JPH0873054A - 乾式分析フィルム用カートリッジ、その組立方法及び組立用治具 - Google Patents

乾式分析フィルム用カートリッジ、その組立方法及び組立用治具

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JPH0873054A
JPH0873054A JP21336494A JP21336494A JPH0873054A JP H0873054 A JPH0873054 A JP H0873054A JP 21336494 A JP21336494 A JP 21336494A JP 21336494 A JP21336494 A JP 21336494A JP H0873054 A JPH0873054 A JP H0873054A
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薫 寺島
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清一 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱体内に収容した乾式分析フィルムを付勢す
るフィルム押え機構を装着するについて、その組み込み
が容易であるとともに、落下時等の衝撃でロック状態と
ならないようにする。 【構成】 箱体11の内壁に設けた係止機構11a に係止可
能なストッパー19と乾式分析フィルム1を一端の取出口
14方向に押えるフィルム押え機構16を備え、フィルム押
え機構は乾式分析フィルムに接触する押え部材17a とス
トッパー19が摺動可能に係合して構成され、その摺動可
能な係合は、押え部材から垂直向きに突出する軸体17b
とストッパーから突出し軸体と摺動可能な摺動体19a と
押え部材とストッパーとの間に配置された弾性体18とで
構成され、さらに、軸体17b は押え部材とストッパーと
の間に弾性体を圧縮した状態で押え部材とストッパーと
の間の距離より長く、かつ、ストッパーから突出した領
域において組立手段が掴んで保持可能な保持部17c を備
え、保持部に摺動体と摺動可能な係合を阻止することが
ない治具20による被支承手段17d を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液、尿等の試料液に
含まれる所定の生化学物質・化学物質との化学反応、生
化学反応又は免疫反応等により光学濃度変化を生じる試
薬層を有する乾式分析フィルムを収容し、この乾式分析
フィルムが順次取出口から取り出される乾式分析フィル
ム用カートリッジ並びにこのカートリッジを組み立てる
組立方法及び組み立てに使用する組立用治具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、試料液の小滴を点着供給するだけ
でこの試料液中に含まれている特定の化学成分の含有量
又はその活性値、あるいは有形成分の含有量を定量分析
することのできる乾式の一体型多層分析フィルム(多層
分析要素、多層分析素子とも称される)が開発され実用
化されている。また、濾紙タイプの試験片やそれを改良
した単層又は多層の試験片も提案され、一部は実用化さ
れている。
【0003】このような乾式分析フィルムを用いて試料
液中の化学成分等の定量的な分析を行うには、試料液を
乾式分析フィルムに展開層を有するものでは展開層に、
展開層を有しないものでは直接試薬層に点着させた後、
これをインキュベータ(恒温器)内で所定時間恒温保持
(インキュベーション)して呈色反応(色素生成反応又
は指示薬色素の変色反応)させ、次いで試料液中の所定
の生化学物質と乾式分析フィルムに含まれる試薬との組
み合わせにより予め選定された波長を含む測定用照射光
をこの乾式分析フィルムに照射してその光学濃度を測定
し、この光学濃度から、あらかじめ求めておいた光学濃
度と所定の生化学物質の物質濃度との対応を表わす検量
線を用いて前記試料液中の所定の生化学物質の物質濃度
(含有量)又は活性値を求めるものである。
【0004】ところで、前記一体型多層乾式分析フィル
ムは、有機ポリマーからなる支持体の上に試薬を含有し
た試薬層を少なくとも1層、さらに好ましくは試薬層の
上側に展開層を設けた構成を有するものであり、正方
形、矩形などの所定の形状の乾式分析フィルム片に形成
される。そして自動操作のために、前記乾式分析フィル
ム片を有機ポリマー製のマウントによって挾持した化学
分析スライドとして実用化されている。また、本件発明
者らは、前記マウントを有しない乾式分析フィルム片を
直接カートリッジに装填し、このカートリッジを生化学
分析装置のフィルム供給装置に格納し、順次取り出して
測定を行う技術を提案している。
【0005】そして、前記乾式分析フィルムの収容及び
供給は、例えば、実公昭57−53271号公報(米国特許第
4,151,931 号明細書)等に見られるように、この乾式分
析フィルムを多数積層してカートリッジに収容し、この
カートリッジの上部には側面に開口する取出口が設けら
れ、横方向から作動する押出しブレードで最上段の乾式
分析フィルムを押し出して分析装置に供給するものであ
り、このカートリッジの乾式分析フィルムの底部には支
持部材がラチェット機構によって上動のみ可能に配設さ
れ、この支持部材を下方からのプランジャの作動によっ
て上昇させて順次取出口側に付勢するようにした技術が
開示されている。
【0006】また、カートリッジ内に収容した乾式分析
フィルムを弾性体又はスプリングによって付勢された押
え部材によって取出口の方向に押圧し、乾式分析フィル
ムを順次取出口から取り出すようにした技術も、例え
ば、特開平5−188058号公報、特開平1−87438(欧州特
許公開第 304 838号に対応)、欧州特許公開第 567 067
号に見られるように開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上述のよう
な従来のカートリッジの構造では、内部に乾式分析フィ
ルムを積層収容し、その背部に押え部材とスプリングと
によるフィルム押え機構を装着する必要があるが、その
スプリングは収容する乾式分析フィルムの積層した高さ
に応じて長く形成されるものであり、乾式分析フィルム
の収容に対応して順次フィルム押え機構を組み込む工程
は機械化が困難となっている。
【0008】上記点からフィルム押え機構にロック構造
を設け、予めスプリングを短縮状態でロックしてフィル
ム押え機構を組立部品としておき、カートリッジの箱体
内に挿入してからロック構造を解除するように構成した
ものでは、フィルム押え機構の搬送が容易となる反面、
箱体内部でのロック解除作業が煩雑となる。さらに、乾
式分析フィルムを収容しフィルム押え機構を設置したカ
ートリッジが、生化学分析装置に装填される以前の保存
時若しくは搬送時に、又は生化学分析装置に装填後にメ
ンテナンス等の関係から取り出して扱う場合に、誤って
カートリッジが落下した時、その他の衝撃によって解除
してある前記ロック構造が再びロック状態となってフィ
ルム押え機能を失う恐れがある。
【0009】上記のような点から、カートリッジに乾式
分析フィルムを収容しフィルム押え機構を装着する場合
に、カートリッジに組み込むまではフィルム押え機構は
スプリングを短縮して組立部品となった状態が維持され
ること、及び、カートリッジに組み込んだ後にはスプリ
ングの短縮状態が簡易に解除されるとともに、落下衝撃
等が作用してもロック状態とならないようにすることが
要求される。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、フィルム押え機構が箱体内へ容易に組み込めるとと
もに、落下時等の衝撃でフィルム押え機構がロック状態
とならないようにした乾式分析フィルム用カートリッジ
を提供するとともに、その組立方法及び組立用の治具を
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の乾式分析フィルム用カートリッジは、一端に乾
式分析フィルムを取り出すための取出口、内壁に係止機
構、前記係止機構に係合して係止可能なストッパー及び
乾式分析フィルムを取出口方向に押えるフィルム押え機
構を備える乾式分析フィルムを複数積層して収容する箱
体からなり、前記フィルム押え機構は、乾式分析フィル
ムに接触する押え部材と前記ストッパーが摺動可能に係
合して構成され、前記摺動可能な係合は、前記押え部材
から垂直向きに突出する軸体と、前記ストッパーから前
記押え部材の向きに垂直向きに突出する前記軸体と摺動
可能な摺動体と、押え部材とストッパーとの間に配置さ
れ、一端を前記ストッパーにより担持されている前記押
え部材を付勢する弾性体とで構成され、さらに、前記軸
体は、押え部材とストッパーとの間に弾性体を圧縮した
状態で押え部材とストッパーとの間の距離より長く、か
つ、ストッパーから突出した領域において組立手段が掴
んで保持可能な保持部を備え、前記保持部に前記摺動体
と摺動可能な係合を阻止すること(ロック状態)がない
治具による被支承手段を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0012】また、前記軸体が断面が角を丸めた正方形
又は長方形であり、前記摺動体が前記軸体を包み込み摺
動可能な筒状体であり、前記弾性体が前記筒状態の周囲
に配置されているスプリングであり、前記被支承手段が
軸体の保持部に設けられた貫通孔で構成するのが好適で
ある。
【0013】一方、本発明の乾式分析フィルム用カート
リッジの組立方法は、前記箱体に乾式分析フィルムを所
定数積層して収容し、前記押え部材と前記ストッパーと
を弾性体を短縮した組立部品状態で軸体の保持部の前記
被支承手段により治具に支承されている前記フィルム押
え機構の軸体の保持部を、前記ストッパーに当接させる
部位を有する組立手段が前記ストッパー側から前記保持
部を掴んで前記組立部品状態のまま前記治具から解き離
して取り出し、取り出した前記組立部品状態のままの前
記フィルム押え機構を前記押え部材を乾式分析フィルム
に向けて前記箱体に挿入し、そのストッパーを箱体の内
壁面に設けられている係止機構に係合させて係止させ、
しかる後に前記押え部材の軸体の保持部の掴みを解放す
ることを特徴とするものである。
【0014】さらに、組立用の治具は、板状の基部に棒
状の支承手段が所定間隔で並設され、前記棒状の支承手
段が前記フィルム押え機構の軸体の保持部の被支承手段
に係合して、前記フィルム押え機構の前記押え部材と前
記ストッパーとを弾性体を短縮した組立部品状態で支承
するものである。
【0015】
【作用】前記のような本発明では、乾式分析フィルムに
接触する押え部材と箱体の係止機構に係止可能なストッ
パーと弾性体とによるフィルム押え機構は、箱体に挿入
する前の状態では、摺動可能に係合する押え部材とスト
ッパーとの間に弾性体を圧縮すると、押え部材に設けた
軸体の保持部及び被支承手段がストッパーから突出する
ものであり、この被支承部分を治具によって支承するこ
とで組立部品状態としておき、この治具に支承されたフ
ィルム押え機構をその保持部を組立手段によって掴んで
治具から解き離すと弾性体を短縮した組立部品状態のま
ま保持し得るものであり、この組立部品状態のフィルム
押え機構は箱体への挿入が容易であるとともに、箱体に
挿入してストッパーを係止機構に係止させてから前記保
持部の保持を解放すると、押え部材が弾性体の付勢力に
よって乾式分析フィルムを取出口の方向に押圧するフィ
ルムの押え機能が得られる。さらに、箱体に挿入された
組み付けられた状態では、落下衝撃等によって軸体が移
動しても軸体と摺動体すなわち押え部材がロック状態と
なることもなく、良好なフィルム押え機能が維持され
る。
【0016】また、カートリッジの組み立てにおいて
は、予め治具にフィルム押え機構を弾性体の圧縮状態で
押え部材の軸体における被支承手段を支持して組立部品
として取り扱いできることで、搬送などが容易である一
方、この治具からフィルム押え機構をその軸体の保持部
を組立手段によって掴んで組立部品状態のまま取り出し
て、箱体内に挿入してストッパーを箱体に係止してから
保持部の支持を解放するだけで組み立てが完了するもの
であって、作業性に優れる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を
説明する。図1は本発明の一実施例の乾式分析フィルム
用カートリッジの外観斜視図、図2はその取出口の部分
を示す要部斜視図、図3は図1のA−A線に沿う縦断面
図である。
【0018】本例のカートリッジ10は、乾式分析フィル
ム1を多数枚積み重ねた状態で収容する角筒状の分割箱
体11で構成され、この箱体11の一端(上端)が開口して
挿入口となり、この開口が蓋部材12の固着によって閉塞
される。
【0019】また、前記箱体11の他の一端(最下部)に
は、乾式分析フィルム1を取り出す取出口14が形成され
ている。前記取出口14は、側面に開口する1枚の乾式分
析フィルム1が挿通可能な第1の開口部14a と、底面に
開口する前記乾式分析フィルム1を吸引保持する図示し
ない取出用吸盤(サクションカップ)が進入する第2の
開口部14b とで形成されている。前記側面の下端の一部
はこの第2の開口部14b により切り欠かれており、これ
により前記第1の開口部14a と第2の開口部14b は連続
するように形成されている。
【0020】なお、前記カートリッジ10に収容される乾
式分析フィルム1の厚さは測定項目(測定対照成分又は
アナライトの名称)に応じて異なる場合があり、それに
応じて取出口14から確実に1枚のみ取り出せるようにそ
の第1の開口部14a の寸法が異なって形成される。
【0021】さらに、この箱体11の他側面の外壁部分に
は、このカートリッジ10に収納される乾式分析フィルム
1の製造ロット、測定項目、使用期限、特性等のいずれ
かを表わす情報を有するデータ記録部15が付設されてい
る。また、前記取出口14の上方には、縦リブ11b が形成
されている。
【0022】一方、前記箱体11の内部には、乾式分析フ
ィルム1を取出口14の方向に付勢するフィルム押え機構
16が設置される。前記フィルム押え機構16は、前記取出
口14と反対側から摺動可能に配設され前記乾式分析フィ
ルム1に接触し取出口14の方向に押える押え部材17a を
有する押え手段17と、前記押え部材17a を前記取出口14
の方向に付勢する弾性体としてのスプリング18(コイル
バネ)と、前記スプリング18の他端を担持するとともに
箱体11に係合して取出口14と反対方向への移動を規制す
るストッパー19とを備えている。
【0023】そして、前記押え部材17a と前記ストッパ
ー19とが摺動可能に係合して構成されるものであり、こ
のフィルム押え機構16の具体的構造は、図4及び図5に
も示している。
【0024】前記押え手段17は、押圧面を構成する平板
状の押え部材17a に、その背部から垂直向きに突出する
角柱状に延びる軸体17b が設けられている。この軸体17
b は断面が角を丸めた長方形(又は正方形)であり、後
述の構造のストッパー19と組み合わせた際にストッパー
19から突出する先端部分が保持部17c に設けられ、この
保持部17c には被支承手段となる貫通孔17d が開口され
ている。また、前記軸体17b の側面には溝17e が設けら
れ、この溝17e によりモールド成形された有機ポリマー
製の軸体17b が一様な厚さに仕上がり、曲ったり反った
りするのを防止する。
【0025】一方、前記ストッパー19は、角筒状に軸方
向に延び前記軸体17b と摺動可能な摺動体19a と、この
摺動体19a の一端に横方向に延びてスプリング18の一端
を担持するスプリング受け19b と、前記スプリング受け
19b に連接された係止部19cとを有している。前記摺動
体19a は前記軸体17b を包み込んで摺動可能な筒状体に
設けられている。
【0026】前記摺動体19a の長さは軸体17b の押え部
材17a から保持部17c までの長さより短く形成されてい
る。換言すれば、前記軸体17b は押え部材17a とストッ
パー19との間にスプリング18を圧縮した状態で押え部材
17a とストッパー19との間の距離(最短は摺動体19a の
長さ又はスプリング18の最小圧縮長さ)より長く、スト
ッパー19から押え部材17a 反対側に突出した軸体17b が
前記保持部17c に設けられている。
【0027】また、前記ストッパー19は、箱体11に対す
る係合固定位置が変更可能である。すなわち、前記スプ
リング受け19b に基部が連接され先端が外側に拡がった
薄板状の係止部19c は弾性変形可能であり、その先端に
は外方向に突出する爪部19dが設けられ、前記箱体11の
内壁面の両側には縦方向に延びる係止機構としてのラチ
ェット歯11a(図3参照)が形成されている。そして、こ
のストッパー19の爪部19d がラチェット歯11a に係合さ
れる。
【0028】前記弾性体としてのスプリング18は、一端
が軸体17b の外周で押え部材17a の背面に当接し、他端
が摺動体19a の外周でスプリング受け19b の背面に当接
した状態で縮装される。そして、箱体11の内部に組み込
まれる以前の状態は図5に示すように、前記スプリング
18を圧縮して軸体17b の保持部17c を、ストッパー19の
摺動体19a から突出させて、その貫通孔17d (被支承手
段)に後述の治具20(図6参照)の棒状の支承手段20b
が挿通されて、フィルム押え機構16が組立部品にユニッ
ト化された状態で支承され準備されている。
【0029】前記軸部17b の保持部17c は、治具20に支
承された状態で図示しない組立手段(例えば、ロボット
ハンド)によって掴まれ支承手段20b から取り出されて
保持される。なお、前記組立手段は、前記保持部17c を
掴んで保持した状態でストッパー19に当接する部位を有
し、フィルム押え機構16を組立部品にユニット化して保
持する構造に設けられている。
【0030】前記スプリング18は、箱体11の長さ及び乾
式分析フィルム1の収容高さなどに応じて、ストッパー
19の係止位置が移動していない初期位置のままでも最後
の1枚の乾式分析フィルム1をも押え部材17a によって
押圧可能な長さ及びばね定数に設定されている。
【0031】また、図3は、乾式分析フィルム1を所定
の枚数収容した初期状態を示すものであり、この収容初
期状態において、押え手段17が後退移動可能な距離、す
なわち、押え部材17a の背面とストッパー19の摺動体19
a 先端とが当接するまでの距離は、乾式分析フィルム1
の幅以下に設定され、前記押え部材17a が取出口14と反
対側に移動しても乾式分析フィルム1が起立状態となっ
たり、反転しないように設定されている。
【0032】なお、ストッパー19の箱体11に対する初期
の係止位置は、箱体11への乾式分析フィルム1の収容枚
数に応じて変更されるものであり、収容枚数の少ない状
態でスプリング18が必要以上に伸長して、前記押え部材
17a が後退移動可能な距離が大きくならないようにして
いる。
【0033】前記カートリッジ10に収納される乾式分析
フィルム1は、図8に示すように、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)やポリスチレン等の有機ポリマシー
ト等のプラスチックシートからなる光透過性の支持体2
上に試薬層3を塗布又は接着等により設け、この上に展
開層4をラミネート法等により積層したフィルム片(チ
ップ)であり、従来の化学分析スライドにおけるマウン
トに相当するものは有していない。
【0034】前記試薬層3はゼラチン等の親水性ポリマ
バインダ又は多孔性層の中にアナライトに選択的に反応
する検出試薬及び発色反応に必要な試薬(化学分析試薬
又は免疫分析試薬)成分が含まれる少なくとも1つの層
で構成されている。また、前記展開層4は外部との間で
コスレに強い材料例えばポリエステル等の合成繊維から
なる織物布地や編み物布地、天然繊維と合成繊維との混
紡による織物布地、編み物布地、不織布等若しくは紙か
ら構成されて保護層として機能するとともに、この展開
層4上に点着された試料液を試薬層3上に一様に供給し
得るように展延する。
【0035】この乾式分析フィルム1は常湿状態では、
図8(A) に示すように平面に近い形状に形成される。し
かしながら、乾式分析フィルム1は保管時においては化
学反応を進行させないように乾燥環境下(たとえば湿度
が20%以下)に配設されるため、展開層4を内側にして
湾曲した形状となる。すなわち図8(B) に示すような一
方向にのみ湾曲した形状、図8(C) に示すような複数方
向に湾曲した形状となる。
【0036】図6は、前記フィルム押え機構16を、カー
トリッジ10の箱体11に組み込む前の準備段階において、
組立部品状態で保持する組立用治具20を示している。こ
の治具20は、板状の基部20a に棒状の支承手段20b が所
定間隔で多数並設され、全体として櫛状に形成されてい
る。
【0037】そして、前記治具20の棒状の支承手段20b
が、図7に示すように、フィルム押え機構16を前記図5
に示すようなスプリング18が押え部材17a とストッパー
19との間で圧縮された状態で、ストッパー19から突出し
た軸体17b の保持部17c に形成された貫通孔17d に挿入
され、前記フィルム押え機構16が多数並列に保持されて
いる。
【0038】前記のような乾式分析フィルム1の収容及
びカートリッジ10の組立方法を説明すれば、まず、前記
治具20の各支承手段20b には前記図7のように組立部品
状態のフィルム押え機構16を支承し準備しておく。
【0039】そして、角筒状に接合された箱体11に対
し、例えば 100枚又は50枚程度の所定枚数の乾式分析フ
ィルム1を積層して蓋部材12が外された開口から収容す
る。その際、各乾式分析フィルム1の間には前記湾曲形
状に応じて若干の空隙が形成されて、全体として圧縮方
向に弾性を有することになる。
【0040】一方、前記治具20に支承している組立部品
状態のフィルム押え機構16を、その保持部17c を組立手
段(ロボットハンド)によって掴んで保持して、治具20
の棒状の支承手段20b から抜き取って、組立部品状態の
ままフィルム押え機構16を前記箱体11に挿入し、そのス
トッパー19の係止部19c の爪部19d を箱体11のラチェッ
ト歯11a に係合させつつ内部に押し込み、押え部材17a
が乾式分析フィルム1に接触するかそれ以前の状態で、
前記保持部17c の掴みを解放し、その後蓋部材12を装着
してなる。保持が解放されたフィルム押え機構16は、ス
プリング18の付勢力によって押え手段17が移動し、押え
部材17a の押圧面が乾式分析フィルム1に接触してこれ
を押圧する。
【0041】前記のような乾式分析フィルム用カートリ
ッジ及びその組立方法によれば、前記治具20によってス
プリング18を圧縮した組立部品状態でフィルム押え機構
16を保持して取り扱いやすく、箱体11内への挿入組立て
が容易に行えるものである。
【0042】また、初期の収容状態で乾式分析フィルム
1の厚さが異なる場合、収容枚数が異なる場合には、そ
れぞれの乾式分析フィルム1の全体の収納高さに応じて
ストッパー19の係合位置を調整するものである。
【0043】なお、本発明のカートリッジ10に収容可能
な乾式分析フィルム1としては、前記実施例に記載した
ようなマウントを有しない乾式分析フィルム片の他、マ
ウントを有するスライドタイプの乾式分析フィルム、濾
紙タイプの乾式分析フィルム等のものが適用可能であ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の乾式分析フィルムカートリッジ
によれば、乾式分析フィルムを収容する箱体に乾式分析
フィルムを付勢するフィルム押え機構を設置するについ
て、前記フィルム押え機構を押え部材とスプリングと箱
体の内壁に係止可能なストッパーとで構成し、さらに、
押え部材にストッパーとの間にスプリングを圧縮した状
態でストッパー側から組立手段で掴んで保持可能な保持
部と治具によって支承可能な被支承手段とを設けたこと
により、前記フィルム押え機構は箱体に組み込む前の状
態でユニット化していて搬送、組み込み、取扱いが容易
であるとともに、箱体に組み込んだ後のカートリッジで
はフィルム押え機構には押え部材の移動を規制する構造
が存在せず、落下衝撃が作用してもロックすることがな
く良好なフィルムの押え機能を有し、取出しが順次正確
に行えるものである。
【0045】また、本発明方法によれば、フィルム押え
機構をスプリングを短縮した組立部品状態で治具に保持
しておき、前記治具から組立手段によって取り出したフ
ィルム押え機構をそのまま箱体に挿入し、ストッパーを
箱体に係止した後に保持を解放することで、簡易に組み
立てが行え、生産性の向上が図れるものである。
【0046】さらに、本発明組立用治具によれば、板状
の基部に所定間隔で並設した棒状の支承手段を有するこ
とで、複数のフィルム押え機構を組立部品状態で並列し
て保持することができ、カートリッジの組み立ての簡易
化が図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の乾式分析フィルム用カート
リッジの外観斜視図
【図2】同カートリッジの取出口の部分を示す要部斜視
【図3】図1のA−A線に沿うカートリッジの縦断面図
【図4】フィルム押え機構の分解斜視図
【図5】フィルム押え機構の正面図、側面図及び平面図
【図6】組立用治具の要部斜視図
【図7】組立用治具にフィルム押え機構を支承した状態
の正面図
【図8】乾式分析フィルムの構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 乾式分析フィルム 10 乾式分析フィルム用カートリッジ 11 箱体 11a 係止機構(ラチェット歯) 12 蓋部材 14 取出口 16 フィルム押え機構 17 押え手段 17a 押え部材 17b 軸体 17c 保持部 17d 被支承手段(貫通孔) 18 弾性体(スプリング) 19 ストッパー 19a 摺動体 19b スプリング受け 19c 係止部 19d 爪部 20 治具 20a 基部 20b 棒状の支承手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 35/02 F (72)発明者 鈴木 修 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に乾式分析フィルムを取り出すため
    の取出口、内壁に係止機構、前記係止機構に係合して係
    止可能なストッパー及び乾式分析フィルムを取出口方向
    に押えるフィルム押え機構を備える乾式分析フィルムを
    複数積層して収容する箱体からなる乾式分析フィルム用
    カートリッジにおいて、 前記フィルム押え機構は、乾式分析フィルムに接触する
    押え部材と前記ストッパーが摺動可能に係合して構成さ
    れ、 前記摺動可能な係合は、前記押え部材から垂直向きに突
    出する軸体と、前記ストッパーから前記押え部材の向き
    に垂直向きに突出する前記軸体と摺動可能な摺動体と、
    押え部材とストッパーとの間に配置され、一端を前記ス
    トッパーにより担持されている前記押え部材を付勢する
    弾性体とで構成され、さらに、 前記軸体は、押え部材とストッパーとの間に弾性体を圧
    縮した状態で押え部材とストッパーとの間の距離より長
    く、かつ、ストッパーから突出した領域において組立手
    段が掴んで保持可能な保持部を備え、前記保持部に前記
    摺動体と摺動可能な係合を阻止することがない治具によ
    る被支承手段が設けられていることを特徴とする乾式分
    析フィルム用カートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記軸体が断面が角を丸めた正方形又は
    長方形であり、前記摺動体が前記軸体を包み込み摺動可
    能な筒状体であり、前記弾性体が前記筒状態の周囲に配
    置されているスプリングであり、前記被支承手段が軸体
    の保持部に設けられた貫通孔であることを特徴とする請
    求項1記載の乾式分析フィルム用カートリッジ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の乾式分析フィルム用カ
    ートリッジの組立方法であって、 前記箱体に乾式分析フィルムを所定数積層して収容し、 前記押え部材と前記ストッパーとを弾性体を短縮した組
    立部品状態で軸体の保持部の前記被支承手段により治具
    に支承されている前記フィルム押え機構の軸体の保持部
    を、前記ストッパーに当接させる部位を有する組立手段
    が前記ストッパー側から前記保持部を掴んで前記組立部
    品状態のまま前記治具から解き離して取り出し、 取り出した前記組立部品状態のままの前記フィルム押え
    機構を前記押え部材を乾式分析フィルムに向けて前記箱
    体に挿入し、そのストッパーを箱体の内壁面に設けられ
    ている係止機構に係合させて係止させ、 しかる後に前記押え部材の軸体の保持部の掴みを解放す
    ることを特徴とする乾式分析フィルム用カートリッジの
    組立方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の乾式分析フィルム用カ
    ートリッジの組立方法に使用される治具であって、 板状の基部に棒状の支承手段が所定間隔で並設され、前
    記棒状の支承手段が前記フィルム押え機構の軸体の保持
    部の被支承手段に係合して、前記フィルム押え機構の前
    記押え部材と前記ストッパーとを弾性体を短縮した組立
    部品状態で支承することを特徴とする組立用治具。
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