JPH0881240A - カーボン被覆光ファイバの製造方法 - Google Patents

カーボン被覆光ファイバの製造方法

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JPH0881240A
JPH0881240A JP6216805A JP21680594A JPH0881240A JP H0881240 A JPH0881240 A JP H0881240A JP 6216805 A JP6216805 A JP 6216805A JP 21680594 A JP21680594 A JP 21680594A JP H0881240 A JPH0881240 A JP H0881240A
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール室から熱CVD反応炉へ流れ込むシー
ルガスの量を最小にすることによりカーボン膜の強度及
びハーメチック特性のすぐれたカボーン被覆光ファイバ
の製造方法を提供する。 【構成】 線引直後の光ファイバを熱CVD反応炉を備
えた炭素膜被覆装置を通過させて前記光ファイバの表面
にカーボン膜を被覆するカーボン被覆光ファイバの製造
方法において、炭素膜被覆装置は光ファイバ挿入側に熱
CVD反応炉と外部雰囲気を遮断する為のシールガスを
充填する上部シール室を設けるとともに、熱CVD反応
炉の光ファイバ送出側に熱CVD反応炉と外部雰囲気を
遮断する為のシールガスを充填する下部シール室を設
け、少なくとも上部シール室と熱CVD反応炉の圧力差
を測定して前記上部シール室に最適なシールガスを供給
する。 【効果】 シールガスの熱CVD反応炉への流入を最小
限にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカーボン被覆光ファイバ
の製造方法に関するもので、更に詳しくは裸光ファイバ
の周囲にカーボン膜を被覆する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ハーメチック被覆光ファイバの製造方法
としては、線引直後の裸光ファイバの表面に熱CVD法
を用いて200〜1000Åの無機材料層を合成するも
のが一般的に行われている。このような方法で製造され
るハーメチックの無機材料層としてはカーボン及びカー
ボン化合物膜のものがよく知られいる。このカーボン膜
はH2 の侵入をほぼ完全に防ぐため、光ファイバの耐水
素特性は著しい改善をみせる。同時に、H2 Oの侵入を
防ぐので、石英ガラスに見られるH2 Oに起因する応力
腐食が起こらず、当然疲労特性も著しく改善される。更
にカーボン被覆光ファイバの初期強度も通常の光ファイ
バと同等あるいはそれ以上の初期強度を有するファイバ
が製造可能となっており、現在通信線路、光学部品等の
分野で使われ始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の光ファイバのカ
ーボン膜の合成方法は、原料ガスを熱分解させて石英か
らなる光ファイバのクラッド上にカーボン膜を成膜させ
ている。カーボン膜を成膜したカーボン被覆光ファイバ
の破断強度やハーメチック特性等のカーボン被覆光ファ
イバの諸特性を決める要因として、原料ガスの組成、原
料ガスの濃度、熱分解反応時の温度等が挙げられる。
【0004】通常行われている光ファイバの線引過程で
のオンラインでカーボン膜を合成するカーボン膜被覆装
置は原料ガスを熱分解反応させカーボン膜を被覆する熱
CVD反応炉とシール室を備えている。前記シール室内
にはAr、He、N2 等の不活性ガスあるいは高温にお
いても原料ガスとほとんど反応しないガスによって満た
され熱CVD反応炉内に外部雰囲気が流入しないように
なっている。
【0005】従来はシール室へ流すシールガスであるA
r、He、N2 等の不活性ガスの適切な流量を決定する
手段がなく、熱CVD反応炉へ流す原料ガスの量に係わ
らずシールガスが一定である場合が多かった。熱CVD
反応炉内へ外部雰囲気の流入を防ぐ目的で、また熱CV
D反応炉内の原料ガス或いは反応生成ガス或いは煤等の
反応生成物が外部に漏れ周りの環境に悪影響を与えるこ
とを防ぐ目的で、かなり多量のシールガスを流してい
た。
【0006】このような状態のときにはシール室の圧力
が熱CVD反応炉に比べ高くなりすぎており多量のシー
ルガスが熱CVD反応炉内へ流れ込むことになる。シー
ルガスが熱CVD反応炉内へ流れ込むと熱CVD反応炉
内の特にシール室開口部鉛直方向にあるファイバ近傍の
原料ガス濃度が低下してしまい、原料ガスの熱分解速度
が低下し、その結果十分な膜厚及び膜質の炭素膜を短時
間で合成する事が困難となり、カーボン膜の強度及びハ
ーメチック特性を悪化させる原因となっていた。また、
長尺のカーボン被覆光ファイバを線引する際に線引に伴
って熱CVD反応炉内に煤が堆積する。この堆積した煤
は熱CVD反応炉内での原料ガスの流れを変化させる。
この原料ガスの流れの変化はシール室と熱CVD反応炉
間の開口部圧力差を変化させるので、シール室から熱C
VD反応炉へ流れこむシールガスの量が反応炉内の煤の
堆積量に伴って変化する。こうした影響で熱CVD反応
炉内の原料ガス濃度が長手で変化し長尺のカーボン被覆
光ファイバの長手での特性変化の1つの原因となってい
た。
【0007】本発明は上記の課題を解決し、シール室か
ら熱CVD反応炉へ流れ込むシールガスの量を必要最小
量にすることによりカーボン膜の強度及びハーメチック
特性のすぐれたカーボン被覆光ファイバの製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために以下のような手段を有している。
【0009】本発明のうち請求項1のカーボン被覆光フ
ァイバの製造方法は、線引直後の光ファイバを熱CVD
反応炉を備えた炭素膜被覆装置を通過させて前記光ファ
イバの表面にカーボン膜を被覆するカーボン被覆光ファ
イバの製造方法において、少なくとも前記炭素膜被覆装
置は光ファイバ挿入側に前記熱CVD反応炉と外部雰囲
気を遮断する為のシールガスを充填する上部シール室を
設け、該上部シール室と前記熱CVD反応炉の圧力差を
測定して前記上部シール室に最適な量のシールガスを供
給することを特徴とする。
【0010】本発明のうち請求項2のカーボン被覆光フ
ァイバの製造方法は、線引直後の光ファイバを熱CVD
反応炉を備えた炭素膜被覆装置を通過させて前記光ファ
イバの表面にカーボン膜を被覆するカーボン被覆光ファ
イバの製造方法において、前記炭素膜被覆装置は光ファ
イバ挿入側に前記熱CVD反応炉と外部雰囲気を遮断す
る為のシールガスを充填する上部シール室を設けるとと
もに、前記熱CVD反応炉の光ファイバ送出側に前記熱
CVD反応炉と外部雰囲気を遮断する為のシールガスを
充填する下部シール室を設け、少なくとも前記下部シー
ル室と前記熱CVD反応炉の圧力差を測定して前記下部
シール室に最適な量のシールガスを供給することを特徴
とする。
【0011】本発明のうち請求項3のカーボン被覆光フ
ァイバの製造方法は、シール室の圧力と熱CVD反応炉
の圧力をモニターしながら前記シール室と前記熱CVD
反応炉の圧力差が一定となるように前記シール室にシー
ルガスを供給することを特徴とする。
【0012】本発明のうち請求項4のカーボン被覆光フ
ァイバの製造方法は、光ファイバの表面に被覆されたカ
ーボン膜の電気抵抗等のカーボン膜質をオンラインでモ
ニターし、カーボン膜質が一定となるようにシール室に
シールガスを供給することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明のうち請求項1ないし請求項4のカーボ
ン被覆光ファイバの製造方法によれば、線引直後の光フ
ァイバを熱CVD反応炉を備えた炭素膜被覆装置を通過
させて光ファイバの表面にカーボン膜を被覆するカーボ
ン被覆光ファイバの製造方法において、少なくとも炭素
膜被覆装置は光ファイバ挿入側に熱CVD反応炉と外部
雰囲気を遮断する為のシールガスを充填する上部シール
室を設けるとともに、熱CVD反応炉の光ファイバ送出
側に熱CVD反応炉と外部雰囲気を遮断する為のシール
ガスを充填する下部シール室を設け、少なくとも一方の
シール室と前記熱CVD反応炉の圧力差を測定して、測
定したシール室に最適な量のシールガスを供給すること
により、熱CVD反応炉に余分なシールガスを流入させ
ることがなくなる。その結果、熱CVD反応炉内のシー
ル室開口部鉛直方向にある光ファイバ近傍の原料ガス濃
度を低下させることがなくなるので、熱CVD反応炉内
の原料ガスの熱分解速度が保証され十分な膜厚及び膜質
のカーボン膜を合成することができ、カーボン膜の強度
及びハーメチック特性を向上させる。
【0014】炭素膜被覆装置のシール室から熱CVD反
応炉に流れるシールガスは、シール室及び熱CVD反応
炉間の圧力差よりシール室開口部全体から流れるシール
ガスと、特に上部シールガスにおいては光ファイバ近傍
の境界層付近を光ファイバに伴われて熱CVD反応炉に
流れ込むシールガスに分けられる。シール室及び熱CV
D反応炉間の開口部面積は光ファイバの断面積に比べ遥
かに大きいので熱CVD反応炉へ流れ込むシールガスの
大部分は開口部圧力差と開口部面積によって決まること
になる。
【0015】光ファイバ線引中の光ファイバの揺れ等の
問題回避等のための光ファイバ線引上の際には多くの制
約を受ける。このような制約から開口部面積を必要以上
に小さくすることは困難なので、シール室と熱CVD反
応炉間の圧力差を小さくすることがシールガスの熱CV
D反応炉への流入を最小限にする方法になり、原料ガス
の流量に係わることなくシールガスによる原料ガス濃度
の低下を最小限にする唯一の方法となる。
【0016】また、線引中光ファイバの長手に渡って圧
力差を一定に制御することによりシールガスの熱CVD
反応炉への流入を一定にすることができ、原料ガス濃度
を光ファイバの線引中常に一定とするできる。ただし上
記の方法を用いてシールガス流量を制御すると、シール
室でシールガス流量が変化することになり熱分解反応時
のファイバ表面温度に微妙な変化が生じることになる。
そこで、カーボン膜の電気抵抗等のカーボン膜質を測定
しながらシール機能を果たす範囲でシール室のシールガ
スを制御すると、シールガスの熱CVD反応炉への流入
量の変化によるカーボン膜生成条件の1つである原料ガ
ス濃度と、カーボン膜生成条件の1つであるファイバ表
面の温度とを同時に変化させることになる。
【0017】カーボン膜質の測定手段として電気抵抗測
定を選択した場合、カーボン膜の電気抵抗を大きくした
い(カーボン膜の膜厚を薄くしたい)際には原料ガス濃
度を低下せることと反応温度を低くすることがともに有
効であり、またカーボン膜の電気抵抗を小さくしたい
(カーボン膜の膜厚を厚くしたい)際には原料ガス濃度
を上げることと反応温度を高くすることがともに有効で
あるため、シールガス流量によりカーボン膜の特性を光
ファイバの長手に渡って一定に保つことができ、原料ガ
ス濃度を変化させることによりカーボン膜の強度及びハ
ーメチック特性の光ファイバ長手の変化をより抑えるこ
とができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。光ファイバのカーボン膜の合成は図1の装置を用い
て行った。コア部にGeO 2 がドーパントとして添加さ
れたシングルモード光ファイバ母材1をヒーター2を内
包する線引炉3で外径125μmの光ファイバ4に線引
きする。この線引き直後の光ファイバ4を線引炉3の直
下に設置された炭素膜被覆装置5に導入する。この炭素
膜被覆装置5内には原料ガス供給口6より原料ガスが供
給され、この原料ガスの熱分解により線引き直後の光フ
ァイバ4の表面にカーボン膜を形成してカーボン被覆光
ファイバ8が製造される。
【0019】該カーボン被覆光ファイバ8は、しかる後
その表面にUV樹脂を施すダイス9に導かれて、UV樹
脂を塗布され、その後UV灯を有する硬化装置10にお
いてUV樹脂を硬化される。カーボン被覆及びUV樹脂
被覆を施された光ファイバは引取機により引き取られ図
示しない巻取機に巻き取られる。なお、図において符号
7はガス排気口であり、符号11はカーボン膜電気抵抗
測定機である。
【0020】本発明に用いた炭素膜被覆装置5について
図2を参照してより詳細に説明する。炭素膜被覆装置5
は上部に上部シール室21、中央部に熱CVD反応炉2
2及び下部に下部シール室23を有している。上部シー
ル室21へのシールガスの供給は導入口24より行われ
る。また、下部シール室23へのシールガスの供給は導
入口27より行われる。上部シール室21と熱CVD反
応炉22の圧力差の測定を圧力測定部28、29により
行う。図において、符号31は冷却水供給口、30は冷
却水排水口である。
【0021】なお、以下に説明する実施例、比較例と
も、樹脂被覆外径は250μm、線引炉3の温度は約2
000℃、紡糸速度は350m毎分であり、原料ガス供
給口6より供給する原料ガスの組成も同じである。
【0022】(実施例1)上記に説明した図1および図
2の装置により以下の方法によりカーボン被覆光ファイ
バを製造した。 実施例1−1:圧力測定部28、29を用いて上部シー
ル室21の圧力を熱CVD反応炉22の圧力より0.80 m
mH2O分高くなるようにして上部シール室21へシールガ
スを流し、上部シールガス流量を0.35 l/min とし
た。 実施例1−2:圧力測定部28、29を用いて上部シー
ル室21の圧力を熱CVD反応炉22の圧力より0.81 m
mH2O分高くなるようにして上部シール室21へシールガ
スを流し、上部シールガス流量を0.90 l/min とし
た。
【0023】比較例1−1:圧力測定部28、29を用
いて上部シール室21の圧力を熱CVD反応炉22の圧
力より18.0 mmH2O分高くなるようにして上部シール室2
1へシールガスを流し、上部シールガス流量を1.50
l/min とした。 比較例1−2:圧力測定部28、29を用いて上部シー
ル室21の圧力を熱CVD反応炉22の圧力より20.0 m
mH2O分高くなるようにして上部シール室21へシールガ
スを流し、上部シールガス流量を4.35 l/min とし
た。
【0024】実施例1−1、実施例1−2、比較例1−
1及び比較例1−2の上部シールガスとして、光ファイ
バ4の表面温度が変化する事を防ぐ為に熱分解反応温度
である1500℃に加熱したArを使用した。実施例、
比較例の原料ガス流量及び上部シールガス流量とカーボ
ン膜諸特性の測定結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】なお、表1において50%破断強度測定条
件は評点間距離10m、歪速度5%毎分、n=49とし
た。耐水素特性測定条件は温度85℃、H2 分圧1at
mの条件に144hr暴露後、λ=1.24 μmにおける伝
送損失増加量とした。実施疲労特性測定条件は評点間距
離300mm、歪速度0.1%毎分、0.3%毎分、
1.0%毎分、3.3%毎分、10.0%毎分で各速度
水準n=19測定後破断強度中央値よりn値を計算し
た。
【0027】(実施例2)上記に説明した図1および図
2の装置により以下の方法によりカーボン被覆光ファイ
バを製造した。 実施例2:上部シール室21と熱CVD反応炉22の圧
力差が一定となるように上部シール室21にシールガス
を充填しながら500分間線引を行った。なお、本実施
例ではカーボン膜を被覆した直後にカーボン膜電気抵抗
測定機11を用いてカーボン膜の電気抵抗を測定した。
このときの上部シール室21と熱CVD反応炉22の圧
力差の長手変化を図3に示す。また、線引中に流したシ
ールガス量を図4に、カーボン膜の電気抵抗の長手変化
を図5に示す。
【0028】比較例2:上部シール室21に一定(0.
5l/min の一定)のシールガスを流しながら500分
間線引を行った。なお、本比較例においても実施例2と
同様に、カーボン膜を被覆した直後にカーボン膜電気抵
抗測定機11を用いてカーボン膜の電気抵抗を測定し
た。このときの上部シール室21と熱CVD反応炉22
の圧力差の長手変化を図6に、カーボン膜の電気抵抗の
長手変化を図7に示す。実施例2と比較例2の線引した
カーボン被覆光ファイバの線引始め部、中間部、線引終
わり部のカーボン膜諸特性の測定結果を表2に記載す
る。
【0029】
【表2】
【0030】なお、表2において50%破断強度測定条
件、耐水素特性測定条件及び実施疲労特性測定条件は表
1と同じ条件である。
【0031】(実施例3)上記に説明した図1および図
2の装置により以下の方法によりカーボン被覆光ファイ
バを製造した。 実施例3:カーボン膜電気抵抗測定機11で測定した電
気抵抗が一定となるよう500分間線引を行った。カー
ボン膜電気抵抗を小さくするためには上部シール室21
に供給するシールガスを若干減らし、反対にカーボン膜
電気抵抗を大きくするためには上部シール室21に供給
するシールガスを若干増やした。このときの上部シール
室21と熱CVD反応炉22の圧力差の長手変化を図8
に示す。また、線引中に流したシールガス量を図9に、
カーボン膜電気抵抗の長手変化を図10に示す。なお、
本実施例では冷却水供給口31より冷却水を供給して、
熱CVD反応炉22の内壁の冷却を行った。
【0032】本発明のカーボン被覆光ファイバの製造方
法は、実施例1からわかる通り、原料ガスの流量に応じ
たシールガスを上部シール室21に充填することによ
り、上部シール室21と熱CVD反応炉22間の圧力差
が適正に保たれ、シールガスによる原料ガスの希釈が抑
えられるので原料ガスの熱分解反応速度の低下が少なく
十分な強度と良好なハーメチック特性を兼ね備えたカー
ボン被覆光ファイバ8が製造可能となる。
【0033】実施例1においては、上部シール室21と
熱CVD反応炉22間の圧力差が0.8mmH2O程度にしたと
きに良好な特性のカーボン被覆光ファイバが得られた。
熱CVD反応炉22及び上部シール室21部分の形状に
大きく影響されるが、これ以上圧力差を減らすと熱CV
D反応炉22内に線引きされた光ファイバに伴われて外
部雰囲気が熱CVD反応炉に流入し、その結果カーボン
膜の特性が損なわれるので好ましくない。外部雰囲気の
熱CVD反応炉内への流入がない限り上部シール室21
と熱CVD反応炉22の圧力差の値が小さくなるに従っ
てシールガスの熱CVD反応炉内への流入量が減少する
ので原料ガス濃度の管理が容易になりカーボン被覆光フ
ァイバの特性低下を防ぎ易い傾向にある。
【0034】なお、実施例に示した適正な圧力差は図2
に示した形状の炭素膜被覆装置5における値であり、炭
素膜被覆装置5の形状の変化に伴いシールガスあるいは
熱CVD反応炉22内で原料ガスや煤などの生成物の流
れの影響で適正値が代わり得る。更に、圧力測定部の位
置によりシールガスあるいは熱CVD反応炉22内でガ
スや煤などの生成物の流れの影響の度合いが違うので、
なるべく開口部直近で圧力を測定することが好ましい。
【0035】実施例2、実施例3から明かなように、長
尺のカーボン被覆光ファイバ8を製造する際に比較例で
は長手で20%程度強度が低下しておりハーメチック特
性もかなり悪化しているが、本発明を用いることにより
ハーメチック特性の低下が大きく抑えられている。特に
実施例3に於いては強度、ハーメチック特性の低下は認
められなかった。
【0036】また、実施例3のように電気抵抗等のカー
ボン膜質を測定しその測定結果からシールガス流量を制
御する場合はシールガスが減少して熱CVD反応炉22
からガスや煤等が洩れるのを防ぐため上部シール室21
と熱CVD反応炉22間の圧力差をモニターしながら圧
力差の最低値も設けそれ以上にシールガス流量を減らさ
ないようにすると良い。
【0037】以上説明した実施例に於いては上部シール
室21と熱CVD反応炉22の圧力差を測定して上部シ
ール室21の上部シールガスの流量についてのみ述べた
が、下部シール室と熱CVD反応炉22の圧力差を測定
して下部シール室の下部シールガスの流量を制御しても
本発明の効果は得られる。特に原料ガスを熱CVD反応
炉22下部から導入しながらカーボン被覆光ファイバを
製造する際に下部シールガスの流量制御に本発明を用い
ると効果は絶大である。また、両シール室と熱CVD反
応炉22の圧力差を測定して両シール室のシールガスの
流量を制御しても本発明の効果は得られる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のカーボン被
覆光ファイバの製造方法によれば、線引直後の光ファイ
バを熱CVD反応炉を備えた炭素膜被覆装置を通過させ
て光ファイバの表面にカーボン膜を被覆するカーボン被
覆光ファイバの製造方法において、少なくとも炭素膜被
覆装置は光ファイバ挿入側に熱CVD反応炉と外部雰囲
気を遮断する為のシールガスを充填する上部シール室2
1を設け、熱CVD反応炉の光ファイバ送出側に熱CV
D反応炉と外部雰囲気を遮断する為のシールガスを充填
する下部シール室を設け、少なくとも一方のシール室と
熱CVD反応炉の圧力差を測定して、測定したシール室
に最適なシールガスを供給することにより、シールガス
の熱CVD反応炉への流入を最小限にすることができ
る。
【0039】その結果、熱CVD反応炉内の原料ガスの
熱分解速度が保証され十分な膜厚及び膜質のカーボン膜
を合成することができ、カーボン膜の強度及びハーメチ
ック特性のすぐれたカーボン被覆光ファイバの製造が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカーボン被覆光ファイバの製造方法に
使用する装置の説明図である。
【図2】(a)は図1のカーボン被覆光ファイバの製造
方法に使用する炭素膜被覆装置の一例を示す縦断面の説
明図、(b)は同装置の上部から見た横断面の説明図で
ある。
【図3】実施例2における上部シール室21と熱CVD
反応炉の圧力差の長手変化の図である。
【図4】実施例2における線引中に流した上シールガス
流量の長手変化の図である。
【図5】実施例2におけるカーボン膜電気抵抗の長手変
化の図である。
【図6】比較例2における上部シール室と熱CVD反応
炉の圧力差の長手変化の図である。
【図7】比較例2におけるカーボン膜電気抵抗の長手変
化の図である。
【図8】実施例3における上部シール室と熱CVD反応
炉の圧力差の長手変化の図である。
【図9】実施例3における線引中に流した上シールガス
流量の長手変化の図である。
【図10】実施例3におけるカーボン膜電気抵抗の長手
変化の図である。
【符号の説明】
1 シングルモード光ファイバ母材 3 線引炉 4 光ファイバ 5 炭素膜被覆装置 6 原料ガス供給口 8 カーボン被覆光ファイバ 21 上部シール室 22 熱CVD反応炉 23 下部シール室 27 シールガス導入口 28,29 圧力測定部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線引直後の光ファイバを熱CVD反応炉
    を備えた炭素膜被覆装置を通過させて前記光ファイバの
    表面にカーボン膜を被覆するカーボン被覆光ファイバの
    製造方法において、少なくとも前記炭素膜被覆装置は光
    ファイバ挿入側に前記熱CVD反応炉と外部雰囲気を遮
    断する為のシールガスを充填する上部シール室を設け、
    該上部シール室と前記熱CVD反応炉の圧力差を測定し
    て前記上部シール室に最適な量のシールガスを供給する
    ことを特徴とするカーボン被覆光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 線引直後の光ファイバを熱CVD反応炉
    を備えた炭素膜被覆装置を通過させて前記光ファイバの
    表面にカーボン膜を被覆するカーボン被覆光ファイバの
    製造方法において、前記炭素膜被覆装置は光ファイバ挿
    入側に前記熱CVD反応炉と外部雰囲気を遮断する為の
    シールガスを充填する上部シール室を設けるとともに、
    前記熱CVD反応炉の光ファイバ送出側に前記熱CVD
    反応炉と外部雰囲気を遮断する為のシールガスを充填す
    る下部シール室を設け、少なくとも前記下部シール室と
    前記熱CVD反応炉の圧力差を測定して前記下部シール
    室に最適な量のシールガスを供給することを特徴とする
    カーボン被覆光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 シール室の圧力と熱CVD反応炉の圧力
    をモニターしながら前記シール室と前記熱CVD反応炉
    の圧力差が一定となるように前記シール室にシールガス
    を供給することを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    のカーボン被覆光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 光ファイバの表面に被覆されたカーボン
    膜の電気抵抗等のカーボン膜質をオンラインでモニター
    し、カーボン膜の膜質が一定となるようにシール室にシ
    ールガスを供給することを特徴とする請求項1ないし請
    求項3記載のカーボン被覆光ファイバの製造方法。
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