【発明の詳細な説明】
紙原料懸濁液からの粘着性物質の付着を制御する方法
発明の分野
本発明は、紙の製造の際に、紙原料(材料)懸濁液からの粘着性不純物の沈殿
を制御(コントロール)する方法に関する。
従来技術
2世紀において紙が発明されたときでさえも、廃棄物質(waste)を使用する
こと、即ち、少なくとも部分的にリサイクルする技術は、ある一定の役割をなし
ていた。今日においては、生態学的認識が増大したため、リサイクル技術がかな
り重要であるとされている。従って、紙の製造が増加しつつある観点から、原料
物質を供給することおよび無駄を避けることが、ますます重要とされるようにな
っている。
故紙(wastepaper)のリサイクルからの二次繊維材料(secondary fiber stoc
k)を使用することによって、原料物質、廃棄−処理空間および製紙に必要とさ
れるエネルギーに関する節約を今日では行うことができる。残念ながら、この技
術は特定の問題を依然として含んでいる。
従って、故紙の処理において、粘着性物質(stickies)として通常知られる粘
着性不純物(sticky impurities)は、製造プロセスに重大な障害をもたらし、
製造される紙の品質に悪影響を与えることがある。使用される故紙が粘着性の接
着剤結合部、接着テープまたは仕上げ加工された製品、例えば、コートされたま
たはラミネートされた紙ならびに板紙(paperboard)などを含む場合、粘着性物
質が製紙プロセスの中に入り込む。更に、木材中の樹脂(resin)によってなら
びにその樹脂と製紙用助剤との相互作用によって、粘着性不純物が生成すること
もある。
粘着性物質が堅く締まった形態(コンパクトな形態)で存在する場合は、それ
らを仕分け装置(sorting machine)によって機械的に、比較的容易に除去する
ことができる。しかしながら、一般に、粘着性物質は堅く締まった形態で存在し
ていないだけでなく、パルプ材料の中に分散された形態で存在しており、粘着性
物質をこの形態で除去することは非常に困難である。そこで、近年、紙の製造の
際における故紙の使用が増大し、水循環(water circuit)の制限が高まった結
果、循環水中の粘着性物質の含有率がますます高くなっている。
粘着性物質は、紙の製造時においてのみでなく、紙の処理時においても種々の
問題および障害を引き起こす。それらの粘着性のために、機械部品、チューブ壁
、篩(sieve)、湿式フェルト(wet felt)、乾式フェルト、乾燥シリンダー、
平滑ローラ、カレンダー・ローラの上、更に、紙自体の上に付着物が生じて、抄
紙機(papermaking machine(Papiermaschine))においてウェブの破断(tear
)が発生したり、孔、しみおよびきずによる紙の品質の低下が生じたりする(ハ
ー・エル・バウムガルテン(H.L. Baumgarten)、ダス・パピアー(Das Papier
)、1984年、第38巻、第10A号、第V121〜V125頁)。ハー・エ
ル・バウムガルテンによれば、産業的なおよび公的な文献において、粘着性物質
は何年もの間、故紙をリサイクルする上での最も大きな問題であった。粘着性物
質が極微量であっても、抄紙機および印刷機において破断を生じ得るので、清掃
処理(cleaning process)のために機械を停止させなければならない。バウムガ
ルテンは、『抄紙機の肝心の部位に2gの粘着性物質が存在すると、数百kgもの
紙を反故にしてしまうことがある。』(前記文献、第V122頁、右側欄を参照
)と述べている。
粘着性物質は種々の起源を有する。それらは、本質的には、木材中の樹脂から
、紙の製造の際に関連する助剤から、紙および板紙の被覆用のバインダーから、
紙の処理のための接着剤から、印刷インクバインダーから、ならびに紙の処理に
関連する物質から生じる。木材中の樹脂からの、および紙の処理に用いられる接
着剤から生じる粘着性物質は、本発明が解決しようとする課題との関係で、特に
重要である。
ケミカル木材パルプ(chemical wood pulp)および砕木パルプ(mechanical w
oodpulp)は、木材の種類にもよるが、約1〜5重量%のいわゆる有害な樹脂を
含有している。これらの樹脂は、コロイド状の結合していない形態で存在するこ
ともあるし、紙繊維に付着していることもある。ヨット・ヴァイクル(J. Weigl
)らによれば、紙の製造および処理の際に樹脂付着物によって生じる問題は、種
々の
理由から、近年着実に増加している(ヨット・ヴァイクルら、ダス・パピアー、
1986年、第V52〜V62頁、より詳細には第V53頁、左側欄)。
紙の処理において使用される接着剤は、3つの群、即ち:感圧接着剤(触圧接
着剤)、分散液系接着剤およびホットメルト接着剤に分類することができる。
感圧接着剤は持続的な粘着性を有し、持続的に接着可能な物質である。接着は
、結合すべき部分の表面に圧力を加えることによって達成される。主成分のポリ
マーは、種々の重要な化学物質のいずれかを、対応する添加剤、例えば、粘着性
付与樹脂(tackfying resin)、可塑剤または抗酸化剤などと組み合わせたもの
であってよい。典型的な主成分ポリマーは、中でも、天然ゴム、ブチルゴム、ス
チレン/ブタジエンコポリマー(SBRゴム)、アクリロニトリルコポリマー、
ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、アクリレート、ポ
リエステル、ポリウレタン、シリコーンである。
分散液系接着剤において、接着剤層の構成に関連するポリマーは、水性分散媒
体中に固体粒子として存在している。製造方法においては、主成分のモノマーが
最初に水相にて乳化され、続いてその中で重合される(乳化重合として知られる
技術)。すると、ポリマーは、分子レベルの分散物から粗い分散物までにわたり
得る種々の粒子寸法を有する小さな粒子の形態で存在する。一般に、ポリマー粒
子の凝集、従って沈殿は、系に保護コロイドまたは乳化剤を加えることによって
防止することができる。
いわゆるホットメルト接着剤は、ホットメルト(hotmelt)としても知られて
おり、熱可塑性樹脂の群に属する。これらの物質は、加熱により軟化する性質を
有しており、従って流体になる。これらは冷却により、再度固化する。ホットメ
ルト接着剤として使用されるポリマーの例には、ポリアミド、コポリアミド、ポ
リアミノアミン、飽和ポリエステルおよびエチレン/酢酸ビニルコポリマーが含
まれる。
粘着性物質は、一次粘着性物質と二次粘着性物質とに分類される。一次粘着性
物質は、湿式微細化(wet size reduction、湿式粉砕)の際に、耐性が高いため
に分散されない粘着性の不純物である。従って、これらは堅く締まった形態で存
在
し、容易に除去することができる。
二次粘着性物質の存在は、故紙のリサイクルの間に、粘着性不純物が、熱的、
化学的および機械的作用によってもたらされる粒子寸法の変化を起こすというこ
とによって発生する。このことは、リサイクルの初めに未だ極度に粗い形態で存
在している不純物であっても、リサイクルプロセスにおいて多かれ少なかれかな
りの寸法減少を起こし得るということを意味する。特に、粘着性物質は、故紙の
リサイクルにおいて使用される加熱混練機(hot kneading machine)において行
われる処理によって分散される。例えば、低い融点を有する粘着性物質は液化さ
れ、続いて非常に微細に分散される。砕け易いまたは脆い粘着性物質も非常に小
さな粒子に分解される。分散された粘着性物質の粒子寸法は、このように、粗い
分散物からコロイド状の分散物を経て分子レベルの分散物までにわたる。
換言すれば、多くの粘着性物質が容易に分散され得るために、破砕工程(brea
king step)の後ではそれらは微細に分割された形態で存在しており、仕分け工
程では採取されない。これらの物質は、熱的、機械的または化学的作用下の抄紙
機の中で、二次粘着性物質としても知られている凝集物を形成するおそれがある
。その後の紙の処理において問題を生じるのは、まさにこの二次粘着性物質であ
る。例えば、それらは、紙ウェブによって移送され、抄紙機の中を通って、種々
の部位、特に、プレス・フェルト(press felt)、乾式篩(dry sieve)、乾燥
シリンダー、平滑ローラに到達し、そこで望ましくない付着物を生じる。更に、
それらは、紙自体の中にももちろん存在し、従ってその品質に悪影響を及ぼす。
従って、粒子の凝集を促進するいずれのパラメーターも、基本的に、二次粘着
性物質を生成させるおそれをもたらすということが、以上の概説の状況から明ら
かである。この点に関して、pH値および特定の製紙用助剤の存在が、2つの非
常に重要なパラメーターであると言われている。以下、更に説明する:
互いに接触するかまたは非常に狭い間隙で互いに離れている小さな固体粒子は
、分子間力、いわゆるファンデルワールス力によって互いに引き寄せ合う。しか
しながら、粒子は、同じ電荷を帯びている粒子相互の反発の原因である電気二重
層によって取り囲まれているので、凝集を促進するファンデルワールス力は、ア
ル
カリ性媒体中、即ち、故紙のリサイクルに典型的な媒体中では一般に発現しない
。対照的に、抄紙機は、通常、中性ないし弱酸性の媒体中で操作されるので、反
発する負の力は低下する。
故紙を使用して調製された紙原料懸濁液の水切れ性(drainability)は、一般
に低い。従って、実際には、水切り助剤(drainage aid)または保持助剤(rete
ntion aid)として知られる助剤がしばしば使用される。保持助剤は、微細な繊
維および充填剤を長い紙原料繊維(長繊維、long fibers)に結合させる物質で
あると当業者に理解されている。短繊維および充填剤の長繊維へのこの結合によ
り、紙原料懸濁液の水切りを困難にする1種のフリース(fleece、ふわふわした
もの)を微細な繊維が生成することが防止される。このようにして、保持助剤は
、微細な繊維を長繊維に結合させることによって、水切れ性を向上させる。
保持助剤は、3つの群、即ち:無機物質、例えば、硫酸アルミニウムまたはア
ルミン酸ナトリウムなど;合成物質、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアミン
またはポリアクリルアミドなど;ならびに変性された天然物質、例えば陽性デン
プン(cationic starch)などに分類される。
保持助剤が作用する方法は、微細繊維および充填剤を紙の繊維に結合させるこ
とに基づいている。この点に関して重要なメカニズムは、適当な鎖長の高分子電
解質が2つの粒子の間隙に橋架けすることができることであって、このようにし
て凝集物の形成が促進される。そこで、ヨット・エル・ヘメス(J. L. Hemmes)
らは、カチオン性高分子電解質、例えば陽性デンプンなどがアニオン系不純物の
脱除剤(scavenger、掃去剤)として適しているということを報告している(ヴ
ォ
pierfabrikation)、1993年、第163〜170頁)。
要約すると、一般的な当業者の知識の現在の状態によれば、一方で中性ないし
酸性媒体が、他方で水切れ性および保持性を改善するためにカチオン性助剤を使
用することが、粒子の凝集を促進する条件を表すと言うことができる。これまで
に述べた粘着性物質の問題に関して、このことは、それらの条件を粘着性物質の
生成に好適であると当業者が論理的に考えるということを意味する。
粘着性物質の制御においてもう1つの重要な役割を果たすのは温度である。そ
の理由は、多くの接着剤が、温度と共に粘着性が増大する熱可塑性樹脂(ホット
メルト)に属するからである。
更に、紙の製造および処理についての粘着性不純物の望ましくない特性の発現
は、いろいろな点でまだよく知られていない種々のパラメーターに依存するとい
うことが指摘されている(ハー・エル・バウムガルテン、前記文献、第V122
頁、左側欄を参照)。通常は害にならない不純物が、製造プロセスの間に機械的
、化学的および熱的影響が協働することによって、粘着性不純物に変化すること
がある(ベー・ブラッツカ(B. Brattka)、ヴォッヘンブラット・フュア・パピ
アーファブリカツィオーン、1990年、第310〜313頁)。
紙を製造するプロセスにとっての粘着性不純物のマイナスの特性の発現を防止
しようとする方法には種々のものが知られている。これに関して、助剤によって
粘着性物質の付着(沈殿)を抑制し、粘着性によって引き起こされる問題を技術
的に許容されるレベルまで低減する処理方法が、当業者の中では特に重要とされ
ている。この処理方法に基づく方法を、以下、SDC(スティッキーズ・デポジ
ション・コントロール(stickies deposition control))法と称する。
米国特許第4,923,566号には、尿素により粘着性物質を制御する方法が
記載されている。
米国特許第3,081,219号の教示によれば、木材の亜硫酸パルプ化におけ
る粘着性物質の制御を、N−ビニル−2−ピロリドンによって行っている。
ベントナイト、珪藻土などを添加することによって粘着性物質を制御すること
も試みられている。このよく知られている処理方法は、表面に粘着性物質を結合
することができる微粒子を導入するという考えに基づいている(米国特許第3,
081,219号、第1欄、第40〜44行参照)。もう1つの方法は、金属イ
オン封鎖剤、例えばポリリン酸塩などを添加することに基づいている(米国特許
第3,081,219号、第1欄、第45〜50行参照)。最後に、種々の分散剤
、例えば、スルホン化ホルムアルデヒド/ナフタレン縮合物のナトリウム塩など
を使用することも試みられているが、これは中性のpH値において問題を生じ、
カ
チオン性助剤との好ましくない相互作用を生じる(米国特許第3,081,219
号、第1欄、第51〜58行参照)。
米国特許第4,744,865号には、メトキシ基を含むポリマーによって粘着
性不純物の凝集が減少すると言われているSDC法が記載されている。
米国特許第4,871,424号は、ヒドロキシル基を含むポリマーを用いるS
DC法に関する。しかしながら、明らかに開示されたポリマーは、セルロース誘
導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、ならびに加水分解また
は部分加水分解によってポリ酢酸ビニルから得られるポリビニルアルコールだけ
である。
最後に、ジー・ガーランド(G. Galland)およびエフ・ジュリエン・セイント
・アマンド(F. Julien Saint Amand)によれば、一次アクリレート粘着性物質
は、石鹸の存在下、アルカリ性媒体中でフローテーションにより除去することが
できる(EUR. Comm. Communities14011、1992年、第235〜243頁
)。しかしながら、その性質のために、この処理方法は、二次粘着性物質の問題
を解決するためには何も寄与することができない。
発明の説明
全体として、この分野における従来技術は極めて雑多であって、粘着性物質を
制御するための十分に満足できる方法を依然として開発する必要がある。ハー・
エル・バウムガルテンの所見:
「故紙における“粘着性不純物”の問題を観察すると、・・・故紙リサイクル・
プラントの製造業者のみでなく、特に、−ほとんどがポリマーを含有する−紙精
製および紙処理助剤の製造業者ならびに原料物質の供給者としての化学産業は、
製紙産業に対して密接なサポート(support)を提供する責任を有する。(ダス
・パピアー、1984年、第10A号、第V124頁)」
は、今日でも適切である。従って、紙の製造の際における粘着性物質の制御の問
題に対する新しい代替方法となり得る解決手段が常に求められている。
従って、本発明が解決しようとする課題は、紙の製造の際に粘着性不純物の付
着を制御し、既知の方法の問題を防止する方法を提供することである。この方法
は、いろいろな種類の粘着性不純物に対して、一般的に適用することができ、特
に、感圧接着剤、分散液系接着剤およびホットメルト接着剤(ホットメルト)に
適用し得るものである。更に、この方法において使用する助剤は、生物学的に安
全である必要があり、従って、今日、紙処理産業において重要性がますます増大
しつつある生態学的要求を満足する必要がある。最後に、本発明が解決しようと
する課題は、特に、二次粘着性物質によって引き起こされる問題を含むものであ
る。
本発明によれば、有効量の天然デンプン(本来のデンプン)を紙原料懸濁液に
添加する、紙の製造の際に紙原料(紙パルプ)懸濁液からの粘着性不純物(粘着
性物質)の付着を制御する方法によって、上述のような問題が解決された。
従って、本発明は、紙の製造の際に紙原料懸濁液からの粘着性不純物(粘着性
物質)の付着を制御する方法に関するものであって、有効量の天然デンプンを紙
原料懸濁液に添加することを特徴としている。
本発明の方法は、いろいろな種類の粘着性物質に一般に適用することができる
。しかしながら、特に、感圧接着剤、分散液系接着剤およびホットメルト接着剤
(ホットメルト)によって生じる問題を解決するために最も適している。
1つの好ましい態様において、本発明の方法は、故紙からまたは故紙成分を含
む紙製品から製造された紙原料懸濁液に適用される。
天然デンプン(amylum)は、そのグルコース単位にα−グリコシド結合が付い
ており、直鎖のアミロースおよび分枝鎖のアミロペクチンからなっている天然産
の多糖類であると当業者に理解されている。従って、化学的に変性されたデンプ
ンは、この定義の範囲内には含まれない、即ち、分解デンプンおよび誘導体化デ
ンプンは天然デンプンとしてみなされない。
基本的に、本発明において使用する天然デンプンの種類は特に限定されない。
例えば、ジャガイモデンプン、コーンスターチ(トウモロコシデンプン)、コメ
デンプンまたはカンナデンプン(canna starch)などを使用することができる。
ジャガイモデンプンが特に好ましい。
更に、この方法をセルロース誘導体の存在下で更に実施することによって、本
発明において使用するのに適する天然デンプンの作用を向上し得ることが判った
。特に好ましいセルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース、メチルヒド
ロキシプロピルセルロースおよびこれらの混合物である。
本発明は、紙の製造の際に紙原料懸濁液からの粘着性不純物(粘着性物質)の
付着を制御するために天然デンプンを使用することにも関する。
原則として、本発明の方法は、いろいろな種類の、即ち、その化学的および物
理化学的性質の異なる粘着性物質の付着および粘着性を制御するのに適している
。しかし、本発明の方法の有利な点は、特に感圧接着剤およびホットメルト接着
剤(ホットメルト)系の粘着性物質に適用できることである。
原則として、本発明の天然デンプンは、製紙工程全体の任意の部分で添加する
ことができる。これらは、固体粒子または水溶液もしくは分散液のいずれかの形
態で添加される。必要とされる天然デンプンの特定の有効量は、処理すべき故紙
または故紙成分を含む紙製品が粘着性不純物を含有する程度に依存する。しかし
ながら、一般に、本発明の天然デンプンは、パルプ原料を基準として、0.00
1〜5.0重量%の量、好ましくは0.1〜1.0重量%の量で使用される。
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものでな
い。
実施例
1.使用する物質および材料
1.1.ポリマー
a)MHPC:メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC50、アクアロ
ン(Aqualon)の製品)
b)NPS:天然ジャガイモデンプン(フィスカリン(Viscalin)95、ヘンケ
ル社(Henkel KGaA))の製品
1.2.感圧接着剤
a)スチレン/ブタジエン
b)ビニルエステル
c)アクリレート
2.変性試験
2.1.方法の原理
適用した変性試験は、米国特許第4,886,575号および上記引用したベー
・ブラッツカによる文献(引用文献の第311頁)から、当業者に原則的に知ら
れている。この試験では、試験すべき物質を含有する水溶液中に、選択された接
着テープを浸漬する。続いて、テープを一定の条件下で互いに付着させて、残存
している接着力を万能材料試験機にて測定する。
2.2.試験手順の詳細
種々のポリマーの溶液を200mlの量で調製し、200mlのガラスビーカ
ーに入れた。続いて、種々の接着テープを溶液中に正確に30秒間浸漬した。次
に、23±1℃の温度にてテープを4時間乾燥した。それから、同じように処理
した2つのテープを互いに付着させた。適用した圧力は、プレスによって、1N
/mm2の一定値に調節した。2つの剥離紙を挿入することによって一端を離して
おいた接着テープを、(ドイツ工業規格(DIN)53282による「アングル
・ピール・テスト(Angle Peel Test)」と同様に)ユニバーサル試験機内でク
ランプし、250mm/分の割合で互いに引き剥がした。ポリマーの選択した濃度
に応じて測定した剥離力(peel force)を、以下の表に示している。剥離力は、
粘着性物質の形成に与える制御された影響を及ぼす特定のポリマーの能力を示す
ものであると考えることができる:測定される力が弱い程、テープが相互にくっ
つくこと、従って、(究極的に粘着性物質の問題の原因である)接着剤粒子が凝
集することをポリマーがより有効に防止する。表に示す値は、5回の測定の平均
値を示している。
比較例1
実施例1
2.3.結果の検討
上記の表から、(従来技術からの天然ポリマーに構造的に近い)MHPCによ
るよりも、本発明の天然デンプンによる方が、より良好な結果が得られるという
ことが明らかである。
本発明の生成物によって得られる利点は、程度に関して予見し得なかったもの
であり、デンプンがセルロースとはまったく異なる挙動をすることが明らかにな
っている。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 カープス、ディーター
ドイツ連邦共和国 デー―51375 レーヴ
ァークーゼン、ジュルダーシュトラアセ
15番