JPH085794B2 - 高脂質血症処置・血中脂質成分低下剤 - Google Patents

高脂質血症処置・血中脂質成分低下剤

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JPH085794B2
JPH085794B2 JP2196742A JP19674290A JPH085794B2 JP H085794 B2 JPH085794 B2 JP H085794B2 JP 2196742 A JP2196742 A JP 2196742A JP 19674290 A JP19674290 A JP 19674290A JP H085794 B2 JPH085794 B2 JP H085794B2
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隆司 上野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は高脂質血症処置剤および血中脂質成分低下
剤に関するものである。この薬剤の目的は、トリグリセ
リド、コレステロールおよびリン脂質の濃度が上昇する
状態の処置において、トリグリセリド、コレステロール
およびリン脂質濃度を低下させることを目的とするもの
である。
[従来の技術] プロスタグランジン類(以後プロスタグランジンはPG
として示す)はひとおよび他の哺乳類の組織または器官
に含有され、広範囲の生理学的活性を示す有機カルボン
酸の1群である。天然に存在するPG類は一般的な構造特
性として、プロスタン酸骨格を有する。
一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持ってい
る。天然PG類は5員環の構造特性によって、PGA類、PGB
類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI
類およびPVJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和お
よび酸化の存在および不存在によっても 下付1...15−OH 下付2...5,6−不飽和−15−OH 下付3...5,6−および17,18−ジ不飽和−15−OHとして、 分類される。
さらに、PGF類は9位の水酸基の配置によってα(水
酸基がアルファー配置である)およびβ(水酸基がベー
タ位置である)に分類される。
天然PGE1、PGE2およびPGE3は血管拡張、血圧降下、胃
液分泌減少、腸管運動亢進、子宮収縮、利尿、気管支拡
張および抗潰瘍活性をもつことが知られている。また、
天然PGF1α、PGF2αおよびPGF3αは血圧上昇、血管収
縮、腸管運動亢進性、子宮収縮、黄体退行および気管収
縮活性を有することが知られている。
また、幾つかの15−ケト(すなわち、水酸基の代わり
に15位にオキソ基を持つ)PG類および13,14−ジヒドロ
−15−ケト−PGは、天然PGの代謝中に酵素の作用によっ
て自然に産生される物質として知られている[アクタ・
フィジオロジカ・スカンジナビカ(Acta Phasiologica
Scandinavica)、66巻、509頁、1966年]。さらに、1
5−ケト−PGF2αは抗妊娠活性を持つことも報告されて
いる。
また、15−ケト−PGE類は下剤として使用し得ること
が、ヨーロッパ特許出願公開第0310305号に記載されて
いる。しかし、15−ケト−プロスタグランジン化合物が
トリグリセリド、コレステロールまたはリン脂質を低下
する作用を有することについては従来報告がない。
[発明の構成] この発明者らは、15−ケト−プロスタグランジン化合
物の性質をさらに研究した結果、驚くべきことに、これ
らの化合物が血中のトリグリセリド、コレステロールま
たリン脂質濃度を低下する作用を有することを見出し、
この発明を完成したのである。
すなわち、この発明は、(イ)16位にハロゲン原子を
有すること、(ロ)α鎖末端がカルボン酸またはその官
能性誘導体であること、の少なくとも一方の要件を有す
る15−ケト−プロスタグランジンを有効成分とする、高
脂質血症処置剤および血中脂質低下剤を提供するもので
ある。
「高脂質血症」は、血液中の脂質濃度が上昇している
状態を特徴とする疾患である。血液中の脂質成分として
は、トリグリセリド、(遊離および総)コレステロール
およびリン脂質が含まれる。例えば、血液中のコレステ
ロール濃度が上昇している場合、上記疾患は高コレステ
ロール血症とも呼ばれる。
この発明において、「処置」の語は、予防、治療、軽
減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあらゆる疾患の
管理を包含する。
「15−ケトプロスタグランジン化合物」は、以下15−
ケト−PG化合物と略称するが、いずれも13および14位の
間の2重結合の存在または不存在に関係なくプロスタン
酸骨格の15位に水酸基の代わりにオキソ基を持つあらゆ
るプロスタグランジン誘導体を含む。
この発明の15−ケト−PG化合物類の命名に際しては式
(A)に示したプロスタン酸の番号を用いる。
前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、本
発明では炭素数がこれによって限定されるものではな
い。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸
を1と5員環に向って順に2〜7までをα鎖上の炭素
に、8〜12までほ5員環の炭素に、13〜20までをω鎖上
に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する場合、2位
から順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2位にカ
ルボキシル基(1位)に代わる置換基がついたものとし
て命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少する場合、
20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増加する場
合、21番目以後の炭素原子は置換基として命名する。ま
た、立体配置に関しては、特にことわりのないかぎり、
上記基本骨格の有する立体配置に従うものとする。
従って、ω鎖に10個の炭素原子を有する15−ケト−PG
化合物を15−ケト−20−エチル−PG類と命名する。
上記式は最も典型的な配位である特定配置を示すが、
この明細書において、特にことわらない限り化合物は、
上記の配置を有するものとする。
PGD、PGEまたはPGFとは、一般にプロスタン酸の9位
および/または11位に水酸基を持つ化合物を指すが、こ
の発明の15−ケト−プロスタグランジン化合物は9位お
よび/または11位に他の基を有する化合物類まで拡張し
て包含する。上記化合物類は9−デヒドロキシ−9−置
換あるいは11−デヒドロキシ−11−置換化合物類と称す
る。
前述のように、本明細書では15−ケト−PG化合物の命
名はプロスタン酸骨格に基づいて行う。これをIUPACに
基づいて命名すると、例えば13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16R,S−フルオロ−PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,3
R)−3−ヒドロキシ−2−[(4R,S)−フルオロ−3
−オキソ−1−オクチル]−5−オキソ−シクロペンチ
ル}−ヘプト−5−エン酸;13,14−ジヒドロ−15−ケト
−20−エチル−11−デヒドロキシ−11R−メチル−PGE2
メチルエステルはメチル7−{(1R,2S,3S)−3−メチ
ル−2−[3−オキソ−1−デシル]−5−オキソシク
ロペンチル}−ヘプト−5−エノエート;13,14−ジヒド
ロ−6,15−ジケト−19−メトリ−PGE2エチルエステルは
エチル7−{(1R,2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(7
−メチル−3−オキソ−1−オクチル)−5−オキソ−
シクロペンチル}−6−オキソヘプタノエートである。
13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイソ
プロピルエステルイソプロピル(Z)−7−[1R,2R,3
R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−{3−オキソ−1−
デシル}シクロペンチル]−ヘプト−5−エノエートで
あり;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2α
メチルエステルはメチル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5
S)−3,5−ジヒドロキシ−2−{3−オキソ−1−ノニ
ル}−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノエートであ
る。
本発明において用いられる15−エト−PG化合物類は15
位に水酸基の代わりにオキソ基を有し、(イ)16位にハ
ロゲン原子を有すること、(ロ)α鎖末端がカルボン酸
またはその官能性誘導体であること、の少なくとも一方
の要件を有するあらゆるPGの誘導体類であり得、さらに
1つの一重結合(15−ケト−PGタイプ1化合物類)、5
位と6位の間に1つの二重結合(15−ケト−PGタイプ2
化合物)、または5位と6位および17位と18位の間に2
つの二重結合(15−ケト−PGタイプ3化合物)を有し得
る。
本発明に用い得る代表的な例は、(イ)16位にハロゲ
ン原子を有すること、(ロ)α端末鎖がカルボン酸また
はその官能性誘導体であること、の少なくとも一方の要
件を有する15−ケト−PGタイプ1、15−ケト−PGタイプ
2、15−ケト−PGタイプ3、13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−PGタイプ1、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGタイ
プ2、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGタイプ3等およ
びそれらの誘導体である。
置換体または誘導体の例は、上記15−ケト−PG類のα
鎖末端のカルボキシル基がエステル化された化合物、生
理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素結合が2重結合
あるいは5−6位の炭素結合が3重結合を有する化合
物、3位、6位、16位、17位、19位および/または20位
の炭素に置換基を有する化合物、11位の水酸基の代りに
低級アルキル基またはヒドロキシ(低級)アルキル基を
有する化合物等である。
この発明において3位、17位および/または19位の炭
素原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1〜4
のアルキル基があげられ、特にメチル基、エチル基があ
げられる。16位の炭素原子に結合する置換基としては、
例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基、水酸
基あるいは塩素、ふっ素などのハロゲン原子、トリフル
オロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基があげられ
る。20位の炭素原子に結合する置換基としては、C1-4
ルキルのような飽和または不飽和の低級アルキル基、C
1-4アルコキシのような低級アルコキシ基、C1-4アルコ
キシ−C1-4アルキルのような低級アルコキシアルキルを
含む。6位の炭素原子の置換基としては、カルボニル基
を形成するオキソ基を含む。9位および/または11位の
炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルまたは低級(ヒ
ドロキシ)アルキル置換基を有する場合のこれらの基の
立体配置はα,βまたはそれらの混合物であってもかま
わない。
さらに、上記誘導体は、ωが天然のPG類より短い化合
物のω鎖末端にアルコキシ基、フェノキシ基、フェニル
基等の置換基を有するものであってもよい。
特に好ましい化合物は、16位の炭素に例えばメチル
基、エチル基などの低級アルキル基を有する化合物、塩
素、ふっ素などのハロゲン原子を有する化合物、19位の
炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基
を有する化合物、6位の炭素にオキソ基を有する化合
物、20位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級
アルキル基を有する化合物であり、また、16位の炭素以
後のアルキル鎖の代わりにハロゲン原子またはハロゲン
代アルキル基等の置換基を有することもあるフェニル基
あるいはフェノキシ基が16位の炭素原子に結合した化合
物である。
この発明に使用される好ましい化合物は式(I) [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキルまたはオキソ
(但し、XおよびYの基のうち少なくとも1つは、水素
以外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を
有していてもよい)、 Zは水素またはハロゲン、 Aは−CH2OH、−COH2OH、−COOHまたはその官能性誘導
体、 R1は非置換またはハロ、オキソまたはアリールで置換さ
れた、二価の飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水
素残基、R2は非置換またはオキソ、ヒドロキシ、ハロ、
低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低
級)アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換さ
れた、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基
(但し、5員環側から数えて3個目の炭素原子はオキソ
基で置換されている)」 を有する。
上式中、R1およびR2における「不飽和」の語は、主鎖
または側鎖の炭素原子間の結合として、少なくとも1つ
またはそれ以上の2重結合および/または3重結合を独
立、分離または連続して含むことを意味する。通常の命
名法に従って、連続する2つの位置間の不飽和は若い方
の位置番号を表示することにより示し、連続しない2つ
の位置間の不飽和は両方の位置番号を表示して示す。好
ましい不飽和は、2位の2重結合および5位の2重結合
または3重結合である。
「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数1〜14の
直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数1〜3のもの
が好ましい]を有する炭化水素を意味し、好ましくはR1
の場合炭素数2〜8の炭化水素であり、R2の場合炭素数
6〜12の炭化水素である。
「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう
素を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数
1〜6を有する基を包含するものである。
「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖ま
たは分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
「低級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上述と同
意義である低級アルキル−O−基を意味する。
「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも
1つのヒドロキシ基で置換された上記のようなアルキル
を意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエ
チル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒ
ドロキシエチルである。
「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO−O−
(ここで、RCO−は上記のような低級アルキルが酸化さ
れて生じるアシル、例えばアセチル)で示される基を意
味する。
「シクロ低級アルキル」の語は、上記のような低級ア
ルキル基が閉環して生ずる基を意味する。
「アリール」の語は、置換されていてもよい芳香性炭
素環または複素環基(好ましくは単環性の基)を包含
し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよびチエニル
を含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲン置換低級
アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低級アルキル
基は前記の意味)が含まれる。
「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Arは
上記のようなアリール基)で示される基を意味する。
Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘導体」の語
は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)、エステル
およびアミド類を含む。
適当な「医薬上許容し得る塩」としては、慣用される
非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばアルカリ金属
塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属
塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム
塩、有機塩基との塩、例えばアミン塩(例えばメチルア
ミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベ
ンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、
エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタ
ノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エ
タン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、プロカ
イン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えば
アルギニン塩、リジン塩等)テトラアルキルアンモニウ
ム塩等があげられる。これらの塩類は、例えば対応する
酸および塩基から常套の方法によってまたは塩交換によ
って製造し得る。
エステルの例としては、メチルエステル、エチルエス
テル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチ
ルエステル、イソプロピルエステル、t−ブチルエステ
ル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエス
テル等の低級アルキルエステル、ビニルエステル、アリ
ルエステル等の低級アルケニルエステル、エチニルエス
テル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステ
ル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低
級)アルキルエステル、メトキシメチルエステル、1−
メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)ア
ルキルエステルのような脂肪族エステルおよび例えばフ
ェニルエステル、トシルエステル、t−ブチルフェニル
エステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニ
ルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望に
より置換されてアリールエステル、ベンジルエステル、
トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリー
ル(低級)アルキルエステルがあげられる。
アミドとしては、メチルアミド、エシルアミド、ジメ
チルアミド等のモノもしくはジ低級アルキルアミド、ア
ニリド、トルイジド等のアリールアミド、メチルスルホ
ニルアミド、エチルスルホニルアミド、トリルスルホニ
ルアミド等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミ
ド等があげられる。
好ましいA基の例は、−COOH、−COOCH3、−COOCH2CH
3、−COOCH(CH3、−CONHSO2CH3である。
上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖の配置
は、天然のプロスタグランジン類の配置と同様かまたは
異なっていてもよい。しかしながら、この発明は、天然
の配置を有する化合物および非天然の配置を有する化合
物の混合物も包含する。
この発明の典型的な化合物類の例は、15−ケト−PG
類、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG類および6−ケト
誘導体、△−誘導体、3R,S−メチル誘導体、16R,S−
メチル誘導体、16,16−ジメチル誘導体、16R,S−フルオ
ロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導体、17S−メチル誘導
体、19−メチル誘導体、20−メチル誘導体および16−デ
ブチル−16−フェノキシ誘導体である。
この発明で用いる15−ケト−PG化合物において、13,1
4位が飽和している場合に11位のヒドロキシと15位のケ
ト間のヘミアセタール形成により、ケト−ヘミアセター
ル平衡を生ずる場合がある。
このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存
在比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動
し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在するこ
ともあるが、この発明においてはこれら両者を含むもの
とし、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケ
ト型の構造式または命名法によって化合物を表わすこと
があるが、これは便宜上のものであってヘミアタール型
の化合物を排除しようとするものではない。
この発明においては、個々の互変異性体、その混合物
または光学異性体、その混合物、ラセミ体、その他の立
体異性体等の異性体も、同じ目的に使用することが可能
である。
この発明に使用する化合物のあるものは、特開昭64−
52753号に記載の方法によって製造し得る。別法とし
て、これらの化合物は、ここで記述したのと同様の方法
または既知方法によって製造し得る。
この発明で用いる化合物は動物およびヒト用の薬剤と
して使用することができ、通常、全身的あるいは局所的
に経口、静脈注射(点滴を含む)、皮下注射、直腸内投
与などの方法で使用される。投与量は動物またはひと等
のような対象の種類、年令、体重、処理されるべき症
状、所望の治療効果、投与方法、処置期間等により変化
するが、通常1日2から4分割用量または持続形態で投
与する場合0.001〜500mg/kgの投与量で通常十分な効果
がえられる。
この発明による経口投与のための固体組成物として
は、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸剤、散財、
顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物においては
1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不
活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ぶどう
糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セルロー
ス、でんぷん、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウムと混合される。組成物は常法に従っ
て、不活性な希釈以外の添加剤、例えばステアリン酸マ
グネシウムのような滑沢剤や繊維素グルコン酸カルシウ
ムのような崩壊剤、α,βまたはγ−シクロデキストリ
ン、ジメチル−α−、ジメチル−β−、トリメチル−β
−またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン
等のエーテル化シクロデキストリン、グリコシル,マル
トシルーシクロデキストリン等の分枝シクロデキストリ
ン、ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シクロデ
キストリン、ミソプロトール、りん脂質のような安定剤
を含んでいてもよい。上記シクロデキストリン類を用い
た場合はシクロデキストリン類と包接化合物を形成して
安定性が増大する場合がある。また、りん脂質を用いた
リポソーム化することにより安定性が増大する場合があ
る。錠剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質
のフィルムで被覆してもよいし、また、2以上の層で被
覆してもよい。更にゼラチンのような崩壊され得る物質
のカプセル剤としてもよい。速効性を必要とするとき
は、舌下錠としてもよい。基剤としてはグリセリン、乳
糖等を用いればよい。
経口投与のための液体組成物としては、乳剤、液剤、
懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示される。一
般的に用いられる不活性なう希釈剤、例えば精製水、エ
タノール等を含んでいてもよい。この組成物は不活性な
希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味
剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有してもよい。
経口投与のためのその他の組成物としては、1つまた
はそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法によ
り処方されるスプレー剤が含まれる。
この発明による非経口投与のための注射剤としては無
菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含す
る。水性の液剤、懸濁剤溶媒体としては、例えば注射用
蒸留水、生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。
非水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油
のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポ
リソルベート等がある。このような組成物は、さらに防
腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んで
いてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルター
を通す濾過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌
によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物
を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶
解して使用することもできる。
別の形態は坐薬または膣坐薬である。これらの坐薬は
カカオ脂等の体温で軟化する基剤に有効成分を混合して
作ることができ、適当な軟化温度を有する非イオン界面
活性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。
[効果] この発明の高脂質血症処置剤および血中脂質低下剤
は、血液中のトリグリセリド、コレステロールまたはリ
ン脂質を低減する作用を有する。また、この発明の剤の
1つの作用機構は、トリグリセリド、コレステロールま
たはリン脂質の体外排泄によるものであり、これは、血
液中のトリグリセリド、コレステロールまたはリン脂質
の腸内へまたはふん便としての排泄を促進する作用に基
づく。それ故、この発明の剤は種々の疾患、薬剤投与あ
るいは食餌性などの原因のいかんを問わず、血清中のコ
レステロール異常、トリグリセリド異常またはリン脂質
異常の処理、例えば予防、治療、悪化の軽減、維持に有
用である。また、この発明の剤は、肥満症を伴う場合の
上記異常の処置にも適する。
[実施例] 以下、この発明を製剤例および試験例によりさらに詳
細に説明するが、これらはこの発明を限定するものでは
ない。
製剤例1(ゼラチン硬カプセル) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フルオロPGE2 500 mg 乳糖 200 mg 上記を混合し、ゼラチン硬カプセルに充填する。
製剤例2(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフ ルオロPGE2 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、攪拌し、ろ過してから凍結乾燥し
て注射用粉末を得た。
製剤例3(注射溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジメ チルPGE2 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから滅菌して注射可能な溶液を得
た。
製剤例4 メタノール(10ml)に13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE2(50mg)を溶解
し、さらに生成溶液をマンニトール(18.5g)と混合し
た。混合物をふるい(孔径:30mm)に掛け、30℃で90分
間乾燥させてから再度ふるいに掛けた。生成粉末を微粒
子シリカゲル(アエロシル、200g)と混合し、混合物を
3番硬ゼラチンカプセル(100)に充填した。カプセル
は、1カプセル当たり0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE2を含有する
腸溶性カプセルである。
製剤例5(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフ ルオロ−PGF2αメチルエステル 5 軽量無水けい酸 5 アビセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
製剤例6(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15ケト−20−メチル −PGE2メチルエステル 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填し
た。
製剤例7(腸溶性カプセル) メタナール(10ml)に16−デスブチル−13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−16−(m−トリフルオロメチル)フェ
ノキシ−PGF2αメチルエステル(50mg)を溶解し、さら
に生成溶液をマンニトール(18.5g)と混合した。混合
物をふるい(孔径:30mm)に掛け、30℃で90分間乾燥さ
せてから再度ふるいに掛けた。生成粉末を微粒子シリカ
ゲル(アエロシル、200g)と混合し、混合物を3番硬ゼ
ラチンカプセル(100)に充填した。カプセルは、1カ
プセル当たり0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−
デスブチル−16−(m−トリフルオロメチル)フェノキ
シ−PGF2αメチルエステルを含有する腸溶性カプセルで
ある。
試験例1 雄性ウイスター系ラット(8週令)をペントバルビタ
ール40mg/kg(腹腔内)で麻酔し、左腎の皮質を部分的
に切除した。3〜7日後に右腎を摘出し、最終的に1
3/4〜1 4/5の腎組織を切除した。試験化合物として、
13,14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フロオロプロスタ
グランジンE2を蒸留水に加え、超音波処理して均質化
し、3mg/kg/mlの割合で、腎摘出の2週間後から2週間
連続経口投与した(1群3匹)。対象群には同量の蒸留
水を経口投与した。
投与開始直後、投与開始2日後、1週間後にそれぞれ
糞便を、また、2週間後に腹内容物を採取してトリグリ
セリド(TG)、リン脂質(PL)、遊離コレステロール
(F−CHO)、総コレステロール(T−CHO)の総排泄量
について測定した。
さらに、投与開始の1週間後、非麻酔下に頸静脈から
血液を採取し、総蛋白質(TP)、アルブミン(ALB)、
グルコース(GLU)、トリグリセリド、リン脂質、遊離
コレステロール、総コレステロールについて測定した。
なお、試験期間の直前から試験期間中、体重と飲水量を
測定した。
結果を下表に示す。
* P<0.1** P<0.05、 *** P<0.01で有意差あり。
これらの結果から、投薬群では血清中のリン脂質、繊
維コレステロール、総コレステロールおよびトリグリセ
リド濃度が有意に低下することが理解される。
また、投薬群においても、体重および摂餌量に対する
影響はほとんど認められなかった。
さらに投薬群と対象群の血清中の総蛋白質、アルブミ
ンおよびグルコース濃度にもまったく差が認められず、
投薬群における血清中の栄養状態に対する影響も認めら
れなかった。
試験例2 試験化合物として13,14−ジヒドロ−15−エコ−16,16
−ジフルオロ−PGF2を1.0mg/kg用いた以外は試験例1と
同様に試験した。投与開始後5日目のふん便中の総量、
14日目の腸内容物中の総量、14日目の血清中の濃度を以
下に示す。
試験例3 Crj:Wister系ラットを1群5匹用い、試験化合物とし
て13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイ
ソプロピルエステルを生理食塩水に溶解し、投与液量5m
l/kgで1日1回背部皮下に連続14日間投与した。試験化
合物の投与量は1日20mg/kgとした。なお、対照群には
生理食塩水のみを投与した。14日後の血清中のトリグリ
セリド(TG)の濃度を以下に示す。
これらの結果から、投薬群ではトリグリセリド、コレ
ステロール、リン脂質が有意に糞便あるいは腸内容物中
に排泄されていることが明らかである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)16位にハロゲン原子を有すること、 (ロ)α鎖末端がカルボン酸またはその官能性誘導体で
    あること、 の少なくとも一方の要件を有する15−ケト−プロスタグ
    ランジン化合物を有効成分とする、高脂質血症処置剤。
  2. 【請求項2】(イ)16位にハロゲン原子を有すること、 (ロ)α鎖末端がカルボン酸またはその官能性誘導体で
    あること、 の少なくとも一方の要件を有する15−ケト−プロスタグ
    ランジン化合物を有効成分とする、血中脂質成分低減
    剤。
  3. 【請求項3】脂質成分がトリグリセリド、コレステロー
    ルまたはリン脂質である、請求項1または2記載の剤。
  4. 【請求項4】高脂血症を処置するためのものである、請
    求項1または2記載の剤。
  5. 【請求項5】高コレステロール血症を処置するためのも
    のである、請求項1または2記載の剤。
  6. 【請求項6】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    16−モノ−またはジハロ−15−ケト−プロスタグランジ
    ン化合物である、請求項1または2記載の剤。
  7. 【請求項7】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジフルオロ−15−ケ
    ト−プロスタグランジン化合物である、請求項1または
    2記載の剤。
  8. 【請求項8】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    6,15−ジケト−プロスタグランジン化合物である、請求
    項1または2記載の剤。
  9. 【請求項9】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14ジヒドロ−16−モノまたはジフルオロ−15−ケト
    −プロスタグランジンE類である請求項1または2記載
    の剤。
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