JPH0854391A - ジフェニルエーテル化合物に特異的なモノクローナル抗体、ハイブリドーマ、及びジフェニルエーテル化合物の検出方法 - Google Patents

ジフェニルエーテル化合物に特異的なモノクローナル抗体、ハイブリドーマ、及びジフェニルエーテル化合物の検出方法

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JPH0854391A
JPH0854391A JP20794694A JP20794694A JPH0854391A JP H0854391 A JPH0854391 A JP H0854391A JP 20794694 A JP20794694 A JP 20794694A JP 20794694 A JP20794694 A JP 20794694A JP H0854391 A JPH0854391 A JP H0854391A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留農薬の簡便で正確な測定手段を提供す
る。 【構成】 一般式(I): 【化1】 (Rはニトロ基又はアミノ基)で表されるジフェニルエ
ーテル化合物に反応性を示すモノクローナル抗体、その
抗体を産生するハイブリドーマ、及びその抗体を用いる
前記化合物の免疫化学的検出方法。 【効果】 試験操作の大幅な簡略化と試験時間の短縮が
可能となり、多量の検体を迅速に測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジフェニルエーテル誘
導体に特異的な新規モノクローナル抗体、そのモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマ、及びそのモノク
ローナル抗体を用いるジフェニルエーテル誘導体の検出
方法に関する。本発明による前記モノクローナル抗体
は、特には、有機溶媒耐性抗体である。
【0002】
【従来の技術】近年、環境中や食品中に残留する農薬
が、人体へ与える影響などの面で大きな社会問題として
関心を集めている。特に、除草剤であるクロロニトロフ
ェン(以下CNPとも称する)は、胆嚢癌との因果関係
が取りざたされて問題となっている。従って、環境や食
品に関する安全性確保のためには、まずこれら環境や食
品中に含有される残留農薬の量を正確に測定することが
必要である。残留農薬の量は、農薬が登録される時点に
おいて作物ごとに定められており、従来の残留農薬の分
析法では、主に試料から農薬を抽出し、精製した後、ガ
スクロマトグラフィーを用いて抽出物中の含有量を測定
していた。これらの方法は、試料の調製が煩雑で長時間
必要とすること、並びに測定装置や設備などに高額な費
用を要するという欠点があった。残留農薬の分析は、分
析件数が多大であるため、精度面以外にも簡便性や迅速
性が重要である。また、高価な測定装置がなくても容易
に分析できることが要求されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、ジフェニルエー
テル系除草剤の代表例であるクロロニトロフェン(CN
P)、すなわち、4−ニトロフェニル 2,4,6−ト
リクロロフェニルエーテル(C126 Cl3 NO3 )の
分析でも、ガスクロマトグラフィーを用いて測定する方
法が採用されていたが、その分析には相当の時間と手間
を要していた。また、例えば土壌中に残留しているCN
Pを測定する場合などでは、抽出操作の段階で有機溶媒
を使用する必要があった。近年、生体試料以外の成分の
測定においても、免疫化学的検出方法が応用されるよう
になり、多岐に渡って応用検討されているが、CNPを
免疫化学的に検出することについては、従来は検討され
ていなかった。
【0004】そこで、本発明者等はCNPを免疫化学的
に検出することを目的とし鋭意検討を重ねた結果、ジフ
ェニルエーテル化合物に特異的な新規モノクローナル抗
体を見出すことに成功した。従って、本発明の目的は、
前記の新規モノクローナル抗体、そのモノクローナル抗
体を分泌するハイブリドーマ、及び前記モノクローナル
抗体を用いるジフェニルエーテル化合物の検出方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、一般
式(I):
【化2】 (式中、Rはニトロ基又はアミノ基である)で表される
ジフェニルエーテル化合物に反応性を示すモノクローナ
ル抗体に関する。また、本発明は、これらのモノクロー
ナル抗体の内、特に有機溶媒に対して耐性を有し、従っ
て、有機溶媒の存在下でも免疫反応を行うことのできる
モノクローナル抗体に関する。更に、本発明は、前記モ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、及び前記
モノクローナル抗体を用いることを特徴とする、一般式
(I)で表されるジフェニルエーテル化合物の免疫化学
的検出方法にも関する。
【0006】前記一般式(I)において、Rがニトロ基
(−NO2 )である場合は、前記一般式(I)で表され
る化合物はクロロニトロフェン(CNP)であり、Rが
アミノ基(−NH2 )である場合(CNPのニトロ基が
還元された類縁物質)は、前記一般式(I)で表される
化合物は4−アミノフェニル 2,4,6−トリクロロ
フェニルエーテル(以下、CNP−NH2 と称すること
がある)である。本発明によるモノクローナル抗体及び
ハイブリドーマの調製は常法、例えば、続生化学実験講
座,免疫生化学研究法(日本生化学会編)に記載の方法
で行うことができる。具体的には、免疫原としては、前
記一般式(I)で表されるジフェニルエーテル化合物又
はその塩類、更にはそれら化合物を生体高分子(例え
ば、ウシ血清アルブミン又は免疫グロブリン)担体に結
合させたものを用いるのが望ましい。また、前記一般式
(I)で表されるジフェニルエーテル化合物と類似の化
学構造を有するジフェニルエーテル化合物、例えば、5
−〔2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキ
シ〕−2−ニトロ安息香酸又はその塩類、更にはそれら
化合物を生体高分子担体に結合させたものを用いても、
目的とするモノクローナル抗体を分泌するハイブリドー
マを得ることができる。
【0007】これらの免疫原溶液を用いて哺乳動物(例
えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ又はウマ)をイン
・ビボ免疫法により免疫する。例えば、免疫原溶液を等
量のフロインドの完全アジュバント又は不完全アジュバ
ントと乳化混合し、マウスの皮下に投与する(第1回免
疫)。以後、2〜4週間の間隔で同様の操作を行い、数
回免疫する。最終免疫から数日後に脾臓を無菌的に取り
出し、ステンレスメッシュなどで押しつぶして脾臓細胞
を調製し、細胞融合工程に用いる。
【0008】細胞融合のもう一方の親細胞であるミエロ
ーマ細胞(骨髄腫細胞)としては、各種の公知の細胞
株、例えば、p3 (p3/*63−Ag8) (Nature,256,495-497
(1975)) 、p3−U1 (Current Topics in Microbiology a
nd Immunology,81;1-7(1978))、NS-1 (Eur.J.Immunol.,
6;511-519(1976)) 、MPC-11 (Cell,8;405-415(1976))、
SP2 /0 (Nature,276;269-270(1978))、FO (J.Immunol.
Meth.,35;1-21(1980))、*63.6.55.3 (J.Immunol.,123;
1548-1550(1979))、S194 (J.Exp.Med.,148;313-323(197
8)) 、又はラットにおけるR210 (Nature,277;131-133(1
979)) などを使用することができる。
【0009】細胞融合は通常の方法、例えば、公知の融
合促進剤(ポリエチレングリコールなど)を用いて行う
ことができ、使用比率も常法と同様に、例えば、脾臓細
胞に対してミエローマ細胞を約1〜10倍程度の量で用
いる。融合用培地としては、例えば、40%(W/V)
ポリエチレングリコールを含むダルベッコ改変イーグル
培地を用いることができる。融合は、前記の培地内で免
疫脾臓細胞とミエローマ細胞とをよく混合することによ
って行う。
【0010】続いて、選別用培地(例えば、HAT培
地)を用いてハイブリドーマ以外の細胞を除去し、ハイ
ブリドーマ培養上清の抗体産生の有無を、例えばELI
SA法によって検出・測定し、目的とするハイブリドー
マを分離することができる。特に、有機溶媒に対して耐
性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを選別する場合には、各種濃度で有機溶媒を含む有機
水性溶液又は無水有機溶液に前記ジフェニルエーテル化
合物を添加し、これにモノクローナル抗体を加えた後
に、抗原抗体反応が正常に進行することを確認すること
によって、有機溶媒耐性モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマを選別することができる。
【0011】こうして得られた、目的のモノクローナル
抗体を分泌する本発明のハイブリドーマは、通常の培地
で継代培養することができ、また液体窒素などの中で容
易に長期間保存することができる。ハイブリドーマを培
養する培地としては、ハイブリドーマに適した任意の培
地を用いることができ、好適にはイスコフ改変DMEM
(以下IMEMという)に10%ウシ胎児血清(以下F
BSという)を含む培地が用いられる。ハイブリドーマ
の培養は、イン・ビトロの場合、例えば培地中で5%二
酸化炭素及び37℃で培養し、またイン・ビボの場合に
は例えばマウスの腹腔中で培養するのが好ましい。
【0012】前記のハイブリドーマを常法によって培養
した培養液から、あるいはハイブリドーマを投与した適
当な哺乳動物(例えばマウス又はラット)の腹水から、
目的とするモノクローナル抗体を分離し、精製すること
が可能である。培養液又はマウスの腹水からモノクロー
ナル抗体を分離、精製する場合にはタンパク質の単離、
精製に一般的に用いられる方法を用いることが可能であ
る。そのような方法としては硫安塩析、イオン交換クロ
マトグラフィー、分子篩ゲルを用いる分子篩カラムクロ
マトグラフィー、プロテインA又はプロテインG結合ポ
リマーを用いる親和性カラムクロマトグラフィー、透
析、凍結乾燥の方法などがある。
【0013】本発明による、前記一般式(I)で表され
るジフェニルエーテル化合物の検出方法は、前記のモノ
クローナル抗体を用いて実施するので、前記ジフェニル
エーテル化合物を正確に検出することができる。また、
有機溶媒耐性モノクローナル抗体を用いると、検査対象
のジフェニルエーテル化合物を充分に溶解することので
きる有機溶媒を含有する有機水性系中でも正確な抗原抗
体反応を進行させることができる。例えば、土壌中の残
留農薬としてのCNPを測定する際には、土壌などの被
検試料からCNPを抽出するために使用した有機抽出液
をそのまま試料として用いることができ、迅速かつ簡便
な操作が可能になる。
【0014】本発明方法は、前記ジフェニルエーテル化
合物に反応性を示すモノクローナル抗体を用いること、
そして好ましくは有機溶媒耐性抗体を用いること(従っ
て、有機溶媒の存在下で抗原抗体反応を実施すること)
を除けば、それ以外の点では従来公知の免疫化学的検出
方法にそのまま適用することができる。検出方法には、
例えば、前記ジフェニルエーテル化合物に対して反応性
を有すると共に有機溶媒に耐性を有する抗体を直接標識
して、固相化した抗原と試料中のジフェニルエーテル化
合物と競合反応させる、通常、抗体標識法の内、直接競
合法と呼ばれる方法や、あるいは、上記抗体を固相化
し、標識化した抗原と試料中のジフェニルエーテル化合
物とを競合させる、通常、抗原標識法と呼ばれる方法な
どがあるが、ここでは本発明方法を、通常、抗体標識法
の内、間接競合法と呼ばれる検出法に適用した場合につ
いて以下に説明する。
【0015】本発明方法は、具体的に例えば土壌中に存
在する前記一般式(I)で表されるジフェニルエーテル
化合物を検出する場合には、 (1)抗原〔すなわち、前記一般式(I)で表されるジ
フェニルエーテル化合物〕と生体高分子(例えば、血清
アルブミン又は免疫グロブリンなど)との結合体を固相
化する(以下固相化抗原という)工程 (2)被検試料(例えば、土壌)を有機溶媒(特には、
水混和性有機溶媒)で処理して有機溶媒抽出液を調製す
る工程 (3)前記ジフェニルエーテル化合物に対して反応する
と共に前記有機溶媒に耐性を有する抗体(以下第1抗体
という)と、前記工程(2)で調製した有機溶媒抽出液
並びに前記工程(1)で調製した固相化抗原とを接触さ
せる工程 (4)固相化抗原と結合した前記第1抗体と、試料中の
ジフェニルエーテル化合物と結合した前記第1抗体とを
分離する工程 (5)標識化した抗マウス抗体(以下第2抗体という)
を、固相化抗原と結合した第1抗体と接触させる工程 (6)固相化抗原に結合している第1抗体と結合した第
2抗体と、固相化抗原に結合している第1抗体と結合し
ていない第2抗体とを分離する工程 (7)前記工程(6)で分離したいずれか一方、好まし
くは第1抗体と結合した第2抗体が有する標識からの信
号を検出する工程を含む、試料中のジフェニルエーテル
化合物の検出方法からなる。
【0016】なお、水性試料中のジフェニルエーテル化
合物を測定する場合は、前記工程(2)は省略され、被
検試料を直接第1抗体並びに固相化抗原と接触させるこ
とができる。それ以外は、土壌中に存在するジフェニル
エーテル化合物を検出する場合と同様に行う。
【0017】本発明で用いる有機溶媒は、アルコール類
又はケトン類であって、検査対象の試料から前記一般式
(I)で表されるジフェニルエーテル化合物を抽出する
際に用いる溶媒である。水混和性の有機溶媒を用いる
と、有機水性溶媒で抽出工程を行ったり、有機溶媒抽出
液を水で適当に希釈してから、抗原抗体反応を有機水性
溶媒中で実施することができるので好ましい。有機溶媒
としては、例えば、アルコール化合物(例えば、炭素原
子1〜3個の低級アルコール、特には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール)、ケ
トン化合物(例えば、炭素原子3〜5個の低級脂肪族ケ
トン、特には、メチルエチルケトン、アセトン又はジエ
チルケトン、)あるいはこれらの混合物を挙げることが
できる。本発明方法では、前記一般式(I)で表される
ジフェニルエーテル化合物を含有するおそれのある任意
の試料を用いることができるが、例えば、土壌、農作
物、食品、あるいは水田水、河川や池、沼などの水など
を挙げることができる。
【0018】本発明の検出方法を具体的に実施する際
(特には土壌を試料として用いる場合)には、最初に試
料を前記の有機溶媒で抽出する。得られた有機溶媒抽出
液をそのまま又は水で希釈して次の工程に用いる。例え
ば、第1抗体と、固相化抗原並びに前記有機溶媒抽出液
とを接触させると、その有機溶媒抽出液にジフェニルエ
ーテル化合物(抗原)が存在する場合には、有機溶媒存
在下で競合的に抗原抗体反応が起きる。この抗原抗体反
応は、有機溶媒存在下で実施することを除けば、通常の
抗原抗体反応と同様に行うことができる。また、水性試
料の場合には、これを直接、抗体及び固相化抗原と接触
させることにより、競合的抗原抗体反応が起きる。
【0019】本発明方法を実施する場合には、既知量の
標識化第2抗体を用いてジフェニルエーテル化合物の確
認又は定量を行うことができる。抗体の標識には、公知
の標識体、例えば、放射性同位体(例えば、32P、
35S、 3H)、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アル
カリホスファターゼ)、ビタミン(例えば、ビオチ
ン)、蛍光物質(例えば、FITC)、化学発光物質
(例えば、アクリジニウム)などを用いることができ
る。
【0020】標識化第2抗体は、第1抗体と有機溶媒抽
出液(又は水性試料)並びに固相化抗原との接触工程が
終了してから反応系に加えることができる。第1抗体を
有機溶媒抽出液(又は水性試料)及び固相化抗原と接触
させた後、固相化抗原と結合しなかった第1抗体を洗浄
除去してから標識化第2抗体を加えると、固相化抗原と
結合した第1抗体に対して標識化第2抗体が結合する。
【0021】本発明方法では、第1抗体と前記抽出液
(又は水性試料)中のジフェニルエーテル化合物、並び
に固相化抗原との反応が終了した後で、固相化抗原に結
合した第1抗体を分離する。分離は、例えば、濾過、遠
心処理又は緩衝液による洗浄によって行うことができ
る。更に、固相化抗原に結合した第1抗体と標識化第2
抗体との反応が終了した後で、第1抗体と結合しなかっ
た標識化第2抗体を除去し、続いて、第1抗体と結合し
た標識化第2抗体の標識からの信号を検出又は測定す
る。
【0022】こうして分離した第1抗体と結合した標識
化第2抗体の標識に由来する信号を検出又は測定する。
信号を検出又は測定する際には、標識化第2抗体を含む
反応系を信号検出又は信号測定に好ましい条件に変える
のが好ましい。例えば、標識として蛍光又は化学発光物
質を用いた場合には、消光が起こらない条件で信号を検
出又は測定する。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作
ジフェニルエーテル系除草剤の一つである5−〔2−ク
ロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕−2−
ニトロ安息香酸(以下AFという)25mgを無水ジオ
キサン2mlに溶解した後、N−メチルモルホリン50
μlを添加し、10℃で20分間撹拌した。ついでイソ
ブチルクロロカーボネイト20μlを少しずつ添加し1
5分間撹拌した。一方、牛血清アルブミン80mgを蒸
留水4.3mlに溶解した後、1NのNaOHでpH
9.5に調製し、更に10℃でジオキサン2.6mlを
滴下した。この牛血清アルブミン溶液に、先に調製した
AF溶液を1NのNaOHでpH9に保ちながら徐々に滴
下し、4℃で4時間反応させた後、蒸留水に対して透析
した。こうして得たAFと牛血清アルブミンとの結合体
を免疫原及び分析用抗原として用いた。
【0024】免疫原は、牛血清アルブミン量として10
0μgを、ダルベコのPBS(−)(以下PBSとい
う)50μlに溶解し、等量のフロイントの完全アジュ
バントと混合した後、Balb/cマウスに皮下接種し
た。1カ月後及び2カ月後にそれぞれ前記の量の1/5
量を追加免疫した。
【0025】血清中の抗AF抗体の力価が高くなったマ
ウスの脾臓を摘出し、IMEM培地によりシャーレ内で
摘出脾臓を3回洗浄した後、注射針で傷を付けてから、
絞り出すようにして単細胞の懸濁液を調製した。単細胞
懸濁液をメッシュで濾過して大きな固形物を除いた。得
られた濾液に、マウスのミエローマ細胞P3−X63−
Ag8.653を細胞数の比で1:5(ミエローマ細
胞:脾臓細胞)になるように混ぜ、遠心(1000rp
m,5分)して細胞を集めた。次に、IMEM培地に前
記の沈澱細胞を再懸濁し、同じ条件で遠心し、遠心管を
指で弾いて沈さを撹拌してから、37℃に暖めておいた
50%ポリエチレングリコール(分子量1500)溶液
1mlを、遠心管を回転させながら、60秒かけてゆっ
くり加えた。細胞融合の停止は、細胞融合が進行してい
る遠心管に、IMEM培地10mlを1ml当たり30
秒かけて添加した後、FBSを1ml添加することによ
り行った。添加が終了した後に遠心し、得られた細胞を
細胞数が5×105 個/mlになるようにHAT培地に
懸濁した。この細胞懸濁液を96ウエルのポリスチレン
プレートに100μl/ウェルの量で分注して、37℃
にて5%二酸化炭素−95%空気の気相で10日間から
14日間培養した。培養液中の抗AF抗体の活性を調
べ、目的とする抗体を産生しているウェルの細胞につい
て、96ウエルのポリスチレンプレートで、HT培地を
用い、限界希釈法によりハイブリドーマのクローニング
を行った。クローニングした結果、CNP及びCNP−
NH2 に対して反応性を示す抗体(AF 75−14
4,IgG1)を産生しているハイブリドーマ(AF
75−144株)を得た。
【0026】実施例2:AF 75−144抗体の精製 モノクローナル抗体AF 75−144は、これを産生
するハイブリドーマAF 75−144株を10%FB
S添加IMEM培地で培養し、その遠心上清から直接A
vid ALゲルによるアフィニテイークロマトにより
精製した。抗体の溶出は、0.1M酢酸バッファー(p
H3.0)を用い、PBSで透析後抗体溶液とした。こ
の抗体溶液をSDS−PAGEにて泳動した結果、ほぼ
純品であることが確認され、また、実施例1と同様の操
作により、CNP及びCNP−NH2 に特異的に反応す
ることを確認した。
【0027】実施例3:間接競合ELISA法によるC
NP及びCNP−NH2 の測定 AF−牛血清アルブミン結合体を0.4μg/mlの濃
度になるようにPBSに溶解し、96穴のポリスチレン
プレートに100μl/ウェルで添加した後、4℃で1
晩静置することにより固相化した。次に250μl/ウ
ェルで1%牛血清アルブミン溶液に置き換え、室温で1
時間ブロッキングした。このウエルを洗浄液(85mM
ほう酸バッファー pH8.0;60mM NaCl)
にて洗浄後、所定濃度のCNP及びCNP−NH2 を含
む溶液(サンプル溶液;CNP−NH2 は、0.5mM
塩酸をバッファーとして使用)を50μl/ウェルで加
え、更に17.5μg/mlのモノクローナル抗体AF
75−144を50μl/ウェル加えて撹拌し、室温
で1時間反応した。再び洗浄液で3回洗浄してから、
0. 3%牛血清アルブミン溶液で1000倍に希釈した
パーオキシダーゼ結合抗マウスIgG抗体(カペル社
製)を100μl/ウェルで加え、1時間反応した。洗
浄液で3回洗浄した後、パーオキシダーゼの基質溶液で
発色させ、450nmの吸光度を測定した。この間接競
合ELISA法を用い、最終濃度が各々0から60%と
なるようにメチルアルコールをサンプル溶液とモノクロ
ーナル抗体溶液へ添加し、CNP及びCNP−NH2
阻害曲線を測定した。測定した結果は、CNPの阻害曲
線を図1に、CNP−NH2 の阻害曲線を図2に示し
た。図1及び図2において、□は0%メチルアルコー
ル、◇は20%メチルアルコール、〇は40%メチルア
ルコール、そして△は60%メチルアルコールである。
【0028】図1及び図2の結果から明らかなように、
モノクローナル抗体AF 75−144は、CNPを測
定した場合に40%メチルアルコール濃度まで耐性を示
し、0%メチルアルコール濃度ではCNP未添加時の吸
光度の半分の吸光度を示すCNPの濃度(以下IC50
いう)が0.66μg/ml、20%メチルアルコール
濃度ではIC50が1.2μg/ml、40%メチルアル
コール濃度ではIC50が7.0μg/mlと、メチルア
ルコール濃度が高いほど測定感度が低下した。また60
%メチルアルコールでは反応が消失した。一方、CNP
−NH2 を測定した場合、0%メチルアルコール濃度で
はIC50が5.8μg/ml、20%メチルアルコール
濃度では100μg/ml以上で溶解度を越え測定でき
なかったが、100μg/mlでは43%の阻害を示し
た。40%メチルアルコール濃度では400μg/ml
以上の濃度で溶解度を越え、400μg/ml以下の濃
度では阻害がかからなかった。従ってCNP−NH2
場合20%のメチルアルコール濃度まで測定することが
できる。
【0029】実施例4:添加回収試験 所定濃度のCNPを水道水又は水田水(3種)に添加し
て調製したサンプル溶液を用い、前記実施例3に示した
方法で吸光度を測定した。結果は、CNP未添加の吸光
度の33%以上の阻害を示した場合を検出、それ以下の
場合を不検出とし、CNPを検出できた回数/全測定回
数を表1に示した。
【0030】
【表1】 水道水又は水田水に添加したCNPの測定 水 CNP添加量(μg/ml) 2.0 1.0 0.5 0.25 水道水 2/2 4/4 3/4 0/2 水田水(1) 2/2 4/4 3/4 0/2 水田水(2) 2/2 4/4 2/4 0/2 水田水(3) 2/2 3/4 2/4 0/2
【0031】上記の結果から明らかなように、2.0μ
g/ml添加では、すべてCNPを検出することがで
き、1.0μg/ml添加では、16テスト中15回検
出することができた。また0.5μg/ml添加では、
16テスト中10回検出することができた。従って水田
水や水道水の場合、CNPは、0.5μg/ml程度ま
で測定できることが明かとなった。一方CNP−NH2
においても同様に添加回収試験を行い、CNP−NH2
を検出できた回数/全測定回数の結果を表2に示した。
【0032】
【表2】 水道水又は水田水に添加したCNP−NH2 の測定 水 CNP−NH2 添加量(μg/ml) 8.0 4.0 2.0 1.0 水道水 4/4 4/4 3/4 1/2 水田水(1) 4/4 4/4 3/4 1/2 水田水(2) 4/4 4/4 2/4 0/2 水田水(3) 4/4 4/4 4/4 0/2
【0033】上記の結果から明らかなように、8.0μ
g/ml及び4.0μg/ml添加では、すべてCNP
−NH2 を検出することができ、2.0μg/ml添加
では、16テスト中12回検出することができた。従っ
て水田水や水道水の場合、CNP−NH2 は、2.0μ
g/ml程度まで測定できることが明かとなった。更に
所定濃度のCNPを水田土壌中に添加した場合につい
て、添加回収試験を行った。まずメチルアルコールで溶
解した所定濃度のCNPを土壌中に添加した。次に等量
のメチルアルコールを加え、室温で1時間撹拌してCN
Pを抽出後、抽出物をメチルアルコール濃度が40%と
なるように希釈し、実施例3に示した方法で吸光度を測
定した。測定結果の評価は、前記水田水と同様に行い、
表3の結果を得た。
【0034】
【表3】 * CNPを検出できた回数/全測定回数
【0035】上記の結果から明らかなように、CNPの
15.0μg/g添加では、12テスト中の全回でCN
Pを検出することができ、10.0μg/g添加では、
12テスト中11回CNPを検出することができたが、
5.0μg/g添加では、12テスト中全く検出するこ
とができなかった。従って、水田土壌中のCNPは1
0.0μg/g程度まで測定できることが明かとなっ
た。
【0036】
【発明の効果】従来のCNPの検出では、検体から抽出
精製後、ガスクロマトグラフィーを用いて測定する方法
が採用されていたが、その分析には相当の時間と手間を
要していた。一方、本発明の免疫化学的測定方法を使用
することにより、水道水や水田水中のCNPを0.5μ
g/ml程度まで、CNP−NH2 を2.0μg/ml
程度まで直接測定することができる。また水田土壌中の
メチルアルコール抽出物から、CNPを10.0μg/
g程度まで直接測定することができる。更に測定感度
は、抽出物の濃縮により、上昇し得ると考えられる。従
って本発明方法を用いることにより、試験操作の大幅な
簡略化と試験時間の短縮が可能となり、多量の検体を迅
速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CNPの阻害曲線におけるメチルアルコール濃
度の影響を示すグラフである。
【図2】CNP−NH2 の阻害曲線におけるメチルアル
コール濃度の影響を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、Rはニトロ基又はアミノ基である)で表される
    ジフェニルエーテル化合物に反応性を示すモノクローナ
    ル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いることを特徴とする、請求項1記載の一般式(I)で
    表されるジフェニルエーテル化合物の免疫化学的検出方
    法。
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