JPH0859992A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0859992A
JPH0859992A JP6218144A JP21814494A JPH0859992A JP H0859992 A JPH0859992 A JP H0859992A JP 6218144 A JP6218144 A JP 6218144A JP 21814494 A JP21814494 A JP 21814494A JP H0859992 A JPH0859992 A JP H0859992A
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Takao Kimura
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Otsuka Chemical Co Ltd
Cosmo Research Institute
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低誘電率、低誘電正接で充分な強度を有する
樹脂組成物であり、電子部材用、特に高周波電子部材用
に好適な樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)一般式Aで表されるポリエーテルイミ
ド、(B)一般式Bで表されるポリフェニレンエーテル
及び(C)芳香族ビニル系樹脂からなる熱可塑性樹脂組
成物に、(D)一般式aMXY・bSiO2・cH2
(ここでa,b,cおよびx,yは1≦a≦6,1≦b
≦6,0≦c≦10の実数、x=2,y=1、x=y=
1又はx=2,y=3、Mは金属元素)で示されるケイ
酸塩系繊維状物を、前記熱可塑性樹脂及び当該繊維状物
の合計重量を基準にして5〜60重量%の割合で配合し
てなることを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低誘電率、低誘電正接
で充分な強度を有する樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエーテルイミドは、耐熱性、電気絶
縁性、機械的特性などにおいて優れた性質を有すること
から、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途
に利用されている。さらに、その優れた耐熱性、電気絶
縁性によりICなどの電子部品プリント配線基板などの
電気絶縁材料として利用されている例も多い。しかし、
ポリエーテルイミドのような縮合系の芳香族高分子にお
いては、一般にその誘電率が高く、高密度・多集積用も
しくは高速度・高周波回路用の材料としては、その性能
に限界がある。他方、ポリフェニレンエーテルは、上記
のようなポリエーテルイミドと比較すると耐熱性には劣
るが、誘電率が低く、電気的特性は優れている。
【0003】最近、これらの性質の異なる2種もしくは
それ以上のポリマーをブレンドして、それぞれのポリマ
ーの特性を併せ持つポリマーブレンドを設計する研究が
盛んに行われている。例えば、ポリエーテルイミドにポ
リフェニレンエーテルを混合したポリマーブレンドが特
開昭59−500723号公報、特開平2−3446号
公報、特開平3−502107号公報などで提案されて
いる。しかしながら、これらは非相溶系であり、非相溶
系のポリマーブレンドの場合、特に機械的物性に劣ると
いう欠点を有していた。また、電子部品用途、特に高周
波回路に用いられる電子部品用途においては非相溶性に
起因する表面平滑性の劣化と製品の電気的特性のばらつ
きは致命的な問題となっている。即ち、第一に、高周波
での回路基板中を進む電子の振る舞いについて最近の研
究からわかってきたことであるが、高周波回路中を進む
電子は基板と導線との接触面もしくは導線とコート膜の
接触面の近傍を進むため、回路基板の表面平滑性の悪化
が、直ちに信号の伝達速度の低下をもたらすため、表面
平滑性の劣る非相溶性樹脂は好ましくない。第二に、近
年の電子回路の精密化により、微細な部品に対して均質
であることが要求されているが、非相溶性の樹脂におい
ては、かかる均質性を確保することができないため好ま
しくない。
【0004】一方、回路基板としては、マトリックス樹
脂の機械的強度の向上と、ハンダ付け時等の耐熱性の向
上、線膨張係数の低下(寸法精度の向上)等を目的に、
樹脂にフィラーを配合してなるものが一般に知られてい
る。例えば、従来、ガラスマットに熱硬化性樹脂である
エポキシ樹脂を含浸、硬化させて作成された、ガラスエ
ポキシ基板が一般的に用いられている。しかしながら、
このものは平面プリント基板としてしか使えるものでは
なかった。また、回路基板とシャーシなどの構造部品
を、射出成形により一体化できるように三次元成形回路
基板を、熱可塑性樹脂をマトリクスとし、強化繊維とし
てガラス繊維、ミルドガラスファイバー、またはチタン
酸カリウムウィスカーを使用してなる樹脂組成物をもっ
て形成することも提案されている(特開平3−3558
5号公報)。しかしながら、これらのものは、例えばガ
ラスエポキシ樹脂においては高い誘電率(4.5〜5.
5)と、誘電正接(0.020〜0.035)のものであ
り、また特開平3−35585号公報で提案されている
樹脂組成物にあっては、誘電率は比較的小さく抑えられ
ているものの誘電正接が高いため誘電損失が大きく、い
ずれも、以下の理由から満足すべきものではなかった。
【0005】すなわち、電気信号の伝播遅延時間Td(n
s/m)は、Td=3.33×(εeff)1/2 (εeffは実効
誘電率)の関係があり、誘電率が小さいほど伝播遅延時
間が短く、つまり伝播速度が速くなり、高速演算が可能
となることがわかる。また、誘電損失αD(dB/m)
は、αD=27.3×(f/c)×(ε)1/2×tanδ
(f:周波数 c:光速 ε:誘電率 tanδ:誘電正
接)の関係があり、誘電損失を小さくするためには誘電
率と誘電損失が共に小さな基板が必要であることがわか
る。誘電損失の大きな基板は、特に高周波情報を扱う機
器類への用途、例えばギガヘルツ帯の電波を用いる衛星
放送や衛星利用通信、携帯電話等のデジタル通信、高速
度演算コンピューター、AV関連機器等においては情報
伝達率を低下させ、ノイズやエラーを発生させるおそれ
があるため使用に大きな制約があり好ましくない。さら
に、ガラス繊維等の粗い繊維(繊維径5〜15μm、繊
維長100μm)を用いているため表面平滑性に劣り、
殊にエッチング処理後の平滑性が悪いために前述した問
題に加えて、微細回路のメッキ形成時に被覆のばらつき
を生じる問題や、ワイヤーボンダーで金線を接続する際
に、ワイヤーボンダーの先端部を傷めるといった問題も
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題に鑑み、低誘電率、低誘電正接で充分な強
度を有する樹脂組成物であり、電子部材用、特に高周波
電子部材用に好適な樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)一般式A
で表されるポリエーテルイミド、(B)一般式Bで表さ
れるポリフェニレンエーテル及び(C)芳香族ビニル系
樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物に、(D)一般式aM
XY・bSiO2・cH2O(ここでa,b,cおよび
x,yは1≦a≦6,1≦b≦6,0≦c≦10の実
数、x=2,y=1、x=y=1又はx=2,y=3、
Mは金属元素)で示されるケイ酸塩系繊維状物を、前記
熱可塑性樹脂及び当該繊維状物の合計重量を基準にして
5〜60重量%の割合で配合してなることを特徴とする
樹脂組成物に係る。
【0008】
【化5】 式中、R1は〔化6〕で示される基、R2は〔化7〕で示
される基、mは1〜1000の整数を表す。
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】 式中、X1〜X4は水素またはメチル基、nは1〜100
0の整数を表す。
【0012】以下にまず、本発明の樹脂組成物の各成分
について説明する。本発明の(A)一般式Aで表される
ポリエーテルイミドにおいて、R1、R2としては化6及
び化7で表される各種の2価の基を、mとしては1〜1
000の整数を挙げることができる。なかでもその性
能、製造の容易さ等の面で一般式A’で表されるポリエ
ーテルイミドが好ましい。
【0013】
【化9】 mは1以上、好ましくは10〜1000の整数を表す。
【0014】本発明の(B)一般式Bで表されるポリフ
ェニレンエ−テルにおいて、X1〜X4としては水素また
はメチル基を、nとしては1〜1000の整数を挙げる
ことができる。なかでもその性能、製造の容易さ等の面
で一般式B’で表されるものが好ましく用いられる。
【0015】
【化10】 nは1以上、好ましくは10〜1000の整数を表す。
【0016】本発明に使用することができる(C)芳香
族ビニル系樹脂としては、その性能、生産性、コストな
どの面から好ましい具体例として、スチレン−グリシジ
ルメタクリレートランダム共重合体、エポキシ変性スチ
レン−スチレングラフト共重合体、エポキシ変性スチレ
ン系共重合体、あるいはスチレン−無水マレイン酸共重
合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体などのマ
レイン酸変性スチレン共重合体などを挙げることができ
る。中でも、エポキシ変性スチレン−スチレングラフト
共重合体、エポキシ変性スチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体は相溶
化効率が高いため好ましく用いられる。本発明に使用す
ることができる(D)一般式aMXY・bSiO2・cH
2O(ここでa,b,cおよびx,yは1≦a≦6,1
≦b≦6,0≦c≦10の実数、x=2,y=1、x=
y=1又はx=2,y=3、Mは金属元素)で示される
ケイ酸塩系繊維状物において、MとしてはMg、Ca、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Sr、
Y、Zr、Nb、Mo、Pb、Ba、W、Liが挙げられる。
また、Mは2種以上であってもよい。本発明で使用する
ことのできる上記ケイ酸塩系繊維状物としてはCaO・
SiO2を主成分とするワラストナイト及び6CaO・6
SiO2・H2Oで示されるゾノトライト、3Al23・2
SiO2で示されるムライト、2ZnO・SiO2で示され
るケイ酸亜鉛、2MgO・3SiO2・3.5H2Oで示さ
れるセピオライト、3MgO・2SiO2・2H2Oで示さ
れるクリソタイル等が挙げられる。
【0017】本発明に使用することができる上記ケイ酸
塩系繊維状物の中でも、CaO・SiO2を主成分とする
ワラストナイト及び6CaO・6SiO2・H2Oで示され
るゾノトライトを用いた場合に樹脂組成物の誘電率、誘
電正接を極めて低くできるため特に好ましい。これらの
繊維状物を、繊維中に50重量%以上、好ましくは80
重量%以上含有するものであってもよく、ホウ酸マグネ
シウム、ホウ酸アルミニウム等を併せて配合したもので
あってもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲
で、ガラスファイバー、チタン酸カリウムウィスカー、
炭素繊維、ミルドガラスファイバーを併用してもよい。
ワラストナイトは天然に産出する白色針状結晶であり、
形状としては繊維状のものや塊状のものを問わず、その
まま又は粉砕、分級したものが使用可能であり、合成し
たものであってもよい。中でも、できるだけ均質になる
よう分級されたものもしくは合成されたものが好まし
い。繊維状物は、粉砕方法及び産地によりアスペクト比
や繊維径に差異を生じるが、一般にアスペクト比の大き
なβ型のワラストナイトが補強性能の点から望ましい。
ワラストナイトとしては、アスペクト比が6以上の成分
を60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有して
おり且つ繊維径5μm以下の成分を80重量%以上、好
ましくは95重量%以上含有している細くて長いワラス
トナイトを使用するのがよい。アスペクト比が6以上の
成分を60重量%以上含有しているものであっても、繊
維径5μm以上の成分を80重量%以上含有しているよ
うな太くて長いワラストナイトの場合には、樹脂との混
練中に折れ易く、機械的性質を兼備させることは困難で
ある。現在市販されているワラストナイトにも上記の水
準を満たすものがあり、このものの平均繊維径は2.0
μm、平均繊維長は25μmであり、繊維径が5μm以下
の成分が95重量%以上で且つアスペクト比が6以上の
成分が90重量%以上であるため、補強性能や表面平滑
性に極めて優れている。
【0018】一方、ゾノトライトは化学組成6CaO・
6SiO2・H2Oで示される繊維状珪酸カルシウムであ
り、既に平均繊維径0.5〜1μm、平均繊維長2〜5μ
m、アスペクト比2〜15のものが合成されている。ゾ
ノトライトはワラストナイトとは異なり、結晶水を含有
しているものの、本発明者等は、誘電特性についてはワ
ラストナイトと同様の効果、即ち、低誘電率を有し且つ
樹脂への配合により誘電損失を低下させる効果を有する
ことを見いだした。また、補強効果についても出来るだ
けアスペクト比の大きな(6以上が好ましい)ものを用
いることにより機械的物性及び耐熱性(熱変形温度)を
向上させる効果が得られることを認めた。
【0019】次に、本発明の樹脂組成物の配合比率につ
いて説明する。(A)一般式Aで表されるポリエーテル
イミドと(B)一般式Bで表されるポリフェニレンエー
テルとの配合割合は、(A):(B)=1〜99:99
〜1(重量比)とするのがよく、好ましくは95〜5:
5〜95(重量比)、更に好ましくは90〜10:10
〜90(重量比)とするのがよい。(A)成分が少なす
ぎると、機械的強度が低下するため好ましくなく、
(B)成分が少なすぎると誘電率及び誘電正接が上昇す
るため好ましくない。(A)成分と(B)成分との配合
比率は上記の範囲中で目的とする樹脂組成物の性質に応
じて適宜選択すればよい。(C)成分の芳香族ビニル系
樹脂より選ばれる少なくとも一つは、(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜20重量部配合するのがよ
い。(C)成分の量が少なすぎると、ポリエーテルイミ
ドとポリフェニレンエーテルの相溶性が低下し、均一な
ポリマーアロイが製造できないばかりか、機械的物性及
び電気的物性が安定しないため好ましくない。逆に多す
ぎると、耐熱性が低下し、さらには機械的強度をも低下
させるため好ましくない。
【0020】(C)成分としてエポキシ変性スチレン−
スチレングラフト共重合体及び/又はエポキシ変性スチ
レン−メチルメタクリレートグラフト共重合体を用いる
場合には、これらの芳香族ビニル系樹脂は特に相溶化効
果が高いため、(A)成分と(B)成分の合計100重
量部に対して0.1〜5重量部程度添加すればよい。0.
1〜1.0重量部でも、完全な相溶化が可能であるが、
0.1〜5重量部の範囲で好適に使用できる。(C)成
分としてスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−フ
ェニルマレイミド共重合体などのマレイン酸変性スチレ
ン共重合体や、スチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体は、上記のグラフト共重合体に比較すると若干相
溶化効果に劣るため、これらを用いる場合には、(A)
成分と(B)成分の合計100重量部に対して、1.0
〜30重量部添加することが望ましいが、機械的物性や
耐熱性を考慮すると20重量部未満とするのが好まし
い。
【0021】(D)成分として用いられる一般式aMX
Y・bSiO2・cH2O(ここでa,b,cおよびx,
yは1≦a≦6,1≦b≦6,0≦c≦10の実数、x
=2,y=1、x=y=1又はx=2,y=3、Mは金
属元素)で示されるケイ酸塩系繊維状物の量は、上記
(A)〜(C)成分からなる熱可塑性樹脂及び当該
(D)成分の繊維状物の合計重量を基準として5〜60
重量%、好ましくは10〜50重量%配合するのがよ
い。(D)成分の配合量が全体の5重量%を下回ると、
誘電正接低下効果や機械的物性、耐熱変形性及び熱伝導
率の改良効果が充分でないため好ましくなく、60重量
%を超えると熱可塑性樹脂への溶融混練が困難となった
り、混練、分散操作の際に粘度の上昇を招き、成形を著
しく困難とするため好ましくない。
【0022】本発明においては、(A)〜(D)の必須
成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で(1)ポリ
マーと繊維状物の界面の親和性や接合性を向上させ、機
械的強度を改良するために、シラン系カップリング剤、
チタネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カ
ップリング剤を、(2)メッキ性を改良するために、タ
ルクなどの微粒子性充填剤を、(3)熱安定性を改良す
るために、酸化防止剤を、(4)耐光性を改良するため
に、紫外線吸収剤を、(5)難燃性を改良するために、
難燃剤及び難燃助剤を、(6)耐衝撃性を改良するため
に、耐衝撃性付与剤を、(7)潤滑性を改良するため
に、滑剤、摺動性改良剤(固体潤滑剤、液体潤滑剤)
を、(8)着色するために、染料、顔料などの着色剤
を、それぞれ配合することができる。本発明の樹脂組成
物を製造するに当たっては、従来公知の方法を広く採用
でき、加熱機能と混合機能を備えた混合ミキサーや、一
軸もしくは二軸のスクリュー押出機などの製造装置を使
用して製造することができる。中でも、二軸スクリュー
押出機を用いて、メインホッパーより樹脂成分を所定の
配合で混合して供給し、溶融混練中のものに、繊維状物
を投入し、さらに混練する方法が好ましい。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説
明する。 実施例1〜3及び比較例1〜5 (A)成分として”ウルテム#1010−1000”
(日本ジーイープラスチック株式会社 販売の商品名)
を(B)成分として、ガラス転移温度206.5℃、固
有粘度ηrel0.55(クロロホルム中、23℃で測
定)のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ
ーテルを、(C)成分としてエポキシ変性スチレン−ス
チレングラフト共重合体(東亜合成化学工業株式会社
商品名“RESEDA GP−500”)を、(D)成
分として、ワラストナイト(平均繊維径2.0μm、平均
繊維長25μmの米国で市販されているもの)、ゾノト
ライト(平均繊維径0.7μm、平均繊維長5.2μm、
宇部興産株式会社製)、及び比較のためのK2O・6Ti
2の組成を持ち、平均繊維径0.4μm、平均繊維長1
5μmのチタン酸カリウムウィスカー(大塚化学株式会
社製 商品名”TISMO N”)をそれぞれ使用し
た。
【0024】試験片の製造にあたっては、まず、二軸押
出機(池貝鉄工株式会社製 PCM45)を用い、
(A)〜(C)成分をメインホッパーから投入し、繊維
状物をサイドホッパーから途中投入する方法を採用し、
シリンダー温度を340℃にして、表1〜3に示す各配
合にて溶融混練した後、ペレットを作成した。ペレット
を乾燥後、射出成形機(住友重機械工業株式会社製 商
品名 ミニマット26/15B)にて、シリンダー温度
340℃、金型温度80℃、射出圧力1400kgf/cm2
にて射出成形した。この成形体につき、誘電率及び誘電
正接はJIS K−6911、熱伝導率はJISA−1
413(平板直接法)、曲げ強度及び曲げ弾性率はJI
S K−7203、アイゾット衝撃強さ(後ノッチ付
き)はJIS K−7110により、それぞれ測定し
た。測定結果をまとめて表1〜3に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例1〜3と比較例1の結果から、
(D)成分のワラストナイトを5〜60重量%配合する
ことにより、機械的物性及び耐熱性(熱変形温度)が向
上することはもちろんのこと、ポリエーテルイミドとポ
リフェニレンエーテルのポリマーアロイの特徴である低
誘電率を維持したまま、誘電正接を小さくする効果が大
きいことがわかる。また、熱伝導率を大きくし、放熱性
を上げる効果も大きいことがわかる。実施例2と比較例
2〜3の結果から、ポリマーアロイ化することにより、
それぞれの優れた特性(ポリフェニレンエーテルの靱性
及び誘電特性に優れる点と、ポリエーテルイミドの曲げ
特性に優れる点と)を兼備し、電気、電子機器用の回路
基板材料として極めて望ましい樹脂組成物であることが
わかる。実施例2と比較例4の結果から、(C)成分
(相溶化剤)を使用しないと、殊に機械的物性が劣るの
に対し、(C)成分としてのエポキシ変性スチレン−ス
チレングラフト共重合体を1重量部添加したのみで相溶
性が改善され、物性が大幅に改良されることがわかる。
【0029】比較例5から、類似形状のウィスカーで
も、チタン酸カリウムウィスカーでは、誘電率及び誘電
正接が大きくなり、殊に誘電正接のアップ率が大で、回
路基板材料としては不適であること、及び熱伝導率も若
干小さく、放熱性に劣ることも明らかである。なお、実
施例2の樹脂組成物の12GHzでの誘電特性をネット
ワークアナライザー(8510C、Hewlet Pa
ckard社製)を用い、空洞共振法にて測定したとこ
ろ、誘電率は2.8、誘電正接は0.0010とGHz帯
でも良好な誘電特性を示し、高周波材料として実用性の
高いことが確認できた。
【0030】実施例4〜6 (C)成分としてスチレン−無水マレイン酸共重合体
(スチレン/マレイン酸=75/25重量%、ランダム
共重合体)を用い、繊維状物として平均繊維径0.7μ
m、平均繊維長5.2μmのゾノトライトを用いたものを
実施例4,5とした。また、実施例2のエポキシ変性ス
チレン−スチレングラフト共重合体に代えて、エポキシ
変性スチレン−メチルメタクリレート共重合体(東亜合
成化学工業株式会社 製品名RESADA GP−30
0)を用いたものを実施例6として、表4に示す配合に
て、実施例1〜3及び比較例1〜5と同様にしてペレッ
トを作成し、射出成形した後、実施例1〜3及び比較例
1〜5と同様に物性評価を行った。結果をまとめて表4
に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表4より次のことが明らかである。実施例
4,5よりゾノトライトは、補強効果においては若干劣
るものの誘電特性はさらに優れ、誘電率を低く維持し、
誘電正接を下げる効果はワラストナイトよりさらに大き
いことがわかる。実施例6から、エポキシ変性スチレン
にメチルメタクリレートをグラフトした共重合体も
(C)成分として優れていることがわかる。この場合
も、実施例1,2で用いたエポキシ変性スチレン−スチ
レングラフト共重合体と同様に、1重量部近辺でも相溶
性は良好であることがわかる。
【0033】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の樹脂組
成物は、ポリエーテルイミドとポリフェニレンエーテル
の相溶性を改良することにより、ポリフェニレンエーテ
ルの強靱性、誘電特性に優れる点と、ポリエーテルイミ
ドの機械的強度、耐熱性に優れる点とを兼備し、しか
も、一般式aMXY・bSiO2・cH2O(ここでa,
b,cおよびx,yは1≦a≦6,1≦b≦6,0≦c
≦10の実数、x=2,y=1、x=y=1又はx=
2,y=3、Mは金属元素)で示されるケイ酸塩系繊維
状物を配合することにより、機械的強度、熱変形温度
(ハンダ耐熱性)をさらに高めることはもちろんのこ
と、誘電率を低く維持したまま、誘電正接を大幅に小さ
くでき、また熱伝導率が大きくなり、放熱性の改良され
た回路基板として、極めて望ましい低誘電性樹脂組成物
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 郁恵 東京都港区芝浦1−1−1 株式会社コス モ総合研究所内 (72)発明者 木村 孝夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式Aで表されるポリエーテル
    イミド、(B)一般式Bで表されるポリフェニレンエー
    テル及び(C)芳香族ビニル系樹脂からなる熱可塑性樹
    脂組成物に、(D)一般式aMXY・bSiO2・cH2
    O(ここでa,b,cおよびx,yは1≦a≦6,1≦
    b≦6,0≦c≦10の実数、x=2,y=1、x=y
    =1又はx=2,y=3、Mは金属元素)で示されるケ
    イ酸塩系繊維状物を、前記熱可塑性樹脂及び当該繊維状
    物の合計重量を基準にして5〜60重量%の割合で配合
    してなることを特徴とする樹脂組成物。 【化1】 式中、R1は〔化2〕で示される基、R2は〔化3〕で示
    される基、mは1〜1000の整数を表す。 【化2】 【化3】 【化4】 式中、X1〜X4は水素またはメチル基、nは1〜100
    0の整数を表す。
  2. 【請求項2】 (C)の芳香族ビニル系樹脂が、エポキ
    シ変性スチレン系共重合体およびマレイン酸変性スチレ
    ン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種であ
    る請求項1の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)の芳香族ビニル系樹脂がエポキシ
    変性スチレン−スチレングラフト共重合体およびエポキ
    シ変性スチレン−メチルメタクリレートグラフト共重合
    体よりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、一般
    式Aで表されるポリエーテルイミドと一般式Bで表され
    るポリフェニレンエーテルとの合計100重量部に対し
    て0.1〜5重量部の割合で配合される請求項1の樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 (C)の芳香族ビニル系樹脂がマレイン
    酸変性スチレン共重合体であり、一般式Aで表されるポ
    リエーテルイミドと一般式Bで表されるポリフェニレン
    エーテルとの合計100重量部に対して1〜30重量部
    の割合で配合される請求項1の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 一般式aMXY・bSiO2・cH2Oで
    示されるケイ酸塩系繊維状物が式CaO・SiO2で示さ
    れるワラストナイト及び式6CaO・6SiO2・H2Oで
    示されるゾノトライトよりなる群より選ばれる少なくと
    も一種である請求項1〜4のいずれかの樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ケイ酸塩系繊維状物が式CaO・SiO2
    で示されるワラストナイトであり、アスペクト比が6以
    上の成分を60重量%以上含有しており、且つ繊維径5
    μm以下の成分を80重量%以上含有しているワラスト
    ナイトである請求項1〜5のいずれかの樹脂組成物。
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