JPH0863809A - 光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法 - Google Patents
光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法Info
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- JPH0863809A JPH0863809A JP6201979A JP20197994A JPH0863809A JP H0863809 A JPH0863809 A JP H0863809A JP 6201979 A JP6201979 A JP 6201979A JP 20197994 A JP20197994 A JP 20197994A JP H0863809 A JPH0863809 A JP H0863809A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 初期化磁界、再生磁界を必要としない簡易な
構成で、先の回折限界以下の記録マークを再生可能とす
る光磁気記録媒体及び情報再生方法の提供。 【構成】 少なくとも第一磁性層と第三磁性層と第二磁
性層とを、その順に基板上に積層して成る光磁気記録媒
体において、前記第一磁性層は希土類−鉄族元素非晶質
合金からなり、室温において希土類元素副格子磁化優勢
で、室温とキュリー温度の間に補償温度を持ち、前記第
二磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金からなる垂直磁
化膜で、該第二磁性層のキュリー温度は前記第一磁性層
のキュリー温度よりも低く前記第三磁性層のキュリー温
度よりも高く、前記第一磁性層の補償温度Tcomp1
と前記第三磁性層のキュリー温度Tc3との間に以下の
関係 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) が成り立つことを特徴とする。
構成で、先の回折限界以下の記録マークを再生可能とす
る光磁気記録媒体及び情報再生方法の提供。 【構成】 少なくとも第一磁性層と第三磁性層と第二磁
性層とを、その順に基板上に積層して成る光磁気記録媒
体において、前記第一磁性層は希土類−鉄族元素非晶質
合金からなり、室温において希土類元素副格子磁化優勢
で、室温とキュリー温度の間に補償温度を持ち、前記第
二磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金からなる垂直磁
化膜で、該第二磁性層のキュリー温度は前記第一磁性層
のキュリー温度よりも低く前記第三磁性層のキュリー温
度よりも高く、前記第一磁性層の補償温度Tcomp1
と前記第三磁性層のキュリー温度Tc3との間に以下の
関係 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) が成り立つことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ビームを用いて光学
的に情報の記録及び再生を行う光磁気記録媒体、及び該
媒体の情報再生方法に関し、特に媒体の高密度化を可能
とする光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法に関す
るものである。
的に情報の記録及び再生を行う光磁気記録媒体、及び該
媒体の情報再生方法に関し、特に媒体の高密度化を可能
とする光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録方式として、
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁
区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、
この情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。
又、近年、この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に
大容量の記録媒体とする要求が高まっている。この光磁
気記録媒体等の光ディスクの線記録密度は、再生光学系
のレーザー波長λ、対物レンズの開口数NAに大きく依
存する。すなわち、再生光波長と対物レンズの開口数が
決まるとビームウエストの径が決まるため、最短マーク
長はλ/2NA程度が再生可能な限界となってしまう。
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁
区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、
この情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。
又、近年、この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に
大容量の記録媒体とする要求が高まっている。この光磁
気記録媒体等の光ディスクの線記録密度は、再生光学系
のレーザー波長λ、対物レンズの開口数NAに大きく依
存する。すなわち、再生光波長と対物レンズの開口数が
決まるとビームウエストの径が決まるため、最短マーク
長はλ/2NA程度が再生可能な限界となってしまう。
【0003】一方トラック密度は、主として隣接トラッ
ク間のクロストークによって制限され、最短マーク長と
同様に再生ビームのスポット径に依存している。したが
って、従来の光ディスクで高密度化を実現するために
は、再生光学系のレーザー波長を短くするか、対物レン
ズの開口数NAを大きくする必要がある。
ク間のクロストークによって制限され、最短マーク長と
同様に再生ビームのスポット径に依存している。したが
って、従来の光ディスクで高密度化を実現するために
は、再生光学系のレーザー波長を短くするか、対物レン
ズの開口数NAを大きくする必要がある。
【0004】しかしながら、レーザーの波長を短くする
のは素子の効率、発熱などの問題で容易ではなく、又、
対物レンズの開口数を大きくするとレンズの加工が困難
になるだけでなく、レンズとディスクの距離が近づき過
ぎてディスクと衝突する等の機械的問題が発生する。こ
のため、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録
密度を改善する技術が開発されている。
のは素子の効率、発熱などの問題で容易ではなく、又、
対物レンズの開口数を大きくするとレンズの加工が困難
になるだけでなく、レンズとディスクの距離が近づき過
ぎてディスクと衝突する等の機械的問題が発生する。こ
のため、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録
密度を改善する技術が開発されている。
【0005】例えば、特開平6−124500号公報に
開示された光磁気記録媒体では、再生光の光学的な分解
能以上の記録密度を実現する超解像技術として、図24
に示すような媒体構成が提案されている。図24(a)
は、超解像技術の一例である光ディスクの断面図を示し
ている。基板20は通常ガラスあるいはポリカーボネー
トの様な透明な材料であり、あらかじめ同心円状又はら
せん状の溝(グループ6)がついておりガイドトラック
を形成している。記録情報はランドおよび/またはグル
ープに沿って記録する。基板20上に干渉層43、第一
の磁性層(以下再生層と称する)41、第二の磁性層
(以下メモリ層と称する)42、保護層44の順に積層
する。干渉層43はカー効果を高めるため、保護層44
は磁性層の保護のために用いられるものである。磁性層
中の矢印は、膜中の鉄族元素副格子磁化の向きを表す。
メモリ層42は例えばTbFeCoやDyFeCoなど
の垂直磁気異方性の大きい膜で、記録情報はこの層の磁
化が膜面に対して上向きか下向きかによって磁区を形成
し、保持される。再生層41は飽和磁化Msが大きく垂
直磁気異方性が小さい材料で希土類元素副格子磁化優勢
な組成で構成されている。図25に再生層41の静特性
の一例を示す。室温では面内磁化膜だが温度の上昇と共
に飽和磁化Msは次第に減少していき、所定温度に達す
ると垂直磁気異方性Kuと2πMs2の大小関係が逆転
するために垂直磁化膜となる。図25は再生層単体での
静特性を示したが、メモリ層42と積層した場合にはメ
モリ層42との交換結合力が働くためにより低い温度T
thで垂直磁化膜となり、又垂直磁化膜となるときの再
生層41の鉄族元素副格子磁化の向きはメモリ層42と
交換結合した向きとなる。このような媒体構成のディス
クに基板20側から情報再生用の光を照射すると、デー
タトラック中心での温度勾配は図24(c)に示すよう
になり、これを基板20側から見ると、図24(b)の
様にスポット内にTthの等温線が存在することにな
る。すると、先述のようにTth以下の部分では再生層
41は面内磁化膜となるため極カー効果には寄与せず
(フロントマスク4を形成する)、メモリ層42に保持
された記録磁区はマスクされて見えなくなる。一方Tt
h以上の部分は再生層41が垂直磁化膜になり、且つ鉄
族元素副格子磁化の向きはメモリ層42からの交換結合
により記録情報と同じ向きとなる。結果として、スポッ
ト2の大きさに比べて小さいアパーチャ3の部分だけに
メモリ層42の記録磁区が転写されるので、超解像が実
現する。
開示された光磁気記録媒体では、再生光の光学的な分解
能以上の記録密度を実現する超解像技術として、図24
に示すような媒体構成が提案されている。図24(a)
は、超解像技術の一例である光ディスクの断面図を示し
ている。基板20は通常ガラスあるいはポリカーボネー
トの様な透明な材料であり、あらかじめ同心円状又はら
せん状の溝(グループ6)がついておりガイドトラック
を形成している。記録情報はランドおよび/またはグル
ープに沿って記録する。基板20上に干渉層43、第一
の磁性層(以下再生層と称する)41、第二の磁性層
(以下メモリ層と称する)42、保護層44の順に積層
する。干渉層43はカー効果を高めるため、保護層44
は磁性層の保護のために用いられるものである。磁性層
中の矢印は、膜中の鉄族元素副格子磁化の向きを表す。
メモリ層42は例えばTbFeCoやDyFeCoなど
の垂直磁気異方性の大きい膜で、記録情報はこの層の磁
化が膜面に対して上向きか下向きかによって磁区を形成
し、保持される。再生層41は飽和磁化Msが大きく垂
直磁気異方性が小さい材料で希土類元素副格子磁化優勢
な組成で構成されている。図25に再生層41の静特性
の一例を示す。室温では面内磁化膜だが温度の上昇と共
に飽和磁化Msは次第に減少していき、所定温度に達す
ると垂直磁気異方性Kuと2πMs2の大小関係が逆転
するために垂直磁化膜となる。図25は再生層単体での
静特性を示したが、メモリ層42と積層した場合にはメ
モリ層42との交換結合力が働くためにより低い温度T
thで垂直磁化膜となり、又垂直磁化膜となるときの再
生層41の鉄族元素副格子磁化の向きはメモリ層42と
交換結合した向きとなる。このような媒体構成のディス
クに基板20側から情報再生用の光を照射すると、デー
タトラック中心での温度勾配は図24(c)に示すよう
になり、これを基板20側から見ると、図24(b)の
様にスポット内にTthの等温線が存在することにな
る。すると、先述のようにTth以下の部分では再生層
41は面内磁化膜となるため極カー効果には寄与せず
(フロントマスク4を形成する)、メモリ層42に保持
された記録磁区はマスクされて見えなくなる。一方Tt
h以上の部分は再生層41が垂直磁化膜になり、且つ鉄
族元素副格子磁化の向きはメモリ層42からの交換結合
により記録情報と同じ向きとなる。結果として、スポッ
ト2の大きさに比べて小さいアパーチャ3の部分だけに
メモリ層42の記録磁区が転写されるので、超解像が実
現する。
【0006】又、特開平3−93058号公報及び特開
平4−255946号公報に開示された超解像再生方法
では、図26に示すように再生層31、第三の磁性層
(以下中間層と称する)32とメモリ層33からなる媒
体を用いる。情報再生に先立って初期化磁界21により
再生層31の磁化の向きを一方向に揃えてメモリ層33
の磁区情報をマスクした後に光スポット2を照射し、そ
の際に生じる媒体の温度分布のうち、低温領域では再生
層31に初期化状態を維持させ(フロントマスク4を形
成する)、中間層32のキュリー温度Tc2以上の高温
領域では再生層31を再生磁界22の方向に強制的に配
向させ(リアマスク5を形成する)、中温領域のみでメ
モリ層33の磁区情報が転写されるようにして再生スポ
ットの実効的な大きさを小さくすることにより、光の回
折限界以下の記録マーク1を再生可能とし、線密度の向
上を図っている。
平4−255946号公報に開示された超解像再生方法
では、図26に示すように再生層31、第三の磁性層
(以下中間層と称する)32とメモリ層33からなる媒
体を用いる。情報再生に先立って初期化磁界21により
再生層31の磁化の向きを一方向に揃えてメモリ層33
の磁区情報をマスクした後に光スポット2を照射し、そ
の際に生じる媒体の温度分布のうち、低温領域では再生
層31に初期化状態を維持させ(フロントマスク4を形
成する)、中間層32のキュリー温度Tc2以上の高温
領域では再生層31を再生磁界22の方向に強制的に配
向させ(リアマスク5を形成する)、中温領域のみでメ
モリ層33の磁区情報が転写されるようにして再生スポ
ットの実効的な大きさを小さくすることにより、光の回
折限界以下の記録マーク1を再生可能とし、線密度の向
上を図っている。
【0007】これらの公知の超解像方式では、低温領域
でのフロントマスク4が隣接するトラックの方向にのび
ているために、線記録密度と同時にトラック密度の向上
をも試みている。
でのフロントマスク4が隣接するトラックの方向にのび
ているために、線記録密度と同時にトラック密度の向上
をも試みている。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、特
開平6−124500号公報に開示された超解像再生方
法ではフロントマスク4のみを用いるために、解像度を
上げるためにマスクの領域を広げるとアパーチャ3の位
置がスポット中心から外れてしまって信号品質が犠牲に
なるという問題があった。又、特開平3−93058号
公報及び特開平4−255946号公報に開示された方
法では、信号品質を落とさずに解像力を上げられる反
面、情報再生に先立って再生層31の磁化を一方向に揃
えなければならず、そのために初期化磁界21を発生さ
せるための磁石を従来の装置に追加することが必要とな
る。
開平6−124500号公報に開示された超解像再生方
法ではフロントマスク4のみを用いるために、解像度を
上げるためにマスクの領域を広げるとアパーチャ3の位
置がスポット中心から外れてしまって信号品質が犠牲に
なるという問題があった。又、特開平3−93058号
公報及び特開平4−255946号公報に開示された方
法では、信号品質を落とさずに解像力を上げられる反
面、情報再生に先立って再生層31の磁化を一方向に揃
えなければならず、そのために初期化磁界21を発生さ
せるための磁石を従来の装置に追加することが必要とな
る。
【0009】以上のように、従来の超解像再生方法は、
解像力が十分上げられなかったり、光磁気記録再生装置
が複雑化し、コストが高くなる、小型化が難しい等の問
題点を有している。
解像力が十分上げられなかったり、光磁気記録再生装置
が複雑化し、コストが高くなる、小型化が難しい等の問
題点を有している。
【0010】本発明は、このような問題点の解決を図る
ものとして、再生時に初期化磁界及び再生磁界を必要と
しない簡易な構成で、光の回折限界以下の記録マーク
を、高い信号品質で再生可能な光磁気記録媒体及び該媒
体を用いた光学的情報再生方法の提供を目的とする。
ものとして、再生時に初期化磁界及び再生磁界を必要と
しない簡易な構成で、光の回折限界以下の記録マーク
を、高い信号品質で再生可能な光磁気記録媒体及び該媒
体を用いた光学的情報再生方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の前記目
的は、少なくとも第一磁性層と第三磁性層と第二磁性層
とを、その順に基板上に積層して成る光磁気記録媒体に
おいて、前記第一磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金
からなり、室温において希土類元素副格子磁化優勢で、
室温とキュリー温度の間に補償温度を持ち、前記第二磁
性層は希土類−鉄族元素非晶質合金からなる垂直磁化膜
で、該第二磁性層のキュリー温度は前記第一磁性層のキ
ュリー温度よりも低く前記第三磁性層のキュリー温度よ
りも高く、前記第一磁性層の補償温度Tcomp1と前
記第三磁性層のキュリー温度Tc3との間の関係を、 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) とすることによって達成される。
的は、少なくとも第一磁性層と第三磁性層と第二磁性層
とを、その順に基板上に積層して成る光磁気記録媒体に
おいて、前記第一磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金
からなり、室温において希土類元素副格子磁化優勢で、
室温とキュリー温度の間に補償温度を持ち、前記第二磁
性層は希土類−鉄族元素非晶質合金からなる垂直磁化膜
で、該第二磁性層のキュリー温度は前記第一磁性層のキ
ュリー温度よりも低く前記第三磁性層のキュリー温度よ
りも高く、前記第一磁性層の補償温度Tcomp1と前
記第三磁性層のキュリー温度Tc3との間の関係を、 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) とすることによって達成される。
【0012】又、少なくとも第一磁性層と第三磁性層と
第二磁性層とを、上記の順に基板上に積層して成る光磁
気記録媒体であって、前記第一磁性層は希土類−鉄族元
素非晶質合金からなり、室温において希土類元素副格子
磁化優勢で、室温とキュリー温度の間に補償温度を持
ち、前記第二磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金から
なる垂直磁化膜で、該第二磁性層のキュリー温度は前記
第一磁性層のキュリー温度よりも低く前記第三磁性層の
キュリー温度よりも高く、前記第一磁性層の補償温度T
comp1と前記第三磁性層のキュリー温度Tc3との
間に以下の関係 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) が成り立つ光磁気記録媒体に光ビームを照射して、記録
された情報を再生する情報再生方法において、前記第一
磁性層側から光ビームを照射し、前記光ビームのスポッ
ト内の低温部分における前記第一磁性層の磁化を一方向
に磁化し、前記スポット内の低温部分以外の部分で前記
第一磁性層を垂直磁化膜として前記第二磁性層と交換結
合させ、前記第一磁性層に前記第二磁性層に蓄積された
情報を転写し、前記光ビームの反射光を検出することに
より前記第二磁性層に蓄積された情報の再生を行うこと
によって達成される。
第二磁性層とを、上記の順に基板上に積層して成る光磁
気記録媒体であって、前記第一磁性層は希土類−鉄族元
素非晶質合金からなり、室温において希土類元素副格子
磁化優勢で、室温とキュリー温度の間に補償温度を持
ち、前記第二磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金から
なる垂直磁化膜で、該第二磁性層のキュリー温度は前記
第一磁性層のキュリー温度よりも低く前記第三磁性層の
キュリー温度よりも高く、前記第一磁性層の補償温度T
comp1と前記第三磁性層のキュリー温度Tc3との
間に以下の関係 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) が成り立つ光磁気記録媒体に光ビームを照射して、記録
された情報を再生する情報再生方法において、前記第一
磁性層側から光ビームを照射し、前記光ビームのスポッ
ト内の低温部分における前記第一磁性層の磁化を一方向
に磁化し、前記スポット内の低温部分以外の部分で前記
第一磁性層を垂直磁化膜として前記第二磁性層と交換結
合させ、前記第一磁性層に前記第二磁性層に蓄積された
情報を転写し、前記光ビームの反射光を検出することに
より前記第二磁性層に蓄積された情報の再生を行うこと
によって達成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0014】図1は本実施例における光ディスクの断面
図を示す。図1に示すように、本実施例に用いる光ディ
スクでは、基板20上に干渉層14、第一磁性層(以下
再生層と称する)11、第三磁性層(以下中間層と称す
る)12、第二磁性層(以下メモリ層と称する)13、
保護層15の順に積層している。基板20は通常ガラス
あるいはポリカーボネートの様な透明な材料が使われ
る。これらの各層は、マグネトロンスパッタ装置による
連続スパッタリング、あるいは連続蒸着などによって被
着形成できる。干渉層14は磁気光学効果を高めるため
に設けられ、例えばSi3N4、AlN、SiO2、Si
O、ZnS、MgF2などの透明な誘電体材料が用いら
れる。保護層15は磁性層の保護のために用いられるも
ので、干渉層14と同様の材料が用いられる。干渉層1
4及び保護層15は本発明の本質とは無関係であるの
で、ここでは詳細な説明は省略する。又、図1には示し
ていないが、膜の保護、あるいは磁界変調オーバーライ
ト用磁界ヘッドを用いるために、保護層15にさらに紫
外線硬化樹脂などのハードコート材を塗布しても良い。
図を示す。図1に示すように、本実施例に用いる光ディ
スクでは、基板20上に干渉層14、第一磁性層(以下
再生層と称する)11、第三磁性層(以下中間層と称す
る)12、第二磁性層(以下メモリ層と称する)13、
保護層15の順に積層している。基板20は通常ガラス
あるいはポリカーボネートの様な透明な材料が使われ
る。これらの各層は、マグネトロンスパッタ装置による
連続スパッタリング、あるいは連続蒸着などによって被
着形成できる。干渉層14は磁気光学効果を高めるため
に設けられ、例えばSi3N4、AlN、SiO2、Si
O、ZnS、MgF2などの透明な誘電体材料が用いら
れる。保護層15は磁性層の保護のために用いられるも
ので、干渉層14と同様の材料が用いられる。干渉層1
4及び保護層15は本発明の本質とは無関係であるの
で、ここでは詳細な説明は省略する。又、図1には示し
ていないが、膜の保護、あるいは磁界変調オーバーライ
ト用磁界ヘッドを用いるために、保護層15にさらに紫
外線硬化樹脂などのハードコート材を塗布しても良い。
【0015】再生層11は、メモリ層13に保持した磁
化情報の再生を担う層で室温においては面内磁化膜で、
室温とキュリー温度の間の所定温度以上で垂直磁化膜と
なる磁化特性を備える。又、再生層11は、中間層1
2、メモリ層13に比べて光の入射に近い側に位置し、
再生時にカー回転角を劣化させないために、キュリー温
度は少なくとも中間層12、メモリ層13より高くす
る。再生層11は、例えば希土類−鉄族元素非晶質合金
で垂直磁気異方性が小さいもの、例えばGdFeCo、
GdTbFeCo、GdDyFeCoなどGdFeCo
を主に含む材料であればキュリー温度が高く、保持力が
低く、本媒体の主眼である高温領域での記録磁区の収縮
が容易に起きるので望ましい。具体的にはGdFeCo
が望ましい。また、これに短波長でのカー回転角を大き
くするためにNd、Pr、Smなどの軽希土類金属を添
加してもよい。
化情報の再生を担う層で室温においては面内磁化膜で、
室温とキュリー温度の間の所定温度以上で垂直磁化膜と
なる磁化特性を備える。又、再生層11は、中間層1
2、メモリ層13に比べて光の入射に近い側に位置し、
再生時にカー回転角を劣化させないために、キュリー温
度は少なくとも中間層12、メモリ層13より高くす
る。再生層11は、例えば希土類−鉄族元素非晶質合金
で垂直磁気異方性が小さいもの、例えばGdFeCo、
GdTbFeCo、GdDyFeCoなどGdFeCo
を主に含む材料であればキュリー温度が高く、保持力が
低く、本媒体の主眼である高温領域での記録磁区の収縮
が容易に起きるので望ましい。具体的にはGdFeCo
が望ましい。また、これに短波長でのカー回転角を大き
くするためにNd、Pr、Smなどの軽希土類金属を添
加してもよい。
【0016】次に、中間層12の設けられる目的は、以
下の3つである。 (1)室温付近において、再生層11とメモリ層13の
間の磁壁エネルギーを緩和し、再生層11が面内磁化膜
となるのを助ける。これは結果として再生層の膜厚低減
にも寄与する。 (2)所定温度以上に達すると再生層11とともに垂直
磁化膜に遷移し、メモリ層13から再生層11への交換
結合を媒介する。 (3)中間層12のキュリー温度以上では、再生層11
とメモリ層13の間の交換結合を切断する。
下の3つである。 (1)室温付近において、再生層11とメモリ層13の
間の磁壁エネルギーを緩和し、再生層11が面内磁化膜
となるのを助ける。これは結果として再生層の膜厚低減
にも寄与する。 (2)所定温度以上に達すると再生層11とともに垂直
磁化膜に遷移し、メモリ層13から再生層11への交換
結合を媒介する。 (3)中間層12のキュリー温度以上では、再生層11
とメモリ層13の間の交換結合を切断する。
【0017】これらの目的を達成するために、中間層1
2は再生層11とメモリ層13の間に位置し、キュリー
温度を室温より高く、再生層11及びメモリ層13のキ
ュリー温度より低くする。中間層12のキュリー温度
は、再生時の光スポット内の中温部で再生層11にメモ
リ層13からの交換結合力を媒介できる程度に大きく、
最高温度部で交換結合力を切断できる程度に小さく、具
体的には80℃以上で220℃以下が良く、より望まし
くは110℃以上で180℃以下が良い。中間層12の
材料としては、例えば希土類−鉄族非晶質合金、例え
ば、TbFe,TbFeCo,GdFe,GdFeC
o,GdTbFeCo,GdDyFeCo,DyFe,
DyFeCo,TbDyFeCoなどが良い。又キュリ
ー温度を低減するためにCr,Al,Si,Cuなどの
非磁性元素を添加しても良い。また、再生層を低温で面
内磁化膜として低温領域をマスクする場合には、低温で
の再生層の面内磁気異方性を強めるために、室温での面
内異方性が再生層よりも大きいもの、例えば室温での飽
和磁化Msが再生層の室温でのMsよりも大きいものが
より望ましい。
2は再生層11とメモリ層13の間に位置し、キュリー
温度を室温より高く、再生層11及びメモリ層13のキ
ュリー温度より低くする。中間層12のキュリー温度
は、再生時の光スポット内の中温部で再生層11にメモ
リ層13からの交換結合力を媒介できる程度に大きく、
最高温度部で交換結合力を切断できる程度に小さく、具
体的には80℃以上で220℃以下が良く、より望まし
くは110℃以上で180℃以下が良い。中間層12の
材料としては、例えば希土類−鉄族非晶質合金、例え
ば、TbFe,TbFeCo,GdFe,GdFeC
o,GdTbFeCo,GdDyFeCo,DyFe,
DyFeCo,TbDyFeCoなどが良い。又キュリ
ー温度を低減するためにCr,Al,Si,Cuなどの
非磁性元素を添加しても良い。また、再生層を低温で面
内磁化膜として低温領域をマスクする場合には、低温で
の再生層の面内磁気異方性を強めるために、室温での面
内異方性が再生層よりも大きいもの、例えば室温での飽
和磁化Msが再生層の室温でのMsよりも大きいものが
より望ましい。
【0018】メモリ層13は記録情報を保持する層で、
1μm以下の微小な磁区を安定に保持できることが必要
である。メモリ層13の材料としては、垂直磁気異方性
が大きく安定に磁化状態が保持できるもの、例えばTb
FeCo、DyFeCo,TbDyFeCoなどの希土
類−鉄族非晶質合金、ガーネット、あるいは、白金族−
鉄族周期構造膜、例えばPt/Co、Pd/Co、また
白金族−鉄族合金、例えばPtCo、PdCoなどであ
っても良い。
1μm以下の微小な磁区を安定に保持できることが必要
である。メモリ層13の材料としては、垂直磁気異方性
が大きく安定に磁化状態が保持できるもの、例えばTb
FeCo、DyFeCo,TbDyFeCoなどの希土
類−鉄族非晶質合金、ガーネット、あるいは、白金族−
鉄族周期構造膜、例えばPt/Co、Pd/Co、また
白金族−鉄族合金、例えばPtCo、PdCoなどであ
っても良い。
【0019】再生層11と中間層12とメモリ層13に
は、Al,Ti,Pt,Nb,Crなどの耐食性改善の
ための元素添加を行なっても良い。また、熱伝導性改良
のためAl,AlTa,AlTi,AlCr,Cuなど
の熱伝導性の良い層を設けても良い。また、光変調オー
バーライトを行なうために磁化を一方向に揃えた初期化
層、交換結合力または静磁結合力を調節するための記録
補助、再生補助のための補助層を設けても良い。
は、Al,Ti,Pt,Nb,Crなどの耐食性改善の
ための元素添加を行なっても良い。また、熱伝導性改良
のためAl,AlTa,AlTi,AlCr,Cuなど
の熱伝導性の良い層を設けても良い。また、光変調オー
バーライトを行なうために磁化を一方向に揃えた初期化
層、交換結合力または静磁結合力を調節するための記録
補助、再生補助のための補助層を設けても良い。
【0020】本発明の光ディスクへのデータ信号の記録
は、媒体を移動させると同時に、一定方向の磁界を印加
しながらレーザパワーを変調して行う(光変調記録)
か、もしくはメモリ層13がキュリー温度Tc3前後に
なるような一定のパワーのレーザ光を照射しながら外部
磁界を変調して行う(磁界変調記録)。前者の場合、光
スポット内の所定領域のみがTc3になるようにレーザ
光の強度を調整すれば、光スポット径より小さい記録磁
区が形成でき、その結果光の回折限界以下の周期の信号
を記録する事ができる。また後者の場合は磁界の変調周
波数を光スポットと媒体との相対速度(線速)に比較し
て高周波にすることで、小さい記録磁区が形成できる。
は、媒体を移動させると同時に、一定方向の磁界を印加
しながらレーザパワーを変調して行う(光変調記録)
か、もしくはメモリ層13がキュリー温度Tc3前後に
なるような一定のパワーのレーザ光を照射しながら外部
磁界を変調して行う(磁界変調記録)。前者の場合、光
スポット内の所定領域のみがTc3になるようにレーザ
光の強度を調整すれば、光スポット径より小さい記録磁
区が形成でき、その結果光の回折限界以下の周期の信号
を記録する事ができる。また後者の場合は磁界の変調周
波数を光スポットと媒体との相対速度(線速)に比較し
て高周波にすることで、小さい記録磁区が形成できる。
【0021】また、後述のメカニズムから明らかなよう
に、本発明の超解像が安定して機能するためには、記録
マークの周囲の磁化がマークと逆の方向を向いている必
要がある。もっとも一般的な光変調記録では、まず一定
の磁界を印加した状態でレーザパワーをハイパワーで一
定とし、記録しようとするトラックの磁化を初期化(消
去動作)し、その後磁界の向きを反転した状態でレーザ
パワーを強度変調して所望の記録マークを形成する。そ
の時、記録マークの周囲に磁化の向きがランダムな部分
があると、再生の際ノイズの原因となるため、再生信号
品質を上げるためには記録マークよりも広い幅で消去し
ておくことが一般に行われている。したがって、記録さ
れた磁区の周囲の磁化は必ず磁区と逆を向いていること
になるため、本発明の超解像は従来の光変調記録のもと
では安定に動作する。
に、本発明の超解像が安定して機能するためには、記録
マークの周囲の磁化がマークと逆の方向を向いている必
要がある。もっとも一般的な光変調記録では、まず一定
の磁界を印加した状態でレーザパワーをハイパワーで一
定とし、記録しようとするトラックの磁化を初期化(消
去動作)し、その後磁界の向きを反転した状態でレーザ
パワーを強度変調して所望の記録マークを形成する。そ
の時、記録マークの周囲に磁化の向きがランダムな部分
があると、再生の際ノイズの原因となるため、再生信号
品質を上げるためには記録マークよりも広い幅で消去し
ておくことが一般に行われている。したがって、記録さ
れた磁区の周囲の磁化は必ず磁区と逆を向いていること
になるため、本発明の超解像は従来の光変調記録のもと
では安定に動作する。
【0022】また、光変調記録のもう一つの方式とし
て、光変調オーバーライトがある。これは、特開昭62
−175948に記載されているような構成の媒体を用
いるもので、記録に先立つ消去動作を必要としないもの
である。この媒体は記録情報を保持するメモリ層の他
に、記録に先立って磁化が一方向に向けられている書き
込み層を備えている。この媒体に記録を行う場合には、
書き込み層とは逆向きの一定の磁界を印加しながら記録
情報に応じてレーザ強度をPh,Pl(Ph>Pl)の
間で変調する。媒体がPhに相当する温度Thまで昇温
すると、Thは書き込み層のTcとほぼ等しく設定され
ているので、メモリ層と書き込み層の磁化は外部磁界の
方向を向いて磁区を形成し、媒体がPl相当の温度Tl
までしか昇温しないとメモリ層の磁化の向きは書き込み
層と同じ向きとなる。このプロセスはあらかじめ記録さ
れていた磁区とは無関係に起こる。ここで、媒体にPh
のレーザを照射した時を考えると、記録磁区を形成する
部分はThに昇温しているが、この時の温度分布は2次
元的に広がった形となっているので、レーザをPhまで
上げたとしても磁区の周囲には必ずTlまでしか昇温し
ない部分が生じる。したがって記録磁区の周囲には反対
向きの磁化を持った部分が存在することになる。すなわ
ち、本発明の超解像は従来の光変調オーバーライト記録
のもとでも安定に動作する。さらに別の記録方法として
先述の磁界変調記録が挙げられる。これは、レーザをハ
イパワーでDC照射しながら外部磁界の向きを交番状に
変化させるものであるが、前に記録されていた磁区の履
歴を残さずに新たな情報を記録するためには、磁区を形
成する幅は常に一定にしなければならない。したがっ
て、この場合は何らかの処置を施さなければ記録磁区の
周囲に磁化の向きがランダムな領域が存在してしまい、
本発明の超解像は安定に動作しないことになる。したが
って、磁界変調記録を行う場合には、媒体の出荷時ある
いは一回目の記録に先立って、通常の記録パワーよりも
大きいパワーで記録領域に対して初期化動作を行ってお
くか、ランド、グルーブの両方に対して全面的に磁化の
初期化を行う必要がある。
て、光変調オーバーライトがある。これは、特開昭62
−175948に記載されているような構成の媒体を用
いるもので、記録に先立つ消去動作を必要としないもの
である。この媒体は記録情報を保持するメモリ層の他
に、記録に先立って磁化が一方向に向けられている書き
込み層を備えている。この媒体に記録を行う場合には、
書き込み層とは逆向きの一定の磁界を印加しながら記録
情報に応じてレーザ強度をPh,Pl(Ph>Pl)の
間で変調する。媒体がPhに相当する温度Thまで昇温
すると、Thは書き込み層のTcとほぼ等しく設定され
ているので、メモリ層と書き込み層の磁化は外部磁界の
方向を向いて磁区を形成し、媒体がPl相当の温度Tl
までしか昇温しないとメモリ層の磁化の向きは書き込み
層と同じ向きとなる。このプロセスはあらかじめ記録さ
れていた磁区とは無関係に起こる。ここで、媒体にPh
のレーザを照射した時を考えると、記録磁区を形成する
部分はThに昇温しているが、この時の温度分布は2次
元的に広がった形となっているので、レーザをPhまで
上げたとしても磁区の周囲には必ずTlまでしか昇温し
ない部分が生じる。したがって記録磁区の周囲には反対
向きの磁化を持った部分が存在することになる。すなわ
ち、本発明の超解像は従来の光変調オーバーライト記録
のもとでも安定に動作する。さらに別の記録方法として
先述の磁界変調記録が挙げられる。これは、レーザをハ
イパワーでDC照射しながら外部磁界の向きを交番状に
変化させるものであるが、前に記録されていた磁区の履
歴を残さずに新たな情報を記録するためには、磁区を形
成する幅は常に一定にしなければならない。したがっ
て、この場合は何らかの処置を施さなければ記録磁区の
周囲に磁化の向きがランダムな領域が存在してしまい、
本発明の超解像は安定に動作しないことになる。したが
って、磁界変調記録を行う場合には、媒体の出荷時ある
いは一回目の記録に先立って、通常の記録パワーよりも
大きいパワーで記録領域に対して初期化動作を行ってお
くか、ランド、グルーブの両方に対して全面的に磁化の
初期化を行う必要がある。
【0023】図2は、本発明の光ディスクにレーザ光を
照射しながら、向かって右にディスクが移動したときの
スポットの様子及び各磁性層の磁化状態を示している。
図2ではディスクがおよそ9m/s程度で移動している
場合を示しており、レーザ照射による熱の蓄積があるた
めに、膜温度が最大となる位置はレーザスポットの中心
よりも後ろ側になる。
照射しながら、向かって右にディスクが移動したときの
スポットの様子及び各磁性層の磁化状態を示している。
図2ではディスクがおよそ9m/s程度で移動している
場合を示しており、レーザ照射による熱の蓄積があるた
めに、膜温度が最大となる位置はレーザスポットの中心
よりも後ろ側になる。
【0024】まず、スポット2の進行方向に対して前縁
側では、媒体の温度は室温からそれほど上がっていな
い。再生層11と中間層12の飽和磁化Msの温度依存
性は例えば図3、図4に示すようになっており、スポッ
ト中の低温領域ではどちらの層も飽和磁化Msが大きく
垂直磁気異方性Kuが小さい。この時、再生層11の垂
直磁気異方性Ku1、飽和磁化Ms1、中間層12を介
してメモリ層13からの交換結合力によって再生層11
の磁化を垂直方向に向けるエネルギーをEw13とする
と、 (数1) 2πMs12>Ku1+Ew13 が成り立つ場合には、再生層11の磁化は膜面内を向く
ことになる。特に、中間層12の飽和磁化は再生層11
よりもさらに大きく面内異方性が強いので、垂直磁化膜
であるメモリ層13と面内磁化膜である再生層11の間
の界面磁壁エネルギーを中間層12で吸収する作用があ
る。したがって中間層12を入れることにより、中間層
12がない場合に比べて、再生層11の膜厚を薄くした
場合でも磁化の向きが膜面内になり、メモリ層13の磁
化は転写されずにフロントマスク4を形成する。
側では、媒体の温度は室温からそれほど上がっていな
い。再生層11と中間層12の飽和磁化Msの温度依存
性は例えば図3、図4に示すようになっており、スポッ
ト中の低温領域ではどちらの層も飽和磁化Msが大きく
垂直磁気異方性Kuが小さい。この時、再生層11の垂
直磁気異方性Ku1、飽和磁化Ms1、中間層12を介
してメモリ層13からの交換結合力によって再生層11
の磁化を垂直方向に向けるエネルギーをEw13とする
と、 (数1) 2πMs12>Ku1+Ew13 が成り立つ場合には、再生層11の磁化は膜面内を向く
ことになる。特に、中間層12の飽和磁化は再生層11
よりもさらに大きく面内異方性が強いので、垂直磁化膜
であるメモリ層13と面内磁化膜である再生層11の間
の界面磁壁エネルギーを中間層12で吸収する作用があ
る。したがって中間層12を入れることにより、中間層
12がない場合に比べて、再生層11の膜厚を薄くした
場合でも磁化の向きが膜面内になり、メモリ層13の磁
化は転写されずにフロントマスク4を形成する。
【0025】次に、スポット2の照射により媒体温度が
上がってくると、再生層11、中間層12の飽和磁化M
sは次第に小さくなっていく。特に本発明の場合、再生
層11の補償温度と中間層12のキュリー温度が近い値
になっているので、媒体の昇温に従ってどちらも急激に
飽和磁化が下がる。そこで、媒体が所定温度Tthに到
達し、 (数2) 2πMs12<Ku+Ew13 になると、再生層11は垂直磁化膜となると同時にメモ
リ層13と交換結合するので、メモリ層13に保持され
た磁区が再生層11に転写されてアパーチャ3を形成す
る。さらに温度が上がって中間層12のキュリー温度T
c2よりも高くなると、中間層12の磁化は消失し、再
生層11とメモリ層13との間の交換結合力がなくな
る。この温度で再生層11が希土類元素副格子磁化優勢
であり、メモリ層13が鉄族元素副格子磁化優勢になる
ような場合を考える(すなわちアンチパラレル)。する
とTc2以下の温度で再生層11に転写されていた磁区
は、磁区を保持していたメモリ層13からの交換結合力
がなくなると同時に、メモリ層13からの静磁結合力が
逆の方向に加わることになる。また再生層11も補償温
度に近いために再生層11自身の反磁界の影響も少ない
ので、メモリ層13から転写されていた再生層11の磁
区はブロッホ磁壁エネルギーに抗じきれずに収縮して反
転してしまう。すなわち、スポット2内において中間層
12のキュリー温度Tc2以上に昇温した部分では、再
生層に磁区が存在できずに同一方向に揃ってしまう領域
が生じる。この部分がすなわちリアマスク5である。こ
のリアマスクの形成過程は、各磁性層間の相互作用に関
するエネルギーのバランス変化から生じるものなので、
特に再生用に外部磁界を加えずともマスクが形成され
る。
上がってくると、再生層11、中間層12の飽和磁化M
sは次第に小さくなっていく。特に本発明の場合、再生
層11の補償温度と中間層12のキュリー温度が近い値
になっているので、媒体の昇温に従ってどちらも急激に
飽和磁化が下がる。そこで、媒体が所定温度Tthに到
達し、 (数2) 2πMs12<Ku+Ew13 になると、再生層11は垂直磁化膜となると同時にメモ
リ層13と交換結合するので、メモリ層13に保持され
た磁区が再生層11に転写されてアパーチャ3を形成す
る。さらに温度が上がって中間層12のキュリー温度T
c2よりも高くなると、中間層12の磁化は消失し、再
生層11とメモリ層13との間の交換結合力がなくな
る。この温度で再生層11が希土類元素副格子磁化優勢
であり、メモリ層13が鉄族元素副格子磁化優勢になる
ような場合を考える(すなわちアンチパラレル)。する
とTc2以下の温度で再生層11に転写されていた磁区
は、磁区を保持していたメモリ層13からの交換結合力
がなくなると同時に、メモリ層13からの静磁結合力が
逆の方向に加わることになる。また再生層11も補償温
度に近いために再生層11自身の反磁界の影響も少ない
ので、メモリ層13から転写されていた再生層11の磁
区はブロッホ磁壁エネルギーに抗じきれずに収縮して反
転してしまう。すなわち、スポット2内において中間層
12のキュリー温度Tc2以上に昇温した部分では、再
生層に磁区が存在できずに同一方向に揃ってしまう領域
が生じる。この部分がすなわちリアマスク5である。こ
のリアマスクの形成過程は、各磁性層間の相互作用に関
するエネルギーのバランス変化から生じるものなので、
特に再生用に外部磁界を加えずともマスクが形成され
る。
【0026】このアパーチャ部からリアマスクに移る過
程での、再生層11に転写された磁区の振る舞いについ
てさらに詳細に述べる。
程での、再生層11に転写された磁区の振る舞いについ
てさらに詳細に述べる。
【0027】図5には、メモリ層13から転写された再
生層11の記録磁区(以下、単に記録磁区と称する)
が、光スポットが移動する際に高温領域で収縮する過程
を示した平面図と断面図である。簡便のため図5では1
つの記録磁区の収縮過程を図示している。また、図5で
は磁性材料に希土類鉄族フェリ磁性体を想定しており、
白抜き矢印30は全体の磁化を、黒矢印31は鉄族副格
子磁化を示し、再生層11はREリッチの磁性層、メモ
リ層13はTMリッチの磁性層を例として記載した。媒
体の温度分布は熱伝導度に限界があるため、光スポット
中心から光スポットの移動と反対方向にずれる。
生層11の記録磁区(以下、単に記録磁区と称する)
が、光スポットが移動する際に高温領域で収縮する過程
を示した平面図と断面図である。簡便のため図5では1
つの記録磁区の収縮過程を図示している。また、図5で
は磁性材料に希土類鉄族フェリ磁性体を想定しており、
白抜き矢印30は全体の磁化を、黒矢印31は鉄族副格
子磁化を示し、再生層11はREリッチの磁性層、メモ
リ層13はTMリッチの磁性層を例として記載した。媒
体の温度分布は熱伝導度に限界があるため、光スポット
中心から光スポットの移動と反対方向にずれる。
【0028】図5(a)は、記録磁区1がアパーチャ領
域にある状態を示している。この記録磁区1には、メモ
リ層13からの交換結合力による実効的磁界Hwi以外
に、ブロッホ磁壁エネルギーによる実効的磁界Hwb、
媒体内部からの静磁界Hdが印加されている。Hwiは
再生層の記録磁区1を安定に保持するように働くが、H
wb、Hdは記録磁区を広げたり収縮させる方向に力が
働く。よって再生層11が安定的にメモリ層13の磁化
を転写するためには、記録磁区1が高温領域5に達する
までに、(数3)の条件が必要である。 (数3) |Hwb−Hd|<Hc1+Hwi (T<Th−mask) ここで、Th−maskは高温領域5の境界温度であ
る。
域にある状態を示している。この記録磁区1には、メモ
リ層13からの交換結合力による実効的磁界Hwi以外
に、ブロッホ磁壁エネルギーによる実効的磁界Hwb、
媒体内部からの静磁界Hdが印加されている。Hwiは
再生層の記録磁区1を安定に保持するように働くが、H
wb、Hdは記録磁区を広げたり収縮させる方向に力が
働く。よって再生層11が安定的にメモリ層13の磁化
を転写するためには、記録磁区1が高温領域5に達する
までに、(数3)の条件が必要である。 (数3) |Hwb−Hd|<Hc1+Hwi (T<Th−mask) ここで、Th−maskは高温領域5の境界温度であ
る。
【0029】再生層11の保磁力Hc1は、メモリ層1
3からの交換結合力によって、見かけ上大きくなるた
め、容易に(数3)は成立し、安定的にメモリ層13の
磁化情報を転写して正確に記録情報を再生することが可
能となる。
3からの交換結合力によって、見かけ上大きくなるた
め、容易に(数3)は成立し、安定的にメモリ層13の
磁化情報を転写して正確に記録情報を再生することが可
能となる。
【0030】Hwiは、再生層11とメモリ層13の界
面磁壁エネルギーをσwi、再生層11の記録磁区1の
飽和磁化をMs1、再生層の膜厚をh1とすると(数
4)で表される。 (数4) Hwi=σwi/2Ms1h1 さらに光スポットが移動して高温領域5に入ると、Hw
iは中間層12のキュリー温度付近に到達してσwiは
急激に小さくなりHwiは減少する。よって再生層11
が本来の保磁力の小さい状態に戻って(数5)となり、
記録磁区1のブロッホ磁壁8は容易に移動するようにな
る。 (数5) |Hwb−Hd|>Hc1+Hwi (T>Th−mask) Hwbは再生層11のブロッホ磁壁エネルギーをσw
b、再生層11の記録磁区1の半径をrとすると(数
6)で表され、記録磁区1を収縮させる方向に働く(図
6)。 (数6) Hwb=σwb/2Ms1r よってHwbーHdが正(符号が+)に優勢となって
(数7)となれば、記録磁区1は収縮する。 (数7) Hwb−Hd>Hc1+Hwi (T>Th−mask) こうして、図5(b)に示すように記録磁区1は高温領
域5にはいると収縮して反転し、最終的に図5(c)に
示すように、磁化はすべて消去方向に配向する。
面磁壁エネルギーをσwi、再生層11の記録磁区1の
飽和磁化をMs1、再生層の膜厚をh1とすると(数
4)で表される。 (数4) Hwi=σwi/2Ms1h1 さらに光スポットが移動して高温領域5に入ると、Hw
iは中間層12のキュリー温度付近に到達してσwiは
急激に小さくなりHwiは減少する。よって再生層11
が本来の保磁力の小さい状態に戻って(数5)となり、
記録磁区1のブロッホ磁壁8は容易に移動するようにな
る。 (数5) |Hwb−Hd|>Hc1+Hwi (T>Th−mask) Hwbは再生層11のブロッホ磁壁エネルギーをσw
b、再生層11の記録磁区1の半径をrとすると(数
6)で表され、記録磁区1を収縮させる方向に働く(図
6)。 (数6) Hwb=σwb/2Ms1r よってHwbーHdが正(符号が+)に優勢となって
(数7)となれば、記録磁区1は収縮する。 (数7) Hwb−Hd>Hc1+Hwi (T>Th−mask) こうして、図5(b)に示すように記録磁区1は高温領
域5にはいると収縮して反転し、最終的に図5(c)に
示すように、磁化はすべて消去方向に配向する。
【0031】即ち、図2に示すように、光スポット2内
の高温領域5においては、再生層11は常に消去方向に
配向した垂直磁化膜となるので、光学的なマスク(リア
マスク5)として機能する。よって図2に示したように
光スポット2は、見かけ上、高温領域5および低温の面
内磁化膜の領域(フロントマスク)を除いた狭い領域に
絞られることとなり、それ以外の領域では、アパーチャ
ー領域3となり、検出限界以下の周期の記録磁区(記録
マーク)が検出可能となる。なお、従来の超解像方法
は、特開平4−255947に記載されているように外
部磁界Hrを用いて(数8)の関係によってマスクを形
成する。 (数8) Hr>Hc1+Hwi 本発明では外部磁界Hrの代わりに媒体内部の実効的磁
界Hw−Hdの大きさを変化させることによってマスク
を形成するため外部磁界が不要となる。
の高温領域5においては、再生層11は常に消去方向に
配向した垂直磁化膜となるので、光学的なマスク(リア
マスク5)として機能する。よって図2に示したように
光スポット2は、見かけ上、高温領域5および低温の面
内磁化膜の領域(フロントマスク)を除いた狭い領域に
絞られることとなり、それ以外の領域では、アパーチャ
ー領域3となり、検出限界以下の周期の記録磁区(記録
マーク)が検出可能となる。なお、従来の超解像方法
は、特開平4−255947に記載されているように外
部磁界Hrを用いて(数8)の関係によってマスクを形
成する。 (数8) Hr>Hc1+Hwi 本発明では外部磁界Hrの代わりに媒体内部の実効的磁
界Hw−Hdの大きさを変化させることによってマスク
を形成するため外部磁界が不要となる。
【0032】次に、高温で実効的磁界Hw−Hdを正に
優勢とさせる、即ち、記録磁区1を収縮させる方法につ
いてさらに具体的に述べる。(数7)のHdは周囲の消
去磁化からの漏洩磁界Hleak、メモリ層13の磁化
からの静磁界Hstなどからなり(数9)で表される。 (数9) Hd=Hleak±Hst このうちHleakは図6で示すように記録磁区1を拡
大させる方向に働く。高温領域で記録磁区1をより容易
に収縮させる第1の方法は、Hleakを小さくして記
録磁区1の反転を妨げる磁界を減少させる方法である。
Hleakは消失させる記録磁区周辺の再生層11の飽
和磁化をMs1”、記録磁区1の半径をrとするとおお
まかに(数10)で表される。 (数10) Hleak=4πMs1”h1/(h1+3/2r) (数10)のうち記録磁区半径rと再生層膜厚h1は、
容易には変更できないのでMs1”を小さくすることが
必要となる。このような場合、再生層に室温とキュリー
温度の間に補償温度のある材料を選択すればよい。補償
温度では磁化が小さくなるので、Hleakを小さくす
ることができる。例として再生層11にGdFeCoを
用いた場合について述べる。図8(a)〜(c)は、そ
れぞれ補償温度の異なるGdFeCoのMsの温度依存
性であるが、再生時の媒体上の最高温度は再生パワーに
よって異なるが一般的に図に示した最高温度はおおよそ
160〜220℃に達し、中温領域はそれより20〜6
0℃程度低い領域であるので図8(b),図8(c)の
ような場合にはMs1”は大きい。このため、Hlea
kは大きくなってしまう。図8(a)のように補償温度
が室温とキュリー温度の間にある組成を再生層11に用
いると、中温および高温領域のMsが低減してHlea
kを減少させることができる。GdFeCoを再生層1
1に用いた場合、補償温度は図8のように特に希土類元
素(Gd)の組成に強く依存するので、主にGdFeC
oを含む磁性層を再生層11に用いた場合、Gd量を2
4〜32at%に設定するのが望ましい。
優勢とさせる、即ち、記録磁区1を収縮させる方法につ
いてさらに具体的に述べる。(数7)のHdは周囲の消
去磁化からの漏洩磁界Hleak、メモリ層13の磁化
からの静磁界Hstなどからなり(数9)で表される。 (数9) Hd=Hleak±Hst このうちHleakは図6で示すように記録磁区1を拡
大させる方向に働く。高温領域で記録磁区1をより容易
に収縮させる第1の方法は、Hleakを小さくして記
録磁区1の反転を妨げる磁界を減少させる方法である。
Hleakは消失させる記録磁区周辺の再生層11の飽
和磁化をMs1”、記録磁区1の半径をrとするとおお
まかに(数10)で表される。 (数10) Hleak=4πMs1”h1/(h1+3/2r) (数10)のうち記録磁区半径rと再生層膜厚h1は、
容易には変更できないのでMs1”を小さくすることが
必要となる。このような場合、再生層に室温とキュリー
温度の間に補償温度のある材料を選択すればよい。補償
温度では磁化が小さくなるので、Hleakを小さくす
ることができる。例として再生層11にGdFeCoを
用いた場合について述べる。図8(a)〜(c)は、そ
れぞれ補償温度の異なるGdFeCoのMsの温度依存
性であるが、再生時の媒体上の最高温度は再生パワーに
よって異なるが一般的に図に示した最高温度はおおよそ
160〜220℃に達し、中温領域はそれより20〜6
0℃程度低い領域であるので図8(b),図8(c)の
ような場合にはMs1”は大きい。このため、Hlea
kは大きくなってしまう。図8(a)のように補償温度
が室温とキュリー温度の間にある組成を再生層11に用
いると、中温および高温領域のMsが低減してHlea
kを減少させることができる。GdFeCoを再生層1
1に用いた場合、補償温度は図8のように特に希土類元
素(Gd)の組成に強く依存するので、主にGdFeC
oを含む磁性層を再生層11に用いた場合、Gd量を2
4〜32at%に設定するのが望ましい。
【0033】第2の方法は、メモリ層13からの静磁界
Hstを負に大きくして記録磁区1の反転を促す方法で
ある。(数7)のうちHstは、交換結合領域から高温
領域に入った時点で再生層11とメモリ層13がパラレ
ルタイプかアンチパラレルタイプかによって記録磁区1
が収縮する方向に働くかそのまま保たれるように働くか
が決まる。これは以下の理由による。
Hstを負に大きくして記録磁区1の反転を促す方法で
ある。(数7)のうちHstは、交換結合領域から高温
領域に入った時点で再生層11とメモリ層13がパラレ
ルタイプかアンチパラレルタイプかによって記録磁区1
が収縮する方向に働くかそのまま保たれるように働くか
が決まる。これは以下の理由による。
【0034】図7に示したように交換結合力は交換力の
強い鉄族元素副格子磁化の向きにならい、静磁結合力は
全体の磁化の向きにならう。図7(a)は再生層11が
希土類元素副格子磁化優勢で、メモリ層13が鉄族元素
副格子磁化優勢であるアンチパラレルタイプを示してい
るが、この場合、中間層12がキュリー温度付近に達し
て交換結合が切断するとメモリ層13との静磁結合力に
よって記録磁区1は磁化反転しようとする(Hstは負
となる)。逆に図7(b)に示したようにパラレルタイ
プ(図では両層とも鉄族元素副格子磁化優勢の場合を示
している)の場合には静磁結合力は交換結合状態を持続
する方向に働く(Hstは正となる)。
強い鉄族元素副格子磁化の向きにならい、静磁結合力は
全体の磁化の向きにならう。図7(a)は再生層11が
希土類元素副格子磁化優勢で、メモリ層13が鉄族元素
副格子磁化優勢であるアンチパラレルタイプを示してい
るが、この場合、中間層12がキュリー温度付近に達し
て交換結合が切断するとメモリ層13との静磁結合力に
よって記録磁区1は磁化反転しようとする(Hstは負
となる)。逆に図7(b)に示したようにパラレルタイ
プ(図では両層とも鉄族元素副格子磁化優勢の場合を示
している)の場合には静磁結合力は交換結合状態を持続
する方向に働く(Hstは正となる)。
【0035】よって記録磁区1を反転させるためには、
アンチパラレルタイプの構成にすることが望ましい。具
体的には、例えば再生層11とメモリ層13をフェリ磁
性として、優勢な副格子磁化の種類をお互いに逆にすれ
ば良い。例えば再生層11及びメモリ層13を希土類
(RE)鉄族(TM)元素合金から構成し、再生層11
が希土類元素副格子磁化優勢な磁性層で、メモリ層13
が室温で鉄族元素副格子磁化優勢の構成とする。尚この
アンチパラレルの構成は少なくとも記録磁区1が収縮す
る時点の温度(上述の中温〜高温領域5において)で達
成されることが必要である。
アンチパラレルタイプの構成にすることが望ましい。具
体的には、例えば再生層11とメモリ層13をフェリ磁
性として、優勢な副格子磁化の種類をお互いに逆にすれ
ば良い。例えば再生層11及びメモリ層13を希土類
(RE)鉄族(TM)元素合金から構成し、再生層11
が希土類元素副格子磁化優勢な磁性層で、メモリ層13
が室温で鉄族元素副格子磁化優勢の構成とする。尚この
アンチパラレルの構成は少なくとも記録磁区1が収縮す
る時点の温度(上述の中温〜高温領域5において)で達
成されることが必要である。
【0036】また、Hstの値は、円筒形磁区を想定し
記録磁区1の半径、メモリ層13の磁区からの距離、メ
モリ層の磁化Ms2を用いて大まかに、計算することが
できる(名古屋大学博士論文、1993.3月.”希土
類−鉄族非晶質合金薄膜及びその複合膜の磁性と磁気光
学効果に関する研究”小林正のP40〜41参照)。H
stは、メモリ層の飽和磁化Ms2に比例する(数1
1)。 (数11) Hst∝Ms2 そのため、Ms2は記録情報の安定性が悪化しない程
度、消去磁化が反転しない程度に大きくするのが望まし
い。
記録磁区1の半径、メモリ層13の磁区からの距離、メ
モリ層の磁化Ms2を用いて大まかに、計算することが
できる(名古屋大学博士論文、1993.3月.”希土
類−鉄族非晶質合金薄膜及びその複合膜の磁性と磁気光
学効果に関する研究”小林正のP40〜41参照)。H
stは、メモリ層の飽和磁化Ms2に比例する(数1
1)。 (数11) Hst∝Ms2 そのため、Ms2は記録情報の安定性が悪化しない程
度、消去磁化が反転しない程度に大きくするのが望まし
い。
【0037】また、上述のメモリ層13からの静磁界H
stは、消去方向の磁化にも働く。しかし消去方向の磁
化は、Hstによって反転した場合、高温領域5の広範
囲にわたって磁壁が形成されるため磁壁エネルギーが大
きく上昇する。したがって磁化反転せずに同じ消去方向
の磁化を保つ。このため高温領域5においては常に消去
方向に磁化配向した領域が生成し、ここがリアマスク5
となる。消去磁化が反転した場合のブロッホ磁壁エネル
ギーの実効的磁界Hwb’は、反転磁区半径をRとする
と(数12)で表される。 (数12) Hwb’=σwb/2Ms1R よって消去磁化がHstによって反転しない条件は(数
13)となる。 (数13) Hwb’>Hst 以上の記録磁区1を容易に反転させて消去状態にする2
つの方法―Hleakを低減する方法及びHstを負に
大きくする方法―は、どちらか片方の方法のみを用いて
も良いが、2つの方法を併用する場合に最もよく超解像
効果を発揮する。
stは、消去方向の磁化にも働く。しかし消去方向の磁
化は、Hstによって反転した場合、高温領域5の広範
囲にわたって磁壁が形成されるため磁壁エネルギーが大
きく上昇する。したがって磁化反転せずに同じ消去方向
の磁化を保つ。このため高温領域5においては常に消去
方向に磁化配向した領域が生成し、ここがリアマスク5
となる。消去磁化が反転した場合のブロッホ磁壁エネル
ギーの実効的磁界Hwb’は、反転磁区半径をRとする
と(数12)で表される。 (数12) Hwb’=σwb/2Ms1R よって消去磁化がHstによって反転しない条件は(数
13)となる。 (数13) Hwb’>Hst 以上の記録磁区1を容易に反転させて消去状態にする2
つの方法―Hleakを低減する方法及びHstを負に
大きくする方法―は、どちらか片方の方法のみを用いて
も良いが、2つの方法を併用する場合に最もよく超解像
効果を発揮する。
【0038】次に、これらの条件を満たす媒体構成につ
いて、以下に説明する。
いて、以下に説明する。
【0039】スポット中にリアマスクを生じさせるに
は、上述のようにスポット内の最高温度の部分で中間層
がキュリー温度に達しなければならない。情報再生用の
レーザパワーは通常媒体面上において4mW程度以下に
設定しており、それ以上では記録時のレーザパワーに対
するマージンが少なくなってしまう。この時再生パワー
の照射により達する温度は220℃程度であることを鑑
みると、中間層のキュリー温度は220℃以下にしなけ
ればならない。また逆に、リアマスクはスポット中の一
部分のみで生じるべきものであり、レーザを照射せずに
中間層がキュリー温度に達してしまうようでは、フロン
トマスクあるいはアパーチャーが形成されず、信号再生
が出来ない。光磁気記録再生装置の装置内温度は、通常
50〜60℃位まで上昇するので、中間層のキュリー温
度は80℃以上でなければ安定した情報再生は出来な
い。したがって、中間層のキュリー温度は80〜220
℃の範囲にする必要がある。
は、上述のようにスポット内の最高温度の部分で中間層
がキュリー温度に達しなければならない。情報再生用の
レーザパワーは通常媒体面上において4mW程度以下に
設定しており、それ以上では記録時のレーザパワーに対
するマージンが少なくなってしまう。この時再生パワー
の照射により達する温度は220℃程度であることを鑑
みると、中間層のキュリー温度は220℃以下にしなけ
ればならない。また逆に、リアマスクはスポット中の一
部分のみで生じるべきものであり、レーザを照射せずに
中間層がキュリー温度に達してしまうようでは、フロン
トマスクあるいはアパーチャーが形成されず、信号再生
が出来ない。光磁気記録再生装置の装置内温度は、通常
50〜60℃位まで上昇するので、中間層のキュリー温
度は80℃以上でなければ安定した情報再生は出来な
い。したがって、中間層のキュリー温度は80〜220
℃の範囲にする必要がある。
【0040】中間層がキュリー温度付近に達したときに
リアマスクが安定して形成されるためには、先述のよう
にHleakが小さい必要がある。Hleakは、(数
10)に示したように記録磁区周辺の飽和磁化Ms1”
に比例するので、Ms1”を小さくしなければならな
い。したがって、中間層がキュリー温度付近に達したと
き、再生層が補償温度付近になっている場合に上記の条
件を満たすことになる。
リアマスクが安定して形成されるためには、先述のよう
にHleakが小さい必要がある。Hleakは、(数
10)に示したように記録磁区周辺の飽和磁化Ms1”
に比例するので、Ms1”を小さくしなければならな
い。したがって、中間層がキュリー温度付近に達したと
き、再生層が補償温度付近になっている場合に上記の条
件を満たすことになる。
【0041】次にリアマスクを形成するためのもう一つ
の条件、Hstについて考える。Hstは、中間層がキ
ュリー温度付近に達したときにメモリ層の記録磁区から
再生層に働く静磁結合力である。Hstは、メモリ層と
再生層がアンチパラレルの場合には転写された磁区を反
転させてリアマスクを形成する方向に働くが、パラレル
タイプの場合には逆にリアマスクの形成を妨げる向きに
働く。このことは、例えばメモリ層が鉄族元素副格子磁
化優勢の場合、中間層のキュリー温度Tc3付近の温度
で、再生層が希土類元素副格子磁化優勢であればよい、
つまり再生層の補償温度Tcomp1が中間層のキュリ
ー温度Tc3よりも高い方がHstによる効果が大きい
ことを意味する。
の条件、Hstについて考える。Hstは、中間層がキ
ュリー温度付近に達したときにメモリ層の記録磁区から
再生層に働く静磁結合力である。Hstは、メモリ層と
再生層がアンチパラレルの場合には転写された磁区を反
転させてリアマスクを形成する方向に働くが、パラレル
タイプの場合には逆にリアマスクの形成を妨げる向きに
働く。このことは、例えばメモリ層が鉄族元素副格子磁
化優勢の場合、中間層のキュリー温度Tc3付近の温度
で、再生層が希土類元素副格子磁化優勢であればよい、
つまり再生層の補償温度Tcomp1が中間層のキュリ
ー温度Tc3よりも高い方がHstによる効果が大きい
ことを意味する。
【0042】以上説明したように、Hleakによる磁
区の保持効果を小さく、かつHstによる磁区の収縮効
果を大きくするためには、再生層の補償温度Tcomp
1を中間層のキュリー温度Tc3よりもやや高めに設定
した場合に、もっともリアマスクが安定して形成でき
る。それに対し、Tcomp1が低くなるとHstによ
り磁区を収縮させる効果が小さくなるのでリアマスクが
安定して形成できなくなり、再生信号の品位は落ちる。
逆にTcomp1が高すぎるとMs1”が大きくなるた
めHleakも大きく、中間層がキュリー温度に達して
も再生層の磁区が収縮しにくくなるので、やはり再生信
号の品位は悪化する。すなわち、Tcomp1−Tc3
を数十度程度、具体的には−20℃以上、80℃以下に
設定したときに、本発明の効果がもっとも大きく得られ
る。
区の保持効果を小さく、かつHstによる磁区の収縮効
果を大きくするためには、再生層の補償温度Tcomp
1を中間層のキュリー温度Tc3よりもやや高めに設定
した場合に、もっともリアマスクが安定して形成でき
る。それに対し、Tcomp1が低くなるとHstによ
り磁区を収縮させる効果が小さくなるのでリアマスクが
安定して形成できなくなり、再生信号の品位は落ちる。
逆にTcomp1が高すぎるとMs1”が大きくなるた
めHleakも大きく、中間層がキュリー温度に達して
も再生層の磁区が収縮しにくくなるので、やはり再生信
号の品位は悪化する。すなわち、Tcomp1−Tc3
を数十度程度、具体的には−20℃以上、80℃以下に
設定したときに、本発明の効果がもっとも大きく得られ
る。
【0043】以上のように本発明の光磁気記録媒体を用
いれば再生時に外部磁界を印加せずに光スポットの高温
領域5で一様な方向に磁化配向させることができ、メモ
リ層13の磁化を光学的にマスクすることができる。
いれば再生時に外部磁界を印加せずに光スポットの高温
領域5で一様な方向に磁化配向させることができ、メモ
リ層13の磁化を光学的にマスクすることができる。
【0044】以上説明したようなメカニズムにより、本
発明の光磁気記録媒体においては最も効率の良い超解
像、すなわち情報再生用スポットの中心付近のみが情報
再生に寄与するため高い再生信号品質が期待でき、また
さらに膜特性を最適化することでフロントマスクが形成
でき、隣接トラックからのクロストークにも強い超解像
方式が、外部磁界など従来の再生装置に新たな部品を加
えることなしに実現できるものである。以下に実験例を
もって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要
旨を越えない限り以下の実験例に限定されるものではな
い。
発明の光磁気記録媒体においては最も効率の良い超解
像、すなわち情報再生用スポットの中心付近のみが情報
再生に寄与するため高い再生信号品質が期待でき、また
さらに膜特性を最適化することでフロントマスクが形成
でき、隣接トラックからのクロストークにも強い超解像
方式が、外部磁界など従来の再生装置に新たな部品を加
えることなしに実現できるものである。以下に実験例を
もって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要
旨を越えない限り以下の実験例に限定されるものではな
い。
【0045】(実験例1)直流マグネトロンスパッタリ
ング装置に、Si、Gd、Tb、Fe、Coの各ターゲ
ットを取り付け、直径130mmのガラス基板及びピッ
チ1.6μmのプリグルーブ付きポリカーボネイト基板
をターゲットからの距離が150mmになる位置に設置
された基板ホルダーに固定した後、1×10-5Pa以下
の高真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真
空排気した。真空排気をしながらArガスを0.4Pa
となるまでチャンバー内に導入した後、SiN干渉層を
90nm、Gd28(Fe60Co40)72再生層を40n
m、Gd37Fe63中間層を10nm、Tb20(Fe80C
o20)80メモリ層を30nm、SiN保護層を70n
m、を各々順々に成膜して図1の構成の媒体を得た。各
SiN誘電体層成膜時には、Arガスに加えてN2ガス
を導入し、その混合比を調節しながら屈折率が2.1と
なるように反応性スパッタにより成膜した。Gd28(F
e60Co40)72再生層は、室温で希土類元素副格子磁化
優勢であり、飽和磁化Ms1は180emu/cc、補
償温度Tcomp1は215℃、キュリー温度は300
℃以上である。Gd37Fe63中間層は、室温で希土類元
素副格子磁化優勢であり、飽和磁化Ms3は450em
u/cc、キュリー温度Tc3は190℃となる様に設
定した。Tb20(Fe80Co20)80メモリ層は、室温で
鉄族元素副格子磁化優勢であり飽和磁化Ms2はー25
0emu/cc、キュリー温度Tc2は270℃となる
様に設定した。なお、これ以後飽和磁化の極性は、希土
類元素副格子磁化優勢の場合を正、鉄族元素副格子磁化
優勢の場合を負として記述する。
ング装置に、Si、Gd、Tb、Fe、Coの各ターゲ
ットを取り付け、直径130mmのガラス基板及びピッ
チ1.6μmのプリグルーブ付きポリカーボネイト基板
をターゲットからの距離が150mmになる位置に設置
された基板ホルダーに固定した後、1×10-5Pa以下
の高真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真
空排気した。真空排気をしながらArガスを0.4Pa
となるまでチャンバー内に導入した後、SiN干渉層を
90nm、Gd28(Fe60Co40)72再生層を40n
m、Gd37Fe63中間層を10nm、Tb20(Fe80C
o20)80メモリ層を30nm、SiN保護層を70n
m、を各々順々に成膜して図1の構成の媒体を得た。各
SiN誘電体層成膜時には、Arガスに加えてN2ガス
を導入し、その混合比を調節しながら屈折率が2.1と
なるように反応性スパッタにより成膜した。Gd28(F
e60Co40)72再生層は、室温で希土類元素副格子磁化
優勢であり、飽和磁化Ms1は180emu/cc、補
償温度Tcomp1は215℃、キュリー温度は300
℃以上である。Gd37Fe63中間層は、室温で希土類元
素副格子磁化優勢であり、飽和磁化Ms3は450em
u/cc、キュリー温度Tc3は190℃となる様に設
定した。Tb20(Fe80Co20)80メモリ層は、室温で
鉄族元素副格子磁化優勢であり飽和磁化Ms2はー25
0emu/cc、キュリー温度Tc2は270℃となる
様に設定した。なお、これ以後飽和磁化の極性は、希土
類元素副格子磁化優勢の場合を正、鉄族元素副格子磁化
優勢の場合を負として記述する。
【0046】この光磁気記録媒体に0.78μmのマー
ク長の磁区を記録した後、830nmの半導体レーザー
により光照射しながら偏光顕微鏡で磁区観察を行なっ
た。レーザーパワーを上げると、あるレーザーパワーに
おいては光スポットの中心部(高温の領域)において記
録磁区が収縮して消去方向に磁化が配向することが確認
された。
ク長の磁区を記録した後、830nmの半導体レーザー
により光照射しながら偏光顕微鏡で磁区観察を行なっ
た。レーザーパワーを上げると、あるレーザーパワーに
おいては光スポットの中心部(高温の領域)において記
録磁区が収縮して消去方向に磁化が配向することが確認
された。
【0047】次に、この光磁気記録媒体を用いて、記録
再生特性を測定した。測定は、対物レンズのNA0.5
3、レーザー波長は780nmの光ヘッドを用い、線速
9m/s、記録パワーは10mWとした。初めに媒体の
全面を消去した後に、11.3MHzの周波数でレーザ
を変調して長さ0.40μmのマークを記録しておき、
再生パワーを0.8mWから4.4mWまで変化させた
時のC/Nの変化を測定した。結果を図9に示す。
再生特性を測定した。測定は、対物レンズのNA0.5
3、レーザー波長は780nmの光ヘッドを用い、線速
9m/s、記録パワーは10mWとした。初めに媒体の
全面を消去した後に、11.3MHzの周波数でレーザ
を変調して長さ0.40μmのマークを記録しておき、
再生パワーを0.8mWから4.4mWまで変化させた
時のC/Nの変化を測定した。結果を図9に示す。
【0048】本発明の光磁気記録媒体では、再生パワー
が1.0mW以下の場合には媒体の温度が十分に上がら
ないので再生層の磁化はほぼ膜面内を向いている。従っ
てメモリ層に記録されたマークは再生層にマスクされて
しまうためにほとんどC/Nが出ない。再生パワーを
2.0〜2.8mW程度にまで上げると、再生スポット
内に中温領域、すなわちアパーチャが形成されてメモリ
層の磁区が再生層に転写されるためにC/Nが上がって
いく。この時のアパーチャの形状は、図24に示した従
来の面内膜を用いた2層構成の超解像とほぼ同様とな
り、超解像現象は起こっているがアパーチャの大きさと
位置が最適になっていないために、C/Nとしては36
dB程度しか得られない。更に再生パワーを3.2〜
4.0mWに上げると、スポット内で中間層がキュリー
温度に達する部分が現れ、すなわち、リアマスクが形成
される。するとアパーチャ形状は図2に示したようにス
ポットに対して最適な形状となるので、C/Nも45d
Bが得られた。再生パワーが4.0mWを越えると、最
高温度がメモリ層のキュリー温度を超えてしまうために
記録データが破壊され、C/Nは下がってしまう。
が1.0mW以下の場合には媒体の温度が十分に上がら
ないので再生層の磁化はほぼ膜面内を向いている。従っ
てメモリ層に記録されたマークは再生層にマスクされて
しまうためにほとんどC/Nが出ない。再生パワーを
2.0〜2.8mW程度にまで上げると、再生スポット
内に中温領域、すなわちアパーチャが形成されてメモリ
層の磁区が再生層に転写されるためにC/Nが上がって
いく。この時のアパーチャの形状は、図24に示した従
来の面内膜を用いた2層構成の超解像とほぼ同様とな
り、超解像現象は起こっているがアパーチャの大きさと
位置が最適になっていないために、C/Nとしては36
dB程度しか得られない。更に再生パワーを3.2〜
4.0mWに上げると、スポット内で中間層がキュリー
温度に達する部分が現れ、すなわち、リアマスクが形成
される。するとアパーチャ形状は図2に示したようにス
ポットに対して最適な形状となるので、C/Nも45d
Bが得られた。再生パワーが4.0mWを越えると、最
高温度がメモリ層のキュリー温度を超えてしまうために
記録データが破壊され、C/Nは下がってしまう。
【0049】次に、本発明の光磁気記録媒体におけるリ
アマスクの形成をさらに裏付けるために、再生信号の振
幅及びDCレベルの測定を行った。図10のキャリア、
ノイズは先程示したものと同じデータであり、記録マー
ク長が0.4μmの時、再生パワーが3mWを越えると
キャリアレベルが急激に上昇し、リアマスクが形成され
ていることが分かる。
アマスクの形成をさらに裏付けるために、再生信号の振
幅及びDCレベルの測定を行った。図10のキャリア、
ノイズは先程示したものと同じデータであり、記録マー
ク長が0.4μmの時、再生パワーが3mWを越えると
キャリアレベルが急激に上昇し、リアマスクが形成され
ていることが分かる。
【0050】振幅、DCレベルは同じ媒体に0.8μm
のマークを記録した時の再生信号から求めたものであ
り、DCレベルは消去側を正の符号に取っている。従来
の光ディスクで考えた場合、再生パワーを変化させても
アパーチャ形状が変化することはないので、メモリ層が
キュリー温度に達しない程度のパワーであれば、再生信
号振幅と再生パワーとの関係は原点を通る直線となる。
また、記録マークはスポットの幅一杯に記録することは
なく、マークの両側に消去状態の部分が残っていること
から、記録マークのデューティサイクルが50%となる
ように記録を行ったとしても、再生信号のDCレベルは
0にはならず、消去側(図10では正側)にオフセット
する事になる。以上のことから、振幅、DCレベルとも
に再生パワーとの関係は傾きが正で原点を通る直線とな
る。あるいは、パワーの上昇による再生層のカー回転角
の減少が無視できないレベルであれば、その度合いに応
じて若干上に凸のカーブになる。ところが、本発明の超
解像ディスクの場合、直線は原点を通らずしかも再生パ
ワー3mW付近で傾きが変化している。これは次のよう
に考えられる。
のマークを記録した時の再生信号から求めたものであ
り、DCレベルは消去側を正の符号に取っている。従来
の光ディスクで考えた場合、再生パワーを変化させても
アパーチャ形状が変化することはないので、メモリ層が
キュリー温度に達しない程度のパワーであれば、再生信
号振幅と再生パワーとの関係は原点を通る直線となる。
また、記録マークはスポットの幅一杯に記録することは
なく、マークの両側に消去状態の部分が残っていること
から、記録マークのデューティサイクルが50%となる
ように記録を行ったとしても、再生信号のDCレベルは
0にはならず、消去側(図10では正側)にオフセット
する事になる。以上のことから、振幅、DCレベルとも
に再生パワーとの関係は傾きが正で原点を通る直線とな
る。あるいは、パワーの上昇による再生層のカー回転角
の減少が無視できないレベルであれば、その度合いに応
じて若干上に凸のカーブになる。ところが、本発明の超
解像ディスクの場合、直線は原点を通らずしかも再生パ
ワー3mW付近で傾きが変化している。これは次のよう
に考えられる。
【0051】再生パワーが0.5mW以下では、最高温
度の部分においても再生層が面内磁化膜から垂直磁化膜
に遷移する温度に達しないために、スポット内のすべて
の領域で再生層の磁化が面内、すなわちマスクされた状
態になっているので、振幅、DCレベルともに0であ
る。0.5mWを越えるとスポット内の一部の再生層が
垂直磁化膜となり、さらにパワーを上げていくとアパー
チャが広がっていくので、振幅、DCレベルともに再生
パワーと比例関係以上の傾きで急激に増加していく。し
かし、再生パワーが3mWを越えると、スポット内にリ
アマスクが形成され始め、リアマスクの部分は消去方向
に磁化の向きが揃う。この部分はリアマスク出現前は信
号再生に寄与していたにも拘わらず、リアマスクの出現
とともに消去方向にマスクされて信号再生に寄与しなく
なる。したがって、再生パワー3mWを境にDCレベル
は急激に消去方向に増加していき、再生信号振幅は減少
していく。以上の結果から、本発明の超解像ディスクに
おけるリアマスクの振る舞いが裏付けられた。
度の部分においても再生層が面内磁化膜から垂直磁化膜
に遷移する温度に達しないために、スポット内のすべて
の領域で再生層の磁化が面内、すなわちマスクされた状
態になっているので、振幅、DCレベルともに0であ
る。0.5mWを越えるとスポット内の一部の再生層が
垂直磁化膜となり、さらにパワーを上げていくとアパー
チャが広がっていくので、振幅、DCレベルともに再生
パワーと比例関係以上の傾きで急激に増加していく。し
かし、再生パワーが3mWを越えると、スポット内にリ
アマスクが形成され始め、リアマスクの部分は消去方向
に磁化の向きが揃う。この部分はリアマスク出現前は信
号再生に寄与していたにも拘わらず、リアマスクの出現
とともに消去方向にマスクされて信号再生に寄与しなく
なる。したがって、再生パワー3mWを境にDCレベル
は急激に消去方向に増加していき、再生信号振幅は減少
していく。以上の結果から、本発明の超解像ディスクに
おけるリアマスクの振る舞いが裏付けられた。
【0052】また、本発明の超解像効果が、外部から再
生磁界を加えることなしに生じていることを確認するた
めに、再生磁界依存性を調べた結果を図11に示す。こ
れは、先述と同様の方法でディスク上に0.4μmのマ
ークを記録した後に、再生パワー3.2mWで信号再生
しながら再生磁界を変化させ、その時のC/Nの変化を
プロットしたものである。この図から明らかなように、
再生磁界±200Oeの範囲で45dBと安定したC/
Nが得られている。
生磁界を加えることなしに生じていることを確認するた
めに、再生磁界依存性を調べた結果を図11に示す。こ
れは、先述と同様の方法でディスク上に0.4μmのマ
ークを記録した後に、再生パワー3.2mWで信号再生
しながら再生磁界を変化させ、その時のC/Nの変化を
プロットしたものである。この図から明らかなように、
再生磁界±200Oeの範囲で45dBと安定したC/
Nが得られている。
【0053】次に、同じ媒体に対して記録時のレーザ変
調周波数を5.8、9.0、11.3、15MHz(そ
れぞれマーク長0.78、0.50、0.40、0.3
0μmに相当する)と変化させて、C/Nのマーク長依
存性を調べた。結果を図12に示す。図に示すように、
本発明の記録媒体では良好な空間周波数特性が得られ
た。
調周波数を5.8、9.0、11.3、15MHz(そ
れぞれマーク長0.78、0.50、0.40、0.3
0μmに相当する)と変化させて、C/Nのマーク長依
存性を調べた。結果を図12に示す。図に示すように、
本発明の記録媒体では良好な空間周波数特性が得られ
た。
【0054】次に、隣接トラックとのクロストーク(以
下、クロストークと称する)の測定を行なった。これ
は、ランド、グルーブともに全面消去を行った後、ラン
ド部に上述の方法でマーク長0.78μmの信号を記録
してキャリアレベル(これをCLとする)を測定した
後、隣接グルーブにトラッキングをかけた時のキャリア
レベル(これをCGとする)を測定し、それらの比CL
/CGとして表した。つまり、ランド、グルーブの両方
にデータ記録することを想定して実験を行っているの
で、実効的なトラックピッチは0.8μmである。この
時の結果を図13に示す。図から明らかなように、この
媒体に対して最適な再生パワーである3.2〜4.0m
Wの範囲でクロストークは−28dB程度に抑えられて
おり、本媒体が狭トラックピッチ化に対しても効果があ
ることを示している。
下、クロストークと称する)の測定を行なった。これ
は、ランド、グルーブともに全面消去を行った後、ラン
ド部に上述の方法でマーク長0.78μmの信号を記録
してキャリアレベル(これをCLとする)を測定した
後、隣接グルーブにトラッキングをかけた時のキャリア
レベル(これをCGとする)を測定し、それらの比CL
/CGとして表した。つまり、ランド、グルーブの両方
にデータ記録することを想定して実験を行っているの
で、実効的なトラックピッチは0.8μmである。この
時の結果を図13に示す。図から明らかなように、この
媒体に対して最適な再生パワーである3.2〜4.0m
Wの範囲でクロストークは−28dB程度に抑えられて
おり、本媒体が狭トラックピッチ化に対しても効果があ
ることを示している。
【0055】以上示したデータは全て初期化磁界を印加
せずに測定しており、従来の情報記録再生装置と同様の
装置で、高密度記録のマークについて良好な結果が得ら
れている。また、最適条件でのC/N及び同じ再生パワ
ーでのクロストークを表1の実験例1にまとめる。
せずに測定しており、従来の情報記録再生装置と同様の
装置で、高密度記録のマークについて良好な結果が得ら
れている。また、最適条件でのC/N及び同じ再生パワ
ーでのクロストークを表1の実験例1にまとめる。
【0056】(実験例2)実験例1と同様の装置、方法
でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90nm、
GdFeCo再生層を40nm、GdFeCo中間層を
10nm、TbFeCoメモリ層を30nm、SiN保
護層を70nmを各々順々に成膜して図1と同様の構成
の媒体を作成した。但し、今回は再生層、中間層各々の
組成を変化させることにより、各層の飽和磁化、補償温
度、キュリー温度を変化させて、各物性値に対する特性
の変化を調べた。
でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90nm、
GdFeCo再生層を40nm、GdFeCo中間層を
10nm、TbFeCoメモリ層を30nm、SiN保
護層を70nmを各々順々に成膜して図1と同様の構成
の媒体を作成した。但し、今回は再生層、中間層各々の
組成を変化させることにより、各層の飽和磁化、補償温
度、キュリー温度を変化させて、各物性値に対する特性
の変化を調べた。
【0057】実験例1と同じ条件で各サンプルに長さ
0.40μmのマークを記録したときの、再生層の飽和
磁化Ms1(emu/cc)とC/Nの関係を図14に
示す。例えば中間層の飽和磁化Ms3(emu/cc)
が100の時のカーブを見てみると、Ms1=260付
近で極大値を持つ上に凸のカーブとなっている。これ
は、再生層の飽和磁化Ms1が小さいと再生層の面内異
方性が小さくなり、すなわちメモリ層との交換結合によ
って磁化が垂直になる温度が低くなるためにフロントマ
スクの効果が薄れ、C/Nが下がると考えられる。逆に
Ms1が大きすぎると、フロントマスクが強すぎてアパ
ーチャが十分に開かない内に中間層がキュリー温度に達
してしまうため、やはりC/Nは悪化する。フロントマ
スクの効果は、再生層、中間層それぞれの面内異方性の
バランス関係で決まり、再生層の面内異方性が弱くなる
と中間層の面内異方性を強くしなければならない。つま
り、中間層の飽和磁化Ms3が大きくなると、Ms1の
最適値は小さくなる。したがって、図14に示すように
Ms3の変化によってC/Nのピーク位置がシフトして
いく。後で述べるように、面内磁化膜を使った従来の2
層構成の超解像媒体においては、0.40μmのマーク
長に対して37dB程度のC/Nが得られているので、
これと比較すると本発明の媒体により優れた超解像効果
が得られていることが分かる。情報再生の高信頼性を確
保するためには、C/Nは43dB以上得られることが
必要であるので、本発明の超解像媒体における再生層の
室温での飽和磁化Ms1は、20≦Ms1≦340の範
囲にあるといえる(希土類元素副格子磁化優勢)。ま
た、さらに高い信頼性を確保するためには45dB程度
のC/Nが得られることが望ましく、その為には100
≦Ms1≦260の範囲に設定することがより望まし
い。
0.40μmのマークを記録したときの、再生層の飽和
磁化Ms1(emu/cc)とC/Nの関係を図14に
示す。例えば中間層の飽和磁化Ms3(emu/cc)
が100の時のカーブを見てみると、Ms1=260付
近で極大値を持つ上に凸のカーブとなっている。これ
は、再生層の飽和磁化Ms1が小さいと再生層の面内異
方性が小さくなり、すなわちメモリ層との交換結合によ
って磁化が垂直になる温度が低くなるためにフロントマ
スクの効果が薄れ、C/Nが下がると考えられる。逆に
Ms1が大きすぎると、フロントマスクが強すぎてアパ
ーチャが十分に開かない内に中間層がキュリー温度に達
してしまうため、やはりC/Nは悪化する。フロントマ
スクの効果は、再生層、中間層それぞれの面内異方性の
バランス関係で決まり、再生層の面内異方性が弱くなる
と中間層の面内異方性を強くしなければならない。つま
り、中間層の飽和磁化Ms3が大きくなると、Ms1の
最適値は小さくなる。したがって、図14に示すように
Ms3の変化によってC/Nのピーク位置がシフトして
いく。後で述べるように、面内磁化膜を使った従来の2
層構成の超解像媒体においては、0.40μmのマーク
長に対して37dB程度のC/Nが得られているので、
これと比較すると本発明の媒体により優れた超解像効果
が得られていることが分かる。情報再生の高信頼性を確
保するためには、C/Nは43dB以上得られることが
必要であるので、本発明の超解像媒体における再生層の
室温での飽和磁化Ms1は、20≦Ms1≦340の範
囲にあるといえる(希土類元素副格子磁化優勢)。ま
た、さらに高い信頼性を確保するためには45dB程度
のC/Nが得られることが望ましく、その為には100
≦Ms1≦260の範囲に設定することがより望まし
い。
【0058】次に、本実験例における各媒体について実
験例1と同様の方法でクロストークの測定を行った。結
果を図15に示す。例えば中間層の飽和磁化Ms3(e
mu/cc)が100の時のカーブを見てみると、Ms
1=260付近で極小値を持つ下に凸のカーブとなって
いる。これは、同じ中間層組成に対して、Ms1が大き
いと再生層の面内異方性が大きすぎてフロントマスクの
効果が強すぎ、ランドでのキャリアレベルが上がらない
ためにグルーブで再生した時との差が出にくく、逆にM
s1が小さいときはフロントマスクの効果が小さくなっ
てグルーブ再生時にクロストークの影響を受けやすくな
るからである。したがってクロストークに関しても両者
のバランスがもっとも取れたところに最適値が存在す
る。後述のように、TbFeCo単層ディスクに対して
同様の実験を行うと−22dB程度のクロストークとな
ることを鑑み、本発明で十分にクロストークの改善効果
が現れるレベルをー25dBとすると、先述の、C/N
の観点から見た、再生層の最適飽和磁化Ms1の範囲で
は、フロントマスクが形成されており、クロストークに
対しても効果を発揮するといってよい。
験例1と同様の方法でクロストークの測定を行った。結
果を図15に示す。例えば中間層の飽和磁化Ms3(e
mu/cc)が100の時のカーブを見てみると、Ms
1=260付近で極小値を持つ下に凸のカーブとなって
いる。これは、同じ中間層組成に対して、Ms1が大き
いと再生層の面内異方性が大きすぎてフロントマスクの
効果が強すぎ、ランドでのキャリアレベルが上がらない
ためにグルーブで再生した時との差が出にくく、逆にM
s1が小さいときはフロントマスクの効果が小さくなっ
てグルーブ再生時にクロストークの影響を受けやすくな
るからである。したがってクロストークに関しても両者
のバランスがもっとも取れたところに最適値が存在す
る。後述のように、TbFeCo単層ディスクに対して
同様の実験を行うと−22dB程度のクロストークとな
ることを鑑み、本発明で十分にクロストークの改善効果
が現れるレベルをー25dBとすると、先述の、C/N
の観点から見た、再生層の最適飽和磁化Ms1の範囲で
は、フロントマスクが形成されており、クロストークに
対しても効果を発揮するといってよい。
【0059】次に、同じデータを中間層の飽和磁化Ms
3(emu/cc)に関する依存性の形にして図16、
17に示す。図16はC/Nのデータで、図14と同様
に上に凸のカーブとなっている。これは、中間層の飽和
磁化Ms3が小さい場合には、面内異方性が小さいので
中間層がキュリー温度に達するまで再生パワーを増大さ
せるとスポット中にアパーチャが広がりすぎて解像度が
上がらなくなり、逆に中間層の飽和磁化Ms3が大きい
場合には中間層がキュリー温度に達する前に、メモリ層
との交換結合が十分に行われないことによる。再生層の
飽和磁化の場合と同様に、情報再生の高信頼性を確保す
るために、C/Nは43dB以上得られる範囲を考える
と、本発明の光磁気記録媒体による効果が得られるのは
ー200≦Ms3≦700の範囲にあるといえる。しか
し、図17のクロストークのデータをみると、中間層の
飽和磁化Ms3に対してクロストークは大きく変化して
いることがわかる。これは中間層の飽和磁化が、フロン
トマスクの効果に対して大きく影響していることによ
る。図17の結果によると、C/N43dB以上が得ら
れている組成で必ずしもクロストークが改善されている
わけではなく、先程と同様に−25dBを基準にする
と、Ms3≧ー150のときにフロントマスクの効果が
得られている。すなわち、良好なC/Nと両立するため
の中間層の飽和磁化Ms3はー150≦Ms3≦700
にするのが良い。また、さらにトラックピッチを狭くす
るためにはより良好なクロストークが要求されるので、
クロストークをー30dB以下とすると200≦Ms3
≦700となる。また、さらに高い信頼性のために45
dB程度のC/Nを確保するためには200≦Ms3≦
550の範囲がより望ましい。以上の結果から、本発明
の中間層の飽和磁化Ms3は、ー150≦Ms3≦70
0に設定するのがよく、より望ましくは200≦Ms3
≦700にするのがよい。さらに望ましくは、200≦
Ms3≦500が良い。また、本実験例で得られたデー
タの一部を表1に記す。
3(emu/cc)に関する依存性の形にして図16、
17に示す。図16はC/Nのデータで、図14と同様
に上に凸のカーブとなっている。これは、中間層の飽和
磁化Ms3が小さい場合には、面内異方性が小さいので
中間層がキュリー温度に達するまで再生パワーを増大さ
せるとスポット中にアパーチャが広がりすぎて解像度が
上がらなくなり、逆に中間層の飽和磁化Ms3が大きい
場合には中間層がキュリー温度に達する前に、メモリ層
との交換結合が十分に行われないことによる。再生層の
飽和磁化の場合と同様に、情報再生の高信頼性を確保す
るために、C/Nは43dB以上得られる範囲を考える
と、本発明の光磁気記録媒体による効果が得られるのは
ー200≦Ms3≦700の範囲にあるといえる。しか
し、図17のクロストークのデータをみると、中間層の
飽和磁化Ms3に対してクロストークは大きく変化して
いることがわかる。これは中間層の飽和磁化が、フロン
トマスクの効果に対して大きく影響していることによ
る。図17の結果によると、C/N43dB以上が得ら
れている組成で必ずしもクロストークが改善されている
わけではなく、先程と同様に−25dBを基準にする
と、Ms3≧ー150のときにフロントマスクの効果が
得られている。すなわち、良好なC/Nと両立するため
の中間層の飽和磁化Ms3はー150≦Ms3≦700
にするのが良い。また、さらにトラックピッチを狭くす
るためにはより良好なクロストークが要求されるので、
クロストークをー30dB以下とすると200≦Ms3
≦700となる。また、さらに高い信頼性のために45
dB程度のC/Nを確保するためには200≦Ms3≦
550の範囲がより望ましい。以上の結果から、本発明
の中間層の飽和磁化Ms3は、ー150≦Ms3≦70
0に設定するのがよく、より望ましくは200≦Ms3
≦700にするのがよい。さらに望ましくは、200≦
Ms3≦500が良い。また、本実験例で得られたデー
タの一部を表1に記す。
【0060】次に、先述のリアマスク形成メカニズムを
裏付けるために、本実験例で得られた実験結果を観点を
変えて表してみる。図18、図19は、本実験例で用い
た再生層、中間層の飽和磁化とそれぞれの補償温度、キ
ュリー温度との関係を表した図である。GdFeCoの
組成の組み合わせにより、飽和磁化と補償温度、キュリ
ー温度の関係は常にこうなるわけではないが、本実験例
ではCo含有量をあまり大きく振らずにGd量の変化に
より特性を変化させたため、図18、19で示すような
カーブとなる。図14で示したC/Nのデータでは、中
間層の飽和磁化によりピーク位置のシフトが見られた
が、図18、19に基づいて横軸を再生層の補償温度と
中間層のキュリー温度との差(ΔT=Tcomp1−T
c3)として書き直すと図20に示すようにほぼピーク
位置の一致した曲線が得られる。
裏付けるために、本実験例で得られた実験結果を観点を
変えて表してみる。図18、図19は、本実験例で用い
た再生層、中間層の飽和磁化とそれぞれの補償温度、キ
ュリー温度との関係を表した図である。GdFeCoの
組成の組み合わせにより、飽和磁化と補償温度、キュリ
ー温度の関係は常にこうなるわけではないが、本実験例
ではCo含有量をあまり大きく振らずにGd量の変化に
より特性を変化させたため、図18、19で示すような
カーブとなる。図14で示したC/Nのデータでは、中
間層の飽和磁化によりピーク位置のシフトが見られた
が、図18、19に基づいて横軸を再生層の補償温度と
中間層のキュリー温度との差(ΔT=Tcomp1−T
c3)として書き直すと図20に示すようにほぼピーク
位置の一致した曲線が得られる。
【0061】先述のように、本発明のリアマスクの形成
は中間層がほぼキュリー温度に達し、再生層とメモリ層
の交換結合が切れたときの、再生層、メモリ層の磁化の
向き及び大きさに大きく依存する。本実験例ではメモリ
層の組成はすべて一定で行っており、室温で鉄族元素副
格子磁化優勢の組成である。従って、リアマスクが形成
されるか否かは再生層の特性に左右される。
は中間層がほぼキュリー温度に達し、再生層とメモリ層
の交換結合が切れたときの、再生層、メモリ層の磁化の
向き及び大きさに大きく依存する。本実験例ではメモリ
層の組成はすべて一定で行っており、室温で鉄族元素副
格子磁化優勢の組成である。従って、リアマスクが形成
されるか否かは再生層の特性に左右される。
【0062】0≦ΔT≦60の範囲では、中間層がキュ
リー温度に達したときに再生層はまだ補償温度に達して
おらず、希土類元素副格子磁化優勢なので、鉄族元素副
格子磁化優勢であるメモリ層からの静磁結合力がリアマ
スクの形成を助ける向きに働く。また、再生層自身の飽
和磁化も小さいために、磁区の周囲からの漏洩磁界が小
さく、マスクが出来やすいので結果として高いC/Nが
得られる。
リー温度に達したときに再生層はまだ補償温度に達して
おらず、希土類元素副格子磁化優勢なので、鉄族元素副
格子磁化優勢であるメモリ層からの静磁結合力がリアマ
スクの形成を助ける向きに働く。また、再生層自身の飽
和磁化も小さいために、磁区の周囲からの漏洩磁界が小
さく、マスクが出来やすいので結果として高いC/Nが
得られる。
【0063】ΔTが小さくなり負になると、すなわち中
間層がキュリー温度に達したときに再生層はすでに補償
温度を越えて鉄族元素副格子磁化優勢になっているの
で、メモリ層からの静磁結合力は再生層に転写された磁
区が収縮するのを妨げる方向に働くようになるため、マ
スクは形成しにくくなりC/Nは次第に下がっていく。
逆にΔTが大きすぎると、交換結合が切れたときの再生
層の飽和磁化が大きすぎ、漏洩磁界によって磁区が保存
されようとするためにリアマスクは形成されず、やはり
C/Nは下がっていく。
間層がキュリー温度に達したときに再生層はすでに補償
温度を越えて鉄族元素副格子磁化優勢になっているの
で、メモリ層からの静磁結合力は再生層に転写された磁
区が収縮するのを妨げる方向に働くようになるため、マ
スクは形成しにくくなりC/Nは次第に下がっていく。
逆にΔTが大きすぎると、交換結合が切れたときの再生
層の飽和磁化が大きすぎ、漏洩磁界によって磁区が保存
されようとするためにリアマスクは形成されず、やはり
C/Nは下がっていく。
【0064】これらの結果から、C/N43dB以上が
確保できるのは、再生層と中間層の特性がー20≦Tc
omp1−Tc3≦80の場合であり、さらに望ましく
は0≦Tcomp1−Tc3≦50の時に45dB以上
のC/Nが得られる。
確保できるのは、再生層と中間層の特性がー20≦Tc
omp1−Tc3≦80の場合であり、さらに望ましく
は0≦Tcomp1−Tc3≦50の時に45dB以上
のC/Nが得られる。
【0065】また、本実験例は比較のためにすべてのサ
ンプルで再生層、中間層の膜厚をそれぞれ40nm,1
0nmとして実験を行ったが、再生層のマスク効果を考
えると、再生層膜厚は20nm以上あれば差し支えな
い。また中間層はキュリー温度以上で再生層、メモリ層
の交換結合を切断する働きから鑑みて、膜厚は3nm以
上あればよい。さらにメモリ層は、安定に磁区が保存さ
れるために10nm以上の膜厚が得られれば本発明の効
果を実現する媒体が得られる。逆に、情報の記録再生に
必要なパワーから見ると、磁性層全体の膜厚は200n
m以下に抑えることが望ましい。従って、膜厚に関して
は以上に述べた範囲にあれば、本発明の思想から逸脱す
るものではない。
ンプルで再生層、中間層の膜厚をそれぞれ40nm,1
0nmとして実験を行ったが、再生層のマスク効果を考
えると、再生層膜厚は20nm以上あれば差し支えな
い。また中間層はキュリー温度以上で再生層、メモリ層
の交換結合を切断する働きから鑑みて、膜厚は3nm以
上あればよい。さらにメモリ層は、安定に磁区が保存さ
れるために10nm以上の膜厚が得られれば本発明の効
果を実現する媒体が得られる。逆に、情報の記録再生に
必要なパワーから見ると、磁性層全体の膜厚は200n
m以下に抑えることが望ましい。従って、膜厚に関して
は以上に述べた範囲にあれば、本発明の思想から逸脱す
るものではない。
【0066】(実験例3)次に実験例1と同様の装置、
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、GdFeCo再生層を40nm、GdFeCo中間
層を10nm、TbFeCoメモリ層を30nm、Si
N保護層を70nmを各々順々に成膜して図1と同様の
構成の媒体を作成した。但し、今回は実験例2で得られ
た再生層、中間層各々の最適な膜特性に対して、メモリ
層の飽和磁化(emu/cc)を様々に変化させた。図
21は、メモリ層の飽和磁化とC/Nの関係とを示して
いる(マーク長0.40μm)。図からわかるように、
C/Nから見たメモリ層の組成マージンは十分に広く、
−300≦Ms2≦200の範囲でほぼ一定のC/Nが
得られている。メモリ層の飽和磁化が−300emu/
ccを越えると(鉄族元素副格子磁化優勢)、メモリ層
自身の反磁界の影響が強くなり、磁区の内部でさらに微
小な磁区(マイクロドメイン)が形成されたり、磁区の
形状に歪みを生じてノイズ成分が増えるためにC/Nが
悪化する。逆にメモリ層の飽和磁化が200emu/c
c以上(希土類元素副格子磁化優勢)になると、メモリ
層の補償温度が200℃以上となり、中間層のキュリー
温度よりも高くなるために、再生層との交換結合が切断
された温度でのメモリ層は希土類元素副格子磁化優勢と
なる。すると、メモリ層から再生層に対して働く静磁結
合力は低温での交換結合力と同じ向きとなるので、再生
層に転写された磁区がリアマスクで反転するのを阻害す
る方向に働く。したがって超解像効果が次に薄れていき
C/Nは低下していく。
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、GdFeCo再生層を40nm、GdFeCo中間
層を10nm、TbFeCoメモリ層を30nm、Si
N保護層を70nmを各々順々に成膜して図1と同様の
構成の媒体を作成した。但し、今回は実験例2で得られ
た再生層、中間層各々の最適な膜特性に対して、メモリ
層の飽和磁化(emu/cc)を様々に変化させた。図
21は、メモリ層の飽和磁化とC/Nの関係とを示して
いる(マーク長0.40μm)。図からわかるように、
C/Nから見たメモリ層の組成マージンは十分に広く、
−300≦Ms2≦200の範囲でほぼ一定のC/Nが
得られている。メモリ層の飽和磁化が−300emu/
ccを越えると(鉄族元素副格子磁化優勢)、メモリ層
自身の反磁界の影響が強くなり、磁区の内部でさらに微
小な磁区(マイクロドメイン)が形成されたり、磁区の
形状に歪みを生じてノイズ成分が増えるためにC/Nが
悪化する。逆にメモリ層の飽和磁化が200emu/c
c以上(希土類元素副格子磁化優勢)になると、メモリ
層の補償温度が200℃以上となり、中間層のキュリー
温度よりも高くなるために、再生層との交換結合が切断
された温度でのメモリ層は希土類元素副格子磁化優勢と
なる。すると、メモリ層から再生層に対して働く静磁結
合力は低温での交換結合力と同じ向きとなるので、再生
層に転写された磁区がリアマスクで反転するのを阻害す
る方向に働く。したがって超解像効果が次に薄れていき
C/Nは低下していく。
【0067】図21の結果から、本発明の光磁気記録媒
体での超解像効果により43dB以上の高いC/Nが得
られるのはー350≦Ms2≦250の範囲にあるとい
える。また、組成マージンから見て安定したC/Nを得
るためにはー300≦Ms2≦200の範囲がより望ま
しい。
体での超解像効果により43dB以上の高いC/Nが得
られるのはー350≦Ms2≦250の範囲にあるとい
える。また、組成マージンから見て安定したC/Nを得
るためにはー300≦Ms2≦200の範囲がより望ま
しい。
【0068】(実験例4)次に実験例1と同様の装置、
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、Gd28(Fe60Co40)72再生層を40nm、Gd
37Fe63中間層を10nm、Tb20(Fe80Co20)80
メモリ層を30nm、SiN保護層を70nmを各々順
々に成膜し、さらに熱特性を改善するためにAlの放熱
層を60nm成膜して図22に示す構成の媒体を作成し
た。放熱層を加えることにより、熱特性の線速依存性が
改善されることはすでに知られており、本発明において
も放熱層を追加すると記録、再生パワーの線速依存性が
改善される。この効果は実験例1〜6で述べた光変調記
録でも得られるが、磁界変調記録方式でも同様の効果が
得られる。また磁界変調記録の場合、記録時の媒体の温
度分布形状に従って記録マークの形が弓状(いわゆる矢
羽マーク)になることが知られており、放熱層をつけた
場合にはマークの円弧の部分の曲率が低減されるという
効果がある。
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、Gd28(Fe60Co40)72再生層を40nm、Gd
37Fe63中間層を10nm、Tb20(Fe80Co20)80
メモリ層を30nm、SiN保護層を70nmを各々順
々に成膜し、さらに熱特性を改善するためにAlの放熱
層を60nm成膜して図22に示す構成の媒体を作成し
た。放熱層を加えることにより、熱特性の線速依存性が
改善されることはすでに知られており、本発明において
も放熱層を追加すると記録、再生パワーの線速依存性が
改善される。この効果は実験例1〜6で述べた光変調記
録でも得られるが、磁界変調記録方式でも同様の効果が
得られる。また磁界変調記録の場合、記録時の媒体の温
度分布形状に従って記録マークの形が弓状(いわゆる矢
羽マーク)になることが知られており、放熱層をつけた
場合にはマークの円弧の部分の曲率が低減されるという
効果がある。
【0069】本実験例の媒体に磁界変調記録を行った場
合のキャリア、ノイズの記録パワー依存性を図23に示
す。このように、本実験例によれば磁界変調記録を行っ
た場合でも微小なマーク(0.40μm)に対しても4
4dBという良好なC/Nが得られ、本発明の目的であ
る超解像の効果を発揮できることがわかった。
合のキャリア、ノイズの記録パワー依存性を図23に示
す。このように、本実験例によれば磁界変調記録を行っ
た場合でも微小なマーク(0.40μm)に対しても4
4dBという良好なC/Nが得られ、本発明の目的であ
る超解像の効果を発揮できることがわかった。
【0070】(実験例5)実験例1と同様の装置、方法
でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90nm、
Gd28(Fe60Co40)72再生層を40nm、Gd37F
e63中間層を10nm、Dy25(Fe70Co30)75メモ
リ層を30nm、SiN保護層を70nmを各々順々に
成膜して図1と同様の構成の媒体を作成した。
でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90nm、
Gd28(Fe60Co40)72再生層を40nm、Gd37F
e63中間層を10nm、Dy25(Fe70Co30)75メモ
リ層を30nm、SiN保護層を70nmを各々順々に
成膜して図1と同様の構成の媒体を作成した。
【0071】本実験例ではメモリ層としてTbFeCo
の代わりにDyFeCoを用いたが、C/N、クロスト
ークともに実験1とほぼ同様の良好な結果が得られ、本
発明の主旨はTbFeCoメモリ層に限定されないこと
を確認した。
の代わりにDyFeCoを用いたが、C/N、クロスト
ークともに実験1とほぼ同様の良好な結果が得られ、本
発明の主旨はTbFeCoメモリ層に限定されないこと
を確認した。
【0072】次に、本発明の効果をより明確にするた
め、従来知られていた媒体構成で同様の実験を行い比較
を行った。
め、従来知られていた媒体構成で同様の実験を行い比較
を行った。
【0073】(比較実験例1)実験例1と同様の装置、
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、Tb20(Fe80Co20)80メモリ層を80nm、S
iN保護層を70nmを各々順々に成膜した。つまり、
実験例1で用いたメモリ層のみを磁性層とした単層ディ
スクを作成した。まず、本実験例で作成した媒体にマー
ク長0.40μmのマークを記録し、キャリア、ノイズ
の再生パワー依存性を測定した。結果を図9に示す。こ
のように、再生パワーの増加に従ってキャリアレベルは
増加していくものの、本発明の媒体で見られたようなマ
スク効果が得られないために傾斜は緩やかである。次に
本実験例の媒体に様々な大きさのマークを記録して、空
間周波数特性を測定した。結果は図12に示すように、
マーク長が0.78μmと大きいときには十分なC/N
が得られているのに対し、光学系のカットオフ周波数を
超えると急激に解像力が低下していくことがわかる。
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、Tb20(Fe80Co20)80メモリ層を80nm、S
iN保護層を70nmを各々順々に成膜した。つまり、
実験例1で用いたメモリ層のみを磁性層とした単層ディ
スクを作成した。まず、本実験例で作成した媒体にマー
ク長0.40μmのマークを記録し、キャリア、ノイズ
の再生パワー依存性を測定した。結果を図9に示す。こ
のように、再生パワーの増加に従ってキャリアレベルは
増加していくものの、本発明の媒体で見られたようなマ
スク効果が得られないために傾斜は緩やかである。次に
本実験例の媒体に様々な大きさのマークを記録して、空
間周波数特性を測定した。結果は図12に示すように、
マーク長が0.78μmと大きいときには十分なC/N
が得られているのに対し、光学系のカットオフ周波数を
超えると急激に解像力が低下していくことがわかる。
【0074】また、クロストークの測定でも、実効的ト
ラックピッチ0.8μmでは再生スポットに対して狭い
上に、単層ディスクの場合にはマスク効果がないため
に、図13に示すように−22dB程度のクロストーク
しか得られなかった。
ラックピッチ0.8μmでは再生スポットに対して狭い
上に、単層ディスクの場合にはマスク効果がないため
に、図13に示すように−22dB程度のクロストーク
しか得られなかった。
【0075】(比較実験例2)実験例1と同様の装置、
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、Gd28(Fe60Co40)72再生層を70nm、Tb
20(Fe80Co20)80メモリ層を30nm、SiN保護
層を70nmを各々順々に成膜して図24と同様の構成
の媒体を作成した。
方法でポリカーボネイト基板上にSiN干渉層を90n
m、Gd28(Fe60Co40)72再生層を70nm、Tb
20(Fe80Co20)80メモリ層を30nm、SiN保護
層を70nmを各々順々に成膜して図24と同様の構成
の媒体を作成した。
【0076】まず、本実験例で作成した媒体にマーク長
0.40μmのマークを記録し、キャリア、ノイズの再
生パワー依存性を測定した。結果を図9に示す。このよ
うに、本実験例の媒体でも低温で面内磁化膜を用いるこ
とによる超解像効果があるので、再生パワーが0.8〜
2.8mWの範囲では実験例1の媒体と同様にキャリア
レベルが増加していく。しかし、本実験例の2層構成超
解像媒体では、さらに再生パワーを3mW以上に増加し
てもリアマスクが出現することはないので、実験例1の
媒体のような急激なキャリアの増加は見られない。
0.40μmのマークを記録し、キャリア、ノイズの再
生パワー依存性を測定した。結果を図9に示す。このよ
うに、本実験例の媒体でも低温で面内磁化膜を用いるこ
とによる超解像効果があるので、再生パワーが0.8〜
2.8mWの範囲では実験例1の媒体と同様にキャリア
レベルが増加していく。しかし、本実験例の2層構成超
解像媒体では、さらに再生パワーを3mW以上に増加し
てもリアマスクが出現することはないので、実験例1の
媒体のような急激なキャリアの増加は見られない。
【0077】次に本実験例の媒体に様々な大きさのマー
クを記録して、空間周波数特性を測定した。結果は図1
2に示すように、単層ディスクに比べると高周波域での
解像度は上がっているものの、リアマスクの効果がなく
又アパーチャとスポットとの位置関係が最適になってい
ないために、実験例1のディスクに比べると解像力は劣
っている。
クを記録して、空間周波数特性を測定した。結果は図1
2に示すように、単層ディスクに比べると高周波域での
解像度は上がっているものの、リアマスクの効果がなく
又アパーチャとスポットとの位置関係が最適になってい
ないために、実験例1のディスクに比べると解像力は劣
っている。
【0078】しかし、クロストークに関しては、フロン
トマスクが大きく影響しリアマスクは関係しない。した
がって、図13に示すように実験例1の媒体と同等の−
30dB程度のクロストークが得られた。
トマスクが大きく影響しリアマスクは関係しない。した
がって、図13に示すように実験例1の媒体と同等の−
30dB程度のクロストークが得られた。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法を用いれば、再
生磁界および/または初期化磁界が不要である簡素な装
置(従来と同様の装置)を用いて、ビームスポット系よ
り小さい磁区の再生が可能で、線記録密度もしくは線密
度とトラック密度の両方を大幅に向上して高密度記録の
達成が可能となった。
磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法を用いれば、再
生磁界および/または初期化磁界が不要である簡素な装
置(従来と同様の装置)を用いて、ビームスポット系よ
り小さい磁区の再生が可能で、線記録密度もしくは線密
度とトラック密度の両方を大幅に向上して高密度記録の
達成が可能となった。
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】本発明における超解像のメカニズムを説明する
図。
図。
【図3】本発明の第一磁性層の飽和磁化曲線を示す図。
【図4】本発明の第三磁性層の飽和磁化曲線を示す図。
【図5】(a)(b)(c)は本発明の光磁気記録媒体
の再生時の状態を示す図。
の再生時の状態を示す図。
【図6】再生層に転写された記録磁区にかかる静磁界H
leak,Hst及びブロッホ磁壁エネルギーによる実
効的磁界Hwbを示した図。
leak,Hst及びブロッホ磁壁エネルギーによる実
効的磁界Hwbを示した図。
【図7】(a)はアンチパラレルタイプの層構成につい
て各々交換結合力及び静磁結合力が支配的に作用する場
合に安定な磁化の向きを示した図、(b)はパラレルタ
イプの層構成について各々交換結合力、静磁結合力が支
配的に作用する場合に安定な磁化の向きを示した図。
て各々交換結合力及び静磁結合力が支配的に作用する場
合に安定な磁化の向きを示した図、(b)はパラレルタ
イプの層構成について各々交換結合力、静磁結合力が支
配的に作用する場合に安定な磁化の向きを示した図。
【図8】(a)(b)(c)は磁化の温度変化を補償温
度の異なるGdFeCoについて示した図。
度の異なるGdFeCoについて示した図。
【図9】キャリア、ノイズの再生パワー依存性を示す
図。
図。
【図10】キャリア、ノイズ、振幅、DCレベルの再生
パワー依存性を示す図。
パワー依存性を示す図。
【図11】C/Nの再生磁界依存性を示す図。
【図12】C/Nのマーク長依存性を示す図。
【図13】クロストークの再生パワー依存性を示す図。
【図14】本発明におけるC/Nの再生層Gd含有量依
存性を示す図。
存性を示す図。
【図15】本発明におけるクロストークの再生層Gd含
有量依存性を示す図。
有量依存性を示す図。
【図16】本発明におけるC/Nの中間層Gd含有量依
存性を示す図。
存性を示す図。
【図17】本発明におけるクロストークの中間層Gd含
有量依存性を示す図。
有量依存性を示す図。
【図18】本発明における再生層飽和磁化と補償温度の
関係を示す図。
関係を示す図。
【図19】本発明における中間層飽和磁化とキュリー温
度の関係を示す図。
度の関係を示す図。
【図20】再生層補償温度と中間層キュリー温度の差と
C/Nの関係を示す図。
C/Nの関係を示す図。
【図21】本発明におけるC/Nのメモリ層Tb含有量
依存性を示す図。
依存性を示す図。
【図22】本発明の他の実施例の構成図。
【図23】本発明の媒体に磁界変調記録を行ったときの
キャリア、ノイズの記録パワー依存性を示す図。
キャリア、ノイズの記録パワー依存性を示す図。
【図24】(a)(b)(c)は従来の面内磁化膜を用
いた2層構成超解像の原理図。
いた2層構成超解像の原理図。
【図25】従来の面内磁化膜を用いた2層構成超解像の
一磁性層の静特性を示す図。
一磁性層の静特性を示す図。
【図26】(a)(b)(c)は従来の垂直磁化膜を用
いた3層構成超解像の原理図。
いた3層構成超解像の原理図。
1 記録マーク 2 再生スポット 3 アパーチャ 4 フロントマスク 5 リアマスク 6 グルーブ 7 ランド 11 再生層 12 中間層 13 メモリ層 14 干渉層 15 保護層 16 放熱層 20 基板
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも第一磁性層と第三磁性層と第
二磁性層とを、その順に基板上に積層して成る光磁気記
録媒体において、 前記第一磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金からな
り、室温において希土類元素副格子磁化優勢で、室温と
キュリー温度の間に補償温度を持ち、前記第二磁性層は
希土類−鉄族元素非晶質合金からなる垂直磁化膜で、該
第二磁性層のキュリー温度は前記第一磁性層のキュリー
温度よりも低く前記第三磁性層のキュリー温度よりも高
く、前記第一磁性層の補償温度Tcomp1と前記第三
磁性層のキュリー温度Tc3との間に以下の関係 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) が成り立つことを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記第一、第二、第三磁性層は、室温と第三磁性層のキ
ュリー温度の間の温度で交換結合すると共に前記第一磁
性層の磁化は、前記第三磁性層のキュリー温度以上では
一方向に揃えられる。 - 【請求項3】 請求項1において、前記第一の磁性層の
飽和磁化Ms1は、室温において前記第一磁性層の飽和
磁化Ms1は、室温において20≦Ms1(emu/c
c)≦340である。 - 【請求項4】 請求項3において、 前記第一磁性層はGd、Fe、Coを含む。
- 【請求項5】 請求項1において、 前記第二磁性層の飽和磁化Ms2は、室温において希土
類元素副格子磁化優勢の場合、Ms2(emu/cc)
≦250であり、室温において鉄族元素副格子磁化優勢
の場合、Ms2(emu/cc)≦350である。 - 【請求項6】 請求項5において、 前記第二磁性層はTb、Fe、Coを含む。
- 【請求項7】 請求項5において、 前記第二磁性層はDy、Fe、Coを含む。
- 【請求項8】 請求項1において、 前記第三磁性層の飽和磁化Ms3は、室温において希土
類元素副格子磁化優勢の場合、Ms3(emu/cc)
≦700であり、室温において鉄族元素副格子磁化優勢
の場合、Ms3(emu/cc)≦150である。 - 【請求項9】 請求項8において、 前記第三磁性層はGd、Feを含む。
- 【請求項10】 請求項1において、 前記第三磁性層のキュリー温度Tc3は、80(℃)≦
Tc3(℃)≦220(℃)である。 - 【請求項11】 少なくとも第一磁性層と第三磁性層と
第二磁性層とを、その順に基板上に積層して成る光磁気
記録媒体であって、 前記第一磁性層は希土類−鉄族元素非晶質合金からな
り、室温において希土類元素副格子磁化優勢で、室温と
キュリー温度の間に補償温度を持ち、前記第二磁性層は
希土類−鉄族元素非晶質合金からなる垂直磁化膜で、該
第二磁性層のキュリー温度は前記第一磁性層のキュリー
温度よりも低く前記第三磁性層のキュリー温度よりも高
く、前記第一磁性層の補償温度Tcomp1と前記第三
磁性層のキュリー温度Tc3との間に以下の関係 −20(℃)≦Tcomp1(℃)−Tc3(℃)≦8
0(℃) が成り立つ光磁気記録媒体に光ビームを照射して、記録
された情報を再生する情報再生方法において、 前記第一磁性層側から光ビームを照射し、前記光ビーム
のスポット内の低温部分における前記第一磁性層の磁化
を膜面内方向に磁化し、前記スポット内の低温部分以外
の部分で前記第一磁性層を垂直磁化膜として前記第二磁
性層と交換結合させ、前記第一磁性層に前記第二磁性層
に蓄積された情報を転写し、前記光ビームの反射光を検
出することにより前記第二磁性層に蓄積された情報の再
生を行うことを特徴とする情報再生方法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6201979A JPH0863809A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法 |
| EP95303932A EP0686970A3 (en) | 1994-06-10 | 1995-06-08 | Magneto-optical recording medium and playback method using this medium |
| CN95108599A CN1066561C (zh) | 1994-06-10 | 1995-06-09 | 实现超分辨率的磁-光记录介质及使用该介质的再生方法 |
| AU21601/95A AU680132B2 (en) | 1992-09-30 | 1995-06-09 | Magneto-optical recording medium for realizing super resolution and reproducing method using the medium |
| CA002151452A CA2151452C (en) | 1994-06-10 | 1995-06-09 | Magneto-optical recording medium for realizing super resolution and reproducing method using the medium |
| KR1019950015317A KR100249444B1 (ko) | 1994-06-10 | 1995-06-10 | 초해상을 실현한 광자기기록매체 및 그를 이용한 재생방법 |
| US08/982,454 US6125083A (en) | 1994-06-10 | 1997-12-02 | Magneto-optical recording method and medium comprising three layers, whose middle layer has a lower curie temperature than the other layers |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6201979A JPH0863809A (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0863809A true JPH0863809A (ja) | 1996-03-08 |
Family
ID=16449933
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6201979A Pending JPH0863809A (ja) | 1992-09-30 | 1994-08-26 | 光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0863809A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20000006434A (ko) * | 1998-06-27 | 2000-01-25 | 요트.게.아. 롤페즈 | 이중마스크를갖는광자기저장매체 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP6201979A patent/JPH0863809A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20000006434A (ko) * | 1998-06-27 | 2000-01-25 | 요트.게.아. 롤페즈 | 이중마스크를갖는광자기저장매체 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010612 |