JPH0872671A - プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター - Google Patents

プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター

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JPH0872671A
JPH0872671A JP7129157A JP12915795A JPH0872671A JP H0872671 A JPH0872671 A JP H0872671A JP 7129157 A JP7129157 A JP 7129157A JP 12915795 A JP12915795 A JP 12915795A JP H0872671 A JPH0872671 A JP H0872671A
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roller pin
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賢一 森實
Katsuyasu Ono
勝康 小野
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R22/4628Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up characterised by fluid actuators, e.g. pyrotechnic gas generators
    • B60R22/4633Linear actuators, e.g. comprising a piston moving along reel axis and rotating along its own axis
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動手段のガス圧力を有効に利用すると共に
巻締め駆動力を巻取り軸にスムーズに伝達することがで
きるコンパクトなプリテンショナー付きシートベルト用
リトラクターを提供する。 【構成】 ピニオンギヤを介してリトラクターの巻取り
軸4にベルト巻締め方向の回転トルクを伝達可能なラッ
クを車両衝突時にガス圧力で押圧駆動する。巻取り軸4
にクラッチ機構30を介して断続的にトルク伝達可能なク
ラッチ外輪12を増速回転させるべく、ピニオンギヤとク
ラッチ外輪12の間に遊星歯車装置35を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緊急時にリトラクター
の巻取り軸にウェビングを巻き込むことにより、シート
ベルトの緩みを除去するプリテンショナーを備えたシー
トベルト用リトラクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の乗員の身体を座席に安
全に保持するためのシートベルト装置においては、乗員
のシートベルト装着感を低減するためにリトラクターが
シートベルトを巻取る力を低くする傾向がある。これに
より、乗員の身体に装着されたシートベルトのたるみが
増加するため、車両衝突等の緊急時に大きな力がシート
ベルトに加わるとシートベルトが伸び出す量が増え、乗
員の身体を効果的に拘束することができないことがあっ
た。
【0003】そこで、緊急時にシートベルトを巻取って
そのたるみを除去すべく、リトラクターの巻取り軸を巻
取り方向へ瞬時に回転させるプリテンショナーをリトラ
クターに組み込んだものがある。上記の如きプリテンシ
ョナーとしては、例えば特開平5−162614号公報
等に開示されているように、プーリ等の駆動部材を引張
ケーブル駆動装置等の駆動手段の作動による引張で回転
させてベルトを巻締める形式のものがある。このような
プリテンショナーの駆動部材は、通常使用時にリトラク
ターの巻取軸の回転に干渉することがないように、プリ
テンショナー非作動時には非係合とされ、プリテンショ
ナー作動時には巻取り軸に接続されて回転トルクを巻取
り軸に伝達すべく係合手段を介して巻取り軸に連結され
ている。そして、前記係合手段として歯車等の噛み合い
手段を用いることにより、前記駆動部材は巻取り軸に効
率良く回転トルクを伝達することができる。
【0004】又、例えば実公昭55−21696号公報
等に開示されているプリテンショナーは、ガス圧により
シリンダ内を瞬間的に摺動し得るようにしたピストンロ
ッドと、該ピストンロッドの動作に随行してシートベル
トの巻取り軸に固設したギヤと噛合でき、これにより該
巻取り軸をシートベルト引込方向へ回動させ、その後ロ
ックし得るラック杆とにより構成されている。そこで、
車両衝突時にガス圧でピストンロッドと共にラック杆が
移動すると、ラック杆とギヤは噛合ってギヤが回転し、
シートベルトがリトラクターに引き込まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−162614号公報等に開示されたプリテンシ
ョナーの構成では、駆動手段のピストンによる駆動力を
巻取り軸の回転力として伝達する伝達手段にワイヤーロ
ープ等の索条体を用いた場合、必要となるシートベルト
巻締め量に加えて駆動部材を巻取り軸に係合させる分の
巻取り量のロスを考慮しなければならない為、より多く
のピストンストロークが必要となってプリテンショナー
が大型化し、リトラクターの車両への取付け性が低下す
る。又、ガス発生器から発生した高圧ガスは、マニホー
ルドケースのワイヤーロープ摺動孔とワイヤーロープと
の隙間から漏れるので、ガス圧力を駆動手段の駆動力に
有効に利用できない。
【0006】また、上記実公昭55−21696号公報
等に開示されたプリテンショナーの構成では、シートベ
ルトを巻締める分だけラックストロークが必要となるの
で、シリンダ及びラック杆が長くなってプリテンショナ
ーが大型化し、リトラクターの車両への取付け性が低下
する。更に、これらプリテンショナーの構成では、ベル
ト巻締め動作完了後の前記プーリ及び前記ラック杆は、
ベルト伸び出し方向への移動を規制されていないので、
巻取り軸が緊急ロック機構によりベルト伸び出し方向の
回転を阻止されるまではベルト伸び出しを抑えることが
できない。又、前記係合手段である前記プーリと前記巻
取り軸、或いは前記ラック杆と前記ギヤとを車両緊急時
にそれぞれ歯車係合させる場合、初期状態では互いの歯
が噛み合っていないので、駆動手段が作動して歯先同士
が衝突した際には歯が破損する可能性がある。
【0007】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、駆動手段のガス圧力を有効に利用すると
共に巻締め駆動力を巻取り軸にスムーズに伝達すること
ができ、ベルト巻締め動作完了後の伸び出しをも防止す
ることができるコンパクトなプリテンショナー付きシー
トベルト用リトラクターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ピ
ニオンギヤを介してリトラクターの巻取り軸に回転トル
クを伝達可能なラックを車両衝突時にガス圧力で押圧駆
動することにより、巻取り軸をシートベルトの弛みが除
去される方向に回転させるプリテンショナーを備えたシ
ートベルト用リトラクターであって、クラッチ機構によ
りプリテンショナー非作動時には巻取り軸に非接続とさ
れ、プリテンショナー作動時には巻取り軸に接続されて
回転トルクを巻取り軸に伝達可能な回転駆動部材と、前
記ラックと常時噛み合わされた前記ピニオンギヤの回転
により前記回転駆動部材を増速回転させるべくピニオン
ギヤと回転駆動部材の間に配設された増速歯車伝動装置
とを有するプリテンショナー付きシートベルト用リトラ
クターにより達成される。
【0009】尚、前記クラッチ機構としては、巻取り軸
に配設されたクラッチリングと非係合な状態で軸心周り
に相対回転可能に支持される回転駆動部材が、該クラッ
チリング外周面との間に略くさび状の空間を構成するカ
ム面と、該くさび状空間内に配設されてトルク伝達可能
な複数の噛み合い要素と、これら噛み合い要素のクラッ
チリング係合方向への移動を阻止すべくリトラクターベ
ースに係止された保持手段とを備えて構成されたクラッ
チ機構が好ましい。前記保持手段としては、噛み合い要
素のクラッチリング係合方向への移動を阻止する保持片
と、該保持片に所定以上の回転トルクが作用した際には
リトラクターベースに対して回転抵抗を付与しながら相
対回転可能に係止された基板部とからなる保持手段が好
ましい。
【0010】又、前記増速歯車伝動装置としては、前記
回転駆動部材の外周に外歯を形成して成る太陽歯車と、
リトラクターベースに固定された内歯歯車と、これら太
陽歯車と内歯歯車との間に配設された遊星歯車を支持す
ると共に前記ピニオンギヤと一体的に回転するキャリア
部材とからなる遊星歯車装置が好ましい。更に、押圧駆
動方向と反対方向への前記ラックの移動を阻止する戻り
防止機構として、前記ラックの摺接面との間に略くさび
状の空間を構成するギヤケースのカム面と、該くさび状
空間内に配設された噛み合い要素と、該噛み合い要素を
噛み合い方向へ弾性付勢する付勢手段とからなる一方ク
ラッチを用いることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明の上記構成によれば、車両衝突時にラッ
クがガス圧力で押圧駆動されてピニオンギヤを回転駆動
すると、回転駆動部材が増速歯車伝動装置により増速回
転され、クラッチ機構を介して巻取り軸がウェビング巻
取り方向へ回転させられる。
【0012】そこで、前記ラックは短いラックストロー
クで充分に巻取り軸をウェビング巻取り方向へ回転させ
ることができる。更に、巻取り軸と回転駆動部材との間
にはクラッチ機構が設けられているので、ピニオンギヤ
とラック、及び増速歯車伝動装置を構成する各歯車は、
初期状態においても互いの歯が噛み合った状態とするこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例
を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例に基づく
プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター1の
正面図であり、図2乃至図4は図1に示したプリテンシ
ョナー付きシートベルト用リトラクター1の要部分解斜
視図であり、図5及び図6は図1に示したプリテンショ
ナー付きシートベルト用リトラクター1のA−A断面矢
視図及びB−B断面矢視図であり、図7は図5に示した
プリテンショナーのC−C断面矢視図である。
【0014】前記プリテンショナー付きシートベルト用
リトラクター1は、ウェビング20を巻取り又は引き出
し自在に巻回した巻取りリール7を備えており、従来の
リトラクターと同様に、巻取りリール7はその巻取り軸
4に連結された巻取りバネ装置5により、ウェビング2
0が巻取られる方向に常時付勢されている。又、ウェビ
ング20が所定大きさ以上の加速度で引き出されようと
すると、緊急ロック機構2により巻取り軸4の回転が阻
止され、それ以上ウェビング20が引き出されないよう
になっている。
【0015】更に、前記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター1は、略コ字形状に形成されたリト
ラクターベース11の一方のベース側壁11aに、巻取
り軸4をシートベルトの弛みが除去される方向に回転さ
せる駆動手段を備えたプリテンショナー3が配設されて
いる。該プリテンショナー3は、巻取り軸4にクラッチ
機構30を介して断続的にトルク伝達可能な回転駆動部
材であるクラッチ外輪12と、ガス発生器29が発生す
るガス圧力で押圧駆動されるラック25と常時噛み合わ
されたピニオンギヤ21により前記クラッチ外輪12を
回転駆動する駆動手段6と、前記ピニオンギヤ21の回
転により前記クラッチ外輪12を増速回転させるべくピ
ニオンギヤ21とクラッチ外輪12の間に配設された増
速歯車伝動装置である遊星歯車装置35と、車両衝突時
に前記ガス発生器29を作動させる図示しない制御装置
とを備えている。
【0016】前記クラッチ外輪12は、ベース側壁11
aを貫通した巻取り軸4の一端部に嵌着されたクラッチ
リング14の軸心周りに相対回動可能に配設され、後述
する遊星歯車装置35を介して駆動手段6により回転駆
動される円筒状部材であり、外周面には遊星歯車装置3
5の遊星歯車15と噛み合う太陽歯車を構成するための
外歯12aが形成されると共に、肉抜きされた内周面に
は前記クラッチリング14の外周面との間にくさび状の
空間を構成する4つのカム面12bが周方向に沿って等
間隔に形成されている。そして、各くさび状空間内に
は、クラッチ外輪12とクラッチリング14の間でトル
ク伝達を可能とすべくクラッチリング係合方向に移動可
能な噛み合い要素である円筒状のローラーピン10が配
設されており、該ローラーピン10のクラッチリング係
合方向への移動を阻止すべくベース側壁11aに係止さ
れた保持手段であるホルダー8と共にクラッチ機構30
を構成している(図6、参照)。
【0017】前記ホルダー8は、ポリアセタール及びナ
イロン等の合成樹脂材料や、アルミニウム及び亜鉛等の
金属材料からなり、巻取り軸4が挿通される円孔を備え
た円環状の基板部8aと、該基板部8aの軸線方向に沿
って垂設された四対のローラーピン保持片9a,9bと
を備えている。そして、前記ローラーピン保持片9a,
9bがそれぞれベース側壁11aに形成されたローラー
ピン保持片係止部13a,13bよりベース側方へ突出
され、前記基板部8aが巻取りリール7のフランジ部と
ベース側壁11aとの間に挟まれるようにしてリトラク
ターに配設される。そこで、ローラーピン保持片9a,
9bの先端部は、ベース側壁11aの外側に配設された
前記クラッチ外輪12の各くさび状空間内に挿入され、
ローラーピン10をクラッチリング14の外周面と非係
合な状態に保持している。
【0018】更に、前記クラッチ外輪12の内径は前記
クラッチリング14の外径よりも大きく、前記ホルダー
8のローラーピン保持片9a,9bによって挟持された
ローラーピン10は、クラッチリング14の外周面に対
してクリアランスを有している。即ち、ローラーピン1
0はホルダー8によりトルク伝達不可能な状態に確実に
保持されている。
【0019】そこで、通常使用時においては振動等の要
因でホルダー8に保持されたローラーピン10がクラッ
チリング14に接触してリトラクターからのウェビング
20の引出し巻取り及び緊急ロック機構2の機能に影響
を与えたり、異音が発生したりする可能性が少ない。
又、それぞれ対をなす前記ローラーピン保持片9a,9
bは、互いに基板部8aの周方向に沿って対向するよう
にローラーピン10を挟持しており、ローラーピン10
がクラッチリング14及びクラッチ外輪12と対向する
その半径方向部分は開放されている。従って、クラッチ
外輪12にウェビング巻取り方向の回転駆動力が作用
し、該クラッチ外輪12が急激に回転した場合でも、確
実にローラーピン10をベース側壁11aに対して静止
させる事ができる。そこで、ローラーピン保持片9a,
9bは、ローラーピン10が確実に噛み込まれるまでは
ローラーピン10の周方向への移動を規制することがで
きる。
【0020】その上、クラッチ外輪12が所定角度回転
し、ローラーピン10がカム面12bによって巻取り軸
中心方向へ付勢された際には、該ローラーピン10の食
い込み方向の移動を妨げることがないようにローラーピ
ン保持片9a,9bは容易に変形できる。そして、更に
クラッチ外輪12がウェビング巻取り方向へ回転駆動さ
れると、ローラーピン保持片9a,9bは基板部8aか
ら破断され、クラッチリング14に食い込んだローラー
ピン10は前記クラッチ外輪12と共に一体的にウェビ
ング巻取り方向へ回転する。前記クラッチリング14
は、前記ローラーピン10よりも硬い材質であり、その
外周面には食い込みを容易とするローレット加工が施さ
れている。
【0021】即ち、後述する駆動手段6によってクラッ
チ外輪12にウェビング巻取り方向(図2中、矢印X1
方向)の回転駆動力が生じた際には、ローラーピン10
がクラッチ外輪12のカム面12bとクラッチリング1
4の外周面との間に食い込むことによって、クラッチリ
ング14とクラッチ外輪12とを連結し、該クラッチ外
輪12の回転トルクが巻取り軸4に伝達されるようにな
っている。
【0022】前記遊星歯車装置35は、前記ベース側壁
11aの外側に固定された遊星歯車ケース16の内歯1
6aと前記クラッチ外輪12との間に配設された遊星歯
車15と、これら遊星歯車15をそれぞれ回転自在に支
持するキャリア部材である回転円板17とからなる。前
記回転円板17には、遊星歯車15を回転自在に軸支す
るピン19が圧入される貫通孔17aと、ピニオンギヤ
21が嵌合される中央孔18とが形成されており、遊星
歯車15はピニオンギヤ21と一体的に回転する回転円
板17により公転させられる。そこで、前記クラッチ外
輪12は、ピニオンギヤ21の回転により増速回転させ
られる。
【0023】前記駆動手段6は、前記ピニオンギヤ21
に噛み合わされるラック歯25aを形成されたラック2
5と、該ラック25を移動可能に受容するシリンダー2
4と、該シリンダー24の先端部とガス発生器29のガ
ス噴出部とを連通連結するガス発生器ケース28とを有
しており、前記シリンダー24の基端部は前記遊星歯車
ケース16の外側に固定されたラックギヤケース22に
連結されている。前記ラックギヤケース22には、前記
ピニオンギヤ21が回転自在に収容される中央開口33
と、該中央開口33と一部連通して前記ラック25を摺
動案内する案内凹部34とが形成されており、該ラック
ギヤケース22の外側には巻取り軸4の先端が貫通する
開口23aを形成されたプレート23が前記ピニオンギ
ヤ21及びラック25を覆うように配設されている。
【0024】前記ラック25のガス発生器ケース28側
の端部には、合成樹脂,ゴム,又は発泡金属等の材質か
らなる緩衝材26と共にシリンダー24内を摺動可能な
ピストン27が配設されており、ガス発生器29が発生
した高圧ガスはガス発生器ケース28を介して該ピスト
ン27に伝達される。また、設計によっては緩衝材を必
要とせず、ピストンとラックを一体的に製作する事も可
能である。更に、緩衝材にOリングを使用してガスシー
ルの効果を出す事も可能である。
【0025】前記ラック25の背面25bに対向する側
の前記案内凹部34の側壁部には、くさび状空間を構成
するカム面32が形成されており、該くさび状空間内に
はラックギヤケース22の案内凹部34の内側壁に対す
るラック25の戻り方向(図5中、矢印Y2 方向)の相
対移動を規制する噛み合い要素である円筒状のローラー
ピン36と、該ローラピン36をラック係合方向へ付勢
するコイルスプリング31とが配設され、ラック25の
戻り防止機構が構成されている。そこで、ラック25が
ウェビング巻取り駆動方向(図5中、矢印Y1 方向)に
移動する際には、ローラピン36がコイルスプリング3
1の付勢力に抗して非噛み合い方向へ移動可能であり、
該ラック25の移動を妨げるものではない。
【0026】又、前記案内凹部34の底壁部には、ラッ
ク25と遊星歯車装置35の組み立て性を向上させるべ
く、ラック25の組付け初期位置を規制する為の初期位
置決め用ピン37が挿着されている。該初期位置決め用
ピン37は樹脂製であり、ラック25が押圧駆動された
際には簡単に折れることができるものである。尚、該初
期位置決め用ピン37は必ずしも必要なものではない。
【0027】次に、上記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター1の動作について説明する。車両の
通常走行時状態では、図6に示すように、クラッチ外輪
12及びローラーピン10はクラッチリング14と非係
合なので、巻取り軸4は自由に回転可能となっている。
従って、ウェビング20を巻取りバネ装置5の付勢力で
巻取り可能であると共に、バネ力に抗してウェビング2
0を引出し自在となっている。
【0028】急ブレーキ等のある程度の大きさの減速度
が車両に発生すると、乗員が前方に移動してウェビング
20をある程度の加速度で引き出そうとする。この時、
リトラクターの緊急ロック機構2が作動して巻取り軸4
の回転をロックする。これにより、ウェビングの伸び出
しは阻止されるが、図示しない制御装置がガス発生器2
9を作動させることはないので、ラック25は押圧駆動
されない。
【0029】一方、車両衝突時等におけるような極めて
大きな所定の減速度が生じると、図示しない制御装置が
この減速度を検知してガス発生器29を点火する。点火
されたガス発生器29は、駆動ガスをガス発生器ケース
28内へ噴出する。すると、ガス発生器ケース28より
シリンダー24内へ流入した駆動ガスの膨張圧力がピス
トン27に作用し、該ピストン27は緩衝材26を介し
てラック25をウェビング巻取り駆動方向へ押圧駆動す
る。この時、前記緩衝材26によってラック25へのガ
ス圧力の急激な加圧を抑制することができる。
【0030】ここで、ピストン27はラック25を押圧
駆動するように構成されているので、駆動力を伝達する
ためのピストンロッド等が挿通される開口をガス発生器
ケース28に設ける必要がない。そこで、ガス圧力は漏
れることなくほぼ全てピストン27に作用し、ラック2
5の駆動力に有効に利用できる。前記ラック25が図5
に示す矢印Y1 方向へ押圧駆動されると、該ラック25
のラック歯25aに噛み合わされているピニオンギヤ2
1はウェビング巻取り方向(図5中、矢印X1 方向)へ
回転駆動される。すると、ピニオンギヤ21と一体的に
回転する回転円板17も矢印X1 方向に回転する。
【0031】前記回転円板17にはピン19に回転自在
に軸支された遊星歯車15が保持されており、図6に示
すように、該遊星歯車15は前記遊星歯車ケース16の
内歯16a及び前記クラッチ外輪12の外歯12aと噛
み合っている。そこで、回転円板17が矢印X1 方向に
回転することにより、矢印X1 方向に公転させられる遊
星歯車15は、遊星歯車ケース16の内歯16aに噛み
合いながら自転してクラッチ外輪12を矢印X1 方向に
増速回転させる。従って、ピニオンギヤ21の矢印X1
方向の回転は、遊星歯車装置35により増速して伝達さ
れる。
【0032】クラッチ外輪12が矢印X1 方向に回転さ
せられると、ローラーピン10がカム面12bによって
巻取り軸中心方向へ付勢される。この時、ローラーピン
保持片9a,9bは、ローラーピン10がクラッチリン
グ14の外周面とカム面12bとの間に確実に食い込む
までは巻取り軸中心方向への移動を保持片の弾性又は塑
性変形によって可能とする。
【0033】そこで、前記ローラーピン10がクラッチ
リング14の外周面とカム面12bとの間に確実に食い
込む位置まで移動すると、クラッチ外輪12の回転がク
ラッチリング14に伝達され、これらクラッチリング1
4及びローラーピン10はクラッチ外輪12と一体的に
矢印X1 方向に回転するので、図8に示すように、前記
ローラーピン保持片9a,9bは破断される。
【0034】そして更に、駆動ガスの膨張圧力により押
圧駆動されるラック25の駆動力によりピニオンギヤ2
1がウェビング巻取り方向に回転駆動されると、増速回
転させられたクラッチ外輪12はローラーピン10を介
してクラッチリング14を一体的に矢印X1 方向に回転
駆動し、ウェビング20を巻取る方向に巻取り軸4を回
転させるので、ウェビング20が締め付けられ、シート
ベルトの遊びが除去される。
【0035】即ち、遊星歯車装置35を介して増速した
回転を巻取り軸4に伝達できる駆動手段6のラック25
は、短いラックストロークでも巻取り軸4をウェビング
巻取り方向へ充分に回転させることができる。従って、
ラック25及びシリンダー24は短くてよく、プリテン
ショナーをコンパクトに構成することができる。又、遊
星歯車装置35を構成して増速回転されるクラッチ外輪
12と巻取り軸4に固設されたクラッチリング14との
間には、プリテンショナー非作動時にこれらを非接続と
するクラッチ機構30が配設されており、ピニオンギヤ
21とラック25、及び遊星歯車装置35を構成する各
歯車は、プリテンショナー非作動時である初期状態にお
いて予め互いの歯が噛み合った状態となっている。従っ
て、ラック25が駆動ガスの膨張圧力により急激に押圧
駆動される際、前記歯車の歯先同士は互いに衝突するこ
とがないので、歯の破損を防止することができると共に
駆動手段6による駆動力を巻取り軸4にスムーズに伝達
することができる。
【0036】そして、駆動ガスの膨張圧力によるラック
25の押圧駆動が止まると、ウェビング20の張力によ
り巻取り軸4がウェビング引出し方向(図8中、矢印X
2 方向)へ回転し、クラッチ外輪12及びピニオンギヤ
21も逆回転を始める。すると、ラック25は案内凹部
34の内側壁に対して戻り方向(図5中、矢印Y2
向)へ相対移動しようとするが、前記ローラピン36が
ラック25の背面25bと案内凹部34のカム面32と
の間に食い込むことにより、ラック25は戻り方向への
相対移動が規制されるので、ピニオンギヤ21は逆回転
を防止される。そこで、プリテンショナー3によるベル
ト巻締め動作完了直後も、上記駆動手段6はベルト伸び
出しを抑えることができる。尚、ラック25の戻り防止
機構は、初期位置でラック25の面とローラ(噛み合い
要素)が接触すれば、どの位置に設定してもよい。
【0037】図9及び図10は本発明の第2実施例に基
づくプリテンショナー付きシートベルト用リトラクター
50の要部分解斜視図であり、上記第1実施例のプリテ
ンショナー付きシートベルト用リトラクター1と同様の
構成部材に関しては同符号を付して詳細な説明を省略す
る。前記プリテンショナー付きシートベルト用リトラク
ター50は、前記第1実施例のプリテンショナー付きシ
ートベルト用リトラクター1とほぼ同様に、略コ字形状
に形成されたリトラクターベース51の一方のベース側
壁51aに、巻取り軸4をシートベルトの弛みが除去さ
れる方向に回転させる駆動手段6を備えたプリテンショ
ナーが配設される。該プリテンショナーは、前記第1実
施例のプリテンショナー6におけるクラッチ機構30及
び遊星歯車装置35に代えて、クラッチ機構55及び遊
星歯車装置60を用いたものである。
【0038】前記クラッチ機構55は、クラッチリング
14の外周面との間にくさび状の空間を構成する4つの
カム面12bを形成されたクラッチ外輪12と、該クラ
ッチ外輪12の各くさび状空間内に配設されたローラー
ピン10と、該ローラーピン10のクラッチリング係合
方向への移動を阻止すべくベース側壁51aに係止され
た保持手段であるホルダー52とを備えている。
【0039】ポリアセタール及びナイロン等の合成樹脂
材料や、アルミニウム、亜鉛、ステンレス及び鋼板の薄
板バネ材等の金属材料からなる前記ホルダー52は、巻
取り軸4が挿通される円孔とベース取付け用穴52bを
備えた略円板状の基板部52aと、該基板部52aの軸
線方向に沿って垂設された四対のローラーピン保持片5
3a,53bとを備えており、遊星歯車ケース16及び
ラックギヤケース22と共締めされてベース側壁51a
の外側面に固定される。そこで、前記ローラーピン保持
片53a,53bの先端部は、該ホルダー52の外側に
配設された前記クラッチ外輪12の各くさび状空間内に
挿入され、ローラーピン10をクラッチリング14の外
周面と非係合な状態に保持する。更に、前記基板部52
aには遊星歯車15を組付ける際の位置決め用突起54
が配設されている。
【0040】前記遊星歯車装置60は、前記ホルダー5
2の外側に固定される遊星歯車ケース16の内歯16a
と前記クラッチ外輪12との間に配設された遊星歯車1
5と、これら遊星歯車15をそれぞれ回転自在に支持す
るキャリア部材である回転円板57とからなる。前記回
転円板57には、遊星歯車15を回転自在に軸支するピ
ン19が圧入される貫通孔57aと、ピニオンギヤ59
が嵌合される中央孔58とが形成されており、遊星歯車
15はピニオンギヤ59と一体的に回転する回転円板5
7により公転させられる。そこで、前記クラッチ外輪1
2は、ピニオンギヤ59の回転により増速回転させられ
る。
【0041】尚、前記遊星歯車装置60の増速比と、必
要とするベルト巻締め量との関係において、前記ラック
25がフルストローク移動しても歯合させられるピニオ
ンギヤが1回転しない場合、該ピニオンギヤは図10に
示したピニオンギヤ59のように必要歯数のみ歯切加工
し、残りの部分は歯先円直径を有する円筒面状に形成さ
れるような形状にすることができる。勿論、回転円板5
7の中央孔58の開口形状も、該ピニオンギヤ59の外
周形状に応じたものとなる。
【0042】次に、上記第2実施例におけるプリテンシ
ョナーをリトラクターに組付ける際の手順を説明する。
先ず、前記ホルダー52にクラッチ外輪12と遊星歯車
15を取付ける。この際、クラッチ外輪12はローラー
ピン10がクラッチリング14に噛み込まない位置にカ
ム面12bを合わせて組付けられ、ローラーピン10が
ローラーピン保持片53a,53bに装着される。又、
前記遊星歯車15は前記位置決め用突起54によりホル
ダー52に対して位置決めされる。該位置決め用突起5
4は遊星歯車15を組付ける際の初期位置を規制するた
めの小突起であり、軸線方向に遊びを有する該遊星歯車
15はプリテンショナー作動時に容易にこの係止状態を
解除することができるので、遊星歯車装置60の回転に
悪影響を与えるものではない。
【0043】次に、遊星歯車ケース16が組付けられ
る。この時、遊星歯車ケース16及びホルダー52のベ
ース取付け用穴を一致させた位置で遊星歯車ケース16
と遊星歯車15とが噛み合うように、前記内歯16aは
歯切加工されている。更に、回転円板57が組付けられ
るが、ラック25の初期位置を規制するため、遊星歯車
15を回転自在に軸支するピン19の位置と、ピニオン
ギヤ59が嵌合される中央孔58の歯形の位相とは、前
記ラック25の初期位置に合わせて加工されている。
尚、前記回転円板57とピニオンギヤ59とを予め一体
に形成しても良い。
【0044】このように、本第2実施例のプリテンショ
ナー付きシートベルト用リトラクター50は、前記第1
実施例のプリテンショナー付きシートベルト用リトラク
ター1と同様の作用効果に加えて、プリテンショナーを
リトラクターに組付ける際の組立て性が著しく向上する
という効果を有している。
【0045】図11及び図12は本発明の第3実施例に
基づくプリテンショナー付きシートベルト用リトラクタ
ーに係るクラッチ機構70の要部拡大図及び断面図であ
り、上記各実施例のクラッチ機構30,55と同様の構
成部材に関しては同符号を付して詳細な説明を省略す
る。前記クラッチ機構70は、クラッチリング14の外
周面との間にくさび状の空間を構成する4つのカム面1
2bを形成されたクラッチ外輪12と、該クラッチ外輪
12の各くさび状空間内に配設されたローラーピン10
と、該ローラーピン10のクラッチリング係合方向への
移動を阻止すべくベース側壁90aに係止される保持手
段を構成するホルダープレート71及びホルダーベース
75と、該ホルダープレート71とベース側壁90aの
間に配設された円環状のスペーサ78とを備えている。
【0046】前記ホルダープレート71は、ブッシュ7
9を介してベース側壁90aに支持される巻取り軸4が
挿通される円孔を備えた略円板状の基板部71aと、該
基板部71aの軸線方向に沿って延びるように屈曲形成
された四対の保持片である弾性保持片72a,72bと
を備えており、前記基板部71aの外周縁に等間隔で突
設された四つの係止用爪部74がホルダーベース75の
溝部76に係止されることによって、弾性保持片72
a,72bに所定以上の回転トルクが作用した際には回
転抵抗を受けながらベース側壁90aに対して相対回転
できるように構成されている。又、所定以上の回転トル
クが作用した際に変形し、前記係止用爪部74が溝部7
6から外れるきっかけとなる切欠き部73が、前記基板
部71aの内周縁に形成されている。そして、前記弾性
保持片72a,72bの先端部は、前記クラッチリング
14の外側に配設された前記クラッチ外輪12の各くさ
び状空間内に挿入され、ローラーピン10をクラッチリ
ング14の外周面と非係合な状態に弾性的に保持してい
る。
【0047】前記ホルダーベース75の図示しない外形
状は、上記第2実施例におけるホルダー52と同形状で
あり、遊星歯車ケース16及びラックギヤケース22と
共締めされてベース側壁90aの外側面に固定される。
更に、ホルダーベース75には、ベース側壁90aの対
応する係止孔に嵌入されて該ホルダーベース75の移動
を阻止する円柱状の四つの係止突起77が突設されてい
る。尚、前記ホルダープレート71、ホルダーベース7
5及びスペーサ78は、ポリアセタール及びナイロン等
の合成樹脂材料や、アルミニウム、亜鉛、ステンレス及
び鋼板の薄板バネ材等の金属材料からなるが、特に、ホ
ルダープレート71は、弾性保持片72a,72bが容
易に変形できる材質でなければならない。
【0048】次に、上記クラッチ機構70の動作につい
て説明する。車両の通常走行時状態では、図13に示す
ようにクラッチ外輪12及びローラーピン10はクラッ
チリング14と非係合である。そして、プリテンショナ
ーが作動して前述の駆動手段6がクラッチ外輪12を矢
印X1 方向へ回転駆動すると、図14に示すようにロー
ラーピン10がカム面12bによって巻取り軸中心方向
へ付勢される。この時、前記ホルダープレート71の弾
性保持片72a,72bは、ローラーピン10がクラッ
チリング14の外周面とカム面12bとの間に確実に食
い込むまでは巻取り軸中心方向への移動を保持片の弾性
又は塑性変形によって可能とする。
【0049】そこで、前記ローラーピン10がクラッチ
リング14の外周面とカム面12bとの間に確実に食い
込む位置まで移動すると、クラッチ外輪12の回転がク
ラッチリング14に伝達され、これらクラッチリング1
4及びローラーピン10はクラッチ外輪12と一体的に
矢印X1 方向に回転するので、図15に示すように、前
記ホルダープレート71の切欠き部73が変形し、前記
係止用爪部74がホルダーベース75の溝部76から徐
々に外れようとする。更にクラッチ外輪12が回転する
と、図16に示すように前記切欠き部73は大きく変形
し、なおかつ前記基板部71aも全体的に変形するの
で、前記係止用爪部74がホルダーベース75の溝部7
6から完全に外れる。
【0050】この時、ホルダーベース75は、ベース側
壁90aの係止孔に嵌入された係止突起77によって移
動が阻止されているので、ホルダープレート71の切欠
き部73は確実に変形し、係止用爪部74はホルダーベ
ース75の溝部76から確実に外れるようになってい
る。また、ホルダープレート71の弾性保持片72a,
72bは、ローラーピン10が巻取り軸中心方向へ移動
するのは容易だが、巻取り軸の半径方向外方へ移動する
際には抵抗力が生じるように構成されている。即ち、弾
性保持片72a,72bは、ローラーピン10のほぼ半
分の位置より半径方向外側で折り曲げしぼり形成される
ことにより、半径方向外側部の剛性が高められてローラ
ーピン10が容易に半径方向外方に外れない構造とされ
ると共に、ローラーピン10のほぼ半分の位置より巻取
り軸中心側では主に弾性的にローラーピン10を保持す
る板バネ構造とされている。従って、前記係止用爪部7
4がホルダーベース75の溝部76から外れる時の変形
により、ローラーピン10を強制的にクラッチリング1
4に押し付け、更に食い込みを確実なものとすることが
できる。
【0051】そして更にクラッチ外輪12が駆動手段6
により回転させられると、該クラッチ外輪12はローラ
ーピン10を介してクラッチリング14を一体的に矢印
1方向に回転駆動し、ウェビング20を巻取る方向に
巻取り軸4を回転させるので、ウェビング20が締め付
けられ、シートベルトの遊びが除去される。この際、ク
ラッチ外輪12が回転して係止用爪部74がホルダーベ
ース75の溝部76から外れた後も、該係止用爪部74
はホルダーベース75の内側面と圧接して摩擦抵抗を生
じ、ホルダープレート71が回転抵抗を受けながらベー
ス側壁90aに対して相対回転するように構成されてい
るので、矢印X1 方向に移動するローラーピン10に対
しては一定の回転抵抗を付与することができる。
【0052】従って、本第3実施例のクラッチ機構70
においては、クラッチリング14とクラッチ外輪12と
の間に噛み込んでいるローラーピン10が何らかの原因
で一旦外れても、直ちにまた噛み込むことができるの
で、例えば駆動手段6の作動直後のように駆動力変化の
激しい時でも、ローラーピン10はクラッチリング14
とクラッチ外輪12との間に常時噛み込むことができ、
クラッチ外輪12の駆動力を確実にクラッチリング14
へ伝達することができる。
【0053】図17及び図18は本発明の第4実施例に
基づくプリテンショナー付きシートベルト用リトラクタ
ーに係るクラッチ機構80の要部拡大図及び断面図であ
り、前記第3実施例のクラッチ機構70と同様の構成部
材に関しては同符号を付して詳細な説明を省略する。前
記クラッチ機構80は、前記第3実施例のクラッチ機構
70とほぼ同様に、クラッチリング14の外周面との間
にくさび状の空間を構成する4つのカム面12bを形成
されたクラッチ外輪12と、該クラッチ外輪12の各く
さび状空間内に配設されたローラーピン10とを備えて
いる。該クラッチ機構80は、前記第3実施例のクラッ
チ機構70における保持手段を構成するホルダープレー
ト71及びホルダーベース75に代えて、ホルダープレ
ート81及びホルダーベース85を用いたものである。
【0054】前記ホルダープレート81は、ブッシュ7
9を介してベース側壁90aに支持される巻取り軸4が
挿通される円孔を備えた略円板状の基板部81aと、該
基板部81aの軸線方向に沿って延びるように屈曲形成
された四対の保持片である弾性保持片82a,82bと
を備えており、前記基板部81aの外周縁には少なくと
も一つの羽根部84が突設される(本実施例においては
一対)。又、前記ホルダーベース85には、図19に示
すような断面コ字形状の環状リブ86が突設されてお
り、前記羽根部84に対応する環状リブ86には開口保
持部86aが設けられている。そこで、前記ホルダープ
レート81は、羽根部84が開口保持部86aから外方
へ突出するようにセットされてホルダーベース85に係
止される。更に、該ホルダーベース85には、ベース側
壁90aの対応する係止孔に嵌入されて該ホルダーベー
ス85の移動を阻止する円柱状の四つの係止突起87が
突設されている。
【0055】ここで、前記羽根部84の一端には刃部8
4aが形成されており、弾性保持片82a,82bに所
定以上の回転トルクが作用した際には羽根部84が環状
リブ86を剪断しながら回転する。即ち、該ホルダープ
レート81は、前記第3実施例のホルダープレート71
と同様に、所定以上の回転トルクが作用した際には回転
抵抗を受けながらベース側壁90aに対して相対回転で
きるように構成されている。尚、ホルダープレート81
及びホルダーベース85は、ポリアセタール及びナイロ
ン等の合成樹脂材料や、アルミニウム、亜鉛、ステンレ
ス及び鋼板の薄板バネ材等の金属材料からなるが、ホル
ダープレート81はホルダーベース85よりも硬い材質
であることが好ましい。即ち、羽根部84が環状リブ8
6を剪断することのできる組合せが好ましい。
【0056】次に、上記クラッチ機構80の動作につい
て説明する。プリテンショナーが作動して前述の駆動手
段6がクラッチ外輪12を矢印X1方向へ回転駆動する
と、ホルダープレート81により回転方向への動きを規
制されたローラーピン10がカム面12bによって巻取
り軸中心方向へ付勢される。この時、前記ホルダープレ
ート81の弾性保持片82a,82bは、ローラーピン
10がクラッチリング14の外周面とカム面12bとの
間に確実に食い込むまでは巻取り軸中心方向への移動を
保持片の弾性又は塑性変形によって可能とする。
【0057】そこで、前記ローラーピン10がクラッチ
リング14の外周面とカム面12bとの間に確実に食い
込む位置まで移動すると、クラッチ外輪12の回転がク
ラッチリング14に伝達され、これらクラッチリング1
4及びローラーピン10はクラッチ外輪12と一体的に
矢印X1 方向に回転しようとする。そして、ローラーピ
ン10が矢印X1 方向に回転しようとする力が所定値以
上になり、弾性保持片82a,82bに所定以上の回転
トルクが作用した際には、ホルダープレート81の羽根
部84が環状リブ86との係合部を剪断しながら回転を
始める。
【0058】そして更にクラッチ外輪12が駆動手段6
により回転させられると、該クラッチ外輪12はローラ
ーピン10を介してクラッチリング14を一体的に矢印
1方向に回転駆動し、ウェビング20を巻取る方向に
巻取り軸4を回転させるので、ウェビング20が締め付
けられ、シートベルトの遊びが除去される。この際、ホ
ルダープレート81が回転を始めても、環状リブ86が
完全に剪断されず残っている間は羽根部84が環状リブ
86との係合部を剪断して剪断抵抗を生じ、該ホルダー
プレート81が回転抵抗を受けながらベース側壁90a
に対して相対回転するように構成されているので、矢印
1 方向に移動するローラーピン10に対しては一定の
回転抵抗を付与することができる。
【0059】従って、本第4実施例のクラッチ機構80
においても、前記第3実施例のクラッチ機構70と同様
に、クラッチリング14とクラッチ外輪12との間に噛
み込んでいるローラーピン10が何らかの原因で一旦外
れても、直ちにまた噛み込むことができる。尚、羽根部
84の数又は剪断部である環状リブ86の長さを変化さ
せることにより、最適な回転抵抗を与える角度を設定す
ることができる。
【0060】尚、本発明におけるクラッチ機構、増速歯
車伝動装置及び戻り防止機構等は、上記各実施例の構成
に限定されるものではなく、種々の形態を採りうること
は言うまでもない。例えば、本発明におけるクラッチ機
構としては、上記各実施例におけるクラッチ機構30,
55,70,80の構成に限らず、本発明の主旨に基づ
く公知のクラッチ機構を用いることができる。そこで、
噛み合い要素として本実施例では円筒状のローラーピン
を用いて説明しているが、球形状の噛み合い要素を用い
ることもできる。又、回転駆動部材であるクラッチ外輪
のカム面、保持手段及び保持手段の係止方法等の形状や
構成は適宜変更可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明のプリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクターによれば、車両衝突時にラックがガ
ス圧力で押圧駆動されてピニオンギヤを回転駆動するの
で、駆動力を伝達するためのピストンロッド等が挿通さ
れる開口をガス発生器ケースに設ける必要がなく、ガス
圧力は漏れることなくほぼ全てラックの駆動力に有効に
利用される。又、ピニオンギヤの回転は増速歯車伝動装
置により増速回転されて回転駆動部材に伝達されるの
で、ラックは短いラックストロークで充分に巻取り軸を
ウェビング巻取り方向へ回転させることができる。そこ
で、プリテンショナーをコンパクトに構成することがで
きる。
【0062】更に、巻取り軸と回転駆動部材との間には
クラッチ機構が設けられており、ピニオンギヤとラッ
ク、及び増速歯車伝動装置を構成する各歯車は、初期状
態においても互いの歯が噛み合った状態とすることがで
きるので、ラックが駆動ガスの膨張圧力により急激に押
圧駆動される際も歯車の歯先同士は互いに衝突すること
がなく、歯の破損を防止することができると共に駆動力
を巻取り軸にスムーズに伝達することができる。
【0063】従って、駆動手段のガス圧力を有効に利用
すると共に巻締め駆動力を巻取り軸にスムーズに伝達す
ることができ、ベルト巻締め動作完了後の伸び出しをも
防止することができるコンパクトなプリテンショナー付
きシートベルト用リトラクターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に基づくプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクターの正面図である。
【図2】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の一部分である。
【図3】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の残り部分である。
【図4】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の残り部分である。
【図5】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクター1のA−A断面矢視図である。
【図6】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクター1のB−B断面矢視図である。
【図7】図5に示したプリテンショナーのC−C断面矢
視図である。
【図8】図6に示したクラッチ機構の作動状態を説明す
るための要部断面図である。
【図9】本発明の第2実施例に基づくプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクターの一部分である。
【図10】図9に示したプリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクターの要部分解矢視図の残り部分であ
る。
【図11】本発明の第3実施例に基づくプリテンショナ
ー付きシートベルト用リトラクターに係るクラッチ機構
の要部拡大図である。
【図12】図11に示したクラッチ機構のD−D断面矢
視図である。
【図13】図11に示したクラッチ機構の作動状態を説
明するための一部拡大図である。
【図14】図11に示したクラッチ機構の作動状態を説
明するための一部拡大図である。
【図15】図11に示したクラッチ機構の作動状態を説
明するための一部拡大図である。
【図16】図11に示したクラッチ機構の作動状態を説
明するための一部拡大図である。
【図17】本発明の第4実施例に基づくプリテンショナ
ー付きシートベルト用リトラクターに係るクラッチ機構
の要部拡大図である。
【図18】図17に示したクラッチ機構のE−E断面矢
視図である。
【図19】図17に示したクラッチ機構のF−F断面矢
視図である。
【符号の説明】
1 プリテンショナー付きシートベルト用リトラクタ
ー 3 プリテンショナー 4 巻取り軸 5 巻取りバネ装置 6 駆動手段 7 巻取りリール 8 ホルダー 9a ローラーピン保持片 9b ローラーピン保持片 10 ローラーピン 11 リトラクターベース 12 クラッチ外輪 14 クラッチリング 15 遊星歯車 16 遊星歯車ケース 17 回転円板 19 ピン 21 ピニオンギヤ 22 ラックギヤケース 24 シリンダー 25 ラック 27 ピストン 29 ガス発生器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピニオンギヤを介してリトラクターの巻
    取り軸に回転トルクを伝達可能なラックを車両衝突時に
    ガス圧力で押圧駆動することにより、巻取り軸をシート
    ベルトの弛みが除去される方向に回転させるプリテンシ
    ョナーを備えたシートベルト用リトラクターであって、 クラッチ機構によりプリテンショナー非作動時には巻取
    り軸に非接続とされ、プリテンショナー作動時には巻取
    り軸に接続されて回転トルクを巻取り軸に伝達可能な回
    転駆動部材と、 前記ラックと常時噛み合わされた前記ピニオンギヤの回
    転により前記回転駆動部材を増速回転させるべくピニオ
    ンギヤと回転駆動部材の間に配設された増速歯車伝動装
    置とを有するプリテンショナー付きシートベルト用リト
    ラクター。
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