JPH085906B2 - 有機リン化合物 - Google Patents

有機リン化合物

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JPH085906B2
JPH085906B2 JP62149811A JP14981187A JPH085906B2 JP H085906 B2 JPH085906 B2 JP H085906B2 JP 62149811 A JP62149811 A JP 62149811A JP 14981187 A JP14981187 A JP 14981187A JP H085906 B2 JPH085906 B2 JP H085906B2
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哲夫 松本
敦子 植田
高之 今村
啓三 辻本
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な有機リン化合物に関するものであり,
さらに詳しくは耐熱性,難燃性に優れたポリエステルの
原料として使用したり,あるいは安定化剤や難燃剤など
のような添加剤として使用しうる新規な有機リン化合物
に関するものである。
(従来の技術) 従来,難燃性に優れた耐熱性ポリエステルの原料とし
て,また安定化剤,難燃剤等の添加剤として下記構造式
(a)で示される化合物(特公昭59-36933号公報)なら
びに下記構造式(b)又は(c)で示される化合物(特
開昭60-126293号公報及び同61-236787号公報)が知られ
ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら,前記構造式(a)もしくはその誘導体
を用いてポリエステルを製造したり,あるいは添加剤と
して添加すると,得られるポリエステルの物性を損ねた
り耐熱性が劣ったりする。一方,前記構造式(b)や
(c)もしくはそれらの誘導体を用いてポリエステルを
製造したり,あるいは添加剤として添加するには経済的
に高価であるという問題点があった。
従って,本発明の主たる目的は,ポリエステルの良好
な物性を損ねることなく,高度な難燃性を付与しうる新
規で安価な有機リン化合物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記の目的を達成すべく,前記問題点
のない有機リン化合物について鋭意研究の結果,特定の
構造を有する有機リン化合物であれば,極めて好適なポ
リエステルの原料もしくは安定剤,難燃剤等として用い
ることができることを見い出し,本発明に到達したもの
である。
すなわち,本発明は,下記一般式(I)で示される有
機リン化合物を要旨とするものである。
〔但し,R1,R2は一価のべンゼン環基(低級アルキル基
又はハロゲン原子で置換されていてもよい。),Arは三
価のナフタレン環基を表す。〕 本発明の有機リン化合物の具体例としては,下記構造
式(d)〜(h)で示される化合物があげられる。
本発明の有機リン化合物は,例えば後記する構造式
(II)で示される亜ホスフィン酸ハライドに1〜20倍,
好ましくは1〜8倍量の水を加え,ベンゼン,キシレン
等の適当な溶媒中で30〜150℃,好ましくは50〜100℃で
1時間〜30時間加熱し,加水分解して下記構造式(II
I)で示されるホスフィンオキシドを得〔J.Org.Chem.,2
4,2013,(1959)参照〕,しかるのち,エチルセロソル
ブ,ベンゼン,キシレン等の適当な溶媒中で,相当する
環状共役ジケトン(以下キノンと略称する。)を0.8/1.
2〜1.2/0.8のモル比で50〜200℃,好ましくは60〜130℃
で30〜180分反応させることにより製造することができ
る。
また,本発明の有機リン化合物はベンゼン,キシレン
等の溶媒にキノンと,キノンの1〜10倍の水を加えたの
ち,温度を20〜100℃に保ち,そこへ下記構造式(II)
で示される亜ホスフィン酸ハライドを1〜1.2倍当量添
加することにより製造することができる〔Zh.Obshch.Kh
im,1972,42(11),2415-18(Russ)〕。
亜ホスフィン酸ハライド,例えばジフェニル亜ホスフ
ィン酸クロライドは,安価な三塩化リンとベンゼンとを
350〜800℃で加熱することによりフェニルジクロロホス
フィンを合成し(特公昭44-3354号公報),これを塩化
アルミニウムと共に加熱してジフェニルホスフィンクロ
ライドを得ることができる〔J.Org,Chem,25,2001(196
0)〕。
(但し、R1,R2は一般式(I)と同じであり,Xはハロゲ
ン原子を表す。) 再結晶においては,溶媒として,例えば,ベンゼン,
トルエン,オルソキシレン,メタキシレン,パラキシレ
ン,各種組成の混合キシレン,エチルベンゼン,キュメ
ン等の如きアルキル芳香族炭化水素,アセトフェノン,
アニソール等の如きアルコール類,クロロホルム,ジク
ロロメタン,アセトン,エチルセロソルブ等を使用しう
る。これらの中で,得られる製品の純度,品質の面から
好ましいのはエチルセロソルブである。
本発明の有機リン化合物は,このものをジオール成分
とし,例えばテレフタル酸,イソフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸をジカルボン酸成分とし,必要に応じて4
−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸等も
併用して新規な耐熱性,難燃性の良好なポリエステル,
好ましくはサーモトロピック液晶ポリエステルを製造す
ることができる。さらには,本発明の有機リン化合物を
そのままあるいは低級脂肪酸の酸無水物,炭酸エチレ
ン,酸化エチレン等と反応させたエステル形成性誘導
体,さらにはポリエステルオリゴマ−,ポリマーにした
形態で他の汎用ポリエステル,例えば,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリブチレンテレフタレートに対する安
定化剤,難燃剤等の添加剤として使用することも可能で
ある。
(実施例) 次に実施例をあげて本発明の有機リン化合物をさらに
具体的に説明する。なお,実施例にいう有機リン化合物
の収率は収量を理論収量で割ることにより求めたもので
ある。また,融点は顕微鏡融点測定器を用いて測定し
た。
一方,本発明のリン化合物は赤外吸収スペクトル及び
元素分析により同定した。
参考例1 温度計,ガス吹きこみ口,攪拌機及び径3cm,長さ30cm
のアリーン冷却管を備えた内容積300mlの四ツ口フラス
コにジフェニル亜ホスフィン酸クロライド17.1g(0.078
モル)及びベンゼン80cm3を仕込み,窒素置換を行った
後,水6.0g(0.33モル)を加え,さらに窒素置換を行っ
たのち,窒素ガスをゆっくり吹き込み攪拌しながら内容
物が80℃になるまで加熱し16時間反応した後,放冷し,
ベンゼンを減圧蒸留にて除いた。残留物にエーテル50cm
3を加えて抽出し,エーテル層を濃縮することにより無
色透明の油状物15.0gを得た。
この油状物を赤外吸収スペクトルと元素分析で分析し
たところ,次に示すような結果が得られ,下記構造式
(IV)を有する有機リン化合物であることを確認した。
収率は95.0%であった。
赤外線吸収スペクトルの結果を第2図に示す。元素分析
ではC=71.0wt%(理論値71.3wt%),H=5.58wt%(理
論値5.48wt%),P=15.5wt%(理論値15.3wt%)の結果
が得られた。
参考例2 ジフェニル亜ホスフィン酸クロライドの代りにビス
(ペンタメチルフェニル)亜ホスフィン酸クロライド2
8.2g(0.078モル)を用いた以外は参考例1と同様に実
施し,白色の結晶を得た。これをベンゼンから再結晶し
て融点(分解点)240℃の白色結晶を得た。元素分析,
赤外線吸収スペクトルの結果,下記構造式(V)を有す
る有機リン化合物であることを確認した。収率は52%で
あった。
赤外線吸収スペクトルでは1590cm-1及び1483cm-1にベ
ンゼン環のピークが,2360cm-1にP−Hに基づく吸収が,
1370cm-1に−CH3に基づく吸収が,1130cm-1にP=Oに基
づく吸収が認められた。元素分析の結果はC=77.57wt
%(理論値77.16wt%),H=9.08wt%(理論値9.12wt
%),P=9.57wt%(理論値9.04wt%)であった。
参考例3 ジフェニル亜ホスフィン酸クロライドの代りにビス
(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)亜ホスフィン酸ク
ロライド25.9g(0.078モル)を用いた以外は参考例1と
同様に実施し,白色の結晶を得た。これをベンゼンから
再結晶して融点(分解点)203℃の白色結晶を得た。元
素分析,赤外線吸収スペクトルの結果,下記構造式(V
I)を有する有機リン化合物であることを確認した。収
率は65%であった。
赤外線吸収スペクトルでは3065cm-1,1593cm-1及び148
7cm-1にベンゼン環のピークが,2365cm-1にP−Hに基づ
く吸収が,1372cm-1に−CH3に基づく吸収が,1135cm-1
P=Oに基づく吸収が,860cm-1に5置換ベンゼンの吸収
が認められた。元素分析の結果はC=76.48wt%(理論
値76.40wt%),H=8.79wt%(理論値8.66wt%),P=9.6
6wt%(理論値9.85wt%)であった。
実施例1 温度計,ガス吹き込み口,攪拌機,滴下ロート及び径
3cm,長さ30cmのアリーン冷却管を備えた内容積300mlの
五ツ口フラスコに参考例1で得られた油状物6.2g(0.03
1モル)を仕込み,ガス吹き込み口から窒素ガスをゆっ
くり吹き込み攪拌しながら内容物が80℃になるまで加熱
した。ついで,1,4−ナフトキノン4.9g(0.031モル)を
エチルセロソルブ80cm3に溶解させたものを滴下ロート
から1時間かけて滴下し,その後120℃に昇温し,120℃
で2時間反応した。放冷後,生じた結晶を別し,減圧
乾燥した後,クロロホルムから再結晶し,白色結晶を8.
4g得た。
この白色結晶を赤外線吸収スペクトル,元素分析及び
液体クロマトグラフィーにより分析したところ,次に示
すような結果が得られ,前記構造式(d)を有する有機
リン化合物であることを確認した。収率75%であった。
赤外線吸収スペクトルを第1図に示す。元素分析の結
果では,C=73.1wt%(理論値73.3wt%),H=4.83wt%
(理論値4.75wt%),P=8.55wt%(理論値8.60wt%)の
結果が得られた。一方,液体クロマログラフィーの結果
より,前記構造式(d)を有する有機リン化合物が純度
99.9%以上で存在するという結果が得られた。
実施例2,3 1,4−ナフトキノンの代りに第1表に示す他のキノン
類を用いた以外は実施例1と同様に実施し,それぞれ各
種の本発明の有機リン化合物を得た。かかる有機リン化
合物は赤外吸収スペクトル,元素分析及び液体クロマト
グラフィーにより分析,同定した。
実施例1〜3の結果を第1表に記載した。
実施例4,5 構造式(IV)で示される化合物の代りに第2表に示す
他のホスフィンオキシドを用いた以外は実施例1と同様
に実施し,それぞれ各種の本発明の有機リン化合物を得
た。かかる有機リン化合物は赤外吸収スペクトル,元素
分析及び液体クロマトグラフィーにより分析,同定し
た。
実施例4,5の結果を第2表に記載した。
参考例4 反応装置に実施例1で得られた有機リン化合物,4−ヒ
ドロキシ安息香酸,テレフタル酸及び無水酢酸をモル比
で35:65:35:160となるように仕込み,触媒としてジメチ
ルスズマレエートをポリエステルの繰り返し単位1モル
に対し4×10-4モル加え,窒素雰囲気下150℃で2時間,
200℃で2時間,さらに280℃で2時間反応させた。その
後徐々に減圧昇温して反応を行い,最終的320℃,1torr
以下の減圧下で2時間反応させた。
得られたポリエステルは,極限粘度1.58,カラス転移
点185℃で耐熱性,難燃性にすぐれたサーモトロピック
液晶性ポリエステルであった。
参考例5 実施例1で得られた有機リン化合物に,炭酸カリウム
を触媒としてエチルセロソルブ溶媒中,大過剰のエチレ
ンカーボネートを反応させジエチレンオキシド付加体を
得た。このリン化合物10重量部と,テレフタル酸とエチ
レングリコールから得たビス(β−ヒドロキシエチル)
テレフタレート及びその低重合体90重量部とを触媒とし
て全酸成分1モルに対し2×10-4モルのジメチルスズマ
レートを加え,280℃,0.2mmHgで重縮合した。
得られたポリエステルは,融点249℃,固有粘度0.69
であった。このポリエステルを常圧に従って紡糸,延伸
し,筒編地として接炎回数を測定したところ5.0回であ
り,十分な耐炎性を有していた。
(発明の効果) 本発明のリン化合物は,三塩化リンとベンゼンを原料
としているため安価に製造することができ,耐熱性,難
燃性に優れたポリエステル原料として使用できるほか,
ポリマーの安定化剤,難燃剤としても使用しうる新規化
合物である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた白色結晶の赤外線吸収スペ
クトルであり,第2図は参考例1で得られた油状物の赤
外線吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示される有機リン化合
    物。 〔但し,R1,R2は一価のべンゼン環基(低級アルキル基
    又はハロゲン原子で置換されていてもよい。),Arは三
    価のナフタレン環基を表す。〕
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