JPH08695B2 - β”―アルミナの製造方法 - Google Patents

β”―アルミナの製造方法

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JPH08695B2
JPH08695B2 JP1016055A JP1605589A JPH08695B2 JP H08695 B2 JPH08695 B2 JP H08695B2 JP 1016055 A JP1016055 A JP 1016055A JP 1605589 A JP1605589 A JP 1605589A JP H08695 B2 JPH08695 B2 JP H08695B2
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リリワイト・ソシエテ・アノニム
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はβ″−アルミナの製造方法に係る。より特定
的には、本発明は多結晶成形物品の形態のβ″−アルミ
ナの製造に適当な方法、及び該方法により製造されたこ
のような成形物品に係る。
本発明によると、Na2Oの存在下で酸化アルミニウムを
加熱することによりβ″−アルミナを製造する方法が提
供され、該方法はLi2O、MgO、ZnO、CoO、NiO、FeO及び
これらのうちの少なくとも2種の混合物から成る群から
選択されたドーパント金属酸化物、又はドーパント金属
酸化物の前駆物質を、立方晶に緊密に充填された酸化ア
ルミニウム(cubic−close packed aluminium oxide)
[Al2O3]又はその前駆物質中に均質に分散し、出発混
合物を形成する段階と、該出発混合物を酸素含有雰囲気
中で250〜1100℃の範囲の温度に加熱することにより該
出発混合物をカ焼する段階と、Na2O(ソーダ)又はその
前駆物質をカ焼した出発混合物中に均質に分散し、最終
混合物を形成する段階と、最終混合物を酸素含有雰囲気
中で少なくとも1110℃の温度に加熱し、最終混合物から
β″−アルミナを生成する段階とを含む。
特に留意すべき点として、使用される全酸化アルミニ
ウム前駆物質は、カ焼又は他の方法で加熱又は焼成され
る以前に該前駆物質中にドーパントが分散されていなけ
ればならない。
立方晶に緊密に充填された酸化アルミニウムなる用語
は、空気中で単独で700℃の温度に加熱し、この温度に
2時間維持した場合に、例えばγ−アルミ又はη−アル
ミナのような立方晶に緊密に充填された酸素サブ格子又
は網目構造を有する遷移アルミナに転化されるような物
質を意味する。
また、ドーパントLi2O、MgO、ZnO、CoO、NiO又はFeO
の前駆物質なる用語は、空気中で単独で700℃の温度に
加熱し、この温度に2時間維持した場合に、該当する酸
化物、即ち場合に応じてLi2O、MgO、ZnO、CoO、NiO又は
FeOに転化される物質を意味し、Na2Oの前駆物質なる用
語は、空気中で単独で700℃の温度に加熱し、この温度
に2時間維持した場合に、ソーダ、即ち酸化ナトリウム
(Na2O)に転化されるような物質を意味する。
適当な前駆物質としては、Li、Mg、Zn、Co、Ni、Fe又
はNaの夫々水酸化物、硝酸塩及び炭酸塩が挙げられる。
当然のことであるが、費用、入手し易さ、空気中での安
定性及び取り扱いの容易さの理由から、通常は炭酸塩が
使用される。
本発明者は、酸化アルミニウムの前駆物質に関する限
り、所定の水和物の形態の酸化アルミニウムが本発明の
方法で使用するのに特に好適であることを知見した。酸
化アルミニウムのこのような水和物はバルクにおいて化
学量論的に純粋である必要はなく、水和の水の割合を多
少変えてもその使用効果に悪影響は生じない。これらの
水和物のある主のものは、比較的廉価に、例えばα−ア
ルミナの価格よりも廉価にバルクして入手可能であると
いう利点を有する。このような水和物としては、ベーマ
イト、バイヤライト及び場合によってジブサイトが挙げ
られる。
上記のように、酸化アルミニウムの前駆物質は水和さ
れていてもよく、本発明の方法では、式Al2O3・mH2O
(式中、mは1〜1.3である)で表されるアルミナの1
水和物及び式Al2O3・nH2O(式中、nは3〜3.5である)
で表されるアルミナの3水和物から成る群の1員である
酸化アルミニウムの前駆物質を使用する。
酸化アルミニウムの前駆物質はアルミニウムの1水和
物としてベーマイトであり得、ベーマイトはX線回折の
ライン拡大及び走査型電子顕微鏡により決定した平均結
晶寸法が少なくとも100オングストローム単位であり、
X線回折により決定した020面のdスペーシングが最大
で6.8オングストローム単位であり、空気中で10℃/分
で室温から700℃まで加熱した際の質量損失が最大で20
質量%であり、空気中で10℃/分で室温から700℃まで
加熱した場合、最大質量損失率が少なくとも400℃の温
度で生じる。好ましくは、該平均結晶寸法は少なくとも
1000オングストム単位であり、該dスペーシングは最大
6.5オングストローム単位であり、加熱時の該質量損失
は最大で17%であり、該最大質量損失は少なくとも500
℃の温度で生じる。ベーマイトは熱水作用により製造さ
れ得る。「熱水作用により製造される」とは、ベーマイ
ト(AlOOH又はAl2O3oH2Oで表され得る)がバイヤー法に
より製造されたアルミナ3水和物から150〜300℃の範囲
の温度で希釈アルカリ水溶液の水中で熱水作用による転
化により製造されたことを意味する。バイヤー法は例え
ばGessner G.Hawley改訂のThe Condensed Chemical Dic
tionary,第9版,Van Norstrand Reinhold Co.,1977,94
頁に記載されている。アルミナ3水和物からベーマイト
への熱水作用による転化は、Huttig他の論文‘Informat
ion on the System Al2O3・H2O'−Z.Anorg.Allg.Chem.,
171,232−243(1928)中に記載されている。
特に、ベーマイトは英国、バッキンガム州、Gerrards
Crossに所在のBA Chemicals Plcから商品名Cera Hydra
teとして市販されているものとすることができる。Gera
Hydrateは熱水作用により製造され、5m2/gの比表面積
(Brunauer,Emmett及びTellea(BET)の窒素吸着により
決定)を有しており、BA Chemicals Pleから入手した時
点での平均結晶寸法が2000オングストローム単位(走査
型電子顕微鏡で測定)であり(後述する磨砕後の平均結
晶寸法は8000オングストローム単位である)、温度を47
0〜550℃に上昇させるとその脱ヒドロキシル化の大部分
が生じる。この点について留意すべきこととして、理論
的に純粋な結晶構造を有するベーマイトは該dスペーシ
ングが約6.11オングストローム単位であり、室温から70
0℃に加熱した際の質量損失が15質量%であり、10℃/
分で加熱した場合、最大質量損失率(熱重量分析(TG
A)曲線の変曲点)は約540℃で生じる。
一方、酸化アルミニウムの前駆物質はアルミナの3水
和物としてバイヤライトでもよく、バイヤライトはX線
ライン拡大及び走査型電子顕微鏡により決定した平均結
晶寸法が少なくとも100オングストローム単位であり、
X線回折により決定した00面のdスペーシングが最大で
4.9オングストローム単位であり、空気中で10℃/分で
室温から700℃まで加熱した際の質量損失が最大で40質
量%であり、空気中で室温から700℃まで10℃/分で加
熱した場合、最大質量損失率は少なくとも240℃の温度
で生じる。該平均結晶寸法は少なくとも500オングスト
ローム単位であり得、該dスペーシングは最大で4.75オ
ングストローム単位であり、加熱時の該質量損失は最大
で37%であり、該最大質量損失率は少なくとも260℃の
温度で生じる。この点について留意すべきこととして、
理論的に純粋な結晶構造を有するバイヤライトは約4.67
オングストローム単位の該dスペーシングを有してお
り、10℃/分で室温から700℃まで加熱した際の質量損
失が35重量%であり、10℃/分で加熱した場合、最大質
量損失率(TGA曲線の変曲点)は約280℃で生じる。
本発明者は、本発明で使用するのに適当なバイヤライ
トが米国、テキサス州、Southwest Region,12600 North
borough Drive,Houstonに所在のKaiser Aluminium and
Chemical Corporationから市販されているKaiserバイヤ
ライトであることを知見した。
この点で(少なくともベーマイト及びバイヤライトの
両方について)本発明者は、出発物質として使用される
酸化アルミニウムの前駆物質の結晶が大きい(低比表面
積に対応)ほうが生成物中のβ″−アルミナの割合が高
くなり、従って、少なくとも10オングストローム単位、
より好ましくは少なくとも8000オングストローム単位以
上の平均結晶寸法が望ましいことを知見した。これらの
結晶寸法は最大10m2/g、より好ましくは最大5m2/g以下
の比表面積に対応する。
同様に、本出願人は、酸化アルミニウムの水和物、即
ち例えばベーマイトあるいはバイヤライトなどである、
出発物質として用いる酸化アルミニウム前駆物質が加熱
時に比較的高温で脱水されることが望ましく、そうであ
れば生成物中のβ″アルミナの比率が有利に高まること
を発見した。例えばベーマイトの場合、加熱の際最高率
の脱ヒドロキシル化、即ち最高率の重量損失は先に述べ
たように400℃を上回る温度で、好ましくは500℃より高
い温度で生起するべきである。換言すれば、先に述べた
ように周囲温度から700℃まで10℃/minで加熱する際に
脱ヒドロキシル化の主要部分、即ち可能な脱ヒドロキシ
ル化全体の80%以上が好ましくは約470℃以上の高温
(例えば470〜550℃)で生起するべきである。
これらの要因、即ち比較的大きい結晶微結晶寸法、比
較的小さい比表面積、並びに比較的高い脱ヒドロキシル
化温度は、使用する酸化アルミニウム前駆物質が十分に
発達した高度に規則的な結晶構造を有することを示唆す
る。即ち、使用する酸化アルミニウム前駆物質が好まし
くは大きい微結晶並びに小さい比表面積を有し、かつ脱
ヒドロキシル化の際比較的高温で該物質の質量損失の大
部分が起こり、実際のところ該物質の重量の大部分が失
われるには、該物質が高度に規則的でかつ広範な結晶構
造を有することが望ましいと考えられる。Kaiserバイヤ
ライトと、特にCara Hydrateベーマイトとが、上記基準
の少なくとも幾つかを満たす。ベーマイトとは、酸化ア
ルミニウム一水和物Al2O3・H2Oの直斜方晶系形態のこと
であり、その結晶格子構造は晶族(点群)D2hによって
規定される対称性を有する。ソーダ、リチア及びマグネ
シアはそれぞれNa2O、Li2O及びMgO、即ち酸化ナトリウ
ム、酸化リチウム及び酸化マグネシウムを意味する。バ
イヤライトとは、酸化アルミニウム三水和物の単斜晶系
形態のことであり、その結晶格子構造はR.Rothbauer,et
al.,Z.Kristallogr.,125,317−331(1967)によって決
定されているように晶族C2hによって規定される対称性
を有する。
ジブサイトとは、酸化アルミニウム三水和物の単斜晶
系形態のことで、その結晶格子構造はH.Saalfeld,Neue
s.Jahrb.Mineral.Abh.,95,1−87(1960)によって決定
されているように晶族(点群)C2hによって規定される
対称性を有する。
出発混合物中に分散したNa2Oあるいはその前駆物質の
量は、Na2Oとして、加熱してβ″アルミナを生成した後
の最終混合物の7〜10質量%であり得る。好ましくは、
出発物質乃至酸化アルミニウム前駆物質がベーマイトで
ある場合、加熱後の混合物はソーダを約8.5〜9.5質量
%、即ち例えば9質量%含有する。
本発明方法は、単にβ″アルミナを製造するのにも、
また同時に多晶質β″アルミナ成形物品、即ち後述する
ような単一自立塊を製造するのにも用いることができ
る。いずれの場合も、ベーマイト、バイヤライト等酸化
アルミニウム前駆物質中に、β″アルミナが生成される
まで立方晶に緊密充填された酸素サブ格子のための安定
剤として機能する金属酸化物ドーパントを分散させる。
このドーパントはβ″アルミナ生成後は生成されたβ″
アルミナのスピネル型構造を安定化させるべく機能し、
また特に形成物品構造の場合には該ドーパントは、完全
に稠密な成形物品の形成に必要な温度まで加熱する間に
β″アルミナがβアルミナに分割するのを抑制するべく
機能する。
立方晶に緊密充填された酸化アルミニウムあるいはそ
の前駆物質中に分散した金属酸化物ドーパント(Li2O、
MgO、ZnO、CoO、NiO及び/またはFeO)あるいはその前
駆物質の量は、金属酸化物として、加熱してβ″アルミ
ナを生成した後の最終混合物の0.05〜10質量%であり得
る。特に酸化アルミニウム前駆物質がベーマイトである
場合、加熱後の最終混合物が0.05〜6.0質量%のドーパ
ント、特に0.05〜1.0質量%のLi2Oか、あるいは2.5〜6.
0質量%のMgOを含有するように調製し得る。
これまで、Li2O、MgO、ZnO、CoO、NiO及びFeOはいず
れもβ″アルミナ製造において、スピネル型構造の安定
剤として用いられている。しかし、通常はMgOと、特にL
i2Oとが好ましいスピネル安定剤である。本発明に関し
ても同様にMgO、並びに場合によってはLi2Oが好まし
く、従ってドーパントはMgO及びLi2Oから選択し得る。
ドーパントあるいはその前駆物質は酸化アルミニウム
前駆物質中に、ドライブレンディングによってか、ある
いは例えば湿式磨砕のような磨砕によって分散させるこ
とができる。ソーダあるいはその前駆物質はカ焼した出
発混合物中に、例えば湿式磨砕のような磨砕によって分
散させ得る。好ましくはいずれの場合も、ドーパント及
びソーダは可能なかぎり、もしくは実施できるかぎり一
律かつ均等に分散させるべきである。そのような分散は
普通、ソーダ添加後に微粒子寸法にまで磨砕することに
よって達成され、この磨砕が分散を実現する。即ち、磨
砕は水の存在下に振動ミルあるいはアトリションミルに
よって、粒子寸法が30ミクロン未満となるように実施し
得、好ましくは磨砕は、粒子の少なくとも80質量%が5.
5ミクロン(55,000Å)未満の寸法を有するように実施
する。上記のような粒子寸法は、振動ミルあるいはアト
リションミルで少なくとも2時間磨砕することによって
達成し得る。磨砕後、加熱してβ″アルミナを生成する
前に、磨砕した物質を凍結乾燥あるいは噴霧乾燥し得
る。
出発混合物のカ焼は実質的に、酸化アルミニウム前駆
物質をγアルミナあるいはηアルミナのような、酸化ア
ルミニウムの立方晶緊密充填形態に変換するために実施
する。カ焼のために出発混合物を加熱し得る温度は先に
述べたように250〜1,100℃、好ましくは500〜1,050℃で
あり得、その際約700℃が適当な温度である。加熱速度
は重要でなく、限界内で様々であり得、かつ一定である
必要はない。同様に、冷却速度も重要でなく、限界内で
様々であり得、かつ一定である必要はない。一般的に
は、最高カ焼温度において、実質的に完全なカ焼を実現
するのに十分な期間にわたり温度が維持され、乃至温度
プラトーが設けられる。カ焼温度700℃の場合、加熱速
度200℃/hrで700℃に加熱し、続いて2時間700℃を維持
し、その後冷却速度200℃/hrで周囲温度まで冷却するこ
と、即ち温度をカ焼温度まで漸次単純に上昇させ、続い
てしばらくカ焼温度に維持した後漸次単純に下降させる
ことが適当であると判明した。
同様に、ソーダあるいはその前駆物質を含有する最終
混合物は、該混合物の温度がその達するべき最高温度ま
で途中温度ピークあるいはプラト−を生じずに漸次上昇
するように加熱し得る。即ち、最終混合物は該混合物の
温度が最高温度まで漸次上昇するように加熱され、その
後加熱された生成物の温度が周囲温度まで漸次下降する
ように冷却される。この冷却は最高温度を所定期間維持
した後に実施し得、最終混合物の加熱は少なくとも1,10
0℃である最高温度に達するまで実施し得る。
本発明方法を単にβ″アルミナ製造に用いる場合、一
般に加熱温度は成形物品の製造に必要な温度より低く、
成形物品製造のためには少なくとも、実質的にβ″アル
ミナを含む単一自立塊の製造を実現する焼結及び稠密化
を惹起するほどの十分な温度まで加熱を実施する。即
ち、成形物品製造のためには最終混合物を、該混合物か
ら単一自立塊を製造するのに十分な、一般的には1,200
℃を上回る最高温度まで加熱し得る。成形物品を製造す
る場合、最終混合物は加熱前の未処理状態で成形物品に
形成し得る。10質量%未満の水分しか含有しない乾燥粉
末状の最終混合物を5,000〜100,000nsi(1psi=6.89475
7×103Pa)の圧力でプレスして、成形物品に形成するこ
とができる。プレスは均等プレスであり得、30,000〜6
0,000psiの圧力で実施し得る。しかし、例えば凍結乾燥
あるいは噴霧乾燥によって得られる乾燥粉末に対して通
常は、一般に20,000psiを上回る圧力での均等プレスを
実施するが、この均等プレスに替えて乾燥粉末の一軸プ
レスあるいはダイプレスを実施することも可能である。
諸成分を磨砕して混合すると一般的に、噴霧乾燥あるい
は凍結乾燥に適した、固体含量約30〜50質量%の懸濁液
が得られ、その後噴霧乾燥あるいは凍結乾燥によって水
分を4質量%未満とする。
少なくとも35MPaの圧力でのプレス後、最終混合物を
1,550〜1,700℃、好ましくは1,580〜1,620℃の最高温度
まで加熱して、単一の成形物品を製造することができ
る。混合物を周囲温度から上記最高温度まで加熱する速
度は、150〜300℃/hrであり得る。
混合物を周囲温度から最高温度まで加熱する平均速度
は、300℃/hr以下であり得る。
最高温度の下限は、例えば電気化学電池内で固体電解
質あるいはセパレーターとして用いられる最終成形物品
において許容可能な電気的抵抗率、並びに最終成形物品
における十分な焼結度及び強度といった要因に基づいて
設定する。最高温度が約1,550℃を下回ると、最終生成
物の電気的抵抗率が増大し、また特に成形物品の強度が
電気化学電池内の固体電解質あるいはセパレーターとし
て用いるには許容し難いほど低下し得る。
加熱を単に粉末状あるいは粒状のβ″アルミナの製造
のために実施する場合、最高温度は実質的に低く、例え
ば1,200℃以下か、あるいは更に幾分低い温度以下であ
り得る。この場合の最高温度はβ″アルミナ生成量と、
電力消費、炉に必要な構造材等の諸要因との兼ね合いで
選択する。この場合の製品は、最終的に成形物品の製造
に用いるため不定期間貯蔵するべく、部分的に処理済み
の流動可能物質として製造する。即ち、最終混合物は、
粉末製品を製造するべく1,150〜1,300℃に加熱し得る。
特に有望であると考えられる典型的な加熱方法は、ソ
ーダを分散させた後乾燥した、リチアあるいはマグネシ
ア(MgO)を含有するカ焼Cera Hydrateベーマイト出発
物質を200℃/hrの速度で単純に加熱し、到達した最終温
度に適当な期間、即ち例えば15分間維持し、更に上記と
同じ速度で冷却するものである。
加熱は、例えば電気炉あるいは場合によってはガス焚
き炉のような、試料と共に周囲温度から最高温度まで加
熱される炉において実施し得、あるいはまた試料に、最
高温度に維持した炉内を適当な速度で通過させることに
よっても加熱を実施し得、後者の場合炉は電気的なもの
であり得る。
加熱は一般的にはソーダ雰囲気中で実施し、加熱する
試料は閉鎖可能な、酸化マグネシウムあるいはプラチナ
製坩堝あるいは管のような適当な耐食耐熱容器内に配置
し得る。
本発明は、ここに述べた方法に従い、かつ特に本明細
書に説明する実施例を参照して製造されるのであれば、
例えば単一自立塊即ち成形物品の形態であるβ″アルミ
ナも適用される。
本発明を、以下の実施例を参照しつつ非限定的に詳述
する。
実施例1 本発明の方法と対照の方法とを用いて単一焼結多結晶
質β″−アルミナ成形物品を製造し、比較テストを行っ
た。前記対照方法では、酸化アルミニウム前記物質を予
めカ焼した後で酸化リチウム及びソーダを同時に加え
た。いずれの場合も酸化アルミニウム前駆物質としては
Cera Hydrateベーマイトを使用し、磨砕及びプレス処理
条件は基本的に同じにした。カ焼及び焼結は同時に行っ
た。いずれの場合も酸化リチウム前駆物質、ソーダ前駆
物質及びベーマイトの使用量は、下記の組成の製品が得
られるような割合に従って決定した: 酸化リチウム(Li2O):2.76モル% ソーダ(Na2O):13.38モル% 酸化アルミニウム(Al2O3):83.86モル% 即ち、Na1.70Li0.35Al10.65O17。
ベーマイトの酸化アルミニウム(Al2O3)含量を、下
記の条件で1400℃に加熱した時の質量損失によって測定
しておいた: −200℃/時で室温(20℃)から1400℃に加熱し、1400
℃に2時間維持。
−200℃/時で1400℃から室温に冷却。
この測定の結果、1.2026gのベーマイトが1.0000gのAl
2O3に等しいことが判明した。
酸化リチウム前駆物質及びソーダ前駆物質は夫々炭酸
リチウム及び炭酸ナトリウムであった。炭酸ナトリウム
は使用する前に一晩300℃で乾燥させた。
対照 ベーマイトを下記の条件に従い粉末形態でカ焼した: −200℃/時で室温から700℃に加熱し、700℃に2時間
維持。
−200℃/時で700℃から室温に冷却。
このようにしてカ焼したベーマイトにソーダ前駆物質
及び酸化リチウム前駆物質を粉末形態で加え、得られた
混合物をアトリッターミルで2時間湿式磨砕にかけた。
この処理は、粉末100g当たり200mlの蒸留水と300gのジ
ルコニア粉砕媒体(直径0.8〜2.0mm)とを用いて約916
r.p.mのミル速度で実施した。
磨砕後、スラリー又はスリップを粉砕媒体から分離
し、これを液体窒素中に滴下して凍結乾燥させた。この
ようにして形成した凍結球体を圧力約0.08ミリバール、
コンデンサー温度約−45℃で4日間乾燥させた。
乾燥した粉末を22,000psi(15MPa)の圧力で直径16mm
のペレットに成形し、次いで30,000psiの圧力で低温均
衡プレスにかけた(cold isostatically pressed)。
本発明 本発明の方法では、対照の方法と異なって、ベーマイ
ト及び炭酸リチウムを最初に全部湿式磨砕にかけ且つ凍
結乾燥した。但し、そのやり方はカ焼ベーマイトと炭酸
リチウム及び炭酸ナトリウムとを混合する対照方法の場
合と全く同じにした。この混合物を、対照のベーマイト
カ焼法と全く同じ方法でカ焼した。実際には、前記混合
物と対照のベーマイトとを同一の炉で同じ加熱サイクル
中に同時にカ焼した。
この酸化リチウム/ベーマイトカ焼混合物を、カ焼ベ
ーマイトと炭酸リチウム及び炭酸ナトリウムとを混合す
る対照方法の場合と同じ方法で炭酸ナトリウムと共に湿
式磨砕にかけ、且つ凍結乾燥させた。
次いで、対照の場合と全く同じ方法で低温均衡プレス
によりペレットを成形した。
対照及び本発明 対照のペレットと本発明の方法で製造したペレットと
を200℃/時で室温から1600℃まで加熱し、この温度に
維持した後、200℃/時で1600℃から室温に冷却した。
試料の一部は1600℃に5分間維持し、残りは15分間維持
した。
この焼結処理の後で、ペレットの密度測定をArchimed
ean法によりキシレンを用いて行い、粉末X線回折によ
る相分析にかけ、且つ光学顕微鏡及び電子走査顕微鏡を
用いるミクロ構造分析にかけた(どちらかの方法で製造
したペレットも、研磨によって1ミクロンまで表面仕上
げし且つ1400℃で30分間加熱してエッチング処理し
た)。
試料はいずれも純粋な単相β″−アルミナであり、Na
AlO2又はβ−アルミナのような別の相は検出されなかっ
た。密度及びミクロン構造に関する結果の詳細を下記の
表1に示す。
β″−アルミナで、例えば電気化学電池の固体ナトリ
ウムイオン伝導体として使用するための稠密多結晶質成
形物品を製造する場合には、密度ができるだけ高くでき
るだけ計算値に近く、非二層性均一ミクロ構造、即ち小
さい均一微結晶のマトリクス中に大きな微結晶が存在し
ていない構造を有することが望ましい。低密度及び二層
ミクロ構造の場合には脆弱な、即ち靱性に欠ける製品が
でき、機械的応力が応用するか又は電池中で該製品に電
流が流れた時に亀裂が生じて破損することになる。実施
例1から明らかなように、本発明の方法を用いれば、少
なくとも対照の方法で製造した場合と同じ程度の品質の
β″−アルミナ成形物品を製造することができる。
実施例2 実施例1と同様のテストを行って、本発明の方法を対
照の方法と比較した。この実施例では3つの異なる組成
物をテストし、各組成物を5つの異なる方法で形成して
テストした。これらの方法のうち3つは本発明によるも
のであり、2つは対照によるものである。
そこで、下記の表2に示す公称組成に従って、1つが
約100gのバッチを複数個形成した。
前記5つの方法は、それが本発明によるものなのか又
は対照によるものかという点で、即ち、本発明の方法に
より酸化リチウムをカ焼の前に加えるのか又は対照の方
法に従い酸化リチウムをカ焼の後で加えるのかという点
で互いに異なり、使用する酸化リチウム前駆物質の種類
に関しても異なり、且つカ焼の後にソーダを加えた時点
でのみ湿式磨砕にかけるのか、又はカ焼の後及びカ焼の
前に湿式磨砕にかけるのかという点についても異なる。
いずれの場合もカ焼は実施例1と同じ方法で行い、ソ
ーダ前駆物質としてはNaCO3を使用し、乾燥は凍結乾燥
法で行った。磨砕は実施例1の方法に従って行い、凍結
乾燥はEdwards Modulyo 12凍結乾燥装置をコンデンサー
温度−45℃で作動させて約0.1ミリバールの真空下で行
った。ソーダを添加した後の最終混合物は150μmの篩
にかけてから加熱した。ペレットは実施例1と同様にプ
レスし、β″−アルミナを製造すべく様々な加熱条件で
加熱した。
これら5つの異なるテストの相違点を下にまとめた: テスト1(本発明) この場合はカ焼にNa2Oを加えた時点でだけ磨砕を行
い、酸化リチウムの添加はドライブレンディングによっ
て実施し、且つ酸化リチウム前駆物質としてはLiOH.H2O
を使用した。
テスト2(本発明) この場合は、カ焼後にNa2Oを加えた時点でのみ磨砕を
行い、酸化リチウムの添加はドライブレンディングによ
って実施し、酸化リチウム前駆物質としてLi2CO3を使用
した。
テスト3(本発明) この場合はカ焼後にNa2Oを加えた時点及びカ焼前にLi
2Oを加えた時点で磨砕を行い、酸化リチウム前駆物質と
してはLi2CO3を使用した。
テスト4(対照) この場合はカ焼後にNa2O及びLi2Oを加えた時点でのみ
磨砕を行い、酸化リチウム前駆物質としてはLi2CO3を用
いた。
テスト5(対照) この場合はカ焼後にNa2O及びLi2Oを加えた時点及びカ
焼の前に磨砕を行い、酸化リチウム前駆物質としてはLi
2CO3を使用した。
各ケースにおいて実施例1の全体の方法に従った。即
ち、酸化アルミニウム前駆体は、実施例1と同様に最初
にカ焼されたCera Hydrateベーマイトであり、それを湿
式磨砕してNa2Oを混合し、実施例1と同様に乾燥し、ペ
レットに押圧し、そのペレットを加熱してβ″−アルミ
ナを生成した。本発明に従ってカ焼前にリチアを追加し
て湿式磨砕によってベーマイトに混合する場合には、実
施例1と同様にカ焼前に当初混合物を乾燥させるが、カ
焼前にドライブレンドによってリチアを追加する場合に
はカ焼前に乾燥させずともよい。
ペレットを加熱してβ″−アルミナを生成するために
以下のような5種類の処理を施した。
処理1 周囲温度(20℃)から1400℃に200℃/時間で
加熱し、 1400℃から1600℃に100℃/時間で加熱し、 1600℃に15分間維持し、 1600℃から1500℃に900℃/時間で冷却し、 1500℃から周囲温度に200℃/時間で冷却する。
処理2 周囲温度から1400℃に200℃/時間で加熱し、 1400℃から1600℃に100℃/時間で加熱し、 1600℃から1617℃に60℃/時間で加熱し、 1617℃に15分間維持し、 1617℃から1500℃に900℃/時間で冷却し、 1500℃から周囲温度に200℃/時間で冷却する。
処理3 処理2と同様であるが、但し1617℃に25分間維
持する。
処理4 周囲温度から1400℃に200℃/時間で加熱し、 1400℃から1585℃に100℃/時間で加熱し、 1585℃に15分間維持し、 1585℃から周囲温度に200℃/時間で冷却する。
処理5 処理4と同様であるが、但し1585℃に25分間維
持する。
Na2Oの損失を防止するために、酸化マグネシウムるつ
ぼを備えた、急加熱し得る低比熱炉(low thermal mass
furnace)を使用した。
サンプルの組成を原子吸光分析によって確認した。即
ち、各反応粉末約0.1g(0.1mgまで計量)をアナラーグ
レード(analar grade)リン酸に約120℃で溶解し、得
られた溶液を必要に応じて希釈し、Naに対しては330.2n
m、Liに対しては670.8nmで吸光率を測定した。組成が既
知である基準サンプルは常にブランク(即ち溶解β″−
アルミナを含まない)と同時に測定した。適当量のアル
ミニウム塩を加えてある、リチウム及びナトリウムの濃
度が既知の一連の溶液を使用して検量線を構成した。ア
ルミニウム塩は所謂マトリックス効果を確実に最小に維
持するためである。次いでサンプル溶液中のLi及びNaの
濃度を、関連する吸光率の値と測定した元々のサンプル
のLi2O及びNa2Oの含有量とから算出した。
焼結セラミックの密度は水を用いるアルキメデスの方
法によって決定した。
磨いたサンプルを1400℃で30分間熱式エッチングした
後に、Univar光学顕微鏡を使用して微細構造を調べた。
結果を以下の表3に示す。
テスト番号1、6及び11ではリチアをLiOH.H2Oとして
加え、残りのテストではリチアをLi2CO3として加えた。
テスト3、5、8、10、13及び15では、カ焼の前後2回
の磨砕ステップを行い、残りのテストではカ焼後にのみ
磨砕を実施した。
実施例2は、本発明の方法が少なくともコントロールの
方法で製造したものと同程度に優れたβ″−アルミナ人
工物を製造することができることを示す。
実施例3 本発明の方法と、カ焼後にリチア追加を行わないコン
トロール方法とを更に比較するために、変更を加えて実
施例2を繰り返した。各ケースでは、カ焼後に単一の磨
砕ステップがあり、カ焼前のリチア追加はドライブレン
ドによる。バッチサイズは約1kgであり、水1.5kg及びジ
ルコニア細粒化媒質30kgを用いて湿式磨砕を実施した。
Niro Atomizer噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥させる
と、45μmふるいを通過するさらさらした粉末が得られ
た。粉末を、高温電気化学セル中の分離器としての使用
に適したタイプの、一端が開いており且つ他端が半球形
端面によって閉じてある管中に圧力35000psiで圧縮し
た。これらの管を閉じた端部を下にして直立させ、Na2O
の損失を防止するためにマグネシアライナー中で点火し
た。以下のような点火処理を行った。
処理6 周囲温度から1400℃に200℃/時間で加熱し、 1400℃から1600℃に100℃/時間で加熱し、 1600℃から1615℃に60℃/時間で加熱し、 1615℃に20分間維持し、 1615℃から1500℃に900℃/時間で冷却し、 1500℃から周囲温度に200℃/時間で冷却する。
13種類のテストにおいて本発明の方法では、カ焼前に
リチアを磨砕しないでベーマイトにドライブレンドし、
コントロールの2つのケースにおいては、リチアを湿式
磨砕によってソーダと一緒に加え、各ケースでリチアを
LiOH.H2Oとして加え、ソーダをNa2CO3として加えた。
平均結果を以下の表4に示す。
上記テストで強度及び抵抗率についても平均結果を得
た。本発明に従って製造した管は強度304メガニュート
ン/mm2(MN/mm2)、標準偏差26を有し、コントロールは
強度297メガニュートン/mm2(MN/mm2)、標準偏差28を
有した。抵抗率の結果を以下の表5に示す。
上記結果から本発明の方法に従って製造した人工物
は、密度及び顕微鏡組織のみでなく抵抗率及び強度の点
でも、コントロール方法に従って製造したものと同程度
に優れていることが明らかである。
本発明の方法によって製造されるものと比較して、コ
ントロール方法によって製造される成形物品の抵抗率が
わずかに小さいのは、成形物品の微細構造の目視検査か
ら分かるように、コントロール方法によって得られる粒
径がわずかに大きいことから生じると思料される。
以下の実施例、即ち実施例4及び5においては、β″
−アルミナの形成に使用されるいくつかの組成物を用い
本発明方法及び対照方法によって相形成を観察した。
β″−アルミナを安定させるためのドーパントとしてMg
O及びLi2Oを使用し、各実験でか焼後に単一磨砕工程を
実施し、磨砕工程で得られたスラリーを実施例1に記載
の方法で凍結乾燥した。どの実験でもNa2OはNa2CO3の形
態で添加した。
各実験においてNa2O添加後の最終混合物を1000℃〜16
00℃の範囲の温度に加熱した。1200℃より高温の加熱に
は閉鎖マグネシア坩堝を使用し、1200℃より低温の加熱
にはアルミナ坩堝を使用した。1200℃より高温に加熱す
る標本は、加熱以前に圧力150MPaに一軸圧縮することに
よってペレットに形成した。
各実験で加熱後に得られた材料を粉末に粉砕し、内部
標準として作用する約5%のケイ素と混合し、2−θ範
囲10〜70℃の粉末X線回折分析CuKαで観察した。観察
されたトレースと文献から得られた標準トレースとを比
較することによって存在する諸相を同定した。
実施例4 この実施例では、ドーパントとしてMgOを使用し、Mg
(NO32.6H2Oの形態で添加した。Na2OはNa2O3の形態で
添加し、Al2O3前駆物質としてはやはりCera Hydrateベ
ーマイトを使用した。表6に示す表示組成をもつ組成物
を使用した。
組成物1及び2はβ″−アルミナを製造するためのマ
グネシアとソーダと酸化アルミニウムとの配合の代表例
として文献から選択したものである。
焼成のためには、室温から毎時200℃で最高温度まで
加熱し、ある程度の時間最高温度に維持し、次に毎時20
0℃で室温まで冷却するという簡単な加熱サイクルを使
用した。本発明方法を用いた実験ではドーパントをドラ
イブレンディングによってか焼以前に添加し、ソーダを
か焼後の湿式磨砕中に添加した。対照方法ではドーパン
トとソーダとの双方を湿式磨砕中に添加した。
結果を表7に示す。
表7の結果は、本発明方法が対照方法に比較してドー
パントのMg2+安定化イオンをベーマイトと高い程度で混
合することを示す。この差異は低い反応温度を用いる場
合(即ち1100℃及び1200℃)に特に顕著であり、この場
合、対照方法で得られた生成物中には少量の(5〜10質
量%)のスピネル相MgAl2O4が存在していた。より高温
(即ち1450℃)を用い従って反応速度が増加するとこの
ような組成的不均質性が除去され、1450℃においては本
発明方法と対照方法との間に差異は見られなかった。
生成物中に存在する諸相をX線回折によって測定し
た。対照方法で製造された生成物のX線回折トレースは
文献に報告されているトレースと同様であることが判明
した。
実施例5 実施例5は本質的に前記の実施例4と同様の手順で行
なうがドーパントとしてマグネシアに代替してリチアを
LiOH.H2Oの形態で使用した。表7に示す表示組成(酸化
物換算)をもつ組成物を試験した。
表7に示すリチア含量が当業界の常識よりもはるかに
少ないことに注目されたい。当業界では一般には0.65〜
0.75のオーダの量が使用されている。このようなリチア
含量の低減も本発明方法によって与えられる利点及び改
良の1つである。
表7に示す組成物を用い本発明方法と対照方法とを比
較した。本発明方法ではリチアをドライブレンディング
によってか焼以前にAl2O3に添加し、ソーダを湿式磨砕
によってか焼後に添加した。
実施例4と同様に乾燥は、実施例1に前記の凍結乾燥
によって行なった。
対照方法ではか焼後の湿式磨砕中にリチアとソーダと
を同時に添加した。
どの実験でもβ″−アルミナを得るための最終混合物
の加熱は、室温から毎時200℃で最高温度に加熱し、最
高温度に15分間維持し、次に毎時200℃で室温まで冷却
するサイクルで行なった。
最高温度が1200℃または1500℃のときは双方の実験で
単相β″−アルミナが唯一の生成物として得られた。し
かしながら、最高温度が1600℃のときにはβ″−アルミ
ナと共にβ−アルミナが存在していた。この加熱方法で
得られた結果を表8に示す。
表8に示す結果は、本発明方法が対照方法に比較して
極めて少ないリチア含量で驚異的な高い割合のβ″−ア
ルミナ生成物を形成することを証明する。これらの反応
条件下にドーパントとしてリチアを全く使用しない場合
にはβ″−アルミナが全く存在しない本質的に純粋なβ
−アルミナ生成物が形成されると予想されていた。
上記の実施例は、本発明方法が従来技術の代表である
対照方法に少なくとも比肩し得ることを証明した。特に
実施例4は、本発明方法が対照方法に比較して、酸化ア
ルミニウム前駆物質(Cera Hydrateベーマイト)とドー
パントとの混合の程度を向上させることを示す。従っ
て、特に粉末状のβ″−アルミナを製造するための最終
混合物の加熱をより低温で行なうことができ、コスト節
減につながる。また実施例5が示す特に重要な特徴は、
本発明方法が従来技術の対照方法に比較してリチアドー
パントの使用量をかなり節約できることである。リチア
が好ましいドーパントでありまた比較的高価であること
を考慮するとこれはかなりのコスト節減につながる。
例えば電気化学電池のナトリウムイオンの固体導体と
して使用するために緻密な多結晶質組織をもつβ″−ア
ルミナ成形物品を製造するとき、できるだけ理論値に近
いできるだけ高い密度を得ること、及び均一な小クリス
タリットのマトリックス中に大クリスタリットが全く存
在しない均一な非複合(nonduplex)微細組織を得るこ
とが望ましい。低密度及び複合(duplex)微細組織は脆
性と関連があり、靱性の欠如を誘引し、機械的応力がか
かったり電気化学電池で電流が流れたりしたときの亀裂
破壊につながる。実施例から明らかなように本発明方法
によれば定型化した手順を用い廉価な出発材料を使用し
広い組成範囲にわたって適正な高い密度及び非複合微細
組織をもつ緻密な多結晶質組織のβ′−アルミナ成形物
品を確実に製造し得る。これらの利点は、本発明方法に
よってドーパントの混合度が向上したことに起因する。
当業界で使用されるその他の代表的なドーパント、例え
ばZnO、CoO、NiO及びFeOに関しても同等の改良が予測さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター・バロウ イギリス国、ダービシヤー・デイー・イ ー・1・0・エス・ダブリユ、アルバスト ン、カークスタウン・クロウス・1 (72)発明者 マイクル・メイクピース・サカリ 南アフリカ共和国、トランスバール・プロ ビンス、プレトリア、リンウツド・リジ、 スピツコプ・ロード・301 (56)参考文献 特開 昭61−281016(JP,A) Solid State Ionic s,7〔4〕(1982)P.267−281

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Li2O、MgO、ZnO、CoO、NiO、FeO及びこれ
    らのうちの少なくとも2種の混合物から成る群から選択
    されたドーパント金属酸化物、又はドーパント金属酸化
    物の前駆物質を、立方晶に緊密に充填された酸化アルミ
    ニウム[Al2O3]又はその前駆物質中に均質に分散し、
    出発混合物を形成する段階と、該出発混合物を酸素含有
    雰囲気中で250〜1100℃の範囲の温度に加熱することに
    より該出発混合物をカ焼する段階と、Na2O又はその前駆
    物質をカ焼した出発混合物中に均質に分散し、最終混合
    物を形成する段階と、最終混合物を酸素含有雰囲気中で
    少なくとも1110℃の温度に加熱し、最終混合物からβ″
    −アルミナを生成する段階とを含むβ″−アルミナの製
    造方法。
  2. 【請求項2】式Al2O3・mH2O(式中、mは1〜1.3であ
    る)で表されるアルミナの1水和物及び式Al2O3・nH2O
    (式中、nは3〜3.5である)で表されるアルミナの3
    水和物から成る群の1員である酸化アルミニウムの前駆
    物質を使用することを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】出発混合物中に分散されるNa2O又はその前
    駆物質が、Na2Oとして換算した場合、β″−アルミナを
    生成するための加熱後の最終混合物の7〜10質量%であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】立方晶に緊密に充填された酸化アルミニウ
    ム又はその前駆物質中に分散されるドーパント金属酸化
    物又はその前駆物質が、金属酸化物として換算した場
    合、β″−アルミナを生成するための加熱後の最終混合
    物の0.05〜10質量%であることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】ドーパンドがMgO及びLi2Oから成る群から
    選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】カ焼を実施するために出発混合物を加熱す
    る温度が500〜1050℃であることを特徴とする請求項1
    から5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】最終混合物を少なくとも35MPaの圧力に加
    圧後、1550〜1700℃の温度に加熱し、単一の成形物品を
    製造することを特徴とする請求項1から6のいずれかに
    記載の方法。
  8. 【請求項8】最終混合物を1150〜1300℃の温度に加熱
    し、粉末状生成物を生成することを特徴とする請求項1
    から6のいずれかに記載の方法。
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