JPH0860236A - 高精度部品の製造方法 - Google Patents

高精度部品の製造方法

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JPH0860236A
JPH0860236A JP19342394A JP19342394A JPH0860236A JP H0860236 A JPH0860236 A JP H0860236A JP 19342394 A JP19342394 A JP 19342394A JP 19342394 A JP19342394 A JP 19342394A JP H0860236 A JPH0860236 A JP H0860236A
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JP
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carburizing
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less
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sec
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Application number
JP19342394A
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English (en)
Inventor
Kanji Hirahara
幹士 平原
Yukio Arimi
幸夫 有見
Shinichi Yasuki
真一 安木
Yoshitake Matsushima
義武 松島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Kobe Steel Ltd filed Critical Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術におけるような不都合を生じること
なく、高精度化を達成することによって、静粛性の向上
が図れるような高精度部品を提供する。 【構成】 C:0.03〜0.30%,Si:0.50
%以下(0%を含む),Mn:0.3〜3.0%,P:
0.030%以下(0%を含む),S:0.035%以
下(0%を含む),Al:0.015〜0.06%,
N:0.005〜0.03%を夫々含み、必要によって
Cr,Mo,V,Ni,Cu,Ti,Nb,Ca,Zr
等を含み、残部がFeおよび不可避不純物からなる肌焼
網を用いて成形された中間工部品を浸炭処理した後、所
定の式によって表される臨界冷却速度Vc1〜VC4(℃/
秒)以下の冷却速度Vで室温まで冷却し、その後所望に
より部品の形状を修正する修正加工を施し、引き続き浸
炭雰囲気または浸炭窒化雰囲気で一回目の浸炭処理温度
よりも低い温度に再加熱した後、焼入れ処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種機械構造用部品の
うち特に耐摩耗性や耐疲労性を改善するために表層部に
浸炭処理を施し、表層部の硬度を高める必要のある部
品、例えば自動車の各部に用いられる歯車、シャフト、
等速ジョイント等を高精度に製造する方法に関するもの
である。以下の説明においては自動車用歯車への適用例
を代表的に取り上げて説明するが、本発明部品は自動車
用歯車或は自動車用部品に制限されるものではなく、熱
処理による歪が少さいことが望まれる全ての機械構造用
部品に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車や二輪車等の輸送機械に
は、燃費向上や静粛性向上等が要求されている。このう
ち燃費向上には、部品の小型軽量化を図ることが有効で
あるが、そのためには部品の高強度化が必要である。ま
た静粛性向上に対しては、部品の高精度化が有効である
が、そのためには熱処理後の歪み低減が不可欠の要件で
ある。
【0003】上述の如く、自動車の燃費向上の課題に対
しては、自動車部品の高強度化を押し進めていくことが
必要であるが、本発明者らは、歯車部品や各種シャフト
部品の高強度化という観点から種々の検討を行なってき
た。こうした観点から、本発明者らは、浸炭焼入れ・焼
戻し後、ショットピーニングを行ない、歯車の歯元部へ
残留応力を付与し、疲労強度を向上させる方法を提案し
ている(特開平1−306521号)。
【0004】一方、自動車運転時の静粛性向上の観点か
らは、上述の如く、浸炭焼入れ後の熱処理歪みが小さい
ことが要求されるのは上述した通りであるが、熱処理歪
の低減を目的とした技術としては、浸炭拡散後に200
℃程度の硝酸塩または亜硝酸塩中で冷却・保持し、更に
空冷するマルクエンチ法、化学成分を調整すると共に、
最適な浸炭処理を施すことによって熱処理歪を低減する
方法(例えば、特開平2−298250号)等が提案さ
れている。またCやMnの含有量を調整して臨界冷却速
度を規定することによって、低歪を達成する低歪浸炭用
鋼(例えば、特開昭60−50795号)も提案されて
いる。しかしながら、これまでに提案された技術は、熱
処理歪に対する低減効果が少ないというのが実情であ
る。ところで、従来の浸炭歯車は下記に示すような工程
によって製造されている。 熱間鍛造または冷間鍛造→機械加工→ホブ切り加工 →シェービング加工→浸炭焼入れ
【0005】上記のような工程を実施するに当たり、浸
炭焼入れの際に発生する熱処理歪み(変形量)を予め見
込んでおき、浸炭焼入れ前に見込み変形量をシェービン
グ加工する様にしている。しかしながら、シェービング
加工後の浸炭焼入れによる変形量およびバラツキが大き
いので、歯車の高精度化が困難であった。そこで、上記
の様にシェービング加工後に浸炭焼入れするのではな
く、鋼材を所定の形状に形成して浸炭処理後徐冷し、引
き続き中間工程部品の形状を修正する修正加工を施し、
更にこの中間工程部品を再加熱して焼入れを行なうこと
によって、浸炭部品の高精度化を達成しようとする方法
も提案されている(例えば、特開平5−320765
号)。しかしながら、この技術では、浸炭徐冷後の表面
組織がマルテンサイト組織または(マルテンサイト+ベ
イナイト)の混合組織となり、表面硬さが高くなってし
まい、修正加工時に用いるシェービング工具の寿命(以
下シェービング寿命と呼ぶ)が短くなり、生産コストが
高くなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした技術
的課題を解決する為になされたものであって、その目的
は、従来技術におけるような不都合を生じることなく、
高精度化を達成することによって、静粛性の向上が図れ
るような高精度部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、C:0.03〜0.30%,Si:0.50
%以下(0%を含む),Mn:0.3〜3.0%,P:
0.030%以下(0%を含む),S:0.035%以
下(0%を含む),Al:0.015〜0.06%,
N:0.005〜0.03%を夫々含み、残部がFeお
よび不可避不純物からなる肌焼鋼を用いて成形された中
間工程部品を浸炭処理した後、下記(1)で表される臨
界冷却速度Vc1(℃/秒)以下の冷却速度V(℃/秒)
で室温まで冷却し、その後所望により部品の形状を修正
する修正加工を施し、引き続き浸炭雰囲気または浸炭窒
化雰囲気で一回目の浸炭処理温度よりも低い温度に再加
熱した後、焼入れ処理を行なう点に要旨を有する高精度
部品の製造方法である。 Vc1=10k1 …(1) 但し、k1=0.61+1.00[C]−0.45[Mn] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%)
【0008】また本発明で用いる肌焼鋼として、必要に
よって、上記成分の他に所定量のCr,Mo,V,N
i,Cu,Ti,Nb,Ca,Zr等を含有させること
も有効である。このうち特にCrやMoを含有させる場
合には、これらの元素は鋼の焼入れ性に影響を与える元
素であるので、上記臨界冷却速度Vc1(℃/秒)を、こ
れらの含有元素量に応じて下記の(2)〜(4)式で表
される臨界冷却速度Vc2〜Vc4(℃/秒)として求め、
その臨界冷却速度Vc2〜Vc4(℃/秒)以下の冷却速度
V(℃/秒)で室温まで冷却する必要がある。
【0009】 (Crを含有させる場合) Vc2=10k2 …(2) 但し、k2=0.61+1.00[C]−0.45[Mn]−0.69
[Cr] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%) [Cr]:肌焼鋼中のCr含有量(%) (Moを含有させる場合) Vc3=10k3 …(3) 但し、k3=0.61+1.00[C]−0.45[Mn]−2.10
[Mo] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%) [Mo]:肌焼鋼中のMo含有量(%) (CrおよびMoを含有させる場合) Vc4=10k4 …(4) 但し、k4=0.61+1.00[C]−0.45[Mn]−0.69
[Cr]−2.10[Mo] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%) [Cr]:肌焼鋼中のCr含有量(%) [Mo]:肌焼鋼中のMo含有量(%)
【0010】
【作用】本発明者らは、上記のような高精度部品を実現
するという観点から、様々な角度から検討した。その結
果、用いる肌焼鋼の化学成分を特定すると共に、製造条
件特に浸炭処理後の冷却速度を、浸炭処理後の表面の炭
素量や肌焼鋼中のMn,Cr,Mo等の含有量によって
厳密に規定し、且つその後の熱処理条件を適切にすれ
ば、上記目的が見事に達成されることを見出し、本発明
を完成した。まず発明における化学成分限定理由は下記
の通りである。
【0011】C:0.03〜0.30% Cは部品の芯部の強度を保証する上で有用な元素であ
り、その為には0.03%以上の添加を必要とする。し
かしながら、過剰に添加すると靭性が劣化する他、被削
性および冷間鍛造性が低下して加工性が悪くなるので、
0.3%以下とすべきである。尚C含有量のより好まし
い範囲は0.10〜0.25%程度である。
【0012】Si:0.50%以下(0%を含む) Siは粒界酸化を助長し、曲げ疲労強度の低下を招くこ
とに加え、冷間鍛造性が低下するので、0.50%以下
に抑制する必要がある。尚曲げ疲労強度の向上という観
点からすれば、Si含有量のより好ましい範囲は0.1
0%以下である。
【0013】Mn:0.3〜3.0% Mnは脱酸剤として、また強度および焼入れ性を確保す
る為に重要な元素であり、その為には0.3%以上の添
加が必要であるが、3%を超えると冷間加工性の低下、
および粒界への偏析が多くなり、粒界強度を低下させ、
その結果として曲げ疲労強度を低下させるため上限を3
%と定めた。尚Mn含有量のより好ましい範囲は0.5
〜2.5%程度である。
【0014】P:0.030%以下(0%を含む) Pは粒界に偏析することにより靭性を低下させるため、
その上限を0.030%と定めた。尚靭性の向上を図る
という観点からすれば、P含有量のより好ましい範囲は
0.015%以下である。 S:0.035%以下(0%を含む) Sは被削性改善元素であるが、冷間鍛造性に悪影響を及
ぼすので、その添加量は0.035%以下とする必要が
ある。
【0015】Al:0.015〜0.06% Alは脱酸剤として鋼中に含まれる元素であり、鋼中の
Nを結合してAlNを生成し、結晶粒の粗大化を阻止す
るのに有効な元素である。この効果を発揮させるために
は、0.015%以上添加する必要があるが、0.06
%を超えるあたりから上記の効果が飽和してくるので、
その上限を0.06%と定めた。尚Al含有量のより好
ましい範囲は0.02〜0.05%程度である。
【0016】N:0.005〜0.03% Nは鋼中でAlおよび必要により添加されるV,Ti,
Nb等と結合して窒化物を生成し、結晶粒の粗大化を抑
制するのに有効な元素である。このような効果を発揮さ
せるためには、0.005%以上添加する必要がある。
しかしながら、0.03%を超えるあたりから上記の効
果が飽和してくるので、その上限を0.03%と定め
た。尚N含有量のより好ましい範囲は0.007〜0.
020%程度である。
【0017】本発明で用いる肌焼網は上記元素を基本成
分とし、残部Feおよび不可避不純物からなるものであ
るが、必要によって所定量のCr,Mo,V,Ni,C
u,Ti,Nb等を添加しても良い。これらの元素を添
加するときの添加範囲限定理由は下記の通りである。
【0018】Cr:0.03〜1.5% Crは焼入れ性向上に有用な元素であり、この効果を発
揮するに0.03%以上の添加が必要であるが、1.5
%を超えると浸炭層の粒界酸化が大きくなるので、1.
5%を上限と定めた。尚Cr含有量のより好まし範囲は
0.3〜1.5%程度である。
【0019】Mo:0.07〜1.0% Moは粒界酸化層の抑制、焼入れ性の確保に有用な元素
であり、その効果を発揮させるためには0.07%以上
添加する必要がある。しかしながら、1.0%を超えて
過剰に添加しても上記の効果が飽和するので、その上限
を1.0%と定めた。尚Mo含有量のより好ましい範囲
は0.15〜0.85%程度である。
【0020】V:0.03〜0.5% VはCやNと結合して炭・窒化物(炭化物,窒化物およ
び炭窒化物)を生成し、結晶粒微細化に有効な元素であ
る。また一回目の浸炭処理時に、炭化物を凝集させてパ
ーライトのラメラー間隔を粗くし、浸炭層の硬さ低下に
有効な元素である。このような効果を発揮させるために
は、0.03%以上添加する必要があるが、過剰に添加
すると被削性の低下を生じるので、その上限を0.5%
と定めた。
【0021】Ni:0.20〜2.5% Niは浸炭処理後の組織を微細にし、安定した芯部硬さ
を確保すると共に、熱間加工性を改善するのに有用な元
素であり、これらの効果を発揮させるのに0.20%以
上の添加が必要であるが、2.5%を超えると、この効
果が飽和するため、2.5%を上限と定めた。尚Ni含
有量のより好ましい範囲は0.3〜2.5%程度であ
る。
【0022】Cu:0.30〜2.0% Cuは粒界酸化を防止して耐食性向上に有用な元素であ
り、この効果を発揮するのに0.30%以上の添加が必
要であるが、2.0%を超えるとこの効果が飽和するた
め、2.0%を上限と定めた。但し、Cuの単独添加で
は、熱間加工性が劣化する傾向を示すので、Cuを添加
するときには、少なくとも熱間加工性を改善する効果の
あるNiを上記範囲で添加する必要がある。尚Cu含有
量のより好ましい範囲は0.30〜1.00%程度であ
る。
【0023】Ti:0.005〜0.1% TiはNと結合して窒化物を生成し、結晶粒微細化に有
用な元素であり、この効果を発揮するのに、0.005
%以上の添加が必要であるが、0.1%を超えて添加さ
れるとこの効果は飽和に達するため0.1%を上限と定
めた。より好ましくは0.005〜0.02%程度であ
る。
【0024】Nb:0.005〜0.1% Nbは鋼中のCやNと結合して炭・窒化物を生成し、結
晶粒の粗大化を抑制するのに有効な元素である。この効
果を発揮させるためには、0.005%以上の添加を必
要とするが、過剰添加は冷間加工性の低下を生じるの
で、0.1%を上限と定めた。より好ましくは0.00
5〜0.05%程度である。
【0025】Ca:0.0005〜0.08%および/
またはZr:0.002〜0.08% Caは硬質の介在物を軟質な介在物で包むことによっ
て、またZrはMnSを球状化させることによって、被
削性を向上させるのに有効な元素である。これらの効果
を発揮させるには、Caで0.0005%以上、Zrで
0.002%以上添加する必要がある。しかしながら、
いずれも0.08%を超えて添加しても、その効果が飽
和するので、それらの上限を0.08%とした。尚これ
らの元素含有量の好ましい範囲は、Caで0.005〜
0.020%程度、Zrで0.005〜0.05%程度
である。
【0026】本発明の目的は、肌焼鋼の化学成分組成を
特定しただけで達成されるものではなく、上述した様な
製造条件の要件をも満足する必要がある。次に、その製
造条件を特定した理由を説明する。
【0027】本発明においては、浸炭処理後の冷却速度
V(℃/秒)を、前記(1)〜(4)式のいずれかによ
って表される臨界冷却速度Vc1〜Vc4(℃/秒)以下と
して室温まで冷却する必要がある。即ち、浸炭処理後の
表面炭素量や、鋼材中のMn,Cr,Mo等の含有量に
基づいて、ベイナイトが析出する臨界冷却速度Vc1〜V
c4(℃/秒)を規定し、浸炭処理後の冷却速度V(℃/
秒)をこの臨界冷却速度Vc1〜Vc4(℃/秒)以下とす
ることによって、浸炭処理後の部品の表面組織をパーラ
イト組織とするものである。このように、表面組織をパ
ーライト組織とすることによって、ベイナイト組織やマ
ルセンサイト組織よりも低い硬さを達成し、シェービン
グ寿命の向上を図ることができる。このとき浸炭処理後
の冷却工程の時間短縮を達成するという観点からすれ
ば、浸炭処理後に、ベイナイトが析出する上記臨界冷却
速度Vc1〜Vc4(℃/秒)以下の冷却速度Vで300〜
400℃程度まで炉冷し、その後強制冷却により室温ま
で冷却するのが好ましい。尚上記(1)〜(4)式にお
いて、「浸炭処理後の表面炭素量」とは、表面から0.
05mmの部位の切り粉を採取し、化学分析(赤外線吸
収法:JIS G 1211−1979)によって分析
した値である。
【0028】本発明においては、上記のように冷却した
後、部品の形状を所望により修正する修正加工を施し、
その後「浸炭雰囲気または浸炭窒化雰囲気で一回目の浸
炭温度よりも低い温度で再加熱後、焼入れ処理を行な
う」必要がある。機械加工時に付与された残留応力は一
回目の浸炭処理の加熱時に開放される。この残量応力に
より生じた歪みは所望により修正加工によって修正され
るため、浸炭処理または浸炭窒化処理の加熱時に、残留
応力は歪みに影響を及ぼさない。しかしながら、再加熱
時に、熱応力やクリープにより発生する歪みを抑制する
必要があるので、再加熱焼入れ温度は一回目の浸炭温度
よりも低くする必要がある。
【0029】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0030】
【実施例】表1および表2に示す化学組成を有する鋼材
(鋼材No.1〜35)を、下記の工程によって製造し
た。 (製造工程) 150 kg真空溶製→φ65mm熱間鍛造→溶体化処理(1250℃×1hr→AC) →焼ならし処理(850 ℃×1hr→AC)
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】上記鋼材の圧延棒鋼を用い、熱間鍛造した
後、機械加工にて下記の諸元の平歯車(中間部品)を作
成した。 (歯車の諸元) 歯数:22枚 モジュール:2.0 歯幅:20mm
【0034】上記の平歯車(中間部品)に対し、以下に
示す工程で最終部品を作成した。このとき、工程A(従
来工程)における浸炭焼入れ処理プロセスは、図1に示
す通りである。また工程B(本発明工程)における浸炭
冷却処理プロセスおよび再加熱焼入れ処理プロセスは、
図2および図3に夫々示す通りである。尚図1および図
2において、浸炭時のカーボンポテンシャル値(CP
値)は、0.9〜1.0とした。上記各プロセスの熱処
理条件(t1 〜t4 )を、浸炭処理後の冷却速度V、お
よび再加熱焼入れ時のRXガス流量(m3 /h)、NH
3 ガス流量(l/min)等と共に下記表3に示す。
【0035】 工程A(従来工程) :ホブ切り加工→シェービング加工 →浸炭焼入れ(図1)→焼戻し 工程B(本発明工程):ホブ切り加工→浸炭冷却(図2)→シェービング加工 →再加熱焼入れ(図3)→焼戻し
【0036】
【表3】
【0037】160℃×1hr→ACの焼戻し処理を施
した後、熱処理前後(シェービング加工後と焼戻し後)
の歯車の歯筋変化量を測定(測定回数:30回)した。
その結果を、表面炭素量、臨界冷却速度Vc1〜Vc4(℃
/秒)、および浸炭処理後の冷却速度V等と共に、下記
表4および表5に示す。また鋼材No.1〜4,32〜
35につき、浸炭冷却後のシェービング寿命を評価した
結果を表6に示す。尚シェービング寿命は、歯車の歯形
誤差がJIS3級を外れたときの個数によって評価し
た。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】表4〜表6から明らかな様に、本発明の実
施例(鋼材No.1〜25)のものは、シェービング寿
命に優れているのに加え、歯筋変化量およびそのバラツ
キも小さくなっており、高精度の部品が達成されている
ことが分かる。
【0042】これに対し、本発明で規定する要件のいず
れかを欠く比較例(鋼材No.26〜35)のものは、
少なくともいずれかの特性において劣っている。即ち、
鋼材No.26〜28では、化学成分は本発明で規定す
る範囲内であるが、従来工程で製造されたものであるの
で、歯筋変化量およびそのバラツキが大きくなってい
る。また鋼材No.29〜31では、化学成分は本発明
で規定する範囲内であるが、再加熱温度が第一回目の熱
処理温度よりも高くなっているので、歯筋変化量および
そのバラツキが大きくなっている。鋼材No.32,3
3では、化学成分は本発明で規定する範囲内であるが、
浸炭後の冷却速度が本発明で規定する要件を満足しない
ので、シェービング寿命が大幅に低下している。鋼材N
o.34,35では、夫々Mn,Cr,Mo等の元素含
有量が、本発明で規定する範囲を外れているので、冷却
速度Vが臨界冷却速度Vc1〜Vc4よりも大きくなり、シ
ェービング寿命が大幅に低下している。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、再
熱加熱焼入れ後の歪およびそのバラツキが少ない高精度
部品が実現できた。そしてこの高精度部品は、例えば自
動車のギヤノイズの低減が達成でき、静粛性の向上が図
れるようになる。また工具寿命の向上が図れるので、高
効率な量産化が可能となる。更に、高精度化による歯当
たり不良の低減によって高負荷に対応することができ、
ショットピーニング等の高強度化の手段を施すことな
く、耐摩耗性および耐疲労性の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来工程の浸炭焼入れ処理時の熱処理パターン
を示す図である。
【図2】本発明工程の浸炭冷却処理時の熱処理パターン
を示す図である。
【図3】本発明工程の再加熱焼入れ処理時の熱処理パタ
ーンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 301 N 38/06 38/18 38/38 38/58 C23C 8/22 8/32 8/80 (72)発明者 安木 真一 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 松島 義武 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.03〜0.30%(重量%の意
    味、以下同じ),Si:0.50%以下(0%を含
    む),Mn:0.3〜3.0%,P:0.030%以下
    (0%を含む),S:0.035%以下(0%を含
    む),Al:0.015〜0.06%,N:0.005
    〜0.03%を夫々含み、残部がFeおよび不可避不純
    物からなる肌焼鋼を用いて成形された中間工程部品を浸
    炭処理した後、下記(1)式で表される臨界冷却速度V
    c1(℃/秒)以下の冷却速度V(℃/秒)で室温まで冷
    却し、その後浸炭雰囲気または浸炭窒化雰囲気で一回目
    の浸炭処理温度よりも低い温度に再加熱した後、焼入れ
    処理を行なうことを特徴とする高精度部品の製造方法。 Vc1=10k1 …(1) 但し、k1=0.61+1.00[C]−0.45[Mn] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%)
  2. 【請求項2】 C:0.03〜0.30%,Si:0.
    50%以下(0%を含む),Mn:0.3〜3.0%,
    P:0.030%以下(0%を含む),S:0.035
    %以下(0%を含む),Al:0.015〜0.06
    %,N:0.005〜0.03%を夫々含む他、Cr:
    0.03〜1.5%を含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなる肌焼鋼を用いて成形された中間工程部品
    を浸炭処理した後、下記(2)式で表される臨界冷却速
    度Vc2(℃/秒)以下の冷却速度V(℃/秒)で室温ま
    で冷却し、その後浸炭雰囲気または浸炭窒化雰囲気で一
    回目の浸炭処理温度よりも低い温度に再加熱した後、焼
    入れ処理を行なうことを特徴とする高精度部品の製造方
    法。 Vc2=10k2 …(2) 但し、k2=0.61+1.00[C]−0.45[Mn]−0.69
    [Cr] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%) [Cr]:肌焼鋼中のCr含有量(%)
  3. 【請求項3】 C:0.03〜0.30%,Si:0.
    50%以下(0%を含む),Mn:0.3〜3.0%,
    P:0.030%以下(0%を含む),S:0.035
    %以下(0%を含む),Al:0.015〜0.06
    %,N:0.005〜0.03%を夫々含む他、Mo:
    0.07〜1.0%を含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなる肌焼鋼を用いて成形された中間工程部品
    を浸炭処理した後、下記(3)式で表される臨界冷却速
    度Vc3(℃/秒)以下の冷却速度V(℃/秒)で室温ま
    で冷却し、その後浸炭雰囲気または浸炭窒化雰囲気で一
    回目の浸炭処理温度よりも低い温度に再加熱した後、焼
    入れ処理を行なうことを特徴とする高精度部品の製造方
    法。 Vc3=10k3 …(3) 但し、k3=0.61+1.00[C]−0.45[Mn]−2.10
    [Mo] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%) [Mo]:肌焼鋼中のMo含有量(%)
  4. 【請求項4】 C:0.03〜0.30%,Si:0.
    50%以下(0%を含む),Mn:0.3〜3.0%,
    P:0.030%以下(0%を含む),S:0.035
    %以下(0%を含む),Al:0.015〜0.06
    %,N:0.005〜0.03%を夫々含む他、Cr:
    0.03〜1.5%およびMo:0.07〜1.0%を
    含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる肌焼鋼
    を用いて成形された中間工程部品を浸炭処理した後、下
    記(4)式で表される臨界冷却速度Vc4(℃/秒)以下
    の冷却速度V(℃/秒)で室温まで冷却し、その後浸炭
    雰囲気または浸炭窒化雰囲気で一回目の浸炭処理温度よ
    りも低い温度に再加熱した後、焼入れ処理を行なうこと
    を特徴とする高精度部品の製造方法。 Vc4=10k4 …(4) 但し、k4=0.61+1.00[C]−0.45[Mn]−0.69
    [Cr]−2.10[Mo] [C] :浸炭処理後の表面炭素量(%) [Mn]:肌焼鋼中のMn含有量(%) [Cr]:肌焼鋼中のCr含有量(%) [Mo]:肌焼鋼中のMo含有量(%)
  5. 【請求項5】 更にV:0.03〜0.5%を含有させ
    た肌焼鋼を用いたものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の高精度部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 更にNi:0.20〜2.5%を含有さ
    せた肌焼鋼を用いたものである請求項1〜5のいずれか
    に記載の高精度部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 更にCu:0.30〜2.0%を含有さ
    せた肌焼鋼を用いたものである請求項6に記載の高精度
    部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 更にTi:0.005〜0.1%を含有
    させた肌焼鋼を用いたものである請求項1〜7のいずれ
    かに記載の高精度部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 更にNb:0.005〜0.1%を含有
    させた肌焼鋼を用いたものである請求項1〜8のいずれ
    かに記載の高精度部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 更にCa:0.0005〜0.08%
    および/またはZr:0.002〜0.08%を含有さ
    せた肌焼鋼を用いたものである請求項1〜9のいずれか
    に記載の高精度部品の製造方法。
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