JPH0861495A - 自動変速機用油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機用油圧制御装置

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JPH0861495A
JPH0861495A JP6199962A JP19996294A JPH0861495A JP H0861495 A JPH0861495 A JP H0861495A JP 6199962 A JP6199962 A JP 6199962A JP 19996294 A JP19996294 A JP 19996294A JP H0861495 A JPH0861495 A JP H0861495A
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勝 鈴木
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章 高木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプール弁の駆動力を低減させ、部品点数の
少ない小型化可能な自動変速機用油圧制御装置を提供す
る。 【構成】 集積弁60のハウジング28内に、スプール
弁2、3、4、5、6、7、8およびカムシャフト1が
収容されている。例えばスプール弁5について説明する
と、カムシャフト1側のスプール弁5の底部には小穴5
eが3箇所設けられスプール弁5の駆動力が軽減され
る。また、スプール弁5の外周壁には環状溝5h、iが
形成されハイドロリックロックを防止する。さらに、ス
プール弁5を押上げるピン17の先端部17aが接する
カムシャフト1のカム凹凸の曲率半径が先端部17aの
曲率半径より大きくなるようにカム凹凸が形成され、カ
ムシャフト1のカム面をピン17が引っ掛かることなく
スムーズに摺動する。他のスプール弁2、3、4、6、
7、8はスプール弁5と同一の構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速機構
を油圧で変速制御する自動変速機用油圧制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用等に多く利用されている自
動変速機は、回転駆動力を負荷に応じスムーズに伝達す
るため、油圧弁により油圧を調節し各摩擦係合装置を制
御して変速制御を行っている。変速制御は、乗員により
ある程度任意のギア位置を選択するセレクトレバーによ
る手動操作と、エンジンのスロットル開度や車速などか
らエンジン制御コンピュータにより適正なギア比になる
ように摩擦係合装置を決定する自動制御とにより行われ
る。回動駆動力を負荷に応じスムーズに伝達するため、
複数の油圧弁、アキュムレータ、電磁弁等を用いた油圧
回路で自動変速機の個々の摩擦係合装置の油圧を制御す
ることにより変速制御を実現している。このような構成
では、自動変速機内の摩擦係合装置の数だけ油圧弁が必
要になるため、装置が大型化して多くの部品を必要とす
るとともに、装置が複雑で製造コストが高いという問題
がある。
【0003】このような問題を解決するため、複数の油
圧弁を一箇所にまとめた集積弁により、装置の小型、軽
量、簡素化を図ることが考えられる。このものでは、エ
ンジン制御コンピュータのフェイルシステム等により、
電子制御の自動制御機能が故障しても乗員がセレクトレ
バーを操作することによって、前進や後退の選択や、あ
る程度、前進時の変速段の選択を行えるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の集積弁により自動変速を制御する油圧制御装
置として油圧弁にスプール弁を用いるものでは、次に列
挙する問題点がある。 カムシャフトの軸方向または回転方向への移動に伴い
スプール弁を押上げるピンがカムシャフトに形成される
カム山を登る際、ピンがカム山に引っ掛かり易くピンの
摺動を妨げるおそれがある。
【0005】スプール弁を駆動する力を軽減させるた
めスプール弁端部に設けられる一つの連通孔では、スプ
ール弁端部のスペースの都合上、大径孔にしても必要な
開口面積が得られないことから、スプール弁を駆動する
力を十分に低減できない。 スプール弁とスプール弁が摺動する円筒孔との間に漏
れる油によって生じる圧力アンバランスを解消するため
スプール弁の外周に設けられる環状溝によって、スプー
ル弁により閉じられる油圧連通路間のシール長が短くな
ることから油圧連通路間の油の漏洩量が増加する。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、スプール弁の駆動力を低減させ、部品
点数の少ない小型化可能な自動変速機用油圧制御装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明の請求項1記載の自動変速機用油圧制御装置
は、自動変速機に設けられる複数の摩擦締結要素に加わ
る油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記複数の摩擦
締結要素の係合または解除を行うことにより複数の変速
段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装置であっ
て、前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる
油圧を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、前記複
数の油圧弁に駆動力を伝達するカムと、自動制御により
前記カムを駆動制御する自動切換え手段と、手動操作に
より前記カムを駆動制御する手動切換え手段とを備え、
前記複数の油圧弁の前記カムと接触する接触部の曲率半
径が、前記カムの前記接触部と接触するカム面の曲率半
径より小さいことを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2記載の自動変速機
用油圧制御装置は、自動変速機に設けられる複数の摩擦
締結要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、
前記複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うことに
より複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制
御装置であって、前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結
要素に加わる油圧を切換える複数の油圧弁を有する集積
弁と、前記複数の油圧弁に駆動力を伝達する動力伝達部
材と、自動制御により前記動力伝達部材を駆動制御する
自動切換え手段と、手動操作により前記動力伝達部材を
駆動制御する手動切換え手段とを備え、前記油圧弁は、
高圧側と低圧側とを連通する複数個の通路を有すること
を特徴とする。
【0009】さらに、本発明の請求項3記載の自動変速
機用油圧制御装置は、自動変速機に設けられる複数の摩
擦締結要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御
し、前記複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うこ
とにより複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油
圧制御装置であって、前記複数の摩擦締結要素の各摩擦
締結要素に加わる油圧を切換える複数のスプール弁を有
する集積弁と、前記複数のスプール弁に駆動力を伝達す
る動力伝達部材と、自動制御により前記動力伝達部材を
駆動制御する自動切換え手段と、手動操作により前記動
力伝達部材を駆動制御する手動切換え手段と、前記スプ
ール弁の外周面に周方向に形成される溝と、前記集積弁
の弁ハウジングに形成される油圧用の複数のポートであ
って、前記スプール弁の入力ポートに選択的に連通可能
な複数のポートとを備え、前記複数のポートのいずれか
一個のポートと前記スプール弁の前記入力ポートとの連
通時、前記溝は前記複数のポートの他のポート内に配置
されていることを特徴とする。
【0010】さらにまた、本発明の請求項4記載の自動
変速機用油圧制御装置は、自動変速機に設けられる複数
の摩擦締結要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制
御し、前記複数の摩擦締結要素の係合または解除を行う
ことにより複数の変速段を切換え制御する自動変速機用
油圧制御装置であって、前記複数の摩擦締結要素の各摩
擦締結要素に加わる油圧を切換える複数の油圧弁を有す
る集積弁と、前記複数の油圧弁に駆動力を伝達するカム
と、自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え
手段と、手動操作により前記カムを駆動制御する手動切
換え手段と、前記カムのカム面に前記油圧弁を押圧する
方向に付勢する付勢手段と、前記カムに当接するボール
であって、前記カムの変位量を前記油圧弁に伝達するボ
ールとを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載の自動
変速機用油圧制御装置によると、複数の油圧弁を切換え
るカムと接触する油圧弁の接触部の曲率半径が、前記接
触部と接触するカム面の曲率半径より小さいことから、
接触部とカム面とが2点以上で接することがなく、接触
部とカム面とが引っ掛かることを防止することができ
る。これにより、接触部がカム面をスムーズに摺動でき
る効果がある。
【0012】本発明の請求項2記載の自動変速機用油圧
制御装置によると、油圧弁の高圧側と低圧側とを連通す
る複数個の通路を有することから、油圧弁内に満たされ
る圧油を複数の連通孔から低圧側に逃がし、油圧弁内部
の油圧による圧力と油圧弁底部の面に働く油圧とをバラ
ンスさせることができる。これにより、油圧弁の応答性
を向上させ、また油圧弁の駆動力を低減する効果があ
る。
【0013】本発明の請求項3記載の自動変速機用油圧
制御装置によると、スプール弁の入力ポートと弁ハウジ
ングに形成される複数のポートのいずれか一個のポート
との連通時、スプール弁の外周面に周方向に形成される
溝が複数のポートの他のポート内に位置するように配置
されていることから、複数のポート間の油の漏洩量を増
やすことなく、圧力アンバランスを解消可能にする効果
がある。
【0014】本発明の請求項4記載の自動変速機用油圧
制御装置によると、複数の油圧弁を切換えるカムと油圧
弁との間にボールが位置することから、ボールがカム面
を回転しながら油圧弁を押上げ、ボールとカム面との摩
擦力の低減させる効果がある。また、ボールとカム面と
の摩擦力が低減されることから、カムを駆動させる駆動
力を低減させる効果がある。
【0015】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づ
いて説明する。 (第1実施例)本発明の自動変速機用油圧制御装置を車
両用の自動変速機(以下「AT」という)に適用したシ
ステム構成を図3に示す。図3において、EVは電磁弁
を表し、MVは集積弁を表す。
【0016】車両用ATの動作は、周知のように自動ま
たは手動でトランスミッション300内のギヤ接続が切
換えられ、トルクコンバータ200に接続された図示し
ないエンジンからの回転力が車両の後輪または前輪に伝
達される。集積弁60とその周辺装置全体は、トランス
ミッション300下部のAT内部の図示しないオイルパ
ン内部にあり、オイルパン内部の油圧制御装置400の
周囲は油圧回路のドレンになっている。
【0017】トランスミッション300内には、エンジ
ンの回転軸に直結して回転駆動される公知の油圧ポンプ
56が設けられており、各油圧装置からオイルパン等に
排出された駆動油を吸入ポート57より吸入し、ライン
圧制御弁64を介し各装置へ圧油を供給している。この
油圧ポンプ56からの圧油は、変動のある高ポンプ油圧
であり、電磁制御式圧力制御弁であるライン圧制御弁6
4により一定の高圧なライン圧に制御し各油圧機器へ供
給される。油圧制御装置400には2つの係合油圧制御
弁61、62が設けられており、トランスミッション3
00内にある後述する各摩擦係合装置の係合時に必要な
所定の制御圧にライン圧制御弁64から供給される圧油
のライン圧を任意に制御して集積弁60に圧油を供給し
ている。
【0018】集積弁60に供給されたライン圧または制
御圧の圧油は、図1に示す各スプール弁2、3、4、
5、6、7、8を介し、連通ポート39、40、41、
42、43、44、45よりトランスミッション300
内の摩擦係合装置である多板クラッチ類C0、C1、C
2や多板ブレーキ類B0、B1、B2、B3に供給され
ている。各摩擦係合装置は、トランスミッション300
内にある図示しないプラネタリギア等の各変速比を構成
するギアに連結されており、これら摩擦係合装置を係合
または解除することにより、変速比を切換えて車両の変
速制御を行っている。
【0019】連結部11は、操作者が手動で前進、後
退、ニュートラル、パーキング等、車両の駆動状態を操
作するセレクトレバー500と機械的に接続されてい
る。ライン圧制御弁64から供給された圧油は、さらに
トルクコンバータ200のロックアップ(L/U)スリ
ップ制御を行うため、ロックアップ油圧制御弁65を介
しトルクコンバータ200に供給される。
【0020】次に集積弁60の構成について説明する。
図1および図2に示すように、ハウジング28のほぼ中
央に設けられた窪み58内に円柱状の例えばアルミニウ
ムを材料とするカムシャフト1が設けられており、この
カムシャフト1は軸受9、29に対し回転可能かつ軸方
向に往復動可能に支持されている。軸受9、29は、例
えば滑り軸受、玉軸受、コロ軸受や転がり軸受等を用い
るのが良好である。軸受9はハウジング28の一端に圧
入固定され、また軸受29はハウジング28の他端に取
付けられたサイドハジング30に圧入固定されている。
円柱状のカムシャフト1の主要部分の外周面には各スプ
ール弁2、3、4、5、6、7、8を駆動するカムとし
て凹凸が形成されている。このカムシャフト1の凹凸
は、後述するように、例えばスプール弁2とカムシャフ
ト1との間に位置しスプール弁2を押上げるピン14が
カムシャフト1の外周面と接する位置において多少の位
置ずれを許容する形状に形成され、またカムシャフト1
の外周面をピン14がスムーズに摺動可能な形状に形成
されている。また、各スプール弁2、3、4、5、6、
7、8それぞれに対応するカムシャフト1の凹凸の高さ
をそれぞれ等しくすることにより、7つのスプール弁を
構成する各部材を共通にすることが可能になりコトトの
低減が図れる。
【0021】カムシャフト1の軸受9近傍の円周面にカ
ム面の反対側のスプール弁6、7、8側に、所定の円弧
幅で所定の軸方向長さのギア歯53が形成されている。
ギア歯53に対抗する位置にカムシャフト1の軸方向と
平行な回転軸を有するステップモータ12が固定されて
いる。ステップモータ12のシャフトには図示しない渦
巻き状のリターンスプリングの一端が固定され、他端は
ステップモータ12のハウジングに固定されている。こ
のリターンスプリングは、ステップモータ12の駆動制
御に異常が発生した場合、図3に示すAT用ECU70
がステップモータ12をフリーの状態にするため、リタ
ーンスプリングの復元力によりカムシャフト1をフェイ
ルセーフ位置、例えば4速モード位置にシフトする役割
を果たしている。
【0022】軸受9、29はカムシャフト1を回転自在
かつ軸方向に平行移動自在に支持する。カムシャフト1
の軸受9側の端部には、外部に設けられた図3に示すセ
レクトレバー500と図示しないリンクを介し機械的に
連結されている連結部11が設けられており、操作者が
セレクトレバー500を操作することにより、連結部1
1はセレクトレバー500に連動しカムシャフト1を軸
方向に駆動する。
【0023】カムシャフト1の円周面の一部には、モー
タのギア13中間のギア52を介してかみ合うギア53
を有し、ステップモータ12の回転駆動により、カム1
が回転する。この時にステップモータ12の回転を減速
するようなギア比で設定し、トルク増幅する減速機構を
設けることで、ステップモータ12の負荷を軽減し、ス
テップモータ12を小型化することが可能である。
【0024】図1および図2に示すように、油路を切換
えるスプール弁2、3、4、5、6、7、8(以下「ス
プール弁SP」と総称する)は、カムシャフト1の軸に
垂直な方向でカムシャフト1の両側に並んで配置されて
いる。スプール弁SPは、それぞれハウジング28に設
けられた円筒孔28a、28b、28c、28d、28
e、28f、28gを軸方向に摺動可能に挿入されてい
る。
【0025】ハウジング28に設けられたライン圧ポー
ト35、37には、それぞれライン圧連通路46、51
が接続されることから、図1に示すライン圧制御弁64
を介してライン圧ポート35、37に高圧油であるライ
ン圧が供給される。ライン圧連通路46はスプール弁
2、3、4、5が挿入されるハウジング28の円筒孔2
8d、28c、28b、28aにそれぞれライン圧を供
給するように設けられており、ライン圧連通路51はス
プール弁6、7、8が挿入されるハウジング28の円筒
孔28g、28f、28eにそれぞれライン圧を供給す
るように設けられている。
【0026】また、ハウジング28内には、圧力調整さ
れた係合油圧(または制御圧)が供給される圧力制御ポ
ート36、38が設けられ、この圧力制御ポート36、
38には、ライン圧連通路46、51と平行に設けられ
た制御圧連通路47、50が接続されている。制御圧連
通路47、50は、ライン圧連通路46、51と同様、
各スプール弁SPに連通可能である。圧力制御ポート3
6、38はサイドハウジング30内で互いに連通してい
ないため、係合油圧制御弁61を介して圧力制御ポート
36に供給される係合油圧は、制御圧連通路47に連通
可能なスプール弁2、3、4、5に供給され、係合油圧
制御弁62を介して圧力制御ポート38に供給される係
合油圧は、制御圧連通路50に連通可能なスプール弁
6、7、8に供給される。
【0027】さらに、ハウジング28内には、ハウジン
グ28の外部に設けられた図示しないドレンに連通する
ドレンポート54、55と接続されたドレン圧連通路4
8、49が制御圧連通路47、50と平行に設けられて
いる。次に、スプール弁5を例にしスプール弁SPの構
造を説明する。他のスプール弁はスプール弁5と同一の
構成である。
【0028】図4に示すように、スプール弁5は有底の
円筒形からなり、スプール弁5の外側面の周囲中央部付
近に形成される環状の溝5aと、スプール弁5の内部に
形成される円柱形状の内円筒部5cと、この内円筒部5
cと溝5aとを連通するように形成される穴部5bとを
有している。そして、スプール弁5が円筒孔28a内を
スライドしたとき、スライド位置によってこの穴部5b
が円筒孔28aに連通するそれぞれのライン圧連通路4
6、制御圧連通路47、ドレン圧連通路48と連通する
ようなっている。同様に、他のスプール弁2、3、4、
6、7、8に形成される図示しない穴部は各円筒孔28
b、28c、28d、28e、28f、28gに連通す
るライン圧連通路46および51、制御圧連通路47お
よび50、ドレン圧連通路48および49と連通してい
る。スプール弁5内に形成された内円筒部5cはその一
端が開口しており、ポートケース32に設けられた連通
ポート42に連通している。同様に、他のスプール弁
2、3、4、6、7、8内に形成された内円筒部2c、
3c、4c、6c、7c、8cはポートケース31、3
2に設けられた連通ポート39、40、41、43、4
4、45にそれぞれ連通している。
【0029】そしてカムシャフト1と各スプール弁SP
の未開口側底部の端面(図4に示すスプール弁5では5
dで表されている)との間に、カムシャフト1の軸の垂
直方向に摺動可能にピン14、15、16、17、1
8、19、20がハウジング28に嵌挿され、カムシャ
フト1のカムの動きを各スプール弁SPに伝えている。
カムシャフト1の動きに従って、スプール弁SPが各円
筒孔28a、28b、28c、28d、29e、28
f、28g内をスムーズにスライドするように、ピン1
4、15、16、17、18、19、20が当たるスプ
ール弁SPの各未開口側に圧力抜きの小穴(図5および
図6に示すスプール弁5では5eで表されている)が3
箇所に設けられている。
【0030】図5および図6に示すように、スプール弁
5に設けられる小穴5eは、底面5fの外周に接する内
周を有し、かつ底面5eから径方向外側に向って底壁5
gを貫通している。同様に、他のスプール弁2、3、
4、6、7、8には小穴2e、3e、4e、6e、7
e、8eが形成されている。この小穴2e、3e、4
e、5e、6e、7e、8eによりスプール弁SP内に
満たされる油を低圧の窪み58に逃がすことから、スプ
ール弁SP内の油圧による圧力と、スプール弁未開口側
底部の面に働く油圧とをバランスさせることが可能にな
り、スプール弁SPを駆動するための力が軽減される。
小穴2e、3e、4e、5e、6e、7e、8eが形成
される箇所は、3箇所に限られることはなく、スプール
弁SP内の油圧による圧力とスプール弁未開口側底部の
面に働く油圧とのバランスの具合により複数箇所に設け
ても良い。
【0031】スプール弁SPは全て、スプリング21、
22、23、24、25、26、27によってピン1
4、15、16、17、18、19、20とともにカム
シャフト1側に押し付けられ、ポートケース31、32
によって外部に飛び出さないように円筒孔28a、28
b、28c、28d、28e、28f、28gに封止さ
れている。
【0032】図6および図7に示すように、スプール弁
5の外周壁には環状溝5h、5iが形成されている。こ
の環状溝5h、5iは、スプール弁5の外周壁と円筒孔
28aの内周壁との隙間を通って流れる油のアンバラン
スによって起こるハイドロリックロックを解消するため
のものである。この環状溝を形成する位置は次のように
して決定される。
【0033】例えば図7(a) に示すように、円筒孔28
aに開口するライン圧連通路46とスプール弁5の溝5
aとが連通する位置にスプール弁5が停止するとき、環
状溝5hが制御圧連通路47内に位置するように環状溝
5hの位置が決められ、また環状溝5iがドレン圧連通
路48内に位置するよう環状溝5iの位置が決められて
いる。
【0034】このようにして位置決めされた環状溝5
h、5iは、ライン圧連通路46と制御圧連通路47と
の間隔および制御圧連通路47とドレン圧連通路48と
の間隔がほぼ等しいことから、スプール弁5が制御圧連
通路47と溝5aとが連通する位置に移動した場合、環
状溝5hがドレン圧連通路48内に位置する。したがっ
て、図7(b) に示すようなスプール弁5が円筒孔28a
内を移動する途中を除いては、環状溝5h、5iがライ
ン圧連通路46、制御圧連通路47、ドレン圧連通路4
8のいずれかに開口部に位置することになる。つまり、
スプール弁5が停止しているとき、ライン圧連通路4
6、制御圧連通路47、ドレン圧連通路48のいずれか
2つを閉じるスプール弁5の外周壁には環状溝5h、5
iが形成されていないことから、スプール弁5の外周壁
に環状溝5h、5iを形成したにもかかわらず、隣合う
連通路間、例えば制御圧連通路47とドレン圧連通路4
8とをシールするシール長には影響せず、制御圧連通路
47とドレン圧連通路48との間の油の漏洩量が増加し
ない。
【0035】同様に、他のスプール弁2、3、4、6、
7、8の外周壁には、図示しない環状溝が形成され、ラ
イン圧連通路46、制御圧連通路47、ドレン圧連通路
48間の油の漏洩量を増やすことなく、スプール弁SP
移動時のハイドロリックロックを解消可能にしている。
次に各スプール弁SPの移動位置に対する各圧油の流れ
について説明する。各スプール弁SPがカムシャフト1
の駆動により円筒孔28a、28b、28c、28d、
28e、28f、28gを移動する際、各円筒孔28
a、28b、28c、28d、29e、28f、28g
に開口するライン圧連通路46またはライン圧連通路5
1の位置と対向する位置に各スプール弁SPの溝および
穴が位置決めされると、ライン圧連通路46またはライ
ン圧連通路51に供給されるライン圧の圧油が各スプー
ル弁SPの溝および穴を経由してスプール弁SPの内円
筒部に供給され、さらに連通ポート39、40、41、
42、43、44、45を経由して各摩擦係合装置にラ
イン圧の圧油が供給される。
【0036】また、ライン圧の圧油と同様に、圧力制御
ポート36、38から圧力調整された係合油圧(または
制御圧)の圧油が各スプール弁SPに供給され、さらに
スプール弁SPを介し各摩擦係合装置へこの圧油が供給
される構成になっている。係合油圧制御弁61から圧力
制御ポート36に供給された係合油圧は、前述のように
スプール弁2、3、4、5に供給される。同様に、係合
油圧制御弁62から圧力制御ポート38に供給された係
合油圧は、スプール弁6、7、8に供給される。その結
果、係合油圧制御弁62から供給された係合油圧は多板
ブレーキB1、B0、B2に供給され、係合油圧制御弁
61から供給された係合油圧は多板ブレーキB3および
多板クラッチC0、C2、C1に供給されることにな
る。
【0037】スプール弁SPの溝がドレン圧連通路4
8、49と連通する位置に位置決めされると、このスプ
ール弁SPに連通する摩擦係合装置内の圧油がドレンポ
ート54、55よりハウジング28の外部に排出され
る。図3に示すように、トランスミッション300に連
結している連通ポート39、40、41、42、43、
44、45の内、トランスミッション300に設置され
ている多板クラッチC0、多板ブレーキB0にそれぞれ
連通するポート40、44は、これらポートが同時に作
動操作されると内部的な構造からトランスミッション3
00が駆動不能となり、損傷を与えてしまう恐れがある
ので、同時に結合されるのを防ぐため二重結合防止弁6
3が介在している。その他の連通ポートは周知のトラン
スミッションに見られるような、他の多板クラッチ、ブ
レーキ類は連通ポートからの油圧で係合または解除され
トランスミッション300内の変速のために複数のギア
の連結状態を切換え、ATとしての変速制御がなされ
る。なおブレーキ類は実質的にクラッチと同類の摩擦要
素であり、クラッチの片側をトランスミッションのボデ
ィに固定した構造となっているものがブレーキである。
【0038】次にカムシャフト1の制御およびカムシャ
フト1の外周面に形成されるカム凹凸について説明す
る。図1に示すカムシャフト1の周方向の位置は、図8
に示すAT用ECU70からの指示によって制御され、
ステップモータ12がカムシャフト1を回転させて、カ
ムシャフト1の円周面に設けられたカムによりピン1
4、15、16、17、18、19、20を介してスプ
ール弁SPの位置を制御し、それによりスプール弁SP
に設けられた溝がライン圧連通路46、51、制御圧連
通路47、50、ドレン圧連通路48、49と通じ所定
の油圧が各連通ポート39、40、41、42、43、
44、45に伝えられる。
【0039】カムシャフト1は、ある作動モードにおけ
るピン14、15、16、17、18、19、20との
当接位置から周方向および軸方向にそれぞれ所定幅で同
一径部分を設けてあるため、カムシャフト1が回転方向
または軸方向に駆動され小さな範囲で移動しても、スプ
ール弁SPが位置変化しない。このため、カムシャフト
1の位置決めに若干のずれを許容している。これによ
り、回転方向または軸方向の駆動停止位置を高精度に制
御する必要がない。さらに、カムシャフト1が回転方向
または軸方向に全ストロークしたとき、ピン14、1
5、16、17、18、19、20の側面と隣接するス
プール弁に対応したカムシャフト1表面のカム凹凸との
間には若干の余裕が設けてあり、万一の際、ピン14、
15、16、17、18、19、20の先端に大きな力
が加わらないように考慮されている。図9(b) に示すよ
うに、例えばピン14の先端部14aの曲率半径R1 と
カムシャフト1の表面(以下「カム面」という)のカム
凹凸の隅部1bの曲率半径R2bとの大小関係をR1 <R
2bにすることにより、ピン14がカム面をスムーズに摺
動する。
【0040】図9(a) に示すように、カム凹凸の隅部1
aの曲率半径R2aがピン14の曲率半径R1 より小さい
場合、ピン14の先端部14aがカム面に接する部分は
図9(a) に示す点Aおよび点Bの2点であることから、
ピン14の先端部14aがカム面に引っ掛かり易くなっ
ている。これに対し、図9(b) に示すように、カム凹凸
の隅部1bの曲率半径R2bをピン14の曲率半径R1 よ
り大きくすることにより、ピン14の先端部14aがカ
ム面に接する部分は図9(b) に示す点Cの1点になる。
また、図9(b) に示す点Dのように、ピン14がカム凸
部を登る途中においてもピン14とカム面とは1点で接
することから、ピン14がカム面に引っ掛かることなく
スムーズに摺動可能であり正常な作動を保障している。
他のピン15、16、17、18、19、20について
も、ピン14と同様、カム面に引っ掛かることなくスム
ーズに摺動可能である。
【0041】図8に示すように、AT用ECU70は、
加速に際し変速段を下段にシフトするためのキックダウ
ン信号やセレクトレバー500がどのポジションにある
のかを示すセレクトレバー信号等と、エンジンの駆動を
制御するエンジン(E/G)用ECU72からの信号に
よって、E/G用ECU72とデータを交換しながらス
テップモータ12を駆動するモータ位置信号を出力し、
同時に各油圧制御信号を前述の係合油圧制御弁61、6
2、ライン圧制御弁64、ロックアップ油圧制御弁65
に出力する。この時E/G用ECU72とAT用ECU
70とが交換するデータは、ラジエータの水温、スロッ
トル開度、クランクシャフトのクランク角、車速、ター
ビン回転数等である。この他、カムシャフト1が連結部
11を介しセレクトトレバー500に連結しているの
で、セレクトレバー信号もAT用ECU70に入力され
ている。
【0042】図10は、セレクトレバー500の各レン
ジおよび各変速レンジにおいて各スプール弁SPが、ラ
イン圧制御弁に連通するライン圧ポートPS 、ドレンポ
ートDr 、係合油圧制御弁61に連通する制御圧ポート
PC1、係合油圧制御弁62に連通する制御圧ポートPC2
のいずれのポートに接続されるかを示した図である。カ
ムシャフト1は連結部11によってセレクトレバー50
0と連結しているので、運転者による手動操作でセレク
トレバー500の位置選択が行われると、カムシャフト
1はシャフト軸方向に移動し、カムシャフト1の軸方向
の凹凸でカムシャフト1に接するピン14、15、1
6、17、18、19、20を動かし各スプール弁SP
を制御する。また、AT用ECU70の指令によりステ
ップモータ12を回転させ、カムシャフト1の円周方向
のカム凹凸で各スプール弁SPの周方向位置を制御す
る。
【0043】図12はスプール弁5および8についてD
レンジ位置にあるカムシャフト1の軸方向断面図を示し
ており、変速段が第4速の位置にある状態である。スプ
ール弁5および8にそれぞれ接しているピン17および
18は、他端がいずれもカムシャフト1の最大径の位置
に接しているのでスプール弁5および8を最大に押し上
げている。従って、スプール弁5および8はライン圧ポ
ート35、37(PS)と連通する位置に位置決めさ
れ、スプール弁5および8に連通する多板クラッチC1
および多板ブレーキB2にライン圧の圧油が供給され
る。
【0044】この状態から、AT用ECU70の指令に
よるステップモータ12の回転に応じ、3速(3rd)、
2速(2nd)、1速(1st)と、カムシャフト1は45
°間隔で回転し、その回転に応じピン17および18は
カムシャフト1の外周面に沿って移動する。図12に示
した図の場合には、スプール弁5および8は3rdと4 th
において同一の位置であるが、2ndの変速段ではピン1
8がカムシャフト1の中間径位置に移動し、スプール弁
8は制御圧ポート38fに連通する位置に移動され、連
通ポート44を介し多板ブレーキB2へ制御圧の圧油が
供給される。1 stの変速段においても同様に、図11に
示すポート状態になる。
【0045】カムシャフト1は、連結部11を通じてセ
レクトレバー500と連結しているので、運転者による
手動操作でセレクトレバー500の位置選択が行われる
と、カムシャフト1はシャフト軸方向に移動し、カムシ
ャフト1の軸方向のカム凹凸でカムシャフト1に接する
ピン14、15、16、17、18、19、20を動か
し各スプール弁を制御する。またセレクトレバー500
の選択位置に応じたセレクトレバー信号がAT用ECU
70に入力される。したがって、カムシャフト1のカム
面には、軸方向と円周方向の両方向にカム凹凸が形成さ
れ、このカム凹凸の形状は図10に示される油圧連通モ
ードで決まるスプール弁位置となるよう設計されてい
る。なおこのようにして制御されるATの各クラッチ
類、ブレーキ類の動作状態は図11に示すような構成と
なる。
【0046】セレクトレバー500を順に、2(前進第
2速)、D(前進自動変速段)、N(ニュートラル)、
R(バック)、P(パーキング)にシフトした場合、カ
ムシャフト1は予め定められた距離だけ軸方向に移動す
る。すると、回転移動の場合と同様にしてスプール弁5
および8は、図10に示す圧力分配が行われる。他の変
速段および他のレンジおよび他のスプール弁においても
同様の作動を示す。
【0047】次にDレンジ位置における変速動作につい
て説明する。他のレンジにおいても基本的な作動は同様
である。カムシャフト1は手動のDレンジの位置におい
て、カム面のカム凹凸によりピンを介しスプール弁SP
を図10のDレンジの欄で示す連通ポートで決まる連通
モードにする。そしてカムシャフト1に対するAT用E
CU70の指示が、車速の4段階の内の1速モード(図
10の1st)であると、図10、図11に示すように、
多板クラッチC0は、図1のライン圧ポート(図10の
PS )35からライン圧連通路46、スプール弁3の
溝、連通ポート40を介してライン圧を受けて作動状態
となる。多板クラッチC1は同様に、圧力制御ポート
(図10のPC1)36から制御圧連通路47、スプール
弁5の溝、連通ポート42を介し制御圧を受け、車速等
の状態によって制御圧が係合油圧制御弁61、62で調
節され係合状態が制御される。また、多板クラッチC2
および多板ブレーキB0はドレンポート54、55を通
じてドレンポート48(図10のDr )に接続され、多
板ブレーキB1、B2、B3もすべてドレンポート48
に接続される。
【0048】そして1速モード状態からAT用ECU7
0が2速モード(図10の2nd)の指示状態になったと
すると、AT用ECU70からの指示によってステップ
モータ12がカムシャフト1を2速モード位置に回転さ
せ、各スプール弁SPの位置を変化させる。その結果、
図10のDレンジの2ndの欄に示すように、多板クラッ
チC1はライン圧ポート35(図10のPS )に接続さ
れ、多板ブレーキB2は制御圧ポート38(図10のP
c2)に接続され、他のクラッチ、ブレーキは1速モード
と同じ状態が保持される。これらのモードによって決ま
る油圧でトランスミッション300内のクラッチ類、ブ
レーキ類が作動し1速モードと異なる変速比である2速
モードのトルク状態となる。このように制御状態が決め
られてATとしての機能を果たす。他のレンジ位置で
も、またシフトダウン操作でも同様な動作で制御され
る。
【0049】手動でセレクトレバー500を切換えシフ
ト比を変更すると、セレクトレバー500に連動した連
結部11によってカムシャフト1がスライドさせられて
各スプール弁SPの位置を切換え、図10の各レンジで
指定するような油圧連通モードにする。その状態で同時
にAT用ECU70による制御でステップモータ12に
よりカムシャフト1が回転駆動されて車速に対応した油
圧連通モードになり、自動制御が続行される。
【0050】第1実施例によると、各スプール弁SPの
底壁には3箇所の小穴が2e、3e、4e、6e、7
e、8eが形成されていることから、スプール弁SP内
に満たされる油をスプール弁未開口側底部の下方に逃が
し、スプール弁内部の油圧による圧力とスプール弁未開
口側底部の面に働く油圧とをバランスさせることが可能
になる。これにより、スプール弁SPの応答性を向上さ
せ、またスプール弁SPの駆動力を軽減する効果があ
る。さらにスプール弁SPの駆動力軽減からカムシャフ
ト1の駆動源であるステップモータ12の駆動力を低減
させることが可能になる。したがって、ステップモータ
12の小型化が可能になり、油圧制御装置400の小型
軽量化を図れる効果がある。
【0051】また、第1実施例によると、各スプール弁
SPの外周には環状溝が形成されることから、各スプー
ル弁SPの外周壁と各スプール弁SPに対応する円筒孔
の内周壁との隙間を通って流れる油のアンバランスによ
って起こるハイドロリックロックを解消する効果があ
る。この環状溝は、例えばスプール弁5の場合、ライン
圧連通路46と連通する位置に停止したとき、制御圧連
通路47内に位置するように形成されることから、隣合
う制御圧連通路47とドレン圧連通路48とをシールす
るシール長に影響することがない。したがって、ライン
圧連通路46、制御圧連通路47、ドレン圧連通路48
間の油の漏洩量を増やすことなく、スプール弁SP移動
時のハイドロリックロックを解消可能にする効果があ
る。
【0052】さらに、第1実施例によると、カムシャフ
ト1に形成されるカム凹凸の隅部の曲率半径R2bがカム
面を摺動するピンの先端の曲率半径R1 より大きいこと
から、カム面に沿ってカム凹凸を昇降する際、ピンの先
端がカム面に引っ掛かることなくスムーズに摺動する効
果がある。また、ピンの先端がカム面をスムーズに摺動
することから、カムシャフト1の回転方向および軸方向
の動きに対するスプール弁SPの作動の信頼性を向上さ
せる効果がある。
【0053】(第2実施例)本発明の第2実施例を図1
3に示す。第1実施例と実質的に同一の構成部分には同
一符号を付す。図13に示す第2実施例は、スプール弁
5を押上げるピンの代わりにボール84を用いることに
より、ボール84がカムシャフト1のカム面を回転しな
がらスプール弁5を押上げることから、ボール84とカ
ム面との摩擦力の低減させるものである。
【0054】図13に示すように、スプール弁5が全ス
トローク可能な径を有する球形状のボール84がカムシ
ャフト1とスプール弁5の未開口側底部の端面5dとの
間に位置するようにハウジング28に挿入され、カムシ
ャフト1のカムの動きをスプール弁5に伝えている。ス
プール弁5が円筒孔28a内をスライドしたとき、スラ
イド位置によってこの穴部5bが円筒孔28aに連通す
るそれぞれのライン圧連通路46、制御圧連通路47、
ドレン圧連通路48と連通するようなっている。同様
に、他のスプール弁2、3、4、6、7、8とカムシャ
フト1との間には図示しないボールが挿入されている。
【0055】第2実施例によると、各スプール弁2、
3、4、5、6、7、8とカムシャフト1との間にカム
シャフト1のカムの動きを各スプール弁に伝えるボール
(例えばスプール弁5ではボール84)が挿入されてい
ることから、このボールがカムシャフト1のカム面を回
転しながら各スプール弁を押上げ、ボールとカム面との
摩擦力の低減させる効果がある。また、ボールとカム面
との摩擦力が低減されることから、カムシャフト1を回
転方向および軸方向に駆動させる駆動源であるステップ
モータの駆動力を低減させることが可能になる。したが
って、ステップモータの小型化が可能になり、油圧制御
装置の小型軽量化を図れる効果がある。
【0056】(第3実施例)本発明の第3実施例を図1
4に示す。第3実施例は、スプール弁91の両端に加わ
る圧力を低圧にすることにより、円筒孔90a内のスプ
ール弁91の移動をスムーズにしたものである。図14
(a) に示すように、スプール弁91は円筒状に形成さ
れ、外側面中央部周囲に環状の油路溝91aが設けられ
ている。図示しないカムシャフトと反対側の端部内部に
は円柱状の穴91bが形成されている。この穴91bに
スプリング92の一部が収容されており、スプリング9
2はカムシャフト側にスプール弁91を付勢している。
穴91bを含みスプール弁91とハウジング90で形成
されるドレン圧ポート90d側の空間部91cは、常に
ドレン圧ポート90dと連通しているので、空間部91
c内の圧力は低圧のドレン圧となっている。スプール弁
91とハウジング90と間に形成される空間部91d
は、ハウジング90に形成される圧力抜き溝94を介し
てカムシャフトが挿入されるハウジング90に形成され
る窪みと連通し常に低圧のドレン圧となっている。
【0057】図14(a) は、ピン93によりスプール弁
91が一番押し上げられた状態を示し、図14(c) はス
プール弁91がカムシャフトに一番近付いた状態を示
す。図14(b) では、スプール弁91は図14(a) と図
14(c) のほぼ中間の位置にある。連通ポート95に供
給される圧油の油圧はそれぞれ図14(a) がライン圧、
図14(b) が制御圧、図14(c) がドレン圧にそれぞれ
対応している。
【0058】スプール弁91の両端に設けられる圧力室
である空間部91cおよび空間部91dの圧力は常にド
レン圧に等しいため、カムシャフト側にスプール弁91
を付勢するスプリング92の付勢力を小さくすることが
できる。すると、スプリング92の付勢力に抗してピン
93がスプール弁91を押上げる力が低減可能になり、
軸方向にカムシャフトを駆動する図示しないセレクトレ
バーの操作力を低減できる。また、回転方向にカムシャ
フトを駆動するステップモータの駆動力を低減すること
からステップモータの小型化が可能になる。
【0059】第3実施例によると、スプール弁91の両
端の圧力が常にドレン圧に等しいことから、ピン93が
スプール弁91を押上げる力が低減でき、カムシャフト
の表面に加わる力を低減する効果がある。したがって、
カムシャフトの材料を樹脂等にすることができ、カムシ
ャフトの軽量化、低コスト化を図れる効果がある。以上
説明した本発明の実施例では、図1に示すように、カム
シャフト1の両側にスプール弁SPを配置したので、集
積弁60はコンパクトな略平板状に構成されている。配
置に上下の制約はないのでオイルパン内での配置も容易
となる。本発明では、平板状に限らず、例えば、カムシ
ャフト軸を中心として屈曲させるようにしてもよい。ま
た本発明では、スプール弁列をカムシャフトの片側に一
列に配置させ細長くした棒形状でももちろん構わない。
これらの場合では、他の装置、特にAT本体のトランス
ミッションの形状に合わせて設置余裕の少ないオイルパ
ン内部などの周辺にコンパクトに搭載することができ
る。
【0060】また本発明の実施例では、カムシャフト1
に対するECU変速とマニュアル変速の割当は回転方向
にECU変速、軸方向にマニュアル変速を割り当ててい
る。これは、回転方向にカム面のカム凹凸変化の頻度が
少なくなるためカムシャフト1を鋳造、成形等の加工が
容易になり製作上極めて有利になるからである。本発明
では、被駆動体であるカムシャフトの軸方向の直線運動
によって自動制御を行い、回転運動によって手動制御を
行なうことは可能である。この場合、駆動手段であるス
テップモータはカムシャフトに連動する配置となり、ス
テップモータの位置には歯車でセレクトレバーに機械的
に接続されることになる。また本発明では、カムシャフ
トは図示した寸法に限らず、径を大きくして略円筒ドラ
ムカムシャフトとしても構わない。またスプール弁の形
状も、上述の機能を持つ油圧弁であれば円柱に限らず、
どのような形状の弁であってもよい。なお一般的にスプ
ール弁の個数や油圧連通モードは、トランスミッション
の構造に依存して変わり、また多板ブレーキや多板クラ
ッチの数や質によって設定条件も変化する。
【0061】また本発明の実施例では、カムシャフト1
により各スプール弁SPを駆動したが、本発明では、自
動、手動の機構を備えた油圧制御方式ならばどのように
制御弁であるスプール弁を駆動してもよく、同様な効果
を得ることができる。また本発明の実施例では軸方向の
駆動はセレクトレバー500による手動操作によってな
されているが、もちろん自動側即ちステップモータ12
によって駆動される回転方向への駆動に適用する構成で
も効果が同じである。
【0062】また本発明の実施例では、カムとカムシャ
フト1とを一体に形成したが、本発明では、外周面をカ
ム形状としたカムリングをシャフトに嵌め込んで図1に
示すカムシャフト構造としてもよく、その場合、ポート
数変更やポート組み合わせ変更などに対応しやすくな
る。例えば図示はしないが、各スプール弁のあるハウジ
ングの円筒孔の周囲を1ブロックとして、カムシャフト
軸方向に積み重ねるような構成にすることで変更は容易
となる。従って、そのような構成は、集積弁が、油圧弁
とそのハウジングを1ブロック単位として、該1ブロッ
ク単位を必要ポート数だけ積層したことを特徴とするこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による自動変速機用油圧制
御装置の集積弁を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】自動変速機装置のシステム構成を示すブロック
図である。
【図4】スプール弁とその周囲の構成を示す断面図であ
る。
【図5】図6のV−V線断面図である。
【図6】スプール弁の平面図である。
【図7】スプール弁の環状溝と各油圧連通路との位置関
係を示す説明図である。
【図8】信号線の入出力状態を示すブロック図である。
【図9】カムシャフトのカム凹凸の隅部の曲率半径と、
ピンの先端部の曲率半径との関係を示した説明図であ
る。
【図10】集積弁の油圧連通モードを示す説明図であ
る。
【図11】トランスミッションの多板クラッチ、多板ブ
レーキの動作状態図である。
【図12】図1のXII −XII 線断面図である。
【図13】本発明の第2実施例によるスプール弁とその
周囲の構成を示す断面図である。
【図14】本発明の第3実施例によるスプール弁とその
周囲の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(動力伝達部材、カム) 1b 隅部 2、3、4、5、6、7、8スプール弁 (油圧弁) 2b、3b、4b、5b、6b、7b、8b穴部
(入力ポート) 2c、3c、4c、5c、6c、7c、8c内円筒部 2e、3e、4e、5e、6e、7e、8e小穴
(通路) 5h、i 環状溝 (溝) 12 ステップモ−タ(自動切換え手段) 14、15、16、17、18、19、20ピン 14a、15a、16a、17a、18a、19a、2
0a先端部 (接触端部) 28 ハウジング (弁ハウジング) 28a、28b、28c、28d、28e、28f、2
8g円筒孔 (筒孔) 39、40、41、42、43、44、45連通ポート 46、51 ライン圧連通路(油圧通路、ポート) 47、50 制御圧連通路(油圧通路、ポート) 48、49 ドレン圧連通路(油圧通路、ポート) 61、62 係合油圧制御弁 64 ライン圧制御弁 84 ボール 500 セレクトレバー(手動切換え手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記
    複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うことにより
    複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装
    置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、 前記複数の油圧弁に駆動力を伝達するカムと、 自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段
    と、 手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え手段
    とを備え、 前記複数の油圧弁の前記カムと接触する接触部の曲率半
    径が、前記カムの前記接触部と接触するカム面の曲率半
    径より小さいことを特徴とする自動変速機用油圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記
    複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うことにより
    複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装
    置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、 前記複数の油圧弁に駆動力を伝達する動力伝達部材と、 自動制御により前記動力伝達部材を駆動制御する自動切
    換え手段と、 手動操作により前記動力伝達部材を駆動制御する手動切
    換え手段とを備え、 前記油圧弁は、高圧側と低圧側とを連通する複数個の通
    路を有することを特徴とする自動変速機用油圧制御装
    置。
  3. 【請求項3】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記
    複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うことにより
    複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装
    置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数のスプール弁を有する集積弁と、 前記複数のスプール弁に駆動力を伝達する動力伝達部材
    と、 自動制御により前記動力伝達部材を駆動制御する自動切
    換え手段と、 手動操作により前記動力伝達部材を駆動制御する手動切
    換え手段と、 前記スプール弁の外周面に周方向に形成される溝と、 前記集積弁の弁ハウジングに形成される油圧用の複数の
    ポートであって、前記スプール弁の入力ポートに選択的
    に連通可能な複数のポートとを備え、 前記複数のポートのいずれか一個のポートと前記スプー
    ル弁の前記入力ポートとの連通時、前記溝は前記複数の
    ポートの他のポート内に配置されていることを特徴とす
    る自動変速機用油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記
    複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うことにより
    複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装
    置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、 前記複数の油圧弁に駆動力を伝達するカムと、 自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段
    と、 手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え手段
    と、 前記カムのカム面に前記油圧弁を押圧する方向に付勢す
    る付勢手段と、 前記カムに当接するボールであって、前記カムの変位量
    を前記油圧弁に伝達するボールとを備えたことを特徴と
    する自動変速機用油圧制御装置。
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