JPH0883614A - 水素吸蔵合金電極用スラリーの製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極用スラリーの製造方法

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JPH0883614A
JPH0883614A JP6217680A JP21768094A JPH0883614A JP H0883614 A JPH0883614 A JP H0883614A JP 6217680 A JP6217680 A JP 6217680A JP 21768094 A JP21768094 A JP 21768094A JP H0883614 A JPH0883614 A JP H0883614A
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powder
slurry
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Atsushi Furukawa
淳 古川
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Furukawa Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池内圧の上昇を抑制でき、充放電サイクル
寿命を長くすることができ、また急放電特性も優れてい
るニッケル−水素二次電池の製造にとって有効な水素吸
蔵合金電極用スラリーの製造方法を提供する。 【構成】 本発明方法は、機械的に粉砕した水素吸蔵合
金粉末を起泡性水溶液に分散させる工程;水素吸蔵合金
粉末が分散している起泡性水溶液にガスを吹き込み気泡
を発生させる工程;気泡に捕捉された粒径20μm以下
の微粒子を気泡ごと除去する工程;得られた水素吸蔵合
金粉末と導電材粉末と結着剤粉末とを増粘剤水溶液に添
加してスラリーを調製する工程;を必須工程として備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金電極用ス
ラリーの製造方法に関し、更に詳しくは、ニッケル−水
素二次電池のようなアルカリ二次電池に負極として組み
込まれる水素吸蔵合金電極に用いられるスラリーであっ
て、組み立てられた電池の充電時における電池内圧の上
昇を抑制し、電池の急放電特性を向上させ、また、電池
の長寿命化を実現することができる水素吸蔵合金電極用
スラリーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電気・電子機器の小型軽量化,コ
ードレス化の進展にともない、それらの電源として用い
られる電池には、小型化・軽量化・高容量化への要求が
高まっている。この要請に応える高容量電池として、最
近、ニッケル−水素二次電池が注目を集めている。
【0003】このニッケル−水素二次電池は、水素を負
極活物質として動作するものであり、可逆的に水素を吸
蔵・放出することができる水素吸蔵合金を導電基材に担
持させて成る負極と、通常、正極活物質として動作する
ニッケル水酸化物を導電基材に担持して成る正極とをセ
パレータを介してアルカリ電解液中に配置して構成され
る。
【0004】ここで、上記した負極は、通常以下のよう
にして製造される。すなわち、まず所定組成の水素吸蔵
合金が、例えばアーク溶解炉などによって溶製され、そ
のインゴットを、例えばボールミルやハンマーミルのよ
うな粉砕機を用いて機械的に粉砕して所定粒径の水素吸
蔵合金粉末を製造する。ついで、この水素吸蔵合金粉末
とニッケル粉のような導電材粉末と、ポリテトラフルオ
ロエチレン粉のような結着剤粉末とを所定の割合で混合
し、ここに、例えばイオン交換水にメチルセルロース,
カルボキシメチルセルロース,エチレンオキシドのよう
な増粘剤を溶解して成る増粘剤水溶液に分散させてスラ
リーを調製する。このスラリーに、例えばパンチングニ
ッケルシートのような導電基材を浸漬してその導電基材
を引き上げることにより導電基材の表面に上記スラリー
を付着させたのち、その付着スラリーの乾燥,圧延を行
って所望厚みの水素吸蔵合金粉末層を導電基材に担持さ
せて水素吸蔵合金電極が製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ニッケル−
水素二次電池においては、水素吸蔵合金の充電反応が起
こる電位はアルカリ電解液を構成する水の電解電位に近
接した値である。そのため、充電操作の終期において
は、水の電解によって発生した水素ガスのガス圧が加算
されることにより電池内圧の上昇が起こる。この内圧上
昇を抑制するためには、負極の容量を大きくすればある
程度緩和することは可能であるが、しかしそのような処
置は、電池形状の大型化を招き、電池の小型化,電池の
高エネルギー密度化という点で好ましいこととはいえな
い。
【0006】また、ニッケル−水素二次電池は、ニッケ
ル−カドミウム二次電池のような他の二次電池の場合と
同様に、充放電の反復の過程でその電池容量が漸減して
遂には寿命が尽きる。例えば、ニッケル−カドミウム二
次電池の場合、それに関するJIS規格によれば、容量
が定格の60%以下になった時点で電池寿命が尽きたも
のと判定され、その間、500回以上の充放電サイクル
を反復できることを必要条件としている。
【0007】従来から知られているニッケル−水素二次
電池の場合、電池の容量が定格の80%程度になるまで
の充放電サイクルは300〜350回程度であり、定格
の60%程度になるまでの充放電サイクルは350〜4
00回程度である。逆にいえば、充放電を上記した回数
反復すると、電池容量は、定格の80%程度,60%程
度に低下するということであり、300〜400回の充
放電サイクルで電池の使用寿命は尽きてしまうというこ
とである。
【0008】このようなことから、更に長い使用寿命を
備えたニッケル−水素二次電池の開発が求められてい
る。本発明は、上記した要望に応えることができ、充電
時における電池内圧の上昇を抑制でき、充放電サイクル
寿命を長くすることができ、また、急放電特性も優れて
いるニッケル−水素二次電池の製造にとって有効な水素
吸蔵合金電極用スラリーの製造方法の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねる過程で、従来の電極製
造方法で使用されている粉砕直後の水素吸蔵合金につ
き、その表面状態を顕微鏡観察した。その結果、図1の
模式図で示したように、水素吸蔵合金粉末1の表面に
は、更に、多量の微粒子2が付着している事実を見出し
た。この微粒子2は、粉砕時の条件によっても異なる
が、その粒径は概ね20μm以下であった。
【0010】そして、これら微粒子を採取してその組成
を分析したところ、これらは目標とする合金組成から大
きくずれた組成であり、しかも合金の各成分の酸化物を
含むため、水素吸蔵合金の本来の性能を発揮することが
なく、また、これら微粒子はアルカリ電解液に溶解して
水酸化物を形成するとの知見を得た。したがって、本発
明者は、粉砕後の水素吸蔵合金の表面から上記微粒子を
除去すれば、水素吸蔵合金本来の性能を復元させること
ができ、前記した目的を達成することが可能になるとの
着想を得、本発明を開発するに至った。
【0011】すなわち、本発明の水素吸蔵合金電極用ス
ラリーの製造方法では、機械的に粉砕した水素吸蔵合金
粉末を起泡性水溶液に分散させる工程;前記水素吸蔵合
金粉末が分散している起泡性水溶液にガスを吹き込み気
泡を発生させる工程;前記気泡に捕捉された粒径20μ
m以下の微粒子を気泡ごと除去する工程;得られた水素
吸蔵合金粉末と導電材粉末と結着剤粉末とを増粘剤水溶
液に添加してスラリーを調製する工程;を必須工程とし
て備えていることを特徴とする水素吸蔵合金電極用スラ
リーの製造方法が提供される。
【0012】本発明においては、まず、ボールミルやハ
ンマーミルのような粉砕機で機械的に粉砕した所望粒度
の水素吸蔵合金粉末を用意する。尚、前記水素吸蔵合金
粉末としては、水素の吸蔵・放出が行えるものであれば
格別限定されるものではなく、例えば、TiFe,Zr
Mn2 ,ZrV2 ,ZrNi2 ,CaNi5 ,LaNi
5 ,MmNi5 (Mmはミッシュメタル),Mg2
i,Mg2 Cu等を用いることができる。
【0013】上述のようにして用意された水素吸蔵合金
粉末は、図1で示したように、その表面に多数の微粒子
が付着している。そして、前記水素吸蔵合金粉末の所定
量を起泡性水溶液が入っている処理槽に投入し、均一に
分散させ、水素吸蔵合金粉末が分散した起泡性水溶液
(以下、分散液という)を調製する。
【0014】尚、前記起泡性水溶液としては、起泡性を
発揮するものであれば格別限定されるものではなく、例
えば、ノニオン系の界面活性剤,中性洗剤等を水に溶解
したもの、あるいは、ポリエチレンオキサイド,ポリビ
ニルアルコール,メチルセルロース,ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースま
たはカルボキシメチルセルロースの群から選ばれる1種
もしくは2種以上をイオン交換水または蒸留水に溶解し
た前記増粘剤水溶液を用いることができる。
【0015】次に、前記処理槽の底部よりガスを吹き込
み、前記分散液を起泡させる。尚、吹き込むガスとして
は、格別限定されるものではなく、例えば、窒素,アル
ゴン,空気などを用いることができる。このとき、前記
起泡性水溶液の界面活性作用により水素吸蔵合金粉末の
表面に付着していた粒径20μm以下の微粒子は表面か
ら除去され、かつ、発生した気泡の表面張力により気泡
の表面に捕捉される。その結果、微粒子は水素吸蔵合金
粉末の表面から離脱すると同時に、気泡と一緒になって
起泡性水溶液の液面に浮遊してくる。
【0016】ついで、浮遊してきた気泡(粒径20μm
以下の微粒子を捕捉した泡)を除去することにより前記
微粒子を除去する。その後、起泡性水溶液中に残留した
水素吸蔵合金粉末(粒径20μm以下の微粒子が除去さ
れた)を濾取し、前記水素吸蔵合金粉末を脱水機で脱水
した後、増粘剤水溶液に投入し、更に、前記増粘剤水溶
液に導電材粉末と結着剤粉末とを添加し、混練すること
により本発明の水素吸蔵合金電極用スラリーを調製す
る。
【0017】尚、前記増粘剤水溶液としては、ポリエチ
レンオキサイド,ポリビニルアルコール,メチルセルロ
ース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ヒドロキ
シプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロースの
群から選ばれる1種または2種以上をイオン交換水また
は蒸留水に所定量溶解したものを用いることができる。
【0018】導電材粉末としては、後に製造される水素
吸蔵合金電極の導電性を高めて負極としての集電能を向
上させるものであれば格別限定されるものではなく、例
えば、コバルト粉,銅粉,カーボン粉,ニッケル粉,カ
ーボニルニッケル粉等を用いることができる。結着剤粉
末としては、水素吸蔵合金電極を製造する際に、導電基
材に担持される各水素吸蔵合金粉末の相互結着を強め、
これらが導電基材から剥落することを防止することがで
きるものであれば格別限定されるものではなく、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン粉末,ポリエチレン粉
末,ポリプロピレン粉末,ポリビニリデンフルオライド
粉末等を用いることができる。
【0019】また、前記水素吸蔵合金粉末の脱水に際し
て水素吸蔵合金粉末の加熱乾燥処理を行うと、水素吸蔵
合金粉末の表面が酸化し、電池の組立時にその酸化物が
アルカリ電解液に溶解して水酸化物となって水素吸蔵合
金の活性表面を覆い、もって、充電時における電池内圧
の上昇を引き起こすことになるので、通常、水素吸蔵合
金粉末の脱水に際しては加熱乾燥処理は行わない。
【0020】更に、上述のような水素吸蔵合金電極用ス
ラリーの製造方法において、本発明では、特に、前記起
泡性水溶液としてスラリー調製用の増粘剤水溶液それ自
体を用い、気泡を除去した後の増粘剤水溶液に、そのま
ま、導電材粉末と結着剤粉末とを添加してスラリーを調
製すると、処理後の水素吸蔵合金粉末の濾取,脱水など
の操作を行うことが不要になり、工程の省略を実現する
ことができるので好適である。
【0021】このとき、増粘剤水溶液としては、ポリエ
チレンオキサイド,ポリビニルアルコール,メチルセル
ロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ヒドロ
キシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース
の群から選ばれる1種または2種以上をイオン交換水ま
たは蒸留水に所定量溶解したものを用いることが好まし
い。特に、メチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースは起泡性
に優れているため好適である。
【0022】尚、起泡性水溶液として増粘剤水溶液を用
いる場合は、増粘剤水溶液の濃度が所望するスラリーの
濃度になるように、あらかじめ、増粘剤水溶液を所定濃
度に設定しておくことが好ましい。以上のようにして調
製されたスラリーに、例えばパンチングニッケルシート
のような導電基材を浸漬したのち、それを引き上げて導
電基材の表面にスラリーを付着させ、その後、乾燥,圧
延処理を順次行うことにより、水素吸蔵合金電極が製造
される。
【0023】
【作用】起泡性水溶液に、インゴットを機械的に粉砕し
て得られた水素吸蔵合金粉末を添加し、起泡させると、
前記起泡性水溶液の界面活性作用により、粒径20μm
以下の微粒子は、水素吸蔵合金粉末の表面から除去さ
れ、かつ、発生した気泡の表面張力により気泡の表面に
微粒子が捕捉される。そして、前記微粒子が捕捉されて
いる気泡が、分散液の液面に浮上したところを当該気泡
ごと除去することにより、粒径20μm以下の微粒子を
水素吸蔵合金粉末の表面から容易に取り除くことができ
る。よって、前記分散液中に残留した水素吸蔵合金粉末
のみを用いてスラリーを調製し、そのスラリーから電極
を製造すると、前記微粒子の悪影響が除去されるので、
電極特性が向上する。
【0024】また、起泡性水溶液として、増粘剤水溶液
それ自体を用いると、粒径20μm以下の微粒子を除去
した後の水素吸蔵合金粉末を含有している水溶液を、ス
ラリー調製用の増粘剤水溶液としてそのまま用いること
ができるので、残留した水素吸蔵合金粉末を濾取および
脱水する工程を省略することができる。
【0025】
【実施例】
実施例1 アーク溶解法で、組成:MmNi3.3 Co1.0 Mn0.4
Al0.3 (ただし、Mmはミッシュメタルを表す)で示
される水素吸蔵合金を溶製し、そのインゴットをボール
ミルで粉砕して、150メッシュ(タイラー篩)下の粉
末を得た。
【0026】この水素吸蔵合金粉末の表面状態を顕微鏡
(倍率200倍)で観察したところ、図1で示したよう
に、水素吸蔵合金粉末の表面には多数の微粒子が付着し
ていた。また、粉砕直後の水素吸蔵合金粉末に対し、累
積粒度分布を測定した。その結果を図3に示す。図3か
ら明らかなように、微粒子を除去する前(処理前)の粒
径20μm以下の微粒子の累積は、10〜12%程度で
あった。尚、水素吸蔵合金粉末の粒度分布は、レーザー
式粒度分布測定装置LMS−24(セイシン企業(株)
製)を用いて測定した。
【0027】ついで、この水素吸蔵合金粉末1000g
を、2リットルの起泡性水溶液(メチルセルロースを0.
1%含有しているイオン交換水から成る)が収容された
処理槽の中へ投入し、処理槽の底部よりアルゴンガスを
吹き込み20分間バブリングを行い、前記起泡性水溶液
を起泡させた。その後、前記起泡性水溶液の液面に浮遊
してきた気泡を除去し、ひきつづき残留した水素吸蔵合
金粉末を濾取した。この時の水素吸蔵合金粉末の収量は
約80%であった。
【0028】得られた水素吸蔵合金粉末の一部の表面状
態を顕微鏡(倍率200倍)で観察した。その結果を模
式図として図2に示した。図2から明らかなように、水
素吸蔵合金粉末表面に付着している微粒子はほぼ完全に
除去されている。また、微粒子を除去した後(処理後)
の水素吸蔵合金粉末に対し、微粒子を除去する前(処理
前)の累積粒度分布測定と同様にして、累積粒度分布を
測定した。その結果を図3に合わせて示す。図3の結果
から明らかなように、微粒子を除去した後(処理後)の
粒径20μm以下の微粒子の累積は2〜3%程度であ
り、前記微粒子は、ほぼ完全に除去されている。
【0029】つまり、本発明の微粒子を除去する工程
は、粒径20μm以下の微粒子の除去に有効であること
がわかる。次に、得られた水素吸蔵合金粉末を脱水機で
脱水し、得られた合金粉末を、200gの増粘剤水溶液
(カルボキシメチルセルロースを1%含有しているイオ
ン交換水から成る)に添加し、更に、導電材粉末として
Ni粉末(粒径:0.5μm)を80g,結着剤粉末とし
てポリビニリデンフルオライド粉末(粒径:3μm)を
16g添加して水素吸蔵合金電極用スラリーを調製し
た。
【0030】このスラリーに、厚み0.07mm,開孔率
38%(孔径1.5mm)のパンチングニッケルシートを
浸漬したのち引き上げ、ついで大気中で乾燥し、2to
n/cm2 の圧力で圧延して厚み0.4mmの負極シート
を製造した。一方、厚み1.6mm,多孔度96%のスポ
ンジ状ニッケルシートに、Ni(OH)2 粉93重量
%,Ni粉3重量%,CoO粉4重量%から成る混合粉
に1.2%濃度のカルボキシメチルセルロース水溶液を添
加して調製した活物質合剤を充填し、80℃で2時間乾
燥したのち2ton/cm2 の圧力で圧延して正極シー
トを製造した。尚、活物質合剤の充填量は4.4gであ
る。
【0031】これら正極シートと負極シートの間にナイ
ロンセパレータを配置して全体を渦巻き状に卷回して直
径13mmの発電要素にし、これを、鋼にニッケルめっ
きが施されている内径13.2mmの円筒容器に収容し、
比重1.38のKOH水溶液を注入したのちふたをして3
種類の密閉型円筒電池を製造した。これらの各電池につ
き、下記の仕様で充電し、電池内圧を測定した。
【0032】充電:1C,4.5時間、温度:20℃。 また、下記の仕様で充放電サイクル試験を行い、定格の
80%,60%になるまでのサイクル回数を計測した。 充電:1C,−ΔV制御、温度:20℃。 放電:1C,放電終止電圧1.0V、温度20℃。
【0033】更に、20℃における急放電試験、すなわ
ち、20℃において0.2Cで7.5時間の充電を行ったの
ち、20℃において3Cで1.0Vまでの放電を行い、3
C/0.2C放電容量比を測定した。以上の結果を一括し
て表1に示した。 実施例2 実施例1で用いたものと同様の機械的に粉砕した水素吸
蔵合金粉末1000gを、イオン交換水2000gとメ
チルセルロース30gとからなる溶液が入れられた処理
槽の中へ投入し、処理槽の底部よりアルゴンガスを吹き
込み20分間バブリングを行い、前記溶液を起泡させ
た。その後、前記溶液の液面に浮遊してきた気泡を除去
した。このとき、残留した水素吸蔵合金粉末の一部を濾
取し、得られた水素吸蔵合金粉末の表面状態を顕微鏡
(倍率200倍)で観察した。その結果、実施例1と同
様に水素吸蔵合金粉末表面の微粒子はほぼ完全に除去さ
れていた。
【0034】次に、残留した水素吸蔵合金粉末を含有し
た前記溶液に対して、上澄み部分を除去し、ついで、導
電材粉末としてNi粉末(粒径:0.5μm)を80g,
結着剤粉末としてポリビニリデンフルオライド粉末(粒
径:3μm)を16g添加して水素吸蔵合金電極用スラ
リーを調製した。その後、前記水素吸蔵合金電極用スラ
リーを用いて実施例1と同様の条件で水素吸蔵合金電極
を製造してこれを実施例2とし、これを用いて実施例1
と同じ構造の電池を製造した。この電池についても、実
施例1と同様の条件で、電池内圧,充放電サイクル寿
命,急放電特性を測定し、その結果を表1に併記した。
【0035】比較例1 機械的に粉砕した水素吸蔵合金粉末をイオン交換水に投
入して全体を攪拌した後放置し、上澄液を除去する傾斜
法を用いて微粒子除去操作を行ったことをのぞいては実
施例1と同様にして電池を製造した。この電池について
も、実施例1と同様の条件で、電池内圧,充放電サイク
ル寿命,急放電特性を測定し、その結果を表1に併記し
た。
【0036】尚、傾斜法により得られた水素吸蔵合金粉
末の収量は70%であり、この微粒子除去には30分以
上の時間を要した。また、微粒子を除去した後の水素吸
蔵合金粉末の累積粒度分布を実施例1と同様にして測定
し、その結果を図3に併記した。図3の結果から明らか
なように、傾斜法による微粒子除去では、粒径20μm
以下の微粒子の累積は5%程度であり、実施例1に比
べ、前記微粒子が充分除去されていないことがわかる。
【0037】比較例2 機械的に粉砕した水素吸蔵合金粉末1000gを、微粒
子除去を行わずにそのまま200gの増粘剤水溶液(カ
ルボキシメチルセルロースを1%含有しているイオン交
換水から成る)に添加し、更に、導電材粉末としてNi
粉末(粒径:0.5μm)を100g,結着剤粉末として
ポリビニリデンフルオライド粉末(粒径:3μm)を2
0g添加して水素吸蔵合金電極用スラリーを調製した。
【0038】実施例1と同様の条件で前記スラリーから
水素吸蔵合金電極を製造してこれを比較例2とし、これ
を用いて実施例1と同じ構造の電池を製造した。この電
池についても、実施例1と同様の条件で、電池内圧,充
放電サイクル寿命,急放電特性を測定し、その結果を表
1に併記した。
【0039】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明方法で製造した
水素吸蔵合金粉末スラリーを用いて製造した負極が組み
込まれているニッケル−水素二次電池は、充電時におけ
る電池内圧も低く、サイクル寿命も長く、また、急放電
特性も優れている。
【0040】
【発明の効果】請求項1の水素吸蔵合金電極用スラリー
の製造方法は、起泡性水溶液に水素吸蔵合金粉末を分散
させ、ガスを吹き込むことによって起泡させることによ
り、起泡性水溶液の界面活性作用により水素吸蔵合金粉
末の表面に付着している粒径20μm以下の微粒子を当
該水素吸蔵合金粉末表面から離脱させ、かつ、気泡の表
面張力によって、微粒子が気泡に捕捉されるので、この
気泡を取り除くことにより、水素吸蔵合金の目標組成か
ら大幅にずれた微粒子を容易に、且つほぼ完全に除去す
ることができる。その結果、この水素吸蔵合金は本来の
性能を発揮し、充電時における内圧上昇が抑えられ、充
電サイクル寿命が長くなり、しかも急放電特性が優れた
電池を得ることができる。
【0041】請求項2の水素吸蔵合金電極用スラリーの
製造方法は、起泡性水溶液としてスラリー調製用の増粘
剤水溶液それ自体を用い、微粒子を除去した後の水溶液
をそのまま水素吸蔵合金電極用スラリーの製造に使用す
るので、水素吸蔵合金粉末は常に溶液中に存在するため
酸化を有効に防止することができるとともに、残留した
水素吸蔵合金粉末の濾取および脱水の工程を省略できる
ので、製造効率を向上させることができる。
【0042】請求項3の水素吸蔵合金電極用スラリーの
製造方法では、用いる起泡性水溶液が、特に起泡性に優
れた、メチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース,ヒドロキシプロピルセルロースの群から選ば
れる1種もしくは2種以上を含んでいるので、ガス吹き
込みによって気泡が効率よく発生して、確実に微粒子を
除去することができるとともに、請求項2と同様に水素
吸蔵合金粉末の酸化を防止することができ、また、残留
した水素吸蔵合金粉末の濾取および脱水の工程を省略し
て製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械的粉砕直後の水素吸蔵合金粉末の表面状態
を例示する模式図である。
【図2】微粒子を除去した後の水素吸蔵合金粉末の表面
状態を例示する模式図である。
【図3】水素吸蔵合金粉末の累積粒度分布を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 水素吸蔵合金粉末 2 微粒子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的に粉砕した水素吸蔵合金粉末を起
    泡性水溶液に分散させる工程;前記水素吸蔵合金粉末が
    分散している起泡性水溶液にガスを吹き込み気泡を発生
    させる工程;前記気泡に捕捉された粒径20μm以下の
    微粒子を気泡ごと除去する工程;得られた水素吸蔵合金
    粉末と導電材粉末と結着剤粉末とを増粘剤水溶液に添加
    してスラリーを調製する工程;を必須工程として備えて
    いることを特徴とする水素吸蔵合金電極用スラリーの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記起泡性水溶液として増粘剤水溶液を
    用い、気泡を除去した後の増粘剤水溶液に、ただちに、
    導電材粉末と結着剤粉末とを添加してスラリーを調製す
    る請求項1の水素吸蔵合金電極用スラリーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記起泡性水溶液として、メチルセルロ
    ース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ヒドロキ
    シプロピルセルロースの群から選ばれる1種もしくは2
    種以上をイオン交換水または蒸留水に溶解した増粘剤水
    溶液を用いた請求項2の水素吸蔵合金電極用スラリーの
    製造方法。
JP6217680A 1994-09-12 1994-09-12 水素吸蔵合金電極用スラリーの製造方法 Pending JPH0883614A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000294235A (ja) * 1999-04-09 2000-10-20 Santoku Corp 電池用水素吸蔵合金粉末及びその製造方法
US7517581B2 (en) 2003-09-26 2009-04-14 Parker-Hannifin Corporation Semipermeable hydrophilic membrane
CN110444757A (zh) * 2019-08-28 2019-11-12 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种单晶锂离子电池三元电极材料前躯体、电极材料及其制备方法以及应用

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