JPH0859588A - D−β−リジルメタンジアミン誘導体、およびそれらの製法 - Google Patents
D−β−リジルメタンジアミン誘導体、およびそれらの製法Info
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- JPH0859588A JPH0859588A JP6220830A JP22083094A JPH0859588A JP H0859588 A JPH0859588 A JP H0859588A JP 6220830 A JP6220830 A JP 6220830A JP 22083094 A JP22083094 A JP 22083094A JP H0859588 A JPH0859588 A JP H0859588A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗菌作用と抗HIV作用をもち化学的に安定で
ある新規なD-β-リジルメタンジアミン誘導体を提供す
る。 【構成】 一般式(I) 〔式中、n=2〜5〕で表わされる新規化合物、(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド、
例えば(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキサン
アミド(n=2)および(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプ
ロピル)へキサンアミド(n=3)を合成して提供した。
これらの新規化合物およびそれらの酸付加塩はグラム陽
性菌、陰性菌、エイズウイルスなどを阻止する作用を有
し、化学的に安定であって、化学療法剤として有用であ
る。
ある新規なD-β-リジルメタンジアミン誘導体を提供す
る。 【構成】 一般式(I) 〔式中、n=2〜5〕で表わされる新規化合物、(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド、
例えば(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキサン
アミド(n=2)および(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプ
ロピル)へキサンアミド(n=3)を合成して提供した。
これらの新規化合物およびそれらの酸付加塩はグラム陽
性菌、陰性菌、エイズウイルスなどを阻止する作用を有
し、化学的に安定であって、化学療法剤として有用であ
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラム陽性菌、陰性
菌、エイズウイルスなどを阻止するのに有効な新規化合
物である一般式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド
に関する。これらの新規化合物は化学療法剤として有用
である。更に本発明は前記の新規化合物の製造法にも関
する。
菌、エイズウイルスなどを阻止するのに有効な新規化合
物である一般式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド
に関する。これらの新規化合物は化学療法剤として有用
である。更に本発明は前記の新規化合物の製造法にも関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、上記の一般式(I)にお
いてnが1である場合の化合物に相当して次式(A) で表わされるD-β-リジルメタンジアミンを放線菌の培
養液中に発見した(J.Antibiotics, 39巻、476頁、1986
年、および特開昭62-114947号、昭和62年5月26日)、
D-β-リジルメタンジアミンは現在エイズ治療薬として
の開発研究が進められている(特願平3-346341号、平成
3年12月27日)。
いてnが1である場合の化合物に相当して次式(A) で表わされるD-β-リジルメタンジアミンを放線菌の培
養液中に発見した(J.Antibiotics, 39巻、476頁、1986
年、および特開昭62-114947号、昭和62年5月26日)、
D-β-リジルメタンジアミンは現在エイズ治療薬として
の開発研究が進められている(特願平3-346341号、平成
3年12月27日)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エイズはエイズウイル
ス(HIV)の感染による疾患で、エイズ治療薬としてHIV
を不活性化するいくつかの薬剤が報告されているが、エ
イズ治療薬として満足できるものはない。従って、現
在、新規で毒性が低く且つ強力な抗HIV活性をもつ薬剤
を提供することが要望されている。
ス(HIV)の感染による疾患で、エイズ治療薬としてHIV
を不活性化するいくつかの薬剤が報告されているが、エ
イズ治療薬として満足できるものはない。従って、現
在、新規で毒性が低く且つ強力な抗HIV活性をもつ薬剤
を提供することが要望されている。
【0004】また、本発明者らの研究によって、D-β-
リジルメタンジアン(ベレナミンと呼ばれている)の特
異な化学構造は、アミノ基を保護したD-β-リジルグリ
シンからその酸アジドを経て全合成して証明された(J.
Antibiotics, 45巻、1677頁、1992年)が、D-β-リジ
ルメタンジアミンがもつ高い不安定性のために合成法は
煩雑であった。
リジルメタンジアン(ベレナミンと呼ばれている)の特
異な化学構造は、アミノ基を保護したD-β-リジルグリ
シンからその酸アジドを経て全合成して証明された(J.
Antibiotics, 45巻、1677頁、1992年)が、D-β-リジ
ルメタンジアミンがもつ高い不安定性のために合成法は
煩雑であった。
【0005】本発明者らが放線菌の培養液中に発見した
抗HIV作用を有するD-β-リジルメタンジアミン即ちベ
レナミンは、天然に初めて見出された直鎖のアルドアミ
ナール構造を有することから、化学的に不安定である。
そこで、本発明者らは新規で有用なベレナミン関連物質
の合成研究を行なった。本発明の目的はD-β-リジルメ
タンジアミンの同族体に相当する化合物であるが、化学
的により安定である新規化合物として、(R)-3,6-ジアミ
ノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドを提供するこ
とにある。
抗HIV作用を有するD-β-リジルメタンジアミン即ちベ
レナミンは、天然に初めて見出された直鎖のアルドアミ
ナール構造を有することから、化学的に不安定である。
そこで、本発明者らは新規で有用なベレナミン関連物質
の合成研究を行なった。本発明の目的はD-β-リジルメ
タンジアミンの同族体に相当する化合物であるが、化学
的により安定である新規化合物として、(R)-3,6-ジアミ
ノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、D-β-リ
ジルメタンジアミンより化学的に安定で抗菌作用と抗HI
V作用を有する新規化合物であり且つ一般式(I)で表
わされる一連の(R)-3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキ
ル)ヘキサンアミドを合成することに成功した。一般式
(I)の化合物のうち、中でも(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-
アミノエチル)ヘキサンアミドと(R)-3,6-ジアミノ-N-
(3-アミノプロピル)ヘキサンアミドは、D-β-リジル
メタンジアミンと同程度の抗菌作用と抗HIV作用を有す
ることを見いだした。
ジルメタンジアミンより化学的に安定で抗菌作用と抗HI
V作用を有する新規化合物であり且つ一般式(I)で表
わされる一連の(R)-3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキ
ル)ヘキサンアミドを合成することに成功した。一般式
(I)の化合物のうち、中でも(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-
アミノエチル)ヘキサンアミドと(R)-3,6-ジアミノ-N-
(3-アミノプロピル)ヘキサンアミドは、D-β-リジル
メタンジアミンと同程度の抗菌作用と抗HIV作用を有す
ることを見いだした。
【0007】従って、第1の本発明によると、次の一般
式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド、
およびそれらの酸付加塩が提供される。
式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド、
およびそれらの酸付加塩が提供される。
【0008】一般式(I)の化合物でn=2である場合
は次式(Ia) で示される(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキ
サンアミドである。
は次式(Ia) で示される(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキ
サンアミドである。
【0009】一般式(I)の化合物でn=3である場合
は次式(Ib) で示される(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘ
キサンアミドである。
は次式(Ib) で示される(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘ
キサンアミドである。
【0010】本発明によって得られる一般式(I)で表
わされる新規な化合物の理化学的性状を次に示す。
わされる新規な化合物の理化学的性状を次に示す。
【0011】[1](R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチ
ル)ヘキサンアミド〔式(Ia)の化合物〕 (1)色および形状: 無色ペースト状 (2)分子式: C8H20N4O (3)マススペクトル(FD-MS): m/z 189(MH+) 高分解能(HR-FAB-MS): m/z 189.1729(MH+), 理論値18
9.1715(C8H21N4O,MH) (4)融点: 明確な融点を示さない。
ル)ヘキサンアミド〔式(Ia)の化合物〕 (1)色および形状: 無色ペースト状 (2)分子式: C8H20N4O (3)マススペクトル(FD-MS): m/z 189(MH+) 高分解能(HR-FAB-MS): m/z 189.1729(MH+), 理論値18
9.1715(C8H21N4O,MH) (4)融点: 明確な融点を示さない。
【0012】(5)比旋光度: [α]D 24 -6.0°(c 1.2, H
2O) (6)赤外部吸収スペクトル(KBr): 3300, 2950, 1640,
1570, 1480, 1440,1390, 1320, 1240, 1160, 1050, 82
0 cm-1 (7)1H-NMRスペクトル(400 MHz, D2O, pD 4): δ1.80(4H, m, 4-H2, 5-H2) 2.67(1H, dd, J=16.4, 8.5 Hz, 2-H) 2.80(1H, dd, J=16.4, 4.6 Hz, 2-H) 3.07(2H, m, 6-H2) 3.18(2H, t, J=5.9 Hz, 2'-H2) 3.55(2H, t, J=5.9 Hz, 1'-H2) 3.71(1H, m, 3-H) (8)13C-NMRスペクトル(100 MHz, D2O, pD 4): δ23.8(t, C-5), 30.0(t, C-4), 37.3(t, C-2), 37.
7(t, C-1'), 39.8(t, C-6), 40.0(t, C-2'), 49.1(d, C-3), 173.
6(s, C-1) (9)溶解性: 水によく溶ける (10)塩基性、酸性、中性の区別: 塩基性物質。
2O) (6)赤外部吸収スペクトル(KBr): 3300, 2950, 1640,
1570, 1480, 1440,1390, 1320, 1240, 1160, 1050, 82
0 cm-1 (7)1H-NMRスペクトル(400 MHz, D2O, pD 4): δ1.80(4H, m, 4-H2, 5-H2) 2.67(1H, dd, J=16.4, 8.5 Hz, 2-H) 2.80(1H, dd, J=16.4, 4.6 Hz, 2-H) 3.07(2H, m, 6-H2) 3.18(2H, t, J=5.9 Hz, 2'-H2) 3.55(2H, t, J=5.9 Hz, 1'-H2) 3.71(1H, m, 3-H) (8)13C-NMRスペクトル(100 MHz, D2O, pD 4): δ23.8(t, C-5), 30.0(t, C-4), 37.3(t, C-2), 37.
7(t, C-1'), 39.8(t, C-6), 40.0(t, C-2'), 49.1(d, C-3), 173.
6(s, C-1) (9)溶解性: 水によく溶ける (10)塩基性、酸性、中性の区別: 塩基性物質。
【0013】[2](R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピ
ル)ヘキサンアミド〔式(Ib)の化合物〕 (1)色および形状: 無色ペースト状 (2)分子式: C9H22N4O (3)マススペクトル(FD-MS): m/z 203(MH+) 高分解能(HR-FAB-MS): m/z 203.1880(MH+), 理論値20
3.1872(C9H23N4O,MH) (4)融点: 明確な融点を示さない。
ル)ヘキサンアミド〔式(Ib)の化合物〕 (1)色および形状: 無色ペースト状 (2)分子式: C9H22N4O (3)マススペクトル(FD-MS): m/z 203(MH+) 高分解能(HR-FAB-MS): m/z 203.1880(MH+), 理論値20
3.1872(C9H23N4O,MH) (4)融点: 明確な融点を示さない。
【0014】(5)比旋光度: [α]D 24 -3.5°(c 0.9, H
2O) (6)赤外部吸収スペクトル(KBr): 3300, 2950, 1640,
1560, 1480, 1440,1390, 1320, 1210, 1150, 1050, 82
0 cm-1 (7)1H-NMRスペクトル(400 MHz, D2O, pD 4): δ1.79(4H, m, 4-H2, 5-H2) 1.92(2H, tt, J=7.3, 7.3 Hz, 2'-H2) 2.65(1H, dd, J=16.4, 8.1 Hz, 2-H) 2.76(1H, dd, J=16.4, 5.1 Hz, 2-H) 3.05(2H, t, J=7.3 Hz, 3'-H2) 3.07(2H, m, 6-H2) 3.33(2H, m, 1'-H2) 3.68(1H, m, 3-H) (8)13C-NMRスペクトル(100 MHz, D2O, pD 4): δ23.7(t, C-5), 27.4(t, C-2'), 29.9(t, C-4), 3
7.0(t, C-1'),37.4(t, C-2), 37.9(t, C-3'), 39.7
(t, C-6), 49.2(d, C-3),172.8(s, C-1) (9)溶解性: 水によく溶ける (10)塩基性、酸性、中性の区別: 塩基性物質。
2O) (6)赤外部吸収スペクトル(KBr): 3300, 2950, 1640,
1560, 1480, 1440,1390, 1320, 1210, 1150, 1050, 82
0 cm-1 (7)1H-NMRスペクトル(400 MHz, D2O, pD 4): δ1.79(4H, m, 4-H2, 5-H2) 1.92(2H, tt, J=7.3, 7.3 Hz, 2'-H2) 2.65(1H, dd, J=16.4, 8.1 Hz, 2-H) 2.76(1H, dd, J=16.4, 5.1 Hz, 2-H) 3.05(2H, t, J=7.3 Hz, 3'-H2) 3.07(2H, m, 6-H2) 3.33(2H, m, 1'-H2) 3.68(1H, m, 3-H) (8)13C-NMRスペクトル(100 MHz, D2O, pD 4): δ23.7(t, C-5), 27.4(t, C-2'), 29.9(t, C-4), 3
7.0(t, C-1'),37.4(t, C-2), 37.9(t, C-3'), 39.7
(t, C-6), 49.2(d, C-3),172.8(s, C-1) (9)溶解性: 水によく溶ける (10)塩基性、酸性、中性の区別: 塩基性物質。
【0015】本発明における一般式(I)の化合物は強
塩基性であるので、酸と付加塩を形成することができ
る。酸付加塩を形成する酸として塩酸、硫酸、炭酸のご
とき製剤学的に許容できる無機酸、あるいは酢酸、リン
ゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸の
ごとき薬剤学的に許容できる有機酸が用いられる。
塩基性であるので、酸と付加塩を形成することができ
る。酸付加塩を形成する酸として塩酸、硫酸、炭酸のご
とき製剤学的に許容できる無機酸、あるいは酢酸、リン
ゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸の
ごとき薬剤学的に許容できる有機酸が用いられる。
【0016】また、本発明における一般式(I)の化合
物あるいはその酸付加塩は、製剤学的に許容できる固体
または液体の担体と混和された製剤として、散剤、顆粒
剤、錠剤またはシロップ剤、あるいは注射剤などの剤型
で、経口的または非経口的に投与することができる。
物あるいはその酸付加塩は、製剤学的に許容できる固体
または液体の担体と混和された製剤として、散剤、顆粒
剤、錠剤またはシロップ剤、あるいは注射剤などの剤型
で、経口的または非経口的に投与することができる。
【0017】次に、本発明によって得られる新規な(R)
-3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド
の生物学的性状を示す。
-3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド
の生物学的性状を示す。
【0018】[1] 抗菌活性 (R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキサンアミ
ド(Ia)および(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピ
ル)ヘキサンアミド(Ib)の各種細菌に対する最低発育
阻止濃度(MIC)を、0.5%ペプトン寒天培地で倍数希釈法
によって測定し(37℃、18時間)、D-β-リジルメタン
ジアミン(ベレナミン)のMICと比較して次の表1に示
した。
ド(Ia)および(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピ
ル)ヘキサンアミド(Ib)の各種細菌に対する最低発育
阻止濃度(MIC)を、0.5%ペプトン寒天培地で倍数希釈法
によって測定し(37℃、18時間)、D-β-リジルメタン
ジアミン(ベレナミン)のMICと比較して次の表1に示
した。
【0019】
【0020】[2] HIV感染阻害活性 次に本発明によって得られる新規な(R)-3,6-ジアミノ-N
-(2-アミノエチル)ヘキサンアミド(Ia)および(R)-3,
6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサンアミド(I
b)がHIVの感染を阻害する活性を有することを例証する
試験例1を記載する。
-(2-アミノエチル)ヘキサンアミド(Ia)および(R)-3,
6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサンアミド(I
b)がHIVの感染を阻害する活性を有することを例証する
試験例1を記載する。
【0021】試験例1 48穴のコスタープレートのそれぞれにヒトのT細胞の一
種であるMT−4細胞(1×105細胞/ml燐酸緩衝液)0.
5mlと、供試化合物の一定量を含む溶液(燐酸緩衝液
中)0.05mlを加え、37℃で5%炭酸ガス孵卵器中で2時
間培養した後、HIV(HTLV-IIIB株)0.05ml [感染多重度
(m.o.i.)0.025-0.05] を感染させ、4日間培養した。
種であるMT−4細胞(1×105細胞/ml燐酸緩衝液)0.
5mlと、供試化合物の一定量を含む溶液(燐酸緩衝液
中)0.05mlを加え、37℃で5%炭酸ガス孵卵器中で2時
間培養した後、HIV(HTLV-IIIB株)0.05ml [感染多重度
(m.o.i.)0.025-0.05] を感染させ、4日間培養した。
【0022】培養液の一部をスライドグラスに塗沫し、
細胞をアセトンで固定し、HIV抗原陽性細胞の数を間接
蛍光抗体法で測定した。測定した細胞数からウイルス抗
原の発現率(%)(T/C, %)を算定した。なお、間接
蛍光抗体法の一次抗体としてはエイズ患者の血清を用
い、二次抗体としてはフルオレセン・イソチオシアネー
トでラベルしたウサギの抗ヒトIgG 血清を使用した。
細胞をアセトンで固定し、HIV抗原陽性細胞の数を間接
蛍光抗体法で測定した。測定した細胞数からウイルス抗
原の発現率(%)(T/C, %)を算定した。なお、間接
蛍光抗体法の一次抗体としてはエイズ患者の血清を用
い、二次抗体としてはフルオレセン・イソチオシアネー
トでラベルしたウサギの抗ヒトIgG 血清を使用した。
【0023】MT-4細胞に対する細胞毒性の測定は、上記
のHIV感染阻害試験と同様の方法で、HIVを加えない系で
行なった。HIV感染阻害試験の測定結果としてウイルス
抗原の発現率(%)(T/C, %)を次の表2に示す。また、
細胞毒がないことは(−)で表2に示す。
のHIV感染阻害試験と同様の方法で、HIVを加えない系で
行なった。HIV感染阻害試験の測定結果としてウイルス
抗原の発現率(%)(T/C, %)を次の表2に示す。また、
細胞毒がないことは(−)で表2に示す。
【0024】
【0025】表2の試験結果より明らかなように、本発
明における(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキ
サンアンド(Ia)および(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノ
プロピル)ヘキサンアミド(Ib)は、対照としたD-β-
リジルメタンジアミン(ベレナミン)に匹敵する抗HIV
活性を有し、細胞毒性も示さなかった。
明における(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキ
サンアンド(Ia)および(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノ
プロピル)ヘキサンアミド(Ib)は、対照としたD-β-
リジルメタンジアミン(ベレナミン)に匹敵する抗HIV
活性を有し、細胞毒性も示さなかった。
【0026】このことは本発明における(R)-3,6-ジアミ
ノ-N-(ω-オミノアルキル)ヘキサンアミドの存在により
ヒトMT-4細胞中でHIVが増殖できず、HIVウイルス抗原の
発現が抑制されたことを示し、本発明の新規化合物がHI
V の感染を強く阻害する作用を有することが認められ
た。
ノ-N-(ω-オミノアルキル)ヘキサンアミドの存在により
ヒトMT-4細胞中でHIVが増殖できず、HIVウイルス抗原の
発現が抑制されたことを示し、本発明の新規化合物がHI
V の感染を強く阻害する作用を有することが認められ
た。
【0027】[3] 急性毒性 本発明における新規化合物、(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-ア
ミノエチル)ヘキサンアミド(Ia)および(R)-3,6-ジア
ミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサンアミド(Ib)は、
マウスの静脈内注射による急性毒性試験でいずれも 250
mg/kgの投与量で死亡例がなく、低毒性であった。
ミノエチル)ヘキサンアミド(Ia)および(R)-3,6-ジア
ミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサンアミド(Ib)は、
マウスの静脈内注射による急性毒性試験でいずれも 250
mg/kgの投与量で死亡例がなく、低毒性であった。
【0028】第1の本発明による一般式(I)の(R)-3,
6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドの製
造法として、第2の本発明によると、次の一般式(II) 〔式中、Aは加水素分解などにより容易に脱離できるア
ミノ保護基であるアラルキルオキシカルボニル基を示
し、nは2〜5の整数を示す〕で表わされるα,ω−ア
ルカンジアミンのモノアミノ保護誘導体と、一般式(II
I) 〔式中、Aはアラルキルオキシカルボニル基を示す] で
表わされるビス(N-アラルキルオキシカルボニル)-D-
β-リジンをアミド結合により縮合せしめて次の一般式
(IV) 〔式中、Aは前記と同じ意味をもつ〕で表わされる(R)
-3,6-ビス(アラルキルオキシカルボニルアミノ)-N-(ω
-アラルキルオキシカルボニルアミノアルキル)ヘキサ
ンアミドを生成し、さらにこの式(IV)の化合物を加水
素分解にかけて、アミノ保護基であるアラルキルオキシ
カルボニル基を脱離させる各工程より成ることを特徴と
する次の一般式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる (R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドの
製造法が提供される。
6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドの製
造法として、第2の本発明によると、次の一般式(II) 〔式中、Aは加水素分解などにより容易に脱離できるア
ミノ保護基であるアラルキルオキシカルボニル基を示
し、nは2〜5の整数を示す〕で表わされるα,ω−ア
ルカンジアミンのモノアミノ保護誘導体と、一般式(II
I) 〔式中、Aはアラルキルオキシカルボニル基を示す] で
表わされるビス(N-アラルキルオキシカルボニル)-D-
β-リジンをアミド結合により縮合せしめて次の一般式
(IV) 〔式中、Aは前記と同じ意味をもつ〕で表わされる(R)
-3,6-ビス(アラルキルオキシカルボニルアミノ)-N-(ω
-アラルキルオキシカルボニルアミノアルキル)ヘキサ
ンアミドを生成し、さらにこの式(IV)の化合物を加水
素分解にかけて、アミノ保護基であるアラルキルオキシ
カルボニル基を脱離させる各工程より成ることを特徴と
する次の一般式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる (R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドの
製造法が提供される。
【0029】第2の本発明において、出発物質として用
いられる式(II)のα, ω-アルカンジアミンのモノア
ミノ保護誘導体は種々の既知の方法で調製することがで
きるが、Atwell-Dennyの製法(Synthesis, 1032頁、198
4年)に準じて行なうことが好ましい。すなわち、例え
ば、プロパン-1,3-ジアミンの水溶液をメタンスルホン
酸でpH 3.8とし、エタノールを加えたのち20℃で撹拌し
ながら塩化ベンジルオキシカルボニルのジメトキシエタ
ン溶液を滴下し、同時に酢酸カリウム溶液を加えて反応
液のpHを3.5〜4.5に保持して反応することにより、一方
のアミノ基のみを選択的にベンジルオキシカルボニル化
でき、N-(ベンジルオキシカルボニル)-プロパン-1,3-ジ
アミンを高収率で得ることができる(後記の参考例2を
参照)。
いられる式(II)のα, ω-アルカンジアミンのモノア
ミノ保護誘導体は種々の既知の方法で調製することがで
きるが、Atwell-Dennyの製法(Synthesis, 1032頁、198
4年)に準じて行なうことが好ましい。すなわち、例え
ば、プロパン-1,3-ジアミンの水溶液をメタンスルホン
酸でpH 3.8とし、エタノールを加えたのち20℃で撹拌し
ながら塩化ベンジルオキシカルボニルのジメトキシエタ
ン溶液を滴下し、同時に酢酸カリウム溶液を加えて反応
液のpHを3.5〜4.5に保持して反応することにより、一方
のアミノ基のみを選択的にベンジルオキシカルボニル化
でき、N-(ベンジルオキシカルボニル)-プロパン-1,3-ジ
アミンを高収率で得ることができる(後記の参考例2を
参照)。
【0030】また、式(III)のビス(N-アラルキルオ
キシカルボニル)-D-β-リジンについては、本発明者ら
の方法(J. Antibiotics, 45巻、1677頁、1992年)で得
られるビス(N-ベンジルオキシカルボニル)-D-β-リジ
ン(後記の参考例3を参照)を用いることができる。
キシカルボニル)-D-β-リジンについては、本発明者ら
の方法(J. Antibiotics, 45巻、1677頁、1992年)で得
られるビス(N-ベンジルオキシカルボニル)-D-β-リジ
ン(後記の参考例3を参照)を用いることができる。
【0031】本発明の方法で式(II)の化合物と式(II
I)の化合物を縮合させてアミド結合を形成せしめる反
応は、活性エステル法や酸ハライド法などの既知の方法
を適用することによって行なうことができる。
I)の化合物を縮合させてアミド結合を形成せしめる反
応は、活性エステル法や酸ハライド法などの既知の方法
を適用することによって行なうことができる。
【0032】第2の本発明の方法で使用できるアミノ保
護基としては、アルキルオキシカルボニル基をはじめ種
々の既知の保護基を用いることができるが、反応生成物
が変化しないような温和な反応条件で脱離できるアミノ
保護基を選ぶのがよい。例えば、加水素分解で容易に脱
離可能なベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベ
ンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキシカル
ボニル基の使用で好適である。
護基としては、アルキルオキシカルボニル基をはじめ種
々の既知の保護基を用いることができるが、反応生成物
が変化しないような温和な反応条件で脱離できるアミノ
保護基を選ぶのがよい。例えば、加水素分解で容易に脱
離可能なベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベ
ンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキシカル
ボニル基の使用で好適である。
【0033】次に参考例、実施例を挙げて本発明を説明
するが、これらによって本発明が限定されるものではな
い。
するが、これらによって本発明が限定されるものではな
い。
【0034】参考例1 N-(ベンジルオキシカルボニル)エチレンジアミンの調
製:本調製はAtwellらの方法(Synthesis: 1032〜1033
頁、1984)に従って行った。
製:本調製はAtwellらの方法(Synthesis: 1032〜1033
頁、1984)に従って行った。
【0035】エチレンジアミン(2.4ml, 35.9mmol)を
水(7ml)に溶解後、メタンスルホン酸(4.3ml, 66.3mm
ol)の水溶液(7ml)を加えて pH 3.7に調整した。こ
の水溶液をエタノール(20ml)で希釈した後、20℃で激
しく撹拌しながらベンジルクロロホルメート(4.5ml, 3
1.5mmol)のジメトキシエタン溶液(7ml)を滴下した。
この際同時に、反応液のpHが3.5〜4.5に保たれるように
50%(w/v)酢酸カリウム水溶液を滴下し、pHを調整し
た。ベンジルクロロホルメートを滴下後、室温で1時間
撹拌してから反応液を濃縮乾固した。
水(7ml)に溶解後、メタンスルホン酸(4.3ml, 66.3mm
ol)の水溶液(7ml)を加えて pH 3.7に調整した。こ
の水溶液をエタノール(20ml)で希釈した後、20℃で激
しく撹拌しながらベンジルクロロホルメート(4.5ml, 3
1.5mmol)のジメトキシエタン溶液(7ml)を滴下した。
この際同時に、反応液のpHが3.5〜4.5に保たれるように
50%(w/v)酢酸カリウム水溶液を滴下し、pHを調整し
た。ベンジルクロロホルメートを滴下後、室温で1時間
撹拌してから反応液を濃縮乾固した。
【0036】残渣に水(70ml)を加え撹拌後、不溶物を
濾過した。次いで濾液をベンゼン(20ml)で3回洗浄
後、10N水酸化ナトリウムでpH 10以上に調整し、ベン
ゼン(40ml)で2回抽出した。ベンゼン層を飽和食塩水
(40ml)で洗浄後芒硝乾燥し、濃縮乾固すると粗物質
(4.30g)が得られた。この粗物質を、予めクロロホル
ム−メタノール(5:1)で充填したシリカゲルカラム(4
30g, C-300、和光純薬社製)の上部に載せ、クロロホ
ルム−メタノール(5:1)で展開した。ニンヒドリンで
呈色したTLC上で単一のスポットを示す画分を濃縮乾固
すると、N-(ベンジルオキシカルボニル)エチレンジア
ミン(3.90g)が無色ペースト状物質として得られた。
濾過した。次いで濾液をベンゼン(20ml)で3回洗浄
後、10N水酸化ナトリウムでpH 10以上に調整し、ベン
ゼン(40ml)で2回抽出した。ベンゼン層を飽和食塩水
(40ml)で洗浄後芒硝乾燥し、濃縮乾固すると粗物質
(4.30g)が得られた。この粗物質を、予めクロロホル
ム−メタノール(5:1)で充填したシリカゲルカラム(4
30g, C-300、和光純薬社製)の上部に載せ、クロロホ
ルム−メタノール(5:1)で展開した。ニンヒドリンで
呈色したTLC上で単一のスポットを示す画分を濃縮乾固
すると、N-(ベンジルオキシカルボニル)エチレンジア
ミン(3.90g)が無色ペースト状物質として得られた。
【0037】参考例2 N-(ベンジルオキシカルボニル)プロパン-1,3-ジアミン
の調製:本調製はAtwellらの方法(Synthesis: 1032〜103
3頁、1984)に従って行った。
の調製:本調製はAtwellらの方法(Synthesis: 1032〜103
3頁、1984)に従って行った。
【0038】プロパン-1,3-ジアミン(3.0ml, 35.9mmo
l)を水(7ml)に溶解後、メタンスルホン酸(4.3ml, 6
6.3mmol)の水溶液(7ml)を加えて pH 3.8に調整し
た。この水溶液をエタノール(19.5ml)で希釈した後、
20℃で激しく撹拌しながらベンジルクロロホルメート
(4.5ml, 31.5mmol)のジメトキシエタン溶液(7ml)を
滴下した。この際同時に、反応液のpHが3.5〜4.5に保た
れるように50%(w/v)酢酸カリウム水溶液を滴下し、pH
を調整した。ベンジルクロロホルメートを滴下後、室温
で1時間撹拌してから反応液を濃縮乾固した。
l)を水(7ml)に溶解後、メタンスルホン酸(4.3ml, 6
6.3mmol)の水溶液(7ml)を加えて pH 3.8に調整し
た。この水溶液をエタノール(19.5ml)で希釈した後、
20℃で激しく撹拌しながらベンジルクロロホルメート
(4.5ml, 31.5mmol)のジメトキシエタン溶液(7ml)を
滴下した。この際同時に、反応液のpHが3.5〜4.5に保た
れるように50%(w/v)酢酸カリウム水溶液を滴下し、pH
を調整した。ベンジルクロロホルメートを滴下後、室温
で1時間撹拌してから反応液を濃縮乾固した。
【0039】残渣に水(70ml)を加え撹拌後、不溶物を
濾過した。次いで濾液をベンゼン(21ml)で3回洗浄
後、10N水酸化ナトリウムでpH 10以上に調整し、ベン
ゼン(40ml)で2回抽出した。ベンゼン層を飽和食塩水
(40ml)で洗浄後に芒硝で乾燥し、濃縮乾固すると粗物
質(3.34g)が得られた。この粗物質を、予めクロロホ
ルム−メタノール(5:1)で充填したシリカゲルカラム
(330g, C-300、和光純薬社製)の上部に載せ、クロロ
ホルム−メタノール(5:1)で展開した。ニンヒドリン
で呈色したTLC上で単一のスポットを示す画分を濃縮乾
固すると、N-(ベンジルオキシカルボニル)プロパン-1,
3-ジアミン(2.95g)が無色ペースト状物質として得ら
れた。
濾過した。次いで濾液をベンゼン(21ml)で3回洗浄
後、10N水酸化ナトリウムでpH 10以上に調整し、ベン
ゼン(40ml)で2回抽出した。ベンゼン層を飽和食塩水
(40ml)で洗浄後に芒硝で乾燥し、濃縮乾固すると粗物
質(3.34g)が得られた。この粗物質を、予めクロロホ
ルム−メタノール(5:1)で充填したシリカゲルカラム
(330g, C-300、和光純薬社製)の上部に載せ、クロロ
ホルム−メタノール(5:1)で展開した。ニンヒドリン
で呈色したTLC上で単一のスポットを示す画分を濃縮乾
固すると、N-(ベンジルオキシカルボニル)プロパン-1,
3-ジアミン(2.95g)が無色ペースト状物質として得ら
れた。
【0040】参考例3 ビス(N-ベンジルオキシカルボニル)-D-β-リジンの調
製:D-β-リジン(68.7mg, 0.47mmol)を50%メタノー
ル水に溶解し、ベンジルS-4,6-ジメチルピリミド-2-イ
ルチオカルボネート(国産化学社製、399.5mg, 1.46mmo
l)とトリエチルアミン(0.135ml, 0.96mmol)を加えて
室温で一夜撹拌した。反応液を濃縮乾固しメタノール水
で洗浄してビス(N-ベンジルオキシカルボニル)-D-β-
リジン(150mg, 77%)の無色粉末を得た。
製:D-β-リジン(68.7mg, 0.47mmol)を50%メタノー
ル水に溶解し、ベンジルS-4,6-ジメチルピリミド-2-イ
ルチオカルボネート(国産化学社製、399.5mg, 1.46mmo
l)とトリエチルアミン(0.135ml, 0.96mmol)を加えて
室温で一夜撹拌した。反応液を濃縮乾固しメタノール水
で洗浄してビス(N-ベンジルオキシカルボニル)-D-β-
リジン(150mg, 77%)の無色粉末を得た。
【0041】実施例1 (R)-3,6-ビス(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-N-(2
-ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)ヘキサンア
ミド(式IVでAがベンジルオキシカルボニル基で、n=
2の場合)の調製:ビス(N-ベンジルオキシカルボニル)
-D-β-リジン(401mg, 0.968mmol)をジオキサン(12m
l)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(124mg, 1.
077mmol)とジシクロヘキシルカルボジイミド(225mg,
1.090mmol)を加えて室温で21時間撹拌した。その後沈
澱物を濾過し、濾液に N-(ベンジルオキシカルボニル)
エチレンジアミン(284mg, 1.460mmol)のジオキサン懸
濁液(6ml)と炭酸水素ナトリウム(125mg, 1.488mmo
l)の水溶液(10ml)を加え、室温で3時間撹拌した。
-ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)ヘキサンア
ミド(式IVでAがベンジルオキシカルボニル基で、n=
2の場合)の調製:ビス(N-ベンジルオキシカルボニル)
-D-β-リジン(401mg, 0.968mmol)をジオキサン(12m
l)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(124mg, 1.
077mmol)とジシクロヘキシルカルボジイミド(225mg,
1.090mmol)を加えて室温で21時間撹拌した。その後沈
澱物を濾過し、濾液に N-(ベンジルオキシカルボニル)
エチレンジアミン(284mg, 1.460mmol)のジオキサン懸
濁液(6ml)と炭酸水素ナトリウム(125mg, 1.488mmo
l)の水溶液(10ml)を加え、室温で3時間撹拌した。
【0042】生成した沈澱物を濾過し、水(5ml)次い
で冷ジオキサン(5ml)で洗浄後乾燥すると、粗粉末(5
65mg)が得られた。この粗粉末を、予めクロロホルム−
メタノール(20:1)で充填したシリカゲルカラム(56
g, C-300, 和光純薬社製)の上部に載せ、クロロホル
ム−メタノール(20:1)で展開した。TLC上で単一のス
ポットを示す画分を濃縮乾固すると、標記化合物(530m
g)が無色粉末として得られた。
で冷ジオキサン(5ml)で洗浄後乾燥すると、粗粉末(5
65mg)が得られた。この粗粉末を、予めクロロホルム−
メタノール(20:1)で充填したシリカゲルカラム(56
g, C-300, 和光純薬社製)の上部に載せ、クロロホル
ム−メタノール(20:1)で展開した。TLC上で単一のス
ポットを示す画分を濃縮乾固すると、標記化合物(530m
g)が無色粉末として得られた。
【0043】SI-MS: m/z 591(MH+), [α]D 24 +3.2°(c
1.08, DMSO)。
1.08, DMSO)。
【0044】実施例2 (R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキサンアミ
ド(Ia)の調製:(R)-3,6-ビス(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)-N-(2-ベンジルオキシカルボニルアミノエ
チル)ヘキサンアミド(1.41g, 2.39mmol)をメタノー
ル(180ml)に懸濁させ、これに水(20ml)に懸濁させ
た10%パラジウム炭素(718mg)を加え撹拌し、室温で
3時間水素ガスを作用させた。その後パラジウム炭素を
濾過し、濾液を濃縮乾固した。残渣を水(15ml)に溶解
し、これをアンバーライトCG-50(NH4 +, 50ml)カラム
にかけた。カラムを水洗(200ml)後、0.5%〜4.0%ア
ンモニア水(0.5%ステップで各200ml)で溶出した。2.5
%〜3.5%アンモニア水で溶出された画分を濃縮乾固する
と、(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキサンア
ミド(445mg)が無色ペースト状物質として得られた。
ド(Ia)の調製:(R)-3,6-ビス(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)-N-(2-ベンジルオキシカルボニルアミノエ
チル)ヘキサンアミド(1.41g, 2.39mmol)をメタノー
ル(180ml)に懸濁させ、これに水(20ml)に懸濁させ
た10%パラジウム炭素(718mg)を加え撹拌し、室温で
3時間水素ガスを作用させた。その後パラジウム炭素を
濾過し、濾液を濃縮乾固した。残渣を水(15ml)に溶解
し、これをアンバーライトCG-50(NH4 +, 50ml)カラム
にかけた。カラムを水洗(200ml)後、0.5%〜4.0%ア
ンモニア水(0.5%ステップで各200ml)で溶出した。2.5
%〜3.5%アンモニア水で溶出された画分を濃縮乾固する
と、(R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)ヘキサンア
ミド(445mg)が無色ペースト状物質として得られた。
【0045】実施例3 (R)-3,6-ビス(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-N-(3
-ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)ヘキサン
アミド(式IVでAがベンジルオキシカルボニル基で、n
=3の場合)の調製:ビス(N-ベンジルオキシカルボニ
ル)-D-β-リジン(195mg, 0.926mmol)をジオキサン
(4ml)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(43.0m
g, 0.374mmol)とジシクロヘキシルカルボジイミド(7
4.0mg, 0.359mmol)を加えて室温で18時間撹拌した。そ
の後沈澱物を濾過し、濾液に N-(ベンジルオキシカルボ
ニル)プロパン-1,3-ジアミン(103mg, 0.495mmol)の
ジオキサン懸濁液(2ml)と炭酸水素ナトリウム(44mg,
0.524mmol)の水溶液(3.5ml)を加え、室温で4時間
撹拌した。次いで反応液に水(40ml)を加え、クロロホ
ルム(50ml)で2回抽出を行った。クロロホルム層を芒
硝で乾燥後、濃縮乾固すると、粗粉末(217mg)が得ら
れた。この粗粉末を分取用TLC(独メルク社製、Art. N
o.5744, 展開系: クロロホルム−メタノール 20:1)で
精製すると、標記化合物(183mg)が無色粉末として得
られた。
-ベンジルオキシカルボニルアミノプロピル)ヘキサン
アミド(式IVでAがベンジルオキシカルボニル基で、n
=3の場合)の調製:ビス(N-ベンジルオキシカルボニ
ル)-D-β-リジン(195mg, 0.926mmol)をジオキサン
(4ml)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(43.0m
g, 0.374mmol)とジシクロヘキシルカルボジイミド(7
4.0mg, 0.359mmol)を加えて室温で18時間撹拌した。そ
の後沈澱物を濾過し、濾液に N-(ベンジルオキシカルボ
ニル)プロパン-1,3-ジアミン(103mg, 0.495mmol)の
ジオキサン懸濁液(2ml)と炭酸水素ナトリウム(44mg,
0.524mmol)の水溶液(3.5ml)を加え、室温で4時間
撹拌した。次いで反応液に水(40ml)を加え、クロロホ
ルム(50ml)で2回抽出を行った。クロロホルム層を芒
硝で乾燥後、濃縮乾固すると、粗粉末(217mg)が得ら
れた。この粗粉末を分取用TLC(独メルク社製、Art. N
o.5744, 展開系: クロロホルム−メタノール 20:1)で
精製すると、標記化合物(183mg)が無色粉末として得
られた。
【0046】SI-MS: m/z 605(MH+), [α]D 24 +1.3°(c
1.06, DMSO)。
1.06, DMSO)。
【0047】実施例4 (R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサンア
ミド(Ib)の調製:(R)-3,6-ビス(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)-N-(3-ベンジルオキシカルボニルアミノプ
ロピル)ヘキサンアミド(144mg, 0.238mmol)をメタノ
ール(18ml)に懸濁させ、これに、水(2ml)に懸濁さ
せた10%パラジウム炭素(81.0mg)を加え撹拌し、室温
で3時間水素ガスを作用させた。その後パラジウム炭素
を濾別し、濾液を濃縮乾固した。残渣を水(1ml)に溶
解し、これをアンバーライトCG-50(NH4 +, 5ml)カラム
にかけた。カラムを水洗(25ml)後、0.5%〜7.0%アン
モニア水(0.5%ステップで各25ml)で溶出した。4.0%
〜6.0%アンモニア水で溶出された画分を濃縮乾固する
と、(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサン
アミド(48.2mg)が無色ペースト状物質として得られ
た。
ミド(Ib)の調製:(R)-3,6-ビス(ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)-N-(3-ベンジルオキシカルボニルアミノプ
ロピル)ヘキサンアミド(144mg, 0.238mmol)をメタノ
ール(18ml)に懸濁させ、これに、水(2ml)に懸濁さ
せた10%パラジウム炭素(81.0mg)を加え撹拌し、室温
で3時間水素ガスを作用させた。その後パラジウム炭素
を濾別し、濾液を濃縮乾固した。残渣を水(1ml)に溶
解し、これをアンバーライトCG-50(NH4 +, 5ml)カラム
にかけた。カラムを水洗(25ml)後、0.5%〜7.0%アン
モニア水(0.5%ステップで各25ml)で溶出した。4.0%
〜6.0%アンモニア水で溶出された画分を濃縮乾固する
と、(R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピル)ヘキサン
アミド(48.2mg)が無色ペースト状物質として得られ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明において新規に合成した一般式
(I)の(R)-3,6-ジアミノ-(ω-アミノアルキル)ヘキ
サンアミドおよびそれらの酸付加塩は化学的に安定であ
り、しかもグラム陽性菌、陰性菌、エイズウイルスなど
を阻止する作用を有するので、それらの感染症の化学療
法剤として有用である。
(I)の(R)-3,6-ジアミノ-(ω-アミノアルキル)ヘキ
サンアミドおよびそれらの酸付加塩は化学的に安定であ
り、しかもグラム陽性菌、陰性菌、エイズウイルスなど
を阻止する作用を有するので、それらの感染症の化学療
法剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新榮 麗英 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目3番6号 イ トウマンション201 (72)発明者 五味 修一 東京都大田区上池台3丁目17番17号 アイ ビーハイツ202 (72)発明者 柴原 聖至 東京都町田市つくし野3丁目18番30号 (72)発明者 星野 洪郎 群馬県前橋市平和町1丁目14番5号
Claims (4)
- 【請求項1】 次の一般式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる (R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミド、
およびそれらの酸付加塩。 - 【請求項2】 (R)-3,6-ジアミノ-N-(2-アミノエチル)
ヘキサンアミド、すなわち一般式(I)でn=2の化合
物である請求項1記載の化合物、およびその酸付加塩。 - 【請求項3】 (R)-3,6-ジアミノ-N-(3-アミノプロピ
ル)ヘキサンアミド、すなわち一般式(I)でn=3の
化合物である請求項1記載の化合物、およびその酸付加
塩。 - 【請求項4】 次の一般式(II) 〔式中、Aは加水素分解などにより容易に脱離できるア
ミノ保護基であるアラルキルオキシカルボニル基を示
し、nは2〜5の整数を示す〕で表わされるα,ω−ア
ルカンジアミンのモノアミノ保護誘導体と、一般式(II
I) 〔式中、Aは加水素分解などにより容易に脱離できるア
ミノ保護基であるアラルキルオキシカルボニル基を示
す〕で表わされるビス(N-アラルキルオキシカルボニ
ル)-D-β-リジンをアミド結合により縮合せしめて次の
一般式 (IV) 〔式中、Aとnは前記と同じ意味をもつ〕で表わされる
(R)-3,6-ビス(アラルキルオキシカルボニルアミノ)-N-
(ω-アラルキルオキシカルボニルアミノアルキル)ヘキ
サンアミドを生成し、さらにこの式(IV)の化合物を加
水素分解にかけて、アミノ保護基であるアラルキルオキ
シカルボニル基を脱離させる各工程より成ることを特徴
とする次の一般式(I) 〔式中、nは2〜5の整数を示す〕で表わされる(R)-
3,6-ジアミノ-N-(ω-アミノアルキル)ヘキサンアミドの
製造法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6220830A JPH0859588A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | D−β−リジルメタンジアミン誘導体、およびそれらの製法 |
| PCT/JP1995/001680 WO1996006069A1 (en) | 1994-08-24 | 1995-08-24 | D-b-lysylmethanediamine derivatives with bacteria, aids virus and tumor cell growth inhibiting activity and preparation thereof |
| EP95929220A EP0777644A1 (en) | 1994-08-24 | 1995-08-24 | D-b-lysylmethanediamine derivatives with bacteria, aids virus and tumor cell growth inhibiting activity and preparation thereof |
| US08/793,912 US5849797A (en) | 1994-08-24 | 1995-08-24 | D-β-lysylmethanediamine derivatives and preparation thereof |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6220830A JPH0859588A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | D−β−リジルメタンジアミン誘導体、およびそれらの製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0859588A true JPH0859588A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16757218
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6220830A Pending JPH0859588A (ja) | 1994-08-24 | 1994-08-24 | D−β−リジルメタンジアミン誘導体、およびそれらの製法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5849797A (ja) |
| EP (1) | EP0777644A1 (ja) |
| JP (1) | JPH0859588A (ja) |
| WO (1) | WO1996006069A1 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009007357A (ja) * | 1996-07-22 | 2009-01-15 | F Hoffmann La Roche Ag | 抗腫瘍剤としてのポリアミン配位子を有する新規ビス−プラチナ錯体 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0629227B2 (ja) * | 1985-11-14 | 1994-04-20 | 財団法人微生物化学研究会 | D−ベ−タ−リジルメタンジアミンおよびその製造法 |
| JPH05178743A (ja) * | 1991-12-27 | 1993-07-20 | Microbial Chem Res Found | エイズウイルス感染阻害剤 |
-
1994
- 1994-08-24 JP JP6220830A patent/JPH0859588A/ja active Pending
-
1995
- 1995-08-24 EP EP95929220A patent/EP0777644A1/en not_active Ceased
- 1995-08-24 US US08/793,912 patent/US5849797A/en not_active Expired - Fee Related
- 1995-08-24 WO PCT/JP1995/001680 patent/WO1996006069A1/en not_active Ceased
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009007357A (ja) * | 1996-07-22 | 2009-01-15 | F Hoffmann La Roche Ag | 抗腫瘍剤としてのポリアミン配位子を有する新規ビス−プラチナ錯体 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0777644A1 (en) | 1997-06-11 |
| WO1996006069A1 (en) | 1996-02-29 |
| US5849797A (en) | 1998-12-15 |
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