JPH0882811A - 光スイッチング方法、光スイッチング装置、及び光半導体装置 - Google Patents
光スイッチング方法、光スイッチング装置、及び光半導体装置Info
- Publication number
- JPH0882811A JPH0882811A JP21577394A JP21577394A JPH0882811A JP H0882811 A JPH0882811 A JP H0882811A JP 21577394 A JP21577394 A JP 21577394A JP 21577394 A JP21577394 A JP 21577394A JP H0882811 A JPH0882811 A JP H0882811A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical
- quantum well
- light
- layer
- semiconductor device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 屈折率変化を用いて光スイッチングを行うこ
とにより、出力信号を大きく取ることができ、さらに種
々の論理演算が可能な光スイッチング方法、及び前記の
光スイッチング方法を達成するための光スイッチング装
置及び光半導体装置を提供する。 【構成】 直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の
制御光とを、光半導体装置10に入射し、制御光により
光半導体装置を構成する光学非線形材料の屈折率を変化
することにより信号光をスイッチングする。
とにより、出力信号を大きく取ることができ、さらに種
々の論理演算が可能な光スイッチング方法、及び前記の
光スイッチング方法を達成するための光スイッチング装
置及び光半導体装置を提供する。 【構成】 直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の
制御光とを、光半導体装置10に入射し、制御光により
光半導体装置を構成する光学非線形材料の屈折率を変化
することにより信号光をスイッチングする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光非線形性を有する光
半導体装置、及び光半導体装置を用いた光スイッチング
装置及び光スイッチング方法に関する。
半導体装置、及び光半導体装置を用いた光スイッチング
装置及び光スイッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光・光スイッチ、光双安定装置、光・光
メモリ等を実現させるべく、光非線形性を持つ光半導体
装置、即ち、励起子や自由な電子・正孔対が励起される
ことにより光の吸収係数や屈折率が変化する性質を持つ
光半導体装置が提案されているが、未だ多くの改良すべ
き点が存在する。
メモリ等を実現させるべく、光非線形性を持つ光半導体
装置、即ち、励起子や自由な電子・正孔対が励起される
ことにより光の吸収係数や屈折率が変化する性質を持つ
光半導体装置が提案されているが、未だ多くの改良すべ
き点が存在する。
【0003】図9は、Kawazoe等による、スピンに依存
した光学非線形性を利用した光・光スイッチング装置及
びその光スイッチング方法を示したものである(Jpn.J.
Appl.Phys. vol.32 (1993) p.L1756参照)。図示するよ
うに、同一の直線偏光の光26は、ビームスプリッタ
(BS)28により2つに分光され、制御光30と信号
光32が得られるようになっている。BS28により分
光された制御光30の光軸上には、入射した光を右円偏
光に変える四分の一波長板34が設けられており、四分
の一波長板34を透過した制御光は右円偏光になる。こ
の光は、80GHzの光の列を形成するためのミラーペ
ア(MP)36に入射され、透過光をレンズ(L)38
を通して集光した後に、光学非線形素子からなる光半導
体装置(S)40に照射される。一方、BP28により
分光された信号光32は、直線偏光のまま同じレンズ3
8を通して光半導体装置40に照射される。以下の説明
を判り易くするため、ここでは信号光32は縦偏光であ
るとする。
した光学非線形性を利用した光・光スイッチング装置及
びその光スイッチング方法を示したものである(Jpn.J.
Appl.Phys. vol.32 (1993) p.L1756参照)。図示するよ
うに、同一の直線偏光の光26は、ビームスプリッタ
(BS)28により2つに分光され、制御光30と信号
光32が得られるようになっている。BS28により分
光された制御光30の光軸上には、入射した光を右円偏
光に変える四分の一波長板34が設けられており、四分
の一波長板34を透過した制御光は右円偏光になる。こ
の光は、80GHzの光の列を形成するためのミラーペ
ア(MP)36に入射され、透過光をレンズ(L)38
を通して集光した後に、光学非線形素子からなる光半導
体装置(S)40に照射される。一方、BP28により
分光された信号光32は、直線偏光のまま同じレンズ3
8を通して光半導体装置40に照射される。以下の説明
を判り易くするため、ここでは信号光32は縦偏光であ
るとする。
【0004】縦偏光は、同じ大きさの右円偏光と左円偏
光成分に分けられるが、光半導体装置40に右円偏光の
制御光30が照射されている状態で信号光32が照射さ
れると、右円偏光成分のみが最初は影響を受けて透過率
が低下し、左円偏光成分は影響を受けない。このように
して、光のスイッチングが行われていた。また、この信
号光を四分の一波長板42を通すことにより、右円偏光
成分が横偏光に、左円偏光成分が縦偏光になる。これを
ウォラストンプリズム(WP)44を通して横偏光と縦
偏光に分け、それぞれをフォトダイオード(PD)46
により検出し、これら信号の差をとることにより、光ス
イッチングを観察することができる。スピンはピコ秒か
ら数十ピコ秒で緩和し、上向きスピンと下向きスピンが
平衡状態になるため、スピンの緩和後に信号の差はゼロ
になる。
光成分に分けられるが、光半導体装置40に右円偏光の
制御光30が照射されている状態で信号光32が照射さ
れると、右円偏光成分のみが最初は影響を受けて透過率
が低下し、左円偏光成分は影響を受けない。このように
して、光のスイッチングが行われていた。また、この信
号光を四分の一波長板42を通すことにより、右円偏光
成分が横偏光に、左円偏光成分が縦偏光になる。これを
ウォラストンプリズム(WP)44を通して横偏光と縦
偏光に分け、それぞれをフォトダイオード(PD)46
により検出し、これら信号の差をとることにより、光ス
イッチングを観察することができる。スピンはピコ秒か
ら数十ピコ秒で緩和し、上向きスピンと下向きスピンが
平衡状態になるため、スピンの緩和後に信号の差はゼロ
になる。
【0005】このようにして、超高速に信号が回復し、
さらに高繰り返し動作にも対応する光スイッチング装置
を構成していた。
さらに高繰り返し動作にも対応する光スイッチング装置
を構成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光スイッチング装置によれば、制御光照射による光
半導体装置の光吸収変化を利用するので、出力される信
号強度が非常に小さいという問題があった。また、論理
演算を行う場合、複数の制御光を光半導体装置に入射し
て論理演算を行うことはできないので、制御光と信号光
を用いて、制御光と信号光の両方が入射しなければ動作
しない、即ち論理積(AND)しかとれないという問題
があった。
来の光スイッチング装置によれば、制御光照射による光
半導体装置の光吸収変化を利用するので、出力される信
号強度が非常に小さいという問題があった。また、論理
演算を行う場合、複数の制御光を光半導体装置に入射し
て論理演算を行うことはできないので、制御光と信号光
を用いて、制御光と信号光の両方が入射しなければ動作
しない、即ち論理積(AND)しかとれないという問題
があった。
【0007】本発明の目的は、屈折率変化を用いて光ス
イッチングを行うことにより、出力信号を大きく取るこ
とができ、さらに種々の論理演算が可能な光スイッチン
グ方法、及びこの光スイッチング方法を達成するための
光スイッチング装置及び光半導体装置を提供することに
ある。
イッチングを行うことにより、出力信号を大きく取るこ
とができ、さらに種々の論理演算が可能な光スイッチン
グ方法、及びこの光スイッチング方法を達成するための
光スイッチング装置及び光半導体装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、直線偏光の
信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを、光学非線
形エタロンに入射し、前記制御光により前記光学非線形
エタロンを構成する光学非線形材料の屈折率を変化し、
前記信号光をスイッチングすることを特徴とする光スイ
ッチング方法により達成される。
信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを、光学非線
形エタロンに入射し、前記制御光により前記光学非線形
エタロンを構成する光学非線形材料の屈折率を変化し、
前記信号光をスイッチングすることを特徴とする光スイ
ッチング方法により達成される。
【0009】また、上記の光スイッチング方法におい
て、前記光学非線形エタロンを透過した前記信号光をス
イッチングすることが望ましい。また、上記の光スイッ
チング方法において、前記光学非線形エタロンにより反
射された前記信号光をスイッチングすることが望まし
い。また、光学非線形エタロンと、前記光学非線形エタ
ロンに直線偏光の信号光を入射する第1の光学手段と前
記光学非線形エタロンに円偏光又は楕円偏光の制御光を
入射する第2の光学手段とを有し、前記制御光により前
記光学非線形エタロンを構成する光学非線形材料の屈折
率を変化し、前記信号光をスイッチングすることを特徴
とする光スイッチング装置により達成される。
て、前記光学非線形エタロンを透過した前記信号光をス
イッチングすることが望ましい。また、上記の光スイッ
チング方法において、前記光学非線形エタロンにより反
射された前記信号光をスイッチングすることが望まし
い。また、光学非線形エタロンと、前記光学非線形エタ
ロンに直線偏光の信号光を入射する第1の光学手段と前
記光学非線形エタロンに円偏光又は楕円偏光の制御光を
入射する第2の光学手段とを有し、前記制御光により前
記光学非線形エタロンを構成する光学非線形材料の屈折
率を変化し、前記信号光をスイッチングすることを特徴
とする光スイッチング装置により達成される。
【0010】また、上記の光スイッチング装置におい
て、前記光学非線形エタロンにより反射された前記信号
光、又は前記光学非線形エタロンを透過した前記信号光
を直線偏光に変換する変換手段と、直線偏光に変換され
た前記信号光を縦偏光と横偏光に分割する分割手段と、
分割された前記縦偏光と前記横偏光との差を検出する検
出手段とをさらに有することを特徴とする光スイッチン
グ装置により達成される。
て、前記光学非線形エタロンにより反射された前記信号
光、又は前記光学非線形エタロンを透過した前記信号光
を直線偏光に変換する変換手段と、直線偏光に変換され
た前記信号光を縦偏光と横偏光に分割する分割手段と、
分割された前記縦偏光と前記横偏光との差を検出する検
出手段とをさらに有することを特徴とする光スイッチン
グ装置により達成される。
【0011】また、上記の光スイッチング装置におい
て、前記光学非線形材料は、GaAsであることが望ま
しい。また、上記の光スイッチング装置において、前記
光学非線形材料は、バンドギャップの異なる2つの物質
が交互に積層され、電子と正孔が同じ量子井戸に閉じこ
められる多重量子井戸構造であることが望ましい。
て、前記光学非線形材料は、GaAsであることが望ま
しい。また、上記の光スイッチング装置において、前記
光学非線形材料は、バンドギャップの異なる2つの物質
が交互に積層され、電子と正孔が同じ量子井戸に閉じこ
められる多重量子井戸構造であることが望ましい。
【0012】また、上記の光スイッチング装置におい
て、前記バンドギャップの異なる2つの物質は、GaA
sとAlGaAsであることが望ましい。また、上記の
光スイッチング装置において、前記光学非線形材料は、
キャリアがトンネルできる程度の膜厚からなる障壁層
と、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子井戸層
と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ前記間接遷
移に係わる電子の量子準位が、前記直接遷移に係わる電
子の量子準位より低い第2の量子井戸層とを有し、前記
障壁層を前記第1の量子井戸層と前記第2の量子井戸層
により挟んだ積層体を複数積層した積層材料であること
が望ましい。
て、前記バンドギャップの異なる2つの物質は、GaA
sとAlGaAsであることが望ましい。また、上記の
光スイッチング装置において、前記光学非線形材料は、
キャリアがトンネルできる程度の膜厚からなる障壁層
と、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子井戸層
と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ前記間接遷
移に係わる電子の量子準位が、前記直接遷移に係わる電
子の量子準位より低い第2の量子井戸層とを有し、前記
障壁層を前記第1の量子井戸層と前記第2の量子井戸層
により挟んだ積層体を複数積層した積層材料であること
が望ましい。
【0013】また、上記の光スイッチング装置におい
て、前記障壁層は、AlGaAs層であり、前記第1の
量子井戸層は、GaAs層であり、前記第2の量子井戸
層は、AlAs層であることが望ましい。また、上記の
光スイッチング装置において、前記光学非線形材料は、
直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子井戸層と、
間接遷移に対して量子井戸になり、且つ前記間接遷移に
係わる電子の量子準位が、前記直接遷移に係わる電子の
量子準位より低い第2の量子井戸層とが交互に積層され
た積層材料であることが望ましい。
て、前記障壁層は、AlGaAs層であり、前記第1の
量子井戸層は、GaAs層であり、前記第2の量子井戸
層は、AlAs層であることが望ましい。また、上記の
光スイッチング装置において、前記光学非線形材料は、
直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子井戸層と、
間接遷移に対して量子井戸になり、且つ前記間接遷移に
係わる電子の量子準位が、前記直接遷移に係わる電子の
量子準位より低い第2の量子井戸層とが交互に積層され
た積層材料であることが望ましい。
【0014】また、上記の光スイッチング装置におい
て、前記第1の量子井戸層は、GaAs層であり、前記
第2の量子井戸層は、AlAs層であることが望まし
い。また、光学非線形材料と、前記光学非線形材料の一
方の面に設けられた第1のミラーと、前記光学非線形材
料の他方の面に設けられた第2のミラーとを有する光学
非線形エタロンを有し、直線偏光の信号光と、円偏光又
は楕円偏光の制御光とを前記光学非線形エタロンに入射
した際に、前記制御光により前記光学非線形エタロンを
構成する光学非線形材料の屈折率が変化し、前記信号光
をスイッチングすることを特徴とする光半導体装置によ
り達成される。
て、前記第1の量子井戸層は、GaAs層であり、前記
第2の量子井戸層は、AlAs層であることが望まし
い。また、光学非線形材料と、前記光学非線形材料の一
方の面に設けられた第1のミラーと、前記光学非線形材
料の他方の面に設けられた第2のミラーとを有する光学
非線形エタロンを有し、直線偏光の信号光と、円偏光又
は楕円偏光の制御光とを前記光学非線形エタロンに入射
した際に、前記制御光により前記光学非線形エタロンを
構成する光学非線形材料の屈折率が変化し、前記信号光
をスイッチングすることを特徴とする光半導体装置によ
り達成される。
【0015】また、上記の光半導体装置において、前記
光学非線形材料は、キャリアがトンネルできる程度の膜
厚からなる障壁層と、直接遷移に関して量子井戸になる
第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ前記間接遷移に係わる電子の量子準位が、前記
直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井
戸層とを有し、前記障壁層を前記第1の量子井戸層と前
記第2の量子井戸層により挟んだ積層体を複数積層した
積層材料であることが望ましい。
光学非線形材料は、キャリアがトンネルできる程度の膜
厚からなる障壁層と、直接遷移に関して量子井戸になる
第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ前記間接遷移に係わる電子の量子準位が、前記
直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井
戸層とを有し、前記障壁層を前記第1の量子井戸層と前
記第2の量子井戸層により挟んだ積層体を複数積層した
積層材料であることが望ましい。
【0016】また、上記の光半導体装置において、前記
障壁層は、AlGaAs層であり、前記第1の量子井戸
層は、GaAs層であり、前記第2の量子井戸層は、A
lAs層であることが望ましい。また、上記の光半導体
装置において、前記光学非線形材料は、直接遷移に関し
て量子井戸になる第1の量子井戸層と、間接遷移に対し
て量子井戸になり、且つ前記間接遷移に係わる電子の量
子準位が、前記直接遷移に係わる電子の量子準位より低
い第2の量子井戸層とを交互に積層した積層材料である
ことが望ましい。
障壁層は、AlGaAs層であり、前記第1の量子井戸
層は、GaAs層であり、前記第2の量子井戸層は、A
lAs層であることが望ましい。また、上記の光半導体
装置において、前記光学非線形材料は、直接遷移に関し
て量子井戸になる第1の量子井戸層と、間接遷移に対し
て量子井戸になり、且つ前記間接遷移に係わる電子の量
子準位が、前記直接遷移に係わる電子の量子準位より低
い第2の量子井戸層とを交互に積層した積層材料である
ことが望ましい。
【0017】また、上記の光半導体装置において、前記
第1の量子井戸層は、GaAs層であり、前記第2の量
子井戸層は、AlAs層であることが望ましい。また、
上記の光半導体装置において、前記第1のミラーは、A
lAs層とAlGaAs層とを交互に積層した積層材料
であり、前記第2のミラーは、AlAs層とAlGaA
s層とを交互に積層した積層材料であることが望まし
い。
第1の量子井戸層は、GaAs層であり、前記第2の量
子井戸層は、AlAs層であることが望ましい。また、
上記の光半導体装置において、前記第1のミラーは、A
lAs層とAlGaAs層とを交互に積層した積層材料
であり、前記第2のミラーは、AlAs層とAlGaA
s層とを交互に積層した積層材料であることが望まし
い。
【0018】
【作用】本発明によれば、直線偏光の信号光と、円偏光
又は楕円偏光の制御光とを用い、これら信号光と制御光
を光学非線形エタロンに入射した際の、光学非線形材料
の屈折率変化を利用して光スイッチングを行ったので、
従来の吸収変化により光スイッチングを行う場合よりも
信号強度を大きくすることができる。また、論理積以外
の種々の論理演算を行うことができる。
又は楕円偏光の制御光とを用い、これら信号光と制御光
を光学非線形エタロンに入射した際の、光学非線形材料
の屈折率変化を利用して光スイッチングを行ったので、
従来の吸収変化により光スイッチングを行う場合よりも
信号強度を大きくすることができる。また、論理積以外
の種々の論理演算を行うことができる。
【0019】また、上記の光スイッチング方法では、光
学非線形エタロンを透過した信号光をスイッチングする
ことができる。また、上記の光スイッチング方法では、
光学非線形エタロンにより反射された信号光をスイッチ
ングすることができる。また、直線偏光の信号光と、円
偏光又は楕円偏光の制御光との光路上に光学非線形エタ
ロンを設け、制御光により信号光をスイッチングできる
ような光スイッチング装置を形成したので、従来の吸収
変化により光スイッチングを行う光スイッチング装置よ
りも信号強度を大きくすることができる。また、論理積
以外の種々の論理演算を行うことができる。
学非線形エタロンを透過した信号光をスイッチングする
ことができる。また、上記の光スイッチング方法では、
光学非線形エタロンにより反射された信号光をスイッチ
ングすることができる。また、直線偏光の信号光と、円
偏光又は楕円偏光の制御光との光路上に光学非線形エタ
ロンを設け、制御光により信号光をスイッチングできる
ような光スイッチング装置を形成したので、従来の吸収
変化により光スイッチングを行う光スイッチング装置よ
りも信号強度を大きくすることができる。また、論理積
以外の種々の論理演算を行うことができる。
【0020】また、前記の光スイッチング装置に、光学
非線形エタロンにより反射された信号光、又は光学非線
形エタロンを透過した信号光を直線偏光に変換する手段
と、縦偏光と横偏光に分割する手段と、分割された縦偏
光と横偏光を別々に検出する手段とを設けたので、光ス
イッチング動作をモニターすることができる。また、光
学非線形材料として、光学非線形が大きい多重量子井戸
構造を有する材料を用いれば、光学非線形材料としてG
aAsを用いる場合よりも信号強度を大きくすることが
できる。
非線形エタロンにより反射された信号光、又は光学非線
形エタロンを透過した信号光を直線偏光に変換する手段
と、縦偏光と横偏光に分割する手段と、分割された縦偏
光と横偏光を別々に検出する手段とを設けたので、光ス
イッチング動作をモニターすることができる。また、光
学非線形材料として、光学非線形が大きい多重量子井戸
構造を有する材料を用いれば、光学非線形材料としてG
aAsを用いる場合よりも信号強度を大きくすることが
できる。
【0021】また、上記の多重量子井戸構造を持つ材料
には、GaAsとAlGaAsとを交互に積層した積層
材料を適用することができる。また、キャリアがトンネ
ルできる程度の膜厚からなる障壁層が、直接遷移に関し
て量子井戸になる第1の量子井戸層と、間接遷移に対し
て量子井戸になり、且つ間接遷移に係わる電子の量子準
位が、直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の
量子井戸層とにより挟まれて形成された積層体を複数積
層した積層材料を光学非線形材料として用いれば、障壁
層の膜厚を変えることにより回復時間の制御を行うこと
ができる。
には、GaAsとAlGaAsとを交互に積層した積層
材料を適用することができる。また、キャリアがトンネ
ルできる程度の膜厚からなる障壁層が、直接遷移に関し
て量子井戸になる第1の量子井戸層と、間接遷移に対し
て量子井戸になり、且つ間接遷移に係わる電子の量子準
位が、直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の
量子井戸層とにより挟まれて形成された積層体を複数積
層した積層材料を光学非線形材料として用いれば、障壁
層の膜厚を変えることにより回復時間の制御を行うこと
ができる。
【0022】また、上記の積層材料としては、障壁層に
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
【0023】また、上記の積層材料としては、第1の量
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、光学非線形材料をミ
ラーにより挟んで形成した光学非線形エタロンを有し、
直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを
光学非線形エタロンに入射した際に、光学非線形エタロ
ンに入射された制御光により光学非線形エタロンを構成
する光学非線形材料の屈折率が変化し、光学非線形エタ
ロンにより反射される信号光、又は光学非線形エタロン
を透過した信号光をスイッチングする光半導体装置を形
成したので、従来の吸収変化により光スイッチングを行
う場合よりも信号強度を大きくすることができる。ま
た、論理積以外の種々の論理演算を行うことができる。
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、光学非線形材料をミ
ラーにより挟んで形成した光学非線形エタロンを有し、
直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを
光学非線形エタロンに入射した際に、光学非線形エタロ
ンに入射された制御光により光学非線形エタロンを構成
する光学非線形材料の屈折率が変化し、光学非線形エタ
ロンにより反射される信号光、又は光学非線形エタロン
を透過した信号光をスイッチングする光半導体装置を形
成したので、従来の吸収変化により光スイッチングを行
う場合よりも信号強度を大きくすることができる。ま
た、論理積以外の種々の論理演算を行うことができる。
【0024】また、キャリアがトンネルできる程度の膜
厚からなる障壁層が、直接遷移に関して量子井戸になる
第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ間接遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移
に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井戸層とに
より挟まれて形成された積層体を複数積層した積層材料
を光学非線形材料として用いれば、障壁層の膜厚を変え
ることにより回復時間の制御を行うことができる。
厚からなる障壁層が、直接遷移に関して量子井戸になる
第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ間接遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移
に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井戸層とに
より挟まれて形成された積層体を複数積層した積層材料
を光学非線形材料として用いれば、障壁層の膜厚を変え
ることにより回復時間の制御を行うことができる。
【0025】また、上記の積層材料としては、障壁層に
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
【0026】また、上記の積層材料としては、第1の量
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、上記の第1のミラー
及び第2のミラーとしては、AlAs層とAlGaAs
層とを交互に積層した積層材料を適用することができ
る。
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、上記の第1のミラー
及び第2のミラーとしては、AlAs層とAlGaAs
層とを交互に積層した積層材料を適用することができ
る。
【0027】
【実施例】本発明の一実施例による光スイッチング装
置、光スイッチング方法、及び光半導体装置を図1乃至
図8を用いて説明する。図1は本実施例による光スイッ
チング装置の概略を示す図、図2は本実施例による光半
導体装置の原理を説明する図、図3は光学非線形材料の
屈折率変化にともなう反射光強度の変化を示す図、図4
はタイプIITBQの構造と動作を説明する図、図5は本
実施例による光半導体装置の構造を示す図、図6は本実
施例による出力信号を示す図、図7は光学非線形材料の
屈折率変化にともなう反射光強度の変化を示す図、図8
は本実施例による光半導体装置を用いた論理演算の方法
を示す図である。
置、光スイッチング方法、及び光半導体装置を図1乃至
図8を用いて説明する。図1は本実施例による光スイッ
チング装置の概略を示す図、図2は本実施例による光半
導体装置の原理を説明する図、図3は光学非線形材料の
屈折率変化にともなう反射光強度の変化を示す図、図4
はタイプIITBQの構造と動作を説明する図、図5は本
実施例による光半導体装置の構造を示す図、図6は本実
施例による出力信号を示す図、図7は光学非線形材料の
屈折率変化にともなう反射光強度の変化を示す図、図8
は本実施例による光半導体装置を用いた論理演算の方法
を示す図である。
【0028】始めに、本実施例による光スイッチング装
置の構成を説明する。図1に示すように、直線偏光の信
号光と、四分の一波長板14により円偏光にされた制御
光が、レンズ12を通して光半導体装置10に入射する
様に配置されている。光半導体装置10は、光学非線形
材料が2枚のミラーにより挟まれた、光学非線形エタロ
ンを成している。光半導体装置10により反射された光
は、再びレンズ12に入射した後に四分の一波長板16
を透過して直線偏光に変えられ、偏光ビームスプリッタ
(PBS)18に入射される。PBS18に入射した光
は、PBS18により縦偏光と横偏光に分離され、それ
ぞれがフォトダイオード20により検出される様になっ
ている。本実施例は、光学非線形エタロンからなる光半
導体装置10を用いることに特徴があり、光の吸収変化
ではなく、スピンに依存した屈折率変化を用いるもので
ある。
置の構成を説明する。図1に示すように、直線偏光の信
号光と、四分の一波長板14により円偏光にされた制御
光が、レンズ12を通して光半導体装置10に入射する
様に配置されている。光半導体装置10は、光学非線形
材料が2枚のミラーにより挟まれた、光学非線形エタロ
ンを成している。光半導体装置10により反射された光
は、再びレンズ12に入射した後に四分の一波長板16
を透過して直線偏光に変えられ、偏光ビームスプリッタ
(PBS)18に入射される。PBS18に入射した光
は、PBS18により縦偏光と横偏光に分離され、それ
ぞれがフォトダイオード20により検出される様になっ
ている。本実施例は、光学非線形エタロンからなる光半
導体装置10を用いることに特徴があり、光の吸収変化
ではなく、スピンに依存した屈折率変化を用いるもので
ある。
【0029】次に、光半導体装置10を構成する光学非
線形エタロンの原理を説明する。光学非線形エタロン
は、光学非線形材料22がミラー24により挟まれた形
状を成している(図2(a))。光学非線形エタロン1
0に光を入射すると、光学非線形材料22による吸収ピ
ークの他に、2つのミラー対により発生する共振器ピー
クが現れる(図2(b))。なお、光学非線形エタロン
の設計に際しては、吸収ピークに対して5〜10nm程
度長波長側に共振器ピークが発生するように設定するこ
とが望ましい。
線形エタロンの原理を説明する。光学非線形エタロン
は、光学非線形材料22がミラー24により挟まれた形
状を成している(図2(a))。光学非線形エタロン1
0に光を入射すると、光学非線形材料22による吸収ピ
ークの他に、2つのミラー対により発生する共振器ピー
クが現れる(図2(b))。なお、光学非線形エタロン
の設計に際しては、吸収ピークに対して5〜10nm程
度長波長側に共振器ピークが発生するように設定するこ
とが望ましい。
【0030】この光学非線形エタロンに制御光を照射
し、光学非線形材料22にキャリアがたまると屈折率が
変化する。即ち、共振器ピークの波長はミラーの間隔と
非線形材料の屈折率との積で表されるので、実効的な共
振器長が変化することになる。これにより、共振器ピー
クは、例えば図2(c)の一点鎖線で示すようにシフト
する。このとき、図2(c)中に波線で示した波長に信
号光の波長を設定しておくと、信号光の反射光強度はA
からBに変化することになる。この変化量は、吸収変化
量に比べて大きくなる。これは、図をみても判るよう
に、吸収ピークの変化はピークがなくなっても高々知れ
ているからである。この動作をさせる光の波長は、制御
光を吸収ピークが励起できる波長とし、信号光は共振器
ピークの付近に設定する。
し、光学非線形材料22にキャリアがたまると屈折率が
変化する。即ち、共振器ピークの波長はミラーの間隔と
非線形材料の屈折率との積で表されるので、実効的な共
振器長が変化することになる。これにより、共振器ピー
クは、例えば図2(c)の一点鎖線で示すようにシフト
する。このとき、図2(c)中に波線で示した波長に信
号光の波長を設定しておくと、信号光の反射光強度はA
からBに変化することになる。この変化量は、吸収変化
量に比べて大きくなる。これは、図をみても判るよう
に、吸収ピークの変化はピークがなくなっても高々知れ
ているからである。この動作をさせる光の波長は、制御
光を吸収ピークが励起できる波長とし、信号光は共振器
ピークの付近に設定する。
【0031】次に、スピンに依存した光学非線形エタロ
ンの動作を説明する。通常、制御光と信号光は直線偏光
を使用する。直線偏光を四分の一波長板14を透過させ
て円偏光にすると、例えば、右円偏光では上向きスピン
電子だけが励起され、左円偏光では下向きスピン電子だ
けが励起される。そのときには、それぞれに対応したス
ピンの電子のみが制御光の作用を受け、吸収率及び屈折
率が変化する。例えば、右円偏光の制御光を用いると、
右円偏光の信号光のみが制御光の作用を受け、反射光及
び透過光が変化する。なお、スピンは、数十ピコ秒で緩
和し、上向きスピンと下向きスピンは平衡状態に達す
る。
ンの動作を説明する。通常、制御光と信号光は直線偏光
を使用する。直線偏光を四分の一波長板14を透過させ
て円偏光にすると、例えば、右円偏光では上向きスピン
電子だけが励起され、左円偏光では下向きスピン電子だ
けが励起される。そのときには、それぞれに対応したス
ピンの電子のみが制御光の作用を受け、吸収率及び屈折
率が変化する。例えば、右円偏光の制御光を用いると、
右円偏光の信号光のみが制御光の作用を受け、反射光及
び透過光が変化する。なお、スピンは、数十ピコ秒で緩
和し、上向きスピンと下向きスピンは平衡状態に達す
る。
【0032】図3は、共振器ピークが変化する過程を示
したものである。制御光に右円偏光を、信号光にも右円
偏光を用いると、共振器ピークはAからCにシフトす
る。さらに、数十ピコ秒経過後にはスピン緩和によって
共振器ピークはBの位置まで戻る。これに対し、制御光
に右円偏光を、信号光には左円偏光を用いると、励起直
後はピークはAの位置のままであるが、スピン緩和によ
ってBの位置までシフトする。従って、光学非線形エタ
ロンにより反射、又は透過された右円偏光の信号光と左
円偏光の信号光の差を取ると、励起前とスピン緩和後は
共振器ピークが同じ位置にあるので信号差は0であり、
励起直後からスピン緩和までの間だけ信号差に強度があ
らわれることになる。
したものである。制御光に右円偏光を、信号光にも右円
偏光を用いると、共振器ピークはAからCにシフトす
る。さらに、数十ピコ秒経過後にはスピン緩和によって
共振器ピークはBの位置まで戻る。これに対し、制御光
に右円偏光を、信号光には左円偏光を用いると、励起直
後はピークはAの位置のままであるが、スピン緩和によ
ってBの位置までシフトする。従って、光学非線形エタ
ロンにより反射、又は透過された右円偏光の信号光と左
円偏光の信号光の差を取ると、励起前とスピン緩和後は
共振器ピークが同じ位置にあるので信号差は0であり、
励起直後からスピン緩和までの間だけ信号差に強度があ
らわれることになる。
【0033】従って、制御光には右円偏光或いは左円偏
光を、信号光には直線偏光を用いれば、スピン緩和時間
で信号が完全に回復する応答が得られることになる。な
お、直線偏光は同じ大きさの右円偏光と左円偏光からな
るので、信号光が光学非線形エタロンで変化を受けた後
に四分の一波長板で2つの円偏光成分を横偏光と縦偏光
に変換し、横偏光と縦偏光をPBSにより分離してその
差を検出すれば、数十ピコ秒で完全に回復する信号を観
察することができる。
光を、信号光には直線偏光を用いれば、スピン緩和時間
で信号が完全に回復する応答が得られることになる。な
お、直線偏光は同じ大きさの右円偏光と左円偏光からな
るので、信号光が光学非線形エタロンで変化を受けた後
に四分の一波長板で2つの円偏光成分を横偏光と縦偏光
に変換し、横偏光と縦偏光をPBSにより分離してその
差を検出すれば、数十ピコ秒で完全に回復する信号を観
察することができる。
【0034】光学非線形エタロンに用いる光学非線形材
料としては、GaAsバルクやGaAs多重量子井戸
(MQW:Multiple Quantum Well)等を用いればよ
い。なお、2者の間では、MQWの方が光学非線形性が
大きいので適している。但し、これらの材料ではスピン
緩和による回復時間しか得られないので回復時間の制御
性がない。
料としては、GaAsバルクやGaAs多重量子井戸
(MQW:Multiple Quantum Well)等を用いればよ
い。なお、2者の間では、MQWの方が光学非線形性が
大きいので適している。但し、これらの材料ではスピン
緩和による回復時間しか得られないので回復時間の制御
性がない。
【0035】そこで、電子がトンネリングによって他の
層へ移動するために正孔のスピンが非常に速く緩和する
ので、障壁層膜厚を変えることによって回復時間の制御
を行うことができるタイプIITBQ(Tunneling Bi-Qua
ntum Well)が、より望ましい。さらに、障壁層をなく
すことによって高速化を図ることができるが、この場合
には励起子効果が小さくなるので、非線形性も小さくな
る。
層へ移動するために正孔のスピンが非常に速く緩和する
ので、障壁層膜厚を変えることによって回復時間の制御
を行うことができるタイプIITBQ(Tunneling Bi-Qua
ntum Well)が、より望ましい。さらに、障壁層をなく
すことによって高速化を図ることができるが、この場合
には励起子効果が小さくなるので、非線形性も小さくな
る。
【0036】タイプIITBQは、図4(a)に示すよう
に、GaAs量子井戸をAlGaAsで挟み、さらにA
lAsで挟み込んだ構造となっている。即ち、AlAs
/AlGaAs/GaAs/AlGaAsを1周期とし
て積層される。タイプIITBQの設計にあたっては、G
aAs層の電子の量子準位がAlAs層のX点の準位よ
り高くなるようにする(図4(a))。これは、層の厚
さやバンドギャップの大きさなどにより変化することが
できる。図4(b)には、障壁層(AlGaAs層)の
ないタイプIITBQのバンド図を示したが、この場合に
も設計手法は同じである。
に、GaAs量子井戸をAlGaAsで挟み、さらにA
lAsで挟み込んだ構造となっている。即ち、AlAs
/AlGaAs/GaAs/AlGaAsを1周期とし
て積層される。タイプIITBQの設計にあたっては、G
aAs層の電子の量子準位がAlAs層のX点の準位よ
り高くなるようにする(図4(a))。これは、層の厚
さやバンドギャップの大きさなどにより変化することが
できる。図4(b)には、障壁層(AlGaAs層)の
ないタイプIITBQのバンド図を示したが、この場合に
も設計手法は同じである。
【0037】このような材料において、GaAs層を励
起する光を照射すると、GaAs層に電子正孔対が生成
される。これは信号光の透過量や反射光に影響を及ぼ
す。通常、MQWなどでは、発生したキャリアの寿命に
よって吸収の回復を待つため、キャリア寿命である10
ns程度の応答速度となる。しかし、この構造ではGa
As層における電子が存在する準位よりもAlAs層の
X点の準位の方が低いので、障壁層であるAlGaAs
層の膜厚がトンネルできる程度に十分薄ければ、励起さ
れた電子はAlAs層に移動する。これはピコ秒オーダ
で生じるので、非常に速く信号光の強度が回復すること
になる。また、AlGaAsバリアの厚さによってトン
ネル時間、即ち信号光の回復時間を制御することができ
る。特に、障壁層の膜厚をゼロにした、図4(b)で
は、1ピコ秒を切る応答速度を得ることが可能である。
起する光を照射すると、GaAs層に電子正孔対が生成
される。これは信号光の透過量や反射光に影響を及ぼ
す。通常、MQWなどでは、発生したキャリアの寿命に
よって吸収の回復を待つため、キャリア寿命である10
ns程度の応答速度となる。しかし、この構造ではGa
As層における電子が存在する準位よりもAlAs層の
X点の準位の方が低いので、障壁層であるAlGaAs
層の膜厚がトンネルできる程度に十分薄ければ、励起さ
れた電子はAlAs層に移動する。これはピコ秒オーダ
で生じるので、非常に速く信号光の強度が回復すること
になる。また、AlGaAsバリアの厚さによってトン
ネル時間、即ち信号光の回復時間を制御することができ
る。特に、障壁層の膜厚をゼロにした、図4(b)で
は、1ピコ秒を切る応答速度を得ることが可能である。
【0038】なお、GaAsの価電子帯のΓ点とAlA
sの伝導帯のX点との間で吸収が大きくないこと、Al
AsのバンドギャップがGaAs量子井戸のそれよりも
大きいことから、制御光や信号光がGaAs以外の層に
吸収されないことが大きな利点となる。これにより、タ
イプIITBQはエタロンのような共振器に挿入して使用
することができる。
sの伝導帯のX点との間で吸収が大きくないこと、Al
AsのバンドギャップがGaAs量子井戸のそれよりも
大きいことから、制御光や信号光がGaAs以外の層に
吸収されないことが大きな利点となる。これにより、タ
イプIITBQはエタロンのような共振器に挿入して使用
することができる。
【0039】次に、本実施例による光スイッチング装置
及び光スイッチング方法を詳細に説明する。YAGレー
ザの2倍高調波で色素レーザを励起し、1ピコ秒の光パ
ルスを得た。制御光として右円偏光を用い、波長は重い
正孔だけを励起する光とした。ここで、バンドギャップ
に歪などの関係で軽い正孔が係わっている場合は、軽い
正孔だけを励起する。これは、右円偏光で重い正孔を励
起した場合は上向きスピンを励起するが、軽い正孔では
下向きスピンが励起されるためである。ここでは制御光
波長として、励起子吸収ピークよりも少し長波長側のピ
ークの裾を励起した。信号光は、光半導体装置10を構
成する光学非線形エタロンの共振器ピークより少し短波
長側の傾斜の急な領域に設定し、直線偏光のまま光半導
体装置10に入射した。
及び光スイッチング方法を詳細に説明する。YAGレー
ザの2倍高調波で色素レーザを励起し、1ピコ秒の光パ
ルスを得た。制御光として右円偏光を用い、波長は重い
正孔だけを励起する光とした。ここで、バンドギャップ
に歪などの関係で軽い正孔が係わっている場合は、軽い
正孔だけを励起する。これは、右円偏光で重い正孔を励
起した場合は上向きスピンを励起するが、軽い正孔では
下向きスピンが励起されるためである。ここでは制御光
波長として、励起子吸収ピークよりも少し長波長側のピ
ークの裾を励起した。信号光は、光半導体装置10を構
成する光学非線形エタロンの共振器ピークより少し短波
長側の傾斜の急な領域に設定し、直線偏光のまま光半導
体装置10に入射した。
【0040】光半導体装置10は、図5に示すように、
GaAs(001)基板上に、Al 0.25Ga0.75As
(54.4nm)/AlAs(64.2nm)を一周期
として14周期分堆積された第1のミラーが形成されて
いる。第1のミラー上には、GaAs(2.8nm)/
Al0.51Ga0.49As(1.7nm)/AlAs(7.
1nm)/Al0.51Ga0.49As(1.7nm)を一周
期として97周期分堆積された、タイプIITBQ構造の
光学非線形材料が形成されている。さらに、光学非線形
材料上には、Al0.25Ga0.75As(54.4nm)/
AlAs(64.2nm)を一周期として9.5周期分
堆積された第2のミラーが形成されている。
GaAs(001)基板上に、Al 0.25Ga0.75As
(54.4nm)/AlAs(64.2nm)を一周期
として14周期分堆積された第1のミラーが形成されて
いる。第1のミラー上には、GaAs(2.8nm)/
Al0.51Ga0.49As(1.7nm)/AlAs(7.
1nm)/Al0.51Ga0.49As(1.7nm)を一周
期として97周期分堆積された、タイプIITBQ構造の
光学非線形材料が形成されている。さらに、光学非線形
材料上には、Al0.25Ga0.75As(54.4nm)/
AlAs(64.2nm)を一周期として9.5周期分
堆積された第2のミラーが形成されている。
【0041】次に、本実施例による光スイッチング装置
の動作を図1を用いて説明する。ビームスプリッタ(図
示せず)により、直線偏光を2つの光に分岐し、制御光
と信号光とを得る。制御光は、信号光と制御光の光路差
調整するためのミラー(図示せず)により反射した後
に、四分の一波長板14で右円偏光に変換されて光半導
体装置10に入射される。信号光は直線偏光のまま光半
導体装置10に入射される。光半導体装置10により反
射され、制御光の影響を受けた信号光は四分の一波長板
16を透過して円偏光成分を直線偏光成分に変換する。
これをPBS18で縦偏光と横偏光に分けて検出する。
ミラーを移動させて制御光と信号光の光路差を変化させ
るポンププローブ法によって時間を変化させ、2つの偏
光成分の差を信号として得た。
の動作を図1を用いて説明する。ビームスプリッタ(図
示せず)により、直線偏光を2つの光に分岐し、制御光
と信号光とを得る。制御光は、信号光と制御光の光路差
調整するためのミラー(図示せず)により反射した後
に、四分の一波長板14で右円偏光に変換されて光半導
体装置10に入射される。信号光は直線偏光のまま光半
導体装置10に入射される。光半導体装置10により反
射され、制御光の影響を受けた信号光は四分の一波長板
16を透過して円偏光成分を直線偏光成分に変換する。
これをPBS18で縦偏光と横偏光に分けて検出する。
ミラーを移動させて制御光と信号光の光路差を変化させ
るポンププローブ法によって時間を変化させ、2つの偏
光成分の差を信号として得た。
【0042】図6に、上記構成により得られた信号を示
す。図示するように、約50ピコ秒でオフ動作の完了し
た信号得ることができた。次に、本実施例による光半導
体装置により論理演算を行う方法を説明する。光半導体
装置により反射された光強度を図7に示す。図中には光
吸収ピークが3つ描かれているが、長波長側からそれぞ
れ、制御光を入射しない場合(吸収ピークa)、制御光
を1つ入射した場合(吸収ピークb)、制御光を2つ入
射した場合(吸収ピークc)の光強度に対応している。
す。図示するように、約50ピコ秒でオフ動作の完了し
た信号得ることができた。次に、本実施例による光半導
体装置により論理演算を行う方法を説明する。光半導体
装置により反射された光強度を図7に示す。図中には光
吸収ピークが3つ描かれているが、長波長側からそれぞ
れ、制御光を入射しない場合(吸収ピークa)、制御光
を1つ入射した場合(吸収ピークb)、制御光を2つ入
射した場合(吸収ピークc)の光強度に対応している。
【0043】ここで、信号光を吸収ピークaと吸収ピー
クbとの交点に設定した場合を考える。図8(a)から
判るように、制御光が入射されない場合及び制御光がど
ちらか1つのみ入射された場合には、光強度はdのまま
変化しない。一方、制御光が2つともに入射された場合
には、光強度がd´に増加する。従って、反射光強度が
変化した場合を1とすれば、論理積(AND)の論理演
算が成されたことになる。
クbとの交点に設定した場合を考える。図8(a)から
判るように、制御光が入射されない場合及び制御光がど
ちらか1つのみ入射された場合には、光強度はdのまま
変化しない。一方、制御光が2つともに入射された場合
には、光強度がd´に増加する。従って、反射光強度が
変化した場合を1とすれば、論理積(AND)の論理演
算が成されたことになる。
【0044】次に、信号光を吸収ピークbの波長に設定
した場合を考える。図8(b)から判るように、制御光
が入射されない場合及び制御光が2つともに入射された
場合には、光強度がeのままである。一方、どちらか1
つのみ入射された場合には、光強度はe´に減少する。
従って、反射光強度が変化した場合を1とすれば、排他
的論理和(EXOR)の論理演算が成されたことにな
る。
した場合を考える。図8(b)から判るように、制御光
が入射されない場合及び制御光が2つともに入射された
場合には、光強度がeのままである。一方、どちらか1
つのみ入射された場合には、光強度はe´に減少する。
従って、反射光強度が変化した場合を1とすれば、排他
的論理和(EXOR)の論理演算が成されたことにな
る。
【0045】次に、信号光を吸収ピークbと吸収ピーク
cとの交点に設定した場合を考える。図8(c)から判
るように、制御光が入射されない場合には、fのまま光
強度は変化しない。一方、制御光がどちらか1つのみ入
射された場合及び制御光が2つともに入射された場合に
は、光強度がf´に減少する。従って、反射光強度が変
化した場合を1とすれば、論理和(OR)の論理演算が
成されたことになる。
cとの交点に設定した場合を考える。図8(c)から判
るように、制御光が入射されない場合には、fのまま光
強度は変化しない。一方、制御光がどちらか1つのみ入
射された場合及び制御光が2つともに入射された場合に
は、光強度がf´に減少する。従って、反射光強度が変
化した場合を1とすれば、論理和(OR)の論理演算が
成されたことになる。
【0046】なお、0と1の設定は逆にすることも可能
であるので、NAND、EXNOR、NORを取ること
も可能である。同様に、スピンを利用した論理演算も行
うことができる。右円偏光によって励起することを考え
ると、左円偏光の信号成分は常に励起直後は元のピーク
位置にあるので、右円偏光成分との反射強度が同じか違
うかによって0と1を設定すればよい。
であるので、NAND、EXNOR、NORを取ること
も可能である。同様に、スピンを利用した論理演算も行
うことができる。右円偏光によって励起することを考え
ると、左円偏光の信号成分は常に励起直後は元のピーク
位置にあるので、右円偏光成分との反射強度が同じか違
うかによって0と1を設定すればよい。
【0047】このように、本実施例によれば、光学非線
形エタロンにより光半導体装置を形成したので、従来の
吸収変化により光スイッチングを行う場合よりも信号強
度を大きくすることができる。また、論理積以外の種々
の論理演算を行うことができる。また、光学非線形材料
としてタイプIITBQを用いて光半導体装置を構成した
ので、障壁層の膜厚により信号光の回復時間を制御する
ことができる。また、これにより、容易に高速化を図る
ことができる。
形エタロンにより光半導体装置を形成したので、従来の
吸収変化により光スイッチングを行う場合よりも信号強
度を大きくすることができる。また、論理積以外の種々
の論理演算を行うことができる。また、光学非線形材料
としてタイプIITBQを用いて光半導体装置を構成した
ので、障壁層の膜厚により信号光の回復時間を制御する
ことができる。また、これにより、容易に高速化を図る
ことができる。
【0048】本発明の上記実施例に限らず種々の変形が
可能である。例えば、上記実施例では、制御光として円
偏光を用いたが、楕円偏光を用いてもよい。また、上記
の光スイッチング装置では、光半導体装置により反射さ
れた信号光を用いて構成したが、半導体装置を透過した
光を用いて構成してもよい。この場合、例えば図5に示
した光半導体装置では、GaAs基板を裏面からエッチ
ング除去すれば、光半導体装置を透過した光を得ること
ができる。
可能である。例えば、上記実施例では、制御光として円
偏光を用いたが、楕円偏光を用いてもよい。また、上記
の光スイッチング装置では、光半導体装置により反射さ
れた信号光を用いて構成したが、半導体装置を透過した
光を用いて構成してもよい。この場合、例えば図5に示
した光半導体装置では、GaAs基板を裏面からエッチ
ング除去すれば、光半導体装置を透過した光を得ること
ができる。
【0049】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、直線偏光
の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを用い、こ
れら信号光と制御光を光学非線形エタロンに入射した際
の、光学非線形材料の屈折率変化を利用して光スイッチ
ングを行ったので、従来の吸収変化により光スイッチン
グを行う場合よりも信号強度を大きくすることができ
る。また、論理積以外の種々の論理演算を行うことがで
きる。
の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを用い、こ
れら信号光と制御光を光学非線形エタロンに入射した際
の、光学非線形材料の屈折率変化を利用して光スイッチ
ングを行ったので、従来の吸収変化により光スイッチン
グを行う場合よりも信号強度を大きくすることができ
る。また、論理積以外の種々の論理演算を行うことがで
きる。
【0050】また、上記の光スイッチング方法では、光
学非線形エタロンを透過した信号光をスイッチングする
ことができる。また、上記の光スイッチング方法では、
光学非線形エタロンにより反射された信号光をスイッチ
ングすることができる。また、直線偏光の信号光と、円
偏光又は楕円偏光の制御光との光路上に光学非線形エタ
ロンを設け、制御光により信号光をスイッチングできる
ような光スイッチング装置を形成したので、従来の吸収
変化により光スイッチングを行う光スイッチング装置よ
りも信号強度を大きくすることができる。また、論理積
以外の種々の論理演算を行うことができる。
学非線形エタロンを透過した信号光をスイッチングする
ことができる。また、上記の光スイッチング方法では、
光学非線形エタロンにより反射された信号光をスイッチ
ングすることができる。また、直線偏光の信号光と、円
偏光又は楕円偏光の制御光との光路上に光学非線形エタ
ロンを設け、制御光により信号光をスイッチングできる
ような光スイッチング装置を形成したので、従来の吸収
変化により光スイッチングを行う光スイッチング装置よ
りも信号強度を大きくすることができる。また、論理積
以外の種々の論理演算を行うことができる。
【0051】また、前記の光スイッチング装置に、光学
非線形エタロンにより反射された信号光、又は光学非線
形エタロンを透過した信号光を直線偏光に変換する手段
と、縦偏光と横偏光に分割する手段と、分割された縦偏
光と横偏光を別々に検出する手段とを設けたので、光ス
イッチング動作をモニターすることができる。また、光
学非線形材料として、光学非線形が大きい多重量子井戸
構造を有する材料を用いれば、光学非線形材料としてG
aAsを用いる場合よりも信号強度を大きくすることが
できる。
非線形エタロンにより反射された信号光、又は光学非線
形エタロンを透過した信号光を直線偏光に変換する手段
と、縦偏光と横偏光に分割する手段と、分割された縦偏
光と横偏光を別々に検出する手段とを設けたので、光ス
イッチング動作をモニターすることができる。また、光
学非線形材料として、光学非線形が大きい多重量子井戸
構造を有する材料を用いれば、光学非線形材料としてG
aAsを用いる場合よりも信号強度を大きくすることが
できる。
【0052】また、上記の多重量子井戸構造を持つ材料
には、GaAsとAlGaAsとを交互に積層した積層
材料を適用することができる。また、キャリアがトンネ
ルできる程度の膜厚からなる障壁層が、直接遷移に関し
て量子井戸になる第1の量子井戸層と、間接遷移に対し
て量子井戸になり、且つ間接遷移に係わる電子の量子準
位が、直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の
量子井戸層とにより挟まれて形成された積層体を複数積
層した積層材料を光学非線形材料として用いれば、障壁
層の膜厚を変えることにより回復時間の制御を行うこと
ができる。
には、GaAsとAlGaAsとを交互に積層した積層
材料を適用することができる。また、キャリアがトンネ
ルできる程度の膜厚からなる障壁層が、直接遷移に関し
て量子井戸になる第1の量子井戸層と、間接遷移に対し
て量子井戸になり、且つ間接遷移に係わる電子の量子準
位が、直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の
量子井戸層とにより挟まれて形成された積層体を複数積
層した積層材料を光学非線形材料として用いれば、障壁
層の膜厚を変えることにより回復時間の制御を行うこと
ができる。
【0053】また、上記の積層材料としては、障壁層に
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
【0054】また、上記の積層材料としては、第1の量
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、光学非線形材料をミ
ラーにより挟んで形成した光学非線形エタロンを有し、
直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを
光学非線形エタロンに入射した際に、光学非線形エタロ
ンに入射された制御光により光学非線形エタロンを構成
する光学非線形材料の屈折率が変化し、光学非線形エタ
ロンにより反射される信号光、又は光学非線形エタロン
を透過した信号光をスイッチングする光半導体装置を形
成したので、従来の吸収変化により光スイッチングを行
う場合よりも信号強度を大きくすることができる。ま
た、論理積以外の種々の論理演算を行うことができる。
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、光学非線形材料をミ
ラーにより挟んで形成した光学非線形エタロンを有し、
直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを
光学非線形エタロンに入射した際に、光学非線形エタロ
ンに入射された制御光により光学非線形エタロンを構成
する光学非線形材料の屈折率が変化し、光学非線形エタ
ロンにより反射される信号光、又は光学非線形エタロン
を透過した信号光をスイッチングする光半導体装置を形
成したので、従来の吸収変化により光スイッチングを行
う場合よりも信号強度を大きくすることができる。ま
た、論理積以外の種々の論理演算を行うことができる。
【0055】また、キャリアがトンネルできる程度の膜
厚からなる障壁層が、直接遷移に関して量子井戸になる
第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ間接遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移
に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井戸層とに
より挟まれて形成された積層体を複数積層した積層材料
を光学非線形材料として用いれば、障壁層の膜厚を変え
ることにより回復時間の制御を行うことができる。
厚からなる障壁層が、直接遷移に関して量子井戸になる
第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ間接遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移
に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井戸層とに
より挟まれて形成された積層体を複数積層した積層材料
を光学非線形材料として用いれば、障壁層の膜厚を変え
ることにより回復時間の制御を行うことができる。
【0056】また、上記の積層材料としては、障壁層に
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
AlGaAs層を、第1の量子井戸層にGaAs層を、
第2の量子井戸層にAlAs層を適用することができ
る。また、直接遷移に関して量子井戸になる第1の量子
井戸層と、間接遷移に対して量子井戸になり、且つ間接
遷移に係わる電子の量子準位が、直接遷移に係わる電子
の量子準位より低い第2の量子井戸層とを交互に積層し
た積層材料を光学非線形材料として用いれば、より高速
な応答速度を得ることができる。
【0057】また、上記の積層材料としては、第1の量
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、上記の第1のミラー
及び第2のミラーとしては、AlAs層とAlGaAs
層とを交互に積層した積層材料を適用することができ
る。
子井戸層にGaAs層を、第2の量子井戸層にAlAs
層を適用することができる。また、上記の第1のミラー
及び第2のミラーとしては、AlAs層とAlGaAs
層とを交互に積層した積層材料を適用することができ
る。
【図1】本発明の一実施例による光スイッチング装置の
概略を示す図である。
概略を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による光半導体装置の原理を
説明する図である。
説明する図である。
【図3】光学非線形材料の屈折率変化にともなう反射光
強度の変化を示す図である。
強度の変化を示す図である。
【図4】タイプIITBQの構造と動作を説明する図であ
る。
る。
【図5】本発明の一実施例による光半導体装置の構造を
示す図である。
示す図である。
【図6】本発明の一実施例による出力信号を示す図であ
る。
る。
【図7】制御光の入射に伴う信号光の反射光強度の変化
を示す図である。
を示す図である。
【図8】本発明の一実施例による光半導体装置を用いた
論理演算の原理を示す図である。
論理演算の原理を示す図である。
【図9】従来の光スイッチング装置の概略を説明する図
である。
である。
10…光半導体装置 12…レンズ 14…四分の一波長板 16…四分の一波長板 18…偏光ビームスプリッタ 20…フォトダイオード 22…光学非線形材料 24…ミラー 26…直線偏光 28…ビームスプリッタ 30…制御光 32…信号光 34…四分の一波長板 36…ミラーペア 38…レンズ 40…光半導体装置 42…四分の一波長板 44…ウォラストンプリズム 46…フォトダイオード
Claims (18)
- 【請求項1】 直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏
光の制御光とを、光学非線形エタロンに入射し、前記制
御光により前記光学非線形エタロンを構成する光学非線
形材料の屈折率を変化し、前記信号光をスイッチングす
ることを特徴とする光スイッチング方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の光スイッチング方法にお
いて、 前記光学非線形エタロンを透過した前記信号光をスイッ
チングすることを特徴とする光スイッチング方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の光スイッチング方法にお
いて、 前記光学非線形エタロンにより反射された前記信号光を
スイッチングすることを特徴とする光スイッチング方
法。 - 【請求項4】 光学非線形エタロンと、 前記光学非線形エタロンに直線偏光の信号光を入射する
第1の光学手段と前記光学非線形エタロンに円偏光又は
楕円偏光の制御光を入射する第2の光学手段とを有し、 前記制御光により前記光学非線形エタロンを構成する光
学非線形材料の屈折率を変化し、前記信号光をスイッチ
ングすることを特徴とする光スイッチング装置。 - 【請求項5】 請求項4記載の光スイッチング装置にお
いて、 前記光学非線形エタロンにより反射された前記信号光、
又は前記光学非線形エタロンを透過した前記信号光を直
線偏光に変換する変換手段と、 直線偏光に変換された前記信号光を縦偏光と横偏光に分
割する分割手段と、 分割された前記縦偏光と前記横偏光との差を検出する検
出手段とをさらに有することを特徴とする光スイッチン
グ装置。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載の光スイッチング装
置において、 前記光学非線形材料は、GaAsであることを特徴とす
る光スイッチング装置。 - 【請求項7】 請求項4又は5記載の光スイッチング装
置において、 前記光学非線形材料は、バンドギャップの異なる2つの
物質が交互に積層され、電子と正孔が同じ量子井戸に閉
じこめられる多重量子井戸構造であることを特徴とする
光スイッチング装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の光スイッチング装置にお
いて、 前記バンドギャップの異なる2つの物質は、GaAsと
AlGaAsであることを特徴とする光スイッチング装
置。 - 【請求項9】 請求項4又は5記載の光スイッチング装
置において、 前記光学非線形材料は、キャリアがトンネルできる程度
の膜厚からなる障壁層と、直接遷移に関して量子井戸に
なる第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸に
なり、且つ前記間接遷移に係わる電子の量子準位が、前
記直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の量子
井戸層とを有し、前記障壁層を前記第1の量子井戸層と
前記第2の量子井戸層により挟んだ積層体を複数積層し
た積層材料であることを特徴とする光スイッチング装
置。 - 【請求項10】 請求項9記載の光スイッチング装置に
おいて、 前記障壁層は、AlGaAs層であり、 前記第1の量子井戸層は、GaAs層であり、 前記第2の量子井戸層は、AlAs層であることを特徴
とする光スイッチング装置。 - 【請求項11】 請求項4又は5記載の光スイッチング
装置において、 前記光学非線形材料は、直接遷移に関して量子井戸にな
る第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ前記間接遷移に係わる電子の量子準位が、前記
直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井
戸層とが交互に積層された積層材料であることを特徴と
する光スイッチング装置。 - 【請求項12】 請求項11記載の光スイッチング装置
において、 前記第1の量子井戸層は、GaAs層であり、 前記第2の量子井戸層は、AlAs層であることを特徴
とする光スイッチング装置。 - 【請求項13】 光学非線形材料と、 前記光学非線形材料の一方の面に設けられた第1のミラ
ーと、 前記光学非線形材料の他方の面に設けられた第2のミラ
ーとを有する光学非線形エタロンを有し、 直線偏光の信号光と、円偏光又は楕円偏光の制御光とを
前記光学非線形エタロンに入射した際に、前記制御光に
より前記光学非線形エタロンを構成する光学非線形材料
の屈折率が変化し、前記信号光をスイッチングすること
を特徴とする光半導体装置。 - 【請求項14】 請求項13記載の光半導体装置におい
て、 前記光学非線形材料は、キャリアがトンネルできる程度
の膜厚からなる障壁層と、直接遷移に関して量子井戸に
なる第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸に
なり、且つ前記間接遷移に係わる電子の量子準位が、前
記直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の量子
井戸層とを有し、前記障壁層を前記第1の量子井戸層と
前記第2の量子井戸層により挟んだ積層体を複数積層し
た積層材料であることを特徴とする光半導体装置。 - 【請求項15】 請求項14記載の光半導体装置におい
て、 前記障壁層は、AlGaAs層であり、 前記第1の量子井戸層は、GaAs層であり、 前記第2の量子井戸層は、AlAs層であることを特徴
とする光半導体装置。 - 【請求項16】 請求項13記載の光半導体装置におい
て、 前記光学非線形材料は、直接遷移に関して量子井戸にな
る第1の量子井戸層と、間接遷移に対して量子井戸にな
り、且つ前記間接遷移に係わる電子の量子準位が、前記
直接遷移に係わる電子の量子準位より低い第2の量子井
戸層とを交互に積層した積層材料であることを特徴とす
る光半導体装置。 - 【請求項17】 請求項16記載の光半導体装置におい
て、 前記第1の量子井戸層は、GaAs層であり、 前記第2の量子井戸層は、AlAs層であることを特徴
とする光半導体装置。 - 【請求項18】 請求項15又は17記載の光半導体装
置において、 前記第1のミラーは、AlAs層とAlGaAs層とを
交互に積層した積層材料であり、 前記第2のミラーは、AlAs層とAlGaAs層とを
交互に積層した積層材料であることを特徴とする光半導
体装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21577394A JPH0882811A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 光スイッチング方法、光スイッチング装置、及び光半導体装置 |
| US08/514,623 US5650611A (en) | 1994-09-07 | 1995-08-14 | Light switching method, light switching apparatus and optical semiconductor device |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21577394A JPH0882811A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 光スイッチング方法、光スイッチング装置、及び光半導体装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0882811A true JPH0882811A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16677995
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21577394A Pending JPH0882811A (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-09 | 光スイッチング方法、光スイッチング装置、及び光半導体装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0882811A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008203396A (ja) * | 2007-02-19 | 2008-09-04 | Nec Corp | 光スイッチおよびその製造方法 |
| JP2015034934A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-02-19 | 国立大学法人横浜国立大学 | 光制御素子及びこれを用いる量子デバイス |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP21577394A patent/JPH0882811A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008203396A (ja) * | 2007-02-19 | 2008-09-04 | Nec Corp | 光スイッチおよびその製造方法 |
| JP2015034934A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-02-19 | 国立大学法人横浜国立大学 | 光制御素子及びこれを用いる量子デバイス |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2928532B2 (ja) | 量子干渉光素子 | |
| Peyghambarian et al. | Optical bistability for optical signal processing and computing | |
| Yacomotti et al. | All-optical bistable band-edge Bloch modes in a two-dimensional photonic crystal | |
| Takahashi et al. | Ultrafast high-contrast all-optical switching using spin polarization in low-temperature-grown multiple quantum wells | |
| Takahashi | Low-temperature-grown surface-reflection all-optical switch (LOTOS) | |
| Cada et al. | All‐optical reflectivity tuning and logic gating in a GaAs/AlAs periodic layered structure | |
| US6172793B1 (en) | Apparatus for coherently controlling an optical transition | |
| EP1128203A1 (en) | Optical switching apparatus | |
| JP3791571B2 (ja) | 光分配方法および光分配装置 | |
| JPH0882811A (ja) | 光スイッチング方法、光スイッチング装置、及び光半導体装置 | |
| Tsurumachi et al. | Time response of one-dimensional photonic crystals with a defect layer made of semiconductor quantum dots | |
| US5650611A (en) | Light switching method, light switching apparatus and optical semiconductor device | |
| CA1248381A (en) | Selection and application of highly nonlinear optical media | |
| JP3268560B2 (ja) | 光半導体装置の製造方法 | |
| Takahashi et al. | Ultrafast all-optical serial-to-parallel conversion for optical header recognition | |
| JPH01112226A (ja) | 光論理素子 | |
| JPH04101121A (ja) | 偏光非線形光学装置及びこれを用いた光or論理演算方法 | |
| JPH022507A (ja) | 空間光変調素子 | |
| Takahashi et al. | Ultrafast all-optical serial-to-parallel conversion and its application to optical label processing | |
| Gibbs et al. | Semiconductor nonlinear etalons | |
| Powell et al. | Vertical cavity X-modulators for reconfigurable optical interconnection and routing | |
| JP2003270596A (ja) | 超高速・広帯域の光可飽和吸収半導体、それを用いた半導体装置及び導波路型光−光スイッチ | |
| Zumkley et al. | Electro-optical modulation in AlGaAs/GaAs distributed feedback structures | |
| Cada et al. | Optical nonlinear devices | |
| JP2006126567A (ja) | 光スイッチ並びにそれを用いた光分配装置及び光多重化装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040727 |