JPH087177B2 - 酸素センサ素子及びその製造方法 - Google Patents

酸素センサ素子及びその製造方法

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JPH087177B2
JPH087177B2 JP63027623A JP2762388A JPH087177B2 JP H087177 B2 JPH087177 B2 JP H087177B2 JP 63027623 A JP63027623 A JP 63027623A JP 2762388 A JP2762388 A JP 2762388A JP H087177 B2 JPH087177 B2 JP H087177B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は各種燃焼機器の酸素濃度を検知するための酸
素センサ素子,特に内燃機関からの排ガスを浄化するた
めに利用される空燃比制御用の酸素センサ素子及びその
製法に関する。
[従来技術及び課題] 空燃比制御用酸素センサ素子は,酸素イオン伝導性の
固体電解質体とその内外面に備えられる一対の電極(基
準電極,測定電極)とからなり,排ガスと接触する測定
電極を排ガスから保護するため多孔質保護層で被覆する
のが一般的である。しかし,この種のセンサ素子にあっ
ては,排ガス中に含まれる未焼成分により,空気過剰率
(λ)がずれる,いわゆるλポイントズレをきたし,検
出精度が低下する。そのため,種々の研究,提案がなさ
れている。
例えば,保護層の中に貴金属触媒を担持してなる酸素
センサ素子が提案されている(特開昭53−50888,同50−
14396,同54−89686)。しかし,この種の酸素センサ素
子にあっては,使用時における耐久性に問題があった。
即ち,排ガス中の未焼成分(CO等)が担持触媒に吸着又
は反応して触媒が体積膨張することにより,保護槽にキ
レを生じ,最悪の場合には保護層が剥離して電極が昇華
する。又,触媒の担持量を多くすると目詰りを発生して
応答劣化をもたらし,一方少なすぎると触媒が飛散して
しまい,その効果が消失する。
又,保護層を二層にして,より外側に位置する層だけ
に触媒を担持してなる酸素センサ素子が提案されている
(特開昭53−72686,同55−13828)。しかし,この種の
酸素センサ素子にあっては,触媒担持層そのものが剥離
し易く,触媒作用を有効に活かしきれない。
更に,保護層として酸素を吸蔵・放出する物質で構成
してなる酸素センサ素子も提案されている(特開昭62−
245148)。しかし,保護層が剥離し易いことは上記技術
と同様であり,やはり耐久性の劣化が懸念される。
本発明はかかる課題を解決すること,即ち耐久性に優
れ,貴金属触媒を有効に活用でき,しかもλポイントズ
レ及び応答性の低下を生ずることなく,正確な空燃比制
御を長期間安定に維持できる酸素センサ素子を開発する
ことを目的とする。又,かかる酸素センサ素子を容易に
量産できる製法を開発することにある。
[課題解決の手段] 本発明はこうした見地に鑑み鋭意研究を重ねた結果,
同一出願人が先に出願した特願昭62−311278と同様に,
本発明を完成するに至ったものであり,本発明は上述の
課題を下記手段によって解決する。
(1)固体電解質体の一面側に基準電極,他面側に測定
電極を備え、被測定ガスの酸素濃度を検知する酸素セン
サ素子において、 前記固体電解質体が基部と前記基部に直接結合する球
状突起部とからなり、前記球状突起部を少なくとも含む
位置において測定電極を備え、 前記測定電極が多孔質の第1保護層で被覆されると共
に、前記第1保護層が多孔質の第2保護層で被覆され、
少なくとも前記第2保護層が前記被測定ガスの酸化反応
を促進する貴金属触媒を担持し、 前記第1保護層が前記被測定ガスに対して化学的に安
定な金属酸化物からなり、 前記第2保護層が非化学量論的な遷移金属酸化物から
なる、 酸素センサ素子。
(2)遷移金属酸化物がチタニアである酸素センサ素子
(他の構成は前記(1)と同じ)。
(3)前記第2保護層に担持される触媒の量が、第2保
護層材料に対して0.02〜5mol%(貴金属換算)である酸
素センサ素子(他の構成は前記(1)と同じ)。
(4)前記固体電解質体の一面側に基準電極、他面側に
測定電極を備え、被測定ガスの酸素濃度を検知する酸素
センサ素子を製造する方法において、 固体電解質体の基材の他面側の処理について、少なく
とも次の各工程: (a)固体電解質からなる球状粒子を付着する工程、 (b)電極を形成する工程、 (c)金属酸化物成分を溶射する工程、 (d)貴金属塩溶液に浸漬処理する工程、及び (e)非化学量論的な遷移金属酸化物成分と貴金属成分
とを配合してなるペースト状物で被覆した後、焼成する
工程、 を含むことからなる、酸素センサ素子の製造方法。
(5)前記(a)工程において、固体電解質の基材及び
球状粒子を同時焼成する酸素センサ素子の製造方法。
(6)前記(d)工程において、浸漬を減圧又は加圧し
ながら行なう酸素センサ素子の製造方法。
[好適な実施態様] 固体電解質体としては先端が閉塞され後端が開口した
ものであれば,袋状,板状又は円筒状等種々の形状でよ
く,固定電解質材料としては例えばZrO2に安定化剤とし
てY2O3,CaO等を添加したものを用いるとよい。基準電極
及び測定電極(層状)はともに多孔質とされ,Pt又は2
%程度以下のRhを含有するPt等の貴金属を用いるとよ
い。
固体電解質体の他面(測定電極を形成する面)は,固
体電解質からなる球状突起部とされる。球状突起部を測
定電極更には保護層内に楔状に貫入した状態とし,固体
電解質体と保護層とを強固に物理的に結合させるためで
ある。球状突起部の存在によって,保護層中の触媒に未
焼成分が吸着又は反応して体積膨張しても,保護層は固
体電解質体から剥離し難く,素子の耐久性が高められ
る。
参考例として、球状突起部は測定電極を介して固体電
解質の基部に結合し、測定電極の外層に位置するよう構
成される。
球状突起部,造粒粒子の集合体からなり,造粒粒子を
固体電解質体の基部表面に単層又は複層をもって形成す
るとよい。又造粒粒子は40〜100μm,好ましくは50〜80
μmにするとよい。楔状の凹凸を形成して保護層との強
固な結合を得るためであり,40μm未満では楔としての
機能を充分に果し得ず,100μmを越えると基材の固着が
弱くなるためである。球状突起部は,各造粒粒子間に凹
部を残すよう分布するとよい。保護層との結合力をより
高める他,電極表面積の拡大にも寄与し得る。
球状突起部の材質は固体電解質体の基部と同一材質と
することが好ましいが,固体電解質であればよい。例え
ば基部がZrO2−Y2O3系,球状突起部がZrO2−(CaO,Mg
O)系,又基部がZrO2−Y2O3系,球状突起部が該基部とY
2O3含有量の異なるZrO2−Y2O3系としてもよい。
測定電極は,既述の通り多孔質の第1保護層で被覆さ
れると共に,この第1保護層は多孔質の第2保護層で被
覆されなければならない(前記(1)の構成)。
第1保護層は,使用時において排ガスの未焼成分(CO
等)が測定電極(貴金属)に吸着又は反応することによ
り測定電極が体積膨張して固体電解質体から剥離するの
を防止するためのものである。第1保護層はセラミック
ス例えばAl2O3,スピネル,BeO,ZrO2等又はこれらの混合
物で構成するとよく,特にスペネルを主体とするものが
好ましい。その気孔率は5〜20%程度,その厚みは100
〜180μm,好ましくは150μm程度にするとよい。素子先
端部における第1保護層の厚みをより後方部における厚
みに対して大(例えば3/2〜2倍)にするとよい。低温
使用時においてセンサ出力が不規則になる,いわゆる
「ケミカルノイズ」現象の発生を抑制して,低温使用時
においてもより正確な制御を行なうためである。その先
端部の軸方向長さは,素子先端から素子取付部までの軸
方向長さの1/5〜1/2の範囲から選択するとよい。肉厚と
される部分について材料を異ならせてもよい。
この第1保護層に担持された被測定ガスの未焼成分の
酸化を促進する貴金属触媒としては,特に白金(Pt)を
主体とするもの例えばPt80wt%以上からなるものが好ま
しい。その担持量は,第1保護層の構成材料全量に対し
て0.01〜5wt%の範囲にするとよい。0.01wt%未満では
効果がなく,5wt%を越えると目詰りを生ずるおそれがあ
るからである。但し,濃い(リッチ)排ガスに晒される
条件下では1wt%以下であることが好ましい。1wt%を越
えると、多量に存在する未焼成分が貴金属触媒に吸着又
は反応して保護層にキレが発生するためである。この触
媒は,保護層全域に均一又は不均一に分散でき,例え
ば、排ガスの未焼成分が多い素子先方部において貴金属
の含有率を大としてもよい。又,触媒の材質を各部で異
ならせてもよい。
第2保護層は,既述の通り非化学量論的な遷移金属酸
化物によって構成されていなければならない。第1保護
層の担持貴金属触媒が使用時に飛散してλポイントズレ
及び出力低下するのを防止するためである。又,第2保
護層自体による遷移金属特有の触媒作用及び担持触媒の
作用によって排ガスの未焼成分の酸化作用をより一層促
進すると共に,その非化学量論性によって酸素量に応じ
て電子又は正孔が変化することから,担持触媒に未焼成
分が過度に吸着することを防止し,担持触媒の作用を長
期安定に維持するためである。遷移金属酸化物として
は,上記作用を発揮し得る限り3A族〜8族の遷移金属酸
化物のいずれかをも選択し得るが,4A族,例えばチタン
(Ti),8族他例えばコバルト(Co),ニッケル(Ni)の
酸化物が好ましい。特にTiOx(x=1.8以上2未満,好
ましくは1.95以上2未満)で表わされる非化学量論的チ
タニアを使用するとよい。上記作用を効率よく発揮で
き,しかも耐熱性に優れるからである。そのチタニア
(TiOx)を第2保護層の構成材料(担持触媒は除く)全
量に対して50wt%以上,好ましくは70wt%以上にすると
よい。この場合,残部は,他の非化学量論的な遷移金属
酸化物とするとよいが,化学量論的な遷移金属酸化物或
は第1保護層と同様なセラミック材料で構成してもよ
い。第2保護層の気孔率は第1保護層のそれよりも大に
するとよい。非測定ガスの通過性及びセンサ応答性の劣
化を防止するためである。例えば,8%〜15%にするとよ
く,開気孔(通過孔)として存在させてもよい。又,同
様な見地で,第2保護層の厚みは第1保護層のそれより
も薄くするとよい。例えば,10μm〜50μmにするとよ
い。
第2保護層の貴金属触媒の担持量は第1層におけるも
のよりも少なくしてもよい。遷移金属酸化物が触媒作用
を兼備するからであり,この担持量低減によって触媒に
よる目詰まり発生を防止すると共に,貴金属の有効利用
を図ることができる。特に第2保護層全量に対して0.02
〜5mol%の担持量とすれば,触媒作用を有効に発揮し,
触媒と未燃焼ガスとの反応に基づく体積膨張による層剥
離を防止できる。好ましくは0.1〜2mol%である。この
触媒も第2保護層全域に均一又は不均一に分散するとよ
い。
参考例として又,保護層の少なくとも一部(特定部)
が非化学量論的な遷移金属酸化物からなる場合(前記手
段(3),(4)の場合),即ち必ずしも二層に明確に
区別されない場合にあっても,その構成は既述の第2保
護層におけると同様にするとよい。又残部構成は既述の
第1保護層と同様にするとよい。保護層全体が非化学量
論的な遷移金属酸化物からなってもよい。貴金属触媒は
特定部及び残部にかからわず存在させるとよい。
次に,本発明の製造方法,特に固体電解質基材の他面
側(測定電極が形成されるべき側)の処理工程につい
て,好適な態様及び作用を述べる。
固体電解質基材は原料粉末を混合,仮焼した後,粉砕
(2.5μm以下)し,その後スプレードライによって二
次粒子(20〜150μm)を形成し,所定形状に成形する
とよい。
球状突起部の形成は,固体電解質体基材表面に平均粒
径50〜100μmの球状粒子を付着させ,その後,焼成す
るとよい。後工程の電極析着処理後も充分に楔状の凹凸
を残し,第1保護層との強固な結合を得るためである。
即ち,焼成後の球状粒子が40μm未満では楔としての機
能を充分に果たし得ず,100μmを越えると基材との固着
が弱くなるためである。より好ましくは50〜80μmにす
るとよい。又10μm以下のより細粒を混在させ,より一
層の強度向上を図ってもよい。固体電解質基材と球状粒
子とは同時焼成に供するとよい。両者の固着強度を高め
るためである。その焼成温度は1400〜1500℃にするとよ
い。又,電極析着処理を施した後,球状粒子の形成を行
なってもよい。特に,球状粒子を先に付着形成した場合
において,測定電極を形成できないときに有効である。
これによって,測定電極の確実な保護となり,又保護層
と結合をより一層高めることができる。
電極の形成は,電気メッキ,化学メッキ等の通常メッ
キ処理の他,通常の気相析着法例えばスパッタリング,
蒸着或いはスクリーン印刷によって行なってもよい。
第1保護層の形成としては,その材料の溶液又は粉末
を刷毛塗布,浸漬,噴霧等の後焼成する等種々の方法が
挙げられるが,特にプラズマ溶射が好ましい。溶射粉末
同志の固着強度が強く,その条件を適宜変更することに
より,任意の気孔率,気孔径とすることができるからで
ある。
第1保護層への触媒担持は,貴金属塩溶液中にて浸漬
処理し,その後乾燥,焼成して行なうとよい。その溶液
の濃度は触媒が充分に分散し,含浸的に目詰まりを起こ
さないようにする見地で決定するとよい。例えば,触媒
が,Ptの場合,Ptが十分分散した溶液としては,H2PtCl6
溶液があり,そのPt濃度を0.01〜5g/lにするとよい。Pt
濃度が0.01g/l未満では触媒作用が不充分となり,5g/lを
越えると第1保護層の孔が目詰まりし,センサ応答性が
悪くなるためである。浸漬処理は減圧又は加圧しながら
行なうとよい。貴金属含有塩溶液が第1保護層の奥深く
まで浸漬し,従って貴金属触媒を第1保護層内に均一に
分散できるからである。焼成温度は400〜700℃にすると
よい。
第2保護層の形成は,保護層材料及び貴金属成分を配
合してなるペースト状物で第1保護層を被覆し,その後
焼成することによって行なわなければならない。保護層
の形成と触媒の担持とを同時に行なうことによって,よ
り強固に触媒を担持させ,使用時における飛散を防止し
て長期安定に触媒作用を発揮させるためである。又,ペ
ースト状物とすることによって,焼成時に結合剤等が飛
散し,所望の気孔率及び気孔径を容易に得ることができ
るからである。ペースト状物は通常の如く結合剤,溶剤
等を配合して得られる。被覆方法としては,刷毛塗布,
浸漬,噴霧等いずれであってもよい。但し,プラズマ溶
射は不適である。その溶射時に保護層材料の焼結が進行
してしまい,気孔を所望の状態で(特に高気孔率とし
て)得ることができないからである。又,保護層材料と
担持触媒との配合は,保護層材料粉末に貴金属塩溶液を
含浸させることにより行なうとよい。均質に配合させる
ためである。保護層材料としては,遷移金属酸化物の
他,熱分解によって該遷移金属酸化物を形成し得る化合
物例えば水酸化物又は塩などであってもよい。その粉末
粒径は2μm以下にするとよい。焼結性が向上し固着強
度が高められ,従って使用時において第2保護層が剥離
し難くなるからである。好ましくは0.3〜1.5μmであ
る。熱処理温度は非酸化雰囲気中で700〜900℃で行なう
とよい。
[実施例] 以下,本発明の実施例について説明する。
第1〜3図は一実施例を示したものであり,各図にお
いて,1が酸素センサ素子であり,大略,この素子1は基
準ガスと被測定ガス(排ガス)とによって酸素濃度差を
生じ得る固体電解質体2と,固体電解質体2の内外面に
形成された一対の多孔質電極(内側電極)3,(外側電
極)4と,外側電極4を被覆る多孔質保護層5と,保護
層5に均一に分散して担持された貴金属触媒6…とから
構成されている。ここでは,固体電解質体2はZrO2にY2
O3を添加したものからなり,電極3,4はともにPt電極で
あり,貴金属触媒6…はPt粒子からなっている。
固体電解質体2は,基部2aとその外側表面に位置する
球状突起部2bとからなり,この球状突起部2bの形状に沿
って外側電極4,更には保護層5が形成されている。又,
保護層5はより内側に位置して外側電極4を直接被覆す
る第1保護層5aと,より外側に位置して排ガスに晒され
る第2保護層5bとからなる。両保護層5a,5bはともにPt
触媒6…を担持している。ここでは,第1保護層5aはス
ピネル,第2保護層5bはチタニアからなる。
尚,第1図において,7はハウジング,8は加締用リン
グ,9は充填剤,そして10は保護管を夫々示す。
第4図は他の実施例,即ち板状の酸素センサ素子の例
を示したものであり,他は前記実施例と同様であるの
で,同一構成要素に同一符号を付してその説明は省略す
る。
次に,本発明の酸素センサ素子の製造例について説明
する。以下の各工程を順次行なう。
工程1:純度99%以上のZrO2に純度99.9%のY2O3を5mol%
添加し,混合した後,1300℃で2時間仮焼する。
工程2:水を加えたボールミル中にて湿式にて粒子の80%
が2.5μm以下の粒径になるまで粉砕する。
工程3:水溶性バインダを添加し,スプレードライにて平
均粒径70μmの球状の造粒粒子を得る。−(工)3 工程4:(工)3にて得た粉末をラバープレスし所望の管
状(試験管状)に成形し乾燥後,砥石にて所定の形状に
研削する。
工程5:外面上に,(工)3で得た造粒粒子に水溶性バイ
ンダ繊維素グリコール酸ナトリウム及び溶剤を添加した
泥漿を付着させる。
工程6:乾燥後,1500℃×2Hrsにて焼成する。検出部に対
応する部分について,軸方向長さは2mm,外径約5mmφ,
内径約3mmφとした。
工程7:化学メッキにより,内外面にPt層を厚さ0.9μm
に析着させ,その後1000℃で焼付する。
工程8:MgO・Al2O3(スピネル)の粉末にてプラズマ溶射
して厚さ約150μmの第1保護層を形成する。
工程9:Ptが0.05g/lのH2PtCl6溶液中に浸し,50〜100mmHg
減圧下で約5分放置する。但し,試料No.15は本工程9
を省略する。
工程10:乾燥後,貴金属含有チタニアペーストを第1保
護層の表面に塗布し,800℃の還元性雰囲気で焼付けるこ
とにより,約2μmの細孔を有する厚さ約25μmの第2
保護層を形成する。尚,上記ペーストは,チタニアの粉
末をH2PtCl6液又はPtブラックに浸し,撹拌しながら乾
燥・含浸させ,その後有機バインダ及び溶剤(ブチルガ
ルビドール)を添加して得る。
更に,こうして製造された酸素センサ素子1を用い
て,以下の工程により,酸素センサAを得た。
工程11:素子1をハウジング7内に挿入した後,加締用
リング8及び滑石等の充填剤9を挿填して,素子1をハ
ウジング7内に固定する。
工程12:素子1先端部を覆って保護層10を配置し,ハウ
ジング7先端と保護管10後端とを溶接する。
工程13:端子及びリード線(図示せず)を電極に接続
し,外筒(図示せず)を被せて酸素センサを得る。
[試験例] 前記実施例に係る本発明の酸素センサ素子に基づいて
以下の試験を行ない各評価項目について調べた。又,比
較例についても同様に調べた。
試験1,2 工程10で使用される貴金属触媒源及び第2保護層の触
媒担持量を変化させてなる酸素センサ素子をブンゼンバ
ーナで耐久試験に供した。試験1では空気を殆んど導入
しない不完全燃焼状態で各酸素センサ素子のTip部(先
端部)を700〜850℃に加熱し,試験2では空気を導入し
ほぼ完全燃焼状態でTip部を約850℃に加熱し,夫々500H
rs耐久させる。
評価項目A: 上記加熱後の酸素センサ素子を備えてなる酸素センサ
を燃焼管(内径幅43)に取付け,1m離れた部位からバー
ナ炎を吹付け,センサ応答性を評価する。
評価項目B: 同様に加熱後に係る酸素センサをエンジン実車にて所
定の位置に取付け,センサ制御し,より下流に位置する
λスキャン値(制御A/F平均値)を調べ,λ特性を評価
する。
評価項目C: 目視によって素子表面部の状態を評価する。
これらの結果を第1表に示す。
第1表から明らかな通り,実施例に係る酸素センサ素
子(及び酸素センサ)は比較例のものに比して,各試験
1,2の各評価項目A,B,Cについて優れた結果を示してい
る。又,第2保護層の触媒担持量としては8.0mol%未満
であることが好ましいことを認識できる。
試験3 第1,2保護層の各触媒担持量を変化させてなる酸素セ
ンサ素子を用いて,その初期特性(耐久前)としてセン
サ制御時における酸素センサの出力信号の振動数(Hz)
を測定する[評価項目D]。
上記素子に係る酸素センサをエンジン実車にて所定の
位置に取付け,A/F10(リッチ雰囲気),排ガス温度700
℃で200Hrs耐久を行ない,前記評価項目B,Cについても
調べた。
第2表からも,本実施例の優れた結果は裏付けられ
る。又,このような濃い(リッチ)排ガスに晒される条
件下では,第1保護層の触媒担持量は1wt%未満である
ことが好ましいことを認識できる。
[効果] 以上の如く本発明によれば,球状突起部の存在によっ
て固体電解質体と保護層とが強固に結合しているので,
保護層の剥離を防止でき,耐久性に優れる。又,未焼成
分の貴金属への過度の吸着及び反応を第2保護層(又は
保護層の少なくとも一部,以下同じ)によって抑制でき
るので,センサ応答性及びλ特性においても優れ,高精
度の空燃比制御を維持できる。第2保護層によって第1
保護層の担持触媒の飛散が防止されるので,第1保護層
の触媒担持量を多くでき,その触媒作用によってより一
層に高精度の空燃比制御を維持できる。更に,第1,2保
護層の担持貴金属触媒に加えて,第2保護層自体も被測
定ガス中の未焼成分の酸化反応を促進する触媒作用を有
するので,触媒作用を保護層全体が分担できることとな
り,触媒と未焼成分との反応による体積膨張を極力抑止
でき,この点からも耐久性の向上に寄与する。しかも,
仮に第2保護層の貴金属が昇華しても,第1保護層の担
持触媒及び第2保護層自体によって充分な触媒作用を継
続して発揮できる。
従って,本発明は高価な貴金属を有効に利用して,被
測定ガス中の未焼成分を効率良く酸化させることができ
るので,高精度のセンサ制御を安定に維持でき,かくて
酸素センサ分野において極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の酸素センサ素子及び酸素センサの一
実施例を示す断面図, 第2図は,第1図の拡大断面図, 第3図は,第2図の拡大断面図,及び 第4図は,本発明の酸素センサ素子の他の実施例を示す
半断面図,を夫々表わす。 A…酸素センサ、1…酸素センサ素子 2…固体電解質体,2a…基部 2b…球状突起部、3…基準電極 4…測定電極,5…保護層 5a…第1保護層、5b…第2保護層 6…触媒
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−196580(JP,A) 特開 昭56−160653(JP,A) 実開 昭53−65783(JP,U)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質体の一面側に基準電極、他面側
    に測定電極を備え、被測定ガスの酸素濃度を検知する酸
    素センサ素子において、 前記固体電解質体が基部と前記基部に直接結合する球状
    突起部とからなり、前記球状突起部を少なくとも含む位
    置において測定電極を備え、 前記測定電極が多孔質の第1保護層で被覆されると共
    に、前記第1保護層が多孔質の第2保護層で被覆され、
    少なくとも前記第2保護層が前記被測定ガスの酸化反応
    を促進する貴金属触媒を担持し、 前記第1保護層が前記被測定ガスに対して化学的に安定
    な金属酸化物からなり、 前記第2保護層が非化学量論的な遷移金属酸化物からな
    る、 ことを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 【請求項2】前記遷移金属酸化物がチタニアである請求
    項1記載の酸素センサ素子。
  3. 【請求項3】前記第2保護層に担持される触媒の量が、
    第2保護層材料に対して0.02〜5mol%(貴金属換算)で
    ある請求項1又は2記載の酸素センサ素子。
  4. 【請求項4】固体電解質体の一面側に基準電極、他面側
    に測定電極を備え、被測定ガスの酸素濃度を検知する酸
    素センサ素子を製造する方法において、 固体電解質体の基材の他面側の処理について、少なくと
    も次の各工程: (a)固体電解質からなる球状粒子を付着する工程、 (b)電極を形成する工程、 (c)金属酸化物成分を溶射する工程、 (d)貴金属塩溶液に浸漬処理する工程、及び (e)被化学量論的な遷移金属酸化物成分と貴金属成分
    とを配合してなるペースト状物で被覆した後、焼成する
    工程、 を含むことからなる、酸素センサ素子の製造方法。
  5. 【請求項5】(a)工程において、前記固体電解質の基
    材及び球状粒子を同時焼成する請求項4記載の酸素セン
    サ素子の製造方法。
  6. 【請求項6】(d)工程において、浸漬を減圧又は加圧
    しながら行なう請求項4又は5記載の酸素センサ素子の
    製造方法。
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