JPH0874011A - アルミニウム合金の選択された表面に局部的な細粒の微細構造を与える方法 - Google Patents

アルミニウム合金の選択された表面に局部的な細粒の微細構造を与える方法

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JPH0874011A
JPH0874011A JP7223070A JP22307095A JPH0874011A JP H0874011 A JPH0874011 A JP H0874011A JP 7223070 A JP7223070 A JP 7223070A JP 22307095 A JP22307095 A JP 22307095A JP H0874011 A JPH0874011 A JP H0874011A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に対して有害であると思われる化学塗装
でなく、微細構造の制御の利用により、アルミニウム材
料の止金具の穴および端縁の表面の内部および周辺に耐
剥離腐食性および疲れ寿命の改善をもたらす方法を提供
すること。 【解決手段】 冷間加工およびそれに続く急速な再結晶
によって、アルミニウム材料の止金具の穴および端縁の
表面の内部および周辺に局部的な微粒子形態学を得る。
表面の冷間加工に用いられるピーニングの工具は、アル
ミニウム合金の表面の大きなパンケーキ状で存在する粒
子の構造を、予め定められた制御された深さだけ粉々に
して局部的な冷間加工を施す。冷間加工を施された後、
その表面を急速な加熱により再結晶させ、局部的な細粒
の耐食および耐疲労微細構造を得る。本方法では、安定
した微細構造が得られるため、腐食に対する複数の障壁
を並行して行なうために引続き他の処理を行なうことも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は、アルミニウム材料の加工方法
に関し、特に、アルミニウム合金のシートの端縁に沿っ
たならびに止金具の穴の内部および周辺の局部的な表面
のような選択された表面に、耐食および耐疲労の性質を
向上させる細粒の微細構造を形成するために、冷間加工
および再結晶を施す方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】高張力アルミニウム合金の剥離腐食は、
金属表面の端縁が、酸や塩を含む環境にさらされたとき
に生じる。たとえば、航空機の構造は、微細構造の側面
が露出していたり、効果的な洗浄が困難であったり、か
つ、腐食した溶液が集まることから、止金具の穴、およ
び他の端縁のような領域の周辺では、特に剥離腐食の影
響を受ける。剥離腐食は、航空機の構成部品および高張
力アルミニウムからなる他の部品の有効な寿命を制限し
てしまう破壊的な影響を持っている。
【0003】先行技術においては、アルミニウム合金シ
ート材料のさまざまな厚みの部位のいたるところに、細
粒形態学を形成するための、“沈殿する要素を有するア
ルミニウム合金に細粒構造を与える方法”(“Method o
f Imparting a Fine Grain Structure to Aluminum All
oys Having Precipitaiting Constituents”)が、米国
特許出願第4,092,181号に熱力学的に記載され
ている。また、高張力アルミニウム合金のシート材料の
全表面において、細粒形態学を形成するような内容の、
“アルミニウム合金の表面において細粒構造を形成する
方法”(“Method of Forming a Fine Grain Structure
on the Surface of an Aluminum Alloy”)が、熱力学
的に、米国特許出願第4,799,974号に記載され
ている。これらの方法は、アルミニウム合金のバルクお
よび表面の加工のための容認されている慣習を規定し、
また、細粒の大きさを安定させるのに必要であると思わ
れる、いくつかの段階を教示するものである。以下のス
テップ(わずかに好都合な変更またはコスト的な考慮の
みがなされている)が、アルミニウム合金の表面におけ
る細粒の微細構造が得られるこれらの従来の方法におい
て通常なされる。
【0004】1) 材料を約480℃で30分間溶液処
理して第2の相すべてを溶液に投入させる。
【0005】2) 細粒および粗粒が、分離して2層の
沈殿となるように、材料を約400℃で8時間経時変化
させる。
【0006】3) 適度な低温下で、材料の表面を処理
する(たとえば、約200℃未満で転がす)。
【0007】4) 処理した材料をできるだけ早く再結
晶する(たとえば、約480℃の塩浴に15分間漬け
る)。 5) たとえば、材料を低温で24時間経時変化させ、
適当な強度レベルにする(たとえば 、T−6および/
またはT−7)。
【0008】前述の加工の工程は、困難で時間のかかる
場合もあり、細粒アルミニウムの生産費を大幅に増大し
得る。細粒アルミニウムを生成する、従来の厚み全体に
わたるバルクプロセスでは、通常シート材料の厚さが約
0.08インチ未満に限定される。一方、細粒表面加工
では、たとえば端縁および止金具の穴という、その微細
構造を変えていない場所には、腐食に対する保護を施す
ことができない。米国特許第4,092,181号およ
び第4,799,974号に記載された先行技術では、
航空機の構造物において用いられるような、端縁ならび
に縦横比の大きい止金具の穴の開口付近および内部表面
において局部的な細粒の微細構造を作り上げることの明
確な必要性については触れていない。しかし、これらの
場所は、最も剥離腐食が始まりやすい部分である。溶液
処理および長時間の経時変化を含む、上記の先行技術に
よる加工のステップは、局部的な微細構造の制御に対し
ては実用的ではなく、かつ、止金具の穴の独特の構造に
は応用できない。それに加えて、従来の局部的な表面加
工手順(たとえば、ショットピーニングまたは冷間膨
張)では、アルミニウム合金の端縁および止金具の穴の
表面に対して均一なまたは十分な耐食作用は得られな
い。ショットピーニングは、せいぜい、縦横比の低い穴
(つまり、薄いシートにある直径の大きい穴)に限られ
てしまう。その上、ショットピーニングは、止金具の穴
の構造をかなり歪め、したがって、加工を施した後、機
械加工を施して処理された表面を取り去らなくてはなら
ない。冷間膨張プロセスは、通常、止金具の穴に、耐疲
労性を与えるためになされるが、これは、細粒の再結晶
が始まるときの局部的な変形には効果がなく、これより
耐食作用の改善は得られない。
【0009】先行技術での細粒加工の制限に加えて、新
たな環境的な制限から、アルミニウム合金の止金具部に
耐食作用を与えるための以前のような塗料が使用できな
くなった。このような塗装のプロセスで使用される化学
薬品の多くが、現在では、環境に有害であるとして使用
を制限または禁止されている。したがって、航空機の構
成要素の中の端縁および止金具の穴のようなアルミニウ
ム合金の構造体の選択された表面部位において、環境的
にも受入れられるような、耐食作用を与える方法が必要
とされる。
【0010】
【発明の概要】アルミニウム材料の端縁、止金具の穴ま
たは老化した航空機のアルミニウム部分の他の空洞部分
等の選択された場所での細粒加工は、アルミニウムシー
ト材料のバルクまたは表面細粒加工を行なうために用い
られる従来の慣習とは基本的に異なる。端縁に沿ってな
らびに止金具の内部および周辺に細粒表面形態学を得る
ために必要なこととして、2つの重要なステップが確認
されている。第1のステップは、端縁に沿っておよび止
金具の穴の中の、露出している大きなパンケーキ状で存
在している粒子構造を、局部的な作用を与えてばらばら
にする、冷間加工操作である。第2のステップは、端縁
および止金具の穴の表面において、細粒の微細構造が核
形成を行なうための急速な加熱による、アルミニウム合
金の再結晶である。しかし、残念なことに、端縁および
止金具の穴のような空洞部分を含む特殊な構造のため
に、これら2つのステップの双方ともが、一般の金属加
工の手順には効果的に用いることができない。
【0011】本発明における方法は、端縁に沿ってなら
びに止金具の穴の内部および止金具の穴のまわりの表面
に細粒表面の微細構造を与えるようなアルミニウム合金
の冷間加工に適合したピーニングの工具を利用してもよ
い。そのプロセスには、環境に有害である化学的な塗装
ではなく、微細構造の制御によって、耐剥離腐食および
疲労寿命の改善という利点がある。このプロセスで得ら
れる局部的な細粒の微細構造は、それに続く熱処理を経
ても(残留圧縮応力と比較して)安定であることから、
腐食に対する多様な障壁として作用するように微細構造
の制御とともに別の処理も並行して用いてもよい。
【0012】本発明の加工において用いられるピーニン
グの工具は、アルミニウム合金の端縁および止金具の穴
の表面に局部的に作用する効果を与えるように作られて
いる。好ましい実施例において、その工具は、カムの回
転またはテーパーの付いたピストンの振動によって作動
し得る複数のボール型のピーンを支持するための開口を
持った中空のハウジング(a hollow housing)を備えて
いてもよく、そのカムまたはピストンは、ボール型のピ
ーンを、その工具を適合させているシートの端縁やその
工具を挿入させている空洞部もしくは止金具の穴に衝突
させ(かつ、制御された深さだけ変形させ)るためにハ
ウジングの中で作動していてもよい。その工具は、実質
的に表面に垂直な空洞部または端縁の周辺および内部の
表面にボール型のピーンを衝突させるために、端縁に、
または、ストレート穴を掘った、座ぐりした、および/
もしくは、面取りした表面に適合するように形作られて
いてもよい。その工具は、端縁または空洞部分の実質的
にすべての表面領域にかけて冷間加工を施すために、手
動または自動で、適合し、挿入され、回転でき、かつ引
出されてもよい。このステップに対して材料の厚さの制
限はない。表面部が冷間加工された後、細粒の耐食耐疲
労微細構造の達成のために、冷間加工を施した表面の再
結晶のための急速な局部加熱を行なう。
【0013】本発明の最も重要な目的は、アルミニウム
材料の端縁および止金具の穴のような局部的な表面に対
して耐食および耐疲労性を与えることである。本発明の
特徴は、先行技術における溶液処理を行なわずしてアル
ミニウム材料の止金具の穴の内部および周辺の表面なら
びに端縁を冷間加工することと、それに続く、経時変化
処理を行なわずして急速な再結晶を行なうこととを含
む。この発明の利点は、環境的に差支える化学処理およ
び塗装を行なわずに、アルミニウム合金の止金具の穴の
内部、周辺、および周縁ならびに端縁に細粒の耐食およ
び耐疲労表面微細構造を形成することである。
【0014】本発明およびそれについての利点のより完
全な理解のために、以下の好ましい実施例についての詳
細な記述により添付の図面についての言及を行なう。
【0015】
【好ましい実施例の詳細な説明】従来の加工を施された
アルミニウム合金については、図1(a)に示したよう
に、初めの粒子の大きさは通常大きく、その縦横比は高
い。たとえば、アルミニウムシート材料の初めの粒子の
大きさが、典型的には、短い方の厚さの方向(または横
方向)では、約15μmであり、転がり方向では約50
μmである。結晶粒界が長いことから腐食が長い距離に
わたって伝わってしまうような剥離腐食環境において
は、長く引伸ばされたこれらの粒子は有害である。この
ことは、特に、図1(b)に概略的に示したように、止
金具の穴および端縁のような、側面の微細構造がそのよ
うな環境にさらされている場所においては事実である。
【0016】アルミニウム部品および老化した航空機の
一部の、端縁に沿った部分、および止金具の穴の内側付
近のような選択された場所において、図1(c)に概略
的に示したように、耐腐食のためのアルミニウム合金の
細粒の表面微細構造を形成することは、アルミニウムシ
ート材料の細粒のバルク処理、または表面処理を行なう
従来の方法とは根本的に異なるものである。アルミニウ
ム合金の止金具の穴の内部もしくは周辺または端縁に沿
って細粒表面形態学を形成する場合の第1段階は、パン
ケーキ状の大きな粒子構造を粉々にするための局部的な
冷間加工を含む。第2段階は、止金具の穴の内部および
周辺の表面または端縁に細粒構造の核形成のための、高
速な局部加熱による再結晶を含む。冷間加工およびそれ
に続く再結晶は、従来の金属加工手順であるが、これら
の2つの段階だけでは細粒表面の微細構造の形成に適用
されておらず、かつ、どの細粒加工も、アルミニウム合
金の空洞部内または端縁に沿った局部的な領域では適用
されていない。アルミニウム合金バルクでの急速な核形
成による粒子の精製のための溶液処理および従来の長時
間経時処理は、粒子の表面核形成が有効な機構である端
縁および止金具の穴に対しては必要ない。
【0017】細粒表面加工 細粒表面構造を形成するための、冷間加工とそれに続く
急速な再結晶の2つのステップからなるプロセスは、ア
ルミニウム部品の端縁および止金具の穴の双方に有効で
あり、かつ、現場での航空機の老化した部分の修理にも
有効である。止金具の穴、端縁、およびアルミニウム合
金材料の同様に腐食に敏感な領域の局部的な表面に対す
るこの細粒加工は、バルク材料またはシート材料の全体
表面に対して必要とされる、コストが高く、かつ多大な
時間を要する、従来の細粒加工のステップのいくつかを
無くすることができる。本工程では、従来のアルミニウ
ム粒子の精製の手順とは対照的に、加工される構造物の
部品の厚みについては制限がなく、また、その部品のた
だ一面から接近できればよいのである。
【0018】本発明による方法においては、先行技術に
おける最初のステップであるアルミニウム合金の溶液処
理が必要ない。溶液処理は、従来の工程においては、す
べての第2相の析出物を溶液中に入れ、その析出物を制
御された大きさおよび分布で引続いて再析出させるため
に用いられる。しかし、本発明による方法においては、
細粒の表面核形成に対して析出は必要なく、従って、溶
液処理のステップは必要ではなくなるのである。このス
テップが必要なくなることにより、既にT−6またはT
−7のエージングされた状態まで達した材料の表面を、
高温の溶液処理を行なわずに加工することができるよう
になる。これは、現場での老化した航空機の修理には、
特に有利である。なぜなら、細粒加工の前の航空機のす
べての止金具の穴への溶液処理を必要とするのは実際的
ではないからである。
【0019】本発明による方法は、先行技術で必要とさ
れた長時間のエージングをも必要としない。長時間のエ
ージング(たとえば400℃で8時間)では、二頂粗粒
細粒析出分布(bimodal coarse and fine precipitate
distribution)が展開する。細粒析出は、高温でのスー
パープラスティック形成(SPF:superplastic formi
ng)の間、粒子の成長を妨害する。SPFを適用する場
合を除いては、アルミニウム合金は、粒子が成長するの
に十分な高温(つまり、長時間の約450℃を上回る温
度下)には決してさらされることはない。したがって、
細粒析出は、アルミニウム合金の止金具の穴または他の
そのような選択された場所に対しては必要ではない。長
時間のエージングステップでは、再結晶の間、新しい粒
子の核形成部位として作用するより大きな析出の分布も
展開する。止金具の穴の内部および周辺において、腐食
および疲労を遅らせるために求められる粒子の精製の厚
みは、たとえば約100μm未満とかなり薄くすること
ができる。本発明は、薄膜の厚さが薄いとき、細粒は材
料のバルク内の大きな析出物の核形成部位とは異なる活
性表面における核形成部位を経て核形成を行なうという
事実を利用している。それゆえに、大きな析出物は、
“表面”細粒精製には必要とされない。したがって、従
来の細粒加工に用いられた、実用的でない高温での長時
間のエージングは、端縁、止金具の穴、または同様の局
部的な表面の細粒精製に対しては、必要ではないのであ
る。
【0020】本発明による方法では、材料の厚み全体の
大規模な加工は必要ではない。なぜなら、粒子の精製は
限られた深さ(たとえば、約100μm)にしか必要と
されないからである。したがって、材料の厚みを大幅に
縮小するような処理は、必要ないのである。本発明によ
る方法では、表面の形状を変形させるのみであり、本発
明でのピーニングの工具を用いると、それは常温でなし
得る。選択的な加工を行なうことにより、大きな構造物
の隔離した場所において、または、修理に応用する際の
粒子精製ができるようになる。本発明における方法は、
従来の微粒子加工において見られたようにシート材料に
限定されるものまたはシートの最大の厚さの制限を有す
るものではない。
【0021】本発明では、急速な再結晶は表面部位の冷
間加工の後に必要とされる。しかし、従来の方法とは異
なり、材料の表層体積の小さい再結晶は、特別な“領
域”に合せた工具および加工法を利用することによって
なすことができる。局部的な加熱は、たとえば、老化し
た航空機の修理の場合、加熱した銅の棒、レーザ光走
査、またはマイクロ波装置を端縁に適用したり、または
止金具の穴の中へ挿入したりすることによりなされても
よい。加熱すべき材料の体積が小さいことから、再結晶
は、短い加熱時間(たとえば、大抵の材料では約30秒
未満)で完了することができる。新たに組立てられたア
ルミニウム部品を(老化した航空機を修理するのではな
く)加工するときには、従来の再結晶の加工法が、端縁
および止金具の穴の表面の冷間加工の後に利用されても
よい。
【0022】老化した航空機の修理の場合、再結晶を行
なった材料の強度を高めるために行なう人工的なエージ
ングという従来の加工プロセスは、本発明の方法に従っ
て処理された材料の表層体積が小さい場合は必要ない。
加工を施された表面領域の周辺の材料は、既に強度が高
くなるまでエージングされており、また、この小さい体
積に対する3軸方向からの制約があるため、焼きを入れ
て丈夫になった材料の新しい細粒は、周囲の材料の性質
に近づくであろう。さらに、短い時間の中でアルミニウ
ム合金は自然にエージングされ、焼きを入れられて丈夫
になった体積においての強度レベルは、人工的なエージ
ングを施さなくともT−6およびT−7に達しているで
あろう。新しい部品の製作のためには、従来のエージン
グの手順を、細粒の微細構造の利点を変えることなく局
部的な微粒子加工の後に適用してもよい。
【0023】ピーニングの工具 図2は、アルミニウム合金の止金具の穴の内部表面11
に、局部的に作用を与えるように設計されたピーニング
の工具10の実施例の作業末端の縦断面図である。ピー
ニングの工具10は、たとえば電気または圧搾空気によ
る駆動装置を用いたドリルビットと同じ様式で操作され
る。工具10は、異なる直径の穴に適応するように、異
なる大きさを与えることができ、かつ、工具およびボー
ル型ピーンの寸法に応じて望まれるような表面11にお
ける様々な深さの冷間加工を生ずることができる。
【0024】図2に示したように、ピーニングの工具1
0は、回転軸14のための円筒形のハウジング12を備
えている。軸受15が、ハウジング12の中の軸14の
回転を助けるために、備えられていてもよい。軸14
は、ハウジング12の円周上の1つまたはそれ以上の輪
の上に間隔をあけて置かれた円形の開口に保持される複
数のボール型ピーン20を衝突させるための少なくとも
1つのカム18(図3に示す)を有するカム部16を備
える。図3、これは図2の断面線3−3で切断した工具
10の断面図である、に最もよく示したように、軸14
が回転することによって、カム部16の1つまたはそれ
以上のカム18が、ボール型ピーン20を、円筒形のハ
ウジング12の外側に向かって半径方向に短い距離(そ
の距離は、ボール型ピーン20、ボール型ピーン20の
ためのハウジング12の中の開口、ならびにカム部16
およびカム18の大きさにより決定され、かつ、制御さ
れる)だけ脈を打つような様式で動かす。工具10がア
ルミニウム合金の止金の穴に挿入されると、ボール型の
ピーン20は繰り返し表面11に衝突し、それによっ
て、表面11を冷間加工して、大きなパンケーキ状のア
ルミニウム合金の粒子を粉々にし、そして、細粒化され
た耐食微細構造を形成させる。穴の表面11全体に、ハ
ウジング12が回転している間中工具10が挿入された
り引戻されたりすることによって、冷間加工が施され
る。ハウジング12は、オペレータによって手動でまた
は電気、もしくは、圧搾空気を駆動装置として自動的に
回転する。
【0025】図4を参照して、ピーニング工具30は、
本発明の別の実施例を示している。工具30は、振動す
るプランジャまたはピストン34のための円筒形のハウ
ジング32を備えている。ハウジング32の中でピスト
ン34を支持し、かつ、導くためにブッシング35が備
えられていてもよい。ピストン34は、ハウジング32
の円周上に輪の上において間隔をあけて配置された円形
の開口に保持されたボール型のピーン20を衝突させる
ための1つまたはそれ以上のテーパの付いた部位36を
備えている。他の面においては、工具30は工具10と
同様に動作する。
【0026】剥離腐食の評価から、止金具の穴を直接囲
んでいる内部表面11および外部表面21の双方が耐食
性であるべきことが明らかになった。外部表面21は、
アルミニウム合金のシート材料が表面上に細粒微細構造
を与えられるような特別な加工を施され製造(または、
そのようなものが購入)されれば、耐食性を有すること
ができる。しかし、このアプローチでは、最終生成物の
コストがかなり増加することになり、かつ、耐食性が特
定の領域においてのみ求められる場合には、このアプロ
ーチは必要でない。その上、このアプローチは、局部的
な修理のアプローチが必要とされる航空機の老化した部
分において耐食性を向上する必要性には取り組んでいな
い。
【0027】ピーニングの工具10および30には、座
ぐりした表面、面取りした場所の面取り部、およびシー
ト材料の端縁に沿った部分において、耐食のための冷間
加工を施すように変更を加えることができる。これらの
特別な表面のために設計されたピーニングの工具の例
が、図5,6,および7に示されている。図5(a)
は、座ぐりした表面または止金具の穴を囲んでいる上表
面に冷間加工を施すのに適しているピーニングの工具4
0の実施例を示している。図5(b)に示す工具40の
底面図において最もよくわかるように、ボール型のピー
ン20は、穴の中でそれが回転させられるとき、工具4
0によって覆われる表面の本質的に全体に冷間加工を施
すために、あらゆる配列で配置されていてもよい。ボー
ル型ピーン20は、軸44が作動することにより表面に
作用を与えるように駆動するようになっていてもよい。
またその軸44は、工具10の動作と同様に軸44が回
転するとピーン20に衝突するような1つまたはそれ以
上のカムを備えていてもよいし、または、工具30のピ
ストン34のように振動するようになっていてもよい。
図6(a)およびそれに対応する底面図である図6
(b)は、止金具の穴と関連する面取りした表面への冷
間加工に適したピーニングの工具50の実施例を示して
いる。工具50の動作は、工具40に対して上述したこ
とに類似している。工具40および50は、一度の動作
で止金具の穴の内部、面取り部、端ぐり、および/また
は上表面に冷間加工を施すために、さまざまな実施例に
おいて工具10または30と組合されていてもよい。図
7は、シート材料68の端縁に沿った構成要素表面の冷
間加工のために設計されたピーニングの工具60の実施
例を示している。工具60の動作は、上述のピーニング
の工具の動作に類似している。工具60は、それがシー
ト材料68の端縁に沿って移動されるときに、端縁の側
面にのみ冷間加工を施すようなボール型のピーン20、
または図7に示すように、側面ならびに上部および底表
面の領域に冷間加工を施すように位置したボール型ピー
ン20、を備えていてもよい。
【0028】再結晶 粒子を最小の大きさにするためには、アルミニウム合金
の端縁または止金具の穴の冷間加工を施された領域をで
きるだけ速く再結晶させる必要がある。取り外した構成
要素に適した過程において、冷間加工を施された部分
は、約480℃から500℃の塩浴に浸されることがで
きる。塩浴加熱では、非常に速く伝熱が起こり、そのた
め、冷間加工を施されたアルミニウム合金の表面におけ
る再結晶は、約15秒未満の間で起こる。本発明に基づ
く過程は、アルミニウム合金の止金具の穴の冷間加工の
ために利用されており、また、そこでは約6μmのサイ
ズの等軸粒子が深さ約100μm(または、約0.00
4インチ)に渡って生じる。合金の微細構造精製の深さ
は、冷間加工を行なう深さの関数であり、その冷間加工
を行なう深さは、上述のボール型のピーニング用工具の
構成要素を適当な寸法で選ぶことにより、調節され、制
御されることができる。この過程を利用して得られた細
粒の大きさは、従来の手法を用いたアルミニウム合金の
粒子の精製の限界付近にあると考えられる。
【0029】部品が組立ての段階にあるとき、新しい構
造を製造するためには、前述の再結晶の工程は合理的に
実用的である。なぜなら、組立の前であれば、部品の全
体を塩浴において再結晶し、必要に応じてT−6または
T−7にまでエージングすることができ得るからであ
る。しかし、修理デポのような場所で、航空機の老化し
た部位を加工するには、「現場での」満足な加工法が必
要となる。現場では、組成物を取外したり、交換したり
することなく、止金具の穴の内部および周辺または端縁
に沿った表面領域を急速に再結晶させる必要がある。し
たがって、再結晶された表面領域の周辺の熱に影響を受
ける領域における材料の体積は、最小に保たれ得る。冷
間加工を施した止金具の穴の局部的な加熱および再結晶
は、銅製のシリンダのような工具を挿入することにより
なすことができ、その工具は、内部に埋込まれた抵抗加
熱器を備えていてもよく、また、熱を維持するために比
較的重厚であってもよい。加熱の速度が最高である表面
でより細かい細粒が生じるため、別の局部的な加熱方法
が効果的であることが明らかになるかもしれない。たと
えば、マイクロ波装置または光線の走査のための回転ミ
ラーを有するレーザ装置は、表面を急速に加熱するため
に、冷間加工を施された止金具の穴の中へ挿入された
り、端縁に沿って移動させられたりすることができるで
あろう。
【0030】本発明は、その特定の実施例に関して記述
されてきたが、当業者たちによって、本発明の領域を超
えることなく様々な変更および修正がなされ得るであろ
う。したがって、本発明には、前掲の特許請求の範囲の
領域内にある変更および修正を含むことが意図されてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、上表面、端縁の表面、および引き伸
ばされた粒子構造を有する従来の加工を施されたアルミ
ニウム合金のシート材料の一部分の概略図であり、
(b)は、(a)の端縁の表面に沿って剥離腐食した、
アルミニウム合金のシート材料の概略図であり、(c)
は、(a)の端縁の表面に局部的に細粒構造を形成する
ように加工を施したアルミニウム合金のシート材料の概
略図である。
【図2】止金具の穴の表面に対して制御された距離にボ
ール型のピーンを衝突させるための回転カム軸を有する
アルミニウム合金ピーニング工具の実施例の縦断面図で
ある。
【図3】図2のピーニングの工具の断面線3−3で切断
した断面図である。
【図4】止金具の穴の表面に対して、制御された距離に
ボール型ピーンを打込むための、テーパの付いた軸のあ
る振動するピストンを有する、アルミニウム合金をピー
ニングする工具の別の実施例の縦断面図である。
【図5】(a)は、止金具の穴の端ぐりまたは上表面に
対してボール型のピーンを衝突させるためのアルミニウ
ム合金をピーニングする工具の実施例の縦断面図であ
り、(b)は、(a)の端ぐりをピーニングする工具の
底面図である。
【図6】(a)は、止金具の穴の面取り表面に対してボ
ール型のピーンを衝突させるための、アルミニウム合金
をピーニングする工具の実施例の縦断面図であり、
(b)は、(a)の面取り表面のためのピーニングの工
具の底面図である。
【図7】アルミニウム合金のシート材料の端縁の表面に
対してボール型のピーンを衝突させるための、アルミニ
ウム合金のピーニングの工具の実施例の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ピーニングの工具 11 止金具の穴の内部表面 12 ハウジング 14 回転軸 15 軸受 16 カム部 18 カム 20 ボール型ピーン 21 止金具の穴の外部表面 30 ピーニングの工具 32 ハウジング 34 ピストン 35 ブッシング 36 ピストンのテーパーの付いた部位 40 ピーニングの工具 44 軸 50 ピーニングの工具 60 ピーニングの工具 68 シート材料

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材料において局部的な細粒
    表面の微細構造を形成する方法であって、 従来の溶液処理を行なわずに、アルミニウム材料の表面
    を冷間加工するステップと、かつ、 局部的な細粒表面の微細構造を得るために、冷間加工を
    施した表面を再結晶するステップとを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記冷間加工のステップは、アルミニウ
    ム材料の表面にピーニングを施すステップを含む、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記再結晶のステップは、冷間加工を施
    された表面を加熱するステップを含む、請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記冷間加工を施された表面を加熱する
    ステップが、冷間加工を施された前記表面に対して急速
    で局部的な加熱を施すステップを含む、請求項3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記冷間加工のステップが、アルミニウ
    ム材料の端縁の表面にピーニングを施すステップを含
    む、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記冷間加工のステップが、アルミニウ
    ム材料の止金具の穴の内部表面にピーニングを施すステ
    ップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム材料の止金具の穴の内
    部表面へのピーニングのステップが、止金具の穴の面取
    り表面にピーニングを施すステップを含む、請求項6に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム材料の止金具の穴の内
    部表面へのピーニングのステップが、止金具の穴の座ぐ
    りした表面にピーニングを施すステップを含む、請求項
    6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記冷間加工のステップが、アルミニウ
    ム材料の止金具の穴の周辺の表面にピーニングを施すス
    テップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 冷間加工の段階が、ボール型のピーニ
    ングの工具を用いた冷間加工を含む、請求項1に記載の
    方法。
JP7223070A 1994-09-02 1995-08-31 アルミニウム合金の選択された表面に局部的な細粒の微細構造を与える方法 Withdrawn JPH0874011A (ja)

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DE69505327T2 (de) 1999-03-04
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US5549768A (en) 1996-08-27
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