JPH0881818A - ポリビニルアルコール系易フィブリル化繊維 - Google Patents
ポリビニルアルコール系易フィブリル化繊維Info
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- JPH0881818A JPH0881818A JP22033594A JP22033594A JPH0881818A JP H0881818 A JPH0881818 A JP H0881818A JP 22033594 A JP22033594 A JP 22033594A JP 22033594 A JP22033594 A JP 22033594A JP H0881818 A JPH0881818 A JP H0881818A
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- polyvinyl alcohol
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 水中叩解処理により、水分散性の良好な、
0.1μ以下の微細な高強度フィブリルを容易に得るこ
とができる易フィブリル化性ポリビニルアルコール繊維
を得る。 【構成】 連続相は高重合度高ケン化度のポリビニルア
ルコールを主体とし、独立相はポリアクリロニトリル系
ポリマーを主体とし、さらに独立相の中にポリビニルア
ルコールを主体とする第3の相より構成される繊維であ
って、3相構造繊維とするため、ポリビニルアルコール
とポリアクリロニトリル系ポリマーに加えて、両ポリマ
ーブレンド時の繊維構造制御のためポリビニルアルコー
ルにアクリロニトリルをグラフト共重合したポリマーを
所定量含有させる。
0.1μ以下の微細な高強度フィブリルを容易に得るこ
とができる易フィブリル化性ポリビニルアルコール繊維
を得る。 【構成】 連続相は高重合度高ケン化度のポリビニルア
ルコールを主体とし、独立相はポリアクリロニトリル系
ポリマーを主体とし、さらに独立相の中にポリビニルア
ルコールを主体とする第3の相より構成される繊維であ
って、3相構造繊維とするため、ポリビニルアルコール
とポリアクリロニトリル系ポリマーに加えて、両ポリマ
ーブレンド時の繊維構造制御のためポリビニルアルコー
ルにアクリロニトリルをグラフト共重合したポリマーを
所定量含有させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な容易にフィブリ
ル化可能なポリビニルアルコール(以下PVAと略す)
系繊維に関するものであり、1.0〜50mmに切断さ
れた後水中で容易にフィブリル化してパルプ状になり、
石綿代替としてセメント製品等の補強繊維として利用さ
れるほか、合繊紙原料として単独または木材パルプと混
抄されて良質な合繊紙を製造しうるPVA系易フィブリ
ル化繊維に関するものである。
ル化可能なポリビニルアルコール(以下PVAと略す)
系繊維に関するものであり、1.0〜50mmに切断さ
れた後水中で容易にフィブリル化してパルプ状になり、
石綿代替としてセメント製品等の補強繊維として利用さ
れるほか、合繊紙原料として単独または木材パルプと混
抄されて良質な合繊紙を製造しうるPVA系易フィブリ
ル化繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の保全や天然資源の保護
のために、木材パルプの大量消費が考え直され、古紙の
再利用や合成パルプの利用が進められて、PVA繊維で
あるビニロンや、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリエチレン等の合繊紙の需要は増大している。
また石綿の肺ガン原因説により石綿の使用制限が厳しく
なって、代替合成繊維であるビニロンやアクリル繊維の
需要も増大している。
のために、木材パルプの大量消費が考え直され、古紙の
再利用や合成パルプの利用が進められて、PVA繊維で
あるビニロンや、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリエチレン等の合繊紙の需要は増大している。
また石綿の肺ガン原因説により石綿の使用制限が厳しく
なって、代替合成繊維であるビニロンやアクリル繊維の
需要も増大している。
【0003】しかし、これらの合成短繊維は天然の木材
パルプや石綿に比べて太すぎるため、紙の地合い(表面
性状)が悪かったり、スレートのグリーン(生)強度が
弱すぎるために、現在では木材パルプを混合するか、ま
たは特殊紙としての用途に限定されており、極細のフィ
ブリル化可能な合成繊維の開発が望まれている。
パルプや石綿に比べて太すぎるため、紙の地合い(表面
性状)が悪かったり、スレートのグリーン(生)強度が
弱すぎるために、現在では木材パルプを混合するか、ま
たは特殊紙としての用途に限定されており、極細のフィ
ブリル化可能な合成繊維の開発が望まれている。
【0004】合繊紙の品質向上のために合成繊維をフィ
ブリル化しようとする試みは古くから検討されており、
その中でも特にポリマーアロイの相分離挙動を利用して
フィブリル化を容易に行わしめる技術はよく知られてい
る。例えば特公昭49−10617号、特公昭50−3
2326号、特公昭51−17608号、特公昭51−
17609号等の各公報には、ポリアクリロニトリル
(以下PANと略す)を連続相とし、PVAにアクリロ
ニトリル(以下ANと略す)をグラフト共重合したもの
を独立相として繊維軸方向に配向させた繊維状物を切断
し、水分散系にて叩解した時、親水性のPVA部分の水
膨潤性により容易にフィブリル化が可能となり、良好な
合繊紙が得られる技術が開示されている。しかし、これ
らの一連の技術は、例えば特公昭51−17609号公
報中(第8頁第23行)に、「かかる一連の操作によっ
て得られる糸条は、PVA部分が島状となって、海成分
のAN系重合体中にスジ状に分散した2相構造繊維糸条
となる。」と明記されているように、AN系重合体を連
続相とする合成繊維の改質技術であり、繊維中に含まれ
るPVAの含有量がある値以上になると得られる繊維の
耐水性が低下したり、単糸間の膠着が生じ、さらに得ら
れた合繊紙の不透明性を損ない、抄紙時にはPVAの溶
出によって水系スラリーが起泡したり、廃水の汚染につ
ながる等の不都合な点が指摘されている。これらの現象
は、延伸、熱処理などの操作で繊維を構成するポリマー
の配向結晶化を進める工程において、連続相を形成する
ポリマーでは配向結晶化した高次構造は発現しやすい
が、独立相を形成するポリマーの配向結晶化は生じ難い
傾向にあり、基本的に水溶性であるPVAの結晶化が進
まずに水に溶出するためと推察される。
ブリル化しようとする試みは古くから検討されており、
その中でも特にポリマーアロイの相分離挙動を利用して
フィブリル化を容易に行わしめる技術はよく知られてい
る。例えば特公昭49−10617号、特公昭50−3
2326号、特公昭51−17608号、特公昭51−
17609号等の各公報には、ポリアクリロニトリル
(以下PANと略す)を連続相とし、PVAにアクリロ
ニトリル(以下ANと略す)をグラフト共重合したもの
を独立相として繊維軸方向に配向させた繊維状物を切断
し、水分散系にて叩解した時、親水性のPVA部分の水
膨潤性により容易にフィブリル化が可能となり、良好な
合繊紙が得られる技術が開示されている。しかし、これ
らの一連の技術は、例えば特公昭51−17609号公
報中(第8頁第23行)に、「かかる一連の操作によっ
て得られる糸条は、PVA部分が島状となって、海成分
のAN系重合体中にスジ状に分散した2相構造繊維糸条
となる。」と明記されているように、AN系重合体を連
続相とする合成繊維の改質技術であり、繊維中に含まれ
るPVAの含有量がある値以上になると得られる繊維の
耐水性が低下したり、単糸間の膠着が生じ、さらに得ら
れた合繊紙の不透明性を損ない、抄紙時にはPVAの溶
出によって水系スラリーが起泡したり、廃水の汚染につ
ながる等の不都合な点が指摘されている。これらの現象
は、延伸、熱処理などの操作で繊維を構成するポリマー
の配向結晶化を進める工程において、連続相を形成する
ポリマーでは配向結晶化した高次構造は発現しやすい
が、独立相を形成するポリマーの配向結晶化は生じ難い
傾向にあり、基本的に水溶性であるPVAの結晶化が進
まずに水に溶出するためと推察される。
【0005】一方、PVAを連続相とする繊維におい
て、より水に膨潤しやすい成分を繊維中に独立相として
分散させておいて、切断された繊維を水中分散させて叩
解し、PVA系ミクロフィブリルを得る方法も古くから
知られている。例えば特公昭47−31376号公報に
おいては、完全ケン化PVAと部分ケン化PVAとを一
定の比率で混合し、通常の水溶液からの湿式紡糸によっ
て繊維化した後切断し、水中分散させて叩解してPVA
系フィブリルを得る方法が開示されている。該発明は二
種類のPVAのケン化度の違いによる水膨潤性の差を利
用したものであるが、実際には多量の部分ケン化PVA
を含有するために繊維からのPVAの溶出が問題とな
り、叩解、抄紙工程での泡立ちのために工業化は出来な
かった。
て、より水に膨潤しやすい成分を繊維中に独立相として
分散させておいて、切断された繊維を水中分散させて叩
解し、PVA系ミクロフィブリルを得る方法も古くから
知られている。例えば特公昭47−31376号公報に
おいては、完全ケン化PVAと部分ケン化PVAとを一
定の比率で混合し、通常の水溶液からの湿式紡糸によっ
て繊維化した後切断し、水中分散させて叩解してPVA
系フィブリルを得る方法が開示されている。該発明は二
種類のPVAのケン化度の違いによる水膨潤性の差を利
用したものであるが、実際には多量の部分ケン化PVA
を含有するために繊維からのPVAの溶出が問題とな
り、叩解、抄紙工程での泡立ちのために工業化は出来な
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】合成繊維の中でもPV
A系繊維は親水基を有していて、天然のパルプである石
綿や木材パルプに近い優れた数々の特性を持ち、容易に
フィブリル化可能なPVA系繊維の出現が強く望まれて
いる。しかし現在ではPVAを連続相とするフィブリル
化繊維への要求は高まってきているが、PVA系易フィ
ブリル化繊維を得るには、上記の一連の発明において、
単に該グラフト共重合体にPVAをブレンドしたりし
て、PANに対するPVAの含有率を増大させて連続相
と独立相を逆転させるのみでは目的とする易フィブリル
化繊維を得ることができない。すなわち、ただ単にPV
Aを連続相とし、PANを独立相とするのみでは、PA
N相が水膨潤性に乏しいためにフィブリル化は容易では
ない。
A系繊維は親水基を有していて、天然のパルプである石
綿や木材パルプに近い優れた数々の特性を持ち、容易に
フィブリル化可能なPVA系繊維の出現が強く望まれて
いる。しかし現在ではPVAを連続相とするフィブリル
化繊維への要求は高まってきているが、PVA系易フィ
ブリル化繊維を得るには、上記の一連の発明において、
単に該グラフト共重合体にPVAをブレンドしたりし
て、PANに対するPVAの含有率を増大させて連続相
と独立相を逆転させるのみでは目的とする易フィブリル
化繊維を得ることができない。すなわち、ただ単にPV
Aを連続相とし、PANを独立相とするのみでは、PA
N相が水膨潤性に乏しいためにフィブリル化は容易では
ない。
【0007】以上のような状況に鑑み、本発明者らはP
VAを連続相とし、水中分散系での叩解によって容易に
フィブリルを形成し、しかも繊維中から水中に溶出する
成分がなくて起泡などの後工程上のトラブルのないPV
A系易フィブリル化繊維を開発すべく鋭意努力した結
果、本発明に至った。
VAを連続相とし、水中分散系での叩解によって容易に
フィブリルを形成し、しかも繊維中から水中に溶出する
成分がなくて起泡などの後工程上のトラブルのないPV
A系易フィブリル化繊維を開発すべく鋭意努力した結
果、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明は、
(A)重合度1200以上、ケン化度90モル%以上の
PVA、(B)ポリアクリロニトリル系重合体および
(C)PVAにアクリロニトリルがグラフト共重合した
グラフト共重合体からなり、全重合体中のグラフト共重
合体(C)の割合が5〜50重量%であり、かつPVA
(A)とグラフト共重合体(C)中のPVA成分の和が
50〜90重量%であることを特徴とする繊維であり、
またグラフト共重合体(C)中のPVA成分が9〜67
重量%であるとより好ましく、さらにPVAを主成分と
する連続相の中にポリアクリロニトリルを主成分とする
独立相が均一に微分散されており、さらにポリアクリロ
ニトリルを主成分とする独立相中にPVAを主成分とす
る第三相が均一に分散されていて、少なくとも三相以上
の構造を形成していることを特徴とするPVA系易フィ
ブリル化繊維である。
(A)重合度1200以上、ケン化度90モル%以上の
PVA、(B)ポリアクリロニトリル系重合体および
(C)PVAにアクリロニトリルがグラフト共重合した
グラフト共重合体からなり、全重合体中のグラフト共重
合体(C)の割合が5〜50重量%であり、かつPVA
(A)とグラフト共重合体(C)中のPVA成分の和が
50〜90重量%であることを特徴とする繊維であり、
またグラフト共重合体(C)中のPVA成分が9〜67
重量%であるとより好ましく、さらにPVAを主成分と
する連続相の中にポリアクリロニトリルを主成分とする
独立相が均一に微分散されており、さらにポリアクリロ
ニトリルを主成分とする独立相中にPVAを主成分とす
る第三相が均一に分散されていて、少なくとも三相以上
の構造を形成していることを特徴とするPVA系易フィ
ブリル化繊維である。
【0009】上記組成からなり、上記構造を有する本発
明繊維は、切断された後水中分散させて叩解操作で容易
にフィブリル化が可能であり、しかも水中への溶出成分
がなくて起泡などのトラブルもなく、良質なパルプ状物
質を得ることができる。かかるパルプ状物質は微細でか
つ高強度であり、合繊紙やスレートなどのセメント製品
の補強繊維としての石綿や木材パルプの良好な代替材料
として有用なものである。
明繊維は、切断された後水中分散させて叩解操作で容易
にフィブリル化が可能であり、しかも水中への溶出成分
がなくて起泡などのトラブルもなく、良質なパルプ状物
質を得ることができる。かかるパルプ状物質は微細でか
つ高強度であり、合繊紙やスレートなどのセメント製品
の補強繊維としての石綿や木材パルプの良好な代替材料
として有用なものである。
【0010】本発明繊維の連続相は、天然パルプのセル
ロースと同じ親水性の水酸基を規則正しく有し、かつ分
子が延伸配向結晶化した際水酸基同志の分子間水素結合
により強固な結晶構造を形成することができる重合度1
200以上、ケン化度90モル%以上のPVA(A)で
なければならない。得られるフィブリルの耐水性、強度
の点で用いるPVAの重合度、ケン化度は高い方が好ま
しく、重合度が1400以上、かつケン化度が98モル
%以上であるとより好ましく、重合度が1600以上、
かつケン化度が99.5モル%以上であるとさらに好ま
しい。
ロースと同じ親水性の水酸基を規則正しく有し、かつ分
子が延伸配向結晶化した際水酸基同志の分子間水素結合
により強固な結晶構造を形成することができる重合度1
200以上、ケン化度90モル%以上のPVA(A)で
なければならない。得られるフィブリルの耐水性、強度
の点で用いるPVAの重合度、ケン化度は高い方が好ま
しく、重合度が1400以上、かつケン化度が98モル
%以上であるとより好ましく、重合度が1600以上、
かつケン化度が99.5モル%以上であるとさらに好ま
しい。
【0011】本発明繊維の連続相に分散される独立相
は、連続相であるPVAの相分離挙動、繊維の耐水性、
強度の点でポリアクリロニトリル(PVAと略記する)
系ポリマー(B)が主成分でなければならない。他のポ
リマーの場合、連続相を形成しているPVAとの相溶性
の関係より、フィブリル化が困難であり、またフィブリ
ル化したとしても得られたフィブリルの耐水性、強度が
不満足である。本発明に用いるPAN系ポリマーは、ア
クリロニトリルの単独重合体とともに、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、な
どのアクリル酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル、アクリル酸、メタクリル酸、スルホン酸変性モノ
マーなどのイオン性モノマーなどが、30モル%以下の
割合で共重合されたPAN系コポリマーも本発明のPA
N系ポリマー(B)として用いることができる。
は、連続相であるPVAの相分離挙動、繊維の耐水性、
強度の点でポリアクリロニトリル(PVAと略記する)
系ポリマー(B)が主成分でなければならない。他のポ
リマーの場合、連続相を形成しているPVAとの相溶性
の関係より、フィブリル化が困難であり、またフィブリ
ル化したとしても得られたフィブリルの耐水性、強度が
不満足である。本発明に用いるPAN系ポリマーは、ア
クリロニトリルの単独重合体とともに、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、な
どのアクリル酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル、アクリル酸、メタクリル酸、スルホン酸変性モノ
マーなどのイオン性モノマーなどが、30モル%以下の
割合で共重合されたPAN系コポリマーも本発明のPA
N系ポリマー(B)として用いることができる。
【0012】本発明繊維において上記連続相のPAN系
ポリマー(A)と独立相のPAN系ポリマー(B)に加
えて、PVAにアクリロニトリルがグラフト共重合した
グラフトコポリマー(C)を含有せしめることが重要な
ポイントである。グラフトポリマー(C)は、上記連続
相や独立相の一部に入り込んで連続相と独立相の相溶性
を向上させるとともに、PAN系ポリマー(B)を主成
分とする独立相の中にPAN系ポリマー(A)とグラフ
トポリマー(C)中のPVAを主成分とする第3の相を
形成する上で極めて重要な役割を果たす。本発明繊維を
水中で叩解する場合、PAN系ポリマー(B)の中に分
散形成されているPVAを主成分とする第3の相が水に
より膨潤し、これが引き金となって、独立相であるPA
N系ポリマー(B)相を膨潤させ、ひいては繊維全体を
分割フィブリル化させる。
ポリマー(A)と独立相のPAN系ポリマー(B)に加
えて、PVAにアクリロニトリルがグラフト共重合した
グラフトコポリマー(C)を含有せしめることが重要な
ポイントである。グラフトポリマー(C)は、上記連続
相や独立相の一部に入り込んで連続相と独立相の相溶性
を向上させるとともに、PAN系ポリマー(B)を主成
分とする独立相の中にPAN系ポリマー(A)とグラフ
トポリマー(C)中のPVAを主成分とする第3の相を
形成する上で極めて重要な役割を果たす。本発明繊維を
水中で叩解する場合、PAN系ポリマー(B)の中に分
散形成されているPVAを主成分とする第3の相が水に
より膨潤し、これが引き金となって、独立相であるPA
N系ポリマー(B)相を膨潤させ、ひいては繊維全体を
分割フィブリル化させる。
【0013】グラフトポリマー(C)がこのような3相
の繊維構造を形成させ、水分散時のフィブリル化の引き
金となるためには、全重合体中の(C)の割合が5〜5
0重量%であり、かつPVA系ポリマー(A)とグラフ
トポリマー(C)中のPVA系成分の和すなわち全重合
体の全PVAが50〜90重量%(すなわち全重合体中
の全PAN系ポリマーが10〜50重量%)でなければ
ならない。(C)が5%未満の場合はPVAとPAN系
ポリマーの相溶性向上効果が小さく、PAN系ポリマー
の独立相の中にPVAを主成分とする第3の相を形成す
ることができない。また(C)が50重量%を越えると
相溶性がよくなって(B)が部分的に連続相(すなわち
(A)が部分的に独立相)になり、繊維構造の制御が困
難となり、本発明の目的とするPVA系易フィブリル化
性繊維を得ることができない。また全重合体中の全PV
Aが50%未満(すなわち全PAN系ポリマーが50%
を越える)であると、(A)が連続相とならず、本発明
の目的とするPVA系易フィブリル化性繊維を得ること
ができない。全重合体中の全PVAが90%を越える
(すなわち全PAN系ポリマーが10%未満である)
と、PAN系ポリマーが少なく、(A)の連続相が強固
となり過ぎて分割フィブリル化ができない。
の繊維構造を形成させ、水分散時のフィブリル化の引き
金となるためには、全重合体中の(C)の割合が5〜5
0重量%であり、かつPVA系ポリマー(A)とグラフ
トポリマー(C)中のPVA系成分の和すなわち全重合
体の全PVAが50〜90重量%(すなわち全重合体中
の全PAN系ポリマーが10〜50重量%)でなければ
ならない。(C)が5%未満の場合はPVAとPAN系
ポリマーの相溶性向上効果が小さく、PAN系ポリマー
の独立相の中にPVAを主成分とする第3の相を形成す
ることができない。また(C)が50重量%を越えると
相溶性がよくなって(B)が部分的に連続相(すなわち
(A)が部分的に独立相)になり、繊維構造の制御が困
難となり、本発明の目的とするPVA系易フィブリル化
性繊維を得ることができない。また全重合体中の全PV
Aが50%未満(すなわち全PAN系ポリマーが50%
を越える)であると、(A)が連続相とならず、本発明
の目的とするPVA系易フィブリル化性繊維を得ること
ができない。全重合体中の全PVAが90%を越える
(すなわち全PAN系ポリマーが10%未満である)
と、PAN系ポリマーが少なく、(A)の連続相が強固
となり過ぎて分割フィブリル化ができない。
【0014】なお、グラフトポリマー(C)におけるP
VAの含有量が9重量%より少ないと、独立相の水膨潤
性が低下し、本発明が目的とする易フィブリル化性が低
下する傾向を示し、67重量%より多いと、独立相形成
能や独立相の分散性がわるくなり、目的とする易フィブ
リル化性が低下する傾向を示すので、(C)におけるP
VAの含有量が9〜67重量%であると、本発明繊維の
易フィブリル化性を確保し易いので好ましい。(C)に
おけるPVA含量が18〜45重量%であるとさらに好
ましい。
VAの含有量が9重量%より少ないと、独立相の水膨潤
性が低下し、本発明が目的とする易フィブリル化性が低
下する傾向を示し、67重量%より多いと、独立相形成
能や独立相の分散性がわるくなり、目的とする易フィブ
リル化性が低下する傾向を示すので、(C)におけるP
VAの含有量が9〜67重量%であると、本発明繊維の
易フィブリル化性を確保し易いので好ましい。(C)に
おけるPVA含量が18〜45重量%であるとさらに好
ましい。
【0015】次に、本発明によるかかるPVA系易フィ
ブリル化繊維は以下の方法で製造可能である。すなわ
ち、(A)重合度1200以上、ケン化度90モル%以
上のPVA系重合体、(B)PAN系重合体および
(C)PVAにアクリロニトリルがグラフト共重合した
グラフト共重合体からなり、全重合体中のグラフト共重
合体(C)の割合が5〜50重量%であり、かつPVA
(A)とグラフ共重合体(C)中のPVA成分の和が5
0〜90重量%であるブレンド物をジメチルスルホキサ
イド(以下DMSOと略す)などの共通溶媒に均一に溶
解した後、湿式法または乾湿式法にて紡糸し、凝固、乾
燥させ、目的に応じて乾燥前後で延伸して、PVAを主
成分とする連続相中のポリマーを高度に配向結晶化させ
ると共に、該連続相の中に微分散したPANを主成分と
する独立相および該独立相中に均一分散したPVAを主
成分とする第三相の繊維軸方向に高度に配向させること
により本発明のPVA系易フィブリル化繊維を製造する
ことができる。
ブリル化繊維は以下の方法で製造可能である。すなわ
ち、(A)重合度1200以上、ケン化度90モル%以
上のPVA系重合体、(B)PAN系重合体および
(C)PVAにアクリロニトリルがグラフト共重合した
グラフト共重合体からなり、全重合体中のグラフト共重
合体(C)の割合が5〜50重量%であり、かつPVA
(A)とグラフ共重合体(C)中のPVA成分の和が5
0〜90重量%であるブレンド物をジメチルスルホキサ
イド(以下DMSOと略す)などの共通溶媒に均一に溶
解した後、湿式法または乾湿式法にて紡糸し、凝固、乾
燥させ、目的に応じて乾燥前後で延伸して、PVAを主
成分とする連続相中のポリマーを高度に配向結晶化させ
ると共に、該連続相の中に微分散したPANを主成分と
する独立相および該独立相中に均一分散したPVAを主
成分とする第三相の繊維軸方向に高度に配向させること
により本発明のPVA系易フィブリル化繊維を製造する
ことができる。
【0016】以下本発明繊維の製造法をさらに詳細に述
べる。先ず本発明によるPVA系易フィブリル化繊維の
フィブリル化の核となる独立相の主要成分であるPVA
とアクリロニトリル(ANと略す)のグラフト共重合体
の製造方法について述べる。なお該グラフト共重合体の
製法に関しては特公昭48−38790号公報、特公昭
49−5621号公報、特公昭49−11471号公
報、特公昭51−583号公報などに記載されている。
該グラフト共重合体に用いるPVAはフィブリル化の際
の核となる水膨潤性やグラフト反応性、繊維にした時の
耐水性などの点から、重合度500以上、ケン化度80
モル%以上が望ましく、連続相となるPVAと同一のも
のを使用してもよいが、本発明のPVAを連続相となる
繊維においては、できれば連続相に使用するPVAより
も重合度、ケン化度共に若干小さめのものを使用するこ
とが望ましい。しかし重合度500以下またはケン化度
80モル%以下のPVAを使用した場合には、ANをグ
ラフト重合した際に、たとえばANモノマーの反応率を
50%とした場合には約25%のPVAが未反応のホモ
ポリマーとして残るために、紡糸時に膠着を引き起こし
たり、フィブリル化時に泡を発生させる等の不都合を生
じさせる懸念がある。
べる。先ず本発明によるPVA系易フィブリル化繊維の
フィブリル化の核となる独立相の主要成分であるPVA
とアクリロニトリル(ANと略す)のグラフト共重合体
の製造方法について述べる。なお該グラフト共重合体の
製法に関しては特公昭48−38790号公報、特公昭
49−5621号公報、特公昭49−11471号公
報、特公昭51−583号公報などに記載されている。
該グラフト共重合体に用いるPVAはフィブリル化の際
の核となる水膨潤性やグラフト反応性、繊維にした時の
耐水性などの点から、重合度500以上、ケン化度80
モル%以上が望ましく、連続相となるPVAと同一のも
のを使用してもよいが、本発明のPVAを連続相となる
繊維においては、できれば連続相に使用するPVAより
も重合度、ケン化度共に若干小さめのものを使用するこ
とが望ましい。しかし重合度500以下またはケン化度
80モル%以下のPVAを使用した場合には、ANをグ
ラフト重合した際に、たとえばANモノマーの反応率を
50%とした場合には約25%のPVAが未反応のホモ
ポリマーとして残るために、紡糸時に膠着を引き起こし
たり、フィブリル化時に泡を発生させる等の不都合を生
じさせる懸念がある。
【0017】該グラフト共重合体中のPVAの含有量は
9〜67重量%が好ましいが、この組成範囲とするため
には、ANモノマーの反応率やPANホモポリマーの生
成を考慮した上で、初期重量仕込み比でANモノマーを
PVAに対して0.5〜10.0倍量にすることが好ま
しい。PVAを連続相とする本発明においては得られた
グラフト共重合体組成はPAN成分が多い方が好まし
く、ANモノマーの反応率やANホモポリマーの生成を
考慮した更に好ましい初期重量仕込み比はANモノマー
をPVAに対して1.5〜5倍量とする
9〜67重量%が好ましいが、この組成範囲とするため
には、ANモノマーの反応率やPANホモポリマーの生
成を考慮した上で、初期重量仕込み比でANモノマーを
PVAに対して0.5〜10.0倍量にすることが好ま
しい。PVAを連続相とする本発明においては得られた
グラフト共重合体組成はPAN成分が多い方が好まし
く、ANモノマーの反応率やANホモポリマーの生成を
考慮した更に好ましい初期重量仕込み比はANモノマー
をPVAに対して1.5〜5倍量とする
【0018】また該グラフト共重合体の製造において、
ANモノマーの一部を他のビニル系モノマーすなわち酢
酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチルなどに代替することも可能であり、一般にAN以
外のモノマーは全モノマー量に対して25重量%以内に
止めることが望ましい。該グラフト共重合体は溶液重合
法で得られ、この際用いられる溶剤としてはDMSO、
ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)、ジメチル
アセトアミド、ハロゲン化亜鉛水溶液、ロダン酸カリウ
ム水溶液等が挙げられるが、得られたグラフト共重合体
の溶液安定性および紡糸工程での取扱い性の点で、DM
SOが最も好ましく、かかる良溶媒で均一に溶解された
紡糸原液から得られた繊維は高次構造の形成が容易であ
り、易フィブリル化性、耐水性、強度等の点で優れた繊
維が得易い。
ANモノマーの一部を他のビニル系モノマーすなわち酢
酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチルなどに代替することも可能であり、一般にAN以
外のモノマーは全モノマー量に対して25重量%以内に
止めることが望ましい。該グラフト共重合体は溶液重合
法で得られ、この際用いられる溶剤としてはDMSO、
ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)、ジメチル
アセトアミド、ハロゲン化亜鉛水溶液、ロダン酸カリウ
ム水溶液等が挙げられるが、得られたグラフト共重合体
の溶液安定性および紡糸工程での取扱い性の点で、DM
SOが最も好ましく、かかる良溶媒で均一に溶解された
紡糸原液から得られた繊維は高次構造の形成が容易であ
り、易フィブリル化性、耐水性、強度等の点で優れた繊
維が得易い。
【0019】次に該グラフト共重合体の具体的な製造方
法について示す。まずPVAを前述の溶剤に1〜10重
量%の範囲で5〜80℃において加熱溶解し、均一溶液
になったところで45〜60℃に保って所定量のANな
どのモノマーを撹拌しながら徐々に加え、さらに所定量
の連鎖移動剤を添加する。次にグラフト重合の進行状況
を見ながら所定量の重合触媒を少しずつ添加して所定時
間撹拌を継続して重合を進め、最終的には連鎖移動剤を
過剰に加えて重合を停止する。
法について示す。まずPVAを前述の溶剤に1〜10重
量%の範囲で5〜80℃において加熱溶解し、均一溶液
になったところで45〜60℃に保って所定量のANな
どのモノマーを撹拌しながら徐々に加え、さらに所定量
の連鎖移動剤を添加する。次にグラフト重合の進行状況
を見ながら所定量の重合触媒を少しずつ添加して所定時
間撹拌を継続して重合を進め、最終的には連鎖移動剤を
過剰に加えて重合を停止する。
【0020】該グラフト重合反応に用いる触媒として
は、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム
(KPS)、アゾビスバレロニトリル、アゾビスイソブ
チニトリル、過硫化ベンゾイル等を用いることができる
が、APSまたはKPSが好適である。触媒の添加量は
モノマーに対して0.01〜3.0重量%が好ましい。
また該グラフト重合反応に用いる連鎖移動剤としては、
ドデシルメルカプタン(DM)、チオグリコール酸、ス
テアリルメルカプタン等を用いることができるが、DM
が好適であり、使用量はANモノマーに対して0.5〜
5.0重量%が好ましい。
は、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム
(KPS)、アゾビスバレロニトリル、アゾビスイソブ
チニトリル、過硫化ベンゾイル等を用いることができる
が、APSまたはKPSが好適である。触媒の添加量は
モノマーに対して0.01〜3.0重量%が好ましい。
また該グラフト重合反応に用いる連鎖移動剤としては、
ドデシルメルカプタン(DM)、チオグリコール酸、ス
テアリルメルカプタン等を用いることができるが、DM
が好適であり、使用量はANモノマーに対して0.5〜
5.0重量%が好ましい。
【0021】重合時間は重合温度や触媒、連鎖移動剤、
ANモノマーの量によっても異なるが、一般には1〜2
0時間であり、特に反応系のゲル化を防ぐにはANモノ
マーの転化率の制御が重要である。即ち、経済的にはA
Nモノマーの転化率は100%まで追い込むのが理想的
であるが、ゲル化を防止するには転化率が30〜80%
の段階で重合を停止させることが好ましい。重合が完了
した該グラフト共重合体の溶液は別途用意されたPVA
の溶液及び必要に応じて別途溶解したPAN系ポリマー
の溶液と混合されて紡糸原液に供されるが、グラフト共
重合体が含有されるため混合紡糸原液は極めて安定であ
り、40〜80℃で1〜2日放置しても安定で相分離し
ない。
ANモノマーの量によっても異なるが、一般には1〜2
0時間であり、特に反応系のゲル化を防ぐにはANモノ
マーの転化率の制御が重要である。即ち、経済的にはA
Nモノマーの転化率は100%まで追い込むのが理想的
であるが、ゲル化を防止するには転化率が30〜80%
の段階で重合を停止させることが好ましい。重合が完了
した該グラフト共重合体の溶液は別途用意されたPVA
の溶液及び必要に応じて別途溶解したPAN系ポリマー
の溶液と混合されて紡糸原液に供されるが、グラフト共
重合体が含有されるため混合紡糸原液は極めて安定であ
り、40〜80℃で1〜2日放置しても安定で相分離し
ない。
【0022】得られたグラフト共重合体溶液中には未反
応のANモノマー以外に未反応のホモPVAやグラフト
し得なかったホモのPANを含有する。これらの含有率
は反応原液よりポリマー分をメタノールで再沈させた
後、アセトン、DMF、熱水で別々にソクスレー抽出す
ることによって定量化することができる。即ち、アセト
ンでは未反応ANモノマーのみを除去でき、DMFでは
ANモノマーとホモPANを、熱水ではANモノマーと
未反応ホモPVAを抽出できるので、これらからグラフ
ト共重合体の収量を算出することができる。反応原液中
に含有される未反応ANモノマーは、そのまま紡糸原液
中に含有されたまま湿式または乾湿式紡糸された場合、
凝固浴に放出されて回収することは可能である。しかし
その有毒性より、出来れば紡糸前の反応原液を加熱減圧
して追い出すほうが望ましい。以上述べてきた該グラフ
ト共重合体は本発明によるPVA系易フィブリル化繊維
の構成上必須成分であり、ただ単にPVAとPANをブ
レンドしただけの系では紡糸原液の安定性が悪くて相分
離が生じ易く、従って紡糸調子も悪くて断糸しやすく、
さらに繊維断面写真観察の結果、独立相の分布は不均一
であり、延伸過程でも毛羽が生じて工程通過性は極めて
悪くなる。
応のANモノマー以外に未反応のホモPVAやグラフト
し得なかったホモのPANを含有する。これらの含有率
は反応原液よりポリマー分をメタノールで再沈させた
後、アセトン、DMF、熱水で別々にソクスレー抽出す
ることによって定量化することができる。即ち、アセト
ンでは未反応ANモノマーのみを除去でき、DMFでは
ANモノマーとホモPANを、熱水ではANモノマーと
未反応ホモPVAを抽出できるので、これらからグラフ
ト共重合体の収量を算出することができる。反応原液中
に含有される未反応ANモノマーは、そのまま紡糸原液
中に含有されたまま湿式または乾湿式紡糸された場合、
凝固浴に放出されて回収することは可能である。しかし
その有毒性より、出来れば紡糸前の反応原液を加熱減圧
して追い出すほうが望ましい。以上述べてきた該グラフ
ト共重合体は本発明によるPVA系易フィブリル化繊維
の構成上必須成分であり、ただ単にPVAとPANをブ
レンドしただけの系では紡糸原液の安定性が悪くて相分
離が生じ易く、従って紡糸調子も悪くて断糸しやすく、
さらに繊維断面写真観察の結果、独立相の分布は不均一
であり、延伸過程でも毛羽が生じて工程通過性は極めて
悪くなる。
【0023】本発明による易フィブリル化繊維の連続相
を形成するPVAは重合度1200以上、ケン化度90
モル%以上、好ましくは98モル%以上であり、得られ
た繊維およびフィブリルの力学的性質、耐水性および該
グラフト共重合体との相分離挙動の点からは、出来る限
り高重合度で高ケン化度のものが好ましく、重合度15
00以上、ケン化度99.5モル%以上であるとさらに
好ましい。
を形成するPVAは重合度1200以上、ケン化度90
モル%以上、好ましくは98モル%以上であり、得られ
た繊維およびフィブリルの力学的性質、耐水性および該
グラフト共重合体との相分離挙動の点からは、出来る限
り高重合度で高ケン化度のものが好ましく、重合度15
00以上、ケン化度99.5モル%以上であるとさらに
好ましい。
【0024】本発明において該グラフト反応の状況、即
ちANモノマーの反応率の如何によって、独立相を形成
すべきPAN成分が不足する場合には、別途用意された
ポリアクリロニトリル(共)重合体を追加添加して全P
AN成分が10〜50重量%になるように調整する。
ちANモノマーの反応率の如何によって、独立相を形成
すべきPAN成分が不足する場合には、別途用意された
ポリアクリロニトリル(共)重合体を追加添加して全P
AN成分が10〜50重量%になるように調整する。
【0025】該PVAおよび必要に応じて添加されるポ
リアクリロニトリル(共)重合体は該グラフト共重合体
溶液の溶媒と同一の溶媒で加熱溶解され、該グラフト共
重合体溶液に混合されて紡糸原液となるところに特徴が
ある。溶解濃度はPVAの重合度やケン化度によって異
なるが、3〜30重量%が好ましく、混合された紡糸原
液の粘度によって支配される。すなわち、一般に高重合
度PVAが用いられる場合には低濃度とすべきであり、
低重合度PVAの場合には高濃度とすべきであって、紡
糸原液粘度が紡糸される温度において数十〜数百ポイズ
に調整されるべきである。
リアクリロニトリル(共)重合体は該グラフト共重合体
溶液の溶媒と同一の溶媒で加熱溶解され、該グラフト共
重合体溶液に混合されて紡糸原液となるところに特徴が
ある。溶解濃度はPVAの重合度やケン化度によって異
なるが、3〜30重量%が好ましく、混合された紡糸原
液の粘度によって支配される。すなわち、一般に高重合
度PVAが用いられる場合には低濃度とすべきであり、
低重合度PVAの場合には高濃度とすべきであって、紡
糸原液粘度が紡糸される温度において数十〜数百ポイズ
に調整されるべきである。
【0026】本発明によるPVA系易フィブリル化繊維
の紡糸は凝固過程を経る湿式法または乾湿式法によって
実施されるべきで、凝固条件の制御によってはじめてフ
ィブリル化を容易にする好ましい相分離構造が発現され
る。紡糸口金と凝固浴との間に0.1〜数cmのエアギ
ャップを設けた乾湿式法は、特に紡糸原液と凝固浴の温
度差が大きい場合には有効であるが、原液濃度が低くて
低粘度の原液を紡糸する場合には不利である。一方紡糸
口金が凝固浴と接触している湿式法は、紡糸原液と凝固
浴の温度差が大きい場合には、口金からの吐出時に原液
が凝固浴の温度の影響を受けやすく、粘度斑すなわち吐
出斑を生じ易く、工夫を要するが、低粘度原液が紡糸可
能であり、また口金の孔数が多くても膠着なしに紡糸可
能であるなどの利点を有している。かかる湿式法か乾湿
式法かの選択は原液の状態や紡糸条件によって判断され
るべきで、本発明のPVA系易フィブリル化繊維の相分
離構造や生産性にも影響を与える。
の紡糸は凝固過程を経る湿式法または乾湿式法によって
実施されるべきで、凝固条件の制御によってはじめてフ
ィブリル化を容易にする好ましい相分離構造が発現され
る。紡糸口金と凝固浴との間に0.1〜数cmのエアギ
ャップを設けた乾湿式法は、特に紡糸原液と凝固浴の温
度差が大きい場合には有効であるが、原液濃度が低くて
低粘度の原液を紡糸する場合には不利である。一方紡糸
口金が凝固浴と接触している湿式法は、紡糸原液と凝固
浴の温度差が大きい場合には、口金からの吐出時に原液
が凝固浴の温度の影響を受けやすく、粘度斑すなわち吐
出斑を生じ易く、工夫を要するが、低粘度原液が紡糸可
能であり、また口金の孔数が多くても膠着なしに紡糸可
能であるなどの利点を有している。かかる湿式法か乾湿
式法かの選択は原液の状態や紡糸条件によって判断され
るべきで、本発明のPVA系易フィブリル化繊維の相分
離構造や生産性にも影響を与える。
【0027】原液が吐出される口金は通常のPVAの紡
糸の際に用いられているものと同様の寸法のものを使用
することができる。繊維構造および相分離構造の発現の
ためには凝固浴の選択は特に重要であり、ボウ硝水溶
液、カ性ソーダ水溶液、ボウ硝とカ性ソーダの混合水溶
液などを用いることができるが、本発明においては特に
ボウ硝水溶液が好適である。さらに繊維構造および相分
離構造の発現の上からは、凝固浴温度やドラフト比の選
択も重要であり、特に高強度高弾性率のPVA繊維を得
ようとする場合には、吐出速度に対する凝固浴上がりの
巻取速度の比であるドラフト比を1.0以下の逆ドラフ
ト側に持っていき、凝固時に高分子鎖を十分収縮させ
て、しかる後に延伸によって高分子鎖を繊維軸に沿って
出来る限り配向させることが重要である。
糸の際に用いられているものと同様の寸法のものを使用
することができる。繊維構造および相分離構造の発現の
ためには凝固浴の選択は特に重要であり、ボウ硝水溶
液、カ性ソーダ水溶液、ボウ硝とカ性ソーダの混合水溶
液などを用いることができるが、本発明においては特に
ボウ硝水溶液が好適である。さらに繊維構造および相分
離構造の発現の上からは、凝固浴温度やドラフト比の選
択も重要であり、特に高強度高弾性率のPVA繊維を得
ようとする場合には、吐出速度に対する凝固浴上がりの
巻取速度の比であるドラフト比を1.0以下の逆ドラフ
ト側に持っていき、凝固時に高分子鎖を十分収縮させ
て、しかる後に延伸によって高分子鎖を繊維軸に沿って
出来る限り配向させることが重要である。
【0028】かかる方法にて固化された糸条体に高強度
高弾性率を付与するための繊維構造や易フィブリル化の
ための相分離構造を発現せしめるためには高分子鎖や独
立相を繊維軸方向に配向させる必要があり、適当な洗
浄、乾燥、延伸、熱固定工程を経る必要がある。まず延
伸工程で障害となる無機塩や溶媒を除去する目的で、膨
潤剤でもある水で十分洗浄して溶剤を置換した後、さら
に残存溶媒や膨潤剤を除去するために加熱乾燥される。
乾燥工程で熱や時間をかけすぎるとPVAやPANの結
晶化が進み、後の延伸工程に悪影響を与えるので効率的
乾燥が重要である。延伸は乾燥前の膨潤状態で液体浴中
で行われる湿延伸と乾燥後の熱風または熱板による乾熱
延伸とに大別されるが、両者を組み合わせることも有効
であり、通常全体で3〜20倍に引き伸ばされることが
望ましい。易フィブリル化を強調したい場合には湿延伸
を主にして乾熱延伸を控え目にしたほうが良く、一方高
強度高弾性率および耐熱水性を希望する場合には乾熱延
伸を主とすることが好ましい。最後に結晶化を完遂さ
せ、寸法安定性などを発現させる目的で、乾熱延伸温度
よりも若干高い温度で熱固定が行われるが、易フィブリ
ル化のために熱固定条件は出来る限り温和なほうが良
い。
高弾性率を付与するための繊維構造や易フィブリル化の
ための相分離構造を発現せしめるためには高分子鎖や独
立相を繊維軸方向に配向させる必要があり、適当な洗
浄、乾燥、延伸、熱固定工程を経る必要がある。まず延
伸工程で障害となる無機塩や溶媒を除去する目的で、膨
潤剤でもある水で十分洗浄して溶剤を置換した後、さら
に残存溶媒や膨潤剤を除去するために加熱乾燥される。
乾燥工程で熱や時間をかけすぎるとPVAやPANの結
晶化が進み、後の延伸工程に悪影響を与えるので効率的
乾燥が重要である。延伸は乾燥前の膨潤状態で液体浴中
で行われる湿延伸と乾燥後の熱風または熱板による乾熱
延伸とに大別されるが、両者を組み合わせることも有効
であり、通常全体で3〜20倍に引き伸ばされることが
望ましい。易フィブリル化を強調したい場合には湿延伸
を主にして乾熱延伸を控え目にしたほうが良く、一方高
強度高弾性率および耐熱水性を希望する場合には乾熱延
伸を主とすることが好ましい。最後に結晶化を完遂さ
せ、寸法安定性などを発現させる目的で、乾熱延伸温度
よりも若干高い温度で熱固定が行われるが、易フィブリ
ル化のために熱固定条件は出来る限り温和なほうが良
い。
【0029】本発明によるPVA系繊維は、さらに1.
0〜50mmのカット長に切断されたのち、水中に分散
され、十分に膨潤させた後ミキサー、リファイナー、ビ
ーターなどの装置によって叩解すると、容易に繊維軸方
向に沿って微細に分散され、フィブリル化する。さらに
フィブリル間の毛羽が少ないことから、フィブリルが毛
玉状に絡まることもなくきれいに分散する。このことが
本発明易フィブリル化繊維の大きな特長である。さらに
その親水性の故にパルプ状にきれいに分散して、合繊紙
などの各種材料の原料繊維やセメント製品などの補強繊
維として優れた性能を発揮する点である。本発明による
PVA系易フィブリル化繊維はヤーンまたはトウとして
連続的にエンドレスに生産可能であり、通常の合成繊維
用のカッターで各種のカット長に切断可能であるが、こ
の時点で分割、フィブリル化が生じないことが工程通過
性上重要である。
0〜50mmのカット長に切断されたのち、水中に分散
され、十分に膨潤させた後ミキサー、リファイナー、ビ
ーターなどの装置によって叩解すると、容易に繊維軸方
向に沿って微細に分散され、フィブリル化する。さらに
フィブリル間の毛羽が少ないことから、フィブリルが毛
玉状に絡まることもなくきれいに分散する。このことが
本発明易フィブリル化繊維の大きな特長である。さらに
その親水性の故にパルプ状にきれいに分散して、合繊紙
などの各種材料の原料繊維やセメント製品などの補強繊
維として優れた性能を発揮する点である。本発明による
PVA系易フィブリル化繊維はヤーンまたはトウとして
連続的にエンドレスに生産可能であり、通常の合成繊維
用のカッターで各種のカット長に切断可能であるが、こ
の時点で分割、フィブリル化が生じないことが工程通過
性上重要である。
【0030】本発明の易フィブリル化繊維の合成パルプ
としての優れた性質は、本発明によるPVA系易フィブ
リル化繊維の内部に形成された複雑な三相構造によって
初めて発現されるものである。すなわち凝固工程での相
分離によって形成され、延伸工程で繊維軸に沿って引き
伸ばされたPANを主成分とする独立相中に点在するP
VAを主成分とする第三相も繊維軸に沿って層状または
棒状に内在しているものと考えられ、かつ第三相のPV
Aを主成分とする相は連続相を形成するPVA相に比べ
て配向結晶化の程度ははるかに低く、最も水膨潤性に富
み、かつグラフト共重合体成分の存在によって水溶解に
は至らないものと考えられる。かくしてこの第三相の存
在によってはじめて水膨潤時にフィブリル化が容易にな
るものと考えられる。
としての優れた性質は、本発明によるPVA系易フィブ
リル化繊維の内部に形成された複雑な三相構造によって
初めて発現されるものである。すなわち凝固工程での相
分離によって形成され、延伸工程で繊維軸に沿って引き
伸ばされたPANを主成分とする独立相中に点在するP
VAを主成分とする第三相も繊維軸に沿って層状または
棒状に内在しているものと考えられ、かつ第三相のPV
Aを主成分とする相は連続相を形成するPVA相に比べ
て配向結晶化の程度ははるかに低く、最も水膨潤性に富
み、かつグラフト共重合体成分の存在によって水溶解に
は至らないものと考えられる。かくしてこの第三相の存
在によってはじめて水膨潤時にフィブリル化が容易にな
るものと考えられる。
【0031】このように微細にフィブリル化されたパル
プ状物は水分散の状態で沈降固結することもなく放置す
ることができ、単独またはセルロース系の天然パルプと
混合してタッピー、丸網、長網などの各種抄造機で抄紙
することが可能であり、バインダーを用いなくても紙力
強度に優れ、地合い(表面平滑性)も良好であり、本発
明によるPVA系繊維単独ではあたかも紙幣のような高
級和紙に似た合繊紙を製造することができる。また強度
的に優れた微細パルプの特徴を生かして各種機能紙のバ
インダー繊維としても適しており、特にカオリン、タル
ク、ゼオライトなどの多量の無機粒子を含有する機能紙
の製造においては、本発明によるPVA系繊維からのフ
ィブリルは無機粒子の保持性に優れているために抄紙直
後のグリーン強度が上がって生産性が向上する点が注目
される。
プ状物は水分散の状態で沈降固結することもなく放置す
ることができ、単独またはセルロース系の天然パルプと
混合してタッピー、丸網、長網などの各種抄造機で抄紙
することが可能であり、バインダーを用いなくても紙力
強度に優れ、地合い(表面平滑性)も良好であり、本発
明によるPVA系繊維単独ではあたかも紙幣のような高
級和紙に似た合繊紙を製造することができる。また強度
的に優れた微細パルプの特徴を生かして各種機能紙のバ
インダー繊維としても適しており、特にカオリン、タル
ク、ゼオライトなどの多量の無機粒子を含有する機能紙
の製造においては、本発明によるPVA系繊維からのフ
ィブリルは無機粒子の保持性に優れているために抄紙直
後のグリーン強度が上がって生産性が向上する点が注目
される。
【0032】さらにこの無機粒子の保持力はスレート製
品製造の際の石綿代替繊維の活用の点でも重要で、従来
の代替繊維であるビニロンやアクリル繊維では石綿に比
べて太すぎるため抄造時にセメント粒子の抜けが生じ、
これを補うためにセルロース系天然パルプを併用する必
要があった。本発明によるPVA系易フィブリル化繊維
から得られた合成パルプは微細化されているためにかか
る天然パルプの混合を必要とせず、有機系繊維を少量添
加するだけで補強効果に優れるためにセメント製品の耐
火性能上有利となる。その他本発明によるPVA系易フ
ィブリル化繊維から得られた合成パルプによって、従来
の有機系合成繊維では太くて無機粒子の保持性に欠けて
いるために石綿代替が難しかったブレーキシュウやクラ
ッチ板の分野でも代替可能となった。
品製造の際の石綿代替繊維の活用の点でも重要で、従来
の代替繊維であるビニロンやアクリル繊維では石綿に比
べて太すぎるため抄造時にセメント粒子の抜けが生じ、
これを補うためにセルロース系天然パルプを併用する必
要があった。本発明によるPVA系易フィブリル化繊維
から得られた合成パルプは微細化されているためにかか
る天然パルプの混合を必要とせず、有機系繊維を少量添
加するだけで補強効果に優れるためにセメント製品の耐
火性能上有利となる。その他本発明によるPVA系易フ
ィブリル化繊維から得られた合成パルプによって、従来
の有機系合成繊維では太くて無機粒子の保持性に欠けて
いるために石綿代替が難しかったブレーキシュウやクラ
ッチ板の分野でも代替可能となった。
【0033】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は実施例によって何等限定されるものではな
い。 実施例1 <グラフト共重合体の合成>;重合度1250、ケン化
度99.0モル%の市販PVA7.50重量部を25
9.4重量部のDMSOに60℃にて溶解し、窒素ガス
で置換した後重合禁止剤を除去した特級試薬のANモノ
マー22.50重量部(PVA/AN=1/3重量
比)、重合度調節剤としての所定量のドデシルメルカプ
タン(DM)および重合開始剤である過硫酸アンモニウ
ム(APS)をDMSO10重量部に分散したうえで
0.31重量部添加し、セパラブルフラスコ中で撹拌し
ながら55℃で60分間グラフト共重合した。最後に重
合停止剤としてのDMを添加して温度を下げ、反応を停
止させた。DMの全添加量は0.3重量部であった。得
られたグラフト共重合体溶液をアセトン中に落として凝
固させ、真空乾燥後アセトン、DMF、水で別々にソク
スレー抽出し、その重量減少量からANモノマーの反応
率、PVAのグラフト効率およびANのグラフト効率を
求めた。その結果ANモノマーの反応率は50%、PV
AおよびANのグラフト効率は75%であった。従っ
て、グラフトポリマー中のPVA含量は40%であっ
た。
が、本発明は実施例によって何等限定されるものではな
い。 実施例1 <グラフト共重合体の合成>;重合度1250、ケン化
度99.0モル%の市販PVA7.50重量部を25
9.4重量部のDMSOに60℃にて溶解し、窒素ガス
で置換した後重合禁止剤を除去した特級試薬のANモノ
マー22.50重量部(PVA/AN=1/3重量
比)、重合度調節剤としての所定量のドデシルメルカプ
タン(DM)および重合開始剤である過硫酸アンモニウ
ム(APS)をDMSO10重量部に分散したうえで
0.31重量部添加し、セパラブルフラスコ中で撹拌し
ながら55℃で60分間グラフト共重合した。最後に重
合停止剤としてのDMを添加して温度を下げ、反応を停
止させた。DMの全添加量は0.3重量部であった。得
られたグラフト共重合体溶液をアセトン中に落として凝
固させ、真空乾燥後アセトン、DMF、水で別々にソク
スレー抽出し、その重量減少量からANモノマーの反応
率、PVAのグラフト効率およびANのグラフト効率を
求めた。その結果ANモノマーの反応率は50%、PV
AおよびANのグラフト効率は75%であった。従っ
て、グラフトポリマー中のPVA含量は40%であっ
た。
【0034】<紡糸原液の調整>;混合紡糸による連続
相を形成する重合度1750、ケン化度99.9モル%
の市販PVA37.5重量部を153.1重量部のDM
SOに溶解した溶液を予め用意し、グラフト共重合直後
の前記溶液を混合して、全ポリマー中のPVA成分とP
AN成分の重量組成比がPVA/PAN=80/20で
あり、濃度が12重量%の紡糸原液を調整した。なお、
全ポリマー中のグラフト共重合体の割合は25重量%で
ある。溶液の温度を下げるとゲル化するので、60〜7
0℃に保ったまま紡糸直前に静置脱泡した。 <紡糸・延伸>;原液を100℃に上げ、直径0.08
mm×100穴の口金より、2.4g/分の吐出速度で
比重1.23、温度33℃のボウ硝水溶液からなる凝固
浴中に吐出し、紡糸速度1.1m/分で湿式紡糸した。
紡糸調子は良好で、連続して長時間糸が取れた。得られ
たヤーンは引き続き凝固浴と同一組成の90℃の延伸浴
中で4倍湿延伸を行い、水洗し、乾燥した。なお最大延
伸倍率は9倍と高かった。得られた繊維の太さは単糸3
デニールであり、強度は約5g/d、伸度は18であっ
た。
相を形成する重合度1750、ケン化度99.9モル%
の市販PVA37.5重量部を153.1重量部のDM
SOに溶解した溶液を予め用意し、グラフト共重合直後
の前記溶液を混合して、全ポリマー中のPVA成分とP
AN成分の重量組成比がPVA/PAN=80/20で
あり、濃度が12重量%の紡糸原液を調整した。なお、
全ポリマー中のグラフト共重合体の割合は25重量%で
ある。溶液の温度を下げるとゲル化するので、60〜7
0℃に保ったまま紡糸直前に静置脱泡した。 <紡糸・延伸>;原液を100℃に上げ、直径0.08
mm×100穴の口金より、2.4g/分の吐出速度で
比重1.23、温度33℃のボウ硝水溶液からなる凝固
浴中に吐出し、紡糸速度1.1m/分で湿式紡糸した。
紡糸調子は良好で、連続して長時間糸が取れた。得られ
たヤーンは引き続き凝固浴と同一組成の90℃の延伸浴
中で4倍湿延伸を行い、水洗し、乾燥した。なお最大延
伸倍率は9倍と高かった。得られた繊維の太さは単糸3
デニールであり、強度は約5g/d、伸度は18であっ
た。
【0035】図1は得られた繊維の横断面の透過電子顕
微鏡写真(6万倍)を忠実に模写した図である。得られ
た繊維をアセタール化処理して水に対する寸法固定を行
った後エポキシ樹脂に包埋し、超ミクロトームで横断切
片を作成してさらに酸化ルテニウム蒸気で電子染色後透
過電子顕微鏡で観察したものである。図中緻密な点々が
付されている部分がPAN成分であり、PAN系独立相
中にさらにPVA系の第三相が点在した3相構造を有し
ている。
微鏡写真(6万倍)を忠実に模写した図である。得られ
た繊維をアセタール化処理して水に対する寸法固定を行
った後エポキシ樹脂に包埋し、超ミクロトームで横断切
片を作成してさらに酸化ルテニウム蒸気で電子染色後透
過電子顕微鏡で観察したものである。図中緻密な点々が
付されている部分がPAN成分であり、PAN系独立相
中にさらにPVA系の第三相が点在した3相構造を有し
ている。
【0036】<フィブリル化・抄紙>;得られたヤーン
をギロチンカッターで長さ2mmに切断し、3g/リッ
トルの水分散液にしてディスクリファイナーを通して叩
解した。得られたパルプは直径が0.1ミクロン以下に
微細繊維にフィブリル化されており、水分散性は良好
で、毛玉状の塊は存在しなかった。続いてタッピー抄紙
機を用いて40g/平方メートルの坪量を目標に抄紙を
行い、合繊紙を得た。得られた紙はあたかも紙幣のよう
な高級和紙の風合いがあり、表面平滑は良好で、紙力強
度は対照として同時に抄紙したセルロース系天然パルプ
を原料としたものの約2倍であり、特に湿潤強度に優れ
ていた。
をギロチンカッターで長さ2mmに切断し、3g/リッ
トルの水分散液にしてディスクリファイナーを通して叩
解した。得られたパルプは直径が0.1ミクロン以下に
微細繊維にフィブリル化されており、水分散性は良好
で、毛玉状の塊は存在しなかった。続いてタッピー抄紙
機を用いて40g/平方メートルの坪量を目標に抄紙を
行い、合繊紙を得た。得られた紙はあたかも紙幣のよう
な高級和紙の風合いがあり、表面平滑は良好で、紙力強
度は対照として同時に抄紙したセルロース系天然パルプ
を原料としたものの約2倍であり、特に湿潤強度に優れ
ていた。
【0037】比較例1 グラフト共重合体を用いずに、重合度1700、ケン化
度99.9モル%のPVAと市販アクリル繊維綿を脱脂
したPANを原料として、PVA/PAN=80/20
重量比になるように配合した単純ブレンド物をDMSO
に溶解して濃度12重量%の原液を作製し、実施例2と
同様の方法で湿式紡糸を試みた。ところが原液は非常に
不安定で、撹拌中もモヤモヤとした状態が続き、原液温
度を65℃に下げ、吐出速度を遅くして紡糸したが、紡
糸調子は極めて悪く、度々断糸が生じ、正常な紡糸が行
えなかった。
度99.9モル%のPVAと市販アクリル繊維綿を脱脂
したPANを原料として、PVA/PAN=80/20
重量比になるように配合した単純ブレンド物をDMSO
に溶解して濃度12重量%の原液を作製し、実施例2と
同様の方法で湿式紡糸を試みた。ところが原液は非常に
不安定で、撹拌中もモヤモヤとした状態が続き、原液温
度を65℃に下げ、吐出速度を遅くして紡糸したが、紡
糸調子は極めて悪く、度々断糸が生じ、正常な紡糸が行
えなかった。
【0038】比較例2 実施例1において、連続相を形成するために用いたPV
Aを重合度1000、ケン化度99.9モル%とした以
外は全く同様の方法でPVA系繊維を湿式紡糸した。と
ころが用いたPVAの重合度が低すぎるために、最大延
伸倍率は5倍と低く、得られた延伸糸の強度も約2g/
dと低かった。そのため、合繊紙にした時の紙力強度も
低下して、目的を達成することはできなかった。
Aを重合度1000、ケン化度99.9モル%とした以
外は全く同様の方法でPVA系繊維を湿式紡糸した。と
ころが用いたPVAの重合度が低すぎるために、最大延
伸倍率は5倍と低く、得られた延伸糸の強度も約2g/
dと低かった。そのため、合繊紙にした時の紙力強度も
低下して、目的を達成することはできなかった。
【0039】比較例3 実施例1において、連続相を形成するために用いたPV
Aを重合度1700、ケン化度88.0モル%とした以
外は全く同様の方法でPVA系繊維を湿式紡糸した。と
ころが用いたPVAのケン化度が低すぎるために、凝固
浴から出たヤーンの膠着が激しく、連続して紡糸するこ
とは困難であった。また、かろうじて得られた繊維を切
断して抄紙することを試みたが、得られた合繊紙の湿潤
強度が極めて弱く、ほとんど物性測定に供する紙は得ら
れなかった。
Aを重合度1700、ケン化度88.0モル%とした以
外は全く同様の方法でPVA系繊維を湿式紡糸した。と
ころが用いたPVAのケン化度が低すぎるために、凝固
浴から出たヤーンの膠着が激しく、連続して紡糸するこ
とは困難であった。また、かろうじて得られた繊維を切
断して抄紙することを試みたが、得られた合繊紙の湿潤
強度が極めて弱く、ほとんど物性測定に供する紙は得ら
れなかった。
【0040】比較例4 重合度1250、ケン化度99.0モル%のPVA10
重量部に特級ANモノマー4重量部を加え、実施例1と
同様の方法でグラフト共重合を行い、ANモノマー反応
率50%、PVAおよびANグラフト効率75%のグラ
フト共重合体溶液を得た。グラフト共重合体中のPVA
は83%であった。さらに別に準備したPVA1重量部
のDMSO溶液を加えて、紡糸原液とした。全ポリマー
中のグラフト共重合体の割合は約69重量%であり、P
VA成分の割合は約85重量%であった。続いて実施例
1と同様に湿式紡糸してPVA系繊維を得た。さらに得
られた繊維を切断して、実施例1と同様の方法でフィブ
リル化することを試みたが、フィブリル化は困難であっ
た。その原因は全重合体中のグラフト共重合体の割合が
多過ぎるためと推定される。
重量部に特級ANモノマー4重量部を加え、実施例1と
同様の方法でグラフト共重合を行い、ANモノマー反応
率50%、PVAおよびANグラフト効率75%のグラ
フト共重合体溶液を得た。グラフト共重合体中のPVA
は83%であった。さらに別に準備したPVA1重量部
のDMSO溶液を加えて、紡糸原液とした。全ポリマー
中のグラフト共重合体の割合は約69重量%であり、P
VA成分の割合は約85重量%であった。続いて実施例
1と同様に湿式紡糸してPVA系繊維を得た。さらに得
られた繊維を切断して、実施例1と同様の方法でフィブ
リル化することを試みたが、フィブリル化は困難であっ
た。その原因は全重合体中のグラフト共重合体の割合が
多過ぎるためと推定される。
【0041】
【発明の効果】本発明によるPVA系易フィブリル化繊
維から得られる合成パルプを抄紙することで得られる合
繊紙、機能紙は強度、耐水性、風合いなどに優れ、また
該セメント製品などの石綿代替補強繊維としては無機粒
子保持性などに優れることを特徴とする繊維を提供しう
るものである。
維から得られる合成パルプを抄紙することで得られる合
繊紙、機能紙は強度、耐水性、風合いなどに優れ、また
該セメント製品などの石綿代替補強繊維としては無機粒
子保持性などに優れることを特徴とする繊維を提供しう
るものである。
【図1】図1は本発明繊維の横断面の一部を透過電子顕
微鏡で撮った写真(6万倍)を忠実に模写した図であ
る。
微鏡で撮った写真(6万倍)を忠実に模写した図であ
る。
a PVA成分 b PAN成分 c PAN成分中のPVA成分 d 繊維表面
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)重合度1200以上、ケン化度9
0モル%以上のポリビニルアルコール、(B)ポリアク
リロニトリル系重合体および(C)ポリビニルアルコー
ルにアクリロニトリルがグラフト共重合したグラフト共
重合体からなり、全重合体中のグラフト共重合体(C)
の割合が5〜50重量%であり、かつポリビニルアルコ
ール(A)とグラフト共重合体(C)の中のポリビニル
アルコール成分の和が50〜90重量%であることを特
徴とするポリビニルアルコール系易フィブリル化繊維。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコールを主成分とする連
続相の中にポリアクリロニトリルを主成分とする独立相
が均一に微分散されており、さらにポリアクリロニトリ
ルを主成分とする独立相中にポリビニルアルコールを主
成分とする第三相が均一に分散されていて、少なくとも
三相以上の構造を形成している請求項1に記載のポリビ
ニルアルコール系易フィブリル化繊維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22033594A JPH0881818A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | ポリビニルアルコール系易フィブリル化繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22033594A JPH0881818A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | ポリビニルアルコール系易フィブリル化繊維 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0881818A true JPH0881818A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16749541
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22033594A Pending JPH0881818A (ja) | 1994-09-14 | 1994-09-14 | ポリビニルアルコール系易フィブリル化繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0881818A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1068074C (zh) * | 1995-10-18 | 2001-07-04 | 可乐丽股份有限公司 | 海岛结构的可原纤化纤维、其制备方法及其应用 |
-
1994
- 1994-09-14 JP JP22033594A patent/JPH0881818A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1068074C (zh) * | 1995-10-18 | 2001-07-04 | 可乐丽股份有限公司 | 海岛结构的可原纤化纤维、其制备方法及其应用 |
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