JPH0875745A - 可溶性Fas抗原の免疫学的測定方法及びその測定用キット - Google Patents

可溶性Fas抗原の免疫学的測定方法及びその測定用キット

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JPH0875745A
JPH0875745A JP2563795A JP2563795A JPH0875745A JP H0875745 A JPH0875745 A JP H0875745A JP 2563795 A JP2563795 A JP 2563795A JP 2563795 A JP2563795 A JP 2563795A JP H0875745 A JPH0875745 A JP H0875745A
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JP
Japan
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monoclonal antibody
fas
antigen
soluble
fas antigen
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JP2563795A
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Shin Yonehara
伸 米原
Jun Noguchi
潤 野口
Takahisa Hachiya
隆久 蜂矢
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Japan Tobacco Inc
Medical and Biological Laboratories Co Ltd
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Medical and Biological Laboratories Co Ltd
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    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/564Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for pre-existing immune complex or autoimmune disease, i.e. systemic lupus erythematosus, rheumatoid arthritis, multiple sclerosis, rheumatoid factors or complement components C1-C9
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来測定することができなかった検体中の可
溶性Fas抗原を測定する可溶性Fas抗原の測定方法
及びその測定用キットを提供すること。 【構成】 標準物質として用いる可溶性Fas抗原を調
製した。また、クローンCBEから得られる抗体を96
穴マイクロプレートに結合して固相化抗Fasモノクロ
ーナル抗体とした。更に、クローンVB3から得られる
抗体をPODにより標識化し、標識抗Fasモノクロー
ナル抗体とした。そして、可溶性Fas抗原を含む検体
と固相化抗Fasモノクローナル抗体とを反応させて固
相化抗Fasモノクローナル抗体−可溶性Fas抗原複
合体を形成せしめ、その後これを前記標識抗Fasモノ
クローナル抗体で処理し、マイクロプレートにトラップ
された可溶性Fas抗原をPODで標識化した。このP
ODによる発色基質の発色量を定量することにより、可
溶性Fas抗原を測定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可溶性Fas抗原の免
疫学的測定方法およびその測定用キットに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】多細胞生物においては個体発生の過程に
おいて多くの細胞が細胞死により除去される。この細胞
死は、あらかじめ決められたプログラムによって起こっ
ていると推測されている。また、成体においても、一方
で細胞分裂により細胞数が増えると、他方で細胞死が起
こり、全体の細胞数のバランスを保っていると考えられ
る。ワイリー(Wyllie)らは、死につつある細胞の形態
を電子顕微鏡で観察し、細胞死を形態学的に2種類(即
ちネクローシスとアポトーシス)に分類した(Wyllie,A.
H. et al.:Int.Rev.Cytol.,68:251-306,1980)。
【0003】ネクローシスの場合には、初期の段階で細
胞膜の透過性が増大し、核やミトコンドリアなどの細胞
内小器官が膨潤し、やがてライソゾームの破壊が起き、
放出した蛋白分解酵素などにより細胞が破壊する。一
方、アポトーシスの場合には、ミトコンドリアやライソ
ゾームの構造には大きな変化は認められず、初期の段階
で核内で染色体が凝縮し、細胞質も収縮する。同時に核
がいくつかの部分に断片化したり、細胞表面に泡のよう
な構造が生じた後、アポトーティックボディーと呼ばれ
るミニ細胞に分かれることもある。
【0004】外的原因によって起こる、いわば受動的な
死は、主としてネクローシスによって起こるのに対し、
発生や分化あるいは組織のターンオーバーの過程で見ら
れるあらかじめプログラムされた細胞死は、アポトーシ
スによって起こると考えられている。
【0005】アポトーシスあるいはプログラム細胞死と
呼ばれる細胞死の制御に深く関連すると考えられている
生体構成細胞表層に存在する膜貫通性タンパクは、Fa
s抗原と呼ばれ、マウス及びヒトFas抗原のアミノ酸
配列、及び該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は
既に明らかにされている(Cell, Vol.66, pp.233-243,19
91,イトウナオトら、J. Immunol., Vol.148, No.4, pp.
1274-1279, 1992, ワタナベ(フクナガ)・リエら、J.
Biol.Chem.,Vol.267, No.15, pp.10709-10715, 1992,ア
レキサンダ−(Alexander Oehm)ら、J.Exp. Med., Vol.1
69, pp.1747-1756,1989 ヨネハラシンら、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, Vol.87, pp.9620-9624, 1990, コバヤ
シノブユキら、Science,Vol.245, pp.301-305,1989,バ
−ナ−ド(Bernhard C. Trauth)ら、J. Immunol.,Vol.14
9, No.10, pp.3166-3173,1992,ジェンス(Jens Dhein)
ら、The Lancet, Vol.335, pp497-500,1990,クラウスミ
ヒャエル(Klaus-Michael Debatin)ら、J. Immunol., Vo
l.149, No.11,pp.3753-3758,1992, ミヤワキトシオら、
Genomics, Vol.14, pp.179-180,1992, ピ−タ−リヒタ
−(Peter Lichter)ら等参照) 。
【0006】米原らは、ヒトFS−7細胞の細胞表面抗
原に対するモノクローナル抗体を作製し、抗Fas抗体
を得たが、この抗体はFas抗原を発現している細胞を
殺す活性を示した(Yonehara,S. et al.:J. Exp. Med.,1
69:1747-1756, 1989)。また、その細胞死は電子顕微鏡
による観察からアポトーシスの特徴を示したことからF
as抗原はアポトーシスによる細胞死を媒介すると結論
された。これとは別に、トラウス(Trauth)らは、抗F
as抗体に良く似た性質を持ち、細胞を殺す活性を示す
モノクローナル抗体、APO−1抗体を得た(Trauth,B.
C. et al.:Science,245:301-305, 1989)。この二つの抗
体は細胞死を誘導するという点で共通なだけではなく、
抗原の分布や分子量など極めてよく似ており、同じもの
である事が明かにされている。
【0007】Fas抗原はその構造解析の結果、腫瘍壊
死因子(TNF)レセプターや神経成長因子(NGF)
に良く似た構造をしていること、外部からのシグナルを
受けて細胞死を起こす新しい種類のレセプターであるこ
とが明かにされ、TNF/NGF受容体ファミリーを形
成する受容体の一つとされている。
【0008】最近において、自己免疫の症状を呈するマ
ウス(MRL/lprマウス)においてFas遺伝子の
異常が認められることや、HIV感染者において高レベ
ルのアポトーシスがリンパ球に起こっていることとFa
s抗原が関連していることが示唆されるようになり、F
as抗原の発現と自己免疫疾患等の疾患との関係が注目
されるようになった。
【0009】チェンら(Cheng.J. et al.: Science,263:
1759-1762, 1994)は、これらFas抗原の転写の異常と
自己免疫疾患の関連を調べるために、自己免疫患者及び
健常人から細胞内のcDNAを取り出し、調べたとこ
ろ、どちらにもFas抗原の全長をコードする通常の1
167bpのcDNAの他に、1104bpの小さなc
DNAが見られることを発見した。さらにこの1104
bpの小さなcDNAについて1167bpのcDNA
と比較検討したところ、疎水性の膜貫通部位(TM、Tr
ansmembrane domain)を欠いていることから、この小さ
なcDNA(FasΔTMと呼ばれる)は、検体(例え
ば、血液、血清、血漿、尿、唾液、骨髄液等の体液)に
可溶なFas抗原(以下、「可溶性Fas抗原」とい
う)をコードしていることが明かにされた。
【0010】チェン(Cheng )らはマウスを可溶性Fa
s抗原で処理することにより胸腺細胞中のCD4、CD
8単独陽性細胞及びダブルネガティブの細胞が増加し、
ダブルポジティブの細胞が減少すること、脾臓細胞の総
細胞数が増加すること、さらにSLE患者においては血
清中の可溶性Fas抗原の量が健常人に比して2倍程度
に増加していること等から、可溶性Fas抗原の過剰産
生により胸腺や抹消組織でもアポトーシスが阻害され、
自己反応性のリンパ球クローンの適切な排除が行なわれ
ないために自己免疫疾患の発症が誘因されるとの病因論
を展開した。
【0011】このことから、検体中における可溶性Fa
s抗原の量を測定することは、自己免疫疾患の予知、診
断及び治療方針の確立、治療の効果の判定に有用であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検体中
の可溶性Fas抗原を精度よく十分な感度をもって測定
する簡便な方法は知られていなかった。本発明の目的
は、従来測定することができなかった検体中の可溶性F
as抗原を測定する可溶性Fas抗原の測定方法及びそ
の測定用キットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本願の発明者ら
は、検体中の可溶性Fas抗原を検出する方法の開発に
着手し、ウエスタンブロット法(W.B.法)、放射免
疫測定法(RIA法)、酵素免疫測定法(EIA法)な
どの適用を考えた。しかし、W.B.法では感度が高く
特異性も高いものの定量性に欠け、大量の検体を一時に
処理するには不向きであった。また、RIA法では放射
性物質を標識物として用いることから、管理された施設
において資格を有するものにしか扱うことができなかっ
た。これに比べて、EIA法(あるいはELISA法)
は上記のような問題がなく、簡便に感度よく測定するこ
とが可能であり、この方法を利用して可溶性Fas抗原
を検出する方法を確立することに成功し、本発明を完成
した。
【0014】即ち、本発明の第1は、可溶性Fas抗原
の免疫学的測定方法であって、該可溶性Fas抗原に特
異的に結合可能な抗Fasモノクローナル抗体を不溶性
支持体に結合せしめてなる固相化抗Fasモノクローナ
ル抗体に標準可溶性Fas抗原を反応せしめた後、この
可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な標識された第2
の抗Fasモノクローナル抗体を反応させ、反応生成物
の標識量を測定することにより検量線を作成する行程
と、該可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な抗Fas
モノクローナル抗体を不溶性支持体に結合せしめてなる
固相化抗Fasモノクローナル抗体に検体を反応せしめ
た後、この可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な標識
された第2の抗Fasモノクローナル抗体を反応させ、
反応生成物の標識量を測定し、前記検量線から検体中に
含まれる可溶性Fas抗原を定量する行程とを含むこと
を特徴とするものである。
【0015】ここで、前記標準可溶性Fas抗原は、ヒ
トFas抗原またはマウスFas抗原の細胞外領域とマ
ウスIL−3レセプターβサブユニットAIC2Aの細
胞外領域またはイムノグロブリン重鎖の定常領域とから
なるキメラ可溶性Fas抗原であってもよい。また、前
記不溶性支持体に結合せしめてなる固相化抗Fasモノ
クローナル抗体は、ハイブリドーマクローンVB3、C
BE、WB3、ZB4、UB2、AX6、JAE及びC
H11(以上8種のハイブリドーマクローンは(株)医
学生物学研究所により市販されている)からなる群の中
から選ばれた一つのハイブリドーマクローンから産生さ
れるモノクローナル抗体であってもよい。更に、前記標
識された第2の抗Fasモノクローナル抗体は、ハイブ
リドーマクローンVB3、CBE、WB3、ZB4、U
B2、AX6、JAE及びCH11からなる群の中から
選ばれる一つのハイブリドーマクローンから産生される
モノクローナル抗体であってもよい。更にまた、前記標
識された第2の抗Fasモノクローナル抗体は、ペルオ
キシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、マイクロペル
オキシダーゼ、アルカリホスファターゼ及びビオチンか
らなる群から選ばれる標識物質(好ましくはペルオキシ
ダーゼ)で標識されたモノクローナル抗体であってもよ
い。
【0016】この測定方法は、固相化抗Fasモノクロ
ーナル抗体と、標識された第2の抗Fasモノクローナ
ル抗体を適宜組み合わせてサンドイッチELISAの系
を組むことにより、可溶性Fas抗原を測定するもので
ある。ここで、サンドイッチELISA法を採用したの
は、以下の理由による。即ち、EIA法若しくはELI
SA法にもいくつかの方法があるが、代表的にはサンド
イッチ法あるいは競合法が用いられる。競合法により測
定する場合には精製された抗原を多量に得る必要がある
ため、作製上の手間を考えると、サンドイッチ法を用い
るのが望ましいのである。
【0017】本発明の第2は、可溶性Fas抗原を免疫
学的に測定するための測定用キットであって、該可溶性
Fas抗原に特異的に結合可能な抗Fasモノクローナ
ル抗体を不溶性支持体に結合せしめてなる固相化抗Fa
sモノクローナル抗体と、標準物質としての可溶性Fa
s抗原とを含むことを特徴とするものであり、この測定
用キットは、さらに、可溶性Fas抗原に特異的に結合
可能な標識された第2の抗Fasモノクローナル抗体を
含んでいてもよい。
【0018】ここで、前記標準物質としての可溶性Fa
s抗原は、ヒトFas抗原またはマウスFas抗原の細
胞外領域とマウスIL−3レセプターβサブユニットA
IC2Aの細胞外領域またはイムノグロブリン重鎖の定
常領域とからなるキメラ可溶性Fas抗原であってもよ
い。また、前記不溶性支持体に結合せしめてなる固相化
抗Fasモノクローナル抗体は、ハイブリドーマクロー
ンVB3、CBE、WB3、ZB4、UB2、AX6、
JAE及びCH11からなる群の中から選ばれた一つの
ハイブリドーマクローンから産生されるモノクローナル
抗体であってもよい。更に、前記標識された第2の抗F
asモノクローナル抗体は、ハイブリドーマクローンV
B3、CBE、WB3、ZB4、UB2、AX6、JA
E及びCH11からなる群の中から選ばれる一つのハイ
ブリドーマクローンから産生されるモノクローナル抗体
であってもよい。更にまた、前記標識された第2の抗F
asモノクローナル抗体は、ペルオキシダーゼ、β−D
−ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、アル
カリホスファターゼ及びビオチンからなる群から選ばれ
る標識物質(好ましくはペルオキシダーゼ)で標識され
たモノクローナル抗体であってもよい。
【0019】本発明の第1及び第2における固相化抗F
asモノクローナル抗体は、可溶性Fas抗原に特異的
に結合することにより、その可溶性Fas抗原を不溶化
支持体上にトラップして複合体を形成するという作用を
奏するものである。このとき、固相化抗Fasモノクロ
ーナル抗体は、可溶性Fasの抗原決定基(エピトー
プ)に特異的に結合すると考えられる。また、本発明の
第1及び第2における標識された第2の抗Fasモノク
ローナル抗体は、固相化抗Fasモノクローナル抗体に
トラップされた可溶性Fas抗原に特異的に結合するこ
とにより、前記複合体を標識化するという作用を奏する
ものである。このとき、標識された第2の抗Fasモノ
クローナル抗体は、可溶性Fas抗原のうち固相化抗F
asモノクローナル抗体が結合した可溶性Fas抗原の
抗原決定基とは異なる位置の抗原決定基に特異的に結合
すると考えられる。
【0020】固相化抗Fasモノクローナル抗体と標識
された第2の抗Fasモノクローナル抗体とは、通常、
それぞれ異なる抗原決定基を認識するものを用いる。但
し、同じ抗原決定基が可溶性Fas抗原の2箇所に存在
する場合には、同じ抗原決定基を認識するものであって
もよい。この場合、そのうちの一つが固相化抗Fasモ
ノクローナル抗体と結合し、他の一つが標識された第2
の抗Fasモノクローナル抗体と結合すると考えられ
る。
【0021】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
にいうFas抗原とは、ヒト、マウス、ラット、イヌあ
るいはサル等の哺乳動物のFas抗原を意味し、好まし
くは、ヒト、マウスあるいはラットのFas抗原を、特
に好ましくはヒトFas抗原を意味する。
【0022】本発明の主題である可溶性Fas抗原の検
出に際して使用される標準物質(スタンダード)として
の可溶性Fas抗原は、遺伝子工学的手法を用いて、F
as抗原の可溶性領域とマウスIL−3レセプターAI
C2Aの可溶性領域とのキメラタンパク、あるいはFa
s抗原の可溶性領域とイムノグロブリンの重鎖の定常領
域(constant region,Fc)とのキメラタンパクとし
て、製造、取得することができる。具体的には、以下の
ようにして製造することができる。
【0023】Fas抗原を産生しうる細胞から全RNA
を調製し、これらを鋳型としてcDNAライブラリ−を
作成する。ここで用いる細胞としては、任意に選択する
ことができるが、ヒトFas抗原を産生するのであれば
例えばヒトT腫瘍細胞株KT3を用いることができ、マ
ウスFas抗原を産生するのであれば例えばマウスマク
ロファ−ジBAM3を用いることができる。
【0024】次いで、cDNAライブラリ−からFas
抗原をコードするcDNAを含むクロ−ンを選択し、該
クロ−ンからFas抗原をコ−ドする全長cDNAを取
得する。該全長cDNAからFas抗原の細胞外領域を
実質的に構成するアミノ酸配列をコ−ドするcDNAフ
ラグメントを切り出し、適当なプラスミドに導入する。
【0025】一方で、前記と同様にしてマウスインタ−
ロイキン−3レセプタ−βサブユニットAIC2Aの細
胞外領域を実質的に構成するアミノ酸配列をコ−ドする
cDNAフラグメントあるいはイムノグロブリンH鎖の
定常領域Fcを実質的に構成するアミノ酸配列をコード
するcDNAフラグメントを取得する。
【0026】Fas抗原の細胞外領域を実質的に構成す
るアミノ酸配列をコ−ドするcDNAフラグメントの下
流に、挿入DNA配列を介してまたは介さずにマウスイ
ンタ−ロイキン−3レセプタ−βサブユニットAIC2
Aの細胞外領域を実質的に構成するアミノ酸配列をコ−
ドするcDNAフラグメントあるいはイムノグロブリン
H鎖の定常領域Fcを実質的に構成するアミノ酸配列を
コードするcDNAフラグメントを導入するために、制
限酵素で開環したFas抗原の細胞外領域を実質的に構
成するアミノ酸配列をコ−ドするcDNAフラグメント
を導入した前記プラスミド、及び前記マウスインタ−ロ
イキン−3レセプタ−βサブユニットAIC2Aの細胞
外領域を実質的に構成するアミノ酸配列をコ−ドするc
DNAフラグメントあるいはイムノグロブリンH鎖の定
常領域Fcを実質的に構成するアミノ酸配列をコードす
るcDNAフラグメント、さらに挿入DNA配列を介す
る場合には該挿入DNA配列を、互いに連結可能なよう
にDNA末端を修飾した後、DNA連結キットを用いて
常法により各DNAフラグメントを連結させ、Fas抗
原とAIC2Aとのキメラタンパクが産生可能に制御さ
れた発現ベクタ−を得る。
【0027】次いで、この発現ベクタ−で適当な宿主細
胞を形質転換し、該形質転換細胞を培地中で培養し、培
養上清中よりキメラタンパクとしての可溶性Fas抗原
を採取する。発現ベクターとしてはプラスミドベクター
を使用することができ、形質転換される細胞に適合し
て、また目的に応じて、試験研究あるいは工業分野にお
いて通常使用されるようなプラスミドから選択され、使
用され得る。例えば、pME18S、pCEV4、pE
F−BOS及びpHβAPr−1等が使用され得る。
【0028】発現プロモ−タ−としては、形質転換され
る宿主細胞に適合して、また目的に応じて、試験研究あ
るいは工業分野において通常使用されるようなプロモ−
タ−から選択され、使用され得る。例えば、SV40プ
ロモ−タ−、LTRプロモ−タ−、SRαプロモ−タ
−、EF−1αプロモ−タ−、βアクチンプロモ−タ−
及びイムノグロブリンプロモ−タ−等が使用され得る。
【0029】宿主細胞としては発現ベクターに適合し
て、また目的に応じて、試験研究あるいは工業分野にお
いて通常使用されるような、天然細胞あるいは人工的に
樹立された組換細胞に限定されない、動物細胞から選択
され、使用され得る。例えば、マウス由来細胞(CO
P、L、C127、Sp2/0、L5178Y及びNS
−1等)、ラット由来細胞、ハムスタ−由来細胞(BH
K及びCHO等)、サル由来細胞(COS1、COS
3、COS7、CV1及びVelo等)及びヒト由来細
胞(Hela、2倍体線維芽細胞に由来する細胞、ミエ
ロ−マ細胞及びNamalwa等)等が使用され得る。
この中で好ましいは、COS1細胞、COS3細胞、C
OS7細胞、ヒトの2倍体線維芽細胞に由来する細胞及
びミエロ−マ細胞等である。
【0030】形質転換細胞の選択は、形質転換細胞に薬
剤耐性、温度感受性、栄養要求性あるいは放射線変異性
といった1あるいは複数の性質を持たせることにより慣
用の細胞選択手法を用いて行うことができる。本発明に
用いられる選択マ−カ−DNAとしては、目的に応じ
て、試験研究あるいは工業分野において通常使用される
ような選択マ−カ−DNAから選択され、使用され得
る。例えば、アンピシリン(Amp)耐性DNA、テト
ラサイクリン(Tc)耐性DNA、チミジンキナ−ゼ
(Tk)耐性DNA、6−チオグアニン(HGPRT)
耐性DNA、ネオマイシン(Neo)耐性DNA及びハ
イグロマイシン耐性DNA等の薬剤耐性DNA等が使用
され得る。
【0031】形質転換細胞の培養上清から目的の可溶性
Fas抗原を精製単離する方法としては、得られた培養
物を濾過または遠心分離等の方法で培養濾液(上清)を
得、該培養濾液から常法に従って精製単離することがで
きる。即ち、例えば、塩析、溶媒沈澱等の溶解度を利用
する方法、透析、限外濾過、ドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
などの分子量を利用する方法、イオン交換クロマトグラ
フィーやヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー等
の電荷を利用する方法、アフィニティークロマトグラフ
ィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体
クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、
等電点電気泳動などの等電点を利用する方法などが使用
され得る。
【0032】固相化抗Fasモノクローナル抗体及び標
識された第2の抗Fasモノクローナル抗体として用い
られるモノクローナル抗体は、既知のモノクローナル抗
体の一般的な製造方法によって製造することができる。
例えば、いわゆる細胞融合によって製造されるハイブリ
ドーマ(融合細胞)から製造することができる。すなわ
ち、抗体産生細胞と骨髄腫系細胞から融合ハイブリドー
マを形成し、当該ハイブリドーマをクローン化し、例え
ばFas抗原を発現している天然の細胞あるいは人工的
に作製された形質転換細胞、又は前述のように精製、単
離された可溶性Fas抗原を抗原として、それに対して
特異的親和性を示す抗体を産生するクローンを選択する
ことによって製造される。その操作は、免疫抗原として
前述のFas抗原発現細胞あるいはFas抗原を使用す
る以外は、従来既知の手段を用いることができる。
【0033】免疫される動物としては、マウス、ラッ
ト、モルモット、ハムスターまたはウサギ等の哺乳動
物、好ましくはマウス、ラットまたはハムスターが示さ
れる。免疫は、免疫原をこれらの哺乳動物の皮下内、筋
肉内、静脈内、フッドパット内あるいは腹腔内に1乃至
数回注射するかあるいは移植することにより行われる。
【0034】通常、初回免疫から約1〜2週間毎に1〜
4度免疫を行い、さらに約1〜4週間後に最終免疫を行
って、該最終免疫より約3〜5日後に免疫感作された動
物から抗体産生細胞が採取される。モノクローナル抗体
を分泌するハイブリドーマの調製は、ケーラー及びミル
シュタインらの方法(Nature, Vol.256, pp.495-497,
1975)及びそれに準じる修飾方法に従って行うことがで
きる。すなわち、本発明のモノクローナル抗体は、前述
の如く免疫感作された動物から取得される脾臓、リンパ
節、骨髄あるいは扁桃等、好ましくは脾臓に含まれる抗
体産生細胞と、好ましくは同種のマウス、ラット、モル
モット、ハムスター、ウサギまたはヒト等の哺乳動物、
より好ましくはマウス、ラットまたはヒトの骨髄腫系細
胞(ミエローマ)との融合により得られる融合細胞(ハ
イブリドーマ)を培養することにより調製される。培養
は、インビトロ、またはマウス、ラット、モルモット、
ハムスターもしくはウサギ等の哺乳動物、好ましくはマ
ウスまたはラット、より好ましくはマウスの腹水中等で
のインビボで行うことができ、抗体はそれぞれ該培養上
清、または哺乳動物の腹水から取得することができる。
【0035】細胞融合に用いられる骨髄腫系細胞として
は、例えばマウス由来ミエローマP3/X63-AG8、P3/NS1/1
-Ag4-1(NS-1と略す)、P3/X63-Ag8.U1 、SP2/0-Ag14、
F0あるいはBW5147、ラット由来ミエローマ21ORCY3-Ag1.
2.3、ヒト由来ミエローマU-266AR1、GM1500-6TG-A1-2、
UC729-6、CEM-AGR、DIR11あるいはCEM-T15を挙げること
ができる。
【0036】モノクローナル抗体を産生する融合細胞ク
ローンのスクリーニングは、融合細胞を、例えばマイク
ロタイタープレート中で培養し、増殖の見られたウエル
の培養上清の抗原に対する反応性を、例えばRIAやE
LISA等の酵素抗体法によって測定することにより行
うことができる。
【0037】モノクローナル抗体の精製、単離は、上述
のような方法によって取得される本発明のモノクローナ
ル抗体を含有する血清あるいは腹水をイオン交換クロマ
トグラフィー(DEAEまたはDE52など)、抗イム
ノグロブリンカラムあるいはプロテインAカラム等のア
フィニティーカラムクロマトグラフィーに付することに
より行うことができる。
【0038】本発明に用いられる抗Fasモノクローナ
ル抗体は、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはI
gEのいずれかのイムノグロブリンクラスに属するモノ
クローナル抗体を用いることが好ましい。この中で特に
好ましいのは、IgGまたはIgMである。
【0039】本発明の可溶性Fas抗原の測定方法にお
いては、上述のようにして調製された抗Fasモノクロ
ーナル抗体から、測定の目的あるいは条件に応じ、少な
くとも2種類のモノクローナル抗体を適宜選択して使用
することができるが、不溶性支持体に結合させるモノク
ローナル抗体と、標識されるもう1つのモノクローナル
抗体は、通常、それぞれ異なる抗原決定基を認識するも
のを用いるのが望ましい。但し、同じ抗原決定基が可溶
性Fas抗原の2箇所に存在する場合には、同じ抗原決
定基を認識するものであってもよい。
【0040】具体的には、例えば、インターナショナル
・イムノロジー(International Immunology)第6巻、
No.12 、第1849〜1856頁(1994年)におけ
る米原らの報告、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタ
ル・メディシン(Journal ofExperimental Medicine)
第169巻、第1747〜1756頁(1989年)に
おける報告、セル(Cell)第66巻、第233〜243
頁(1991年)における報告及び後述の実施例に記載
されている抗ヒトFasモノクローナル抗体産生ハイブ
リドーマであるクローンZB4(IgG)、UB2(I
gG)、WB3(IgG)、VB3(IgG)、CBE
(IgG),JAE(IgM)、AX6(IgM)ある
いはCH11(IgM)等より産生されるモノクローナ
ル抗体から選択して用いることができる。
【0041】具体的な組合せの一例としては、固相化抗
Fasモノクローナル抗体を調製するためのモノクロー
ナル抗体としてクローンCBEから得られるモノクロー
ナル抗体を、標識された第2の抗Fasモノクローナル
抗体を調製するためのモノクローナル抗体としてクロー
ンVB3から得られるモノクローナル抗体を使用するこ
とができる。
【0042】固相化抗Fasモノクローナル抗体に関
し、モノクローナル抗体が結合される不溶性支持体とし
ては、例えばポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、シリコン樹脂、ナイロン樹脂等のプラスチックや、
ガラスといった水に不溶性の物質が該当する。この不溶
性支持体への担持は単なる物理吸着でもよく、化学的な
結合でもよい。
【0043】標識された第2の抗Fasモノクローナル
抗体に関し、標識物質としてはペルオキシダーゼ、β−
D−ガラクトシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ア
ルカリホスファターゼ等の各種酵素やアイソトープの
他、より高い感度を得る方法としてビオチン化抗体を反
応させた後にアビジンペルオキシダーゼを反応させる方
法も用いることができる。また、放射性元素を標識物質
として用いれば、RIA法により可溶性Fas抗原の濃
度を測定することができる。この場合、管理された施設
において資格を有するものにより行うことが必要とな
る。
【0044】このように固相化抗Fasモノクローナル
抗体及び標識された第2の抗Fasモノクローナル抗体
を用いることによって、臨床の現場においても特異的
に、また、容易に検体中の可溶性Fas抗原の濃度を測
定することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明をその好適な実施例により更に
詳細に説明する。 [実施例1]標準物質可溶性Fas抗原の調製 標準物質(スタンダード)として用いる可溶性Fas抗
原は、下記のように調製した。即ち、後述する参考例1
に従って調製した形質転換細胞JM109(寄託番号F
ERM BP−4436)から、プラスミドpME18
S/hFas・EXT−AIC2A・EXTを取り出
し、ジーンパルサー(バイオラッド社(製)のキット)
を用いて、pMAMneo (クローンテック社(製))と
ともにL5178Y細胞にエレクトロポレーション法に
より共形質転換した。該細胞をG418含有培地中で培
養し、G418耐性クローンを選別することにより可溶
性ヒトFas抗原発現クローンを得た。選別されたクロ
ーンを、10%ウマ血清含有フィッシャー培地を用いて
大量培養し、培養上清を回収・濃縮し、Qセファロース
(ファルマシア社(製))を用いたカラムクロマトグラ
フィーにより、標準物質としてのキメラ可溶性Fas抗
原を取得した。 [実施例2]抗ヒトFasモノクローナル抗体の製造 (2−1)抗体産生細胞の調製 ヒトFas抗原を発現しているヒト2倍体線維芽細胞F
S−7細胞株を用いてBalb/c雌マウスを免疫感作
させた。感作マウスを開腹し脾臓を摘出し、無血清RP
MI1640培養液中でステンレスメッシュ上ですりつ
ぶした後、脾臓細胞液を遠心分離(1500rpmで7
分間)した。遠心残査を回収し、無血清RPMI164
0培養液に懸濁させた。さらに、無血清RPMI164
0培養液で2回洗浄し、抗体産生マウス脾臓細胞を取得
した。 (2−2)マウスミエロ−マ細胞の調製 マウスミエロ−マ細胞NS−1(ATCC TIB18)を、37
℃、5%CO2 下、10%FCS及び50U/mlのカ
ナマイシン含有ASF−104培地(味の素社(製))
中で培養した。 (2−3)モノクロ−ナル抗体産生ハイブリド−マの調
製 無血清RPMI1640培養液で洗浄したマウスミエロ
−マ細胞NS−1細胞と前述のように調製したマウス脾
臓細胞を混合した無血清RPMI1640溶液を遠心分
離(1000rpmで10分間)し、遠心残査を回収
し、ヘルツェンバ−グ(Herzenberg, L. A. )らの方法
(セレクテッド・メソッズ・イン・セリュラー・イムノ
ロジー( Selected Methods in Cellular Immunology)
第351頁(1980年))に従って細胞融合を行な
い、複数のハイブリド−マのコロニ−を得た。
【0046】抗ヒトFasモノクロ−ナル抗体を産生し
ているハイブリド−マをスクリ−ニングするため、Fa
s抗原を発現しているヒト胸腺細胞に対する各ハイブリ
ド−マコロニ−の培養上清の反応性をフロ−サイトメ−
タ−により測定し、抗ヒトFasモノクロ−ナル抗体を
産生しているハイブリド−マクローンCH11(Ig
M)を取得した。 (2−4)抗ヒトFasモノクローナル抗体の取得 ハイブリドーマクローンCH11(2×108 個)を無
血清ASF104培地(味の素社(製))中、37℃で
5日間培養し、得られた培養上清をオメガセル(フィル
トロン社(製))で超遠心した。遠心上清を回収し、ヒ
ドロキシルアパタイトカラム(アサヒ光学社(製))に
供した。FPLCシステム(ファルマシアファインケミ
カル社(製))を用いて、リン酸ナトリウム(pH7.
4、10〜400mM)で溶出させた。
【0047】溶出画分を回収し、SDS−PAGEに供
し、95%以上の純度で精製された(ジャーナル・オブ
・エクスペリメンタル・メディシン(J. Exp. Med.)第
169巻、第1747〜1756頁(1989年)にお
ける報告を参照)。更に、以下のようにして別の抗ヒト
Fasモノクローナル抗体を調製した。 (2−5)免疫感作抗原の調製 ヒトFas抗原cDNAを含有するプラスミドpF58
をXhoIで消化して得たヒトFas抗原cDNAを含
有するフラグメントを、発現ベクターpEF−BOS
(ヌクレイック・アシド・リサーチ(Nucl. Acid Res.
)第18巻、第5322頁における報告を参照)に、
BstXIアダプターを用いて導入し、発現プラスミド
pEFF58を得た。
【0048】VspIで消化した25μg/mlのpE
FF58フラグメントとEcoRIで消化した2.5μ
g/mlのpMAMneo (クローンテック社(製))フ
ラグメントを用いて、1×107 個(0.8ml)マウ
スTリンパ腫WR19L細胞(ATCC TIB52)
にエレクトロポレーション法により共形質転換した。該
細胞をG418を含む培地中で培養してG418耐性ク
ローンを選別した。得られたG418耐性クローンをフ
ローサイトメーター及び限界希釈法で分析することによ
り、ヒトFas抗原過剰発現形質転換細胞WR19L1
2aをクローン化した(セル(cell)第66巻、第23
3〜243頁(1991年)における報告を参照)。
【0049】WR19L12a細胞をホモジナイズし、
遠心分離して、形質膜画分を取得し、免疫抗原とした。 (2−6)抗体産生細胞の調製 ヒトFas抗原過剰発現形質転換細胞WR19L12a
の形質膜画分をBalb/Cマウスに免疫し、前述と同
様にして、抗体産生マウス脾臓細胞を取得した。 (2−7)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの調
製 マウスミエローマNS−1細胞と得られたマウス脾臓細
胞とを用い、前述と同様にして、複数のハイブリドーマ
クローンを得、7つの抗ヒトFas抗体産生ハイブリド
ーマクローンZB4(IgG)、UB2(IgG)、V
B3(IgG)、CBE(IgG)、WB3(Ig
G)、AX6(IgM)及びJAE(IgM)を得た
(尚、これらのハイブリドーマクローンは(株)医学生
物学研究所により市販されている)。 (2−8)抗ヒトFasモノクローナル抗体の取得 前述と同様にして、得られた各々のハイブリドーマクロ
ーンから、7種類の抗ヒトFasモノクローナル抗体を
精製、取得した(インターナショナル・イムノロジー
(International Immunology)第6巻、No.12 、第18
49〜1856頁(1994年)における報告を参
照)。 [実施例3]可溶性Fas抗原の測定−その1 (3−1)不溶性支持体への固相化(マイクロプレート
型試薬の作製) クローンCBEのモノクローナル抗体IgG分画を0.
1Mリン酸緩衝液(pH7.4、0.1%アジ化ナトリ
ウム加)に溶解し、濃度0.005mg/mlに調整し
た。この液を96穴マイクロプレート(ヌンク社(製)
マキシソープ)の各ウエルに100μlづつ添加し、4
℃で約18時間静置してモノクローナル抗体を結合させ
た。
【0050】抗体結合後ウエル内のモノクローナル溶液
を除き、1%ウシ血清アルブミン(BSA)と5%ショ
糖を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)300μlを
加えて4℃で約24時間静置反応させ、マイクロプレー
トのウエルの未反応部分をブロックした。このブロッキ
ングは標識抗体等がマイクロプレートの壁面に吸着され
ないようにして、測定系の定量性が損なわれないように
するためである。ブロッキングの後ウエル内のブロッキ
ング液を除き、室温で完全に風乾させ、マイクロプレー
ト型試薬(固相化抗Fasモノクローナル抗体)を得
た。 (3−2)標識モノクローナル抗体の作製 クローンVB3のモノクローナル抗体IgG分画5mg
を採り、このIgG分画にジャーナル・オブ・ヒストケ
ミストリー・アンド・サイトケミストリー(J.Histoche
m. Cytochem)第22巻、第1084頁(1974年)
に従い、過ヨウ素酸法によりPOD[Horse radish per
oxidase:シグマ社(製)]を結合させて、ペルオキシ
ダーゼ標識モノクローナル抗体(標識された第2の抗F
asモノクローナル抗体)を得た。 (3−3)可溶性Fas抗原の測定 上記(3−1)及び(3−2)において作製した各試薬
を用いた測定法について説明する。 (3−3−1)検体、標準可溶性Fas抗原の調製 血清をPBSで50倍希釈し、検体とした。同時に実施
例1で調製して作製した標準可溶性Fas抗原を同様に
希釈して標準液とした。検体中の可溶性Fas抗原の量
が多く、検出限界を越えるような場合にはPBSを用い
て検体を測定範囲内にはいるように希釈し、その希釈検
体の定量値に希釈倍数を乗じて検体中の可溶性Fas抗
原の濃度とした。 (3−3−2)マイクロプレート型試薬と検体中の可溶
性Fas抗原との抗原抗体反応 上記(3−1)にて作製したマイクロプレート型試薬に
(3−3−1)で調製した検体及び標準液を1ウエルに
100μlずつ分注した。同時にPBSのみを100μ
l分注し、盲検とした。以上の反応系を室温にて1時間
静置した。反応終了後5%PBSで3回洗浄後、同緩衝
液をよく取り除いた。 (3−3−3)マイクロプレート型試薬と検体中の可溶
性Fas抗原との結合物へのペルオキシダーゼ標識抗F
asモノクローナル抗体の結合 上記(3−2)で作製したペルオキシダーゼ標識抗Fa
sモノクローナル抗体を0.1%BSA、0.15M
NaClを添加した10mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH8.0)にて250〜1000倍に希釈し、(3
−3−2)で抗原抗体反応させたマイクロプレートに各
ウエル100μlずつ分注し室温にて1時間静置後、P
BSにて3回洗浄後、同緩衝液を除いた。 (3−3−4)発色反応 テトラメチルベンチジン2塩酸塩(シグマ社(製))を
10mMクエン酸緩衝液(pH6.8)に溶解し、1.
6mMの溶液を作製した。この溶液と過酸化水素を10
mMクエン酸緩衝液(pH6.8)で希釈して10mM
とした溶液とを等量混合し、酵素基質液とした。
【0051】この酵素基質液を、(3−3−3)におい
てペルオキシダーゼ標識抗Fasモノクローナル抗体で
処理したマイクロプレートへ、1ウエルにつき100μ
lずつ分注し、室温にて10〜20分間静置後、1.5
Nリン酸を1ウエルにつき100μlずつ分注し、pH
を下げることによりペルオキシダーゼの酵素活性を停止
させた。
【0052】こうしてマイクロプレートの各ウエルに生
じた発色の程度は、吸光度計(東ソー社(製)MPR−
A4)にて波長450nmでの吸光度を測定することに
より検出した。この吸光度から検体中の可溶性Fas抗
原の濃度が分かる。吸光度から濃度を求めるには、次に
示すごとく検量線を作製して求めた。 (3−3−5)検量線の作成 (3−3−1)において作製した可溶性Fas抗原に対
して、上記マイクロプレート型試薬を用いた検出を行な
い、吸光度を測定した。その結果を表1及び図1に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】(3−3−6)検体の定量 上記の試薬及び測定方法により、SLE患者50名、R
A患者50名、正常人200名より常法によって採取し
た血清を検体とし、(3−3−1)から(3−3−5)
に従い測定した結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2からも分かるように、可溶性Fas抗
原の含有量が特異的に多いSLE患者において測定値が
顕著な高濃度を示すことが分かる。従って、本実施例の
試薬を用い、本実施例の測定法を実施すれば、臨床現場
でも容易に可溶性Fas抗原の濃度を測定でき、SLE
等の自己免疫疾患の患者の発見が迅速にできる。
【0057】尚、放射性元素を標識物として用いれば、
RIA法により可溶性Fas抗原の濃度を測定すること
ができる。この場合、管理された施設において資格を有
するものにより行うことが必要となる。 [実施例4] 可溶性Fas抗原の測定−その2 標準物質可溶性Fas抗原の調製は実施例1と同様にし
て行い、また、抗ヒトFasモノクローナル抗体の製造
は実施例2と同様にして行った。 (4−1)不溶性支持体への固相化(マイクロプレート
型試薬の作製) クローンCBEのモノクローナル抗体IgG分画を0.
1Mリン酸緩衝液(pH7.4、0.1%アジ化ナトリ
ウム加)に溶解し、濃度0.015mg/mlに調整し
た。この液を96穴マイクロプレート(ヌンク社(製)
マキシソープ)の各ウエルに100μlづつ添加し、4
℃で約18時間静置してモノクローナル抗体を結合させ
た。
【0058】抗体結合後ウエル内のモノクローナル溶液
を除き、1%ウシ血清アルブミン(BSA)と10%シ
ョ糖を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)300μl
を加えて37℃で2時間静置反応させ、マイクロプレー
トのウエルの未反応部分をブロックした。このブロッキ
ングは標識抗体等がマイクロプレートの壁面に吸着され
ないようにして、測定系の定量性が損なわれないように
するためである。
【0059】ブロッキングの後ウエル内のブロッキング
液を除き、室温で完全に風乾させ、マイクロプレート型
試薬(固相化抗Fasモノクローナル抗体)を得た。 (4−2)標識モノクローナル抗体の作製 クローンVB3のモノクローナル抗体IgG分画を0.
1M酢酸緩衝液(pH4.2)に透析し、蛋白濃度を5
mg/mlとなるように調製した後、総蛋白量の3%の
ペプシンを加えて、37℃で一晩撹拌し反応を行なっ
た。2Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を適量加えて
反応を停止させた後、0.2M塩化ナトリウムを含有す
る0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したウ
ルトロゲルAcA44(LKB社(製))カラム(2.
0×60cm)でゲル濾過を行ない、F(ab’)2分
画2.5mgを得た。
【0060】スクシミジル4-(N-マレイミドメチル)-
シクロヘキサン-1-カルボキシレート[Succimidyl 4-(N
-maleimi-domethyl)-cyclohexan-1-carboxylate:ジー
ベンケミカル社(Zieben Chemical Co., Ltd. )社
(製)]を用いたヒンジ法(ジャーナル・オブ・イムノ
アッセイ(J. Immunoassay)第4巻、第209頁(19
83年))に従い、POD[Horseradish peroxidase:
シグマ社製]を、上記で得たマウス抗Fasモノクロー
ナル抗体のIgG/Fab’にSH基を介して結合させ
て、ペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体(標識さ
れた第2の抗Fasモノクローナル抗体)を得た。 (4−3)可溶性Fas抗原の測定 上記実施例3の(3−3−1)とほぼ同様にして検体、
標準可溶性Fas抗原を調製し、(3−3−2)とほぼ
同様にしてマイクロプレート型試薬と検体中の可溶性F
as抗原との抗原抗体反応を行い、(3−3−3)とほ
ぼ同様にしてマイクロプレート型試薬と検体中の可溶性
Fas抗原との結合物にペルオキシダーゼ標識抗Fas
モノクローナル抗体を結合させた。
【0061】発色反応は以下のようにして行った。オル
トフェニレンジアミン(シグマ社(製))を0.1Mク
エン酸ナトリウム緩衝液(pH5.1)にて1mg/m
lの濃度に溶解し、ペルオキシダーゼ標識抗Fasモノ
クローナル抗体で処理したマイクロプレートへ、1ウエ
ルにつき100μlずつ分注し、室温にて10〜20分
間静置後、2N硫酸を1ウエルにつき100μlずつ分
注し、pHを下げることによりペルオキシダーゼの酵素
活性を停止させた。
【0062】こうしてマイクロプレートの各ウエルに生
じた発色の程度は、吸光度計(東ソー社(製)MPR−
A4)にて波長492nmでの吸光度を測定することに
より検出した。この吸光度から検体中の可溶性Fas抗
原の濃度が分かる。尚、検量線の作製及び検体の定量は
上記実施例3の(3−3−5)、(3−3−6)とほぼ
同様の手順により行った。検量線のデータを表3及び図
2に、また、上記の試薬及び測定方法により実際に正常
人、SLE患者の血清を測定した結果を表4に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】表4からも分かるように、SLE患者にお
いて測定値が顕著な高濃度を示すことが分かる。従っ
て、本実施例の試薬を用い、本実施例の測定法を実施す
れば、臨床現場でも容易に可溶性Fas抗原の濃度を測
定でき、SLE等の自己免疫疾患の患者の発見が迅速に
できる。
【0066】尚、放射性元素を標識物として用いれば、
RIA法により可溶性Fas抗原の濃度を測定すること
ができる。この場合、管理された施設において資格を有
するものにより行うことが必要となる。 [実施例5](ビオチンで標識されたモノクローナル抗
体の作製) 上記実施例3の(3−2)、上記実施例4の(4−2)
に代えて、ビオチンで標識されたモノクローナル抗体を
作製し、これを用いて上記実施例3、4とほぼ同様にし
て可溶性Fas抗原の測定を行うことができる。
【0067】クローンVB3のモノクローナル抗体Ig
G分画を0.1M炭酸緩衝液(pH8.5)に溶解して
IgG濃度が5mg/mlになるよう調製した。このI
gG溶液に同じく0.1M炭酸緩衝液(pH8.5)に
溶解して25mg/mlに調製したNHS−LC−BI
OTIN(ピアース(PIERCE)社(製))をIgG10
0mgにつき891μl加え、スターラーを用いて室温
で4時間攪拌し、ビオチンで標識されたモノクローナル
抗体を調製した。
【0068】このようにして得られたビオチンで標識さ
れたモノクローナル抗体を用いる場合には、さらにアビ
ジンで標識した前記酵素(ペルオキシダーゼ、ガラクト
シダーゼ等)を反応させ、固相化抗モノクローナル抗体
−可溶性Fas抗原−ビオチン標識抗体−アビジン標識
酵素の複合体を形成させ、上記実施例3、4と同様に発
色基質の発色を測定することによって、検体中の可溶性
Fas抗原の濃度を決定した。尚、ビオチン標識抗体と
アビジン標識酵素の組合せを用いた場合には、上記実施
例3、4のように通常の酵素標識抗体を用いた場合に比
べて、さらに高い感度で可溶性Fas抗原を測定するこ
とができた。 [参考例1]E.coli細胞株JM109(寄託番号
FERM BP−4436)の製造 以下、hFasはヒトFas抗原を意味し、EXTは細
胞外領域(可溶性領域)を意味する。 (参1−1)全長hFasをコ−ドするcDNAの取得 (参1−1−A)細胞株の調製 本参考例において使用される細胞株を予め調製した。 ・ヒトT腫瘍細胞株KT3(金沢医科大学清水博士より
分譲):10%牛胎児血清(fetal calf serum; FCS)及
び5ng/mlヒト組換IL−6(味の素(製))を含
有するRPMI1640培地中で培養した。 ・サル細胞株COS7(ATCC CRL 1651) :10%FCS
含有DMEM培地中で培養した。 (参1−1−B)抗体の調製 本参考例において使用されるマウス抗hFas抗体CH
11(IgM)を、米原ら(J. Exp. Med., Vol.169, p
p.1747-1756, 1989) の報文に従って、実施例2と同様
にして調製した。 (参1−1−C)プラスミドの構築 本参考例において使用される外来cDNAクロ−ニング
ベクタ−(プラスミド)を予め構築した。 ・プラスミドpCEV4(Science, Vol.247, pp.324-32
7, 1990,イトウら参照):プラスミドpcDSRα(Mol.
CEll Biol., Vol.2, pp.161, 1982,オカヤマら、Mol.
CEll Biol., Vol.3, pp.280, 1983, オカヤマら及びMo
l. CEll Biol.,Vol.8, pp.466-472, 1988,タケベら等参
照)を基本骨格として用い、ポリオ−マウィルス(polyom
a virus) からBglI−BclI切断フラグメントと
して取り出した複製開始点DNA(Py ori)及び
プラスミドCDM8(Proc. Natl.Acad. sci. USA, Vol.
84, pp.3365-3369, 1987, ブライアン・シ−ド(Brian S
eedら及びNature, Vol.329, pp.840-842, 1987, Brian
Seed等参照)からXbaI切断フラグメントとして取り
出した2つのBstXI切断部位を有するスタッファ−
(stuffer) DNAをそれぞれpcDSRαのNdeI切
断部位及びPstI切断部位に挿入し、該スタッファ−
(XbaI切断フラグメント)中のNotI切断部位を
フィリングインすることにより除去し、該NotIリン
カーをpcDSRαのClaI切断部位に挿入してプラ
スミドpCEV4を構築した。 ・プラスミドpME18S(東京大学丸山和夫博士より
分譲):pCEV4を基本骨格として構築された動物細
胞における発現に適したcDNAクロ−ニングベクタ−
であり、pUCの複製開始点配列、SV40の16Sイ
ントロン配列、polyAシグナル配列及びpolyA
シグナル配列直前の各フレ−ムの翻訳終止等を有してい
る(実験医学「遺伝子工学ハンドブック」(別冊), p
p.101-107,1992,丸山和夫ら参照)。
【0069】プラスミドpCEV4及びpME18Sの
制限酵素地図をそれぞれ図3及び図4に示した。 (参1−1−D)ヒトT腫瘍細胞KT3由来cDNAラ
イブラリ−の作成 グアニジンイソチオシアネ−ト/酸フェノ−ル法(Anal.
Biochem., Vol.162,pp.156-159, 1987, Chomczynski及
びSacchiら参照)によりKT3から全RNAを調製し、
poly(A)RNAをoligo(dT)セルロ−ス
カラムクロマトグラフィ−により選択した。ランダムヘ
キサマ−オリゴヌクレオチド(pdN6)(BRL社
(製))及びオリゴ(dT)(BRL社(製))をプラ
イマ−としてM−MLVRNAaseH- 逆転写酵素を
用い、それぞれ該RNAから2重鎖cDNAを合成した
(Cell, Vol.61, pp.341-350, 1990, フクナガら参照)。
予め合成したBstXI非パリンドロ−ムアダプタ−を
連結し、アガロ−スゲル電気泳動により2kbより長い
cDNAを分離し、それらをBstXI切断pCEV4
ベクタ−フラグメントに連結した。エレクトロポレ−シ
ョン法(Nucl. Acids Res.,Vol.16,pp.6127-6145, 1988,
Dowerら参照) により該ベクタ−をE.ColiWM1
100にそれぞれ形質転換して、ヒトT腫瘍細胞KT3
由来cDNAライブラリ−を作成した。 (参1−1−E)hFascDNAフラグメントの取得 ブライアンシ−ドらの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, Vol.84, pp.3365-3369, 1987)と同様にして以下の操
作を行った。
【0070】細菌学用6cmディッシュ(Falcon1007)
を10μgヤギ抗マウスIgM抗体(カッペル(Cappe
l)社(製))含有50mMのTris−HCl(3m
l;pH9.5)存在下室温で90分間培養し、パンニ
ングディッシュ(panning dish)を作成した。パンニング
ディッシュを0.15MのNaClで3回洗浄すること
により未反応抗体を除去した後、0.5mMのEDT
A、0.02%のNaN3及び5%FCSを含有するP
BS(phosphate-buffered saline)(3ml)を用いた
一晩のインキュベ−ションにてブロックした。
【0071】108枚の6cmディッシュ(Falcon1007)
に蒔いたCOS7が50%まで増殖した段階で、スフェ
ロプラスト融合法(spheroplast fusion; Mol. Cell. B
iol.,Vol.1, pp.743-752, 1981, Sandi-Goldrinら参
照)により、先に作成したcDNAライブラリ−をCO
S7に形質転換した。72時間後、0.5mMのEDT
A及び0.02%のNaN3 含有PBS(PBS/ED
TA/NaN3 )を加え、37℃で30分間培養するこ
とにより細胞をディッシュから剥がした。剥がした細胞
を回収し、遠心分離し、10μg/mlのマウス抗hF
as抗体CH11(IgM)(J.Exp. Med., Vol.169, p
p.1747-1756, 1989,ヨネハラら参照) を含有する氷冷P
BS/EDTA/NaN3 (9ml)中に再懸濁させ
た。氷上60分間のインキュベ−ションの後、PBS/
EDTA/NaN3 で細胞を1:2に希釈し、2%フィ
コ−ル(Ficoll)400に重層して、1000rpmで遠
心分離した。フィコ−ルの上層に集まった生細胞を5%
FCS含有PBS/EDTA/NaN3 (27ml)中
に懸濁させ、ナイロンメッシュ(孔径100μm)濾過
により凝集物を除去した。
【0072】濾過した細胞を先に作成したパンニングデ
ィッシュ(54枚)に蒔いた。室温下、2乃至3時間放
置し、細胞をディッシュに付着させた後、5%FCS含
有PBS/EDTA/NaN3 (2ml)で静かに3回
洗浄し、ディッシュに結合しない細胞を除去した。ハ−
ト(Hirt)らの方法に従い、ディッシュに結合したCOS
細胞からプラスミドDNAを調製した。即ち、各ディッ
シュに10mMのEDTA含有0.6%SDS溶液
(0.4ml)を加え、室温下20分間放置した。溶解
物をマイクロチュ−ブに回収し、NaClを1M濃度に
なるまで加え、チュ−ブを氷上で5時間以上静置した。
次いで、13000rpmで5分間遠心分離した後、上
清をフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、エタノ−ル
析出法によりプラスミドDNAを回収した。回収プラス
ミドDNAでE.ColiWM1100を形質転換し、
約3.2×105 個のコロニ−を得、コロニ−を分析し
形質転換細胞を選択した後、スフェロプラスト融合法に
よりCOS7に形質転換した(48ディッシュ)。同様
の操作をさらに2回行い、14個のhFascDNAフ
ラグメント含有プラスミドクロ−ン(pF1−pF1
4)を取得した。これらのプラスミドクロ−ンを制限酵
素XhoIで切断し、同一の3.0kbの挿入配列を含
むクロ−ン(pF1、2、5及び11)及び同一の1.
5kbの挿入配列を含むクロ−ン(pF3、4、6、7
及び9)に分けた。pF1及びpF3プラスミドクロ−
ンをCOS7に形質転換した後、抗Fas抗体を用いた
フロ−サイトメトリ−(flow cytometry)分析により、こ
れらのクロ−ンがFas抗原をコ−ドするcDNAフラ
グメントであることを確認した。 (参1−1−F)全長hFascDNAの取得 (参1−1−E)で取得したpF3の5’末端側の0.
5kbのXhoI−BamHI切断フラグメントをプロ
−ブとして用いたコロニ−ハイブリダイゼ−ション法に
より、(参1−1−B)で作成したcDNAライブラリ
−から、10個のcDNAクロ−ンを取得した。制限酵
素マッピングにより、これらのクロ−ンが同一の制限酵
素地図を有する1.8−2.6kbの挿入配列を含有す
ることが確認された。種々の分析により最長のクロ−ン
pF58は、2534bpからなり、3’末端ポリアデ
ニレ−ションシグナル(polyadenylation signal)配列
(ATTAAA)、195乃至197番目の塩基に位置
する翻訳開始コドンから始まる1005bpのオ−プン
リ−ディングフレ−ム(open reading frame)及び120
0乃至1202番目の塩基に位置する翻訳終止コドン
(TAG)を有し、クロ−ンpF58が全長hFasc
DNAを有していることが確認された。pF58クロ−
ンからXhoI切断フラグメントとして取り出した全長
Fas抗原cDNAを含む2555bpのDNAを、B
stXIアダプタ−を用い哺乳動物発現プラスミドpC
EV4に組み込みプラスミドpCEV4/hFasを構
築した。 (参1−2)hFasの細胞外領域(hFas・EX
T)をコ−ドするcDNAの取得 (参1−1−F)で構築したpCEV4/hFasをX
hoIで消化し、全長FascDNAをXhoI切断フ
ラグメント(2555bp)として取り出した。また、
pME18SをXhoIで消化し、スタッファ−部分を
XhoI切断フラグメントとして除去した。切断面の
5’末端のリン酸基を除去するためアルカリホスファタ
−ゼ(bacterial alkaline phosphatase;BAP)(E.
coliC75;宝酒造(製))でpME18Sフラグ
メントを処理した。全長hFascDNAをXhoI切
断フラグメント(2555bp)とBAP処理したpM
E18SフラグメントをDNA連結キット(宝酒造
(製))で連結してプラスミドpME18S/hFas
を構築した。
【0073】pME18S/hFasをBglII及びP
stIで消化して、hFasの膜貫通領域及び引き続く
細胞内領域に対応するcDNA領域を除去した。つい
で、DNA末端平滑化キット(宝酒造(製))を用いて
切断末端を平滑化し、pME18Sフラグメントを自己
連結させhFas・EXTをコ−ドするcDNAのみが
導入されたプラスミドpME18S/hFas・EXT
を構築した。
【0074】プラスミドpME18S/hFas・EX
Tの構築工程を図5に示した。 (参1−3)マウスIL−3レセプタ−βサブユニット
AIC2A(AIC2A)をコ−ドするcDNAの取得 (参1−3−A)細胞株の調製 本参考例において使用される細胞株を予め調製した。 ・マウス肥満細胞株MC/9(ATCC CRL 8306):10
0U/ml組換マウスIL−3及び10%FCS含有R
PMI1640培地で増殖させた。 ・サル細胞株COS7(ATCC CRL 1651) :10%FCS
含有DMEM培地中で増殖させた。 (参1−3−B)抗体の調製 本参考例で使用されるマウス抗AIC2抗体(IgM)
を米原ら(Int. Immunol., Vol.2, No.2, pp.143-150, 1
990)の報文に従って予め調製した。 (参1−3−C)プラスミドの構築 (参1−1−C)で構築したプラスミドpCEV4を使
用した。 (参1−3−D)マウス肥満細胞MC/9由来cDNA
ライブラリ−の作成 (参1−1−D)に記載した方法と同様にして、MC/
9より選択したpoly(A)RNAから2重鎖cDN
Aを合成し、BstXI非パリンドロ−ムアダプタ−に
連結し、アガロ−スゲル電気泳動により1.5kbより
長いcDNAを分離し、それらをBstXI切断pCE
V4ベクタ−フラグメントに連結した。エレクトロポレ
−ション法により該ベクタ−をE.coliDH5αに
形質転換して、マウス肥満細胞MC/9由来cDNAラ
イブラリ−を作成した(Science,Vol.247, pp324-327, 1
990, イトウら参照) 。 (参1−3−E)AIC2AcDNAフラグメントの取
得 (参1−1−E)に記載した方法と同様にして、2次抗
体としてヤギ抗ラットIgM抗体(カッペル(Cappel)社
(製))をコ−ティングすることによりパンニングディ
ッシュを作成し、1次抗体としてラット抗Aic2抗体
(IgM)を用いることにより、COS7に形質転換さ
れた24個のプラスミドクロ−ンを取得し、それぞれの
クロ−ンを分析して13のクロ−ンが同一の1.6kb
のAIC2AcDNAフラグメント(挿入配列)を有す
ることを確認し、次の工程で使用するプロ−ブと用いる
ため、プラスミドクロ−ンpAIC2−2を選択した(S
cience,Vol.247, pp324-327, 1990, イトウら参照) 。 (参1−3−F)全長AIC2AcDNAの取得 (参1−1−F)に記載した方法と同様にして、pAI
C2−2をプロ−ブとして用いたコロニ−ハイブリダイ
ゼ−ション法により、(参1−3−D)で作成したcD
NAライブラリ−から18個のcDNAクロ−ンを取得
し、全長AIC2AcDNAを有するcDNAクロ−ン
pAIC2−26を取得した(GenBank寄託番号: M2
9855)。種々の分析によりpAIC2−26は、3
351bpからなり、878のアミノ酸残基をコ−ドす
るオ−プンリ−ディングフレ−ムを有しており、該オ−
プンリ−ディングフレ−ムは、22のアミノ酸残基から
なるシグナルペプチド及び856のアミノ酸残基からな
る成熟タンパクをコ−ドしており、成熟タンパクは、4
17のアミノ酸残基からなる細胞外領域、26のアミノ
酸残基からなる膜貫通領域及び413のアミノ酸残基か
らなる細胞内領域から構成されていることが確認され
た。
【0075】pAIC2−26クロ−ンからXhoI切
断フラグメントとして取り出した全長AIC2AcDN
Aを含むDNAを、BstXIアダプタ−を用い哺乳動
物発現プラスミドpCEV4に組み込みプラスミドpC
EV4/AIC2Aを構築した。 (参1−4)hFas・EXTをコ−ドするcDNA及
びAIC2Aの細胞外領域(AIC2A・EXT)をコ
−ドするcDNAからなるcDNAの取得 (参1−2)で構築したプラスミドpME18S/hF
as・EXTをNotIで消化、直線化し、DNA末端
平滑化キットを用いて切断末端を平滑化し、切断面の
5’末端のリン酸基を除去するためBAPで処理した。
【0076】(参1−3−F)で構築したプラスミドp
CEV4/AIC2AをDraIIIで消化することによ
りAIC2A・EXTをコ−ドするcDNAを取り出
し、DNA末端平滑化キットを用いて該フラグメントの
切断末端を平滑化した。DNA連結キットを用いて、D
raIII 切断AIC2A・EXTcDNAフラグメント
を、先に作成したNotI切断pME18S/hFas
・EXTプラスミドフラグメントに導入し、プラスミド
pME18S/hFas・EXT−AIC2A・EXT
を構築した。
【0077】pME18S/hFas・EXT−AIC
2A・EXTの構築工程を図6に示した。 (参1−5)可溶性hFas−AIC2Aを発現するJ
M109の取得 (参1−4)で構築したプラスミドpME18S/hF
as・EXT−AIC2A・EXTを、E.coli細
胞株JM109に形質転換し、コロニ−を分析して形質
転換細胞を選択した。なお、この形質転換したE.co
li細胞株JM109は寄託番号FERM BP−44
36として通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に
国際寄託されている。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の可溶性F
as抗原の測定方法及びその測定用キットによれば、従
来不可能であった検体中の可溶性Fas抗原の濃度を容
易に測定することができるという効果が得られる。この
測定方法及び測定用キットにより測定した検体中の可溶
性Fas抗原の量に基づいて、自己免疫疾患の予知、診
断及び治療方針の確立、治療の効果の判定を行うことが
できるため、有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3の吸光度から可溶性Fas抗原の濃
度を求めるための検量線のグラフを示す。
【図2】 実施例4の吸光度から可溶性Fas抗原の濃
度を求めるための検量線のグラフを示す。
【図3】 プラスミドpCEV4の制限酵素地図であ
る。
【図4】 プラスミドpME18Sの制限酵素地図であ
る。
【図5】 プラスミドpME18S/hFas・EXT
の構築工程図である。
【図6】 プラスミドpME18ShFas・EXT−
AIC2A・EXTの構築工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蜂矢 隆久 長野県伊那市大字手良沢岡字大原1063− 103 株式会社医学生物学研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性Fas抗原の免疫学的測定方法で
    あって、 a)可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な抗Fasモ
    ノクローナル抗体を不溶性支持体に結合せしめてなる固
    相化抗Fasモノクローナル抗体に標準可溶性Fas抗
    原を反応せしめた後、 b)可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な標識された
    第2の抗Fasモノクローナル抗体を反応させ、 c)反応生成物の標識量を測定することにより検量線を
    作成する行程、及び d)可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な抗Fasモ
    ノクローナル抗体を不溶性支持体に結合せしめてなる固
    相化抗Fasモノクローナル抗体に検体を反応せしめた
    後、 e)可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な標識された
    第2の抗Fasモノクローナル抗体を反応させ、 f)反応生成物の標識量を測定し、 前記検量線から検体中に含まれる可溶性Fas抗原を定
    量する行程を含むことを特徴とする可溶性Fas抗原の
    免疫学的測定方法。
  2. 【請求項2】 前記標準可溶性Fas抗原が、ヒトFa
    s抗原またはマウスFas抗原の細胞外領域とマウスI
    L−3レセプターβサブユニットAIC2Aの細胞外領
    域またはイムノグロブリン重鎖の定常領域とからなるキ
    メラ可溶性Fas抗原である請求項1記載の可溶性Fa
    s抗原の免疫学的測定方法。
  3. 【請求項3】 前記不溶性支持体に結合せしめてなる固
    相化抗Fasモノクローナル抗体が、ハイブリドーマク
    ローンVB3、CBE、WB3、ZB4、UB2、AX
    6、JAE及びCH11からなる群の中から選ばれた一
    つのハイブリドーマクローンから産生されるモノクロー
    ナル抗体である請求項1または2記載の可溶性Fas抗
    原の免疫学的測定方法。
  4. 【請求項4】 前記標識された第2の抗Fasモノクロ
    ーナル抗体が、ハイブリドーマクローンVB3、CB
    E、WB3、ZB4、UB2、AX6、JAE及びCH
    11からなる群の中から選ばれる一つのハイブリドーマ
    クローンから産生されるモノクローナル抗体である請求
    項1〜3のいずれかに記載の可溶性Fas抗原の免疫学
    的測定方法。
  5. 【請求項5】 前記標識された第2の抗Fasモノクロ
    ーナル抗体が、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシ
    ダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、アルカリホスファ
    ターゼ及びビオチンからなる群から選ばれる標識物質で
    標識されたモノクローナル抗体である請求項1〜4のい
    ずれかに記載の可溶性Fas抗原の免疫学的測定方法。
  6. 【請求項6】 可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な
    抗Fasモノクローナル抗体を不溶性支持体に結合せし
    めてなる固相化抗Fasモノクローナ抗体と、 標準物質としての可溶性Fas抗原とを含むことを特徴
    とする可溶性Fas抗原の免疫学的測定用キット。
  7. 【請求項7】 可溶性Fas抗原に特異的に結合可能な
    標識された第2の抗Fasモノクローナル抗体を含む請
    求項6記載の可溶性Fas抗原の免疫学的測定用キッ
    ト。
  8. 【請求項8】 標準物質として、ヒトFas抗原または
    マウスFas抗原の細胞外領域とマウスIL−3レセプ
    ターβサブユニットAIC2Aの細胞外領域またはイム
    ノグロブリン重鎖の定常領域とからなるキメラ可溶性F
    as抗原を用いる請求項6または7記載の可溶性Fas
    抗原の免疫学的測定用キット。
  9. 【請求項9】 前記不溶性支持体に結合せしめてなる固
    相化抗Fasモノクローナル抗体が、ハイブリドーマク
    ローンVB3、CBE、WB3、ZB4、UB2、AX
    6、JAE及びCH11からなる群の中から選ばれた一
    つのハイブリドーマクローンから産生されるモノクロー
    ナル抗体である請求項6〜8のいずれかに記載の可溶性
    Fas抗原の免疫学的測定用キット。
  10. 【請求項10】 前記標識された第2の抗Fasモノク
    ローナル抗体が、ハイブリドーマクローンVB3、CB
    E、WB3、ZB4、UB2、AX6、JAE及びCH
    11からなる群の中から選ばれる一つのハイブリドーマ
    クローンから産生されるモノクローナル抗体である請求
    項6〜9のいずれかに記載の可溶性Fas抗原の免疫学
    的測定用キット。
  11. 【請求項11】 前記標識された第2の抗Fasモノク
    ローナル抗体が、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクト
    シダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、アルカリホスフ
    ァターゼ及びビオチンからなる群から選ばれる標識物質
    で標識されたモノクローナル抗体である請求項6〜10
    のいずれかに記載の可溶性Fas抗原の免疫学的測定用
    キット。
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