JPH08509129A - 化学的プロセスと酵素的プロセスのための逆連鎖オリゴヌクレオチド - Google Patents

化学的プロセスと酵素的プロセスのための逆連鎖オリゴヌクレオチド

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JPH08509129A JP6523534A JP52353494A JPH08509129A JP H08509129 A JPH08509129 A JP H08509129A JP 6523534 A JP6523534 A JP 6523534A JP 52353494 A JP52353494 A JP 52353494A JP H08509129 A JPH08509129 A JP H08509129A
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ジェイ コーシン、ピーター
ディー コンラッド、ケネス
ビー ランパル、ジャン
エム クック、ロナルド
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Abstract

(57)【要約】 ここには、特に、酵素プロセスで有用な逆連鎖オリゴヌクレオチド(『ILO』)が開示されている。特に好ましいILOは、どちらか一方または最も好ましくは両方の末端からの酵素延長を受け入れる。特に好ましい実施態様では、ILOのそれぞれの末端は、酵素的に機能的な3’基を有している。したがって、適当な条件下で例えばdNTP、酵素、サンプルDNAおよび前記サンプルDNAの第1の領域に相補的な第1の領域と前記DNAの第2の異なる領域に相補的な第2の領域とを含むILOの存在下で、前記サンプルDNAの指数増幅が実施される。

Description

【発明の詳細な説明】 化学的プロセスと酵素的プロセスのための逆連鎖オリゴヌクレオチド 発明の分野 本発明は、非天然のオリゴデオキシリボヌクレオチドおよび/または非天然の オリゴリボヌクレオチドの合成とそれらの利用、たとえばそのような非天然のオ リゴデオキシリボヌクレオチドの指数増幅(exponential ampl ification)による特定のデオキシリボ核酸(『DNA』)およびリボ 核酸(『RNA』)配列の存在の測定での利用に関する。 発明の背景 この文書を通じて述べる参考文献は、この文書の提出日以前であるが、ここに 記載した情報のためにのみ挙げたものであり、参考文献が、先行するものである ということ、または本発明者が、先行する発明または先に提出された出願に基づ く優先権によりそのような記載に対して日時が前のものとして権利が与えられな いということを明示的にもあるいは暗示的にも認めると解釈すべきものではない 。 I.序論 デオキシリボ核酸(『DNA』)またはリボ核酸(『RNA』)巨大分子ある いはDNAまたはRNA巨大分子内の関心のもたれる領域の分析は、さまざまな 分野で用途がある。これらには、たとえ ば、犯罪捜査(この場合、犯罪現場のサンプルからのDNAを、告訴された個人 からのDNAと比較する)、考古学(この場合、昔の植物、動物、類人種および 人のDNAが分析される)、父方の血筋の分析(この場合、子からのDNAと予 想される親のDNAが比較分析される)、遺伝子分析(この場合、特定の病気の 状態を示す遺伝子変異の可能性の徴候について個人のDNAを分析する)、環境 の分析(この場合、特定のバクテリア成分のDNAの存在と量とに基づいて水の バクテリア汚染の測定ができる)および科学的研究がある。これらの例示的分野 では、そのような分析は、十分な量のDNAおよび/またはRNAの入手なくし てはほとんど不可能であり、もう一度述べると、DNAまたはRNAサンプルを 適切にかつ能率的に分析するのには、調査者が十分な量の物質を入手できなくて はならないことがほとんど絶対的な要件である。 残念なことには、本来の形態すなわち天然の形態で得られるDNAおよび/ま たはRNAの量は、その十分な分析を可能とするのには余りにも少な過ぎるのが ほとんど一般的である。特にこの理由から、そのような分析を行うためには、天 然に存在するDNAまたはRNAの給源から得られるDNAまたはDNAの量を 十分に増すことがしばしば非常に重要である。通常、そのようなDNAまたはR NAの量を十分に増すことは、『増幅(amplification)』または 『増幅する(amplify)』と呼ばれる。 核酸配列を増幅する能力は、比較的最近(1985)のものであるが、この能 力の衝撃は、驚異的なものである。関心のもたれる核酸配列を増幅する能力なく しては、前記の無制限的な例示分野の全部とは言わないまでもほとんどが実施さ れ得ない。核酸増幅が拡大 した領域として、さまざまな増幅技術にかかる必要条件が変化した。 したがって、核酸配列の分析の技術についての非常に実際的でかつ進行中の必 要性が存在している。 II.核酸巨大分子:構造、機能、突然変異 (a)核酸分子の成分 デオキシリボ核酸およびリボ核酸は、長い糸状の巨大分子であり、DNAは、 デオキシリボヌクレオチドの鎖を含んでなり、RNAは、リボヌクレオチドの鎖 を含んでなる。『ヌクレオチド』は、ヌクレオシドと1つまたはそれ以上のホス フェート基からなり、『ヌクレオシド』は、ペントース糖に結合した含窒素塩基 からなる。典型的には、ホスフェート基は、ペントース糖の第5炭素(『5’』 ヒドロキシル基(『OH』)に結合しているが、第3炭素ヒドロキシ基(『3’ −OH』)に結合していてもよい。DNAの分子内では、ペントース糖が、『デ オキシリボース』であり、一方、RNAの分子内では、ペントース糖が、『リボ ース』である。DNAの含窒素塩基は、アデニン(『A』)、シトシン(『C』 )、グアニン(『G』)およびチミン(『T』)である。これらの塩基は、ウラ シル(『U』)がチミンに取って代わることを別として、RNAについて同じで ある。したがって、『デオキシヌクレオシド』とまとめて呼ばれるDNAの主な ヌクレオシドは、次のようである:デオキシアデノシン(『dA』);デオキシ シチジン(『dC』)、デオキシグアノシン(dG』)およびチミジン(『T』 )。対応するリボヌクレオシドは、『A』;『C』;『G』および『U』と名づ けられる。(慣用的に、デオキシチミジンは、典型的に『T』と名づけられるが 、一貫性を保たせる目的で、チミジンは、本開示を通して『dT』と名づけられ る。)含窒素塩基の特定の配列が遺伝情報、すなわち生命の『青写真』をコード 化する。DNAおよびRNA分子の主な繰り返し構造が、次のヌクレオシドとし て描かれ得る(数字は、5つの炭素原子の位置を示す): DNA RNA B=アデニン、チミン B1=アデニン、ウラシル グアニン、シトシン グアニン、シトシン (b)構造形成 DNAおよびRNA巨大分子の含窒素塩基の配列には、遺伝子情報を含んでい るのに対して、糖およびホスフェート基は、構造的な役割を行い、巨大分子の背 骨をなす。性質上ほとんど排他的に、生物学的に誘導されたDNAは、第2の隣 接するヌクレオチドの3’位置への第1のヌクレレオオチドの5’位置の連鎖を 介して合成され、2つの糖の間の連鎖は、ホスホジエステル結合を介している。 すなわち、生物学的DNAは、5’−3’の方向で合成される。固体相の、合成 的に作られたDNAについては、出発ヌクレオシドは、その3’ヒドロキシ基に より固体支持体に典型的に結合され、5’ヒドロキシ基が典型的にはジメトキシ トリチル(『DMT』)により保護され、保護基が(典型的には、温和な酸によ り)除去され た後、次のヌクレオチドが、その3’−OH基を介して支持体に結合するヌクレ オチドに加えられる。 二本鎖のDNAは、(比較的)弱い水素結合により一緒に保たれたヌクレオチ ド鎖の2つの『相補的』鎖からなり、これらの水素結合は、たとえば、DNAの 加熱、DNAを包囲している流体の塩濃度の変化、酵素的操作および化学的操作 により切ることができ、このプロセスは、『変性』と呼ばれる。温度を降下させ ることにより、塩濃度を再調整することにより、または酵素あるいは化学物質を 除去/中和することにより、DNAの2つの鎖は、このほぼ/同一の初期の状態 で改質(『アニール』)する傾向を有する。各DNA分子の塩基は、互いに選択 的に結合する:Aは常にTと結合し、Cは常にGと結合する。したがって、第1 の鎖の配列5’−ATCG−3’は、相補的配列3’−TAGC−5’(あるい は、慣用的に、5’−3’−の方向で、5’−CGAT−3’)に直接対向する ように存在する。これは、『相補的塩基の対合』と呼ばれ、相補的塩基の対合の プロセスは、『ハイブリッド形成』と呼ばれる。DNA巨大分子の形成で重要で あり得る少なくとも3つの酵素がある:ポリメラーゼ(これは巨大分子の『延長 』を仲介し得る);およびリガーゼとキナーゼ(これらは、巨大分子の『補修』 を仲介し得る)。 デオキシヌクレオチドの間のホスホジエステル結合の形成は、酵素『DNA依 存DNAポリメラーゼ』によりもたらされる。DNAポリメラーゼがDNAの巨 大分子を合成(すなわち、DNA巨大分子の『延長』)するのには、次の成分が 必要である:(1)『鋳型』と呼ばれる一本鎖DNA分子;(2)遊離3’−ヒ ドロキシル基 を有するDNAの(典型的な)短い一本鎖(これは、鋳型の特定の部位にハイブ リッド化している)でこの鎖は、『プライマー』と呼ばれる;(3)遊離のデオ キシリボヌクレオチド三燐酸塩(『dNTP』)、すなわち、dATP、dCT P、dGTPおよびdTTPである。DNAポリメラーゼは、プライマーを単一 の方向ですなわちプライマーの3’端から延長できるだけである。プライマーは 、DNAポリメラーゼがプライマーの3’−ヒドロキシル基と、鋳型の次の塩基 と相補的である『入来(incoming)』dNTPとの間のホスホジエステ ル結合の形成をもたらし得るような必要な相補的塩基の対合があり得る領域で鋳 型にハイブリッド化する。よって、鋳型の配列が、5’−ATCG−3’であり 、プライマーが3’−GC−5’であるなら、プライマーの3’−末端に加わる べき次のヌクレオチドは、プライマーのGヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基 とdATPとの間のDNAポリメラーゼにより仲介されるホスホジエステル結合 の形成を介する塩基A(鋳型上のTに相補的)である。このプロセスは、鋳型の 一領域の完全な補体または全体が発生されるまで(典型的に)継続する。 DNAポリメラーゼ酵素は、プライマー鎖を延長するように原理的には機能し 、酵素のキナーゼおよびリガーゼは、ユニタリー一本鎖にハイブリッド化した2 つの隣接ヌクレオチドの間のホスホジエステル結合の形成により一本鎖の切断を 原理的に補修するように機能する。よって、ユニタリー一本鎖の配列が、5’− ATGC−3’であり、切断が、Cとそれにハイブリッド化した相補的鎖のAと の間(5’−TAxCG−5’、ここで『x』は切断を示す)に起こっているな ら、キナーゼ酵素は、Aの5’−端の燐酸基の付加に より補助し、リガーゼ酵素は、AとCとの間のホスホジエステル結合の形成によ り切断を『補修』し得る。有利には、(典型的には)リガーゼは、特に、鎖上の ヌクレオチドの1つがユニタリー鎖上のヌクレオチドに相補的でないならそのよ うなホスホジエステル結合の形成を仲介し得なく、すなわち、ユニタリー鎖の配 列が5’−ATCG−3’であり、2つの他の鎖が配列3’−TA−5’と3’ −TC−5’(TC鎖のTは、ATCG鎖上のCに相補的でない)を有するなら 、リガーゼは、TAとTCとの間のホスホジエステル結合の形成を仲介しないで あろう。 (c)機能的な役割 注目されるようにDNAは、生命についての『青写真』と呼ばれる。DNAの 役割は、生きている生命体の発達、維持および存在に必要なタンパク質の構築ブ ロックであるアミノ酸を特にコード化することである。3種のRNA(メッセン ジャーRNA、mRNA;トランスファーRNA、tRNA;リボソームRNA 、rRNA)は、指定されたアミノ酸にDNA中でコード化された遺伝子情報の 『翻訳』と関連づけられている。20の天然にコード化されたアミノ酸のそれぞ れは、3つのヌクレオチドのさまざまなグループ分けによりコード化され、この グループ分けは、『コドン』と呼ばれる。したがって、遺伝子情報は、通常次の ように伝達される:DNA→RNA→アミノ酸/タンパク質。 DNA分子のすべての領域がRNAによりタンパク質に翻訳されるわけではな い;翻訳されるこれらの領域は、『遺伝子』と呼ばれる。したがって、遺伝子の 発現は、単数の遺伝子または複数の遺伝 子から生じる終局的タンパク質を特定することにより遺伝的な特徴の翻訳を制御 するように働く。 (d)遺伝子コードの突然変異 DNA巨大分子は、互いに化学的に極めて類似している。AとGとは、化学的 組成が極めて似ていてC、TおよびUは、同様に似ている。よって、特定の配列 では、Gに取って代わるAまたはTに取って代わるCの置換(例えば、トランジ ション)が起こり得る;同様にCまたたTに取って代わるAまたはG(または逆 )のトランスバージョンが起こり得る。そのような置換が、それによりコード化 されたアミノ酸が同じままでいるようにコドン内で起こると、置換は、『サイレ ント』置換と呼ぶことができる、すなわち、ヌクレオチドは、異なるがコード化 されたアミノ酸は同じである。しかしながら、ほかの置換は、コドンによりコー ド化されたアミノ酸を改変し得る;ヌクレオチド改変が、化学的に同様なアミノ 酸をもたらす時、これは、『保存(conservative)』改変と呼ばれ 、一方、改変によりもたらされる化学的に異なるアミノ酸は、『非保存』改変と 呼ばれる。アミノ酸の非保存改変は、初めのタンパク質分子とまったく異なる分 子をもたらし得る。 そのアミノ酸を改変させたタンパク質は、『突然変異体』、『突然変異』また は『変異型』と呼ばれ得る。突然変異は自然に起こり得、そのような突然変異を 受けた生命体に肯定的、否定的あるいは中性的な結果をもたらし得る。同様に、 改変された(たとえば、DNA配列の挿入または削除による)部分を有する遺伝 子は突然変異である;したがって、当然、そのような突然変異した遺伝子により 発現されるタンパク質は、生命体に肯定的、否定的あるいは中性的な結果をもた らし得る。 III.天然のオリゴヌクレオチドの合成的製造 DNAおよびRNAの合成鎖は、『合成オリゴヌクレオチド』または『オリゴ ヌクレオチド』と典型的に呼ばれる。これらの物質は、合成的に製造されるが、 意図的に改変しないなら、これらは、生きている動物により作られるDNAおよ びRNAと区別できない。よって、よりはっきりした用語は、『天然のオリゴヌ クレオチド』である。 オリゴヌクレオチドの合成に対して広く用いられている化学的手順は、『ホス ホルアミダイト法』と呼ばれる。例えば、ここに参考としてあげる、米国特許第 4,415,732号;McBride LおよびCaruthersのM. etrahedran Letters 24:245−248(1983); およびSinha,N.らのNucleic Acids Res12:45 39−4557(1984)を参照されたい。ホスホルアミダイト法に基づいた 商業的に人手できる天然のオリゴヌクレオチドの合成装置には、たとえば、th e Beckman Instruments OLIGO 1000;Mil lipore 8750TM;およびthe ABI 380TM、392TMおよび 394TMDNA合成装置がある。 化学的に合成された天然のオリゴヌクレオチドの重要性は、天然のオリゴヌク レオチドが向けられ得る広範囲な種類の用途に主に依存する。たとえば、天然の オリゴヌクレオチドの有意的な用途は、 ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応などのDNAおよびRNA増幅技術に ついてのプライマーの使用および生じる増幅生成物の検出のためのプローブとし てである。 IV.増幅技術 核酸の増幅のための現在いくつかの入手できる技術がある。周知の増幅技術は 、『ポリメラーゼ連鎖反応』または『PCR』と呼ばれる。Mullis,K. らの『生体外のDNAの特異的酵素増幅:ポリメラーゼ連鎖反応(Specif ic Enzymatic Amplification of DNA In Vitro:The Polymerase Chain Reaction )』Cold Spring Harbor Symposia on Qua nt.Bio. 51:263−273(1986)。PCRプロトコールでは 、鋳型二本鎖DNAが変性され、一本鎖AおよびB、『SS−A』および『SS −B』となる。2つのプライマー、SS−Aの一部に相補的な配列を有するもの とSS−Bと相補的な配列を有するものが、それぞれの相補的鎖に選択的にハイ ブリッド化する。DNAポリメラーゼとdNTPの存在下で、それぞれのプライ マーは、延長されて、初めのSS−AとSS−Bへの補体(complemen t)を形成する。よって、1つのそのような『サイクル』の終わりで、それぞれ の鎖の『コピー』の数が、次のサイクルの間に2つだけ増加し、したがって、2 つのSS−Aと2つのSS−Bが存在し、それぞれが上記のように『コピー』さ れ得る。このプロセスは、『指数』増幅と呼ばれ、これは、本質的に、各サイク ルでコピーの数が二倍となることを意味する。 すなわち、約20サイクルの後理論的には、百万を越えるコピーが生じる(220 )。 PCRにはいくつかの実際的問題が存在する。2つの鋳型に沿う第1の外来配 列は、プライマーとハイブリッド化し得る;これはそのような非特異的ハイブリ ッド形成により共増幅(co−amplification)をもたらす。増幅 のレベルが増加すると、そのような共増幅の厳格さも増す。第2に、それぞれの 初めの鋳型について何百万というコピーを容易につくるPCRの能力のため、ほ かのサンプルへの先立つ反応の最終生成物の偶発的な導入が、誤った肯定的結果 につながる。第3に、PCRは、基本的にそれ自体、一本鎖塩基変化の検出を許 容しない、すなわち、プロトコールは、基本的にそれ自体、正常な配列と突然変 異配列との間の区別を許容しない。 PCRに変わるものとしていわゆる『リガーゼ連鎖反応』すなわち『LCR』 がある。Barany,F.『熱安定性リガーゼを用いる遺伝子病の検出とDN A増幅(Genetic disease detection and DN A amplification using thermostable I igase)』、Proc.Natl.Acad.Sci. 88:189−1 93(1991)。この技術は、2つが初めの二本鎖鋳型のそれぞれの一本鎖に 対応するようにした4つのプライマーの使用に基づいて特定の標的を指数的に増 幅する。それぞれのプライマー対が、隣接するようにして鋳型のそれぞれ一本鎖 にハイブリッド化し、リガーゼが、隣接ハイブリッド形成の領域でそれぞれのプ ライマーに共有結合する。PCRのように、得られる生成物は、次のサ イクルで(初めの鋳型と共に)鋳型として働き、よって、各サイクルで指数増幅 がもたらされる。有益には、LCRは、突然変異、特に単一ヌクレオチド突然変 異を検出するために使用され得る−−各プライマーが既知の突然変異が起こり得 る位置に隣接するようにプライマーが例えば遺伝子の突然変異してない形式(n on−mutated version)の補体とされるとし、鋳型がそのよう な突然変異を含むと、リガーゼは、そこにハイブリッド化させた2つのプライマ ーを共有結合させ得ない。 LCRに関連する問題は、当然、手順が、標的の存在の必要なくしてプライマ ーの非特定的『平滑末端ライゲンーション』をもたらし得る4つのプライマーを 必要とすることである。すなわち、プライマーの過剰なモル濃度の使用(ほとん ど典型的である)により標的配列よりもそれらのそれぞれのプライマー補体に対 しプライマーの優先するハイブリッド形成がある。これらの二本鎖平滑末端フラ グメントは、標的DNA配列の不在下でもつながれ得る。このことは、高いバッ クグランド信号あるいは誤った肯定的結果につながり得る。 LCRに関連していわゆる『オリゴヌクレオチドライゲーション検定』すなわ ち『OLA』がある。Landegren,U.らのScience 241: 1077−1080(1988)。OLAプロトコールは、隣接するようにして 標的の一本鎖にハイブリッド化し得る2つのプライマーの使用に依存する。LC RのようにOLAは、点突然変異の検出に特に適している。しかしながら、LC Rとは異なりOLAは、指数増幅をもたらすのではなく『直線的(linear )』増幅をもたらす、すなわち、各サイクルの終わ りで、単一の最終生成物(共有結合したプライマー)だけが生じる。よって、O LAと関連する問題は、指数増幅の欠如である。 PCRとOLAとを組み合わせることが、検出方法として報告されている。N ickerson,D.A.らの『ELISAに基づくオリゴヌクレオチドライ ゲーション検定を用いる自動化DNA診断法(Automated DNA d iagnostics using an ELISA−based olig onucleotide ligation assay)』、Proc.Na tl.Acad. Sci.USA 87:8923−8927(1990)。 報告されているように、標的DNAは、OLAを用いる増幅された標的の検出を 後続させるPCRを使用して指数的に増幅された。 そのような組み合わせにまつわる問題は、PCRに関連する問題を受け継いで いる上に、当然、複合段階、別々の段階および処理段階が必要とされることであ る。 RNAに基づく増幅技術が述べられてきた。Guatelli,J.C.らの 『レトロウイルス複製をモデルとした多酵素反応による核酸の等温下の生体外の 増幅(Isothermal,in vitro amplification of nucleic acids by a multi−enzyme reaction modelded after retroviral r eplication)』、PNAS 87:1874(1990)。『3SRTM 増幅』と呼ばれるこのプロトコールは、反応の基質がRNAであるので遺伝子 発現を検出するために使用され得る。有益には、PCRと異なり3SRは、熱サ イクルを必要としない; PCRの場合のように、3SR反応は、増幅されるべき領域に『隣接する(fl ank)』2つのプライマーを利用する。これらのプライマーの1つは、T7ポ リメラーゼの共通プロモーター配列を含まねばならない。3つの異なる酵素が、 3SR反応に必要とされる;T7 RNAポリメラーゼ;AMV逆転写酵素;お よびRNアーゼH。等温下の増幅の利益は、3SRで可能であり、多重プライマ ー(multiple primers)および酵素についての必要条件は、問 題のある適用に対して可能性を増す。 上記のことは、網羅的というよりも代表的であると解釈されるべきである。し かしながら上記のことから認識される得るように、増幅プロトコールと関連する 利益もその利用での欠点に寄与する。1つの点が強調され得る:いくらかの制限 にもかかわらず、特に診断学の分野では、PRC増幅プロトコールは、主に、プ ロトコールと関連した力の組み合わせのためとプロセスの簡単さのため広範囲の 利用を享受してきた。理想的には、PCRのように敏感でたとえばLCRのよう に特定的であるが、行うのが容易な増幅プロトコールが、本分野の状態を高め、 有意的に向上させるものである。 発明の要約 本発明は、これらの必要に向けられている。本発明に従えば、ポリヌクレオチ ドまたはポリヌクレオチドの混合物に含まれる少なくとも1種の特定の核酸を増 幅する方法がここに開示されている。ポリヌクレオチドは、例えばRNAまたは DNAの一本鎖の場合のように一本鎖標的またはDNAあるいはDNA−RNA ハイブリッドの場合のように二本鎖標的であってよい。そのような増幅スキーム は、逆連鎖オリゴヌクレオチドすなわち『ILO』とここで呼ぶ合成の非天然の オリゴヌクレオチドの利用に基づいている。 標的増幅技術で用いるここで開示したILOは、5’末端と3’末端に対立す る少なくとも2つの3’末端または少なくとも2つの5’末端を有する核酸分子 である。以下に詳述するように、DNAの相補的鎖の異なる切片(sectio n)に相補的な核酸配列を含んでなるILOは、ILO延長がどちらかの(また は両方の)末端から進行し得るように利用できる。 本発明のこれらの詳細また他の詳細は、本発明の開示がさらに続くことからさ らに明瞭となろう。 図面の簡単な説明 以下の図面は説明上のものであり限定を目的としたものではない。 図1は、3’−ILO分子を用いた二本鎖標的の酵素増幅の図式的表示であり 、 図2は、二本鎖標的に沿う突然変異の検出のための3’−ILO分子および5 ’−ILO分子の酵素延長の図式的表示であり、 図2Aは、3’−ILOおよび5’−ILOがそれぞれ干渉部分を含む図2の プロトコールの別の実施態様であり、 図3は、3’−ILO分子と5’−ILO分子を用いるギャップ領域を含む二 本鎖標的配列の酵素延長と増幅の図式表示であり、 図4は、不溶化した3’−ILOを用いる二本鎖標的配列の固体相『延長』の 図式的表示であり、 図5は、発現ベクターに挿入され得る二本鎖の『天然の』DNAをつくるよう に制限酵素により切断を受けることのできる2つの部位を含む環状二本鎖ILO アンプリコンの作成の図式表示であり、 図6は、環状形状へのILOアンプリコンの変換と反応混合物の精製の図式表 示であり、 図7は、逆ホスホルアミダイトについての好ましい合成ルートの図式表示であ り、 図8は、標識配列の3’−ILO酵素増幅および同じ標識配列のPCR増幅の スラブゲル分析の結果の写真再現であり、 図9は、特に、さまざまな長さの標的のILO増幅の結果の写真再現であり、 図10は、特に、さまざまな長さの標的のILO増幅の結果の写真再現であり 、 図11は、制限酵素による環状二本鎖ILOアンプリコン、二本鎖PCRアン プリコンおよび二本鎖ILOアンプリコンの切断の図式表示であり、 図12aおよび12bは、特に、制限酵素により環状二本鎖ILOアンプリコ ンを切断する効果の結果の写真再現であり、 図13は、特に、ILOアンプリコンをヤエナリエクソヌクレアーゼ(Mun g bean exonuclease)にかけた写真再現であり、 図14は、特に、『自己プライミング(self priming)』条件に 置いたILOアンプリコンの結果の写真再現であり、 図15は、5’−エクソヌクレアーゼにかけたPCRアンプリコン、ILOア ンプリコンおよび環状二本鎖ILOアンプリコンの結 果の写真再現であり、そして 図16は、特に、ヒトゲノムDNAと混合した同じ標的配列の減少濃度のIL O増幅の結果の写真再現である。 好ましい実施態様の詳細な説明 本開示の次の部分は、開示した発明の特に好ましい実施態様に関する。定義し た説明を与えたある種の用語が用いられ、以下の定義を当てはめるが、これらの 用語は、当業者により用いられであろう定義と異なり得る定義を有する。 ILOとの関連で用いれれる時の『化学的プロセス』は、少なくとも1つの化 学的部分がILOに加えられるプロセスを意味し、典型的には該部分はヌクレオ チドである。反応は、共有結合的(covalent)であってもあるいは非共 有結合的であってもよい。 『環状二本鎖ILOアンプリコン』は、ILOアンプリコンが自己ハイブリッ ド形成をし得る十分な長さの配列であるか、ILOアンプリコンが自己ハイブリ ッド化し、自己ハイブリッド形成の地域からILOアンプリコンの延長領域に沿 った延長が後続して初めのILOアンプリコンの相補的配列をつくる逆連鎖オリ ゴヌクレオチド酵素増幅プロセスの生成物を意味する。環状二本鎖ILOアンプ リコンは、実際には、ある種の二本鎖特性を持った一本鎖部分である。 『伸長』は、標的ポリヌクレオチドにハイブリッド化した逆連鎖オリゴヌクレ オチドの延長を意味する。常にではないが、典型的には、伸長は、たとえば、酵 素プロセスまたは化学プロセスにより、または末端トランスファーゼあるいはキ ナーゼにより仲介されるようにデオキシヌクレオチド三燐酸塩またはリボヌクレ オチド三燐酸塩の合体(incorporation)を介するILOの伸長を 意味する。 ILOと関連して用いた時の『酵素プロセス』は、ILOに加え られた少なくとも1つの部分を含む少なくとも1つの反応を少なくとも1つの酵 素が触媒するプロセスを意味し、ここで部分は、典型的には、ヌクレオチドであ る。酵素プロセスは、限定するのもではないが、ポリメラーゼ酵素および/また はリガーゼ酵素、キナーゼ化(kinasing)反応のような反応あるいは末 端トランスファーゼ酵素または制限酵素を含む反応を用いる増幅技術を含む。 『充填反応(fill−in reaction)』は、第1の逆連鎖オリゴ ヌクレオチドのもう1つの逆連鎖オリゴヌクレオチドまでのギャップ領域を介す る伸長を意味し、ここで両方の逆連鎖オリゴヌクレオチドは、標的配列の同じ鎖 にハイブリッド化されている。 『完全に延長されたILOアンプリコン』は、ILOの末端のすべてが延長さ れたILOアンプリコンを意味する。『完全に延長されたILOアンプリコン』 は、初めのILOと同じ配列に加え、初めのILOのヌクレオチドの数より少な くとも50%多いそれぞれの末端から延長するヌクレオチドを含む、すなわち、 初めのILOが、逆連鎖のどちらかの側で10の塩基からなるなら、完全に延長 されたILOアンプリコンは、初めのILOの伸長により、逆連鎖のどちらかの 側で少なくとも15のヌクレオチドを有する。 『ギャップ』は、標的配列の同じ鎖にハイブリッド化されている2つの逆連鎖 オリゴヌクレオチド部分の間の領域を意味する。ギャップは、1−約10,00 0のヌクレオチドの長さであってよい。 『ギャップ標的配列』は、部分的にまたは完全に未定義の核酸配列の領域を含 む標的配列を意味し、好ましくは、標的のギャップ部分は、そのいずれかの側に 定義された配列の領域があり逆連鎖オリ ゴヌクレオチド部分が、それにハイブリッド化し得て、部分的にまたは完全に未 定義の核酸配列の領域に沿う逆連鎖オリゴヌクレオチドの間にギャップをつくる 。 『逆連鎖』は、換言すると5’A3’−5’G3’−3’T−5’A3’(下 線をした領域は、3’−3’逆連鎖である)であるヌクレオチドの配列でのイン ターヌクレオチド連鎖の正常配向(normal orientation)で 少なくとも1つの変化を意味する。 『逆連鎖オリゴヌクレオチド』および『ILO』は、分子の配向の3’−5’ 方向が、分子の長さに沿って少なくとも1回変化する非天然オリゴヌクレオチド 分子を意味する。ILOは、少なくとも2つの端すなわち末端を含み、それぞれ の末端は、酵素プロセスまたは化学プロセスを受け入れる同じ第1または第2ヒ ドロキシル基を有する。よって、『3’−ILO』は、分子のそれぞれの末端が 3’保護されたまたは未保護のヒドロキシル基であるILOであり、『5’−I LO』は、分子のそれぞれの末端が、5’保護されたまたは未保護のヒドロキシ ル基であるILOである。最も好ましくは、ILOは、両方とも従来のアミダイ トおよび逆アミダイトを用いてつくられILOの領域で少なくとも1つの5’− 5’および/または3’−3’逆連鎖がつくられる。逆連鎖のいずれかの側の塩 基の数が等しいか異なっていることができる。逆連鎖は、一方のヌクレオチドか ら直接もう一方へとなっている必要はなく、一方のヌクレオチドをもう一方のヌ クレオチドに結合する化学部分を含んでいてもよい。ILOは、標識を含み得る 。 『逆連鎖オリゴヌクレオチドアンプリコン』および『ILO−ア ンプリコン』は、ILOの少なくとも1つの末端からのILOの延長生成物を指 す。 『逆連鎖オリゴヌクレオチド生成物』および『ILO生成物』は、ILOを含 む核酸増幅反応の最終結果を意味する。 『標識(label)』は、ILOが検出または捕獲されるように逆連鎖オリ ゴヌクレオチド部分に接合(conjugate)されている部分を意味する。 最も好ましくは、標識は、ILOの内部5’−5’または3’−3’連鎖に位置 している。『直接検出できる』標識は、直接または例えば基質(酵素の場合)の ような物質とのその相互作用、光源と検出装置(蛍光化合物の場合)または光電 子倍増管(放射性化合物または化学発光化合物の場合)を通じて検出できる信号 発生標識である。『近接標識(proximity Iabel)』は、近接標 識が一緒にされた時互いに相互作用して検出可能な信号を生じる少なくとも2つ の標識のうちの1つである。典型的には、第1の近接標識は、対応する第2の近 接標識と組み合わせて用いられる。『間接的に検出可能な』標識は、もともとそ れ自身で信号を与えないが間接的に検出可能な標識がつけられたILOを確認す るように用いられ得る物質である。例えば、ビオチンは、間接的に検出可能な標 識であり得て、これにより標識したまたは不溶化したアビジンがそれと関連して 使用され、第1の例では、標識したアビジンは、複合体が直接検出され得るよう にビオチンを含む部分に結合し得る;第2の例では、ビオチニル化した部分は、 不溶化されたアビジンにより不溶化され、分離を可能とし、よってその検出を可 能とする。最も好ましくは、標識は、ILOの連鎖領域に直接または間接的に接 合される。 『ライゲーション(ligation)』は、少なくとも1つのほかのILO 部分またはオリゴヌクレオチド部分への1つの逆連鎖オリゴヌクレオチド部分の 共有結合(covalent attachment)を意味する。ライゲーシ ョンには、リガーゼを用いるもののような酵素プロセスおよび限定するものでは ないが化学反応、光化学(光カップリング;参考のために挙げるたとえばWIP O公開第WO9O/01069号、公開日1990年2月8日)、熱化学および レドックス反応を含む化学プロセスがある。 『マルチマーILOアンプリコン(multimeric ILO Ampl icon)』および『MIA』は、ILOおよび/または部分的に延長されたI LOアンプリコンおよび/または完全に延長されたILOアンブリコンおよび/ または環状二本鎖ILOアンプリコンを含んでなる成分種の相補的領域の間のコ ンカテマーを意味する。生じるコンカテマーは、その成分種に変性され得る。 『部分的に延長されたILOアンプリコン』は、ILOの末端の全部ではなく 少なくとも1つが延長されているILOアンプリコンを意味する。『部分的に延 長されたILOアンプリコン』は、初めのILOと同じ配列に加え、初めのIL Oのヌクレオチドの数よりも少なくとも50%多い全部ではなく少なくとも1つ の末端からそれぞれを延長したヌクレオチドを含んでなり、例えば、初めのIL Oが逆連鎖のどちらかの側の10の塩基からなるなら、部分的に延長されたIL Oアンプリコンは、その1つの末端からの初めのILOの伸長のため、逆連鎖の 一方の側の少なくとも15のヌクレオチドおよび逆連鎖の他方の側の10の塩基 を有する。 『逆アミダイト』および『逆ホスホルアミダイト』は、形成で用 いられ得る核酸および逆連鎖オリゴヌクレオチドを意味する。最も好ましくは、 逆アミダイトは、デオキシヌクレオシドの3’−ヒドロキシルでのジメチオキシ トリチル(dimethyoxytrityl)(『DMT』)または同様な保 護基およびデオキシヌクレオチドの5’−ヒドロキシルでの燐酸基を含んでなり 、逆アミダイトの5’領域が、もう1つのヌクレオシド、ヌクレトチド、オリゴ ヌクレオチド、アミダイトまたは逆アミダイトの5’−OHまたは3’−OHへ の連鎖を受けやすくなる。 ILOアンプリコンおよび環状二本鎖ILOアンプリコンと関連して用いた時 の『実質的に』は、ILOを用いた標的配列の指数増幅から生じるILO生成物 の少なくとも51%が環状二本鎖ILOアンプリコンであることを意味する、よ り好ましくは、少なくとも約60%、最も好ましくは、少なくとも約75%であ る。 『標的配列』は、定義された核酸配列を意味し、その存在または不在が、検出 されることが望ましい。標的配列は、DNAおよび/またはRNAを含む給源か らであり得、すなわち、標的配列の給源は、哺乳動物に限られない。好ましくは 、標的配列は、遺伝病と関連する遺伝子のコード領域の一部を形成する。たとえ ば鎌型赤血球貧血症のような多くの遺伝子病について、遺伝子突然変異の存在は 、遺伝子のコード配列の小さな変化により特徴づけられる;典型的には、問題の 遺伝子病を持つ個人が、病気を持っていないものの対応する配列と1つのヌクレ オチドだけの違いで異なる配列の遺伝子を有する。『正常』または『突然変異』 遺伝子領域は、標的配列として働き得る。標的配列は、『ギャップ標的配列』を 含み得る。 『従来のアミダイト』および『従来のホスホルアミダイト』およ び『アミダイト』は、すべて、逆連鎖オリゴヌクレオチドの形成で用いられ得る ヌクレオチドを意味する。最も好ましくは、従来のアミダイトは、デオキシヌク レオチドの5’−ヒドロキシルでのジメトキシトリチル(『DMT』)または同 様な保護基およびデオキシヌクレオチドの3’−ヒドロキシルでの燐酸基、ホス フィット基またはホスホネート基を含み、アミダイトの3’−領域がもう1つの ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、アミダイトまたは逆アミダ イトの5’−OHまたは3’−OHへの連鎖を受け得る。 ポリメラーゼおよび/またはリガーゼ酵素を含む増幅技術のような最も好まし くは核酸のような化学プロセスおよび酵素プロセスに有用な3’および5’逆連 鎖オリゴヌクレオチド(『ILO』)がここに開示されている。そのような酵素 プロセスと対向するILOの独特な特性のため、プロセスの効率は、有益に増強 される。我々の最も好ましいILOに基づく酵素プロセスでは、我々は、単一組 のILO分子を用い各ILOを同一の配列を有してその組にあるようにして核酸 巨大分子の指数増幅を達成し得る。我々は、ILOの特性のため、得られる増幅 生成物(『ILO生成物』)が特有の性質を有することを見いだした、すなわち 、環状二本鎖ILOアンプリコンと呼ばれる生成物に通じる自已プライミング能 力;MIA形成;および標的配列に沿う固体相延長を有することを見いだした。 これらの特徴は以下に強調することにする。 なんらの特定な理論に拘束されることを望むものではないが、我々の増幅プロ セスは、ほかのすべての条件が同じものとしてPCR反応に比べてより最終生成 物を生じると思われる;再度述べるなら 、我々は、より少ないILO(PCRプライマーに比較して)またはより得られ にくい標的配列を用いて、同じ標的配列の実質的に同等な増幅を達成し得ると思 われる。これは、標的の相補的切片が位置決めされるまでILOおよびPCRプ ライマーが標的配列に沿って『ウォークする』あいだ、(単一の分子が、標的配 列の2つの異なる領域に相補的な少なくとも2つの領域を含んでなるので)IL Oが、2つのPCRプライマーのそれぞれよりも標的にハイブリッド化する統計 的により大きな機会を有するという仮定された理論に帰せられると我々は信じる 。したがって、ILOプロセスは、PCRプロセスよりも強固で、効率的である 。PCRプロセスの有意的な利益が、使用の固有の容易さにあるとして、固有に より強固/効率的であり使用するのに容易なほかのプロセスは、当然、ほかの増 幅技術に対して有意的に有利である。 本開示の次の部分は、核酸巨大分子の酵素増幅と関連して用いられるILOの 好ましい実施態様に関する情報を提供するが、ここに開示のILOの利用は、酵 素増幅技術に限定されるものではないことが理解されるべきである;むしろ、当 業者は、ILOが適用され得る化学的および酵素的な技術を容易に認識するであ ろう。 いわゆる、アンチセンスオリゴヌクレオチドの業界は、これらの分子が遺伝子 発現の調節のための可能性を有するので、特に、医薬に基づく工業に近時刺激を もたらした。3’−3’および5’−5’転化を有するアンチセンスオリゴヌク レオチド化合物は、遺伝子発現を抑制し調節できるとして説明されている。Ra malhu− 鎖を有するオリゴデオキシヌクレオチドのアンチセンス効果(An tisense Effect of Oligodeoxynucleoti des with Inverted Internucleotide Li nkage)』Antisense Res.& Dev.2:219−146 (1992);また次を参照:Froehler,B.C.の『3’−3’イン ターヌクレオチド結合を有するオリゴデオキシヌクレオチドによるトリプル−ヘ リックス形成と共同的結合(Triple−Helix Formation and Cooperative Binding by Oligodeox ynucleotides with a 3’−3’Internucleo tide Junction)』Biochem. 31:1603−1609 (1992)およびHorne,P.D.& Dervon,P.B.の『交互 鎖トリプル−ヘリックス形成による混合配列二重らせんDNAの認識(Reco gnitiion of Mixed Sequence Duplex DN A by Alternate−Strand Triple−Helix F ormation)』J.Am.Chem.Soc. 112:2435−24 37(1990)(以下、まとめて、『アンチセンス参考文献』と呼ぶ)。その ような分子の探究は、注目されるように、医薬に基づくアンチセンス操作の分野 にこれまで向けられてきた;これは、これらの分子により起こされるヌクレオチ ド分解(nucleotylic degradation)に対する増大した 抵抗に明らか 天然のオリゴヌクレオチドの合成で使用される従来のホスホルアミダイトは、 5’ヒドロキシルでのDMT保護基を(ほとんど典型 的に)含んでなり、入来ヌクレオチドの3’ヒドロキシル基が5’−ヒドロキシ ル基に複合化し(conjugated)得る(当然、DMT基が除去された時 である)。これは、天然のオリゴヌクレオチドの従来の5’−3’合成を考慮す る。 ポリメラーゼ酵素は、プライマーの3’末端からプライマーに沿って標的配列 にハイブリッド化した核酸プライマーを延長する;よって、従来の天然のオリゴ ヌクレオチドプライマーでは、プライマーの伸長は、すなわち、3’末端から一 方向でのみ起こる。この事実を考慮し、我々は、従来でない出発点からの核酸酵 素に基づく増幅技術、すなわち3’−末端および/または5’−末端を含む天然 でないオリゴヌクレオチドの利用をはっきり示すことを望むアプローチをとった ;我々は、これらの分子を逆連鎖オリゴヌクレオチドまたは慣用的にILOと呼 ぶ。ILOは、少なくとも2つの3’または少なくとも2つの5’末端を含んで なるので、それらは、単一の3’末端および単一の5’末端を含む天然のオリゴ ヌクレオチドとまったく異なる。したがって、ILOは、従来の天然のオリゴヌ クレオチドが用いられるものとはまったく異なるプロセスでの操作を受け入れる 。 たとえば、それぞれ同じ配列を有するILO分子は、関心のもたれる核酸配列 の指数増幅で使用され得る。二本鎖標的配列の次の非限定的な図式表現が与えら れるとする: すると、配列 を有するILO分子が、ポリメラーゼ酵素と十分なdNTPと関連して用いられ 得て標的配列の指数増幅が達成される。(本開示の残りを通して、ILOに現れ る時の記号『・』は逆連鎖を表す。)ILOの二重3’末端が本プロセスを実現 可能とする。 鎖Aおよび上記の3’−ILOに焦点を当てると、次のハイブリッド化部分が つくられ、 適当な条件下で、鎖Aに沿うILOの酵素伸長が、実施可能とされ、次の部分的 に延長されたILOアンプリコン(鎖A’)がもたらされる: 同様に、次の部分的に延長されたILOアンプリコン(鎖B’)が鎖Bから誘導 される: 認識されるように、鎖AおよびBと共に反応生成物(鎖A’およびB’)は、プ ロセスの後続する経路中の標的鋳型として働き得る: 鎖AおよびBも、この経路の間に得られるので、標的配列の指数増幅は、実行可 能である。 ILOアンプリコンは、『マルチマーILOアンプリコン』と呼ばれるコンカ テマー種の形成にも貢献できる。これらの種は、塩基対合と関連する比較的に弱 い水素(化学)結合により一緒に保持されていて、変性条件下で、MIAがその 構成部分に分離されるようになる。 標的配列に沿うILOの酵素伸長から生じるILOアンプリコンは、ILO分 子の利用に直接帰せられる独特の特徴を有する−−標的配列に沿うILOの延長 を考慮する適当な条件下で、延長された ILOアンプリコンの1つの末端は、ILOアンプリコンの延長されてない末端 と相補的である。したがって、ILOアンプリコンは、自己プライミングし得る 、すなわち、ILOアンプリコンの末端がハイブリッド化すると、ILOアンプ リコンに沿う『内部』延長が果たされる。 この特徴は、我々が『環状二本鎖ILOアンプリコン』と呼ぶ標的配列増幅の 間のILO生成物の副集団(sub−population)の形成を考慮する 。我々は、この生成物が例えば標的配列の長さに依存して形成されることを確認 した。 例えば、鎖A’に関心を寄せると、その末端は、相互に相補的であり、末端と 末端との間に適当な距離を置き、自己ハイブリッド形成が起こり得る(表示の都 合上、相補的部分だけを示す)が注目される: 認識され得るように、この生成物は、示した方向で延長生成物のATCG部分の 3’末端で自己プライミングを受けやすい(これも認識され得るように、5’− 5’逆連鎖のため、3’−末端からのTAGCの伸長は、可能でないであろう) 。よって、『環状二本鎖ILOアンプリコン』がつくられ得る。 ILOアンプリコンは、同じILOアンプリコンの両方の3’末端が、伸長反 応に参加できるように鋳型として働き得る。たとえば、鎖A’に再び関心を寄せ ると、鎖Bがそれにハイブリッド化でき : 鎖A’が鎖Bの5’末端に向け伸長され得て完全に延長されたILOアンプリコ ン(鎖A’’’)を生じることが認識され得よう: 我々は、ILOアンプリコンの形成、環状二本鎖ILOアンプリコンの形成ま たはその両方の形成が、標的配列の長さに関連づけられ得ることを実験的に確認 した。一般的案(限定ではない)として、標的の長さが『短ければ短いほど』、 得られる生成物の大部分が環状二本鎖ILOアンプリコンとなり得る傾向が『よ り大きく』、標的配列が増加するにつれ、ほぼ同等量の環状二本鎖ILOアンプ リコンとILOアンプリコンの両方の形成が起こり得ることを我々は見いだした 。 酵素プロセスで用いられるILOの長さは、標的配列と研究者の必要性とに主 に依存する。例えば、特定の遺伝子または遺伝子セグメントが標的とされている なら、その配列の知識は、相補的にまたは実質的に相補的に、あるいは必要に応 じ絶対的相補性をもって選択的にハイブリッド化できるILOの生成を考慮する 。そのようなハイブリッド形成は、生じる標的鎖(ILOハイブリッド形成およ びILOの配列)の融点をインパクトする(impact)。精通した技術者は 、ハイブリッド形成の度合いと融点に影響するこれらの因子を認め得る能力をも っていると容易に思われる。 ILOが、異なる標的配列にハイブリッド化する領域を含んでいるので、IL Oの長さは、大きな度合いの柔軟性を受け入れる。例えば、逆連鎖のどちらか一 方の側に同じ数の塩基を有さないILOを利用することが受け入れ可能である; しかしながら、我々は、連鎖のどちらか一方の側の塩基の長さが実質的に同じで ある(すなわち±10%)ことを優先する。この優先性は、すべての条件が『等 しい』とき、『より長い』オリゴヌクレオチドが『より短い』オリゴヌクレオチ ドよりも『迅速に』標的配列にハイブリッド化するであろうという認識に基づく ;よって、連鎖のどちらか一方の側の塩基の長さが実質的に同じILOを用いる ことにより、反応動力学が実質的に制御され得る。したがって、我々は、連鎖の いずれか一方の側のILOの領域の長さの比が約1:1−約1:3、より好まし くは、約1:1−約1:2、最も好ましくは、1:1であることを好む。 ILOの長さは、約8−約100の塩基の長さ、好ましくは約15−約80の 塩基の長さ、最も好ましくは約20−約70の塩基の長さである;この場合も、 ILOの長さの半分が標的配列の1つの領域にハイブリッド化し、ILOのもう 半分が標的配列の異なる領域にハリブリッド化することを我々は好む。しかしな がら、ILOの長さの選択およびそれぞれのILOの内部ハイブリッド形成領域 は、特に、反応の厳格な条件に基づいて当業者により最適化を受け入れる設計の 選択の問題であるということが理解されるべきである。便宜上、我々の例のいく つかでは、我々は、逆インターヌクレオチド連鎖のどちらかの側の領域の1:1 の長さ比で、50塩基の長さを有するILOを用いた。 標的配列が、未知であるか、部分的にだけ既知である場合、標的領域の『側面 にある』配列の一部分または標的領域そのものの一部分についての十分な情報が 、標的の両側のこれらの部分または標的自体のこれらの部分に相補的である領域 を有するILOをつくりだすのに必要である。標的配列が未知であるか、部分的 にだけ既知である場合、ILOの長さは、標的上の配列の既知の領域へのそのハ イブリッド形成を最適化するのに有益に増され得る;このことは、正確な標的配 列ハイブリッド形成を確実にするのを補助する。この場合も、当業者は、そのよ うな状況での適当なILOを最適化するのが容易であると信じられる。 ILOは、逆アミダイトがILOの一部分に必要であることを別として、標準 的な技術と機器とを使用してつくることができる。例えば、商業的に得られるD NA合成装置と関連してホスホルアミダイト化学を用いて、ILOの第1の部分 がつくられ得る。この部分は、『S』が固体支持体である従来のS−3’−5’ −オリゴヌクレオチドを含んでなる。その後、反応カラムを取りはずし、逆ホス ホルアミダイトを含む異なる機器に入れることができ;この機器を用いて、反応 チャンバに加えられた第1の逆アミダイトが逆インターヌクレオチド連鎖をつく るであろうから、残りの逆アミダイトの添加を後続させると完全なILOがつく られ得る。認識されるように、ILOの第1の部分は、固体支持体に結合した部 分がS−5’−3’(従来のホスホルアミダイトが後続する)であろうから逆ホ スホルアミダイトを使用できる。よって、3’ILOおよび5’ILO分子をつ くることができる。単一の機器が、ILOをつくるように使用できるということ が理解されるべきである;好ましくは、 そのような機器は、反応チャンバへの従来のホスホルアミダイトおよび逆ホスホ ルアミダイトの両方の添加を行う能力を有する。 化学リンカーも逆連鎖に用いられ得る。例えば、TOPSTM試薬(Cambr idge Research Biochemicals)が、アミダイトへの 逆アミダイトの連鎖に対して用いられ得る。 逆ホスホルアミダイトをつくるために用いられる好ましい合成プロトコールは 、デオキシヌクレオチドまたはデオキシヌクレオシドの3’ヒドロキシル基での 『一時』保護基の使用を必要とし、よって、ホスフェート基またはホスフィット 基が、5’−ヒドロキシル基に加えられる。注目されるアンチセンス参考文献は 、そのような合成についてのプロトコールについて述べている。我々は、Ogi lvie,K.K.らの『リボヌクレオシドのヒドロキシル機能の保護でのシリ ル基の使用(The Use of Silyl Groups in Pro tecting the Hydroxyl Functions of Ri bonucleosides)』Tethrahedran Letters. 33:2861−2863(1974)に記載の手順の変形を用いてシリルイ ミダゾールがシリル化剤として用いられることを選ぶ;Ogilvieは、シリ ル化反応は、リボヌクレオシドの5’ヒドロキシル基に特異的であると報告して いる。5’−ヒドロキシル基が保護されると、『−時』保護基、最も好ましくは DMTが、3’−ヒドロキシル基に加えられ得る。精通した技術者は、逆ホスホ ルアミダイトを得る別の方法を識別する能力をもっていると考えられる。 本発明の酵素プロセスの例示実施態様は、二本鎖DNA(または DNA−RNAハイブリッド)の指数増幅に特に関するが、RNAおよび一本鎖 DNAの増幅も同様に実行可能である。特に好ましい標的配列増幅プロトコール の図式的表示が、図1、2および3に示してある。固体相の増幅プロトコールの 図式表示は、図4に示してある。図1では、標的配列は、二本鎖であり、ILO が標的の鎖にハイブリッド形成するようにつくられ得ることが十分な定義である ;図2では、標的配列は、3’ILOおよび5’ILOが突然変異してない配列 の検出と増幅のために使用される点突然変異を含んでいてよく;図3では、『ギ ャップ』が、標的配列内に存在し;図4では、ILOがアビジンを介して固体支 持体に結合していて、逆インターヌクレオチド連鎖が、ビオチン部分を含んでい る。開示されたILOは、また、一本鎖コンホメーション多型性(Single Stranded Conformational Polymorphis m)のようなプロセスで有用であり;SSCP分析に用いることのできる例示シ ステムには、the PhastSystemTM(Pharmacia)がある 。加えて、一本鎖DNA結合タンパク質(13(2)Biotechnique 188(1992)は、開示のILOと関連して使用できる。 開示の次の部分について、本発明のある種の好ましい実施態様が開示されてい る。しかしながら、これらの好ましい実施態様は例示的なものであり、限定的な ものでないことを理解すべきである;当業者は、ほかの酵素プロセスで本開示を 用いる能力を有すると考えられる。 A.指数的増幅に使用するシングル3’−ILO 二本鎖DNAの指数的増幅のために1組の3’−ILO分子を使用する本発明 の実施態様を図1に模式図的に示す。ハイブリダイゼーションの際に条件が適切 ならばILO部分は標的鎖に沿って延長し(図1B)、標的:延長3’−ILO の延長及び変性の終わりには次の4生成物が存在する:2種類の元々の鎖及び2 種類の延長したILOアンプリコン(図1C)。そのILOアンプリコンはその 後のサイクルにおいて標的塩基配列として役立つ(図1D−F)。図1DはIL O生成物を用いる指数的増幅経路を示す。上記のように、ILO及び標的塩基配 列の長さによって、図1E及び1Fに示される経路の1つまたは両方がおこり得 る:図1Eは環状二本鎖ILOアンプリコンに至るILOアンプリコンのセルフ −プライミング(self−priming)を示す;図1FはILOアンプリコンの延長 を示す。 1.核酸標的配列 開示された方法を用いて少なくとも1つの標的核酸配列の指数的量を生産する ことができる。標的配列の少なくとも2つの領域に関する十分詳細な、例えばそ こにハイブリダイズするILOの生成を可能とするような情報が必要である。 核酸のいかなるソースでも標的核酸配列のソースとして利用できる;その核酸 配列は精製した形でも非精製でもよく、これらの選択は主として増幅の目的と関 連した研究者の要求に依存する。例えば臨床的評価のためには、標的配列を精製 して完全に分離するのは実際的でない;しかしながらそのサンプルが不純であれ ばある程、潜在的偽陽性結果を生み出す見せかけの増幅のおきる可能性が大きく なるかも知れない。或る核酸リガーゼまたはポリメラーゼ及び或る複雑さをもっ た核酸のサンプルでは、熟練せる当業者は抑制条件(stringency conditions) ;ILO及びILO領域の長さ;標的配列の決められた長さ;ILOのアニーリ ング温度を容易に調節または決定してリガーゼ及びポリメラーゼの活性を維持し 、同時に見せかけの増幅の可能性を容認し得る低レベルに維持することが十分に 可能である。 開示せる方法では標的として一本鎖−または二本鎖DNAまたはRNAを用い ることができる;その上、DNA−RNAハイブリッド(これは各々の鎖を含む )も用いられる。上記のいずれかを含む混合物を用いることもできる。 試験すべき標的配列はいかなるソースからも得ることができる;例えば細菌、 ウィルス、酵母及び植物または動物のような有機体から分離したDNAまたはR NAから:pBR322及びM13のようなプラスミドから、そして閉鎖状DN AまたはRNAからも得られる。これらの仕事を実現する技術は熟練せる当業者 の技術の範囲内である。DNAは組織培養で増殖した細胞から抽出してもよい; 参照:マニアチス(Maniatis)など;“分子クローニング、実験室マニュアル( Molecular Cloning,A Laboratory Manual)”(ニューヨーク;Cold Spring Ha rbor Laboratory;1982)(以後は“マニアチス”と記載)、280−281ページ。 臨床的サンプル(例えば皮膚落屑、全血、血清、血漿、精子、涙、膣スワブな ど)から誘導された標的核酸配列は当業者が利用できる種々の方法によって作ら れる。一般にはこれらの技術の主な目的は、核酸を十分に精製して、もし存在す れば核酸増幅を妨害するか も知れない異物を除去することである。例えば血清サンプルでは核酸の製法は概 して次の段階から成る:血清を、25mM MOPS(pH6.5)中2.5m g/mlのプロテイナーゼK(Boehringer Mannheim)、2.5mM EDTA 及び0.5%SDSと共に70℃で1時間インキュベートする。これに続いて次 の抽出を行う:フェノール抽出及びエーテル抽出。この次にエタノール沈殿を行 う。参照:ラルザル(Larzul)など、J.Heptol.5巻、199−204ページ(1987) 。記載されているようにその他のプロトコル及び技術もこのような精製のために 容易に使用できる。 2.3’−ILOの製法 好適にはILOは上記の方法で作られる。ILOのハイブリダイゼーション領 域は、標的配列(s)に安定的にハイブリダイズするのに十分な長さをもってい なければならない。そのためILOの長さはヌクレオチドたった4個から数百ま でもの範囲に変動し得る。その上、5’−5’ヌクレオチド間連鎖の領域又は他 側は等しい長さであっても異なる長さであってもよい、例えばもしILOの長さ を100塩基とするならばILOの3’−5’領域が25塩基で、したがってI LOの5’−3’領域は75塩基となる。これらの領域の長さは実質上等しいこ とが好ましい。熟練せる当業者は標的へのハイブリダイゼーションが可能である ILOの長さを容易に選択することができ、この標的はそれはそれでこの標的に 沿ったILOの酵素的延長を行わせる。 ILOは好適には次のように作られる;ビューケイジ(Beaucage,S)らのTetr ahedron Letters 22巻:1859-1862ページ(1981)に記載されているプロトコル を用いて第一の自動機器で固体サポー ト:3’−5’部分が作られる。その後、ILOのこの部分を含む反応カラムを 第二の機器に移す;ここで逆ホスホルアミダイト類を利用して例えばオギルヴィ ー(Ogilvie,K.K.)などのTetrahedron Letters 33巻:2861−2863ページ(1974 )に記載されているプロトコールを用い、ILOの第二の部分が作られる。その 後、公知の基準を用いてILOの切断及び脱防御が好適に行われる。 3.鎖の分離/変性 鎖の分離は適切ないかなる変性法を用いても実現できる;これらには物理的、 化学的又は酵素的手段の利用が含まれる。鎖を分離する物理的方法は、核酸を完 全に変性するまで加熱することを含める;熱変性は一般的には約80℃から約1 05℃までの温度(好適には約95℃)を約1ないし約10分間(好適には4− 5分間)適用することから成る。鎖を分離するその他の物理的方法は二本鎖が存 在する媒質のpHを変えることから成る;pHによる変性は一般的には約pH1 1ないし約pH14のpHを約1秒間ないし約10分間適用することから成る。 鎖分離の酵素的方法はヘリカーゼまたは酵素RecAと呼ばれる酵素の利用に依 存する;この酵素はヘリカーゼ活性をもち、ATPの存在下では二本鎖DNAを 変性すると報告されている。核酸鎖をヘリカーゼで分離するのに適した反応条件 はCold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology、XLIII巻、“DNA 複製及び組換え(DNA Replication and Recombination)”(ニューヨーク: Cold Spring Harbor Laboratory、1978)、クーン(B.Kuhn)など、“DNAヘ リカーゼ(DNA Helicases)”、63−67ページに示される;これは引例により ここに挿入される。(好適なように)熱変性を用いる場合、ILOプロトコルに 用いる酵素は熱安定性酵素であることが最も好適である。 4.操作段階 ILO反応は、好適には約6.0ないし約9.0のpHをもつ緩衝水溶液中で 行われるのが好ましい。好適には反応緩衝液はILO反応を十分にそして特異的 に循環させ得る種々の成分を含んで成る。ポリメラーゼ酵素がTaqポリメラー ゼの場合、特に好ましい緩衝溶液は20mMトリス ヒドロキシメチル アミノ メタン塩酸(TRIS−HCL)、pH7.8、である。好適には付加的材料は 反応緩衝液に添加される;これらの材料は、反応の循環が高効率で(例えば標的 鋳型あたり最大量の生成物、好適には2X以上、より好適にはXY、最も好適に は約X2;ここでXは各サイクル中に使用できる標的鋳型の数であり、Yは1. 0以上、約2以下である)、しかも高い特異性(“ポリメラーゼの忠実度”とは 酵素が正しいヌクレオチドを酵素的に挿入する傾向と定義し、“リガーゼ忠実度 ”とは、リガーゼ活性をニック−クロージング活性─例えば標的配列にハイブリ ダイズしたときに互いに隣接する2つの相補的オリゴヌクレオチド部分の結合─ に限定するもの、と定義した場合、リガーゼ及びポリメラーゼ酵素の忠実度の正 確さ)をもち;加工処理性が最大であり;酵素の触媒的安定性が維持され;反応 安定性(すなわち反応成分が溶液中に保持され、非特異的活性は減少し、反応成 分の反応器面への付着が最小である)が維持されるように選択される。その他の 材料、例えば保存剤などを任意に反応緩衝液に添加することができる。反応緩衝 液の所望の最終容量を得るために二重電離水を用いるのが最も好適である。 (好適なように)熱変性を利用する場合、温度の周期的範囲内に 温度がコントロールされた環境を反応器に与える熱循環器を用いるのが好適であ る。その一例はパーキンエルマー480TM熱循環器である。 ILO部分は核酸標的配列の二本鎖1つにつき最低2つのILO分子となるよ うに存在するのが好適である。好適にはILOは約2.0ナノモル(nM)〜約 200マイクロモル(uM)の濃度範囲で存在し;より好適には約200nM〜 約10uM;最も好適には約2.0uMである。各反応に用いるILOの最適量 も標的の濃度、酵素濃度、実施される増幅サイクル数に依存して変化する。最適 濃度は熟練せる当業者によって容易に決定できる。 概して条件の抑制(stringency)は温度、緩衝液及び関連パラメーターに依存 する;しかし温度的パラメーターは一般にはコントロールし易く、したがって、 変化したときにはILO反応のパフォーマンスを最適化するために利用できる好 適な抑制パラメーターである。記載されているように、温度によって仲介される 抑制に直接関係しているのはオリゴヌクレオチド部分の長さである−−そこで当 業者はILOの標的とのハイブリダイゼーションによってILOを確実に酵素的 延長するという目的にしたがって、抑制条件を容易に最適化することができる。 ILO延長手段、好適にはデオキシリボヌクレオチド三燐酸(すなわちdAT P、dGTP、dCTP及びdTTP)及び/またはリボヌクレオシド三燐酸( すなわちATP、GTP、CTP及びUTP)と組み合わせたポリメラーゼ酵素 は、好適にはILOを標的配列と混合する前か混合中、または混合後に反応器中 に存在する。ポリメラーゼ酵素は熱安定性ポリメラーゼ酵素であるのが最も好適 である。最も好適な付加的段階は、すでに標的配列、dNTPs及びILO部分 を含む反応器にポリメラーゼを混ぜるという段階である。 特に好ましいプロトコルでは、ハイブリダイゼーション及び酵素活性が実質上 阻止されるような温度をもった反応器中ですべての試薬を混合する。これは、約 4℃に維持した反応器に反応成分を加えることによって容易に実現できる;この 温度ではすべてとは言わないまでも大部分の酵素活性は実質上阻害される。 最も好適な反応成分付加順序は次のようである:反応緩衝液;標的配列;dN TPs;ILO;熱安定性ポリメラーゼ酵素。“加熱開始(hot start)”後に 熱安定性ポリメラーゼ酵素を加えるのが最も好適である、すなわちポリメラーゼ 酵素を反応器に加える前に最初の“変性サイクル”を行う。既述のように、増幅 プロセスの開始が望まれるまではこれらの成分を約4℃に維持するのが最も好適 である。反応成分は手で、または種々の反応成分を反応器(s)に自動的に添加 できるロボット式自動ラボラトリーワークステーションによって反応器に加えら れる。特に好適なロボット式自動ラボラトリーワークステーションはBIOME KR1000[ベックマンインスツルメント(Beckman Instruments,Inc.フラト ン、CA)]である。 反応成分を混合した後、反応器が最も好適なように4℃に維持されていたなら ば、その反応器を“加熱開始”にする、すなわち温度を約5分間約95℃に高め 、ポリメラーゼ酵素の添加によるILO反応が開始する前に、標的配列を完全に 変性する。好適にはその次ぎに増幅サイクルを行う。1サイクルはILO部分の 標的配列への アニーリングと、その変性を必要とする。もし変性が温度によって仲介されるな らば(最も好適であるように)、それらサイクルは反応器の温度調節によって調 節される。熱に不安定な酵素を用いる場合は、鎖の変性に必要な温度に達したと きには、その酵素の酵素的活性はほぼ破壊されている;したがって各サイクル後 に新鮮な酵素を加えなければならない。主としてこの理由で熱安定性酵素の方が 好んで用いられる。 各サイクル中に用いられる温度は主としてILO部分のアニーリング温度に依 存する;熟練せる当業者は各サイクルに用いられる時間及び温度を容易に最適化 することができる。長さ約6ないし約10塩基のILO部分では、そのアニーリ ング温度は約40℃である;この温度では熱感受性(すなわち熱不安定の)酵素 でも活性である。しかしながら部分の長さが増加するにつれてアニーリング温度 は上昇し、熱安定性酵素を使用するか、または各サイクル後の熱感受性酵素の添 加が必要となる。 その他の変性手段、例えば物理的方法、酵素的方法、pH調節または化学的手 段を用いる場合は、その手段は反応成分と相容れなければならないことは熟練せ る当業者にとって当然である。ILOプロセスを行うために必要な諸成分でこの ような手段を最適化することは熟練せる当業者の技術の範囲内であると考えられ る。 サイクル数は主として研究者の必要に依存する。使用できる標的コピーの数が 少ない場合(すなわち約1000以下)、サイクル数は10ないし40の範囲で あり、より好適には20ないし40、最も好適には約40である;使用できる標 的コピーの数が多い場合(すなわち1000以上)サイクル数は上記と同じであ ってもよい が、より少ないサイクルでも検出可能の結果を得ることができる。40以上のサ イクルも用いることができる。サイクル数に関する1つの準制限因子は使用する ILO分子、dNTPs及び酵素の量である。サイクル数が増えるとこれらの成 分は場合によっては枯渇し、それ以上のサイクルを行っても付加的増幅には至ら ないことがある。こうして所望サイクル数の増加につれて、ILO分子、dNT P及び酵素の相対的量を増加することが好ましい;所望のサイクル数に対してこ れらを最適化することは当業者の技術の範囲内と考えられる。 適切なサイクル数が行われた後、反応を打ち切る。効率的方法は酵素を不活性 化することであり、最も好適には反応器温度を4℃に下げることによってこれを 実現することである。しかしその他の方法、例えばEDTA及び尿素“中止”溶 液を用いることができる。その他に、当業者に公知の方法を用いて酵素を化学的 に不活性化することができ、或いは例えばセファデックス カラム上で;濾過に よって;遠心分離により;またはゲル電気泳動法によって、成分を分離すること ができる。温度を利用して反応を打ち切るのが最も好適である。 あらゆる増幅プロトコルと関連した潜在的致命的問題は汚染である;この問題 が特にひびくのは、増幅プロトコルが診断的目的に用いられる場合である。例え ば、1つの反応器からの微々たる汚染でも誤った陽性結果を導くことがある、す なわち第一の反応器に存在し、第二の反応器には存在しない所望標的が偶然に第 一反応器から第二の反応器に移るかも知れない−−こうなると所望標的は事実第 二の反応器には本来存在しなかったのに、第二の反応器が所望標的 の増幅を示すようになる。このような汚染の可能性を本質的に減らすための種々 のアプローチが提案されている。このようなアプローチの1つは、酵素ウラシル −N−グリコシラーゼ(“UNG”)を利用するものである。UNGはウラシル を分解するから、ウラシルを含むオリゴヌクレオチドはUNGの存在下で効率的 に分解する。その上UNGは熱(約80℃)で不活性化される。こうして汚染に 関する懸念を減らすためには、反応混合物中のdTTPをUTPに置き換えた溶 液を用いるのが好適である、すなわち増幅生成物はチミジンの代わりにウラシル を取り込む。第一の反応器で標的が増幅した後、UNGを第二反応器に加える; もしも第一反応器からきた何らかの増幅生成物が第二反応器を汚染したならば、 UNGがその汚染物を効果的に分解する。その後第二反応器は約80℃までの加 熱によって“加熱開始”され、それによってUNGは不活性化される。その後d NTP及び/または酵素を第二反応器に加えて、ILOプロトコルを開始するこ とができる。 5.ILO標識化 ILOの標識化は任意のものであり、主として研究者の要求に任せられる。標 識は、処理操作が容易で効率的に検出できるものであることが好ましい。その上 、dNTPsは標識化することができる。 直接検出できる標識に関するアプローチとしては、例えば32P、35Sまたは12 5 Iなどの放射性標識をつけたdNTPの利用がある;これらの放射性標識はI LO部分に組み込まれ、またはILO部分の酵素的延長に関して利用される。し かしながら後者のアプローチが用いられる場合、組み込まれた標識化dNTPs を、組み込ま れなかったそれらから分離することが必要である。 ILOを直接標識化するアプローチは、当業者には公知のオリゴヌクレオチド の標識方法から取り入れることができる。特に好適なアプローチは“末端標識化 ”アプローチである。それによるとT4ポリヌクレオチド キナーゼを用いて、 γ−ホスフェートをリボヌクレオシド5’−三燐酸ドナー(一般的には[γ−32 P]ATP)から5’−ヒドロキシルに移すことによって5’−末端標識を5’ −ILOに導入する。参照:例えば、リチャードソン(Richardson,C.C.)、“ 酵素(TheEnzymes)”、XIV巻、核酸A部、Boyer編、P.D.Acad.出版、299ペー ジ、1981。別法としては、末端デオキシヌクレオチジル トランスフェラーゼを 用いて、提供されたデオキシヌクレオチド系列をILOの3’−末端に付加する ;例えば[α32P]デオキシNTPを用いればシングル(single)ヌクレオチド 標識化が可能である。参照:例えば、ボラム(Bollum,F.J.)、“酵素”、X巻 、Boyer編、P.D.Acad.出版、1974;ユサフ(Yousaf,S.I.)など、“遺伝子(G ene)”27巻、309ページ(1984);ワール(Wahl,G.M.)など、PNAS USA 76巻 、3683−3687ページ(1979)。標識ジ−デオキシNTPs、例えば[α32P]d dATPなども用いることができる。 その他に非放射性標識化ILO、例えばハプテン標識化ILOなどが有効であ る。例えばWIPO出版物No.WO91/19729“核酸プローブ及び蛋白質プロー ブ(Nucleic Acid Probes and Protein Probes)”、アダムス(Adams,C.W.)、 出版日1991年12月26日を参照、これは引例によってここに挿入される。このよう なハプテン標識に関する検出スキームにはそのハプテンに対する抗体の利用が 含まれる−−その抗体が標識化される。 これに類似した1アプローチはビオチン及びアビジン、またはこれらの誘導体 の利用を含む。例えばビオチン−11−dUTPをdTTPの代わりに、または ビオチン−14−dATPをdATPの代わりに用いることができる。それから 標識化アビジン、またその誘導体が検出のために用いられる。一般的にランガー (Langer,P.R.)などのPNAS USA 78巻:6633−6637ページ(1981)を参照せよ; これは引例によってここに挿入される。ビオチニル化ホスホルアミダイト類も利 用できる。例えばミシウラ(Misiura,K.)など、“核酸研究(Nucl.Acids.Res. )”18巻、4345−4354ページ(1990)参照;これは引例によってここに挿入され る。このようなホスホルアミダイト類は、オリゴヌクレオチド部分の合成中に、 成長しつつあるオリゴヌクレオチド部分に沿った所望位置に正しくそれらを挿入 することができる。 その他にフルオレッセイン−11−dUTP[参照:シモンズ(Simmonds,A.C .)など、Clin.Chem.37巻:1527−1528ページ(1991)、引例によってここに挿 入される]及びジゴキシゲニン−11−dUTP[参照:ムーレッガー(Muhleg ger,K.)など、“ヌクレオシド及びヌクレオチド(Nucleosides & Nucleotides )”、8巻、1161−1163ページ(1989);引例によってここに挿入される]を標 識として用いることができる。 化学ルミネセンス基質も標識として有効である。例えばホースラディッシュペ ルオキシダーゼ(“HRP”)及びアルカリ性ホスファターゼ(“AP”)─こ れらは両方共核酸に直接架橋結合する[参照;レンズ(Renz,M.)及びクルツ( Kurz,C.)、核酸研究1 2巻:3435−3444(1964)、引例によりここに挿入される]─は酵素標識として 使用できる。HRPの基質であるルミナール及びAPの基質である置換ジオキセ タンが化学発光基質として用いられる。HRP標識プロトコルの例はアメルシャ ム(Amersham)(アーリントンハイツ、イリノイ、USA)から市販される CL システムである。 一本鎖オリゴヌクレオチドの標識化方法及び標識化オリゴヌクレオチドは米国 特許第4,948,882号にも記載されている。このなかに述べられている情報も開示 されたILOプロトコルに利用できる。 標的増幅が必ずしも連続的に行われない研究的環境においては、放射性標識の 利用がより好ましいかも知れない。非研究的環境、例えば臨床的状況ではこのよ うな標識は廃棄物の問題及び連続的放射性標識被曝に関係する関連リスクのため に好ましくない。そこでこれらの状況では非放射性標識の方が好ましいかも知れ ない。上記の事柄は制限としてでなく例として把握されるべきである。 6.増幅生成物の検出 増幅生成物の検出は主として使用した標識による;MISAはその固有のコン カテマリゼーションのために、増幅反応器中でネフェロメトリープロトコルまた は比濁法プロトコルによって検出しやすい“スカッターセンター(scatter cent ers)”を作り出すことができる。すなわち増幅プロセス後に増幅反応を直接検 出することができる。熟練せる当業者は選択した標識に対して適切な検出プロト コルを選択する能力をもっている。 制限するものではなく例として、放射性標識を用いた場合には反 応器からの増幅生成物並びに反応成分を検出前に何らかの種類の分離操作、好適 には“スラブ”ゲル電気泳動にかけるべきである;その後X線感受性フィルムを 分離媒質上に置き、それによって放射性標識による露出によって生成物増幅がお きたかどうかが明らかにされる。或いは、増幅生成物を反応成分から分離し、こ のような測定に適合したまたはそのために設計された機器を用いて放射能カウン トを測定することができる。 非放射性標識は目で見て確認したり、このような目的のために設計された機器 で検出したりすることができる。例えば標識がHRPのような酵素であり、基質 が色素生産性物質である場合、基質の標識への導入は色の変化をおこし、そのた め色が増幅生成物の証拠となる。ハプテン標識は、検出可能の標識を結合して有 する抗ハプテン抗体を用いて検出することができる。 間接的に検出できる標識、例えばビオチンでは、検出可能の標識を結合して有 するアビジン(またはその誘導体)を用いて、または反応混合物から捕獲し、分 離することによって検出することができる。 増幅生成物検出のためのその他の手段としては、増幅生成物に相補的な核酸プ ローブの利用がある。この種の検出においてはオリゴヌクレオチド部分の標識化 は不必要である。標的が存在するならば、その増幅は、標識核酸プローブを用い て検出できるような十分量の標的を生ずる。直接または間接に検出できる標識を 含む単一プローブを用いることもできるし、または直接または間接に検出できる 標識と捕獲部分(capture moieties)とを含む複数プローブを用いることもでき る。参照;例えば米国出願番号第07/576,137号“液 相核酸ハイブリダイゼーション及び標的核酸検出のための固相捕獲、及びそのキ ット(Solution Phase Nucleic Acid Hybridization and Solid Phase Capture For Detection of Target Nucleic Acid、and Kit Therefore)”、これは参考 として、ここに挿入される。 B.突然変異領域の検出及び指数的増幅に用いるシングル3’−ILO及びシ ングル5’−ILO 標的配列に沿った突然変異点を増幅検出する本発明の実施態様を図2に模式図 的に示す。この実施態様においては、突然変異点の塩基配列情報がわかっている ため、相補的ILO分子を作り出すことができる。 図2を参照すると、矢印は推定される突然変異点の領域を指している;例えば AAACGGGTが正しい配列を示し、したがってAAACAGGTは突然変異 点を示し、AAACGTは欠失を示す、等々。ILO分子が正しい野生型配列に ハイブリダイズするように設計されるならば、もしも突然変異がある場合は、I LO部分の酵素的結合に導くようなハイブリダイゼーションはおこそうとしても おきるはずがない。 認められているように、ILO部分が標的にハイブリダイズする点において結 合の必要があるため、1つのILO部分は3’−ILO(2つの3’末端)でな ければならず、もう一つのILOは5’−ILO(2つの5’−末端)でなけれ ばならない。この結果1つのILOの3’末端ともう一つのILOの5’末端と の間に結合がおきる。この理由で、反応プロトコルの開始前には各5’末端に燐 酸基が含まれていることが好ましい。その上、各ILOの配列は結 合点に関して標的配列のクロス−ダイアゴナル領域に一致する。例えば図2を参 照すると、3’−ILOは鎖A上の或る領域に相補的な配列(鎖AのAAAC領 域に相補的な3’−ILOのTTTG部分)と鎖A補体(3’−ILOのGGG T部分は鎖A補体のCCCA領域に相補的である)とを含む。標的鎖は定義によ り相補的であるから、これらの塩基配列は標的配列の相補的部分にあらわれる配 列と同一である。 推定的突然変異点の領域の塩基配列を研究することは勿論必要である;これは 3’−ILO及び5’−ILOの作成を可能とする。 再び図2を参照すると、3’−ILO及び5’−ILOの各相補的領域はそれ ぞれの標的にハイブリダイズすることができる;適切な条件下では次に結合的で きごとがおこる;それは3’−ILOを5’−ILOにつなげ、その結果次のラ ウンドで標的として使用できる2つの生成物が生ずる。 1.核酸標的配列 A.1章に示される情報は発明のこの実施態様に適用できる;記載されている ように、3’−ILO及び5’−ILOを作り出すためには、突然変異に通ずる ヌクレオチド変化の領域の塩基配列に関する情報が必要である。 2.ILOの形成 a)3’−ILOの形成 A.2章に示される情報は発明のこの実施態様に適用できる。 b)5’−ILOの形成 本質的には5’−ILOは、3’−ILOを生成するのと同じ方法で多量に生 成する。しかしながら逆ホスホルアミダイト類を使用 して、固体サポート付着、すなわち固体サポート:rp5’−3’(ここで“r p”は 逆ホスホルアミダイト類)を形成するのが好適である。その後反応チャ ンバーを第一合成装置から取り出し、従来のホスホルアミダイト類を用いる合成 装置に入れ、3’−3’逆連鎖が生じるようにした。 c)3’−ILO/5’−ILO ハイブリダイゼーションの回避 3’−ILO及び5’−ILOは互いに相補的である;それに加えて、そして 当業者には当然であるように、反応器に加えられる3’−ILO及び5’−IL Oの量は、ILO:標的ハイブリダイゼーションを活発に行わせるために、普通 は標的配列に対して過剰になっている。これはまた3’−ILO:5’−ILO ハイブリダイゼーションを促進する可能性を増やす潜在的効果も有する。そのた めILO部分は、ILO:ILO ハイブリダイゼーションを実質上阻止するよ うに合成される。これはヌクレオチド間連鎖内に“妨害部分”、すなわちビオチ ン分子を入れることによって実現する。別法として逆連鎖領域内もしくはその近 くのヌクレオチドを利用することもできる。例えば図2の3’−ILO及び5’ −ILOを用いて、互いに相補的でない付加的塩基を使用することができる;図 2Aはその方法の模式図である。 図2Aでは、3’−ILOは鎖Aの塩基に一致する2つの塩基(GG)を含む ;これは勿論ILOのこの部分における相補的塩基対形成を妨害する。5’−I LOは鎖A補体の塩基に一致する2つの塩基を含む(GG);これも同じ効果を 有する。よって、5’−ILOのGG(下線を引いた部分)は、2つのILO部 分の中心領域 内が非相補的であるが故に、3’−ILOの5’−ILOへのハイブリダイゼー ションを妨害する。“妨害部分”がヌクレオチド塩基である発明のこの実施態様 において、妨害塩基の数がILOの塩基数の約10%以下であるのが好適であり 、ILOの塩基数の約5%以下であるのがより好適である。例えばヌクレオチド 間連鎖の両側に25塩基をもつ全部で50塩基から成るILOでは、ILOの1 領域の塩基25が標的領域に絶対的に相補的であり、ILOのその他の領域の約 20−23塩基が標的領域に絶対的に相補的であり、約5ないし2塩基が記載の ように非相補的であるのが好適である。 3.鎖の分離/変性 A.3章に示される情報は本発明の実施態様に適用できる。 4.操作段階 A.4章に示される情報は次のような変更を加えれば発明のこの実施態様に利 用できる。定義により発明のこの実施態様は5’−ILO及び3’−ILOの結 合を必要とし、ポリメラーゼ及びdNTPsに加えてリガーゼ酵素、最も好適に は熱安定性リガーゼ酵素が用いられる。サイクル操作により結合生成物を増幅す ることができる;これは勿論3’−ILOと5’−ILOとの結合が標的配列に 関して実現可能であると仮定してのことである。 5.ILOの標識化 A.5章に示される情報は発明のこの実施態様に適用できる。 6.結合生成物の検出 結合生成物(もしも存在するならば)を検出するための検出スキームは多数あ る。我々はビオチン部分を例えば3’−ILOに組み込み、例えば放射性標識を 5’−ILOに組み込む二段階式検出ス キームを利用することにした。反応プロトコル後、反応器をアビジン−コーテッ ド固体サポートに導入する。これは3’−ILOのほとんどすべてと、もし存在 するならば3’−ILO:5’−ILO結合生成物を取り出すという効果をもつ 。厳密に言うと、放射性標識化5’−ILOは実質上全く存在しない。もしも分 離された物質それ自体が“バックグラウンド”に起因しない検出可能の放射能を もつならば、3’−ILOと5’−ILOとの結合がおきた、という結論が引き 出される。 C.3’−ILO及び5’−ILO間のギャップ 3’−ILO及び5’−ILOを標的にハイブリダイズさせ、そのハイブリダ イゼーションの結果3’−ILOと5’−ILOとの間にギャップが存在し、増 幅プロセスがそれに関連づけられるように設計された本発明の実施態様が図3に 模式図的に示される。 1.核酸標的配列 A.1章に示される情報は発明のこの実施態様に適用できる。しかしながら定 義により、ギャップ間の配列に関する情報は知る必要がない。例えば、ギャップ の配列は未知であってよい;必要なのは、ギャップの両側の部分に関する十分な 詳細がわかっており、相補的3’−ILO及び5’−ILOを生成できることで ある。 2.ILOの形成 B.3章に示す情報は発明のこの実施態様に適用できる。 3.鎖の分離/変性 A.3章に示す情報は発明のこの実施態様に適用できる。 4.操作段階 ギャップを“埋める(fill-in)”必要があるため、ポリメラーゼ酵素、dN TPs及びリガーゼ酵素が発明のこの実施態様には必要である。こうしてA.4 及びB.4章に示される情報は適用できる。 ポリメラーゼ酵素及びdNTPsを使用する必要があるため、標的鎖にハイブ リダイズした3’−ILOがギャップとは反対方向に延長する可能性が存在する (“埋まらない(non−fill-in)”)。本質的にはこれは重要な問題ではない。 埋まらない延長を減らし、“埋める”延長が可能であるようにサイクル時間を最 適化することが実現可能である。ギャップの配列に関する情報が(a)ある場合 、及び(b)4塩基中3塩基のみから成る場合、別のアプローチが可能である。 これによると3dNTPsを使用して埋まらない延長を制限することができる。 約200ヌクレオチド以上の長さをもつギャップでは、各サイク ルの反応時間を延長することが好ましい;各サイクル反応時間が約10分以上、 すなわち約12−15分以上であることが好適である。このような時間延長の目 的はサイクリング効率を高めることである。 5.ILO標識化 A.5及びB.5章に示される情報は発明のこの実施態様に適用できる。 6.結合生成物の検出 A.6及びB.6章に示される情報は発明のこの実施態様に適用できる。特に 好適な検出スキームは、オリゴヌクレオチド部分の1つ(または複数)に相補的 な核酸プローブの使用を含む;このためアンプリコンを反応器から“引き出す” ことができ、それによってその塩基配列を決定することができる。 発明のこの実施態様に関係する診断的応用により、1つ以上の対立遺伝子を生 ずる特異的突然変異のための種々の標識プローブを用いる機会に恵まれる。すな わち遺伝子の特定領域内に存在することがわかっている種々の突然変異に対して 、この領域をフランク(flank)するように3’−ILO及び5’−ILOを設 計することができる;その後標的の増幅の結果、未確定突然変異のアンプリコン が生ずる。それから既知の突然変異配列のための特異的プローブを用いて、その アンプリコンをスクリーニングし、どのプローブがそのアンプリコンにハイブリ ダイズするかによって突然変異を確認することができる。熟練せる当業者は上述 のような増幅標的のスクリーニングに必要な条件を最適化する能力を有する。 D.標的の固相ILO延長 開示されたILO分子は標的配列を用いる固相ILO延長を可能とする;好都 合なことに、延長した標的生成物の検出はこのアプローチによってより効率的に 行われる。図4を参照すると、標的塩基配列、固体サポート、及び3’−ILO が用意される。この反応の目的は標的塩列を鋳型として用いて不溶化ILOの酵 素的延長をおこすことである。便宜上、この実施態様は不溶化ストレプトアビジ ンと、5’−5’ヌクレオチド間連鎖に位置するビオチン部分を含む3’ILO とに焦点を置いている。 この実施態様の主要目的は標的配列を介してILOを延長し、延長したILO を分析することである。認められているように、遺伝子分析の領域では遺伝子ま たは遺伝子領域の増幅の後に、増幅生成物の例えば対立遺伝子特異的オリゴヌク レオチド(“ASO”)による“プルーブ(probing)”を行うのが最も一般的 である。これは増幅生成物を固体サポートに固定し、それから不溶化生成物をい くつかのASOでプルーブするか(“ドットプロット(dot blott)”法)また は不溶化ASOsを増幅生成物でスクリーニングする(“逆ドットブロット”法 )ことによって達せられる。これら従来のアプローチは多数の段階を必要とし、 その各段階は繁雑で間違いの可能性を増大させるのは明らかである。 このような問題を避けるために我々は固相標的延長ができるILOsを開発し た、すなわち延長生成物が最初から不溶化されており、反応後、不溶化反応生成 物を直接ASOsで調べる(probe)ことができる。 図4は、ビオチン部分が最も好適に逆連鎖(Inverse Linkage)に挿入された ビオチニル化3’−ILOを示す。アビジン(または ストレプトアビジン)固体サポートを用いると、3’−ILOのビオチン部分は 3’−ILOの不溶化をおこし、概ね“Y”または“T”形構造が形成される。 この配置は好適である、なぜならばビオチニル化(またはこれに匹敵する)IL Oが容易に生成し、アビジン−コーテッド固体サポートと混じることができるか らである。 その後、A章に詳しく述べたように、標的配列を含むサンプルを不溶化3’− ILO、ポリメラーゼ酵素及びdNTPsと混ぜ合わせる。適切なサイクリング 後、不溶化3’−ILOの3’末端は酵素的に延長する。 その後、不溶化物質(すなわちCPGまたは匹敵する物質)を反応器から取り 出し、上記のようにASOsで調べることができる。発明のこの実施態様のため に我々が用いた好適固体サポート物質はアミノ化ポリプロピレンである;これは コーシン(Coassin,P)などの米国出願番号第07/971,100号、ヨーロッパ出版物N o. 、タイトル“表面活性有機ポリマーを用いるビオポリマー合成(Biopol ymerSynthesis Utilizing Surface Activated Organic Polymers)”に開示され ている−−これは参考としてここに完全に挿入される(以後は“コーシンなど” と記載する)。 G.“問題の塩基配列”を増幅すべき標的配列に組み込むためのILO利用 問題の塩基配列を標的塩基配列に組み込むことが望ましいことはよくある;例 えば、制限酵素部位をアンプリコンの1つの末端または複数末端に組み込み、そ のアンプリコンが同じ制限部位を含むサブクローニングベクターに容易に組み込 まれるようにすると好都合である。この目的を達するためには、最も好適には、 制限部位配列 の相補的部分を逆連鎖近くのILO領域に組み込んで、標的配列に相補的なIL O領域がILO末端に位置するようにした変形ILOを作る。 例えば ClaI部位(5’−ATCGAT−3’)及びBamHI部位(5 ’−GGATCC−3’)をILOに組み込み、増幅した標的がこれらの部位を 組み込むことが望ましい場合は、ILOは次のような塩基配列をもつのがよい: (選択した酵素によっては、スペーシング塩基(“N”)が必要である。使用す るスペーシング塩基数は使用する酵素に依存する。熟練せる当業者はこの数を決 めることができる。)増幅時に生成したILO生成物はBamHI及びClaI 部位の両方を含むことは当然である。その後ILO生成物をそれぞれの制限酵素 で消化すると、そのILO生成物はこれらの部位で切断され、“粘着末端”を生 ずる;これは対応する“粘着末端”を有する例えばサブクローニングベクターに 容易に挿入される。 F.環状二本鎖ILOアンプリコンを切断して“天然”DNAを生成する 図5は環状二本鎖ILOアンプリコンから“天然”DNAを生成する模式図を 示す。このプロトコールの目的は、生成した環状二本鎖ILOアンプリコンが少 なくとも2つの制限酵素部位を含むように標的配列を増幅し、環状二本鎖ILO アンプリコンをこれらの部位で切断して天然二本鎖DNAを生成することである 。天然二本鎖 DNAは例えば適切なサブクローニングベクターに挿入するために用いられる。 制限酵素部位がE章にすでに示したようにILOに組み込まれるのが最も好適 である。 G.ILOアンプリコンの“精製”のための処理 実施例に詳細に示すように、ILOアンプリコンはセルフプライミングしやす い、すなわちdNTPs及びポリメラーゼ酵素の存在下でILOアンプリコンは 環状二本鎖ILOアンプリコンに“変換”し得る。実施例にさらに示すように、 3’−ILOsから生成した環状二本鎖ILOアンプリコンは、その配座的性質 により、3’−ILOアンプリコンに比べて5’−エキソヌクレアーゼによる消 化により強く抵抗する。このアプローチの模式図は図6に描かれる。 ILOアンプリコンのほとんどすべてを環状二本鎖ILOアンプリコンに変換 した後、混合物を5’エキソヌクレアーゼにさらす;我々はこの混合物中に残っ ている最も多い検出可能生成物が環状二本鎖ILOアンプリコンであることを明 らかにした。 ILOが3’−ILOである場合、好適なエキソヌクレアーゼは5’−エキソ ヌクレアーゼである。好適な5’エキソヌクレアーゼとしてはバクテリオファー ジλエキソヌクレアーゼ及びT7ジーン6エキソヌクレアーゼがある。 例 限定するものではなくかつ限定するものとして解釈されるべきではない以下の 例は、本発明の特に好ましい実施態様である、単−ILO分子を使用した核酸高 分子の増幅に関するものである。 I.物質、方法、装置、特定逆連鎖オリゴヌクレオチド A.装置 1)オリゴヌクレオチドとILOの合成 天然のオリゴヌクレオチドとILOの合成を、ベックマン・インスツルメンツ ・インコーポレイテッド(Beckman Instruments,Inc.)(カリフォルニア州、 フラートン)のオリゴ(OLIGO)1000自動化DNA合成装置で、ホスホルア ミダイトをベースとする化学プロトコールを使用して行なった。便宜上、ILO は、2つの装置を使用してつくった。即ち、最初のオリゴ1000合成装置にお いては、「従来の」ホスホルアミダイトを利用してILOの第1の部分を形成し 、次に、カラムを逆ホスホルアミダイトを含む第2の装置に移し、ILOの第2 の部分を形成した。 2)毛管ゲル電気泳動(「CGE」) ILOの毛管電気泳動分析を、ベックマン・インスツルメンツ・インコーポレ イテッドのP/ACE(商標)2000高性能毛管電気泳動装置で行なった。2 7cm、内径が100μmのカラム[アリゾナ州、フェニックスのポリマイクロ ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド(Polymicro Technologies,Inc.)] を利用し、重合ポリアクリルアミドゲルカラムのインハウス製造を9%Tを使用 して行なった。サンプルを界面動注入法(7.5kV、3.0秒)によりカラム に装填し、分離を300v/cmで行ない、トリス−ヒ ドロキシメチルアミノメタン−ボレートをランニング緩衝剤として使用した。サ ンプル濃度を1.0 OD/mlにして、吸光度検出をOD260nm whileで行な った。 3)サーマルサイクラー パーキン・エルマ・サーマル・サイクラー480(Perkin Elmer Thermal Cyc ler 480)(商標)を利用した。更に、ナショナル・ラブネット・カンパニー(N ational Labnet Company)のサーマル・リアクタ・ハイブリッド・サイクラー( Thermal Reactor Hybrid Cycler)も使用した。製造者の指示に従った。 B.商業的に入手可能なプロトコール 1)ポリメラーゼ鎖反応(「PCR」) バクテリオファージラムダターゲットセグメントの7630を介してのヌクレ オチド7131の増幅(amplification)をアンプリタグDNAポリメラーゼを 用いるパーキンエルマのセタスジーンアンプ(CetusGeneAmp)(商標)DNA増 幅試薬キット(パート番号N801−0055)を使用して行なった。製造者の 指示に従った。 ジーンアンプキットは、増幅に関して以下のプライマを含む。 (a)センス(配列番号1) (b)アンチセンス(配列番号2) 2)プライマのビオチニル化 ILOの逆連鎖領域でのビオチニル化を、ビオチン−ON(Bioch in-ON)(商標)ホスホルアミダイト[カリフォルニア州、パロ・アルトのクロ ーンテック・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド(Clonetech Laboratories ,Inc.)、パート番号5191]を使用して行なった。ビオチニル化ILOは、 利用前は精製しなかった。製造者の指示に従った。 C.試薬 1)オリゴ1000DNA合成装置:ホスホルアミダイト類 逆連鎖オリゴヌクレオチド用のオリゴヌクレオチドの合成を、リバース・ホス ホラミジツ(Reverse Phosphoramidites)(赤外)およびベックマン・インスツ ルメンツ・インコーポレイテッドのバイナリーパック(BINARY-PAK)(商標)ホ スホルアミダイト類(dACBz)−パート番号337737、dC(Bz)− パート番号337738、dG(cbu)−パート番号337739、T−パー ト番号337746;DNAシンセシス・リアジェント・キット(DNA Synthesi s Reagent Kit)[オキシダイズ(Oxidize)−パート番号337732、デブロ ック(DEblock)−パート番号337733、キャップ1(Cap 1)−パート番号 337734、キャップ2−パート番号337735];アクチベート・リアジ ェント(Activate Reagent)(パート番号338284);およびクリベージ・ アンド・ディプロテクション・キット(Cleavage and Deprotection Kit)(パ ート番号337742)を使用して行なった。 合成は、バイオラン(Bioran)制御のポアガラス(ポアサイズ:1000Å) を使用して行なった。 2)逆ホスホルアミダイト(「3’−DMT保護」) 3’−DMT保護デオキシヌクレオシドを図7に記載の概略プロ トコールに従ってつくった。簡単に説明すると、プロトコールは、4つのデオキ シヌクレオシドの5’OH基のマスキング用の一時保護基としてt−ブチルジメ チルシリル(「TBDMS」)を利用する。保護が行なわれてから、従来のジメ トキシトリチル(「DMT」)保護基を、従来のDMT−Cl/ピリジン処理を 使用して3’−OH基に加える。次に、5’−TBDMSの開裂を弗化物イオン を使用して行なって、所要の3’−DMTヌクレオシドを提供し、3’−DMT ヌクレオシドを適宜のクロロ−シアノエトキシホスフィンで処理することにより 逆アミジトの調製を行なう。 反応の効率は、著しい無水状態を保持することができるかどうかに特に依存す る。溶媒は、水分含量が最小であるものが最も好ましい。シリル化反応の場合に は、DMFを真空蒸留することにより、ヌクレオシドと溶媒に存在する可能性の ある痕跡量の水を共沸除去すべきである。同様に、DMT反応の場合には、ピリ ジンを真空蒸留して、痕跡量の水分を除去するようにすべきである。(このよう な予防措置を行なっても、追加当量のTBDMS−イミダゾリドまたはDMT− Clを添加することが必要となる場合がある。図7参照。) ヌクレオシドの3’領域に結合されるDMT基の安定性が高められるので、3 ’−DMTは、5’異性体よりも溶液中で一層安定となる。標準相薄層クロマト グラフィ(「TLC」)における3’DMTヌクレオシドの移行速度は、5’D MTヌクレオシドよりもはるかに大きい。更に、5’TBDMSエーテルは、3 ’TBDMSエーテルよりも緩慢に流れる。 T逆ホスホルアミダイトを除く他の逆ホスホルアミダイトは、非 晶質ガムになる傾向があり、精製のためにクロマトグラフィが必要であり、逆ホ スホラミヂトは純粋になるとガラス状の固体になる。 (a)物質と方法 TBDM−SiCl、DMT−Clおよびクロロ−シアノエチルオキシ−ジイ ソプロイルアミノホスフィンは、ケム・インペックス(Chem Impex)(イリノイ 州、ウーデイル)またはアルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ミ ズーリー州、セントルイス)から得た。TBAF/THFは、アルドリッチから 得た。前躯物質ヌクレオシド[dA(Bz)、dC(Bz)、dG(iBU)お よびT]は、ケム・インプレックスから入手した。TLCは、メタノールの塩化 メチレン溶液(1%乃至5%)を使用し、アルミニウムプレートに予備コーティ ングしたシリカゲル[イー・メルク(E.Merck)、カタログ(Cat.)番号553 4]で行なった。TLC展開をUV254nmにより行ない、希過塩素酸を噴霧 してDMTを検出するとともに、高温空気ガンで炭化してデオキシリボ含有成分 の検出を行なった。 3’−DMT−チミジン−5’−アミジトの調製を以下において説明する。他 の逆ホスホルアミダイトの調製を同じプロトコールに従ったので、概略だけを説 明する。プリン(AおよびG)は、ピリミジン(TおよびC)と比べて、TBD MSおよびDMT反応において幾分緩慢に反応するが、適正な結果をもたらした 。 化合物5’−TBDMS−T−3’−OH(C162825Si、分子量:3 56.5)を次のようにしてつくった。TBDMSi−塩化物(2.04g、1 3.6ミリモル)をDMF(50ml)に溶解し、次いで、室温で撹拌しながら イミダゾール(1.8g 、27.2ミリモル)を添加し;その場でTBDMS−イミダゾリドを生成した 。この溶液をチミジン(3.0g、12.4ミリモル)のDMF撹拌溶液に加え た。1時間後に、反応が完了した。混合物を氷上に注ぎ、生成物を白い固形物と して沈澱させ、生成物をろ過し、塩化メチレンと混合し、水に対して2回分配さ せた。その後、物質をMgSO4上で乾燥し、蒸発させて生成物を得た。次に、 生成物をエーテル:石油エーテル(1:1)に溶解し、ろ過に供し、乾燥を行な った。最終生成物は量が3.2g(72%)であり、「T−1」と称した。 5’−TBDMS−T−3’−ODMT(C374627Si、分子量:65 8.8)を以下のようにして調製した。T−1の2.5g(7ミリモル)をピリ ジン(10cc)に溶解し、DMT−Cl(5.06g、15ミリモル)を撹拌 しながら加えた。TLCにより、反応は4時間で完了したことがわかった。メタ ノール(5cc)を加え、過剰のDMT−Clをクエンチ(quench)し、その後 、溶媒を蒸発し、最終生成物「T−2」をオイルとして得た。(追加当量のDM T−Clは反応を完了へ「推進する」のに多くの場合必要であるとともに、過剰 のDMT副生成物はTBDMS基の弗化物脱保護を妨害するものではなく、従っ て、かかる副生成物の除去は重要であるとは考えられない。) 5’−HO−T−3’−ODMT(C313227、分子量:544.58) を次のようにしてつくった。T−2をテトラブチルアンモニウムフロライド(「 TBAF」)の1.0MTHF溶液25ccで処理した。TLCにより、反応は 室温において4時間で完了したことがわかった。溶媒を蒸発させ、残留物を塩化 メチレンに 溶解し、次いで、この物質をシリカゲルカラムに適用し、メタノールの0%乃至 2%塩化メチレン溶液で溶出した。得られたガムを少量の塩化メチレンに溶解し 、石油エーテルを用いて粉砕した。これにより固体生成物が得られ、これをろ過 し、真空乾燥させた。生成物は重量が2.1g(TBDMS−T−OH基準で8 2%)であり、「T−3」と称した。 5’−アミジト−T−3’−ODMT(「逆アミジト:T」)を次のようにし てつくった。T−3の1.5g(2.72ミリモル)をTHF10ccに溶解し 、次いで、室温でジイソプロピルアミン1.9cc(10.88ミリモル)を添 加した。次に、N、N−ジイソプロピルアミノ−シアノエトキシ−クロロホスフ ィン(1.2cc、5.4ミリモル)を磁気撹拌を行ないながら混合物に加える とともに、反応を窒素中で浴処理させた。TLC(2%メタノール/塩化メチレ ン)により、反応は30分で完了したことがわかり、その後、塩をフィルタ処理 し、THFを真空下で30℃で蒸発させた。次に、粗生成物を(無水炭酸ナトリ ウムで前処理した)酢酸エチルに再溶解し、次いで、無水MgSO4上で有機層 を乾燥し、その後、30℃で真空蒸発を行なった。これにより、高真空下で発泡 するオイルが得られた。(粗生成物を生成する別の方法は、溶媒系として酢酸エ チル:石油エーテル(3:1)を使用するSiO2カラムクロマトグラフィによ るものがある。) 逆アミジトA、CおよびGを、初期の工程でチミジンの代わりにdA(Bz) 、dC(Bz)、およびdG(iBU)を使用した点を除いて、同じプロトコー ルに従ってつくった。 3)アミノ化ポリプロピレン:アビジン固体支持体 アミノ化ポリプロピレン糸(直径0.0254cm)をコアシン(Coassin) 等の論文に開示のようにしてつくった。 D.逆連鎖オリゴヌクレオチド(「ILO」) 第1の一連の実験においては、利用したILOは、ジーンアンプキットからの センスおよびアンチセンスの双方のプライマのシーケンスからなるものであった 。2つの比較ILO実験を行なったが、一方の実験におけるILOシーケンスは 他方において利用されているものの対となるものであった。これは、ILO生成 物のILOの配向において、場合によっては存在する可能性のある差を測定する ために行なわれた。この実験におけるILOシーケンスは、次の通りであった。 (1)A−180(配列番号3): (2)A−181(配列番号4): ILOおよびPCR比較プライマを、シー・トーマス・キャスキー(C.Thoma s Caskey)[ベイラー・メディカル・カレッジ(Baylor Medical College)、テ キサス州ヒューストン)により広く提供されている嚢胞性繊維症遺伝子(野生型 )のエクソン(Exon)10からのアンプリコン(amplicon)の増幅に関する研究 のために形成した。 (1)A−240(配列番号5): (2)センス(配列番号6): (3)アンチセンス(配列番号7) 種々のインサートをはじめとするブルースクリプト(Bluescript)pBKS+フ ァージミド(phagemid)(ストラタジーン(Stratagene)、カリフォルニア州ラ ヨラ)の分析のため、ILOおよびPCR比較プライマを、ファージミドのT3 およびT7プロモータに基づいて形成した。 (1)A−189(配列番号8) (2)T3プロモータ、センス(配列番号9) (3)T7プロモータ、アンチセンス(配列番号10): ビオチニル化ILOはまた、固相ターゲット延長のためにつくった。 (1)A−206(配列番号11) II.例I:3’ILO酵素増幅 酵素増幅反応に関して、PCR制御をジーンアンプ(商標)バクテリオファー ジラムダターゲットの増幅に関する製造者の指示に従って行なった。A−180 およびA−181の3’−ILO分子を使用したこのターゲットシーケンスの酵 素増幅のために、A180の100ピコモルを利用するとともに、A−181を 100ピコモル利用した点を除いて、このプロトコールに同じく従い、これらを A−180およびA−181の最終濃度をそれぞれ1.0マイクロモルにするた めに、最終容量100マイクロリットルの反応混合物に加えた。 増幅反応後に、実質上同じアリコットを3つの反応容器のそれぞれから得て、 スラブゲル電気泳動(1.5%アガロースゲル)により分析を行なった。結果を 図8に示す。 図8の結果が示すように、ターゲットシーケンスの指数増幅をA−180また はA−181の3’−ILOを使用して行ない、バンド強度に基づくと、結果は PCR制御により行なわれた結果に匹敵するものである。更に、ILOアンプリ コンはPCR増幅生成物よりも「長く」なっており、この差はILOアンプリコ ンから延びる別の逆アミジト即ち従来のアミジトによるものであることがわかる [オーバーハング(overhang)]。更に、2つのILO生成物レーン はそれぞれ、2つの異なる生成物バンドからなり、低い方の生成物バンドはIL Oアンプリコンからなり、一方、高い方のバンドは環状2重鎖ILOアンプリコ ンによるものであり、1.5%アガロースが利用されているので、これらのIL O生成物間の解析(resolution)は「広範に亘る」ものではない。しかしながら 、2つの異なるバンドは、ILO生成物レーンに確かに現われている。 III.例II:ILOアンプリコンサブタイプ 種々の長さのターゲットシーケンスをpブルースクリプトファージミドに挿入 し、インサートをPCRプライマまたはILOを使用して増幅した。これらの結 果は、図9にまとめて示されている。これらの結果および利用されたスラブゲル 電気泳動条件によれば、記載されている「予期されるサイズ」はPCRアンプリ コンに基づくものであり、ILO生成物はオーバーハングまたは環状形状により 一層緩慢に流れる。 例Iの結果とは異なり、例IIの結果は5.0%アガロースゲルで解析された ものである。従って、ILO生成物レーンにおいては、少なくとも3つの異なる バンドが解析され、これらの2つは、略同じサイズで解析され、1つは全く異な るサイズで解析されている。最も緩慢なバンドは、二重鎖の態様で互いにハイブ リッド化したILOアンプリコンによるものであり、2つの内の「早い方」は、 (2つの「オーバーハング部」を含む)二重鎖の態様でハイブリッド化された2 つの部分延長されたILOアンプリコンであり、2つのうちの「遅い方」は二重 鎖の態様でハイブリッド化された1つの部分延長ILOアンプリコンと1つの完 全延長ILOアンプリコンでありまたは2つの完全延長ILOアンプリコンであ る。 (a)CFエクソン10:98bpの予期サイズ 増幅されたCF遺伝子のエクソン(Exon)10の部分は長さが98bpであっ た(「CFアンプリコン」)。CFアンプリコンは、ファージミドに次のように してサブクローン化された。CFアンプリコンをクレナウ(Klenow)[マニアテ ィス(Maniatis)参照]を使用してブラントエンドされ、連結されたブラントエ ンドCFアンプリコンはSmaIカットファージミドに連結された(「CFサブ クローン」)。 増幅条件は、各PCRプライマ(配列番号6および7)の100pモルを利用 するとともに、ILO(配列番号5)の200pモルを利用した点を除いて、I LOおよびPCR条件の双方とも同じであった。増幅は、ハイベイド(Hybaid) サーマルサークラーにおいてパーキン−エルマジーンアンプキットを使用し、1 00μlの全容量で行なった。アルカリ溶菌プラスミドミニ−プレップ1μl( 〜50ngDNA)をテンプレートとして使用した。熱サイクル(40サイクル )は、95℃15秒、60℃20秒、72℃30秒であった。各反応混合物10 μlを5%アクリルアミドゲルの分離レーンに装填し、次いで、エチジウムブロ ミドを用いて染色を行なった。 図9のレーン2は、PCRアンプリコンであり、レーン3はILOアンプリコ ンである。レーン2と3との間に見られるサイズの差は、ILOアンプリコン生 成物の実質上全てが環状形状であり、ILOアンプリコンの比較的少ないものが レーン3にあることを示している。(図9のレーン1はメリーランド州ベセスダ に所在するBRLから得られる1Kbラダー(Iadder)サイズマーカである。) (b)ファージミドからのポリリンカ:164bpの予期サイズ ファージミドからのポリリンカ(polylinker)をターゲットとして利用し、得 られたPCRアンプリコンの予期サイズは164bpであった。T3およびT7 プロモータ領域を、PCRプライマ(配列番号9および10)とILO(配列番 号8)とに利用した。条件は、熱サイクル(40サイクル)条件が40サイクル に関して95℃15秒、55℃20秒、72℃30秒であった点を除いて、例I I(a)の記載と同様であった。 図9のレーン4はPCRアンプリコンであり、レーン5はILO生成物である 。例II(a)の場合と同様、生成物の実質上全てが環状二重鎖ILOアンプリ コンであるが、ILOアンプリコンの出現もまたは明らかである。 (c)ポリリンカ+エクソン10:262bpの予期サイズ CF遺伝子(98bp)のエクソン10を、ファージミド(164bp)のポ リリンカ領域に上記したようにサブクローニング処理した。それにより、予期さ れるPCRアンプリコンサイズは262bpである。増幅条件は、例II(b) に記載の通りであった。図9のレーン6はPCRアンプリコンであり、レーン7 はILO増幅反応からのものである。 明らかなように、このターゲットサイズでは、2つの異なるILO副生成物の 出現が一層明確となったが、上部バンド(環状形状)は一層強い染色強度を有し ている。この場合にも、ILOアンプリコンは、ILO成分と上記したハイブリ ッド化生成物のタイプによる17bp「オーバーハング」の包含によりPCRア ンプリコンよりも「一層緩慢に」流れている。 (d)ポリリンカ+エクソン10のタンデムダブルインセット:360bpの 予期サイズ このターゲットは、予期PCRアンプリコンが360bpとなるようにエクソ ン10(98bp+98bp)のタンデムダブルインセットがファージミド(1 64bp)のポリリンカに挿入された点を除いて、例II(c)と実質的に同一 であった。増幅は例II(c)と同様であった。レーン8はPCRアンプリコン であり、レーン9はILO増幅反応からのものである。 例II(c)の場合と同様、2つの異なるILO生成物が形成された。 (e)ポリリンカ+ドロソフィラDNAのサブクローン:623bpの予期サ イズ (前もって配列された)ドロソフィラ(Drosophila)DNAの466bpサブ クローンのPCRアンプリコンを、ファージミドのポリリンカ部分のハインド( Hind)III部位とエコ(Eco)RV部位との間に挿入した(このようにするこ とによりポリリンカの約17bpが失われ、予期PCRアンプリコンは623b pとなる)。増幅は、例II(c)のようにして行なった。レーン10はPCR アンプリコンであり、レーン11はILO増幅反応からのものである。 このターゲット長さでは、ILOアンプリコンと環状二重鎖ILOアンプリコ ンは双方とも染色強度が略同等である。 例II(f)−(h)に関する結果を図10に示すが、これは5%アクリルア ミドゲルとは反対に、ターゲットのサイズと2%アガロースゲルの利用の必要と により必要とされるものであった(即ち、アガロースは例II(f)−(h)の 一層大きいサイズのアンプ リコンを解析するのに必要であった)。図10のレーン1は1Kbラダーサイズ マーカであり、レーン2と3は例II(e)の同じ増幅生成物(レーン2:PC R、レーン3:ILO)であり、これらは比較のために提示されている。増幅条 件と分析された物質の量は例II(e)に記載の通りであった。 (f)ポリリンカ+ドロソフィラDNAのサブクローン:846bpの予期サ イズ ドロソフィラDNAの724bpサブクローンのPCRアンプリコンを、ファ ージミドのポリリンカのハインドIII部位とXbaI部位との間に挿入した( この処理において、ポリリンカの約42bpが失われる)。図10のレーン4は PCRアンプリコンであり、レーン5はILO増幅反応からのものである。 (g)ポリリンカ+ドロソフィラDNAのサブクローン:1285bpの予期 サイズ ドロソフィラDNAの1152bpサブクローンのPCRアンプリコンを、フ ァージミドのポリリンカのハインドIII部位とバム(Bam)HI部位との間に 挿入した(この処理において、ポリリンカの約31bpが失われる)。図10の レーン6はPCRアンプリコンであり、レーン7はILO増幅反応からのもので ある。 (h)ポリリンカ+ドロソフィラDNAのサブクローン:1665bpの予期 サイズ ドロソフィラDNAの1528bpサブクローンのPCRアンプリコンを、フ ァージミドのポリリンカのハインドIII部位とSmaI部位との間に挿入した (この処理において、ポリリンカの約37bpが失われる)。図10のレーン8 はPCRアンプリコンであ り、レーン9はILO増幅反応からのものである。 例IIの結果は、図9および10から明らかなように、ILOによる酵素増幅 が広範囲のターゲット長さ(100bp乃至1.5kb)に亘って可能であるこ とを示している。更に、幾分「小さな」ターゲット(即ち、約250bp以下) の場合には、ILOアンプリコンの実質上全てが環状形状をなし、その後、ター ゲットのサイズが増すにつれて、ILOアンプリコンの出現が始まるが、環状二 重鎖ILOが、ターゲットのサイズに拘らず、このターゲット範囲に亘って常に 形成される。 IV.例III.環状二重鎖ILOアンプリコンの有限形成 本明細書全体に記載のように、本発明は、環状二重鎖ILOアンプリコンの形 成を前提としている。明確な証明は、環状二重鎖ILOアンプリコンと推定され るものを二重鎖制限酵素に曝すことにより最も良好に示され、PCRアンプリコ ンは対照として作用する。PCRアンプリコンを消化する(digest)ことにより 、ゲル電気泳動を介して2つの生成物を得られるはずである。環状二重鎖ILO アンプリコンの消化により、単一のバンドとなるはずであり、この生成物は実際 には「リニア」であるが、二重鎖特性を有するので、その切断により生成物を「 解放し」または生成物の「フックを外す」ことにより、PCRアンプリコンと略 同じサイズで流れる一体生成物が得られるはずである。これを、図11に概略示 する。 例II(b)からのPCRアンプリコン(ファージミドポリリンカ)10μl を5%アクリルアミドゲルに装填し、エチジウムブロミドで染色した。結果を図 12aのレーン1に示す。 ファージミドポリライナは、PCRアンプリコンをハインドII Iで消化することにより、97および67bpのフラグメントサイズとするよう に、ハインドIII部位を含む。PCRアンプリコン50μlを脱塩し、クロマ ・スピン(CHROMA SPIN)+TE−100カラム(クローンテック)を使用して 不使用のPCRプライマ分離し、製造者の指示に従った。脱塩し、分離したPC Rアンプリコン10μlをストラタジーン(Stratagene)により推奨された緩衝 液30μl中でハインドIII(ストラタジーン)10単位を用いて1時間消化 させ、更に、消化混合物全体を図12aのゲルのレーン2に装填した。予期した ように、2つのバンドが約97と67bpにおいて現われている。 例II(b)からのILO反応混合物10μlを図12aのレーン3に装填し たが、これは推定した環状二重鎖ILOアンプリコンである。この反応混合物5 0μlを上記した態様でハインドIIIで処理し、消化混合物全体を図10aの レーン4に装填した。この生成物が環状二重鎖物質である場合には、この環状生 成物を切断すると生成物を「リニアにする」("Iinearize")ので、切断したと きに約164bpにおいて単一のバンドを示すはずである。レーン4の結果はか かるバンドを示している。(図11aのレーン5は1kbラダーサイズマーカで ある。) 例II(e)に記載した条件とプロトコールを繰り返し、得られたPCRアン プリコン10μlを上記したようにハインドIIIで消化し、消化物全体を図1 2bのレーン2に装填した(図11bのレーン1は1Kbラダーである)。PC Rアンプリコンが消化されると、2つのバンド、即ち、一方のバンドは約500 bpで得られ、もう一方は約125bpで得られるが、この図について大きい方 のバンドを解析するため、ゲルを流し落したので小さい方のバンドは視認されて いない。レーン2は、ハインドIIで消化されたPCRアンプリコンの大きい方 のバンドが約500bpに位置することを示している。比較のため、未処理のP CRアンプリコン10μlをレーン3に示すが、これらは、予期した通り、約6 23bpで流れている。 図12(b)のレーン6は、例II(e)と同じ条件およびプロトコールに従 って例II(e)のターゲットシーケンスのILO増幅により得られたILO生 成物のアリコットである。予期した通り、2つの異なるバンド領域が出現し、低 い方のバンドはオーバーハングによりPCRアンプリコンよりもわずかに緩慢に 流れるILOアンプリコンである。上方のバンドはILO生成物の環状形態であ る。ILO生成物の残りのものは、1.5%低融点アガロースゲルで解析した( 結果は示さず)ところ、2つのバンド領域が、ゲルから個々に切断され、ILO 生成物をフェノール抽出により抽出した[マニアティス参照]。図12Bのレー ン4はフェノール抽出物の低い方のバンドのアリコット(ILOアリコット)で あり、これらはレーン6の低い方のバンドと比較的同じ場所で解析される。IL OアンプリコンをハインドIIIで消化しても同様に、消化されたPCRアンプ リコンに近い2つの生成物が得られるはずである。下方のバンド(フェノール抽 出物)10μlをハインドIIで上記のように消化し、消化物質全体を図12b のレーン5に装填した結果、解析したバンドはILOアンプリコンのオーバーハ ングにより、比較PCR−消化バンドよりもわずかに大きくなっている。レーン 7は、フェノール抽出物の上方のバンドのアリコット(環状二重鎖 ILOアリコット)であり、これらはレーン6の上方のバンドと比較的同じ場所 で解析される。上方のバンドのフェノール抽出物10μlをハインドIIIで上 記のように同様に消化し、消化物質全体を図12bのレーン8に装填したところ 、これらはPCRアンプリコンと略同じサイズで流れた(比較を容易にするため 、レーン3の物質、即ち、未消化PCRアンプリコンは、図11bのレーン9で 同様に流れた)。 これらの結果は、ILOは本質的にリニアであり、一方、環状二重鎖ILOア ンプリコンは本質的に環状であることを示すものである。 V.例IV.「オーバーハング」の有限形成 例IおよびIIの結果は、PCRアンプリコンに対して「一層緩慢に」流れる ILOアンプリコンは、ILOアンプリコンにオーバーハングを包含することに よるものであるとする本発明者の見解を立証するものであるが、本発明者は、I LOアンプリコンをムングビーン(Mung bean)エキソヌクレアーゼ、単鎖特異 エキソヌクレアーゼに曝すことによりこの設題を実験的に試験した。このエキソ ヌクレアーゼに曝したILOアンプリコンは、消化されたILOアンプリコンが スラブゲル(5%アクリルアミド)に対して対応するPCRアンプリコンと同様 に流れるように相補的二重鎖DNAが開始する領域へ張出しから戻って消化され るされるものと考えられる。 例II(e)のILO生成物から得られた下方のバンドは、上記したようにゲ ルから分離され、上記したように脱塩されたものであり、比較のために、PCR アンプリコンバンドが同様に分離され、脱塩されている。ILOアンプリコン1 0μlをムングビーンエキ ソヌクレアーゼ1単位と混合し、37℃で30分間反応に供した。その後、PC RおよびILO分離混合物からの実質上同じアリコットと、消化されたILO分 離混合物とを上記したように電気泳動が行なわれた5%アクリルアミドスラブゲ ランドのレーン1、2および3に装填し、次いで、上記したように染色を行なっ たが、その結果を図13に示す。 図13のゲルから明らかなように、ILOアンプリコン(レーン2)は、単鎖 オーバーハングによりPCRアンプリコン(レーン1)よりもわずかに緩慢に流 れたが、このオーバーハングが消化されると、消化されたILOアンプリコン( レーン3)はPCRアンプリコンと略同様に流れる。 例IIIの結果によれば、ILOアンプリコンにオーバーハングが存在すると 、PCRアンプリコンとは異なるスラブゲル横断が容易となる。 VI.例V:ILOアンプリコンのセルフプライム ILOアンプリコンが「セルフプライム」("self-prime")する能力、即ち、 環状二重鎖ILOアンプリコン形態の形成のテンプレートとして作用する能力は 、ILO成分に特有の独特の特徴であり、本発明者による知得によれば、PCR アンプリコンをはじめとする他の増幅生成物はセルフプライムを行なうことがで きない。ILOアンプリコンのセルフプライム能力により、得られるILO増幅 生成物の実質上全てが環状二重鎖形態を有するように増幅反応を「推進する」こ とができる。これにより、3’−ILOの場合には、上記したように5’−オキ ソヌクレアーゼを使用して生成物を生成し、あるいは、例えばサブクローニング ベクタへの挿入のために、得 られた環状二重鎖ILOサンプリコンを切断することができる。 図14について説明すると、レーン1は例II(c)からのILO増幅生成物 (即ち、CFフラグメントサブクローン)10μlであり、この場合には、上部 バンドは環状二重鎖ILOアンプリコンであり、下部バンドはILOアンプリコ ンである。例IIIにおいて説明したように、反応生成物のアリコットは低融点 アガロースに関して解析され、双方のバンド領域を上記したように分離して脱塩 し、脱塩したILO生成物30μlを例II(c)の同じ反応成分(即ち、IL O、ターゲット、dNTPs、酵素)に加えるとともに、混合物を例II(a) において説明したようにして40サイクルの熱サイクルに供した。得られた生成 物30μl(3倍希釈により、レーン1に装填された10μlと当量)をゲルの レーン2に装填したが、比較バンド強度に基づけば、一層多い生成物がレーン2 の反応において形成されており、これは、ILO生成物が追加の生成物形成のタ ーゲットとして機能するので、予期されたものである。その後、追加のILOを 混合物に加えなかった点を除いて、脱塩したILO生成物30μlを例II(c )と同様に反応において利用した(即ち、反応成分は脱塩されたILO生成物、 dNTPsおよび酵素である)。得られた生成物30μlをゲルのレーン3に装 填し、解析を行なった。明らかなように、レーン3の強いバンドは、レーン1の 環状二重鎖ILOアンプリコンと実質上同じ領域において解析されている。この 反応においてはILOは利用されておらず、しかも下方のバンドは実際には「消 えている」ので、ILOアンプリコンの前提とされているセルフプライム能力が 形成されており、「ターゲットのない」環境(即ち、dNTPs、酵素、ILO 生成物)においては、ILOアンプリコンは、環状二重鎖ILOアンプリコンに 変換されるようにセルフプライムすることができた。 このように、増幅生成物(ILOアンプリコン)は、異なる増幅生成物を形成 するテンプレートとして作用することができることがわかる。 VII.例VI:エキソヌクレアーゼの精製 例II(b)の条件とプロトコールに従い、得られたPCRアンプリコン10 μlを図15のゲルのレーン4(5%アクリルアミド)に装填し、ILO生成物 10μlをレーン3に装填した。図15のレーン2は、PCRアンプリコン5μ lとILO生成物5μlとの混合物であり、得られたバンドは、予期した通り、 レーン3および4のバンドと略同じ位置にある。 PCRアンプリコン5μlとILO生成物5μlとの混合物に、ジーン6エキ ソヌクレアーゼ(USB)1単位を加えたが、このエキソヌクレアーゼは5’特 異的である。反応は37℃で1時間行なわれた。混合物全体を、図15のゲルの レーン1に装填した。 明らかなように、PCRアンプリコンは、予期したようにレーン1には存在し ていない。レーン1の主な残りのバンドは、環状二重鎖ILOアンプリコンに対 応する。この生成方法を使用することにより、ILO生成物の環状形態をILO アンプリコンおよびPCRアンプリコンと区別することができる。 VIII.例VII:ILO反応の特異性 ILOがターゲットを複合ゲノムバックグラウンドから選択することができる ようにするために、以下の実験を行なった。結果を図16に示す(レーン1は1 Kbラダーである)。 レーン2および3は、例II(b)のPCRアンプリコンおよびILO生成物 の各10μlを示す(条件およびプロトコールは例II(b)に記載の通りであ る)が、これらは比較のために提供されている。 レーン4および5は、ヒトDNA(プロメガ)0.5μgを反応混合物に加え て複合ゲノムバックグラウンドを形成した点を除いて、(上記したように繰り返 される)例II(b)のPCRおよびILO生成物の各10μlを示す。 この例の残りの部分については、テンプレート(即ち、ポリリンカの部分がタ ーゲットシーケンスであるファージミド)の量を連続して希釈した点を除いて、 全ての条件はレーン4および5の生成物を得た条件と同じであった。図16のテ ンプレートの量と対応するレーンは次の通りである。 例VIIIの結果によれば、ILOは複合DNAと相互混合される広範囲のター ゲットシーケンス濃度に亘ってターゲットシーケンス を特定的に選択しかつ増幅することができる。 IX.例VIII:固相3’ILOターゲット延長 A−206はビオチニル化3’−ILOであり、ビオチン分子はビオチニル化 dATTホスホルアミダイトを介してインターヌクレオチド結合部に提供された 。CZE(カラム:27cm、ポリアクリルアミドゲル、9%T)によるA−2 06の分析は、単一の主生成物の形成(データは示さず)を示す単一のピークを 明らかにしている。蛋白質であるアビジンは、CZE毛管カラムを通過しない。 A−206のアリコットを、溶液中で(FITCの標識が付された)アビジンと 混合し、この混合物のアリコットを上記したCZE条件に曝した。ピークは観察 されず、これは、A−206がビオチン成分を含む(データは示さず)、即ち、 A−206:アビジン抱合体が毛管カラムを通るのをA−206のビオチン部分 とアビジンとの抱合により阻上されることを示している。 共有結合されたアビジンを有するアミノ化ポリプロピレンを次のようにしてつ くった。無水スクシネート(0.10060g)を500μMのNaAc 10 ml、pH5.55に溶解した。10cmの長さのアミノ化ポリプロピレン糸( thread)を酢酸緩衝液に浸し、緩衝液のデカウント後、無水スクシネート2ml を糸に加え、反応容器にキャップをした。容器を回転しながら、反応を室温で2 4時間進めた。次に、糸を、2mlの酢酸塩緩衝液で2回、2mlの水で2回、 2mlの無水IPAイソプロピルアルコール(「IPA」)で3回リンスした。 次いで、1−エチル−3(−3ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド−HC l[ピアス(Pierce)♯22980]0.05671gを15mlの無水IPA に溶かした溶液を つくり、この溶液8mlを糸に加えた。この反応を、容器を回転しながら室温で 2時間進めた。次に、糸を3mlのIPAで2回リンスした。次に、N−ヒドロ キシスクシンイミド(ピアス♯24500)0.10156gを無水IPA15 mlに溶解して溶液をつくり、この溶液2mlを糸に加えた。この反応を、容器 を回転しながら、4℃で約48時間、次いで、室温で1時間進行させた。次に、 糸を氷で冷やしたNaAc(10μM、pH5)でリンスし、氷の上に置いた。 予め調製したアビジンストック溶液(500μmのNaHCO3の溶液、pH 8.0)500μl(1mg)を糸に加え、次いで、重炭酸塩緩衝液500μl で希釈した。この反応を、容器を回転しながら、室温で4時間行なわせ、次いで 、糸を氷の上に約20時間置いた。 共有結合されたアビジンを有するアミノ化されたポリプロピレン糸を、次に、 2mlのNaHCO3で2回、2mlの0.15M NaClで2回、2mlの HRP緩衝液で2回リンスした。便宜上、この糸を「pp−アビジン」と云う。 ビオチニル化ILOのA−206の20μlと、ヒドロキシメチルアミノメタ ン緩衝液(pH7.0)の20μlとを、pp−アビジン5mmの部分と混合し 、反応を室温で一晩行ない、次いで、糸を100μlの水で5回洗浄した。便宜 上、この糸を「pp−アビジン:A−206」と云う。 pp−アビジン:A−206の5mmの部分と、非アミノ化ポリプロピレン糸 (対照)の5mmの部分をそれぞれ、PCR緩衝液[セタス(cetus kit)]1 0μl、テンプレート(セタス)11μl 、水69μl、マスターミックス(dATP10μl、dCTP10μl、dG TP10μl、TTP10μl、水7.5μl、酵素2.5μl)10μlと混 合した。A−206の酵素延長を、1分55℃、1分72℃および1分94℃の サイクルを35サイクル行なった。これらのサイクル後に、糸を、100μlの 水で3回、100μlのフェノール/CHCl3で2回および100μlのCH Cl3で3回リンスした。 「酵素延長」("enzymatic elongation")なる語は、定義されている「増幅」 ("amplification")それ自体が意図されていない場合に利用される。むしろ、 2つの3’末端からの固定化ILOの延長が予期される。この延長が生ずる場合 には、ILOにハイブリッド化するテンプレートの相補部が形成されて、対立遺 伝子特異性オリゴヌクレオチド(「ASO」)とのプロービング(probing)が 可能となる。 2つのASOシーケンスを選択したが、一方はセタステンプレートのヌクレオ チド7161−7170に対して相補性があり、もう一方はテンプレートのヌク レオチド7372−7381に対して相補性があるものであった。各ASOは、 T4ポリヌクレオチドキナーゼ(USB、カタログ番号70031)を使用して アデノシン5 ’−[γ−32P]トリホスフェート[アマーシャム(Amersham)カタログ番号A C9303]の標識を付した。配列は下記の通りである。A−235(ヌクレオチド7161−7170)(配列番号12): A−236(ヌクレオチド7372−7381)(配列番号13): ASOとのハイブリッド化条件は次の通りであった。対照糸とpp−アビジン: A−206(推定酵素延長)のそれぞれを95℃の水200μlにおいて20分 間加熱し、次いで、水を除去し、糸をそれぞれ6xSSPE緩衝液20μlに入 れた。次に、標識が付されたA−235の5μlを対照の糸に加えるとともに、 A−235の5μlをpp−アビジン:A−206に加え、反応を室温で4時間 続けた。その後、各糸を100μlの2xSSPE緩衝液で6回洗浄し、次いで CPMを計数した。A−235でプローブしたpp−アビジン:A−206の計 数は285であった。次に、これらのASO−結合糸をそれぞれ95℃の水20 0μlにおいて20分間加熱して、結合されているASOの実質上全てを除去し た。次に、これらの糸を、標識を付したA−235に関して説明した条件の下で 、標識を付したA−236とプローブし、上記したようにリンスし、次いで、C PMを得た。標識を付したA−236でプローブした pp−アビジン:A−206については、計数は1,015であり、A−236 でプローブした対照糸は計数が197であった。これは、約5:1の比である。 A−235ASOでのプローブ処理はまた、ストレプトアビジンで被覆した磁 気ビーズ[ダイナビーズ(Dynabeads)(登録商標)M−280、製造番号11 2.05]を用いて行なわれた。支持物質の製造については製造者の指示に従っ た。磁気ビーズへのビオチニル化ILO(A−206)の取着は、上記したよう に行なわれた(これらは「mag.−A−206」と呼ばれ、対照ビーズは「m ag.」と呼ばれている)。略等量のmag.−A−206とmag.とが利用 された。 mag.−A−206とmag.の双方に対して、PCR緩衝液(セタスキッ ト)10μl、テンプレート1μl、アンプリコンテンプレート5μl、水74 μl、マスターミックス(dATP8μl、dCTP8μl、DGTP8μl、 TTP8μl、水38μl、タグ(Tag)酵素2μl)10μlを加えた。熱サ イクルを上記のようにして行ない、次いで、32P−標識ASO表示A−235を 使用して、上記したのと同じ条件で洗浄およびハイブリッド化を行なった。 CPM計数は、mag.−A−206が1,460であり、mag.が342 であった。これは比が4:1であることを示している。 これらの結果は、ターゲットシーケンスを使用したILOの固相延長が可能で あることを示しており、実際に、ターゲットは「増幅」され、例えば臨床サンプ ルにおけるかかるターゲットの存在は、 上記したように、ASOでのプローブ処理により測定することができる。 以上のように詳細に説明したが、例は説明のために提供されているものであっ て、限定を意味するものではない。当業者の能力範囲内にある上記した技術に関 する修正と改良は、請求の範囲内に包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コンラッド、ケネス ディー アメリカ合衆国 90814 カリフォルニア 州 ロング ビーチ イー 5ス ストリ ート 3706 (72)発明者 ランパル、ジャン ビー アメリカ合衆国 92687 カリフォルニア 州 ヨーバ リンダ ビア カナリアス 20470 (72)発明者 クック、ロナルド エム アメリカ合衆国 94903 カリフォルニア 州 サン ラファエル マーク ドライブ 40

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.鎖と相補的鎖とを含んでなる二本鎖核酸巨大分子の増幅方法であって: (a)相補的鎖から鎖を分離し; (b)鎖と相補的鎖とを少なくとも1つの3’−逆連鎖オリゴヌクレオチド (ILO)に供する段階であって、ここで、それぞれの3’−ILOの配列が同 じであり、それぞれのILOが、前記鎖上の領域に相補的な第1の配列部分と、 前記相補的鎖上の領域に相補的な第2の配列部分とを含んでなり、これらの領域 が互いに相補的となっておらず、前記3’−ILOの第1の配列部分が前記鎖上 の前記領域にハイブリッド化するかまたは前記3’−ILOの第2の配列部分が 前記相補的鎖上の前記領域にハイブリッド化して、前記鎖または前記相補的鎖に ハイブリッド化した3’−ILOがそれぞれ前記鎖または前記相補的鎖に沿って 延長されてILO生成物をつくる条件下で、鎖と相補的鎖とを少なくとも1つの 3’−逆連鎖オリゴヌクレオチド(ILO)に供し、;そして (c)ILO生成物を鎖と相補的鎖から分離し、段階(b)を少なくとも1 回繰り返し、ここで少なくとも1つのILO生成物が第2の3’−末端に相補的 な第1の3’−末端を有し、前記第1の3’−末端が前記第2の3’−末端にハ イブリッド化されている 各段階を含んでなる方法。 2.前記3’−ILOが2つの3’−末端を含んでいる請求項1の方法。 3.前記3’−ILO末端が標識を含んでいる請求項1の方法。 4.前記標識が、前記逆連鎖に位置している請求項3の方法。 5.前記3’−ILOの長さが約8ヌクレオチド〜約100ヌクレオチドであ る請求項1の方法。 6.前記巨大分子がヒトゲノムDNAである請求項1の方法。 7.前記ILO生成物が、ILOアンプリコン、マルチマーILOアンプリコ ンおよび環状二本鎖ILOアンプリコンからなる群から選択される請求項1の方 法。 8.前記ILOアンプリコンが、部分的に延長されたILOアンプリコンと完 全に延長されたILOアンプリコンとからなる群から選択される請求項7の方法 。 9.請求項1の方法により得られるILO生成物。 10.ILOアンプリコン、マルチマーILOアンプリコンおよび環状二本鎖 ILOアンプリコンからなる群から選択された請求項9のILO生成物。 11.前記ILOアンプリコンが、部分的に延長されたILOアンプリコンお よび完全に延長されたILOアンプリコンからなる群から選択される請求項10 のILO生成物。 12.鎖と相補的鎖とを含んでいる二本鎖核酸巨大分子の分析方法であって: (a)鎖を相補的鎖から分離し; (b)鎖と相補的鎖とを不溶化した3’−ILOに供する段階であって、前 記3’−ILOが、少なくとも1つの逆連鎖 を含んでなり、前記3’−ILOが前記逆連鎖を介して固体支持体に不溶化され ていて、それぞれの3’−ILOが、前記鎖上の領域に相補的な第1の配列部分 と前記相補的鎖上の領域に相補的な第2の配列部分とを含み、これらの領域が互 いに相補的になっておらず、前記3’−ILOが、 前記3’−ILOがハイブリッド形成の領域に沿って延長される条件下で (i)前記鎖、 (ii)前記相補的鎖、 (iii)前記鎖と前記相補的鎖 からなる群のハイプリッド形成メンバーにハイブリッド化し;そし て (c)前記ハイブリッド形成メンバーを前記延長され不溶化された3’−I LOから分離する 各段階を含んでなる方法。 13.段階(b)が段階(c)の後に少なくとも1回繰り返される請求項12 の方法。 14.特定の配列の存在が、前記延長され不溶化された3’−ILO上で検出 され、前記特定の配列が、前記鎖上の領域に相補的な前記第1の配列部分および 前記3’−ILOの前記相補的な鎖上の領域に相補的な第2の配列部分とは異な っている請求項12の方法。 15.前記検出が、対立遺伝子特定オリゴヌクレオチド(ASO)による請求 項12の方法。 16.前記ASOが標識されている請求項15の方法。 17.3’−ILOが少なくとも1つの逆連鎖を含み、前記3’−ILOが前 記逆連鎖を介して不溶化されている不溶化された3’−ILO。
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