JPH0883561A - 二次電子増倍電極および光電子増倍管 - Google Patents
二次電子増倍電極および光電子増倍管Info
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- JPH0883561A JPH0883561A JP21901194A JP21901194A JPH0883561A JP H0883561 A JPH0883561 A JP H0883561A JP 21901194 A JP21901194 A JP 21901194A JP 21901194 A JP21901194 A JP 21901194A JP H0883561 A JPH0883561 A JP H0883561A
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Landscapes
- Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 光電子増倍管に用いられる二次電子増倍電極
の二次電子増倍率を向上させる。 【構成】 金属の下地基板の上にアンチモン層を形成す
るにあたって、酸化マグネシウムを中間層として用いる
ことで、二次電子放出効果を高め、二次電子増倍率の数
%の向上をなし得ることを見出した。この二次電子増倍
率の増大率は40%以上にも達する下地基板としては、
ニッケル板、銅ベリリウム合金板が特に望ましく、アル
ミニウム板やステンレス板でも、二次電子放出効果向上
に十分な効果を奏する。また、これら下地基板の表面を
酸化処理した場合でも、同様に酸化マグネシウムの中間
層による二次電子増倍率の向上が確認できた。本発明の
二次電子増倍電極はガラスバルブ中に組み込まれ、光電
陰極をアルカリ金属で活性化する際に、同時に活性化さ
れて増感つまり二次電子放出効果が増強されると考えら
れる。
の二次電子増倍率を向上させる。 【構成】 金属の下地基板の上にアンチモン層を形成す
るにあたって、酸化マグネシウムを中間層として用いる
ことで、二次電子放出効果を高め、二次電子増倍率の数
%の向上をなし得ることを見出した。この二次電子増倍
率の増大率は40%以上にも達する下地基板としては、
ニッケル板、銅ベリリウム合金板が特に望ましく、アル
ミニウム板やステンレス板でも、二次電子放出効果向上
に十分な効果を奏する。また、これら下地基板の表面を
酸化処理した場合でも、同様に酸化マグネシウムの中間
層による二次電子増倍率の向上が確認できた。本発明の
二次電子増倍電極はガラスバルブ中に組み込まれ、光電
陰極をアルカリ金属で活性化する際に、同時に活性化さ
れて増感つまり二次電子放出効果が増強されると考えら
れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次電子増倍電極および
光電子増倍管に関する。
光電子増倍管に関する。
【0002】
【従来の技術】光電子増倍管(PMT)は光入射により
光電子を放出する光電陰極(光電面)と、光電子を二次
電子放出効果によって増倍する二次電子増倍電極(二次
電子増倍面)と、増倍された電子を受容する陽極とを有
する。ここで、二次電子増倍電極の二次電子増倍率を向
上(増大)させる技術として、従来から種々のものが提
案されている。
光電子を放出する光電陰極(光電面)と、光電子を二次
電子放出効果によって増倍する二次電子増倍電極(二次
電子増倍面)と、増倍された電子を受容する陽極とを有
する。ここで、二次電子増倍電極の二次電子増倍率を向
上(増大)させる技術として、従来から種々のものが提
案されている。
【0003】例えば、特開昭47−45571号公報で
は、ニッケル基板上に酸化マグネシウムの薄層を形成し
た二次電子増倍電極が開示されており、特開昭51−1
48352号公報では、ニッケル基板上に酸化マンガン
層を形成し、その上にアンチモン層を形成した二次電子
増倍電極が開示されている。
は、ニッケル基板上に酸化マグネシウムの薄層を形成し
た二次電子増倍電極が開示されており、特開昭51−1
48352号公報では、ニッケル基板上に酸化マンガン
層を形成し、その上にアンチモン層を形成した二次電子
増倍電極が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光電子増倍管は、極め
て微弱な光を検出する光センサであり、したがって数%
の感度向上は極めて大きな意味をもつ一方で、微弱光入
射に対応する陽極(アノード)出力をできるだけ高レベ
ルとすることも大切である。そこで、従来から、光電陰
極における光電子放出効率(量子効率)の向上が試みら
れ、これとは別に、二次電子増倍電極における二次電子
放出効果の向上も試みられてきた。
て微弱な光を検出する光センサであり、したがって数%
の感度向上は極めて大きな意味をもつ一方で、微弱光入
射に対応する陽極(アノード)出力をできるだけ高レベ
ルとすることも大切である。そこで、従来から、光電陰
極における光電子放出効率(量子効率)の向上が試みら
れ、これとは別に、二次電子増倍電極における二次電子
放出効果の向上も試みられてきた。
【0005】具体的には、下地基板の選定、活性化のた
めのアルカリ金属の選定、下地基板への蒸着物質の選定
の他、プロセスにおける温度、処理時間などの検討がな
されてきた。本発明は、これらの検討の中で、本発明者
により見出された知見にもとづき完成されたものであ
り、二次電子増倍率の大幅な向上を可能にした。
めのアルカリ金属の選定、下地基板への蒸着物質の選定
の他、プロセスにおける温度、処理時間などの検討がな
されてきた。本発明は、これらの検討の中で、本発明者
により見出された知見にもとづき完成されたものであ
り、二次電子増倍率の大幅な向上を可能にした。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は、
金属の下地基板の上にアンチモン層を形成するにあたっ
て、何らかの中間層を介在させることで二次電子増倍率
を向上できるのではないか、と考えた。そして、実験を
重ねた結果、酸化マグネシウムを中間層として用いるこ
とで、二次電子放出効果を高め、二次電子増倍率の数1
0%もの向上をなし得ることを見出した。この二次電子
増倍率の本発明による増大率は、後述のように40%以
上にも達し、数%の増感、数%の出力レベルの増加が大
きな意味をもつ光電子増倍管においては、画期的とも言
える極めて大きな値である。
金属の下地基板の上にアンチモン層を形成するにあたっ
て、何らかの中間層を介在させることで二次電子増倍率
を向上できるのではないか、と考えた。そして、実験を
重ねた結果、酸化マグネシウムを中間層として用いるこ
とで、二次電子放出効果を高め、二次電子増倍率の数1
0%もの向上をなし得ることを見出した。この二次電子
増倍率の本発明による増大率は、後述のように40%以
上にも達し、数%の増感、数%の出力レベルの増加が大
きな意味をもつ光電子増倍管においては、画期的とも言
える極めて大きな値である。
【0007】ここにおいて、本発明の二次電子増倍電極
は、金属の下地基板上に酸化マグネシウムを主成分とす
る中間層が形成され、中間層上にアンチモン層が形成さ
れていることを特徴とする。ここで、下地基板として
は、本発明者の研究によれば、ニッケル板、銅ベリリウ
ム合金板が特に望ましく、アルミニウム板やステンレス
板でも、二次電子放出効果の向上に十分な効果を奏する
ことが判明した。なお、下地基板としては上記の金属に
限らず、例えば銀(Ag)との合金板などを用いること
もできる。また、これら下地基板の表面を酸化処理した
場合でも、同様に酸化マグネシウムの中間層による二次
電子増倍率の向上が確認できた。
は、金属の下地基板上に酸化マグネシウムを主成分とす
る中間層が形成され、中間層上にアンチモン層が形成さ
れていることを特徴とする。ここで、下地基板として
は、本発明者の研究によれば、ニッケル板、銅ベリリウ
ム合金板が特に望ましく、アルミニウム板やステンレス
板でも、二次電子放出効果の向上に十分な効果を奏する
ことが判明した。なお、下地基板としては上記の金属に
限らず、例えば銀(Ag)との合金板などを用いること
もできる。また、これら下地基板の表面を酸化処理した
場合でも、同様に酸化マグネシウムの中間層による二次
電子増倍率の向上が確認できた。
【0008】光電子増倍管にその部品として適用される
本発明の二次電子増倍電極は、ガラスバルブ中に組み込
まれ、反射型あるいは透過型の光電陰極をアルカリ金属
で活性化する際に、同時に活性化されて増感つまり二次
電子放出効果が増強されると考えられる。本発明者は、
バイアルカリとしてK−Cs(カリウム・セシウム)、
マルチアルカリとしてNa−K−Cs(ナトリウム・カ
リウム・セシウム)の反射型光電面を有する光電子増倍
管を試作し、良好な結果を得たが、この場合のアルカリ
金属は一種類(モノアルカリ)でもよい。また、二次電
子増倍面の増感に用い得るアルカリ金属としては、上記
以外にRb(ルビジウム)などがある。
本発明の二次電子増倍電極は、ガラスバルブ中に組み込
まれ、反射型あるいは透過型の光電陰極をアルカリ金属
で活性化する際に、同時に活性化されて増感つまり二次
電子放出効果が増強されると考えられる。本発明者は、
バイアルカリとしてK−Cs(カリウム・セシウム)、
マルチアルカリとしてNa−K−Cs(ナトリウム・カ
リウム・セシウム)の反射型光電面を有する光電子増倍
管を試作し、良好な結果を得たが、この場合のアルカリ
金属は一種類(モノアルカリ)でもよい。また、二次電
子増倍面の増感に用い得るアルカリ金属としては、上記
以外にRb(ルビジウム)などがある。
【0009】
【実施例】以下、実施例に従い、本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【0010】本発明の二次電子増倍電極は、図1に示さ
れるように、下地基板とアンチモン層の間に中間層が介
在する点で、従来のものと異なる。このような二次電子
増倍電極は、図2に示すサイドオン型光電子増倍管の、
サーキュラーゲージ構造の9個のダイノード(Dy1 〜
Dy9 )に用いられる。
れるように、下地基板とアンチモン層の間に中間層が介
在する点で、従来のものと異なる。このような二次電子
増倍電極は、図2に示すサイドオン型光電子増倍管の、
サーキュラーゲージ構造の9個のダイノード(Dy1 〜
Dy9 )に用いられる。
【0011】図2の光電子増倍管について説明すると、
プラスチック製のベース1にはガラス製の真空バルブ2
が取り付けられ、ベース1から下方には電極ピン3が突
出している。真空バルブ2の内部にはシールド板4が立
設され、この前面には反射型光電面を形成した陰極板5
が固定されている。9段のダイノードDy1 〜Dy9は
サーキュラーゲージ構造をなして真空バルブ2中に設け
られ、最終段ダイノードDy9 の前面にはアノードすな
わち陽極6が設けられる。また、陰極板5の前面にはメ
ッシュ電極8が設けられる。上記の構造は、セラミック
ス製の2枚の支持板71,72により一体に支持されて
いる。
プラスチック製のベース1にはガラス製の真空バルブ2
が取り付けられ、ベース1から下方には電極ピン3が突
出している。真空バルブ2の内部にはシールド板4が立
設され、この前面には反射型光電面を形成した陰極板5
が固定されている。9段のダイノードDy1 〜Dy9は
サーキュラーゲージ構造をなして真空バルブ2中に設け
られ、最終段ダイノードDy9 の前面にはアノードすな
わち陽極6が設けられる。また、陰極板5の前面にはメ
ッシュ電極8が設けられる。上記の構造は、セラミック
ス製の2枚の支持板71,72により一体に支持されて
いる。
【0012】本発明に係る二次電子増倍電極は、上記の
ような反射型光電面を有する光電子増倍管だけでなく、
いわゆる透過型光電面を有する光電子増倍管にも適用で
きる。ここで、反射型光電面とは金属板上にアルカリ金
属などの光電子放出膜を形成したものであって、入射光
子の進行方向とは反対方向に、つまり、入射光子を光電
子に変換してあたかも反射する如く真空バルブ2中に放
出する。透過型光電面とはガラス板上に光電子放出膜を
形成したものであって、入射光子の進行方向と同一方向
に、つまり、入射光子を光電子に変換してあたかも透過
する如く真空バルブ2中に放出する。
ような反射型光電面を有する光電子増倍管だけでなく、
いわゆる透過型光電面を有する光電子増倍管にも適用で
きる。ここで、反射型光電面とは金属板上にアルカリ金
属などの光電子放出膜を形成したものであって、入射光
子の進行方向とは反対方向に、つまり、入射光子を光電
子に変換してあたかも反射する如く真空バルブ2中に放
出する。透過型光電面とはガラス板上に光電子放出膜を
形成したものであって、入射光子の進行方向と同一方向
に、つまり、入射光子を光電子に変換してあたかも透過
する如く真空バルブ2中に放出する。
【0013】また、本発明の二次電子増倍電極は真空バ
ルブ2の側面に光が入射するサイドオン型光電子増倍管
だけでなく、頂面に光が入射するいわゆるヘッドオン型
の光電子増倍管にも適用できる。さらに、本発明の二次
電子増倍電極はサーキュラーゲージ構造となるダイノー
ドだけでなく、ボックスアンドグリッド構造となるも
の、ベネシアンブラインド構造となるもの、ラインフォ
ーカス構造となるものなど、各種の光電子増倍管に適用
できる。
ルブ2の側面に光が入射するサイドオン型光電子増倍管
だけでなく、頂面に光が入射するいわゆるヘッドオン型
の光電子増倍管にも適用できる。さらに、本発明の二次
電子増倍電極はサーキュラーゲージ構造となるダイノー
ドだけでなく、ボックスアンドグリッド構造となるも
の、ベネシアンブラインド構造となるもの、ラインフォ
ーカス構造となるものなど、各種の光電子増倍管に適用
できる。
【0014】次に、本発明者による具体的な実験(二次
電子増倍電極および光電子増倍管の試作および測定)に
ついて説明する。
電子増倍電極および光電子増倍管の試作および測定)に
ついて説明する。
【0015】本発明者は、次のようにしてサイドオン型
光電子増倍管を試作した。まず、実施例としては、9段
のダイノードのうち、初段ダイノードのみを本発明構造
とした。つまり、初段ダイノードDy1 は金属の下地基
板上に酸化マグネシウムの中間層を形成し、その上にア
ンチモン層を形成した。そして、第2段〜最終段ダイノ
ードDy2 〜Dy9 については、酸化マグネシウムの中
間層を設けることなく、金属の下地基板上に直接アンチ
モン層を形成した。一方、比較例としては、9段のダイ
ノードDy1 〜Dy9 の全てについて、金属の下地基板
上に直接にアンチモン層を形成し、他は同一とした。
光電子増倍管を試作した。まず、実施例としては、9段
のダイノードのうち、初段ダイノードのみを本発明構造
とした。つまり、初段ダイノードDy1 は金属の下地基
板上に酸化マグネシウムの中間層を形成し、その上にア
ンチモン層を形成した。そして、第2段〜最終段ダイノ
ードDy2 〜Dy9 については、酸化マグネシウムの中
間層を設けることなく、金属の下地基板上に直接アンチ
モン層を形成した。一方、比較例としては、9段のダイ
ノードDy1 〜Dy9 の全てについて、金属の下地基板
上に直接にアンチモン層を形成し、他は同一とした。
【0016】光電子増倍管の作製プロセスを工程順に説
明すると、まず、光電陰極に用いる金属の下地基板を洗
浄し、真空蒸着装置にセットする。ここで、下地基板と
しては、ニッケル(Ni)板、表面を酸化したニッケル
基板、アルミニウム(Al)板、ステンレス板、銅ベリ
リウム(CuBe)合金板を用いた。なお、真空蒸着装
置には蒸着源として、マグネシウム(Mg)粒子とアン
チモン(Sb)粒子をセットしておく。
明すると、まず、光電陰極に用いる金属の下地基板を洗
浄し、真空蒸着装置にセットする。ここで、下地基板と
しては、ニッケル(Ni)板、表面を酸化したニッケル
基板、アルミニウム(Al)板、ステンレス板、銅ベリ
リウム(CuBe)合金板を用いた。なお、真空蒸着装
置には蒸着源として、マグネシウム(Mg)粒子とアン
チモン(Sb)粒子をセットしておく。
【0017】次に、実施例の第1段ダイノードDy1 に
ついてはMg蒸着後酸化し、次にSbを蒸着することに
より下地基板とアンチモン層の間に酸化マグネシウムの
中間層が介在されたダイノードが得られる。他のダイノ
ードについてはSbのみを蒸着する。
ついてはMg蒸着後酸化し、次にSbを蒸着することに
より下地基板とアンチモン層の間に酸化マグネシウムの
中間層が介在されたダイノードが得られる。他のダイノ
ードについてはSbのみを蒸着する。
【0018】次に、真空バルブ内に、上記のダイノード
を光電陰極や陽極と共にセットし、光電子増倍管構造を
組み立てる。そして、真空バルブを排気装置にセット
し、内部を真空とする。残留ガス除去のための加熱処理
を行なった後、アルカリ金属を真空バルブ内に導入して
150℃〜200℃で活性化する。これにより、光電面
が形成されると同時に、二次電子増倍電極の二次電子増
倍面も増感される。
を光電陰極や陽極と共にセットし、光電子増倍管構造を
組み立てる。そして、真空バルブを排気装置にセット
し、内部を真空とする。残留ガス除去のための加熱処理
を行なった後、アルカリ金属を真空バルブ内に導入して
150℃〜200℃で活性化する。これにより、光電面
が形成されると同時に、二次電子増倍電極の二次電子増
倍面も増感される。
【0019】上記のようなアルカリ金属による活性化
は、光電感度を測定しながら行なうととし、一定の感度
が得られたらアルカリ金属の導入を止めて真空引きし、
エージングを行なった後、真空バルブをバーナーにより
封じ切って封止管とする。そして、切り取って排気装置
から取り外す。
は、光電感度を測定しながら行なうととし、一定の感度
が得られたらアルカリ金属の導入を止めて真空引きし、
エージングを行なった後、真空バルブをバーナーにより
封じ切って封止管とする。そして、切り取って排気装置
から取り外す。
【0020】次に、上記の試作品の二次電子増倍率の測
定手順を説明する。図3および図4は二次電子増倍電極
の二次電子増倍率の測定系を示している。第1段ダイノ
ードDy1 の二次電子増倍率であるδ1 値は、 δ1 =1+Idy1 /Ik で求まる。ここで、Ik は光入射時のカソード(光電陰
極)に供給される電流値であり、Idy1 は光入射時の第
1段ダイノードDy1 (二次電子増倍電極)に供給され
る電流値である。
定手順を説明する。図3および図4は二次電子増倍電極
の二次電子増倍率の測定系を示している。第1段ダイノ
ードDy1 の二次電子増倍率であるδ1 値は、 δ1 =1+Idy1 /Ik で求まる。ここで、Ik は光入射時のカソード(光電陰
極)に供給される電流値であり、Idy1 は光入射時の第
1段ダイノードDy1 (二次電子増倍電極)に供給され
る電流値である。
【0021】そこで、Ik については、図3に示すよう
に、ダイノードDy1 〜Dy5 に各100Vづつ印加し
て光電陰極への電流を測定して求める。また、Idy1 に
ついては、図4に示すように、ダイノードDy1 〜Dy
5 に各100Vづつ印加して第1段ダイノードDy1 へ
の電流を測定して求める。なお、上記の測定において、
光源からの入射光は光電陰極の中心において直径2mm
のスポットになるようにし、温度は25℃とした。
に、ダイノードDy1 〜Dy5 に各100Vづつ印加し
て光電陰極への電流を測定して求める。また、Idy1 に
ついては、図4に示すように、ダイノードDy1 〜Dy
5 に各100Vづつ印加して第1段ダイノードDy1 へ
の電流を測定して求める。なお、上記の測定において、
光源からの入射光は光電陰極の中心において直径2mm
のスポットになるようにし、温度は25℃とした。
【0022】以下、その結果を示す。なお、実験1〜6
において、実施例と比較例でそれぞれ2本の光電子増倍
管を試作し、それぞれの良い方のデータを本発明による
増大率の算出に採用した。
において、実施例と比較例でそれぞれ2本の光電子増倍
管を試作し、それぞれの良い方のデータを本発明による
増大率の算出に採用した。
【0023】実験1 下地基板は表面を酸化処理していないニッケル基板と
し、実施例については酸化マグネシウムの中間層を介在
させてアンチモン層を形成し、比較例についてはニッケ
ル基板にアンチモン層を直接形成した。アルカリ金属と
してK−Cs(カリウム・セシウム)を用いたところ、
比較例の第1段ダイノードの二次電子増倍率に対して、
実施例の第1段ダイノードの二次電子増倍率は1.44
9倍であった。
し、実施例については酸化マグネシウムの中間層を介在
させてアンチモン層を形成し、比較例についてはニッケ
ル基板にアンチモン層を直接形成した。アルカリ金属と
してK−Cs(カリウム・セシウム)を用いたところ、
比較例の第1段ダイノードの二次電子増倍率に対して、
実施例の第1段ダイノードの二次電子増倍率は1.44
9倍であった。
【0024】実験2 下地基板は表面を酸化処理したニッケル基板とし、他は
実験1と同様にした。実施例によれば、比較例の1.4
10倍の二次電子増倍率が得られた。
実験1と同様にした。実施例によれば、比較例の1.4
10倍の二次電子増倍率が得られた。
【0025】実験3 下地基板はアルミニウム板とし、他は実験1と同様にし
た。実施例の二次電子増倍率は比較例の1.191倍で
あった。なお、下地基板には特に酸化処理していないア
ルミニウム板を用いたが、表面に薄い酸化膜が形成され
ていることは十分ありうる。
た。実施例の二次電子増倍率は比較例の1.191倍で
あった。なお、下地基板には特に酸化処理していないア
ルミニウム板を用いたが、表面に薄い酸化膜が形成され
ていることは十分ありうる。
【0026】実験4 下地基板はステンレス板とし、他は実験1と同様にし
た。実施例によれば、比較例の1.098倍の二次電子
増倍率が得られた。
た。実施例によれば、比較例の1.098倍の二次電子
増倍率が得られた。
【0027】実験5 下地基板は銅ベリリウム合金板とし、他は実験1と同様
にした。実施例の二次電子増倍率は、比較例の1.47
9倍であった。
にした。実施例の二次電子増倍率は、比較例の1.47
9倍であった。
【0028】実験6 アルカリ金属にはNa−K−Cs(ナトリウム・カリウ
ム・セシウム)を用い、他は実験1と同様にした。実施
例によれば、比較例の1.324倍の二次電子増倍率が
得られた。
ム・セシウム)を用い、他は実験1と同様にした。実施
例によれば、比較例の1.324倍の二次電子増倍率が
得られた。
【0029】以上の実験1〜6の結果を、図5にまとめ
て示す。下地基板の種類によらず、また、アルカリ金属
の種類によらず、酸化マグネシウムの中間層を用いるこ
とで、二次電子増倍率の大幅な向上が可能になることが
判明した。
て示す。下地基板の種類によらず、また、アルカリ金属
の種類によらず、酸化マグネシウムの中間層を用いるこ
とで、二次電子増倍率の大幅な向上が可能になることが
判明した。
【0030】実験7 本発明者は、光電陰極と第1段ダイノードDy1 の間の
印加電圧に対する二次電子増倍率の依存性を調べた。図
6において、実線は酸化マグネシウムの中間層を有する
二次電子増倍電極を第1段ダイノードとした場合、点線
は酸化マグネシウムを有しない二次電子増倍電極を第1
段ダイノードとした場合を示し、横軸は光電陰極−第1
段ダイノード間電圧、縦軸は第1段の二次電子増倍率で
あるδ1値を表わしている。図示の通り、印加電圧によ
らず、二次電子増倍率の増大効果が現れている。
印加電圧に対する二次電子増倍率の依存性を調べた。図
6において、実線は酸化マグネシウムの中間層を有する
二次電子増倍電極を第1段ダイノードとした場合、点線
は酸化マグネシウムを有しない二次電子増倍電極を第1
段ダイノードとした場合を示し、横軸は光電陰極−第1
段ダイノード間電圧、縦軸は第1段の二次電子増倍率で
あるδ1値を表わしている。図示の通り、印加電圧によ
らず、二次電子増倍率の増大効果が現れている。
【0031】
【発明の効果】以上の通り本発明では、金属の下地基板
とアンチモン層の間に酸化マグネシウムの中間層を介在
させることで、二次電子増倍率の大幅な向上が可能にな
った。したがって、本発明の二次電子増倍電極を用いた
光電子増倍管によれば、高レベルの検出出力をアノード
から出力することが可能になる。
とアンチモン層の間に酸化マグネシウムの中間層を介在
させることで、二次電子増倍率の大幅な向上が可能にな
った。したがって、本発明の二次電子増倍電極を用いた
光電子増倍管によれば、高レベルの検出出力をアノード
から出力することが可能になる。
【図1】本発明の二次電子増倍電極の断面構造を従来例
と対比する図。
と対比する図。
【図2】本発明が適用され得る光電子増倍管の図。
【図3】カソード電流の測定系を示す図。
【図4】第1段ダイノード電流の測定系を示す図。
【図5】実験1〜6の内部および測定結果を示す図。
【図6】実験7の測定結果を示す図。
2…真空バルブ、4…シールド板、5…光電陰極、6…
陽極、Dy1 〜Dy9…ダイノード。
陽極、Dy1 〜Dy9…ダイノード。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属の下地基板上に酸化マグネシウムを
主成分とする中間層が形成され、前記中間層上にアンチ
モン層が形成されていることを特徴とする二次電子増倍
電極。 - 【請求項2】 前記下地基板は、ニッケル板、ステンレ
ス板、アルミニウム板又は銅ベリリウム合金板のいずれ
かである請求項1記載の二次電子増倍電極。 - 【請求項3】 真空容器の内部に、 アルカリ金属を含んで形成された光電陰極と、請求項1
に記載の二次電子増倍電極と、陽極とを備え、 前記二次電子増倍電極はアルカリ金属により活性化され
ていることを特徴とする光電子増倍管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21901194A JPH0883561A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 二次電子増倍電極および光電子増倍管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21901194A JPH0883561A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 二次電子増倍電極および光電子増倍管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0883561A true JPH0883561A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16728866
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21901194A Pending JPH0883561A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 二次電子増倍電極および光電子増倍管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0883561A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001054157A1 (en) * | 2000-01-17 | 2001-07-26 | Hamamatsu Photonics K.K. | Cathode for emitting photoelectron or secondary electron, photomultiplier tube, and electron-multiplier tube |
| JP2007012308A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Hamamatsu Photonics Kk | 二次電子増倍電極及び光電子増倍管 |
| JP2007026785A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Hamamatsu Photonics Kk | 光電面、並びに、それを備える光電子増倍管、x線発生装置、紫外線イメージ管及びx線イメージインテンシファイア |
| US8421354B2 (en) | 2006-12-28 | 2013-04-16 | Hamamatsu Photonics K.K. | Photocathode, photomultiplier and electron tube |
| CN111223739A (zh) * | 2018-11-26 | 2020-06-02 | 陈新云 | 新型铜铍合金倍增级及其制备方法 |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP21901194A patent/JPH0883561A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6670752B2 (en) | 2000-01-16 | 2003-12-30 | Hamamatsu Photonics K.K. | Cathode for emitting photoelectron or secondary electron, photomultiplier tube, and electron-multiplier tube |
| WO2001054157A1 (en) * | 2000-01-17 | 2001-07-26 | Hamamatsu Photonics K.K. | Cathode for emitting photoelectron or secondary electron, photomultiplier tube, and electron-multiplier tube |
| JP2007012308A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Hamamatsu Photonics Kk | 二次電子増倍電極及び光電子増倍管 |
| JP2007026785A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Hamamatsu Photonics Kk | 光電面、並びに、それを備える光電子増倍管、x線発生装置、紫外線イメージ管及びx線イメージインテンシファイア |
| US8421354B2 (en) | 2006-12-28 | 2013-04-16 | Hamamatsu Photonics K.K. | Photocathode, photomultiplier and electron tube |
| CN111223739A (zh) * | 2018-11-26 | 2020-06-02 | 陈新云 | 新型铜铍合金倍增级及其制备方法 |
| CN111223739B (zh) * | 2018-11-26 | 2023-11-24 | 陈新云 | 新型铜铍合金倍增级及其制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040308 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040507 |
|
| A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040514 |
|
| A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20040604 |