JPH085892B2 - フルオラン化合物及び該化合物を含有する感熱記録材料 - Google Patents

フルオラン化合物及び該化合物を含有する感熱記録材料

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JPH085892B2
JPH085892B2 JP2194846A JP19484690A JPH085892B2 JP H085892 B2 JPH085892 B2 JP H085892B2 JP 2194846 A JP2194846 A JP 2194846A JP 19484690 A JP19484690 A JP 19484690A JP H085892 B2 JPH085892 B2 JP H085892B2
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淳夫 大辻
清春 長谷川
正利 高木
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感熱記録材料に用いられる発色性化合物と
して有用なフルオラン化合物、および該化合物を含有す
る感熱記録材料に関する。
〔従来の技術〕
従来、無色ないし淡色の電子供与性化合物(発色性化
合物)と有機もしくは無機の電子受容性物質(顕色剤)
との呈色反応を利用した感熱記録が広く普及している。
この記録方式には、発色性化合物として、フルオラン
化合物が広く用いられている。
従来、フルオラン化合物として、例えば、式(A)〜
式(F)、 の化合物が知られている。
しかし、式(A)の化合物は、感熱記録材料に使用す
る際に、顕色剤、例えばビスフェノールAとの混合物
は、それ自体灰色ないし黒灰色に発色し、これを紙に塗
布すると、灰色ないし黒灰色に着色(地汚れ)した紙し
か得られないという欠点があった。
また、式(B)〜式(F)の化合物は、塗布した直後
は比較的白色度の高い紙が得られるものの、湿度、光ま
たは熱により灰色ないし褐色に変色するという欠点があ
った。
最近、感熱記録材料は、ファクシミリ等のように室内
で利用される以外にも、例えば、テレホンカード等に代
表されるプリペイドカードのように室外やより過酷な条
件下で使用されるようになつてきた。そのため、感熱記
録材料にはより一層の保存安定性が求められている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、感熱記録材料用の発色性化合物とし
て、保存安定性の優れた新規なフルオラン化合物を提供
することであり、併せてこの化合物の製造方法およびこ
の化合物を含有する感熱記録材料を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の課題を解決するために種々の化
合物を探索し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、式(I)で表されるフルオラン
化合物であり、 この化合物を、式(II) で表される安息香酸誘導体と一般式(III) (式中、Rは低級アルキル基を示す)で、表されるジフ
ェニルアミン誘導体とを反応させて製造する方法、およ
びこのフルオラン化合物を含有することを特徴とする感
熱記録材料である。
本発明の式(I)のフルオラン化合物を製造するのに
用いられる式(II)の安息香酸誘導体は、代表的には、
3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノフェ
ノールと無水フタル酸とを無溶媒、あるいはベンゼン、
トルエン、キシレンまたはテトラクロルエチレン等の溶
媒中で反応させて製造できる。またこの反応の際、例え
ば、塩化亜鉛のごときルイス酸を添加してもよい。
また、一般式(III)で表されるジフェニルアミン誘
導体は、一般式(III)において、Rは低級アルキル基
を示し、低級アルキル基の具体例としてはメチル基また
はエチル基を好ましい例として挙げることができる。特
にメチル基を好ましいものとしてあげることができる。
式(I)のフルオラン化合物は、式(II)の安息香酸
誘導体と一般式(III)のジフェニルアミン誘導体を、
例えば、濃硫酸、発煙硫酸を添加した濃硫酸、ポリリン
酸、五酸化リン、無水塩化アルミニウム等の脱水縮合剤
の存在下、より好ましくは濃硫酸中で反応後、アルカリ
性として好適に製造できる。脱水縮合の反応は0〜100
℃の反応温度が好ましく、特に濃硫酸中で反応を行う場
合、0〜50℃の温度が特に好ましい。反応時間は反応温
度に大きく左右されるが、通常、数時間ないし100時間
で行うのが好ましい。また脱水縮合後、通常アルカリ処
理を行うが、アルカリ処理を行う場合においては、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム水等により、pHを9〜12
にし、0〜100℃の温度範囲で行うのが好ましい。この
際、水以外の溶媒として、ベンゼン、トルエン等の溶媒
の共存下にアルカリ処理を行ってもよい。
本発明のフルオラン化合物を感熱記録材料に用いるに
は、式(I)のフルオラン化合物と顕色剤(例えば、ビ
スフェノールAまたはそのハロゲン化物、アルキル化
物、ジヒドロキシジフェニルスルホンまたはそのハロゲ
ン化物、アルキル化ヒドロキシ安息香酸エステル類、ハ
イドロキノンモノエーテル類のようなフェノール類、サ
リチル酸誘導体、サリチル酸アミド誘導体、尿素誘導
体、チオ尿素誘導体のような有機顕色剤、酸性白土、ア
タパルガイト、活性白土、塩化アルミニウム、臭化亜鉛
のような無機顕色剤)の微細水分散液に結着剤(例え
ば、ポリビニルアルコールまたはその変性物、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、アラビアゴム、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合物の塩、イソブチレン−アクリル酸−無水マ
レイン酸の共重合物など)、顔料(タルク、カオリン、
炭酸カルシウム等)、更に、必要に応じ、増感剤(高級
脂肪酸アミド類、芳香族カルボン酸またはスルホン酸の
エステル類、芳香族ないし芳香族基置換脂肪族エーテル
類または芳香族ないし芳香族基置換脂肪族炭化水素等一
般に公知の感熱記録材用増感剤)、その他の添加剤(例
えば、紫外線吸収剤、消泡剤等)を加え、微細分散液と
し、適当な支持体(例えば、紙、プラスチックシート、
樹脂被膜された紙等)上に塗布し、感熱記録材料として
使用することができる。勿論、水分散系でなく、溶剤を
使用する系においても問題なく使用できる。
発色性化合物として式(I)の化合物は単独で用いる
こともでき、さらには、例えば発色の色などの調整のた
めに、他の発色性化合物、例えば、トリフェニルメタン
ラクトン類、フルオラン類、スピロピラン類を所望に応
じて混合して用いることもできる。
本発明の式(I)のフルオラン化合物の融点は257〜2
58℃であり、例えば公知の式(A)の化合物の融点が19
5〜198℃、式(B)の化合物の融点が195〜197℃、また
式(C)の化合物の融点が124〜126℃であるのに比較し
て非常に高い。
また、本発明の化合物は、各種有機溶剤(例えば、ベ
ンゼン、トルエンのような炭化水素系溶剤や酢酸エチル
のようなエステル類、アセトンのようなケトン類)に対
し非常に溶解度が低い。例えばトルエンに対する溶解度
を式(A)〜式(F)の化合物と比較した結果は第1表
に示す通りである。
溶解度は25℃におけるトルエンに対する重量%で示し
た。
上述のような性質を有する本発明の化合物を感熱記録
材料に使用すると地汚れのない白色度の高い感熱紙が得
られ、その紙の保存安定性(例えば耐湿熱性、耐溶剤
性)は非常に優れている。例えば、顕色剤としてビスフ
ェールAを使用し発色性化合物として本発明の式(I)
の化合物を用いた感熱紙と式(A)〜式(F)のいずれ
かの化合物を用いた感熱記録紙の地肌(未発色部分)の
耐湿熱性および耐油性を比較した結果は第2表に示す通
りである。
尚、耐湿熱試験は、各化合物を用いて作成した感熱紙
を60℃で90%の相対湿度中24時間保持し、目視により紙
の汚れを観察した。
また、耐油性試験は、感熱紙をフタル酸ジオクチルエ
ステルと接触させ1週間放置した後、目視により紙のよ
ごれを観察した。
を表す。
本発明の式(I)のフルオラン化合物は、式(A)〜
式(F)のフルオラン化合物とはフルオラン構造におい
て3位のアミノ基上の置換基のみが異なる構造であり、
特に式(B)のフルオラン化合物とはアミノ基上の一方
のメチル基をn−プロピル基に変換した構造上の違いの
みで、上述したように式(A)、式(B)や式(C)の
フルオラン化合物に比べ融点が非常に高く、また式
(A)〜式(F)のフルオラン化合物に比べ有機溶剤に
対する溶解度が非常に低い。このような性質を有する本
発明の式(I)のフルオラン化合物を感熱記録材料に用
いるとその感熱紙の保存安定性が大きく向上する。
特に、有機溶剤に対する溶解度に関しては、通常、例
えば、メチル基をn−プロピル基に変換するように、よ
り長鎖のアルキル基に変換すると、有機溶剤、特に炭化
水素系溶剤に対しては溶解度が高くなると考えられてい
る。しかし、本発明の式(I)のフルオラン化合物と式
(A)のフルオラン化合物のトルエンに対する溶解度を
比較すると式(I)のフルオラン化合物の方が式(A)
のフルオラン化合物よりも溶解度が非常に低いことは、
驚くべきことである。
とくに有機溶剤に対する溶解度に関しては、例えば、
式(B)の化合物のアミノ基上のメチル基をイソアミル
基に変えた式(E)の化合物 のように、より長鎖のアルキル基を導入すると有機溶
剤、とくに炭化水素系溶剤(例えば、トルエン)に対し
ては溶解度が高くなることが知られている(例えば、特
開昭54-34909号公報)。
しかし、アミノ基上にn−プロピル基を有する本発明
の式(I)のフルオラン化合物は、式(B)、式(C)
や式(D)のフルオラン化合物に比べてトルエンに対す
る溶解度が非常に低いという従来見出されていなかった
特徴を有し、これを発色性化合物として用い保存安定性
に優れた感熱記録紙を提供できる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 〔式(I)の化合物の製造〕 2−(4′−N−シクロヘキシル−N−n−プロピル
アミノ−2′−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸〔式
(II)の化合物〕20gを100mlの濃硫酸に10℃で溶解後、
4−メトキシ−2−メチルジフェニルアミン〔一般式
(III)においてRがメチル基の化合物〕11gを同温度で
加え、10〜25℃で48時間攪拌した。反応混合物を600ml
の氷水に排出し、析出した固体を集め水洗後その固体を
10%NaOH水(500ml)中に加え60〜70℃で2時間攪拌し
た。固体を濾過、水洗後、イソプロパノール100mlで洗
浄した。
さらに、トルエンで2回洗浄し、目的とする3−N−
シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン20g(収率69%)をほとんど
無色の結晶として得た。
融点257〜258℃。この化合物の赤外吸収スペクトル
(KBr錠剤)は第1図に示した。また粉末X線回折図を
第2図に示した。
実施例2 〔式(I)の化合物を用いた感熱記録紙の作成〕 実施例1で製造した本発明の3−N−シクロヘキシル
−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン10g、10%ポリビニールアルコール水溶液5g
及び水37.5gの混合物をサンドミルで粒径3μに微粒化
した。一方、ビスフェノールAを同様に分散し38%の顕
色剤分散液を得た。この顕色剤分散液65.8g、上記の3
−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオランの水分散液50g、60%
軽質炭化カルシウム水分散液18.3g、100%ポリビニール
アルコール水溶液88gおよび水51.9gを混合した。
この混合液を白色原紙にワイヤーロッドNo.10を用い
塗布後、室温で風乾し地汚れのない非常に白い感熱記録
紙を得た。この感熱記録紙は、加熱により極めて迅速に
わずかに赤味を帯びた黒色に発色した。
この発色像の保存安定性(耐熱性、耐湿熱性、耐光性
等)は良好であった。
また、この感熱記録紙を60℃、90%相対湿度中、24間
保存したところ、紙は塗布直後の白色度を保ち、地汚れ
はまったく認められなかった。また、紙の表面をフタル
酸ジオクチルと接触させた後、1週間保存したところ、
紙の地汚れはまったく認められなかった(第2表)。
比較例 実施例2において、3−N−シクロヘキシル−N−n
−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ンの代わりに3−N−エチル−N−エチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン〔式(A)の化合物、
3−N−ヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン〔式(B)の化合物〕、3−N−
ヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン〔式(C)の化合物〕、3−N−ヘキシル
−N−i−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン〔式(D)の化合物〕、3−N−ヘキシル−N
−i−ヘプチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン〔式(E)の化合物〕または3−N−ヘキシル−
N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン〔式(F)の化合物〕を用い、それぞれ実施例
2に記載した方法に従い感熱記録紙を作り、耐湿熱試験
および耐油試験を行った。結果は第2表に示した。
なお、式(A)の化合物を用いた感熱記録紙の塗布面
は塗布直後すでに少し灰色に地汚れしていた。
【図面の簡単な説明】
第1図は式(I)のフルオラン化合物の赤外吸収スペク
トル(KBr錠)を示した。 縦軸は透過率を表し、横軸は波数(cm-1)を表す。 第2図は式(I)のフルオラン化合物の粉末X線回折図
を示した。縦軸は回折強度を表し、横軸は回折角(2
θ)を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−109120(JP,A) 特開 昭58−89395(JP,A) 特開 昭61−195891(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) で表されるフルオラン化合物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の式(I)で表されるフ
    ルオラン化合物を含有することを特徴とする感熱記録材
    料。
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