JPH08504189A - 低/非たんでき性オピオイド鎮痛剤の確認及び使用方法 - Google Patents
低/非たんでき性オピオイド鎮痛剤の確認及び使用方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、「低又は非たんでき性」鎮痛剤としての使用のための高能力オピオイドをスクリーンし、確認するための後根神経節(DRG)ニューロンの電気生理学的モデルと細胞培養システムよりなるバイオアッセイの使用方法に関する。本発明の他の局面は、低又は非たんてき性鎮痛剤としての使用のための、抑制オピオイドレセプター機能のみを活性化するが興奮機能は活性化しないユニークな能力についての本発明のバイオアッセイにより確認された特異的群のオピオイドアルカロイド及びその同族体に関する。本発明の他の局面は、低又は非たんでき性鎮痛剤として及びオピオイドたんできの処置のためのオピオイドアルカロイド族のエトロフィン又はジヒドロエトロフィンの特異的用途に関する。本発明は又、ジヒドロエトロフィン塩酸塩(7α−〔1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル〕−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロオリパビン塩酸塩)及び製薬上許容されうる塩の形で活性成分としてその化合物を含む医薬組成物に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
低/非たんでき性オピオイド鎮痛剤の確認及び使用方法
本発明は、低/非たんでき性鎮痛剤としての用途及びオピオイドたんできの処
置のための特異群のオピオイドアゴニストに関する。より詳しくは、本発明はエ
トロフィン、ジヒドロエトロフィン、オーメフェンタニル及び他のオピオイド並
びに低/非たんでき性鎮痛剤として及びオピオイドたんできの処理に有効である
その同族体に向けられる。さらに、本発明は選択的に活性な抑制能力を有するが
、興奮性オピオイドレセプター伝達作用を有しない化合物をスクリーンし、検出
するバイオアッセー法を提供する。
本発明は、又、出発物質としてテバインを用いるエトロフィン、ジヒドロエト
ロフィン及びその同族体の製造に関する。より詳しくは、本発明はジヒドロエト
ロフィン塩酸塩(7α−〔1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル〕−6,
14−エンド−エタノーテトラヒドロオリパビン塩酸塩)及びその医薬組成物の
製造に関する。痛み軽減剤としてモルヒネ[図1(I)]の臨床への導入以来、
臨床医は薬者たんできの問題に悩まされて来た。1世紀以上もの間、化学者、薬
理学者及び臨床医は高い効力でしかも低たんでき性の理想的な鎮痛剤の発見に努
力して来た。
メペリジン、メサドン[図1(II)]及びフェンタニルのような一連のオピオ
イドが次々と開発された。
しかしながら、これらの薬剤はいずれもたんできを示すことなく患者に持続し
た鎮痛効果を示すことはない。西洋諸国では、メサドン置換が時々薬剤乱用の処
置に適用されて来た。不幸にも、メサドンは強い精神的及び肉体的依存を誘発す
る。その結果、そのような処置を受けている患者は、モルヒネ、へロイン又は他
のオピオイドの臨床使用由来の離脱症状の間、通常メサドン依存になる(ジャフ
ェ,1990)。従って、薬剤乱用を処置するためのオピオイドたんできを引き起こ
す
分子及び細胞メカニズムへの洞察力に基づくより良好な方法及び特に低又は非た
んでき性鎮痛剤としての用途及びオピオイド禁断症状の抑制のための化合物を確
認する手段を開発することが必要とされている。
本発明はオピオイドをスクリーニングすることにより低又は非たんでき性オピ
オイド鎮痛剤を確認するためのインビトロスクリーニング方法に向けられ、約フ
ェムトモル(fM)から約マイクロモル(μM)の濃度範囲に渡って投与量依存
方法で知覚ニューロンのオピオイドレセプター伝達作用に対し、抑制効果を喚起
するが興奮性効果を喚起しない化合物を確認する。特に、そのようなオピオイド
化合物は、細胞培養スクリーニングアッセイで化合物により惹起された知覚ニュ
ーロン活動保有期間(APD)を記録すること及び化合物を約fMないし約μM
の濃度範囲でアッセイするとAPDを短縮するがコントロールAPDに相対的に
APDを延長しないオピオイド化合物を選択することにより確認される。これら
の特徴を有する化合物は、本発明の低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤として
確認される。好ましくは、細胞培養スクリーニングアッセイは、典型的には、入
浴潅流により、候補化合物に後根神経節(DRG)ニューロンをさらすこと、該
DRGニューロンに主要細胞内分極流を適用すること及び標準的電気生理学技術
を用いてDRGニューロンのAPDのオピオイド誘発変調を記録することを含む
。
従って、本発明の他の局面は、特に本発明の方法によって確認される通りの、
用量依存方法で約fMから約μMの範囲の濃度で、オピオイドレセプター伝達作
用の抑制作用を喚起するが興奮効果を喚起しない低又は非たんでき性鎮痛剤を提
供する。好ましい実施態様では、これらのオピオイドは、エトロフィン、ジヒド
ロエトロフィン又はオーメフェンタニルを含む。標題の低又は非たんでき性オピ
オイド、或はその製薬上許容されうる塩も、製薬上許容されうる担体と共に提供
される。さらに、標題の医薬組成物は、返還オピオイド又はオロキソンも含むこ
とができる。
本発明のさらに他の局面は、有効量の非たんでき性オピオイド鎮痛剤又はその
同族体を、たんでき性オピオイドがたんでき者に用いられない時に起きる禁断症
状を緩和し又は抑制するのに十分な時間、患者に投与することによるオピオイド
たんできの処置方法を提供する。禁断症状の軽減を可能にする期間、非たんでき
性オピオイド鎮痛剤の最初の投与のうち、非たんでき性オピオイド鎮痛剤の投与
量は、厄介な副作用がなく該鎮痛剤から該患者を完全に引き離すに十分な時間に
わたって、通常の投与量からゼロまで徐々に減じる。典型的には、非たんでき性
オピオイド鎮痛剤の最初の投与は、約1ないし約5日間継続し、引き離し期間は
約1ないし約7日続き、かくして患者は全体で約2ないし12日の期間内にオピ
オイドたんできから回復できる。好ましい実施態様では、非たんでき性オピオイ
ド鎮痛剤は、1日当り約10μgないし約1000μgの投与量で最初に投与され
るエトロフィン又はジヒドロエトロフィンである。このような投与量は、患者の
禁断症状の過酷さによって、通常、舌下、筋肉内又は静脈内に、好ましくは静脈
内点滴により投与する。さらにより好ましくは、オピオイドたんできは、1日当
り約40ないし約500μgのジヒドロエトロフィンを約1ないし約3日間患者
に投与すること、続く約4ないし約7日間、減少量のジヒドロエトロフィンを投
与し、これによりジヒドロエトロフィンがジヒドロエトロフィンの最初の投与後
、約10日まで、もはや必要でなくなることにより処置する。
本発明の次の局面は、有効量の長時間作用(longer−acting)返還オピオイド
を禁断症状の緩和又は抑制を維持するのに十分な時間、投与すること、次いで厄
介な副作用なしに該オピオイド鎮痛剤から該患者を引き離すのに十分な時間、減
少する投与量の非たんでき性オピオイド鎮痛剤を投与する、有効量の非たんでき
性オピオイド鎮痛剤を該オピオイドたんできによる禁断症状の即時緩和又は抑制
に十分な時間、患者に投与することによるオピオイドたんでき処置方法を提供す
る。典型的には、非たんでき性オピオイド鎮痛剤の最初の投与は約1ないし約3
日間続け、返還オピオイドの投与は約1ないし3日間続け、そしてその随伴引き
離し期間を伴う非たんでき性オピオイド鎮痛剤への復帰は約1ないし約8日続け
、かくして患者は全部で3ないし14日の期間内でオピオイドたんできから回復
できる。別法として、非たんでき性オピオイド鎮痛剤の最初の投与と返還オピオ
イ
ド投与を同時に行うことができる。従って、これら2つのオピオイドは、患者が
緩和された又は禁断症状であるまで一緒に投与される(例えば症候群は有効に抑
制される)。その後、返還オピオイドの投与は停止し、そして非たんでき性オピ
オイド鎮痛剤投与量は、患者がたんでき性オピオイド鎮痛剤から引き離されるま
で段階的に又は徐々に減じる。これらのオピオイドを一緒に投与する期間は、約
2ないし約6日間であり、引き離しの期間は約1ないし約8日であって、かくし
て患者は約3ないし約14日の期間内にオピオイドたんできから回復できる。好
ましい実施態様では、非たんでき性オピオイド鎮痛剤は、1日当り約10μgな
いし約1000μgの投与量で初めに投与されるエトロフィン又はジヒドロエト
ロフィンである。そのような投与量は、患者の禁断症状の過酷さにより、通常、
舌下、筋肉内または筋肉内点滴により投与される。好ましくは、返還オピオイド
は、約5−100mg/日の投与量で経口投与されるメサドンである。
本発明のさらに次の局面は、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤による急性
又は慢性疼痛の処置方法を提供する。詳しくは、ジヒドロエトロフィン塩酸塩(
DHE)を、患者に終結(resultant)たんできなしに痛みを緩和又は抑制する
のに有効な時間及び量、投与する。急性疼痛の処置は典型的には、約30−60
μgのDHEを舌下に、疼痛の間、1日当り約180μgまで、そして典型的には
1週間以内投与することにより達成される。慢性疼痛の処置は、典型的には約2
0−100μgのDHEを、1日当り400μgまで舌下に投与することにより達
成され、そのような投与は数カ月続けることができる。まれに、慢性疼痛の処置
で緩和なたんできとなることがある。
別法として、慢性又は急性疼痛は、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤と返
還オピオイドを、終結たんできなしに疼痛を緩和又は抑制するのに有効な時間及
び量、一緒に投与することにより処置できる。低又は非たんでき性オピオイド鎮
痛剤、例えばDHE及びエトロフィンにより発揮される有効な抑制効果は、モル
ヒネ及びメサドンのような返還オピオイドにより発揮される興奮効果をブロック
する。典型的には、非たんでき性オピオイド鎮痛剤の量は、1日当り約10ない
し約1000μgであり、又、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤のみによる
疼痛の処置のための上記したこれら投与量である。返還オピオイドの量は、1日
当り約5ないし約100mgである。鎮痛剤の投与量は、体重基準の約0.05%
ないし約5%としても決定できる。返還オピオイドと相対的に少量の低又は非た
んでき性オピオイド鎮痛剤の組合せを用いることによりたんできなしに又は低偶
発のたんできを伴う疼痛の処置が可能となる。好ましくは、鎮痛剤はDHE、エ
トロフィン、オーメフェンタニル又はその製薬上許容されうる塩であり、返還オ
ピオイドはモルヒネ、メサドン又はフェンタニルである。
本発明は、又、出発物質としてテバインを用いるエトロフィン、DHE及びそ
の同族体の製造の改良方法に関する。例えば本発明は、ジヒドロエトロフィン塩
酸塩(7α−〔1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル〕−6,14−エン
ド−エタノ−テトラヒドロオリパビン塩酸塩)及びDHEの他の塩の製造方法を
提供する。
特に、ジヒドロエトロフィン及びその同族体[図13、14及び15]の製造
方法は、(1)テバインを過剰のメチルビニルケトンと、第一生成物を生成する
のに十分な時間と条件下に反応させること、そしてこの第一生成物を回収するこ
と;第一生成物を接触水素化に付して第二生成物を生成させること及びこの第二
生成物を回収すること;第二生成物を式RMgX(式中、Rは低級アルキル基で
あり、Xはハロゲンである)のグリニヤール試薬と、第三生成物を生成するため
の時間及び条件下に反応させること及びこの第三生成物を回収すること;第三生
成物を無水溶液中、強塩基と、ジヒドロエトロフィン又はその対応する同族体を
生成するのに十分な時間及び条件で反応させることを含む。R基は好ましくはn
−プロピル又はi−アミルである。本発明によるエトロフィン及びその同族体の
製造方法は、接触水素化が除かれる以外、DHEの製造方法と同じである。エト
ロフィン又はエトロフィン関連成分を製造する場合、Rは好ましくはn−プロピ
ル、n−ブチル、n−アミル、i−アミル又はシクロヘキシルである。
図1は、オピオイドの構造を描く。(I)モルヒネ、(II)メサドン、(III
)
エトロフィン(a)とその同族体(b、c、d、e)、(IV)ジヒドロエトロフ
ィン(a)とその同族体(b)及び(v)ナロキソン。
図2は、慢性オピオイド露出の間、オピオイド興奮過敏症とオピオイド抑制脱
感作となりうる後根神経節(DRG)ニューロンでの正及び負フィードバック附
リン酸反応メカニズムを示す。興奮Gs−結合オピオイドレセプターの持続活性
化はアデニル酸シクラーゼ活性とPKAを増加し、その結果(a)PKA経由の
GM1ガングリオシッドのcAMP依存上昇並びに(b)(もし同種のAPD変
調が前シナップス性DRG末端で生じると)活動電位持続(APD)延長に導き
、伝達物質放出を促進した、電圧感覚性K+及びCa2+チャンネルの活性化とな
る。逆にGM1上昇は、興奮Gs結合オピオイドレセプター作用、即ち(依存と
なる)異種感作、の効力を増強する。上方ら調節された(upregulated)AC/
cAMP/PKAシステムは、リガンド結合抑制オピオイドレセプターを付随的
にリン酸化し、それによりGi/Goへの結合、即ち(オピオイド抑制効果に対
する不応答性となる)異種脱感作、を減じうる。略語:Ac、アデニル酸シクラ
ーゼ;PKA、cAMP依存蛋白キナーゼ;gk、膜K+コンダクタンス;gca;
膜Ca2+コンダクタンス。
図3は、ナイーブなDRGニューロンに対するエトロフィンのpM−μM濃度
の急性適用がAPDの抑制短縮を惹起することを示す。1:5mM Ca2+と5
mMBa2+を含有するハングの均衡塩溶液(BSS)中のDRGニューロンによ
り生じた活動電位(AP)。本記録の(及び以下の全ての記録の)AP応答が短
い(2msec)細胞内電流パルスにより喚起した。2−5:APDは、それぞれ1
fM、1pM、1nM及び1μMエトロフィンの浴潅流により徐々に短くなる。6
:エトロフィンの浸蝕後、APDが修復する。
図4は、DRGニューロンのAPDに対するエトロフィン、DHE及びダイノ
ルフィン(1−13)(Dyn1−13)の用量反応関係を示す。エトロフィンと
DHEはAPDの用量依存短縮を惹起した(それぞれn=11及び13)。対照
的に、Dyn(1−13)はfM−nM濃度でAPDの用量依存延長を惹起し、A
PDを短く
するために(n=35)より高濃度(約μM)を必要とした。
図5は、二頂作用オピオイド(DADLE)へのDRGニューロンの慢性暴露
がDRGニューロンをダイノルフィンの抑制効果に超過敏とし(1−13)(D
yn)、これに対し、エトロフィンの潅流は同じDRGニューロンのAPDを有効
に短縮した(抑制反応)ことを示す。1:1μM DADLEを含む培地で3週
間処理し、次いで1μM DADLEを含む、BSS中で試験したDRGニュー
ロンにより生ずる活性保持。2:APDは1μM DADLEを含む1fM D
ynの浴潅流により延長する(5分試験)。3,4:APDはDyn濃度を1nM及
び1μMに続けて上げることによりさらに延びる(5分試験)。5:1μM D
ADLEを含有するBSSによるDynの浸漬5分後のコントロール応答。6:1
fMエトロフィン(Etorp)は、1μM DADLEの存在で同じDRGニュー
ロンのAPDを短縮する。7−9:エトロフィンの濃度を1pMから1μMにさ
らに増すことはAPDを徐々に短縮する。10:APDはエトロフィンの除去後
、コントロール値にもどる。
図6は、二頂作用オピオイド(DADLE)への慢性暴露、続く低濃度のエト
ロフィンへの急性適用は、本超過敏DRGニューロンにおいてナロキソン(NL
X)により促進した興奮APD延長効果をブロックできることを示す。1:1μ
M DADLEを含む培地で2週間処理し、次いで1μM DADLEを含むB
SSで試験したDRGニューロンにより生ずる活性保持。2:1nM NLXは
、本DRGニューロンのAPDを延長する(5分試験)。対照的にnMナロキソ
ンはナイーブDRGニューロンに影響を及ぼさない(クレイン及びシェン、1992
a、b)。3:1pMエトロフィンの急性添加はナロキソン誘発APD延長を減
じる(5分試験)。4:エトロフィンの濃度をさらに1nMに増加するとナロキ
ソン誘発APD延長をほぼ完全にブロックする。
図7は、モルヒネ依存ラットでのモルヒネ、DHE及びメサドン注射によるナ
ロキソン促進、持続体重損失の回復を示す。1日投与量:モルヒネ100mg/kg
、2小分け用量に分割;DHE12μg/kg、4小分け用量に分割;メサドン2
4mg
/kg、4小分け用量に分割。黒ぬり円:モルヒネ群;中空円:DHE群;黒ぬり
三角:メサドン;×印:食塩水コントロール群。X±SD、★★★p<0.01
、食塩水コントロール群と比較して。
図8は、モルヒネ依存ラットでのナロキソン促進体重損失に対するDHE及び
メサドン置換の効果を描く。最初のナロキソン促進由来の体重損失はカラムAで
与える。第二ナロキソン促進試験はモルヒネ(100mg/kg/日、2小分け用量
に分割)で1群のラットを、第2群をDHE(12μg/日、4小分け用量に分
割)で、そして第三群をメサドン(24mg/kg/日、4小分け用量に分割)で維
持後4日に実施。第二ナロキソン促進試験後の体重の損失は、カラムBで与える
。最初と第二のナロキソン促進試験間の統計的P値は「★★」,p<0.05及
び「★★★」,p<0.01である。メサドン群に対応するDHE群のp値はp
<0.05である。
図9は、モルヒネ依存ラットでのDHE及びメサドン置換に対するナロキソン
促進後の禁断症状記録を描く。ラットは、図8で記載したように処理した。カラ
ムA:禁断症は最初のナロキソン促進試験から記録する。カラムB:禁断症は第
二ナロキソン促進試験から記録する。最初と第二のナロキソン促進試験間の統計
的p値は「★★」,p<0.05及び「★★★」,p<0.01である。メサド
ン群に対応するDHE群に対するp値はp<0.01である。
図10は、モルヒネ停止後、モルヒネ依存サルの禁断症状の発達を示す。
図11は、モルヒネ依存サルのDHEによる禁断症状の回復を示す。矢印は、
DHE注射(3μg/kg)の時間を示す。中空円:コントロール群;黒ぬり円:
DHE群。
図12は、モルヒネ依存サルの禁断症状に対するDHE及びメサドンの治療効
果を示す。矢印はナロキソン(NLX)促進(1mg/kg)の時間を示す。中空円
:コントロール群;黒ぬり円:DHE群;黒ぬり三角;メサドン群。
図13は、テバインからエトロフィン及びその同族体の合成に関する反応式を
示す。
図14は、テバインからジヒドロエトロフィン及びその同族体の合成に関する
反応式を示す。
図15はテバインからジヒドロエトロフィン塩酸塩の合成を示す。
用いた略字の簡単な説明
DADLE 〔D−A1a2,D−Leu5〕エンケファリン
DAGO 〔D−A1a2,MePhe4,GLy−オル〕エンケファ
リン
DPDPE Tyr−D−Pen−Gly−Phe−D−Pen(Pen=
ペニシラミン)
U−50,488H 3,4−ジクロロ−N−メチル−N−(2−[1−
ピロリジニル]−シクロヘキシル)ベンゼン−アセ
トアミド
ダイノルフィン1−13 ダイノルフィンA,断片1−13
(Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−Arg−Arg−
Ile−Arg−Pro−Lys−Leu−Lys)
ダイノルフィン1−17 ダイノルフィンA,断片1−17
(Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−Arg−Arg−
Ile−Arg−Pro−Lys−Leu−Lys−Trp−A
SP−Asn−Gln)
Etor エトロフィン
DHE ジヒドロエトロフィン
発明の詳細な説明
本発明によれぱ、器官型培養での知覚ニューロンの作用可能性持続に対するオ
ピオイドの効果の電気生理学的アッセイは、抑制オピオイドレセプター伝達作用
を活性化するが興奮は活性化しない能力を有するアゴニストをスクリーンし、又
、特徴付ける極端に感受性のインビトロバイオアッセイを提供する。本アッセイ
は、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤及び薬剤たんできの処置に有用な試薬
の同
定を可能にする。
本明細書で用いられる「非たんでき性」及び「低たんでき性」は、本発明のオ
ピオイドたんでき可能性を記載するために交換可能に用いられる。本発明のオピ
オイドたんでき処置において、主題のオピオイドは、数週間まで使用した場合、
処方投与量で実質的に非たんでき性である。例えば14日までの期間にわたり徐
々に減少される、1日当り約10μgないし約1000μgの範囲での薬物たんで
き者へのDHE投与は、DHEに対するたんできとはならない。対照的に、メサ
ドン置換による薬物たんでき者のよくコントロールされた処置でさえ、メサドン
たんできに移行してしまう。従って本発明は、他のオピオイドに対し付随するた
んできなしに、麻酔薬乱用を処置する本方法を大いに改良する。
同様に、本発明の主題のオピオイドによる数日間の急性疼痛処置は、たんでき
をもたらさない。主題のオピオイドによる長期間の慢性疼痛処置がたんできとな
らないのに、緩和なたんできが例外ケースとなりうる。従って、本発明の主題の
オピオイドの使用は大多数の慢性疼痛患者にとって非たんでき性である。従って
、DHEで示したように、慢性疼痛患者にとって、主題のオピオイドのたんでき
持続は低く、典型的には3カ月以上処置された患者の100人中1人以下である
。例えば、DHEで3カ月までの間、患者を処置した場合でもたんできは観察さ
れなかった。さらに、たんできのまれなケースで、そのようなたんできは、DH
Eの幾つかの製造で用いられる、薬物合成の出発物質である二頂作用テベインに
存在する小量の混入物によりうる。
本明細書で用いられる「オピオイド」とは、麻酔薬レセプターに特に結合する
全ての物質をいう(ケイシイ及びパーフィット、1986;パスターマック1988)。
本明細書において「返還オピオイド」とは、オピオイドレセプターに対し抑制
及び興奮効果を有する二頂作用オピオイドである。そのようなオピオイドは、一
般にそれが使用のために混合される非たんできオピオイド鎮痛剤よりも長持続作
用を有する。返還オピオイドと非たんでき性オピオイド鎮痛剤の組合せ治療は後
者化合物に返還オピオイドの興奮効果をブロック又はマスクする。
オピオイドレセプターの活性化は、逆にインビボでオピオイド鎮痛剤に内在す
る一次細胞メカニズムを提供するニユーロン活性に対する抑制効果を生ずること
が判って来た(例えばノース,1986)。しかしながら、最近の電気生理学的研究
は、特異的なミュー、デルター及びカッパー・オピオイドレセプターアゴニスト
が濃度依存方法で培養で分離された知覚DRGニユーロンの活性持続の興奮及び
抑制変調を生ずることを示した(シェン及びクライン、1989;クライン及びシェ
ン、1990)。
これらのオピオイドアゴニストは、それぞれ活動持続期間(APD)のカルシ
ウム依存成分の延長又は短縮により測定されるように低(<nM)濃度で興奮効
果を、高(μM)濃度で抑制効果をそれぞれ生ずることが判った(図2、表1)
。
初期の実験は、オピオイドの興奮効果がコレラトキシン感受性Gs様調整蛋白
を経てアデニルシクラーゼ及び(例えばベータアドレナリンレセプターに類似す
る)サイクリックAMP依存電位感受性イオンコンダクタンスに正に結合するオ
ピオイドレセプターにより伝達され(図2;シェン及びクライン,1989,1990a
;クライン及びシェン,1990,1992)、一方抑制効果は、(アルファアドルナリ
ンレセプターに類似する)百日咳トキシン感受性Gi/Go蛋白に結合したオピ
オイドレセプターにより伝達される(図2、シェン及びクライン,1989;グロス
等、1990)ことを示した。
オピオイドのこれら二頂性質、即ちオピオイドレセプターの二つの明らかに異
なる群により伝達される興奮及び抑制活性間を識別する能力が本発明、特に低及
び非たんでき性オピオイド鎮痛剤を確認する方法に導いた。従って、本発明は、
抑制オピオイド反応を選択的に活性化できるが興奮オピオイド反応を活性化でき
ない化合物を確認するインビトロバイオアッセイを提供する。興奮オピオイドレ
セプター作用の持続活性化がインビトロで慢性のオピオイド処置ニューロンのト
レランスと依存の発展で重要な役割を演じるので(クライン及びシェン,1992;
シェン及びクライン,1992)、そのような性質を有する、即ち、抑制反応を活性
化するが興奮反応を活性化しない化合物はインビボで非たんでき性鎮痛剤として
有用である。
特に、インビトロバイオアッセイは、DRGニューロンの細胞培養系を使用し
、DRGニューロンを候補化合物に暴露すること、及び標準的電気生理学的記録
方法を用いてAPDに対するその効果を観察することにより候補化合物をスクリ
ーンする。ニューロンを生育し、候補化合物により処理し、そしてAPDを記録
するための方法論は、実施例1に与えられる。本発明によりスクリーンされた、
約fM−pM範囲ないしμM範囲で抑制効果(例えばDRGニューロンのAPD
を短縮する)を示すが興奮効果(例えばDRGのAPDを延長する)を示さない
全てのオピオイド化合物はインビボで低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤であ
る。一般にこれらの化合物は、濃度依存方法でAPDに影響を及ぼし、反応は特
異的オピオイドレセプターにより伝達される。従って、本発明の方法は、低又は
非オピオイド鎮痛剤を確認するための強力な器具を提供する。
モルヒネ、エンケファリン、ダイノルフィン、エンドルフィン及び合成オピオ
イドペプチドを含む本バイオアッセイにより試験したほとんど全てのオピオイド
は、知覚DRGニューロンの活性持続に対し、用量関連二相性変調効果(即ち、
抑制及び興奮)を有する。そのような化合物は全てたんでき性であることがよく
知られている。しかしながら本発明によれば、たんでき性であるとしてこれまで
信じられそして分類された化合物(WHO、Rep 1966)、エトロフィン及びヒ
ドロエトロフィン(テバイン誘導体)(ベントレイ及びハーディ,1963、ベント
レイ及びハーディ,1967)は、オピオイドレセプター伝達作用を抑制し、そのよ
うな作用を興奮しないという選択的特性を有する(表1)。エトロフィン及びジ
ヒドロエトロフィンは共に、幾つかのDRGニューロンで約pMレベルから始ま
りそして、ほとんどのDRGニューロンでμMレベルで最高の効果に達する、A
PDの用量依存(抑制)短縮を惹起する(実施例1)。さらに、APDの興奮延
長は、二頂作用オピオイドにより低濃度で惹起する特徴的興奮効果と対照的にこ
れら2つの化合物によっては、<pM濃度で全く起きない。
DRG脊髄体外移殖組織の二頂作用オピオイド(例えばモルヒネ又はDADL
E)への暴露が知覚DRGニューロンをオピオイドアゴニストの抑制効果に脱感
作とし、その結果トレランスとなり(クライン等,1988)又、インビボでの禁欲
、依存及び禁断症状の有意な特徴に類似する、オピオイドアゴニスト及びアンタ
ゴニストの興奮効果に超過敏となることはよく知られている(クライン及びシェ
ン,1992a,b;シェン及びクライン,1992)。
オピオイドアゴニストによる慢性処置後の興奮オピオイドレセプターの持続活
性化は正フィードバックメカニズムを誘発し、その結果、オピオイドアンタゴニ
スト及びアゴニストの興奮効果に対する慢性オピオイド処置ニューロンの顕著な
超過敏を説明しうるGs/アデニル酸シクラーゼ/サイクリックAMP/プロテ
インキナーゼA/GM1グリコシルートランスフェラーゼ系の調節となる(図2
、クライン及びシェン,1992a,b;シェン及びクライン,1992)。
DRG索体外移殖組織を二頂作用デルタ/ミュ アゴニスト、DADLE(1
μM)又はモルヒネ(1μg/ml)で3週間慢性的に処置すると、エトロフィン
による慢性処置まで、1fMのような低濃度でもDRGニューロンのAPDの顕
著な抑制用量依存短縮を惹起し(実施例2)、一方、二頂作用ミュ、デルタ及び
カッパオピオイドアゴニストは、pMからμMにわたる濃度で高い程度のオピオ
イド興奮超過敏をしめす(実施例2)。
さらに、インビボで麻酔薬たんでき者に細胞モデルのナロキソン誘発禁断症超
過敏を与える(クライン及びシェン,1992b)、nMナロキソン[図1(V)]
(クライン及びシェン,1992a,b)の急性適用により促進する慢性オピオイド処
置DRGニューロンの興奮APD延長は、エトロフィンの急性適用によりブロッ
クできるが、モルヒネ又は他の二頂作用オピオイドアゴニストによってはできな
い(実施例2)。
組織培養研究は、知覚ニューロンの興奮オピオイドレセプター作用が、抑制オ
ピオイドレセプターにより伝達される鎮痛効果を減ずること、及びたんできの基
礎にある細胞メカニズムを促進することにより、インビボで重要な役割を演じる
という強い支持を提供する。スクリーンモデルで示されるように、インビトロで
低濃度で抑制オピオイドルセプター作用を選択的に活性化するが興奮オピオイド
レセプター作用を活性化しないオピオイド(例えばエトロフィン、ジヒドロエト
ロフィン)の使用により、インビボではるかに強力な無痛覚とモルヒネ及び他の
ほとんどの二頂作用麻酔薬による慢性処置の間に起きるよりも依存/たんできの
より少ない徴候となる。
本発明は、本バイオアッセイにより確認されるように、エトロフィン(及び同
様の性質を有する化合物)(例えばジヒドロエトロフィン及びオーメフェンタニ
ル)が、ほとんどの二頂作用オピオイドが一般に興奮APD延長効果を惹起する
低(pM−nM)濃度でも、ナイーブ且つ慢性オピオイド処置「たんでき」知覚
DRGニューロンに対し強い用量依存抑制APD短縮効果を惹起することを示す
。エトロフィン及び本発明の同様の化合物は、細胞が慢性処置後、二頂作用オピ
オイドの興奮効果に超過敏である場合でもDRGニューロンに対する興奮オピオ
イド反応よりもむしろ抑制を選択的に活性化する。
エトロフィンはずっと、動物(ブレイン等,1967)及びヒト(ブレイン及びロ
ビー,1970;ジャキンスキ等,1975)で、鎮痛剤としてモルヒネよりも1,00
0倍以上強力であることが知られて来た。本発明は、エトロフィンの高抑制能力
が、一部、その効果が高親和性興奮オピオイドレセプターの付随活性化によって
減少されない抑制オピオイドレセプターの選択的能力によりうることを示す。
本発明の臨床実施結果は、低用量の特異的抑制オピオイドレセプターアゴニス
ト、ジヒドロエトロフィンが、手術後の疼痛及び末期癌患者の慢性疼痛を緩和す
るのに極めて有効であり、トレランス及びたんできがモルヒネ及び他の慣用二頂
作用麻酔薬で観察されるものよりもはるかに少ししか明らかでないことを示す(
実施例5)。幾千人もの患者が>90%有効率で処置されて来たが有意な逆の副
作用は観察されなかった。さらに本発明の低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤
により発揮される強力な抑制効果は、二頂作用麻酔薬、即ち本明細書において定
義される置換オピオイドの興奮効果をブロック又は抑制でき、二頂作用オピオイ
ド(例えばモルヒネ又はメサドン)の単独使用により通常観察されるトレランス
及びたんできを軽減する。
さらに、数百人のヘロインたんでき者が2年の期間にわたって首尾よく処置さ
れて来た。本グループでは、禁断症状は速やかにブロックされ、これよりジヒド
ロエトロフィン置換は最終オピオイド禁断症状後、最小の反動(rebound)で約
1週間維持した(実施例6)。同様の結果がモルヒネ依存のサル及びラットに対
する試験で得られた(実施例3及び4)。ヘロイン及びモルヒネたんできを処置
するのにジヒドロエトロフィンで得られた成功結果は、メサドン及び他の二頂作
用又は混合アゴニスト−アンタゴニストオピオイドによる比較臨床研究で得られ
た不確かな結果と明らかに対照的である。
従って、本発明の他の局面は、オピオイド又はその同族体をオピオイドたんで
きの禁断症状を緩和するのに有効な量及び十分な時間投与すること、及び該オピ
オイド又はその同族体の投与を徐々に減少することによるオピオイドたんできの
処置方法を提供する。
本発明の他の局面は、DHE、エトロフィン及びこれらの他の化合物の同族体
の製造のための改良合成方法を提供する。さらに、前記化合物の塩、特に製薬上
許容されうる塩の製造方法をも提供する。
エトロフィン[図1(III)]及び関連同族体を製造するための反応式を図1
3に示す。描かれるように、テバイン(1)を過剰のメチルビニルケトンと還流
下、約1時間反応させる。次いで残留するケトンを好ましくは加圧下、全て留去
する。粘稠な油を温メタノールに溶解し、冷却して結晶化させて結晶を回収する
。便宜的には、結晶は氷冷メタノールで数回洗浄し、そして乾燥して7”−アセ
チル−6,14−エンド−エテノーテトラヒドロテバイン(2)を得る。次いで
本化合物(2)は、式RMgXのグリニヤール試薬と反応させて、図13の化合
物(3)により示される通りのテバインの7”位にグリニヤール試薬のR基を伴
う第三アルコールを形成させる。
グリニヤール試薬のR基は、低級アルキルであり、Xはハロゲンである。従っ
て、エトロフィンの同族体は、R基を変えることにより製造される。本明細書で
用いられてアルキルは1ないし6炭素原子を含むアルキル基をいう。これらの基
は直鎖状、分枝状又は環状鎖であり得、そしてメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル(アミル
)、イソペンチル(i−アミル)、ネオペンチル(n−アミル)、ヘキシル、シ
クロペンチル、シクメヘキシル等のような基を含みうる。Rがプロピルの場合、
最終生成物(4)はエトロフィンである。エトロフィン及びその同族体にとって
好ましいR基は、n−プロピル、n−ブチル、n−アミル、i−アミル又はシク
ロヘキシルである。
かくして、化合物(3)は(2)の無水溶液を所望のグリニヤール試薬と、第
三アルコールの形成のための時間及び条件下に反応させることにより製造される
。例えば(2)はベンゼンに溶解して、グリニヤール試薬と数時間、又は必要と
されるように反応が完了するまで還流させることができる。完了すると、無水溶
液を混合しない水性溶液(例えば飽和塩化アンモニウム)に加えることができ、
生
成物をこの水性溶液に抽出し、次いで有機層と水性層を分離する。水性層を回収
し、エーテル又は他の適当な溶媒で数回抽出して化合物(3)を含有する中性溶
液を得る。化合物(3)は再結晶によりさらに精製できる。
強塩基性条件下での化合物(3)の反応により7”−〔1−ヒドロキシ−1−
メチルR〕−6,14−エンド−エテノ−テトラヒドロオリパビン化合物(4)
を得る。このような化合物(4)は抽出、濾過、再結晶などにより回収できる。
Rがn−プロピルの場合、(4)はエトロフィンである。
エトロフィン又はその同族体(4)の種々の塩はいずれも、遊離塩基と所望の
遊離酸とを反応させること、及び得られる塩を結晶化、濾過などにより回収する
ことによって製造できる。好ましい実施態様では、(4)をアルコール性のエー
テル溶液に溶解し、所望の酸を含有するエーテル溶液を、反応混合物が約2のp
Hに達するまでこれに添加する。付加的エーテルを結晶性固体(5)が形成する
までこれに加える。固体を収集し、エーテルで洗浄し、そして乾燥する。所望に
より固体は再結晶してもよい。(4)の塩を製造するのに用いることができる種
々の酸の例を実施例9に提示する。
DHE、その同族体及び塩の製造のための反応式を図14に示す。エトロフィ
ンと同様、出発物質がテバインであり、メチルビニルケトンとの最初の反応はテ
バインの6,14−エンド−エテノ誘導体(2)を形成するのと一致する。しか
しながら(2)はまず、接触水素化と回収に付してテバインの6,14−エンド
−エテノ誘導体(3)を得、次いでグリニヤール試薬と反応させて(4)を生成
させる。残っている合成段階をエトロフィンの合成について上記したように進め
る。即ち、DHE及び関連化合物について、(2)を水素化して(3)を生成す
る;(3)をグリニヤール試薬と反応させて(4)を生成する;そして(4)を
強塩基と反応させて(5)、遊離塩基DHE又は関連同族体を生成する。最後に
(5)を上記したような酸と反応させて(6)を生成する。
DHE及び関連化合物について、グリニヤール試薬のR基は明細書中、先に定
義した通りの低級アルキルである。Rがn−プロピルの場合、図14のの(5)
はDHEである。DHE及びその同族体についての好ましいR基は、それそれn
−プロピル及びi−アミルである。
本発明の他の局面は、ジヒドロエトロフィン及びその同族体、エトロフィン及
びその同族体、オーメフェンタニル並びに全ての前記化合物の製薬上許容されう
る塩を含む本発明のオピオイド化合物の試薬組成物に向けられる。
投与に適した投与量形(組成物)は、単位当り約10μgから約1000μgの
活性成分を含んでもよい。これらの医薬組成物では、活性成分は、通常、組成物
の全重量を基にして約0.5−95重量%の量で存在するであろう。
活性成分は、固体投与量形、例えばカプセル、錠剤、及び粉末で舌下に投与す
るか、又は無菌の液体投与量形で非経口的に投与できる。
ゼラチンカプセルは、活性成分と粉末担体、例えばラクトース、シュークロー
ス、マンニトール、澱粉、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸などを含む。同様の希釈剤が圧縮錠を造るのに用いることができる。錠
剤及びカプセルは共に、持効性生成物として製造し、数時間にわたって薬物の連
続的放出を与えることができる。圧縮錠は、糖衣又はフィルム被覆して不快な風
味をマスクし、又、大気から錠剤を保護することができる。
一般に、水、適当な油、食塩水、水性デキストロース(グルコース)及び関連
糖溶液並びにグリコール、例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコ
ールが非経口溶液の適切な担体である。経口投与のための溶液は、好ましくは活
性成分の水溶性塩、適切な安定剤、そして必要ならば緩衝性物質を含む。抗酸化
剤、例えば重硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸は、単独又は
組合せて、適切な安定剤である。クエン酸及びその塩並びにEDTAナトリウム
も用いられる。さらに非経口溶液は、防腐剤、例えばベンザルコニウムクロリド
、メチル−又はプロピル−パラベン及びクロロブタノールを含むことができる。
適切な製薬上の担体は、本分野での標準的引用テキスト、レミントンズ・ファ
ーマシューティカル・サイエンシズ A.Orolに記載される。
本発明のさらに他の局面は、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤又はその製
薬上許容されうる塩を、オピオイドアンタゴニストであるナロキソンと共に混合
物で含む医薬組成物を提供する。低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤は本明細
書で与えられた量の、本明細書で与えられた化合物、例えばエトロフィン、DH
E、オーメフェンタニルなどである。
主題の組成物は、固体形の例えば解毒又は激痛緩和以外に用いられる経口で又
は舌下で投与される低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤の家庭で手持ちの(ta
ke−home)製剤の流用又は乱用を避けるのに有用である。ナロキソンは低経口又
は舌下生体内利用性を有するので、ナロキソンの量は、経口で舌下で取られた場
合は効果がないが製剤を水に溶解し、注射した場合には、低又は非たんでき性オ
ピオイド鎮痛剤、例えばDHEの効果を拮抗する製剤に導入できる。
本発明のさらに次の局面は、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤或はその製
薬上許容されうる塩を、「返還オピオイド」との混合物で含む医薬組成物を提供
する。これらの組成物は慢性又は急性疼痛並びにオピオイドたんできを処置する
のに有効である。各使用に適当な投与量は、当業者により容易に決定できる。低
又は非たんできオピオイド鎮痛剤は、本明細書で与えられた化合物、例えばエト
ロフィン、DHE、オーメフェンタニルなどを本明細書で与えられた量、含有す
る。これらの医薬組成物は上記のような処方で提供される。
「返還オピオイド」は、オピオイドレセプターに抑制及び興奮効果を有する二
頂作用オピオイドである。返還オピオイドは、オピオイドたんできの禁断症状を
(部分的に又は完全に)緩和又は抑制するのに有効な量、或は疼痛を軽減するの
に有効な量で組成物中に処方される。これらの組成物中の低又は非たんでき性オ
ピオイド鎮痛剤の量は、返還オピオイドと共に用いる場合、禁断症状の緩和又は
抑制を与えるのに又は疼痛を軽減するのに必要な量と同様である。当業者は鎮痛
剤及び返還オピオイドの適切な割合及び投与量を容易に決定できる。
例えば、投与のための適切な投与量形は、約10ないし約1,000μgの鎮
痛剤を含んでもよい。鎮痛剤がDHEの場合、舌下投与量の好ましい処方は、錠
剤当り約20μgないし約40μgのDHE、又は対応する当量のその塩を含む。
注射
可能な投与量形の好ましい処方は、約20μgないし約100μgのDHE又は対
応する当量のその塩を含む。
同様に、返還オピオイドの投与のための適切な投与量形は、患者に1日当り約
5mgないし約100mgを与える量を含むことができる。好ましい返還オピオイド
は、モルヒネ、メサドン、フェンタニル及びブプレモルヒネを含む。
好ましい実施態様では、これらの医薬組成物は、DHE又はその製薬上許容さ
れうる塩、例えばDHE塩酸塩及びメサドン又はモルヒネのいずれかを含む。メ
サドンは薬物たんできを処置をするのに好ましく、一方、モルヒネは疼痛を処置
するのに好ましい。
実施例は、本発明を示すのに役立つのであって、本発明の範囲を限定するため
に用いられるべきでない。引用文献
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実施例1
培養における知覚後根神経節ニューロンの活性保有期間に対するエトロフィン
およびジヒドロエトロフィンの選択的阻害であるが、興奮性でない作用
組織培養:実験は、培養物の成熟の3〜5週間後に付着DRGを有する脊髄(
13日齢胎児マウス由来)の体外移植組織の後根神経節(DRG)ニューロンで
行った。DRG−索体外移植組織は、マキシモー抑制スライド室内のコラーゲン
被覆カバースリップ上で成育させた。培養培地は、イーグル最小完全培地65%
、ウシ胎児血清25%、トリ肺抽出物10%、グルタミン2mMおよびグルコース
0.6%からなった。インビトロで最初の週の間、培地に神経成育因子(NGF
−7s)を、約0.5μg/mlの濃度で添加し、胎児マウスDRGニューロンの
生存及び成育を促進させた。
電気物理学的記録:培養物カバースリップを、5mMCa2+および5mMBa2+(
BSS)を添加した約1mlのハンクス平衡塩溶液を含む記録室に移し、薬理学的
試験の突出基底反応を得た。細胞内記録は、マイクロピペットプローブにより神
経節内の無作為に選択されたDRGペリカーヤから得た。マイクロピペットは、
3M KCl(約60−100メグオーム耐性)で満たし、電流クランプ記録の
ため
に塩素化銀ワイアーにより、中和インプット能力予備増幅装置(Axoclamp 2A)
に接続した。DRGニューロンの固定後、短い(2msec)脱分極電流パルスを、
記録電極を経由して適用し、活動ポテンシャルを誘発した(0.1hzの頻度で)
。活動ポテンシャルの記録は、p−クランププログラム(Axon Instruments)を
使用して、マイクロコンピューター(IBM AT−互換性)でフロッピーディ
スクに保存した。
薬物試験:薬物は、手で操作する押引シリンジ系を使用して、2−3ml/分の
速度で浴還流して適用した。試験剤の還流は、活動ポテンシャルおよびニューロ
ンの残ったポテンシャルが対照BSSにおいて>4分の予備試験期間中に安定状
態に到達した後に開始した。APD内のオピオイド−伝達変化は、APD変化が
、同様の細胞に対して対照値の>10%であり、試験期間中(約5分)ずっと維
持されれば、有意と見なした。APDは、APDのピークと再分極相の屈曲点の
間の時間として測定した。
オピオイド反応:DRGニューロンのオピオイド反応は、DRGペリカーヤ中
のAPDのオピオイド誘発変化の測定により分析した。DRG−索外移植組織中
のDRGニューロンは、エトロフィンまたはジヒドロエトロフィンのfMからμM
の濃度の急性適用に対する感受性を試験した。細胞(n=12)は、1fMエトロ
フィンでAPD短縮または延長を示さなかった。しかしながら、ナロキソン−可
逆性APD短縮がpMおよびnM濃度のエトロフィン適用後に25%の細胞(n=8
)で、μM濃度のエトロフィン適用後に100%(n=7)の細胞で観察された
(図3および4)。種々の濃度のエトロフィンで試験したDRGニューロン(n
=13)は全てAPD延長を示さなかった。
これらの結果は、他のミュー、デルタまたはカッパーオピオイド(例えばモル
ヒネ、メサドン、DAGO、DPDPE、DADLE、ジノルフィン(アミノ酸
1−13)または(アミノ酸1−17)およびU−50、488H)と明らかに
対照的であり、そのいずれも、多くのDRGニューロンに対する低濃度(<nM)
興奮性APD−延長効果と高濃度(-μM)抑制性APD短縮効果の二頂作用を示
す(図4
;表1)。図4について、データはエトロフィン試験の11ニューロンから得ら
れ、その半分は全ての4つの濃度のエトロフィンで試験した(fMからμMまで)
。
エトロフィンの様に、DRGニューロン(n=15)に対するジヒドロエトロ
フィンによる電気物理的試験(fM−μM範囲にわたる)は、濃度依存性阻害的A
PD短縮効果を、fM−pMの閾値で示し、明白な興奮性APD延長効果は示さなか
った(図4)。
実施例2
二頂作用オピオイドアゴニストの興奮性効果およびナロキソンに超過敏となっ
た慢性オピオイド処理した、耽溺知覚ニューロンに対するエトロフィンの抑制促
進効果
薬物試験:実施例1に記載のように>3週間成育させたマウスDRG−索体外
移植組織を、二頂作用(興奮/抑制)デルタ/ミューオピオイドアゴニスト、D
ADLE(3μM)またはモルヒネ(1μM)に1週間またはそれ以上慢性的にさ
らした。電気物理的記録を、実施例1のように行った。
結果:このような慢性的暴露の後、DRGニューロンはオピオイドの興奮効果
に超過敏である(クライン&シェン1992a;クライン&シェン、1992)
。一方、pM−nM Dyn(アミノ酸1−13)は、ナイーブなDRGニューロン
の延長を一般的に必要とし(図4)、fM濃度およびそれ以下は、慢性オピオイド
処理の後のAPDの延長に有効である(図5、線1−4)。対照的に、慢性DA
DLE−処置ニューロンへのエトロフィンの急性適用は、低濃度の二頂作用オピ
オイドに対して超過敏興奮反応を示す同じDRGニューロンのAPDを有効に短
縮する(図5、線6−9)。更に、DRGニューロンにおけるエトロフィンの阻
害的APD短縮効果は、有意に促進されるようである。pMエトロフィンがナイー
ブな外移植中で試験したDRGニューロンの25%のAPDの短縮に有効である
が(図3および4)、この低オピオイド濃度は1μMDLEの存在下で試験した
全ての慢性DADLE−処置DRGニューロンで有効であった(n=4;図5、
線5および6)。この同様の低濃度(pM)のエトロフィンは、1μg/mlモルヒ
ネの存在下、慢性モルヒネ−処理(1μg/ml)DRGニューロンの71%に有
効であった(n=7)。慢性DADLE−処理DRGニューロンの用量依存試験
は、実際、APDの大きさが、急性エトロフィン濃度が連続的に1fMから1μM
に増加した場合、徐々に短縮されることを示す(図5、線6−9)。
オピオイドアゴニスト、ナロキソン(nM−μM)はナイーブなDRGニューロ
ンのAPDを変えない(クライン&シェン 1992a、b)。対照的に、慢性
の、
DADLEのようなオピオイドの処置の後、低濃度のナロキロンの急性投与は知
覚ニューロンのAPDを延長する(クラインら、1992b;シェン&クライン
、1992)。慢性オピオイド処置DRGニューロンにおけるナロキソン誘発興
奮APD−延長効果は図6、線1および2に示す。低濃度のエトロフィン(pM−
nM)の急性投与は、DRGニューロンのナロキソン誘発APD延長を有効にブロ
ックするが(n=3;図6、線3および4)、二頂作用オピオイドは有効でない
。
エトロフィンおよびジヒドロエトロフィンは、ナイーブな知覚ニューロンを、
極端に低濃度(pM)で投与した場合でさえ有効な阻害効果を惹起し、これらの細
胞のオピオイド受容体を同時に興奮的に活性化する徴候を示さないので、これら
のインビトロ電気物理的分析は、エトロフィンおよびジヒドロエトロフィンのイ
ンビボでの無痛覚を得るのに必要な相対的に低い濃度(モルヒネより<1,00
0倍低い)での投与は、慢性疼痛の処置のための継続投与の後でさえ、耽溺性で
ないことを予期する。
実施例3
モルヒネ依存ラットにおけるDHEによる禁断症状の抑制
モルヒネ依存ラットモデル:両方の性、120−150g体重のウィスターラ
ットに、皮下的(s.c.)に1日2回(午前8:00、午後4:00)に、20mg
/kg/日の量から開始して、5日の連続した日で20mg/kg/日づつ、最終用量
100mg/kg/日になるように増加しながら投与した。
禁断症状の採点のためのナロキソン(NLX)促進:最終用量のモルヒネ(ま
たは他の試験薬)を投与した3−4時間後に、モルヒネ依存ラットの禁断症状は
、ナロキソン(4mg/kg)の腹腔内(i.p.)注射により促進された。ナロキソ
ン誘発禁断症状は、その後1時間追跡し、ワイら、1973の方法に従って採点
した。
動物群:モルヒネ耽溺5日後、動物を表2に従って7群に分けた。各々の群は
5−6匹のラットを含む。
1、2および3群は20mg/kgモルヒネ(無痛覚のED50の4倍)、9mg/kg
メサドン(無痛覚のED50の9倍)または6μg/kgDHE(無痛覚のED50の
12倍)を、それぞれi.p.注射により投与した。これらのオピオイドアゴニスト
は、ナロキソン促進が開始される15−30分前に注射した。ナロキソン禁断症
状試験が完了した後、1、2および3群は、更に4日間モルヒネ100mg/kg(
s.c.)投与を継続した。第2のナロキソン促進試験を4日目に行ったが、ナロキ
ソンの前に食塩水のみを投与(i.p.)した。
最初のナロキソン促進試験は、4、5および6群で、ナロキソン試験の15−
30分前のオピオイドアゴニスト投与以外、1−3群と同様の方法で行った。第
2のナロキソン試験において、4、5および6群は、それぞれモルヒネ100mg
/kg(s.c.)を1日2回、DHE3μg/kg1日4回、またメサドン6mg/kgを
1日4回、モルヒネ100mg/kgの変わりに4日間投与された。第2のナロキソ
ン試験は、上記のように4日目に行った。
最初のナロキソン促進試験の後、7群の動物に食塩水(s.c.)を対照として、
第2のナロキソン試験の4日前に投与した。
動物の体重は、全期間中追跡した。
結果:ナロキソンの腹腔内注射から2分後、モルヒネ依存ラットは、15分内
にピーク反応を示すナロキソン誘発禁断症状を示し始めた。1時間後、動物の体
重は非常に減少した。ナロキソン投与前のモルヒネ(20mg/kg)、DHE(6
μg/kg)またはメサドン(9mg/kg)の腹腔内注射は、ラットのナロキソン誘
発禁断症状を抑制した。これらの3つのオピオイド物質間で抑制の効果の有意な
差は検出されなかった。モルヒネ、DHEおよびメサドンについて、体重減少の
防止はそれそれ43.5%、49.8%および48.15%であり、他の禁断症
状の抑制は、それぞれ45.5%、63.7%および49.4%と採点された。
ナロキソン促進の後、依存ラットの体重は、減少し続けた。体重の損失は、ナ
ロキソン促進24時間後に最大に到達した。段階的な体重の回復は、90時間で
達成された。
モルヒネ、DHEまたはメサドンの皮下注射は、最初のナロキソン促進試験の
数日後に行った。モルヒネ依存ラットの体重減少は、オピオイドアゴニストで試
験した3群全てで減少することが分かった。モルヒネの皮下投与(ナロキソン促
進1時間後)は、体重減少を3時間で回復させ、あるラットでは時々体重増加も
あった。完全な体重減少の回復は、48時間後に見られた。DHEまたはメサド
ンの皮下注射の体重減少に対する効果はモルヒネほど劇的ではなかった。しかし
ながら、両方のオピオイドは、更なる体重減少を防止した。未処置対照群(食塩
水注射)と比較した場合、DHEまたはメサドンの体重減少に対する作用は非常
に著しかった(図7)。
最初のナロキソン促進試験の後、数匹の動物はモルヒネ(s.c.)の継続を続け
た。4日後、2のナロキソン試験を行った。第2のナロキソン試験は、最初の試
験と比較して更に深刻な禁断症状をもたらした。比較して、モルヒネの代わりに
DHE(s.c.、4日)処理した動物において、第2のナロキソン試験は、体重の
僅かな損失以外、全ての禁断症状を促進することに失敗した。メサドンを維持し
た(s.c.)動物において、第2のナロキソン注射はモルヒネ群と比較してひどく
なく禁断症状を促進をしたが、DHE群と比較した場合、よりひどかった(図8
および9)。
実施例4
モルヒネ依存サルのDHE処理の抗耽溺効果
モルヒネ依存サルモデル:7匹の雄アカゲザル(マカカ・ムラッタ、3.4−
5kg)に、モルヒネ(s.c.)を1日2回(午前8:00、午後4:00)、10
mg/kg/日で開始し、24日目に50mg/kg/日に到達するまで、3日毎に5mg
/kg/日づつ増加させ、注射した。この用量は、薬物試験を行う前に10日間続
けた。
1段階薬物試験:サルを無作為に2群に分けた。モルヒネの禁断24時間後、
A群(4匹の動物)にDHE3μg/kg(s.c.)を3時間毎に投与した。DHE
投与間の間隔を、3日目にDHEを1日2回のみ投与するように増加させ、次い
で観察の2日目に停止した。B群(3匹の動物)は、本群がDHEの代わりに食
塩水を投与される以外、A群と同様に処理した。これらの試験の完了の後、全て
の動物を、モルヒネ50mg/kg/日(s.c.)1日2回投与することにより連続1
2日間モルヒネで処理した。本試験は、A群が対照食塩水を投与され、B群がD
HE処理を受ける以外繰り返した。動物の禁断症状をデニュー&シーバーズ(1
964)に従って、実験期間中観察し、採点した。
モルヒネの禁断16時間後、モルヒネ依存サルで禁断症状が現れ始めた。症状
は最初穏やかで、あくび、唾液分泌、興奮および恐れを含んだ。これらの徴候は
時間が経つに連れてひどくなった。モルヒネの禁断20−60時間内に、動物の
禁断症状は、嘔吐、震え、鎖上での歯軋り、閉眼、横向きに寝ることおよび呼吸
困難を含んだ。これらの全ての症状は、極端な興奮の指標である。60時間後、
これらの症状は段階的に減少した。モルヒネ禁断120時間後、幾つかの緩和な
禁断症状はまだ検出された(図10)。1週間後、全ての禁断症状は消滅した。
明らかに対照的に、これらの全ての禁断症状は、DHE(3μg/kg s.c.)に
よりその投与1分後に完全に抑制された。2時間半から3時間後、禁断症状が再
発し、これは別のDHE投与により再び抑制された(図11)。このDHEのモ
ルヒネ禁断症状に対する抑制効果は、それぞれのサルで観察された。DHEは、
2.5−3時間間隔の繰り返し注射により、3−4日間、禁断症状の抑制を有効
に継
続した。モルヒネ禁断80時間後のDHE注射の中止は、禁断症状を誘発せず、
動物は、この置換処理の間にDHEに依存になっていないことを示した。
2段階薬物試験:1段階実験の後、全ての7匹のサルに、モルヒネ(s.c.)を
50mg/kg/日の用量で7日間投与した。モルヒネ耽溺サルを、次いで、無作為
3群に分けた。1群は、モルヒネ25mg/kgのs.c.注射を1日2回、9日続けた
。2群は、DHE3μg/kg(無痛覚量と同じ)の1日4回4日間、DHE1.
5μg/kg1日3回2日間、次いで1日2回3日間のs.c.注射により、DH
Eに代えた。3群は、メサドン6mg/kg(無痛覚量と同じ)の1日3回4日間、
3mg/kg1日3回2日間、次いで1日2回3日間のs.c.注射により、メサドンに
代えた。
オピオイドの最後の注射16時間後に、各々動物をナロキソン(1mg/kg s.
c.)で促進し、1日のナロキソン禁断症状のひどさを評価した。7日後、これら
のサルにおいて、1日、別のナロキソン促進試験を行った。全試験の完了後、3
匹のサルを無作為にモルヒネ耽溺用に選択した(25mg/kg、s.c.、1日2回7
日間)。ナロキソン促進試験は、この3匹のサルで2回行い、最初の試験はモル
ヒネの最後の注射後に行い、第2の試験はその7日後に行った。
DHEおよびメサドンの活性期間は比較的短いので、幾つかの緩和な禁断症状
が最初の3日間、6時間間隔の注射の間に現れた。この3日後、禁断症状は弱く
なって行き、徐々に消えた。
ナロキソン促進試験は、DHEまたはメサドンによる置換処理の9日後に行っ
た。モルヒネを維持しているサルに関し、ナロキソン注射は一連の禁断症状を1
5秒後に促進した。これらの症状はキーキー鳴くこと、せき、ころがること、震
え、嘔吐、興奮、鎖上の歯軋り、呼吸困難および最後には地上に寝ころぶことを
含んだ。動物は7日後までに回復した。メサドンで置換したサルは、あくび、腹
部に手を置くこと、四肢の震え、鎖上での頻繁な歯軋りおよび興奮を含む緩和な
禁断症状を示した。しかしながら、DHEで置換したこれらの動物は、ナロキソ
ン促進前および後で行動に変化を示さなかった。表3は、異なる3群のサルのナ
ロキソン禁断症状の得点を示す。一度モルヒネが完全に体から排出されれば(禁
断7日後)、ナロキソンは禁断症状をもはや促進しなかった。
ナロキソン促進試験は、これらの動物がモルヒネ依存か、代替オピオイドに依
存となったか否かの評価のために使用した。
図12は、強制禁断と比較して、DHEまたはメサドン置換後のサルにおける
禁断症状の得点の変化を示す。強制禁断群において(上の線)、禁断症状は最初
の数日間で最大に達するが、突然のモルヒネ禁断から7日後にはゼロに戻った。
9日目には、ナロキソンはもはや禁断症状を促進しなかった。メサドン置換群(
真ん中の線)において、最初の数日間の禁断症状は部分的に抑制された。9日目
に、ナロキソンは禁断症状を促進し、動物が既にメサドン依存に移行したことを
示唆する。DHE置換群(下の線)において、僅かな禁断症状のみが観察された
。9日目のナロキソン促進試験は、いかなる禁断症状をも誘発しなかった。これ
らの結果は、DHEが、オピオイド禁断問題の処置のための理想的な低−または
非耽溺代替薬であることを示唆する。
実施例5
急性および慢性疼痛患者においてDHAは有効な低または無耽溺性無痛覚症を
誘発する
第1相臨床試験の結果は、20名のボランティア全員が舌下経路で、60μg
の単一用量でDHE投与後に愉快な感じを持たなかった。高投用量(例えば1日
当たり>1mg)では、めまい、吐き気、嘔吐および昏睡が見られた。第2相臨床
試験の結果は、DHEが手術後の疼痛および癌の末期の疼痛を有効に緩和するこ
とができることを証明した。完全な医学的記録を有する730例の有効率は97
.6%であった。これらの中で、手術、産科および婦人科学の領域の患者におけ
る急性疼痛の有効率は殆ど100%に近付いた。慢性のひどい疼痛および癌末期
疼痛を緩和する有効率は90−95%であった。臨床データは、DHEの無痛覚
効果が、実際に僅かな副作用のみを伴うことを示す。DHE処置は、モルヒネま
たはペシジン(デメロール)処置に反応しないこれらの癌末期患者に有効であっ
た。DHEに対する交差耐性はこれらの患者で見られなかった。DHEの長期使
用は耐性をもたらす;しかしながら、耐性の割合はモルヒネまたはペシジンで見
られるものより少ない。
DHEの臨床処置は、中国で100,000名以上の患者で行われた。鎮痛剤
として、DHEの主な欠点はその短い活性期間(約3−4時間)である。モルヒ
ネと比較して、DHEは高い沈痛効果と低い耽溺性を有するが、一方モルヒネは
相対的に長い沈痛効果と高い耽溺性を有する。DHEを鎮痛剤として使用する長
年の試験の間に、薬物乱用は全く報告されなかった、この現象は、DHE処置の
厳格な制御に帰する。通常の痛みに対する薬物治療期間は典型的には1週間に限
定されている;一方、末期癌疼痛の患者については、処置期間はもっと長い。数
人の患者の数名が長期使用の後DHE耐性となったが、僅かな患者が長期間使用
後に本薬物に耽溺となり得るのは僅かな機会である(例えば>6カ月)。
実施例6
DHE置換処理は麻酔剤耽溺における禁断症状をDHE耽溺を伴うことなく抑
制する
一般的プロトコール:代替薬としてのDHE治療の制度は、禁断症状を完全に
抑制するために、十分な量で1−3日目に開始した。4−7日目には、用量を減
少し、8−10日目までに、DHE代替治療を終了した。このプロトコールは、
(1)禁断症状がヘロインまたは他の耽溺性オピオイドの完全な禁断後の最初の
3日間が最もひどい;(2)禁断症状は徐々に減少し、7−10日後に消滅する
;および(3)DHEの代替剤としての7−10日の連続使用は、自己依存性を
産生しないという理由に従う。
DHE投与:慢性ヘロイン使用者の300以上のケースを、中国の10の病院
で7−10日間DHEで処置した。DHEは錠剤形での舌下(40μg)または
筋肉内注射(20μg)または静脈内点滴(20μg)のいずれかで投与した。錠
剤形を最も頻繁に使用した。禁断症状の始まりにおいて、DHEの1−2個の錠
剤(20−40μg)の舌下投与は、有効に症状を抑制した。禁断症状の持続し
た抑制は、2−4時間毎のDHE反復投薬を必要とした。全投与量は、禁断症状
のひどさによって調整した。典型的には、DHE投薬治療4日後、禁断症状抑制
に必要な用量は一般に減少した。DHE置換の全コースは、一般に7日であった
。(DHEの過投薬の例の場合、呼吸の副作用が発生した。)
禁断症状が非常にひどく、暴力的であってそれを経験するのに舌下投与では十
分でない耽溺者には、DHEの筋肉注射(20μg)が代替救援として行われた
。耽溺者は、一般的に静かに協調的になった。しかしながら、治療効果を維持す
るために、DHEの静脈内点滴投与(6−10時間で500mlグルコース食塩水
中100μg)を必要とした。輸注速度は症状のひどさに依存する:点滴速度は
、患者が不安の徴候を示した場合増加し、患者が静かになり、無気力について不
平を言う場合減少させた。ひどい場合、DHEの静脈内点滴を、投与量を次第に
減少しながら3−4日持続した。4または5日目に、DHEの静脈内点滴を舌下
DHE投与に代え、7日目に終了した。時々、処置は8−9日まで延長したが、
可能性のある依存の発生を防止するために、10日以上になることはなかった。
従っ
て、この最適7−10日処置期間使用することにより、DHEは有効に薬物耽溺
治療の代替薬として使用される。
DHE置換処置の効果は、10日目に、ナロキソン促進試験(0.4−0.8
mgナロキソン、筋肉内注射)およびオピオイドの残量の尿分析により評価した。
処置コースは、両方の試験が陰性の場合、成功と見なした。
DHEのメサドン代替治療以上の主要な利点の一つは、DHE効果の早い発生
である。禁断症状はDHEの舌下投与の10−20分後または筋肉内注射の5分
後に著しく緩和された。対照的に、メサドン代替においては、最初の用量は通常
10mgで開始し、治療効果が得られるまで、毎時間増加する。このような処置は
、症状が緩和される前の1乃至数時間続けることができる。この期間はひどい禁
断症状の患者にとって耐え難い。更に、メサドン代替治療は、禁断症状の反動を
しばしばもたらし、メサドン依存を示唆する。
対照的に、DHE投与の中断は、一般に滑らかに進行した、メサドンによる場
合のように、DHEの副作用は、薬物耽溺に対する代替処理の間無視し得た。D
HEが短い活性(僅か2−4時間)であるため、頻繁な投与が必要であり得る。
これを避けるため、DHEの静脈内点滴が推奨される。しかしながら、静脈内投
与は病院において処方されうるのであって、通常の薬物リハビリテーションクリ
ニックでは適用できない。メサドンは経口で有効であるため(1日1回または2
回)、1つの別法は、DHEとメサドン処置の組み合わせである。例えば、DH
Eを最初に禁断症状の速い制御に使用し、次いで2−3日抑制効果を持続させる
ためにメサドンに切り替える。次いでこの処置を、DHEをもはや必要としなく
なるまで、減少投与量レジメによりDHEに戻す(通常更に5−10日)。この
複合治療は、安全で、実際的で、便利である。
実施例7
以下の合成経路(図15)に従って、ジヒドロエトロフィン塩酸塩を、テバイ
ン[化合物1]を出発物質として製造した。(a)7”−アセチル−6,14−エンド−エテノ−ジヒドロテバイン[化合物 2]の 製造
テバイン(49.8g、0.1mol、化合物1)およびメチルビニルケトン(
150ml)の混合物を、250ml丸底フラスコ中で1時間還流した。過剰のケト
ンを減圧下留去した。温メタノール(60ml)を添加し、濃厚油を溶解した。冷
却下、結晶生成物が産生し、それを濾過し、氷冷メタノールで2−3回洗浄し、
乾燥した。固体(56.6g、収率93%)が得られた、m.p.120−12
2℃。(b)7”−アセチル−6,14−エンド−エタノ−テトラヒドロテバイン[化 合物3]の製造
化合物[2](19.1g、0.05mol)、10%Pd/C(4g)および
無水アルコール(200ml)の混合物を、水素圧40−50kg/cm2下、55−
60℃で、8−12時間攪拌しながら、触媒的に水素化した。触媒を濾取し、濾
液を濃縮した。冷却後、結晶生産物を回収し、無水アルコールで洗浄した。白色
固体(15.7g、収率82%)が得られた、m.p.135−137℃。(c)7”−[1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル−6,14−エンド −エタノ−テトラヒドロテバイン[化合物4]の製造
グリニヤール試薬を、1100ml無水エーテル中のブロモプロパン(127.
9g、1mol)およびマグネシウム(24.3g、1mol)の反応により製造した
。1100mlのベンゼン中の化合物[3](99.7g、0.26mol)を、激
しく攪拌しながら還流下滴下した。反応混合物を更に2時間攪拌および還流した
。飽和塩化アンモニウム溶液を混合物中に注ぎ、有期層を分離した。水性相をエ
ーテルで数回抽出した。合わせたエーテル抽出液を洗浄液が中性になるまで水で
洗った。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗生
産物を無水アルコールから再結晶した。白色固体(75−79g、収率67−7
1%)が得られた、m.p.184−186℃。(d)7”−[1−(R)−ヒドロキシ−1−メチルブチル]−6,14−エン ド−エタノ−テトラヒドロオリパビン[化合物5]の製造
化合物[4](85.5g、0.2mol)、ジエチレングリコール(1700m
l)およ
び水酸化カリウム(616g)の混合物を、四首フラスコに入れた。低沸点物質
を窒素流中で留去した後、反応混合物を内部温度200−210℃で加熱し、1
4−16時間攪拌した。得られた混合物を10lの水に注ぎ、それを溶解した。
固体が完全に分離するまで、好適な量の塩化アンモニウムを添加した。固体を濾
過し、水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、乾燥し、無水エーテルで抽出した。
エーテルを留去した後、粗生産物をメタノールから再結晶した。純粋な化合物(
54−58g、収率66−70%)が得られた、m.p.204−206℃。
化学およびスペクトル分析:C25H35NO4
計算値:% C 72.63 H 8.53 N 3.38
実測値:% C 72.40 H 8.65 N 3.22
M+:413
(e)ジヒドロエトロフィン塩酸塩[化合物6]の製造
遊離塩基[5](14g、0.034mol)を無水アルコール(400ml)お
よび無水エーテル(640ml)の混合溶媒に溶解した。乾燥塩化水素飽和エーテ
ルを、溶液が酸性(pH=2)になるまで、滴下した。無水エーテル200mlを
添加後、結晶固体が形成した。白色固体を回収し、無水エーテルで洗浄し、乾燥
した。所望の最終生産物(14−14.5g、収率92−94%)が得られた、
m.p.297−298℃、[α]10−65。
化学およびスペクトル分析:C25H35NO4・HCl
計算値:% C 66.72 H 8.06 N 3.11
実測値:% C 66.70 H 8.15 N 3.09
実施例8
種々のジヒドロエトロフィン(DHE)塩の製造およびそれらの鎮痛効果の持
続期間および効力の分析
合計26種のジヒドロエトロフィン(DHE)塩が、下記列記の種々の酸がH
Clで置換されている以外、実施例7の工程(e)に従って製造された。
I.ジヒドロエトロフィン塩誘導体を形成するのに使用された26種の酸の構造
先に記載された(ハングおよびキン、1982)ような“マウス・ホット・プ
レート”(55℃±0.5℃)法を、無痛覚%を測定するのに使用し、動物に皮
下的に注射されたそれぞれのDHE塩の有効性を測定した。ED50(以下の式に
従って計算された50%無痛覚を起こす値)は、表4に示すDHE塩で測定した
。
ED50の用量は、対応する鎮痛期間の測定に、各々の塩で使用した。“無痛覚
%”は、投与後90、120及び150分で測定した(表5)。
要約において、0.50から2.0の範囲のED50(μg/kg)は、12種の
試験したDHE塩で観察され、これらの塩で同等なレベルの鎮痛覚効果が与えら
れることを示唆した(表4に示すデータ参照)。更に、アセチルDHE、DHE
マレイン酸塩およびDHEアミグダリン酸塩以外、全てのDHE塩は120−1
50分の期間で同等レベルの無痛覚を示した。
実施例9
ジヒドロエトルフィン塩酸塩の薬物製剤は、注射可能滅菌溶液および舌下錠剤
を含む。
(a)注射可能ジヒドロエトロフィン塩酸塩の製造
この注射可能物は、滅菌水性溶液中の薬物製剤である。その外観は透明で無色
である。各々のアンプルは1mlの溶液中20μgの上記化合物を活性成分として
含む。
処方は以下の通りである:
ジヒドロエトロフィン塩酸塩 20mg
0.01N 塩酸塩 1000mlまで
(b)ジヒドロエトロフィン塩酸塩舌下錠の製造
舌下錠の外観は白色である。各々の錠剤は20μgまたは40μgの上記化合物
を活性成分として含む。
例えば、1錠当たり40μgの10000錠剤の処方は以下の通りである:
ジヒドロエトロフィン塩酸塩 400mg
ラクトース:澱粉:マンニトール:シュークロース(3:1:3:3) 600g
カルボキシメチルセルロースナトリウム(1%水性溶液) 18ml
エチルアルコール(50%) 24ml
ステアリン酸マグネシウム 6g
上記の処方に従って、ジヒドロエトロフィン塩酸塩の指示された量を秤量し、
50%エチルアルコール中に溶解した。本溶液を、均一性を増加させるために機
械的に攪拌しながら賦形剤へ滴下した。その間に、1%カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム溶液を滴下した。このようにして形成された柔らかい材料を20
メッシュふるいを通してふるい分けし、同様の操作を3回繰り返した。次いで、
生産物を60℃のオーブンで乾燥させた。ステアリン酸マグネシウムを錠剤に潤
滑剤として添加した。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(31)優先権主張番号 088,503
(32)優先日 1993年7月7日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP
(71)出願人 クライン、スタンレイ・エム
アメリカ合衆国07605 ニュー・ジャージ
ィ、レオニア、リンデン・テラス 10番
(71)出願人 マオ、ファン
中華人民共和国100850 ベイジン、タイピ
ング・ロード 27番、アカデミィ・オブ・
ミリタリィ・メディカル・サイエンシズ
(71)出願人 ウォン、チャン・イ
アメリカ合衆国11021 ニューヨーク、グ
レート・ネック、ヒルパーク・アベニュー
159番
(72)発明者 キン、ボーイ
中華人民共和国100850 ベイジン、タイピ
ング・ロード 27番、アカデミィ・オブ・
ミリタリィ・メディカル・サイエンシズ
(72)発明者 シェン、ケーフェイ
アメリカ合衆国11355 ニューヨーク、フ
ラッシング、サンフォード・アベニュー
144―30番
(72)発明者 ゴン、キオン−ジ
中華人民共和国100850 ベイジン、タイピ
ング・ロード 27番、アカデミィ・オブ・
ミリタリィ・メディカル・サイエンシズ
(72)発明者 クライン、スタンレイ・エム
アメリカ合衆国07605 ニュー・ジャージ
ィ、レオニア、リンデン・テラス 10番
(72)発明者 マオ、ファン
中華人民共和国100850 ベイジン、タイピ
ング・ロード 27番、アカデミィ・オブ・
ミリタリィ・メディカル・サイエンシズ
(72)発明者 ウォン、チャン・イ
アメリカ合衆国11021 ニューヨーク、グ
レート・ネック、ヒルパーク・アベニュー
159番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.その化合物が約フェムトモル(fM)から約マイクロモル(μM)まで及 ぶ濃度で存在する場合、オピオイドレセプター伝達作用に対し抑制効果を喚起す ることができて該作用に対し、興奮効果を喚起することができない化合物を確認 することを含む、低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤を確認するためのインビ トロスクリーニング方法。 2.該化合物が、細胞培養スクリーニングアッセイにおいて、コントロール条 件に対応する該化合物により惹起される知覚ニューロンの活性保有期間(APD )を記録すること;該化合物を約fMないし約μMの濃度範囲でアッセイすると 、該APDを短縮し、そして該コントロール条件からAPDに対応する該APD を延長しない化合物を選択すること及びそれにより該低又は非たんでき性鎮痛剤 を確認することにより確認される、請求項1の方法。 3.該細胞培養スクリーニングアッセイが、後根神経節(DRG)ニューロン を該化合物に爆露すること、細胞内脱分極流を該DRGニューロンに適用するこ と、及び該APDを記録することを含む、請求項2の方法。 4.該化合物が約フェムトモルfMから約μMに及ぶ濃度で存在する場合、オ ピオイドレセプター伝達作用に対し、抑制効果を喚起することがてきて、該作用 に対し興奮効果を喚起することができない非たんでき性オピオイド鎮痛剤。 5.該鎮痛剤がエトロフィン、ジヒドロエトロフィン又はオーメフェンタニル である、請求項4の鎮痛剤。 6.請求項1の方法により生成される非たんでき性オピオイド鎮痛剤。 7.請求項4ないし6のいずれか一つの非たんでき性オピオイド鎮痛剤の有効 量を、該オピオイドたんできの禁断症状を緩和又は抑制するのに十分な第一の時 間、患者に投与すること、次いで減少する量の該鎮痛剤を該鎮痛剤から該患者を 引き離すのに十分な第二の時間、投与することを含むオピオイドたんできを処置 する方法。 8.該鎮痛剤がエトロフィン、ジヒドロエトロフィン又はオーメフェンタニル である、請求項7の方法。 9.該量が1日当り約10μgから約1,000μgまでである、請求項7又は 8の方法。 10.該第一の時間が約1から約5日までであり、該第二の時間が約1から約 7日までであり、そして該第一の時間と該第二の時間の合計が約2から12日ま でである、請求項7、8又は9の方法。 11.約40ないし約500μgのジヒドロエトロフィンを患者に約1ないし 約3日間投与すること、減少する量のジヒドロエトロフィンを続く約4ないし7 日間投与すること、及び該ジヒドロエトロフィンの最初の投与後、約10日まで それ以上ジヒドロエトロフィンを与えないことを含む、オピオイドたんできの処 置方法。 12.有効量の非たんでき性オピオイド鎮痛剤を、該オピオイドたんできによ る禁断症状の即時緩和又は抑制のために十分な第一の時間、患者に投与すること 、有効量の返還オピオイドを該緩和又は該抑制を維持するのに十分な第二の時間 投与すること、次いで減少する量の該非たんでき性オピオイド鎮痛剤を該鎮痛剤 を該患者から引き離すのに十分な第三の時間投与することを含む、オピオイドた んできを処置する方法。 13.該非たんでき性オピオイド鎮痛剤の該第一投与と該置換オピオイドの該 投与を同時に行う、請求項12の方法。 14.該鎮痛剤がエトロフィン、ジヒドロエトロフィン又はオーメフェンタニ ルである、請求項12又は13の方法。 15.該鎮痛剤の該量が1日当り約10μgないし約1,000μgである、請 求項14の方法。 16.該返還オピオイドがメサドンである、請求項12又は13の方法。 17.該置換オピオイドの該量が約5から約100mg/日までである、請求項 16の方法。 18.該第一の時間が約1から約3日までであり、該第二の時間が約1から約 3日までであり、該第三の時間が約1から約8日までであり、そして該第一、第 二及び第三の時間の合計が約3から約14日までである、請求項13の方法。 19.該第一と第二の時間が約2から約6日までの単一期間であり、そして該 期間と第三の時間の合計が約3から約14日までである、請求項13の方法。 20.該非たんでき性オピオイド又は該返還オピオイドの該投与のいずれもが 舌下、筋肉内又は非経口的である、請求項12ないし19のいずれか一つの方法 。 21.有効量のジヒドロエトロフィンを、たんできないしに又は低たんできで 疼痛を緩和又は抑制するのに十分な時間投与することを含む、急性又は慢性疼痛 を処置する方法であって、該量は約10μgないし約1,000μgである。 22.急性疼痛のための該量が3ないし4時間毎に舌下投与される約20ない し約60μgである、請求項21の方法。 23.慢性疼痛のための該量が3ないし4時間毎に舌下投与される約20ない し約100μgである、請求項21の方法。 24.慢性疼痛のための該量が3ないし4時間毎に舌下投与される約10ない し約30μgである、請求項21の方法。 25.慢性疼痛のための該量が3ないし4時間毎に舌下投与される約10ない し約50μgである、請求項21の方法。 26.有効量の低又は非たんでき性オピオイド鎮痛剤と有効量の返還オピオイ ドを、たんできなしに又は低たんできで疼痛を緩和、抑制又は軽減するのに十分 な時間、共同に投与することを含む、急性又は慢性疼痛を処置する方法。 27.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィン、エトロフィン、オーメフェンタニル 又はその製薬上許容されうる塩である、請求項26の方法。 28.該鎮痛剤の該量が約10μgないし約1,000μgである、請求項26 の方法。 29.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィンであり、そして急性疼痛のための該鎮 痛剤の該量が舌下投与される約20ないし約60μgである、請求項27の方法 。 30.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィンであり、そして急性疼痛のための該鎮 痛剤の該量が舌下投与される約20ないし約100μgである、請求項27の方 法。 31.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィンであり、そして急性疼痛のための該鎮 痛剤の該量が筋肉内投与される約10ないし約30μgである、請求項27の方 法。 32.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィンであり、そして急性疼痛のための該鎮 痛剤の該量が筋肉内投与される約10ないし約50μgである、請求項27の方 法。 33.該返還オピオイドがモルヒネ、メサドン又はフェンタニルである、請求 項26の方法。 34.該返還オピオイドの該量が1日当り約5mgないし約100mgである、請 求項33の方法。 35.該返還オピオイドがモルヒネであり、該鎮痛剤がジヒドロエトロフィン 又はその製薬上許容されうる塩である、請求項26の方法。 36.低又は非たんでき性オピオイド又はその製薬上許容されうる塩を製薬上 許容されうる担体との混合物で含有する医薬組成物。 37.さらに返還オピオイドを含有する、請求項36の医薬組成物。 38.さらにナロキソンを含有する、請求項36の医薬組成物。 39.該非たんでき性オピオイドがジヒドロエトロフィン、エトロフィン、オ ーメフェンタニル又はその同族体である、請求項36ないし38のいずれか一つ の組成物。 40.該非たんでき性オピオイドがジヒドロエトロフィン塩酸塩である、請求 項36ないし39のいずれか一つの組成物。 41.該組成物が舌下錠用の投与量形で約20μgないし約40μgの該ジヒド ロエトロフィン塩酸塩を含有する、請求項40の医薬組成物。 42.該組成物が注射しうる投与量形で約20μgないし約100μgの該ジヒ ドロエトロフィン塩酸塩を該する、請求項40の医薬組成物。 43.該鎮痛剤の該量が1日当り約10μgから約1,000μgまでである、 請求項37又は38の医薬組成物。 44.該返還オピオイドがメサドン、モルヒネ、フェンタニル又はブプレモル ヒネである、請求項37の医薬組成物。 45.該返還オピオイドの該量が1日当り、約5mgから約100mgである、請 求項37又は44の医薬組成物。 46.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィン又はその製薬上許容されうる塩であり 、該返還オピオイドがメサドンである、請求項37の医薬組成物。 47.該鎮痛剤がジヒドロエトロフィン又はその製薬上許容されうる塩であり 、該返還オピオイドがモルヒネである、請求項37の医薬組成物。 48.テバインと過剰のメチルビニルケトンを第一生成物を生成するのに十分 な時間及び条件下に反応させて該第一生成物を回収すること;該第一生成物を接 触水素化に付して第二生成物生成させ、該第二生成物を回収すること;該第二生 成物を式RMgX(式中、Rは低級アルキル基であり、Xはハロゲンである)の グリニヤール試薬と第三生成物を生成する時間及び条件下に反応させて該第三生 成物を回収すること;該第三生成物を強塩基と無水溶液中、ジヒドロエトロフィ ン又はその同族体を生成するのに十分な時間及び条件下に反応させることを含む 、ジヒドロエトロフィン及びその同族体の製造方法。 49.Rがn−プロピルまたはiso−アミルである、請求項48の方法。 50.該ジヒドロエトロフィン又は該同族体を酸と反応させて対応する塩を形 成させること及び該塩を回収することを含む、請求項48の方法。 51.過剰のメチルビニルケトンとテバインを、第一生成物を生成する時間及 び条件下に反応させて該第一生成物を回収すること;該第一生成物を式RMgX (式中、Rは低級アルキルであり、Xはハロゲン基である)のグリニヤール試薬 と第二生成物を生成する時間及び条件下に反応させて該第二生成物を回収するこ と;該第二生成物を強塩基と無水溶液中、エトロフィン又はその同族体を生成す る時間及び条件下に反応させることを含む、エトロフィン又はその同族体の製造 方法。 52.Rがn−プロピル、n−ブチル、n−アミル、iso−アミル又はシクロ ヘキシルである、請求項51の方法。 53.該エトロフィン又は該同族体を酸と反応させて対応する塩を形成させる こと及び強塩を回収することを含む、請求項51の方法。
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Family Applications (1)
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