JPH08512240A - リポソームの粒径を制御する方法 - Google Patents

リポソームの粒径を制御する方法

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JPH08512240A JP7504185A JP50418595A JPH08512240A JP H08512240 A JPH08512240 A JP H08512240A JP 7504185 A JP7504185 A JP 7504185A JP 50418595 A JP50418595 A JP 50418595A JP H08512240 A JPH08512240 A JP H08512240A
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Abstract

(57)【要約】 単相溶剤系内の脂質を用い、目的とする平均粒径を有しているリポソームの母集団を製造する方法において、試験溶剤濃度でリポソームの試験母集団の粒径を調べ、目的とする平均粒径を形成すべく選定された濃度の溶剤を脂質に加えることによりリポソームの母集団を形成することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】 リポソームの粒径を制御する方法 本発明は、一般には、リポソームを製造する方法に関し、更に詳しくは、有機 溶剤の量によりリポソーム母集団の粒径を制御する方法に関するものである。 生理活性剤の結合(association)のためのリポソーム小胞体を形成する方法 は、よく知られている。ここで用いられる”結合(association)”という用語 は、リポソーム内にカプセル化された生理活性剤、及びカプセル化せれていない が、リポソームと共に滞留し、それから容易に分離しない生理活性剤を意味する ものとする。 リポソームを形成する方法には、有機溶剤を用いて、脂質を単独で、或いは脂 質と薬剤などの生理活性剤とを溶解するものがある。例えば、Bally等、米国特 許第5,077,056号では、脂質を有機溶剤に溶解し、水性媒体と組み合わ せてリポソームを形成し、次いで、薬剤などの生理活性剤を、膜内外濃度勾配を 用いて、予め形成されたリポソーム内に装填している。一方、Lenk等、米国特許 第5,082,664号では、脂質と生理活性剤とを共に有機溶剤に溶解し、水 性媒体と組み合わせて、生理活性剤と結合したリポソームを形成している。特に 、Lenk等の特許で検討されているように、脂質と生理活性剤(例えば、プロスタ グランジンなどの親油性薬剤)とを共に水混合性有機溶剤に溶解し、次いで、水 溶液へ徐々に添加するが、この水溶液は更に乾燥保護剤及び/又は緩衝剤を含ん でもよい。これらの特許は、両方とも、ここに参照のために挙げられている。 リポソームを形成する他の方法では、エタノール注入が用いられ、Batzri等、 バイオヒミカ・バイオフィジカ・エ・アクタ(Biochim. Biophys.Acta.)298,1015(1973)で検討されている。このエタノール注入法 は、親油性又は親水性生理活性剤が結合したリポソームを形成するのに用いられ ている。親油性生理活性剤(例えば、プロスタグランジン)を含むリポソームを 形成する場合は、生理活性剤と、必要に応じて防腐剤とを、脂質を含むエタノー ルに添加する。次いで、得られた混合物を、水性媒体へ徐々に加える。この方法 により、水性媒体を取り込んだリポソームが形成される。他のリポソーム形成方 法に加えて、脱塩帯電脂質を用いるエタノール注入方法が、Popescu等、米国特 許第5,154,930号に記載されており、参照されたい。エタノール注入法 で得られたリポソームの粒径分布を制御する方法が、Aitcheson等、米国特許第 4,994,213号で検討されている。 親水性生理活性剤(例えば、ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド抗生物質 )が結合したリポソームを形成する場合は、生理活性剤を水性相に加える。脂質 とエタノールとを組み合わせて、水性相に添加される溶液を形成し、得られた混 合物を処理して、リポソームを形成する。この水性相は、防腐剤を含むか又は含 まない、一つ又は二つ以上の乾燥保護剤の溶液であってもよい。 このような方法によって調製されたリポソーム試料は、通常、種々の粒径を有す るリポソームを含んでいる。一般的には、大きい方のリポソームの粒径を小さく して、目的とする平均粒径を包含する単モード(single-modal)母集団分布を得 るのが望ましいことが多い。ここで用いられる“単モード母集団分布”という用 語は、大部分のリポソームが、平均粒径を包含する粒径の連続した範囲内の粒径 を有していることを意味するものとする。“平均粒径”という用語は、母集団の 各リポソームの直径の合計を、リポソームの全数で除したものを意味 するものとする。 単モード母集団分布を得るための粉砕は、ここに参照のために記載したPieter Cullis等、米国特許第5,008,050号に記載されているように、フィル ターからの押し出しなどの多くの方法により行うことができる。 200nmのユニポア(商標)ポリカーボネートフィルターによる濾過でリポ ソームのサイズを揃える方法は、Szoka、プロシージングス・オブ・ナショナル ・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)75,4194- 8(1978)で検討されている。一連の均一な直孔(straight-pore)型ポリカーボ ネート膜からリポソームを押し出すことによるサイズ処理方法が、Hunt等、米国 特許第4,529,561号に記載されている。 米国特許第4,737,323号には、非対称セラミックフィルターからの押 し出しにより、リポソームのサイズを揃えることが記載されている。このような フィルターは、比較的高い圧力で操作するように設計されており、バックフラッ シュして詰まりを防止することができる。米国特許第4,927,637号には 、ウエブ状の”屈曲路(tortuous-path)”構造を有するポリマーフィルターに 通して、リポソームのサイズを揃える方法が記載されている。 Furneaux等、米国特許第4,687,551号には、別のタイプのフィルター 媒体が記載されている。この特許には、フィルムの一方の表面から他方の表面に 延びる枝分かれ細孔を有する陽極酸化アルミニウムフィルムからなるフィルター シートが記載されている。このフィルムは、一面から内側へ延びる大きい細孔の 系と、他の面から内側へ延びる小さい細孔の系とを含む点でユニークである。一 つ又は二つ 以上の小さい細孔の内側端部が、一つの大きい細孔の内側端部と連結され、フィ ルム内で終わる大きい細孔は、実質的に存在しないように、大きい細孔の系が、 小さい細孔の系と互いに連結されている。 酸化アルミニウム多孔フィルムのリポソーム粉砕への応用は、1991年10 月4日出願のRoyden M.Coe等、米国特許出願番号第771,267号に開示さ れている。 リポソームを粉砕する他の方法として、均質化がある。簡単な均質化方法では 、リポソームの懸濁液を、目的とする粒径分布が達成されるまで、高圧下で小さ いオリフィス又は反応室にポンプで繰り返して通す。 最終リポソーム生成物の粒径を制御する上記粉砕操作は、時間がかかり、リポ ソーム製造のコストが著しくかさむ。従って、調製した時点での初めのリポソー ム試料が、従来のリポソーム形成方法で得られるものよりも均一な粒径分布を有 するリポソームの母集団を持っているリポソームを調製する方法を提供すること は、当該技術における著しい進歩をもたらすことになる。その結果、コスト及び 時間がかかる製造後のサイズを揃える操作を減らすことができ、省くことさえ可 能である。 また、予め選定された目的とする平均粒径を包含するリポソームの単モード母 集団分布となりうるリポソームを作る方法を提供することは、当該技術の更なる 進歩を促すものとなるであろう。 発明の要旨 本発明は、一般的に言えば、有機溶剤に脂質を溶解することによりリポソーム を作る方法に関する。有機溶剤の濃度は、目的とする平均粒径に応じて選定され る。本発明において、得られたリポソーム母集 団は、有機溶剤の濃度が必要に応じて選択されない従来法よりも均一な粒径分布 を有している。 本発明によれば、単相溶剤系内の脂質を用い、目的とする平均粒径を有してい るリポソームの母集団を製造する方法において、試験溶剤濃度でリポソームの試 験母集団の粒径を調べ、目的とする平均粒径を形成すべく選定された濃度の溶剤 を脂質に加えることによりリポソームの母集団を形成することを特徴とする方法 が提供される。 本方法により、コストと時間がかかる粉砕操作の必要性を減らすか或いは省き 、目的とする平均粒径を包含するリポソームの単モード母集団分布を得ることが できる。本発明の一態様によれば、目的とする平均粒径を選び、製造後の多数回 の濾過操作に依存する必要なしに、目的とする平均粒径を包含するリポソームの 単モード母集団分布を生ずるような有機溶剤濃度を選択する。更に、平均粒径を 選択すれば、リポソームの相対数を求めることができ、それによれば、リポソー ムが小さくなると単位脂質重量当たりのリポソームは多くなり、リポソームが大 きくなると単位脂質重量当たりのリポソームは少なくなる。 本発明の特定の実施態様では、溶剤の初期濃度を選択する工程は、 (a)予め選択された初期溶剤濃度を有する溶剤系から、リポソーム母集団の 第一の試験サンプルを形成すること、 (b)別の予め選択された初期溶剤濃度を有する溶剤系から、リポソーム母集 団の第二の試験サンプルを形成すること、 (c)該第一及び第二の試験サンプルにおけるリポソームの平均粒径を測定す ること、 (d)測定した平均粒径が目的とする平均粒径により近づくようにすることを 考慮して、次の工程でリポソームを形成するために使用さ れる溶剤の濃度を選択すること、及び (e)目的とする平均粒径に、許容できる程度に近い平均粒径を有するリポソ ーム母集団が得られるような溶剤濃度が見出されるまで、(a)から(d)まで の工程を繰り返すこと、 からなる。 発明の詳細な説明 本発明は、有機溶剤の使用容量に対する脂質重量の比の範囲内において、リポ ソームの粒径が、有機溶剤の第一の濃度範囲内で逆比例的に変化し、有機溶剤の 第二の濃度範囲内では比例して変化するものであるという発見を、ある程度前提 にしている。ここで、第二の範囲の濃度は、第一の範囲の濃度よりも高い。この 有機溶剤の使用容量に対する脂質重量の比の上限は、脂質が、最早有機溶剤に溶 けなくなる点である。下限は、過剰の溶剤が存在するため、リポソームが、最早 形成しなくなる点である。 リポソームを形成するために本発明で用いられる有機溶剤の濃度は、得られた リポソームの粒径と互いに関連しており、従って、目的とする平均粒径を包含す るリポソームの母集団分布、好ましくはリポソームの単モード母集団分布を得る 簡単な方法を提供する。上記の有機溶剤に対する脂質の比の範囲内において、反 応混合物に添加される有機溶剤の濃度が高くなるにつれて、リポソーム母集団の 平均粒径は、第一の濃度範囲内では小さくなり、その後、第一の濃度範囲よりも 高い第二の濃度範囲内では大きくなり、そしてその点で、過剰の溶剤が存在する ため、リポソームが、最早形成できなくなるものであることがわかってきた。最 小平均粒径は、第一濃度範囲と第二濃度範囲の連接部近辺に存在する。 本発明は、従来法に関連して上述したようなサイジングフィルターに多数回数 通す必要がある粉砕操作を必要とせずに、リポソームの母集団分布、好ましくは 、目的とする平均粒径を包含するリポソームの単モード母集団分布を得る比較的 簡単な方法を提供する。 本発明で使用するための特定タイプの脂質物質としては、性質が両親媒性であ るものがある。ホスファト基、カルボン酸基、スルファト基、アミノ基、スルフ ヒドリル基、ニトロ基、その他の同様な基の存在により、分子に親水性を付与す ることができる。長鎖飽和及び不飽和脂肪族炭化水素基並びに一つ又はそれ以上 の芳香族基、環状脂肪族基又は複素環基で置換されたこのような基を初めとする 基を含むことによって、疎水性を与えることができるが、これらの基に限定され るものではない。好ましい両性化合物は、ホスホグリセリド類であり、その代表 例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リソホ スファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセ リン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ジミリストイルホスフ ァチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロールなどの単独又は他の脂質 との組み合わせを挙げることができる。ジミリストイルホスファチジルコリン、 ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンな どの合成飽和化合物や、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジリノレオイルホ スファチジルコリンなどの不飽和化合物を用いることもできる。スフィンゴリピ ド及びグリコスフィンゴリピド系の化合物などの、リンを含まない他の化合物も 、脂質として示されるグループに含まれる。 リポソームを形成するには、種々のコレステロール類、その他のス テロール類及びそれらの水溶性誘導体も用いられている。具体的には、Janoff等 、米国特許第4,721,612号及びそこで参照されている参考文献参照。種 々のトコフェロール類及びそれらの水溶性誘導体も、Janoff等、米国特許第4, 861,580号に記載されているように、リポソームを形成するのに用いられ ている。このグループの好ましいものは、コレステロールヘミスクシネート及び トコフェロールヘミスクシネートである。 水混合性有機溶剤が、本発明で用いられる。このような溶剤としては、メタノ ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソアミルアルコール、イソプ ロパノール、2−メトキシエタノール等の低級アルカノール、アヤトン等が挙げ られる。エタノールが、特に好ましい。 本発明のリポソームは、生理活性剤と共に製剤化(formulate)されてもよい 。本発明によって調製されたリポソームに結合されてもよい生理活性剤としては 、核酸、ポリヌクレオチド、抗菌性化合物、抗ウイルス性化合物、抗真菌性化合 物、駆虫性化合物、殺腫瘍性化合物、蛋白質、トキシン、酵素、ホルモン、神経 伝達物質、糖蛋白質、免疫グロブリン、免疫調節薬、染料、放射線標識剤、放射 線造影化合物、蛍光化合物、ポリサッカライド、細胞受容体結合分子、抗炎症剤 、抗緑内障薬(antiglaucomic agents)、散瞳性化合物、局所麻酔薬などが挙げ られる。このような活性剤の具体例及びリポソームへのそれらの取り込みは、Le nk等、米国特許第4,522,803号、Fountain等、米国特許第4,588, 578号、Janoff等、米国特許第4,861,580号及び4,897,384 号、Lenk等、米国特許第5,082,664号に見出すことができ、これらを参 照されたい。 本発明に特に有効に適用される生理活性剤は、親油性生理活性剤であり、特に 、アラキドン酸代謝産物とそれらの構造類似体及び合成酵素抑制剤である。この ようなアラキドン酸代謝産物の一つのクラスは、プロスタグランジンE1を初め とするプロスタグランジンとして知られる生理活性剤のグループであるが、これ らに限定されるものではない。 アミノグリコシド抗生物質及びそれらの構造類似体などの親水性生理活性剤は 、親水性生理活性剤の例である。これらとしては、ゲンタマイシン、ストレプト マイシン、ジヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシンB、パ ロマイシン、リボスタマイシン、リビドマイシン、カナマイシン、バイオマイシ ン、シソマイシン、ネチルマイシン、アミカシン、それらの類似体及び誘導体が 挙げられる。好ましいアミノグリコシド抗生物質は、ゲンタマイシンである。 本発明によりリポソームを形成する方法は、親油性又は親水性生理活性剤のど ちらをリポソームに結合させようとするかに、ある程度依存する。親油性結合リ ポソームについては、生理活性剤(例えば、プロスタグランジンE1)と、必要 に応じてBHTなどの防腐剤を有機溶剤に溶解し、次いで、その溶液を水性媒体 に加えるが、その水性媒体は緩衝剤(例えば、クエン酸塩やリン酸塩)及び/又 はマルトースなどの乾燥保護剤を含んでいてもよい。 ゲンタマイシンなどの親水性生理活性剤をリポソームに結合させようとする場 合は、ゲンタマイシンを水性相(緩衝剤、乾燥保護剤及び/又はEDTAナトリ ウムなどの防腐剤を含んでもよい)に加えて、溶液を形成する。親油性生理活性 剤又は親水性生理活性剤のどちらかを含む、得られた混合物を、リポソーム母集 団が形成されるまで、常 法で激しく撹拌することにより処理する。或いは、リポソームを形成した後、生 理活性剤を加えて、リポソームを調製してもよい。 本発明の方法で製造された塊状リポソームは、Munir Cheryan、限外濾過ハン ドブック、205〜213及び377頁、Technomic Publishing Company(19 86)に記載されているような限外濾過の通常の手法により、遊離脂質、塩及び 水から分離されると共に、必要であれば、未結合生理活性剤から分離されてもよ い。ダイアフィルトレーションは、新しい溶剤又は他の溶液を供給液に加えるこ とにより、透過できる溶質を除去するこのような限外濾過系の一つである。目的 とするリポソーム生成物を含む非透過物質を含む残留液(濃縮水)を回収する。 ダイアフィルトレーションの好ましい方法は、Lenk等、PCT公開出願番号WO 89/00846に開示されており、参照されたい。 ダイアフィルトレーション系は、代表的には、多孔フィルター組成物によって 形成された一つ又は二つ以上の一次経路を有するフィルターを用いる。このフィ ルター装置は、一般に、公称孔径と等しいか或いはそれよりも小さい径の物質が 、より狭い二次経路を経て、フィルター装置を通過することができるような公称 孔径を持っている。一般に、より大きい成分は、一次経路に残り、液体保留物の 一部としてこのフィルター装置を通過する。ダイアフィルトレーション系を用い てリポソームを調製する場合、リポソームは、一次経路を経てフィルター装置か ら出る一方、透過できる溶質は、より狭い二次経路を通過する。 本発明の方法は、一般に、製造しようとするリポソームの種類について、目的 とする平均粒径を選択することにより行われる。例えば、 リポソームと結合したゲンタマイシンについては、150〜200nmの平均粒 径が望ましい。次いで、所定量の脂質と所定濃度の有機溶剤を用いて、リポソー ムの試験バッチを調製する。 選択することができる有機溶剤に対する脂質の最大比は、リポソームを製造す るのに十分でなくてはならない。即ち、溶剤が多すぎると、リポソームが形成し ないであろう。最小比は、脂質が、最早溶剤に溶解しなくなる点によって決定さ れる。有機溶剤に対する所定量の脂質の比は、最小比と最大比の間に入らなけれ ばならない。 次いで、試験バッチの平均粒径を、極微粒子サイザー(submicron particle s izer)(例えば、NICOMPモデル270極微粒子サイザー)による測定など の常法により測定する。もし、試験バッチの平均粒径が、目的とする平均粒径に 該当すれば、試験バッチに用いたのと同一の、有機溶剤に対する脂質の比を用い て(即ち、同一の有機溶剤濃度を保ちながら)、この方法を実施する。しかし、 もし、試験バッチの平均粒径が、目的とする平均粒径に該当しなければ、有機溶 剤濃度を変更するなどのように、有機溶剤に対する脂質の比を変更しなければな らない。有機溶剤の濃度の変更は、有機溶剤の初期濃度及び試験バッチの平均粒 径と目的とする平均粒径との差に依存する。 実施例に関連して示され、記載されたデータに基いて、本発明の方法を説明す る。 脂質として卵ホスファチジルコリンを、溶剤としてエタノールを使用したリポ ソームの形成について、脂質の量を固定したままで(4.4mg)、有機溶剤の 濃度が、約0.558容量%から約10.0容量%(即ち、第一の濃度範囲)へ 増大するにつれて、得られたリポソームの平均粒径は、実質的に連続して低下す る。有機溶剤の濃度が、 約10.0容量%から約15.0容量%(第二の濃度範囲)へ増大するにつれて 、このように形成されたリポソームの平均粒径は大きくなる。 エタノールの濃度が15.0%を越えると、脂質はリポソームを形成しなくな り、代わりに、エタノールに溶解したままになる。この例によると、脂質/溶剤 比は、少なくとも0.03mg/mLであり、好ましくは0.03〜0.80m g/mLである。この範囲内で、リポソームの粒径は、実施例1〜3に示すよう に、約0.558容量%から約10.0容量%までの第一のメタノール濃度範囲 では小さくなり、実施例3及び4に示すように、約10.0容量%から約15. 0容量%までの第二のメタノール濃度範囲では大きくなる。 この方法は、目的とする平均粒径を予め選択することにより開始される。例え ば、約100〜200nm、好ましくは約150〜190nmの範囲内の平均粒 径が、多くのリポソーム生成物にとって望ましい。 リポソーム製剤(formulation)の試験バッチは、例えば、卵ホスファチジル コリン(EPC)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びエタノールを合 わせ、均一な混合物が形成されるまで、それらを混合することにより調製するこ とができる。注射などの用途には、マルトースを水と混合し、濾過により滅菌し 、インペラーなどの混合手段を備えた反応器に加える。反応器は、例えば、室温 に保つことができる。インペラーは、例えば、2,000rpmに15分間保持 することができる。混合が完了したら、内容物を注射用蒸留水で希釈することが できる。かくして、この例でわかるように、エタノールの最終濃度は、リポソー ムを形成するのに用いられたエタノールの濃度と同 一である必要はない。 得られたリポソームの粒径は、例えば、極微粒子サイザーを用いて測定するこ とができる。 表1に示した結果によれば、エタノールの初期容量が約10%エタノールまで 増大するにつれて、粒径は小さくなる。しかし、約10%から約15%エタノー ルまでは、エタノールの初期容量が増大するにつれて、粒径は大きくなる。 目的とする平均粒径として、例えば、200nmを予め選択すれば、例えば、 約8容量%エタノール濃度又は約11容量%エタノール濃度で、試験バッチを調 製することができる。溶剤の量をできるだけ少なくして、コストを引き下げ、廃 棄処分の問題をできるだけ少なくするためには、最初に第一のエタノール濃度範 囲(即ち、0.558〜10容量%)内で操作するのが一般に好ましい。かくし て、8%エタノール濃度を選ぶ。 試験バッチにおけるリポソームの平均粒径は、実施例1に記載されているよう に、例えば、極微粒子サイザーを用いて測定する。目的とする平均粒径が試験バ ッチの平均粒径よりも小さい場合は、もっと高いエタノール濃度を選ばなければ ならない。逆に、目的とする平均粒径が試験バッチの平均粒径よりも大きい場合 は、もっと低いエタノール濃度を選ばなければならない。 もし、11容量%のエタノール濃度を選んで、目的とする平均粒径が試験バッ チの平均粒径よりも小さければ、エタノール濃度を下げなければならないが、1 0容量%よりも低い濃度にまで下げるべきではない。逆に、目的とする平均粒径 が試験バッチの平均粒径よりも大きければ、エタノール濃度を上げるが、約15 .0容量%よりも高くは しない。 例えば、次のようにして、目的とするリポソーム粒径を達成することができる 。予め選択されたエタノール濃度を用いて、試験リポソーム試料を調製し、試験 平均粒径を得る。目的とする平均粒径が試験平均粒径よりも大きく、予め選択さ れたエタノール濃度が約10容量%よりも低ければ、以後のリポソーム試料には 、予め選択されたエタノール濃度よりも低いエタノール濃度を選択する。目的と する平均粒径が試験平均粒径よりも大きく、予め選択されたエタノール濃度が約 10〜約15容量%であれば、以後のリポソーム試料には、予め選択されたエタ ノール濃度よりも高いエタノール濃度を選択する。 逆に、予め選択されたエタノール濃度で試験平均粒径を得て、目的とする平均 粒径がその試験平均粒径よりも小さく、予め選択されたエタノール濃度が約10 容量%よりも低ければ、以後のリポソーム試料には、予め選択されたエタノール 濃度よりも高いエタノール濃度を選択する。目的とする平均粒径が試験平均粒径 よりも小さく、予め選択されたエタノール濃度が約10〜約15容量%であれば 、以後のリポソーム試料には、予め選択されたエタノール濃度よりも低いエタノ ール濃度を選択する。 2つの濃度範囲のうちの1つの範囲(例えば、第一の濃度範囲)内で、目的と する平均粒径に対すして十分に近似させることができなければ、それらの濃度範 囲のうちの他の範囲(例えば、第二の濃度範囲)内のエタノール濃度を用いて、 試験バッチを調製すべきである。更に、特定の用途で、より正確に目的とする平 均粒径に近似していることが必要とされる場合は、2つ以上の試験バッチの実験 を行うことが望ましいであろう。 本発明によれば、目的とする平均粒径に相当する平均粒径のリポソーム母集団 を、種々の脂質及び水混合性有機溶剤について形成することができる。選択され た脂質及び有機溶剤についての脂質に対する有機溶剤の比の使用可能な範囲は、 機械的に求めることができ、その過程は、ここに記載した方法に従って行うこと ができる。親油性生理活性剤か親水性生理活性剤のどちらかを添加しても、ヒト を初めとする温血動物の治療に用いる高度に効力のある治療薬を含むリポソーム 母集団を形成するのに使用される工程は、実質的には変わらないであろう。実施例1 卵ホスファチジルコリン(EPC)4.4mg、ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT)0.03mg及びエタノール5.58mLを合わせ、均一な混合物が 形成されるまで、それらを混合した。マルトース100gを注射用蒸留水(WF I)900mLと混合し、濾過により滅菌し、3インチのR−100インペラー を備えた3リットルのジャケット付きガラス反応器に加え、その反応器を室温に 保つた。インペラーは、2,000rpmで動かし、その時点で、反応器内に入 っているマルトース溶液にEPC/BHT/エタノール溶液を加えた。インペラ ーを、2,000rpmに合計15分間保持した。混合が完了したら、反応器の 内容物に注射用蒸留水を加えて、最終容量を1リットルにした。 得られたリポソームの粒径を、NICOMPモデル270極微粒子サイザーを 用いて測定したところ、1,200nmよりも大きいことがわかった。これは、 使用した粒径測定装置の測定限界である。実施例2〜4 反応器に入っている全容量に対して、それぞれ、5.0、10.0及び15. 0容量%の初期エタノール濃度を用いて、実施例1に示した操作を繰り返した。 その結果を表1に示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単相溶剤系内の脂質を用い、目的とする平均粒径を有しているリポソームの 母集団を製造する方法において、試験溶剤濃度でリポソームの試験母集団の粒径 を調べ、目的とする平均粒径を形成すべく選定された濃度の溶剤を脂質に加える ことによりリポソームの母集団を形成することを特徴とする方法。 2.(a)予め選択された初期溶剤濃度を有する溶剤系から、リポソーム母集団 の第一の試験サンプルを形成すること、 (b)別の予め選択された初期溶剤濃度を有する溶剤系から、リポソーム母集 団の第二の試験サンプルを形成すること、 (c)該第一及び第二の試験サンプルにおけるリポソームの平均粒径を測定す ること、 (d)測定した平均粒径が目的とする平均粒径により近づくようにすることを 考慮して、次の工程でリポソームを形成するために使用される溶剤の濃度を選択 すること、及び (e)目的とする平均粒径に、許容できる程度に近い平均粒径を有するリポソ ーム母集団が得られるような溶剤濃度が見出されるまで、(a)から(d)まで の工程を繰り返すこと、 からなることを特徴とする目的とする平均粒径を有しているリポソームの母集団 を製造する方法。 3.リポソームの母集団が、単モード母集団分布を有している特許請求の範囲1 の方法。 4.リポソームが、更に生理活性剤を含んでいる特許請求の範囲1の方法。 5.生理活性剤が、アラキドン酸代謝産物である特許請求の範囲4の方法。 6.アラキドン酸代謝産物が、プロスタグランジンである特許請求の範囲5の方 法。 7.プロスタグランジンが、プロスタグランジンE1である特許請求の範囲6の 方法。 8.生理活性剤が、アミノグリコシド抗生物質である特許請求の範囲4の方法。 9.アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシンである特許請求の範囲8の方 法。 10.リポソームを粉砕フィルターやオリフィスに通すことなく、リポソームの 母集団を形成する特許請求の範囲1の方法。 11.脂質が、卵ホスファチジルコリンである特許請求の範囲1の方法。 12.試験溶剤濃度が、15%以下である特許請求の範囲1の方法。 13.溶剤が、エタノールである特許請求の範囲1の方法。 14.予め選択されたエタノール濃度を用いる第一の試験リポソーム試料で試験 平均粒径を得ると共に、目的とする平均粒径がこの試験平均粒径よりも大きい場 合、予め選択されたエタノール濃度が10容量%よりも低ければ、以後のリポソ ーム試料には、予め選択されたエタノール濃度よりも低いエタノール濃度を選択 し、予め選択されたエタノール濃度が10〜15容量%であれば、以後のリポソ ーム試料には、予め選択されたエタノール濃度よりも高いエタノール濃度を選択 する工程を更に含む特許請求の範囲13の方法。 15.予め選択されたエタノール濃度を用いる試験リポソーム試料で 試験平均粒径を得ると共に、目的とする平均粒径がこの試験平均粒径よりも小さ い場合、予め選択されたエタノール濃度が10容量%よりも低ければ、以後のリ ポソーム試料には、予め選択されたエタノール濃度よりも高いエタノール濃度を 選択し、予め選択されたエタノール濃度が10〜15容量%であれば、以後のリ ポソーム試料には、予め選択されたエタノール濃度よりも低いエタノール濃度を 選択する工程を更に含む特許請求の範囲13の方法。
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