JPH0881700A - 自動車の内装用表皮材の製造方法 - Google Patents
自動車の内装用表皮材の製造方法Info
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- JPH0881700A JPH0881700A JP22053094A JP22053094A JPH0881700A JP H0881700 A JPH0881700 A JP H0881700A JP 22053094 A JP22053094 A JP 22053094A JP 22053094 A JP22053094 A JP 22053094A JP H0881700 A JPH0881700 A JP H0881700A
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- Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本革と同等の外観、風合いを備え、しかも低
コストで製造し得る、自動車の内装材用表皮材を提供す
る。 【構成】 表面3aにしぼ模様を有する、膜厚が10〜
60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮膜3を成
形する工程と、このポリカーボネート系ポリウレタン皮
膜3の裏面3bに皮革1の表面1aを接着して表皮材S
を形成する工程と、その表皮材Sにミリング加工を施し
て、該表皮材Sの前記皮膜3に小じわを発現させる工程
とを含む。
コストで製造し得る、自動車の内装材用表皮材を提供す
る。 【構成】 表面3aにしぼ模様を有する、膜厚が10〜
60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮膜3を成
形する工程と、このポリカーボネート系ポリウレタン皮
膜3の裏面3bに皮革1の表面1aを接着して表皮材S
を形成する工程と、その表皮材Sにミリング加工を施し
て、該表皮材Sの前記皮膜3に小じわを発現させる工程
とを含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車室等におけ
る内装材として使用される表皮材に関するものである。
る内装材として使用される表皮材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の内装用表皮材として、天
然の高級皮革(本革)が使用されることがある。
然の高級皮革(本革)が使用されることがある。
【0003】しかしながら斯かる高級皮革は、革自体の
価格が高いばかりか、天然物であるが故にその表面、即
ち皮革表層の銀面には傷等が多く発生し易く、製品への
歩留りが低いために、自動車の内装用表皮材として使用
する場合には多大のコスト増を招いていた。
価格が高いばかりか、天然物であるが故にその表面、即
ち皮革表層の銀面には傷等が多く発生し易く、製品への
歩留りが低いために、自動車の内装用表皮材として使用
する場合には多大のコスト増を招いていた。
【0004】そこで従来では、前記高級皮革に代わる低
コストの内装用表皮材としてPVCレザー、ウレタン合
皮等が開発され、使用されてきた。
コストの内装用表皮材としてPVCレザー、ウレタン合
皮等が開発され、使用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く自動車の内
装用表皮材としてPVCレザー、ウレタン合皮等を用い
る場合において、その表皮材の表面に本革の外観を再現
させるために、例えば本革から転写したしぼ模様(一般
に皺模様または絞模様とも呼称される)を、絞ロールや
紙絞等の適当な成形手段を用いてPVCレザーやウレタ
ン合皮に再転写する技術が既に提案されており、それら
技術によれば、外観からは本革にかなり近づいたものが
一応得られるようにはなったが、そのような表皮材も実
際に触れるとその瞬間に本革とは異なることが判ってし
まう。この一番の原因としては、上記のようなPVCレ
ザー、ウレタン合皮等の表皮材には本革独特の小じわ感
が無いことが考えられ、そのために該表皮材の風合いは
本革とは明確に相違するものとなっている。
装用表皮材としてPVCレザー、ウレタン合皮等を用い
る場合において、その表皮材の表面に本革の外観を再現
させるために、例えば本革から転写したしぼ模様(一般
に皺模様または絞模様とも呼称される)を、絞ロールや
紙絞等の適当な成形手段を用いてPVCレザーやウレタ
ン合皮に再転写する技術が既に提案されており、それら
技術によれば、外観からは本革にかなり近づいたものが
一応得られるようにはなったが、そのような表皮材も実
際に触れるとその瞬間に本革とは異なることが判ってし
まう。この一番の原因としては、上記のようなPVCレ
ザー、ウレタン合皮等の表皮材には本革独特の小じわ感
が無いことが考えられ、そのために該表皮材の風合いは
本革とは明確に相違するものとなっている。
【0006】また前記小じわ感を出すために、例えばP
VCレザーやウレタン合皮の基布に微細な繊維(0.1
〜0.5d)の不織布を使用した例があるが、そのよう
な基布コストは高く、本革の代替品とはなり得ないもの
である。
VCレザーやウレタン合皮の基布に微細な繊維(0.1
〜0.5d)の不織布を使用した例があるが、そのよう
な基布コストは高く、本革の代替品とはなり得ないもの
である。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、本革と同等の外観、風合いを備え、しかも低
コストで製造し得る、自動車の内装材用表皮材を提供す
ることを目的とするものである。
たもので、本革と同等の外観、風合いを備え、しかも低
コストで製造し得る、自動車の内装材用表皮材を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に各請求項の発明は、表面にしぼ模様を有する、膜厚が
10〜60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮膜
を成形する工程と、このポリカーボネート系ポリウレタ
ン皮膜の裏面に天然皮革の表面を接着して表皮材を形成
する工程と、その表皮材にミリング加工を施して、該表
皮材の前記皮膜に小じわを発現させる工程とを含むこと
を特徴とし、また特に請求項2の発明は前記特徴に加え
て、前記皮革と皮膜との間の接着剤層がポリカーボネー
ト系2液ウレタンより構成され、その接着剤層の厚みが
30〜70μmに設定されることも特徴とし、更に請求
項3の発明は、前記各特徴に加えて、前記皮膜に接着さ
れる前の前記皮革のJIS剛軟度を50〜100に設定
したことを特徴とする。
に各請求項の発明は、表面にしぼ模様を有する、膜厚が
10〜60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮膜
を成形する工程と、このポリカーボネート系ポリウレタ
ン皮膜の裏面に天然皮革の表面を接着して表皮材を形成
する工程と、その表皮材にミリング加工を施して、該表
皮材の前記皮膜に小じわを発現させる工程とを含むこと
を特徴とし、また特に請求項2の発明は前記特徴に加え
て、前記皮革と皮膜との間の接着剤層がポリカーボネー
ト系2液ウレタンより構成され、その接着剤層の厚みが
30〜70μmに設定されることも特徴とし、更に請求
項3の発明は、前記各特徴に加えて、前記皮膜に接着さ
れる前の前記皮革のJIS剛軟度を50〜100に設定
したことを特徴とする。
【0009】上記構成において、ミリング加工とは、革
の製造工程の最終段階で革本来の味を出すために従前よ
り実施されていた「揉み加工」を云い、この加工によっ
て革(本発明では表皮材の皮膜)に自然な小じわを発現
させることができる。
の製造工程の最終段階で革本来の味を出すために従前よ
り実施されていた「揉み加工」を云い、この加工によっ
て革(本発明では表皮材の皮膜)に自然な小じわを発現
させることができる。
【0010】また上記皮膜を構成するポリカーボネート
系ポリウレタンは、適度の柔軟性と十分な耐久性を有し
自動車の内装材用に好適である。そしてポリカーボネー
ト系ポリウレタンの原料において、イソシアネートとし
ては無黄変タイプのもの(例えばIPDI,HMDI等
々)であることが望ましく、また、ポリオールとしてポ
リエステルやポリエーテルを用いることは湿熱性や熱老
化性が悪くなるため自動車の内装用には不適である。
系ポリウレタンは、適度の柔軟性と十分な耐久性を有し
自動車の内装材用に好適である。そしてポリカーボネー
ト系ポリウレタンの原料において、イソシアネートとし
ては無黄変タイプのもの(例えばIPDI,HMDI等
々)であることが望ましく、また、ポリオールとしてポ
リエステルやポリエーテルを用いることは湿熱性や熱老
化性が悪くなるため自動車の内装用には不適である。
【0011】更に本発明方法において用いられる天然皮
革としては、本発明の目的からして、銀面に傷の無い天
然の高級皮革(本革)よりも安価な革材が選定される。
このような安価な革材としては、例えば天然皮革のうち
銀面のある表層部を剥ぎ取った残りの、一般に床革と呼
ばれる皮革下層部(以下、本明細書では単に「床革」と
いう)や、銀面に傷があってそのままでは使用に供し得
ないような皮革が利用される。
革としては、本発明の目的からして、銀面に傷の無い天
然の高級皮革(本革)よりも安価な革材が選定される。
このような安価な革材としては、例えば天然皮革のうち
銀面のある表層部を剥ぎ取った残りの、一般に床革と呼
ばれる皮革下層部(以下、本明細書では単に「床革」と
いう)や、銀面に傷があってそのままでは使用に供し得
ないような皮革が利用される。
【0012】
【作 用】各請求項の発明の上記構成によれば、表面に
しぼ模様を有する、膜厚が10〜60μmのポリカーボ
ネート系ポリウレタン皮膜は、適度な柔軟性と十分な耐
久性を発揮し得るばかりか、皮革接着後のミリング加工
(揉み加工)によって本革に似た小じわ感を容易に発現
させることができるため、該皮膜表面のしぼ模様の存在
とも相俟って、表皮材に本革と同等の外観、風合いを与
えることができる。尚、上記皮膜が10μmより薄いと
該皮膜の耐久性、特に摩耗性能が悪く、自動車用内装材
としては不適であり、また60μmより厚いと膜強度が
高過ぎてミリング加工後に小じわが十分に発現しない。
しぼ模様を有する、膜厚が10〜60μmのポリカーボ
ネート系ポリウレタン皮膜は、適度な柔軟性と十分な耐
久性を発揮し得るばかりか、皮革接着後のミリング加工
(揉み加工)によって本革に似た小じわ感を容易に発現
させることができるため、該皮膜表面のしぼ模様の存在
とも相俟って、表皮材に本革と同等の外観、風合いを与
えることができる。尚、上記皮膜が10μmより薄いと
該皮膜の耐久性、特に摩耗性能が悪く、自動車用内装材
としては不適であり、また60μmより厚いと膜強度が
高過ぎてミリング加工後に小じわが十分に発現しない。
【0013】また本革とは異なって上記皮膜は、その表
面を殆ど傷付けることなく成形することができるから、
それだけ歩留りが向上する。その上、ベースとなる皮革
としては、床革と呼ばれる安価な革材や、表面の銀面に
傷があって通常は不良品とされる皮革を有効に利用する
ことができるため、全体として製造コストの大幅な節減
が達成される。
面を殆ど傷付けることなく成形することができるから、
それだけ歩留りが向上する。その上、ベースとなる皮革
としては、床革と呼ばれる安価な革材や、表面の銀面に
傷があって通常は不良品とされる皮革を有効に利用する
ことができるため、全体として製造コストの大幅な節減
が達成される。
【0014】また特に請求項2の発明の上記構成によれ
ば、皮革と皮膜との間の接着剤層がポリカーボネート系
2液ウレタンより構成され、その接着剤層の厚みが乾燥
状態(接着剤中の溶剤が乾燥した状態)で30〜70μ
mに設定されるので、必要な接着強度を確保しながら、
ミリング加工後において上記皮膜に小じわを一層確実に
発現させることができる。即ち、接着剤層が30μmよ
り薄いと、皮革及び皮膜間の接着強度が不十分となっ
て、該皮膜表面を擦った際等に該皮膜が皮革から簡単に
剥がれてしまう不都合があり、一方、接着剤層が70μ
mよりも厚いと、接着剤の使い過ぎに因り皮革表面に浸
み込む量が増加し皮革が硬くなって、ミリング加工後に
上記皮膜に小じわが発現しなくなり、風合いも悪くな
る。
ば、皮革と皮膜との間の接着剤層がポリカーボネート系
2液ウレタンより構成され、その接着剤層の厚みが乾燥
状態(接着剤中の溶剤が乾燥した状態)で30〜70μ
mに設定されるので、必要な接着強度を確保しながら、
ミリング加工後において上記皮膜に小じわを一層確実に
発現させることができる。即ち、接着剤層が30μmよ
り薄いと、皮革及び皮膜間の接着強度が不十分となっ
て、該皮膜表面を擦った際等に該皮膜が皮革から簡単に
剥がれてしまう不都合があり、一方、接着剤層が70μ
mよりも厚いと、接着剤の使い過ぎに因り皮革表面に浸
み込む量が増加し皮革が硬くなって、ミリング加工後に
上記皮膜に小じわが発現しなくなり、風合いも悪くな
る。
【0015】更に請求項3の発明の構成によれば、前記
皮膜に接着される前の皮革のJIS剛軟度が50〜10
0に設定されるので、その剛軟度が皮膜接着に因り多少
高くなり或いは皮膜接着後のミリング加工に因り多少低
くなっても、製品としての表皮材の剛軟度を本革の剛軟
度(50〜100)に極力近づけることが可能となる。
尚、剛軟度が50より低いと強度上、問題があり、一
方、100を超えると製品の剛軟度が必要以上に高くな
って本革のそれから外れてしまい、またミリング加工に
よっても皮膜3に小じわを十分に発現させ得ない問題が
ある。
皮膜に接着される前の皮革のJIS剛軟度が50〜10
0に設定されるので、その剛軟度が皮膜接着に因り多少
高くなり或いは皮膜接着後のミリング加工に因り多少低
くなっても、製品としての表皮材の剛軟度を本革の剛軟
度(50〜100)に極力近づけることが可能となる。
尚、剛軟度が50より低いと強度上、問題があり、一
方、100を超えると製品の剛軟度が必要以上に高くな
って本革のそれから外れてしまい、またミリング加工に
よっても皮膜3に小じわを十分に発現させ得ない問題が
ある。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
について説明する。図1は、本発明方法により製造され
た自動車の内装材用表皮材の要部拡大断面図、図2は、
本発明方法の実施に用いるミリング加工装置の一実施例
を示す斜視図である。
について説明する。図1は、本発明方法により製造され
た自動車の内装材用表皮材の要部拡大断面図、図2は、
本発明方法の実施に用いるミリング加工装置の一実施例
を示す斜視図である。
【0017】先ず、図1において自動車のインストルメ
ントパネル、ドア内張り、シート等の内装材に用いられ
る表皮材Sは、ベース材となる天然皮革1と、その皮革
1の表面1aに接着剤層2を挟んで裏面3bが接着され
る皮膜3とより構成されている。
ントパネル、ドア内張り、シート等の内装材に用いられ
る表皮材Sは、ベース材となる天然皮革1と、その皮革
1の表面1aに接着剤層2を挟んで裏面3bが接着され
る皮膜3とより構成されている。
【0018】前記皮革1としては、図示例では牛皮等の
床革が用いられるが、このような床革に代えて、銀面に
傷があって通常は不良品とされる比較的安価な皮革を用
いるようにしてもよい。また前記皮膜3としては、膜厚
が10〜60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮
膜が用いられ、その皮膜3の表面3aには、本革の表面
と同様のしぼ模様と小じわが形成されている。更に前記
接着剤層2は、厚みが30〜70μmのポリカーボネー
ト系2液ウレタンより構成される。
床革が用いられるが、このような床革に代えて、銀面に
傷があって通常は不良品とされる比較的安価な皮革を用
いるようにしてもよい。また前記皮膜3としては、膜厚
が10〜60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮
膜が用いられ、その皮膜3の表面3aには、本革の表面
と同様のしぼ模様と小じわが形成されている。更に前記
接着剤層2は、厚みが30〜70μmのポリカーボネー
ト系2液ウレタンより構成される。
【0019】また図2には、本発明方法の実施に用いら
れるミリング加工装置Mの一例が示されている。この装
置Mは、図示例では、金網で形成された直径2〜5mの
円筒状ドラムDと、このドラムD内周面に周方向に間隔
をおいて突設されてその母線方向に延びる複数の突条4
とを備えており、このドラムD内に表皮材S又は皮革を
入れて、図示しない回転駆動装置によりドラムDを回転
駆動する。この場合、ドラムDの回転速度は、ドラムD
の回転に伴いドラム1内の表皮材S等が該ドラムDの頂
部に達したら遠心力に抗して自然落下する程度の速度に
選定される。従ってドラムDの回転中は、その内部の表
皮材S等が回転上昇・自然落下を何度も繰り返すことに
より適度に揉まれて、それの剛軟度(JIS)を10〜
30程度下げることができ、その際に該表皮材S等の表
面に小じわを発現させることができるようになってい
る。
れるミリング加工装置Mの一例が示されている。この装
置Mは、図示例では、金網で形成された直径2〜5mの
円筒状ドラムDと、このドラムD内周面に周方向に間隔
をおいて突設されてその母線方向に延びる複数の突条4
とを備えており、このドラムD内に表皮材S又は皮革を
入れて、図示しない回転駆動装置によりドラムDを回転
駆動する。この場合、ドラムDの回転速度は、ドラムD
の回転に伴いドラム1内の表皮材S等が該ドラムDの頂
部に達したら遠心力に抗して自然落下する程度の速度に
選定される。従ってドラムDの回転中は、その内部の表
皮材S等が回転上昇・自然落下を何度も繰り返すことに
より適度に揉まれて、それの剛軟度(JIS)を10〜
30程度下げることができ、その際に該表皮材S等の表
面に小じわを発現させることができるようになってい
る。
【0020】次に前記表皮材Sの製造過程を具体的に説
明するが、それに先立ち、製造過程で述べられる用語に
ついて説明する。先ず、100%モジュラスとは、試験
片を23°Cにおいて100%伸長させるのに必要な引
張応力を伸び率で割った商を云い、軟質ビニルにおいて
可塑化効率を比較するために使用される。而して膜の硬
さを決めるのは、膜のモジュラスと厚みであり、厚みが
硬さ(曲げ剛性)に与える影響はモジュラスに対し3乗
で効く。本発明では、ポリカーボネート系ポリウレタン
よりなる前記皮膜3の100%モジュラスを20〜15
0kg/cm2に、またポリカーボネート系2液ウレタン
よりなる前記接着剤層2の100%モジュラスを5〜5
0kg/cm2にそれぞれ設定することが、該皮膜3及び
接着剤層2に適度な硬さ、強度を付与する上で望まし
い。
明するが、それに先立ち、製造過程で述べられる用語に
ついて説明する。先ず、100%モジュラスとは、試験
片を23°Cにおいて100%伸長させるのに必要な引
張応力を伸び率で割った商を云い、軟質ビニルにおいて
可塑化効率を比較するために使用される。而して膜の硬
さを決めるのは、膜のモジュラスと厚みであり、厚みが
硬さ(曲げ剛性)に与える影響はモジュラスに対し3乗
で効く。本発明では、ポリカーボネート系ポリウレタン
よりなる前記皮膜3の100%モジュラスを20〜15
0kg/cm2に、またポリカーボネート系2液ウレタン
よりなる前記接着剤層2の100%モジュラスを5〜5
0kg/cm2にそれぞれ設定することが、該皮膜3及び
接着剤層2に適度な硬さ、強度を付与する上で望まし
い。
【0021】また絞深さとは皮膜表面に成形すべきしぼ
模様の深さを云い、この深さに応じて皮膜の膜厚も厚く
する必要がある。例えば本発明のように皮膜3の膜厚が
10〜60μmに設定される場合には、絞深さは50μ
以下であることが望ましい。
模様の深さを云い、この深さに応じて皮膜の膜厚も厚く
する必要がある。例えば本発明のように皮膜3の膜厚が
10〜60μmに設定される場合には、絞深さは50μ
以下であることが望ましい。
【0022】更に剛軟度とは、JIS L1021
6.15による、製品の剛軟の程度を示す指標である。
本発明では、表皮材Sの剛軟度を50〜150、好まし
くは本革相当の50〜100を目標とする。皮革1に前
記皮膜3を接着すると剛軟度が20〜50程度高くな
り、またその接着後のミリング加工によって10〜30
程度低くなる。よって、表皮材Sのベース皮革としては
50〜100、好ましくは50程度が良い。
6.15による、製品の剛軟の程度を示す指標である。
本発明では、表皮材Sの剛軟度を50〜150、好まし
くは本革相当の50〜100を目標とする。皮革1に前
記皮膜3を接着すると剛軟度が20〜50程度高くな
り、またその接着後のミリング加工によって10〜30
程度低くなる。よって、表皮材Sのベース皮革としては
50〜100、好ましくは50程度が良い。
【0023】次に実施例1について具体的に説明する。
この実施例では、成形面にしぼ模様に対応した微細な凹
凸を有する、絞深さが50μm以下(特にこの実施例や
後述する比較例では10〜20μm)の図示しない紙絞
上に、100%モジュラスが70kg/cm2のポリカー
ボネート系ウレタンを、乾燥状態(溶剤が乾燥した状
態)で30μmとなるような厚みで塗布し乾燥させて前
記皮膜3を成形する。次いでその皮膜3の上面(裏面3
b)に、100%モジュラスが20kg/cm2のポリカ
ーボネート系2液ウレタンを、乾燥状態(溶剤が乾燥し
た状態)で60μmとなるような厚みで塗布し、60°
Cで約1分乾燥した直後に、前記皮革1の表面1aを重
合圧接して接着させる。この場合、その接着すべき皮革
1としては、予め十分にミリング加工されて剛軟度50
に調整され且つ表面1aがバフ加工された、厚さ1.3
mmのクロム鞣し床革が使用される。
この実施例では、成形面にしぼ模様に対応した微細な凹
凸を有する、絞深さが50μm以下(特にこの実施例や
後述する比較例では10〜20μm)の図示しない紙絞
上に、100%モジュラスが70kg/cm2のポリカー
ボネート系ウレタンを、乾燥状態(溶剤が乾燥した状
態)で30μmとなるような厚みで塗布し乾燥させて前
記皮膜3を成形する。次いでその皮膜3の上面(裏面3
b)に、100%モジュラスが20kg/cm2のポリカ
ーボネート系2液ウレタンを、乾燥状態(溶剤が乾燥し
た状態)で60μmとなるような厚みで塗布し、60°
Cで約1分乾燥した直後に、前記皮革1の表面1aを重
合圧接して接着させる。この場合、その接着すべき皮革
1としては、予め十分にミリング加工されて剛軟度50
に調整され且つ表面1aがバフ加工された、厚さ1.3
mmのクロム鞣し床革が使用される。
【0024】而して前記接着が完了すれば、皮革1及び
皮膜3の接着体、即ち表皮材Sを前記紙絞より分離し、
それを前述のミリング加工装置MのドラムD内に入れて
ミリング加工(揉み加工)を約60分間行って、前記皮
膜3に本革と同様の小じわを発現させるようにした。こ
うして得られた表皮材Sは、外観、風合い、特に小じわ
感において高級な本革と同等の性状を示した。
皮膜3の接着体、即ち表皮材Sを前記紙絞より分離し、
それを前述のミリング加工装置MのドラムD内に入れて
ミリング加工(揉み加工)を約60分間行って、前記皮
膜3に本革と同様の小じわを発現させるようにした。こ
うして得られた表皮材Sは、外観、風合い、特に小じわ
感において高級な本革と同等の性状を示した。
【0025】また実施例1と同様の手順で、前記皮膜3
又は接着剤層2の厚みを共に乾燥状態で40μmとして
行った実施例2においても、同様の好結果が得られた。
又は接着剤層2の厚みを共に乾燥状態で40μmとして
行った実施例2においても、同様の好結果が得られた。
【0026】更に実施例1と同様の手順で表皮材を製造
するも、前記皮膜3若しくは接着剤層2の厚み又は皮革
1の剛軟度を適宜変更し、或いはミリング加工を適宜省
略したものを比較例1〜9として、実施例1,2と共に
表1に示した。
するも、前記皮膜3若しくは接着剤層2の厚み又は皮革
1の剛軟度を適宜変更し、或いはミリング加工を適宜省
略したものを比較例1〜9として、実施例1,2と共に
表1に示した。
【0027】
【表1】 以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は
その実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種
々の実施例が可能である。例えば本発明方法の実施に使
用されるミリング加工装置は、皮革1に皮膜3を接着し
た後において該皮膜3に本革と同等の自然な小じわを発
現させ得るような揉み加工手段であれば、どのような構
造のものでもよく、特に実施例の装置に限定されない。
その実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種
々の実施例が可能である。例えば本発明方法の実施に使
用されるミリング加工装置は、皮革1に皮膜3を接着し
た後において該皮膜3に本革と同等の自然な小じわを発
現させ得るような揉み加工手段であれば、どのような構
造のものでもよく、特に実施例の装置に限定されない。
【0028】
【発明の効果】以上のように各請求項の発明によれば、
表面にしぼ模様を有する、膜厚が10〜60μmのポリ
カーボネート系ポリウレタン皮膜の裏面を皮革表面に接
着させて表皮材を形成し、この表皮材にミリング加工を
施して、前記皮膜に本革と同様の小じわを発現させるよ
うにしたので、本革と同等の外観、風合い(特に小じわ
感)を有し実用にも十分耐える、本革に似た高品質な表
皮材が得られ、しかもこの表皮材の製造に当ってはその
表面(上記皮膜表面)を殆ど傷付けることなく成形する
ことができて歩留りが良好であるばかりか、ベース皮革
としては、床革と呼ばれる安価な革材や、表面の銀面に
傷があって通常は不良品とされる皮革を有効に利用する
ことができるため、全体として製造コストの節減に大い
に寄与することができる。
表面にしぼ模様を有する、膜厚が10〜60μmのポリ
カーボネート系ポリウレタン皮膜の裏面を皮革表面に接
着させて表皮材を形成し、この表皮材にミリング加工を
施して、前記皮膜に本革と同様の小じわを発現させるよ
うにしたので、本革と同等の外観、風合い(特に小じわ
感)を有し実用にも十分耐える、本革に似た高品質な表
皮材が得られ、しかもこの表皮材の製造に当ってはその
表面(上記皮膜表面)を殆ど傷付けることなく成形する
ことができて歩留りが良好であるばかりか、ベース皮革
としては、床革と呼ばれる安価な革材や、表面の銀面に
傷があって通常は不良品とされる皮革を有効に利用する
ことができるため、全体として製造コストの節減に大い
に寄与することができる。
【0029】また特に請求項2の発明によれば、皮革と
皮膜との間の接着剤層がポリカーボネート系2液ウレタ
ンより構成され、その接着剤層の厚みが30〜70μm
に設定されるので、接着剤使用量の過不足が回避され、
これにより、必要な接着強度を確保しながら、ミリング
加工後において上記皮膜に小じわを一層確実に発現させ
ることができる。
皮膜との間の接着剤層がポリカーボネート系2液ウレタ
ンより構成され、その接着剤層の厚みが30〜70μm
に設定されるので、接着剤使用量の過不足が回避され、
これにより、必要な接着強度を確保しながら、ミリング
加工後において上記皮膜に小じわを一層確実に発現させ
ることができる。
【0030】更に請求項3の発明によれば、前記皮膜に
接着される前の皮革のJIS剛軟度が50〜100に設
定されるので、その剛軟度が皮膜接着に因り多少増え或
いは皮膜接着後のミリング加工に因り多少低くなって
も、製品としての表皮材の剛軟度を本革のそれに極力近
づけることができる。
接着される前の皮革のJIS剛軟度が50〜100に設
定されるので、その剛軟度が皮膜接着に因り多少増え或
いは皮膜接着後のミリング加工に因り多少低くなって
も、製品としての表皮材の剛軟度を本革のそれに極力近
づけることができる。
【図1】本発明方法により製造された自動車の内装材用
表皮材の要部拡大断面図
表皮材の要部拡大断面図
【図2】本発明方法の実施に用いるミリング加工装置の
一実施例を示す斜視図
一実施例を示す斜視図
1・・・・・・・・皮革 1a・・・・・・・皮革の表面 2・・・・・・・・接着剤層 3・・・・・・・・皮膜 3a・・・・・・・皮膜の表面 3b・・・・・・・皮膜の裏面 M・・・・・・・・ミリング加工装置 S・・・・・・・・表皮材
Claims (3)
- 【請求項1】 表面(3a)にしぼ模様を有する、膜厚
が10〜60μmのポリカーボネート系ポリウレタン皮
膜(3)を成形する工程と、このポリカーボネート系ポ
リウレタン皮膜(3)の裏面(3b)に天然皮革(1)
の表面(1a)を接着して表皮材(S)を形成する工程
と、その表皮材(S)にミリング加工を施して、該表皮
材(S)の前記皮膜(3)に小じわを発現させる工程と
を含むことを特徴とする、自動車の内装用表皮材の製造
方法。 - 【請求項2】 前記皮革(1)と皮膜(3)との間の接
着剤層(2)がポリカーボネート系2液ウレタンより構
成され、その接着剤層(2)の厚みが30〜70μmに
設定されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車
の内装用表皮材の製造方法。 - 【請求項3】 前記皮膜(3)に接着される前の前記皮
革(1)のJIS剛軟度が50〜100に設定されるこ
とを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車の内装
用表皮材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6220530A JP3069997B2 (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | 自動車の内装用表皮材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6220530A JP3069997B2 (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | 自動車の内装用表皮材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0881700A true JPH0881700A (ja) | 1996-03-26 |
| JP3069997B2 JP3069997B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=16752448
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6220530A Expired - Fee Related JP3069997B2 (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | 自動車の内装用表皮材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3069997B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10193871A (ja) * | 1997-01-10 | 1998-07-28 | Pilot Ink Co Ltd | 熱変色性積層シート及びその製造方法 |
| JP2017094065A (ja) * | 2015-11-04 | 2017-06-01 | アディダス アーゲー | ミリング加工された革製シューアッパー |
-
1994
- 1994-09-14 JP JP6220530A patent/JP3069997B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10193871A (ja) * | 1997-01-10 | 1998-07-28 | Pilot Ink Co Ltd | 熱変色性積層シート及びその製造方法 |
| JP2017094065A (ja) * | 2015-11-04 | 2017-06-01 | アディダス アーゲー | ミリング加工された革製シューアッパー |
| US10413017B2 (en) | 2015-11-04 | 2019-09-17 | Adidas Ag | Milled leather shoe upper |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3069997B2 (ja) | 2000-07-24 |
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |