JPH0878042A - レドックスフロー型電池の電解液の製造方法 - Google Patents

レドックスフロー型電池の電解液の製造方法

Info

Publication number
JPH0878042A
JPH0878042A JP6208458A JP20845894A JPH0878042A JP H0878042 A JPH0878042 A JP H0878042A JP 6208458 A JP6208458 A JP 6208458A JP 20845894 A JP20845894 A JP 20845894A JP H0878042 A JPH0878042 A JP H0878042A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
hydrochloric acid
iron
organic solvent
solution containing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6208458A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Shigematsu
敏夫 重松
Tetsuji Ito
哲二 伊藤
Nobuyuki Tokuda
信幸 徳田
Seiji Nishida
清二 西田
Muneharu Kishida
宗治 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP6208458A priority Critical patent/JPH0878042A/ja
Publication of JPH0878042A publication Critical patent/JPH0878042A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 充放電効率の高いレドックスフロー型電池の
電解液を、容易かつ簡単に、しかも安価に製造すること
のできるレドックスフロー型電池の電解液の製造方法を
提供する。 【構成】 クロム(Cr)イオンとクロム(Cr)イオ
ン以外の不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準
備する工程と、塩酸水溶液に有機溶媒を混合し、塩酸水
溶液中に含まれる不純物金属イオンを有機溶媒中に抽出
し、その後不純物金属イオンを含有する有機溶媒と、ク
ロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液とを分離し
て、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電解
液として取出す工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レドックスフロー型電
池の電解液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国の電力需要の伸びは、年と共に増
大し続けているが、電力需要の変動も産業構造の高度化
と国民生活水準の向上を反映して、年々、著しくなる傾
向にある。
【0003】たとえば、夏季における昼間の電力需要量
を100とすると明け方のそれは30以下となっている
状況である。
【0004】一方、電力の供給面から見ると、出力変動
が望ましくない原子力発電や、大規模火力発電や大規模
水力発電の割合も増加する傾向にあるため、電力を貯蔵
する設備の必要性が高まっている。
【0005】現在の電力貯蔵は、揚水発電によって行な
われているが、その立地に限りがあることから、新しい
電力貯蔵技術、中でも、技術的、経済的に実現の可能性
が高いとされている二次電池が盛んに研究されており、
中でも、レドックスフロー型電池が特に注目されてい
る。
【0006】次に、レドックスフロー型電池の構造と動
作原理を以下に説明する。図6は、レドックスフロー型
電池の一具体例を概略的に示す構成図である。
【0007】図6を参照して、このレドックスフロー型
電池31は、電池反応セル32、正極液タンク33、お
よび、負極液タンク34を備える。
【0008】電池反応セル32内は、たとえば、イオン
交換膜等からなる隔膜35により仕切られており、一方
側が正極セル32a、他方側が負極セル32bを構成す
る。
【0009】正極セル32a内には、正極36が収容さ
れ、また、負極セル32b内には負極37が収容され
る。
【0010】正極セル32aと正極液タンク33とは、
正極電解液を正極液タンク33から正極セル32aに供
給する正極液供給用管路38と、正極電解液を正極セル
32aから正極液タンク33に回収する正極液回収用管
路39とにより連結される。
【0011】また、正極液供給用管路38には、正極電
解液の流通循環手段として、ポンプ40が設けられてお
り、正極セル32aと正極液タンク33との間におい
て、正極電解液が流通循環できるようになっている。
【0012】他方、負極セル32bと負極液タンク34
とは、負極電解液を負極液タンク34から負極セル32
bに供給する負極液供給用管路41と、負極電解液を負
極セル32bから負極液タンク34に回収する負極液回
収用管路42とにより連結される。
【0013】また、負極液供給用管路41には、負極電
解液の流通循環手段として、ポンプ43が設けられてお
り、負極セル32bと負極液タンク34との間におい
て、負極電解液が流通循環できるようになっている。
【0014】正極液タンク43内には、正極電解液が蓄
えられており、また、負極液タンク34内には、負極電
解液が蓄えられる。
【0015】正極電解液としては、たとえば、鉄イオン
のような原子価の変化するイオンの水溶液が用いられ、
また、負極電解液としては、たとえば、クロムイオンの
ような原子価の変化するイオンの水溶液が用いられる。
【0016】たとえば、そのような正極電解液として
は、鉄の溶解度、充放電反応速度等の特性から、正極活
物質Fe3+/Fe2+を含む塩酸水溶液が用いられる。
【0017】また、負極電解液としては、クロムの溶解
度、充放電反応速度等の特性から、負極活物質Cr2+
Cr3+を含む塩酸水溶液が用いられる。
【0018】このような電解液を用いたレドックスフロ
ー型電池31を用いて、充電時においては、負極液タン
ク34に蓄えられたCr3+イオンを含む塩酸水溶液が、
ポンプ43により、負極セル32bに送られ、負極37
において電子を受取り、Cr 2+イオンに還元されて、負
極液タンク34に回収される。
【0019】他方、正極液タンク33に蓄えられたFe
2+イオンを含む塩酸水溶液が、ポンプ40により正極セ
ル32aに送られ、正極36において外部回路に電子を
放出して、Fe3+に酸化され、正極液タンク33に回収
される。
【0020】また、放電時においては、負極液タンク3
4に蓄えられたCr2+イオンを含む塩酸水溶液が、ポン
プ43により負極セル32bに送られ、負極37におい
て外部回路に電子を放出して、Cr3+イオンに酸化さ
れ、負極液タンク34に回収される。
【0021】他方、正極液タンク33に蓄えられたFe
3+イオンを含む塩酸水溶液は、ポンプ40により正極セ
ル32aに送られ、正極36において外部回路から電子
を受取り、Fe2+イオンに還元され、正極液タンク33
に回収される。
【0022】このようなレドックスフロー型電池におい
ては、正極36および負極37における充放電反応は、
下記の式のようになる。
【0023】
【化1】
【0024】夜間になって余ってきた電力は、インバー
タ44を通じて、交直変換した後、レドックスフロー型
電池に充電され、上記(1)(2)式の充電方向の反応
によって、Fe3+/Cr2+の形で貯蔵される。
【0025】また、昼間に電力が足りなくなってくる
と、上記(1)(2)式の放電方向の反応によって、放
電させ、インバータ44で直交変換後、電力系統へ供給
される。
【0026】これが、レドックスフロー型電池を用いた
電力貯蔵システムである。ところで、上述したように、
レドックスフロー型電池で用いる電解液は、鉄、クロム
の溶解度、充放電反応速度等の特性から、塩酸酸性の塩
化物水溶液が使用される。
【0027】このうち、特に、クロム(Cr)を含有す
る塩酸水溶液は、副反応である水素発生を抑制するた
め、高純度の電解クロムが使用されており、これが高価
であることから、レドックスフロー型電池を実用化する
上で、大きな問題となっている。
【0028】このような問題を解決する技術として、安
価なクロム鉱石、クロム鉱還元物、フェロクロム等から
クロム(Cr)を含有する塩酸水溶液を製造する、レド
ックスフロー型電池の電解液の製造方法が種々提案され
ている。
【0029】そのようなレドックスフロー型電池の電解
液の製造方法としては、たとえば、特開昭60−115
174号公報に記載されたような発明が存在する。
【0030】特開昭60−115174号公報に記載さ
れるレドックスフロー型電池の電解液の製造方法は、出
発原料としてクロム鉱石等を用い、クロム鉱石等を塩酸
に溶解し、クロム(Cr)イオンと、クロム(Cr)イ
オン以外の不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液
(以下、原料塩酸水溶液という)を準備する工程と、こ
の原料塩酸水溶液を電解槽の陰極室に導入し、電気分解
によって、陰極室の電極に不純物金属を電着させて、原
料塩酸水溶液中に含まれるクロム(Cr)イオン以外の
不純物金属イオンを除去し、クロム(Cr)イオンを含
有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程とを備えて
いる。
【0031】また、特開昭63−76268号公報に
は、クロム鉱石還元物または、/およびフェロクロムを
酸素ガスを遮断した雰囲気下で塩酸に溶解し、その後、
酸素ガスを遮断した雰囲気下で残渣を濾別する、レドッ
クスフロー型電池の電解液の製造方法が提案されてい
る。
【0032】特開昭63−76268号公報によれば、
クロム鉱石還元物、フェロクロムを塩酸に溶解する溶解
操作を、酸素ガスを遮断した状態で行なうことにより、
鉄(Fe)は2価イオン、クロム(Cr)は2価または
3価のイオンの形で溶解し、そして、この溶解操作によ
り得られる溶解液の電位が、飽和甘こう電極基準で、−
0.4Vより卑な電位となるため、クロム鉱石還元物
や、フェロクロムに含まれる不純物金属が、溶解液中に
溶解しにくいとされている。
【0033】その結果、特開昭63−76268号公報
に記載されるレドックスフロー型電池の電解液は、電解
液中に含まれる不純物金属イオンの濃度が、レドックス
フロー型電池の電解液として許容される不純物金属イオ
ンの濃度以下になるとされている。
【0034】また、特開昭63−76268号公報によ
れば、クロム鉱石還元物、フェロクロムを塩酸に溶解す
る溶解操作時に、導電性炭素材料を共存させることによ
り、溶解操作時に、ごくわずかに溶解した不純物金属イ
オンを、導電性炭素材料の表面に次式に従って析出させ
ることにより、溶解液中から不純物金属を除去すること
ができるとされている。
【0035】Mn++nCr2+→M↓+nCr3+ なお、上記式中Mは、不純物金属を示す。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、高純
度の電解クロムを塩酸に溶解して、レドックスフロー型
電池の電解液を製造する方法では、出発原料の高純度の
電解クロムが高価であるため、電解液の製造コストが高
くなり、その結果、電力貯蔵システムの製造コストが高
くなり、電力貯蔵システムとしての経済性が得られない
という問題があった。
【0037】また、特開昭60−115174号公報
や、特開昭63−76268号公報に記載されるよう
な、クロム鉱石、クロム鉱還元物、フェロクロム等のよ
うな安価な出発原料からレドックスフロー型電池の電解
液を電気化学的に、製造する方法では、電解液の製造コ
ストを低減できるという効果があるものの、電解液中に
混入する不純物金属イオン、特に、マンガン(Mn)イ
オンの除去ができず、これらの方法に従って製造される
電解液は、負極において、水素を発生する等の副反応が
あり、充放電効率が低いという欠点があった。
【0038】本発明は、以上の問題を解決するためにな
されたものである。すなわち、第1の発明は、クロム
(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として用
いるレドックスフロー型電池の電解液の製造方法であっ
て、クロム(Cr)とクロム(Cr)以外の不純物金属
とを含有する安価な原料から、クロム(Cr)イオンと
不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備し、こ
の塩酸水溶液から、容易かつ簡単に、不純物金属イオン
をレドックスフロー型電池の電解液として許容される不
純物金属イオンの濃度以下に分離除去することのできる
方法を提供することを目的とする。
【0039】また、第2の発明または第4の発明は、鉄
(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として用
いるレドックスフロー型電池の電解液の製造方法であっ
て、鉄(Fe)と鉄(Fe)以外の不純物金属とを含有
する安価な原料から、鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンとを含有する塩酸水溶液を準備し、この塩酸水溶液
から、容易かつ簡単に、不純物金属イオンをレドックス
フロー型電池の電解液として許容される不純物金属イオ
ンの濃度以下に分離除去することのできる方法を提供す
ることを目的とする。
【0040】また、第3の発明または第5の発明は、正
極活物質として、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶
液を電解液として用い、負極活物質として、クロム(C
r)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として用いる
レドックスフロー型電池の電解液の製造方法であって、
鉄(Fe)、クロム(Cr)および鉄(Fe)とクロム
(Cr)以外の不純物金属とを含有する安価な原料か
ら、鉄(Fe)イオンとクロム(Cr)イオンと不純物
金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備し、この塩酸
水溶液から、容易かつ簡単に不純物金属イオンをレドッ
クスフロー型電池の電解液として許容される不純物金属
イオンの濃度以下に分離除去することのできる方法を提
供することを目的とする。
【0041】より特定的には、本発明の目的は、安価な
原料中に含まれる不純物金属のうち、従来の方法では、
技術的に不可能であったマンガン(Mn)についても、
レドックスフロー型電池の電解液として許容される濃度
以下まで分離除去することのできる、レドックスフロー
型電池の電解液の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、クロム鉱
石、クロム鉱石還元物、フェロクロム等の安価な原料中
に含まれる不純物金属のうち、従来の方法では、技術的
に不可能であったマンガン(Mn)についても、レドッ
クスフロー型電池の電解液として許容される濃度以下ま
で分離除去することのできる、レドックスフロー型電池
の電解液の製造方法について、長年研究を続けてきた。
【0043】その結果、溶媒抽出法を用いることによ
り、安価な原料中に含まれる不純物金属のうち、従来の
方法では、技術的に不可能であったマンガン(Mn)に
ついても、レドックスフロー型電池の電解液として許容
される濃度以下まで分離除去することができることを知
見し、本発明を完成させるに至った。
【0044】すなわち、第1の発明に従うレドックスフ
ロー型電池の電解液の製造方法は、クロム(Cr)イオ
ンを含有する塩酸水溶液を電解液として用いるレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法であって、クロム
(Cr)イオンとクロム(Cr)イオン以外の不純物金
属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備する工程と、塩
酸水溶液に有機溶媒を混合し、塩酸水溶液中に含まれる
不純物金属イオンを有機溶媒中に抽出し、その後不純物
金属イオンを含有する有機溶媒と、クロム(Cr)イオ
ンを含有する塩酸水溶液とを分離して、クロム(Cr)
イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程
とを備える。
【0045】クロム(Cr)イオンとクロム(Cr)イ
オン以外の不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液
は、たとえば、クロム鉱石、クロム鉱石還元物、フェロ
クロム、クロム(Cr)を含む廃棄物等の出発原料を、
塩酸に溶解すればよい。クロム(Cr)を含む廃棄物と
しては、たとえば、媒染染料による染色等の際に発生す
るクロム(Cr)廃液のほか、クロム(Cr)を含む、
種々の産業廃棄物等を挙げることができる。
【0046】また、有機溶媒は、トリオクチルメチルア
ンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム化合物や、
トリオクチルアミン等の第3級アミンや、トリn−ブチ
ルホスフェート、トリオクチルホスフィンオキサイド、
ビス(2、4、4−トリメチルペンチル)オクチルホス
フィンオキサイド等の有機リン酸化合物等からなる群よ
り選択される抽出剤(抽出試薬)を含む。
【0047】有機溶媒は、より好ましくは、抽出剤とし
て、トリオクチルメチルアンモニウムクロリドを含む。
【0048】また、クロム(Cr)イオンと不純物金属
イオンとを含有する塩酸水溶液の塩素濃度([C
- ])は、有機溶媒の種類、出発原料の種類によって
も異なるが、上述した抽出剤(抽出試薬)を含む有機溶
媒を用いる場合は、特に以下の場合に限定されることは
ないが、たとえば、300グラム(g)/リットル(li
ter)以下、より好ましくは、230グラム(g)/リ
ットル(liter )以下に調整されていることが好まし
い。なお、クロム(Cr)イオンと不純物金属イオンと
を含有する塩酸水溶液の塩素濃度([Cl- ])は、水
による希釈や、塩化カルシウム(CaCl2 )に代表さ
れる塩化物からなる塩素濃度調整剤を添加することによ
り調整すればよい。
【0049】また、クロム(Cr)イオンと不純物金属
イオンとを含有する塩酸水溶液の濃度([HCl])
は、作業性等を考慮した場合は、1.5モル(mol )/
リットル(liter )以上3.5モル(mol )/リットル
(liter)以下であることが好ましい。
【0050】第2の発明に従うレドックスフロー型電池
の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオンを含有する塩
酸水溶液を電解液として用いるレドックスフロー型電池
の電解液の製造方法であって、鉄(Fe)イオンと、鉄
(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液を準備する工程と、第1の塩酸水溶液に
有機溶媒を混合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄
(Fe)イオンと不純物金属イオンを有機溶媒中に抽出
する工程と、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンを含
有する有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオ
ンを第2の塩酸水溶液中に抽出し、その後、不純物金属
イオンを含有する有機溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有
する塩酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イオンを含有
する塩酸水溶液を電解液として取出す工程とを備える。
【0051】鉄(Fe)イオンと、鉄(Fe)イオン以
外の不純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液
は、たとえば、クロム鉱石、クロム鉱石還元物、フェロ
クロム、機械工場などから出る鉄鋳物の削り屑等の鉄
屑、鉄鉱石、鉄(Fe)を含む廃棄物等の出発原料を塩
酸に溶解すればよい。鉄(Fe)を含む廃棄物として
は、たとえば、プリント基板等の銅(Cu)配線を作製
する際に発生する、鉄(Fe)を含むエッチング液のほ
か、鉄(Fe)を含む、種々の産業廃棄物を挙げること
ができる。
【0052】また、有機溶媒は、トリオクチルメチルア
ンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム化合物や、
トリオクチルアミン等の第3級アミンや、トリn−ブチ
ルホスフェート、トリオクチルホスフィンオキサイド、
ビス(2、4、4−トリメチルペンチル)オクチルホス
フィンオキサイド等の有機リン酸化合物等からなる群よ
り選択される抽出剤(抽出試薬)を含む。
【0053】有機溶媒は、より好ましくは、抽出剤とし
て、トリオクチルメチルアンモニウムクロリドを含む。
【0054】また、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを含有する第1の塩酸水溶液の塩素濃度([C
- ])は、有機溶媒の種類、出発原料の種類によって
も異なるが、上述した抽出剤(抽出試薬)を含む有機溶
媒を用いる場合は、特に以下の場合に限定されることは
ないが、たとえば、300グラム(g)/リットル(li
ter )以下、より好ましくは、230グラム(g)/リ
ットル(liter )以下に調整されていることが好まし
い。
【0055】なお、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを含有する第1の塩酸水溶液の塩素濃度([C
- ])は、水による希釈や、塩化カルシウム(CaC
2 )に代表される塩化物からなる塩素濃度調整剤を添
加することにより調整すればよい。
【0056】また、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを含有する第1の塩酸水溶液の濃度([HCl])
は、作業性等を考慮した場合は、1.5モル(mol )/
リットル(liter )以上3.5モル(mol )/リットル
(liter)以下であることが好ましい。
【0057】また、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液の塩酸濃度([HCl])は、0.01モル(mo
l )/リットル(liter )以上1.5モル(mol )/リ
ットル(liter )以下であることが好ましい。
【0058】第3の発明に従うレドックスフロー型電池
の電解液の製造方法は、正極活物質として、鉄(Fe)
イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として用い、負極
活物質として、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水
溶液を電解液として用いるレドックスフロー型電池の電
解液の製造方法であって、鉄(Fe)イオン、クロム
(Cr)イオン、および、鉄(Fe)イオンとクロム
(Cr)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液を準備する工程と、第1の塩酸水溶液に
有機溶媒を混合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄
(Fe)イオンと不純物金属イオンとを有機溶媒中に抽
出し、その後、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンと
を含有する有機溶媒と、クロム(Cr)イオンを含有す
る塩酸水溶液とを分離して、クロム(Cr)イオンを含
有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程と、鉄(F
e)イオンと不純物金属イオンとを含有する有機溶媒
に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合
し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の塩
酸水溶液中に抽出し、その後、不純物金属イオンを含む
有機溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液と
を分離して、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を
電解液として取出す工程とを備える。
【0059】鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)イオ
ン、および、鉄(Fe)イオンとクロム(Cr)イオン
以外の不純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液
は、たとえば、クロム鉱石、クロム鉱石還元物、フェロ
クロム、クロム(Cr)と鉄(Fe)とを含む廃棄物等
の出発原料を塩酸に溶解すればよい。
【0060】また、有機溶媒は、トリオクチルメチルア
ンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム化合物や、
トリオクチルアミン等の第3級アミンや、トリn−ブチ
ルホスフェート、トリオクチルホスフィンオキサイド、
ビス(2、4、4−トリメチルペンチル)オクチルホス
フィンオキサイド等の有機リン酸化合物等からなる群よ
り選択される抽出剤(抽出試薬)を含む。
【0061】有機溶媒は、より好ましくは、抽出剤とし
て、トリオクチルメチルアンモニウムクロリドを含む。
【0062】また、鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)
イオン、および、不純物金属イオンとを含有する第1の
塩酸水溶液の塩素濃度([Cl- ])は、有機溶媒の種
類、出発原料の種類によっても異なるが、上述した抽出
剤(抽出試薬)を含む有機溶媒を用いる場合は、特に以
下の場合に限定されることはないが、たとえば、300
グラム(g)/リットル(liter )以下、より好ましく
は、230グラム(g)/リットル(liter )以下に調
整されていることが好ましい。
【0063】なお、第1の塩酸水溶液の塩素濃度([C
- ])の調整方法は、第1の発明と同様であるので、
ここでの説明は省略する。
【0064】また、鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)
イオン、および、不純物金属イオンとを含有する第1の
塩酸水溶液の塩酸濃度([HCl])は、作業性等を考
慮した場合は、1.5モル(mol )/リットル(liter
)以上3.5モル(mol )/リットル(liter )以下
であることが好ましい。
【0065】また、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液の塩酸濃度([HCl])は、0.01モル(mo
l )/リットル(liter )以上1.5モル(mol )/リ
ットル(liter )以下であることが好ましい。
【0066】第4の発明に従うレドックスフロー型電池
の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオンを含有する塩
酸水溶液を電解液として用いるレドックスフロー型電池
の電解液の製造方法であって、鉄(Fe)イオンと、鉄
(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液を準備する工程と、第1の塩酸水溶液に
有機溶媒を混合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄
(Fe)イオンを有機溶媒中に抽出する工程と、鉄(F
e)イオンを含有する有機溶媒に金属イオンを含有しな
い第2の塩酸水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる鉄
(Fe)イオンを第2の塩酸水溶液中に抽出し、その
後、有機溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶
液とを分離して、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶
液を電解液として取出す工程とを備える。
【0067】第4の発明において、鉄(Fe)イオン
と、鉄(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有
する第1の塩酸水溶液を準備する工程は、第2の発明と
同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0068】また、第4の発明において用いる有機溶媒
は、第2の発明において用いる有機溶媒であれば、いず
れも適用可能である。
【0069】なお、第4の発明において、特に、マンガ
ン(Mn)が、レドックスフロー型電池の電解液として
許容される濃度以下まで分離除去された、レドックスフ
ロー型電池の電解液を、効率よく製造するには、抽出剤
として、トリn−ブチルホスフェートを含む有機溶媒を
用いるのが、より好ましい。
【0070】また、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを含有する第1の塩酸水溶液の塩素濃度([C
- ])は、有機溶媒の種類、出発原料の種類によって
も異なるが、上述した抽出剤(抽出試薬)を含む有機溶
媒を用いる場合は、特に以下の場合に限定されることは
ないが、たとえば、300グラム(g)/リットル(li
ter )以下に調整されていることが好ましい。
【0071】なお、第1の塩酸水溶液の塩素濃度([C
- ])の調整方法は、第2の発明において、既に説明
した方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0072】また、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを含有する第1の塩酸水溶液の塩素濃度([HC
l])は、作業性等を考慮した場合は、1モル(mol )
/リットル(liter )以上5モル(mol )/リットル
(liter )以下であることが好ましい。
【0073】また、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液の塩酸濃度([HCl])は、0.01モル(mo
l )/リットル(liter )以上1.5モル(mol )/リ
ットル(liter )以下であることが好ましい。
【0074】第5の発明に従うレドックスフロー型電池
の電解液の製造方法は、正極活物質として、鉄(Fe)
イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として用い、負極
活物質として、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水
溶液を電解液として用いるレドックスフロー型電池の電
解液の製造方法であって、鉄(Fe)イオン、クロム
(Cr)イオン、および、鉄(Fe)イオンとクロム
(Cr)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液を準備する工程と、第1の塩酸水溶液に
第1の有機溶媒を混合し、第1の塩酸水溶液中に含まれ
る鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを第1の有機
溶媒中に抽出し、その後、鉄(Fe)イオンと不純物金
属イオンとを含有する第1の有機溶媒と、クロム(C
r)イオンを含有する塩酸水溶液とを分離して、クロム
(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取
出す工程と、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを
含有する第1の有機溶媒に、金属イオンを含有しない第
2の塩酸水溶液を混合し、第1の有機溶媒中に含まれる
鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを第2の塩酸水
溶液中に抽出し、その後、第1の有機溶媒と鉄(Fe)
イオンと不純物金属イオンとを含有する第2の塩酸水溶
液とを分離して、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオン
とを含有する塩酸水溶液を準備する工程と、鉄(Fe)
イオンと不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液に、
第2の有機溶媒を混合し、塩酸水溶液中に含まれる鉄
(Fe)イオンを第2の有機溶媒中に抽出し、その後不
純物金属イオンを含有する塩酸水溶液と、鉄(Fe)イ
オンを含有する第2の有機溶媒とを分離する工程と、鉄
(Fe)イオンを含有する第2の有機溶媒に、金属イオ
ンを含有しない第3の塩酸水溶液を混合し、第2の有機
溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを第3の塩酸水溶液
中に抽出し、その後、第2の有機溶媒と、鉄(Fe)イ
オンを含有する塩酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イ
オンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程と
を備える。
【0075】第5の発明において、鉄(Fe)イオン、
クロム(Cr)イオン、および、鉄(Fe)イオンとク
ロム(Cr)イオン以外の不純物金属イオンとを含有す
る第1の塩酸水溶液を準備する工程と、第1の塩酸水溶
液に第1の有機溶媒を混合し、第1の塩酸水溶液中に含
まれる鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを第1の
有機溶媒中に抽出し、その後鉄(Fe)イオンと不純物
金属イオンとを含有する第1の有機溶媒と、クロム(C
r)イオンを含有する塩酸水溶液とを分離して、クロム
(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取
出す工程は、第1の発明と同様であるので、ここでの説
明は省略する。
【0076】第5の発明では、鉄(Fe)イオンと不純
物金属イオンとを含有する第1の有機溶媒に、金属イオ
ンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合し、第1の有機
溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンと不純物金属イオン
とを第2の塩酸水溶液中に抽出しているが、これは、第
5の発明は、特に、マンガン(Mn)が、レドックスフ
ロー型電池の電解液として許容される濃度以下まで分離
除去されたレドックスフロー型電池の電解液を効率よく
製造するためである。
【0077】すなわち、第1の有機溶媒中に含まれる鉄
(Fe)イオンと不純物金属イオンとを第2の塩酸水溶
液中に抽出し、その後第1の有機溶媒と鉄(Fe)イオ
ンと不純物金属イオンとを含有する第2の塩酸水溶液と
を分離して、当該鉄(Fe)イオンと不純物金属イオン
とを含有する第2の塩酸水溶液の塩素濃度([C
-])および塩酸濃度([HCl])のそれぞれを、
第2の有機溶媒に、鉄(Fe)イオンが選択的に抽出さ
れる濃度にそれぞれ調整し、鉄(Fe)イオンと不純物
金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備する。
【0078】なお、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを含有する塩酸水溶液に、第2の有機溶媒を混合
し、塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の
有機溶媒中に抽出し、その後不純物金属イオンを含有す
る塩酸水溶液と、鉄(Fe)イオンを含有する第2の有
機溶媒とを分離する工程と、鉄(Fe)イオンを含有す
る第2の有機溶媒に、金属イオンを含有しない第3の塩
酸水溶液を混合し、第2の有機溶媒中に含まれる鉄(F
e)イオンを第3の塩酸水溶液中に抽出し、その後第2
の有機溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液
とを分離して、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液
を電解液として取出す工程は、第4の発明と同様である
ので、ここでの説明は省略する。
【0079】また、第5の発明において用いる用語「第
1の塩酸水溶液」は、第1の発明の「塩酸水溶液」に相
当し、第5の発明において用いる用語「第1の有機溶
媒」は、第1の発明の「有機溶媒」に相当し、第5の発
明において用いる用語「鉄(Fe)イオンと不純物金属
イオンとを含有する塩酸水溶液」は、第4の発明の「鉄
(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含有する第1の
塩酸水溶液」に相当し、第5の発明において用いる用語
「第2の有機溶媒」は、第4の発明の「有機溶媒」に相
当し、第5の発明において用いる用語「第3の塩酸水溶
液」は、第4の発明の「第2の塩酸水溶液」に相当して
いることを付記しておく。
【0080】また、第5の発明において用いる第1の有
機溶媒、第2の有機溶媒は、第1の発明において用いる
有機溶媒であれば、いずれも適用可能である。
【0081】第5の発明において用いる第1の有機溶媒
は、より好ましくは、抽出剤として、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロリドを含み、第2の有機溶媒は、よ
り好ましくは、抽出剤として、トリn−ブチルホスフェ
ートを含む。
【0082】また第5の発明において用いる第2の塩酸
水溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、作業
性等を考慮した場合は、1.5モル(mol )/リットル
(liter )以上3.5モル(mol )/リットル(liter
)以下であることが好ましい。
【0083】
【作用】本発明は、いずれも、レドックスフロー型電池
の電解液を製造する工程において、溶媒抽出法を用いて
いる。
【0084】溶媒抽出(solvent extraction)法は、液
−液抽出(liquid-liquid extraction)法とも言われ、
互いに混じり合わない2液相間における物質の分配を利
用する方法である。
【0085】図4および図5は、本発明に従う溶媒抽出
の原理を概略的に示す図である。図4を参照しながら、
第1〜第3の発明の作用について、以下に説明する。
【0086】第1の発明は、以下の工程を備える。 (1) クロム(Cr)イオンとクロム(Cr)イオン
以外の不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備
する工程を備える。
【0087】(2) 塩酸水溶液に有機溶媒を混合し、
塩酸水溶液中に含まれる不純物金属イオンを有機溶媒中
に抽出し、その後、不純物金属イオンを含有する有機溶
媒と、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液とを
分離して、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液
を電解液として取出す工程を備える。
【0088】図4を参照して、第1の発明は、抽出の工
程を応用したものである。すなわち、クロム(Cr)イ
オンとクロム(Cr)イオン以外の不純物金属イオンと
を含有する塩酸水溶液(原料塩酸水溶液)に、抽出剤を
含む有機溶媒(図4中、有機溶媒(抽出剤)で示され
る)を混合すると、原料塩酸水溶液の塩素濃度([Cl
- ])や、有機溶媒の種類に依存して、原料塩酸水溶液
中に含まれる鉄(Fe)イオン、マンガン(Mn)イオ
ン等の溶質が、抽出剤を含む有機溶媒(図4中、有機溶
媒(抽出剤)で示される)側に抽出される。
【0089】この工程(以下、洗浄工程という)を何回
か繰返すと、水溶液相側にクロム(Cr)イオンが残
り、水溶液相側に含まれる不純物金属イオンの濃度が、
レドックスフロー型電池の電解液として許容される不純
物金属イオンの濃度以下になる。
【0090】次に、クロム(Cr)イオンを含有する塩
酸水溶液(水溶液相)を電解液として取出すことによ
り、レドックスフロー型電池の電解液を得る。
【0091】また、第2の発明は、以下の工程を備え
る。 (1) 鉄(Fe)イオンと、鉄(Fe)イオン以外の
不純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備
する工程を備える。
【0092】(2) 第1の塩酸水溶液に有機溶媒を混
合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオン
と不純物金属イオンを有機溶媒中に抽出する工程を備え
る。
【0093】(3) 鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンとを含有する有機溶媒に、金属イオンを含有しない
第2の塩酸水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる鉄
(Fe)イオンを第2の塩酸水溶液中に抽出し、その後
不純物金属イオンを含有する有機溶媒と、鉄(Fe)イ
オンを含有する塩酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イ
オンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程を
備える。
【0094】図4を参照して、第2の発明は、逆抽出の
工程を応用したものである。すなわち、図4中、まず、
抽出の工程により、鉄(Fe)イオンと鉄(Fe)イオ
ン以外の不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液(原
料塩酸水溶液)に、抽出剤を含む有機溶媒(図4中、有
機溶媒(抽出剤)で示される)を混合すると、原料塩酸
水溶液の塩素濃度([Cl- ])や、有機溶媒の種類に
依存して、原料塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオ
ンとマンガン(Mn)イオン等の不純物金属イオンと
が、抽出剤を含む有機溶媒(図4中、有機溶媒(抽出
剤)で示される)側に抽出される。
【0095】次に、鉄(Fe)イオンと、マンガン(M
n)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機溶媒
に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合す
ると、第2の塩酸水溶液の塩酸濃度に依存して、有機溶
媒中に含まれる鉄(Fe)イオンが、第2の塩酸水溶液
中に抽出される。
【0096】その後、不純物金属イオンを含有する有機
溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液とを分
離して、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を電解
液として取出す。
【0097】また、第3の発明は、以下の工程を備え
る。 (1) 鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)イオン、お
よび、鉄(Fe)イオンとクロム(Cr)イオン以外の
不純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備
する工程を備える。
【0098】(2) 第1の塩酸水溶液に有機溶媒を混
合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオン
と不純物金属イオンとを有機溶媒中に抽出し、その後鉄
(Fe)イオンと不純物金属イオンを含有する有機溶媒
と、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液とを分
離して、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を
電解液として取出す工程を備える。
【0099】(3) 鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンとを含有する有機溶媒に、金属イオンを含有しない
第2の塩酸水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる鉄
(Fe)イオンを第2の塩酸水溶液中に抽出し、その後
不純物金属イオンを含む有機溶媒と、鉄(Fe)イオン
を含有する塩酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イオン
を含有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程を備え
る。
【0100】図4を参照して、第3の発明は、抽出の工
程と、逆抽出の工程とを応用したものである。
【0101】なお、第3の発明において、抽出の工程の
原理は、第1の発明と同様であり、逆抽出の工程の原理
は第2の発明と同様であるので、その説明を省略する。
【0102】次に、図5を参照しながら、第4〜第5の
発明の作用について、以下に説明する。
【0103】第4の発明は、以下の工程を備える。 (1) 鉄(Fe)イオンと鉄(Fe)イオン以外の不
純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備す
る工程を備える。
【0104】(2) 第1の塩酸水溶液に有機溶媒を混
合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオン
を有機溶媒中に抽出する工程を備える。
【0105】(3) 鉄(Fe)イオンを含有する有機
溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水溶液を混
合し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の
塩酸水溶液中に抽出し、その後、有機溶媒と、鉄(F
e)イオンを含有する塩酸水溶液とを分離して、鉄(F
e)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す
工程を備える。
【0106】図5を参照して、図5中、Aに示す溶媒抽
出の原理は、第1の発明と同様であるので、ここでの説
明は省略する。
【0107】図5中、Bに示す溶媒抽出の原理は、第4
の発明の原理を示しており、第4の発明は、抽出の工程
と、逆抽出の工程とを備えるものである。
【0108】すなわち、図5中、Bを参照して、まず、
抽出の工程により、鉄(Fe)イオンと鉄(Fe)イオ
ン以外の不純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶
液(原料塩酸水溶液)に、抽出剤を含む有機溶媒(図5
中、有機溶媒(抽出剤)で示される)を混合すると、原
料塩酸水溶液の塩素濃度([Cl- ])や、有機溶媒の
種類に依存して、原料塩酸水溶液中に含まれる鉄(F
e)イオンが、選択的に、抽出剤を含む有機溶媒(図5
中、有機溶媒(抽出剤)で示される)側に抽出される。
【0109】次に、鉄(Fe)イオンが、選択的に抽出
された有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液を混合すると、第2の塩酸水溶液の塩素濃度に依
存して、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンが、第
2の塩酸水溶液中に抽出される。
【0110】その後、有機溶媒と、鉄(Fe)イオンを
含有する塩酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イオンを
含有する塩酸水溶液を電解液として取出す。
【0111】なお、第4の発明では、上述したように、
抽出の工程と、逆抽出の工程とにより、レドックスフロ
ー型電池の電解液を製造している。
【0112】特に、第4の発明では、抽出の工程によ
り、鉄(Fe)イオンと、鉄(Fe)イオン以外の不純
物金属イオンとを分離する工程を備える結果、従来の方
法では、技術的に不可能であったマンガン(Mn)につ
いても、レドックスフロー型電池の電解液として許容さ
れる濃度以下まで、容易に、分離除去することができ
る。
【0113】また、第5の発明は、以下の工程を備え
る。 (1) 鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)イオン、お
よび、鉄(Fe)イオンとクロム(Cr)イオン以外の
不純物金属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備
する工程を備える。
【0114】(2) 第1の塩酸水溶液に第1の有機溶
媒を混合し、第1の塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)
イオンと不純物金属イオンとを第1の有機溶媒中に抽出
し、その後鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含
有する第1の有機溶媒と、クロム(Cr)イオンを含有
する塩酸水溶液とを分離して、クロム(Cr)イオンを
含有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程を備え
る。
【0115】(3) 鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンとを含有する第1の有機溶媒に、金属イオンを含有
しない第2の塩酸水溶液を混合し、第1の有機溶媒中に
含まれる鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを第2
の塩酸水溶液中に抽出し、その後、第1の有機溶媒と、
鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含有する第2
の塩酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イオンと不純物
金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備する工程を備
える。
【0116】(4) 鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンとを含有する塩酸水溶液に、第2の有機溶媒を混合
し、塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の
有機溶媒中に抽出し、その後、不純物金属イオンを含有
する塩酸水溶液と、鉄(Fe)イオンを含有する第2の
有機溶媒とを分離する工程を備える。
【0117】(5) 鉄(Fe)イオンを含有する第2
の有機溶媒に、金属イオンを含有しない第3の塩酸水溶
液を混合し、第2の有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イ
オンを第3の塩酸水溶液中に抽出し、その後、第2の有
機溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液とを
分離して、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を電
解液として取出す工程を備える。
【0118】図5を参照して、第5の発明は、第1の発
明と第4の発明とを組合わせたものである。
【0119】図5を参照して、図5中、Aに示す溶媒抽
出の原理は、上述したように、第1の発明と同様である
が、図5中、Aの逆抽出の工程において、鉄(Fe)イ
オンと不純物金属イオンとを含有する第1の有機溶媒
(図5中、有機溶媒(抽出剤)で示される)に、金属イ
オンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合し、第1の有
機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンと不純物金属イオ
ンとを第2の塩酸水溶液中に抽出し、その後、第1の有
機溶媒と、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含
有する第2の塩酸水溶液とを分離している。
【0120】そして、第5の発明では、鉄(Fe)イオ
ンと不純物金属イオンとを含有する第2の塩酸水溶液
の、塩素濃度([Cl- ])を図5中、Bの抽出の工程
において、第2の有機溶媒中に、当該塩酸水溶液中に含
まれる鉄(Fe)イオンが、選択的に、抽出剤を含む有
機溶媒(図5中、有機溶媒(抽出剤)で示される)側に
抽出されるように調整している。
【0121】なお、図5を参照して、図5中、Bに示す
溶媒抽出の原理は、第4の発明と同様であるので、その
説明を省略する。
【0122】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0123】実施例1 図1は、本発明に従うレドックスフロー型電池の電解液
の製造プロセスを概略的に示す工程図である。
【0124】図1を参照して、ステップ(1)〜ステッ
プ(6)に示される工程は、レドックスフロー型電池の
電解液として、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水
溶液を製造する方法を概略的に示している。
【0125】図1を参照して、まず、ステップ(1)に
示す工程において、出発原料を準備する。出発原料とし
ては、特に以下の場合に限定されることはないが、たと
えば、フェロクロム、クロム鉱石、クロム鉱還元物等を
挙げることができる。
【0126】なお、出発原料が固体の場合は、必要に応
じ適当な粒度に粉砕されたりする場合もある。
【0127】次に、出発原料を塩酸水溶液に溶解する。
この工程は、通常、大気中(酸素雰囲気下)で行なえば
よい。
【0128】出発原料中のクロム(Cr)および鉄(F
e)は、大気中では、たとえば、下記に示す反応式に従
って、反応し、溶解する。
【0129】
【化2】
【0130】また、出発原料として、クロム鉄鉱(chro
mite)を用いる場合は、たとえば、炭素(C)、塩素ガ
ス(Cl2 )を用い、下記に示すような反応式に従っ
て、反応させ、溶解させる。
【0131】
【化3】
【0132】この工程において、塩酸水溶液中には、原
料の種類によっても異なるが、クロム(Cr)および鉄
(Fe)以外にも、出発原料中に含まれる銅(Cu)、
マンガン(Mn)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)等
の元素が、不純物金属イオンとして溶け込む。
【0133】次に、ステップ(2)に示す工程におい
て、出発原料中に含まれ、塩酸に溶解しない、カーボ
ン、シリカ等の残渣を濾別することにより、鉄(Fe)
イオン、クロム(Cr)イオン、および、銅(Cu)イ
オン、マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオ
ン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有す
る塩酸水溶液(以下、原料塩酸水溶液という)を作製す
る。
【0134】次に、ステップ(3)に示す工程におい
て、ステップ(2)において作製した原料塩酸水溶液中
に有機溶媒を混合する。
【0135】有機溶媒は、上記した原料塩酸水溶液か
ら、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マ
ンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛
(Zn)イオン等の不純物金属イオンを抽出するために
用いるものである。
【0136】有機溶媒は、有機溶媒の種類によっても異
なるが、通常は、有機抽出剤(extractant)と希釈剤
(diluent )とを含む。
【0137】また、有機溶媒は、有機抽出剤と希釈剤以
外にも、抽出反応にて生じた中間生成物を希釈剤に可溶
にし、第三相あるいはエマルジョンの生成を防ぐための
成分として、上記した有機抽出剤と希釈剤とは別の第3
の有機成分である改質剤(modifier)を含む場合もあ
る。
【0138】有機抽出剤は、塩酸水溶液中に含まれる金
属イオンを有機溶媒中に抽出する薬剤(抽出試薬)であ
る。
【0139】すなわち、塩酸水溶液中の金属イオンは、
電荷を持ち、塩酸水溶液中では、水和水を保持している
ため、このままの状態では、極性の小さい有機溶媒中へ
抽出することはできない。
【0140】塩酸水溶液中の金属イオンを有機溶媒(有
機相)中に取込むためには、次の2つの条件が必要であ
る。
【0141】条件1:金属イオンの電荷を中和し、無電
荷の化学種にすること。 条件2:金属イオンに配位している水和水をできるだけ
除去すること。
【0142】この2つの条件が満たされると金属イオン
は、有機溶媒(有機相)中に移れるようになる。
【0143】有機抽出剤は、金属イオンに結合して、疎
水性を与え、上記2つの条件を付与するために用いられ
る薬剤である。
【0144】本実施例では、有機抽出剤として、特に以
下の場合に限定されることはないが、たとえば、下記に
示す抽出試薬を挙げることができる。
【0145】
【化4】
【0146】[式中、R1 、R2 、R3 は、R1 =R2
=R3 =CH3 (CH2 7 −で示される基である] 一般名:塩化トリオクチルメチルアンモニウム(Trioct
yl methylammonium chloride) 商品名:アリカット(Aliquat )336(ヘンケル(He
nkel)社製) 略称 :TOMAC
【0147】
【化5】
【0148】[式中、R1 、R2 、R3 は、R1 =R2
=R3 =CH3 (CH2 7 −で示される基である] 一般名:トリ−n−オクチルアミン(Trioctyl amine) 商品名:アラミン(Alamine )336(ヘンケル(Henk
el)社製) 略称 :TOA
【0149】
【化6】
【0150】[式中、R1 、R2 、R3 は、R1 =R2
=R3 =C4 9 O−で示される基である] 一般名:トリn−ブチルホスフェート(Tri-n-butyl-ph
osphate ) 略称:TBP
【0151】
【化7】
【0152】[式中、R1 、R2 、R3 は、R1 =R2
=R3 =C8 17−で示される基である] 一般名:トリオクチルホスフィンオキサイド(Trioctyl
phosphine oxide ) 分子量(M.W.):386 外形形状:灰色がかった白色のワックス様の固体(off-
white waxy solid) 物理的性状:常温で固体(Solid mass) 商品名:サイアネックス(Cyanex)921(三井サイア
ナミッド社製) 略称:TOPO
【0153】
【化8】
【0154】[式中、R1 、R2 、R3 は、R1 =R2
=R3 =C8 17−で示される基である] 一般名:ビス(2、4、4−トリメチルペンチル)オク
チルホスフィンオキサイド(Bis (2,4,4−trimet
hylpentyl )octyl phosphine oxide ) 分子量(M.W.):386 外形形状:無色ないし淡い琥珀色の液体(Colorless to
light amber liquid)
【0155】
【化9】
【0156】[式中、R1 、R2 、R3 は、R1 =R2
=R3 =アルキル基である] 一般名:トリアルキルホスフィンオキサイドの混合物
(mixtur of trialkyl phosphine oxide) 平均分子量(average M.W.):348 外形形状:無色ないし淡い琥珀色の液体(Colorless to
light amber liquid) なお、TOPOは、常温で固体であり、大変取扱いが難
しいという問題がある。
【0157】化8に示す化合物や、化9に示す化合物
は、TOPOと類似の抽出試薬である。
【0158】また、希釈剤は、上記した有機抽出剤の比
重が、塩酸水溶液の比重に近い場合、有機溶媒(有機
相)と塩酸水溶液(水溶液相)の分離を早めるために用
いられるものである。
【0159】希釈剤としては、水に不溶の有機溶媒が選
択される。そのような希釈剤としては、たとえば、ケロ
シン、ヘキサン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素
などを挙げることができる。
【0160】また、改質剤としては、たとえば、2エチ
ル−ヘキサノール(2ethyl −hexanol)、ノニルフェノ
ール、イソデカノール、ヘキサノール、ドデカノールな
どを挙げることができる。
【0161】有機抽出剤として、上記した、化4〜化9
を選択したのは、次の理由からである。
【0162】図3は、金属イオンを含む塩酸水溶液と、
有機溶媒の各金属に対する抽出率との関係の一具体例を
示す図である。
【0163】より具体的には、図3は、下記にその組成
を示す水溶液(水相)と、下記にその組成を示す有機溶
媒(有機相)の各金属に対する抽出率との関係の一具体
例を示す図である。
【0164】有機溶媒(有機相)の組成: アラミン(Alamine )336 25% ドデカノール(dodecanol ) 15% ケロシン 残部 水溶液(水相)の組成: [Me]=1グラム(g)/リットル(liter ) pH:〜2 CaCl2 溶液 なお、[Me]は、水溶液(水相)中にイオン化して溶
け込んでいる各種金属を示す。
【0165】また、CaCl2 は、水溶液(水相)中の
塩素濃度([Cl- ])を調整するために用いたもので
ある。
【0166】また、図3では、アラミン(Alamine )3
36を含む有機溶媒についての一具体例を示したが、上
記した、化4、化6〜化9に示す抽出剤を含む有機溶媒
は、図3に示す抽出特性と、おおむね類似した傾向を示
すことを付記しておく。
【0167】なお、ステップ(3)に示す工程におけ
る、原料塩酸水溶液の塩素濃度([Cl- ])は、30
0グラム(g)/リットル(liter )以下、より好まし
くは、230グラム(g)/リットル(liter )以下で
あることが好ましい。
【0168】また、ステップ(3)に示す工程において
は、原料塩酸水溶液と有機溶媒との混合液を、必要によ
り、公知の震とう機または撹拌器等を用いて撹拌しても
よい。
【0169】図3を再び参照して、本発明の考え方を述
べると、塩素濃度([Cl- ])が、230グラム
(g)/リットル(liter )以下の場合は、原料塩酸水
溶液中のクロム(Cr)イオンは、ほとんど、有機溶媒
中へ抽出されない。
【0170】他方、鉄(Fe)イオン、および、銅(C
u)イオン、マンガン(Mn)イオン、コバルト(C
o)イオン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオン
は、塩素濃度が、230グラム(g)/リットル(lite
r )以下の場合であっても、有機溶媒中へ抽出される。
【0171】次に、ステップ(4)に示す工程におい
て、原料塩酸水溶液と有機溶媒との混合液をしばらく放
置することにより、クロム(Cr)イオンを含有する塩
酸水溶液(水溶液相)と、鉄(Fe)イオン、および、
銅(Cu)イオン、マンガン(Mn)イオン、コバルト
(Co)イオン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イ
オンを含有する有機溶媒(有機相)とに分離する。
【0172】次に、ステップ(5)に示す工程におい
て、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を取出
し、この塩酸水溶液中に含まれる、銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンの量をそれぞれ
測定する。
【0173】そして、ステップ(5)に示す工程では、
取出された、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶
液中に含まれる、銅(Cu)イオン、マンガン(Mn)
イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Zn)イオン
等の不純物金属イオンの濃度のそれぞれが、レドックス
フロー型電池の電解液として許容される、銅(Cu)イ
オン、マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオ
ン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンの濃度の
それぞれと比較される。
【0174】クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶
液中に含まれる銅(Cu)イオン、マンガン(Mn)イ
オン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Zn)イオン等
の不純物金属イオンのそれぞれの濃度が、レドックスフ
ロー型電池の電解液として許容される不純物金属イオン
の濃度以下の場合は、ステップ(6)に示す工程におい
て、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を、レ
ドックスフロー型電池の電解液として取出す。
【0175】なお、本実施例により得られた電解液に
は、有機物(抽出剤など)が含まれている場合がある。
電解液中に含まれる有機物を除去する必要がある場合に
は、有機物を含む電解液を、活性炭に通過させ、電解液
中に含まれる有機物を除去する等の活性炭処理を施すこ
とが有効である。
【0176】他方、クロム(Cr)イオンを含有する塩
酸水溶液中に含まれる、銅(Cu)イオン、マンガン
(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Z
n)イオン等の不純物金属イオンのそれぞれの濃度が、
レドックスフロー型電池の電解液として許容される不純
物金属イオン濃度以上の場合は、この塩酸水溶液を原料
塩酸水溶液として、再度、ステップ(2)、(3)およ
び(4)の工程を1クールとする洗浄工程を行ない、ス
テップ(5)において、再度、クロム(Cr)イオンを
含有する塩酸水溶液中に含まれる、銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンのそれぞれの濃
度が、レドックスフロー型電池の電解液として許容され
る不純物金属イオン濃度以下かどうか判断される。
【0177】ステップ(2)、(3)および(4)の工
程を1クールとする洗浄工程は、クロム(Cr)イオン
を含有する塩酸水溶液中に含まれる銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンのそれぞれの濃
度が、レドックスフロー型電池の電解液として許容され
る不純物金属イオンの濃度以下となるまで、繰り返し行
なわれる。
【0178】図1を再び参照して、ステップ(7)
(8)および(9)に示される工程は、レドックスフロ
ー型電池の電解液として、鉄(Fe)イオンを含有する
塩酸水溶液を製造する方法を概略的に示している。
【0179】図1を参照して、まず、ステップ(7)に
示す工程において、鉄(Fe)イオン、および、銅(C
u)イオン、マンガン(Mn)イオン、コバルト(C
o)イオン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオン
を含有する有機溶媒を取出す。
【0180】次に、ステップ(8)に示す工程におい
て、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マ
ンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛
(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機溶
媒に、金属イオンを含有しない塩酸水溶液を混合する。
【0181】ステップ(8)に示す工程において、金属
イオンを含有しない塩酸水溶液の塩酸濃度([HC
l])を、0.5モル(mol )/リットル(liter )以
上1.5モル(mol )/リットル(liter )以下とする
と、有機溶媒中に含まれる、鉄(Fe)イオンが、金属
イオンを含有しない塩酸水溶液中へ抽出される。
【0182】なお、ステップ(8)に示す工程では、鉄
(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マンガン
(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Z
n)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機溶媒
と、金属イオンを含有しない塩酸水溶液との混合液を、
必要により、公知の震とう機または撹拌器等を用いて、
撹拌してもよい。
【0183】次に、ステップ(9)に示す工程におい
て、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マ
ンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛
(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機溶
媒と、金属イオンを含まない塩酸水溶液との混合液をし
ばらく放置することにより、鉄(Fe)イオンを含有す
る塩酸水溶液(水溶液相)と、銅(Cu)イオン、マン
ガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛
(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機溶
媒(有機相)とに分離した後、鉄(Fe)イオンを含有
する塩酸水溶液を電解液として取出す。
【0184】なお、本実施例により得られた電解液に
は、有機物(抽出剤など)が含まれている場合がある。
電解液中に含まれる有機物を除去する必要がある場合に
は、有機物を含む電解液を、活性炭に通過させ、電解液
中に含まれる有機物を除去する等の活性炭処理を施すこ
とが有効である。
【0185】ステップ(6)に示す工程において製造さ
れた、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液、お
よび、ステップ(9)に示す工程において製造された、
鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液のそれぞれは、
銅(Cu)、マンガン(Mn)イオン、コバルト(C
o)イオン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオン
のそれぞれの濃度が、レドックスフロー型電池の電解液
として許容される不純物金属イオン濃度以下になってい
るので、それぞれの塩酸水溶液の塩酸濃度を、調整した
り、クロム(Cr)イオン濃度または鉄(Fe)イオン
濃度を適宜調整したりすることにより、レドックスフロ
ー型電池の電解液として好適に用いることができる。
【0186】また、ステップ(10)に示す工程におい
て、ステップ(6)に示す工程において製造された、ク
ロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液と、ステップ
(9)に示す工程において製造された、鉄(Fe)イオ
ンを含有する塩酸水溶液とを混合して、1液型の電解液
を製造してもよい。
【0187】なお、図1を再び参照して、ステップ
(9)に示す工程において、分離した、不純物金属イオ
ンを含有する有機溶媒(有機相)は、その後、再生し
て、ステップ(3)に示す工程において、再び使用する
ことができる。
【0188】より詳しくは、不純物金属イオンを含む有
機溶媒に、塩酸水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる
不純物金属イオンを水溶液相(水相)側に抽出すること
により、有機溶媒を再生することができる。
【0189】次に、具体的な実験データを用いて説明す
る。 実験例1 実験例1は、第1の発明に従って、レドックスフロー型
電池の電解液として、好適に用いることのできるクロム
(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を製造する工程を
示す。
【0190】出発原料として、フェロクロムを使用し、
これに塩酸水溶液を加え、フェロクロムを塩酸水溶液に
溶解させた。
【0191】次に、フェロクロム中に含まれ、塩酸に溶
解しない、カーボン、シリカ等の残渣を濾別した。
【0192】次に、濾液を、水で希釈して、塩酸濃度
が、2.9モル(mol )/リットル(liter )の原料塩
酸水溶液を約1リットル(liter )作製した。
【0193】次に、この原料塩酸水溶液中に含まれる金
属イオンの濃度を、イオン化学発光分析法(ICP)に
より測定した。結果を表1に示す。
【0194】
【表1】
【0195】また、レドックスフロー型電池の電解液と
して許容される不純物金属イオンの許容濃度を表2に示
す。
【0196】
【表2】
【0197】次に、原料塩酸水溶液中に含まれる、マン
ガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、銅(C
u)イオン等の不純物金属イオンを、原料塩酸水溶液か
ら抽出するための有機溶媒を作製した。
【0198】本実験例では、有機溶媒として、有機抽出
剤と、希釈剤と、改質剤とを含む混合液を用いた。
【0199】有機抽出剤としては、窒素系抽出試薬、よ
り特定的には、第4級アンモニウム化合物のトリオクチ
ルメチルアンモニウムクロリド(商品名「アリコート
(Aliquat )336」、ヘンケル(Henkel)社製)を用
いた。
【0200】また、希釈剤としては、ソルベッソ(Solv
esso)150を用いた。なお、ソルベッソ(Solvesso)
150の成分は、ケロシンであり、「ソルベッソ(Solv
esso)」は、エッソ社の商品名である。
【0201】また、改質剤としては、2−エチルヘキサ
ノール(2ethyl-hexanol)を用いた。
【0202】有機溶媒は、以下の工程により調整した。
まず、ソルベッソ(Solvesso)150とトリオクチルメ
チルアンモニウムクロリドとを混合し、しかる後に、2
−エチルヘキサノールを、2−エチルヘキサノールが、
20容量%となるように加え、0.5モル(mol )/リ
ットル(liter)のトリオクチルメチルアンモニウムク
ロリドを含有する有機溶媒を作製した。
【0203】次に、原料塩酸水溶液と有機溶媒とを、容
量比で、1:2の割合で混合した。より詳しくは、原料
塩酸水溶液約100ccに対し、有機溶媒を約200c
c混合し、原料塩酸水溶液と有機溶媒との混合液を作製
した。
【0204】次に、原料塩酸水溶液と有機溶媒との混合
液を、公知の震とう機または撹拌器等を用い、十分に撹
拌した後、しばらく放置することにより、水溶液相と有
機溶媒(有機相)とに分離し、しかる後に、有機溶媒
(有機相)を分離除去し、水溶液相を取出した。
【0205】有機溶媒として、トリオクチルアンモニウ
ムクロリドを含有する有機溶媒を用いた場合、原料塩酸
水溶液中に含まれる不純物金属イオンは、たとえば、次
式のような式に従って、有機溶媒中に抽出される。
【0206】
【化10】
【0207】式中Mは不純物金属を示し、RはCH
3 (CH2 7 −で示される基であり、orgは有機相
を、aqは水溶液相を示す。
【0208】以上の工程により作製された水溶液相につ
いて、この水溶液相に含まれるマンガン(Mn)イオ
ン、コバルト(Co)イオン、銅(Cu)イオン等の不
純物の金属イオンの濃度をイオン化学発光分析法(IC
P)により測定した。
【0209】なお、イオン化学発光分析による測定にあ
たっては、上記した表2との比較を容易とするため、水
溶液相から取出した分析用試料中に含まれる、クロム
(Cr)イオン濃度を、1.0モル(mol )/リットル
(liter )になるように調整した。
【0210】次に、水溶液相中に含まれる不純物金属イ
オンの濃度を、表2と比較した。水溶液相中に含まれる
不純物金属イオン濃度が、表2に示される不純物金属イ
オンの許容濃度のそれぞれより大きい場合は、水溶液
相、すなわち、クロム(Cr)イオンとクロム(Cr)
イオン以外の不純物金属イオンを含有する塩酸水溶液に
対し、新たに、有機溶媒を、約200cc程度、再度混
合し、この混合液を撹拌し、放置し、しかる後に、有機
溶媒を分離除去し、水溶液相を取出す工程を1クールと
する、塩酸水溶液洗浄工程を繰り返し行なった。
【0211】なお、上記した塩酸水溶液洗浄工程は、室
温(R.T.)で実施した。本実施例では、上記した塩
酸水溶液洗浄工程を10回行なった時点で、塩酸水溶液
(水溶液相)中に含まれる不純物金属イオン濃度が、表
2に示す許容濃度以下となっていた。
【0212】他方、塩酸水溶液洗浄工程を10回繰り返
した後においても、この塩酸水溶液中には、クロム(C
r)イオンが、約1モル(mol )/リットル(liter )
含まれていた。
【0213】次に、このクロム(Cr)イオンを含有す
る塩酸水溶液を、活性炭に通過させることで、この塩酸
水溶液中に含まれる有機物を活性炭に吸着させ、上記し
た塩酸水溶液洗浄工程において混入したと思われる有機
物を除去した。
【0214】以上の工程により、レドックスフロー型電
池の電解液として、好適に用いることのできるクロム
(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を得た。
【0215】実験例2 実験例2は、第2の発明に従ってレドックスフロー型電
池の電解液として好適に用いることのできる鉄(Fe)
イオンを含有する塩酸水溶液を製造する工程を示す。
【0216】次に、実験例1で作製した混合液から分離
した鉄(Fe)イオンと鉄(Fe)以外の不純物金属イ
オンとを含有する有機溶媒(有機相)を出発原料とし
て、この有機溶媒(有機相)約100ccに対し、約
0.1モル(mol )/リットル(liter )の塩酸を含有
する塩酸水溶液を約100cc混合した。
【0217】次に、有機溶媒(有機相)と約0.1モル
(mol )/リットル(liter )の塩酸を含有する塩酸水
溶液との混合液を、公知の震とう機または撹拌器等を用
い、十分に撹拌した後、放置することにより、水溶液相
と有機相とに分離し、しかる後に、有機相を分離除去し
た。
【0218】以上の工程により作製された水溶液相(塩
酸水溶液)について、この塩酸水溶液中に含まれるマン
ガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、銅(C
u)イオン等の不純物金属イオンの濃度をイオン化学発
光分析法(ICP)により測定した。
【0219】結果を表3に示す。
【0220】
【表3】
【0221】なお、測定にあたっては、上記した表2と
の比較を容易とするため、水溶液相中の不純物金属イオ
ン濃度を測定する際には、水溶液相から取出した分析用
試料中に含まれる鉄(Fe)イオン濃度を、1モル(mo
l )/リットル(liter )になるように調整した。
【0222】以上の工程により作製された鉄(Fe)イ
オンを含有する塩酸水溶液は、表2と表3との比較によ
り、マンガン(Mn)イオン、銅(Cu)イオン、コバ
ルト(Co)イオン等の不純物金属イオン濃度のそれぞ
れが、レドックスフロー型電池の電解液として許容され
る不純物金属イオンの濃度以下であることが明らかとな
った。
【0223】次に、この塩酸水溶液を活性炭に通過させ
ることで、この塩酸水溶液中に含まれる有機物を活性炭
に吸着させ、塩酸水溶液に混入した有機物を除去した。
【0224】以上の工程により、レドックスフロー型電
池の電解液として、好適に用いることのできる、鉄(F
e)イオンを含有する塩酸水溶液を得た。
【0225】実験例3および比較例 実験例3 実験例3は、本発明に従って製造されたレドックスフロ
ー型電池の電解液の充放電効率を測定した例を示す。
【0226】次に、実験例1で得たクロム(Cr)イオ
ンを含有する塩酸水溶液のクロム(Cr)イオン濃度
を、1.0モル(mol )/リットル(liter )に調整し
た。
【0227】また、実験例2で得た鉄(Fe)イオンを
含有する塩酸水溶液の鉄(Fe)イオン濃度を、1.0
モル(mol )/リットル(liter )に調整した。
【0228】以上のようにして調整したクロム(Cr)
イオンを含有する塩酸水溶液と、鉄(Fe)イオンを含
有する塩酸水溶液とを、容量比で、1:1の割合で混合
し、クロム(Cr)イオンと鉄(Fe)イオンとを含有
する混合液を作製した後、この混合液に塩酸を加え、こ
の混合液の塩酸濃度が4規定となるように調整し、この
電解液をレドックスフロー型電池の電解液として、単セ
ルで構成される小型のレドックスフロー型電池を作製し
た。
【0229】次に、この単セル小型レドックスフロー型
電池の構造を、以下に説明する。正極および負極を構成
する電極材料として、カーボンクロスを用いた。
【0230】なお、正極、負極の電極面積は、15cm
2 とした。また、隔膜として、陽イオン交換膜を使用し
た。
【0231】また、単セルの集電板としては、フェノー
ル樹脂結合質炭素板を使用した。次に、この単セル小型
レドックスフロー型電池を用い、充放電試験を行なっ
た。
【0232】温度40℃、電流0.6Aでの充放電実験
の結果、この単セル小型レドックスフロー型電池の充放
電クーロン効率は97%、充放電電圧効率は86%であ
った。
【0233】比較例 高純度の電解クロム(Cr)を塩酸に溶解して、クロム
(Cr)イオン濃度が、1.0モル(mol )/リットル
(liter )の塩酸水溶液を準備した。
【0234】また、特級試薬の鉄(Fe)を塩酸に溶解
して、鉄(Fe)イオン濃度が、1.0モル(mol )/
リットル(liter )の塩酸水溶液を準備した。
【0235】以上のようにして準備されたクロム(C
r)イオンを含有する塩酸水溶液と、鉄(Fe)イオン
を含有する塩酸水溶液とを、容量比で、1:1の割合で
混合し、クロム(Cr)イオンと鉄(Fe)イオンとを
含有する混合液を作製した後、この混合液に塩酸を加
え、この混合液の塩酸濃度が4規定となるように調整
し、この電解液をレドックスフロー型電池の電解液とし
て、単セルで構成される小型のレドックスフロー型電池
を作製した。
【0236】なお、この単セル小型レドックスフロー型
電池の構造は、実験例3で用いた単セル小型レドックス
フロー型電池の構造と同様であるので、その説明を省略
する。
【0237】この単セル小型レドックスフロー型電池を
用い、実験例3と同一条件の充放電を試験を行なった。
【0238】比較例の充放電クーロン効率は、97%、
充放電電圧効率は86%であった。実験例3は、比較例
と同様の高い充放電効率を示した。
【0239】なお、本実験例では、有機溶媒として、ト
リオクチルメチルアンモニウムクロリドを含む有機溶媒
を用いた例を示したが、化5〜化9に示される抽出試薬
(有機抽出剤)を含む、有機溶媒を用いた場合であって
も、同様の効果を奏することを付記しておく。
【0240】実施例2 図2は、本発明に従うレドックスフロー型電池の電解液
の製造プロセスを概略的に示す工程図である。
【0241】図2を参照して、ステップ(1)〜ステッ
プ(6)に示される工程は、レドックスフロー型電池の
電解液として、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水
溶液を製造する方法を概略的に示している。なお、ステ
ップ(1)〜ステップ(6)に示される工程は、実施例
1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0242】実施例2は、レドックスフロー型電池の電
解液として、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を
製造する方法が、実施例1と異なっている。
【0243】図2を再び参照して、ステップ(101)
〜ステップ(106)に示される工程は、レドックスフ
ロー型電池の電解液として、鉄(Fe)イオンを含有す
る塩酸水溶液を製造する方法を概略的に示している。
【0244】図2を参照して、まず、ステップ(7)に
示す工程において、鉄(Fe)イオン、および、銅(C
u)イオン、マンガン(Mn)イオン、コバルト(C
o)イオン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオン
を含有する有機溶媒(図2中、有機溶媒Aで示される)
を取出す。
【0245】次に、ステップ(101)に示す工程にお
いて、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機
溶媒(図2中、有機溶媒A)に、金属イオンを含有しな
い塩酸水溶液を混合する。
【0246】ステップ(101)に示す工程において、
金属イオンを含有しない塩酸水溶液の塩酸濃度([HC
l])を、0.01モル(mol )/リットル(liter )
以上1.5モル(mol )/リットル(liter )以下とす
ると、有機溶媒(図2中、有機溶媒A)中に含まれる、
鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マンガ
ン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Z
n)イオン等の不純物金属イオンが、金属イオンを含有
しない塩酸水溶液中に抽出される。
【0247】なお、ステップ(101)に示す工程で
は、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マ
ンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛
(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機溶
媒(図2中、有機溶媒A)と、金属イオンを含有しない
塩酸水溶液との混合液を、必要により、公知の震とう機
または撹拌器等を用いて、撹拌してもよい。
【0248】次に、ステップ(102)に示す工程にお
いて、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する有機
溶媒(図2中、有機溶媒A)と、金属イオンを含まない
塩酸水溶液との混合液をしばらく放置することにより、
鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マンガ
ン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Z
n)イオン等の不純物金属イオンを含有する塩酸水溶液
(水溶液相)と、有機溶媒(図2中、有機溶媒A)とに
分離した後、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イ
オン、マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオ
ン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有す
る塩酸水溶液(原料塩酸水溶液)を準備する。
【0249】この原料塩酸水溶液に、さらに、鉄等を含
む原材料を溶解させてもよい。次に、この原料塩酸水溶
液の塩素濃度([Cl- ])を100グラム(g)/リ
ットル(liter )以上300グラム(g)/リットル
(liter )以下に調整する。
【0250】また、原料塩酸水溶液の塩酸濃度([HC
l])を1モル(mol )/リットル(liter )以上5モ
ル(mol )/リットル(liter )以下に調整する。
【0251】これは、ステップ(103)に示す工程に
おいて、有機溶媒B中に、鉄(Fe)イオンを選択的に
抽出するためである。
【0252】次に、ステップ(103)に示す工程にお
いて、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する塩酸
水溶液(原料塩酸水溶液)に、有機溶媒(図2中、有機
溶媒Bで示される)を混合する。
【0253】ステップ(103)に示す工程において、
有機溶媒(図2中、有機溶媒B)中に、原料塩酸水溶液
中に含まれる、鉄(Fe)イオンが、選択的に、有機溶
媒(図2中、有機溶媒Bで示される)中へ抽出される。
【0254】なお、ステップ(103)に示す工程で
は、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、マ
ンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛
(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する塩酸水
溶液と、有機溶媒(図2中、有機溶媒Bで示される)と
の混合液を、必要により、公知の震とう機または撹拌器
等を用いて、撹拌してもよい。
【0255】次に、ステップ(104)に示す工程にお
いて、鉄(Fe)イオン、および、銅(Cu)イオン、
マンガン(Mn)イオン、コバルト(Co)イオン、亜
鉛(Zn)イオン等の不純物金属イオンを含有する塩酸
水溶液と、有機溶媒(図2中、有機溶媒Bで示される)
との混合液をしばらく放置することにより、鉄(Fe)
イオンを含有する有機溶媒(図2中、有機溶媒Bで示さ
れる)(有機相)と、銅(Cu)イオン、マンガン(M
n)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Zn)イ
オン等の不純物金属イオンを含有する塩酸水溶液(図2
中、廃液で示す)とに分離する。次に、ステップ(10
5)に示す工程において、鉄(Fe)イオンを含有する
有機溶媒(図2中、有機溶媒Bで示される)に、金属イ
オンを含有しない塩酸水溶液を混合する。
【0256】ステップ(105)に示す工程において、
金属イオンを含有しない塩酸水溶液の塩酸濃度([HC
l])を0.01モル(mol )/リットル(liter )以
上1.5モル(mol )/リットル(liter )以下とする
と、有機溶媒(図2中、有機溶媒Bで示される)中に含
まれる、鉄(Fe)イオンが、金属イオンを含有しない
塩酸水溶液中へ抽出される。
【0257】なお、ステップ(105)に示す工程で
は、鉄(Fe)イオンを含有する有機溶媒(図2中、有
機溶媒Bで示される)と、金属イオンを含有しない塩酸
水溶液との混合液を、必要により、公知の震とう機また
は撹拌器等を用いて、撹拌してもよい。
【0258】次に、ステップ(106)に示す工程にお
いて、鉄(Fe)イオンを含有する有機溶媒(図2中、
有機溶媒Bで示される)と、金属イオンを含まない塩酸
水溶液との混合液をしばらく放置することにより、鉄
(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液(水溶液相)と、
有機溶媒(図2中、有機溶媒Bで示される)(有機相)
とに分離した後、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶
液を電解液として取出す。
【0259】なお、本実施例により得られた電解液に
は、有機物(抽出剤等)が含まれている場合がある。電
解液中に含まれる有機物を除去する必要がある場合に
は、有機物を含む電解液を、活性炭に通過させ、電解液
中に含まれる有機物を除去する等の活性炭処理を施すこ
とが有効である。
【0260】ステップ(6)に示す工程において製造さ
れたクロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液、およ
び、ステップ(106)に示す工程において製造され
た、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液のそれぞれ
は、銅(Cu)イオン、マンガン(Mn)イオン、コバ
ルト(Co)イオン、亜鉛(Zn)イオン等の不純物金
属イオンのそれぞれの濃度が、レドックスフロー型電池
の電解液として許容される不純物金属イオン濃度以下に
なっているので、それぞれの塩酸水溶液の塩酸濃度を、
調整したり、クロム(Cr)イオン濃度または鉄(F
e)イオン濃度を適宜調整したりすることにより、レド
ックスフロー型電池の電解液として好適に用いることが
できる。
【0261】また、ステップ(107)に示す工程にお
いて、ステップ(6)に示す工程において製造されたク
ロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液と、ステップ
(106)に示す工程において製造された、鉄(Fe)
イオンを含有する塩酸水溶液とを混合して、一液型の電
解液を製造してもよい。
【0262】なお、図2を再び参照して、ステップ(1
01)において分離した有機溶媒Aは、再生して、ステ
ップ(3)に示す工程において、再び使用することがで
き、また、ステップ(106)において、分離した有機
溶媒Bは、再生して、ステップ(103)に示す工程に
おいて、再び使用することができる。
【0263】また、実施例2に示すレドックスフロー型
電池の電解液の製造方法は、ステップ(1)に示す工程
において、出発原料中に、不純物金属イオンとして、マ
ンガン(Mn)を含む場合は、有機溶媒Aとしては、抽
出剤として、塩化トリオクチルメチルアンモニウムを含
む有機溶媒が好ましく、有機溶媒Bとしては、抽出剤と
して、トリn−ブチルホスフェートを含む有機溶媒を用
いるのが好ましいことを付記しておく。
【0264】次に、具体的な実験データを用いて説明す
る。 実験例4 実験例4は、第4の発明に従って、レドックスフロー型
電池の電解液として、好適に用いることのできる、鉄
(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を製造することが
できることを確認するために行なったものである。
【0265】なお、本実験例では、説明を容易とするた
め、鉄(Fe)イオンと、不純物金属イオンとして、特
に、分離除去が難しいマンガン(Mn)イオンとを含有
する塩酸水溶液から、マンガン(Mn)を分離除去した
例を示す。
【0266】出発原料として、塩化第一鉄(FeC
2 )とマンガン(Mn)とを使用し、これに塩酸水溶
液を加え、塩化第一鉄(FeCl2 )とマンガン(M
n)とを塩酸水溶液に溶解させた。
【0267】次に、以上の工程により作製された原料塩
酸水溶液中に含まれる金属イオンの濃度、イオン化学発
光分析法(ICP)により測定した。
【0268】結果を表4に示す。なお、この原料塩酸水
溶液の塩酸濃度([HCl])は、4.1モル(mol )
/リットル(liter )であった。
【0269】
【表4】
【0270】次に、この原料塩酸水溶液中に含まれる、
鉄(Fe)イオンを原料塩酸水溶液から、選択的に、抽
出するための有機溶媒を作製した。
【0271】本実験例では、有機溶媒として、有機抽出
剤と、希釈剤と、改質剤とを含む混合液を用いた。
【0272】有機抽出剤としては、窒素系抽出試薬、よ
り特定的には、第3級アミン化合物のトリ−n−オクチ
ルアミン(商品名「アラミン(Almine)336」、ヘン
ケル(Henkel)社製)を用いた。
【0273】また、希釈剤としては、ソルベッソ(Solv
esso)150を用いた。また、改質剤としては、2エチ
ルヘキサノール(2ethyl-hexanol)を用いた。
【0274】有機溶媒は、以下の工程により調整した。
まず、ソルベッソ(Solvesso)150とトリ−n−オク
チルアミンとを混合し、しかる後に、2−エチルヘキサ
ノールを、2−エチルヘキサノールが、20容量%とな
るように加え、0.75モル(mol )/リットル(lite
r )のトリ−n−オクチルアミンを含有する有機溶媒を
作製した。
【0275】次に、原料塩酸水溶液と有機溶媒とを、容
量比で、1:2の割合で混合した。より詳しくは、原料
塩酸水溶液約100ccに対し、有機溶媒を約200c
c混合し、原料塩酸水溶液と有機溶媒との混合液を作製
した。
【0276】次に、原料塩酸水溶液と有機溶媒との混合
液を、公知の震とう機を用い、十分に撹拌した後、しば
らく放置することにより、水溶液相と有機溶媒(有機
相)とに分離した。
【0277】次に、トリ−n−オクチルアミンを含有す
る有機溶媒による鉄(Fe)の抽出を1回行なった後
の、水溶液相(水相)の塩化第二鉄イオンと、原料塩酸
水溶液にイオン化して溶け込んでいるマンガン(Mn)
の濃度とを、イオン化学発光分析法(ICP)により測
定した。
【0278】結果を表5に示す。
【0279】
【表5】
【0280】表4および表5を参照して、表4および表
5の結果より、上記した原料塩酸水溶液に、トリ−n−
オクチルアミンを含む有機溶媒を混合し、有機溶媒によ
る抽出を1回行なうことにより、有機溶媒側に約10%
の鉄(Fe)が抽出されたことになる。
【0281】他方、マンガン(Mn)については、ほと
んど有機溶媒中へ抽出されていないことがわかる。
【0282】以下、原料塩酸水溶液に、トリ−n−オク
チルアミンを含む有機溶媒を混合し、有機溶媒中に、鉄
(Fe)を抽出する工程を、必要により、何度も、たと
えば、20〜30回ぐらい繰り返し、鉄(Fe)を有機
溶媒中に、選択的に、抽出する。
【0283】次に、鉄(Fe)を含む有機溶媒(有機
相)約100ccに対し、約0.1モル(mol )/リッ
トル(liter )の塩酸を含有する塩酸水溶液を約100
cc混合した。
【0284】次に、有機溶媒(有機相)と約0.1モル
(mol )/リットル(liter )の塩酸を含有する塩酸水
溶液との混合液を、公知の震とう機を用い、十分に撹拌
した後、放置することにより、水溶液相と有機相とに分
離し、しかる後に、有機相を分離除去した。
【0285】以上の工程により作製された水溶液相(塩
酸水溶液)について、この塩酸水溶液中に含まれるマン
ガン(Mn)イオンの濃度をイオン化学分光分析法(I
CP)により測定した。
【0286】結果を表6に示す。
【0287】
【表6】
【0288】なお、測定にあたっては、上記した表2と
の比較を容易とするため、水溶液相中のマンガン(M
n)イオン濃度を測定する際には、水溶液相から取出し
た分析用試料中に含まれる鉄(Fe)イオン濃度を、1
モル(mol )/リットル(liter )になるように調整し
た。
【0289】以上の工程により作製された鉄(Fe)イ
オンを含有する塩酸水溶液は、表2と表6との比較によ
り、マンガン(Mn)イオンの濃度が、レドックスフロ
ー型電池の電解液として許容されるマンガン(Mn)イ
オンの濃度以下であることが明らかとなった。
【0290】次に、この塩酸水溶液を活性炭に通過させ
ることで、この塩酸水溶液中に含まれる有機物を活性炭
に吸着させ、塩酸水溶液中に混入した有機物を除去し
た。
【0291】以上の工程により、レドックスフロー型電
池の電解液として、好適に用いることのできる、鉄(F
e)イオンを含有する塩酸水溶液を得た。
【0292】実験例4により、従来の方法、より特定的
には、従来の電気化学的な方法では、技術的に不可能で
あったマンガン(Mn)についても、レドックスフロー
型電池の電解液として許容される濃度以下まで、分離除
去が可能であることがわかった。
【0293】実施例3 実施例3は、各種有機溶媒の抽出特性を調べるために行
なったものである。
【0294】なお、実施例3では、説明を容易とするた
め、各種有機溶媒の、鉄(Fe)と、マンガン(Mn)
とに対する抽出特性を中心に説明する。
【0295】実験例5〜実験例8 (1) 原料塩酸水溶液の作製 表7に、その組成を示す原料塩酸水溶液を作製した。
【0296】なお、活物質として、原料塩酸水溶液中に
イオン化して溶け込んでいる鉄(Fe)の出発原料とし
ては、塩化第一鉄(FeCl2 )を用いた。
【0297】
【表7】
【0298】(2) 有機溶媒の作製 本実験例では、有機溶媒として、有機抽出剤と、希釈剤
と、改質剤とを含む混合液を用いた。
【0299】本実験例に用いた有機溶媒の有機抽出剤の
種類および濃度を、表8に示す。また、希釈剤として
は、ソルベッソ(Solvesso)150を用いた。
【0300】また、改質剤としては、2−エチルヘキサ
ノール(2ethyl-hexanol)を用いた。
【0301】
【表8】
【0302】(3) 各種有機溶媒の抽出特性について 実施例4と同様にして、表7にその組成を示す原料塩酸
水溶液のそれぞれに、表8にその組成を示す有機溶媒を
混合し、原料塩酸水溶液から、各種金属を抽出した。
【0303】次に、各種有機溶媒による、各種金属の抽
出を1回行なった後の、水溶液相(水相)の塩化第一鉄
イオンの濃度と、当該水溶液相(水相)にイオン化して
溶け込んでいる各種金属の濃度とを、イオン化学発光分
析法(ICP)により測定した。
【0304】結果を表9に示す。
【0305】
【表9】
【0306】また、鉄(Fe)とマンガン(Mn)の有
機溶媒中への抽出率を算出した。
【0307】結果を表10に示す。
【0308】
【表10】
【0309】表10に示す結果より、実施例8で用い
た、トリn−ブチルホスフェートを含む有機溶媒は、マ
ンガン(Mn)イオンを有機溶媒相(有機相)側へほと
んど抽出しない。
【0310】他方、実験例5で用いた、トリオクチルメ
チルアンモニウムクロリドを含む有機溶媒は、原料塩酸
水溶液中に含まれる、鉄(Fe)イオンと、マンガン
(Mn)イオンを有機溶媒相(有機相)側へ抽出する、
抽出特性に優れている。
【0311】以上の結果より、第1の発明に従って、ク
ロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液とし
て用いるレドックスフロー型電池の電解液の製造方法に
おいて、不純物金属イオンのうち、特にマンガン(M
n)を分離除去する際には、トリオクチルメチルアンモ
ニウムクロリドを含む有機溶媒を用いるのが好ましいこ
とが明らかとなった。
【0312】また、第4の発明に従って鉄(Fe)イオ
ンを含有する塩酸水溶液を電解液として用いるレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法において、不純物金
属イオン、特に、マンガン(Mn)を分離除去する際に
は、トリn−ブチルホスフェートを含む有機溶媒を用い
るのが好ましいことが明らかとなった。
【0313】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明
に従うレドックスフロー型電池の電解液の製造方法は、
クロム(Cr)イオンとクロム(Cr)イオン以外の不
純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液から、不純物金
属イオンを有機溶媒を用い、有機溶媒中に抽出するとい
う構成により、簡単かつ容易に、レドックスフロー型電
池の電解液として好適に用いることのできる、クロム
(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を製造することが
できる。
【0314】より詳しくは、第1の発明に従うレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法は、クロム(Cr)
イオンとクロム(Cr)イオン以外の不純物金属イオン
とを含有する塩酸水溶液から、不純物金属イオンを有機
溶媒を用い、有機溶媒中に抽出するという構成を有する
結果、従来のクロム鉱石、クロム鉱還元物、フェロクロ
ム等の出発原料からレドックスフロー型電池の電解液を
製造する方法では、技術的にほとんど不可能であった、
クロム(Cr)イオンとマンガン(Mn)イオンとを分
離することができる。
【0315】したがって、第1の発明に従って製造され
るレドックスフロー型電池の電解液は、マンガン(M
n)イオンを含め、電解液中に含まれる不純物金属イオ
ンの濃度を、レドックスフロー型電池の電解液として許
容される不純物金属イオンの濃度以下とすることができ
るので、第1の発明に従って製造されたレドックスフロ
ー型電池の電解液を用いたレドックスフロー型電池は、
高い充放電効率を有する。
【0316】また、第2の発明に従うレドックスフロー
型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオンと鉄
(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液から、鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンとを有機溶媒を用い、有機溶媒中に抽出し、鉄(F
e)イオンと不純物金属イオンとを含有する有機溶媒
に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合
し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の塩
酸水溶液中に抽出するという構成により、簡単かつ容易
に、レドックスフロー型電池の電解液として好適に用い
ることのできる、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶
液を製造することができる。
【0317】より詳しくは、第2の発明に従うレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオ
ンと鉄(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有
する第1の塩酸水溶液から、鉄(Fe)イオンと不純物
金属イオンとを有機溶媒を用い、有機溶媒中に抽出し、
鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含有する有機
溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水溶液を混
合し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の
塩酸水溶液中に抽出するという構成を有する結果、従来
のクロム鉱石、クロム鉱還元物、フェロクロム等の出発
原料からレドックスフロー型電池の電解液を製造する方
法では、技術的にほとんど不可能であった、鉄(Fe)
イオンとマンガン(Mn)イオンとを分離することがで
きる。
【0318】したがって、第2の発明に従って製造され
るレドックスフロー型電池の電解液は、マンガン(M
n)イオンを含め、電解液中に含まれる不純物金属イオ
ンの濃度をレドックスフロー型電池の電解液として許容
される不純物金属イオンの濃度以下とすることができる
ので、第2の発明に従って製造された電解液を用いたレ
ドックスフロー型電池は、高い充放電効率を有する。
【0319】また、第3の発明に従うレドックスフロー
型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオン、クロ
ム(Cr)イオン、および、鉄(Fe)イオンとクロム
(Cr)イオン以外の不純物金属イオンをと含有する第
1の塩酸水溶液から、鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンを有機溶媒を用い、有機溶媒中に抽出し、その後、
鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含有する有機
溶媒と、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液と
を分離して、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶
液を電解液として取出すという構成により、簡単かつ容
易に、レドックスフロー型電池の電解液として好適に用
いることのできる、クロム(Cr)イオンを含有する塩
酸水溶液を製造することができ、かつ、鉄(Fe)イオ
ンと不純物金属イオンとを含有する有機溶媒に、金属イ
オンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合し、有機溶媒
中に含まれる鉄(Fe)イオンを第2の塩酸水溶液に抽
出するという構成により、簡単かつ容易に、レドックス
フロー型電池の電解液として好適に用いることのでき
る、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を製造する
ことができる。
【0320】より詳しくは、第3の発明に従うレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法は、従来のクロム鉱
石、クロム鉱還元物、フェロクロム等の出発原料からレ
ドックスフロー型電池の電解液を製造する方法では、技
術的にほとんど不可能であった、クロム(Cr)イオン
とマンガン(Mn)イオンとを分離することができ、か
つ、鉄(Fe)イオンとマンガン(Mn)イオンとを分
離することができる。
【0321】したがって、第3の発明に従って製造され
るレドックスフロー型電池の電解液は、マンガン(M
n)イオンを含め、電解液中に含まれる不純物金属イオ
ンの濃度を、レドックスフロー型電池の電解液として許
容される不純物金属イオンの濃度以下とすることができ
るので、第3の発明に従って製造された電解液を用いた
レドックスフロー型電池は、高い充放電効率を有する。
【0322】また、第4の発明に従うレドックスフロー
型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオンと鉄
(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液から、鉄(Fe)イオンを有機溶媒を用
い、有機溶媒中に、選択的に抽出し、鉄(Fe)イオン
を含有する有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の
塩酸水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)
イオンを第2の塩酸水溶液中に抽出するという構成によ
り、簡単かつ容易に、レドックスフロー型電池の電解液
として好適に用いることのできる、鉄(Fe)イオンを
含有する塩酸水溶液を製造することができる。
【0323】より詳しくは、第4の発明に従うレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオ
ンと鉄(Fe)イオン以外の不純物金属イオンとを含有
する第1の塩酸水溶液から、鉄(Fe)イオンを有機溶
媒を用い、有機溶媒中に抽出し、鉄(Fe)イオンを含
有する有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液を混合し、有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオ
ンを第2の塩酸水溶液に抽出するという構成を有する結
果、従来のクロム鉱石、クロム鉱還元物、フェロクロム
等の出発原料からレドックスフロー型電池の電解液を製
造する方法では、技術的にほとんど不可能であった、鉄
(Fe)イオンとマンガン(Mn)イオンとを分離する
ことができる。
【0324】また、第4の発明に従うレドックスフロー
型電池の電解液の製造方法は、抽出の工程と逆抽出の工
程とにより鉄(Fe)イオンと鉄(Fe)イオン以外の
不純物金属イオンとを分離している結果、第1の発明に
比べ、さらに、鉄(Fe)イオンとマンガン(Mn)イ
オンとの分離をすることができる。
【0325】したがって、第4の発明に従って製造され
たレドックスフロー型電池の電解液は、マンガン(M
n)イオンを含め、電解液中に含まれる不純物金属イオ
ンの濃度をレドックスフロー型電池の電解液として許容
される不純物金属イオンの濃度以下とすることができる
ので、第4の発明に従って製造された電解液を用いたレ
ドックスフロー型電池は、高い充放電効率を有する。
【0326】また、第5の発明に従うレドックスフロー
型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオン、クロ
ム(Cr)イオン、および、鉄(Fe)イオンとクロム
(Cr)イオン以外の不純物金属イオンとを含有する第
1の塩酸水溶液から、鉄(Fe)イオンと不純物金属イ
オンを第1の有機溶媒を用い、第1の有機溶媒中に抽出
し、その後、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを
含有する第1の有機溶媒と、クロム(Cr)イオンを含
有する塩酸水溶液とを分離して、クロム(Cr)イオン
を含有する塩酸水溶液を電解液として取出すという構成
により、簡単かつ容易に、レドックスフロー型電池の電
解液として好適に用いることのできる、クロム(Cr)
イオンを含有する塩酸水溶液を製造することができ、か
つ、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを含有する
第1の有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸
水溶液を混合し、第1の有機溶媒中に含まれる鉄(F
e)イオンと不純物金属イオンとを第2の塩酸水溶液中
に抽出し、その後、第1の有機溶媒と、鉄(Fe)イオ
ンと不純物金属イオンとを含有する第2の塩酸水溶液と
を分離して、鉄(Fe)イオンと不純物金属イオンとを
含有する塩酸水溶液を準備し、鉄(Fe)イオンと不純
物金属イオンとを含有する塩酸水溶液に、第2の有機溶
媒を混合し、塩酸水溶液中に含まれる鉄(Fe)イオン
を第2の有機溶媒中に抽出し、その後、不純物金属イオ
ンを含有する塩酸水溶液と、鉄(Fe)イオンを含有す
る第2の有機溶媒とを分離し、鉄(Fe)イオンを含有
する第2の有機溶媒に、金属イオンを含有しない第3の
塩酸水溶液を混合し、第2の有機溶媒中に含まれる鉄
(Fe)イオンを第3の塩酸水溶液中に抽出し、その
後、第2の有機溶媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩
酸水溶液とを分離して、鉄(Fe)イオンを含有する塩
酸水溶液を電解液として取出すという構成により、簡単
かつ容易に、レドックスフロー型電池の電解液として好
適に用いることのできる、鉄(Fe)イオンを含有する
塩酸水溶液を製造することができる。
【0327】より詳しくは、第5の発明に従うレドック
スフロー型電池の電解液の製造方法は、従来のクロム鉱
石、クロム鉱還元物、フェロクロム等の出発原料からレ
ドックスフロー型電池の電解液を製造する方法では、技
術的にほとんど不可能であった、クロム(Cr)イオン
とマンガン(Mn)イオンとを分離することができ、か
つ、鉄(Fe)イオンとマンガン(Mn)イオンとを分
離することができる。
【0328】したがって、第5の発明に従って製造され
るレドックスフロー型電池の電解液は、マンガン(M
n)イオンを含め、電解液中に含まれる不純物金属イオ
ンの濃度を、レドックスフロー型電池の電解液として許
容される不純物金属イオンの濃度以下とすることができ
るので、第5の発明に従って製造された電解液を用いた
レドックスフロー型電池は、高い充放電効率を有する。
【0329】また、第5の発明に従うレドックスフロー
型電池の電解液の製造方法は、鉄(Fe)イオンとマン
ガン(Mn)イオンとを分離するという点において、第
3の発明に比べ優れているものであることを付記してお
く。
【0330】また、第1〜第5の発明に従うレドックス
フロー型電池の電解液の製造方法によれば、出発原料と
して、クロム鉱、クロム鉱還元物、フェロクロム等の安
価な原料を使用することができるので、従来の高純度電
解クロムを塩酸に溶解して、レドックスフロー型電池の
電解液を製造する方法に比べ、レドックスフロー型電池
の電解液の製造コストを著しく下げることができる。
【0331】第1〜第5の発明に従うレドックスフロー
型電池の製造方法は、上記したように、レドックスフロ
ー型電池の電解液の製造コストを下げることができ、し
かも、第1〜第5の発明に従って製造された電解液は、
レドックスフロー型電池の電解液として用いた場合、高
い充放電効率を有する。
【0332】したがって、第1〜第5の発明に従うレド
ックスフロー型電池の電解液の製造方法は、経済性が重
要な電力貯蔵用電池としてのレドックスフロー型電池の
電解液の製造方法として、経済性、および、充放電効率
の点からも、工業化に適した製造方法である。
【0333】また、第1〜第5の発明に従うレドックス
フロー型電池の電解液の製造方法は、上記したように、
常温、常圧下で容易に実施できる方法であり、危険な化
学物質を用いたり、危険な反応を伴わないため、非常に
容易に実施でき、安全操業の上からも、実用上の意義が
大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うレドックスフロー型電池の電解液
の製造プロセスを概略的に示す工程図である。
【図2】本発明に従うレドックスフロー型電池の電解液
の製造プロセスを概略的に示す工程図である。
【図3】金属イオンを含む塩酸水溶液の塩素濃度と、有
機溶媒の各金属に対する抽出率との関係を示す図であ
る。
【図4】本発明に従う溶媒抽出の原理を概略的に示す図
である。
【図5】本発明に従う溶媒抽出の原理を概略的に示す図
である。
【図6】レドックスフロー型電池の一具体例を概略的に
示す構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 信幸 大阪府大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 西田 清二 兵庫県尼崎市大浜町1丁目1番地 株式会 社KNラボ・アナリシス尼崎事業所内 (72)発明者 岸田 宗治 兵庫県尼崎市大浜町1丁目1番地 株式会 社KNラボ・アナリシス尼崎事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水
    溶液を電解液として用いるレドックスフロー型電池の電
    解液の製造方法であって、 クロム(Cr)イオンとクロム(Cr)イオン以外の不
    純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液を準備する工程
    と、 前記塩酸水溶液に有機溶媒を混合し、前記塩酸水溶液中
    に含まれる前記不純物金属イオンを前記有機溶媒中に抽
    出し、その後、前記不純物金属イオンを含有する有機溶
    媒と、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液とを
    分離して、前記クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水
    溶液を電解液として取出す工程とを備える、レドックス
    フロー型電池の電解液の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液
    を電解液として用いるレドックスフロー型電池の電解液
    の製造方法であって、 鉄(Fe)イオンと、鉄(Fe)イオン以外の不純物金
    属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備する工程
    と、 前記第1の塩酸水溶液に有機溶媒を混合し、前記第1の
    塩酸水溶液中に含まれる前記鉄(Fe)イオンと前記不
    純物金属イオンを前記有機溶媒中に抽出する工程と、 前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを含有
    する有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水
    溶液を混合し、前記有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イ
    オンを前記第2の塩酸水溶液中に抽出し、その後、前記
    不純物金属イオンを含有する有機溶媒と、鉄(Fe)イ
    オンを含有する塩酸水溶液とを分離して、前記鉄(F
    e)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す
    工程とを備える、レドックスフロー型電池の電解液の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 正極活物質として、鉄(Fe)イオンを
    含有する塩酸水溶液を電解液として用い、負極活物質と
    して、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電
    解液として用いるレドックスフロー型電池の電解液の製
    造方法であって、 鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)イオン、および、鉄
    (Fe)イオンとクロム(Cr)イオン以外の不純物金
    属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備する工程
    と、 前記第1の塩酸水溶液に有機溶媒を混合し、前記第1の
    塩酸水溶液中に含まれる前記鉄(Fe)イオンと前記不
    純物金属イオンとを前記有機溶媒中に抽出し、その後、
    前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを含有
    する有機溶媒と、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸
    水溶液とを分離して、前記クロム(Cr)イオンを含有
    する塩酸水溶液を電解液として取出す工程と、 前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを含有
    する有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の塩酸水
    溶液を混合し、前記有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イ
    オンを前記第2の塩酸水溶液中に抽出し、その後、前記
    不純物金属イオンを含む有機溶媒と、鉄(Fe)イオン
    を含有する塩酸水溶液とを分離して、前記鉄(Fe)イ
    オンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す工程と
    を備える、レドックスフロー型電池の電解液の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液
    を電解液として用いるレドックスフロー型電池の電解液
    の製造方法であって、 鉄(Fe)イオンと、鉄(Fe)イオン以外の不純物金
    属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備する工程
    と、 前記第1の塩酸水溶液に有機溶媒を混合し、前記第1の
    塩酸水溶液中に含まれる前記鉄(Fe)イオンを前記有
    機溶媒中に抽出する工程と、 前記鉄(Fe)イオンを含有する有機溶媒に、金属イオ
    ンを含有しない第2の塩酸水溶液を混合し、前記有機溶
    媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを前記第2の塩酸水溶
    液中に抽出し、その後、前記有機溶媒と、鉄(Fe)イ
    オンを含有する塩酸水溶液とを分離して、前記鉄(F
    e)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取出す
    工程とを備える、レドックスフロー型電池の電解液の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 正極活物質として、鉄(Fe)イオンを
    含有する塩酸水溶液を電解液として用い、負極活物質と
    して、クロム(Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電
    解液として用いるレドックスフロー型電池の電解液の製
    造方法であって、 鉄(Fe)イオン、クロム(Cr)イオン、および、鉄
    (Fe)イオンとクロム(Cr)イオン以外の不純物金
    属イオンとを含有する第1の塩酸水溶液を準備する工程
    と、 前記第1の塩酸水溶液に第1の有機溶媒を混合し、前記
    第1の塩酸水溶液中に含まれる前記鉄(Fe)イオンと
    前記不純物金属イオンとを前記第1の有機溶媒中に抽出
    し、その後、前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イ
    オンとを含有する第1の有機溶媒と、クロム(Cr)イ
    オンを含有する塩酸水溶液とを分離して、前記クロム
    (Cr)イオンを含有する塩酸水溶液を電解液として取
    出す工程と、 前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを含有
    する第1の有機溶媒に、金属イオンを含有しない第2の
    塩酸水溶液を混合し、前記第1の有機溶媒中に含まれる
    鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを前記第2
    の塩酸水溶液中に抽出し、その後、第1の有機溶媒と、
    前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを含有
    する第2の塩酸水溶液とを分離して、前記鉄(Fe)イ
    オンと前記不純物金属イオンとを含有する塩酸水溶液を
    準備する工程と、 前記鉄(Fe)イオンと前記不純物金属イオンとを含有
    する塩酸水溶液に、第2の有機溶媒を混合し、前記塩酸
    水溶液中に含まれる前記鉄(Fe)イオンを前記第2の
    有機溶媒中に抽出し、その後、前記不純物金属イオンを
    含有する塩酸水溶液と、鉄(Fe)イオンを含有する第
    2の有機溶媒とを分離する工程と、 前記鉄(Fe)イオンを含有する第2の有機溶媒に、金
    属イオンを含有しない第3の塩酸水溶液を混合し、前記
    第2の有機溶媒中に含まれる鉄(Fe)イオンを前記第
    3の塩酸水溶液中に抽出し、その後、前記第2の有機溶
    媒と、鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液とを分離
    して、前記鉄(Fe)イオンを含有する塩酸水溶液を電
    解液として取出す工程とを備える、レドックスフロー型
    電池の電解液の製造方法。
JP6208458A 1994-09-01 1994-09-01 レドックスフロー型電池の電解液の製造方法 Withdrawn JPH0878042A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6208458A JPH0878042A (ja) 1994-09-01 1994-09-01 レドックスフロー型電池の電解液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6208458A JPH0878042A (ja) 1994-09-01 1994-09-01 レドックスフロー型電池の電解液の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0878042A true JPH0878042A (ja) 1996-03-22

Family

ID=16556530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6208458A Withdrawn JPH0878042A (ja) 1994-09-01 1994-09-01 レドックスフロー型電池の電解液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0878042A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8906529B2 (en) 2008-07-07 2014-12-09 Enervault Corporation Redox flow battery system for distributed energy storage
US8916281B2 (en) 2011-03-29 2014-12-23 Enervault Corporation Rebalancing electrolytes in redox flow battery systems
WO2014203408A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用電解液、およびレドックスフロー電池
WO2014203409A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用電解液、およびレドックスフロー電池
US8980484B2 (en) 2011-03-29 2015-03-17 Enervault Corporation Monitoring electrolyte concentrations in redox flow battery systems
US8980454B2 (en) 2013-03-15 2015-03-17 Enervault Corporation Systems and methods for rebalancing redox flow battery electrolytes
US8993183B2 (en) 2012-12-31 2015-03-31 Enervault Corporation Operating a redox flow battery with a negative electrolyte imbalance
US9391340B2 (en) 2013-06-21 2016-07-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery
JPWO2016017393A1 (ja) * 2014-08-01 2017-04-27 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用電解液、及びレドックスフロー電池システム
JP2018018640A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 住友電気工業株式会社 電解液流通型電池用電解液、及び電解液流通型電池システム
CN117886297A (zh) * 2024-01-19 2024-04-16 厦门兴荣锂源科技有限公司 一种使用废旧电池修复再生制备的氟磷酸铁钠正极材料

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8906529B2 (en) 2008-07-07 2014-12-09 Enervault Corporation Redox flow battery system for distributed energy storage
US8916281B2 (en) 2011-03-29 2014-12-23 Enervault Corporation Rebalancing electrolytes in redox flow battery systems
US8980484B2 (en) 2011-03-29 2015-03-17 Enervault Corporation Monitoring electrolyte concentrations in redox flow battery systems
US8993183B2 (en) 2012-12-31 2015-03-31 Enervault Corporation Operating a redox flow battery with a negative electrolyte imbalance
US8980454B2 (en) 2013-03-15 2015-03-17 Enervault Corporation Systems and methods for rebalancing redox flow battery electrolytes
WO2014203409A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用電解液、およびレドックスフロー電池
WO2014203408A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用電解液、およびレドックスフロー電池
US9331356B2 (en) 2013-06-21 2016-05-03 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery
US9391340B2 (en) 2013-06-21 2016-07-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery
US9647290B2 (en) 2013-06-21 2017-05-09 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery
JPWO2016017393A1 (ja) * 2014-08-01 2017-04-27 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用電解液、及びレドックスフロー電池システム
US9985311B2 (en) 2014-08-01 2018-05-29 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Electrolyte for redox flow battery and redox flow battery system
JP2018018640A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 住友電気工業株式会社 電解液流通型電池用電解液、及び電解液流通型電池システム
WO2018020786A1 (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 住友電気工業株式会社 電解液流通型電池用電解液、及び電解液流通型電池システム
CN117886297A (zh) * 2024-01-19 2024-04-16 厦门兴荣锂源科技有限公司 一种使用废旧电池修复再生制备的氟磷酸铁钠正极材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Binnemans et al. Ionic liquids and deep-eutectic solvents in extractive metallurgy: mismatch between academic research and industrial applicability
Chen et al. Highly efficient recovery and purification of scandium from the waste sulfuric acid solution from titanium dioxide production by solvent extraction
JP4202198B2 (ja) リチウム二次電池電極材のリサイクル処理方法及び装置
US8313653B2 (en) Method of removing iron and calcium from a geothermal brine
US4874483A (en) Process for the preparation of redox battery electrolyte and recovery of lead chloride
KR20190066351A (ko) 용매추출 공정을 적용하여 리튬이차전지 폐 양극재를 니켈-코발트-망간 복합 황산염 용액으로 재생하는 방법
CN104928504B (zh) 一种铝硅废料中稀土的回收方法
Liu et al. Preparation of electrolyte for vanadium redox flow battery from sodium-polyvanadate precipitated wastewater
CN116443833B (zh) 从废旧电池中回收多组分的回收方法
JP7808934B2 (ja) 金属の回収装置および金属の回収方法
JPH09217132A (ja) 希土類−鉄系合金からの有用元素の回収方法
JPH0878042A (ja) レドックスフロー型電池の電解液の製造方法
CN112941321B (zh) 一种电化学阳极氧化联用离子絮凝剂强化钕铁硼磁体浸出反应的方法
Fan et al. Recovery and purification of iridium from secondary resources: A review
KR20240104092A (ko) 란타나이드 원소 추출을 위한 친환경 공정
Xu et al. Recent progress in electrochemical recycling of waste NdFeB magnets
CN108486379B (zh) 一种砷碱渣中砷与碱的高效分离方法
Yoshida et al. Ternary extractant system consisting of PC-88A, TOPO, and Versatic 10 for recovery of scandium (III) from nickel laterite processing liquors
EP3156128B1 (en) Ion exchange resin and method for adsorbing and separating metal
KR20010056961A (ko) 철 및 니켈의 분리, 회수 방법
US20240003029A1 (en) Zinc production method
Alguacil et al. Rare Earths Recovery using Ionic Liquids and Deep Eutectic Solvents
JP2001287913A (ja) 硫酸バナジウム溶液の製造方法
KR910004612B1 (ko) 유로퓸(Eu)의 전기 분해에 의한 환원 및 분리방법
CN113136604B (zh) 铜回收方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20011106