JPH0868011A - 制振ケーブル - Google Patents

制振ケーブル

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JPH0868011A
JPH0868011A JP6206479A JP20647994A JPH0868011A JP H0868011 A JPH0868011 A JP H0868011A JP 6206479 A JP6206479 A JP 6206479A JP 20647994 A JP20647994 A JP 20647994A JP H0868011 A JPH0868011 A JP H0868011A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面を被覆された吊構造用ケーブル類に凹ま
たは凸部を設けてレインバイブレーションを抑制し、か
つケーブルに作用する風荷重を低減する制振ケーブルを
提供する。 【構成】 ケーブル素線1の集合体からなるケーブルの
表面に防食被覆2を施したケーブル3において、被覆表
面に多数の円形状または多角形の凹または凸部を4aま
たは5aで構成される集合体4,5を整列あるいはラン
ダムに多数配置する。これにより風の乱れを生じさせ、
ケーブル1の振動を抑制する。凹または凸部の加工面積
は、ケーブル単位表面積に対して3%〜10%未満の範
囲になるようにして、ケーブルの抗力係数の増加を抑
え、ケーブルに作用する風荷重の増大を招くことがな
く、かつ、美観を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吊構造用ケーブル例え
ば斜張橋ケーブル、吊橋ハンガー等のケーブル類あるい
は送電線ケーブル等に用いられるものでケーブルに作用
する風荷重の増大を招くことがなく、かつ風・雨による
振動を抑える制振ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜張橋等の吊構造ケーブルや送電線ケー
ブルには、防食対策として、ポリエチレン被覆された円
形断面を持つケーブルが広く用いられるようになってき
た。ところが円形断面を持つケーブルには、風による微
小振幅を伴う渦励振の他に、雨と風の相互作用により大
振幅で振動するレインバイブレーションが発生する。特
に、ポリエチレン被覆された円形断面ケーブルが傾斜し
て配置された場合、防食被覆部表面に降雨による水路が
形成され易く、ある風速域で発散的な振動が発生し、ケ
ーブル定着部に大きな角変化が生じて大きな曲げ応力や
疲労による破壊が懸念されるためこの振動を抑制する対
策として、以下の従来技術が挙げられる。
【0003】 例えば、特開昭63−197703、
特開平1−146006に開示されているようなケーブ
ルを防食するためポリエチレンからなる防食被覆の全表
面に、図11(a),(b)又は(c),(d)に示す
ようなケーブル3の軸方向全長にわたって数mm程度の
高さの線状突起7または溝6を設けることにより、防食
ケーブル周辺の空気流を制御し、レインバイブレーショ
ンの発生原因となる水路の形成を阻止し、振動を抑制す
る方式。
【0004】 図12に示すように、橋桁9を支持す
る多数のケーブル3をワイヤーロープ8により相互に連
結して、ケーブルの見かけの剛度、減衰性能を高めるこ
とにより振動を抑制する方式。
【0005】 図13に示すように、ケーブル3の定
着部近傍に、オイルダンパーあるいは粘弾性体を利用し
たダンパー類10を取り付けて減衰効果を増加させるこ
とにより振動を抑制する方式がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術は以下にような課題があった。
【0007】においては、防食被覆の表面に高さ数m
mで幅が数mm程度の線状突起もしくは溝を設けること
により、ケーブル表面に発生する水路の形成を阻害し、
レインバイブレーションの発現を抑制する方法である
が、この場合水路の形成を阻止するためには、ケーブル
全表面にわたってケーブル径の2〜3%程度の高さの突
起または溝を設けるため、円滑な表面を持つ円形ケーブ
ルに比べるとケーブル断面の抗力係数が著しく増加す
る。このために斜張橋の様な構造物においてはケーブル
に作用する風荷重が増大し、そのため桁や塔の設計断面
が過大となる恐れがある。また架設作業を行うとき、防
食被覆の切り欠き部から亀裂等の損傷が発生するのを防
止しなければならないことや、ケーブル設置時において
ケーブルがねじれることにより溝や突起が回転し、本来
の機能を発揮できない恐れがあるために、製作および架
設上の取扱いに大幅な制限を設定しなければならない問
題点があった。
【0008】においては、ケーブル相互をワイヤーロ
ープにより連結するために、クランプ等の治具によりケ
ーブルを締め付ける必要があるが、ケーブル表面層を構
成しているポリエチレンからなる防食被覆はクリープが
大きい材料であるため締め付け力が弱まり、そのため滑
りに対する十分な安全率を保つには定期的なメンテナン
スが必要となる。また、ケーブルを連結するワイヤーロ
ープは、斜張橋の景観を損ねる。
【0009】においては、制振ダンパーを全ケーブル
に取り付けるため、ケーブル定着部近傍に付属構造物を
設けることが必要となる。また、橋梁が大型化してケー
ブル長が長くなると、橋桁近傍では十分な制振効果が得
られなくなり高い位置に設ける必要が生じて、美観の面
からも好ましくない。
【0010】本発明者等は前記従来技術のようにケーブ
ルに付加的な部材を取り付けたり、防食被覆の強度特性
に大きな悪影響を与えることもなく、比較的容易に製作
可能な対策で、ケーブルに作用する風荷重の増大を招く
ことがなくレインバイブレーションの発生を抑制した制
振ケーブルを特願平05−63867として出願してい
る。この制振ケーブルはケーブルを防食するためのポリ
エチレンからなる防食被覆の全表面に、複数の円形状又
は多角形状の凹または凸の集合部を設けたもので、ケー
ブル表面の滑らかな気流を乱すことにより、水路の形成
を阻止し、振動を抑制するものであり、凹または凸の集
合部の面積の和が、ケーブルの単位表面積(凹凸も含め
た)に占める割合を10〜30%としたものである。本
発明は既出願の前記発明において、ケーブル表面の加工
面積を減少し美観性をさらに向上させたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の要旨
は、表面の防食被覆に凹または凸状の加工が施されてい
る空中懸架ケーブルにおいて、防食被覆表面に複数の円
形または多角形状の凹または凸の集合部を、ケーブルの
単位表面積に対応する凹または凸の面積の和が3%〜1
0%未満の範囲になるように多数形成したことを特徴と
する制振ケーブルである。
【0012】(作用)雨と風の相互作用により円形の防
食ケーブルに発生するレインバイブレーションと呼ばれ
る振動現象は、防食ケーブルの上面および下面の特定位
置にある幅をもった水路の形成が原因と考えられること
から、この水路形成の阻止がレインバイブレーション抑
制の対策となる。
【0013】水路形成の阻止のために本発明は、防食被
覆の表面に複数の円形状又は多角形状の凹または凸の集
合部を設ける。この凹または凸部は、ケーブル表面の滑
らかな気流を乱すことにより水路の形成を阻止すること
ができ、レインバイブレーションの発生を抑制する。
【0014】凹または凸の集合部はケーブル全長にわた
って整列あるいはランダムに多数配置し、その面積の和
が、ケーブルの単位表面積(凹または凸部も含めた)に
占める割合が3%〜10%未満の範囲になるようにす
る。この理由は、ケーブルに作用する風荷重の増大を招
くことがなくレインバイブレーションを抑制させるため
である。レインバイブレーションの抑制のためには、出
来るだけ凹または凸部を多く施した方がよいが、ケーブ
ルの表面の凹または凸部が増大すると平滑な面が減少し
その結果、抗力係数が増加して風荷重が増大する。円断
面の抗力係数は平滑な表面を持つ形状が最も小さく、直
径が10〜20cmのケーブルの場合風速が50m/s
程度では、抗力係数CD は0.5〜0.6である。ケー
ブルの表面に溝または突起を施した場合、その程度が大
きいほど、また加工面積が広いほど平滑な表面からの変
形が大きくなり、その結果抗力係数は大きくなり、従来
例ではCD =1.2を示すものもある。ケーブル表面へ
の凹または凸の加工面積を少なくすると抗力係数は小さ
くできるが3%未満ではレインバイブレーションの抑制
効果がなくなる。本発明ではケーブル表面への凹または
凸加工面積を3%〜10%未満として、抗力係数の増加
の抑制を図ったもので風速50m/sでも抗力係数CD
は約0.6で凹または凸のない円断面とほぼ同等であ
る。また、ケーブル表面に形成する凹または凸は単独で
はなく、複数のものを集合部として配置している。これ
は空気流の乱流作用をより効果的に行わせしめるためで
ある。この結果従来のような表面に溝又は突起を設けた
制振ケーブルの抗力係数1.0〜1.2に比べ、ケーブ
ルへの風荷重を大幅に低減させしかもレインバイブレー
ションの発生も抑制できるとともに、ケーブル表面に凹
または凸の加工量が減少でき、製作が容易となり、架設
ケーブルの美観性も向上する。
【0015】
【実施例】
実施例1 図1は本発明の第1実施例を示すものであり、ケーブル
素線1の集合体からなるケーブルの表面に、ポリエチレ
ンからなる防食被覆2が施され、その防食ケーブル3の
被覆部表面に楕円形の凹部4aを複数(4ケ)集合した
集合部4を整列配置したものである。
【0016】図2は凹部の形状の詳細を示す。
【0017】具体的寸法諸元は、ケーブル外径150m
mの表面に3mm×5mmの楕円形状凹部4a4個を1
集合体とし、ケーブル周方向に8ケ等間隔、軸方向に並
行に配置したもので、ケーブルの単位表面積に対応する
凹部の面積の和は約4%である。1個の凹部は大きくす
ると乱流効果が減少して制振効果が得にくくなるため、
小さくして複数個集めた集合部4を形成したもので、凹
部4a1個の面積は約12mm2 としこれを4個配置し
たものを1つの集合部4とした。
【0018】また、凹部4aの深さはケーブル径の2〜
3%以上になると、凹部のケーブル表面積に占める割合
増とともに抗力係数が増加するため、ケーブルに作用す
る風荷重が増加してしまう。このため制振効果が得られ
かつ抗力係数が増加しない範囲とするため、凹部4aの
深さは1〜1.5mmとケーブル径の約1%以下とし
た。
【0019】実施例2 図3は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1実
施例と同様のケーブルに円形状の凹部5aを複数(5
ケ)集合した集合部5を整列配置したものである。
【0020】図4は凹部5aの形状の詳細を示す。
【0021】ケーブル外径150mmの表面に3mm×
5mmの楕円形状凹部5a5個を1集合体として、ケー
ブル周方向に8ケ等間隔、軸方向に並行に配置したもの
である。この場合、ケーブル単位表面積に対応する凹部
の面積の和は約5%である。
【0022】比較例1 図5,図6は比較例1で、ケーブル単位表面積に対応す
る凹部の面積の和を3%未満とした例であり、ケーブル
外径150mmの面積に3mm×5mmの楕円形状凹部
6aの3個を1集合体としてケーブル周方向に8ケ等間
隔、軸方向に並行に配置したものである。
【0023】比較例2 図7は比較例2で1ケの凹部の面積が230mm2 と大
きくし、単独配置したものである。
【0024】図8及び図9は本発明の前記第1実施例と
第2実施例および比較例と従来例の風洞実験結果を示
す。図8に示すように円滑な表面を持つ無対策のケーブ
ルおよび比較例1では風速9〜10m/s程度で発散的
な振動即ちレインバイブレーションが発生するが、本発
明の第1実施例及び第2実施例のケーブルではレインバ
イブレーションは全く発生しない。また、図7に示すよ
うに1個の凹部の面積を大きくし、単独配置した比較例
2の場合は、15m/s以上になると乱流効果が減少し
てレインバイブレーションが発生した。
【0025】図9は本発明における凹形状と抗力係数C
D の関係を実験したものでケーブル径の1%の凹部の深
さ(高さ)の円形状の表面加工面積を変化させて、抗力
係数を測定した結果を示したものである。これによれ
ば、ケーブル表面への加工度が単位表面積に対応する凹
部の面積の和が30%以下では抗力係数CD の減少がみ
られ、20%以下では円形断面の抗力係数0.5とほぼ
同等となる。本発明の実施例1および2は円形断面とほ
ぼ同等の抗力係数となっている。また、円形断面はレイ
ノルズ数の影響を受け、その凹の度合いにより抗力係数
が大きく変化することが知られている。図10は平滑な
ケーブルと従来の制振ケーブルおよび本発明の制振ケー
ブルのレイノルズ数に対する抗力係数CD を比較して表
したものである。表面が円滑な無対策のケーブルNo.
1は低レイノルズ数域では、抗力係数CD は1.2であ
り、3〜4×105 で限界レイノルズ数に達し、それ以
降抗力係数はやや増加して設計風速50m/s領域に相
当するレイノルズ数5.5×105 において抗力係数C
D は0.52となった。
【0026】前記の本発明の実施例1及び第2実施例の
ケーブルNo.2では限界レイノルズ数は1×105
度となり、その後抗力係数の増加は認められず、設計風
速50m/s領域に相当するレイノルズ数5.5×10
5 において抗力係数CD は0.63となった。従って、
橋梁の設計上風荷重を算出するためのケーブルの抗力係
数CD は、本発明の実施例では平滑な断面に比べてもわ
ずかに増加するのみである。
【0027】一方、これまで制振対策を行った図11に
示すような断面の従来例の制振ケーブルNo.3では、
形状変化が大きいため4〜5×104 で限界レイノルズ
数に達し、風速50m/sでは抗力係数CD は1.2と
なり、抗力係数は本発明の制振ケーブルまたは平滑な表
面を持つ無対策ケーブルの約2倍以上となる。従って、
このような断面形状では制振ケーブル設計風荷重が過大
となる恐れがあり、レインバイブレーションの制振効果
は得られても合理的な橋梁の設計とならない。
【0028】以上、ケーブルの防食被覆がポリエチレン
樹脂からなる場合についての実施例を示したが、ケーブ
ルの表面がフッ素樹脂で被覆された場合本発明を適用し
ても、同様の効果が得られる。
【0029】なお、本発明における凹の形状は円形、楕
円形の他6角形、4角、5角形等の多角形でもまた、凸
状でも同様の効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ケーブル1の表面の防
食被覆2に、複数の円形状あるいは多角形状の凹または
凸状の集合部をケーブルの単位表面積に対応する凹また
は凸状の加工面積の和が3%〜10%未満の範囲になる
よう多数形成し配置することにより、少い加工量により
防食ケーブル表面上に雨と風の相互作用によって生じる
水路の形成を阻止し、レインバイブレーション発生を抑
制することができ、かつケーブル表面形状の変化に伴う
抗力係数の増加を招くことがなく、平滑な円断面とほぼ
同程度の抗力係数に抑えることができしかも美観を損な
うことがない。これにより、従来の制振ケーブルと比べ
るとケーブルへの風荷重を大幅に低減でき、橋梁の合理
的な設計が可能となる。特に、長大斜張橋の場合、多数
のケーブルが密に配置されるため、桁の橋軸直角方向の
耐荷力はケーブルに生じる風荷重に支配されるため、ケ
ーブルの低抗力化は橋梁の設計上きわめて有効である。
【0031】また、橋梁が長大化するとケーブル長も長
くなるため、減衰装置の取り付けによる効果は少なくな
り、空力的な対策が有効となる。本発明による空力的な
対策を用いれば減衰装置のように付属構造物を付加する
必要もなく、美観を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明の第1実施例でケーブ
ル表面に楕円形の凹部を4ケ集合配置した制振ケーブル
の説明図。
【図2】本発明の第1実施例の凹部の形状詳細を示す
図。
【図3】(a),(b)は本発明の第2実施例でケーブ
ル表面に楕円形の凹部を5ケ集合配置した制振ケーブル
の説明図。
【図4】本発明の第2実施例の凹部の形状詳細を示す
図。
【図5】(a),(b)は凹部の面積のケーブル単位表
面積に対応する比を3%未満にした比較例1の説明図。
【図6】図5の凹部の形状詳細を示す図。
【図7】従来制振ケーブルの表面凹の形状詳細を示す
図。
【図8】レインバイブレーション風洞実験結果を示す
図。
【図9】ケーブル表面加工面積と抗力係数の関係を示す
グラフ。
【図10】本発明と従来例の制振ケーブルにおけるレイ
ノルズ数と抗力係数の関係を示すグラフ。
【図11】従来例の制振ケーブル断面を示す図で(a)
は斜視図、(b)は一部拡大図、(c)は他の例の斜視
図、(d)は一部拡大図。
【図12】ワイヤロープ張り渡しによる制振法の従来技
術を示す図。
【図13】減衰装置取り付けによる制振法の従来技術を
示す図。
【符号の説明】
1…ケーブル素線 2…防食被覆 3…ケーブル 4…凹部集合部 4a…凹部 5…凹状集合部 5a…凹部 6…溝 7…突起 8…ワイヤーロ
ープ 9…桁 10…減衰装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の防食被覆に凹または凸状の加工が
    施されている空中懸架ケーブルにおいて、防食被覆表面
    に複数の円形または多角形状の凹または凸の集合部を、
    ケーブルの単位表面積に対応する凹または凸の面積の和
    が3%〜10%未満の範囲になるように多数形成したこ
    とを特徴とする制振ケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100486785B1 (ko) * 2002-10-28 2005-05-03 한국전력공사 선로용 항공 장애 표시구
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