【発明の詳細な説明】熱硬化性塗料組成物
本発明は粉体塗料組成物の分野に属する。特に、本発明はβ−ヒドロキシアル
キルアミド架橋剤を使用する粉体塗料組成物で有用なある種の触媒に関する。
粉体塗料の製造に使用されるプラスチック材料は熱硬化性又は熱可塑性の何れ
かとして大まかに分類される。熱可塑性粉体塗料の適用に於いては、熱を下地上
の塗料に適用して粉体塗料の粒子を溶融し、それにより粒子を一緒に流動させて
平滑な塗膜を形成させる。
熱硬化性塗膜は、熱可塑性組成物から誘導される塗膜に比較すると、一般的に
より強靭であり、溶剤及び洗剤に対してより耐性であり、金属下地に対してより
良い接着性を有し、高温に露出したとき軟化しない。しかしながら、熱硬化性塗
膜の硬化は、上記の望ましい特性のほかに、良好な平滑性及び可撓性を有する塗
膜を得る上で問題点も作り出した。熱硬化性粉体組成物から作られた塗膜は、熱
をかけたとき、平滑な塗膜を形成する前に硬化又は固化して、「みかん肌(oran
ge peel)」表面と言われる比較的粗い仕上げになる。このような塗膜表面又は
仕上げは、熱可塑性組成物から典型的に得られる塗膜の光沢及びつやが無い。「
みかん肌」表面問題は、多くのものを有機溶媒系から熱硬化性塗料組成物を適用
させるようにした。有機溶媒系は溶媒系の蒸発により起こり得る環境上の及び安
全上の問題のために本来望ましくない。溶媒ベースの塗料組成物はまた、比較的
低いパーセントの利用度であるという欠点がある。即ち、適用のある様式に於い
ては、適用された溶媒ベースの塗料組成物のわずか60%以下が塗布される物品又
は下地と接触するに過ぎない
。即ち塗布される物品又は下地と接触しない部分は容易に再生利用できないこと
は明らかなので、溶媒ベースの塗料の実質的な部分は廃棄される。
良好な光沢、衝撃強度並びに溶媒及び化学薬品に対する耐性を示すことに加え
て、熱硬化性塗料組成物からもたらされた塗膜は、良好乃至優れた可撓性を有し
ていなくてはならない。例えば、シート金属が種々の角度で撓まされるか又は曲
げられている種々の家庭電気器具及び自動車の製造で使用される物品に形成又は
成形されることが予定されているシート状(コイル状)スチールを塗布するため
に使用される粉体塗料組成物にとって、良好な可撓性は必須のものである。
本発明は、脂肪族カルボキシル樹脂、ビス(N,N−ジヒドロキシアルキル)
アジパミド(例えば、PRIMID XL552)及びステアリン酸亜鉛のような二価の触媒
からなる熱硬化性粉体塗料組成物を提供する。PRIMID XL552は現在ロームアンド
ハース社(Rohm and Haas)によって粉体塗料組成物用の架橋剤として販売され
ている。ロームアンドハース社は、その塗膜がトリグリシジルイソシアヌレート
(TGIC)系と同様の耐候性を有し、PRIMIDが比較的低い毒性を有すると宣伝して
いる。それでPRIMIDを含有する粉体塗料はポリエステル−ウレタン(PU)又はTG
IC系用の可能性のある代替物であり得る。この導入以来、RUCOTE 915(Ruco)及
びGRILESTA V76-12(EMS)のような樹脂がPRIMIDと共に使用するために販売され
てきた。
芳香族二酸をベースとする市販のポリエステルはPRIMIDで十分硬化するが、脂
肪族等価物は一般的にもっと遅く硬化する。例えば、PRIMIDと共に配合した、1
,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)と2,2,4,4−テトラメチル−
1,3−シクロブタンジオールとをベースとする脂肪族ポリエステル又は1,4
−CHDA及び水
素化ビスフェノールAをベースとする脂肪族ポリエステルは204℃で測定した約2
50秒のゲル時間を示す(ゲル時間は一般に硬化必要条件(即ち、温度/硬化時間
の組合せ)に関係している)。本発明者等は、ある種の塩、特に亜鉛塩がこの反
応に触媒作用し、β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤を使用する熱硬化性粉
体塗料組成物のゲル時間を短縮する上で有用であることを見出した。
米国特許第4,988,767号には、β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤並びに
−20〜30℃のTgを有する第一の酸基含有アクリルポリマー及び40〜100℃のTgを
有する第二の酸基含有アクリルポリマーをベースとする粉体塗料が記載されてい
る。
FR 2,585,714号及びEP 194904号には、Li、Zn、Mgの酢酸塩又はテトラエチル
アンモニウムブロミド及び1−メチル、2−フェニル、2−イソプロピルイミダ
ゾールを含む加速剤によって触媒され、比較的低い温度で硬化しながら、良好な
外観を有し、退色が無く、良好な機械的性質を有する塗膜を与える酸官能性樹脂
及びエポキシ樹脂をベースとする粉体塗料が記載されている。
米国特許第4,145,370号には、酸価亜鉛がカルボキシルポリエステル/エポキ
シ系をベースとする粉体塗料の衝撃強度を改良することが教示されている。
J.Lomax及びG.Swiftは、「β−ヒドロキシアルキルアミド、カルボキシル含
有ポリマー用の低汚染架橋剤」;J.Coatings Technology,50巻、643号、49-55
頁(1978年)で、従来の酸性及び塩基性触媒は硬化温度を低下させないと主張し
ている。
Z.Wicks及びN.C.Chiangは、N−2−ヒドロキシルアルキルアミドとカルボ
ン酸との反応は酸触媒されなかったことを見出した。(N(2−ヒドロキシアル
キル)アミドのエステル化:J.Coatings Technology,54巻、686号、27-31頁、
1982年)
Z.Wicks、M.R.Appelt及びJ.C.Soleimは、アクリルアミドアルコールのエス
テル化の酸触媒作用の欠落が確認されると主張している(N−(2−ヒドロキシ
エチル)アミド化合物の反応;J.Coatings Technology,57巻、726号、51-61頁
、1985年)。
更に、ビス(N,N−ジヒドロキシエチル)アジパミドのメーカーであるロー
ムアンドハース社のA.Mercurioは、「残念ながら、この反応を触媒する全ての
試みは表3(B)に示すように不成功であったと記載している。Wicks他はこの
触媒性能の欠落を確認している。有機塗料科学及び技術(Organic Coatings Sci
ence and technology)の第16回国際会議、235-249頁、1990年。
本発明は、脂肪族カルボキシル樹脂、β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤
並びに亜鉛、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される金属のC1〜C1 8
カルボン酸塩又は亜鉛若しくはアルミニウムの酸化物からなる触媒からなる熱
硬化性粉体塗料組成物を提供する。好ましくは、この脂肪族樹脂は1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸(CHDA)の残基及び2,2,4,4−テトラメチル−1
,3−シクロブタンジオールの残基からなるか又は1,4−CHDA及び水素化ビス
フェノールAからなる。本発明者等は、これらの触媒がゲル時間を著しく短縮す
る上で有用であることを見出した。このゲル時間はそれ自体、所定の樹脂/架橋
剤系のための硬化温度の尺度及び硬化時間必要条件である。
本発明は、
(a)カルボキシル官能性脂肪族ポリエステル、
(b)β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤、並びに
(c)亜鉛、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される金属のC1〜
C18カルボン酸塩又は亜鉛若しくはアルミニウムの酸化物からなる触媒からなる
、熱硬化性粉体塗料組成物を提供する。
本発明の更に別の面として、
(a)カルボキシル官能性脂肪族ポリエステル、及び
(b)β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤
からなる熱硬化性粉体塗料組成物の硬化方法であって、該組成物を、触媒量の、
亜鉛、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される金属のC1〜C18カル
ボン酸塩又は亜鉛若しくはアルミニウムの酸化物からなる触媒の存在下で硬化さ
せることからなる方法が提供される。
本発明の更に別の面として、
(a)カルボキシル官能性脂肪族ポリエステル、及び
(b)β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤
からなる熱硬化性粉体塗料組成物で触媒として使用するための、亜鉛、アルミニ
ウム及びチタンからなる群から選択される金属のC1〜C18カルボン酸塩又は亜
鉛若しくはアミニウムの酸化物が提供される。
上記の組成物に於いて、カルボキシル官能性脂肪族ポリエステルは好ましくは
、このポリエステルの二酸成分として約100モル%のシクロヘキサンジカルボン
酸の残基からなる。
本発明の他の態様に於いて、カルボキシル官能性脂肪族ポリエステルは、約30
〜約99モル%のシクロヘキサンジカルボン酸の残基及び約30〜約99モル%の脂環
式ジオールからなる。二酸残基の約70モル%以下は、テレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸等のような酸からなっていてよく、ジオール残基の約70モル%以
下は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール
)、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール等のようなジオ
ール残基からなるか又はトリメチロールプロパン及びグリセリンのようなトリオ
ール残基で置換されていてよい。このポ
リエステルは好ましくは、架橋のために約20〜80、最も好ましくは約30〜約40の
酸価を有している。好ましくは、ヒドロキシル価は約15より小さい。これらは好
ましくは40℃より高い、最も好ましくは55℃以上のTgを有している。本発明の別
の好ましい態様に於いて、カルボキシル官能性脂肪族ポリエステルは本質的にシ
クロヘキサンジカルボン酸の残基からなり、ジオール残基は水素化ビスフェノー
ルA、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及び1,
4−シクロヘキサンジオールの残基から選択される。
一般に、β−ヒドロキシルアルキルアミド架橋剤は、構造式
(式中、RはC1〜C12アルキレン基である)
の化合物である。
好ましい架橋剤は、ロームアンドハース社によりPRIMID XL552の名称で上市さ
れているビス(N,N−ジヒドロキシエチル)アジパミドである。
本発明者等の実験に於いて、下記に示すように、PRIMIDと共に配合した、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)及び18−グリコールをベースとする又
は1,4−CHDA及び水素化ビスフェノールAをベースとする脂肪族ポリエステル
は、204℃で測定した250秒のゲル時間を示す。本発明者等は、幾つかの選択した
塩、特に亜鉛塩がこの反応に触媒作用をし、ゲル時間を短縮することを見出した
。この塩は二価又は三価であってよく、特にルイス酸能(capacity)として機能
するものであり、好ましくは亜鉛、アルミニウム及びチタンの塩であり、最も好
ましくは亜鉛の塩である。
本発明の触媒は好ましくは亜鉛、アルミニウム及びチタンのカル
ボン酸塩である。好ましい塩の例には、ステアリン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛
及びチタンイソプロポキシドが含まれる。ステアリン酸亜鉛が最も非常に好まし
い触媒である。
本発明の粉体塗料組成物は、本明細書に記載した組成物から、成分(a)、架
橋化合物(b)及び架橋触媒(c)を、粉体塗料で普通に使用される他の任意の
添加物と一緒に乾式混合し、次いで溶融ブレンドし、次いで固化したブレンドを
粉体塗料を製造するために適した粒子サイズ、例えば、約10〜300ミクロンの範
囲内の平均粒子サイズに粉砕することによって製造することができる。例えば、
粉体塗料組成物の成分をドライブレンドし、次いでブラベンダー押出機内で90℃
〜130℃で溶融ブレンドし、粒状化しそして最後に粉砕することができる。
粉体塗料組成物には好ましくは、粉体塗料組成物の硬化した塗膜の表面外観を
向上させるために、流動調節剤又はレベリング剤とも言われる流動助剤が含まれ
る。このような流動助剤は典型的にアクリルポリマーからなっており、幾つかの
供給者から、例えば、Monsanto Companyからのモダフロー(MODAFLOW)及びBASF
からのアクロナール(ACRONAL)のように入手できる。使用できるその他の流動
調節剤には、SYNTHRONから入手できるMODAREZ MFP、Troy Chemicalから入手でき
るEK 486、BYK Mallinkrodtから入手できるBYK 360P及びHenkelから入手できるP
ERENOL F-30-Pが含まれる。一種の特別の流動助剤の例は、約17,000の分子量を
有し、60モル%の2−エチルヘキシルメタクリレート残基及び約40モル%のエチ
ルアクリレート残基を含むアクリルポリマーである。存在する流動助剤の量は好
ましくは樹脂成分及び架橋剤の合計重量基準で約0.5〜4.0重量%の範囲内であっ
てよい。
この粉体塗料組成物は、粉末ガンの手段による、静電付着(depos
ition)による又は流動床からの付着によるような粉体付着のための公知の技術
により、種々の金属下地及び非金属(例えば、熱可塑性又は熱硬化性複合体)下
地上に付着させることができる。流動床焼結に於いては、予熱した物品を空気中
の粉体塗料の浮遊物中に浸漬する。粉体塗料組成物の粒子サイズは通常60〜300
ミクロンの範囲内である。粉末は流動床チャンバーの多孔底を通して空気を通過
させることによって浮遊状態に保持されている。塗布する物品は約250〜400°F
(約121〜205℃)に予熱し、次いで粉体塗料組成物の流動床と接触させるように
する。接触時間は作る塗膜の厚さに依存し、典型的に1〜12秒間である。塗布す
る下地の温度によって粉末が流れ、そうして一緒に溶融して、平滑で、均一で、
連続した、窪みの無い塗膜を形成する。予熱した物品の温度はまた、塗料組成物
の架橋に影響を与え、良好な性質の組合せを有する強靭な塗膜が形成されること
になる。200〜500ミクロンの厚さを有する塗膜をこの方法により作ることができ
る。
この組成物はまた、100ミクロンより小さい、好ましくは約15〜50ミクロンの
粒子サイズを有する粉体塗料組成物を、高電圧直流により30〜100kVの電圧で帯
電されているアプリケーター中に圧縮空気の手段により吹き込む静電法を使用し
て適用することもできる。次いで帯電した粒子を接地した塗布する物品上に噴霧
し、粒子はその電荷のために物品に接着する。塗布した物品を加熱して粉体粒子
を溶融させ、硬化させる。40〜120ミクロン厚さの塗膜を得ることができる。
粉体塗料組成物を適用するその他の方法は、上記の二つの方法を組み合わせた
静電流動床法である。例えば、環状の又は部分的に環状の電極を流動床への空気
供給装置の中に設け、そうして50〜100kVのような静電電荷を作る。例えば、250
〜400°Fに加熱したか
又は冷たい塗布する物品を、流動する粉末に短時間露出する。次いで塗布した物
品を、若し物品が予熱されていなければ、塗料粒子と物品との接触で塗膜を硬化
させるために十分に高い温度に加熱して、架橋を起こさせることができる。
本発明の粉体塗料組成物は、ガラス、セラミック及び種々の金属材料のような
耐熱性材料から構成された種々の形状及びサイズの物品を塗覆するために使用す
ることができる。この組成物は金属及び金属合金から構成された物品、特にスチ
ール物品上に塗膜を作るために特に有用である。前記のように、本発明により提
供される組成物は115℃のように低い温度で硬化するので、多数の熱可塑性及び
熱硬化性樹脂組成物を本発明の組成物で塗覆することも可能である。
配合方法、添加剤及び粉体塗料適用方法の別の例は、User's Guide to Powder Coating
,第2版、Emery Miller編、Society of Manufacturing Engineers,De
arborn,(1987年)に記載されている。
本発明の組成物及び塗料を下記の例によって更に示す。
dL/gでのインヘレント粘度(I.V.)はフェノール/テトラクロロエタン(60
/40 w/w)中で0.5g/100mLの濃度で25℃の温度で測定する。
ポアズでの樹脂溶融粘度はICI溶融粘度計を用いて200℃で測定する。酸価及び
ヒドロキシル価は滴定により測定し、樹脂1gについて消費されたKOHのmgとし
て示す。
ガラス転移温度(Tg)、加熱時結晶化温度(Tch)及び溶融温度(Tm)は、示
差走査熱量測定法(DSC)により、試料を加熱して溶融させそして樹脂のTgより
も下に冷却した後、20℃/分の走査速度で第二加熱サイクルで測定する。Tg値は
中間点として記載し、Tch及びTmは転移のピーク及び谷で記載する。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーによりテトラヒドロフラン(THF)中で、ポリスチレン標準及びUV検出器を用
いて測定する。
衝撃強度はASTM D 2794-84に準拠するGardner Laboratory,Inc.の衝撃試験
器を使用して測定する。
鉛筆硬度はASTM D 3363-74を使用して測定する。この硬度は塗膜に切れ目が入
らない最も硬い鉛筆として記載する。その結果は下記の目盛りに従って表わす。
(最も軟らかい)6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H
、4H、5H、6H(最も硬い)。
コニカルマンドレルは、ASTM-522に従ったGardner Laboratory,Inc.の特定
サイズのコニカルマンドレルを使用して実施する。20度及び60度光沢はASTM D-5
23に従って光沢計(Gardner Laboratory,Inc.,Model GC-9095)を使用して測
定する。
「0−T曲げ」試験は、20,000psiまで加圧した油圧ジャッキを使用して、2
個の半体の間の厚さを無くしてパネルをそれ自体の裏面に曲げることによって行
う。このパネルを湾曲部で亀裂又ははじけについて検査する。湾曲部でのどのよ
うな亀裂又ははじけも不合格と評価する。
ゲル時間は204℃に維持したホットプレート上で決定する。スプーン一杯分の
粉末を載せホットプレート上で舌圧子でかき混ぜて、約2×2平方インチのサイ
ズにする。舌圧子をプレート上で平らに保持し、周期的に持ち上げて溶融物の流
動性について検査する。溶融物は、持ち上げた舌圧子で繊維状の糸を形成する液
体糸状流れになり始める。この糸は容易に破壊され、舌圧子からぽっきり折れる
ようになる。ゲル時間は、開始から、溶融物が固体に変わって舌圧子から容易に
折れる時点までに要した時間を測定する。
以下に使用した1,4−CHDAは一般的に約60/40のシス/トランス比を有して
いる。例
1.カルボキシル樹脂CA
3000mLの三ツ口丸底フラスコに、水素化ビスフェノールA(726.5g、3.027モ
ル)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(326.4g、2.847モル)、
トリメチロールプロパン(24.3g、0.183モル)及びFASCAT 4100(モノブチル錫
触媒、M&T Chemicals Inc.)(1.8g)を添加した。内容物を加熱して180℃
で溶融させた。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(951.7g、5.526モル)
を添加した。フラスコに1.0scfhの窒素を流しながら、温度を6時間かけて180℃
から230℃まで上昇させた。バッチ温度を230℃で8時間維持した。得られた樹脂
は3mg KOH/gの酸価及び200℃で15ポアズのICI溶融粘度を有している。1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸(238.2g)を230℃で添加し、溶融物を230℃で
4時間攪拌した。溶融樹脂をシロップ缶に注ぎ、そこで冷却すると下記の性質を
有する固体になった。
I.V. 0.174dL/g
200℃でのICI溶融粘度 31ポアズ
酸価 47
ヒドロキシル価 5
DSC(第二サイクル)
Tg 60℃
ゲル浸透クロマトグラフィー
Mw 6,263
Mn 1,904
2.カルボキシル樹脂CB
攪拌機、短い蒸留カラム及び窒素入口を取り付けた3000mLの三ツ口丸底フラス
コに、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル(1280.8g、6.40モル)、1,4−
ブタンジオール(692.9g、7.683モル、10%過剰)及び2−プロパノール中のチ
タンテトライソプロポキシド100ppmを装入した。このフラスコ及び内容物を窒素
雰囲気下で170℃の温度まで加熱すると、この時点でメタノールがフラスコから
急速に留出し始めた。反応混合物をこの温度で約1時間攪拌しながら加熱し、温
度を2時間かけて200℃まで上昇させ、4時間かけて215℃まで上昇させ、次いで
235℃に上昇させた。この温度で3時間後に、10mmHgの真空を12分間かけた。10m
mHg下で235℃で約3時間攪拌を続けて、低溶融粘度の無色ポリマーを得た。得ら
れたポリマーを200℃に冷却し、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(228.7g
、1.33モル)を添加した。攪拌しながら加熱を約4時間続けて、0.21のインヘレ
ント粘度、134℃の融点、47の酸価及び2200のGPCによる分子量を有する樹脂を得
た。粉体塗料組成物例1〜7
50/50樹脂CA/CB及びβ−ヒドロキシルアルキルアミドからの粉体塗料
樹脂CA(186g)、樹脂CB(186g)、PRIMID XL552(28.0g)、モダフロー200
0流動助剤(6.0g)、ベンゾイン(1.0g)、チヌビン144(6.0g)、チヌビン2
34(6.0g)及び二酸化チタン(200.0g)をビタミックスミキサー内で混合し、
APV押出機内で130℃で配合した。押出物を冷却し、粒状化し、バンタムミル内で
粉砕チャンバー内に液体窒素を流しながら粉砕した。この粉末を200メッシュの
篩を通過させて分級した。上記の粉体塗料を特定量の触媒と共にマイクロミル(
Micromill)内で約1分間混合し、得られた粉末のゲル時間を測定した。下記の
表は、触媒の種類及び量と共にゲ
ル時間が変化することを示している。
熱硬化性粉体塗料組成物例8〜11
共押出した50/50樹脂CA/CB、β−ヒドロキシル
アルキルアミド及びステアリン酸亜鉛からの粉体塗料
樹脂CA(372g)、樹脂CB(372g)、PRIMID XL552(56.0g)、ステアリン酸
亜鉛(下記の表に記載した量)、モダフロー2000(12.0g)、ベンゾイン(2.0
g)、チヌビン(TINUVIN)144(12.0g)、チヌビン234(12.0g)及び二酸化
チタン(400.0g)をヘンシェルミキサー内で混合し、ZSK30押出機内で配合した
。押出機温度プロフィールは供給帯域=110℃、ダイ帯域=110℃、400rpmのスク
リュー速度であった。押出物をチルロールを通して冷却し、粒状化し、バンタム
ミルを用い粉砕チャンバー内に液体窒素を流しながら粉砕した。この粉末を200
メッシュの篩を通過させて分級した。これらの粉末から得られたゲル時間を以下
に記載する。
熱硬化性粉体塗料組成物12〜14
市販のRucote 915及びβ−ヒドロキシルアルキルアミドからの粉体塗料
カルボキシルRUCOTE 915(379.0g)、PRIMID XL552(21.0g)、モダフローI
II(4.0g)、ベンゾイン(1.0g)、チヌビン144(6.0g)、チヌビン234(6.0
g)及び二酸化チタン(200.0g)をビタミックスミキサー内で混合し、APV押出
機内で130℃で配合した。押出物を冷却し、粒状化し、バンタムミル内で粉砕チ
ャンバー内に液体窒素を流しながら粉砕した。この粉末を200メッシュの篩を通
過させて分級した。
上記の粉体塗料組成物を特定量の触媒と共にマイクロミル内で約1分間混合し
、得られた粉末のゲル時間を測定した。
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フロントページの続き
(72)発明者 バービー,ロバート ビー.
アメリカ合衆国,テネシー 37663,キン
グスポート,マーロン ドライブ 201