【発明の詳細な説明】
ポリマーからニトリル基含有不純物を除去するための方法
本発明は、非環状N−ビニルカルボン酸アミド及び/又はビニルアミン単位を
含有するポリマーから、ニトリル基含有不純物を除去するための方法に関する。
米国特許(US−A)第4421602号明細書から、N−ビニルホルムアミ
ド−及びビニルアミン単位を含有するポリマーが公知である。このポリマーは、
N−ビニルホルムアミドの重合及び、引続いての酸又は塩基の作用下でのポリビ
ニルホルムアミドの部分的加水分解によって製造される。
欧州特許(EP−A)第0216387号明細書から、N−ビニルホルムアミ
ド5〜90モル%及び酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、C1〜C4−アルキルビ
ニルエーテル、N−ビニルピロリドン、アクリル酸及びメタクリル酸のエステル
、ニトリル及びアミドの群からなるエチレン系不飽和モノマー95〜10モル%
からなるコポリマーを、少なくとも部分的に加水分解した形で(この際、ホルミ
ル基の100モル%までが、ポリマーから離脱され得ている)、製紙前のパルプ
に、乾燥繊維に対して、0.1〜5重量%の量で、紙のための湿潤−及び乾燥強
化剤として添加することが
、公知である。
ビニルアミン単位を含有するポリマーは、更に、顔料用の分散剤として、水処
理用のスケール阻止剤(scale inhibitor)として、洗剤添加剤として、凝集剤
、歩留り向上剤(retention agent)及び脱水剤として並びに固着剤として、製
紙分野で使用される。これらの使用目的のために、ポリマーは生理学的に危険な
不純物を含有してはならない。ポリマーの基礎であるモノマーは、その製造によ
って、ニトリル基含有不純物、例えば乳酸ニトリル又はホルミルアラニンニトリ
ルを有する。これらの不純物は、例えばN−ビニルホルムアミドの工業的規模で
の製造の際に、適切な経費では、例えば蒸留に依っては、分離され得ない。ニト
リル基含有の不純物は、二重結合を持たないので、これはN−ビニルカルボン酸
アミドのラジカル重合の際に、実際には変化されない。前記の文献個所から公知
のように、ビニルアミン単位を含有するポリマーは、殊に、N−ビニルカルボン
酸アミド単位を含有するホモ−又はコポリマーを加水分解することによって製造
される。ニトリル基を有する化合物で不純物にされているポリ−N−ビニルカル
ボン酸アミドの酸性加水分解の際には、シアン化水素が生成し、これはポリマー
の使用前に、絶対に除去されなければならない。
欧州特許(EP−B)第0032248号明細書から、硫黄又は硫黄離脱性化
合物、例えばチオ硫酸ナト
リウムの存在で、過酸化水素との反応による、シアニド含有の廃水及び反応溶液
の汚染除去法が公知である。しかしながら、遊離硫黄を含有するポリマーは、製
紙の際には、不所望である。
欧州特許(EP−A)第042253号明細書から、カルボキシル基含有のポ
リマーへの過酸化水素の影響で、ポリマーの分子量減少が起こることが公知であ
る。酸化により縮小されたポリマーは、洗剤への添加剤として使用される。
本発明の基礎には、ポリマーが実際に変化せずに、非環状のN−ビニルカルボ
ン酸アミド−及び/又はビニルアミン単位を含有するポリマーから、ニトリル基
含有の不純物を出来るだけ完全に除去するという課題がある。
この課題は、本発明により、非環状のN−ビニルカルボン酸アミド−及び/又
はビニルアミン単位を含有するポリマーから、ニトリル基含有の不純物を除去す
るための方法で、前記のニトリル基含有不純物を有するポリマーを、少なくとも
1種の酸化剤で、光の作用下で及び/又は重金属イオンの存在で、処理する場合
に、解明される。
本発明による方法の実施態様において、ニトリル基含有不純物を有する、N−
ビニルホルムアミドのポリマー又はそれから加水分解によって製造可能なビニル
アミン単位を含有するポリマーを、溶液又はエマルジ
ョンの形で、過酸化水素で、UV−照射の作用下で、処理する。本発明による方
法のもう1つの実施態様では、ニトリル基含有不純物を有する、N−ビニルホル
ムアミドのポリマー又はそれから加水分解によって製造可能なビニルアミン単位
を含有するポリマーを、水溶液又はエマルジョンの形で、過酸化水素及び鉄−II
−塩で処理する。この処理は、殊に、50〜90℃で行なわれる。ポリマーの酸
化処理の間、水性媒体のpH−値は、殊に5〜8である。
非環状N−ビニルカルボン酸アミド−及び/又はビニルアミン単位を含有する
ポリマーは公知である。すでに前記したように、それは、モノマーが経費のかか
る精製をされていない場合には、ニトリル基含有化合物を、不純物として含有す
る。ポリマー中のその割合は、1重量%にまで達し、かつ大抵の場合には、0.
001〜0.1重量%である。ポリビニルアミン塩酸塩の製造は、例えば、米国
特許(US−A)第2721140号明細書から公知である。部分的に加水分解
されたN−ビニルホルムアミドのホモポリマーは、冒頭に引用された米国特許(
US−A)第4421602号明細書から公知である。非環状のN−ビニルカル
ボン酸アミド及び他のモノエチレン系不飽和モノマーからなるコポリマーは、欧
州特許(EP−A)第0216387号明細書から公知である。更に、N−ビニ
ルカルボン酸アミド及びモノエチレン系不飽和カルボン
酸からなるコポリマーは公知である(欧州特許(EP−A)第0438744号
明細書参照)。本発明による方法は、非環状のN−ビニルカルボン酸アミドを重
合導入して含有する全てのポリマー又はその加水分解生成物に使用可能である。
非環状のN−ビニルカルボン酸アミドとは、式:
[式中、R1、R2は同一又は異なっていて、H又はC1〜C6−アルキルを表わす
]の化合物である。好適なモノマーは、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−
ビニル−N−メチルホルミムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N
−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N
−メチルプロピオンアミド及びN−ビニルプロピオンアミドである。
前記のモノマーから、ホモポリマー又は同様にコポリマーが、例えばN−ビニ
ルホルムアミド及びN−ビニルアセトアミドからコポリマーが製造され得る。前
記のN−ビニルカルボン酸アミドは、全ての比率で、相互に共重合可能である。
これらのモノマーから得られるホモ−又はコポリマーの加水分解の際に、ビニル
アミン単位を含有するポリマーが生成し、これは部分的加水分解の際に、なおN
−ビニルカルボンアミド単位を含有する。前記の非環状N−ビニルカルボン酸ア
ミドを、以後、a)群のモノマーと表示する。これは、他のエチレン系不飽和モ
ノマーと一緒に、共重合され得る。
共重合のためには、b)群のモノマーとして、例えば3〜8個のC−原子を有
するモノエチレン系不飽和カルボン酸並びにこれらのモノマーの水溶性の塩が好
適である。
モノマーのこの群には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリ
ル酸、エタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、アリル酢
酸、ビニル酢酸、クロトン酸、フマル酸、メサコン酸及びイタコン酸が属する。
モノマーのこの群から、殊に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は前記
のカルボン酸の混合物、特にアクリル酸及びマレイン酸からなる混合物又はアク
リル酸及びメタクリル酸からなる混合物も使用される。b)群のモノマーは、遊
離のカルボン酸の形でか、又は部分的に又は完全に塩基で、例えば苛性ソーダ溶
液、苛性カリ溶液、水酸化カルシウム又はアンモニアで中和された形で重合され
得る。
他の好適なb)群のモノマーは、例えば、b)で挙げたカルボン酸のエステル
、アミド及びニトリル、例
えば、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メ
チルエステル、メタクリル酸エチルエステル、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシイソブ
チルアクリレート、ヒドロキシイソブチルメタクリレート、マレイン酸モノメチ
ルエステル、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マ
レイン酸ジエチルエステル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N−三級−ブチルアクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリ
ルニトリル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリ
レート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド並びに最後に挙げたモノマー
とカルボン酸又は鉱酸との塩並びに四級化生成物である。
更に、b)群のモノマーとして、アクリルアミドグリコール酸、ビニルスルホ
ン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチロールスルホン酸、アクリ
ル酸−(3−スルホプロピル)エステル、メタクリル酸−(3−スルホプロピル
)エステル及びアクリルア
ミドメチルプロパンスルホン酸並びにホスホン酸残基を含有するモノマー、例え
ばビニルホスフェート、アリルホスフェート及びアクリルアミドメチルプロパン
ホスホン酸が好適である。この群の他の好適な化合物は、N−ビニルピロリドン
、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−メチルイミダゾリン、ジアリル
ジメチルアンモニウムクロリド、ビニルアセテート及びビニルプロピオネートで
ある。当然、b)群の前記のモノマーの混合物、例えば、アクリルエステル及び
ビニルアセテートからなる混合物、異なるアクリルエステルからなる混合物、ア
クリルエステル及びアクリルアミドからなる混合物又はアクリルアミド及びヒド
ロキシエチルアクリレートからなる混合物又はビニルアセテート及びアクリルニ
トリルからなる混合物を使用することも可能である。
b)群のモノマーのうち、殊に、アクリルアミド、アクリルニトリル、ビニル
アセテート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸又はこれらのモノマーからなる混合物、例えばアクリル
アミド及びビニルアセテートからなる混合物又はアクリルアミド及びアクリルニ
トリルからなる混合物を使用する。b)群のモノマーは、a)及びb)からなる
コポリマー中で、例えば1〜99モル%まで重合加入された形で存在してよい。
モノマーa)及びb)からなるコポリマーは、更に
、少なくとも2個のエチレン系不飽和の非共役二重結合を分子中に有する化合物
が重要である。c)群のモノマーの存在で重合を行なうことによって、変性され
得る。共重の際にモノマーc)の併用は、コポリマーのK−値の上昇に作用する
。好適なc)群の化合物は、例えばメチレンビスアクリルアミド、アクリル酸及
びメタクリル酸と多価アルコールとのエステル、例えば、グリセリントリメタク
リレート並びにアクリル酸又はメタクリル酸と少なくとも二重にエステル化され
たポリエチレングリコール又はポリオール、例えばペンタエリスリット及びグル
コースである。更に、好適な架橋剤は、ジビニルベンゾール、ジビニルジオキサ
ン、ペンタエリスリットトリアリルエーテル及びペンタアリルスクロースである
。殊にこの化合物群から、水溶性モノマー、例えばグリコールジアクリレート又
は3000までの分子量のポリエチレングリコールのグリコールジアクリレート
を使用する。c)群のモノマーがコポリマーの変性に使用される場合には、使用
量は、例えば2モル%までである。その場合、これはコポリマー中に0.01〜
1モル%まで重合導入された形で含有されている。
コポリマーの製造は、公知方法、例えば、溶液−、沈殿−、懸濁−又は乳化重
合により、重合条件下でラジカルを生成する化合物の使用下で行なわれる。重合
温度は、通例、30〜200、殊に40〜110℃の
範囲である。好適な重合開始剤は、例えば、アゾ−及びペルオキシ化合物並びに
通常のレドックス重合開始剤系、例えば、過酸化水素及び還元作用を有する化合
物、例えば亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート及びヒドラジンからなる組合せである。この系は、場合によ
り更に付加的に、少量の重金属塩を含有してよい。重合開始剤として、殊に、水
溶性アゾ化合物、例えば、2,2′−アゾビス−(2−メチルプロピオンアミジ
ン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)及び2,2′−アゾビス−(2−メチル−N−フェニルプロピオンア
ミジン)二塩酸塩を使用する。
低分子コポリマーを製造するために、共重合を連鎖調整剤の存在で実施する。
好適な連鎖調整剤は、例えば、二級アルコール、例えば、イソプロパノール及び
二級ブタノール、ヒドロキシルアミン、蟻酸並びにメルカプト化合物、例えばメ
ルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、チオグ
リコール酸、チオ乳酸、三級ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン及びド
デシルメルカプタンである。連鎖調整剤は、通例、使用されたモノマーに対して
、0.01〜5重量%の量で使用される。二級アルコールを連鎖調整剤として使
用する場合には、実際により多量の存在で、例えばモノマーに対して、80重量
%までの量で、重合を行なうこともできる。この場合には、二級アルコールは、
同時に、モノマーのための溶剤である。
こうして得られるコポリマーは、K−値10〜300、殊に30〜250を有
する。K−値は、H.Fike-ntscherにより、5%の食塩水溶液中で、pH中で、
25℃で、かつポリマー濃度0.1重量%で測定される。
前記の共重合から、ホルミル基が、加水分解によって、ビニルアミン単位の生
成下で、次の式に依り、離脱され得る:
式(II)及び(III)中、置換基R1及びR2は、同一又は異なっていて、かつ
H又はC1〜C6−アルキル基を表わす。加水分解の際に選択される反応条件に依
り、単位IIの部分的又は完全な加水分解が達成される。コポリマー中に重合導入
されたモノマーa)の1〜100、殊に30〜95%が加水分解されるまで、加
水分解は行なわれる。ビニルホルムアミド−単位を含有するコポリマーの加水分
解の際には、加水分解度は、例えば、遊離された蟻酸の高分子電解質滴定によっ
て
又は酵素分析によって測定され得る。コポリマーがモノマーa)のほかに、更に
、加水分解可能なモノマーを重合加入して含有する場合には、この重合加入され
たモノマーも、選択された加水分解条件に依り、化学的に変えられ、例えば、ビ
ニルアセテート−単位から、ビニルアルコール−単位が、アクリル酸メチルエス
テル−単位から、アクリル酸−単位が、かつアクリルニトリル−単位から、アク
リルアミド−もしくはアクリル酸−単位が生じる。
加水分解剤として、殊に鉱酸、例えば、ハロゲン化水素が好適であり、これら
をガス状で、又は水溶液で使用することができる。塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸並
びに有機酸、例えばC1〜C5−カルボン酸及び脂肪族又は芳香族スルホン酸を使
用するのが有利である。酸性加水分解におけるpH−値は、−1〜5、殊に0〜
2である。重合導入された単位IIから離脱されるべきホルミル基1当量当り、例
えば酸0.05〜2、殊に1〜1.5モル当量を必要とする。
重合加入された構造IIの単位の加水分解は、塩基、例えば金属水酸化物、特に
アルカリ金属−及びアルカリ土類金属水酸化物によって行なわれ得る。殊に、水
酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを使用する。加水分解は、場合により、アン
モニア又はアミンの存在でも実施され得る。
反応温度20〜100℃で水溶液又は懸濁液中のコ
ポリマーの加水分解が特に有効である。非加水分解のコポリマーが水に難溶性で
ある場合には、これは、全般に、加水分解の進行と共に、反応媒体中に溶解する
。酸性で実施された加水分解に続いて、場合により、反応混合物を塩基、殊に苛
性ソーダ溶液で中和させる。加水分解を塩基で実施した場合には、反応混合物を
場合により酸、殊に塩酸の添加によって中和することができる。反応混合物のp
H−値は、加水分解後に、1〜10、殊に3〜8であってよい。組成に依り、加
水分解されたコポリマーは、一定のpH−範囲で、難溶性であってよい。加水分
解されたコポリマーのK−値は、例えば10〜300、殊に15〜200である
(5%の食塩水溶液中で、ポリマー濃度0.1重量%、pH−値5及び温度25
℃で測定された)。
非加水分解の、並びに加水分解された非環状N−ビニルカルボン酸アミドのポ
リマーも、ニトリル基含有の不純物を有する。この際、ニトリル、例えばホルミ
ルアラニンニトリル又は乳酸ニトリル又は同定されなかった他の飽和ニトリルも
、並びにシアン化水素も問題である。加水分解された非環状のN−ビニルカルボ
ン酸アミドポリマーは、ニトリルのほかに、殊に、加水分解の際にニトリルから
生じるシアン化水素を含有する。ポリマー溶液のニトリル含量の測定は、銀イオ
ンを用いるリービッヒによる銀滴定に依り、アルカリ性環境中で、pH−値10
以上で実施される。このpH
−範囲では、シアニドイオン並びにニトリル基含有化合物、例えば容易に離脱可
能なシアンヒドリン、例えば乳酸ニトリルも含まれる。滴定剤として、0.00
1〜0.01n−硝酸銀溶液を使用する。滴定の終点は、銀電極での電位差計測
によって調べられる。容器中のポリマー溶液上のガス空間中のシアン化水素の存
在は、米国特許(US−A)第2573248号明細書の説明に依り、試験紙を
用いて、定性的に確実に証明され得る。反応は極めて鋭敏であり、シアン化水素
量1ppmですら、なお感応する。
非加水分解の、及び加水分解されたポリマーから、ニトリル基含有の不純物を
除去するために、ポリマーを、少なくとも1種の酸化剤で、光の作用下で、及び
/又は、重金属イオンの存在で処理する。酸化剤として、酸素、オゾン又は酸素
を化学的に結合して含有する他の酸化剤を使用することができる。他の酸化剤と
して、例えば、加熱の際に、単独で、又は触媒の存在で、酸素を遊離させる化合
物が重要である。好適な有機化合物は、一般に、極めて容易に活性酸素を離脱さ
せる過酸化物である。低温では、ヒドロペルオキシド及び過酸だけが明らかな酸
化作用を有し、ペルエステル、ジアシルペルオキシド及びジアルキルペルオキシ
ドは、より高い温度ではじめて作用する。好適な過酸化物は、例えば、ジアセチ
ルペルオキシド、イソプロピルペルカルボネート、三級ブチルヒドロペルオキシ
ド、クモルヒドロペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチル
ケトンペルオキシド、ジ−三級ブチルペルオキシド、ジクモルペルオキシド、三
級ブチルペルピバレート、三級ブチルペルオクタノエート及び三級ブチルペルエ
チルヘキサノエートである。価格的に有利な無機酸化剤が有利であり、これは、
特に、ビニルカルボン酸アミド−及び/又はビニルアミン基含有のポリマーの水
性溶液、エマルジョン又は分散液の酸化に好適である。例として、塩素、臭素、
沃素、硝酸、過マンガン酸カリウム、塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、
過硼酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム及び過硫酸ナトリウムが挙げられる。特に
有利な酸化剤は、過酸化水素である。ペル化合物の分解は、促進剤又は活性剤の
添加によって促進される。これらの促進剤又は活性剤は、還元作用を有し、容易
に電子を放出する物質、例えばアミン、スルフィン酸、亜二チオン酸塩、亜硫酸
塩、α一及びβ−ケトカルボン酸及びグルコース誘導体である。そのような化合
物の例は、ジメチルアニリン、ジメチル−p−トルイジン、ジエチルアニリン、
亜二チオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、グルコース及び
ペンタアセチルグルコースである。
酸化剤は、ニトリル基含有の不純物に対して、少なくとも当モル量で使用され
る。このことは、ポリマーに関しては、酸化剤が、ポリマーに対して、例えば0
.
01〜5、殊に0.05〜1重量%の量で使用されることを意味する。酸化剤の
活性化のために、更に、還元剤を併用する場合には、還元剤の量は、酸化剤に対
して、1〜50重量%である。
ニトリル基含有の不純物に対する酸化剤の単独作用は、余りにもゆっくり経過
するか、もしくは高い温度を必要とする。しかしながら、より高い温度では、精
製すべきポリマーの不所望の障害が起こる。従って、ニトリル基含有化合物から
精製すべきポリマーを、少なくとも1種の酸化剤で、かつ付加的に光の作用下で
、処理する。光の作用とは、殊に、UV−照射を、精製すべきポリマーに作用さ
せることである。それには、全ての工業的に慣用のUV−照射源、例えば、高エ
ネルギーUV−灯、例えば炭素アーク灯、水銀蒸気灯又はキセノン灯及びUVの
少ない光源、例えば青色割合の高い発光物質管並びに太陽光が好適である。
ニトリル基含有化合物を、精製すべきポリマーから除去するために、酸化剤を
、重金属イオンの存在で、精製すべきポリマーに作用させることもできる。好適
な重金属イオンは、例えば、鉄、銅、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、
バナジウム及びセリウムから誘導される。これらのイオンは、例えば、アセチル
アセトネート錯体として、又は塩の形で、例えば、硫酸鉄(II)、鉄−II−アン
モンスルフェート、塩化銅又は硫酸銅の形で、使用され得る。重金属イオンとし
て、鉄−II−塩の使用が特に有利である。重金属イオンは、例えば、精製すべき
ポリマーに対して、0.1〜100、殊に0.5〜20ppmの量で使用される。
酸化剤及び重金属イオンを、ニトリル基含有不純物の除去のために使用する場合
には、反応を光の作用無しで、実施することもできる。しかしながら、もう1つ
の促進は、光の作用によって、特にUV−照射の作用によって起こる。反応温度
は、例えば、5〜100、殊に、50〜90℃であってよい。
ポリマー中のニトリル基含有不純物を除去するために、酸化剤を、a)光の作
用下で、及び/又は、b)重金属イオンの存在で、粉末状のポリマーに直接作用
させるか、又は不活性懸濁剤中のポリマーの懸濁液もしくはエマルジョンに、又
は不活性溶剤中のポリマーの溶液に作用させることができる。ポリマーのための
溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、水及び水を含有する溶剤混合物がこれに該当する。殊に、不純物の酸化
は、水性のポリマー溶液、エマルジョン又は分散液中で実施される。この際、例
えば、処理すべき溶液のpH−値を、4〜12、殊に5〜8に調整する。前記の
ポリマーからのニトリル基含有不純物の本発明による除去は、例えば、5分間か
ら10時間までの作用時間後に終了している。酸化剤を過剰に使用するので、こ
れは殊にポリマー溶液の処理後に駆逐される。これは、
例えば、好適な還元剤、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜
二チオン酸ナトリウム、亜燐酸ナトリウム、亜燐酸水素ナトリウム、次亜燐酸ナ
トリウム又はアスコルビン酸を添加することによって、行なわれ得る。酸化剤と
して有利に使用される、消費されなかった過酸化水素は、カタラーゼによって、
特に簡単に酵素的に除去される。
非環状N−ビニルカルボン酸アミド−及び/又はビニルアミン単位を含有する
、本発明により処理されたポリマーは、ニトリル基含有不純物を含有しないか、
又は、ポリマーのそれ以上の加工の際にもはや障害とならない程の痕跡量のニト
リル基含有不純物をなお含有する。ポリマーは、ニトリル基含有不純物の除去の
際に、実質的に変化されない。これは、従来試験された場合において、紙のため
の歩留り向上剤及び補強剤としての使用の際に、処理されなかったポリマーと同
様に有効である。
例中、K−値を、明細書中に挙げた文献箇所H.Fi-kentscherにより測定した
。コポリマーの粘度を、ブルックフィルド(brookfield)粘度計で、20U/分
及び温度23℃で測定した。
例 1
撹拌機を備えているガラス製の反応器中で、K−値82.6、pH−値6.7
、粘度5500mPa・s及びリービッヒ(Liebig)によって滴定可能なCN−含量
7
4.3ppmのポリビニルホルムアミドの15.2%の水溶液6509を、弱い窒
素流中で、温度70℃に加熱する。この温度が達成されたら直ちに、50%の過
酸化水素0.98gを、撹拌しながら加え、かつ反応混合物を2時間70℃で、
日光のもとで、撹拌する。その後に、反応混合物を冷却させる。ポリマー水溶液
の固体含量は、15.0%であり、かつ粘度は5300mPa・sである。ポリマー
は、K−値82.3を有する。ニトリルはもはや検出されなかった。
残留する過酸化水素を駆除するために、亜硫酸水素ナトリウム0.4gをポリ
マー溶液に加えた。引続いて、ポリマーを、1.2倍のモル規定量と共に、5時
間、温度70℃に加熱した。加水分解の後に、溶液中にも、ガス空間中にも、シ
アニドは検出されなかった。
例 2
撹拌機及び配量装置を備えている精鋼製の反応器中で、K−値82.4、pH
−値6.5、粘度6200mPa・S及びLiebigにより滴定可能なシアニド含量17p
pmのポリビニルホルムアミドの15.8%の水溶液1200gを、窒素流中で、
80℃に加熱する。この温度が達成された後に、硫酸鉄(II)の0.1%の水溶
液5g及び引続いて50%の過酸化水素1.836gを添加し、反応混合物を2
時間80℃で撹拌し、かつその後に冷却させる。水溶液は、固体含量15.6%
を有し、かつ粘度6100mPa・sを有する。ポリマ−のK−
値は82.0であり、かつリ−ビッヒにより滴定可能なニトリル含量は1ppmよ
りも少ない。
引続いて、ポリビニルホルムアミドを、1.2倍量の塩酸の添加及び5時間7
0℃への加熱によって、加水分解させる。加水分解ポリマ−の水溶液のガス空間
上で、シアン化水素は検出されない。ポリマ−溶液は、滴定可能なニトリル約1
ppmを含有する。
例 3
例2に記載した反応器中で、K−値82.4、pH−値6.5、粘度6200
mPa・s及びLiebigにより滴定可能なCN−含量17ppmのポリビニルホルムアミド
の15.8%の水溶液1200gを、窒素流中で、温度50℃に加熱する。この
温度で、50%の過酸化水素1.836gを添加し、かつ反応混合物を、UV−
光の作用下で、1時間50℃で撹拌する。この時間後に、ポリマ−溶液中で、な
お滴定可能なニトリル2ppmが、検出可能である。ガス空間中ではシアン化水素
を検出することはできなかった。
例 4
撹拌機及び配量装置を備えているガラス製の反応器中に、ビニルアミン−及び
ビニルアルコ−ル単位をモル比3:1で含有する、N−ビニルホルムアミド及び
ビニルアセテ−トからなる完全に加水分解されたコポリマ−の6%の水溶液50
0gを、前もって装入する。この水溶液は、pH−値6、粘度3000mPa・s及
び滴定可能なCN−含量39ppmを有する。コポリマ−のK−値は、122であ
る。0.1%の硫酸鉄(II)水溶液1.5g及び30%の過酸化水素0.9を添
加し、かつ反応混合物を一定の撹拌下で4時間温度70℃に弱い窒素流中で加熱
する。冷却後に、ポリマ−水溶液の粘度は、2950mPa・sである。このコポリ
マ−は、K−値122及び3ppmよりも少ないニトリル含量を有する。引続いて
、過剰の過酸化水素を、30%の亜硫酸水素ナトリウム49の添加によって除法
する。
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(72)発明者 クレーナー,ミヒャエル
ドイツ連邦共和国 D―68309 マンハイ
ム ドルンハイマー リング 7
(72)発明者 ニルツ,クラウディア
ドイツ連邦共和国 D―67127 レーダー
スハイム―グローナウ ガルテンシュトラ
ーセ 29