JPH0870853A - ビブリオ属に属する新規な微生物ならびに当該微生物から生産される新規なコラーゲン分解酵素およびその利用 - Google Patents

ビブリオ属に属する新規な微生物ならびに当該微生物から生産される新規なコラーゲン分解酵素およびその利用

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JPH0870853A
JPH0870853A JP6235974A JP23597494A JPH0870853A JP H0870853 A JPH0870853 A JP H0870853A JP 6235974 A JP6235974 A JP 6235974A JP 23597494 A JP23597494 A JP 23597494A JP H0870853 A JPH0870853 A JP H0870853A
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collagen
degrading enzyme
enzyme
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pro
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JP6235974A
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Okiteru Suzuki
興輝 鈴木
Hirotaka Matsubara
裕孝 松原
Hisao Kojima
尚夫 小嶋
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  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食肉軟化剤、細胞分散剤に有用なコラーゲン
分解酵素および当該分解酵素を生産するビブリオ属に属
する生産菌を提供する。 【構成】 当該生産菌はビブリオ・エス・ピー(Vib
rio sp)1706B菌株である。当該コラーゲン
分解酵素は下記の理化学的性質を有する。 (1)作用:可溶性コラーゲンおよび不溶性コラーゲン
の双方のコラーゲンの分解に著しい活性を示し、軽鎖お
よび重鎖ミオシンに対しても高い活性を示す。コラゲナ
ーゼの合成基質(Cbz−Gly−Pro−Leu−G
ly−ProおよびPz−Pro−Leu−Gly−P
ro−Arg)によく作用する。 (2)至適pH:7〜8 (3)至適温度:30℃〜40℃ (4)分子量:約60,000

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なビブリオ属に属
するコラーゲン分解酵素生産菌および当該コラーゲン分
解酵素生産菌により生産される新規コラーゲン分解酵素
ならびに当該コラーゲン分解酵素の利用法に関する。当
該コラーゲン分解酵素はコラーゲンに特異的に作用する
のみならずミオシンに対しても特異的に作用し、カゼイ
ンに対しては微弱な活性を示す新規なコラーゲン分解酵
素である。当該コラーゲン分解酵素は、食肉軟化剤およ
び細胞分散剤に利用できる有用な酵素である。
【0002】
【従来の技術】従来、食肉軟化剤として、植物プロテア
ーゼであるパパインのような酵素が利用されていたが、
パパインは、例えば、システィンのような還元剤を必要
とするばかりでなく、作用も比較的弱いため、一層強力
な酵素が望まれていた。酵素を食肉軟化剤として利用す
る場合、分解酵素はコラーゲンおよびミオシンへ作用す
ることが必須であることが報告されている(例えば、石
下真人、鮫島邦彦著、New Food Indust
ry 第36巻、第53頁、1994年参照)。しか
し、コラーゲンばかりでなくミオシンにも特異的に作用
するコラーゲン分解酵素は見いだされていなかった。
【0003】一方、生化学分野等で利用される細胞分散
剤として、クロストリジウム・ヒストリティカム(Cl
ostridium histolyticum)菌由
来のコラゲナーゼが知られているが、作用が不十分であ
った。すなわち、当該コラゲナーゼを少量用いた場合は
細胞分散がうまくゆかず、逆に大量用いた場合は細胞に
損傷が伴う欠点があった。したがって、かかる欠点のな
い細胞分散剤として有用なコラーゲン分解酵素が望まれ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記のような欠点のないコラーゲン分解酵素を生産す
る新規なコラーゲン分解酵素生産菌を提供することにあ
る。
【0005】更に本発明の目的は上記のような欠点のな
い新規なコラーゲン分解酵素を提供することにある。
【0006】本発明の別の目的はこの新規なコラーゲン
分解酵素を含有する肉軟化剤および細胞分散剤を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は東京新木場
海岸の砂土より下記に示す特殊な分離法により上記のよ
うな欠点のないコラーゲン分解酵素を生産するビブリオ
属に属する菌株を分離することにより本発明を完成し
た。すなわち、本菌株の分離は次の通り行った。
【0008】培地として次の組成のものを使用した。
【0009】培地の組成(g/l) 不溶性コラーゲン 4.0 酵母エキス 1.0 リン酸1カリウム 0.5 リン酸2カリウム 0.5 硫酸マグネシウム 0.2 塩化ナトリウム 5.0 硫酸第1鉄 0.01 硫酸マンガン 0.01 塩化カルシウム 0.6 pH7 上記培地では、通常の菌は生育できず、コラーゲンを資
化できる菌のみが増殖しうる。本発明の菌株は、山土、
畑土、排水処理場スラッジ、生皮、海岸の砂土、牧場の
土など多数のサンプルより多数の菌株を分離した中より
わずかに数株得られたうちの1株で、東京新木場海岸の
砂土より見いだされた。その菌学的特徴は次ぎの通りで
ある。
【0010】1)形態:長さ2.0μm、幅1.1μm
の桿菌である。
【0011】2)生育状況:普通寒天培地およびゼラチ
ン培地上で増殖し、コロニーは黄色である。好気性菌で
嫌気的増殖はない。至適生育温度は26℃〜35℃であ
り、生育可能温度は10℃〜38℃である。
【0012】3)グラム染色性:− 4)NaCl生育濃度:0.2〜7.0% 5)運動性:あり(極鞭毛による) 6)胞子は形成しない 7)オキシダーゼ:+ 8)カタラーゼ:+ 9)グルコースよりの酸生成:+ 以上の性質から本発明の新規な微生物はビブリオ属に属
する細菌であることが認められ、ビブリオ・エス・ピー
(Vibrio sp.)1706B株として識別され
る。本菌株は平成6年8月26日に通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所へ、受託番号FERM P−
14493号として寄託された。
【0013】ビブリオ属に属するコラゲナーゼ生産菌と
してビブリオ・アルギノリチカム(Vibrio al
ginolyticum)が知られている[Reid,
Woods等著 J. Bacteriology
Vol.142, p.142(1980)]。しか
し、本発明の菌と表1に示す点で相違する。
【0014】
【表1】 したがって、本発明の菌株は、ビブリオ・アルギノリチ
カム(Vibrioalginolyticum)とは
明らかに異なる新菌株である。
【0015】本発明のコラーゲン分解酵素は、前記Vi
brio sp.1706B株を培養して得られる新規
な酵素である。当該酵素はコラーゲンの分解に著しい活
性を示すが、カゼインに対しては微弱な活性であり、基
質特異性に特徴をもっている。
【0016】本発明の新規なコラーゲン分解酵素の理化
学的性質および酵素化学的性質は以下に示す通りであ
る。
【0017】1)作用:コラーゲン(可溶性コラーゲン
および不溶性コラーゲン)に対して著しい分解活性を示
す。また、コラーゲンの変性物であるゼラチンに対して
も作用するが、カゼインに対する活性は微弱である。す
なわち、コラーゲンと比較しておよそ1/100の力価
である。ミオシン(軽鎖および重鎖)にも高い活性を示
す。コラゲナーゼの合成基質[Cbz−Gly−Pro
−Leu−Gly−Pro(Z−GPLGPと略すこと
がある)、Pz−Pro−Leu−Gly−Pro−A
rg(PZ−PLGPRと略すことがある)]に対して
もよく作用する。但し、上式中、Cbzはカルボキシベ
ンゾイル基を示し、Pzはフェニラゾベンゾキシカルボ
ニル基を意味する。
【0018】2)精製方法:本発明のコラーゲン分解酵
素は、下記表2のゼラチン培地の培養上澄みの硫安分
画、Qセファロースカラムクロマトグラフイー、次いで
ゲル濾過法により精製でき、SDSポリアクリルアミド
電気泳動(以下、SDS−PAGEと称する)によって
均一になったか否かの精製程度を確認できる。
【0019】
【表2】 3)至適温度:30℃〜40℃(図1参照) 4)至適pH:7〜8(図2参照) 5)熱安定性:30℃以下(図3参照) 6)pH安定性:4.0〜11.5(図4参照) 7)阻害剤:EDTAにより阻害され、pCMB,DE
Pで阻害されない(表3参照)。
【0020】
【表3】 ここで、EDTAはエチレンジアミン四酢酸の略記であ
って、キレート剤である。PCMBはパラクロメルクリ
安息香酸の略記であって、SH酵素の阻害剤である。D
FPはフルオロリン酸ジイソプロピルでセリン酵素の阻
害剤である。APMSFはアミノフェニルメタンスルホ
ニルフルオライドの略記であって、セリン酵素の阻害剤
である。
【0021】8)分子量:60,000(SDS−PA
GE) 9)紫外部吸収:吸収極大(λmax)=280nm
(図5参照) A280/A260=1.68 10)力価測定法 (コラーゲン分解法):50mMトリスHCl緩衝液
(pH7.5,4mMCaCl2含有)0.9ml中不
溶性コラーゲン(シグマ社製)10mgと酵素溶液0.
1mlとを30℃、1〜3時間反応後TCA(三塩化酢
酸)試薬1.0mlを加え、遠心分離し、上澄みをニン
ヒドリン発色し、570nmで比色測定する。力価は1
分間に1μmolLeuを生じさせる酵素量を1単位と
する。
【0022】本発明のコラーゲン分解酵素の純品の上記
コラーゲン分解法による力価は20.8単位/mgであ
った。
【0023】(カゼイン分解法):1.1%のカゼイン
を含有する50mMトリスHCl緩衝液(pH7.5,
4mMCaCl2含有)0.9mlに酵素溶液0.1m
lを加え、30℃で30分間反応させる。反応停止液
(TCA試薬)0.9mlを加え、濾過する。濾液0.
5mlをとり、0.4MNa2CO3液2.5mlおよび
Folin試薬0.5mlを加え、30℃で20分間保
温し、660nmで比色測定をする。力価は1分間に1
μmolTyrを生じさせる酵素量を1単位とする。
【0024】本発明のコラーゲン分解酵素の純品の上記
カゼイン分解法による力価は0.21単位/mgであっ
た。
【0025】11)本発明のコラーゲン分解酵素の精製
段階(硫安塩析→Qセファロース→ゲル濾過)のSDS
−PAGEは図6に示す通りである。ここで、ゲル濃度
は10%を使用した。
【0026】本発明のコラーゲン分解酵素をそのまま又
は適当な溶媒、例えば、トリス緩衝液、生理食塩水、水
等で希釈して食肉軟化剤として使用できる。本発明のコ
ラーゲン分解酵素は低温型であって、5℃でも、至適温
度(35℃)の60%の活性がある(図1参照)ため、
食肉を低温保存中においても軟化処理ができる利点を有
する。したがって、例えば、屠殺後の低温保存中の吊る
してある肉を酵素液に浸漬、スプレーする等により硬肉
の軟化が可能である。その他の当業者の公知の方法によ
り食肉を軟化できる。
【0027】本発明のコラーゲン分解酵素は、コラーゲ
ン、筋原繊維に特異的に作用するため、生化学分野の細
胞分散剤として使用できる。細胞分散剤は、本発明のコ
ラーゲン分解酵素をそのまま又は適当な溶媒、例えば、
トリス緩衝液、生理食塩水、水等で希釈して調製でき
る。本発明の細胞分散剤は、当業者に公知の方法により
使用できる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 (実施例1)本発明のコラーゲン分解酵素を不溶性コラ
ーゲンと、30℃で反応させ、不溶性コラーゲンの分解
の経時変化を観察した。試験法は、50mMトリスHC
l緩衝液(pH7.5,4mMCaCl2含有)0.9
ml中不溶性コラーゲン(シグマ社製)10mgとコラ
ーゲン分解酵素(純品)を38μg含有する酵素溶液
0.1mlとを30℃で1、2、4、8、12、16お
よび24時間反応させた後、各反応物にTCA(三塩化
酢酸)試薬1.0mlを加え、遠心分離し、上澄みをニ
ンヒドリン発色し、570nmで比色測定する。コント
ロールとしてトリプシン[100μg;力価=18,3
00単位/mg(BAEE法);シグマ社製)を使用
し、ブランク試験(酵素無添加)も行った。結果を図7
に示す。図7に示されているように、本発明のコラーゲ
ン分解酵素を使用した場合、24時間で不溶性コラーゲ
ンを完全に分解した。肉眼観察では、反応溶液の不溶物
は8時間で消失した。コントロールは経時にわたって低
いレベルの分解でほぼ一定値を示した。ブランクはニン
ヒドリン値は、24時間経過しても分解しなかった。 (実施例2)本発明のコラーゲン分解酵素を可溶性コラ
ーゲン(基質)に作用させた場合の可溶性コラーゲンの
分解の経時変化を観察した。
【0029】50mMトリスHCl緩衝液(pH7.
5,4mMCaCl2含有)中で、本発明のコラーゲン
分解酵素対可溶性コラーゲンの重量割合を1:2500
にし、氷冷下で反応させた。1、2、5、30および6
0分間反応させた後、直ちに煮沸し、当該酵素を失活さ
せ反応を停止させた。反応後の各試料についてSDS−
PAGEを行った。結果を図8に示す。図中、SCLは
反応前の可溶性コラーゲンの電気泳動パターンであり、
β、α1、α2は可溶性コラーゲンの主成分のバンドで
ある。1、・・・60の数字は作用時間(分)を示す。
M(H)は分子量マーカーである。ゲル濃度は4%であ
る。図8から分かるように、反応前は可溶性コラーゲン
の主成分(β、α1、α2)は太いバンドとして観察さ
れた。作用時間1〜2分までは反応前の可溶性コラーゲ
ンと同様のバンドが観察されたが、作用時間5分以上で
は低分子化され、可溶性コラーゲンが細かく切断された
ことが分かる。
【0030】酵素反応では酵素対基質が1:100で常
温で作用させるのが通常であるので、上記の条件(酵素
対基質=1:2500、氷冷(0℃))で作用すること
は、本発明のコラーゲン分解酵素が非常に作用が強力で
あることが分かる。
【0031】上記の試験とは別に、本発明のコラーゲン
分解酵素:可溶性コラーゲン=1:2500で25℃の
条件で作用させたところ、反応直後(1分以内)でも可
溶性コラーゲンのバンドパターンが消失することが観察
された。 (実施例3)本発明のコラーゲン分解酵素のミオシン
(軽鎖および重鎖)に対する作用を観察した。
【0032】1)ミオシン軽鎖(フラグメント1;シグ
マ社製)に対する作用。
【0033】50mMトリスHCl緩衝液(pH7.
5,4mMCaCl2含有)中で、本発明のコラーゲン
分解酵素対ミオシン軽鎖の重量割合を1:200にし、
5℃で反応させた。反応時間は0.5、1、2、5、
8、16および24時間で、実施例2と同様に1分間煮
沸により反応を停止し、SDS−PAGEを行った。
【0034】結果を図9に示す。図中、左横(縦方向)
に記載した数字は分子量マーカーのkDaの値である。
下(横方向)に記載したEは本発明のコラーゲン分解酵
素であり、M(H)は分子量マーカーであり、Stは未
作用の軽鎖ミオシンであり、0.5、・・・24は作用
時間(時間)である。ゲル濃度は7.5%であった。図
9から分かるように、本発明のコラーゲン分解酵素は6
0kDにバンドを示した。反応の経過と共にミオシン軽
鎖は分解され、消失し、代わって低分子化した一本のバ
ンドが生じることが観察された。これより、本発明の分
解酵素はミオシン軽鎖に対して特異的切断点に作用する
ことが分かる。
【0035】2)ミオシン重鎖(シグマ社製)に対する
作用。
【0036】ミオシン重鎖についてもミオシン軽鎖と同
様の条件下で反応させ、同様に処理してSDS−PAG
Eを行った。
【0037】結果を図10に示す。図中の表示は、図9
と同様である。図10より分かるように、ミオシン軽鎖
と異なり、細分化され、2時間作用で相当細かく切断さ
れていることが分かる。
【0038】以上の結果より、本発明の分解酵素は肉軟
化剤として有用であることが分かる。 (実施例4)本発明の分解酵素を筋の多い肉(牛のスネ
硬肉)に作用させ、その観察を行った。当該酵素は硫安
塩析製品を用い、力価は純品の1/6.3であった。比
較のため、パパイン[力価=3,000単位/mg(カ
ゼイン分解法);和光純薬]、パンクレアチン[力価=
10.7単位/mg(カゼイン分解法);ミクニ化学産
業]も使用した。
【0039】50mMトリスHCl緩衝液(pH7.
5,4mMCaCl2含有)0.2ml中に、前記硬肉
30mgを入れ、各酵素3.0、1.5および0.75
mgを添加して、5℃に保持し、所定日数処理した。パ
パインは0.1Mシスティン存在下で行った。
【0040】結果を表4に示す。
【0041】
【表4】 表4から分かるように、本発明の分解酵素の場合、3.
0mgおよび1.5mg添加で4日処理したものは完全
に分解した。0.75mg添加でも4日処理したものは
3/4程度分解した。パパインの場合、3.0mg添加
で4日処理したものは3/4程度しか分解しなかった。
パンクレアチンの場合、いずれの添加量でも4日処理し
ても硬肉の形が多少崩れる程度でほとんど作用しなかっ
た。
【0042】上記の試験は、結果を鮮明に出すために酵
素/基質の割合を高い値で作用させたが、一層マイルド
な結果を望むなら、酵素/基質の割合を下げたり、処理
温度を低くする、又は適当な阻害剤を使用する等の条件
を変え、目的に応じた調節をすることができる。 (実施例5)本発明の分解酵素を更に牛上肉に作用さ
せ、その観察を行った。
【0043】50mMトリスHCl緩衝液(pH7.
5,4mMCaCl2含有)0.2ml中に、前記牛上
肉30mgを入れ、実施例4で使用したと同様の硫安塩
析酵素(力価は純品の1/6.3)を3.0、1.5お
よび0.75mgを添加して、5℃に保持し、24時間
処理した後、観察をした。
【0044】その結果、3mgを添加したものは、振盪
するだけで、肉がばらばらに崩れた。1.5mgおよび
0.75mgを添加したものは、振盪するだけではばら
ばらに崩れなかったが、ガラス板上に置き、スパーテル
で押し潰すと、容易にばらばらに崩れた。
【0045】図11は、上記の3.0mg添加して処理
した場合の顕微鏡写真である(倍率250倍)。図12
は、0.75mg添加して処理した場合の同様の顕微鏡
写真である。いずれの場合も、おおむね正方形の薄い板
状の断片に切断されていることが観察された。この切断
された小さい正方形の一辺はおおよそ0.1mmであっ
た。比較のため、酵素を添加しないで同様に処理したブ
ランク試験の顕微鏡写真を図13に示す。
【0046】別に、パパイン[力価=3,000単位/
mg(カゼイン分解法);和光純薬;0.1Mシスティ
ン存在下で反応]およびパンクレアチン[力価=10.
7単位/mg(カゼイン分解法);ミクニ化学産業]で
も同様の条件で作用させたが、作用は弱く、ブランク試
験の結果とほぼ近い結果であった。
【0047】上記試験も実施例4と同様に結果を鮮明に
出すために酵素/基質の割合を高い値で作用させたが、
一層マイルドな結果を望むなら、酵素/基質の割合を下
げたり、処理温度を低くする、又は適当な阻害剤を使用
する等の条件を変え、目的に応じた調節をすることがで
きる。
【0048】上記実施例4および5の結果より、本発明
のコラーゲン分解酵素は、細胞分散剤としての利用が期
待できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のコラーゲン分解酵素の至適温
度を示す図表である。基質として、合成基質Z−GPL
GPを使用した。
【図2】図2は、本発明のコラーゲン分解酵素の至適p
Hを示す図表である。a)は合成基質Z−GPLGPに
対する至適pHを示し、b)は不溶性コラーゲンに対す
る至適pHを示す。
【図3】図3は、本発明のコラーゲン分解酵素の温度安
定性を示す図表である。基質として合成基質Z−GPL
GPを使用した。
【図4】図4は、本発明のコラーゲン分解酵素のpH安
定性を示す図表である。基質として、合成基質Z−GP
LGPを使用した。
【図5】図5は、本発明のコラーゲン分解酵素の紫外部
吸収曲線を示す図表である。
【図6】図6は、本発明のコラーゲン分解酵素の精製段
階のSDS−PAGEを示す写真である。図中、Hおよ
びLは分子量マーカーである。1は硫安塩析沈殿物を、
2はQ−セファロースクロマトにより精製したものを、
3はSuperose6(ゲル濾過)クロマトにより精
製したものを示す。
【図7】図7は、本発明のコラーゲン分解酵素およびト
リプシンの不溶性コラーゲンに対する分解能力を示す図
表である。
【図8】図8は、本発明のコラーゲン分解酵素の可溶性
コラーゲンに対する分解能力を示すSDS−PAGEの
写真である。
【図9】図9は、本発明のコラーゲン分解酵素のミオシ
ン軽鎖に対する分解能力を示すSDS−PAGEの写真
である。
【図10】図10は、本発明のコラーゲン分解酵素のミ
オシン重鎖に対する分解能力を示すSDS−PAGEの
写真である。
【図11】図11は、本発明のコラーゲン分解酵素の牛
上肉の細胞分散能力を示す顕微鏡写真である。
【図12】図12は、本発明のコラーゲン分解酵素の牛
上肉の細胞分散能力を示す顕微鏡写真である。
【図13】図13は、本発明のコラーゲン分解酵素を添
加しない場合の牛上肉の細胞分散能力を示す顕微鏡写真
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/52 C12R 1:63)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コラーゲン分解酵素を生産するビブリオ
    ・エス・ピー(Vibrio sp)1706B菌株。
  2. 【請求項2】 下記の理化学的性質を有する、請求項1
    記載の菌株により生産されたコラーゲン分解酵素。 (1)作用:可溶性コラーゲンおよび不溶性コラーゲン
    の双方のコラーゲンの分解に著しい活性を示し、ミオシ
    ンに対しても高い活性を示す。コラゲナーゼの合成基質
    (Cbz−Gly−Pro−Leu−Gly−Proお
    よびPz−Pro−Leu−Gly−Pro−Arg)
    によく作用する。 (2)至適pH:7〜8 (3)至適温度:30℃〜40℃ (4)分子量:約60,000
  3. 【請求項3】 請求項2記載のコラーゲン分解酵素を含
    有する肉軟化剤。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のコラーゲン分解酵素を含
    有する細胞分散剤。
JP6235974A 1994-09-05 1994-09-05 ビブリオ属に属する新規な微生物ならびに当該微生物から生産される新規なコラーゲン分解酵素およびその利用 Pending JPH0870853A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009219383A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Kagawa Univ コラーゲン分解酵素を産生する低温細菌、コラーゲン分解酵素、その製造方法、およびその酵素を用いた軟化食肉の製造方法
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