JPH0874174A - フッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法

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JPH0874174A
JPH0874174A JP6210283A JP21028394A JPH0874174A JP H0874174 A JPH0874174 A JP H0874174A JP 6210283 A JP6210283 A JP 6210283A JP 21028394 A JP21028394 A JP 21028394A JP H0874174 A JPH0874174 A JP H0874174A
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勇 坂根
Satsuki Kawauchi
五月 川内
Tadao Sato
忠夫 佐藤
Yoshitoyo Hongou
欣豊 本郷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス繊維等の耐熱性長繊維からなる嵩高加工
糸にフッ素樹脂を被覆するに際し、未焼成フッ素樹脂を
含む分散液に嵩高加工糸を含浸させ、分散液の余剰付着
分を風圧力を用いて除去し、次いで加熱焼成することに
より、嵩高性(バルキー性)等の特性を損なうことなく
フッ素樹脂を被覆する。 【構成】ガラス繊維の嵩高加工糸Gは、ガイドロール8
に導かれてフッ素樹脂を含む分散液7に浸漬され、引き
上げられ、ドクターロール28で余剰分が除去された
後、バキュームゾーン10で吸引力によりフッ素樹脂分
散液の余剰付着分は風圧力によりさらに除去され、フッ
素樹脂の付着率は5〜70重量%の範囲に制御される。
次いで乾燥ゾーンAで乾燥され、その後焼成ゾーンBで
焼成される。ガイドロール15〜19とテンションロー
ル20を通過し、引き取りローラー21,22とテーク
アップローラー23によって巻き取られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性長繊維(フィラ
メントヤーン)よりなる嵩高加工糸にフッ素樹脂の加熱
焼成層を有するフッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法に
関する。さらに詳しくは、例えば列車、バス、航空機、
ホテルなどの難燃性または不燃性内装材などに有用なフ
ッ素樹脂被覆繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】嵩高糸は一般には機械的な手段でフィラ
メント糸に細かいクリンプを与え、加熱などの方法で形
態固定することによって作られる糸である。例えば、ガ
ラス繊維よりなる嵩高糸はガラスフィラメントヤーンに
エアージェットにより嵩高加工を施し種々のバルキー性
をもたせたもので、加工法の違いによりバルキーヤー
ン、スライバーヤーンあるいはファンシーヤーンなどと
呼ばれるものが作られている。これらのヤーンは難燃
性、不燃性、嵩高性、断熱性、柔軟性などの特性が優れ
ており、ドアや壁に貼る断熱クロス、カーテン、フィル
ターバッグクロス等の用途に使用されている。しかしな
がら、これらの用途はいずれも洗濯することが困難であ
るため、とりわけ防汚性が要求される。
【0003】従来、耐熱性繊維にフッ素樹脂を含浸ある
いは被覆する技術は知られており、フィラメント、撚
糸、紡績糸等にフッ素樹脂を含浸、被覆し防汚性、耐薬
品性の改良、ミシン性、耐紫外線性などの改良がなされ
たヤーンが市販されている。又、その製造方法も特公平
4−016339号公報によって提案されている。これ
らの方法は撚糸あるいは集束されたフィラメントをフッ
素樹脂液、例えばポリテトラフロロエチレン樹脂(PT
FE樹脂)の水性ディスパージョンの中に連続的に浸漬
させ、その後余分に付着したフッ素樹脂液をドクターブ
レード、絞りロールあるいはダイス等によって取り除
き、フッ素樹脂の付着量をコントロールし、その後、乾
燥及び焼成炉で加熱処理し連続的に巻き取る方法がとら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、嵩高加
工糸(バルキーヤーン)の場合は、従来の方法でフッ素
樹脂液を含浸被覆し、絞りロールあるいはドクターブレ
ードのみによって余剰付着液を除去すると加工糸が押し
つぶされ嵩高性が失われ、その後そのままの形状で加熱
乾燥及び焼成されるため、焼成された被覆繊維は、偏平
になったり、堅くなったり、不規則な形状になり本来の
嵩高性や風合いなどが失われてしまうという問題があっ
た。嵩高性の失われる状態は、フッ素樹脂の付着量にも
大きく影響を受け、付着量が増加する程、嵩高性や風合
いも失われ、なおかつ堅くなり繊維として使用できなく
なるという問題があった。
【0005】本発明は、前記従来の課題を解決するた
め、耐熱性長繊維の嵩高加工糸の嵩高性(バルキー性)
を失わずに表面にフッ素樹脂の焼成層を有するフッ素樹
脂被覆繊維及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のフッ素樹脂被覆繊維は、耐熱性長繊維から
なる加工糸の表面にフッ素樹脂を被覆した繊維であっ
て、前記フッ素樹脂は加工糸の表面に実質的に均一に被
覆しているとともに、前記加工糸は嵩高性を有している
ことを特徴とする。
【0007】前記において、フッ素樹脂の付着率が前記
式(数1)で算出して8〜70重量%の範囲であること
が好ましい。また前記において、フッ素樹脂被覆繊維の
圧縮率がフッ素樹脂を被覆する前の原糸の圧縮率の20
%以上であることが好ましい。
【0008】また前記において、耐熱性長繊維がガラス
繊維、ポリイミド繊維、芳香族系ポリアミド繊維、カー
ボン繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維であること
が好ましい。前記カーボン繊維は、炭素繊維、耐炎化繊
維、グラファイト化繊維などを含む。
【0009】また前記において、表面に被覆したフッ素
樹脂に着色剤が存在していることが好ましい。次に本発
明のフッ素樹脂被覆繊維の製造方法は、未焼成フッ素樹
脂を含む分散液に耐熱性長繊維からなる嵩高加工糸を含
浸させ、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力を用い
て除去し、次いで加熱焼成したことを特徴とする。
【0010】前記において、耐熱性長繊維からなる嵩高
加工糸を未焼成フッ素樹脂を含む分散液に含浸させた
後、フッ素樹脂付着長繊維を絞り、余剰付着分を一部取
り除き、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力を用い
て除去することが好ましい。
【0011】前記において、未焼成フッ素樹脂を含む分
散液の余剰付着分を風圧力を用いて除去する方法が、吸
引手段によるものであることが好ましい。また前記にお
いて、フッ素樹脂が、ポリテトラフロロエチレン樹脂
(PTFE樹脂)、テトラフロロエチレン−ヘキサフロ
ロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、テトラフロロエ
チレン−パーフロロビニルエーテル共重合体(PFA樹
脂)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF樹脂)、エチレ
ン−テトラフロロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、
エチレン−クロロトリフロロエチレン共重合体(ECT
FE樹脂)から選ばれる少なくとも一つであることが好
ましい。
【0012】
【作用】前記した本発明のフッ素樹脂被覆繊維構成によ
れば、フッ素樹脂被覆繊維は、耐熱性長繊維からなる加
工糸の表面にフッ素樹脂を被覆した繊維であって、前記
フッ素樹脂は加工糸の表面に実質的に均一に被覆してい
るとともに、前記加工糸は嵩高性を有していることによ
り、耐熱性長繊維の嵩高加工糸の嵩高性(バルキー性)
を失わずに表面にフッ素樹脂の焼成層を有するフッ素樹
脂被覆繊維を実現できる。またこれにより、風合い、柔
軟性等の特性を損なうことなく、耐熱性と合せて本来フ
ッ素樹脂がもつ撥水性、防汚性、不燃性、耐薬品性等を
兼ねそなえた被覆繊維を実現できる。
【0013】前記において、フッ素樹脂の付着率が前記
式(数1)で算出して5〜70重量%の範囲であるとい
う好ましい例によれば、さらに嵩高性(バルキー性)、
風合い、柔軟性等の特性を損なうことなく、耐熱性と合
せてフッ素樹脂のもつ撥水性、防汚性、不燃性、耐薬品
性等を兼ねそなえた被覆繊維を実現できる。なお、前記
式(数1)の付着率とは、存在率と同じ意味である。
【0014】また前記において、フッ素樹脂被覆繊維の
圧縮率がフッ素樹脂を被覆する前の原糸の圧縮率の20
%以上であるという好ましい例によれば、実用的にも十
分である。
【0015】また前記において、耐熱性長繊維がガラス
繊維、ポリイミド繊維、芳香族系ポリアミド繊維、カー
ボン繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維であるとい
う好ましい例によれば、従来嵩高性(バルキー性)を損
なわずにフッ素樹脂を焼き付けて被覆形成することが困
難であった耐熱性長繊維を用いて、フッ素樹脂を焼き付
けて被覆形成することができる。とくにガラス長繊維嵩
高加工糸に有用である。
【0016】また前記において、表面に被覆したフッ素
樹脂に着色剤が存在しているという好ましい例によれ
ば、様々な色調や模様を発現でき、商品的価値を高くす
ることができる。
【0017】次に本発明の製造方法によれば、未焼成フ
ッ素樹脂を含む分散液に耐熱性長繊維からなる嵩高加工
糸を含浸させ、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力
を用いて除去し、次いで加熱焼成したことにより、嵩高
性(バルキー性)、風合い、柔軟性等の特性を損なうこ
となく、撥水性、防汚性、不燃性、耐薬品性等を兼ねそ
なえたフッ素樹脂被覆繊維を効率よく合理的に製造でき
る。すなわち、フッ素樹脂分散液の余剰付着分を風圧力
を用いて除去することにより、フッ素樹脂を均一に付着
させることができる。
【0018】前記において、耐熱性長繊維からなる嵩高
加工糸を未焼成フッ素樹脂を含む分散液に含浸させた
後、フッ素樹脂付着長繊維を絞り、余剰付着分を一部取
り除き、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力を用い
て除去するという好ましい例によれば、絞ることによっ
て、フッ素樹脂余剰付着分を取り除き、これを含浸槽に
返すことができるので、製造コストを安価にできる。ま
た絞った後に風圧力を用いてさらに前記分散液の余剰付
着分を除去するが、このとき風圧力を用いているので、
フッ素樹脂付着長繊維の嵩高性(バルキー性)を高く保
持できる。すなわち、最初の絞り工程で見掛上嵩高性が
落ちても、風圧力処理工程で嵩高性は回復する。
【0019】前記において、未焼成フッ素樹脂を含む分
散液の余剰付着分を風圧力を用いて除去する方法が、吸
引手段によるものであるという好ましい例によれば、さ
らにフッ素樹脂を均一に付着させることができる。もち
ろん、風圧力を用いて除去する方法としては、空気等の
気体を吹き付けることもできる。
【0020】また前記において、フッ素樹脂が、ポリテ
トラフロロエチレン樹脂(PTFE樹脂)、テトラフロ
ロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体(FEP
樹脂)、テトラフロロエチレン−パーフロロビニルエー
テル共重合体(PFA樹脂)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF樹脂)、エチレン−テトラフロロエチレン共
重合体(ETFE樹脂)、エチレン−クロロトリフロロ
エチレン共重合体(ECTFE樹脂)から選ばれる少な
くとも一つであるという好ましい例によれば、撥水性、
防汚性、不燃性、耐薬品性等を付与できる。
【0021】
【実施例】本発明のフッ素被覆繊維及び製造方法を実施
例を用いてさらに具体的に説明する。図1は本発明で用
いる製造プロセスの一例である。図1において、ガラス
繊維の嵩高加工糸Gは糸巻きパッケージ1から解舒され
て、ガイドロール2,3,4,5を通過し、フッ素樹脂
を含む分散液7に中に存在するガイドロール8に導かれ
て浸漬される。フッ素樹脂を含む分散液7は槽6に貯蔵
され、嵩高加工糸Gに付着して減る分は、供給槽9aか
ら供給ライン9bを通じて供給される。フッ素樹脂を含
む分散液7に浸漬されたガラス繊維の嵩高加工糸Gは、
上方のガイドロール15に向かって引き上げられる。そ
してフッ素樹脂液が付着しているガラスヤーンの表面を
ドクターロール28に沿わせ、余分に付着したフッ素樹
脂を絞り除去する。次いで、バキュームゾーン10で吸
引力によりフッ素樹脂分散液の余剰付着分は風圧力によ
り除去される。バキュームゾーン10はバキュームポン
プ11a,バキュームライン11bに接続されている。
またバキュームゾーン10は、金網、細孔の開いたメッ
シュプレート、スリット孔の開いたパイプなどで形成さ
れ、外部または内部をガラス繊維の嵩高加工糸Gが通過
するようになっている。これにより、フッ素樹脂の付着
率は5〜70重量%の範囲に制御される。前記におい
て、ドクターロール28を用いて絞ることにより、フッ
素樹脂余剰付着分を取り除き、これを含浸槽に返すこと
ができるので、製造コストを安価にできる。また絞った
後にバキュームゾーン10で吸引力を用いてさらに前記
分散液の余剰付着分を除去するが、このとき風圧力を用
いているので、フッ素樹脂付着長繊維の嵩高性(バルキ
ー性)を高く保持できる。すなわち、最初の絞り工程で
見掛上嵩高性が落ちても、風圧力処理工程で嵩高性は回
復する。
【0022】次いでガラス繊維嵩高加工糸Gは、乾燥ゾ
ーンAの糸通過孔14で乾燥される。乾燥ゾーンAは例
えば熱板12の中にヒーター13が埋め込まれており、
温度コントローラーT1 25によって温度100〜30
0℃の範囲、で調節できる。次いで乾燥されたガラス繊
維嵩高加工糸Gは、焼成ゾーンBで焼成される。焼成ゾ
ーンBは、温度コントローラーT3 27によって温度7
00℃の範囲まで調節できる。なお、乾燥ゾーンAと焼
成ゾーンBの境界部には温度コントローラーT 2 26を
設けてたとえば温度280〜450℃の範囲にコントロ
ールする。乾燥から焼成までの各ゾーンにおける設定温
度は各ゾーンを通過するガラス繊維の通過速度あるいは
供給するガラス繊維の本数、付着量などによって最適の
条件を設定することができる。糸通過孔14からはガス
が発生するので、排気ファン24により排気する。
【0023】以上のようにしてフッ素樹脂が焼成被覆さ
れたガラス繊維嵩高加工糸Gは、ガイドロール15,1
6,17,18,19とテンションロール20を通過
し、引き取りローラー21,22とテークアップローラ
ー23によって巻き取られる。図1においては、わかり
やすく説明するために1本のガラス繊維嵩高加工糸Gを
用いた加工例を示したが、実用的には複数本、たとえば
30〜150本程度を並列させて処理するのが好まし
い。
【0024】耐熱性長繊維例えばガラス繊維の嵩高加工
糸は、公知の方法にしたがってガラスフィラメントヤー
ンをエアージェットによる高速乱気流中に入れ、各繊維
にクリンプを形成することにより得られる。嵩高性は、
定長間に付与するクリンプの数を変化させることにより
コントロールすることができる。これらの嵩高糸は断熱
特性や柔軟性あるいは樹脂含浸性、あるいは織物として
の風合いや装飾性など優れた特性を有しており、耐熱
性、不燃性等を必要とする航空機や車輌内装材の用途に
使われている。またこれらの嵩高糸に防汚性や耐薬品
性、撥水性などを付与するためにフッ素樹脂等を含浸さ
せたりコーティングした嵩高糸が要望されているが、前
述の通りフッ素樹脂を含浸すると原糸の嵩高特性が失わ
れてしまい、フッ素樹脂の特性が得られる必要付着量と
嵩高特性を兼ね合せて持たせることは困難であった。
【0025】また、ガラス繊維の場合は嵩高加工は可能
であってもインテリア性を持たせるため原糸の状態から
着色を行うことは非常に難しく、充分な耐熱性を有しな
おかつカラフルに着色されたガラス繊維も開発されてい
ない。本発明で提供する繊維は耐熱性、嵩高性、防汚、
撥水、耐薬品性等の特性を有すると同時にカラー特性も
有する複合繊維である。
【0026】以下、本発明について具体的実施例及び比
較例を挙げて更に詳しく説明する。 (実施例1)ECDE75 1/2−3.8Sで222
Tex(ECDE75 1/2は、ガラス繊維業界の品
種記号で、Eは無アルカリ硝子、Cは長繊維、DEはデ
ニールの意味で長さ9000m当たりのグラム数、1D
Eはフィラメント直径6μm)、75 1/2はストラ
ンドの表示、3.8Sは1インチ当たりS撚3.8回の
意味である。以下同様。)のガラスフィラメントヤーン
で、10cm間に25回のクリンプ加工を施したバルキ
ーヤーン(嵩高加工糸)を原糸とした。
【0027】このガラスヤーンの圧縮率をカトーテック
(株)製の圧縮試験機(KES−FB3)を使い、上限
荷重50gf/cm2 で測定したところ84%であっ
た。このガラスヤーンを図1に示す製造プロセスで処理
した。まずPTFE樹脂(旭ガラス(株)AD−1)デ
ィスパージョン水溶液を比重が1.102g/ccにな
るように調整した。このPTFE樹脂ディスパージョン
水溶液に前記ガラスバルキーヤーンを浸漬した。次いで
乾燥ゾーンに入るまでの間でかつバキュームゾーンに入
る前にフッ素樹脂液が付着しているガラスヤーンの表面
をドクターロールに沿わせ、余分に付着したフッ素樹脂
を除去した。そののち、長さ10〜15mm部分に渡
り、PTFE含浸ヤーン表面を8m/secの風速で吸
引し、余分のディスパージョンを除去すると同時に付着
量を調整した。次いで、乾燥ゾーン温度280℃(滞留
時間:約7秒)、焼成ゾーン温度480℃(滞留時間:
約4秒)でフッ素樹脂を焼成処理した。これらの一連の
処理は線速27m/分で連続的に行った。焼成後のPT
FE樹脂の付着量は25.8重量%であり、ほぼ均一に
付着していた。また前記圧縮試験機で測定した結果、圧
縮率はフッ素樹脂を被覆する前の原糸の圧縮率の80%
でありガラスヤーンはPTFE樹脂で含浸被覆焼成さ
れ、なおかつバルキー加工されたガラスヤーンは構成単
繊維フィラメントが広がった状態、すなわち凝集化して
いなかった。また嵩高性を維持し、官能検査においても
風合いのある柔軟な嵩高糸を得ることができた。
【0028】(実施例2)ECDE75 2/4−2.
8Sで595Texのガラスヤーンで10cm間に20
〜30回のクリンプ加工を施したバルキーヤーンを原糸
とした。
【0029】このガラスヤーンの圧縮率は93%であっ
た。このガラスヤーンを実施例1の設備にてフッ素樹脂
の含浸被覆及び焼成を行った。フッ素樹脂はPTFE樹
脂(硝ガラス(株)AD−1)ディスパージョンで比重
が1.28g/ccに調整し、このディスパージョンに
無機顔料(EP−510、大日精化)を30wt%水に
分散させた混合液を5vol%混合し、着色ディスパー
ジョンを用意した。このディスパージョンに前記ガラス
ヤーンを浸漬し、線速10m/分、乾燥ゾーン温度25
0℃、焼成ゾーン温度430℃で含浸、被覆、焼成処理
を行った。
【0030】ただしガラスヤーンはPTFE樹脂ディス
パージョンを含浸し、乾燥ゾーンに入る前に実施例1に
記載のドクターロールで余分のフッ素樹脂液を除去した
のち、次いで長さ10〜15mm部分に渡り表面を6m
/secで吸引し、余分のPTFE樹脂ディスパージョ
ンを除去した後加熱乾燥及び焼成を行った。
【0031】焼成後のPTFE樹脂の付着量は58重量
%であり、ほぼ均一に付着していた。また前記圧縮試験
機で測定した圧縮率は34%であった。このガラスヤー
ンは青色に着色されたPTFE樹脂が含浸被覆され焼成
され、嵩高性、風合いさらに撥水性、防汚性を兼ねそな
えた複合繊維として得ることができた。
【0032】(比較例1)実施例2と同一のガラスヤー
ンを用い、PTFE樹脂ディスパージョンを含浸し乾燥
ゾーンに入る前にその表面を吸引し余分なディスパージ
ョンを除去する工程を入れない以外は実施例1と同一の
条件でフッ素樹脂含浸被覆ガラスヤーンを製作した。
【0033】PTFE樹脂の付着量を一定にするため
に、ドクターロールで余分なPTFEディスパージョン
を除去した。PTFE樹脂乾燥焼成後のガラスヤーンの
付着量は60%であり圧縮率は13%であった。このガ
ラスヤーンの表面は偏平になり柔軟性に乏しく繊維とし
ての特徴を失っていた。
【0034】(比較例2)実施例1と同様のガラスヤー
ンを用い、比重が1.10g/ccに調整したPTFE
樹脂ディスパージョンに含浸し、ドクターロール及びバ
ッキュームゾーンで余分なディスパージョンを除去し、
焼成後の付着量が3重量%のPTFE樹脂含浸被覆ガラ
スヤーンを製作した。このガラスヤーンは風合い及び柔
軟性は優れた複合繊維であったが耐薬品性あるいは防汚
性の面で不充分でありPTFE樹脂の複合化の効果が余
りなかった。
【0035】以上説明したとおり、本実施例の複合繊維
は嵩高糸特有の優れた風合いや柔軟性あるいは断熱特性
を持ちながらフッ素樹脂との複合化によってフッ素樹脂
の有する防汚性や撥水性あるいは耐薬品性を兼ねそなえ
た複合繊維を製作することが出来た。これらの複合繊維
は織物あるいは編物などに加工し、耐熱性や不燃性、防
汚性等を必要とするインテリア材料あるいは嵩高性と耐
薬品性等を必要とするフィルターバッグクロス、また着
色性、ファッション性なども兼ね備えた種々の用途に展
開できる。
【0036】
【発明の効果】前記した本発明によれば、フッ素樹脂被
覆繊維は、耐熱性長繊維からなる加工糸の表面にフッ素
樹脂を被覆した繊維であって、前記フッ素樹脂は加工糸
の表面に実質的に均一に被覆しているとともに、前記加
工糸は嵩高性を有していることにより、耐熱性長繊維の
嵩高加工糸の嵩高性(バルキー性)を失わずに表面にフ
ッ素樹脂の焼成層を有するフッ素樹脂被覆繊維を実現で
きる。またこれにより、風合い、柔軟性等の特性を損な
うことなく、耐熱性と合せて本来フッ素樹脂がもつ撥水
性、防汚性、不燃性、耐薬品性等を兼ねそなえた被覆繊
維を実現できる。
【0037】次に本発明の製造方法によれば、未焼成フ
ッ素樹脂を含む分散液に耐熱性長繊維からなる嵩高加工
糸を含浸させ、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力
を用いて除去し、次いで加熱焼成したことにより、嵩高
性(バルキー性)、風合い、柔軟性等の特性を損なうこ
となく、撥水性、防汚性、不燃性、耐薬品性等を兼ねそ
なえたフッ素樹脂被覆繊維を効率よく合理的に製造でき
る。すなわち、フッ素樹脂分散液の余剰付着分を風圧力
を用いて除去することにより、フッ素樹脂を均一に付着
させることができる。前記において、耐熱性長繊維から
なる嵩高加工糸を未焼成フッ素樹脂を含む分散液に含浸
させた後、フッ素樹脂付着長繊維を絞り、余剰付着分を
一部取り除き、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力
を用いて除去するという好ましい例によれば、絞ること
によって、フッ素樹脂余剰付着分を取り除き、これを含
浸槽に返すことができるので、製造コストを安価にでき
る。また絞った後に風圧力を用いてさらに前記分散液の
余剰付着分を除去するが、このとき風圧力を用いている
ので、フッ素樹脂付着長繊維の嵩高性(バルキー性)を
高く保持できる。すなわち、最初の絞り工程で見掛上嵩
高性が落ちても、風圧力処理工程で嵩高性は回復する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造プロセスを示す工程
図。
【符号の説明】
1 糸巻きパッケージ 2,3,4,5,8,15,16,17,18,19,
ガイドロール 6 フッ素樹脂を含む分散液槽 7 フッ素樹脂を含む分散液 9a フッ素樹脂を含む分散液の供給槽 9b フッ素樹脂を含む分散液の供給ライン 10 バキュームゾーン 11a バキュームポンプ 11b バキュームライン 12 熱板 13 ヒーター 14 糸通過孔 20 テンションロール 21,22 引き取りローラー 23 テークアップローラー 24 排気ファン 25,26,27 温度コントローラー 28 ドクターロール A 乾燥ゾーン B 焼成ゾーン G 嵩高加工糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本郷 欣豊 滋賀県大津市一里山5丁目13番13号 株式 会社アイ・エス・テイ内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性長繊維からなる加工糸の表面にフ
    ッ素樹脂を被覆した繊維であって、前記フッ素樹脂は加
    工糸の表面に実質的に均一に被覆しているとともに、前
    記加工糸は嵩高性を有していることを特徴とするフッ素
    樹脂被覆繊維。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂の付着率が下記式(数1)で
    算出して5〜70重量%の範囲である請求項1に記載の
    フッ素樹脂被覆繊維。 【数1】
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂被覆繊維の圧縮率がフッ素樹
    脂を被覆する前の原糸の圧縮率の20%以上である請求
    項1に記載のフッ素樹脂被覆繊維。
  4. 【請求項4】 耐熱性長繊維がガラス繊維、ポリイミド
    繊維、芳香族系ポリアミド繊維、カーボン繊維から選ば
    れる少なくとも一つの繊維である請求項1に記載のフッ
    素樹脂被覆繊維。
  5. 【請求項5】 表面に被覆したフッ素樹脂に着色剤が存
    在している請求項1に記載のフッ素樹脂被覆繊維。
  6. 【請求項6】 耐熱性長繊維からなる加工糸の表面にフ
    ッ素樹脂を被覆した繊維の製造方法であって、未焼成フ
    ッ素樹脂を含む分散液に耐熱性長繊維からなる嵩高加工
    糸を含浸させ、次いで前記分散液の余剰付着分を風圧力
    を用いて除去し、次いで加熱焼成したことを特徴とする
    フッ素樹脂被覆繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 耐熱性長繊維からなる嵩高加工糸を未焼
    成フッ素樹脂を含む分散液に含浸させた後、フッ素樹脂
    付着長繊維を絞り、余剰付着分を一部取り除き、次いで
    前記分散液の余剰付着分を風圧力を用いて除去する請求
    項6に記載のフッ素樹脂被覆繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 未焼成フッ素樹脂を含む分散液の余剰付
    着分を風圧力を用いて除去する方法が、吸引手段による
    ものである請求項6に記載のフッ素樹脂被覆繊維の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 フッ素樹脂が、ポリテトラフロロエチレ
    ン樹脂(PTFE樹脂)、テトラフロロエチレン−ヘキ
    サフロロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、テトラフ
    ロロエチレン−パーフロロビニルエーテル共重合体(P
    FA樹脂)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF樹脂)、
    エチレン−テトラフロロエチレン共重合体(ETFE樹
    脂)、エチレン−クロロトリフロロエチレン共重合体
    (ECTFE樹脂)から選ばれる少なくとも一つである
    請求項1または6に記載のフッ素樹脂被覆繊維及びその
    製造方法。
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