JPH087099Y2 - 圧縮機における騒音低減構造 - Google Patents

圧縮機における騒音低減構造

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JPH087099Y2
JPH087099Y2 JP3565190U JP3565190U JPH087099Y2 JP H087099 Y2 JPH087099 Y2 JP H087099Y2 JP 3565190 U JP3565190 U JP 3565190U JP 3565190 U JP3565190 U JP 3565190U JP H087099 Y2 JPH087099 Y2 JP H087099Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、吐出室を形成するハウジングにバルブプレ
ートを介して接合されたシリンダブロック内のピストン
の往動動作によってシリンダボア内の冷媒ガスをバルブ
プレート上の吐出ポートを介して吐出室へ吐出する圧縮
機における騒音低減構造に関するものである。
[従来の技術] この種のピストン式圧縮機では、上死点位置のピスト
ンのヘッド端面とバルブプレートとの間隙、即ちトップ
クリアランスを可及的に小さくして体積効率を高め、こ
の体積効率向上によって圧縮機の性能向上が図られてい
る。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、組み付け誤差を考慮した上で体積効率
を極限まで向上するとシリンダボア内の圧縮力が吐出圧
よりも高くなるオーバーコンプレッション現象が生じ、
この過圧縮ガスの吐出による周辺機器への衝撃、吐出弁
のリテーナへの激突等によって騒音がひどくなる。この
オーバーコンプレッションの原因としては冷媒ガス中の
ミスト状潤滑油の存在が挙げられる。即ち、吐出ポート
が吐出弁によって閉塞されているときには吐出弁とバル
ブプレートとが潤滑油の表面張力及び粘着力によって密
着しているが、バルブプレートの表面は吐出弁との密合
のほか吐出室を形成する部材との封止性を確保する必要
上1.6〜3.2μmRz程度の滑らかな面にしてあり、潤滑油
による密着力は意外に強い。そのため、吐出弁がバルブ
プレートから離れ難くなってオーバーコンプレッション
が生じ、騒音が誘発される。
本考案はこのような騒音を低減し得る圧縮機の騒音低
減構造を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] そのために本考案では、吐出弁に対するバルブプレー
トの接合面上における吐出ポートの周囲を粗面とし、こ
の粗面の面粗度を10〜25μmR、この粗面の微凸部の頂部
間の平均間隔を50〜100μmとした。
[作用] 面粗度は粗面における微凸部の平均高さであり、面粗
度が大きいほど冷媒ガスが接合状態にあるバルブプレー
トと吐出弁との間に進入し易く、潤滑油による密着力も
弱くなる。従って、面粗度が大きいほど吐出弁が開き易
くなり、騒音を誘発するオーバーコンプレッションが抑
制される。しかしながら、面粗度が大き過ぎると冷媒ガ
スの漏洩が無視できんなくなる。一方、微凸部の頂部の
間隔も接合状態にあるバルブプレートと吐出弁との間へ
の冷媒ガス侵入容易性を左右し、頂部間隔が大きいほど
冷媒ガスの侵入が容易となる。従って、頂部間の平均間
隔が大きいほど吐出弁が開き易くなり、オーバーコンプ
レッションが抑制される。しかしながら、頂部平均間隔
と冷媒バス洩れとに関しても面粗度と同様の関係があ
る。上記の面粗度及び頂部平均間隔はオーバーコンプレ
ッションに起因する騒音及び冷媒ガス洩れを反映する体
積効率に関する実験結果から設定されたものであり、こ
の設定によって圧縮機の性能低下を回避しつつ騒音を抑
制することができる。
[実施例] 以下、本考案を斜板式圧縮機に具体化した一実施例を
第1〜6図に基づいて説明する。
第3図に示すように締付接合された前後一対のシリン
ダブロック1,2には斜板3を固着した回転軸4が支持さ
れており、回転軸4を中心とする等間隔角度位置には複
数のシリンダボア1a,2aが形成されている。前後で対と
なるシリンダボア1a,2a内には両頭ピストン5が往復動
可能に収容されており、両頭ピストン5と斜板3との間
にはシュー6が介在されている。従って、斜板3が回転
することによって両頭ピストン5がシリンダボア1a,2a
内を前後動する。
シリンダブロック1の端面にはハウジング7がバルブ
プレート8、弁形成プレート9及びリテーナ形成プレー
ト10を介して接合されており、シリンダブロック2の端
面にもハウジング11がバルブプレート12、弁形成プレー
ト13及びリテーナ形成プレート14を介して接合されてい
る。両ハウジング7,11内には吸入室7a,11a及び吐出室7
b,11bが形成されている。吸入室7a,11aはバルブプレー
ト8,12上の吸入ポート8a,12aを介してシリンダボア1a,2
aに接続されており、吐出室7b,11bはバルブプレート8,1
2上の吐出ポート8b,12bを介してシリンダボア1a,2aに接
続している。
吸入ポート8a,12aは弁形成プレート9,13上の吸入弁9
a,13aによって開閉され、吐出ポート8b,12bは弁形成プ
レート15,16上の吐出弁15a,16aによって開閉される。両
頭ピストン5のヘッド端面5a側の復動行程時には吸入室
7a内の冷媒ガスが吸入弁9aを押し退けてシリンダボア1a
内へ吸入される。そして、両頭ピストン5のヘッド端面
5a側の往動行程時にはシリンダボア1a内の冷媒ガスが吐
出弁15aを押し退けて吐出室7bへ吐出される。両頭ピス
トン5の他方のヘッド端面5b側においても同様の吸入及
び吐出が行われ、シリンダボア1a,2aから吐出室7b,11b
への冷媒ガス吐出に伴って退けられる吐出弁15a,16aは
リテーナ形成プレート10,14上のリテーナ10a,14aに当接
する。
第1,2図に示すように吐出弁15aと接合するバルブプレ
ート8の接合面側における吐出ポート8bの周囲には粗面
Sが設けられており、粗面Sは微粒子のショットによっ
て形成される。このような粗面はバルブプレート12側に
も同様に設けられている。粗面Sの面粗度とは微凸部Δ
の周囲の底部Δbと頂部Δaとの距離Rzの平均値〈Rz〉で
表され、面粗度〈Rz〉が大きいほど冷媒ガスが接合状態
にあるバルブプレート8と吐出弁15aとの間に侵入し易
くなり、接合状態にあるバルブプレート8と吐出弁15a
との間の潤滑油による密着力も弱くなる。
粗面Sを特徴付けるのは面粗度〈Rz〉以外に頂部Δa
の間隔Lの平均値〈L〉もあり、平均間隔〈L〉が大き
いほど冷媒ガスが接合状態にあるバルブプレート8と吐
出弁15aとの間に侵入し易くなる。
なお、面粗度〈Rz〉は微粒子の運動エネルギーの大き
さに応じて大きくなり、平均間隔〈L〉は微粒子の形状
を変えることによって調整できる。平均間隔〈L〉を大
きくするには例えば球形状の微粒子を用い、小さくする
には角形状の微粒子を用いればよい。
第5図(a)の曲線C1,C2,C3及び第6図(a)の曲線
C4はいずれもシリンダボア1a(又は2a)における体積効
率曲線、第5図(b)の曲線D1,D2,D3及び第6図(b)
の曲線D4はいずれも騒音曲線を表し、これら各曲線C1
C4,D1〜D4は圧縮機回転数1000rpm、吐出圧15kg/cm2
吸入圧2kg/cm2の条件のもとに得られた実験結果であ
る。
曲線C1,D1は面粗度10μmRz、曲線C2,D2は面粗度20μm
Rz、曲線C3,D3は面粗度25μmRzの場合のものである。曲
線C1,C2,C3から明らかなように平均間隔〈L〉が100μ
m以上となると体積効率が低下し始め、曲線D1,D2,D3
ら明らかなように平均間隔〈L〉が50μmを下回ると騒
音が増大し始める。従って、粗面Sの微凸部Δの平均間
隔〈L〉としては50μm≦〈L〉≦100μmの範囲が望
ましい。
曲線C4は平均間隔〈L〉が望ましい範囲の上限100μ
mの場合における体積効率曲線であり、この場合には面
粗度〈Rz〉が25μmRzを越えると体積効率が低下し始め
る。平均間隔〈L〉が100μmを下回る場合には接合状
態にあるバルブプレート8,12と吐出弁15a,16aとの間の
冷媒ガス漏洩抵抗が大きくなり、体積効率が曲線C4の場
合よりも良くなることは明らかである。又、曲線D4は平
均間隔〈L〉が望ましい範囲の下限50μmの場合におけ
る騒音曲線であり、この場合には面粗度〈Rz〉が10μmR
zを下回ると騒音が著しく増大し始める。平均間隔
〈L〉が50μmを上回る場合には接合状態にあるバルブ
プレート8,12と吐出弁15a,16aとの間への冷媒ガス侵入
が容易となり、騒音抑制が曲線D4の場合よりも良くなる
ことは明らかである。従って、曲線C4,D4の結果から粗
面Sの面粗度〈Rz〉としては10μmRz≦〈Rz〉≦25μmRz
が望ましい。
以上の実験結果から吐出弁15a,16aに対するバルブプ
レート8,12の接合面上における吐出ポート8b,12bの周囲
を粗面Sとし、この粗面Sの面粗度を10〜25μmRz、微
凸部Δの頂部Δa間の平均間隔〈L〉を50〜100μmとす
ることによって体積効率の低下、即ち圧縮機の性能低下
をもたらすことなく騒音低減を抑制することができる。
第4図のグラフの鎖線で示す曲線E1はオーバーコンプ
レッション対策の施されていない場合のシリンダボア1
a,2a内における圧縮曲線であり、実線で示す曲線Eは本
実施例の粗面Sを設けた場合の圧力曲線である。鎖線で
示す圧力曲線E1の突出部分がオーバーコンプレッション
状態を表し、複数のピストンにおける圧力曲線E1の時間
的繋がり、即ち過圧縮の繰り返しが大きな騒音を生む。
この過圧縮部分を解消すれば騒音を抑制することがで
き、前記のような面粗度〈Rz〉及び微凸部Δの頂部Δa
の平均間隔〈L〉によって特徴付けられる粗面Sの存在
が冷媒ガスの漏洩の抑制しつつ過圧縮回避、即ち騒音抑
制をもたらす。
本考案は勿論前記実施例にのみ限定されるものではな
く、例えば第7図に示すように吐出ポート8b,12bの回転
対称領域に粗面S1を設けた実施例も可能であり、この粗
面S1の存在領域は高圧の吐出圧縮領域と低圧領域との間
の冷媒ガス洩れのおそれのない領域である。
又、研磨加工あるいはロートレット加工によって粗面
を形成したり、回転中心側に吸入室、外側に吐出室を設
けた圧縮機、吐出弁とバルブプレートとの衝突緩和を行
なうための制振鋼板をパルブプレート上に貼り付けた圧
縮機、あるいはワッブル式圧縮機等の他のピストン式圧
縮機にも本考案を適用することができる。
[考案の効果] 以上詳述したように本考案は、吐出弁に対するバルブ
プレートの接合面上における吐出ポートの周囲を粗面と
し、実験結果に基づいて粗面の面粗度を10〜25μmR、こ
の粗面の微凸部の頂部間の平均間隔を50〜100μmとし
たので、潤滑油に起因するバルブプレートと吐出弁との
密着性がシール性の低下をもたらすことなくオーバーコ
ンプレッションを抑制する方向に修正され、これにより
圧縮機の性能低下を回避しつつ騒音低減を達成し得ると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1〜6図は本考案を具体化した一実施例を示し、第1
図は第3図のA−A線断面図、第2図は粗面の拡大断面
図、第3図は側断面図、第4図はシリンダボア内の圧力
変化を示すグラフ、第5図(a)は微凸部の頂部の平均
間隔に応じた体積効率の変化を示すグラフ、第5図
(b)は同じく平均間隔に応じた騒音の変化を示すグラ
フ、第6図(a)は面粗度に応じた体積効率の変化を示
すグラフ、第6図(b)は同じく面粗度に応じた騒音の
変化を示すグラフ、第7図は別例を示す縦断面図であ
る。 バルブプレート8,12、吐出ポート8b,12b、粗面S、微凸
部Δ、頂部Δa

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】吐出室を形成するハウジングにバルブプレ
    ートを介して接合されたシリンダブロック内のピストン
    の往動動作によってシリンダボア内の冷媒ガスをバルブ
    プレート上の吐出ポートを介して吐出室へ吐出し、ピス
    トンの往復動作に応じて吐出ポートを吐出弁によって開
    閉する圧縮機において、吐出弁に対するバルブプレート
    の接合面上における吐出ポートの周囲を粗面とし、この
    粗面の面粗度を10〜25μmRz、この粗面の微凸部の頂部
    間の平均間隔を50〜100μmとした圧縮機における騒音
    低減構造。
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