JPH0853746A - 減圧プラズマ溶射によるAl系合金への高性能摺動被膜の形成方法 - Google Patents
減圧プラズマ溶射によるAl系合金への高性能摺動被膜の形成方法Info
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- JPH0853746A JPH0853746A JP6085872A JP8587294A JPH0853746A JP H0853746 A JPH0853746 A JP H0853746A JP 6085872 A JP6085872 A JP 6085872A JP 8587294 A JP8587294 A JP 8587294A JP H0853746 A JPH0853746 A JP H0853746A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 AlやAl合金材を対象とし、被膜密着性に
優れると共に、トライボロジ特性を向上させた高性能摺
動被膜を形成可能にする。 【構成】 AlまたはAl合金母材上に、その母材元素
と相互拡散する金属元素を含むTiO2 またはトリバロ
イ(商品名)の粉末を減圧プラズマ溶射し、母材と溶射
被膜の界面において母材構成元素と被膜構成素材元素の
拡散により密着性を高めると同時にトライボロジ特性を
向上させた被膜を形成する。
優れると共に、トライボロジ特性を向上させた高性能摺
動被膜を形成可能にする。 【構成】 AlまたはAl合金母材上に、その母材元素
と相互拡散する金属元素を含むTiO2 またはトリバロ
イ(商品名)の粉末を減圧プラズマ溶射し、母材と溶射
被膜の界面において母材構成元素と被膜構成素材元素の
拡散により密着性を高めると同時にトライボロジ特性を
向上させた被膜を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機、自動車、船
舶、発電タービン等において用いるAl系合金製の各種
摺動部品に適用するのに好適な高性能摺動被膜の形成方
法に関するものであり、さらに詳しくは、TiO2 、ト
リバロイ(デロロ−ステライト社の商品名)粉等を用い
た減圧プラズマ溶射により、AlまたはAl合金素材上
に、被膜密着性に優れ、且つトライボロジ特性を向上さ
せ得る高性能摺動被膜を形成する方法に関するものであ
る。
舶、発電タービン等において用いるAl系合金製の各種
摺動部品に適用するのに好適な高性能摺動被膜の形成方
法に関するものであり、さらに詳しくは、TiO2 、ト
リバロイ(デロロ−ステライト社の商品名)粉等を用い
た減圧プラズマ溶射により、AlまたはAl合金素材上
に、被膜密着性に優れ、且つトライボロジ特性を向上さ
せ得る高性能摺動被膜を形成する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、摺動部材等においては、軽量かつ
高負荷化の要求がより厳しくなっており、トライボロジ
特性等の被膜性能の向上と共に、被膜密着性の一層の向
上が要求されている。特に、自動車部品においては、燃
費向上対策としての軽量化の要求が強く、軽量で強度の
あるAlやAl合金材の利用が、エンジン部品等を中心
に検討されているが、AlやAl合金はトライボロジ特
性において問題があり、そのため、それらのトライボロ
ジ特性を改善する被膜を密着性よく形成する技術の開発
が望まれている。
高負荷化の要求がより厳しくなっており、トライボロジ
特性等の被膜性能の向上と共に、被膜密着性の一層の向
上が要求されている。特に、自動車部品においては、燃
費向上対策としての軽量化の要求が強く、軽量で強度の
あるAlやAl合金材の利用が、エンジン部品等を中心
に検討されているが、AlやAl合金はトライボロジ特
性において問題があり、そのため、それらのトライボロ
ジ特性を改善する被膜を密着性よく形成する技術の開発
が望まれている。
【0003】従来、トライボロジ特性の要求される機械
部品には、それにトライボロジ特性を付与する目的で、
各種方法によるコーティングが施されている例が多い。
これらのコーティング法としては、通常、湿式めっき法
(電気めっき、無電解めっき等)、乾式めっき法(PV
D、CVD等)が用いられているが、これらのコーティ
ング法の場合、母材と被膜との結合は、置換被膜(亜鉛
置換)やストライクめっきの応用によるものであり、各
種摺動部品として使用するには、被膜が剥れ易いという
大きな問題がある。さらに、湿式めっき法は、処理工程
で生ずる排水の処理が難しいという問題もある。
部品には、それにトライボロジ特性を付与する目的で、
各種方法によるコーティングが施されている例が多い。
これらのコーティング法としては、通常、湿式めっき法
(電気めっき、無電解めっき等)、乾式めっき法(PV
D、CVD等)が用いられているが、これらのコーティ
ング法の場合、母材と被膜との結合は、置換被膜(亜鉛
置換)やストライクめっきの応用によるものであり、各
種摺動部品として使用するには、被膜が剥れ易いという
大きな問題がある。さらに、湿式めっき法は、処理工程
で生ずる排水の処理が難しいという問題もある。
【0004】このような問題に対処し、最近では、被膜
のコーティングに、プラズマ溶射法や、燃焼ガスによる
溶射(デトネーション溶射、ジェットコート)等の各種
溶射方法が用いられているが、一般に、密着性が良い被
膜の形成は困難である。しかも、一番広く用いられてい
るプラズマ溶射では、被膜密着性を向上させるために母
材の予熱温度を1000℃以上に加熱する方法が採用さ
れているが、この方法は、大型部材に溶射を行いたいと
きに母材加熱が困難である。また、大気中において母材
であるAlやAl合金を高温に加熱すると、表面に酸化
被膜が形成されて被膜の密着性を損なうことになる。
のコーティングに、プラズマ溶射法や、燃焼ガスによる
溶射(デトネーション溶射、ジェットコート)等の各種
溶射方法が用いられているが、一般に、密着性が良い被
膜の形成は困難である。しかも、一番広く用いられてい
るプラズマ溶射では、被膜密着性を向上させるために母
材の予熱温度を1000℃以上に加熱する方法が採用さ
れているが、この方法は、大型部材に溶射を行いたいと
きに母材加熱が困難である。また、大気中において母材
であるAlやAl合金を高温に加熱すると、表面に酸化
被膜が形成されて被膜の密着性を損なうことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、AlやAl合金材を対象とし、被膜密着性に優れる
と共に、トライボロジ特性を向上させた高性能摺動被膜
を形成可能にすることにある。
は、AlやAl合金材を対象とし、被膜密着性に優れる
と共に、トライボロジ特性を向上させた高性能摺動被膜
を形成可能にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用】上記課題を解決す
るための本発明の高性能摺動被膜の形成方法は、Alま
たはAl合金母材上に、その母材元素と相互拡散する金
属元素を含む酸化物またはニッケル基若しくは鉄基摺動
面材料の粉末を減圧プラズマ溶射し、母材と溶射被膜の
界面において母材構成元素と被膜構成素材元素の拡散に
より密着性を高めると同時にトライボロジ特性を向上さ
せた被膜を形成することを特徴とするものである。上記
方法においては、AlまたはAl合金母材上に、TiO
2 またはトリバロイ(モリブデン、クロムを主成分とす
るコバルト基若しくはニッケル基摺動面材料)の粉末を
減圧プラズマ溶射することができ、それによって密着性
及びトライボロジ特性を一層向上させた被膜を形成する
ことができる。
るための本発明の高性能摺動被膜の形成方法は、Alま
たはAl合金母材上に、その母材元素と相互拡散する金
属元素を含む酸化物またはニッケル基若しくは鉄基摺動
面材料の粉末を減圧プラズマ溶射し、母材と溶射被膜の
界面において母材構成元素と被膜構成素材元素の拡散に
より密着性を高めると同時にトライボロジ特性を向上さ
せた被膜を形成することを特徴とするものである。上記
方法においては、AlまたはAl合金母材上に、TiO
2 またはトリバロイ(モリブデン、クロムを主成分とす
るコバルト基若しくはニッケル基摺動面材料)の粉末を
減圧プラズマ溶射することができ、それによって密着性
及びトライボロジ特性を一層向上させた被膜を形成する
ことができる。
【0007】本発明の高性能摺動被膜の形成方法につい
てさらに具体的に詳述すると、本発明に基づいてAlま
たはAl合金からなる母材上にコーティングする被膜構
成素材としては、TiO2 粉(粒子径:5〜25μ
m)、またはトリバロイ粉(40μm未満)が好適に用
いられ、これらのTiO2 粉やトリバロイ粉のコーティ
ングに際しては、真空チャンバー等を用いた減圧雰囲気
中で、母材にプラズマ溶射ガンを垂直に対向させた状態
で母材表面に沿って相対的に移動させ、所要の部分にプ
ラズマ溶射する。
てさらに具体的に詳述すると、本発明に基づいてAlま
たはAl合金からなる母材上にコーティングする被膜構
成素材としては、TiO2 粉(粒子径:5〜25μ
m)、またはトリバロイ粉(40μm未満)が好適に用
いられ、これらのTiO2 粉やトリバロイ粉のコーティ
ングに際しては、真空チャンバー等を用いた減圧雰囲気
中で、母材にプラズマ溶射ガンを垂直に対向させた状態
で母材表面に沿って相対的に移動させ、所要の部分にプ
ラズマ溶射する。
【0008】被膜構成素材としては、上述したように、
母材元素であるAlと相互拡散する金属元素を含む酸化
物またはニッケル基若しくは鉄基摺動面材料を用いるこ
とができるが、具体的には、上記TiO2 及びトリバロ
イのほか、Cr2 O3 ,NiO,Cr2 O3 /Ni,A
l2 O3 −TiO2 等が適している。また、減圧プラズ
マ溶射条件としては、アルゴン雰囲気圧力を50Tor
rとし、補助ガスにHeを用いるのが望ましい。なお、
上記TiO2 粉やトリバロイ粉等の被膜構成素材の溶射
に際しては、予め被処理母材表面をアルミナショット
し、有機溶剤で洗浄する等により清浄な表面にしておく
ことが望ましい。
母材元素であるAlと相互拡散する金属元素を含む酸化
物またはニッケル基若しくは鉄基摺動面材料を用いるこ
とができるが、具体的には、上記TiO2 及びトリバロ
イのほか、Cr2 O3 ,NiO,Cr2 O3 /Ni,A
l2 O3 −TiO2 等が適している。また、減圧プラズ
マ溶射条件としては、アルゴン雰囲気圧力を50Tor
rとし、補助ガスにHeを用いるのが望ましい。なお、
上記TiO2 粉やトリバロイ粉等の被膜構成素材の溶射
に際しては、予め被処理母材表面をアルミナショット
し、有機溶剤で洗浄する等により清浄な表面にしておく
ことが望ましい。
【0009】このようにして、AlまたはAl合金から
なる母材上に被膜構成素材を減圧プラズマ溶射すると、
従来の大気中プラズマ溶射で問題点であった溶射中の酸
化等を防止できるばかりでなく、母材と被膜の界面に、
母材中のAlと被膜構成素材(TiO2 、トリバロイ)
におけるTi、Co等の元素の積極的な相互拡散による
拡散層が形成され、密着強度の強い緻密な被膜を形成さ
せることができ、しかも、トライボロジ特性を向上させ
た高機能性被膜を得ることができる。また、上記TiO
2 粉やトリバロイ粉の減圧プラズマ溶射被膜を形成する
場合には、摩擦係数が低く、耐摩耗性に極めて優れた摺
動面を得ることができ、AlおよびAl合金の各種摺動
部材への利用が可能になる。
なる母材上に被膜構成素材を減圧プラズマ溶射すると、
従来の大気中プラズマ溶射で問題点であった溶射中の酸
化等を防止できるばかりでなく、母材と被膜の界面に、
母材中のAlと被膜構成素材(TiO2 、トリバロイ)
におけるTi、Co等の元素の積極的な相互拡散による
拡散層が形成され、密着強度の強い緻密な被膜を形成さ
せることができ、しかも、トライボロジ特性を向上させ
た高機能性被膜を得ることができる。また、上記TiO
2 粉やトリバロイ粉の減圧プラズマ溶射被膜を形成する
場合には、摩擦係数が低く、耐摩耗性に極めて優れた摺
動面を得ることができ、AlおよびAl合金の各種摺動
部材への利用が可能になる。
【0010】
【実施例】被膜構成素材としてTiO2 粉およびトリバ
ロイ粉を用い、減圧プラズマ溶射法によりAl合金母材
上に被膜を形成し、その被膜の性能について試験した。
被膜の性能は、EPMA、往復摺動摩擦摩耗試験等によ
って確認した。以下にその結果を示す。試験片(母材)
としては、アルミニウム合金A6061(T4処理)、
Al−12%Si(14mm×17mm×70mm)を
用い、その表面を浄化した後、17mm×70mmの面
に、TiO2 (5〜25μm)及びトリバロイT400
(<40μm)を溶射した。トリバロイの粉末の組成
(wt%)は、表1の通りである。
ロイ粉を用い、減圧プラズマ溶射法によりAl合金母材
上に被膜を形成し、その被膜の性能について試験した。
被膜の性能は、EPMA、往復摺動摩擦摩耗試験等によ
って確認した。以下にその結果を示す。試験片(母材)
としては、アルミニウム合金A6061(T4処理)、
Al−12%Si(14mm×17mm×70mm)を
用い、その表面を浄化した後、17mm×70mmの面
に、TiO2 (5〜25μm)及びトリバロイT400
(<40μm)を溶射した。トリバロイの粉末の組成
(wt%)は、表1の通りである。
【0011】
【表1】
【0012】プラズマ溶射は、図1に示すように試料ホ
ルダ1に4個の試験片Tを取付け、この試料ホルダ1を
ロボットアーム2に固定し、それらの試験片Tに対向配
置したプラズマ溶射ガン3により、試料ホルダ1をロボ
ットアーム2で図中に矢印で示す方向に移動させなが
ら、50Torrのアルゴン雰囲気中で行った。プラズ
マ溶射条件は、表2に示すように、試験片Tを6400
cm/minの揺動速度で試験片の長手方向へ上下に揺
動させながら、2mmの移動ピッチで左右に移動させ
た。また、ヒートプロセスは、プラズマにより予熱を行
った後、溶射を行った。
ルダ1に4個の試験片Tを取付け、この試料ホルダ1を
ロボットアーム2に固定し、それらの試験片Tに対向配
置したプラズマ溶射ガン3により、試料ホルダ1をロボ
ットアーム2で図中に矢印で示す方向に移動させなが
ら、50Torrのアルゴン雰囲気中で行った。プラズ
マ溶射条件は、表2に示すように、試験片Tを6400
cm/minの揺動速度で試験片の長手方向へ上下に揺
動させながら、2mmの移動ピッチで左右に移動させ
た。また、ヒートプロセスは、プラズマにより予熱を行
った後、溶射を行った。
【0013】
【表2】
【0014】被膜の線状元素分析結果(測定元素:T
i、Co、Al)を図2に示す。同図(a)はTiO2
被膜についての分析結果(測定元素:Ti、Al、O)
であり、同図(b)はトリバロイ(T400)被膜につ
いての分析結果(測定元素:Co、Al、O)である。
これらの分析結果から、母材と被膜の界面において、T
i、Co、Al元素がそれぞれ相互に拡散しているのが
確認できた。
i、Co、Al)を図2に示す。同図(a)はTiO2
被膜についての分析結果(測定元素:Ti、Al、O)
であり、同図(b)はトリバロイ(T400)被膜につ
いての分析結果(測定元素:Co、Al、O)である。
これらの分析結果から、母材と被膜の界面において、T
i、Co、Al元素がそれぞれ相互に拡散しているのが
確認できた。
【0015】さらに、無処理のA6061(T4処理)
素材、A6061(T4処理)素材のSiC分散Ni−
Pめっき処理品を比較例として、TiO2 粉およびトリ
バロイ(T400)粉を用いた減圧プラズマ溶射被膜の
摺動摩擦係数、摩耗量と比較した。表3及び図3に往復
摺動摩擦試験の条件及び装置の概略図を示した。
素材、A6061(T4処理)素材のSiC分散Ni−
Pめっき処理品を比較例として、TiO2 粉およびトリ
バロイ(T400)粉を用いた減圧プラズマ溶射被膜の
摺動摩擦係数、摩耗量と比較した。表3及び図3に往復
摺動摩擦試験の条件及び装置の概略図を示した。
【0016】
【表3】
【0017】往復摺動摩擦試験に用いた図3の装置は、
往復駆動装置10によって往復摺動する試料ホルダ11
上に試験片Tを取付け、この試験片Tに、ボールホルダ
12により保持したボール(SUJ2,5/16 inch
)13を、荷重10kgfで押しつけて試験を行うも
のである。なお、図中、14は圧力センサである。
往復駆動装置10によって往復摺動する試料ホルダ11
上に試験片Tを取付け、この試験片Tに、ボールホルダ
12により保持したボール(SUJ2,5/16 inch
)13を、荷重10kgfで押しつけて試験を行うも
のである。なお、図中、14は圧力センサである。
【0018】この摺動摩擦係数測定結果を図4に示す。
試験開始10分後に、TiO2 被膜でμ=0.094、
トリバロイ(T400)被膜で、μ=0.098となっ
た。また、比較例のSiC分散Ni−Pめっきでは、μ
=0.121程度となり、TiO2 被膜、トリバロイ被
膜共に、SiC分散Ni−Pめっきの場合よりも低い摩
擦係数を示した。被膜の摩耗量は、表面粗さ計にて摩耗
痕の断面曲線を測定し、その値から計算で摩耗体積を計
算する方法を採用した。
試験開始10分後に、TiO2 被膜でμ=0.094、
トリバロイ(T400)被膜で、μ=0.098となっ
た。また、比較例のSiC分散Ni−Pめっきでは、μ
=0.121程度となり、TiO2 被膜、トリバロイ被
膜共に、SiC分散Ni−Pめっきの場合よりも低い摩
擦係数を示した。被膜の摩耗量は、表面粗さ計にて摩耗
痕の断面曲線を測定し、その値から計算で摩耗体積を計
算する方法を採用した。
【0019】往復摺動摩擦摩耗試験機による被膜の摩擦
摩耗試験後に、相手材であるボール(SUJ2)の摩耗
量を測定した結果を表4に示す。ボールの摩耗量(V)
は、光学顕微鏡で摩耗痕直径を測定し、図5及び下記数
式(1)により求めたものである。 V=πd2 /64r (1) d:摩耗痕直径、 r:ボール半径
摩耗試験後に、相手材であるボール(SUJ2)の摩耗
量を測定した結果を表4に示す。ボールの摩耗量(V)
は、光学顕微鏡で摩耗痕直径を測定し、図5及び下記数
式(1)により求めたものである。 V=πd2 /64r (1) d:摩耗痕直径、 r:ボール半径
【0020】
【表4】
【0021】この測定により、TiO2 被膜およびトリ
バロイ(T400)被膜のときは、共に比較例のSiC
分散Ni−Pめっきの場合よりもボール(SUJ2)の
摩耗量が少なくなり、TiO2 、トリバロイ(T40
0)共に相手を摩耗させる度合いが小さいことがわかっ
た。
バロイ(T400)被膜のときは、共に比較例のSiC
分散Ni−Pめっきの場合よりもボール(SUJ2)の
摩耗量が少なくなり、TiO2 、トリバロイ(T40
0)共に相手を摩耗させる度合いが小さいことがわかっ
た。
【0022】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の方法に
よれば、Al材やAl合金材からなる母材表面にTiO
2 粉またはトリバロイ粉を減圧プラズマ溶射することに
より、母材と被膜の界面に拡散層を形成し、従来の溶射
のようなアンカー効果のみの寄与による被膜密着性と比
較して、極めて被膜密着性に優れた被膜を形成すること
ができる。また、上記試験結果から明らかなように、従
来のめっき法によるコーティングに比べて低摩擦で耐摩
耗性に優れた被膜を、ドライプロセス法により比較的簡
単に形成することできる。
よれば、Al材やAl合金材からなる母材表面にTiO
2 粉またはトリバロイ粉を減圧プラズマ溶射することに
より、母材と被膜の界面に拡散層を形成し、従来の溶射
のようなアンカー効果のみの寄与による被膜密着性と比
較して、極めて被膜密着性に優れた被膜を形成すること
ができる。また、上記試験結果から明らかなように、従
来のめっき法によるコーティングに比べて低摩擦で耐摩
耗性に優れた被膜を、ドライプロセス法により比較的簡
単に形成することできる。
【図1】本発明の方法の実施に用いる装置の概要を示す
説明図である。
説明図である。
【図2】本発明の方法によって形成した被膜断面のEP
MAによる線状元素分析結果を示すグラフである。
MAによる線状元素分析結果を示すグラフである。
【図3】本発明の方法によって形成した被膜の摩擦摩耗
特性を調べるために使用した試験機の概略を示す説明図
である。
特性を調べるために使用した試験機の概略を示す説明図
である。
【図4】本発明の方法によって形成した被膜および比較
例の摺動摩擦測定結果を示すグラフである。
例の摺動摩擦測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明の方法によって形成した被膜および比較
例の摺動摩擦試験における相手材のボール(SUJ2)
の摩耗量測定方法に関する説明図である。
例の摺動摩擦試験における相手材のボール(SUJ2)
の摩耗量測定方法に関する説明図である。
フロントページの続き (74)上記3名の代理人 弁理士 林 宏 (外2名) (72)発明者 志 村 洋 文 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 佐々木 信 也 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 黒 沢 一 吉 神奈川県平塚市大神2784 日本パーカライ ジング株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 橋 本 孝 信 富山県富山市中田南2−26 株式会社不二 越内 (72)発明者 八 城 勇 一 千葉県我孫子市我孫子1 日立精機株式会 社内
Claims (2)
- 【請求項1】AlまたはAl合金母材上に、その母材元
素と相互拡散する金属元素を含む酸化物またはニッケル
基若しくは鉄基摺動面材料の粉末を減圧プラズマ溶射
し、母材と溶射被膜の界面において母材構成元素と被膜
構成素材元素の拡散により密着性を高めると同時にトラ
イボロジ特性を向上させた被膜を形成することを特徴と
する減圧プラズマ溶射によるAl系合金への高性能摺動
被膜の形成方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法において、Alまた
はAl合金母材上に、TiO2 またはトリバロイの粉末
を減圧プラズマ溶射することを特徴とする減圧プラズマ
溶射によるAl系合金への高性能摺動被膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6085872A JP2707409B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 減圧プラズマ溶射によるAl系合金への高性能摺動被膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6085872A JP2707409B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 減圧プラズマ溶射によるAl系合金への高性能摺動被膜の形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0853746A true JPH0853746A (ja) | 1996-02-27 |
| JP2707409B2 JP2707409B2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=13870992
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6085872A Expired - Lifetime JP2707409B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 減圧プラズマ溶射によるAl系合金への高性能摺動被膜の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2707409B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004079035A1 (fr) * | 2003-03-06 | 2004-09-16 | Alexander Pavlovich Khinsky | Procede de fabrication d'un revetement composite |
| JP2016094874A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | マツダ株式会社 | 摺動構造 |
| WO2022030476A1 (ja) * | 2020-08-07 | 2022-02-10 | Kyb株式会社 | 金属部材 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01191768A (ja) * | 1988-01-28 | 1989-08-01 | Nippon Steel Corp | アルミニウム合金製ブレーキディスク |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6085872A patent/JP2707409B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
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