JPH0871143A - 表面親水化処理された医療用チューブの製造方法および医療用チューブ - Google Patents

表面親水化処理された医療用チューブの製造方法および医療用チューブ

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JPH0871143A
JPH0871143A JP6216249A JP21624994A JPH0871143A JP H0871143 A JPH0871143 A JP H0871143A JP 6216249 A JP6216249 A JP 6216249A JP 21624994 A JP21624994 A JP 21624994A JP H0871143 A JPH0871143 A JP H0871143A
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tube
graft
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treatment
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JP6216249A
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Kunihiro Inagaki
訓宏 稲垣
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ポリオレフィン系樹脂からなる医療
用チューブの表面を持続性が高い潤滑性に保ち基材に影
響を与えない処理の方法および表面親水化処理された医
療用チューブを提供。 【構成】本発明はポリオレフィン系樹脂からなる医療用
チューブの表面の少なくとも親水化処理を施す部位に所
定量の放射線を不活性ガス雰囲気下で照射し、次いで所
定の条件でグラフト液中に浸漬して、グラフト反応させ
る表面親水化処理された医療用チューブの製造方法であ
り、この製造方法により作成された表面に親水性のグラ
フト鎖を有する医療用チューブである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体腔内に挿入して使用
する表面が親水化された医療用チューブのおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血管、尿管、消化管、気管、その他の体
腔あるいは体内組織中に挿入される医療用チューブ、ガ
イドワイヤー、スタイレット等の医療器は、屈曲・狭窄
・更により末梢のケースに於いて組織を損傷させず、又
目的部位に確実に到達させることを可能にする潤滑性の
要求が高まってきている。また、組織内に留置中に粘膜
損傷や炎症を引き起こすことを防止する目的で、優れた
潤滑性を付与せしめることが望ましいことは云うまでも
ない。
【0003】この潤滑性付与の目的で、弗素樹脂やポリ
エチエレン樹脂等から成形される低摩擦抵抗素材を使用
したり、基材表面に弗素樹脂やシリコーン樹脂からなる
潤滑層を形成させることが実施されている。更には、シ
リコーンオイル、オリーブオイル、グリセリン、キシロ
カインゼリー等を表面コートすることも既に公知であ
る。
【0004】上記の各方法は、更に改善を要する諸課題
を内包している。即ち、弗素樹脂やポリエチエレン樹脂
等から得られる低摩擦抵抗素材は、潤滑性に於いて未だ
十分でない場合が多い。一方、オイル類の表面コート法
ではコート液の流出による潤滑性の低下が起こり易く、
持続性の点で問題点があることは自明である。
【0005】更に、米国特許第4100309号公報に
は、ポリビニルピロリドンとポリウレタンとのインター
ポリマーを被覆層として使用し、潤滑性および持続性で
一定の効果を上げている。しかしながら、ポリウレタン
などイソシアネート基と反応可能な基材を使用すること
が必要であり、医療用チューブの基材として有用なポリ
オレフィン系樹脂など他の基材に適用することは困難が
伴っていた。
【0006】更に、特開昭59−81341号公報に
は、医療用具の表面に未反応イソシアネート基を生成さ
せた後、これと反応可能な親水性コポリマーで処理して
親水化処理を施す方法が開示されている。この処理法で
は潤滑性とある程度の持続性は得られているが、繰り返
し摩擦による表面潤滑層の損傷が無視できず、未だ充分
な持続性は得られていない。
【0007】これらの点からポリオレフィン系樹脂の親
水化処理に有用で、持続性が高い親水化処理が望まれて
来ている。このような親水化処理の具体的な方法として
は、気相でのプラズマグラフト法の適用が考えられる。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂からなる医療用チ
ューブはその加工の段階で延伸されたり形状付がされて
いることが多く、プラズマグラフト法の適用時の処理温
度により、熱収縮や変形が生じることがあり、寸法安定
性や強度に悪影響が生じる虞れがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血
液、消化液、唾液等の体液や生理食塩水、水等の水系液
体の湿潤状態において使用されるポリオレフィン系樹脂
の医療用チューブが、挿入時に摩擦抵抗が少なく、しか
も表面の潤滑性の持続性・保存性に於いて良好である医
療用チューブおよびその製造法を提供することにある。
【0009】医療用チューブの代表的な一例としてPT
CA拡張カテーテルをとれば、カテーテルシャフト・バ
ルーンの適正な部位に表面親水化を施すことにより、従
来使用されたポリオレフィン系カテーテルバルーン・シ
ャフトの柔軟さを保持しつつ、屈曲・高度に狭窄した血
管内の走行性を大幅に改善せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の諸技術課題を解決
することを目的とし、本発明はポリオレフィン系樹脂か
らなる医療用チューブの表面の少なくとも親水化処理を
施す部位に一定線量の放射線を不活性ガス雰囲気下に照
射し、次いでグラフトモノマーを使用して、特定の条件
でグラフト反応させることにより、医療用チューブに表
面親水化処理を施すものである。
【0011】
【発明の基本工程】本発明の基本構成は以下の如く要約
される: 放射線照射工程 ポリオレフィン系樹脂からなる医療用チューブの表面の
少なくとも親水化処理を施す部位に10Mrad〜70
Mrad相当の放射線を不活性ガス雰囲気下に照射す
る。
【0012】グラフト反応工程 次いでグラフトモノマーを使用して、以下の条件でグラ
フト反応させることにより表面親水化処理された医療用
チューブを得る: グラフト反応温度 ≦ 70℃ グラフト液中モノマー濃度 ≧ 20重量% グラフト反応系中の酸素濃度 ≦ 100ppm
【0013】
【発明の具体的構成】ここで、本発明で適用可能な医療
用チューブを例示する。
【0014】・血管造影用カテーテル、脳血管治療用カ
テーテル、ダイレーター、イントロデユーサー、サーモ
ダイリューションカテーテル、IVHカテーテル、留置
針等の血管内挿入乃至留置用カテーテル類の外表面乃至
内表面。あるいは、これらカテーテル用のダイレータ
ー、イントロデユーサーの外表面。以上のチューブ等に
本発明の親水化処理を施すことにより、カテーテルの血
管内挿入抵抗の低減により、ガイドワイヤーの冠挿抵抗
が減少させることができる。
【0015】・各種バルーンカテーテル、尿道・導尿カ
テーテル類のカテーテルやバルーン等の外表面乃至内表
面の一部若しくは全部。以上のチューブ等に本発明の親
水化処理を施すことにより、摩擦抵抗が低減できるので
挿入が容易であり、より末梢への到達、屈曲した部位を
超えることができる。
【0016】・胃管カテーテル、栄養カテーテル、経管
栄養チューブなど経口乃至経鼻的に消化管内に挿入乃至
留置されるカテーテル類の外表面乃至内表面。以上のチ
ューブ等に本発明の親水化処理を施すことにより、カテ
ーテル類の管内挿入抵抗が低減され、患者自身の燕下が
容易になる。
【0017】・気管内チューブ、酸素カテーテル、酸素
カヌラのチューブ・カフ、気管内吸引カテーテル等の経
口乃至経鼻的挿入に際し、留置されるカテーテル類の外
表面乃至内表面。
【0018】・吸引カテーテル、排液カテーテル、直腸
カテーテルなどお各種体腔乃至組織内挿入に留置用のカ
テーテル類の外表面乃至内表面。以上のチューブ等に本
発明の親水化処理を施すことにより、組織液等の付着が
減少し、内腔流路を長期間確保できる。
【0019】・各種体腔内挿入用内視鏡用チューブの外
表面。
【0020】・その他、体内留置時または摺動時に低摩
擦抵抗(潤滑性)を要求される医療用具の内外外表面乃
至内表面。
【0021】本発明の親水化処理が特に好ましく適用で
きる医療用チューブの一つとしてPTCA拡張カテーテ
ルをあげることができる。周知のように、経皮的に血管
内にカテーテルを挿入・拡張する手技は、血管が関与す
る病変の治療に汎く実施されており、かかる血管拡張術
等を行う際には、ガイディングカテーテル・拡張用カテ
ーテル・ガイドワイヤー等が一般に使用されている。こ
のバルーンカテーテルに使用する従来のバルーン製造法
の代表的な例は、米国特許第4093484 号、第4154244
号、及び第 4254774号等である。バルーンは一般的に熱
可塑性の種々の公知ポリマー材料からつくることができ
る。上記特許等に記載された公知ポリマー材料の中に
は、ポリウレタン;ポリ塩化ビニール;熱可塑系エラス
トマー;シリコンカーボネートコポリマー;エチレン・
酢酸ビニールコポリマー;エチレン−ブチレン−スチレ
ン・ブロックコポリマー;ポリスチレン;アクリルニト
リルコポリマー;ポリエチレン,ポリプロピレンなど各
種ポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート及びポ
リエステルコポリマー;熱可塑性ゴム;ポリアミド;ポ
リテトラフルオロエチレン等がある。
【0022】この中で、拡張用に使用されるカテーテル
におけるバルーン部には、病変の状態に応じて種々の特
性が要求されているが、共通した要求項目として、バル
ーンカテーテルの安全性向上の意味からも、高耐圧であ
ることが要求されている。
【0023】また、より狭窄の進んだ血管に適用する手
技においては、柔軟で走行性に優れ、安全性の高いバル
ーンが併せて要望されている。なお、本発明において云
う血管とは冠状血管のみならず冠状血管を含む全ての血
管、例えば末梢血管をも包含する意味で用いられる。
【0024】かかるカテーテルのバルーン部の性能・機
能は、病変の状態に応じて上記の如く種々の特性が要求
されている。ポリエチレンテレフタレート系バルーン
は、一般に高耐圧でコンプライアンスの無い又は小さい
バルーンとして有用である(例、特公昭63−2665
5号など)。しかしながら、この種のバルーンは、屈曲
・高度狭窄の血管の拡張に使用するには硬過ぎて、十分
なトラッカビリィティを発揮できない。また、ポリアミ
ド(ナイロン)系のバルーンは、セミコンプライアント
でポリオレフィン等に比べて比較的高い耐圧のバルーン
を提供することができる(例、特開平3−57462号
など)が、やはり、極端に屈曲・高度狭窄の血管や、よ
り末梢の血管に適用する場合には、やや硬い過ぎる傾向
が指摘されている。
【0025】従って、この経皮的血管形成術において、
末梢血管等より細い血管への適用の場合には、バルーン
部も含めて柔軟な先端部を有する拡張カテーテルの要望
が高まっており、この意味でポリオレフィン系バルーン
が適合していると考えられる。好適な樹脂選定と好適な
バルーン成形によって得られた柔軟且つ比較的高耐圧の
バルーン搭載の拡張カテーテルに於いて、そのシャフト
・バルーンの一部若しくは全部が放射線グラフト反応に
よって親水化処理を施すことが考えられる。比較的温和
なグラフト条件下にシャフト・バルーンの親水化処理を
実施することにより、熱収縮,変形が実質的に起こら
ず、且つ、親水性の賦与により、血管内走行性の優れた
バルーンカテーテルが提供できる。
【0026】基材樹脂 本発明の医療用チューブの基材に使用するポリマー材料
としては、ポリオレフィン系樹脂である。かかる樹脂の
代表的なものを例示すると、各種ポリエチレン・ポリプ
ロピレン及びそれらのコポリマー、オレフィン系エララ
ストマー、エチレン・酢酸ビニールコポリマー、エチレ
ン−ブチレン−スチレン・ブロックコポリマー、ポリス
チレン、アクリルニトリルコポリマー、各種ジエン系ポ
リマーなどが挙げられる。
【0027】好ましい樹脂として、エチレンとα−オレ
フィンからなるコポリマーを挙げることができ、共重合
するα−オレフィンの種類は各種知られているが、本発
明において好ましいα−オレフィンは、炭素数3以上の
ものであり、好ましくは炭素数4以上、とくに好ましく
は炭素数6である。
【0028】上述の材料を利用して医療用チューブの作
製例を以下に示す。
【0029】先ず、予め設計された寸法の(ブロー成形
用)元チューブを成形する。チューブ成形法は、押出成
形法、あるいは金属線上に樹脂を被覆、次いで内芯とな
っている銅線を抜去する工程からなる銅線被覆法等によ
り製造することができる。また、中空押出法も好ましく
適用できる。
【0030】元チューブ押出成形に於いて、ダイから吐
出直後の押出チューブの冷却はブロー成形性の重要な要
件であり、ポリマー材料の特性に合わせて好適な冷却温
度条件の設定が行われる。
【0031】一般に冷却用の媒体には水が使用される
が、さらに低い温度が必要な場合には、冷却水に代えて
冷媒を使用し、0℃以下に冷却することも必要に応じて
実施することがある。
【0032】本発明の元チューブ押出成形に於いて、多
層押出を実施すること、或いは、銅線被覆法に於いても
多層被覆を実施することによって、多層構造を有する元
チューブを製造することができる。
【0033】多層構造を構成する各層の樹脂は、他の層
の樹脂と同一或いは相異なる樹脂材料からなる群から選
択することができる。
【0034】樹脂選定に当たっては、本発明の樹脂と元
チューブを形成・共にブロー成形可能であることが要件
となる。
【0035】このような多層構造によって、表面特性の
改良,ブロー成形時の離型性の向上,強度のアップなど
本発明の効果をさらに高めることに活用できる。
【0036】また、ポリエチレン製の医療用チューブに
電子線等の放射線架橋を施した形態で使用した方が、未
架橋のままのチューブより好ましいケースが有る。そこ
で、放射線架橋を利用して親水化処理を施すことができ
るが、かかる別目的の放射線架橋と独立にあるいは共通
して放射線照射を施す場合があり、以下に如く類別でき
る: 実施態様1:親水化処理目的の放射線照射グラフト反応
(架橋構造同時発生) 実施態様2:架橋目的の放射線照射→親水化処理目的の
放射線照射グラフト反応 実施態様3:共通目的の放射線照射 (架橋構造同時生
成)→親水化処理目的の放射線照射グラフト反応 このようにして作成した架橋チューブの応用例として、
PTCA拡張カテーテルのバルーン部がある。かかるカ
テーテルのバルーン部の一部もしくは全部を含むシャフ
トチューブにも表面親水化処理を施すことにより、先述
のポリオレフィン固有の柔軟さに加えてシャフト・バル
ーンの親水化処理を施すことにより、二つの作用の相乗
的な効果により、屈曲・高度に狭窄した血管内の走行性
の大幅な向上が期待でき、以下にバルーン成形目的の医
療用チューブについて詳述する。
【0037】特定の線量の電子線照射によって得られる
架橋チューブは、好適なブロー成形性を発揮することが
知られている。一般に、電子線照射による架橋構造の生
成においては、線量の他に照射雰囲気も関係する。ま
た、照射を受ける樹脂の分子構造(特に分岐度)、部材
の形状・寸法によっても影響を受ける。
【0038】上記に鑑み、本発明においては、好適な架
橋の範囲を、当該技術分野の専門家の間で架橋度の指標
の一つとして使われているゲル分率によって説明するも
のとする。
【0039】本発明において、電子線架橋チューブを公
知の測定法で評価したゲル分率が0.75〜0.95で
あることが好ましい。0.75未満では、電子線照射に
よる延伸特性の向上・破裂圧の向上が不十分である。一
方、0.95を超えると、架橋構造が強くなり過ぎて、
柔軟性が損なわれることが多い。なお、更に好ましいゲ
ル分率の範囲は、0.80〜0.92であり、特に好ま
しくは0.82〜0.90である。なお、電子線照射に
かえてγ線照射によっても一般に照射時間が極めて長く
なるが、架橋構造を生起させることも原理的には可能で
ある。
【0040】本発明の医療用チューブの潤滑性グラフト
鎖を形成する為に用いるモノマー(オリゴマーを含む)
を、以下に例示する: アクリルアミド・メタアクリルアミド系 ジアルキルアクリルアミド類(ジメチルアクリルアミ
ド,ジエチルアクリルアミド、メチルエチルアクリルア
ミド、ジイソプロピルアクリルアミド等),モノアルキ
ルアクリルアミド類(メチルアクリルアミド,エチルア
クリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等),その
他のアクリルアミド類(2−メチルプロパンスルフォン
酸アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド等)、アクリルアミド、並びに対応する化学構造の
各メタアクリルアミド類 ビニル異節環系 ビニルピリジン類(2−ビニルピリジン、4−ビニルピ
リジン等)、ビニルピロリドン、N−1,2,4−トリ
アゾリルエチレン等 アクリレート・メタアクリレート系 ポリアルキレングリコールのアクリレート類(グリセリ
ルアクリレート等)、ヒドロキシアルキレンアクリレー
ト類(ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキプロピ
ルアクリレート等)、並びに対応する化学構造の各メタ
アクリレート類 アクリル酸・およびその塩系 アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらの金属塩等 ビニルエーテル系 無水マレイン酸−ビニルエーテル、ビニルエーテル、以
上のグラフトモノマーと併用して、潤滑層の特性を目的
に応じて改善する為に、各種のビニル化合物を使用する
こともできる。
【0041】次に、放射線照射工程について述べる。放
射線グラフト技術において、モノマー共存下の同時照射
法と、反応活性点(ラジカル)の生成とグラフト反応を
分離して実施する前照射法が知られている。
【0042】同時照射法においては、共存するモノマー
の単独重合(ホモポリマー生成)が同時進行する他に、
液相反応の場合には反応系の液粘度が上昇するなど、反
応系の性状が経時的に変化して均一なグラフト層が得ら
れない場合があり好ましくない。一方、本発明で採用す
る前照射法では、温度、時間、圧力、容量などの工程因
子を、次工程であるグラフト反応工程とは独立に設定で
き、照射方法の自由度が大きい。
【0043】本発明に於いて、放射線をポリオレフィン
系樹脂からなる医療用チューブの表面の少なくとも親水
化処理を施す部位に10Mrad〜70Mrad相当の
放射線を不活性ガス雰囲気下に照射することが第一段階
として必要である。放射線として電子線を例にとって説
明すると、放射線の線量が10Mrad未満では、グラ
フト反応の効果が小さく十分な潤滑性が得られない。一
方、70Mradを超えると架橋密度が大きくなる為
か、カテーテルとしての加工性・組立性に劣り、極端な
場合には滅菌工程での変形等不具合が起こることがあ
る。好ましい放射線量は、15Mrad〜60Mrad
であり、特に好ましくは20Mrad〜50Mradで
ある。
【0044】本発明に於いて、グラフト層の特性をコン
トロールする目的で、放射線の線源の強度を調節するこ
とができる。即ち、グラフト層を表面付近に限定したい
場合には、線源強度をやや落とし、一方、例えば電子線
照射法でかなり深部までグラフト効果を発現させたい場
合には、加速電圧を高くとるなどの工夫を必要に応じて
講じることができる。
【0045】本発明において、放射線照射時の雰囲気は
不活性ガス雰囲気下に照射する。不活性ガスの代表的な
ものは、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウムおよびこれ
らの混合期待が例示される。空気などの雰囲気下に照射
した場合には、照射直後に直ぐグラフト反応を実施する
ことが必要であることが多い。一方、不活性ガス雰囲気
下では、放射線照射により生成したラジカル等の活性点
が有効に働き、次工程のグラフト反応が円滑に進行す
る。なお、放射線照射後グラフト反応迄に長時間経過す
る場合にはラジカル等の活性点を温存する意味で、低温
保存することが一般的に実施される。なお、放射線照射
温度は、本発明のポリオレフィン系樹脂が不都合な変形
を起こさない70℃以下が好ましい。
【0046】次に、グラフト反応工程について述べる。
【0047】放射線が照射された医療用チューブをグラ
フト液中に浸漬し、以下の条件でグラフト反応させる: グラフト反応温度 ≦ 70℃ グラフト液中モノマー濃度 ≧ 20重量% グラフト反応系中の酸素濃度 ≦ 100ppm グラフト反応温度が70℃を超えると、本発明のポリオ
レフィン系チューブに不都合な変形を惹起することが多
い。なお、グラフト反応速度は温度の影響も受けるの
で、10℃以上が好ましく、更に好ましくは20℃以上
である。
【0048】本発明に於いてグラフト液中モノマー濃度
は、20重量%以上である。20重量%未満では、グラ
フト反応による潤滑性の発現が乏しい場合が多い。な
お、本発明に於いて、グラフト反応工程は液相・気相に
おいても実施可能である。液相グラフトの場合には、希
釈溶剤として、水、アルコールの他に各種の溶剤を使用
できる。特に、基材−溶剤膨潤性を適正に選定して、グ
ラフト層の厚み、基材界面からのアンカーリング距離を
コントロールすることもできる。
【0049】グラフト反応系中の酸素濃度は、100p
pm以下がよい。グラフトモノマーの種類により、十分
な潤滑性を発現する許容酸素濃度が異なることは云うま
でもないが、好ましくは50ppm以下、特に好ましく
は20ppm以下である。酸素濃度が100ppmを越
えると、グラフト鎖の成長が不十分であったり、好まし
くない副作用が惹起される可能性があり好ましくない。
【0050】医療用チューブの親水化処理は、押出直後
の元チューブの段階、カテーテルに組み立てた後、ある
いはその中間段階のいずれの段階でも実施できる。一例
として、PTCA拡張カテーテルの製造工程を示しなが
ら、シャフト・バルーンの双方に親水化処理を施すタイ
ミングを以下に例示する: 工程ポリオレフィン系樹脂を中空押出法、電線被覆法
により元チューブを成形する。
【0051】工程元チューブに放射線を照射し、架橋
チューブとする。
【0052】工程架橋チューブにブロー成形を施し、
原バルーンを作成する。シャフトチューブを準備する工
程原バルーンおよびシャフトチューブを用いてPTC
A拡張カテーテルを組み立てる。
【0053】工程親水化処理されたPTCA拡張カテ
ーテルが作成される。
【0054】上記したようにPTCA拡張カテーテルは
大きく4段階で作成されている。親水化処理を施すタイ
ミングとしてはa工程〜工程、b工程〜工程、
c工程〜工程の間で行うことができる。タイミング
aではバルーンのみ親水化処理され、後のタイミングで
シャフトチューブを親水化処理しなければならないが、
タイミングb、cではバルーンおよびシャフトチューブ
の両方が親水化処理することができる。しかし、タイミ
ングbではバルーンとシャフトチューブとをそれぞれ親
水化処理する必要があるが、タイミングcでは親水化処
理が一度でバルーンとシャフトチューブの親水化処理が
できるので、タイミングとしては、cが最もが好ましい
と言える。
【0055】以下、本発明の具体的実施例について説明
する。
【0056】
【実施例1〜4及び比較例1〜4】低密度ポリエチレン
(C6 LLDPE樹脂: 東ソー株式会社製 ニポロン
−Z,メルトフローレート=1.0g/10min,比重0.
92)のペレットを押出機で溶融し、直径0.5mmの
銅線上に被覆した。被覆電線の直径は0.940mmで
あった。従って、(被覆された)元チューブの厚みは2
20μmに相当する。上記の樹脂被覆銅線から、内芯の
銅線を抜去して元チューブを作製した。
【0057】上記元チューブに電子線を、照射線量30Mr
adで窒素雰囲気下に照射した。ここでは元チューブを架
橋すると同時に、ラジカルの開始点を発現させることを
目的としている。
【0058】上記元チューブを、ジメチルアクリルアミ
ドをグラフトモノマーとし、溶剤として水を使用し(水
中の酸素濃度は5ppm)、モノマー濃度を変えて、5
0℃でグラフト反応させた場合の、親水化された元チュ
ーブの潤滑性を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【実施例5】実施例1と同様な方法により、モノマーと
してはビニルピロリドンを用いて親水化処理を施した。
ただし、モノマー水溶液の濃度は30重量%とし、グラ
フト時間は2時間とした。得られたチューブは良好な潤
滑性を示した。
【0061】
【実施例6】 「PTCA拡張カテーテルの組立」実施例1で使用した
電子線照射・ジメチルアクリルアミドをグラフトした医
療用チューブを使用し、一定温度域でのブロー加圧によ
って、バルーン状に賦型ができる。押出成形された元チ
ューブを用いるブロー成形については、例えば、特公昭
63−26655号などに記載されている方法を用いる
ことができる。本実施例においても、所望の外径寸法の
キャビティをもつバルーン成形金型に、上記チューブを
挿入・バルーン成形機にセットする。次いで、適切な温
度に昇温した後、縦方向に延伸する。
【0062】なお、一旦延伸したチューブをブロー成形
機中で膨張・賦形させるには、任意の気体、例えば窒素
のようなガスを用いることができる。また、加熱気体等
を使用したブロー成形も適用可能である。上記縦延伸工
程とブロー工程を連続して同じ金型内で実施することも
でき、また両工程の温度を同じレベルに設定することも
できる。なお、上記縦延伸工程〜ブロー工程を多段実施
することにより、偏肉の少ない、高耐圧のバルーンを製
造することができる。バルーン成形用のブロー成形機に
かけ、105℃にて縦延伸・ブロー成形してバルーンを
調製した。バルーン単体の試験では、柔軟、且つ、比較
的高い耐圧性(14〜16atm)を示した。
【0063】バルーンのシャフトとの接合部を薄肉加工
した後、バルーン先端側接合部をポリオレフィン製内管
シャフトと、基部側接合部をポリオレフィン製外管シャ
フトと接合させ、基部にハブを接合して、先端が柔軟で
操作性良好なPTCA拡張カテーテルを組み上げた。
【0064】PTCA拡張カテーテル組み立て後におい
ても、バルーン部分は湿潤時において良好な潤滑性を示
した。
【0065】
【実施例7】親水化処理を施していないポリオレフィン
系樹脂からなる元チューブを実施例6で用いた方法と同
様な方法でバルーンを調整した後、バルーンのシャフト
との接合部を薄肉加工した後、バルーン先端側接合部を
ポリオレフィン製内管シャフトと、基部側接合部をポリ
オレフィン製外管シャフトと接合させ、基部にハブを接
合して、先端が柔軟である良好なPTCA拡張カテーテ
ルを組み立てた。
【0066】この組み立てられたPTCA拡張カテーテ
ルに窒素雰囲気下で電子線(照射線量25Mrad)を
照射した。ただし、ハブ及び基端部の部分は電子線が照
射されないように遮蔽部材で覆っていた。
【0067】次いで、ジメチルアクリルアミドをグラフ
トモノマー(溶媒:水、モノマー濃度:35重量%、グ
ラフト時間:2時間、温度:50℃、酸素濃度:8pp
m)とし、グラフト反応させた。
【0068】反応終了後、摺動性を確認したが、バルー
ンだけでなく、シャフトの良好な潤滑性を示した。ま
た、バルーンやシャフトに変形や収縮は生じておらず、
柔軟性の低下もなかった。さらに、電子線が照射されな
かった基端部及びハブは親水化されていないので、潤滑
性がなく、したがって、すべりなどによる操作性の低下
はなく、操作性は良好であった。
【0069】
【発明の効果】本発明はポリオレフィン系樹脂からなる
医療用チューブの表面の少なくとも親水化処理を施す部
位に所定量の放射線を不活性ガス雰囲気下に照射し、次
いで所定の条件でグラフト液中に浸漬して、グラフト反
応させる表面親水化処理された医療用チューブの製造方
法であるために、ポリオレフィン系樹脂からなる基材の
柔軟性を損ねることなく、変形や熱収縮が起こることが
なく、ほとんど影響を与えることがない。ポリオレフィ
ン系樹脂からなる本発明のバルーンは、柔軟なポリマー
材料から出発し、バルーン成形・後処理に至る工程を精
妙にコントロールすることにより、ポリオレフィン固有
の柔軟さを保持しつつ、表面親水化処理により優れた潤
滑性を付与されるので、極めて有用な医療用チューブを
提供できる。
【0070】また、本発明はポリオレフィン系樹脂から
なるチューブの表面に、親水性のグラフト鎖を形成して
親水化処理させているために、持続性の高い潤滑性が付
与されているために、長時間、体腔内に位置させていて
も摺動性の低下はなく、非常に良い操作性を維持するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂からなる医療用チュ
    ーブの表面の少なくとも親水化処理を施す部位に10M
    rad〜70Mrad相当の放射線を不活性ガス雰囲気
    下に照射し、 次いでグラフトモノマーを使用して、以下の条件でグラ
    フト反応させることを特徴とする表面親水化処理された
    医療用チューブの製造方法。 グラフト反応温度 ≦ 70℃ グラフト液中モノマー濃度 ≧ 20重量% グラフト反応系中の酸素濃度 ≦ 100ppm
  2. 【請求項2】請求項1の記載の製造方法で製造されたポ
    リオレフィン系樹脂からなるチューブの表面に、親水性
    のグラフト鎖を形成させたことを特徴とする表面親水化
    処理された医療用チューブ。
  3. 【請求項3】前記グラフト鎖が、アクリルアミド・メタ
    アクリルアミド系、ビニル異節環系、アクリレート・メ
    タアクリレート系、アクリル酸・メタアクリル酸/およ
    びその塩系、ビニルエーテル系からなる群から選ばれる
    モノマー類からなることを特徴とする請求項2記載の医
    療用チューブ。
JP6216249A 1994-09-09 1994-09-09 表面親水化処理された医療用チューブの製造方法および医療用チューブ Pending JPH0871143A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014106951A1 (ja) * 2013-01-07 2014-07-10 住友ゴム工業株式会社 摺動性弾性体

Cited By (3)

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WO2014106951A1 (ja) * 2013-01-07 2014-07-10 住友ゴム工業株式会社 摺動性弾性体
JP2014131856A (ja) * 2013-01-07 2014-07-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 摺動性弾性体
US9850445B2 (en) 2013-01-07 2017-12-26 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Sliding elastic body

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