JPH0875350A - 被乾燥体の乾燥システム - Google Patents

被乾燥体の乾燥システム

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JPH0875350A
JPH0875350A JP6262983A JP26298394A JPH0875350A JP H0875350 A JPH0875350 A JP H0875350A JP 6262983 A JP6262983 A JP 6262983A JP 26298394 A JP26298394 A JP 26298394A JP H0875350 A JPH0875350 A JP H0875350A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間で被乾燥物を製造することができ、さら
には風味も充分に兼ね備えた被乾燥体を製造することが
できる被乾燥体の乾燥システムを提供する。 【構成】乾燥室11の天井裏に遠赤外線ヒータ33を配
設し、この遠赤外線ヒータ33からの熱により乾燥室1
1内を平均加熱するとともに、乾燥室11内に給気手段
16と排気手段17とを配設し、給気手段16により乾
燥室11内に外部の空気を導入する一方、排気手段17
により乾燥室11内の圧力を常時減圧状態に維持し、常
に新しい空気を導入しながら乾燥室内の被乾燥体を減圧
化で加熱乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被乾燥体の乾燥システム
に関し、詳しくは海産物等を効率的に乾燥させることの
できる被乾燥体の乾燥システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からアジ、サバなどを始めとして、
各種の海産物から長期間、保存がきき、しかも独特の風
味を兼ね備えた干物が製造され、市場に提供されてい
る。
【0003】このような従来の干物等の乾燥システムで
は、図6に示したように、被乾燥体1が収納された乾燥
室2の側方にボイラー等の加熱手段3を配置し、この加
熱手段3から発生させた熱風あるいは温風を、乾燥室2
内に送出させる一方、この乾燥室2内の空気を冷却室4
内に導入し、該冷却室4内で乾燥室2から導いた空気を
冷却および徐湿し、この徐湿処理された空気を、再度加
熱手段3に通して乾燥室2内に送出している。また、前
記冷却室4内で徐湿処理された一部の空気はそのまま乾
燥室2内に送出している。すなわち、従来のシステムで
は、空気を循環させて干物を製造するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の被乾燥体の乾燥システムでは、加熱室3から供給
される温風等で乾燥室2内の温度を上昇させ、この熱で
被乾燥体1の表面から水分を乾燥させるので、乾燥の始
めから製品を得るまでの間に多数の日数がかかるととも
に、加熱された空気を冷却するためのエネルギーが必要
になる。したがって、例え新鮮な海産物から干物を製造
した場合であっても、干物を製造する過程で被乾燥体が
酸化してしまい、鮮度が落ちてしまうという問題もあっ
た。
【0005】しかも、従来の乾燥システムでは、加熱手
段として重油あるいはガスを用いた熱発生源と冷却用の
電源が必要になるため、乾燥に要する費用が高く、コス
ト高になる問題があった。
【0006】本発明は上記実情に鑑み、短時間で被乾燥
体を製造することができ、しかも乾燥するにあたり安価
で製造することができ、さらには新鮮な風味を損なうこ
となく被乾燥体を製造することができる被乾燥体の乾燥
システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る被乾燥体の乾燥システムでは、被乾燥体
が収納された乾燥室の天井を含む壁面に遠赤外線ヒータ
を配設し、この遠赤外線ヒータからの熱により前記乾燥
室内を平均加熱するとともに、前記乾燥室内に連通する
給気手段と排気手段とを配設し、前記給気手段により前
記乾燥室内に外部の空気を導入する一方、前記排気手段
により前記乾燥室内の空気を前記給気手段による給気よ
り大幅に多く排出して前記乾燥室内の圧力を常時減圧状
態に維持し、さらに前記乾燥室内の温度を温度サンサで
検知し、この温度センサで検知された検知温度に基づい
て前記遠赤外線ヒータの強度を調整するとともに、前記
給気手段および前記排気手段とを別々に制御するように
したことを特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成による本発明によれば、遠赤外線ヒー
タにより乾燥室内を均一に加熱し、室内の気流を循環さ
せることによって乾燥を促進させ、さらに、乾燥室内を
減圧状態に維持しているので、少ない投入エネルギーで
しかも短時間のうちに被乾燥体の表面のみならず内部か
らも水分を蒸発させることができる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明に係る被乾
燥体の乾燥システムの実施例について説明する。
【0010】図1は本発明に係る被乾燥体の乾燥システ
ムの概略を示したもので、図2はその概略を斜視図で示
したものである。この乾燥システム10では、周囲を断
熱材で囲繞した乾燥室11の上方部に第2の部屋12が
画成されている。また、乾燥室11内には出入口13を
介して出入りできるようになっている。
【0011】そして、乾燥室11内には、台車14に予
め多数の被乾燥体15が多段に積層され、この台車14
を介して被乾燥体15が収納される。一方、乾燥室11
内には、給気手段16と排気手段17とが別々に設けら
れており、給気手段16は上部に、排気手段17は下部
に設けられている。
【0012】給気手段16は、配管18を介して屋外の
新鮮な空気を乾燥室11内に導入し、乾燥室1内の気流
を循環させるもので、屋外の空気は第2の部屋12内に
設置されたファン19で吸引される。そして、吸引され
た空気は、エアフィルタ20、21を介して一旦、この
第2の部屋12内に導入され、乾燥室11の天井11a
に形成された図示しない開口を介して乾燥室11内に供
給される。
【0013】そして、この乾燥室11内に供給された空
気は、給気手段16で第2の部屋12と乾燥室11との
間を適宜循環されている。したがって、乾燥室11内で
は、気流の循環が生じている。
【0014】また、排気手段17は、乾燥室11内の加
湿空気を側方に配設された2つの配管23、24を介し
て屋外に排出するもので、1つあるいは別々のモータで
駆動するブロア25、26を有している。
【0015】さらに、上記給気手段16および排気手段
17の配管18および配管23、24には、それぞれバ
ルブ31、32、33が配設され、自動あるいは手動に
より管路の開度を調整できるようになっている。
【0016】給気手段16は、制御盤60のレギュレー
タ27で吸引風量を調整するもので、風量設定器28に
より吸引風量が指定される。一方、排気手段17は、レ
ギュレータ29で排気風量を調整するもので、風量設定
器30により排気風量が設定される。なお、この排気風
量は、上記吸気風量に比べて大幅に多くする。例えばこ
の排気能力は最大1500m3/H〜最小500m3/Hの
範囲である。
【0017】このような給気手段16および排気手段1
7は、共に100V電源22により稼動される。他方、
乾燥室11の天井11aには、図3に示したような遠赤
外線ヒータ33が設置されている。
【0018】この遠赤外線ヒータ33は、天井11aを
構成する母材34にセラミック溶射層35が設けられて
いる。また、母材34の背面には、加熱手段36が配置
され、外側がケーシング37で覆われている。
【0019】上記母材34は例えば2mm厚さのAl板
であり、セラミック溶射層35の厚さは20ミクロン程
度である。ただし、母材34を構成する部材には、特に
限定はなくセラミック溶射の母材として使用することの
できる材料であればステンレスなど他の材料を用いても
良い。また、パンチングプレート等の多孔板を用いて、
この孔を空気通路としても良い。
【0020】前記セラミックは、1種類の原料である必
要はなく、種々の原料を混合した組成物であってよい。
使用しうる原料には特に限定はないが、遠赤外線を多く
放射するセラミックとしては、例えばジルコニア、マグ
ネタイト、アルミナ、ジルコン、鉄、クロム、マンガン
などの複合酸化物などが挙げられる。
【0021】セラミックの溶射は、通常プラズマ溶射ガ
ンによって行なう。このプラズマ溶射ガンは、1万°C
以上の超高温プラズマアーク炎を作り、これに粉末とし
た原料を送り込み、マッハ1〜2などの高速ジェット噴
流中で融解させながら対象母材表面に原料を叩きつけて
セラミック層を形成するものである。
【0022】本実施例の遠赤外線ヒータ33は上記のよ
うに形成され、乾燥室11の天井11aの略全面に構成
され、200V電源43により稼動される。また、乾燥
室11内には温度センサ31が設置されるとともに、イ
ンバータ32を有している。このような遠赤外線ヒータ
33の強弱は連続的な調整が可能になっている。
【0023】このような遠赤外線ヒータ33を用いる
と、床面からの高さが2.5メートルであるとき、この
高さでの温度が例えば37°Cであるとき、ヒータ33
の稼動から10分程で所定の37°Cに到達する。ま
た、床付近の温度は、実線46で示したようにこれより
高く、41℃付近にある。したがって、乾燥室11内で
は、床付近にある被乾燥体15も効率的に乾燥すること
ができる。このような遠赤外線ヒータ33を使用するこ
とにより、高い遠赤外線放射効率により少ない投入エネ
ルギーで被乾燥体の表面のみならず中心部からも水分を
放出させることができる。実験結果によれば、従来の加
熱手段により乾燥させた場合に比べて2倍もの水分を内
部から放出させることができた。
【0024】本実施例による被乾燥体の乾燥システム1
0は上記のように構成されているが、以下にその作用に
ついて説明する。今、乾燥室11内には、台車14に積
層されて被乾燥体15が多量に収容されている。また、
給気手段16および排気手段17および遠赤外線ヒータ
33は、制御盤60で調整されてそれぞれ稼動されてい
る。
【0025】このような乾燥室11内では、給気手段1
6を介して外部の新鮮な空気が第2の部屋12を介して
供給され、乾燥室11内に対流が生じ、気流が循環され
ている。また、排気手段17を介して乾燥室11内の空
気が外部に排出されている。さらに、乾燥室11内で
は、給気に比べて排気を大幅に増やすことにより、圧力
が例えば、大気圧より3mb以上、好ましくは10mb以上
低い圧力に維持されている。
【0026】さらに、乾燥室11内では、遠赤外線ヒー
タ33の稼動により、天井11aからは被乾燥体15が
吸収しやすい遠赤外線が放射されている。したがって、
このような乾燥室11内では、室内が略均一に加熱さ
れ、室内の気流が循環されるとともに、減圧されている
ので、水分の蒸発が促進されている。また、台車14に
積載された被乾燥体15からは、表面のみならず中心部
からも水分が蒸発される。このように、乾燥室11内で
は水分の乾燥が早く、これにより乾燥時間を短くするこ
とができる。乾燥室11内で乾燥するものとしては、例
えば、アジ、サバ、サケ、片口鰯、畳鰯、鰈などの魚類
の他、タコ、ホタテ、アサクサノリ、コンブ、桜貝、海
鼠などの他の海産物が挙げられる。
【0027】しかし、乾燥するものとしては、海産物に
何ら限定されず、イモ、干し柿など農産物を乾燥するこ
ともできる。このような乾燥システム10を用いれば、
例えば、海産物の畳鰯などを乾燥させる場合に、従来は
天火に干して干物としていたため、天候に左右される場
合もあったが、本実施例によれば天候を全く気にしなく
ても畳鰯を製造することができる。したがって、計画的
に干物等を製造することができる。また、畳鰯などの乾
燥に際しては、乾燥が余りに進んでしまうと、じゃこに
なってしまうものもあったが、乾燥の度合いを室温、乾
燥時間、圧力などを制御盤60から適宜に調整すること
ができ、所望とする畳鰯を製造することができる。
【0028】また、本実施例によれば、加湿空気を冷却
するのではなく、外部に放出してしまうので、従来のよ
うに冷却するためのエネルギーが必要でない。しかも遠
赤外線で短時間で乾燥させるので、製造コストが安くな
る。さらに、乾燥時間が短いことから乾燥体の酸化が進
むことがなく、これにより鮮度の良い干物ができ、食し
た場合に美味である。
【0029】以下に、魚介類等の被乾燥体を上記システ
ムを用いて、被乾燥体に好ましい味覚を出すことのでき
る条件等について説明する。先ず、魚介類等が死ぬと、
肉質が時間の経過とともに変化する。すなわち、筋肉中
のATP(アデノシン三燐酸)は以下のように分解す
る。
【0030】ATP→ADP(アデノシン二燐酸)→A
MP(アデニル酸)→IMP(イノシン酸)→HX
(イノシン)→HX (ヒボキサンチン) このような分解速度は、魚種によって著しく異なること
が、実験により知られているが、イノシン酸の量とうま
みとに間には密接な関係があり、一般にイノシン酸の量
が多いと味覚も良いことが知られている。
【0031】ここで、魚肉では、死後ATP(アデノシ
ン三燐酸)が急速に減少し、これに変ってIMP(イノ
シン酸)が増加する。例えば図5は、安楽死したタラ筋
肉のATP関連化合物の変化量を示したものである(水
産利用原料 野中順三九編新水産学全集 199頁)。
この図から分かるように、ATPの減少とともに、IM
Pが増大し、死後2〜3日でIMPが最大値となる。こ
のように、被乾燥体のIMPが最大値となるときに、乾
燥を終了すれば、被乾燥体は美味しくなる。
【0032】本発明のシステムでは、乾燥に要する時間
が従来に比べて極めて短くて済み、しかも、乾燥する際
の温度や圧力は遠赤外線ヒータ、給気手段および排気手
段で自由に調整することができるので、最もイノシン酸
が多いときに乾燥を終了するように調整することが可能
である。したがって、いかなる被乾燥体を乾燥する場合
にも、最もイノシン酸の量を多く含む乾燥物を得ること
ができる。本システム中、乾燥温度としては、例えば0
〜50℃好ましくは10〜40℃の範囲であり、初期の
乾燥には30℃で20時間、次いで10℃で30時間を
かけ、その後38℃にするなど適宜温度を調整してイノ
シン酸を多く含む乾燥物を得ることができる。 また、
一般に魚介類が死に、ATPがある程度減少すると、硬
直が起こる。またATPが消費されると硬直が完了す
る。もし、硬直前の魚を凍結すると、凍結期間中には顕
著な変化を生じないが、融解すると魚体は硬直し、肉片
は収縮し、同時に多量の肉汁(ドリップ)を流出する傾
向がある。本発明のシステムを用いてこのように一旦、
凍結された魚介類を、乾燥させる場合は、温度、圧力等
を調整することにより、死後硬直したものを乾燥する場
合と同じように被乾燥体に含まれるイノシン酸を最大値
になるように調整することが可能になる。
【0033】また一般に、ATPの消失、筋肉の硬直な
ど普通死後徐々に起こる変化が短時間のうちに進行する
と、筋肉の縮みが大きいが、本発明の乾燥システムを用
いて乾燥させた場合には、乾燥された魚介類等の肉に縮
みや割れが生じにくく、最初の大きさに近い乾燥体が得
られることが確認された。
【0034】なお、上記実施例では、遠赤外線ヒータを
天井に設置しているが、この遠赤外線ヒータは左右の壁
面あるいは四壁面に設置しても良い。また、上記実施例
では、給気手段を上部に、排気手段を下部に設けている
が、これに代え、給気手段を下部に排気手段を上部に設
けても良い。しかも、給気手段の空気取り入れ口、およ
び排気手段の空気排出口の数などは実施例に何ら限定さ
れない。また、このようなシステムは、大型なものから
小型なものまで、種々実施することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る被乾
燥体の乾燥システムでは、外部の空気を給気手段で乾燥
室内に導入し、この給気手段で乾燥室内の気流を循環さ
せながら加湿空気を排気手段で排出し、さらにこの排気
手段による排出量を給気手段より大幅に多くして乾燥室
内を減圧状態に維持し、さらに遠赤外線ヒータにより室
内を均一に加熱するので、少ない投入エネルギーでしか
も短時間のうちに被乾燥物を内部から乾燥させることが
できる。また、加湿空気を冷却する必要がないので、そ
の点でも使用するエネルギーが少なくて良い。しかも、
酸化が進んでいない鮮度の良い乾燥体を得ることができ
る。
【0036】また、天候に左右されないで乾燥体を得る
ことができるので、計画的に乾燥体を製造することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る被乾燥体の乾燥
システムを示す平面図である。
【図2】図2は同実施例による乾燥システム概略を斜視
図で示したものである。
【図3】図3は同実施例で採用された遠赤外線ヒータを
示す断面図である。
【図4】図4は同実施例による乾燥室内の温度変化の一
例を示したグラフである。
【図5】図5は被乾燥体の一例であるタラの筋肉に含ま
れるATP関連化合物が時間の経過とともにどのように
変化するかを示したグラフである。
【図6】図6は従来の乾燥システムを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
10 乾燥システム 11 乾燥室 11a 天井 15 被乾燥体 16 給気手段 17 排気手段 31 温度センサ 33 遠赤外線ヒータ 60 制御盤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被乾燥体が収納された乾燥室の天井を含む
    壁面に遠赤外線ヒータを配設し、この遠赤外線ヒータか
    らの熱により前記乾燥室内を平均加熱するとともに、前
    記乾燥室内に連通する給気手段と排気手段とを配設し、
    前記給気手段により前記乾燥室内に外部の空気を導入す
    る一方、前記排気手段により前記乾燥室内の空気を前記
    給気手段による給気より大幅に多く排出して前記乾燥室
    内の圧力を常時減圧状態に維持し、さらに前記乾燥室内
    の温度を温度サンサで検知し、この温度センサで検知さ
    れた検知温度に基づいて前記遠赤外線ヒータの強度を調
    整するとともに、前記給気手段および前記排気手段とを
    別々に制御するようにしたことを特徴とする被乾燥体の
    乾燥システム。
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