JP2000302012A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JP2000302012A JP11127050A JP12705099A JP2000302012A JP 2000302012 A JP2000302012 A JP 2000302012A JP 11127050 A JP11127050 A JP 11127050A JP 12705099 A JP12705099 A JP 12705099A JP 2000302012 A JP2000302012 A JP 2000302012A
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shaft
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智紀 永田
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    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエビングベルトを強制的に、且つ、効率よ
く巻き取ることができるウエビング巻取り装置を得る。 【解決手段】巻取軸20の大径軸部28を軸支する軸受
本体52の内周部には複数の突出部54が形成されてい
る。これらの突出部54は大径軸部28の外周部へ線接
触しており、これによって、軸受本体52が突出部54
を介して間接的に大径軸部28を軸支している。突出部
54は大径軸部28に対して線接触しているため、接触
面積は極めて小さくなり、突出部54と大径軸部28と
の間の摩擦抵抗で突出部54が容易に塑性変形する。こ
のため、大径軸部28の回転の妨げとなる抵抗が小さく
なり、ガスの圧力を効率よく巻取軸20の回転に供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエビングベルト
によって車両の乗員を拘束するシートベルト装置におけ
るウエビング巻取装置に係り、特に、急制動状態におい
て強制的にウエビングベルトを所定量巻き取る所謂プリ
テンショナを備えたウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の車両においては、車両の乗員を長
尺帯状のウエビングベルトによって拘束する所謂シート
ベルト装置が搭載されている。また、この種のシートベ
ルト装置には、車両が急減速状態になった場合に、ウエ
ビングベルトを巻き取る方向へ巻取軸を強制的に所定量
回転させ、ウエビングベルトを所定量強制的に巻き取る
ことで一時的にウエビングベルトによる拘束力を増加さ
せると共に、乗員の車両前方側への移動を制限する所謂
プリテンショナを備えたタイプもある。
【0003】この種のプリテンショナは、着火されるこ
とにより急速にガスを発生するガス発生剤やこのガス発
生剤を着火するための着火剤等の薬剤を収容したシリン
ダを備えており、更にこのシリンダの内部にはピストン
が収容されている。このピストンの一端にはラックバー
の長手方向一端が固着されている。ラックバーの長手方
向他端側側方には巻取軸の一端に同軸的に形成されたピ
ニオンギヤが位置している。ラックバーは通常ピニオン
ギヤから離間しており、ピニオンギヤへ接近する方向へ
自らの長手方向に沿って移動することでピニオンギヤへ
噛み合うことができるようになっている。
【0004】車両の急減速状態を加速度センサ等の検知
手段が検知して、着火剤がガス発生剤を着火すると、急
速にガスが発生し、このガスによってピストンがシリン
ダの内部を摺動する。ピストンが摺動することでラック
バーが一体的にピニオンギヤへ接近する方向へ自らの長
手方向に沿って移動してピニオンギヤへ噛み合い、ピニ
オンギヤを回転させる。このピニオンギヤの回転により
巻取軸が回転してこの回転量に応じた長さ分だけウエビ
ングベルトが巻き取られる構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した巻
取軸は、通常、金属板等によって形成されたハウジング
に設けられた軸受部に回転自在に軸支されている。一般
に、軸受部は巻取軸の外周方向に沿ってその外周面に面
接触している。このため、例えば、ピニオンギアへラッ
クバーが噛合した際に巻取軸が偏心させられ、この状態
で巻取軸が回転させられると、巻取軸は軸受部の内周部
へ圧接させられた状態で回転するため、摩擦抵抗が大き
くなり、この摩擦抵抗によってプリテンショナがラック
バー及びピニオンギヤを介して強制的に巻取軸を回転さ
せる力が熱エネルギーに変換され、実際に巻取軸を回転
に供される寄与分が減少してしまう。特に、軽量化を図
るために、軸受部に巻取軸を構成する金属材料よりも剛
性が低い合成樹脂材等を使用した場合には、上記の摩擦
抵抗により軸受部の内周部が塑性変形され、軸受部の内
周面が荒れ、更に摩擦抵抗を増大させてしまう。
【0006】このように、従来のプリテンショナを備え
たウエビング巻取装置では、摩擦抵抗によって生じるプ
リテンショナの巻取軸を回転させる力の減少を予め考慮
しなければならず、その分、ガスの発生量を多くしなけ
ればならない。このため、装置が大型化してしまってい
た。
【0007】本発明は、上記事実を考慮してウエビング
ベルトを強制的に、且つ、効率よく巻き取ることができ
るウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のウエビン
グ巻取装置は、乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビ
ングベルトの基端部が固着されると共に前記ウエビング
ベルトを巻き取る巻取方向へ付勢された巻取軸と、所定
の条件下で前記巻取方向へ向けて前記巻取軸を回転させ
るプリテンショナと、前記巻取軸の外径寸法よりも内径
寸法が大きく内側へ同軸的に前記巻取軸が差し込まれる
内周部を有する軸受手段と、前記軸受手段の内周部及び
前記巻取軸の外周部の何れか一方に何れか他方へ向けて
突出形成され、前記何れか一方と対向する側の前記何れ
か他方の面積に対して極めて小さな部分で前記何れか他
方へ接触する突出部と、を備えている。
【0009】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
車両急減速時等の所定の条件下でプリテンショナが作動
すると、プリテンショナが巻取軸を巻取方向へ回転さ
せ、ウエビングベルトによる乗員の身体の拘束力を増加
させる。
【0010】ところで、本発明において巻取軸は軸受手
段の内側へ配置されており、軸受手段の内周部及び巻取
軸の外周部の何れか一方に形成された突出部が何れか他
方へ極めて小さな部分で接触することにより巻取軸が軸
受手段に軸支される。
【0011】巻取軸が回転している状態で巻取軸の半径
方向に沿った方向の外力が巻取軸に付与されると巻取軸
が偏心し、これにより、当該変位方向側で軸受手段の内
周部と巻取軸の外周部との間の間隔が縮まる。このと
き、前記何れか他方は前記何れか一方に対して相対回転
しながら突出部を押圧して変形させようとする。しかし
ながら、突出部の前記何れか他方に対する接触部分は、
前記何れか一方と対向する側の前記何れか他方の面積に
比べて極めて小さいため、押圧力が突出部に集中し、こ
れにより突出部は容易に塑性変形する。このように、突
出部が容易に塑性変形することで、突出部が前記何れか
他方の回転に対する抵抗は比較的小さくなり、巻取軸の
回転に対する支障が少なく、巻取軸が偏心しても巻取軸
を円滑に回転させることができる。
【0012】また、軸受手段の内周部は巻取軸の外周部
よりも内径寸法が大きいため、巻取軸の回転方向に沿っ
た突出部の側方には軸受手段の内周部と巻取軸の外周部
との間の隙間がある。上述したように、巻取軸が偏心し
た状態で回転すると、突出部が塑性変形するが、突出部
の塑性変形した部分は前記何れか一方に対する前記何れ
か他方の相対回転により、その回転方向に引きずられ、
上記の隙間に納まる。したがって、塑性変形した部分が
巻取軸の回転の障害になるようなことはなく、この意味
でも巻取軸を円滑に回転させることができる。
【0013】なお、本発明において、突出部の前記何れ
か他方との接触部分は相対的に見て、前記何れか他方の
前記何れか一方と対向する部分における面積に対して極
めて小さければ、基本的に上述した作用を奏する。した
がって、前記何れか他方に対する突出部の接触態様は、
面接触、線接触、並びに点接触の何れでも構わないが、
接触部分が小さい方が好ましいという観点からすれば、
面接触よりも線接触の方がよい。
【0014】請求項2記載のウエビング巻取装置は、乗
員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端
部が固着されると共に前記ウエビングベルトを巻き取る
巻取方向へ付勢された軸本体を有する巻取軸と、少なく
とも所定の条件下で前記巻取軸へ機械的に連結される回
転体を有し、当該所定の条件下で前記回転体を特定方向
へ回転させて前記巻取軸を前記巻取方向へ回転させるプ
リテンショナと、内径寸法が前記回転体の外径寸法より
も大きく、且つ、その内側に前記回転体が配置された軸
受手段と、前記軸受手段の内周部又は前記内側に配置さ
れた側の外周部の何れか一方に形成され突出形成され、
前記何れか一方と対向する側の前記何れか他方の面積に
対して極めて小さな部分で前記何れか他方へ接触する突
出部と、を備えている。
【0015】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
車両急減速状態等の所定の条件下でプリテンショナが作
動すると、回転体が特定方向へ回転させられる。少なく
ともこの所定条件下では回転体は巻取軸へ連結されて回
転体の回転が巻取軸へ伝達され、特定方向へ回転する回
転体は巻取軸を巻取方向へ回転させ、これによってウエ
ビングベルトによる乗員の身体の拘束力を増加させる。
【0016】ところで、本発明において回転体は、軸受
手段の内周部及び前記回転体の外周部の何れか一方に形
成された突出部が何れか他方へ極めて小さな部分で接触
することにより軸受手段に軸支される。
【0017】また、回転体の回転状態で回転体の回転半
径方向に沿った方向の外力が回転体に付与されると回転
体が偏心し、これにより、当該変位方向側で軸受手段の
内周部と回転体の外周部との間の間隔が縮まる。このと
き、前記何れか他方は前記何れか一方に対して相対回転
しながら突出部を押圧して変形させようとする。しかし
ながら、突出部の前記何れか他方に対する接触部分は、
前記何れか一方と対向する側の前記何れか他方の面積に
比べて極めて小さいため、押圧力が突出部に集中し、こ
れにより突出部は容易に塑性変形する。このように、突
出部が容易に塑性変形することで、突出部が前記何れか
他方の回転に対する抵抗は比較的小さくなり、回転体の
回転に対する支障が少なく、回転体が偏心しても回転体
を円滑に回転させることができる。
【0018】また、軸受手段の内周部は回転体の外周部
よりも内径寸法が大きいため、回転体の回転方向に沿っ
た突出部の側方には軸受手段の内周部と回転体の外周部
との間の隙間がある。上述したように、回転体が偏心し
た状態で回転すると、突出部が塑性変形するが、突出部
の塑性変形した部分は前記何れか一方に対する前記何れ
か他方の相対回転により、その回転方向に引きずられ、
上記の隙間に納まる。したがって、塑性変形した部分が
回転体の回転の障害になるようなことはなく、この意味
でも回転体を円滑に回転させることができる。
【0019】なお、本発明において、突出部の前記何れ
か他方との接触部分は相対的に見て、前記何れか他方の
前記何れか一方と対向する部分における面積に対して極
めて小さければ、基本的に上述した作用を奏する。した
がって、前記何れか他方に対する突出部の接触態様は、
面接触、線接触、並びに点接触の何れでも構わないが、
接触部分が小さい方が好ましいという観点からすれば、
面接触よりも線接触の方がよい。
【0020】請求項3記載のウエビング巻取装置は、請
求項1又は請求項2記載の本発明において、前記巻取軸
及び前記回転体のうち前記軸受手段の内側に配置された
方の外周部、及び、前記軸受手段の内周部のうちの何れ
か剛性の低い方に前記突出部を形成したことを特徴とし
ている。
【0021】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
巻取軸及び回転体のうち軸受手段の内側に配置された方
の外周部、及び、軸受手段の内周部のうちの何れか剛性
の低い方に突出部を形成したため、巻取軸或いは回転体
が偏心した状態で回転すると、その剛性差により、突出
部が必ず塑性変形させられ、相対的に剛性が低く突出部
が形成されていない側が、突出部に対する相対回転によ
り塑性変形させられることは基本的にない。このため、
請求項1記載の本発明が奏する作用をより一層確実に奏
することになり、巻取軸或いは回転体を円滑に回転させ
ることができる。
【0022】請求項4記載のウエビング巻取装置は、請
求項1乃至請求項3の何れかに記載の本発明において、
自らの軸周りに回転可能であると共に少なくとも特定方
向の回転状態において前記巻取軸及び前記回転体のうち
前記軸受手段の内側に配置された方へ機械的に連結さ
れ、当該特定方向の回転を前記軸受手段の内側へ配置さ
れた方へ伝えて前記巻取軸を前記巻取方向へ回転させる
ピニオンギヤと、前記軸受手段の内側へ配置された方の
外周に対する接線方向へのスライド移動により前記ピニ
オンギヤへ噛み合い可能に設けられ、前記所定の条件下
で前記接線方向へスライド移動させられて前記ピニオン
ギヤへ噛み合い前記ピニオンギヤを前記特定方向へ回転
させるラックバーと、を含んで前記プリテンショナを構
成すると共に、前記軸受手段の内側へ配置された方を介
して前記ラックバーとは反対側で且つ前記ラックバーと
前記ピニオンギヤとの噛合面方向に沿って前記巻取軸の
外周部と対向する側の前記軸受手段の内周部に前記突出
部を形成した、ことを特徴としている。
【0023】上記構成のウエビング巻取装置では、プリ
テンショナを構成するスライド手段がラックバーをスラ
イド移動させると、ラックバーがピニオンギヤへ噛み合
ってピニオンギヤを回転させ、これによって、巻取軸が
ウエビングベルトを巻き取る巻取方向へ回転させられ
る。
【0024】ところで、ラックバーはその歯がピニオン
ギヤの歯を押圧することでピニオンギヤを回転させるわ
けであるが、ラックバーはピニオンギヤをその噛合面方
向へ押圧するため、その押圧方向に沿ってピニオンギヤ
が偏心する。ここで、本ウエビング巻取装置では、軸受
手段の内周部のうち、巻取軸及び回転体のうちの軸受手
段の内側へ配置された方を介してラックバーとは反対側
で且つ上述した噛合面方向に沿って巻取軸の外周部と対
向する位置、すなわち、ラックバーがピニオンギヤへ噛
み合ってピニオンギヤが偏心した場合の軸受手段の内側
へ配置された方の偏心方向に対応して突出部が形成され
ている。このため、ピニオンギヤが偏心すると、軸受手
段の内側へ配置された方の外周部が突出部を押圧して塑
性変形させる。
【0025】上述したように、軸受手段の内側へ配置さ
れた方は回転する際に突出部を押圧して塑性変形させる
ことで軸受手段の内側へ配置された方が偏心しても巻取
軸を円滑に回転させることができるため、特に、本ウエ
ビング巻取装置では、プリテンショナが作動した際に巻
取軸を円滑に回転させることができる。
【0026】請求項5記載のウエビング巻取装置は、乗
員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端
部が固着されると共に前記ウエビングベルトを巻き取る
巻取方向へ付勢された軸本体を有する巻取軸と、少なく
とも所定の条件下で前記巻取軸へ機械的に連結されて特
定方向へ回転し、前記巻取軸を前記巻取方向へ回転させ
る回転体を収容した収容部を有すると共に、前記収容部
よりも高剛性とされ前記回転体を軸支する軸受部が設け
られ、前記軸受部が前記回転体を軸支した状態で前記収
容部に連結されて前記回転体を覆うカバーを有するプリ
テンショナと、前記巻取軸又は前記回転体が内側に配置
されると共に、前記巻取軸及び前記回転体のうちの前記
内側に配置された方の外径寸法よりも内径寸法が十分に
大きな軸受手段と、前記軸受手段の内周部又は前記内側
に配置された側の外周部の何れか一方に形成され突出形
成され、前記何れか一方と対向する側の前記何れか他方
の面積に対して極めて小さな部分で前記何れか他方へ接
触する突出部と、を備えている。
【0027】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
プリテンショナが作動して回転体が特定の方向へ回転す
ると、回転体が巻取軸へ機械的に連結され、巻取軸を巻
取方向へ回転させる。これによってウエビングベルトに
よる乗員の身体の拘束力を増加させる。
【0028】ところで、本ウエビング巻取装置では、巻
取軸及び回転体のうちの何れかは軸受手段の内側に配置
されており、軸受手段の内周部及びこの軸受手段の内側
に配置された方の外周部の何れか一方に形成された突出
部が何れか他方へ極めて小さな部分で接触することによ
り軸受手段の内側に配置された方が軸受手段に軸支され
る。
【0029】前記軸受手段の内側に配置されている方が
回転している状態で前記軸受手段の内側に配置されてい
る方の半径方向に沿った方向の外力が前記軸受手段の内
側に配置されている方に付与されると前記軸受手段の内
側に配置されている方が偏心し、これにより、当該変位
方向側で軸受手段の内周部と前記軸受手段の内側に配置
されている方の外周部との間の間隔が縮まる。このと
き、前記何れか他方は前記何れか一方に対して相対回転
しながら突出部を押圧して変形させようとする。しかし
ながら、突出部の前記何れか他方に対する接触部分は、
前記何れか一方と対向する側の前記何れか他方の面積に
比べて極めて小さいため、押圧力が突出部に集中し、こ
れにより突出部は容易に塑性変形する。このように、突
出部が容易に塑性変形することで、突出部が前記何れか
他方の回転に対する抵抗は比較的小さくなり、前記軸受
手段の内側に配置されている方の回転に対する支障が少
なく、前記軸受手段の内側に配置されている方が偏心し
ても円滑に回転させることができる。
【0030】また、軸受手段の内周部は前記軸受手段の
内側に配置されている方の外周部よりも内径寸法が大き
いため、前記軸受手段の内側に配置されている方の回転
方向に沿った突出部の側方には軸受手段の内周部と前記
軸受手段の内側に配置されている方の外周部との間の隙
間がある。上述したように、前記軸受手段の内側に配置
されている方が偏心した状態で回転すると、突出部が塑
性変形するが、突出部の塑性変形した部分は前記何れか
一方に対する前記何れか他方の相対回転により、その回
転方向に引きずられ、上記の隙間に納まる。したがっ
て、塑性変形した部分が前記軸受手段の内側に配置され
ている方の回転の障害になるようなことはなく、この意
味でも前記軸受手段の内側に配置されている方を円滑に
回転させることができる。
【0031】さらに、本発明では、上述したプリテンシ
ョナを構成する回転体を収容する収容部よりも、回転体
を覆うカバーに形成されて回転体を軸支する軸受部の方
が高剛性とされる。すなわち、軸受部に回転体を十分に
軸支できるだけの強度(剛性)を与えてやれば、単に回
転体を収容するだけの収容部の強度(剛性)は軸受部ほ
どの強度を必要としない。したがって、本発明のよう
に、軸受部を収容部よりも高剛性とすることで、収容部
には比較的軽量でしかも低強度ゆえに安価な材料を使用
できる。このため、プリテンショナの軽量化並びにコス
トダウンを図ることができ、ひいては、ウエビング巻取
装置の軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
【0032】なお、本発明において、突出部の前記何れ
か他方との接触部分は相対的に見て、前記何れか他方の
前記何れか一方と対向する部分における面積に対して極
めて小さければ、基本的に上述した作用を奏する。した
がって、前記何れか他方に対する突出部の接触態様は、
面接触、線接触、並びに点接触の何れでも構わないが、
接触部分が小さい方が好ましいという観点からすれば、
面接触よりも線接触の方がよい。
【0033】また、本発明でいう軸受部とは、回転体を
軸支できる構造のものであれば、その態様に限定される
ものではないが、例えば、回転体を実質的に軸支する部
分が単なる孔の場合、軸受部は当然この孔をさすが、こ
の場合の軸受部の剛性とは、孔が形成された部材(特
に、この部材のうちの孔の周囲)をさす。
【0034】請求項6記載のウエビング巻取装置は、乗
員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端
部が固着されると共に前記ウエビングベルトを巻き取る
巻取方向へ付勢された軸本体を有する巻取軸と、少なく
とも所定の条件下で前記巻取軸へ機械的に連結されて特
定方向へ回転し、前記巻取軸を前記巻取方向へ回転させ
る回転体、並びに、前記回転体に係合し、前記所定の条
件下で前記回転体の回転周方向に対する接線方向へスラ
イド移動して前記特定の方向へ前記回転体を回転させる
スライド部材の双方を収容する収容部を有すると共に、
前記収容部よりも高剛性の制限部が前記スライド部材と
対向して形成され、前記収容部に連結されて前記回転体
及び前記スライド部材を覆うカバーを有するプリテンシ
ョナと、前記巻取軸又は前記回転体が内側に配置される
と共に、前記巻取軸及び前記回転体のうちの前記内側に
配置された側の外径寸法よりも内径寸法が十分に大きな
軸受手段と、前記軸受手段の内周部又は前記内側に配置
された側の外周部の何れか一方に形成され突出形成さ
れ、前記何れか一方と対向する側の前記何れか他方の面
積に対して極めて小さな部分で前記何れか他方へ接触す
る突出部と、を備えている。
【0035】上記構成のウエビング巻取装置によれば、
プリテンショナが作動してスライド部材がスライドする
と、スライド部材が回転体に係合して回転体を特定の方
向へ回転させる。特定の方向へ回転する回転体は、巻取
軸へ機械的に連結され、巻取軸を巻取方向へ回転させ、
これによって、これによってウエビングベルトによる乗
員の身体の拘束力を増加させる。
【0036】ところで、本ウエビング巻取装置では、巻
取軸及び回転体のうちの何れかは軸受手段の内側に配置
されており、軸受手段の内周部及びこの軸受手段の内側
に配置された方の外周部の何れか一方に形成された突出
部が何れか他方へ極めて小さな部分で接触することによ
り軸受手段の内側に配置された方が軸受手段に軸支され
る。
【0037】前記軸受手段の内側に配置された方が回転
している状態で前記軸受手段の内側に配置された方の半
径方向に沿った方向の外力が前記軸受手段の内側に配置
された方に付与されると前記軸受手段の内側に配置され
た方が偏心し、これにより、当該変位方向側で軸受手段
の内周部と前記軸受手段の内側に配置された方の外周部
との間の間隔が縮まる。このとき、前記何れか他方は前
記何れか一方に対して相対回転しながら突出部を押圧し
て変形させようとする。しかしながら、突出部の前記何
れか他方に対する接触部分は、前記何れか一方と対向す
る側の前記何れか他方の面積に比べて極めて小さいた
め、押圧力が突出部に集中し、これにより突出部は容易
に塑性変形する。このように、突出部が容易に塑性変形
することで、突出部が前記何れか他方の回転に対する抵
抗は比較的小さくなり、前記軸受手段の内側に配置され
た方の回転に対する支障が少なく、前記軸受手段の内側
に配置された方が偏心しても前記軸受手段の内側に配置
された方を円滑に回転させることができる。
【0038】また、軸受手段の内周部は前記軸受手段の
内側に配置された方の外周部よりも内径寸法が大きいた
め、前記軸受手段の内側に配置された方の回転方向に沿
った突出部の側方には軸受手段の内周部と前記軸受手段
の内側に配置された方の外周部との間の隙間がある。上
述したように、前記軸受手段の内側に配置された方が偏
心した状態で回転すると、突出部が塑性変形するが、突
出部の塑性変形した部分は前記何れか一方に対する前記
何れか他方の相対回転により、その回転方向に引きずら
れ、上記の隙間に納まる。したがって、塑性変形した部
分が前記軸受手段の内側に配置された方の回転の障害に
なるようなことはなく、この意味でも前記軸受手段の内
側に配置された方を円滑に回転させることができる。
【0039】さらに、本発明では、上述したプリテンシ
ョナを構成する回転体を収容する収容部よりも、カバー
に形成された制限部の方が高剛性とされる。このため、
スライド部材が変位して制限部に当接するようなことが
あっても、制限部によってそれ以上のスライド部材の変
位が規制される。また、制限部にスライド部材の当接に
耐えうるだけの強度(剛性)を与えてやれば、単に回転
体を収容するだけの収容部の強度(剛性)は制限部ほど
の強度を必要としない。したがって、本発明のように、
制限部を収容部よりも高剛性とすることで、収容部には
比較的軽量でしかも低強度ゆえに安価な材料を使用でき
る。このため、プリテンショナの軽量化並びにコストダ
ウンを図ることができ、ひいては、ウエビング巻取装置
の軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
【0040】なお、本発明において、突出部の前記何れ
か他方との接触部分は相対的に見て、前記何れか他方の
前記何れか一方と対向する部分における面積に対して極
めて小さければ、基本的に上述した作用を奏する。した
がって、前記何れか他方に対する突出部の接触態様は、
面接触、線接触、並びに点接触の何れでも構わないが、
接触部分が小さい方が好ましいという観点からすれば、
面接触よりも線接触の方がよい。
【0041】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施の形態
に係るウエビング巻取装置10の分解斜視図が示されて
いる。この図に示されるようにウエビング巻取装置10
はフレーム12を備えている。ステンレス板等の金属板
材により板状に形成された基部14と、この基部14の
幅方向一端から基部14の厚さ方向に沿って略直角に屈
曲されて延出された金属製の側壁部16、及び、図1に
おいて図示はしないが基部14の幅方向他端から側壁部
16に対して平行に延出された側壁部により構成されて
いる。
【0042】基部14の側壁部16には円孔18が形成
されており、基部14の幅方向(側壁部16の厚さ方
向)に沿って軸方向とされると共にフレーム12よりも
剛性が低い合成樹脂材によって形成された巻取軸20が
貫通配置されている。この巻取軸20の軸方向一端は、
上述した側壁部16の厚さ方向に沿って側壁部16と対
向する側壁部に円孔18に対して同軸的に設けられた軸
受部(図示省略)へ回転可能に軸支されている。この軸
受部に軸支された部分よりも巻取軸20の軸方向他端側
は円孔18よりも小径のウエビング係止部22とされ、
図1に二点鎖線で示される長尺帯状のウエビングベルト
24の基端部が固着されており、巻取軸20を自らの軸
周りに図1の矢印A方向へ回転させるとウエビングベル
ト24が巻取軸20のウエビング係止部22周りに巻き
取られる。ここで、この巻取軸20は渦巻きコイルスプ
リング等の付勢手段(図示省略)によって、常に図1の
矢印A方向へ向けて付勢されており、この付勢力に抗し
た外力が直接或いは間接的にさようしていない状態で
は、巻取軸20を図1の矢印A方向へ向けて回転させ、
強制的に巻取軸20のウエビング係止部22周りにウエ
ビングベルト24を巻き取るようになっている。
【0043】また、ウエビング係止部22の軸方向他端
側にはウエビング係止部22よりも大径で且つ円孔18
よりも小径のフランジ部26がウエビング係止部22に
対して同軸的に形成されており、ウエビングベルト24
をウエビング係止部22へ巻き取る際にウエビングベル
ト24の幅方向端部へ当接して巻取軸20の軸方向に沿
ったウエビングベルト24のズレを防止している。
【0044】さらに、このフランジ部26の軸方向他端
側側方にはフランジ部26から所定距離離間して円孔1
8よりも大径の回転体としての大径軸部28が同軸的に
設けられており、フランジ部26と大径軸部28との間
でフランジ部26と大径軸部28に対して同軸的に設け
られたウエビング係止部22よりも小径の小径軸部30
を介してフランジ部26へ一体的に連結されている。こ
の大径軸部28は後述する軸受手段としての軸受32へ
回転可能に軸支され、これにより、巻取軸20の両端側
が軸支されることになる。
【0045】また、本ウエビング巻取装置10はプリテ
ンショナ40を備えている。プリテンショナ40はねじ
等の締結手段により側壁部16へ固定される金属製の蓋
部42と、蓋部42や側壁部16よりも剛性が低い合成
樹脂材により形成されたケーシング本体44と、により
構成されたケーシング46を備えている。ケーシング4
6のケーシング本体44は厚さ方向が側壁部16の厚さ
方向と同方向とされて、側壁部16の厚さ方向外側で側
壁部16に隣接して配置される底部48を有している。
底部48には大径軸部28よりも大径の孔部50が円孔
18に対して同軸的に形成されている。側壁部16の幅
方向に沿って孔部50の中心部よりも一方の側では、そ
の内径寸法が円孔18の厚さ方向外側の端面から円孔1
8に対して同軸的に突出形成されたリング状の軸受本体
52の外径よりも極僅かに大径とされ、ケーシング本体
44を円孔18へ取り付けた状態では軸受本体52の外
周部が孔部50の内周部へ接触する。
【0046】ここで、軸受本体52は、巻取軸20をフ
レーム12へ組み付けた状態でその半径方向に沿って大
径軸部28の外周部と対向するように、その軸方向寸法
等が設定されていると共に、その内径寸法は大径軸部2
8の外径寸法よりも僅かに大とされ、大径軸部28を軸
受本体52に対して同軸的に配置した際には軸受本体5
2の内周部と大径軸部28の外周部との間に隙間S(図
2参照)が形成される。
【0047】また、本ウエビング巻取装置10では、軸
受本体52の内周部に複数の突出部54が形成されてい
る。これらの突出部54は、軸受本体52の軸方向に沿
って長手方向とされており、軸受本体52の軸方向に沿
って見た場合(図2図示状態)で半円形状若しくは軸受
本体52の半径方向内側が頂点とされた三角形状(本実
施の形態では三角形状)とされ、軸受本体52の軸方向
に沿って略一様に形成されている。また、図2に示され
るように、突出部54は軸受本体52の内周方向に沿っ
て一定間隔毎に形成されているのではなく、軸受本体5
2を中心周りに4つのエリアに等分した場合(具体的に
は、図2の一点鎖線で分割される第1エリア〜第4エリ
アに分割した場合)、後述するラックバー62の歯64
とピニオンギヤ68の外歯70との噛み合い状態におけ
る当接部分が含まれるエリア(図2の第3エリア)に対
して軸対象となるエリア(図2の第1エリア)に主に形
成されている(すなわち、第2〜第4エリアの各エリア
よりも、第1エリアの方が形成される突出部54が多
い)。
【0048】孔部50の内周部から孔部50の半径方向
内側での突出部54の端部までの寸法は、概ね、上述し
た隙間Sの間隔に等しい。すなわち、孔部50の中心を
軸として、この軸周りに突出部54の端部を結んだ仮想
円の半径は、概ね、大径軸部28の外径寸法に等しく、
ウエビング巻取装置10の組立状態では突出部54の端
部が大径軸部28の外周部に接触し、突出部54を介し
て軸受本体52が大径軸部28を(すなわち、巻取軸2
0の長手方向他端側を)軸支する。ここで、上述したよ
うに、突出部54は軸受本体52の軸方向に沿って見た
場合(図2図示状態)で半円形状若しくは軸受本体52
の半径方向内側が頂点とされた三角形状とされているた
め、ウエビング巻取装置10の組立状態における突出部
54の端部と大径軸部28の外周部との接触状態は、突
出部54の端部が軸受本体52の軸方向に沿って一様に
線接触した状態となる。
【0049】一方、プリテンショナ40は、ガス圧発生
手段としてのシリンダ56を備えている。このシリンダ
56は軸方向が上述した巻取軸20の軸方向に対して直
交する方向となるように設置されており、その内部には
スライド部材としてのピストン58が摺動自在に収容さ
れている。シリンダ56の内側でピストン58とシリン
ダ56の底部との間には、起動装置、雷管、伝爆剤、ガ
ス発生剤等(何れも図示省略)が収納されており、起動
装置が作動して雷管を発火させ、伝爆剤を介してガス発
生剤が燃焼させることによってシリンダ56の底部とピ
ストン58との間で極短時間に所定量のガスが発生し、
このガスの圧力でピストン58をシリンダ56の開口端
側へ向けて強制的に摺動させるようになっている。
【0050】ピストン58を収容するシリンダ56は、
本ウエビング巻取装置10が搭載される車両(図示省
略)の所定部位に設けられ、センサ60へ直接、或い
は、コンピュータや制御回路等の制御手段を介して間接
的に接続されており、車両が衝突した場合等と同等の所
定の減速状態をセンサ60が検知した場合に、シリンダ
56内の起動装置を起動させるようになっている。
【0051】一方、シリンダ56の底部とは反対側のシ
リンダ56の端部にはラックバー62が一体的に設けら
れている。ラックバー62はシリンダ56の軸方向に沿
って長手方向とされ、その幅方向一方の端部には複数の
歯64により構成されるギヤ部66が形成されている。
このギヤ部66の歯64は、大径軸部28の小径軸部3
0とは反対側に小径軸部30に対して同軸的且つ一体的
に設けられたピニオンギヤ68の外歯70へ噛合可能に
形成されている。
【0052】以上の構成のラックバー62は、ウエビン
グ巻取装置10の組立状態において巻取軸20の軸方向
に沿って大径軸部28と対向して配置されると共に、シ
リンダ56の軸方向に沿ってシリンダ56の底部とは反
対方向へ所定距離スライド移動した状態でピニオンギヤ
68の外歯70へギヤ部66の歯64が噛み合うことが
できる位置に配置される。
【0053】このラックバー62の先端部に対応して蓋
部42にはその上端部からフレーム12側へ略直角に屈
曲された制限部としてのストッパ部84が形成されてお
り、また、ラックバー62を介してピニオンギヤ68と
は反対側にはラックバー62の幅方向一端部に対向して
蓋部42の側端部からフレーム12側へ略直角に屈曲さ
れた制限部としてのストッパ部86が形成されている。
【0054】一方、ピニオンギヤ68は上述した大径軸
部28へワンウエイクラッチ92を介して接続されてお
り、ピニオンギヤ68の巻取方向(図1の矢印A方向)
の回転のみが大径軸部28へ伝達されて大径軸部28を
回転させ、大径軸部28の回転並びにピニオンギヤ68
の巻取方向(図1の矢印A)とは反対方向の回転の他方
への伝達は遮断されるようになっている。なお、本実施
の形態では、ピニオンギヤ68と大径軸部28との間に
ワンウエイクラッチ92を配した構成であるが、ワンウ
エイクラッチ92はピニオンギヤ68とウエビング係止
部22との間に配してあればよい。したがって、例え
ば、ワンウエイクラッチ92を大径軸部28と小径軸部
30との間に配してもよい。
【0055】また、ピニオンギヤ68の大径軸部28と
は反対側の端面の軸心には軸部88が形成されており、
蓋部42に形成された軸受部としての軸受孔90に軸支
されている。
【0056】次に、本実施の形態の作用並びに効果につ
いて説明する。
【0057】本ウエビング巻取装置10によれば、巻取
軸20のウエビング係止部22に巻き取られたウエビン
グベルト24が引き出され、車両の乗員の身体に装着さ
れると、巻取軸20に付与された付勢手段(図示省略)
の付勢力によりウエビングベルト24が乗員の身体を拘
束する。
【0058】また、車両が急減速状態となったことをセ
ンサ60が検知すると、シリンダ56内の起動装置が作
動して伝爆剤を介してガス発生剤が燃焼し、極短時間の
間にシリンダ56内で所定量のガスが発生する。このガ
スの圧力でピストン58がシリンダ56の底部から離間
する方向へ摺動させられ、ラックバー62がシリンダ5
6の底部から離間する方向へスライド移動させられる。
ラックバー62はこのスライド移動により歯64のギヤ
部66がピニオンギヤ68の外歯70へ噛み合わされ、
この状態から上述いたガス圧で更にシリンダ56の底部
から離間する方向へスライド移動させられることでラッ
クバー62の歯64がピニオンギヤ68の外歯70を図
2の矢印F方向へ押圧してピニオンギヤ68を図2の矢
印A方向へ回転させる。これにより、ピニオンギヤ68
と一体の巻取軸20が図2の矢印A方向へ所定量回転さ
せられ、巻取軸20の回転量に応じた長さだけウエビン
グベルト24がウエビング係止部22へ巻き取られる。
このウエビング係止部22の巻き取りにより、一時的に
ウエビングベルト24による乗員の身体に対する拘束力
が増加し、車両の急減速状態における乗員の車両前方側
への移動を制限できる。
【0059】ところで、ラックバー62の歯64がピニ
オンギヤ68の外歯70を押圧した場合には、ピニオン
ギヤ68を回転させるのみならず、その面方向に沿って
ギヤ部66の歯64はピニオンギヤ68を変位させよう
とし、ピニオンギヤ68と同軸的に一体とされた大径軸
部28をその面方向に沿って変位(偏心)させようとす
る。
【0060】ここで、本ウエビング巻取装置10では、
上述したように、軸受本体52の中心周りに第1エリア
から第4エリアまで4分割した場合、ギヤ部66の歯6
4とピニオンギヤ68の外歯70との接触部分が含まれ
るエリア(第3エリア)とは軸対象のエリア(第1エリ
ア)側、すなわち、概ね、外歯70との歯64の接触面
方向に沿って軸受本体52の内周部と大径軸部28の外
周部とが対向する部分における軸受本体52の内周部
に、他のエリアに対応する内周部よりも多くの突出部5
4を形成しており、大径軸部28は、偏心することでこ
れらの突出部54を押圧する。大径軸部28が回転する
際には、この押圧力に比例した摩擦抵抗が生じ、この摩
擦抵抗によって突出部54が大径軸部28の回転を妨げ
ようとする。しかしながら、突出部54は大径軸部28
よりも剛性が低く、しかも、突出部54は大径軸部28
に対して線接触しているだけであるため、上述した押圧
力が作用した状態で巻取軸20が回転した場合には、突
出部54が大径軸部28の回転を妨げることができず、
大径軸部28の外周部との摩擦抵抗で突出部54は巻取
軸20の回転方向へ引きずられつつその先端部から巻取
軸20の回転方向へ漸次塑性変形する。このように、本
実施の形態においては、大径軸部28が回転する際に、
突出部54は抵抗せず上記の如く塑性変形するため、巻
取軸20が偏心しても巻取軸20は円滑に回転できる。
【0061】また、上述したように、軸受本体52の内
径寸法は大径軸部28の外径寸法よりも僅かに大とさ
れ、軸受本体52の内周部との間に隙間S(図2参照)
が形成されるため、上述した押圧力が作用した状態で巻
取軸20が回転して大径軸部28が引きずられた突出部
54の塑性変形部分は隙間Sに入り込むだけで、この塑
性変形した部分が大径軸部28の回転の抵抗となること
はなく、この意味でも巻取軸20は円滑に回転できる。
【0062】以上のように、本実施の形態では、巻取軸
20が偏心しても巻取軸20は円滑に回転できるため、
シリンダ56内でガスの圧力は大径軸部28と突出部5
4との間の摩擦抵抗にて消費されずに、効率よく巻取軸
20の回転に供される。これにより、シリンダ56内に
収容したガス発生剤や伝爆剤等の少量化が可能になると
共に、シリンダ56の自体の小型化、ひいてはプリテン
ショナ40の小型化が可能となり、コストの軽減に寄与
する。
【0063】次に、本実施の形態における他の部分の作
用並びに効果について説明する。
【0064】本ウエビング巻取装置10では、シリンダ
56内でのガスの発生でラックバー62は上方へ移動す
るものの、所定距離以上のラックバー62の移動はスト
ッパ部84がラックバー62の上端部に当接することで
制限する。これにより、ラックバー62の飛び出し等が
規制される。ここで、本実施の形態では、蓋部42が金
属により形成されているため、合成樹脂材により蓋部4
2を形成した場合に比べて剛性が高く、確実に上方移動
するラックバー62を受け止めることができ、例えば、
ラックバー62の飛び出し等を防止できる。
【0065】また、ラックバー62がピニオンギヤ68
に噛み合った際には上記のようにラックバー62の歯6
4がピニオンギヤ68の外歯70を面方向に沿って押圧
するため、当然、ピニオンギヤ68の外歯70からの押
圧反力がラックバー62の歯64に作用し、この押圧反
力でラックバー62はピニオンギヤ68とは反対側へ変
位させられる。ここで、本ウエビング巻取装置10で
は、ストッパ部86がラックバー62に当接してラック
バー62の変位を制限する。しかも、上述したように本
実施の形態では、蓋部42が金属により形成されている
ため、合成樹脂材により蓋部42を形成した場合に比べ
て剛性が高く、ピニオンギヤ68からラックバー62に
付与された荷重をストッパ部86が確実に受けることが
できる。これにより、ラックバー62とピニオンギヤ6
8との良好な噛み合いが確保される。
【0066】さらに、上記のように本ウエビング巻取装
置10では蓋部42を金属で形成することで剛性樹脂材
で蓋部42を成形した場合よりも剛性が高くなるため、
蓋部42に軸受孔90を形成するだけで軸部88の軸支
が可能となる。すなわち、蓋部42を合成樹脂材で成形
した場合には、強度が不足しているため、金属等で成形
した軸受部材を別途設けなくてはならないが、本実施の
形態では、蓋部42の剛性が高くなるため、軸受孔42
を形成するだけで軸部88を直接支持できる。このた
め、部品点数や加工の点からみてコストを軽減できる。
【0067】さらに、蓋部42と共にケーシング46を
構成するケーシング本体44は剛性樹脂材により形成さ
れているため、ケーシング46の軽量化が可能であると
共に、車両走行中の振動等で他の金属部品に接触するこ
とに起因する異音(あたり音)等の発生も抑制或いは防
止できる。
【0068】なお、以上の本実施の形態では、軸受本体
52の軸線方向に沿って突出部54を見た場合の突出部
54の形状を三角形状としたが、請求項1記載の本発明
の観点からすれば、突出部54の端部の大径軸部28の
外周部に対する接触部分が極めて小さければよく、した
がって、点接触でもよいし、接触部分が極めて小さけれ
ば面接触でもよい。
【0069】また、本実施の形態では、突出部54を軸
受本体52の内周部に形成した構成であったが、これ
は、軸受本体52の剛性が大径軸部28の剛性よりも高
いためである。すなわち、請求項1記載の本発明の観点
からすれば、大径軸部28の剛性が軸受本体52の剛性
よりも低ければ、大径軸部28の外周部に突出部54に
相当する突出部を形成することになる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はプリテン
ショナにて発生した力を巻取軸の回転に効率よく寄与さ
せることができ、装置の小型化やコストの軽減ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装
置の要部の構成を模式的に表す側面図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置 20 巻取軸 24 ウエビングベルト 28 大径軸部(回転体) 32 軸受(軸受手段) 40 プリテンショナ 54 突出部 62 ラックバー 68 ピニオンギヤ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビ
    ングベルトの基端部が固着されると共に前記ウエビング
    ベルトを巻き取る巻取方向へ付勢された巻取軸と、 所定の条件下で前記巻取方向へ向けて前記巻取軸を回転
    させるプリテンショナと、 前記巻取軸の外径寸法よりも内径寸法が大きく内側へ同
    軸的に前記巻取軸が差し込まれる内周部を有する軸受手
    段と、 前記軸受手段の内周部及び前記巻取軸の外周部の何れか
    一方に何れか他方へ向けて突出形成され、前記何れか一
    方と対向する側の前記何れか他方の面積に対して極めて
    小さな部分で前記何れか他方へ接触する突出部と、 を備えるウエビング巻取装置。
  2. 【請求項2】 乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビ
    ングベルトの基端部が固着されると共に前記ウエビング
    ベルトを巻き取る巻取方向へ付勢された軸本体を有する
    巻取軸と、 少なくとも所定の条件下で前記巻取軸へ機械的に連結さ
    れる回転体を有し、当該所定の条件下で前記回転体を特
    定方向へ回転させて前記巻取軸を前記巻取方向へ回転さ
    せるプリテンショナと、 内径寸法が前記回転体の外径寸法よりも大きく、且つ、
    その内側に前記回転体が配置された軸受手段と、 前記軸受手段の内周部又は前記内側に配置された側の外
    周部の何れか一方に形成され突出形成され、前記何れか
    一方と対向する側の前記何れか他方の面積に対して極め
    て小さな部分で前記何れか他方へ接触する突出部と、 を備えるウエビング巻取装置。
  3. 【請求項3】 前記巻取軸及び前記回転体のうち前記軸
    受手段の内側に配置された方の外周部、及び、前記軸受
    手段の内周部のうちの何れか剛性の低い方に前記突出部
    を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    のウエビング巻取装置。
  4. 【請求項4】 自らの軸周りに回転可能であると共に少
    なくとも特定方向の回転状態において前記巻取軸及び前
    記回転体のうち前記軸受手段の内側に配置された方へ機
    械的に連結され、当該特定方向の回転を前記軸受手段の
    内側へ配置された方へ伝えて前記巻取軸を前記巻取方向
    へ回転させるピニオンギヤと、 前記軸受手段の内側へ配置された方の外周に対する接線
    方向へのスライド移動により前記ピニオンギヤへ噛み合
    い可能に設けられ、前記所定の条件下で前記接線方向へ
    スライド移動させられて前記ピニオンギヤへ噛み合い前
    記ピニオンギヤを前記特定方向へ回転させるラックバー
    と、 を含んで前記プリテンショナを構成すると共に、 前記軸受手段の内側へ配置された方を介して前記ラック
    バーとは反対側で且つ前記ラックバーと前記ピニオンギ
    ヤとの噛合面方向に沿って前記巻取軸の外周部と対向す
    る側の前記軸受手段の内周部に前記突出部を形成した、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載
    のウエビング巻取装置。
  5. 【請求項5】 乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビ
    ングベルトの基端部が固着されると共に前記ウエビング
    ベルトを巻き取る巻取方向へ付勢された軸本体を有する
    巻取軸と、 少なくとも所定の条件下で前記巻取軸へ機械的に連結さ
    れて特定方向へ回転し、前記巻取軸を前記巻取方向へ回
    転させる回転体を収容した収容部を有すると共に、前記
    収容部よりも高剛性とされ前記回転体を軸支する軸受部
    が設けられ、前記軸受部が前記回転体を軸支した状態で
    前記収容部に連結されて前記回転体を覆うカバーを有す
    るプリテンショナと、 前記巻取軸又は前記回転体が内側に配置されると共に、
    前記巻取軸及び前記回転体のうちの前記内側に配置され
    た方の外径寸法よりも内径寸法が十分に大きな軸受手段
    と、 前記軸受手段の内周部又は前記内側に配置された側の外
    周部の何れか一方に形成され突出形成され、前記何れか
    一方と対向する側の前記何れか他方の面積に対して極め
    て小さな部分で前記何れか他方へ接触する突出部と、 を備えるウエビング巻取装置。
  6. 【請求項6】 乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビ
    ングベルトの基端部が固着されると共に前記ウエビング
    ベルトを巻き取る巻取方向へ付勢された軸本体を有する
    巻取軸と、 少なくとも所定の条件下で前記巻取軸へ機械的に連結さ
    れて特定方向へ回転し、前記巻取軸を前記巻取方向へ回
    転させる回転体、並びに、前記回転体に係合し、前記所
    定の条件下で前記回転体の回転周方向に対する接線方向
    へスライド移動して前記特定の方向へ前記回転体を回転
    させるスライド部材の双方を収容する収容部を有すると
    共に、前記収容部よりも高剛性の制限部が前記スライド
    部材と対向して形成され、前記収容部に連結されて前記
    回転体及び前記スライド部材を覆うカバーを有するプリ
    テンショナと、 前記巻取軸又は前記回転体が内側に配置されると共に、
    前記巻取軸及び前記回転体のうちの前記内側に配置され
    た側の外径寸法よりも内径寸法が十分に大きな軸受手段
    と、 前記軸受手段の内周部又は前記内側に配置された側の外
    周部の何れか一方に形成され突出形成され、前記何れか
    一方と対向する側の前記何れか他方の面積に対して極め
    て小さな部分で前記何れか他方へ接触する突出部と、 を備えるウエビング巻取装置。
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