JPH085956B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH085956B2
JPH085956B2 JP32113490A JP32113490A JPH085956B2 JP H085956 B2 JPH085956 B2 JP H085956B2 JP 32113490 A JP32113490 A JP 32113490A JP 32113490 A JP32113490 A JP 32113490A JP H085956 B2 JPH085956 B2 JP H085956B2
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達司 志澤
貴久 三田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関し、詳し
くは生成する有機相中のポリカーボネートの粘度平均分
子量(Mv)を算出し、その値に応じて反応系に供給する
分子量調節剤の量を制御することにより、分子量分布が
小さく成形安定性の良好なポリカーボネートを効率よく
製造する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般にポリカーボネート樹脂は、透明性が良く、他の
樹脂に比較して寸法安定性が良いなどという物性上の特
徴から、光学材料,精密工業材料等の工業分野に幅広く
利用されている。
従来、ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するに際
しては、製造工程中の粘度平均分子量(以下、単に分子
量ということがある。)を測定して、その結果により、
供給すべき分子量調節剤の量をコントロールしていた。
又、これらのポリカーボネート樹脂を成形加工するに
あたっては、各ロット毎の製品分子量により成形条件を
変えたり、分子量の異なるものをブレンドして、目標と
する分子量に合わせて成形材料としていた。
従来から行われている製造工程中におけるポリカーボ
ネートの分子量をコントロールする方法は、重合反応
後、サンプリングしたポリマーを、ウベローデ型粘度計
により極限粘度を測定し、Schnellの粘度式により、粘
度平均分子量を算出し、その結果から、分子量調節剤の
注入量を決める方法である。しかし、この方法では、測
定に時間がかかり、目標とする分子量の範囲内でポリカ
ーボネートを製造することが非常に困難であるという問
題があった。
また、ポリカーボネートは、樹脂の特性上精密な成形
が必要な場合が多く、成形加工にあたっては流れ量(Q
値)を測定して、Q値が一定になるようにQ値の異なる
ものをブレンドして調整することが行われている。その
ため、Q値と密接な関係のある分子量を測定して、分子
量が一定になるように微調整を実施し、成型機の成形条
件をQ値又は分子量に合わせて変更するなどの工夫を行
っていた。
しかし、上記ブレンド操作を行うと、操作が煩雑とな
ると共に、異物が混入する場合が多かった。又、成型機
の成形条件を変更すると残留応力歪みが大きくなり、そ
れを取り除くための新たな工程が必要となる等の問題が
生じていた。
また、重合反応溶液中の粘度を測定し、反応器の自動
制御をすることによって、分子量幅を調節する方法も知
られていたが、重合反応溶液は夾雑不純物を多量に含ん
でいるので測定制度が悪い。そのため、重合反応溶液の
粘度を測定する方法によって、製造すべきポリカーボネ
ートの分子量を自動的に制御することは極めて困難であ
った。
ところで、一般に市販されているポリカーボネートの
一グレードの分子量幅は、いずれもほぼ±1000であり、
実際に測定すると目標とする分子量からのふれ幅は±50
0もあり、そのため、これらのポリカーボネートは、精
密な成形が必要となる成形品の成形材料としては適さな
いものであった。
そこで、本発明者らは、流動特性が良好で、合理的な
成形が可能な分子量のふれ幅の小さいポリカーボネート
樹脂を効率よく製造する方法を開発すべく鋭意研究を重
ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、ポリカーボネートの製造工程において、重
合反応により生成した有機相から粘度平均分子量(Mv)
を算出し、この値を用いて分子量調節剤の供給量を制御
することにより、目標とする分子量のふれ幅の小さいポ
リカーボネート樹脂を製造できることを見出した。本発
明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、ホスゲン,ビスフェノール類のア
ルカリ水溶液,分子量調節剤及び有機溶媒に連続的に重
合反応器に供給して重合反応を行わせ、得られた反応混
合液から分離されるポリカーボネートを含有する有機相
を洗浄系にて夾雑不純物を取り除き、該ポリカーボネー
トを含有する有機相から有機溶媒を除去してポリカーボ
ネートを製造するにあたり、反応混合液から分離され
るポリカーボネートを含有する有機相又は洗浄系にて
夾雑不純物を取り除いて得られるポリカーボネートを含
有する有機相における粘度,濃度及び温度を測定するこ
とによって該ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)
を算出し、算出した粘度平均分子量(Mv)の値に応じて
前記重合反応器へ供給される分子量調節剤の供給量を制
御することを特徴とするポリカーボネートの製造方法を
提供するものである。
本発明の方法においては、前述したように、ホスゲ
ン,ビスフェノール類のアルカリ水溶液及び分子量調節
剤を原料とし、これに有機溶媒を加えて重合反応を行
う。また、本発明の好ましい一つの態様では、ビスフェ
ノール類のアルカリ水溶液と、分子量調節剤として一価
フェノール類のアルカリ水溶液及び有機溶媒を混合し、
溶媒中でホスゲンと反応させることによって得られたク
ロルギ酸エステル(ポリカーボネートオリゴマー)を重
合反応の原料とする。
本発明に用いられるビスフェノール類は、各種のもの
があるが、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(通称ビスフェノールA);ハイドロキノン;4,
4′−ジヒドロキシジフェニル;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)アルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトン;ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル;2,2−ビス(3′,5′−ジメチ
ル−4′−ヒドロキシフェニル)プロパンあるいは2,2
−ビス(3′,5′−ジブロモ−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類等を
挙げることができる。
また、本発明で用いる分子量調節剤としては各種のも
のがあるが一価フェノールが好適であり、例えばフェノ
ール,炭素原子数1〜4のアルキル置換基を有するアル
キルフェノール類,殊にp−クレゾール,p−t−ブチル
フェノール(PTBP),p−クミルフェノールが挙げられ
る。これらはハロゲンで置換されても良い。
以下、本発明の方法を第1図に基づいてさらに具体的
に説明する。第1図には、本発明のポリカーボネートを
製造する工程の概念図が示されている。
先ず、重合反応器1においてアルカリ水溶液(水酸化
ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液,炭酸ナトリ
ウム水溶液等)にビスフェノール類を溶解させ、この溶
液と有機溶媒(塩化メチレン,クロロホルム,クロロベ
ンゼン,四塩化炭素等)と共にホスゲンを用いて、これ
らを反応させることによりポリカーボネートオリゴマー
を得ることができる。
上記反応においては、状況に応じて触媒(例えばトリ
エチルアミン等の3級アミン)を添加しても良い。
さらに重合反応器1において、上記ポリカーボネート
オリゴマーに、ビスフェノール類のアルカリ水溶液,有
機溶媒,分子量調節剤,触媒等を加えて重合反応を行
う。得られた反応混合液は、分離器2により有機相と水
相に分離される。これにより、ポリカーボネートを含む
有機相を得ることができる。次に得られた有機相中から
ポリカーボネートを精製するため、洗浄器3にてアルカ
リ洗浄,酸洗浄,水洗浄等の各種洗浄操作を行い不純物
を除去する。洗浄後の溶液は、分離器4により有機相と
水相に分離される。これにより、不純物を除去したポリ
カーボネートを含む有機相を得ることができる。
本発明の方法で、重合反応により生成したポリマー溶
液から粘度平均分子量(Mv)を算出するために採取され
る測定サンプルは、上記分離器で分離された有機相のポ
リカーボネートが用いられる。上記測定サンプルの採取
は、前述の分離器2,分離器4のどちらで行っても良い
が、洗浄して不純物を除去した後の有機相を採取できる
分離器4の方がより高い精度で測定でき好ましい。この
粘度平均分子量(Mv)の算出は、上記測定サンプルとし
て得られた有機相の粘度,濃度及び温度を測定すること
により行うことができる。
本発明では、上記分離器2又は分離器4で分離された
有機相から採取されたポリカーボネートを解析するた
め、測定装置9に有機相の粘度を測定する機構(粘度:
a),濃度を測定する機構(濃度:b)及び温度を測定す
る機構(温度:c)が設けられている。上記a,b,cの各値
は、連続的に縮分サンプリングをしたサンプルから直ち
に測定される。測定装置9で得られた測定結果a,b,c
は、コンピュータの入力信号となり演算装置8に入力さ
れる。この演算装置8では、Mv=aX+bY+cZ+kの式に
測定結果a,b,cが代入され、これによりその時点でのポ
リカーボネートの粘度平均分子量を正確かつ迅速に把握
することができる。ここで、X,Y,Z及びkは、装置のキ
ャパシティーにより定まる定数であり、分子量の異なる
各測定結果a,b,cの値とその分子量との重相関関係式を
求めることにより得られる。その定数の概略範囲は、各
々X:15〜50,Y:600〜1800,Z:−70〜−150,k:−1000〜−2
000である。
上記の如く算出された粘度平均分子量(Mv)の値によ
り、制御装置7において分子量調節剤の量が決められ
る。ここで分子量調節剤の注入量をAとすると、A=α
Mvという関係式が成り立つ。このαは重合体反応器の性
状により決まる特性値で、α=A/Mvの式により、任意の
分子量(Mv)の時のAを知ることができる。このAを制
御装置7で求め、重合反応器1入口の制御バルブをコン
トロールすることにより、分子量調節剤の注入量を調節
すれば、目標の分子量を有するポリカーボネートを得る
ことができる。この時の目標とするポリカーボネートの
分子量のふれ幅は特に規定はされないが、±200程度を
目安とすることが望ましい。
上記測定結果a,b,cを得るために用いた有機相の測定
用サンプルは、測定後、必要に応じて再び有機相に戻さ
れる。
以上の方法により目標とする分子量に調整されたポリ
マー溶液は、溶媒除去器5,押出器6を経てペレット化さ
れる。
ポリカーボネートを製造するための重合方法について
は、以上の様な重合反応器にホスゲン,ビスフェノール
類のアルカリ水溶液,有機溶媒を導入して、ポリカーボ
ネートオリゴマーを一旦製造しておき、そのポリカーボ
ネートオリゴマー,ビスフェノール類のアルカリ水溶
液,有機溶媒,分子量調節剤,及び必要に応じて触媒を
重合反応容器に導入して反応させる方法以外に、ホスゲ
ン,有機溶媒を用いるホスゲン法の範囲内で種々の公知
方法を採用することができる。例えば、重合反応器にホ
スゲン,ビスフェノール類のアルカリ水溶液,分子量調
節剤,有機溶媒を連続的に導入して反応させる方法等が
ある。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。なお、本発明は下記の実施例により限定され
るものではない。
実施例1 6重量%の水酸化ナトリウム水溶液にビスフェノール
Aを溶解し、固形物換算で14.5重量%の水酸化ナトリウ
ム溶液とした。この水酸化ナトリウム溶液を46kg/時
間,溶媒として塩化メチレンを18.5l/時間の割合で内径
6mm,管長30mmの管型反応器に連続的に供給すると共に、
3.8kg/時間のホスゲンをガスの状態で前記の管型反応器
に並流して吹き込み反応を行なった。管型反応器で反応
後、30lの槽型反応器に触媒のトリエチルアミン4重量
%水溶液を0.08l/時間で併せて供給し、ポリカーボネー
トオリゴマーを製造した。
上記で得られたポリカーボネートオリゴマーを20l/時
間,前述と同濃度のビスフェノールAの水酸化ナトリウ
ム溶液11.5l/時間,25重量%の水酸化ナトリウム水溶液
0.8l/時間,4重量%のトリエチルアミン溶液0.04l/時
間,塩化メチレン13l/時間,分子量調節剤としてp−t
−ブチルフェノール4重量%塩化メチレン溶液を、直列
に配置した80lの槽型反応器2基に続けて供給し、連続
反応重合を行った。
得られた重合液は、分離器にて有機相と水相とに分離
し、その後、ポリカーボネートを含む有機相(ポリマー
溶液)をアルカリ洗浄,酸洗浄及び水洗浄を行い、夾雑
不純物の除去を行った。洗浄後のポリカー溶液につい
て、粘度,濃度及び温度を測定し、演算装置により粘度
平均分子量(Mv)を算出し、その値から制御装置にて、
前工程における分子量調節剤の供給量を制御した。この
際、目標とする分子量を23500となるように、上記重合
反応器の制御運転を3日間実施した。このときのa,b,c
の測定値、定数X,Y,Z,k,α及び演算装置より得られたMv
ならびに制御装置による分子量調節剤の供給量及びその
制御頻度(時間)を第1表に示す。尚、この運転条件に
おける滞留時間は、重合反応器から洗浄終了まで約6時
間、またペレット化までを約10時間とした。
ポリカーボネート溶液は、薄膜蒸発機で塩化メチレン
を除去した後、溶融ポリカーボネートとし、さらに2軸
混練押出機を通してペレットとした。
ペレットは、滞留時間の安全率を考慮し、制御装置に
よるコントロールを開始してから、約12時間後に別サイ
ロへの受入れを開始した。
得られたペレットは、JIS−M−8100−1984により縮
分サンプリングを実施し、分子量の実測を行った。
その時の目標とする分子量に対するふれ幅は、N(測
定回数)=7の測定で200であった。その結果を第2表
に示す。
ここで使用した測定装置は、東洋紡エンジニアリング
(株)のSKV−02型細管式粘度計及び鈴木自動車工業
(株)(製造元:富士工業(株))の超音波液体濃度計
(FUD−1)と測定精度±0.5℃の温度計を用いた。
比較例1 分子量調節剤であるp−t−ブチルフェノールの供給
量を一定量(30.0kg/時間)とし、制御装置によって分
子量調節剤の供給調整をしなかったこと以外は実施例1
と同様の操作を行った。
実施例1と同様に、得られたペレットを縮分サンプリ
ングを行い分子量を実測したところ、目標分子量に対す
るふれ幅は、N=7の測定で900であった。その結果を
第2表に示す。
実施例2 実施例1において、有機相(ポリマー溶液)の粘度,
濃度及び温度の測定を、重合後で洗浄前の重合液から分
離された有機相について行ったこと以外は、実施例1と
同様の操作を行った。
連続監視装置によるコントロールを開始して、6時間
後からのそれぞれの測定データを第3表に示す。目標と
する分子量に対するふれ幅は、N=7の測定で400であ
った。
比較例2 実施例1において、有機相(ポリマー溶液)の粘度,
濃度及び温度の測定を、重合後の重合液(有機相と水相
とに分離してないもの)について行ったこと以外は、実
施例1と同様の操作を行った。
測定装置によるコントロールを開始して、6時間後か
らのそれぞれの測定データを第4表に示す。
目標とする分子量に対するふれ幅は、N=7の測定で
2700であった。
これらの実施例の結果から明らかなように、本発明の
ポリカーボネートの製造方法によれば、分子量ふれ幅の
小さいポリカーボネートを安定して得ることができるも
のである。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明によれば、目標とする分子量に近
いポリカーボネートが製造可能である。このポリカーボ
ネートは、合理的な成形が可能であり、成形安定性に富
み、得られる成形品は残留応力歪みが小さく光学特性に
優れたものである。
したがって、本発明の方法によって製造されるポリカ
ーボネートは、各種工業材料、例えば家庭電化製品,OA
機器,建材等に幅広くかつ有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法の工程の一例を示す概念図であ
る。 1:重合反応器,2:分離器,3:洗浄器,4:分離器,5:溶媒除去
器,6:押出器,7:制御装置,8:演算装置,9:測定装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスゲン,ビスフェノール類のアルカリ水
    溶液,分子量調節剤及び有機溶媒を連続的に重合反応器
    に供給して重合反応を行わせ、得られた反応混合液から
    分離されるポリカーボネートを含有する有機相を、洗浄
    系にて夾雑不純物を取り除き、該ポリカーボネートを含
    有する有機相から有機溶媒を除去してポリカーボネート
    を製造するにあたり、反応混合液から分離されるポリ
    カーボネートを含有する有機相又は洗浄系にて夾雑不
    純物を取り除いて得られるポリカーボネートを含有する
    有機相における粘度,濃度及び温度を測定することによ
    って、該ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)を算
    出し、算出した粘度平均分子量(Mv)の値に応じて前記
    重合反応器へ供給される分子量調節剤の供給量を制御す
    ることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
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