JPH085979B2 - 陽イオン交換体の製造方法 - Google Patents

陽イオン交換体の製造方法

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JPH085979B2
JPH085979B2 JP62174959A JP17495987A JPH085979B2 JP H085979 B2 JPH085979 B2 JP H085979B2 JP 62174959 A JP62174959 A JP 62174959A JP 17495987 A JP17495987 A JP 17495987A JP H085979 B2 JPH085979 B2 JP H085979B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改良された陽イオン交換体の製造方法に関
する。即ち、従来の陽イオン交換体が用いられる産業分
野、例えば、電気透析、電極反応若しくは拡散透析など
の陽イオン交換基を結合した隔膜としての利用、又はイ
オン交換樹脂のようなイオン交換反応を行わせる物質と
して、或いは固体酸触媒としての分野に利用できる。
〔従来技術〕
陽イオン交換体は形状としては膜状、球状、管状、繊
維状等様々のものが目的に応じて利用されており、形状
に応じてそれに用いられる材質、製法も異なる。今日、
イオン交換体として広く利用されているのはイオン交換
樹脂とイオン交換膜である。これらは殆んどがエチレン
−ジビニルベンゼンの共重合体を骨格としたものにイオ
ン交換基が導入されたものである。これらのイオン交換
樹脂及びイオン交換膜は性能的に極めて優れたものであ
るが、三次元架橋構造を有すること、重合工程を必要と
すること等のために限られた形状のイオン交換体しか得
られないなどの問題がある。更に新しい変った特性をイ
オン交換体に賦与し、且つ成型性を容易にするには全く
違った発想に基づいてイオン交換体を作る必要がある。
そこで、耐薬品性、耐熱性が優れ、エンジニヤリング
プラスチックスとして知られている芳香族縮合系高分子
が注目され、これからイオン交換体を作ることが研究さ
れている。例えば、ポリスルホン,ポリエーテルスルホ
ンをスルホン化処理してスルホン酸基を導入し、溶媒に
溶解して流延し、膜状物とするものが数多く提案されて
いる。
しかし、芳香族縮合系高分子は、重縮合により得られ
た高分子であることもあり、高分子量のものを取得する
ことが難しく、分子量は数万程度にすぎない。その上、
スルホン化試薬のような陽イオン交換基導入試薬として
接触させて陽イオン交換基と導入することによって、芳
香族縮合系高分子の分子量の低減が生じる。このため、
陽イオン交換基を大量に導入すると機械的に弱い陽イオ
ン交換体となり、更には溶媒に可溶な高分子となってし
まう。従って、例えば、特開昭60−25100号公報に示さ
れているような極めて交換容量の小さい陽イオン交換膜
しか製造することができなかった。
そこで、陽イオン交換基を導入する方法としておだや
かな方法を採用する方法が考えられる。例えばトリエチ
ルホスフェートとSO3の錯体などを用いる方法である。
この方法によると、芳香族縮合系高分子の分子量の低減
は少なく、ある程度までスルホン酸基を導入することが
できる。しかしながら、この方法によっても市販の陽イ
オン交換程度のイオン交換容量、例えば、1.0ミリ当量
/グラム−乾燥膜まで陽イオン交換基を導入することは
困難であった。
このため、機械的強度の低減が無く、且つ充分な量の
陽イオン交換基を導入する方法が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題に鑑み、本発明者らは芳香族縮合系高分子
に、一旦ハロメチル基を導入し、次いで、これを、ルイ
ス酸存在下、陽イオン交換基又は陽イオン交換基に変換
可能な基を有する化合物と接触させると、該芳香族縮合
系高分子に陽イオン交換基又は陽イオン交換基に変換可
能な基が導入されると同時に該芳香族縮合系高分子の分
子量が増大することを見いだし、本願発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、ハロアルキル基を有し、且つ
イミド結合、アミド結合及びエステル結合を有さない芳
香族縮合系高分子を、ルイス酸存在下、陽イオン交換基
又は陽イオン交換基に変換可能な基を有する化合物と接
触させて、該芳香族縮合系高分子に該陽イオン交換基又
は該陽イオン交換基に変換可能な基が導入した後、その
まま或いは、該陽イオン交換基に変換可能な基を陽イオ
ン交換基に変換することを特徴とする陽イオン交換体の
製造方法である。
本発明で用いられる芳香族縮合系高分子は、イミド結
合、アミド結合及びエステル結合を有さない公知のもの
が何ら制限されず使用し得る。イミド結合、アミド結合
及びエステル結合を有する芳香族縮合系高分子は、後述
する陽イオン交換基導入試薬によって加水分解するため
に好ましくない。本発明に於いて好適に使用される芳香
族縮合系高分子は、一般には、フェニレン基、同志が直
接結合するか、又はオキシ基、チオ基、カルボニル基、
スルホニル基、アルキリデン基若しくはアルキレン基を
介して結合した芳香族縮合系高分子が好適である。この
ような芳香族縮合系高分子を一般式で示すと次のとおり
である。
本発明に於いて好適に使用し得る芳香族縮合系高分子
を具体的に例示すると、ポリフェニレン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケ
トン等の各樹脂並びにこれら相互の共重合体及びブレン
ド物等が挙げられる。特に、本発明に於いて好ましく用
いられる芳香族縮合系高分子は、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン及びポリフェニレンオキサイドである。
分子量は特に制限されず、5000〜10万の広い範囲から採
用することができる。
上記した芳香族縮合系高分子にハロアルキル基が導入
されるが、ハロアルキル基の導入は特に限定的ではな
く、従来公知の手段が用いられる。具体的にはクロルメ
チルメチルエーテル,クロルメチルエチルエーテル,ク
ロルメチルプロピルエーテル等のハロアルキルエーテル
とSnCl4,TiCl4,AlCl3,ZnO2,ZnCl2などのルイス酸と接触
させることによって導入される。これにはハロアルキル
基を導入するための従来公知の方法が何ら制限なく用い
られる。即ち、芳香族縮合系高分子をハロゲン系の有機
溶媒に溶解し、これにハロアルキルエーテル及び触媒で
あるルイス酸を添加する。この際該高分子溶液があまり
に濃厚であり、ハロアルキルエーテル及び触媒の添加が
急激に行われると該高分子のゲル化が生じる惧れがあ
る。従って該高分子の含ハロゲン系溶媒、例えば四塩化
炭素、エチレンジクロライド、1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエタンなどの濃度は40%以下であることが好ま
しい。ハロアルキルエーテルの量は、該芳香族縮合系高
分子の1繰返し単位を1当量とした場合に1/10〜5倍当
量の範囲で、また、触媒量はハロアルキルエーテルの量
と当量乃至5倍当量以下とすることが好ましい。一般に
温度を上昇すると反応の進行が早く、該芳香族縮合系高
分子はゲル化する可能性があるので、60℃未満で実施す
ることが好ましい。一般に該芳香族縮合系高分子のハロ
アルキルエーテルが導入されうる芳香環に1/2〜1/1000
の割合でハロアルキル基が導入される場合が好適であ
る。ここでいうハロアルキル基とはCH2 nX(nは1
以上の整数,Xはハロゲン)で示されるが、n=1〜12、
さらにはn=1であり、Xは塩素であることが好まし
い。ここで得られたハロアルキル基を有する芳香族縮合
系高分子に陽イオン交換基を導入するために陽イオン交
換基導入試薬と反応させる場合、ハロアルキル基を有す
る該芳香族縮合系高分子が存在していれば、他にハロア
ルキル基を有さない芳香族縮合系高分子が同時に存在し
ていてもよく、特にハロアルキル基を有する該芳香族縮
合系高分子が多くのハロアルキル基を含有する場合、具
体的には該芳香族縮合系高分子のハロアルキルエーテル
が導入されうる芳香環に1/10以上ハロアルキル基が導入
されている場合は他の芳香族縮合系高分子が共存してい
る場合が望ましい。この場合共存させる芳香族縮合系高
分子は陽イオン交換基導入試薬に対して安定なものであ
れば、ハロアルキル基が導入されている芳香族縮合系高
分子と同種のもの、同じ分子量のものであることが望ま
しいが、相溶性の良好な異種のもの、或いは同種で分子
量の違うものであってもよい。
さて、陽イオン交換体の導入方法は、前記のハロアル
キル基を有する芳香族縮合系高分子を、ルイス酸存在
下、陽イオン交換基を有する化合物と接触させるか、該
芳香族縮合系高分子を、ルイス酸存在下、陽イオン交換
基に変換可能な基を有する化合物と接触させた後、該陽
イオン交換基に変換可能な基を陽イオン交換基に変換す
ることによって行われる。ここで、上記のルイス酸と
は、ハロアルキル基を有する芳香族縮合系高分子に作用
して該高分子の分子量を増大させるものであれば特に制
限されず、陽イオン交換基等の導入時に使用されるルイ
ス酸触媒ばかりでなく、ルイス酸性を示す陽イオン交換
基を有する化合物自体をも含む概念である。
本発明で好適に採用される陽イオン交換基の導入方法
を例示すれば、例えば、スルホン酸基を導入するために
は、90%以上の硫酸;クロルスルホン酸などのハロスル
ホン酸;SO3;ジオキサン−SO3;トリアルキルアミン,ピ
リジン等の三級アミンとSO3の錯体などのスルホン酸基
導入試薬を用いる方法が採用される。また、リン酸基、
亜リン酸基を導入するためには、PCl3,POCl3,PCl5等と
ルイス酸であるAlCl3,SnCl4,TiCl4等の触媒が用いら
れ、後処理によって該陽イオン交換基を導入する方法が
採用される。さらに、カルボキシル基を導入するために
は、X−R−COR′,X−R−CN〔Xはハロゲン,Rは鎖
状,分岐状のアルキレン基,環状のアルキレン基又はア
リール基であり、R′はハロゲン原子、−OR″(R″は
炭素数が1〜12のアルキル基である。)又は−OM(Mは
水素イオン,金属イオン又は有機アミンである。)〕な
どをAlCl3,FeCl3,SnCl4等の触媒の存在下にフリーデル
クラフト反応を実施して導入し、後処理によってCOOH基
を導入する方法などが挙げられる。
本願発明の方法に於いては、ルイス酸の働きによっ
て、陽イオン交換基又は陽イオン交換基に変換可能な基
がハロアルキル基を有する芳香族縮合系高分子に導入さ
れると同時に、該芳香族縮合系高分子の分子量の増大が
起こる。この時の分子量の増加率は特に限定されない
が、製膜等の賦形後の強度を勘案すると、好適には、原
料として用いた高分子の分子量の3〜数百倍、さらに好
適には3〜数10倍である。本願発明の方法に於いて、分
子量の増加率は、ハロアルキル基の芳香族縮合系高分子
への導入割合、使用する溶媒の量、用いる陽イオン交換
基導入試薬やルイス酸触媒の種類及び量などの影響を受
けるので、分子量増加率が上記範囲となるように、これ
ら各条件を制御するのが好ましい。
さて、陽イオン交換基の該芳香族縮合系高分子への導
入割合は特に限定的ではないが、陽イオン交換体として
有効に作用する範囲であればよく、また使用目的によっ
て異なってくるが、通常、0.3〜3.0ミリ当量/グラム乾
燥樹脂までの範囲で導入しても本発明の製造方法に従う
かぎり、機械的強度に優れたものが得られる。
〔作用〕
本発明の方法により製造された陽イオン交換体の機械
的強度が低下しない原因は、陽イオン交換基導入試薬が
陽イオン交換基導入と同時にルイス酸として作用して予
め導入したハロアルキル基が高分子間,高分子内の縮合
反応,架橋反応を生じるためと思われる。そのため陽イ
オン交換基導入反応によって芳香族縮合系高分子は分子
切断による分子量低減反応よりも、分子量増大反応が並
行して進行し、高いイオン交換容量を導入したにも拘ら
ず、イオン交換体としたとき含水量が少なく、機械的に
強い膜となるものと思われる。具体的にはハロメチル基
の該高分子への導入割合、陽イオン交換基導入試薬反応
条件等によって異なってくるし、陽イオン交換基を導入
したときの高分子の正確な分子量は決め難いが原料とし
て用いた高分子の分子量の3倍乃至数10倍の分子量、場
合によっては数百倍のものとなっている。他方、従来の
芳香族縮合系高分子をそのままスルホン化試薬と反応さ
せた場合には、スルホン化されたものの分子量の原料の
高分子と同一か低下しており、明らかに相違が認められ
る。
〔効果〕
本発明のイオン交換体の製造方法によってイオン交換
容量が大きく、含水量が小さく、且つ機械的強度に優れ
た陽イオン交換体を作ることが出来た。これは膜状物、
管状物、球状、繊維状物等々各種の陽イオン交換体とし
たとき、或いは電気透析、電極反応の隔膜としたときは
膜の電気抵抗の低下を招き、異符号イオン間選択性が向
上し、濃度勾配によってイオン透過させるときは透過量
の増大をもたらした。更に機械的に強くなったことは工
業設備に於いて極めて安定して操業を連続して続けるこ
とを可能にした。
実施例1 で示される繰返し単位よりなるポリエーテルスルホン
を10%となるようにエチレンジクロライドに溶解した。
この溶液1000重量部に対して50重量部のClCH2OCH3を加
えて均一としたのちに、これに18重量部の無水のSnCl4
を加えて30℃に5時間保った。次いで、これを大量のメ
チルアルコール中に注ぎ、ゴム状のポリマーをとり出し
た。充分にエタノール,次いで水で洗浄したのち減圧乾
燥して元素分析及び赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、上記の繰返し単位3単位あたり1ケのクロルメチル
基が導入されていることが分った。次いで、このポリマ
ー10重量部を90重量部のエチレンジクロライドに溶解し
て後、4℃に冷却して純度約90%のクロルスルホン酸を
滴下した。ポリマーの単位当量数あたり3倍量のクロル
スルホン酸を添加したのち3時間放置し、下方に析出し
たゴム状のポリマーをとり出し、氷冷した水中に入れて
過剰のクロルスルホン酸を除いた。
得られたスルホン酸基とクロルスルホン酸基を併せ有
するポリマーをN−メチルピロリドンに溶解して30%の
粘稠な溶液とした。これを水平にしたガラス板上に薄層
クロマトグラフィーの装置によって厚み0.2mmにコーテ
ィングして空気中に10分間放置後、水中に投入した。充
分に水を交換したのち、ガラス板からフイルムをはぎと
り、0.5規定のNaOH中に5時間浸漬し、0.5N NaClと1N H
Clでコンディショニング後、性質の測定をした。0.5N N
aCl中で1000サイクル交流で測定した電気抵抗は0.5Ω−
cm2であり、膜の一方に2mの水圧をかけたときの透水量
は測定出来なかった。これを用いて海水の電気透析濃縮
をしたところ(陰イオン交換膜は徳山曹達(株)製NEOS
EPTA ACSを用いた)、3A/d m2の電流密度,25℃で、3.5
規定の濃縮液が電流効率92%で得られた。尚、この膜の
交換容量は1.20ミリ当量/グラム乾燥膜であった。
他方、同一のポリマーをクロルメチル化反応すること
なく、そのままで10重量部を90重量部のエチレンジクロ
ライドに溶解して、これに同様にして冷却下にクロルス
ルホン酸を滴下して、同様にしてポリマーをとり出し、
N−メチルピロリドン溶液から流延法によって製膜し
た。得られた膜の交換容量は1.18ミリ当量/グラム乾燥
膜であった。膜の電気抵抗は同様にして測定し0.5Ω−c
m2であったが、2mの水圧下で5cc/minの透水量があっ
た。これを用いて同様に海水濃縮を実施したところ、2.
6規定の濃縮液が電流効率70%で得られたが、機械的に
非常に弱いフイルムであった。本発明の膜を破裂強度測
定装置で測定したところ2kg/cm2であったが、比較のた
めに作った膜は0.5kg/cm2以下であった。
実施例2 の繰返し単位よりなるポリスルホン100重量部を、エチ
レンジクロライド1000重量部に溶解した。次いでこれに
約20重量部のClCH2OCH3を加え、更にZnOを約7.4重量部
加えて均一にして30℃で6時間撹拌下に反応させた。反
応中に次第に粘度が上昇した、これを大量のメタノール
中に投入し得られたゴム状のポリマーを分け、更に充分
にメタノール及び水で洗浄した。このポリマーを減圧乾
燥後元素分析し、更に赤外吸収スペクトルを測定したと
ころ、上記式の繰返し単位3.5個に1個の割合でクロル
メチル基が導入されていた。
次いで、このポリマーをエチレンジクロライドに溶解
した。他方、(C2H53P=0をエチレンジクロライドに
溶解した中にSO3を吹き込んで(C2H53P=0とSO3の錯
体を形成し、これを溶解したクロルメチル基が導入され
たポリマーの繰返し単位一つに対して2倍量となるよう
に溶解した。先に調整したポリマー溶液と錯体溶液を混
合し、スルホン化反応を行った。8時間混合溶液を放置
して沈降したゴム状のポリマーをとり出した。充分に水
洗,メタノール洗浄,水洗を繰返し過剰のSO3を除いた
あと減圧乾燥してスルホン酸基のあるポリマーを得た。
次いで、このポリマーをN−メチルピロリドンに溶解
し、30%溶液としたのち、これを実施例1と同様にして
厚さ0.2mmのフィルムとした。これの電気抵抗を測定し
たところ0.6Ω−cm2であり、2mの水圧下で透水量は全く
認められなかった。この膜を用いて25℃で海水の濃縮実
験をしたところ得られた濃縮液濃度は3.6規定であり、
電流効率92%であった。尚、このとき陰イオン交換膜と
して徳山曹達(株)製NEOSEPTA ACSを用いた。また得ら
れた膜は表層部に緻密層があり、内部は多孔質であっ
た。陽イオン交換膜の交換容量は1.35ミリ当量/グラム
乾燥膜であった。本発明の膜の破裂強度は3.5kg/cm2
あった。
他方、上記のポリスルホンをクロルメチル化すること
なく、そのままエチレンジクロライドに溶解し、(C
H33P=0とSO3の錯体で同じ条件でスルホン化処理し
た後、得られたポリマーをN−メチルピロリドンに溶解
して同様に製膜したところ、交換容量は1.35ミリ当量/
グラム乾燥膜であり、膜の電気抵抗は0.6Ω−cm2で、2m
の水圧下での透水量は3cc/mmであり、海水濃縮を実施し
たところ2.7規定の濃縮液が電流効率65%で得られた。
また、本発明の膜に比較して著しく機械的に弱く、機械
的強度は0.3kg/cm2であった。尚、海水濃縮にあたって
は得られた膜は非対称構造を有しており、表層部の緻密
層のある部分を海水側に向けて電気透析濃縮した。
実施例3 実施例2で得たスルホン酸基が導入されたポリマーを
40%のN−メチルピロリドンに溶解し、内径3mmのガラ
ス管より水中に滴下していき球状の多孔質の粒子を得
た。これの陽イオン交換容量は1.35ミリ当量/グラム−
乾燥樹脂であり、通常の陽イオン交換樹脂に使用出来、
且つ比重はスチレン−ジビニルベンゼン共重合体をスル
ホン化したものより軽量であった。
実施例4 実施例1で得たクロルメチル基を導入したポリエーテ
ルスルホンをエチレンジクロライド中に20重量部になる
ように溶解した。他方、エチレンジクロライド100重量
部にPCl3を20重量部を溶解し、更に無水の塩化アルミニ
ウムを5重量部溶解した。この両方の液を均一に混合し
て反応を実施した。30℃で5時間反応させた。反応が進
行して析出して来たポリマーをとり出して後、エチレン
ジクロライドで充分に洗浄した。得られたポリマーは減
圧乾燥して塊状のポリマーを得た。これを元素分析して
リンの分析をしたところ芳香環4ケに1ケの割合で−PC
l2が導入されていた。
このポリマーをN−メチルピロリドンに30%となるよ
うに溶解し、実施例1と同様にして0.2mmの厚みのフイ
ルムとした。得られたフイルムは1.0N NaOHの水とメタ
ノールの1:1の混合溶液に5時間浸漬して−PCl2を−(O
H)に加水分解し、更に1Nの硝酸中に16時間して とした。この膜の電気抵抗は0.5N NaCl中で測定して1.2
Ω−cm2,0.5規定と2.5規定の食塩水の間で測定した膜電
位から計算した輸率は0.86であった。
他方、クロルメチル基を導入していない同一のポリエ
ーテルスルホンを用いて同様の方法によってリン酸基の
導入を試みたが、得られた高分子は水溶性となった。
尚、本発明の陽イオン交換膜の機械的は2.5kg/cm2であ
った。
実施例5 ポリパラフェニレンオキサイド, を溶媒に10%となるように溶解し、次いでこれに常法に
よってクロルメチルメチルエーテル,無水四塩化スズを
加えてクロルメチル化反応を実施した。次いで、これを
大量のメチルアルコール中に注ぎ、析出したゴム状のポ
リマーをとり出し、水で充分に洗浄したのち減圧乾燥し
て元素分析及び赤外吸収スペクトルを測定し、クロルメ
チル基がフェニレン基の20ケに1ケの割合で導入されて
いることが分った。次いで、このポリマーを溶媒に溶解
してガラス板上に実施例1と同様に流延した後、10分後
水中に浸漬した。ガラス板からはぎとったフイルムは0.
2mmで表面のみ緻密構造を有した多孔膜であった。これ
をクロルスルホン酸2部、四塩化炭素1部の液に10時
間、4℃で浸漬したのち、10%の苛性ソーダ水溶液中に
浸漬してスルホニルクロライド基を加水分解したとこ
ろ、イオン交換容量が1.9ミリ当量/グラム乾燥膜の陽
イオン交換膜となり、膜の電気抵抗0.3Ω−cm2(0.5規
定食塩水中,25.0℃)で膜電位から求めた輸率は0.88で
あった。また機械的強度は破裂強度を求めたところ4.2k
g/cm2であった。
他方、クロルメチル基の導入をしていないフイルムを
同様にしてスルホン化処理してイオン交換容量を1.9ミ
リ当量/グラム乾燥膜まであげたところフイルムは溶解
した。
実施例6 実施例2で得たクロルメチル基の導入されたポリスル
ホンをエチレンジクロライドに10%となるように溶解し
た、他方、エチレンジクロライド100部に を10部溶解し、これに無水ZnCl2を1部溶解したのち、
両方の液を混合した。40℃に6時間放置して、ポリマー
にニトリル基が導入されたことを赤外吸収スペクトルで
確認した。得られたポリマーは一但乾燥して固型のポリ
マーを取り出したのち、N−メチルピロリドンに溶解し
て実施例2と同様にして0.2mmのフイルムとした。これ
を濃塩酸中に浸漬し、24時間沸騰させてニトリル基を加
水分解して、カルボン酸基に変換した。この膜の電気抵
抗は0.5N HCl中で2.3Ω−cm2で、0.5N NaOHと2.5N NaOH
の間で発生した膜電位から求めた輸率は0.88であった。
この膜の機械的強度は4.3kg/cm2であった。
他方、クロルメチル基を導入していないポリスルホン
に同様の反応を実施したのち、同様にして製膜し、加水
分解処理したところ、機械的強度は1.1kg/cm2であっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロアルキル基を有し、且つイミド結合、
    アミド結合及びエステル結合を有さない芳香族縮合系高
    分子を、ルイス酸存在下、陽イオン交換基又は陽イオン
    交換基に変換可能な基を有する化合物と接触させて、該
    芳香族縮合系高分子に該陽イオン交換基又は該陽イオン
    交換基に変換可能な基を導入した後、そのまま或いは、
    該陽イオン交換基に変換可能な基を陽イオン交換基に変
    換することを特徴とする陽イオン交換体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE3407719A1 (de) * 1984-03-02 1985-09-05 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Membrane aus im wesentlichen unvernetzten organischen polymeren, die ionogene gruppen gebunden enthalten

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JPS6420237A (en) 1989-01-24

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