元高分子物質である。その単位は大量の架橋を有するため、そ
れぞれの分子を明確にすることは困難である。リグニンはセルロースのフィブリ
ル同士を結合させることにより、強度を提供している。本来疎水性であるため、
維管束系から水分の損失を防止し、また、酵素分解に対し高度の抵抗性を有する
ため、昆虫や微生物の攻撃から植物を保護している。
芳香族化合物であるフェニルプロパンはリグニンの基本的な構造単位である。
モノマーは互いに架橋結合しているばかりでなく、ヘミセルロースと共有結合し
ている。セルロースやヘミセルロースの利用しやすさに大きな影響を与えるのは
リグニンの存在である。リグニン含量が減少すると消化性が高くなることが示さ
れている。リグニンは物理的、化学的または酵素的処理によって取り除くことが
できる。そのためには、セルロースマトリックスから溶解できるより小さな単位
に分解しなければならない。セルロースを無傷で残し、リグニンを分解して除去
するパルプ化方法がいくつか開発されている。例えばクラフトパルプおよび亜硫
酸パルプのような通常のパルプ化プロセスは、生物的変換のための前処理として
はコストがかかりすぎる。また、その化学構造およびサイズの分布があまりに雑
多であるため、除去したリグニンの経済的利用が困難である。
酵素的セルロースの加水分解に対する他の主な阻害要因はその結晶領域の高度
に規則的な分子集合である。セルロース加水分解性の酵素はセルロースのより接
近しやすい非晶部分を容易に分解するが、接近しにくい結晶性物質を攻撃するこ
とはできない。このように、酵素による加水分解率はX線回折法によって測定さ
れる結晶化度を減少させることにより増大する。
セルロース繊維の水分含量は酵素的分解に影響する。含まれる物質や生物に特
徴的な臨界的水準以下に水分含量が保持されれば、セルロース性物質は酵素や微
生物による分解から効果的に保護される。一般に、この臨界的水準は繊維の飽和
点、乾燥重量のおよそ40%のわずかに上にある。水分は3つの主要な役割を果
たす:セルロース分子を水和させて繊維を膨潤させ、微細構造を開かせて酵素
の接近機会を増大させる、酵素や部分分解産物のための拡散媒体となる、各
分子のグリコシド結合の加水分解による開裂の際、セルロースに添加される。
リグノセルロースの表面積は酵素分解に対する感度を決定する別の重要なファ
クターである。酵素分子とセルロース表面との接触が加水分解の進行のために必
要であるから、これは重要なことである。感度に影響する幾つかの他のファクタ
ーとして、毛細管のサイズと表面特性、セルロース分子の単位細胞の大きさおよ
び水素−グルコース単位 (hydro-glucose units)の形態と立体的剛性との関連に
おける酵素分子のサイズと拡散性がある。
酵素による加水分解に対する感度を上げるために、リグノセルロースの前処理
は必須の要求である。セルロースが高い抵抗力のある結晶構造を有する、セ
ルロースの周囲にあるリグニンが物理的な障壁を形成すること、および酵素の
攻撃できる位置は限られるため、リグノセルロースの異常な酵素分解は、第一に
その構造上の特徴に支配される。従って、理想的な前処理は、結晶化度を同時に
減少させながらリグニン含量を減少させ、表面積を増加させるものである。前処
理の方法は、操作の様式によって、物理的、化学的、物理化学的および生物学的
方法に分類される。この主題に利用できる文献は数多くある。セルロースの消化
または蒸解性を増大させるために用いることのできる各種の前処理方法を表1に
まとめた。
生物学的前処理においては、微生物的脱木質化によりセルロースを接近しやす
くするために菌類を用いる。主たる生物的リグニン分解菌はAscomycetesおよびB
asidiomycetesなどの高等な菌類である。菌類による分解は緩慢なプロセスであ
り、ほとんどの菌類は、リグニンのみでなくセルロースをも攻撃し、その結果、
リグニン断片および糖類の混合物が生成する。この改良のためには、さらに特異
的で効率的な微生物の探索が要求される。
物理的前処理
物理的前処理は、機械的(製粉の全タイプを含む)および非機械的(高圧蒸気
処理、高エネルギー輻射および熱分解を含む)の2つの一般的カテゴリーに分類
することができる。機械的前処理の間に、物理的力(例えば、剪断力、圧縮力)
がリグノセルロースを微細粒子にさらに細分する。これらの物理力は結晶化度、
粒子サイズおよび重合度を減少させ、嵩密度を増大させる。これらの構造的変化
は酸および酵素加水分解に対しより敏感にする。しかし、高いエネルギー要求、
低収率および長時間の要求と密接に関連する高価な運転コストのため、これらの
機械的前処理は実用的でない。非機械的な物理的前処理方法もまた、蒸解性を向
上させはするが、同様な欠点を有し、従って現実のプロセスには経済的でない。
物理化学的前処理
水蒸気爆発およびアンモニア繊維爆発(AFEX)が主な物理化学的前処理法
である。水蒸気爆発は湿潤リグノセルロースを高温(約25℃)に加熱して瞬間
的に圧力を解除する。繊維の中に捕らえられている水を蒸発させる急速な減圧に
よって、物理的なサイズの減少が起こる。高温はヘミセルロースから酢酸を取り
去り、このプロセスではバイオマスの一種の自動加水分解が起こる。これらの変
化により蒸解性はより良好になるが、苛酷な条件のため加水分解および醗酵を阻
害する分解産物を生産する。これらの産物は水で洗浄することにより除去され、
水溶性のヘミセルロースを失うこととなる。このように、蒸解性は改良されるけ
れどもバイオマスの分解および蛋白質の変性が水蒸気爆発の使用を制限する。
AFEX前処理プロセスはリグノセルロースを高圧で液体アンモニア中に浸漬
し、次いで圧力を爆発的に解除する。前処理条件(30℃−100℃)は水蒸気
爆発より苛酷さが低い。セルロースの結晶化度の減少(アンモニア接触による)
と密接に関連する接近し易い表面積の増大は酵素的蒸解性を向上させることとな
る。しかし、アンモニア(有害化合物)の使用および高圧の解放はプロセスを複
雑にし、エネルギー集約的にする。
化学的前処理
リグニンの除去およびリグニンの結晶構造を破壊するために多くの化学処理が
利用されてきた。これらの化合物の中で、酸、ガス、酸化剤、セルロース溶剤、
および溶剤抽出剤は全て蒸解性を向上させることができるが、アルカリ類ほど一
般的ではない。経済性、プロセスの簡単さ、および低分解性の点でアルカリ類が
化学的前処理剤として有利である。しかし、これらのほとんどは紙パルププロセ
スであって、リグニンの完全またはほぼ完全な破壊およびセルロースの対応する
破壊を含んでいる。パルプ化においては重要ではないが、これらのパルプ化プロ
セスはきわめて苛酷でありバイオマスの前処理法としては実用的ではない。さら
に、製紙工業に用いられている伝統的なパルプ化プロセスはリグノセルロースの
前処理法としてはあまりに高価である。
チョウの米国特許第4,644,060号はリグノセルロースの蒸解性を向上
させるための超臨界アンモニアの使用に関する。
チェンの米国特許第4,353,713号および第4,448,588号は吸
熱プロセスであるバイオマスまたは石炭のガス化に関する。これらの特許はまた
発熱反応である石灰と二酸化炭素との反応により、必要な熱エネルギーを得る方
法に関する。
アザニオチの米国特許第4,391,671号は炭酸カルシウムをロータリキ
ルンでか焼する方法に関する。文献は炭酸カルシウムが老廃バイオマスで汚染さ
れている場合の紙/パルプ工業に関する。老廃バイオマスは必要な反応熱を供給
するために焼かれる。
ハルキストの米国特許第4,356,196号はバイオマスのアンモニア処理
に関する。
ケルの米国特許第4,227,964号は紙の強度を増大させるため、繊維を
破損することなくパルプ繊維のねじれ(kinking)を促進するためのアンモニアの
使用に関する。
ロバートの米国特許第4,087,317号はパルプを水和ゲルに変えるため
の石灰および機械的叩解の使用に関する。ここでは、石灰の回収にも水和ゲルの
酵素的加水分解にも言及されていない。
コンラッドセンの米国特許第4,064,276号はバイオマスをターポリン
で被覆し、その後大気中に消散されているアンモニアと反応させるプロセスに関
する。
ジェルクスの米国特許第3,939,286号はリグニン結合を切り、蒸解性
を高めるために、高温、高圧下、酸触媒および金属触媒、塩化第二鉄の存在でバ
イオマスを高圧酸素で酸化することに関する。この触媒は本プロセスに必須と記
載され、水酸化カルシウムは加水分解されたバイオマスのpHを調整するための
中和剤として用いられている。
ムーアの米国特許第3,878,304号は反芻動物飼料中における徐放性非
蛋白態チッ素の製造に関する。アミド、尿素を酸触媒の存在で廃炭水化物と反応
させる。得られたものはペレット化され、動物用飼料として用いられる。チッ素
が第一胃で緩慢に放たれるので、動物にとって無毒である。
サミュエルソンらの米国特許第3,944,463号は高白度のセルロースパ
ルプを生産するプロセスに関する。セルロースは、前処理液中に乾燥重量で1か
ら30%の間で溶解するように、約60℃から約200℃の間の温度でアルカリ
性化合物で前処理される。前処理液は好ましくは炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウムまたはそれらの混合物を含み、または水酸化ナトリウムをも含むことができ
る。
スプルイルの米国特許第3,639,206号は廃液中の繊維および着色物の
含量を減らすため、パルプ化プロセスから排出される廃液の酸化カルシウムまた
は水酸化カルシウムによる処理に関する。
ラガーストロム等の米国特許第4,048,341号はアルカリ液、特に水酸
化ナトリウムと接触させることによりリグノセルロース性物質の飼料価値を高め
るプロセスに関する。過剰に供給されたアルカリ液は、本質的なアルカリ化効果
が得られる前に流出してしまう。吸収された液体が効果を現したのち、酸溶液が
添加され過剰のアルカリを中和する。この文献は温度とアルカリ処理の相互関係
を開示していないし、また水酸化ナトリウムおよび水の最適量も開示していない
。
ラガーストロム等の米国特許第4,182,780号は、閉じた系で処理剤の
循環下で、アルカリ処理と引き続く酸による中和により、リグノセルロース物質
の飼料価値を増大させるためのプロセスに関する。
アンソニイの米国特許第4,515,816号は、リグノセルロースの乾燥重
量の約1.5から2.5%の量の稀酸でリグノセルロースを処理するプロセスに
関する。混合物は雰囲気条件下に空気のない環境に5から21日間貯蔵される。
チソンの米国特許第4,842,877号は非木質バイオマス(リグニン20
%未満)の脱リグニン化プロセスに関する。このプロセスでは、不要な酸化を防
止するため非木質バイオマスはキレート剤で処理され、過酸化水素および加圧酸
素の存在で高pHおよび高温(150°Fから315°F)で保持される。過酸
化水素は、細胞壁で反応を起こさせ、ヘミセルロースおよびリグニンを溶解させ
、その後の加水分解プロセスを通して除去されると説明されている。酸素は過酸
化水素の活性化を開始し、促進するために添加される。
文献において報告されている、前処理剤としてアンモニア(ガス、無水の液体
、またはNH4OH)および水酸化ナトリウムを用いる研究の条件および結果を、そ
れぞれ表2および表3にリストした。反芻動物飼料のリグノセルロース消化性を
高めるためにこれら2種の化合物を用いることに関する文献は、グルコースにま
で
加水分解するものと同様に、広汎にわたる。水酸化カルシウム前処理プロセスに
関する文献は水酸化ナトリウムおよびアンモニアに関する文献に比べ、相当に少
ない。文献に報告された水酸化カルシウムを用いた研究の条件および結果を表4
に示す。
表および下に記載された文献は次のとおりである:
アンダーソン,D.C.;ラルストン,T.J.Anim.Sci.1973;37,148
ベーカー,A.J.;ミレ,M.A.;サター,L.D.ACS Symposium Series 1975;10,75
ブラウン,W.F.;フィリップ,J.D.;ジョン,D.B.J.Anim.Sci.1987;64,1205
ダウイッシュ,A.;ガラ,A.G.In Proc.Conf.Anim.Feeds Trop.Subtrop.0rigin 1
975
フェリックス,A.;ヒル,R.A.;ダイアラ,B.Anim.Prod.1990;51,47
フェイスト,W.C.;ベーカー,A.J.;ターコー,H.J.Anim.Sci.1970;30,832
ガリブ,F.H.;メイスケ,J.C.;グッドリッチ,R.D.;エル セラフィ,A.M.J.Anim.
Sci.1975;40(4),734
ハルキスト,J.H.米国特許第4,356,296;1982
ケレンス,R.D.;ヘレラーサルダナ,R.;チャーチ,D.C.J.Anim.Sci.1983:56(4),9
38
マンデル,M.;ホンツ,J.R.;キストロム,J.Biotech.Bioeng.1974;16,1471
ミレ,M.A.等,J.Anim.Sci.1970;31(4),781
ミレ,M.A.;ベーカー,A.J.;サター,L.D.In Biotech.Bioeng.Symp.1975;5,193
ムーア,W.E.;エフランド,M.J.;メデイロス,J.E.J.Agr.Food Chem.1972;20(6),
1173
モリス,P.J.;モバ,D.N.Can.J.Anim.Sci.1980;60,327
プレイン,M.J.Biotech.Bioeng.,1984;26,426
ラウンド,W.;クロッペンスタイン,T.J.Anim.Sci.1974;39,251(抄録)
ターナー,N.D.;シェリング,G.T.;グリーン,L.W.;バイヤーズ,P.M.J.Prod.
Agric.1990;3(1),83
ビラリール,E.R.Ph.博士論文 テキサスA&M大学カレッジステーション,テ
キサス,1988
ワイス,A.C.等,J.Anim.Sci.1972;35(1),109
ウオーラー,J.C.;クロッペンスタイン,T.J.Anim.Sci.1975;41,424(抄録)
プレイン(1984)はバガスの蒸解性に与えるアルカリ処理および蒸気爆
発の効果を研究した。未処理バガスの蒸解性は190g有機物質/kgバガス乾
燥物であった。有機物質が、NaOHを用いることによって (Na2CO3と共にCa(OH)2
を用いることによっても)733gに;NH3を用いると430gに;Ca(OH)2の使
用で724gに高められた。ガリブ等(1975)は化学的に処理されたポプラ
の樹皮のin vitro評価に酸化カルシウムを用いた。彼らは、酸化カルシウムは1
日処理ではわずかな改良しかもたらさないが、150日間の処理で、in vitroの
真の蒸解性を38%から52%まで上昇させたことを報告した。ラウンドとクロ
ッペンスタイン(1974)は、NaOH,KOH,NH4OHおよびCa(OH)2がトウモロコ
シ穂軸のin vivoの消化性に与える効果を子羊を使って研究し、また人工第一胃
を用いてin vitroの消化性に与える効果を研究した。Ca(OH)2 + Na0Hで処理され
た飼料では子羊のより高い増体量および飼料効率をもたらしたが、Ca(OH)2単独
ではin vitro消化性を高めることはできなかった。ウオーラーとリオッペンスタ
イン(1975)は子羊および若い雌牛の飼料の処理にNaOH、Ca(OH)2およびNH4
OHの種々の組み合わせを用い、最高の増体量で最低の飼料/増体量は3%NaOH+
1%Ca(OH)2の飼料で得られたことを報告している。ダウイッシュとガラ(19
75)は1.5%Ca(OH)2で処理したメイズ(インデアンコーン)穂軸を乳牛用
飼料に用い、乳産出量に有意的変化は見いだしていない。フェリックス等(19
90)は大豆藁のサイロ貯蔵およびNaOH、Ca(OH)2およびNH4OH処理の反芻動物の
消化性に対する効果を評価した。結果は、サイロ貯蔵された大豆藁の消化性はア
ルカリ処理により改良されたにもかかわらず、乾燥し、サイロ貯蔵されていない
ものはアルカリ処理によって有意に改良されないことを示している。
水酸化カルシウムを前処理剤として使用することは示されているが、他のアル
カリに比べ、この化合物を用いた例はきわめて少例である。先行例のほとんどは
動物学者が動物飼料のリグノセルロースの消化性を高めるためにきわめて単純な
プロセスを開発しようとして行ったものである。これらの研究は全て室温または
それ以下で、少量の水充填で、非常に長い期間をかけ、また何の混合もなしにな
されている。これらのプロセスは非常に長い処理時間を要し、反応器をきわめて
大きくする必要があるため非常に高価である。従って、リグノセルロース含有物
質が酵素消化を受けやすくなるように前処理する従来法を改良することが必要で
ある。発明の要約
本発明の一態様は、バイオマスを蒸解されやすくするためにリグノセルロース
含有バイオマスを前処理するための経済的プロセスに関する。前処理は、バイオ
マスに水酸化カルシウムおよび水を添加し、バイオマスを所定時間相対的に高い
温度にさらすことを含む。該前処理されたバイオマスは蒸解され有用な産物を生
産する。
本発明の他の態様は、バイオマスに混合物を形成するように水酸化カルシウム
および水を添加すること、酸素および酸素含有ガスからなる群から選ばれる酸化
剤を加圧下に該混合物に添加すること、およびバイオマスを所定時間相対的に高
い温度にさらすことを含む経済的な前処理方法に関する。該前処理されたバイオ
マスは蒸解され有用な産物を生産する。
本発明の別の態様はバイオマスからカルシウムを回収するプロセスに関する。
前処理の後、バイオマスを炭酸化剤で炭酸塩化し、炭酸カルシウムを形成させる
。炭酸カルシウムは前処理後の混合物から回収され、または蒸解後に回収され、
再び水酸化カルシウムに戻される。図面の簡単な説明
図1は反応系3の概略図である。
図2は濾紙検定のためのグルコースの検量線である。
図3は濾紙検定のための酵素の検量線である。
図4はDNS検定のための検量線である。
図5は水酸化カルシウムの連続的回収のフローダイアグラムである。
図6は石灰液から固体の石灰を分離するためにハイドロクロン(hydroclone)を
用いた一態様の概略図である。
図7は石灰液から固体の石灰を分離するためにハイドロクロン(hydroclone)を
用いた別の態様の概略図である。
図8はバイオマスの石灰による前処理における可能な置換を示す概略図である
。
図9は反芻動物の飼料の生産のための石灰処理のプロセスを示す。
図10は新聞紙の加水分解に対する効果を示す酸素圧対収率のグラフである。
図11は新聞紙の加水分解に対する前処理時間の影響を示す前処理時間対収率
のグラフである。発明の説明
本発明はバイオマスの前処理の経済的方法に関する。前処理はバイオマスを分
解されやすくするため、バイオマスに水酸化カルシウムおよび水の添加を含む。
水酸化カルシウムは低廉であり、他のアルカリ類よりはるかに安価である。また
、取扱いに安全であり、ナトリウム残基と異なり、カルシウム残基は動物飼料と
してほとんどまたは何の問題もない。人工第一胃において、水酸化カルシウムは
安全かつ無毒の酢酸カルシウムになる。リグノセルロース前処理剤である水酸化
カルシウム(Ca(OH)2)は、極めて経済的である。さらに、Ca(OH)2で前処理され
たものとNH3またはNaOHで前処理されたものとの間に動物の消化性に関して有意
差はない。
本発明の前処理方法の操作条件が公知文献に比し、重要な改良点である。先の
研究者等はプロセスを非常に単純にするためにヒーターを用いることなく、操作
温度を雰囲気温度でかつ低温に限定した。このような単純なプロセスでは典型的
には8から150日に亘る極めて長い処理時間を要する。処理温度を上昇させる
と処理時間を減少させることができるが、リグノセルロースを分解させる危険を
冒すこととなる。高温処理条件においては、リグノセルロースの分解がなく、処
理時間が比較にならないほど短くなることが明かとなった。反応器も極めて小さ
くできるので経済的意味も大である。
さらに、従来の水酸化カルシウム(石灰)前処理方法においては、非常に低い
水充填量を用いていた。それらのプロセスは室温で行われたため熱伝導は良好で
なかった。また、空気の断熱特性を生かすため極めて少量の水で操作された。し
かし、より高温で操作する場合、その熱容量および伝熱係数が高く一定の温度を
保持できるため、約10倍の水を含ませることによりプロセスは有利となる。高
度の水充填はまた、従来の手順では達成できないが、石灰がより均一に拡散する
媒体を提供する。従って、我々は石灰の回収プロセスが本発明に組み込まれてい
るから石灰のより高度の充填を現実的に考えることができるのに対し、ほとんど
の従来の石灰処理の研究においては相対的に低い石灰充填を採用していた。
一態様において、本発明はバイオマスが消化されやすくなるようにリグノセル
ロース含有バイオマスを前処理する方法に関し、リグノセルロース含有バイオマ
スを提供すること、混合物を形成させるためバイオマスに水酸化カルシウムおよ
び水を添加すること、および該混合物を高温にかつ消化されやすくなるに十分な
期間保持することを含む。用いることのできるバイオマスのタイプには、牧草(g
rass)、木材、バガス、藁、紙、植物性物質、およびそれらの混合物を含む。本
発明で用いるリグノセルロース含有バイオマスとしては、15%を超えるリグニ
ンを含有するバイオマスが好適であり、20%を超えるリグニンを含有するバイ
オマスがより好適である。
好適には、前処理されるバイオマスはチッパー、グラインダー、チョッパー、
シュレッダーなどに供給して細断される。生じたバイオマスの細片または粒子は
約1/2インチまたはそれ以下であることが好ましい。バイオマスの粒子は次に
水酸化カルシウムおよび水と混合され、アルカリ性のバイオマス混合物にされる
。この混合物は乾燥バイオマス1gにつき、約6から約19gの間の水を含み、
好ましくは乾燥バイオマス1gにつき約16gの水を含む。また、この混合物は
乾燥バイオマス100gにつき、約2から約50gの間の水酸化カルシウムを含
み、好ましくは乾燥バイオマス100gにつき約30gの水酸化カルシウムを含
む。バイオマスのタイプにより、好ましい量は多少異なる。水酸化カルシウムは
水の添加の前または後に添加してよく、または水溶液として添加しても、分散液
とし
て添加してもよい。
水酸化カルシウム水溶液/バイオマス混合物は、好ましくはステンレススチー
ルの反応室内に、約40℃から約150℃の間、好ましくは約100℃から約1
40℃の間、さらに好ましくは約120℃で保持される。バイオマスのタイプに
よって、温度範囲は約70℃から約110℃の間、約110℃から約150℃の
間、または約50℃から約65℃の間であってもよい。その温度は約1から約3
6時間の間、好ましくは約1から約20時間の間、さらに好ましくは約3時間保
持される。再び、バイオマスのタイプにより、時間は約15から約25時間のよ
うに、より長くまたはより短くしてもよい。
本発明の別の態様は、リグノセルロース含有バイオマスを有用な産物に変換さ
せる方法に関し、リグノセルロース含有バイオマスを提供すること、混合物を形
成させるためバイオマスに水酸化カルシウムおよび水を添加すること、該混合物
を加圧酸素で酸化すること、該混合物を高温にかつ消化されやすくなるに十分な
期間保持すること、およびバイオマスを有用な産物に変換させるため該混合物中
のバイオマスを蒸解することを含む。酸素は比較的安価であり、加圧酸素ガス、
加圧空気、または他の加圧酸素含有ガスとして容易に入手できる。酸素はまた無
毒で、環境を汚染することもない。水酸化カルシウムは上述のようにしてバイオ
マスに添加され混合物を形成する。該混合物に、酸素および酸素に富むガス類か
らなる群から選ばれる酸化剤を加圧下に添加する。好ましくは添加された酸素含
有ガスは約20から約500psig(pouds per square inch gauge)の圧力
範囲であり、好ましくは約50psigを超え、さらに好ましくは約100ps
igを超える。
上述の態様のいずれかの後、前処理されたバイオマスは酸加水分解、酵素作用
、発酵、または蒸解方法の組み合わせのような加水分解法により、蒸解される。
蒸解されたバイオマスはアルコール類、有機酸類、糖類、ケトン、デンプン、脂
肪酸類またはそれれの混合物のような有用な産物を含んでいる。これらの産物は
化学原料のような供給原料、燃料、その他有用な産物となる。比較的温和な前処
理条件により、有用産物はより高い収量で得られ、また他の前処理方法で得られ
た産物より高品質である。最大量の物質が有用産物に変換し、廃棄物は可能な限
り
少量である。さらに、バイオマス中に毒素や有害な化合物は導入されず、従って
何も除去する必要がなく、最終産物を検査する必要も全くない。
本発明のまた別の態様は、混合物を形成した水酸化カルシウムおよび水でバ
イオマスを前処理すること、所望により酸素および酸素含有ガス類からなる群か
ら選ばれる酸化剤を加圧下に該混合物に添加すること、および該混合物を高温で
かつバイオマスを消化されやすくするに十分な時間保持すること、炭酸カルシウ
ムが沈殿するように該混合物またはその液体部を炭酸塩化させること、および沈
殿した炭酸カルシウムを回収することを含む、バイオマス前処理プロセスからカ
ルシウムを回収する方法に関する。炭酸塩化された混合物のpHは約8.5と約
10.5の間、好ましくは約9.0と約10の間である。炭酸カルシウムは混合
物中で沈殿し、濾過、ハイドロクロン分離、沈降、遠心分離、またはそれらの方
法の組み合わせによって回収することができる。炭酸カルシウムを加熱して、二
酸化炭素と酸化カルシウムに転換し、カルシウムを酸化カルシウムとして回収し
てもよい。
場合によっては、前処理された混合物を炭酸塩化剤、好ましくは混合物中に泡
状で導入される二酸化炭素ガスで処理して、炭酸カルシウムを生成させてもよい
。前処理されて炭酸塩化されたバイオマスは蒸解され、有用な産物が残存する混
合物から分離される。リグニンおよび炭酸カルシウムを含む残存混合物は、例え
ば窯(キルン)、好ましくは石灰窯で加熱され、炭酸カルシウムを水酸化カルシ
ウムに変換させる。窯に供給される熱はリグニンの燃焼から得られ、全体のプロ
セスを高度に経済的にしている。
下記の実施例は本発明の態様を説明するために提供されるものであり、本発明
の範囲をなんら限定するものではない。実施例
実施例1 試料の調製
未処理バガスはデキサスA&M大学の動物科学学部から寄贈された。3年間、
プラスチックシートに覆われて露天に晒されていたものである。そこで、まず、
水で十分に洗浄して、オーブン(80℃で)で約8時間乾燥させた。また、バガ
スは貯蔵時間とともに劣化するので、本研究において用いたバガスはホルザップ
ル等が Appl. Biochem. Biotech. 28/29, 59 (1991) で用いたものよりはるか
に扱いにくいものであった。小麦の藁は既に清潔にされており、洗浄を要しなか
った。軟材の新聞紙はブリアン/カレッジ ステーション、テキサス、イーグル
新聞紙であった。これはまず、ペーパーシュレッダーで裁断した。すべてのもの
はウイリーミルで1×1mmの粒子の大きさに磨砕し、40メッシュのふるいを
通した。小さな試料を80℃で24時間オーブン中に置き、水の蒸発による重量
減少を測定することにより、乾燥重量分析を行った。
実施例2 水酸化カルシウム前処理
水酸化カルシウム前処理は、バイオマスを水の存在下、比較的高温で水酸化カ
ルシウムと反応させることを含む。前処理プロセスの有効性をいくつかの異なる
反応条件に関して調べた。調べたプロセス変数は、石灰の充填量(2から20g
Ca(OH)2 /100g乾燥バイオマス)、水の充填量(6から19g水/g乾燥バ
イオマス)、処理温度(50℃から145℃)および処理時間(1時間から36
時間)であった。次の3タイプの反応器系(リアクターシステム)を採用した。
反応器系1:初期の前処理実験に用いたもので、500mlのガラスのエルレ
ンマイヤーフラスコを反応器として用いた。このフラスコをゴム栓で密封し10
0rpmの振盪水浴中に置いた。この方法は水浴を用いて得られる最高温度であ
る65℃までに限定した。
反応器系2:エルレンマイヤーフラスコを間歇的に手動振盪させながら、オー
ブン中に置いた。65℃のただ1つの実験をこの方法で行った。この方法では低
収率に終わり、連続的な振盪が効率的物質移動に必要であることを示した。
反応器系3:65℃と145℃の温度範囲ではスチール製反応器を用いた。水
酸化カルシウム溶液の腐食性に耐えるように、反応器を304ステンレススチー
ルで構築した。この反応器は、両端にキャップを備えた内径1.5インチ×5イ
ンチ長さ(1.5”I.D.×5”long)の円筒ニップルであった。反応器の中で混練
できるようにするため、回転装置をテキサスA&M化学工学科の機械店で製作し
た。この反応器系の概略図を図1に示す。この装置はオーブン(O)の中に反応
器(R)を備え、連続的に回転させることにより、内容物が混練される。この装
置は2個のボールベアリング(B)で両端から支持されているスチールのロッド
(R1)を有する。このベアリングはオーブンの内側に設けてもよいスチールの
フレーム(SF)にボルトで止められている。ロッドには反応器を支持するクラ
ンプ(C)を支えるために6個の穴が開けられている。セットスクリュウが回転
の間クランプを支える。オーブンの裏側には1インチの穴が開いている。ボール
ベアリング(オーブン壁にボルトで止められている)に支持された小さなロッド
(R2)がこの穴に通されている。オーブンの外側の端にプーリー(P)が取付
けられている。オーブンの頭頂部に備えつけられた変速AC/DCモーター(M
)がR2を回転させる。反応器を支えているスチールロッド(R1)はプーリー
と連結している((ソケット(S)を介して)キー溝末端(小さなナット(N)
)を有する。この連結方法により、反応器をオーブンの中に設置し、取り出すこ
とが容易となる。
前処理実験を行うために、反応器の両端にテフロンテープを少なくとも4層に
巻き付けた。万力にニップルを於いて一方の端を閉じ、パイプレンチでキャップ
を締めた。反応器の中に測量したバイオマス(乾燥重量7.5g)およびCa(OH)2
(石灰の充填量に従う)を入れることにより反応混合物を準備した。スパチュ
ラを用いて反応器の中を十分に混合した。次に、この乾燥試料に測量した水を添
加した。ニップルの他端のキャップを締めた。反応器をその後、予熱のため、沸
水中に5から10分間(前処理温度による)置いた。反応器の予熱は速やかに高
温にするために必要である。その後、反応器をクランプで締め、回転装置に固定
して所定の前処理温度に保持されたオーブンの中に設置した。モーターを回転さ
せて系を所定の前処理時間放置した。処理時間の経過後、反応器をオーブンから
出し、水浴に移して雰囲気温度まで急速に温度を降下させた。その後、加水分解
反応器から試料を取り除いた。完全な段階的な手順は下記する。
選択的に、酸素含有ガスが系に取り付けられた高圧ガス容器またはタンクから
反応器に導入される。このガスは純粋な加圧酸素でも、圧縮空気(きわめて経済
的)または圧力下にある何か酸素含有ガスであることができる。酸素含有ガスの
圧力はガス供給容器または反応器に取り付けられた圧力計から決定することがで
きる。実施例3
水酸化カルシウムによる前処理−リアクターシステム3
1. 古いテフロンテープを取り除き、両端の糸をきれいにする。少なくとも
4層の新しいテフロンテープを(右回りに)巻き付ける。
2. 全リアクターを標識し、番号を付ける。2または4または6のリアクタ
ーを各回に運転することができる。
3. 一つの端にキャップをすることによって、リアクターを閉じる。万力の
ニップルを握り、パイプ用スパナを用いてキャップを堅く閉める。
4. 7.5gの乾燥重量を持つ粉砕してふるった材料を計り取る。漏斗を用
いて、標識したリアクターに注ぐ。
5. 望ましい石灰充填量に従って、水酸化カルシウムを計り取り、バイオマ
スと共にリアクターの中に注ぐ。
6. スパーテルを用いてCa(OH)2とバイオマスとを徹底的に混合する
。この様な乾燥状態での混合は均一な反応を確立するために重要である。
7. 望ましい水充填量に従って水を注ぐ。
7A(所望により). リアクターと酸素ガス容器とをつなぐバルブを加圧下
で開ける。リアクター内にあるゲージ圧力が指定条件に達した時、バルブを閉め
る。
8. リアクターの端を閉める。
9. リアクターは、50℃で運転するためには約5分間、135℃で運転す
るためには約15分間、沸騰水中に置く。水ボイラーは熱くなるのに30分ほど
かかるので、使用する前にスイッチを入れておかねばならない。
10. 望ましい前処理温度までオーブンを熱する。オーブンは安定した温度に
達するために1時間ほどかかる。加熱中にオーブンの中に回転装置を入れておき
、前もって暖めておく。
11. クランプがリアクターの中央にあって、回転が妨げられないことを確か
め、リアクターをクランプで留める。
12. クランプを回転棒の溝におき、固定用ねじをしっかり閉める。
13. 装置をオーブン内におき、連結装置を用いて装置をモーターと連結させ
る。
14. モーターのスイッチを入れ、回転速度を可能なかぎり最低に保つ。モー
ターが止まらないことを確かめる。
15. オーブンの温度を観測する。
16. 前処理時間経過後、リアクターを取り出し、冷水浴内におく。約10分
間冷やす。
17. 酵素による加水分解を行う。実施例4
濾紙アッセイ
濾紙アッセイは、セルロース加水分解の定量的研究およびセルロース活性の測
定に一般的に用いられている。濾紙は、容易に利用できて再現可能な基質であり
、セルラーゼ酵素に感受性でありすぎず耐性でありすぎることもないために、用
いられる。濾紙は、いろいろな量のセルロース酵素と共に、50℃、pH4.8
で1時間インキュベーションする。1時間内に遊離した還元糖の量をジニトロサ
リチル酸(DNS)アッセイで測定する(下記も参照されたい)。1時間に2m
gの還元糖(グルコースとして)を生成する酵素の量は0.185国際単位(1
IU=1mMグルコース/分)と等価である。
グルコース(濾紙添加)を用いたDNS試薬のキャリブレーション:
1. 500mg/dl(5mg/ml)のグルコース標準液を用い、第5表
に従って一対の試験管に0.5mlのサンプルを準備する。
2. 0.05Mクエン酸緩衝液(pH4.8)を1.0ml加える。
3. (渦巻状に巻いた)1x6cmの濾紙片(Whitman#1)を加え
る。渦巻き攪拌する。
4. (蓋をした試験管を用いて)50℃で1時間インキュベーションする。
いかなる振動をも防ぐ。
5. 各試験管に3.0mlのDNSを加える。
6. 水浴中で15分間、サンプルを煮沸する。
7. 10mlの水を加え、渦巻き攪拌する。
8. 0.45umのナイロン濾過膜で濾過する。
9. 550nmの吸光度を測定し、第2図に示す様に吸光度対グルコース濃度
の検量線を作成する。
酵素活性の測定:
1. 10mlの0.05Mクエン酸緩衝液(pH4.8)に0、5、10、
15、20mgの酵素を加え、渦巻き攪拌する。
2. 一対の試験管に調製した酵素サンプル0.5mlをピペットで移す。
3. 検量線の作成に用いたステップ2〜8を繰り返す。
4. 550nmの吸光度を測定する。
酵素中の糖の測定:
1. 一対の試験管Aに20mg/mlの酵素サンプル0.5mlをピペット
で移す。
2. 一対の試験管Bに蒸留水0.5mlをピペットで移す。
3. 試験管AおよびBに1.0mlの0.05Mクエン酸緩衝液(pH4.
8)を加える。
4. 検量線の作成に用いたステップ5〜7を繰り返す。
5. 550nmの吸光度を測定する。
6. 次式に従って、吸光度補正ファクター(ACF)を計算する。
酵素の比活性の計算:
1. グルコースの検量線を用いて、2mgグルコース重量の吸光度を計算す
る。(図2参照)
2. 酵素結果から得られた吸光度データに吸光度補正ファクター(ACF)
を適用する。
Abscor=Abs−ACFxE(E=0.5ml中の酵素mg)
3. Abscor対Eをグラフに描き、図3を作成する。
4. 図3を用いてAbs´に相当するE´を求める。
5. 比活性を計算する。
実施例5 酵素による加水分解の手順
前処理物質(7.5g乾燥重量)をリアクターから500mlの三角フラスコ
(ガラス)に移した。酵素システムの操作pHおよび温度は、それぞれ4.8お
よび50℃に保った。pHは酢酸を加えることによって11.5から4.8に下
げた。全液量は蒸留水を加えることによって150mlに増やし、50g/lス
ラリーのバイオマスを得た。必要量のセルラーゼおよびセロビオースを混合物に
加え、フラスコに栓をして100rpmの振とう空気浴中で3日間50℃に保っ
た。酵素によるコントロール物質の加水分解は、150mlの0.05Mクエン
酸緩衝液(pH4.8)を用いて行った。
3日後、1000mlのエッペンドルフ(Eppendorf)ピペットを用
い、それぞれのフラスコから1mlの液体サンプルを採取した。サンプルは酵素
を変性させるために蓋をした試験管で30分間煮沸して、さらなる加水分解を防
いだ。煮沸したサンプルは0.45μmのナイロン濾過膜で濾過した。還元糖の
濃度は、キャリブレーション標準液としてグルコースを用いたDNSアッセイ(
Miller,G.L.,Anal.Chem.,31,462,1959)を
用いて測定した。こうすることによって、糖の収量は当量グルコース/g乾燥バ
イオマスとして表される。セルロースおよびセロビオースは両方共、糖を含んで
いる。これらの糖を測定するために、バイオマスは一切加えず、先に用いた酵素
と同じ濃度の酵素を150mlの水に加えた。1mlのサンプルを採取し、糖濃
度を測定した。このようにして測定した酵素中の糖は、45mg当量グルコース
/g乾燥バイオマスに等しく、前処理したバイオマスから3日間に得られた還元
糖の収量からこの補正値を差し引いた。加水分解したサンプルは,濃度をアッセ
イ範囲内(0.1−1.0mg/ml)にするために、13−33倍に希釈した
。
詳細な加水分解の手順を以下に示す:
1. リアクターの一方の端を開き、(できるだけ多くの)内容物を500m
1の標識した三角フラスコにあける。
2. バイオマスを完全に移すために、水を用いてリアクターを洗浄する。こ
の水とバイオマスとの混合物をフラスコに注ぐ。全液量(洗浄中に加えた水+前
処理中に加えた水)が140mlになるように充分量の水を加える。
3. pHが4.8に達するまで混合物に氷酢酸を加える。酢酸添加中、pH
を監視し、磁器棒を用いて撹拌を続ける。加えた酢酸の容量を書き留めておく。
pHが4.8より下になった場合、Ca(OH)2を用いてpHを4.8に上げ
る。
4. さらに水を加えて全液量を150mlにする。
5. 0.259gのセルロース粉末“シトラーゼ(Cytolase)30
OP”(濾紙活性、215IU/g粉末)および0.652mlのセロビオース
“ノボザイム(Novozyme)”(活性250CBU/ml)を加える。シ
トラーゼ300PはGenecor,Inc.(South San Fran
cisco,CA)により供給され、セロビオースはNovo Laborat
ories(Wilton,CT)により供給された。セルラーゼ添加量は7.
4IU/g(前処理した乾燥リグノセルロース)であり、セロビオース充填量は
22CBU/g(乾燥リグノセルロース)であった。
6. フラスコを50℃、100rpmの振とう空気浴の内部に置く。
7. フラスコを10分間暖めた後、ゴム栓でフラスコを閉じる。
8. フラスコを3日間、浴内に保つ。
9. 1mlのサンプルを採取し、蓋をした試験管内で30分間煮沸する。
10. サンプルを0.45μmのナイロン濾過膜で濾過する。還元糖を測定す
るために、以下に記載の方法に従ってDNSアッセイを行う。実施例6
ジニトロサリチル酸(DNS)アッセイ
DNAアッセイはセルロースの加水分解によって遊離した還元糖を測定するた
めに最も一般的に用いられている技術である。グルコース標準液をキャリブレー
ションに用い、従って還元糖は“当量グルコース”として測定される。
DNS試薬の調製
1. 3,5−ジニトロサリチル酸結晶10.6gおよびNaOH19.8g
を蒸留水1416mlに溶解する。
2. Na−K−酒石酸塩(ロシェル塩)を306g加える。
3. フェノールの結晶は発煙フード下、水浴を用いて50℃で溶解する。上
記の混合物にフェノールを7.6ml加える。
4. メタ亜硫酸水素ナトリウムを8.3mg加える。
5. 必要であれば得られた溶液にNaOHを加え、pHを12.6に調整す
る。
DNS試薬のキャリブレーション:
1. グルコース標準液200mg/dl(2mg/ml)を用い、第5表に
従って、一対の試験管にサンプル1mlを準備する。
2. 各サンプルを0.5ml採取する。
3. ブリンクマン分配器(Brinckmann dispensette
)(5ml)を用いて各試験管にDNS試薬を1.5mlずつ分配する。
4. 試験管に蓋をし、渦巻き攪拌する。
5. サンプルを水浴内で15分間煮沸する。
6. 試験管を数分間冷却する。蒸留水8mlを加え、渦巻き攪拌する。
7. 蒸留水で吸光度計(550nm)のゼロ点を調整する(注:吸光度計を
安定化するために、使用前少なくとも1時間は吸光度計をつけておくべきである
)。
8. 吸光度を測定する。
9. 図4に示すように検量線を作成する。
サンプルの還元糖の測定
1. 糖濃度が0.1−1.0mg/mlになるように、濾過したサンプルを
一対の試験管内で希釈する。
2. 希釈したサンプルを渦巻き攪拌する。
3. 各希釈サンプル0.5mlをピペットで採取する。
4. 各試験管にDNS試薬を1.5mlずつ分配する。
5. 検量線の作成で用いたステップ4〜8を繰り返す。
6. 検量線を用いて、サンプルの吸光度から糖濃度を計算する。
7. 次式を用いて、還元糖の収量を計算する。
Y=SxDx20,
Y=還元糖収量(mg当量グルコース/g乾燥バイオマス)
S=サンプルの糖濃度(mg当量グルコース/ml)
D=希釈率
20=150ml液量/7.5g乾燥バイオマス実施例7
水酸化カルシウムの回収
以下の2つの理由により、前処理したバイオマスから水酸化カルシウムを回収
することを考えた。第一に、安価な回収およびリサイクルの方法は前処理の費用
を減らすであろう。第二に、高カルシウムの残さは家畜飼料としての使用に有害
な影響を及ぼす。従って、カルシウム含有量が減少すると、結果としてより利用
可能な材料ができる。Ca(OH)2の回収法は、前処理した材料を水で洗浄す
ること、石灰を含むこの洗浄液を二酸化炭素と接触または反応させることである
。こうすることによって、可溶性のCa(OH)2は沈殿物として除去できる不
溶性のCaCO3に変わる。次いで、このCaCO3は、加熱するとCaOとCO2
とになる。このCaOは水和すると、リグノセルロース処理試薬として再利用
できるCa(OH)2になる。二酸化炭素は、順番に、石灰回収に再利用できる
。この様に、理想的に言えば、このシステムは全体が再生利用可能なシステムで
ある。
pHが9.5より低い場合、炭酸塩濃度は極めて低い。従って、より多くのC
aCO3を形成し沈殿させるために、pHは9.5より高く保った。
回収実験は全てバガス(bagasse)を用いて行った。回収法の研究実験
は二種類の異なった研究方法:連続回収法およびバッチ回収法:で行った。
1.連続回収法
連続回収実験装置の流動系統図(systematic flow diag
ram)を第5図に示す。前処理したバガスを1”I.D.x8.5”高さのガ
ラスカラムに充填した。両端のゴム栓には入口(底部)および出口(上部)のた
めの接合部がある。フィルター(ナイロン布)を両方の栓上にのりづけした。ぜ
ん動ポンプ(peristaltic pump)(Watson−Marlo
w,502S)でカラムに水を注入した。平均流量(容量)は20ml/分であ
った。カラムの出口は300mlフラスコにつながっている。二酸化炭素をこの
フラスコ内の石灰で飽和した液体に通気し、CaCO3を生成させた。pHを連
続
的にモニターするためにpH探査子をこのフラスコ内に据え付けた。pHを12
.0から9.5にさげるために、CO2を必要量のみ通気することによって、p
Hを9.5付近に保った。しかしながら、pH制御がうまくいかなかったため、
pHが9.5より低くなった場合、必要量のNH4OH(約1−2ml)を加え
てpHを9.5に戻した。フラスコからあふれた液体は濾過装置に入れた。Ca
CO3の大部分はフラスコ内に残っているが、あふれでた液体内のCaCO3を除
去するために濾過が必要であった。ガラス繊維フィルター(G6、Fisher
Scientific,Inc.)をガラスフィルターとガラスの広口瓶との
間に置いた。これを保持し且つ良好な密封状態を提供するためにクランプを用い
た。ポンプ吸込は濾過のための推進力であった。フィルターは、CaCO3のペ
ーストで詰まった時点で、定期的に取り替えた。その後、濾過水は洗浄のため、
ポンプでカラムに戻し、こうすることによってサイクルが完成された。
洗浄は約1時間で終了した。洗浄水はフィルターをクランプで留めたガラスの
広口びんに戻し入れ、フラスコに移し、さらにCaCO3を沈殿させるために2
4時間放置した。透明な液体(1ml)がフラスコの再上部から得られた。透明
な液体をゆっくりデカンテーションし、別のビーカーに集めた。より多くの量の
CaCO3を含む底の部分はその容量を測定した後、捨てた。同量の水を新たに
システムに加え、沈殿とデカンテーションの前後の液量が同じになるようにした
。さらに、バイオマスに残された石灰の回収を、このデカンテーション水のバッ
チで約45分間行った。洗浄後、CaCO3で飽和された水を再び沈殿させるた
めに放置し、透明な液体サンプルがこの2度目の沈殿の後得られた。
洗浄中、水中のカルシウム濃度を測定するために、1mlのサンプルをカラム
の入口と出口から定期的に採取した。カルシウム濃度はTexas A&M C
hemical Engineering DepartmentのKinet
ics Groupで用いられている原子吸光装置で測定した。カルシウム濃度
によって、サンプルを希釈した。11〜135℃の間で、最高の収量は65℃か
ら100℃までの間で得られたので、最適温度は広い範囲に及ぶことが認められ
た。1〜36時間の前処理時間は、より長い時間が経済的に正当化されづらい事
からの論理的な選択である。混合すると、反応混合物の均一性が確保され、多分
より良い前処理結果がもたらされるために、一度だけ断続振とうで研究を行った
ことを除いて、常に連続振とうを用いて研究を行った。
全実験において、3日間の還元糖の収量を、石灰で処理したバガスの酵素感受
性の評価の標準として用いた。還元糖の収量はmg当量グルコース/g乾燥バガ
スとして計算した。典型的には、3日間の糖収量の50%が6時間で、85%が
は24時間でそれぞれ遊離していた。
第7表に、様々なバガス実験に用いた条件およびリアクターシステムを示して
いる。
50℃(バガス実験、実施例2)、石灰充填量=5gCa(OH)2/100
g乾燥バガス、水充填量=10g水/g乾燥バガス、並びに処理時間1および2
4時間での実験は、3日間の還元糖の収量の測定にともなうエラーを見付け出す
ために3度繰り返した。1時間の運転では、収量は112、125、111mg
当量グルコース/g乾燥バガスであり、7.8mg当量グルコース/g乾燥バガ
スの標準偏差を示した。24時間の運転では、収量は273、256、268m
g当量グルコース/g乾燥バガスであり、標準偏差は8.7mg当量グルコース
/g乾燥バガスであった。これらの標準偏差は残りの実験に適用するために一般
化することができ、従って、他の実験では繰り返さなかった。
実施例8 酢酸カルシウム阻害実験
石灰を中和してpHを調整するために酢酸を使用するので(Ca(OH)23
0g/乾燥バガス(bagasse)100gの石灰添加によって処理したサン
プルに対し、5mLの氷酢酸)、加水分解混合物の中には高濃度の酢酸カルシウ
ムが存在する。酢酸カルシウムによる酵素の阻害を測定するために、1つのグル
ープにおいて、バガスを報告されている最適の条件下でアンモニウム化して実験
を行った。これらのアンモニウム化は以下の条件で行った:温度93℃;処理時
間 30分;水分添加 0.25g水/g乾燥バガス;アンモニア添加 1.5
gNH3/g乾燥バガス;粒子サイズ 40メッシュ。
また、圧力を徐々に逃したので、(アンモニア繊維爆発工程の場合のような)
爆発はなかった。この前処理を施した物質を種々の濃度の酢酸カルシウムを含有
する酵素溶液中で加水分解した。酢酸カルシウム溶液は、(前処理に使用した石
灰添加量に応じて)種々の量のCa(OH)2を150mLの水に加え、次にp
Hを4.8に下げるために酢酸を加えることによって調製した。従って、これら
の溶液中の酢酸カルシウムの濃度は石灰前処理された物質と同じであった。pH
が4.8に下がってから初めて酵素を溶液に加えたので、高いpHによる酵素の
活性損失はなかった。このアンモニア処理物質から得られた3日目の糖の収率は
、添加した水酸化カルシウムの量が多いほど、酢酸カルシウムによる酵素の阻害
によって糖の収率が減少することを明らかに示す。糖化フラスコにCa(OH)2
を加えずに加水分解を行ったサンプルについては、糖の収率は390mg当量
グルコース/g乾燥バガスであった。この収率は、100g乾燥バガスにつきそ
れぞれ2、5、10、15、20および30gのCa(OH)2を加えた溶液中
で加水分解したサンプルについて得られた収率の各々1.16、1.14、1.
16、1.15、1.25および1.22倍であった。以下の石灰前処理を用い
た実験において、これらの因子は糖の収率を補正するのに用いた。このアプロー
チは簡略化されており、酢酸カルシウムによる阻害を大まかに補正するだけなの
で、補正後のデータに加え、(補正因子を用いていない)オリジナルのデータも
報告する。
実施例9 データの概略(バガス)
未処理のバガスサンプル(コントロールとして使用)の3日目の還元糖の収率
は、40mg当量グルコース/g乾燥バガスであったが、これは理論値の6%に
すぎない。表7に掲げた様々な異なる条件によって、糖の収率が高くなった。収
率の高い条件を6つ、表8にまとめた。工業的に使用される条件の選択は、糖の
収率のみだけでなく、条件に伴う費用にも依存する。
実施例10 軟材−新聞紙研究
軟材新聞紙は、住宅都市の固形ゴミの最も多くを占める。軟材新聞紙を有効利
用できれば、増大するゴミ処理問題の解決に役立つであろう。軟材新聞紙の組成
は、約70%の多糖類と30%のリグニンなので、収率の理論値は、約750m
g当量グルコース/g乾燥新聞紙である。この研究の目的は、新聞紙の前処理に
Ca(OH)2が使用できるかどうかを調べることであった。軟材新聞紙の処理
に用いた条件は表9にまとめた。
実施例11 データの概略(新聞紙)
コントロールとして用いた、未処理の軟材新聞紙サンプルから得られた3日目
の還元糖の収率は、240mg当量グルコース/g乾燥新聞紙であった。多くの
リグノセルロース類によく効く前処理工程は、軟材新聞紙には効かなかった。こ
れはおそらく、リグニン含量が高いためと思われる。本発明のこの実験において
、Ca(OH)2前処理によって見いだされた収率の改善は、他の前処理の場合
と同程度であった。
調べた全ての条件のうちで、120℃、24時間、30g Ca(OH)2/
100g乾燥新聞紙および16g 水/g乾燥新聞紙の場合に最もよい収率が得
られた。その収率は344mg当量グルコース/g乾燥新聞紙(補正後430m
g/g)であった。興味深いことに、前処理は非常に激しい条件下(120℃、
24時間)、または、非常に穏やかな条件下(65℃、1時間)においてより効
いた。
実施例12 小麦藁の研究
小麦藁は、最も豊富に存在する農業の作物残渣の1つである。合衆国では、約
20%の耕作地で小麦が栽培されており、従って、大量の小麦藁が産生される。
典型的には、乾燥重量に基づいて、小麦藁は39%がセルロース、36%がヘミ
セルロースおよび10%がリグニンである。この組成によれば、理論的な最大収
量は、約800mg当量グルコース/g乾燥小麦藁である。
バガスの結果が、処理条件を選択する指標に用いられた。石灰添加量は、10
0g乾燥小麦藁あたり、5、10、15および20g Ca(OH)2であった
。水を添加したものは2つだけ用いた。処理温度は50、65、85および12
5℃、処理時間は1、3および24時間として実験を行った。処理条件の概要を
表10にまとめた。
実施例13 データの概略
バガスの場合と同様に、いくつかの異なる条件下においてよい収率が得られた
。工程の経済性において、処理時間と温度は重要な要素となるので、条件の選択
は糖の収率に厳密に依存するわけではない。よい収率を与える8つの条件を表1
1にまとめた。
実施例14 カルシウム回収研究
バガスの場合も小麦藁の場合も、10−20g Ca(OH)2/100g乾
燥物質の割合で石灰を添加した場合に、最もよい収率が得られた。従って、その
ような添加量を用いる工業的工程は、非常に大量の石灰を必要とするであろう。
石灰を回収し、再利用すれば、必要な石灰の総量を減少できる。水酸化カルシウ
ムは非常に安いので、回収工程において主要なことの1つは、簡便で費用がかか
らないことである。
本発明において新たな回収工程が開発された。前処理したバイオマスからCa
(OH)2を浸出または洗い流す。石灰−飽和の洗浄水は炭酸化されて、Ca(
OH)2が不溶性のCaCO3に転化し、続いて沈殿させられる。回収されたC
aCO3をか焼(calcination)してCaOを生成し、それを水和化
してCa(OH)2とし、再利用する。この研究において、洗浄、炭酸化および
沈殿工程を行った。実験は、2つの異なるアプローチ、すなわち、連続回収工程
およびバッチ回収工程によって行った。
実施例15 連続回収工程
連続回収工程によってバガスからCa(OH)2の回収を3回行った。連続石
灰回収研究に用いた石灰処理条件を表12にまとめた。対応するサンプルの回収
結果を表13に示す。
原料バガスサンプル中のカルシウム含量は、0.4g Ca/100g乾燥バ
ガスであった。バガスサンプル中の残留カルシウム含量は、5.4g Ca/1
00g乾燥バガスから約2g Ca/100g乾燥バガスに減少し(サンプルA
およびC)、8.1g Ca/100g乾燥バガスから2.3g Ca/100
g乾燥バガスに減少した(サンプルB)。これは、添加されたカルシウムのうち
、サンプルAおよびCにおいては68%が、サンプルBにおいては75%が除去
されたことを示す。含量の減少は、回収工程がかなりうまくいっていることを示
す。しかしながら、前処理したリグノセルロース類をウシの飼料として用いるた
めには、前述した残留カルシウム含量は少し高いかもしれない(1−2g Ca
/100g 乾燥バイオマスが望ましい)。
連続回収実験において観察された主な欠点の1つは、バガスを装填したカラム
の内部でチャネリング現象(channeling)が生じたことである。従っ
て、洗浄水が前処理した物質の全てとは接触することができなかった。これは明
らかに工程の効率を低下させる。パッケージング材料および効率的なカラムデザ
インの使用により、連続回収工程の効率を上げることも可能かもしれない。しか
しながら、本発明は洗浄水とバイオマスとを混合することにより接触性をよくす
る第2のアプローチ(すなわち、バッチ回収)を使用する。
実施例16 バッチ回収工程
この実験では、前処理した物質をカラムにパッキングするかわりに、ガラスビ
ーカーを用いてバイオマスを洗浄水と混合した。この洗浄水はCaCO3で飽和
させ、pH8.7を有する。濾過後に得られた石灰−飽和洗浄水をCO2と接触
させ、得られたCaCO3−含有溶液を静置した。前処理条件と対応するカルシ
ウム含量をそれぞれ表14および15に掲げた。
初めの3つのサンプル(D、EおよびF)は、6回洗浄を行い、残りのサンプ
ルは10回洗浄を行った。10g Ca(OH)2/100g乾燥バガスの石灰
を添加し、6回の洗浄を行ったものは(サンプルDおよびE)、カルシウム濃度
は約1.7g Ca/100g乾燥バガスまで減少した。15g Ca(OH)2
/100g乾燥バガスの石灰を添加し、6回の洗浄を行ったものは(サンプル
P)、カルシウム濃度は約2.2g Ca/100g乾燥バガスまで減少した。
添加されたカルシウムの約75%が取り除かれた。
サンプルFおよびGには同じ石灰処理を施した。サンプルFは6回洗浄し、サ
ンプルGはさらに4回洗浄した。これらの追加の洗浄は、残存するカルシウム量
を2.2から1.5g Ca/100g乾燥バガスに減少させた。従って、10
回の洗浄により添加カルシウムの86%を除去することができた。
カルシウム原子はバガスのセルロースおよびその他のマクロ分子に化学結合し
ている可能性があるので、単に水で洗浄しただけではある程度以上の効果は期待
できないおそれがある。結合したカルシウムイオン(+2)をNH4 +イオンで置
換する可能性を探るために、石灰処理したバガスを水酸化アンモニウム溶液で洗
浄した。水酸化アンモニウムの濃度は0.2−8.7g NH4OH/100g
水の範囲で用いた。KH4OHの場合はアンモニアの30%(W/W)水溶液で
あった。
これらの実験はアンモニウム化を含む洗浄水はそれ以上のカルシウムを回収で
きないことを示した。
上述のサンプルの全てにおいて、炭酸処理後の水にはアンモニアを加えてpH
を9.5に調整した。このpHにより、炭酸塩イオンが優位を占め、CaCO3
の沈殿が促進される。サンプルRおよびIについては、カルシウム分析用のサン
プルは、pHを6.7にまで炭酸化された静置洗浄水、およびアンモニアを加え
ることによってpHを9.5に上げた静置炭酸化洗浄水、から得られた。CaC
O3を効率的に回収するためには、pHを約9.5に調整することが必要である
ことがわかった。本実験ではpHを9.5に調整するのにアンモニアを用いたが
、工業的にはCO2を正確に制御して加えることによって行うことができる。石
灰処理後のpHは約11.5である。このpHを9.5に低下させるのに必要な
量だけCO2を加えればよい。
回収実験の結果は全て、石灰の添加量を除いては、他の前処理条件(即ち、処
理時間、温度および水添加)は回収工程に影響を与えないことを示す。回収工程
を妨げる前処理反応があるかどうかを確かめるために、未処理物質、即ち、バガ
スとCa(OH)2の物理的混合物から石灰を回収した。洗浄水中のカルシウム
濃度は他のサンプルと同様のパターンを示した。残存カルシウム量は1.3g
Ca/100g 乾燥バガスであったが、これは全ての回収実験で得られた値の
中で最も低い値であった。従って、前処理工程を行って得られたバイオマスより
も未処理のものの方が多くカルシウムが結合するようである。しかしながら、前
処理した物質を10回洗浄すれば、残渣は約1.5−1.7g Ca/100g
乾燥バガスとなるので、その影響は小さい。よって、回収工程において、前処理
した物質と未処理物質とでは大きな違いはない。
重要な問題は、1気圧のCO2がどの程度pHを下げることができるかという
ことである。Trichoderma reeseiのセルラーゼはpH4.8で機能する。前処理
したバイオマスのpHは約11.5なので、pHを下げるために酸を加えなけれ
ばならない。アルコール発酵過程では大量のCO2が発生するので、これはpH
調整のための最も安価な酸である。この問題に答えるために、数種の石灰−飽和
洗浄水サンプルに1気圧のCO2を15分間吹き込む簡単な実験を行った。到達
した最小のpHは約6.5であった。従って、pHを4.8まで下げるためには
CO2よりも強い酸が必要であろう。細菌中(例えば、Clostridium thermocellu
m)に存在するような、pH7で機能するセルラーゼ系が使用できればより望ま
しいだろう。
従って、水酸化カルシウムは優れた前処理剤と考えられる。多くの異なる条件
下において、高い糖収率が得られる。水添加量は糖の収率に有意な影響を与えな
いが、10g 水/g乾燥物質とすると、やや高い収率が得られた。100g
乾燥物質に対し10および15gのCa(OH)2の割合で石灰を添加するとよ
く機能した。高い収率を得るのに、一般的には低い温度の場合(50℃、65℃
)長い時間(24時間)が要求され、高い温度の場合(135℃)はより短い(
1時間)が必要であった。
回収工程によって、バイオマス中のカルシウム量は8.1から約1.5g C
a/100g乾燥物質に減少し、添加したカルシウムの86%を回収できた。
実施例17 循環法
過剰量の石灰の添加を防止するために、バイオマスを熱石灰水の溶液と接触さ
せてもよい。これは以下に示すいくつかの方法によって行うことができる。
方法1: 飽和石灰水の熱い溶液(温度が約40℃から約150℃の範囲)を
バイオマスを充填したベッド(packed bed)の間を約1時間から約3
6時間循環させる。溶液がベッドから排出される際、充填ベッドの熱損失を補う
ために熱せられる。飽和石灰水の溶液は、過剰量の石灰を水と混合し、過剰量の
固体石灰を、濾過、液体サイクロン分離(図6)、沈殿、または遠心分離によっ
て水相から分離することによって調製できる。
方法2: 飽和石灰水の熱い溶液(温度が約40℃から約150℃の範囲)を
、バイオマスを撹拌したスラリーの間を約1時間から約36時間循環させる。バ
イオマスは溶液から濾過、液体サイクロン(図7)、沈殿または遠心分離によっ
て溶液から分離する。溶液が液体サイクロンから排出される際、充填ベッドの熱
損失を補うために熱せられる。飽和石灰水の溶液は、過剰量の石灰を水と混合し
、過剰量の固体石灰を、濾過、液体サイクロン分離(図7)、沈殿、または遠心
分離によって水相から分離することによって調製できる。
方法1または方法2のどちらの場合にも、石灰固体は常に、ループ中の最も高
い温度即ち、40℃−150℃において熱水と接していなければならない。これ
は、石灰は比較的、熱水よりも冷水に溶解しやすいからである。もし石灰固体に
接触している水が冷たいと、過剰量の石灰を溶解してしまうであろう。一方、も
し、石灰溶液を後に加熱すると、石灰が析出し、熱交換器を汚染するか、または
バイオマス上に沈殿するであろう。水を、石灰固体に接触させた後でなく前に熱
するのは以上のような理由による。
実施例18 異なる置換
本発明に必要な材料は:バイオマス、石灰または水酸化カルシウム、および水
である。本発明の処理工程は:混合、加熱、および混合と加熱を同時に行うこと
を含む。従って、これらの材料および工程は図8に図示したように多数の変更を
加えることができる。図8に使用した表記は以下の通りである:L−石灰;W−
水;B−バイオマス;M−混合;H−加熱;そしてM&H−混合と加熱を同時に
行うこと。図8の矢印は、添加、挿入または行うべき工程を示す。
実施例19 反芻動物用餌の製造における石灰処理工程
図9は、反芻動物用餌の製造における石灰処理工程を示す。図に示したように
石灰はバイオマスに直接加えてもよい。または、石灰の過剰添加を防ぐために、
飽和石灰水の循環している溶液にバイオマスを接触させてもよい。どのような添
加方法の場合でも、原料バイオマスを熱い(65℃)石灰水に約24時間浸漬す
る。次に、反応が終了した後に、石灰水を吸収カラムに通し、二酸化炭素に接触
させる。二酸化炭素は石灰と反応して不溶性の炭酸カルシウムを生じるので、こ
れを濾過し、石灰焼成ガマに送る。炭酸カルシウムを石灰焼成ガマで約1200
℃に熱し、二酸化炭素を除く。熱い出口のガス(主に、二酸化炭素に燃焼気体由
来の窒素をいくらか含んだもの)を向流式熱交換器中で冷却し、発電および/ま
たは処理熱に使用できる高圧蒸気を回収する。冷却された二酸化炭素は吸収カラ
ムへ再循環され、再び石灰と反応する。窒素のような不活性物質が吸収カラムに
存在する。損失した分を補充するために、追加の二酸化炭素を加えなければなら
ない。
循環している石灰は、バイオマスから抽出された遊離の糖およびタンパク質を
含む。さらに、ヘミセルロース上のアセチル基から生成された酢酸カルシウムも
存在する。採取されたガスを循環ループから取り除き、硫酸で酸性化して、カル
シウムイオンを石膏として沈殿させる。遊離の砂糖、タンパク質および酢酸(H
Ac)は適当な技術(例えば、逆浸透またはマルチ効果蒸発)によって濃縮する
。
これは単胃動物(例えば、ニワトリ、ブタ)用の餌として販売できる。
処理後のバイオマスは湿った状態で工程から産出される。反芻動物が処理工場
の近くにいる場合は、湿った状態のまま直接食べさせてもよい。消費される前に
一時期保存しなければならない場合は、本明細書中で既に述べたように蒸気乾燥
機中で乾燥させてもよい。
実施例20 水酸化カルシウムおよび加圧酸素による前処理
酸素はリグニンを部分的に酸化し、バイオマス構造を開いて酵素により消化さ
れやすくすると考えられている。高圧酸素タンクからの酸素を新聞紙のサンプル
に圧力を徐々に増加させながら加えた(図10)。処理条件は既に記載したもの
と同様である。バイオマスに30g水酸化カルシウム/100g乾燥新聞紙、お
よび16g水/g乾燥新聞紙を加え、120℃で24時間処理した。高圧タンク
から酸素含有ガスを徐々に量を増しながら、新聞紙のサンプルに導入した。前処
理の後、サンプルを酵素によって消化し、3日後にグルコースの収率を測定した
。石灰のみで処理した新聞紙の場合、418mg当量グルコース/g乾燥新聞紙
の収率を得た。比較のため、未処理の原料新聞紙の場合、240mg当量グルコ
ース/g乾燥新聞紙の収率であった。20ポンド/1インチ平方(psig)の
ガスを加えた場合、グルコースの収率は10%増加した。100psigまで酸
素圧を上げた場合、グルコース収率は500mg等量以上に増加した。
適当な酸素圧は約200psigから約500psigの間であり、好ましく
は約100psigから約400psigの間である。酸素は、例えば、精製酸
素ガス、酸素含有ガスまたは加圧空気等の高圧源からバイオマスに供給される。
実験の第2系列では(図11)、新聞紙のサンプルを、石灰30g/100g
乾燥新聞紙、水6g/g乾燥新聞紙および酸素100psigで前処理した。こ
れらのサンプルは24時間まで前処理した。前処理したサンプルは酵素によって
消化し、糖の含量を測定した。100psigの酸素圧を加えた場合、3時間の
前処理によって最大収率580mg当量グルコース/g乾燥新聞紙が観察された
。
本発明の上述以外の態様および用途も、本明細書の記載の考慮、および本明細
書に開示されている発明の実践から当業者にとって明らかであろう。本明細書お
よび実施例は説明のためのものであって、発明の真の範囲は後述の特許請求の範
囲によって示される。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CZ,ES,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L
K,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU
,SD,SK,UA,VN
(72)発明者 ナグワニ,マーリダー
アメリカ合衆国テキサス州77015,ヒュー
ストン,ウッドフォレスト 12800,ナン
バー 409
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.以下の工程: a) リグノセルロース含有バイオマスを用意し; b) 水酸化カルシウムおよび水をバイオマスへ添加して混合物を形成し; c) 酸素および酸素含有ガスからなる群から選択される酸化剤を加圧下に混 合物へ添加し; d) 混合物のバイオマスが消化を受けることができるようになるのに十分な 温度および一定期間混合物を維持する ことからなるバイオマスが消化を受けることができるようにするためのリグノセ ルロース含有バイオマスの予備処理方法。 2.リグノセルロース含有バイオマスが20%を越えるリグニンを含む請求項1の 方法。 3.酸化剤を約20〜約500psigの圧力下に混合物へ添加する請求項1の方法。 4.酸化剤を約100psigの圧力下に混合物へ添加する請求項1の方法。 5.混合物が乾燥バイオマス1g当たり水約6g〜約19gを含む請求項1の方法 。 6.混合物が乾燥バイオマス1g当たり水約16gを含む請求項1の方法。 7.混合物が乾燥バイオマス100g当たり水酸化カルシウム約2g〜約30gを含 む請求項1の方法。 8.混合物が乾燥バイオマス100g当たり水酸化カルシウム約30gを含む請求項 1の方法。 9.リグノセルロース含有バイオマスが草、木、バガス、藁、紙、植物性物質お よびこれらの組合せたものからなる群から選択される請求項1の方法 10.混合物を約40℃〜約150℃の温度に維持する請求項1の方法。 11.混合物を約100℃〜約140℃の温度に維持する請求項1の方法。 12.混合物を約120℃の温度に維持する請求項1の方法。 13.一定期間が約1時間〜約36時間である請求項1の方法。 14.一定期間が約3時間である請求項1の方法。 15.混合物を約120℃の温度で約3時間の間維持し、そして酸化剤圧が約100psig である請求項1の方法。 16.以下の工程: a) リグノセルロース含有バイオマスを用意し; b) 水酸化カルシウムおよび水をバイオマスへ添加して混合物を形成し; c) 酸素および酸素含有ガスからなる群から選択される酸化剤を加圧下に混 合物へ添加し; d) 混合物のバイオマスが消化を受けるようことができるようになるのに十 分な温度および一定期間酸化された混合物を維持し;そして e) 予備処理した混合物のバイオマスを消化してバイオマスを有用な産物へ 転化する ことからなるリグノセルロース含有バイオマスを有用な産物へ転化する方法。 17.バイオマスを酸加水分解、酵素作用、発酵またはこれらの組合せにより消化 する請求項16の方法。 18.請求項16の方法により作られる有用な産物。 19.化学飼料を含む請求項18の有用な産物。 20.燃料を含む請求項18の有用な産物。 21.アルコール、有機酸、糖、ケトン、脂肪酸またはこれらの組合せを含む請求 項18の有用な産物。 22.以下の工程: a) 水酸化カルシウムおよび水でバイオマスを予備処理して混合物を形成し 、酸素および酸素含有ガスからなる群から選択される酸化剤を加圧下に混合物へ 添加し、混合物のバイオマスが消化を受けることができるようになるのに十分な 温度および一定期間混合物を維持し; b) 予備処理した混合物またはその液体部分をカーボネート化(炭酸化処理 )して炭酸カルシウムを沈殿させ; c) 沈殿した炭酸カルシウムを回収する ことからなるバイオマス予備処理法からカルシウムを回収する方法。 23.カーボネート化混合物のpHが約8.5〜約10.5である請求項22の方法。 24.カーボネート化混合物のpHが約9.0〜約10である請求項22の方法。 25.さらに、カーボネート化混合物を加熱して二酸化炭素および酸化カルシウム を形成し、そして酸化カルシウムを回収することを含む請求項22の方法。 26.沈殿した炭酸カルシウムを、濾過、液体サイクロン分離(hydroclone separ ation)、沈降、遠心分離またはこれらの組合せにより回収する請求項22の方法 。 27.以下の工程: a) バイオマスを水酸化カルシウムおよび水で予備処理して混合物を形成し ;酸素および酸素含有ガスからなる群から選択される酸化剤を混合物へ加圧下に 添加し;そして混合物を混合物のバイオマスが消化を受けるようになるのに十分 な温度および一定期間維持し; b) 予備処浬した混合物へカーボネート化剤を添加して炭酸カルシウムを形 成し; c) カーボネート化混合物を消化し; d) 消化した混合物を有用な産物および残留混合物へ分離し; e) 残留混合物を加熱して炭酸カルシウムを水酸化カルシウムへ転化し; f) カルシウムを水酸化カルシウムとして回収する ことからなるバイオマス予備処理法からカルシウムを回収する方法。 28.カーボネート化剤が二酸化炭素ガスである請求項27の方法。 29.加熱を消化バイオマスの残留リグニンを燃焼することにより行う請求項27の 方法。 30.以下の工程: a) リグノセルロース含有バイオマスを用意し; b) 水酸化カルシウムおよび水をバイオマスへ添加して混合物を形成し; c) 混合物のバイオマスが消化を受けることができるようになるのに十分な 温度および一定期間混合物を維持する ことからなるバイオマスが消化を受けることができるようにするためのリグノセ ルロース含有バイオマスの予備処理方法。 31.混合物が乾燥バイオマス1g当たり水約6g〜約19gを含む請求項30の方 法。 32.混合物が乾燥バイオマス1g当たり水約9g〜約11gを含む請求項30の方法 。 33.混合物が乾燥バイオマス100g当たり水酸化カルシウム約2g〜約30gを含む 請求項30の方法。 34.混合物が乾燥バイオマス100g当たり水酸化カルシウム約10g〜15gを含む 請求項30の方法。 35.リグノセルロース含有バイオマスが草、木、バガス、藁、紙、植物性物質お よびこれらの組み合わせたものからなる群から選択される請求項30の方法。 36.混合物を約40℃〜約150℃の温度に維持する請求項30の方法。 37.混合物を約40℃〜約70℃の温度に維持する請求項30の方法。 38.混合物を約70℃〜約110℃の温度に維持する請求項30の方法。 39.混合物を約110℃〜約150℃の温度に維持する請求項30の方法。 40.一定期間が約1時間〜約36時間である請求項30の方法。 41.一定期間が約15時間〜約25時間である請求項30の方法。 42.一定期間が約1時間〜約2時間である請求項30の方法。 43.混合物を約40℃〜約150℃の温度で維持し、そして一定期間が約1時間〜約3 6時間の間である請求項30の方法。 44.以下の工程: a) リグノセルロース含有バイオマスを用意し; b) 水酸化カルシウムおよび水をバイオマスへ添加して混合物を形成し; c) 混合物のバイオマスが消化を受けることができるようになるのに十分な 温度および一定期間混合物を維持し;そして d) 混合物のバイオマスを消化してバイオマスを有用な産物へ転化する ことからなるリグノセルロース含有バイオマスを有用な産物へ転化する方法。 45.バイオマスを酸加水分解、酵素作用、発酵またはこれらの組合せにより消化 する請求項44の方法。 46.請求項44の方法により作られる有用な産物。 47.化学飼料を含む請求項46の有用な産物。 48.燃料を含む請求項46の有用な産物。 49.アルコール、有機酸、糖、ケトン、脂肪酸またはこれらの組合せを含む請求 項46の有用な産物。 50.以下の工程: a) 水酸化カルシウムおよび水でバイオマスを予備処理して混合物を形成し 、混合物のバイオマスが消化を受けることができるようになるのに十分な温度お よび一定期間混合物を維持し; b) 混合物またはその液体部分をカーボネート化し炭酸カルシウムを沈殿さ せ; c) 沈殿した炭酸カルシウムを回収する ことからなるバイオマス予備処理法からカルシウムを回収する方法。 51.カーボネート化混合物のpHが約8.5〜約10.5である請求項50の方法。 52.カーボネート化混合物のpHが約9.0〜約10である請求項50の方法。 53.さらに、カーボネート化混合物を加熱して二酸化炭素および酸化カルシウム を形成し、そして酸化カルシウムを回収することを含む請求項50の方法。 54.沈殿した炭酸カルシウムを、濾過、液体サイクロン分離、沈降、遠心分離ま たはこれらの組合せにより回収する請求項50の方法。 55.以下の工程: a) バイオマスを水酸化カルシウムおよび水で予備処理して混合物を形成し 、そして混合物を混合物のバイオマスが消化を受けることができるようになるの に十分な温度および一定期間維持し; b) 予備処浬した混合物へカーボネート化剤を添加して炭酸カルシウムを沈 殿させ: c) カーボネート化混合物を消化し; d) 消化した混合物を有用な産物および残留混合物へ分離し; e) 残留混合物を加熱して炭酸カルシウムを水酸化カルシウムへ転化し; f) カルシウムを水酸化カルシウムとして回収する ことからなるバイオマス予備処理法からカルシウムを回収する方法。 56.カーボネート化剤が二酸化炭素ガスである請求項55の方法。 57.加熱を消化したバイオマスの残留リグニンを燃焼することにより行う請求項 55の方法。
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